JP5467728B2 - 薄膜電界効果型トランジスタおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
これらFPDは、ガラス基板上に設けた非晶質シリコン薄膜や多結晶シリコン薄膜を活性層に用いる電界効果型薄膜トランジスタ(以後の説明で、Thin Film Transistor、もしくはTFTと記載する場合がある)のアクティブマトリクス回路により駆動されている。
しかし、上述のシリコン薄膜を用いるトランジスタの製造は、比較的高温の熱工程を要し、一般的に耐熱性の低い樹脂基板上に直接形成することは困難である。
そこで、低温での成膜が可能なZnOに代表される酸化物半導体を活性層に用いた薄膜トランジスタの研究及び開発が近年盛んに行われている。特にアモルファス酸化物半導体、例えば、In−Ga−Zn−O系アモルファス酸化物は低温での成膜で、高面内特性均一性かつ高移動度が可能であることから、樹脂基板上に室温成膜可能トランジスタの活性層の材料として注目され、アモルファス酸化物半導体を活性層に用いるTFTの開発が活発に行われている(例えば、非特許文献1参照)。
<1> 基板上にゲート電極、成膜圧力が0.40Pa以上0.60Pa以下で形成されたゲート絶縁膜、アモルファス酸化物半導体からなる活性層、ソース電極、ドレイン電極を有する薄膜電界効果型トランジスタであって、前記ゲート絶縁膜のダングリングボンド密度が5×1016cm−3以下であり、かつ前記ゲート絶縁膜中の水素濃度が1×1019cm−3以下であり、かつ前記活性層と前記ソース電極および前記ドレイン電極の少なくとも一方との間に更に抵抗層を有し、かつ前記抵抗層は前記活性層の電気伝導度より小さい電気伝導度を有し、かつ前記抵抗層の電気伝導度に対する前記活性層の電気伝導度の比率(活性層の電気伝導度/抵抗層の電気伝導度)は、10 1 以上10 10 以下であり、かつ前記活性層の電気伝導度は10 −4 Scm −1 以上10 2 Scm −1 未満であり、かつ前記抵抗層の電気伝導度は10 −1 Scm −1 以下であり、かつ前記抵抗層の厚みは前記活性層の厚みより厚く、かつ前記活性層の厚み/前記抵抗層の厚みは1を超え100以下であり、かつ前記活性層の膜厚は1nm以上100nm以下で、かつ前記抵抗層の膜厚が10nm以上100nm以下であることを特徴とする薄膜電界効果型トランジスタ。
<2> 前記抵抗層がIn,Ga,Zn及びSnよりなる群から選ばれる少なくとも一種を含むアモルファス酸化物半導体を含有することを特徴とする<1>に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<3> 前記ゲート絶縁膜が絶縁膜材料としてSi化合物を含有することを特徴とする<1>又は<2>に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<4> 前記Si化合物が酸化シリコン(SiOx)であることを特徴とする<3>に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<5> 前記ゲート絶縁膜中の水素濃度が1018cm−3未満であることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか1項に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<6> 前記活性層のアモルファス酸化物半導体が、In、Ga,Zn及びSnよりなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする<1>〜<5>のいずれか1項に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<7> 前記活性層のアモルファス酸化物半導体が、Inを含むことを特徴とする<6>に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<8> 前記アモルファス酸化物半導体が、Zn又はGaをさらに含有することを特徴とする<7>に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<9> 前記アモルファス酸化物半導体が、ZnとGaとをさらに含有することを特徴とする<7>に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
<10> <1>〜<9>のいずれかに記載の薄膜電界効果型トランジスタの製造方法であって、前記ゲート絶縁膜をArガスに対する酸素ガスの流量比(O2流量/Ar流量)が10%以上の雰囲気下で、かつ成膜圧力が0.40Pa以上0.60Pa以下で、スパッタ法により形成することを特徴とする薄膜電界効果型トランジスタの製造方法。
<11> 前記ゲート絶縁膜を150℃以下の温度で形成することを特徴とする<10>に記載の薄膜電界効果型トランジスタの製造方法。
本発明のTFTは、少なくとも、ゲート電極、成膜圧力が0.40Pa以上0.60Pa以下で形成されたゲート絶縁膜、活性層、ソース電極及びドレイン電極を順次有し、ゲート電極に電圧を印加して、活性層に流れる電流を制御し、ソース電極とドレイン電極間の電流をスイッチングする機能を有するアクテイブ素子である。TFT構造として、スタガ構造及び逆スタガ構造いずれをも形成することができる。
本発明のTFTについて詳細に説明する。
本発明に於けるゲート絶縁膜は、ダングリングボンド密度が5×1016cm−3以下であり、かつ前記ゲート絶縁膜中の水素濃度が1019cm−3以下である。
ダングリングボンド密度は、ゲート絶縁膜を構成する絶縁材料中の未結合手の密度であって、例えば、酸化シリコン(SiO2)の場合、酸素と共有結合していないSiの未結合手の密度である。
<ダングリングボンド密度の測定方法>
ゲート絶縁膜中のダングリングボンドはESR(電子スピン共鳴法)にて測定できる。
本発明に於けるダングリングボンド密度は、好ましくは5×1016cm−3以下、さらに好ましくは3×1016cm−3以下である。
<水素濃度の測定方法>
ゲート絶縁膜中の水素濃度は、SIMS(2次イオン質量分析)にて測定できる。
本発明に於けるゲート絶縁膜中の水素濃度は、好ましくは1×1019cm−3以下、さらに好ましくは1×10−18cm−3未満である。
また、ポリイミドのような高分子絶縁体もゲート絶縁膜として用いることができる。好ましい絶縁膜材料はSi化合物である。特に好ましくは酸化シリコン(SiOx)である。xは一般に1.7〜2.3である。
本発明のダングリングボンド密度が5×1016cm−3以下であり、かつ前記ゲート絶縁膜中の水素濃度が1019cm−3以下であるゲート絶縁膜は、Arガスに対する酸素ガスの流量比(O2流量/Ar流量)が10%以上の雰囲気下でスパッタ法により形成することにより得られる。
好ましくは、O2流量/Ar流量が10%以上であり、より好ましくは13%以上である。スパッタ温度は、樹脂基板を想定した場合、好ましくは180℃以下であり、より好ましくは150℃以下である。
ゲート絶縁膜を形成後、熱処理を施しても良い。
本発明に用いられる活性層には、アモルファス酸化物半導体が用いられる。アモルファス酸化物半導体は、低温で成膜可能である為に、プラスティックのような可撓性のある樹脂基板に作製が可能である。低温で作製可能な良好なアモルファス酸化物半導体としては、Inを含む酸化物、InとZnを含む酸化物、In、Ga及びZnを含有する酸化物であり、組成構造としては、InGaO3(ZnO)m(mは6未満の自然数)のものが好ましいことが知られている。これらは、キャリアが電子のn型半導体である。もちろん、ZnO・Rh2O3、CuGaO2、SrCu2O2のようなp型酸化物半導体を活性層に用いても良い。特開2006−165529に開示されている酸化物半導体を用いることもできる。
(1)酸素欠陥による調整
酸化物半導体において、酸素欠陥ができると、活性層のキャリア濃度が増加し、電気伝導度が大きくなることが知られている。よって、酸素欠陥量を調整することにより、酸化物半導体のキャリア濃度を制御することが可能である。酸素欠陥量を制御する具体的な方法としては、成膜中の酸素分圧、成膜後の後処理時の酸素濃度と処理時間等がある。ここでいう後処理とは、具体的に100℃以上の熱処理、酸素プラズマ、UVオゾン処理がある。これらの方法の中でも、生産性の観点から成膜中の酸素分圧を制御する方法が好ましい。成膜中の酸素分圧を調整することにより、酸化物半導体のキャリア濃度の制御ができることは、特開2006−165529に開示されており、本手法を利用することができる。
酸化物半導体の金属組成比を変えることにより、キャリア濃度が変化することが知られている。例えば、InGaZn1−XMgXO4において、Mgの比率が増えていくと、キャリア濃度が小さくなることが、特開2006−165529に開示されている。また、(In2O3)1−X(ZnO)Xの酸化物系において、Zn/In比が10%以上では、Zn比率が増加するにつれ、キャリア濃度が小さくなることが報告されている(「透明導電膜の新展開II」シーエムシー出版P.34−35)。これら組成比を変える具体的な方法としては、例えば、スパッタによる成膜方法においては、組成比が異なるターゲットを用いる。または、多元のターゲットにより、共スパッタし、そのスパッタレートを個別に調整することにより、膜の組成比を変えることが可能である。
酸化物半導体に、Li,Na,Mn,Ni,Pd,Cu,Cd,C,N,P等の元素を不純物として添加することによりキャリア濃度を減少させることが可能であることが、特開2006−165529に開示されている。不純物を添加する方法としては、酸化物半導体と不純物元素とを共蒸着により行う、成膜された酸化物半導体膜に不純物元素のイオンをイオンドープ法により行う等がある。
キャリア濃度を調整する手段としては、上記(1)〜(3)の方法を単独に用いても良いし、組み合わせても良い。
活性層の成膜方法は、気相成膜法を用いるのが良い。気相成膜法の中でも、スパッタリング法、パルスレーザー蒸着法(PLD法)が適している。さらに、量産性の観点から、スパッタリング法が好ましい。
本発明に於ける活性層の厚みは、1nm以上1000nm以下が好ましく、より好ましくは2.5nm以上500nm以下、さらに好ましくは5nm以上100nm以下である。
本発明の好ましい形態は、活性層とソース電極及びドレイン電極の少なくとも一方との間に抵抗層を持つ構成である。本発明における抵抗層の電気伝導度は、活性層の電気伝導度より小さくなるように設ける。好ましくは、抵抗層の電気伝導度に対する活性層の電気伝導度の比率(活性層の電気伝導度/抵抗層の電気伝導度)は、101以上1010以下であり、より好ましくは102以上108以下である。前記活性層の電気伝導度の範囲は10−4Scm−1以上102 Scm −1 未満である。より好ましくは10−1Scm−1以上102 Scm −1 未満である。抵抗層の電気伝導度の範囲は10−1Scm−1以下である。より好ましくは10−9Scm−1以上10−3 Scm −1 以下である。
活性層及び抵抗層の電気伝導度は、基板上に当該活性層のみを成膜した物成測定用サンプルを作製し、サンプルの測定されたシート抵抗と膜厚から計算し求められる。ここで、シート抵抗をρ(Ω/□)、膜厚をd(cm)とすると、電気伝導度σ(Scm−1)は、σ=1/(ρ*d)として算出される。
抵抗層の電気伝導度を調整する方法としては、抵抗層を構成する酸化物半導体のキャリア濃度を調整することで可能である。抵抗層のキャリア濃度の調節手段としては、前述の活性層のキャリア濃度の調節手段と同様の方法にて行うことが可能である。
抵抗層の成膜方法は、気相成膜法を用いるのが良い。気相成膜法の中でも、スパッタリング法、パルスレーザー蒸着法(PLD法)が適している。さらに、量産性の観点から、スパッタリング法が好ましい。
例えば、酸化物半導体の多結晶焼結体をターゲットとして、RFマグネトロンスパッタリング蒸着法により、真空度及び酸素流量を制御して成膜される。酸素流量が多いほど電気伝導度を小さくすることができる。
本発明におけるゲート電極としては、例えば、Al、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、又はAg等の金属、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、又はポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物を好適に挙げられる。
ゲート電極の厚みは、10nm以上1000nm以下とすることが好ましい。
本発明におけるソース電極及びドレイン電極材料として、例えば、Al、Mo、Cr、Ta、Ti、Au、又はAg等の金属、Al−Nd、APC等の合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン、又はポリピロ−ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物を好適に挙げられる。
ソース電極及びドレイン電極の厚みは、10nm以上1000nm以下とすることが好ましい。
本発明に用いられる基板は特に限定されることはなく、例えばYSZ(ジルコニア安定化イットリウム)、ガラス等の無機材料、ポリエチレンテレフタレ−ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレ−ト等のポリエステル、ポリスチレン、ポリカ−ボネ−ト、ポリエ−テルスルホン、ポリアリレ−ト、アリルジグリコ−ルカ−ボネ−ト、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)等の合成樹脂等の有機材料、などが挙げられる。前記有機材料の場合、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、加工性、低通気性、低吸湿性等に優れていることが好ましい。
次に、図面を用いて、詳細に本発明におけるTFTの構造を説明する。
図1は、逆スタガ構造のTFTの一例を示す模式図である。基板1がプラスチックフィルムなどの可撓性基板の場合、基板1の少なくとも一方の面に絶縁層6を配し、その上にゲート電極2、ゲート絶縁膜3、活性層4を積層して有し、その表面にソース電極5−1とドレイン電極5−2が設置される。
必要によって、TFT上に保護絶縁膜を設けても良い。保護絶縁膜は、活性層または抵抗層の半導体層を大気による劣化から保護する目的や、TFT上に作製される電子デバイスを絶縁する目的がある。
必要によって、TFTの後処理として、熱処理を行っても良い。熱処理としては、温度100℃以上で、大気下または窒素雰囲気下で行う。熱処理を行う工程としては、半導体層を成膜後でも良いし、TFT作製工程の最後に行っても良い。熱処理を行うことにより、TFTの特性の面内バラつきが抑制される、駆動安定性が向上する等の効果がある。
本発明の電界効果型薄膜トランジスタは、液晶やEL素子を用いた画像表示装置、特に平面薄型表示装置(Flat Panel Display:FPD)に好ましく用いられる。より好ましくは、基板に有機プラスチックフィルムのような可撓性基板を用いたフレキシブル表示装置に用いられる。特に、本発明の電界効果型薄膜トランジスタは、移動度が高いことから有機EL素子を用いた表示装置、フレキシブル有機EL表示装置に最も好ましく用いられる。
図3は、本発明のTFT素子を用いたアクティブマトリクス駆動型有機EL表示装置の等価回路の模式図である。本発明における有機EL表示装置の回路は、特に図3に示すものに限定されるものではなく、従来公知の回路をそのまま応用することができる。
本発明の電界効果型薄膜トランジスタは、液晶やEL素子を用いた画像表示装置、特にFPDのスイッチング素子、駆動素子として用いることができる。特に、フレキシブルFPD装置のスイッチング素子、駆動素子として用いるのが適している。さらに本発明の電界効果型薄膜トランジスタを用いた表示装置は、携帯電話ディスプレイ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、コンピュータディスプレイ、自動車の情報ディスプレイ、TVモニター、あるいは一般照明を含む広い分野で幅広い分野で応用される。
また、本発明の電界効果型薄膜トランジスタは、表示装置以外にも、有機プラスチックフィルムのような可撓性基板上に本発明の電界効果型薄膜トランジスタを形成し、ICカードやIDタグなどに幅広く応用が可能である。
1.TFT素子の作製
基板として、無アルカリガラス基板(コー二ング社、品番イーグル2000)を用いた。
RFマグネトロンスパッタ(条件:成膜温度27℃、スパッタガスAr=12sccm、RFパワー380W、成膜圧力0.36Pa)により、ゲート電極としてのMo薄膜(厚み40nm)を形成した。ゲート電極Moのパターニングには、スパッタ時にシャドウマスクを用いることにより行った。
次にゲート電極上に、下記のゲート絶縁膜の形成を行った。
ゲート絶縁膜:SiOxをRFマグネトロンスパッタ真空蒸着法(条件:ターゲット多結晶焼結体SiO2、成膜温度54℃、スパッタガスAr/O2(Ar=12sccm、O2ガス流量は表1に記す)、RFパワー400W、成膜圧力は表1に記す)にて200nm形成し、ゲート絶縁膜を設けた。ゲート絶縁膜SiOxのパターニングには、スパッタ時にシャドウマスクを用いることにより行った。
この上に、下記の活性層Aを設けた。活性層のパターニングは、スパッタ時にシャドウマスクを用いることにより行った。
活性層A:InGaZnO4の組成を有する多結晶焼結体をターゲットとして、RFマグネトロンスパッタ真空蒸着法により、Ar流量97sccm、O2流量1.7sccm、RFパワー200W、成膜圧力0.38Paの条件で厚み50nmに成膜を行った。
以上により、本発明のTFT素子1〜4および比較のTFT素子1〜3を作製した。尚、作製したTFT素子のTFTサイズは全て、チャネル長(L)=200μm、チャネル幅(W)=1000μmである。
1)ゲート絶縁膜のダングリングボンド密度及び水素濃度の測定
ゲート絶縁膜SiOx中のSiダングリングボンド密度はESR測定にて行い、ゲート絶縁膜SiOx中の水素濃度はSIMSにて行った。
得られた各TFT素子について、飽和領域ドレイン電圧(Vd)=10V(ゲート電圧(Vg):−10V≦Vg≦15V)でのTFT伝達特性の測定を行い、TFTの性能を評価した。TFT伝達特性の測定は、半導体パラメータ・アナライザー4156C(アジレントテクノロジー社製)を用いて行った。各パラメータと本発明に於けるその定義は下記の通りである。
・TFTの閾値電圧(Vth):ドレイン電流値がW/L×10nAとなるときのゲート電圧である。ここで、TFTサイズはW/L=1000/200=5であるので、ドレイン電流値が50nAとなる時のゲート電圧を用いた。
・OFF電流(Ioff):閾値電圧より5V低いゲート電圧におけるドレイン電流値である。単位は[A]である。
・ON電流(Ion):閾値電圧より5V高いゲート電圧におけるドレイン電流である。
Vthシフトは駆動による特性変化の度合いを示すものであり、小さい方が好ましい。
表1の結果より、本発明のTFTはSiダングリングボンド密度を5×10−16cm−3以下にした本発明の素子は、比較例の素子より閾値シフトが改善され、閾値シフトを10V未満まで改善できた。
参考例1におけるTFT素子において、活性層Aの代わりに下記の活性層Bと抵抗層を用いてその他は参考例1と同様にしてTFT素子を作製した。
ゲート絶縁膜の上に、順に、下記の活性層Bと抵抗層を配置した。
活性層B:InGaZnO4の組成を有する多結晶焼結体をターゲットとして、RFマグネトロンスパッタ真空蒸着法により、Ar流量97sccm、O2流量0.8sccm、RFパワー200W、成膜圧力0.38Paの条件で厚み10nmに成膜を行った。
抵抗層:InGaZnO4の組成を有する多結晶焼結体をターゲットとして、RFマグネトロンスパッタ真空蒸着法により、Ar流量97sccm、O2流量2.0sccm、RFパワー200W、成膜圧力0.38Paの条件で厚み40nmに成膜を行った。
物性測定用サンプルの電気伝導度は、サンプルの測定されたシート抵抗と膜厚から計算し求めた。ここで、シート抵抗をρ(Ω/□)、膜厚をd(cm)とすると、電気伝導度σ(Scm−1)は、σ=1/(ρ*d)として算出される。
物性測定用サンプルのキャリア濃度の測定には、ResiTest8300型(東陽テクニカ社製)を用いてホール効果測定を行うことにより求めた。ホール効果測定は20℃の環境下で行った。尚、ホール効果測定を行うことにより、キャリア濃度だけではなく、キャリアのホール移動度も求めることができる。
<活性層B> 電気伝導度:2.0×101Scm−1、キャリア濃度:8.9×1018cm−3。
<抵抗層> 電気伝導度:2.0×10−6Scm−1、キャリア濃度:1.6×1012cm−3。
表2の結果より、参考例1と同様に本発明の素子は、比較例の素子より閾値シフトが改善され、また、抵抗層を挿入する構成にすることにより、閾値シフトは5V未満まで改善した。
参考例1におけるTFT素子において、無アルカリガラス基板の代わりに、ポリエチレンナフタレートフィルム(厚み100μm)の両面に下記バリア機能を持つ絶縁層を有するバリア付きフイルムを用いて、その他は参考例1と同様にしてTFT素子を作製した。
その結果、参考例1と同様に本発明の素子は、比較例の素子より閾値シフトが改善された。
1.TFT素子の作製
参考例1におけるTFT素子において、ゲート絶縁膜SiOxをスパッタではなく、SiH4+N2Oガスを用いたICP−CVDにて200nm成膜した。その他は参考例1と同様にして、それぞれ比較のTFT素子30を作製した。
得られた素子について参考例1の本発明の素子1と共に参考例1と同様にTFT性能を評価した。得られた結果を表4に示した。
また、比較のTFT素子30のTFT性能は、閾値シフトが本発明の素子と同程度であるが、閾値電圧がマイナスとなりノーマリオン状態となり、しかもOFF電流が本発明素子より上昇し、好ましくない。これは、水素濃度が高いことが影響したものである。水素濃度が高くなることは、ICP−CVDでゲート絶縁膜SiOxを成膜する成膜方法に伴って生じる避けがたい現象である。
1.有機EL表示装置の作製
(有機EL素子部の作製)
1)下部電極の形成
基板にはポリエチレンナフタレートフィルムの両面に下記バリア機能を持つ絶縁層を有するバリア付きフイルムを用いた。前記基板の上に酸化インジウム錫(以後、ITOと略記)を150nmの厚さで蒸着し、陽極とした。
洗浄後、順次、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔ブロッキング層、電子輸送層、および電子注入層を設けた。
正孔注入層:4,4’,4”−トリス(2−ナフチルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(2−TNATAと略記する)および2,3,5,6−テトラフルオロ−7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(F4−TCNQと略記する)を2−TNATAに対して1質量%含有する層、厚み160nm。
正孔輸送層:N,N’−ジナフチル−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(α−NPDと略記する)、厚み10nm。
発光層:1,3−bis(carbazol−9−yl)benzene(mCPと略記する)および白金錯体Pt−1をmCPに対して13質量%含有する層、厚み60nm。
正孔ブロック層:bis−(2−methyl−8−quinonylphenolate)aluminium(BAlqと略記する)、厚み40nm。
電子輸送層:トリス(8−ヒドロキシキノニナート)アルミニウム(Alq3と略記する)、厚み10nm。
電子注入層:LiF、厚み1nm。
素子サイズが2mm×2mmとなるようにシャドウマスクによりパターニングしてAlを厚み100nmに蒸着し、陰極とした。
上部電極上に、保護絶縁膜として500nmのSiON膜をイオンプレーティング法により成膜した。
得られた有機EL素子と参考例1、実施例2、参考例3で作製したTFTとを組みあわせて等価回路を構成し、種々の条件下で駆動試験を行った。
その結果、本発明のTFTを用いると連続して長時間駆動させても安定した発光が得られた。
2:ゲート電極
3:ゲート絶縁膜
4:活性層
41:活性層
42:抵抗層
5−1:ソース電極
5−2:ドレイン電極
6:絶縁層
200:スイッチングTFT
300:有機EL素子
400:信号電極線
500:走査電極線
600:コンデンサ
700:駆動TFT
800:共通電線
Claims (11)
- 基板上にゲート電極、成膜圧力が0.40Pa以上0.60Pa以下で形成されたゲート絶縁膜、アモルファス酸化物半導体からなる活性層、ソース電極、ドレイン電極を有する薄膜電界効果型トランジスタであって、前記ゲート絶縁膜のダングリングボンド密度が5×1016cm−3以下であり、かつ前記ゲート絶縁膜中の水素濃度が1×1019cm−3以下であり、かつ前記活性層と前記ソース電極および前記ドレイン電極の少なくとも一方との間に更に抵抗層を有し、かつ前記抵抗層は前記活性層の電気伝導度より小さい電気伝導度を有し、かつ前記抵抗層の電気伝導度に対する前記活性層の電気伝導度の比率(活性層の電気伝導度/抵抗層の電気伝導度)は、10 1 以上10 10 以下であり、かつ前記活性層の電気伝導度は10 −4 Scm −1 以上10 2 Scm −1 未満であり、かつ前記抵抗層の電気伝導度は10 −1 Scm −1 以下であり、かつ前記抵抗層の厚みは前記活性層の厚みより厚く、かつ前記活性層の厚み/前記抵抗層の厚みは1を超え100以下であり、かつ前記活性層の膜厚は1nm以上100nm以下で、かつ前記抵抗層の膜厚が10nm以上100nm以下であることを特徴とする薄膜電界効果型トランジスタ。
- 前記抵抗層がIn,Ga,Zn及びSnよりなる群から選ばれる少なくとも一種を含むアモルファス酸化物半導体を含有することを特徴とする請求項1に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
- 前記ゲート絶縁膜が絶縁膜材料としてSi化合物を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
- 前記Si化合物が酸化シリコン(SiOx)であることを特徴とする請求項3に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
- 前記ゲート絶縁膜中の水素濃度が1×1018cm−3未満であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
- 前記活性層のアモルファス酸化物半導体が、In、Ga,Zn及びSnよりなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
- 前記活性層のアモルファス酸化物半導体が、Inを含むことを特徴とする請求項6に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
- 前記アモルファス酸化物半導体が、Zn又はGaをさらに含有することを特徴とする請求項7に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
- 前記アモルファス酸化物半導体が、ZnとGaとをさらに含有することを特徴とする請求項7に記載の薄膜電界効果型トランジスタ。
- 請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の薄膜電界効果型トランジスタの製造方法であって、前記ゲート絶縁膜をArガスに対する酸素ガスの流量比(O2流量/Ar流量)が10%以上の雰囲気下で、かつ成膜圧力が0.40Pa以上0.60Pa以下で、スパッタ法により形成することを特徴とする薄膜電界効果型トランジスタの製造方法。
- 前記ゲート絶縁膜を150℃以下の温度で形成することを特徴とする請求項10に記載の薄膜電界効果型トランジスタの製造方法。
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