JP5419705B2 - アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体 - Google Patents

アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体 Download PDF

Info

Publication number
JP5419705B2
JP5419705B2 JP2009539980A JP2009539980A JP5419705B2 JP 5419705 B2 JP5419705 B2 JP 5419705B2 JP 2009539980 A JP2009539980 A JP 2009539980A JP 2009539980 A JP2009539980 A JP 2009539980A JP 5419705 B2 JP5419705 B2 JP 5419705B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
unsubstituted
carboxy
anilino
sulfo
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009539980A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2009060654A1 (ja
Inventor
大輔 小野
裕 石井
典子 梶浦
弘之 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2009539980A priority Critical patent/JP5419705B2/ja
Publication of JPWO2009060654A1 publication Critical patent/JPWO2009060654A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5419705B2 publication Critical patent/JP5419705B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B5/00Dyes with an anthracene nucleus condensed with one or more heterocyclic rings with or without carbocyclic rings
    • C09B5/02Dyes with an anthracene nucleus condensed with one or more heterocyclic rings with or without carbocyclic rings the heterocyclic ring being only condensed in peri position
    • C09B5/14Benz-azabenzanthrones (anthrapyridones)
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D221/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one nitrogen atom as the only ring hetero atom, not provided for by groups C07D211/00 - C07D219/00
    • C07D221/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings having one nitrogen atom as the only ring hetero atom, not provided for by groups C07D211/00 - C07D219/00 condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D221/04Ortho- or peri-condensed ring systems
    • C07D221/18Ring systems of four or more rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • C09D11/328Inkjet printing inks characterised by colouring agents characterised by dyes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/0023Digital printing methods characterised by the inks used
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/24Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.]
    • Y10T428/24802Discontinuous or differential coating, impregnation or bond [e.g., artwork, printing, retouched photograph, etc.]

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Other In-Based Heterocyclic Compounds (AREA)

Description

本発明は新規なアントラピリドン化合物またはその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及びこの組成物などにより着色された着色体に関する。
各種カラー記録法の中で、その代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法において、インクの各種吐出方式が開発されている。いずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うものである。これは、記録ヘッドと被記録材料とが接触しない為、音の発生がなく静かであり、また小型化、高速化、カラー化が容易という特長の為、近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。
従来、万年筆、フェルトペン等のインク及びインクジェット記録用インクとしては、水溶性染料を水性媒体中に溶解した水性インクが使用されている。これらの水性インクにおいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく一般に水溶性有機溶剤が添加されている。これらの従来のインクにおいては、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求される。また形成される画像には、耐水性、耐光性、耐湿性等の堅牢度が求められている。
一方、コンピューターのカラーディスプレー上の画像又は文字情報をインクジェットプリンタによりカラ−で記録するには、一般にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4原色のインクによる減法混色で表現される。CRTディスプレー等のレッド(R)、グリーン(G)及びブルー(B)による加法混色画像を減法混色画像で忠実に再現するには、できるだけY、M及びCのそれぞれが、それぞれの標準色に近い色相を有し且つ鮮明であることが望まれる。又インク組成物は長期の保存に対し安定であり、プリントした画像の濃度が高く、しかも該画像の耐水性、耐光性及び耐ガス性等の堅牢度に優れていることが求められている。
インクジェットプリンタの用途はOA用小型プリンタから産業用の大型プリンタにまで拡大されてきており、耐水性、耐湿性、耐光性及び耐ガス性等の堅牢度がこれまで以上に求められている。
耐水性ついては多孔質シリカ、カチオン系ポリマー、アルミナゾル又は特殊セラミックなどインク中の色素を吸着し得る無機微粒子をPVA樹脂などとともに紙の表面にコーティングすることにより、大幅に改良されてきている。
耐湿性とは着色された被記録材料を高湿度の雰囲気下に保存した際に被記録材中の色素が滲んでくるという現象に対する耐性のことである。色素の滲みがあると、特に写真調の高精細な画質を求められる画像においては著しく画像品位が低下するため、できるだけこの様な滲みを少なくする事が重要である。
耐光性については大幅に改良する技術は未だ確立されていない。特にY、M、C及びKの4原色のうちマゼンタの色素はもともと耐光性が弱いものが多く、その改良が重要な課題となっている。
又、最近のデジタルカメラの浸透と共に家庭でも写真をプリントする機会が増しており、得られたプリント物を保管する時に、空気中の酸化性ガスによる画像の変色も問題視されている。その酸化性ガスは、記録紙上又は記録紙中で色素と反応し、印刷された画像を変退色させる。酸化性ガスの中でも、オゾンガスはインクジェット記録画像の退色現象を促進させる原因物質とされている。この変退色現象はインクジェット画像に特徴的なものであるため、耐オゾンガス性の向上も重要な課題となっている。
インクジェット記録用水溶性インクに用いられているマゼンタ色素としては、キサンテン系とH酸(1−アミノ−8−ヒドロキシ−ナフタレン−3,6−ジスルホン酸)を用いたアゾ系色素が代表的である。キサンテン系については色相及び鮮明性は非常に優れるが、耐光性が非常に劣る。又、H酸を用いたアゾ系色素については色相及び耐水性の点では良いものがあるが、耐光性、耐オゾンガス性等の耐酸化性ガス性及び鮮明性が劣るものが多い。また、このタイプでは比較的鮮明性及び耐光性の優れたマゼンタ染料も開発されているが、銅フタロシアニン系色素に代表されるシアン染料やイエロー染料など他の色相の染料に比べ耐光性が依然劣る水準である。
鮮明性及び耐光性の優れるマゼンタ色素としてはアントラピリドン系色素(例えば、特許文献1〜12参照)があるが、色相、鮮明性、耐光性、耐水性、耐酸化性ガス性及び溶液安定性のすべてを満足させるものは得られていない。
特開平10−306221号公報(1−3頁、7−18頁) 特開2000−109464号公報(1−2頁、8−12頁) 特開2000−169776号公報(1−2頁、6−9頁) 特開2000−191660号公報(1−3頁、11−14頁) 特開2000−256587号公報(1−3頁、7−18頁) 特開2001−72884号公報(1−2頁、8−11頁) 特開2001−139836号公報(1−2頁、7−12頁) WO2004/104108号国際公開パンフレット(20−36頁) 特開2003−192930号公報(1−4頁、15−18頁) 特開2005−8868号公報(1−3頁、15−22頁) 特開2005−314514号公報(1−3頁、15−20頁) WO2006/075706号国際公開パンフレット
本発明は水に対する溶解性が高く、インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、且つ記録物の耐光性、耐湿性、耐オゾンガス性等の堅牢性に優れたマゼンタ色素(化合物)およびそれを含有するインク組成物を提供する事を目的とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、特定の式で示されるアントラピリドン化合物が前記課題を解決するものであることを見出し本発明を完成させたものである。即ち、本発明は、
(1) 下記式(1)
Figure 0005419705
(式中、
nは1〜3の整数、
1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を、
2は水素原子又はメトキシ基を、
3は無置換アニリノ基又は置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基及びメルカプト基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するアニリノ基、;
無置換モノ若しくはジアルキルアミノ基、又は置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、水酸基、メルカプト基及びフェニル基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するモノ若しくはジアルキルアミノ基;
無置換フェニルチオ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基及びメルカプト基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するフェニルチオ基;
無置換アルキルチオ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基及びフェニル基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するアルキルチオ基;
スルホ基で置換されたナフチルアミノ基、又は無置換ナフチルアミノ基;
無置換フェノキシ基、又は置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基、水酸基、フェノキシ基及びフェニル基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するフェノキシ基;
水酸基;メルカプト基;又は無置換アミノ基;をそれぞれ表す。)
で表されるアントラピリドン化合物又はその塩、
(2) 下記式(2)
Figure 0005419705
(式中、n、R1、R2、及びR3は式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
で表される上記(1)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
(3) 下記式(3)
Figure 0005419705
(式中、n及びR3は式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
で表される上記(1)又は(2)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
(4) nは1又は2の整数、
3が無置換アニリノ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、及びアミノ基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するアニリノ基;
無置換モノ若しくはジC1−C10アルキルアミノ基又は置換基としてスルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、フェニル基及び水酸基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するモノ若しくはジC1−C10アルキルアミノ基;
無置換フェニルチオ基又はスルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、及びアミノ基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するフェニルチオ基;
無置換アルキルチオ基又は置換基としてスルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、アニリノ基、フェノキシ基、及びアミノ基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するC1−C10アルキルチオ基;
スルホ基で置換されたナフチルアミノ基又は無置換ナフチルアミノ基;
無置換フェノキシ基又は置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基、水酸基、フェノキシ基及びフェニル基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するフェノキシ基;又は
モノ又はジC1−C4アルキルアミノC1−C4アルキルアミノ基;
水酸基;メルカプト基;又はアミノ基;である上記(3)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
(5) R3が無置換アニリノ基又は置換基としてスルホ基又はカルボキシ基を有するアニリノ基;無置換モノC1−C10アルキルアミノ基又は置換基としてスルホ基、カルボキシ基又はフェニル基を有するモノC1−C10アルキルアミノ基;無置換ジC1−C6アルキルアミノ基;カルボキシ基で置換されたフェニルチオ基;、無置換C1−C10アルキルチオ基又は置換基としてカルボキシ基又はアミノ基を有するC1−C10アルキルチオ基;又は、無置換ジC1−C4アルキルアミノC1−C4アルキルアミノ基である上記(4)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
(6) R3が無置換アニリノ基又は置換基としてカルボキシ基を有するアニリノ基;無置換モノC1−C8アルキルアミノ基又は置換基としてスルホ基、カルボキシ基、又はフェニル基を有するモノC1−C8アルキルアミノ基;無置換ジC1−C6アルキルアミノ基;フェノキシ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたフェニルチオ基;カルボキシ基で置換されたC1−C10アルキルチオ基、又は無置換C1−C10アルキルチオ基である、上記(3)乃至(5)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
(7) 上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩を含有することを特徴とするインク組成物、
(8) 水及び水溶性有機溶剤を含有する上記(7)に記載のインク組成物、
(9) インク組成物中に色素として含有する上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩の総質量に対して、該化合物中の無機不純物の含有量が1質量%以下である、上記(7)又は(8)のいずれか一項に記載のインク組成物、
(10) インク組成物中に色素として含有する上記(1)乃至(6)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩の含有量が、インク組成物の総質量に対して、0.1〜20質量%である上記(7)乃至(9)のいずれか一項に記載のインク組成物、
(11) インクジェット記録用である上記(7)乃至(10)に記載のインク組成物、
(12) インクの小滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして上記(11)に記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法、
(13) 被記録材が情報伝達用シートである上記(12)に記載のインクジェット記録方法、
(14) 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有したインク受像層を有するものである上記(13)に記載のインクジェット記録方法。
(15) 上記(7)乃至(11)のいずれか一項に記載のインク組成物により着色された着色体、
(16) 着色がインクジェットプリンタによりなされた上記(15)に記載の着色体、
(17) 上記(7)乃至(10)のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ、
(18) 下記式(4)
式(4)
Figure 0005419705
(式中、nは1〜3の整数、Xはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、ハロゲノアルキルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基及び置換フェニルスルホニルオキシ基からなる群から選択される脱離基を表す。)
で表されるアントラピリドン化合物又はその塩、
(19) nは1又は2の整数、
Xが塩素原子、臭素原子又は沃素原子である、上記(18)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
(20) nは1又は2の整数、Rはカルボキシ置換C3−C8アルキルアミノ基である請求項1〜3のいずれか1項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
(21) 下記式(10)
Figure 0005419705
(式中、nは1〜3の整数、
は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を、
は水素原子又はメトキシ基を、
Xはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、ハロゲノアルキルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基及び置換フェニルスルホニルオキシ基からなる群から選択される脱離基を表す)
で表されるアントラピリドン化合物又はその塩と
式R−H
(式中、Rは;
無置換アニリノ基又は置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基及びメルカプト基よりなる群から選択される基を有するアニリノ基、;
無置換モノ若しくはジアルキルアミノ基、又は置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、水酸基、メルカプト基及びフェニル基よりなる群から選択される基を有するモノ若しくはジアルキルアミノ基;
無置換フェニルチオ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基及びメルカプト基よりなる群から選択される基を有するフェニルチオ基;
無置換アルキルチオ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基及びフェニル基よりなる群から選択される基を有するアルキルチオ基;
スルホ基で置換されたナフチルアミノ基、又は無置換ナフチルアミノ基;
無置換フェノキシ基、又は置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基、水酸基、フェノキシ基及びフェニル基よりなる群から選択される基を有するフェノキシ基;
水酸基;メルカプト基;又は無置換アミノ基;を表す)
で表される化合物を反応させることを特徴とする下記式(1)
Figure 0005419705
(式中、n、R1、R2、及びRは前記と同じ意味を表す)
で表されるアントラピリドン化合物又はその塩の製造方法。
(22) 下記式(113)
Figure 0005419705
(式中、nは1〜3の整数、Rは無置換アニリノ基又は置換基としてカルボキシ基を有するアニリノ基;
無置換モノC1−C10アルキルアミノ基又は置換基としてスルホ基、カルボキシ基、又はフェニル基を有するモノC1−C8アルキルアミノ基;無置換ジC1−C6アルキルアミノ基;フェノキシ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたフェニルチオ基;カルボキシ基で置換されたC1−C10アルキルチオ基、又は無置換C1−C10アルキルチオ基;又はハロゲン原子を表す)
で表されるアントラピリドン化合物又はその塩、
に関する。
本発明の上記式(1)で表されるアントラピリドン化合物又はその塩は、インクジェット記録紙上で非常に鮮明性、明度の高い色相であり、水溶解性に優れ、インク組成物製造過程でのメンブランフィルターに対するろ過性が良好という特徴を有する。又、この化合物を含有する本発明のインク組成物は長期間保存後の固体析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。そして本発明のアントラピリドン化合物又はその塩をインクジェット記録用のマゼンタインクとして使用した印刷物は被記録材(紙、フィルム等)を選択することなく理想的なマゼンタの色相である。更に本発明のマゼンタインク組成物は、写真調のカラー画像の色相を紙の上に忠実に再現させることも可能である。更に写真画質用インクジェット専用紙(フィルム)のような無機微粒子を表面に塗工した被記録材に記録しても各種堅牢性、耐光性、耐オゾン性、耐湿性良好であり、写真調の記録画像の長期保存安定性に優れている。従って、上記式(1)で表されるアントラピリドン化合物又はその塩は、インクジェット記録用のインク色素として極めて有用である。
本発明を詳細に説明する。尚、本発明において特に断りが無いかぎりスルホ基及びカルボキシ基等の酸性官能基は遊離酸の形で表す。また、「アントラピリドン化合物又はその塩」との記載は煩雑であるため、便宜上、「アントラピリドン化合物」と記載し、以下該化合物又はその塩を含む意味とする。「式(1)で表される化合物」及び「本発明の化合物」との記載も同様に、それぞれの塩を含むことを意味する。
本明細書において、「アルキル」は、特に断らない限り、直鎖、分岐鎖及び環状のいずれでもよい。好ましくは直鎖又は分岐鎖であり、より好ましくは直鎖である。
また該アルキルとしては、特に断った場合を除き、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル等の、炭素数1〜10のアルキルを表す。
本明細書における「アシル」及び「アルコキシ」について、特に断らない限り、これらの基におけるアルキル基部分は、上記アルキルと同じ意味を表す。
また、本明細書における「低級アルキル」としては、特に断らない限り、上記アルキルの中、C1−C6、好ましくはC1−C4のものを挙げることができ、好ましい具体例としてはメチル、エチル、プロピル又はブチルを挙げることができる。
本発明のアントラピリドン化合物は、前記式(1)で表される。
式(1)におけるnは、式(1)におけるメチレン基の数を表し、1乃至3の整数を表す。好ましくは、nは1又は2の整数であり、最も好ましくは1である。
式(1)において、R1は、水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を表す。ここで、R1におけるヒドロキシ低級アルキル基としては、例えばヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル等があげられ、モノアルキルアミノアルキル基としては、例えばメチルアミノプロピル、エチルアミノプロピル等があげられ、ジアルキルアミノアルキルとしては、例えばジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノエチル等があげられ、シアノ低級アルキル基としては、例えばシアノエチル、シアノプロピル等が挙げられる。
好ましいR1としては水素原子、低級アルキル基が挙げられ、水素原子又はメチルがより好ましく、メチルが特に好ましい。
式(1)において、R2は水素原子又はメトキシ基を表し、水素原子がより好ましい。
式(1)におけるR3は、前記式(1)のところで説明した基を表す。以下に、R3について具体的に説明する。
式(1)におけるR3が、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、及びアミノ基よりなる群から選択される少なくとも1つの基を有するアニリノ基(置換アニリノ基)である場合、アニリノ基上の置換基の数は通常1〜4、好ましくは1〜3、より好ましくは1または2である。
該置換アニリノ基の具体例としては、例えば2−スルホアニリノ、3−スルホアニリノ、4−スルホアニリノ、2,5−ジスルホアニリノ等のスルホ置換アニリノ;2−カルボキシアニリノ、4−カルボキシアニリノ、3,5-ジカルボキシアニリノ等のカルボキシ置換アニリノ;4−メトキシアニリノ等の(C1〜C3)アルコキシ置換アニリノ;4−ブチルアニリノ等のアルキル置換アニリノ;4−アニリノ−3−スルホアニリノ等のアニリノ及びスルホ置換アニリノ;4−フェノキシアニリノ等のフェノキシ置換アニリノ;4−アミノアニリノ等のアミノ置換アニリノ;等が挙げられる。
また、更にメチル基、メトキシ基、又はカルボキシ基で置換されたスルホアニリノ基、及び、カルボキシ置換ヒドロキシアニリノ基等も挙げられる。
置換基として、メチル基、メトキシ基、又はカルボキシ基を有するスルホアニリノ基である場合、メチル基、メトキシ基、又はカルボキシ基のいずれかの置換基の数は1又は2が好ましく、1がより好ましい。その具体例としては、4−メチル−2−スルホアニリノ及び2−メチル−4−スルホアニリノ等のメチル置換スルホアニリノ;4−メトキシ−2−スルホアニリノ等のメトキシ置換スルホアニリノ;及び、2−カルボキシ−5−スルホアニリノ及び2−カルボキシ−4−スルホアニリノ等のカルボキシ置換スルホアニリノが挙げられる。
カルボキシ置換ヒドロキシアニリノ基である場合、カルボキシ基の数は1又は2が好ましく、1がより好ましい。その具体例としては、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリノ等が挙げられる。
これらの基も含めたR3における該置換アニリノ基又は無置換アニリノ基としては、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、及びアミノ基よりなる群から選択される基を少なくとも1つ有するアニリノ基、又は無置換アニリノ基が好ましく、スルホ置換又はカルボキシ置換アニリノ基、又は無置換アニリノ基がより好ましく、カルボキシ置換アニリノ基又は無置換アニリノ基がさらに好ましい。
また、場合により、R3における置換アニリノ基として、メチル基、メトキシ基、又はカルボキシ基で置換されたスルホアニリノ基;又はカルボキシ置換ヒドロキシアニリノ基等が好ましい。
3が、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基及びフェニル基よりなる群から選択される基を少なくとも1つ有するモノ若しくはジアルキルアミノ基、又は無置換モノ若しくはジアルキルアミノ基の場合、該アルキル部分は前記の通りC1−C10アルキル基が好ましい。
該モノ若しくはジアルキルアミノ基のアルキル基上の置換基の数は、置換できる範囲に限られ、通常1乃至4、好ましくは1乃至3、より好ましくは1又は2である。
該モノ若しくはジアルキルアミノ基における無置換又は置換アルキルの具体例としては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、及びデシル等の無置換直鎖アルキル;2−エチルヘキシル等の無置換分岐鎖アルキル;シクロヘキシル等の無置換環状アルキル;2−スルホエチルアミノ等のスルホ置換アルキル;カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、1,2−ジカルボキシエチル、1,3−ジカルボキシプロピル、及び5−カルボキシペンチル等のカルボキシ置換アルキル;3−エトキシプロピル等のアルコキシ置換アルキル;3−オキソブチル等のカルボニル置換アルキル;2−アミノカルボニルエチル等のカルバモイル置換アルキル;3−シアノプロピル等のシアノ置換アルキル;2−フェニルアミノエチル等のアニリノ置換アルキル;2−フェノキシエチル等のフェノキシ置換アルキル;N−(3−ヒドロキシプロピル)アミノエチル、2−メチルアミノエチル、3−メチルアミノプロピル、3−エチルアミノプロピル、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアミノ及び2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアミノ等のアミノ置換アルキル;2−ヒドロキシエチル等の水酸基置換アルキル;2−チオエチル等のメルカプト基置換アルキル;及びベンジル等のフェニル置換アルキル;等が挙げられる。なお、モノアルキルアミノアルキルアミノ基の場合、該アルキルの範囲は通常C1−C10、好ましくはC1−C6、より好ましくはC1−C4である。また、ジアルキルアミノアルキルアミノ基の場合、上記のモノアルキルアミノアルキルアミノ基の「モノアルキル」部分を独立に2つ有するものでよい。
3における該モノ若しくはジアルキルアミノ基としては、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、モノ又はジアルキルアミノ基、フェニル基及び水酸基よりなる群から選択される基を1又は2、好ましくは1つ有するモノ若しくはジアルキルアミノ基、又は無置換モノ若しくはジアルキルアミノ基が好ましい。
該モノアルキルアミノ基における置換又は無置換アルキルとしては、スルホ置換、カルボキシ置換若しくはフェニル置換アルキル又は無置換のアルキルが好ましい。好ましい該モノアルキルアミノ基は、置換基として、スルホ基、カルボキシ基又はフェニル基を有するモノC1−C10アルキルアミノ基又は無置換モノC1−C10アルキルアミノ基であり、より好ましくは置換基としてスルホ基、カルボキシ基又はフェニル基を有するモノC1−C8アルキルアミノ基又は無置換モノC1−C8アルキルアミノ基であり、さらに好ましくは置換基としてスルホ基、カルボキシ基又はフェニル基を有するモノC3−C8アルキルアミノ基又は無置換モノC1−C6アルキルアミノ基である。最も好ましくはカルボキシC3−C8アルキルアミノ基である。
3が該ジアルキルアミノ基の場合における好ましい該アルキル基はC1−C6アルキル基であり、より好ましくはC1−C4アルキル基である。該ジアルキルアミノ基の具体例としては、例えば上記のアルキルの具体例から独立に選択される基で置換されたアミノ基を挙げることができ、好ましくはジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ等の無置換ジアルキルアミノ;ビス(カルボキシメチル)アミノ等のビス(カルボキシ置換アルキル)アミノ;及びビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ等のビス(ヒドロキシ置換アルキル)アミノ;等が挙げられる。より好ましくは、無置換ジアルキルアミノである。該ジアルキルアミノ基としては、好ましくは無置換ジC1−C6アルキルアミノであり、より好ましくは、無置換ジC1−C4アルキルアミノである。
3が、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基及びメルカプト基よりなる群から選択される基を少なくとも1つ有するフェニルチオ基の場合、その具体例としては、たとえば4−スルホフェニルチオ等のスルホ置換フェニルチオ;4−カルボキシフェニルチオ、3,5-ジカルボキシフェニルチオ等のカルボキシ置換フェニルチオ;3−エトキシフェニルチオ等のアルコキシ置換フェニルチオ;アセチルフェニルチオ等のカルボニル置換フェニルチオ;3−アミノカルボニルフェニルチオ等のカルバモイル置換フェニルチオ;3−シアノフェニルチオ等のシアノ置換フェニルチオ;4−エチルフェニルチオ等のアルキル置換フェニルチオ;3−フェニルアミノフェニルチオ等のアニリノ置換フェニルチオ;4−フェノキシフェニルチオ、4−(4−カルボキシフェノキシ)フェニルチオ等のフェノキシ又はカルボキシ置換フェノキシによって置換されたフェニルチオ;3−アミノフェニルチオ等のアミノ置換フェニルチオ;4−ヒドロキシフェニルチオ等の水酸基置換フェニルチオ;4−メルカプトフェニルチオ等のメルカプト基置換フェニルチオ;及び、4−アセチルアミノフェニルチオ等の、水素原子の一つがアシル基で置換されているアミノ基で置換されたフェニルチオ等が挙げられる。該フェニルチオ基上の置換基の数は、通常1乃至4、好ましくは1乃至3、より好ましくは1又は2である。
これらの基のうち、スルホ基又はカルボキシ基で置換されたフェニルチオ基が好ましく、より好ましくはカルボキシ置換フェニルチオ基である。
3が、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基、フェニル基よりなる群から選択される基を少なくとも1つ有するアルキルチオ基、又は無置換アルキルチオ基の場合、該アルキル部分はC1−C10アルキル基が好ましい。
該アルキルチオ基上の置換基の数に制限は無いが、通常1乃至4、好ましくは1乃至3、より好ましくは1又は2、更に好ましくは1である。
該アルキルチオ基の具体例としては、例えばメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、オクチルチオ、ノニルチオ及びデシルチオ等の直鎖アルキルチオ;2−メチルブチルチオ及び2−エチルヘキシルチオ等の分岐鎖アルキルチオ;シクロヘキシルチオ等の環状アルキルチオ;2−スルホエチルチオ等のスルホ置換アルキルチオ;2−カルボキシエチルチオ、1,2−ジカルボキシエチルチオ及び1,3−ジカルボキシプロピルチオ等のカルボキシ置換アルキルチオ;2−メトキシエチルチオ等のアルコキシ置換アルキルチオ;3−オキソブチルチオ等のカルボニル置換アルキルチオ;2−アミノカルボニルエチルチオ等のカルバモイル置換アルキルチオ;5−シアノペンチルチオ等のシアノ置換アルキルチオ;2−フェニルアミノエチルチオ等のアニリノ置換アルキルチオ;フェノキシエチルチオ等のフェノキシ置換アルキルチオ;アミノ置換エチルチオ又はN−メチルアミノエチルチオ等の、無置換又はアミノ基上の水素原子の一つがアルキル基で置換されているアミノ置換アルキルチオ;2−ヒドロキシエチルチオ等のヒドロキシ置換アルキルチオ;4−メルカプトブチルチオ等のメルカプト置換アルキルチオ;及び、2−フェニルエチルチオ等のフェニル置換アルキルチオ;等が挙げられる。
該アルキルチオ基としては、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、アニリノ基、フェノキシ基、及びアミノ基よりなる群から選択される基で置換されたC1−C10アルキルチオ又は無置換アルキルチオ(好ましくは無置換C1−C10アルキルチオ)が好ましく、より好ましくは、カルボキシ置換、アミノ置換、又は無置換のC1−C10アルキルチオがより好ましく、カルボキシ置換又は無置換のC1−C10アルキルチオがさらに好ましい。
3が、スルホ基で置換されたナフチルアミノ基の場合、スルホ基の数は、通常1乃至5、好ましくは1乃至4、より好ましくは1乃至3である。
3が、スルホ基で置換されたナフチルアミノ基又は無置換ナフチルアミノ基である場合、その具体例としては、例えば1−ナフチルアミノ等の無置換ナフチルアミノ;4−スルホ−1−ナフチルアミノ、5−スルホ−1−ナフチルアミノ、5−スルホ−2−ナフチルアミノ、6−スルホ−1−ナフチルアミノ及び7−スルホ−1−ナフチルアミノ等のモノスルホナフチルアミノ;4,8−ジスルホ−2−ナフチルアミノ、3,8−ジスルホ−1−ナフチルアミノ及び3,6−ジスルホ−1−ナフチルアミノ等のジスルホナフチルアミノ;3,6,8−トリスルホ−2−ナフチルアミノ、4,6,8−トリスルホ−2−ナフチルアミノ及び3,6,8−トリスルホ−1−ナフチルアミノ等のトリスルホナフチルアミノ;等が挙げられる。
3が、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基、水酸基、フェノキシ基及びフェニル基よりなる群から選択される基を少なくとも1つ有するフェノキシ基(置換フェノキシ基)の場合、置換基の数は、通常1乃至3、好ましくは1又は2である。
その具体例としては、例えば4−スルホフェノキシ等のスルホ置換フェノキシ;4−カルボキシフェノキシ及び3,5-ジカルボキシフェノキシ等のカルボキシ置換フェノキシ;4−アセチルアミノフェノキシ等のアセチルアミノ置換フェノキシ;2−アミノフェノキシ等のアミノ置換フェノキシ;4−ヒドロキシフェノキシ等の水酸基置換フェノキシ;4−フェノキシフェノキシ又は4−(4−カルボキシフェノキシ)フェノキシ等の、フェノキシ又はカルボキシ置換フェノキシによって置換されたフェノキシ;及び、4−フェニルフェノキシ等のフェニル置換フェノキシ等が挙げられる。
3が該置換フェノキシ基又は無置換フェノキシ基である場合、好ましいのは無置換フェノキシ基である。
3が、モノアルキルアミノアルキルアミノ基の場合、該アルキルの範囲は通常C1−C10、好ましくはC1−C6、より好ましくはC1−C4である。
該モノアルキルアミノアルキルアミノ基の具体例としては、例えば2−メチルアミノエチルアミノ、3−メチルアミノプロピルアミノ及び3−エチルアミノプロピルアミノ等が挙げられる。
3が、ジアルキルアミノアルキルアミノ基の場合、上記のモノアルキルアミノアルキルアミノ基の「モノアルキル」部分を独立に2つ有するものでよい。該アルキルの範囲も、好ましいもの等を含めて同じである。該ジアルキルアミノアルキルアミノ基の具体例としては、例えば3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアミノ及び2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアミノ等が挙げられる。
3が、上記の各基において好ましい基として挙げられた基よりなる群から選択される場合、好ましい。
好ましいR3としては、スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、及びアミノ基よりなる群から選択される基で置換されたアニリノ基、又は無置換アニリノ基;スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、フェニル基及び水酸基よりなる群から選択される基で置換されたモノ若しくはジC1−C10アルキルアミノ基、又は無置換モノ若しくはジC1−C10アルキルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、及びアミノ基よりなる群から選択される基で置換されたフェニルチオ基又は無置換フェニルチオ基;スルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、アニリノ基、フェノキシ基、及びアミノ基よりなる群から選択される基で置換されたC1−C10アルキルチオ基又は無置換アルキルチオ基(好ましくは無置換C1−C10アルキル基);メチル基、メトキシ基、又はカルボキシ基で置換されたスルホアニリノ基;カルボキシ置換ヒドロキシアニリノ基;スルホ基で置換されたナフチルアミノ基又は無置換ナフチルアミノ基;スルホ基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基、水酸基、フェノキシ基及びフェニル基よりなる群から選択される基で置換されたフェノキシ基又は無置換フェノキシ基;モノ又はジC1−C4アルキルアミノC1−C4アルキルアミノ基;水酸基;メルカプト基;及びアミノ基が挙げられる。
より好ましいR3としては、スルホ基又はカルボキシ基で置換されたアニリノ基又は無置換アニリノ基;スルホ基、カルボキシ基又はフェニル基で置換されたモノC1−C10アルキルアミノ基又は無置換モノC1−C10アルキルアミノ基;無置換ジC1−C6アルキルアミノ基;カルボキシ基で置換されたフェニルチオ基;カルボキシ基、又はアミノ基で置換されたC1−C10アルキルチオ基、又は無置換C1−C10アルキルチオ基;及び、無置換ジC1−C4アルキルアミノC1−C4アルキルアミノ基が挙げられる。
さらに好ましいR3としては、R3がカルボキシ基で置換されたアニリノ基又は無置換アニリノ基;スルホ基、カルボキシ基、又はフェニル基で置換されたモノC1−C8アルキルアミノ基又は無置換モノC1−C8アルキルアミノ基;無置換ジC1−C6アルキルアミノ基;フェノキシ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたフェニルチオ基;カルボキシ基で置換されたC1−C10アルキルチオ基、及び無置換C1−C10アルキルチオ基が挙げられ、これらの中ではスルホ基、カルボキシ基、又はフェニル基で置換されたモノC1−C8アルキルアミノ基又は無置換モノC1−C8アルキルアミノ基である場合、より好ましい。
最も好ましいR3としては、カルボキシ置換C3−C8アルキルアミノ基を挙げることが出来る。
上記のR1乃至R3で表される上記全ての基及びそれらにおける置換基において、これらの基が水素原子を有する場合、該水素原子は、本発明の効果を達成する限り、水素原子以外の基で置換されていてもよいが通常は置換されていない方が好ましい。
後記する前記式(1)の製造方法において中間体として出てくる下記式(10)
Figure 0005419705
(式中、n、R1、R2は前記式(1)と同じ意味を表し、Xは脱離基を表す。)
で表される化合物は、前記式(1)の化合物と同様にインク用の色素等として有用であると共に、また、式(1)〜(3)の化合物を合成するための中間体としも重要である。
前記式(4)の化合物は、上記式(10)の好ましい化合物であり、インク用色素等として有用であると共に、前記式(1)〜(3)の化合物を合成するための中間体として好ましいものの一つである。
式(10)又は式(4)において、nは1又は2が好ましい。
式(10)又は式(4)で表される化合物におけるXは、脱離基として使用可能なものであれば特に制限されず、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メタンスルホニルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基;トリフルオロメタンスルホニルオキシ基等のハロゲノアルキルスルホニルオキシ基;ベンゼンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオキシ基等のフェニル又は置換フェニルスルホニルオキシ基等が挙げられる。該各種のスルホニルオキシ基は、そのまま脱離基として利用してもよい。また、常法に従って、ハロゲン化アルカリ金属類、例えばヨウ化ナトリウム又は臭化ナトリウム等のハロゲン化ナトリウム;ヨウ化カリウム又は臭化カリウム等のハロゲン化カリウム;及び、ヨウ化リチウム又は臭化リチウム等のハロゲン化リチウム等のハロゲン化剤を使用して、反応時に反応系内でスルホニルオキシ基をそのままハロゲン原子に置換しながら、上記式(1)の化合物の合成反応に利用してもよい。Xを脱離基として使用するとき、好ましいXはハロゲン原子である。
上記式(10)又は前記式(4)で表される化合物を、前記式(1)で表される化合物の合成中間体として使用する場合、Xで表される脱離基は、求核置換反応をするのに十分な反応性を有するものであれば特に上記のものには制限されない。
該化合物を本発明のアントラピリドン化合物として、インク組成物等に含有される色素に使用する場合には、保存安定性等を考慮し、脱離基の中でも比較的安定なものを選択するのがよい。この場合、Xがハロゲン原子、特に塩素原子であることが好ましい。
前記式(1)における全ての基及び置換基について、好ましいもの同士を組合わせた化合物はより好ましく、より好ましい化合物同士を組合わせたものはさらに好ましい。さらに好ましいもの同士、特に好ましいもの同士等についても同様である。式(1)の好ましい化合物の一つとして、式(2)の化合物を挙げることが出来、より好ましい化合物の一つとして式(3)の化合物を挙げる。
より具体的には、好ましい本発明のアントラピリドン化合物としては、前記式(1)、好ましくは前記式(2)において、Rが水素原子又は低級アルキル基、より好ましくは水素原子又はメチル基、さらに好ましくはメチル基であり、Rが水素原子である化合物が挙げられる。従って、前記式(3)で表される化合物は、好ましい本発明のアントラピリドン化合物の一つである。
これらの好ましい化合物において、更に、前記した「好ましいR3」、「より好ましいR3」、「さらに好ましいR3」又は「最も好ましいR3」を組み合わせた化合物は、より好ましい本発明のアントラピリドン化合物の一つである。
また、上記の好ましい化合物において、更に、nが1又は2の整数である化合物もより好ましい本発明のアントラピリドン化合物の一つである。
また、前記式(1)、好ましくは式(2)、より好ましくは式(3)において、nが1又は2の整数であり、かつ、R3が前記「好ましいR3」、「より好ましいR3」、「さらに好ましいR3」又は「最も好ましいR3」である化合物も好ましい本発明のアントラピリドン化合物の一つである。また、これらの式(1)又は(2)の好ましい化合物において、Rが水素原子又は低級アルキル基、より好ましくは水素原子又はメチル基、更に好ましくはメチル基であり、Rが水素原子である化合物はより好ましい化合物の一つである。
更に好ましい本発明のアントラピリドン化合物は、式(3)において、nが1又は2の整数であり、かつ、R3がスルホ基、カルボキシ基、又はフェニル基で置換されたモノC1−C8アルキルアミノ基又は無置換モノC1−C8アルキルアミノ基である化合物であり、最も好ましくは、nが1で、R3がカルボキシ置換モノC3−C8アルキルアミノ基である化合物である。
また、本発明において下記式(113)
Figure 0005419705
(式中、nは1〜3の整数、Rは無置換アニリノ基又は置換基としてカルボキシ基を有するアニリノ基;無置換モノC1−C10アルキルアミノ基又は置換基としてスルホ基、カルボキシ基、又はフェニル基有するモノC1−C8アルキルアミノ基;無置換ジC1−C6アルキルアミノ基;フェノキシ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたフェニルチオ基;カルボキシ基で置換されたC1−C10アルキルチオ基、又は無置換C1−C10アルキルチオ基;又はハロゲン原子を表す)
で表されるアントラピリドン化合物又はその塩も好ましいものの一つである。
式(113)において好ましい化合物としては、Rがカルボキシ置換C1−C8アルキルアミノ基(好ましくはカルボキシ置換C3−C8アルキルアミノ基)又はハロゲン原子の場合である。この好ましい化合物において、nが1又は2である場合、より好ましく、nが1の時更に好ましい。
前記式(1)で表される化合物の塩は、無機又は有機塩基との塩である。そのうち無機塩の具体例としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびアンモニウム塩が挙げられ、好ましい無機塩は、リチウム、ナトリウム、カリウムの塩およびアンモニウム塩である。又、有機塩基の塩としては例えば下記式(5)で表される4級アンモニウムイオンとの塩(有機アンモニウム塩)があげられる。しかしながら、無機又は有機塩基との塩はこれらに限定されるものではない。また遊離酸、及びそれらの各種の塩が混合物であってもよく、例えばナトリウム塩と無機または有機アンモニウム塩の混合物、遊離酸とナトリウム塩の混合物、リチウム塩、ナトリウム塩および無機または有機アンモニウム塩の混合物など、いずれの組み合わせを用いても良い。塩の種類によって溶解性などの物性値が異なる場合も有り、必要に応じて適宜塩の種類を選択したり、複数の塩などを含む場合にはその比率を変化させることにより目的に適う物性を有する混合物を得ることもできる。
式(5)
Figure 0005419705
(式中、Z1〜Z4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルコキシアルキル基を表わし、Z1〜Z4の少なくとも一つは水素原子以外の基を表す。)
式(5)のZ1〜Z4におけるアルキル基の例としてはメチル、エチル等があげられ、ヒドロキシアルキル基の例としてはヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等があげられ、更にヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等があげられる。
上記塩を形成するための好ましい塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン及びアンモニウム等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいものは、リチウム塩、アンモニウム塩およびナトリウム塩である。
上記の塩は、例えば、反応液、又は目的物の(ウェット)ケーキ、若しくは乾燥品等を溶解した水溶液に食塩を加えて、塩析、濾過することによってナトリウム塩をウェットケーキとして得ることができる。又、そのウェットケーキを再び水に溶解後、塩酸を加えてpHを1〜2に調整して得られる固体を濾過すれば、遊離酸(あるいは一部はナトリウム塩のまま)の形で得ることができる。更に、その遊離酸のウェットケーキを水に溶解した後、例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水及び式(1)で表される化合物を添加してアルカリ性にすれば、各々相当するカリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩及び有機塩基との塩が得られる。
本発明の式(1)で表されるアントラピリドン化合物の具体例を下記表1に示すが、特にこれらに限定されるものではない。
Figure 0005419705
Figure 0005419705
本発明のアントラピリドン化合物は、たとえば次の方法により製造される。なお、下記式(6)〜(10)及び式(A)中、R1、R2、R3、n及びXは、いずれも前記したものと同じ意味を有する。
上記式(1)で表されるアントラピリドン化合物は、たとえば次のようにして得られる。
即ち、下記式(6)で示されるアントラキノン化合物1モルと、R2が置換したベンゾイル酢酸エチルエステル1.1〜3モルとをキシレン等の極性溶媒中、炭酸ナトリウム等の塩基性化合物の存在下、130〜180℃で、5〜15時間反応させ、下記式(7)で表される化合物を得る。
式(6)
Figure 0005419705
式(7)
Figure 0005419705
得られた上記式(7)の化合物1モルとメタアミノアセトアニリド1〜5モルとを、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性有機溶媒中、炭酸ナトリウム等の塩基及び酢酸銅等の銅触媒の存在下、110〜150℃で、2〜6時間、ウルマン反応により縮合させ、下記式(8)の化合物を得る。
式(8)
Figure 0005419705
得られた上記式(8)の化合物を8〜15%発煙硫酸中で、50〜120℃でスルホ化すると同時に、アセチルアミノ基を加水分解する事により、下記式(9)で表される化合物を得る。
式(9)
Figure 0005419705
得られた上記式(9)の化合物1モルと、例えば下記式(A)で表される化合物2〜2.5モルとを水中で、pH2〜9、2〜15℃で、30分〜1時間反応させる。得られた下記式(10)の化合物に、R3に対応する化合物、すなわち「R3−H」等で表される化合物2〜5モルを、pH7〜10、20〜90℃で、10分〜10時間反応させることにより、式(10)中の脱離基XをR3で置換することにより、上記式(1)で表される化合物を得ることができる。
式(A)
Figure 0005419705
式(10)
Figure 0005419705
本発明の化合物はマゼンタ色素として、天然及び合成繊維材料又は混紡品の染色に適しており、さらにこれらの化合物は、筆記用インクおよびインクジェット記録用インク組成物の製造に適している。
上記式(1)で表される化合物をインク組成物に含有させる色素として使用する場合、該化合物に不純物として含有される金属陽イオンの塩化物及び硫酸塩等の無機物(本明細書中においては「無機不純物」という。)の含有量が少ないものを用いるのが好ましい。無機不純物の含有量の目安は例えば、本発明のアントラピリドン化合物の総質量に対して1質量%以下程度である。無機不純物の少ない本発明の化合物を製造するには、例えば逆浸透膜による方法等の通常の方法により、上記で得られた本発明の化合物を脱塩処理すればよい。
本発明のインク組成物は、式(1)で表される化合物を、必要に応じてインク調製剤とともに、水又は水性溶媒(後記する水溶性有機溶剤を含有する水)に溶解したものであるが、本発明の式(1)で表される化合物を含む反応液は、インク組成物の製造に直接使用する事が出来る。又、反応液から目的物を分離し、乾燥、例えばスプレー乾燥させ、得られた乾燥品を、該インク組成物の製造に使用することもできる。本発明の記録用インク組成物は、本発明の化合物を通常0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは2〜10質量%含有する。本発明のインク組成物には、水溶性有機溶剤0〜30質量%、インク調製剤0〜105質量%、好ましくは1〜7質量%をそれぞれ含有しても良い。残部は水である。
上記の水溶性有機溶剤の具体例としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール及び第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール;N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン及びN−メチル−2−ピロリドン等のラクタム;1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン及び1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン及び2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン及びジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン及びヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(好ましくはトリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル及びトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4アルキルエーテル;γ−ブチロラクトン;又はジメチルスルホキシド等があげられる。これらの水溶性有機溶剤は、単独もしくは混合して用いられる。通常、2〜5種程度を適宜併用するのが好ましい。
これらのうち好ましいものは2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、C1〜C4アルカノール、グリセリン、モノ、ジ又はトリエチレングリコール、ブチルカルビトール及び/又はジプロピレングリコールであり、より好ましくは2−ピロリドン、N−メチル2−ピロリドン、イソプロパノール、グリセリン及び/又はブチルカルビトールである。
以下発明のインク組成物を調製するに当たり使用可能なインク調製剤について説明する。インク調製剤の具体例としては、例えば防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、及び界面活性剤などが挙げられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンゾチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、及び、無機塩系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられる。イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、及び、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤として無水酢酸ソーダ、ソルビン酸ソーダ及び安息香酸ナトリウム等があげられる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを8.0〜11.0の範囲に調整できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンなどのアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム;あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、及びウラシル二酢酸ナトリウムなどがあげられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、及びジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどがあげられる。
水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホン化されたベンゾフェノン又はスルホン化されたベンゾトリアゾール等があげられる。
水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン及びポリイミン等があげられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、及びエチレンカーボネート等があげられる。
界面活性剤の例としては、例えばアニオン系、カチオン系、又はノニオン系などの公知の界面活性剤が挙げられる。
アニオン界面活性剤の例としてはアルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸、及びジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、及びポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。
両性界面活性剤の具体例としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、及び、その他のイミダゾリン誘導体などがある。
ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル及びポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート及びポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどのアセチレングリコール(アルコール)系(例えば、日信化学工業株式会社製、商品名サーフィノールRTM104、105、82、465、オルフィンRTMSTGなど);並びにポリグリコールエーテル系(例えばSIGMA−ALDRICH社製のTergitolRTM15−S−7など)などが挙げられる。これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。
本発明の水性インク組成物は、本発明の化合物(式(1)で表される化合物及び/又はその塩。以下、本化合物とも言う。)を水又は上記水性溶媒(水溶性有機溶剤を含有する水)に、必要に応じて上記インク調製剤などと共に溶解させることによって製造できる。
上記製造法において、各成分を溶解させる順序には特に制限はない。あらかじめ水又は上記水性溶媒に本化合物を溶解させ、インク調製剤を添加して溶解させてもよいし、本化合物を水に溶解させたのち、水性溶媒、インク調製剤を添加して溶解させてもよい。またこれと順序が異なっていてもよいし、本化合物の反応液又は逆浸透膜による脱塩処理を行った液に、水性溶媒、インク調製剤を添加してインク組成物を製造してもよい。インク組成物を調製するにあたり、用いられる水はイオン交換水又は蒸留水など不純物が少ない物が好ましい。さらに、必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行って夾雑物を除いてもよい。またインクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合は精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1〜0.1μm、好ましくは、0.8〜0.2μmである。
本発明の水溶性のアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング、又は記録法、特にインクジェット記録における使用に適する。この場合、水、日光、オゾンおよび摩擦に対する良好な耐性を有する高品質のマゼンタ印捺物が得られる。また、本発明の化合物に、さらに公知公用のイエロー、マゼンタ等の染料を配合することによって、配合前の色調を、好みのオレンジ又は赤の色調に調色することもできる。また、他色、特にブラックを表現する場合の調色に用いることもできる。
本発明の着色体は前記の本発明の化合物で着色されたものである。着色できるものには、特に制限は無く、例えば紙、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等があげられるがこれらに限定されない。着色法としては、例えば浸染法、捺染法、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェット記録による方法等があげられるが、本発明においてはインクジェット記録による方法が好ましい。
本発明のインクジェット記録方法で記録が可能な被記録材(メディア)としては、例えば紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維及び皮革等が挙げられる。情報伝達用シートについては、表面処理されたもの、具体的にはこれらの基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工すること;多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等、インク中の色素を吸収し得る多孔性白色無機物をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工すること;等により設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙(フィルム)あるいは光沢紙(フィルム)と呼ばれ、例えばピクトリコRTM(旭硝子株式会社製)、プロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、マットフォトペーパー、(いずれもキヤノン株式会社製)、写真用紙〈光沢〉、フォトマット紙、スーパーファイン専用光沢フィルム(いずれもセイコーエプソン株式会社製)、プレミアムプラスフォト用紙、プレミアム光沢フィルム、フォト用紙(いずれも日本ヒュ−レットパッカード株式会社製)フォトライクQP(コニカ株式会社製)等がある。なお、普通紙も当然利用できる。
これらのうち、オゾンガスによる記録画像の変退色は、多孔性白色無機物を表面に塗工した被記録材を使用した場合に、特に大きくなることが知られている。しかしながら、本発明の水性マゼンタインク組成物はオゾンガス耐性が優れているため、このような被記録材に記録した画像の保存安定性に、特に効果を発揮する。
このような目的で使用される多孔性白色無機物としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛及び炭酸亜鉛等が挙げられる。
本発明のインクジェット記録方法で、被記録材に記録するには、例えば上記のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で、被記録材に記録すればよい。本発明のインクジェット記録方法では、公知公用のイエローインク組成物、シアンインク組成物に加えて、グリーンインク組成物、オレンジインク組成物、ブルー(又はバイオレット)インク組成物及び本発明のマゼンタインク組成物、必要に応じてブラックインク組成物等と併用しうる。各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、これらの容器を、本発明のインクジェット記録用水性マゼンタインク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定位置にセット(装填)されて、使用される。インクジェットプリンタとしては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式のプリンタ;加熱により生ずる泡を利用したバブルジェットRTM方式のプリンタ;等があげられる。
本発明の水性マゼンタインク組成物は、鮮明なマゼンタ色であり、特にインクジェット光沢紙において鮮明性の高い色相を有し、記録画像の堅牢度も高い。又、人に対する安全性も高い。
本発明のインク組成物は貯蔵中に沈澱、分離することがない。また、本発明のインク組成物をインクジェット記録に使用した場合、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。本発明のインク組成物は連続式インクジェットプリンタによる比較的長い時間一定の再循環下;オンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な使用;等においても、物理的性質の変化を起こさない。
以下に本発明を実施例により更に具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別に記載のない限りそれぞれ質量基準である。また、反応や、晶析等の工程は、特に断りの無い限り、いずれも攪拌下に行った。
実施例で得られた本化合物の水に対する溶解度(室温)は100g/L以上であった。
また実施例中の化合物の最大吸収波長(λmax)は、特に断りの無い限り、水溶液での測定値である。
実施例1
(1)キシレン360部中に、下記式(11)の化合物94.8部、炭酸ナトリウム3.0部、ベンゾイル酢酸エチルエステル144.0部を順次加えて昇温し、140〜150℃の温度で8時間反応を行った。その間、反応で生成するエタノールと水をキシレンと共沸させながら系外へ留出させ、反応を完結させた。次いで、反応液を冷却し、そこへ30℃にてメタノール240部を添加し、30分攪拌後、析出固体を濾過分離した。得られた固体をメタノール360部で洗浄後、乾燥して、下記式(12)で表される化合物124.8部を淡黄色針状結晶として得た。
式(11)
Figure 0005419705
式(12)
Figure 0005419705
(2)N,N―ジメチルホルムアミド300.0部中に、上記式(12)の化合物88.8部、メタアミノアセトアニリド75.0部、酢酸銅1水和物24.0部及び炭酸ナトリウム12.8部を順次加えて120〜130℃に昇温し、3時間反応を行った。反応液を約50℃に冷却し、そこへメタノール120部を添加して30分攪拌した。析出固体を濾過分離し、メタノール500部、次いで80℃の温水で洗浄した後、乾燥することにより下記式(13)の化合物79.2部を青味赤色結晶として得た。
式(13)
Figure 0005419705
(3)98%硫酸130部に、水冷しながら28%発煙硫酸170部を添加して、12%発煙硫酸300部を調製した。そこへ、水冷下、上記式(13)で表される化合物51.3部を50℃以下で添加した後、85〜90℃へ昇温し、4時間反応を行った。氷水600部中に反応液を添加し、その間氷を加えながら発熱による液温を40℃以下に保持した。さらにそこへ水を加えて液量を1000部とした後、濾過して、不溶解物を除去した。得られた母液に温水を加えて1500部とし、液温を60〜65℃に保ちながら、そこへ塩化ナトリウム300部を添加して2時間攪拌し、析出した結晶を濾過分離した。得られた結晶を20%塩化ナトリウム水溶液300部で洗浄し、よく水分を絞って下記式(14)の化合物59.2部を含むウェットケーキ100.3部を赤色結晶として得た。
式(14)
Figure 0005419705
(4) 水1000部中に、上記実施例1(3)で得た式(14)のウェットケーキ1300部、25%水酸化ナトリウム500部を加え、完全に溶解させた。この化合物の溶液中における濃度は、ジアゾ分析法により24.35%だった。水20部にこの溶液64部を加え氷冷しながら液温を10℃以下とした。ここへクロロアセチルクロリド5.8部を加えて、10℃にて、pH2.5に保ちながら30分攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。この反応液を50〜60℃とし、そこへ塩化ナトリウム20部を添加、攪拌し、析出した結晶を濾過分離した。得られた結晶を22%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、よく水分を絞り下記式(15)の化合物(表1の化合物No.41)のナトリウム塩のウェットケーキ34部を得た。得られた化合物のλmax(最大吸収波長)は534nmであった。
式(15)
Figure 0005419705
実施例2
前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物17部を含むウェットケーキを総量89部となるように水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を60℃へ昇温し、pH10とし、6−アミノヘキサン酸13部をそこに添加し30分攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH0.5へ調整し、そこに塩化アンモニウム30部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。得られた個体を23%塩化アンモニウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキをメタノール100部の中に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(16)の化合物(表1の化合物No.2)のアンモニウム塩16部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は531nmであった。
式(16)
Figure 0005419705
実施例3
前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物17部を含むウェットケーキを総量89部となるように水を加え溶解した。液を60℃に昇温し、pH10とし、そこに6−アミノヘキサン酸13部を添加し30分攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH0.5へ調整し、そこに塩化ナトリウム30部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。これを、22%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキをメタノール100部の中に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、上記式(16)の化合物(表1の化合物No.2)のナトリウム塩9部を赤色固体として得た。
実施例4

前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物10.7部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を60℃へ昇温し、pH8とし、そこにブチルアミン4.6部を添加し1時間30分攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH1.8とし、そこに塩化アンモニウム24部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。これを、23%塩化アンモニウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキをメタノール100部の中に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(17)の化合物(表1のNo.1)のアンモニウム塩4.0部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は531nmであった。
式(17)
Figure 0005419705
実施例5
前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物8.5部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を攪拌しながら35℃、pH8とし、そこにチオサリチル酸1.7部を添加し3時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH4.0とした。そこに、塩化アンモニウム43.2部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。これを23%塩化アンモニウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキをメタノール100部の中に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(18)の化合物(表1の化合物No.4)のアンモニウム塩7.8部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は530nmであった。
式(18)
Figure 0005419705
実施例6
前記実施例1(4)で得られた1式(15)の化合物8.5部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を60℃へ昇温し、pH8とし、そこに3−メルカプトプロピオン酸2.0部を添加し10時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH1.2とし、そこに塩化アンモニウム26部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。これを、23%塩化アンモニウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキをメタノール100部の中に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(19)の化合物(表1のNo.3)のアンモニウム塩5.0部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は532nmであった。
式(19)
Figure 0005419705
実施例7
前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物8.5部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を60℃へ昇温し、pH8とし、そこにベンジルアミン5.4部を添加し3時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH1.1とし、そこに塩化アンモニウム22.5部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。これを、18%塩化アンモニウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキをメタノール100部の中に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(20)の化合物(表1の化合物No.5)のアンモニウム塩8.5部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は531nmであった。
式(20)
Figure 0005419705
実施例8
前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物8.5部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を60℃へ昇温し、pH8とし、そこにアニリン4.7部を添加し5時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH1.7とし、そこに塩化アンモニウム12部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。これを、10%塩化アンモニウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキをメタノール100部の中に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(21)の化合物(表1の化合物No.6)のアンモニウム塩5.5部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は532nmであった。
式(21)
Figure 0005419705
実施例9
前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物4.3部を含むウェットケーキ100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を40℃へ昇温し、pH8とし、そこにオクタンチオール1.5部を添加し3時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。反応液にアセトンを添加し、析出した固体を水に溶解、50〜55℃にて、35%塩酸でpH0.7とし、そこに塩化アンモニウム27.8部を添加した。デカンテーションにより水溶液を除いて得られる油状沈殿物にエタノールを加えて固化させた後、得られた固体をろ取、乾燥し、下記式(22)の化合物(表1の化合物No.7)のアンモニウム塩1.3部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は534nmであった。
式(22)
Figure 0005419705
実施例10
前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物8.5部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を60℃へ昇温し、pH8とし、そこにヘキシルアミン5.1部を添加し3時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH1.0とし、そこに塩化アンモニウム30部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。これを、18%塩化アンモニウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキを少量のメタノールに溶解し、イソプロピルアルコールを加えて固体を析出させた。析出した固体をろ過、乾燥し、下記式(23)の化合物(表1の化合物No.8)のアンモニウム塩5.2部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は529nmであった。
式(23)
Figure 0005419705
実施例11
前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物8.5部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を60℃へ昇温し、pH7.5とし、そこにジエチルアミン2.5部を添加し3時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH2.0とし、そこに塩化アンモニウム20部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。これを、23%塩化アンモニウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキをメタノール100部に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(24)の化合物(表1の化合物No.10)のアンモニウム塩4.1部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は530nmであった。
式(24)
Figure 0005419705
実施例12
前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物8.5部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を60℃へ昇温し、pH7.5とし、そこにジイソプロピルアミン10.2部を添加し4.5時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH1.7とし、そこに塩化アンモニウム20部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。これを、23%塩化アンモニウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキをメタノール100部に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(25)の化合物(表1の化合物No.11)のアンモニウム塩2.2部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は531nmであった。
式(25)
Figure 0005419705
実施例13
前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物8.5部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を60℃へ昇温し、pH7.5とし、そこにアントラニル酸4.1部を添加し10時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH3.8とし、そこに塩化アンモニウム16.5部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。これを、18%塩化アンモニウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキをメタノール100部に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(26)の化合物(表1の化合物No.19)のアンモニウム塩7.7部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は530nmであった。
式(26)
Figure 0005419705
実施例14
前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物17部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を70℃へ昇温し、pH9.0とし、そこにタウリン12.0部を添加し1時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、そこにエタノール400部を添加した。デカンテーションにより上澄み液を除いて得られる油状沈殿物に水100部を添加して溶液とし、その溶液を50℃、3.5%塩酸でpH6.5とした後、そこにメタノール200部を滴下し、冷却後析出固体を濾過分離、乾燥し、下記式(27)の化合物(表1の化合物No.24)のナトリウム塩13.0部を赤色固体として得た。
式(27)
Figure 0005419705
実施例15
前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物8.5部を含むウェットケーキに50部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を60℃へ昇温し、pH9.0とし、そこにグリシン3.8部を添加し4時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温40℃にて、35%塩酸でpH1.0とし、そこにエタノール150部を添加した。デカンテーションにより上澄み液を除いて得られる油状沈殿物に水50部を加えて溶液とし、そこに室温にてエタノール100部を加えて析出した固体をろ取、乾燥し、下記式(28)の化合物(表1の化合物No.22)4.6部を赤色固体として得た。なお、この化合物は、一部がナトリウム塩の化合物である。
式(28)
Figure 0005419705
実施例16
上記実施例1(4)と同様にして、ジアゾ分析法にて24.35%の濃度を有する上記式(14)の化合物を含有する溶液108部を得た。この溶液にアセトン40部を加え氷冷下攪拌しながら10℃以下とした。ここへクロロプロピオニルクロリド8.1部を加え液温10℃、25%水酸化ナトリウム水溶液にてpH2.5に保ちながら3時間攪拌し、析出した固体を濾過分離した。よく水分を絞り下記式(29)の化合物(表1の化合物No.42)のナトリウム塩ウェットケーキ58部を得た。
式(29)
Figure 0005419705
実施例17
上記実施例16で得られた式(29)の化合物8.7部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を60℃へ昇温し、pH7.5とし、そこにブチルアミン3.7部を添加し3時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH2.7とし、そこに塩化アンモニウム7.5部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。これを、8%塩化アンモニウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキをメタノール100部に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(30)の化合物(表1の化合物No.13)のアンモニウム塩5.7部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は533nmであった。
式(30)
Figure 0005419705
実施例18
上記実施例16で得られた式(29)の化合物8.7部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を60℃へ昇温し、pH7.5とし、そこにチオサリチル酸4.6部を添加し4時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH4.4とし、そこに塩化アンモニウム5.0部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。これを、8%塩化アンモニウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキをメタノール100部に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(31)の化合物(表1の化合物No.9)のアンモニウム塩7.3部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は534nmであった。
式(31)
Figure 0005419705
実施例19
上記実施例16で得られた式(29)の化合物8.7部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を60℃へ昇温し、pH7.5とし、そこに6−アミノヘキサン酸4.1部、ヨウ化カリウム0.2部を添加し10時間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH1.2とし、そこに塩化アンモニウム30部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。得られたウェットケーキをメタノール100部に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(32)の化合物(表1の化合物No.12)のアンモニウム塩4.2部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は530nmであった。
式(32)
Figure 0005419705
実施例20
前記実施例1(4)で得られた式(15)の化合物8.5部を含むウェットケーキに100部の水を加え、ウェットケーキを溶解させた。その溶液を45℃へ昇温し、pH9.5とし、そこにフェノール72.0部を添加し4日間攪拌した。pHの調整は25%水酸化ナトリウム水溶液で行った。液温50〜55℃にて、35%塩酸でpH2.0とし、そこに塩化ナトリウム20部を添加、攪拌し、析出した固体を濾過分離した。これを、22%塩化ナトリウム水溶液100部で洗浄し、得られたウェットケーキをメタノール100部に加え、加熱攪拌し、得られた固体をろ過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(33)の化合物(表1の化合物No.27)のナトリウム塩2.9部を赤色固体として得た。λmax(最大吸収波長)は531nmであった。
式(33)
Figure 0005419705
実施例21及び22
(A)インクの調製
上記実施例2で得られた式(16)で表される化合物を用い、下記表2に示した組成の液体(インク組成物)を調製し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により本発明のインクジェット記録用水性インク組成物を得た。表2中の「水」は、アンモニア水の希釈用途のものを含めてイオン交換水を使用した。尚、インク組成物のpHが8〜10、総量100部になるように水、2.8%アンモニア水溶液を加えた。
次に、実施例1(4)で得られた式(15)で表される化合物を用いる以外は、上記と同様にしてインク組成物を得た。これらをそれぞれ実施例21及び22とする。これらのインク組成物を用いてインクジェット記録を行い、記録画像の評価を行った。結果を下記表3に示す。また、実施例21で得られた記録画像の各種堅牢度を試験した結果を表4に示す。
[表2](インク組成物)
実施例2の化合物(化合物例No.2) 6.0部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
イソプロピルアルコール 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
サーフィノール104PG50(日信化学工業株式会社製) 0.1部
水+2.8%アンモニア水 74.9部
計 100.0部
比較例1
比較対象として、特許文献1の実施例7(化合物No.36)に開示された下記式(34)の化合物を用いる以外は実施例21と同様にして、比較例1のインク組成物を調製し、インクジェット記録を行い、記録画像の評価及び各種堅牢度を試験を行った。結果を下記表3及び4に示す。
式(34)
Figure 0005419705
比較例2
比較対象として、上記実施例1(3)で得た公知の上記式(14)の化合物を用いる以外は実施例21と同様にして、比較例2のインク組成物を調製し、インクジェット記録を行い、記録画像の評価及び各種堅牢度を試験を行った。結果を下記表3及び4に示す。
(B)インクジェットプリント
インクジェットプリンタ(キヤノン株式会社製 Pixus iP4100)を用いて、多孔性白色無機物を含有するインク受像層を有する2種類の光沢紙にインクジェット記録を行った。インクジェット記録の際、印刷濃度が数段階の諧調が得られるように画像パターンを作り印字物を作成した。なお使用した光沢紙は以下の通りである。
光沢紙1:キヤノン株式会社製 商品名プロフェッショナルフォトペーパー PR−101
光沢紙2:セイコーエプソン株式会社製 商品名クリスピア
光沢紙3:Hewlett Packard社製 商品名アドバンスフォトペーパー
(C)記録画像の評価
1.色相評価
1−1.光沢紙での色相評価
記録画像の色相、鮮明性:印字濃度(D値)1.7付近の記録紙を測色システム(GRETAG SPM50:GRETAG社製)を用いて測色し、L*、a*、b*値を算出し、鮮明性は色度(a*、b*)からC* =((a*2+(b*21/2を算出した。JNC(社団法人 日本印刷産業機械工業会)のジャパンカラーの標準マゼンタサンプルとの比較で色相評価を行った。
実施例21及び22の色相の結果を表3に示す。尚、ジャパンカラー標準マゼンタの使用紙はJapan Color Standard Paperである。
[表3]
色相 鮮明性
****
JNC標準マゼンタ 46.3 74.4 −4.8 74.6
光沢紙1
実施例21 38.5 79.3 −22.9 82.5
実施例22 39.5 80.7 −18.8 82.9
比較例1 36.4 79.7 −21.6 82.4
比較例2 32.1 75.0 −33.7 82.2

光沢紙2
実施例21 37.7 81.0 −27.0 85.4
実施例22 37.6 82.0 −23.5 85.3
比較例1 34.5 80.7 −24.6 84.4
比較例2 31.2 78.6 −35.5 86.2

光沢紙3
実施例21 36.9 76.8 −25.4 80.9
実施例22 39.1 80.1 −21.3 82.8
比較例1 35.1 78.1 −23.2 81.5
比較例2 30.5 80.1 −21.3 82.8
表3より、各実施例及び比較例1は、いずれの光沢紙において、JNC標準マゼンタの色相に近似しており、インクジェット用マゼンタ色素として適した化合物である。又、C*値がJNC標準マゼンタの値よりも高く、非常に鮮明性が高い色相であることもわかる。
比較例2のb*値は、いずれの光沢紙においても、各実施例及び比較例1より値が小さく、青味であることがわかる。
以上の結果より、本発明の色素を用いたインク組成物の記録画像は、JNC標準マゼンタ色相であり、従って、本発明のアトラピリドン化合物は、インクジェット用マゼンタ色素として好適であると言える。
(D)記録画像のキセノン耐光性試験
光沢紙1、2及び3にプリントして作成した試験片を設置し、試験片の前に空気層と2mm厚のソーダライムガラスを設置し、アトラスウエザーオメータ(Ci4100)[株式会社東洋精機製作所製]を用い、0.36kw/m2の放射照度で、湿度60%RH、温度24℃、100時間照射した。D値が1.2付近の試験前後のD値を測定し、試験後/試験前×100=残存率(%)を算出し、評価した。
結果を下記表4に示す。
(E)記録画像の耐オゾンガス性試験
光沢紙1、2及び3にプリントして作成した試験片をオゾンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製)を用いてオゾン濃度10ppm、湿度60%RH、温度24℃の環境下に24時間放置した。D値が1.2付近の試験前後のD値を測定し試験後/試験前=残存率(%)を測定し、評価を行った。
結果を下記表4に示す。
(F)記録画像の耐湿性試験
光沢紙1にプリントして作成した試験片を恒温恒湿器(応用技研産業株式会社製)を用いて30℃、80%RHで168時間放置した。D値が1.7付近の試験前後のブリード性を目視にて判定し、3段階で評価した。
○:ブリードが認められない
△:わずかブリードが認められる
×:大きくブリードが認められる
結果を下記表4に示す。
[表4]
光沢紙1
耐光性 耐オゾン性 耐湿性
実施例21
92.6 95.0 ○
比較例1 88.5 89.6 ×
比較例2
62.1 57.5 ×

光沢紙2
耐光性 耐オゾン性 耐湿性
実施例21
93.0 90.4 △
比較例1 88.4 88.4 ×
比較例2
41.0 48.7 ×

光沢紙3
耐光性 耐オゾン性 耐湿性
実施例21
97.4 89.7 ○
比較例1 93.2 86.4 ×
比較例2
44.9 48.7 ×
表4より、耐光性試験における残存率は、光沢紙1を用いた場合、実施例21が92.6に対し、比較例1及び2は、それぞれ88.5及び62.1と値が小さく、退色が実施例21よりも大きいことがわかる。
又、光沢紙2を用いた場合においては、実施例21の残存率が93.0に対し、比較例1及び2は、それぞれ88.4及び41.0と非常に値が大きく、退色が実施例21よりも大きいことがわかる。
光沢紙3用いた場合においても、実施例21の残存率が97.4に対し、比較例1及び2は、それぞれ93.2及び44.9と非常に値が大きく、退色が実施例21よりも大きいことがわかる。以上の結果から、全ての光沢紙において実施例21の耐光性は比較例1及び2よりも優れることがわかる。
耐オゾン性試験における残存率は、光沢紙1を用いた場合において、実施例21が95.0に対し、比較例1及び2は、それぞれ89.6、57.5と値が大きく、退色が大きいことがわかる。
光沢紙2を用いた場合においても、実施例21の残存率が90.4に対し、比較例1及び2が88.4及び48.7と値が小さく、退色が大きいことがわかる。
光沢紙3を用いた場合においても、実施例21の残存率が89.7に対し、比較例1及び2が86.4及び48.7と値が小さく、退色が大きいことがわかる。
以上の結果から、実施例21の耐オゾン性は、比較例1及び2よりも優れることがわかる。
耐湿性試験については全ての光沢紙において、実施例21は、比較例1及び2より滲みがなく良好である。
実施例21は、各種の試験結果に優れるため、非常にインクジェット用マゼンタ色素に適しているといえる。
なお、実施例22で得られた記録画像の耐光性及び耐オゾン性も優れており、比較例1と同程度かやや優れていた。
上記の結果から、本発明のアントラピリドン化合物は堅牢性をも有する画像を与える色素であることが明らかであり、この点においてもインクジェット用マゼンタ色素として極めて優れたものであると言える。
本発明のアントラピリドン化合物は、堅牢性が高く、特にインクジェットプリント用マゼンタ色素として、インクジェットインク用途に好適に用いられる。

Claims (22)

  1. 下記式(1)
    Figure 0005419705
    (式中、
    nは1〜3の整数、
    1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を、
    2は水素原子又はメトキシ基を、
    3は無置換アニリノ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基及びメルカプト基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するアニリノ基;
    無置換モノ若しくはジアルキルアミノ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、水酸基、メルカプト基及びフェニル基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するモノ若しくはジアルキルアミノ基;
    無置換フェニルチオ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基及びメルカプト基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するフェニルチオ基;
    無置換アルキルチオ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基及びフェニル基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するアルキルチオ基;
    スルホ基で置換されたナフチルアミノ基、又は、無置換ナフチルアミノ基;
    無置換フェノキシ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基、水酸基、フェノキシ基及びフェニル基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するフェノキシ基;
    水酸基;メルカプト基;又は無置換アミノ基;をそれぞれ表す。)
    で表されるアントラピリドン化合物又はその塩。
  2. 下記式(2)
    Figure 0005419705
    (式中、n、R1、R2、及びR3は式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
    で表される請求項1に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  3. 下記式(3)
    Figure 0005419705
    (式中、n及びR3は式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
    で表される請求項1に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  4. nは1又は2の整数、
    3が無置換アニリノ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、及びアミノ基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するアニリノ基;
    無置換モノ若しくはジC1−C10アルキルアミノ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、フェニル基及び水酸基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するモノ若しくはジC1−C10アルキルアミノ基;
    無置換フェニルチオ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、C1−C4アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、及びアミノ基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するフェニルチオ基;
    無置換アルキルチオ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、C1−C4アルコキシ基、アニリノ基、フェノキシ基、及びアミノ基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するC1−C10アルキルチオ基;
    スルホ基で置換されたナフチルアミノ基、又は、無置換ナフチルアミノ基;
    無置換フェノキシ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基、水酸基、フェノキシ基及びフェニル基よりなる群から選択される基を少なくとも一つ有するフェノキシ基;又は
    モノ又はジC1−C4アルキルアミノC1−C4アルキルアミノ基;
    水酸基;メルカプト基;又はアミノ基;である請求項3に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  5. 3が無置換アニリノ基、又は、置換基としてスルホ基又はカルボキシ基を有するアニリノ基;無置換モノC1−C10アルキルアミノ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基又はフェニル基を有するモノC1−C10アルキルアミノ基;無置換ジC1−C6アルキルアミノ基;カルボキシ基で置換されたフェニルチオ基;、無置換C1−C10アルキルチオ基、又は、置換基としてカルボキシ基又はアミノ基を有するC1−C10アルキルチオ基;又は、無置換ジC1−C4アルキルアミノC1−C4アルキルアミノ基である請求項4に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  6. 3が無置換アニリノ基、又は、置換基としてカルボキシ基を有するアニリノ基;無置換モノC1−C8アルキルアミノ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、又はフェニル基を有するモノC1−C8アルキルアミノ基;無置換ジC1−C6アルキルアミノ基;フェノキシ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたフェニルチオ基;カルボキシ基で置換されたC1−C10アルキルチオ基、又は、無置換C1−C10アルキルチオ基である、請求項4に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩を含有することを特徴とするインク組成物。
  8. 水及び水溶性有機溶剤を含有する請求項7に記載のインク組成物。
  9. インク組成物中に色素として含有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩の総質量に対して、該化合物中の無機不純物の含有量が1質量%以下である、請求項7に記載のインク組成物。
  10. インク組成物中に色素として含有する請求項1乃至6のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩の含有量が、インク組成物の総質量に対して、0.1〜20質量%である請求項7に記載のインク組成物。
  11. インクジェット記録用である請求項7に記載のインク組成物。
  12. インクの小滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして請求項11に記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  13. 被記録材が情報伝達用シートである請求項12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有したインク受像層を有するものである請求項13に記載のインクジェット記録方法。
  15. 請求項7に記載のインク組成物により着色された着色体。
  16. 着色がインクジェットプリンタによりなされた請求項15に記載の着色体。
  17. 請求項7に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ。
  18. 下記式(4)
    Figure 0005419705
    (式中、nは1〜3の整数、Xはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、ハロゲノアルキルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基及び置換フェニルスルホニルオキシ基からなる群から選択される脱離基を表す。)
    で表されるアントラピリドン化合物又はその塩。
  19. nは1又は2の整数、Xが塩素原子、臭素原子又は沃素原子である、請求項18に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  20. nは1又は2の整数、R3はカルボキシ置換C3−C8アルキルアミノ基である請求項1〜3のいずれか1項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  21. 下記式(10)
    Figure 0005419705
    (式中nは1〜3の整数、
    は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を、
    は水素原子又はメトキシ基を、
    Xはハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、ハロゲノアルキルスルホニルオキシ基、フェニルスルホニルオキシ基及び置換フェニルスルホニルオキシ基からなる群から選択される脱離基を表す)
    で表されるアントラピリドン化合物又はその塩と
    式R−H
    (式中Rは;
    無置換アニリノ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基及びメルカプト基よりなる群から選択される基を有するアニリノ基;
    無置換モノ若しくはジアルキルアミノ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、水酸基、メルカプト基及びフェニル基よりなる群から選択される基を有するモノ若しくはジアルキルアミノ基;
    無置換フェニルチオ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アルキル基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基及びメルカプト基よりなる群から選択される基を有するフェニルチオ基;
    無置換アルキルチオ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アルコキシ基、カルボニル基、カルバモイル基、シアノ基、アニリノ基、フェノキシ基、アミノ基、水酸基、メルカプト基及びフェニル基よりなる群から選択される基を有するアルキルチオ基;
    スルホ基で置換されたナフチルアミノ基、又は、無置換ナフチルアミノ基;
    無置換フェノキシ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、アセチルアミノ基、アミノ基、水酸基、フェノキシ基及びフェニル基よりなる群から選択される基を有するフェノキシ基;
    水酸基;メルカプト基;又は無置換アミノ基;を表す)
    で表される化合物を反応させることを特徴とする下記式(1)
    Figure 0005419705
    (式中、n、R、R、及びRは前記と同じ意味を表す)
    で表されるアントラピリドン化合物又はその塩の製造方法。
  22. 下記式(113)
    Figure 0005419705
    (式中、nは1〜3の整数、
    Rは無置換アニリノ基、又は、置換基としてカルボキシ基を有するアニリノ基;無置換モノC1−C10アルキルアミノ基、又は、置換基としてスルホ基、カルボキシ基、又はフェニル基を有するモノC1−C8アルキルアミノ基;無置換ジC1−C6アルキルアミノ基;フェノキシ基;スルホ基又はカルボキシ基で置換されたフェニルチオ基;カルボキシ基で置換されたC1−C10アルキルチオ基、又は無置換C1−C10アルキルチオ基;又はハロゲン原子を表す)
    で表されるアントラピリドン化合物又はその塩。
JP2009539980A 2007-11-06 2008-09-01 アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体 Active JP5419705B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009539980A JP5419705B2 (ja) 2007-11-06 2008-09-01 アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007288761 2007-11-06
JP2007288761 2007-11-06
JP2009539980A JP5419705B2 (ja) 2007-11-06 2008-09-01 アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
PCT/JP2008/065633 WO2009060654A1 (ja) 2007-11-06 2008-09-01 アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2009060654A1 JPWO2009060654A1 (ja) 2011-03-17
JP5419705B2 true JP5419705B2 (ja) 2014-02-19

Family

ID=40625557

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009539980A Active JP5419705B2 (ja) 2007-11-06 2008-09-01 アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7871464B2 (ja)
EP (1) EP2206747B1 (ja)
JP (1) JP5419705B2 (ja)
KR (1) KR101493918B1 (ja)
CN (1) CN101848970B (ja)
CA (1) CA2700044C (ja)
TW (1) TWI423959B (ja)
WO (1) WO2009060654A1 (ja)

Families Citing this family (21)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101925658B (zh) * 2008-01-25 2013-10-02 日本化药株式会社 蒽吡啶酮化合物或其盐、含有该蒽吡啶酮化合物的洋红色油墨组合物及着色体
US8226222B2 (en) 2008-03-28 2012-07-24 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Ink set, recording method, and colored object
US20120056931A1 (en) * 2009-05-18 2012-03-08 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Magenta coloring matter, ink composition, and colored body
JP5663865B2 (ja) * 2009-11-30 2015-02-04 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用水性インク、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
JP5663862B2 (ja) * 2009-11-30 2015-02-04 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用水性インク、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
JP2011111611A (ja) 2009-11-30 2011-06-09 Brother Industries Ltd インクジェット記録用水性インクセット、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
JP5663864B2 (ja) * 2009-11-30 2015-02-04 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用水性インク、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
JP5663863B2 (ja) * 2009-11-30 2015-02-04 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用水性インク、インクカートリッジおよびインクジェット記録装置
US8449664B2 (en) 2009-11-30 2013-05-28 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Water-based ink for ink-jet recording, ink cartridge, and ink-jet recording apparatus
US8430953B2 (en) 2009-11-30 2013-04-30 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Water-based ink for ink-jet recording, ink cartridge, and ink-jet recording apparatus
JP5971639B2 (ja) * 2010-09-30 2016-08-17 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用水性インクセット、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
JP2012092301A (ja) * 2010-09-30 2012-05-17 Brother Industries Ltd インクジェット記録用水性インクセット、インクジェット記録方法およびインクジェット記録装置
WO2012094820A1 (zh) * 2011-01-14 2012-07-19 大连理工大学 蒽吡啶酮磺酸化合物及其制备方法和用途
CN102807527B (zh) * 2011-05-31 2016-03-09 珠海纳思达企业管理有限公司 蒽吡啶酮化合物及其制备方法和用途
CN102741354B (zh) * 2011-09-01 2013-11-20 大连理工大学 羰丙砜基蒽吡啶酮磺酸化合物及其制备方法和用途
JP2013147558A (ja) 2012-01-18 2013-08-01 Brother Industries Ltd インクジェット記録用水性インク及びインクカートリッジ
JP2013147557A (ja) 2012-01-18 2013-08-01 Brother Industries Ltd インクジェット記録用水性インクセット
TWI615447B (zh) 2013-08-08 2018-02-21 Nippon Kayaku Kk 墨水組成物、使用此墨水組成物之噴墨記錄方法、及著色體
KR102216538B1 (ko) 2013-10-23 2021-02-18 삼성전자주식회사 트랜지스터 및 그 동작 방법
US10287438B2 (en) 2015-05-08 2019-05-14 Evonik Degussa Gmbh Color-bleed resistant silica and silicate pigments and methods of making same
JP6617776B2 (ja) 2016-01-19 2019-12-11 株式会社リコー インクジェット記録装置、及びインクジェット記録方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999048981A1 (fr) * 1998-03-25 1999-09-30 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Nouveaux composes d'anthrapyridone, composition d'encre magenta a base aqueuse et procede d'impression par jet d'encre
JP2005206751A (ja) * 2004-01-26 2005-08-04 Konica Minolta Holdings Inc インクジェットインク及びインクジェット記録方法
JP2008202011A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Nippon Kayaku Co Ltd アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するバイオレットインク組成物及び着色体

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0270306B1 (en) * 1986-12-01 1991-03-27 Sumitomo Chemical Company, Limited Anthrapyridone compounds, their production process and their use
CN1095861C (zh) * 1996-09-11 2002-12-11 日本化药株式会社 蒽并吡啶酮化合物、水基油墨组合物和着色制品
JP3966390B2 (ja) 1996-09-11 2007-08-29 日本化薬株式会社 アントラピリドン化合物、水性インク組成物及び着色体
JP3957423B2 (ja) 1998-03-10 2007-08-15 日本化薬株式会社 水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
JP3767879B2 (ja) 1998-03-25 2006-04-19 日本化薬株式会社 新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
JP4360572B2 (ja) 1998-10-22 2009-11-11 日本化薬株式会社 新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
JP4162318B2 (ja) 1999-03-04 2008-10-08 日本化薬株式会社 水性インクセット、着色方法及びその着色体
JP4408492B2 (ja) 1999-09-03 2010-02-03 日本化薬株式会社 アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
US6648952B1 (en) * 1999-09-03 2003-11-18 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Anthrapyridone compound, aqueous magenta ink compositions and ink-jet recording method
JP3957450B2 (ja) 1999-09-03 2007-08-15 日本化薬株式会社 アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
US6843839B2 (en) * 2000-06-12 2005-01-18 Canon Kabushiki Kaisha Ink, recording method, recording unit, ink cartridge, ink set, and recording apparatus
JP4353500B2 (ja) 2001-09-26 2009-10-28 日本化薬株式会社 新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
JP2004175704A (ja) * 2002-11-26 2004-06-24 Nippon Kayaku Co Ltd 高純度アントラピリドン系化合物及びその製造方法
JP4428515B2 (ja) 2003-05-22 2010-03-10 日本化薬株式会社 アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
TWI336347B (en) * 2003-05-22 2011-01-21 Nippon Kayaku Kk Novel anthrapyridone compound, aqueous magenta ink composition and ink-jet recording method
JP2005314514A (ja) 2004-04-28 2005-11-10 Nippon Kayaku Co Ltd 新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
JP4374917B2 (ja) * 2003-06-12 2009-12-02 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット記録液
US7622580B2 (en) * 2004-08-13 2009-11-24 Xerox Corporation Colorant compounds
KR101174741B1 (ko) 2005-01-17 2012-08-17 니폰 가야꾸 가부시끼가이샤 안트라피리돈 화합물, 마젠타 잉크 조성물 및 착색체
US20100221502A1 (en) * 2005-08-09 2010-09-02 Hiroyuki Matsumoto Anthrapyridone Compound and Salt Thereof, Magenta Ink Composition Containing the Anthrapyridone Compound, and Colored Article
JP4905928B2 (ja) 2006-05-29 2012-03-28 日本化薬株式会社 アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体
JPWO2008056699A1 (ja) * 2006-11-09 2010-02-25 日本化薬株式会社 アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JP5107258B2 (ja) * 2006-11-29 2012-12-26 日本化薬株式会社 アントラピリドン化合物、その塩、マゼンタインク組成物及び着色体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999048981A1 (fr) * 1998-03-25 1999-09-30 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Nouveaux composes d'anthrapyridone, composition d'encre magenta a base aqueuse et procede d'impression par jet d'encre
JP2005206751A (ja) * 2004-01-26 2005-08-04 Konica Minolta Holdings Inc インクジェットインク及びインクジェット記録方法
JP2008202011A (ja) * 2007-02-22 2008-09-04 Nippon Kayaku Co Ltd アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するバイオレットインク組成物及び着色体

Also Published As

Publication number Publication date
TW200920738A (en) 2009-05-16
EP2206747A4 (en) 2011-05-25
KR20100072218A (ko) 2010-06-30
WO2009060654A1 (ja) 2009-05-14
CN101848970A (zh) 2010-09-29
JPWO2009060654A1 (ja) 2011-03-17
US20100209678A1 (en) 2010-08-19
EP2206747B1 (en) 2013-11-06
CA2700044A1 (en) 2009-05-14
CN101848970B (zh) 2014-04-02
US7871464B2 (en) 2011-01-18
CA2700044C (en) 2015-11-17
KR101493918B1 (ko) 2015-02-16
EP2206747A1 (en) 2010-07-14
TWI423959B (zh) 2014-01-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5419705B2 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JP4500260B2 (ja) 新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
JP5145243B2 (ja) アントラピリドン化合物、その塩、それを含有するマゼンタインク組成物及び着色体
JP4989975B2 (ja) アントラピリドン化合物、マゼンタインク組成物及び着色体
JP5107258B2 (ja) アントラピリドン化合物、その塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JP2007077256A (ja) アントラピリドン化合物及びインクジェット記録用インク組成物
JP4428515B2 (ja) アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
JPWO2007018175A1 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体
JP4905928B2 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体
JP2010006969A (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体
WO2010047263A1 (ja) アントラピリドン色素又はその塩、インク組成物及び着色体
JP2011068795A (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JP2010254861A (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JP2005042028A (ja) 水溶性モノアゾ化合物、それを含有する水性オレンジインク組成物及びこれを用いて得られる着色体
WO2010084740A1 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JP2012036257A (ja) インク組成物及び着色体
JP2009191147A (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体
JP2005139377A (ja) 新規アントラピリドン化合物、及びそれを用いたインク組成物
JP2016113577A (ja) 耐オゾンガス性の向上方法
JP2012158712A (ja) インク組成物、インクジェット記録方法及び着色体
JPWO2012008533A1 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
WO2010061587A1 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JP2014172912A (ja) 色素、組成物及び着色体
JP2010059217A (ja) アントラピリドン色素又はその塩、及びそれを含有するインク組成物
JP2012126770A (ja) インク組成物、色素又はその塩、インクジェット記録方法及び着色体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20131112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20131119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5419705

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250