以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態に係る省エネルギー装置100及び省エネルギーシステム1000の構成例を示す。図2は、本発明の一実施形態に係る区画400の構成例を示す。
省エネルギーシステム1000は、省エネルギー装置100及び機器制御端末300を備える。省エネルギー装置100は、ネットワーク200及び機器制御端末300を介して、区画400内の接続機器410を制御する。省エネルギー装置100は、機器制御端末300を介することなく区画400内の接続機器410を制御してもよい。ネットワーク200は、データを送受信する通信ネットワークであり、例えばインターネットである。
図2に示されるように、区画400は、複数の接続機器410を有する。接続機器410は、建物のエネルギー供給系統に接続されている機器である。例えば、接続機器410は、電気系統に接続されている空調機器412、照明機器414及びセンサ416である。接続機器410は、コンピュータ機器又はネットワーク機器であってもよい。接続機器410は、ガス系統に接続されている機器であってもよい。
区画400は、接続機器410の消費電力を計測する電力計測器420を有してもよい。電力計測器420は、例えば、空調機器412、照明機器414及びセンサ416のそれぞれが消費する電力を計測し、計測した電力の合計値を、機器制御端末300を介して省エネルギー装置100に通知する。電力計測器420は、空調機器412、照明機器414及びセンサ416のそれぞれが消費する電力の値を省エネルギー装置100に通知してもよい。
機器制御端末300は、区画400内の接続機器410に接続されている。機器制御端末300は、複数の接続機器410と有線通信回線又は無線通信回線により接続されてよい。機器制御端末300は、有線通信回線又は無線通信回線を介して、接続機器410との間でデータを送受信する。例えば、機器制御端末300は、省エネルギー装置100から受けたデータに基づいて、接続機器410を制御するデータを接続機器410に送信する。機器制御端末300は、接続機器410の状態を示すデータを接続機器410から受信して、省エネルギー装置100に送信してもよい。
省エネルギーシステム1000は、操作端末310を備えてもよい。操作端末310は、ネットワーク200を介して省エネルギー装置100との間でデータを送受信することにより、省エネルギー装置100に設定データを登録する。操作端末310は、区画400の予約時間を含む予約情報を省エネルギー装置100に送信してもよい。操作端末310は、データを入力する操作部、及び、データを表示する表示部を有する。操作端末310は、例えばパーソナルコンピュータである。
省エネルギー装置100は、建物内の複数の区画400(区画400−1、区画400−2及び区画400−3)のそれぞれに設けられた接続機器410の消費エネルギーを制御する。区画400は、例えば、空気の対流を遮断する壁又はパーティションにより囲まれた領域である。区画400は、一例として、居室、会議室、応接室及び玄関ホールである。
省エネルギー装置100は、任意の数の区画400を制御してよい。例えば、省エネルギー装置100は、1個の区画400を制御してもよく、k個の区画を制御してもよい。ただし、kは2以上の整数である。
省エネルギー装置100は、運転制御部110、テンプレート記憶部112、予約時間記憶部114及び送受信部116を有する。テンプレート記憶部112は、それぞれの区画400の接続機器410を制御する手順を定めた複数のテンプレートを記憶する。テンプレートは、例えば、接続機器410の動作を開始するタイミング、接続機器410の動作を停止するタイミング及び接続機器410の動作モードを定義するプログラムである。テンプレートは、接続機器410の動作を開始するタイミング、接続機器410の動作を停止するタイミング及び接続機器410の動作モードを定義する数値群であってもよい。
テンプレート記憶部112は、例えば、複数の区画400における複数の接続機器410を制御する手順を定めたテンプレートを記憶する。テンプレート記憶部112は、それぞれの区画400内の接続機器410を制御する手順を定めたテンプレートを、それぞれの区画400に対応づけて記憶してもよい。
テンプレート記憶部112は、区画400の種別に応じて異なるパターンで接続機器410を制御する複数の異なるテンプレートを記憶してもよい。一例として、テンプレート記憶部112は、区画400−1における照明機器414を全て点灯し、かつ、区画400−2における照明機器414を半分だけ点灯するというテンプレートを記憶する。テンプレート記憶部112は、区画400−1における空調機器412を常時運転し、かつ、区画400−2における空調機器412を間欠運転するというテンプレートを記憶してもよい。
テンプレート記憶部112は、複数の区画400における接続機器410の動作モードがそれぞれ異なる複数のテンプレートを記憶してもよい。例えば、テンプレート記憶部112は、区画400−1においては空調機器412の冷房機能を間欠運転し、かつ、照明機器414の照度を低下させることにより節電量を大きくする「ハード省エネルギーモード」を使用し、区画400−2においては、空調機器412の冷房機能を常時運転することにより、「ハード省エネルギーモード」よりは節電量が小さな「ソフト省エネルギーモード」を使用するテンプレートを記憶する。当該テンプレートは、区画400−1を社員のみが使用し、区画400−2を社員及び来客が使用する場合に適している。
テンプレート記憶部112は、複数の区画400を使用する業種、業態又はワークスタイルに応じて異なるパターンで接続機器410を制御する複数の異なるテンプレートを記憶してもよい。例えば、テンプレート記憶部112は、照度よりも温度を優先する制御パターンを有するコンピュータ室用テンプレートと、温度よりも照度を優先する制御パターンを有する事務所系テンプレートと、温度及び照度のバランスを優先する店舗用テンプレートとを記憶する。
テンプレート記憶部112は、季節に応じて異なる種類のテンプレートを記憶してもよい。例えば、テンプレート記憶部112は、空調機器412の冷房機能を使用する夏用のテンプレートと、空調機器412の暖房機能を使用する冬用のテンプレートとを記憶する。
予約時間記憶部114は、それぞれの区画400の予約時間を記憶する。例えば、予約時間記憶部114は、区画400に対応づけて、区画400の使用が開始される予定の時刻、及び、区画400の使用が終了する予定の時刻を記憶する。運転制御部110は、接続機器410の運転制御に用いる実行テンプレートを複数のテンプレートから選定する。運転制御部110は、実行テンプレートに従ってそれぞれの区画400の接続機器410の運転を制御する。
運転制御部110は、接続機器410の状態及び接続機器410が設けられた区画400の状態の少なくとも1つの変化に応じて、実行テンプレートを再選定してよい。例えば、運転制御部110は、予約時間に基づいて、接続機器410の運転制御に用いる実行テンプレートを複数のテンプレートから選定する。
例えば、運転制御部110は、区画400の使用開始予定時刻及び使用終了予定時刻ごとに、実行テンプレートを変更する。運転制御部110は、予定時刻よりも予め定められた時間だけ早く又は遅く実行テンプレートを変更してもよい。一例として、運転制御部110は、区画400の使用開始予定時刻に対して、接続機器410の動作により区画400の室内温度が安定するまでの時間だけ早く、実行テンプレートを変更する。
予約時間記憶部114は、区画400の用途を示す用途情報をさらに記憶してもよい。例えば、予約時間記憶部114は、区画400が、来客を伴う会議に使用される応接室であるのか、来客を伴わない会議に使用される会議室であるのかを示す用途情報を、予約時間に対応づけて記憶する。運転制御部110は、予約時間及び用途情報に基づいて選定した実行テンプレートに従って、区画400における接続機器410の運転を制御してもよい。
図3A及び図3Bは、それぞれの区画400の予約時間に応じて選定される複数のテンプレートの一例を示す。図3Aは、会議室A、会議室C及び応接室Aが予約されている時間において運転制御部110が選定するテンプレートの一例である。図3Bは、会議室C、応接室A及び応接室Bが予約されている時間において運転制御部110が選定するテンプレートの一例である。
運転制御部110は、会議室B及び応接室Bが予約されていない時間においては、会議室B及び応接室Bにおける接続機器410を「デフォルトモード」で運転させる。「デフォルトモード」において、運転制御部110は、例えば、空調機器412及び照明機器414の運転を停止する。
運転制御部110は、会議室A及び会議室Cが予約されている時間においては、会議室A及び会議室Cにおける接続機器410を「ハード省エネルギーモード」で運転させる。運転制御部110は、応接室Aが予約されている時間においては、応接室Aにおける接続機器410を、「ハード省エネルギーモード」よりも消費エネルギーが大きく、冷房力又は暖房力が大きい「ソフト省エネルギーモード」で運転させる。
このように、運転制御部110は、区画400の予約時間に応じて選定された図3A及び図3Bに示されるテンプレートでそれぞれの区画400の接続機器410を制御する。したがって、会議室等の予約状況に応じて、それぞれの区画400の消費エネルギーを制御できるので、使用される区画400の快適性を維持しつつ、建物全体の消費エネルギーを抑制することができる。
また、運転制御部は、さらに区画400の用途に応じて選定されたテンプレートでそれぞれの区画400の接続機器410を制御する。したがって、来客を伴う会議が行われる応接室Aにおいて、来客を伴わない会議が行われる会議室A及び会議室Cに比べて快適な環境を維持しつつ、建物全体としての消費エネルギーを抑制することができる。
運転制御部110は、複数の区画400の予約状況に基づいてテンプレートを選定してもよい。例えば、会議室Bが、10時から11時までの間に、来客を伴う会議に用いるために予約されているとする。
運転制御部110は、10時から11時までの間においては、会議室Aを「ハード省エネルギーモード」で動作させると共に会議室Bを「ソフト省エネルギーモード」で動作させる。以上のとおり、運転制御部110が、予約時間及び用途に応じて最適なテンプレートを選定することにより、用途に適した動作モードで動作させるとともに、消費エネルギーを低減することができる。
予約時間記憶部114は、それぞれの区画400に設置されている複数の接続機器の予約時間をさらに記憶してもよい。区画400を予約した人は、区画400を予約した時間内に使用する予定の接続機器を予約することができる。例えば、区画400に第1の照明機器、第2の照明機器、第1の空調機器、第2の空調機器、第1のコンピュータ、第2のコンピュータ、第1のプロジェクタ、第2のプロジェクタが設置されている場合に、ユーザが区画400の収容可能人数よりも少ない人数の会議に用いる場合は、第1の照明機器、第1の空調機器、第1のコンピュータ及び第1のプロジェクタのみが予約される。ユーザが、区画400の収容可能人数と同じくらいの人数の会議に用いる場合は、全ての接続機器が予約される。
テンプレート記憶部112は、区画400に設置されている複数の接続機器の予約内容に対応する複数のテンプレートを記憶してもよい。運転制御部110は、区画400に設定されている接続機器が予約されている時間になると、接続機器の予約内容に応じてテンプレートを切り替える。
例えば、運転制御部110は、空調機器と共に発熱量が大きいコンピュータ及びプロジェクタが予約されている場合には、温度が上昇する可能性が高いので、空調機器の冷却能力を強くする動作モードで動作させるテンプレートを選定する。運転制御部110は、予約されている接続機器の消費電力に応じてテンプレートを選定してもよい。例えば、運転制御部110は、消費電力が大きなコンピュータが予約されている場合には、区画400で消費する電力を抑制するために、空調機器の冷却能力を予約する。
以上のとおり、運転制御部110が、区画400に設置されている接続機器の予約状況に応じて実行テンプレートを選定することにより、接続機器の使用状況に応じて適切な環境を提供できると共に、省エネルギーを実現することができる。
図4は、他の実施形態に係る省エネルギー装置100及び省エネルギーシステム1000の構成例を示す。図4における省エネルギー装置100は、図1に示した省エネルギー装置100に対して、状態取得部118をさらに有する。状態取得部118は、接続機器410が接続された機器制御端末300から、それぞれの区画400の状態を示す区画状態信号を取得する。例えば、状態取得部118は、機器制御端末300を介して、区画400に設けられたセンサ416から、区画400における人の存在の有無を示す在室状態信号、区画400の温度を示す温度情報信号、及び、区画400の照度を示す照度信号のいずれかを取得する。センサ416は、例えば、人感センサ、温度センサ及び照度センサである。
運転制御部110は、予約時間及び区画状態信号に基づいて、実行テンプレートを選定し、選定した実行テンプレートに従って、機器制御端末300に接続機器410の運転を制御させてよい。運転制御部110は、在室状態信号、温度情報信号、及び、照度信号の少なくとも一つの変化に応じて、実行テンプレートを再選定させてもよい。
例えば、運転制御部110は、区画400が予約されている時間において、人が不在であることを区画状態信号が示している場合には、区画400における消費エネルギーを小さくする動作モードに対応するテンプレートを再選定する。運転制御部110は、区画400が予約されている時間において人が不在である場合には、区画400が予約されていない時間における動作モードよりは、消費エネルギーが大きい動作モードで動作してもよい。運転制御部110がこのように動作することにより、一時的に人が不在になっただけである場合に、室内温度の急激な変化を防ぐことができる。
状態取得部118が、区画400における人の存在の有無を示す在室状態信号を取得する場合において、運転制御部110は、区画400の予約開始時刻から予め定められた時間を経過しても在室状態信号が変化しない場合には、機器制御端末300に接続機器410の運転を停止させるとともに、予め定められたアドレスに電子メールを送信してもよい。例えば、運転制御部110は、区画400の予約をした人のアドレスに電子メールを送信する。運転制御部110は、区画400の管理者のアドレスに電子メールを送信してもよい。
運転制御部110は、送信した電子メールに対して返信されたメールの内容に基づいて、実行テンプレートを再選定してもよい。例えば、運転制御部110は、区画400の予約をキャンセルすることが返信メールに示されている場合には、区画400における消費エネルギーを低減することができるテンプレートに変更する。
運転制御部110は、電子メールを送信してから予め定められた時間が経過した後に、実行テンプレートを再選定することにより、区画400における消費エネルギーを低減させてもよい。運転制御部110がこのように接続機器410の運転を制御することにより、区画400の使用開始時間が遅れているに過ぎない場合に、接続機器410をすぐに停止しないで区画400を適切な環境に維持するとともに、区画400の使用が中止されている場合に無駄なエネルギーを消費し続けることを防止できる。
運転制御部110は、在室状態信号の変化に応じて、予め定められたアドレスに電子メールを送信してもよい。運転制御部110は、在室状態信号の変化により、区画400に人が入ってきたことを検知すると、予約情報記憶部114から区画400の予約情報を取得してもよい。運転制御部110は、区画400が予約されていないにもかかわらず人を検知した場合には、予め定められたアドレスに電子メールを送信してもよい。例えば、運転制御部110は、区画400の管理者に電子メールを送信する。
運転制御部110は、在室状態信号が変化した後に所定の時間が経過すると、予約されていない状態で在室になった場合に使用するテンプレートを選定してもよい。例えば、区画400の気密性が高い場合には、空調機器を使用しないで長時間に渡って区画400に滞在することが健康に害を及ぼす可能性がある。そこで、運転制御部110は、予約されていない区画400の在室状態信号が変化して在室状態を示してから所定の時間が経過した後に、予約された状態で在室状態になった場合に選定するテンプレートよりも消費エネルギーが小さいテンプレートを選定してよい。
運転制御部110は、予約されていない区画において人を検知してから所定の時間が経過すると電子メールを送信し、さらに所定の時間が経過した後にも人を検知しているときに、予約された状態で在室状態になった場合に選定するテンプレートよりも消費エネルギーが小さいテンプレートを選定してもよい。運転制御部110は、人を検知しなくなった時点でテンプレートに基づく運転を解除してもよい。運転制御部110がこのように制御することにより、テンプレートによる制御を開始させるまでの時間において、区画400の管理者が区画400の状態を確認したり、空調機器の運転の可否を判断したりする時間を確保することができる。
運転制御部110は、実行テンプレートに従って、区画400が予約されている時間の開始前に当該区画400における接続機器410の運転を開始する。例えば、運転制御部110は、区画400が予約されている時間の10分前に、空調機器412の運転を開始することにより、予約開始時間において、区画400を快適な環境にすることができる。
運転制御部110は、区画400の用途種別に応じた時間だけ予約開始時間よりも早く、接続機器410の運転を開始してもよい。例えば、運転制御部110は、来客を伴う会議で使用される区画400−1は、予約開始時間の10分前に空調機器412の運転を開始し、かつ、来客を伴わない会議で使用される区画400−2は、予約開始時間と同時に空調機器412の運転を開始してもよい。運転制御部110がこのように制御することにより、区画400の用途及び予約時間に応じて、区画400に適した環境を提供しつつ、消費エネルギーを低減することができる。
運転制御部110は、接続機器410のそれぞれを異なるタイミングで制御してもよい。一例として、運転制御部110は、区画400が予約されている時間の開始前に空調機器412の運転を開始し、運転制御部110は、空調機器412の運転が開始した後に、照明機器414の運転を開始する。具体的には、運転制御部110は、動作が開始してから効果が生じるまでの時間が長い空調機器412の運転を、予約開始時間の10分前に開始し、かつ、動作が開始してから効果が生じるまでの時間が空調機器412よりも短い照明機器414の運転を、予約開始時間と同時に開始してもよい。運転制御部110は、区画400に人が入ってきたことを検出した時点で照明機器414の運転を開始してもよい。
運転制御部110は、実行テンプレートに従って、区画400が予約されている時間が終了した後に接続機器410の運転を停止する。運転制御部110は、区画400が予約されている時間が終了した後に、区画400に人が残っているか否かに応じて、接続機器410の運転を停止するか否かを判断してもよい。
運転制御部110は、区画400が予約されている時間の次の予約時間に応じて、接続機器410の運転を停止するか否かを判断してもよい。例えば、運転制御部110は、区画400が予約されている時間が終了してから、接続機器410の起動に要する時間以内に次の予約がされている場合には、接続機器410の運転を継続する。
運転制御部110は、区画400を有する建物のいずれかの場所における温度にさらに基づいて、実行テンプレートを選定してもよい。例えば、運転制御部110は、気温が35℃を上回る場合には、気温が35℃以下の場合よりも冷房能力が高いテンプレートを選定する。
運転制御部110は、区画400を有する建物のいずれかの場所における温度にさらに基づいて、実行テンプレートを再選定するタイミングを変化させてもよい。例えば、運転制御部110は、気温が35℃を上回る場合には、気温が35℃以下の場合よりも早く実行テンプレートを再選定する。具体的には、運転制御部110は、気温が予め定められた温度よりも高い場合に、予約開始時間に対して、より早く空調機器412の運転を開始する。
図5は、他の実施形態に係る省エネルギー装置100及び省エネルギーシステム1000の構成例を示す。図5における省エネルギー装置100は、図1に示した省エネルギー装置100における予約時間記憶部114に代えて、目標値記憶部130、区画種別記憶部132、実測値取得部134及び差分値算出部136を有する。
目標値記憶部130は、複数の区画400における総消費エネルギーの目標値を記憶する。例えば、図5に示されるように、建物内に区画400−1、区画400−2及び区画400−3がある場合には、目標値記憶部130は、区画400−1、区画400−2及び区画400−3のそれぞれの区画における接続機器410の瞬時消費電力の合計値の目標値を記憶する。
一例として、目標値記憶部130は、操作端末310において入力された総消費エネルギーの目標値を受けて記憶する。目標値記憶部130は、省エネルギー装置100で入力された総消費エネルギーの目標値を受けてもよい。目標値記憶部130は、例えば日時に対応づけて、予め総消費エネルギーの目標値を記憶していてもよい。目標値記憶部130は、エネルギーを供給する業者から受けた総消費エネルギーの目標値を記憶してもよい。
区画種別記憶部132は、それぞれの区画400の区画種別を記憶する。区画種別とは、区画の用途、区画の面積、区画の使用者、区画の場所及び区画の使用時間など、区画を特徴づける要素である。一例として、区画種別記憶部132は、目標値記憶部130において入力された区画種別を受けて記憶する。具体的には、目標値記憶部130において、省エネルギーシステム1000の使用者が、それぞれの区画400に対応づけて区画の用途を入力する。例えば、操作端末310は、区画400−1は会議室、区画400−2は応接室、区画400−3は居室であることを示す区画種別の入力を受ける。
区画種別記憶部132は、それぞれの区画400に対応づけて節電優先度を記憶してもよい。例えば、区画400−1が社員専用の会議室であり、区画400−2が来客用の応接室である場合に、区画種別記憶部132は、区画400−1の節電優先度を区画400−2の節電優先度を高いものとして記憶する。具体的には、区画種別記憶部132は、区画400−1に対応づけて、第1の節電優先度に対応する値を記憶し、区画400−2に対応づけて、第1の節電優先度よりも低い節電優先度を示す第2の節電優先度に対応する値を記憶してよい。
実測値取得部134は、複数の区画400における総消費エネルギーの実測値を取得する。具体的には、実測値取得部134は、図2に示した電力計測器420により計測された消費エネルギーを機器制御端末300及びネットワーク200を経由して取得する。実測値取得部134は、電力計測器420により計測された消費エネルギーを電力計測器420から直接取得してもよい。
機器制御端末300は、それぞれの区画400に設けられた電力計測器420により計測された消費エネルギーを合算し、合算した値を実測値取得部134に通知する。実測値取得部134は、それぞれの区画400に設けられた電力計測器420により計測された消費エネルギーを取得し、取得した値を合算することにより、複数の区画400における総消費エネルギーの実測値を取得してもよい。
差分値算出部136は、実測値取得部134が取得した実測値から目標値記憶部130が記憶している目標値を引いて差分値を算出する。例えば、目標値記憶部130が記憶している目標値が10kWであるのに対して、実測値が15kWである場合には、差分値算出部136は差分値が5kWであると算出する。目標値記憶部130が記憶している目標値が10kWであるのに対して、実測値が8kWである場合には、差分値算出部136は差分値が−2kWであると算出する。
運転制御部110は、区画種別記憶部132が記憶している区画種別及び差分値算出部136が算出した差分値に基づいて、複数のテンプレートから接続機器410の運転制御に用いる実行テンプレートを選定する。運転制御部110は、選定した実行テンプレートに従って、複数の区画400の接続機器410の運転を制御する。運転制御部110は、実行テンプレートに従って機器制御端末300に接続機器410の運転を制御させてもよい。
運転制御部110は、差分値が正の値である場合には、区画種別が異なる区画400における接続機器410の動作モードがそれぞれ異なるテンプレートを選定する。具体的には、運転制御部110は、差分値が正の値である場合に、節電優先度が高い区画400−1を「ハード省エネルギーモード」で動作させ、かつ、節電優先度が区画400−1よりも低い区画400−2を、「ハード省エネルギーモード」よりも消費エネルギーが大きな「ソフト省エネルギーモード」で動作させるテンプレートを選定してよい。
運転制御部110は、差分値が負の値である場合には、区画種別によらず、同一の動作モードとなるテンプレートを選定してもよい。例えば、運転制御部110は、差分値が負の値である場合には、区画400−1及び区画400−2を共に「ソフト省エネルギーモード」で動作させるテンプレートを選定する。
運転制御部110は、差分値が予め定められた第1差分値よりも大きくなると、節電優先度に基づいて、実行テンプレートを再選定してもよい。例えば、運転制御部110は、差分値が0よりも大きくなり、負の値から正の値に変化すると、節電優先度が高い区画400−1の消費エネルギーを小さくするテンプレートに変更する。運転制御部110は、差分値が正の値から負の値に変化すると、節電優先度が低い区画400−2の消費エネルギーを大きくするテンプレートに変更してもよい。
運転制御部110は、差分値が、第1差分値よりも大きな第2差分値よりも大きくなると、第1の区画400よりも節電優先度が低い第2の区画400における消費エネルギーを低減するべく実行テンプレートを再選定してもよい。具体的には、運転制御部110は、差分値が0よりも大きくなった時点で節電優先度が区画400−2の節電優先度よりも高い区画400−1の消費エネルギーを小さくした後に、差分値が2kWよりも大きくなった時点で、区画400−2における消費エネルギーが小さくなるテンプレートに変更してよい。
運転制御部110は、差分値が予め定められた値よりも大きくなると、区画400の区画種別及び複数の接続機器410の優先度に基づいてテンプレートを再選定してもよい。例えば、窓に近い区画400−1においては、運転制御部110は、照明機器414よりも空調機器412の優先度が高いと判断して、照明機器414の消費エネルギーを削減する空調優先テンプレートを再選定する。
運転制御部110は、接続機器410の消費エネルギー量に基づいて、実行テンプレートを再選定してもよい。例えば、運転制御部110は、差分値が予め定められた第1差分値よりも大きくなると、最も消費エネルギーが大きい接続機器410−1を停止するテンプレートに変更し、差分値が第1差分値よりも大きな第2差分値よりも大きくなると、接続機器410−1の次に消費エネルギーが大きい接続機器410−2を停止するテンプレートに変更する。
テンプレート記憶部112は、空調機器412の使用を優先する空調優先テンプレートと、照明機器414の使用を優先する照明優先テンプレートとを記憶してもよい。運転制御部110は、時刻に応じて、空調優先テンプレート及び照明優先テンプレートのいずれを選定するかを決定してもよい。
例えば、運転制御部110は、午後1時から午後4時の間は、空調優先テンプレートを選定する。運転制御部110は、午後5時を過ぎて暗くなってくると、運転制御部110は照明優先テンプレートを選定する。
運転制御部110は、区画種別に基づいて選定した第1の区画400−1における消費エネルギーを低減するべく実行テンプレートを再選定した後に予め定められた時間が経過すると、第1実行テンプレートを変更前の第1実行テンプレートに戻すとともに、第2の区画400−2における消費エネルギーを低減するべく実行テンプレートを再選定してもよい。例えば、運転制御部110は、区画400−1及び区画400−2における不快度に対応づけて定められた時間が経過すると、実行テンプレートを再選定する。運転制御部110は、区画400−1における不快度と区画400−2における不快度の差が予め定められた値よりも大きくなると、それぞれの不快度の差を小さくするべく実行テンプレートを再選定してもよい。省エネルギー装置100は、このような制御により、複数の区画400の環境を均等にすることができる。
運転制御部110は、それぞれの区画400の温度、湿度、照度及人の検出状況のうちの少なくとも一つを示す情報を取得し、取得した情報にさらに基づいて実行テンプレートを再選定してもよい。例えば、運転制御部110は、差分値が予め定められた値よりも大きい場合に、人が検出されない区画400の消費エネルギーを減少させるテンプレートに変更する。運転制御部110は、差分値が予め定められた値よりも大きい場合に、温度、湿度又は照度が予め定められた範囲内の区画400の消費エネルギーを減少させるテンプレートに変更してもよい。省エネルギー装置100は、このような制御により、消費エネルギーを目標値に近づけるとともに、よい環境を維持することができる。
図6は、他の実施形態に係る省エネルギー装置100及び省エネルギーシステム1000の構成例を示す。図6に示す省エネルギー装置100は、図5に示した省エネルギー装置100に対して予約時間記憶部114をさらに有する。図6における予約時間記憶部114は、図1に示した予約時間記憶部114と同等の機能を有し、それぞれの区画400の予約時間を含む情報を記憶する。
運転制御部110は、予約時間記憶部114が記憶している予約時間にさらに基づいて、実行テンプレートを選定する。例えば、午後3時から、区画400−1が予約されており、区画400−2が予約されていないとする。この場合に、運転制御部110は、差分値が予め定められた第1差分値である0kWよりも大きい場合に、午後3時の予約時間に基づいて、予約されていない区画400−2における消費エネルギーを低減するべく実行テンプレートを再選定してもよい。
さらに、運転制御部110は、差分値が第1差分値よりも大きな第2差分値よりも大きい場合に、予約されている区画400における消費エネルギーを低減するべく実行テンプレートを再選定してもよい。例えば、区画400−1が予約されている時間において差分値が2kWよりも大きい場合には、目標値との差分がさらに大きくなることを防ぐべく、運転制御部110は、節電優先度が低い区画400−2においても消費エネルギーを低減することができるテンプレートに変更する。
図7は、他の実施形態に係る省エネルギー装置100及び省エネルギーシステム1000の構成例を示す。図7に示す省エネルギー装置100は、図6に示した省エネルギー装置100に対して状態取得部118をさらに有する。図7における状態取得部118は、図4に示した状態取得部118と同等の機能を有し、それぞれの区画400において人を検出したことを示す人検出信号を取得する。
運転制御部110は、差分値が予め定められた第1差分値よりも大きいと、予約されている区画400のうち、人検出信号が非アクティブ状態で人が検出されていない区画400における消費エネルギーを低減するべく実行テンプレートを再選定する。運転制御部110は、差分値が第1差分値よりも大きな第2差分値よりも大きくなると、さらに人検出信号がアクティブ状態の区画400における消費エネルギーを低減するべく実行テンプレートを再選定する。
運転制御部110は、予約されている区画400の予約時間になってから予め定められた時間が経過した後に、区画400に対応する人検出信号が非アクティブ状態である場合には、予約されている区画400における消費エネルギーを低減するべく実行テンプレートを再選定してもよい。運転制御部110は、差分値の大きさに応じて、予約時間になってから人が来ない場合にテンプレートを再選定するまでの時間を決定してもよい。例えば、差分値が第1差分値よりも大きく、消費エネルギーを削減する必要性が高い場合には、テンプレートを選定するまでの時間を第1の時間とし、差分値が第1差分値よりも小さい場合には、第1の時間よりも長い第2の時間が経過した後に、テンプレートを再選定してよい。
図8は、他の実施形態に係る省エネルギー装置100及び省エネルギーシステム1000の構成例を示す。図8における省エネルギー装置100は、図1に示した省エネルギー装置100における予約時間記憶部114に代えて不快指標算出部140を有する。不快指標算出部140は、接続機器410の設定が変更された量に基づいて、テンプレートに対応する接続機器410のユーザの不快度を示す不快指標を算出する。不快指標は、接続機器410が設けられた区画の状態の1つである。不快指標算出部140は、それぞれのテンプレートに対応して、それぞれの区画400における不快指標の初期値を予め記憶しておいてもよい。
具体的には、不快指標算出部140は、機器制御端末300及びネットワーク200を介して、それぞれの区画400に設けられた接続機器410における設定変更の操作情報を取得する。不快指標算出部140は、例えば、空調機器412における温度変更の操作に応じた情報を取得する。不快指標算出部140は、設定された温度に対応する情報を取得してもよい。
一例として、不快指標算出部140は、接続機器410の設定を変更するためのキーが押下された回数に基づいて、不快指標を算出する。不快指標算出部140は、接続機器410の設定温度の変化量に基づいて、不快指標を算出してもよい。
具体的には、不快指標算出部140は、例えば、不快指標算出部140は、接続機器410の設定を変更する操作が予め定められた回数だけ行われると、不快指標の数値を1だけ大きくする。同様に、不快指標算出部140は、設定温度がn℃変更されるごとに、不快指標を1だけ大きくしてもよい。ここでnは自然数である。
不快指標算出部140は、算出した不快指標を、使用されているテンプレートに対応づけて記憶してもよい。不快指標算出部140は、さらに区画400に対応づけて不快指標を記憶してもよい。不快指標算出部140が不快指標に対応づけてテンプレートを記憶することにより、省エネルギー装置100及び省エネルギーシステム1000は、不快指標を学習することができるので、ユーザの不快度を低減しつつ省エネルギーを実現できる。
運転制御部110は、不快指標に基づいて実行テンプレートを再選定する。例えば、運転制御部110は、不快指標が変化すると、不快指標を小さくすることができるテンプレートに変更する。具体的には、不快指標算出部140が、変化した後の不快指標に対応づけてテンプレートを記憶した後に、運転制御部110は、不快指標に対応付けて記憶されたテンプレートを検索して、より小さな不快指標に対応するテンプレートを再選定する。より具体的には、「ハード省エネルギーモード」で冷房動作をしている空調機器412の温度を下げる操作が行われ、不快指標が大きくなった場合には、運転制御部110は、「ハード省エネルギーモード」よりも消費エネルギーが大きな「ソフト省エネルギーモード」で空調機器412を冷房動作させるテンプレートに変更してよい。
運転制御部110は、不快指標が、接続機器410の設定が変更された量に対応する予め定められた値になると、より大きなエネルギーを消費するべく実行テンプレートを再選定してもよい。例えば、運転制御部110は、不快指標が1だけ大きくなった状態ではテンプレートを変更しないで、不快指標が2だけ大きくなった時点でテンプレートを変更する。
不快指標算出部140は、設定が変更されてから予め定められた時間内に設定の変更を打ち消す変更がされた場合には、不快指標の変更をしない。運転制御部110は、設定が変更されてから予め定められた時間内に設定の変更を打ち消す変更がされると、実行テンプレートを再選定しない。
例えば、不快指標算出部140は、設定変更の誤操作により不快指標を変更することを防ぐべく、温度を下げる方向に設定が変更されてから第1の時間(例えば10秒)以内に温度を上げる方向に設定が変更された場合には、不快指標の変更をしない。不快指標算出部140は、室内環境が安定した状態におけるユーザの不快度に基づいて不快指標を算出するべく、第1の時間より長い第2の時間(例えば5分)以内に温度を上げる方向に設定が変更された場合に、不快指標の変更をしないでもよい。
図9は、他の実施形態に係る省エネルギー装置100及び省エネルギーシステム1000の構成例を示す。図9における省エネルギー装置100は、図8に示した省エネルギー装置100に対して、目標値記憶部130、実測値取得部134及び差分値算出部136をさらに有する。省エネルギー装置100は、区画種別記憶部132をさらに有してもよい。目標値記憶部130、実測値取得部134及び差分値算出部136は、図5に示した目標値記憶部130、実測値取得部134及び差分値算出部136と同等の機能を有する。
運転制御部110は、差分値算出部136が算出した差分値に基づいて、不快指標の変化に応じて実行テンプレートを再選定するか否かを決定する。例えば、運転制御部110は、差分値が第1差分値よりも大きい場合には、消費エネルギーを増大させることを防ぐために、不快指標が大きくなったとしてもテンプレートを変更しない。運転制御部110は、差分値が第1差分値よりも小さな第2差分値よりも小さい場合には、消費エネルギーを増大する余地があると判断して、不快指標が大きくなった場合に、不快指標を小さくするべくテンプレートを変更する。
運転制御部110は、差分値が予め定められた量よりも大きい場合に、不快指標の変化に応じて実行テンプレートを再選定した後に予め定められた時間が経過すると、変更する前の実行テンプレートを再選定してもよい。例えば、運転制御部110は、不快指標が変化してテンプレートを変更してから、室内環境が安定する時間が経過した後に、変更前のテンプレートに戻す。
不快指標算出部140は、変更前のテンプレートに戻された状態で室内環境が安定する時間が経過してから予め定められた時間が経過した後に、接続機器410の設定を変更する操作が行われない場合には、不快指標を小さくする変更をしてもよい。このようにすることで、不快指標算出部140は、室内環境が安定した状態における不快指標を算出することができるので、省エネルギー装置100は、消費エネルギーを抑制しつつ、不快度を下げることができる。
運転制御部110は、接続機器410における消費エネルギーを大きくする方向に設定が変更された場合には、差分値が予め定められた量より小さい場合に、実行テンプレートを再選定してもよい。具体的には、運転制御部110は、差分値が予め定められた量よりも大きい場合には、不快指標の大きさによらず実行テンプレートを再選定しないで、差分値が予め定められた量よりも小さい場合には、不快指標に基づいて実行テンプレートを再選定する。
一例として、運転制御部110は、差分値が目標値よりも大きい場合には、消費エネルギーを増加することが好ましくないと判断し、消費エネルギーを大きくするテンプレートに変更しない。他方、運転制御部110は、差分値が目標値以下である場合には、消費エネルギーを増加させて不快度を低下させることが好ましいと判断し、不快度を低下させるテンプレートに変更する。
ユーザの不快度は、接続機器410が設けられている区画400の温度、湿度及び照度により影響される。例えば、運転制御部110が、外気温が25℃である場合にユーザが快適であると感じるテンプレートを選定すると、外気温が30℃である場合には、ユーザが不快であると感じる。そこで、不快指標算出部140は、接続機器410が動作する場所における環境条件に対応づけて、不快指標を算出してもよい。例えば、不快指標算出部140は、接続機器410が設けられた区画400の周囲温度、湿度及び照度の少なくとも一つに対応づけて不快指標を算出する。
運転制御部110は、区画400の環境条件を取得し、取得した環境条件に対応する不快指標に基づいて、実行テンプレートを選定してよい。例えば、運転制御部110は、接続機器410が設けられている区画400の外気温が30℃である場合には、当該気温に対応する不快指標に基づいてテンプレートを選定する。
一例として、運転制御部110は、ユーザが不快であると感じ始める状態に対応する不快指標を有するテンプレートを選定する。運転制御部110は、このような動作により、必要以上に快適な状態にすることなく消費エネルギーを抑制することができる。
運転制御部110は、差分値が予め定められた第1差分値よりも大きい場合に、複数の区画400のうち不快度が比較的高い区画400−1における消費エネルギーを増加させ、差分値が第1差分値よりも小さい場合に、複数の区画400のうち不快度が区画400−1よりも小さい区画400−2における消費エネルギーを増加させてもよい。省エネルギー装置100は、このように制御することにより、複数の区画における不快度を均等化するとともに、消費エネルギーを抑制することができる。
図10は、他の実施形態に係る省エネルギー装置100及び省エネルギーシステム1000の構成例を示す。図10における省エネルギー装置100は、図9における省エネルギー装置100に対して、予約時間記憶部114をさらに有する。運転制御部110は、予約時間記憶部114が記憶している予約時間と、不快指標算出部140が算出する快適指標に基づいてテンプレートを選定してもよい。運転制御部110は、予約時間、快適指標及び差分値の少なくとも一つに基づいてテンプレートを選定してよい。
運転制御部110は、予約時間に基づいて選定したテンプレートを使用する場合の消費エネルギーと、当該テンプレートに対応する不快指標に基づいて、実行テンプレートを再選定するか否かを決定しもよい。具体的には、運転制御部110は、第1のテンプレートを用いる場合の消費エネルギーと、予約時間外に用いられることが想定され、かつ、第1テンプレートよりも不快指標が大きな第2テンプレートとの消費エネルギーの差が予め定められた大きさより小さい場合に、予約時間が終了しても、第2テンプレートに変更しない。
運転制御部110は、差分値が第1差分値よりも大きな場合には、不快指標によらず、予約時間が終了するとテンプレートを変更し、かつ、差分値が第1差分値以下である場合に、不快指標が予め定められた範囲に対応するテンプレートに変更してもよい。
運転制御部110は、使用している第1テンプレートにおける消費エネルギーに対して、不快指標が小さくなり、かつ、第1テンプレートに対する消費エネルギーの増加量が予め定められた値よりも小さい場合に、不快指標が小さくなる第2テンプレートに変更してもよい。運転制御部110は、差分値が予め定められた値よりも小さい場合に、不快指標が小さくなる第2テンプレートに変更してもよい。
不快指標算出部140は、空調機器412の設定が変更される量に基づいて、温度に関するユーザの不快度を示す空調不快指標を算出し、照明機器414の設定が変更される量に基づいて、照度に関するユーザの不快度を示す照明不快指標を算出してもよい。運転制御部110は、空調不快指標及び照明不快指標の大きさに基づいて、実行テンプレートを空調優先テンプレート及び照明優先テンプレートのいずれかに変更してよい。
例えば、運転制御部110は、空調不快指標及び照明不快指標のうち、より大きな値の不快指標を小さくするべくテンプレートを選定する。運転制御部110は、予め定められた空調機器412と照明機器414との間の優先度にさらに基づいて、空調優先テンプレート及び照明優先テンプレートのいずれかを選定してもよい。
運転制御部110は、差分値が予め定められた値よりも小さく、かつ、空調不快指標が照明不快指標よりも大きい場合には、実行テンプレートを空調優先テンプレートに変更し、差分値が予め定められた値よりも小さく、かつ、照明不快指標が空調不快指標よりも大きい場合には、実行テンプレートを照明優先テンプレートに変更してもよい。
テンプレート記憶部112は、複数の区画400のそれぞれに対応づけて複数のテンプレートを記憶してもよい。不快指標算出部140は、複数の区画400のそれぞれに対応づけて不快指標を算出する。運転制御部110は、それぞれの区画400の不快指標に基づいて、より大きな不快指標を有する区画400の不快度を低減するべく、テンプレートを変更してもよい。
運転制御部110は、さらに差分値に基づいて実行テンプレートを変更してもよい。例えば、差分値がマイナスである場合には、運転制御部110は、不快指標によらず、全ての区画の不快度が低減するべく実行テンプレートを変更する。運転制御部110は、差分値がプラスである場合には、不快指標が予め定められた値よりも大きい区画400のみの不快度を低減するべく実行テンプレートを変更する。運転制御部110は、差分値の値に応じて、不快度を低減させる区画400を決定し、当該決定に基づいてテンプレートを選定してもよい。
図11は、他の実施形態に係る省エネルギー装置100の構成例を示す。図11に示す省エネルギー装置100は、図8に示した省エネルギー装置100と同等の機能を有するが、接続機器410と直接接続されている。図11に示すように、省エネルギー装置100は、機器制御端末300を介することなく一つの接続機器410を直接制御してもよい。
省エネルギー装置100は、接続機器410と一体化されていてもよい。例えば、省エネルギー装置100は、設定変更操作の量に応じて算出される不快指標に基づいて動作が制御される空調機器又は照明機器である。
図12は、他の実施形態に係る省エネルギー装置100及び省エネルギーシステム1000の構成例を示す。図12に示した省エネルギー装置100は、図4に示した省エネルギー装置100に対して、状態表示部150を有する点で異なる。
状態表示部150は、接続機器410の状態を操作端末310に表示する。例えば、状態表示部150は、状態取得部118が、予約されている区画400−1に設けられたセンサ416−1から人が存在することを示す区画状態信号を取得すると、区画400−1のステータスを「利用中」として操作端末310に表示する。状態表示部150は、状態取得部118が、予約されていない区画400−2に設けられたセンサ416−2から人が存在することを示す区画状態信号を取得すると、区画400−2のステータスを「無断利用」として操作端末310に表示する。
さらに、状態表示部150は、予約されているにもかかわらず人の存在を検出できない場合はステータスを「未使用」としてもよい。状態表示部150は、人の存在を検出できないにもかかわらず、空調機器412又は照明機器414のスイッチがオン状態になっている場合には、操作端末310に「未使用」である旨を示す警告表示をする。このように、状態表示部150が、予約情報及び区画状態信号に基づいて区画400の状態を操作端末310に表示することにより、省エネルギー装置100のユーザが区画400の状態をリアルタイムで把握できるので、ユーザに省エネルギーのための行動を促すことができる。
運転制御部110は、状態表示部150が操作端末310に表示する内容に連動してテンプレートを選定してもよい。例えば、運転制御部110は、状態表示部150が操作端末310に「無断利用」と表示してから予め定められた時間が経過した後に、「利用中」と表示した場合に選定するテンプレートよりも消費エネルギーが小さいテンプレートを選定する。運転制御部110は、状態表示部150が操作端末310に「未使用」であることを表示してから予め定められた時間が経過した後に、実行テンプレートを再選定することにより、区画400における消費エネルギーを低減させてもよい。
図13は、他の実施形態に係る省エネルギー装置100を構成するコンピュータ700のハードウェア構成の一例を示す。コンピュータ700は、CPU500、ROM510、RAM520、グラフィックコントローラ530、表示装置540、通信インターフェイス560、通信コントローラ550、ディスクコントローラ570、ハードディスクドライブ580及びCD−ROMドライブ590を備える。コンピュータ700においては、ROM510に格納されたプログラムをCPU500が読み出して実行することにより、省エネルギー装置100として機能する。
CPU500は、ディスクコントローラ570を介してハードディスクドライブ580に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、省エネルギー装置100として機能してもよい。CPU500は、記録媒体600に格納されたプログラムを読み出して実行することにより、省エネルギー装置100として機能してもよい。CPU500は、ネットワークを介して接続されたサーバからダウンロードしたプログラムを実行することにより、省エネルギー装置100として機能してもよい。
CPU500が実行するプログラムは、消費エネルギーを低減するべく接続機器410の運転を制御するための省エネルギープログラムである。例えば、コンピュータ700は、CPU500が省エネルギープログラムを実行することにより、省エネルギー装置100として機能する。
具体的には、CPU500は、プログラムを実行することにより、運転制御部110、状態取得部118、実測値取得部134、差分値算出部136及び不快指標算出部140として機能する。ROM510又はRAM520は、テンプレート記憶部112、予約時間記憶部114、目標値記憶部130及び区画種別記憶部132として機能する。
CPU500は、送受信部116として機能する通信コントローラ550及び通信インターフェイス560を介して、機器制御端末300から接続機器410の状態を示す情報を取得したり、操作端末310において入力された区画400の予約状況を示す情報を取得したりする。例えば、通信インターフェイス560はインターネットに代表されるネットワーク200に接続されており、CPU500は、ネットワーク200に接続された機器制御端末300及び操作端末310から送信された情報を取得する。
また、CPU500は、通信コントローラ550及び通信インターフェイス560を介して接続された操作端末310に、区画種別記憶部132に記憶されている目標値、実測値取得部134が取得した実測値及び差分値算出部136が算出した差分値の少なくとも一つを表示させる。
一例として、コンピュータ700と外部のコンピュータとの間で通信を行う場合には、CPU500は、RAM520上にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理内容に基づいて、通信コントローラ550に対して通信処理を実行するように指示する。通信コントローラ550は、CPU500の制御を受けて、RAM520に格納されたデータをネットワーク200に送信する。
図14は、本実施形態に係る省エネルギープログラムをCPU500が実行する場合のフローチャートの一例を示す。具体的には、図14は、図1に示した区画400が予約されている場合の省エネルギープログラムによる動作を示す。
運転制御部110として機能するCPU500は、予約時間記憶部114から区画400−1の予約開始時刻を読み出す。CPU500は、予約時刻の10分前になると(S100)、テンプレート記憶部112から予約内容に対応するテンプレートを選定する(S102)。これ以降、CPU500は、選定したテンプレートに従って動作する。
CPU500は、テンプレートに従って、空調機器412を起動して「冷房」モードで運転させる(S104)。続いて、予約時刻になると(S106)、照明機器414を点灯させる(S108)。CPU500は、予約時刻から5分が経過した後に(S110)、状態取得部118から人を検出した信号を取得できない場合には(S112)、空調機器412及び照明機器414の電源をオフするとともに(S114)、予め定められたアドレスに電子メールを送信する(S115)。
CPU500は、予約時刻から5分が経過した時点で(S110)、状態取得部118から人を検出した信号を取得できた場合には、空調機器412及び照明機器414を継続して動作させる。
CPU500は、空調機器412を起動させて「冷房」モードでの運転を開始してからα分が経過すると(S116)、空調機器412を「送風」モードに切り替える(S118)。CPU500は、空調機器412を「送風」モードに切り替えてからβ分が経過すると(S120)、空調機器412を再び「冷房」モードで運転させる(S122)。ここで、α及びβは、CPU500が選定したテンプレートに応じて異なる値である。消費エネルギーを低く抑制するモードにおいては、消費エネルギーを低く抑制しないモードに比べてβが大きく、αが小さい。
CPU500は、予約終了時刻になるまでの間(S124)、S116からS122までの動作を繰り返す。CPU500は、予約終了時刻になると、空調機器412の運転を停止する(S126)。CPU500は、予約終了時刻において状態取得部118から人を検出した信号を取得できないにもかかわらず照明機器414が点灯している場合には(S128)、照明機器414を消灯する(S130)。
CPU500は、S116からS122の間に、差分値に応じてテンプレートを変更してもよい。一例として、CPU500は、差分値に応じてα及びβの値を変更する。具体的には、CPU500は、差分値が目標値よりも大きくなると、αを小さくして、βを大きくしてよい。CPU500は、差分値が目標値よりも小さくなると、αを大きくして、βを小さくしてよい。
CPU500は、S116からS122の間に、不快指標に応じてテンプレートを変更してもよい。例えば、CPU500は、不快指標が予め定められた値よりも大きくなると、αを大きくして、βを小さくしてよい。CPU500は、予約時間、差分値及び不快指標のいずれかに基づいて、テンプレートを変更してよい。同様に、CPU500が省エネルギープログラムを実行することにより、本明細書で説明した全ての実施形態を実行できることは、当業者に明らかである。
以上説明したように、本実施形態に係る省エネルギー装置100、省エネルギーシステム1000及び省エネルギープログラムによれば、複数の異なる区画がある場合に、それぞれの区画が予約されている時間に応じて室内温度を個別に制御することができるので、消費エネルギーを抑制することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。