JP2012126770A - インク組成物、色素又はその塩、インクジェット記録方法及び着色体 - Google Patents

インク組成物、色素又はその塩、インクジェット記録方法及び着色体 Download PDF

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大輔 小野
Takahiko Matsui
貴彦 松井
Akihiro Mitsufuji
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Junya Sakuki
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Abstract

【課題】インクジェット記録に適する高い鮮明性をもつ色相を有し、且つ記録物の各種の堅牢度、特に耐光性と耐オゾンガス性に優れたマゼンタ色素を提供する。
【解決手段】少なくとも1種類の下記式(1)で表される化合物又はその塩を、色素として含有するインク組成物。
Figure 2012126770

[式中、基Aはアントラピリドン化合物の化学式に連結基が結合してなる基を、R11はカルボキシ基又は基Aで表される基を、R31及びR32はそれぞれ独立に水素原子等を表す。]
【選択図】なし

Description

本発明はインク組成物、該インク組成物が色素として含有する化合物又はその塩、インクジェット記録方法、及びこれらにより着色された着色体に関する。
各種カラー記録方法の中で、その代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法、すなわちインクジェット記録方法に用いるインクの1つとして、水溶性染料を水性媒体に溶解した水性インクが使用されている。水性インクに求められる性能としては、十分な濃度の記録画像を与えること;吐出ノズルの目詰まりを生じないこと;被記録材上での乾燥性がよいこと;滲みが少ないこと;保存安定性に優れること;等が要求される。また、コンピューターのカラーディスプレイ上の画像又は文字情報を、できるだけ忠実にフルカラーで再現するために、インクジェット記録に用いるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のそれぞれのインクは、できるだけそれぞれの標準に近い色相を有し且つ鮮明であることが望まれる。さらに、インクジェット記録により得られる画像には、耐水性、耐湿性、耐光性及び耐ガス性(SOx、NOx、特にオゾンガスが挙げられる)等の画像の堅牢性が求められている。これらの中でも耐光性を大幅に改良する技術は未だ確立されておらず、特にY、M、C、及び必要に応じて用いられるブラック(K)の4原色のうち、マゼンタの記録画像は耐光性の弱いものが多いため、その改良は重要な課題の1つである。
水性インクジェットインクに用いられるマゼンタ色素としては、キサンテン系色素と、1−アミノ−8−ヒドロキシ−ナフタレン−3,6−ジスルホン酸を用いたアゾ系色素が代表的である。しかし、前者は色相及び鮮明性は非常に優れるが耐光性が非常に劣る。また、後者は色相及び耐水性の点では良いものがあるが、耐光性及び耐オゾンガス性が劣る。また耐光性の向上を目的とし、アゾ系色素の金属錯体も提案されているが、鮮明性及び耐オゾンガス性が極めて劣る。
鮮明性、耐酸化性ガス性及び耐光性に優れるマゼンタ色素としては、アントラピリドン系色素(例えば、特許文献1〜13参照)が挙げられる。しかし、色相、鮮明性、耐光性、耐水性、耐酸化性ガス性、及び該色素を含有するインク(組成物)の保存安定性の全てを満足させるものは依然として得られていない。
特許文献9、12及び13には、2分子のアントラピリドン化合物を架橋基により架橋した構造を有するマゼンタ色素、及び該色素を含有するインク組成物が開示されている。
特開平10−306221号公報 特開2000−109464号公報 特開2000−169776号公報 特開2000−191660号公報 特開2000−256587号公報 特開2001−72884号公報 特開2001−139836号公報 国際公開2004/104108号パンフレット 特開2003−192930号公報 特開2005−8868号公報 特開2005−314514号公報 国際公開2006/075706号パンフレット 国際公開2008/066062号パンフレット 国際公開2009/093433号パンフレット
本発明は耐光性と耐オゾンガス性に優れたマゼンタ色素(化合物)及びそれを含有するインク組成物、特にインクジェット記録用のインク組成物を提供する事を目的とする。
本発明者等は前記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、少なくとも1種類の下記式(1)で表される化合物を含有するインク組成物が前記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させたものである。即ち本発明は、以下の1)乃至16)に関する。
1)
少なくとも1種類の下記式(1)で表される化合物又はその塩を、色素として含有するインク組成物、
Figure 2012126770
[式(1)中、
基Aは下記式(2)で表される基を表し、
11はカルボキシ基、又は基Aを表し、
31及びR32はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、
31とR32は結合して、これらがそれぞれ置換する2つの炭素原子と共にシクロアルキレン環を形成しても良い。]、
Figure 2012126770
[式(2)中、
*は基Aとしての結合部位を表し、
21は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロアルキル基、又はシアノアルキル基を表し、
22は水素原子、スルホ基、又はカルボキシ基を表し、
23及びR24はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシ基、又はハロゲン原子を表す。]。
2)
式(2)で表される基において、
22が水素原子、又はスルホ基であり、
23及びR24が水素原子である、
前記1)に記載のインク組成物。
3)
式(1)で表される化合物又はその塩において、
31及びR32がそれぞれ独立に水素原子、メチル基、又はR31とR32が結合して、これらがそれぞれ結合する2つの炭素原子と共に形成したシクロヘキシレン環である、前記1)に記載のインク組成物。
4)
式(2)で表される基におけるR21が水素原子又はC1−C6アルキル基である、前記1)又は2)に記載のインク組成物。
5)
21が水素原子又はC1−C6アルキル基、
31及びR32が水素原子である前記1)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
6)
式(1)で表される化合物又はその塩において、
11がカルボキシ基、又は基Aであり、
31及びR32がそれぞれ独立に水素原子又はC1−C6アルキル基であり、
基Aが式(2)で表される基であり、該式(2)において、
21が水素原子、又はC1−C6アルキル基であり、
22が水素原子又はスルホ基であり、
23及びR24がそれぞれ独立に、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、C6−C10アリールオキシ基、C1−C6アルキルチオ基、C6−C10アリールチオ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシ基、又はハロゲン原子である、前記1)に記載のインク組成物。
7)
式(1)で表される化合物又はその塩において、
11がカルボキシ基、又は基Aで表される基であり、
31及びR32が水素原子であり、
基Aが式(2)で表される基であり、該式(2)において、
21、R22、R23及びR24が水素原子である、前記1)に記載のインク組成物。
8)
水溶性有機溶剤をさらに含有する前記1)乃至7)に記載のインク組成物。
9)
インクジェット記録に用いる前記8)に記載のインク組成物。
10)
前記1)乃至9)のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を、記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
11)
被記録材が情報伝達用シートである、前記10)に記載のインクジェット記録方法。
12)
情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシートである、前記11)に記載のインクジェット記録方法。
13)
前記1)乃至9)のいずれか一項に記載のインク組成物により着色された着色体。
14)
前記10)乃至12)のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法により着色された着色体。
15)
前記1)乃至9)のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ。
16)
下記式(1)で表される化合物又はその塩、
Figure 2012126770
[式(1)中、
基Aは下記式(2)で表される基を表し、
11はカルボキシ基、又は基Aを表し、
31及びR32はそれぞれ独立に水素原子又はC1−C6アルキル基を表し、
31とR32は結合して、これらがそれぞれ置換する2つの炭素原子と共にC5−C10シクロアルキレン環を形成しても良い。]、
Figure 2012126770
[式(2)中、
*は基Aとしての結合部位を表し、
21は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はシアノアルキル基を表し、
22は水素原子、スルホ基、又はカルボキシ基を表し、
23及びR24はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシ基、又はハロゲン原子を表す。]。
本発明を詳細に説明する。本明細書においては、煩雑さを避けるため特に断りがない限り、「化合物又はその塩」の両者を含めて、単に「化合物」と簡略化して以下記載し、「化合物又はその塩」の両者を意味するものとする。
本発明のインク組成物は、少なくとも1種類の前記式(1)で表される本発明の化合物を色素として含有する、実質的に溶液の水性インク組成物である。該式(1)で表される化合物について記載する。
前記式(1)で表される化合物中、基Aは前記式(2)で表される基を表す。
式(2)中、「*」で示した炭素原子は、基Aとしての結合部位を表す。すなわち、式(1)において基Aはメチレン基を介して窒素原子に結合しており、
式(2)中、R21におけるアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のものが挙げられ、直鎖又は環状のものが好ましく、直鎖のものがより好ましい。炭素数の範囲としては通常C1−C6、好ましくはC1−C5、より好ましくはC1−C4の範囲が挙げられる。但し、分岐鎖又は環状のものについてはC3−C6の炭素数の範囲が好ましく挙げられる。具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルといった直鎖のもの;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、イソペンチル、tert−ペンチル、といった分岐鎖のもの;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の環状のもの;等が挙げられる。好ましい具体例としては、メチル、エチル、シクロヘキシルが挙げられ、メチル又はシクロヘキシルがより好ましく、メチルが特に好ましい。
21におけるヒドロキシアルキル基又はシアノアルキル基としては、前記「R21におけるアルキル基」における任意の炭素原子にヒドロキシ基又はシアノ基が置換したものが挙げられ、同一の炭素原子に該ヒドロキシ基又はシアノ基と、アントラピリドン環を構成する窒素原子の両者が置換しないものが好ましい。アルキル部分の構成は、前記「R21におけるアルキル基」に挙げたものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。ヒドロキシ基の置換数としては通常1〜3つ、好ましくは1又は2つ、より好ましくは1つが挙げられる。ヒドロキシアルキル基の具体例としては、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル等のアルキル部分が直鎖のもの;1−ヒドロキシ−2−プロピル、1−ヒドロキシ−2−ブチル、1−ヒドロキシ−3−ブチル、2−ヒドロキシ−3−ペンチル、2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル等のアルキル部分が分岐鎖のもの;等が挙げられる。好ましい具体例としては、2−ヒドロキシエチルが挙げられる。また、シアノアルキル基の具体例としては、2−シアノエチル、2−シアノプロピル、3−シアノプロピル、3−シアノブチル、4−シアノブチル等のアルキル部分が直鎖のもの;1−シアノ−2−プロピル、1−シアノ−2−ブチル、1−シアノ−3−ブチル、2−シアノ−3−ペンチル、2−シアノ−1,1−ジメチルエチル等のアルキル部分が分岐鎖のもの;等が挙げられる。好ましい具体例としては、2−シアノエチルが挙げられる。
前記のうち、好ましいR21としては水素原子、又はアルキル基が挙げられ、水素原子がより好ましい。
式(2)中、R22は水素原子、スルホ基又はカルボキシ基を表し、水素原子又はスルホ基が好ましく、水素原子がより好ましい。
式(2)中、R23及びR24におけるアルキル基としては、前記「R21におけるアルキル基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられ、中でも直鎖のものが特に好ましい。好ましい具体例としてはエチル、メチルが挙げられ、メチルがより好ましい。
23及びR24におけるアルコキシ基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。炭素数の範囲としては通常C1−C6、好ましくはC1−C5、より好ましくはC1−C4の範囲が挙げられる。但し、分岐鎖のものについてはC3−C6の炭素数の範囲が好ましく挙げられる。その具体例としては例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシロキシといった直鎖のもの;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、イソペンチルオキシ、t−ペンチルオキシ、t−ヘキシロキシといった分岐鎖のもの;等が挙げられる。これらの中ではメトキシ、エトキシが好ましく、メトキシが特に好ましい。
23及びR24におけるアリール基としては、炭素数の範囲が通常C6−C14、好ましくはC6−C10のアリール基が挙げられる。その具体例としては、フェニル、ナフチル、アンスラニルが挙げられ、フェニル又はナフチルが好ましく、フェニルがより好ましい。
23及びR24におけるアリールオキシ基としては、炭素数の範囲が通常C6−C14、好ましくはC6−C10のアリールオキシ基が挙げられる。その具体例としては、フェノキシ、ナフチロキシ、アンスラニルオキシが挙げられ、フェノキシ又はナフチロキシが好ましい。
23及びR24におけるアルキルチオ基としては、直鎖又は分岐鎖のものが挙げられ、直鎖のものが好ましい。炭素数の範囲としては通常C1−C6、好ましくはC1−C5、より好ましくはC1−C4の範囲が挙げられる。但し、分岐鎖のものについてはC3−C6の炭素数の範囲が好ましく挙げられる。具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、n−プロピルチオ、n−ブチルチオ、n−ペンチルチオ、n−ヘキシルチオといった直鎖のもの;イソプロピルチオ、イソブチルチオ、sec−ブチルチオ、t−ブチルチオ、イソペンチルチオ、t−ペンチルチオといった分岐鎖のもの;等が挙げられる。これらの中ではメチルチオ、エチルチオが好ましく、メチルチオがより好ましい。
23及びR24におけるアリールチオ基としては、炭素数の範囲が通常C6−C14、好ましくはC6−C10のアリールチオ基が挙げられる。その具体例としてはフェニルチオ、ナフチルチオ、アンスラニルチオが挙げられ、フェニルチオ又はナフチルチオが好ましく、フェニルチオがより好ましい。
23及びR24としては、いずれか一方が水素原子、他方が水素原子以外の基であるのが好ましく、両者が水素原子であるのがより好ましい。
式(2)中、R22及びR23の置換位置は特に制限されないが、R22及びR23が置換するベンゼン環上の酸素原子の置換位置を1位、窒素原子の置換位置を4位として、R22が2又は3位に、R23が5又は6位に置換するのが好ましい。
また、R24の置換位置は特に制限されないが、R24が置換するベンゼン環上の窒素原子の置換位置を1位、2つのスルホ基の置換位置をそれぞれ2位及び4位として、5位又は6位に置換するのが好ましく、前者がより好ましい。
式(2)で表される基中、R21乃至R24において、好ましいもの同士の組み合わせは、より好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。さらに好ましいもの同士の組み合わせや、好ましいものとより好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
式(1)中、R11はカルボキシ基、又は基Aを表す。R11における基Aは、前記式(2)で表される基と同じものが挙げられる。R11が基Aであるとき、式(2)中のR21乃至R24における好ましいもの同士等の組み合わせについても、前記と同様である。またこのとき、式(1)における基AとR11は、それぞれ独立に同じものでも異なるものでもよく、同じものである方が好ましい。
式(1)中、R31及びR32におけるアルキル基としては、前記「R21におけるアルキル基」に記載のものと、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。それらの中でもR31及びR32としては、直鎖又は分岐鎖のものが好ましく、直鎖のものがより好ましい。
31とR32が結合して、これらがそれぞれ置換する2つの炭素原子と共にシクロアルキレン環を形成するとき、該シクロアルキレン環の炭素数の範囲としては通常C5−C10、好ましくはC5−C8、より好ましくはC5又はC6、特に好ましくはC6のものが挙げられる。その具体例としては、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、シクロへプチレン、シクロオクチレン、シクロノニレン、シクロデシレン等が挙げられる。これらの中ではシクロヘキシレンが好ましく挙げられる。
好ましいR31及びR32としては水素原子、メチル基、又はR31とR32が結合したシクロヘキシレンが挙げられ、水素原子及びアルキル基(好ましくはC1−C6アルキル基)がより好ましく、水素原子が特に好ましい。
前記式(1)における基A、R11、R31及びR32、式(2)で表される基におけるR21乃至R24について、好ましいもの同士を組み合わせた化合物はより好ましく、より好ましいもの同士を組み合わせた化合物はさらに好ましい。さらに好ましいもの同士の組み合わせや、好ましいものとより好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
前記式(1)で表される化合物の塩は、無機又は有機陽イオンと形成する塩である。無機陽イオンと形成する塩としては、アルカリ金属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウムの各陽イオン;又は、アンモニウム(NH );と形成する塩等が好ましく挙げられる。有機陽イオンと形成する塩としては、下記式(3)で表される有機アンモニウムと形成する塩等が好ましく挙げられる。
Figure 2012126770
式(3)中、Z1乃至Z4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルコキシアルキル基を表わし、Z1乃至Z4の少なくともいずれか1つは水素原子以外の基である。
式(3)中、Z1乃至Z4における具体例としては、メチル、エチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1−C6アルキル基(好ましくはC1−C4アルキル基);ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等のヒドロキシC1−C6アルキル基(好ましくはヒドロキシC1−C4アルキル基);ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−ヒドロキシエトキシプロピル、3−ヒドロキシエトキシブチル、2−ヒドロキシエトキシブチル等のヒドロキシC1−C6アルコキシC1−C6アルキル基(好ましくはヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基);等が挙げられる。
これらのうちより好ましいものとしては、ナトリウム、カリウム、リチウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、アンモニウム等の各陽イオンと形成する塩が挙げられる。これらの中で特に好ましいものとしては、リチウム、アンモニウム及びナトリウムの各塩が挙げられる。
式(1)で表される化合物の塩は、単一の塩;複数種類の混塩;又は、遊離酸と塩との混合物;等のいずれであってもよい。式(1)で表される化合物は、その塩の種類により溶解性等の物理的な性質;又は、該化合物を含有するインクの性能、特に堅牢性に関する性能;等が変化する場合もある。このため目的とするインクの性能等に応じて、塩の種類を選択することも好ましく行われる。
遊離酸から各種の塩を造塩する方法;各種の塩から遊離酸を得る方法;特定の塩から他の塩へ塩を交換する方法;等については、いずれも当業者であれば周知の方法が使用できる。
本発明の前記式(1)で表される化合物の具体例を下記表1乃至4に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。各表中、「基A」は式(2)で表される基を意味し、R21乃至R24は、式(2)におけるR21乃至R24に対応する。また、R11の欄に「A」と記載したものは、R11が基Aである化合物を意味し、このときは式(1)における基AとR11が共に、式(2)で表される同じ基であることを意味する。また、R22乃至R24の各基の先頭に数字を付与したものは、前記したこれらの基の置換位置を意味する。一例として、R23の欄における「5−OMe」は、R23が5位に置換したメトキシ基であることを意味する。また、R31とR32の欄にまたがって記載した「cHex」は「シクロヘキシレン」を意味し、前記式(1)において、R31とR32が結合して、これらがそれぞれ置換する2つの炭素原子と共に形成したシクロヘキシレン環を意味する。
前記した以外の各表中の略号等の意味は、それぞれ以下の通りである。H:水素原子。Me:メチル基。Et:エチル基。n−Pr:n−プロピル基。HO(CH−:2−ヒドロキシエチル基。NC(CH−:2−シアノエチル基。SOH:スルホ基。OMe:メトキシ基。Ph:フェニル基。OPh:フェノキシ基。SMe:メチルチオ基。SPh:フェニルチオ基。OH:ヒドロキシ基。SH:メルカプト基。K:カルボキシ基。Cl:塩素原子。Br:臭素原子。F:フッ素原子。n−Bu:n−ブチル基。
Figure 2012126770
Figure 2012126770
Figure 2012126770
Figure 2012126770
以下に式(1)で表される化合物の製造方法を記載する。なお下記式(4)〜(11)中に適宜記載される基A、R11、R21乃至R24、R31及びR32は、前記式(1)又は(2)におけるのと同じ意味を表す。なお、製造方法中に記載の化合物のモル数等については、代表的な例であり、当業者であれば、必要に応じて適宜増減が可能なことを理解できる。
下記式(4)の化合物1モルに、下記式(5)の化合物1〜3モル、炭酸カリウム等の塩基1〜3モルを加え、ジメチルホルムアミド(DMF)中、80〜130℃で反応することにより、下記式(6)の化合物が得られる。
Figure 2012126770
Figure 2012126770
Figure 2012126770
次いで得られた式(6)の化合物1モルに、ベンゾイル酢酸エステル誘導体(好ましくはメチル又はエチルエステル誘導体)1.1〜3モルを、キシレン等の極性溶媒中、炭酸ナトリウム等の塩基性化合物の存在下、130〜180℃、5〜15時間反応を行い、目的とする下記式(7)の化合物を得る。
Figure 2012126770
得られた式(7)の化合物を5〜20%発煙硫酸中、0〜120℃でスルホ化することにより、下記式(8)の化合物を得る。
Figure 2012126770
得られた式(8)の化合物を10〜80%硫酸中、20〜110℃で反応することにより、下記式(9)の化合物を得る。式(7)の化合物を、式(9)の化合物へ誘導する反応は、式(7)の化合物のスルホ化反応が終了した後、反応液である発煙硫酸に水を加えて、約10〜80%の硫酸水溶液とし、所定の温度で引き続き反応させることにより、ワンポット(one pot)で行うこともできる。
Figure 2012126770
得られた式(9)の化合物のスルホ基を、塩基(例えば水酸化ナトリウム水溶液等)を加えてpH6〜8程度として中和した後、水;メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコールやポリオール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;等の溶媒(好ましくは非プロトン性有機溶媒)中、下記式(10)の化合物0.5〜5モルと30〜100℃で反応させることにより、下記式(11)の化合物が得られる。なお、式(9)の化合物の中和方法は、前記の塩基を添加する方法;塩析によりナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム等の塩とする方法;等の、公知の方法を使用することができる。式(9)で表される化合物に多量の無機塩(例えば塩化ナトリウムや硫酸ナトリウム等の、アルカリ金属の塩化物や硫酸塩等)が含まれるときは、例えば陰及び/又は陽イオン交換樹脂等の公知の方法により、無機塩を除去してもよい。当業者であれば明らかなように、式(10)の化合物は酸無水物であるため、式(9)の化合物と反応させるときは、式(9)の化合物以外に、求核性を有する物質や溶剤等を含まないのが好ましい。この理由から、式(9)の化合物を水溶液等として中和反応を行った後、式(9)の化合物を単離、乾燥して、式(10)の化合物との反応に使用することは、好ましい1例として挙げられる。
Figure 2012126770
Figure 2012126770
得られた式(11)の化合物1モルと、酢酸銅、硫酸銅、ハロゲン化銅(例えば塩化銅、ヨウ化銅等)等の銅化合物約1モルとを、水;メタノール、エタノール、エチレングリコール等アルコールやポリオール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;等の溶媒(好ましくは水)中、pH5〜9、10〜100℃で反応させることにより前記式(1)で表される化合物が得られる。
なお、この反応におけるpHの調整には任意の塩基が使用できる。塩基としては例えば、アルカリ金属の炭酸塩(例えば炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)、アルカリ金属の水酸化物(例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)等が好ましく挙げられる。
前記式(1)で表される化合物は、該化合物の総質量中に不純物として含有する金属陽イオンの塩化物(例えば塩化ナトリウム等)及び硫酸塩(例えば硫酸ナトリウム等)等の、無機不純物の少ないものを用いるのが好ましい。その含有量の目安は例えば1質量%以下程度である。下限は検出機器の検出限界以下、すなわち0質量%でもよい。無機不純物の含有量が少ない化合物を製造する方法としては、例えば逆浸透膜を用いる公知の方法;C1−C4アルコール(又は場合により含水の該アルコール)等を用いて懸濁精製する方法;又は、陰及び陽イオン交換樹脂を適宜用いる公知の方法;等により脱塩処理する方法が挙げられる。また、前記式(1)で表される化合物は銅錯体であるが、その錯体化反応の際に、余剰の銅化合物が式(1)で表される化合物に不純物として混在することもある。このため、必要に応じてキレート樹脂等により、余剰の銅化合物(又は銅イオン)を除去することも好ましく行われる。本発明のインク組成物は、前記式(1)で表される化合物を色素として含有し、該化合物を水又は水性溶媒(後記する水溶性有機溶剤を含有する水)に溶解したものである。本発明のインク組成物は、例えば前記式(1)で表される化合物の合成工程における、最終工程終了後の反応液等を、インク組成物の製造に直接使用することができる。また前記反応液から目的物を、例えば晶析;又はスプレー乾燥;等の操作により単離し、これを乾燥させた後、インク組成物に使用することもできる。本発明のインク組成物は、前記式(1)で表される化合物を通常0.1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、さらに好ましくは2〜10質量%含有する。本発明のインク組成物は、水溶性有機溶剤を0〜30質量%、好ましくは5〜20質量%;またインク調製剤を0〜10重量%;それぞれ含有してもよい。水溶性有機溶剤は、染料の溶解、乾燥の防止、粘度の調整、浸透の促進、表面張力の調整、消泡等の効果を期待して使用され、インク組成物中に含有する方が好ましい。
本発明のインク組成物は、少なくとも1種類の前記式(1)で表される化合物を含有する組成物であり、化合物の種類、及びその数は特に制限されない。例えばインク組成物の色相や印字濃度等を、望みのものに(微)調整する等の目的で、複数の化合物を配合してもよい。
1例として、式(1)におけるR11が基Aである化合物と、カルボキシ基である化合物とを配合してもよく、両化合物の配合比率も特に制限されない。印字濃度等を考慮すると、この両者を配合する際の目安としては、HPLCの面積比で前者を100%としたとき、後者が通常0.1〜100%、好ましくは1〜50%、より好ましくは1〜30%、さらに好ましくは1〜20%、特に好ましくは1〜10%の配合比率が挙げられる。なお、HPLC面積比を算出する際に用いる検出波長は254nmが好ましい。
本発明のインク組成物に使用しうる水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1−C4アルカノール(アルコール);N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式尿素類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(トリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル又はエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の、多価アルコールのC1−C4アルキルエーテル;γ−ブチロラクトン;又はジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
前記のうち好ましいものとしては、イソプロパノール、グリセリン、モノ、ジ又はトリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ジエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられ、より好ましくはイソプロパノール、グリセリン、ブチルカルビトール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、単独もしくは混合して用いられる。
以下、本発明のインク組成物を調製する際に使用しうるインク調製剤について説明する。インク調製剤としては、例えば防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤および界面活性剤等が挙げられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリールスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキシドナトリウムが挙げられる。イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、無水酢酸ナトリウム、及びアベシア社製、商品名:プロクセルRTMGXL(S)、プロクセルRTMXL−2(S)等が挙げられる。なお、本明細書において、上付きの「RTM」は登録商標を意味する。
pH調整剤としては、調製されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを7.5〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモニア水);又は炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
水溶性紫外線吸収剤としては、例えば、それぞれスルホ化されたベンゾフェノンやベンゾトリアゾール等が挙げられる。水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレンアルコール系;他の具体例として、日信化学社製、商品名:サーフィノールRTM104E、同104PG50、同82、同465、オルフィンRTMSTG等;等が挙げられる。これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。
本発明のインク組成物は水性インク組成物であり、前記式(1)で表される化合物を水又は水性溶媒に、必要に応じて前記インク調製剤等と共に、溶解させることによって製造できる。
本発明のインク組成物の製造方法において、各成分を溶解させる順序には特に制限はない。水又は前記水性溶媒に式(1)で表される化合物を溶解させた後、インク調製剤を添加してもよいし、該化合物を水に溶解させた後、水性溶媒、インク調製剤を添加してもよい。またこれらと順序が異なっていてもよい。さらに、本発明の化合物の合成反応における最終工程終了後の反応液;又は本発明の化合物に対して逆浸透膜による脱塩処理を行うことにより得られた水溶液;等に、水溶性有機溶剤、インク調製剤等を適宜添加してインク組成物を製造してもよい。インク組成物の調製に用いる水は、イオン交換水又は蒸留水等の不純物の少ないものが好ましい。このようにして調製されたインク組成物は、必要に応じてメンブランフィルター等を用いて精密濾過を行うことにより夾雑物を除いてもよい。該インク組成物をインクジェット記録に用いるときは、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1μm〜0.1μm、好ましくは0.8μm〜0.1μmである。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定の位置に装填し、該インク組成物の(小)液滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させることにより記録を行う方法である。本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインク組成物をマゼンタインクとして単独で使用することもできるし、例えばイエロー、シアン、グリーン、オレンジ、ブルー(又はバイオレット)及び必要に応じてブラック等の各色のインク組成物とを併用し、フルカラーの記録画像を得ることもできる。この際には、前記の各色から適宜選択されるインク組成物をそれぞれ含有する容器を、インクジェットプリンタの所定の位置にそれぞれ装填して使用すればよい。インクジェットプリンタの吐出方式としては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式;加熱により生じる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式;等が挙げられる。本発明のインク組成物は、これらのいずれの吐出方式においても使用することが可能である。
本発明のインクジェット記録方法に用いる被記録材としては、例えば、紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維及び皮革等が挙げられる。情報伝達用シートとしては表面処理されたもの、具体的には基材(例えば前記の被記録材)にインク受容層を設けたもの、等が好ましい。インク受容層は、例えば基材にカチオンポリマーを含浸あるいは塗工すること;多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等、インク中の色素を吸着し得る多孔性白色無機物を、ポリビニルアルコールやポリビニールピロリドン等の親水性ポリマーと共に基材表面に塗工すること;等により設けられる。このようなインク受容層を設けたものは、通常インクジェット専用紙(フィルム)や光沢紙(フィルム)等と呼ばれ、例えば、(株)ピクトリコ製、商品名ピクトリコRTMプロ;キヤノン社製、商品名プロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、マットフォトペーパー;エプソン(株)製、商品名クリスピアRTM、写真用紙(光沢)、フォトマット紙、スーパーファイン専用光沢フィルム;日本ヒューレットパッカード(株)製、商品名アドバンスフォトペーパー、プレミアムプラスフォト用紙、プレミアム光沢フィルム、フォト用紙;コニカミノルタフォトイメージング(株)製、商品名フォトライクQP;等が挙げられる。なお、インク受容層を特に設けていない情報伝達用シート、例えば普通紙を利用することも当然可能である。
前記の多孔性白色無機物としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等が挙げられる。
本発明の着色体とは、本発明の化合物、又は該化合物を含有するインク組成物により着色された物質を意味する。着色される物質には特に制限はなく、例えば紙、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等が挙げられるが、これらに限定されない。着色方法としては、例えば浸染法、捺染法、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェット記録方法等が挙げられる。本発明の着色体としては、本発明のインクジェット記録方法により着色された着色体が好ましい。
本発明のインク組成物は鮮明なマゼンタ色であり、特に光沢紙において鮮明性の高い色相を有し、記録画像の堅牢性も高い。又、人に対する安全性も高い。
本発明のインク組成物は、例えば印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング等の各種の記録や印刷用途に用いることが可能であり、特にインクジェット記録に好適に用いられる。本発明のインク組成物は、特にインクジェット専用紙や光沢紙に記録した画像の印字濃度が高く、インクジェット記録に適した色相を有する。また、普通紙への記録にも使用できる。また、その記録画像の耐水性、耐光性、耐摩擦性、及び耐湿性等の各種堅牢性、特に耐光性と耐オゾン性が非常に高いという特徴を有する。本発明のインク組成物は貯蔵中に沈殿、分離することがなく、保存安定性が極めて高い。また、本発明の化合物は水溶解性に優れるため、これを含有する本発明のインク組成物をインクジェット記録に使用した場合、ノズル付近におけるインク組成物の乾燥による固体析出は非常に起こりにくく、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。本発明のインク組成物は、連続式インクジェットプリンタにおける比較的長時間の一定の再循環下での使用;又は、オンデマンド式インクジェットプリンタにおける断続的な使用;等の使用環境においても物理的性質の変化を起こさない。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。実施例中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り質量基準である。また、各反応及び晶析等の操作は、特に断りのない限り攪拌下に行った。また実施例中の化合物の最大吸収波長(λmax)は、特に断りの無い限り、pH5〜8の水溶液中での測定値を記載した。
[実施例1]
(工程1)
N,N−ジメチルホルムアミド120部中に、下記式(12)の化合物47.2部、4−ヒドロキシアセトアニリド20.0部、炭酸カリウム9.6部を加え、115−120℃で6時間反応した。反応液を55℃まで冷却した後、メタノール120部、水50部を加え、20℃で1時間攪拌した。得られた液から析出した固体を濾過分取し、50℃の温水で洗浄し、乾燥することにより、下記式(13)の化合物の赤色固体51.8部を得た。
Figure 2012126770
Figure 2012126770
(工程2)
キシレン200部中に、実施例1(工程1)で得た式(13)の化合物51.7部、ベンゾイル酢酸エチル52.9部、炭酸ナトリウム1.1部を順次加えて昇温し、140℃で16時間反応を行った。その間、反応で生成するエタノールと水を、キシレンと共沸させながら系外へ留去して反応を完結させた。得られた反応液を冷却し、60℃でメタノール250部を加え、20℃で20分攪拌した。得られた液から析出した固体を濾過分取し、メタノール200部、次いで50℃の温水200部で洗浄し、乾燥することにより下記式(14)の化合物の赤色固体56.4部を得た。
Figure 2012126770
(工程3)
32.7%発煙硫酸78.3部中に、98%硫酸64.0部を加え、10%発煙硫酸142.3部を調整した。調整した液に水冷下、実施例1(工程2)で得た式(14)の化合物25.3部を、70℃以下の液温を保持して加えた。得られた液を80℃に加熱して2時間反応し、室温まで冷却後、氷150部中に加えた。得られた液に水を加えて280mlの液量とした後、60℃で3時間反応し、室温へ冷却した。得られた液に塩化ナトリウム41.6部を加え、析出固体を濾過分取した。得られた固体をイオン交換水100部に溶解し、陰イオン交換樹脂ダイアイオンRTMSA10AOH75部及び陽イオン交換樹脂ダイアイオンRTMSK1BH26部(共に三菱化学社製)を適宜添加して、液のpHを6.0〜8.0に保持しながら2時間攪拌した。得られた液からイオン交換樹脂を濾過により除去し、イソプロピルアルコール300.0部を加えて析出した固体を濾過分取し、乾燥することにより下記式(15)で表される化合物の赤色固体20.3部を得た。
Figure 2012126770
(工程4)
N−メチル−2−ピロリドン60部に、実施例1(工程3)で得た式(15)の化合物9.7部、及びエチレンジアミン四酢酸二無水物1.2部を加え、50℃で4時間反応させた。得られた反応液を、イソプロピルアルコール1000ml中に滴下し、析出した固体を濾過分取し、イソプロピルアルコールで洗浄することにより、下記式(16)と(17)の化合物を含むウェットケーキ10.1部を得た。
Figure 2012126770
Figure 2012126770
(工程5)
実施例1(工程4)で得たウェットケーキ10.1部に水を加えて150mlの溶液とし、15%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、pH6.0に調整した。ここに、酢酸銅(II)一水和物1.4部を加え、適宜15%炭酸ナトリウム水溶液を加えpH5.7−6.0を保持しながら室温で1時間反応した。この反応液をイソプロピルアルコール1000ml中に加え、更にイソプロピルアルコールを加えて2000mlに調整し、析出した固体を濾過分取した。得られた固体を水に溶解し150mlとし、塩化ナトリウム15.0部を加え、析出した固体を濾過分取した。得られた固体をイオン交換水50部に溶解し、キレート樹脂イミノ二酢酸型ダイアイオンCR11(三菱化学社製)5.5部を添加し、1時間攪拌した。得られた液からキレート樹脂をろ過により除去し、更に得られた液に陰イオン交換樹脂ダイアイオンRTMSA10AOH75部及び陽イオン交換樹脂ダイアイオンRTMSK1BH26部(共に三菱化学社製)を適宜添加して、液のpHを6.0〜8.0に保持しながら2時間攪拌した。得られた液からイオン交換樹脂を濾過により除去し、イソプロピルアルコール500.0部を加えて析出した固体を濾過分取し、乾燥することにより下記式(18)及び(19)の化合物の混合物の赤色固体7.2部をナトリウム塩として得た。得られた固体中における、式(18)と式(19)の化合物のHPLC面積比は92/8であった。
λmax:506nm。
Figure 2012126770
Figure 2012126770
[実施例2]
(工程1)
N−メチル−2−ピロリドン60部に、実施例1(工程1)乃至(工程3)に準じて合成した式(15)で表される化合物9.7部、及びエチレンジアミン四酢酸二無水物1.2部を加え、50℃で4時間反応させた。得られた反応液を、イソプロピルアルコール1000ml中に滴下し、析出した固体を濾過分取し、イソプロピルアルコールで洗浄することにより、前記式(16)と式(17)の化合物を含むウェットケーキ11.8部を得た。
(工程2)
実施例2(工程1)で得たウェットケーキ11.8部に水を加えて150mlの溶液とし、15%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、pH6.0に調整した。ここに、酢酸銅(II)一水和物1.4部を加え、適宜15%炭酸ナトリウム水溶液を加えpH5.7−6.0を保持しながら室温で1時間反応した。この反応液をイソプロピルアルコール1000ml中に加え、更にイソプロピルアルコールを加えて1500mlに調整し、析出した固体を濾過分取した。得られた固体を水に溶解し150mlとし、塩化ナトリウム15.0部を加え、析出した固体を濾過分取した。得られた固体をイオン交換水50部に溶解し、キレート樹脂イミノ二酢酸型ダイアイオンCR11(三菱化学社製)4.7部を添加し、1時間攪拌した。得られた液からキレート樹脂をろ過により除去し、更に得られた液に陰イオン交換樹脂ダイアイオンRTMSA10AOH75部及び陽イオン交換樹脂ダイアイオンRTMSK1BH26部(共に三菱化学社製)を適宜添加して、液のpHを6.0〜8.0に保持しながら2時間攪拌しさらに陽イオン交換樹脂ダイアイオンRTMSK1BH18部を添加しpH1.7とした。得られた液からイオン交換樹脂を濾過により除去し、10%水酸化カリウム水溶液を用いてpH7.0に調整、イソプロピルアルコール500.0部を加えて析出した固体を濾過分取し、乾燥することにより前記式(18)及び式(19)の化合物の混合物の赤色固体9.3部をカリウム塩として得た。得られた固体中における、式(18)と式(19)の化合物のHPLC面積比は、93/7であった。
λmax:504nm。
[実施例3](A)インクの調製下記表5に記載の各成分を混合することによりインク組成物を調製し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により試験用のインクを得た。この際、水はイオン交換水を使用し、インク組成物のpHが8〜9になるように、水酸化ナトリウム水溶液を用いて調整し、総量100.0部となるように水を加えた。インク中の色素として実施例1で得た化合物を用いたインクの調製を実施例3とする。実施例1で得た化合物の代わりに実施例2で得た化合物を用い、さらに水酸化ナトリウムの代わりに水酸化カリウムを用いてpHの調整をした以外は、実施例3と同様にして、インクを調製した。これを実施例4とする。なお、下記表5中、「界面活性剤」は、日信化学(株)社製、商品名サーフィノールRTM104PG50を使用した。
Figure 2012126770
[比較例1]実施例1又は2で得た本発明の化合物の代わりに、実施例1(工程3)で得た式(15)で表される化合物を用いる以外は実施例3及び4と同様にして、比較用のインクを調製した。このインクの調製を比較例1とする。
(B)インクジェット記録
各実施例、及び比較例1で得たインクをそれぞれ使用し、Canon社製インクジェットプリンタ、商品名PIXUSRTMiP4500を用いて、下記3種類の光沢紙にそれぞれインクジェット記録を行った。記録の際は、100%、85%、70%、55%、40%、25%濃度の6段階の階調が得られるように画像パターンを作り、ハーフトーンの記録物を得た。得られた記録物を試験片として用い、下記する試験を行った。
光沢紙1:
セイコーエプソン社製、商品名 写真用紙クリスピア 高光沢。
光沢紙2:
ブラザー工業社製、商品名 写真光沢紙 BP71G。
光沢紙3:
富士フィルム社製、商品名 画彩 写真仕上げPro。
(C)記録画像の測色
各種の試験及びその評価は、X−rite社製の測色機、商品名SpectroEyeRTMを用いて試験片を測色することにより行った。測色は、濃度基準にDIN、視野角2°、光源D65の条件で行なった。
(D)キセノン耐光性試験
各試験片をホルダ−に設置して、キセノンウェザオメータXL75[スガ試験機(株)社製]を用い、温度24℃、湿度60%RH、100klux照度で168時間照射した。
試験後に前記測色システムを用いて、試験前後での印字濃度(Dm)を測色し色素残存率を求めた。色素残存率は、より大きい数値のものが、より優れる。結果を下記表6に示す。色素残存率は以下の式により算出した。なお、印字濃度の測色は、試験前の各試験片における70%の階調部分について行った。
色素残存率=(試験後印字濃度/試験前印字濃度)×100(%)
(E)耐オゾンガス性試験各試験片を、オゾンウェザーメーター(スガ試験機社製 型式OMS−H)を用い、オゾン濃度10ppm、槽内温度23℃、湿度50%RHで24時間放置した。試験後に前記測色システムを用いて、試験前後での印字濃度(Dm)を測色し色素残存率を求めた。色素残存率は、より大きい数値のものが、より優れる。結果を下記表7に示す。色素残存率は以下の式により算出した。なお、印字濃度の測色は、試験前の各試験片における70%の階調部分について行った。色素残存率=(試験後印字濃度/試験前印字濃度)×100(%)
Figure 2012126770
Figure 2012126770
表6及び表7の結果より明らかなように、各実施例のインクを使用して得られた記録画像の色素残存率は、全ての光沢紙において比較例より格段に大きいことから、比較例に対して耐光性及び耐オゾン性のいずれにおいても極めて優れることが確認された。
従って、本発明の化合物、及びこれを含有するインク組成物は各種の記録用、特にインクジェット記録用のインクとして好適である。
本発明の化合物、及び該化合物を含有する本発明のインク組成物は、各種の記録用途、特にインクジェット記録用途に好適である。

Claims (16)

  1. 少なくとも1種類の下記式(1)で表される化合物又はその塩を、色素として含有するインク組成物、
    Figure 2012126770
    [式(1)中、
    基Aは下記式(2)で表される基を表し、
    11はカルボキシ基、又は基Aを表し、
    31及びR32はそれぞれ独立に水素原子又はアルキル基を表し、
    31とR32は結合して、これらがそれぞれ置換する2つの炭素原子と共にシクロアルキレン環を形成しても良い。]、
    Figure 2012126770
    [式(2)中、
    *は基Aとしての結合部位を表し、
    21は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、シクロアルキル基、又はシアノアルキル基を表し、
    22は水素原子、スルホ基、又はカルボキシ基を表し、
    23及びR24はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシ基、又はハロゲン原子を表す。]。
  2. 式(2)で表される基において、
    22が水素原子、又はスルホ基であり、
    23及びR24が水素原子である、
    請求項1に記載のインク組成物。
  3. 式(1)で表される化合物又はその塩において、
    31及びR32がそれぞれ独立に水素原子、メチル基、又はR31とR32が結合して、これらがそれぞれ結合する2つの炭素原子と共に形成したシクロヘキシレン環である、請求項1に記載のインク組成物。
  4. 式(2)で表される基におけるR21が水素原子又はC1−C6アルキル基である、請求項1又は2に記載のインク組成物。
  5. 21が水素原子又はC1−C6アルキル基、
    31及びR32が水素原子である請求項1に記載のアントラピリドン化合物又はその塩。
  6. 式(1)で表される化合物又はその塩において、
    11がカルボキシ基、又は基Aであり、
    31及びR32がそれぞれ独立に水素原子又はC1−C6アルキル基であり、
    基Aが式(2)で表される基であり、該式(2)において、
    21が水素原子、又はC1−C6アルキル基であり、
    22が水素原子又はスルホ基であり、
    23及びR24がそれぞれ独立に、水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C6−C10アリール基、C6−C10アリールオキシ基、C1−C6アルキルチオ基、C6−C10アリールチオ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシ基、又はハロゲン原子である、請求項1に記載のインク組成物。
  7. 式(1)で表される化合物又はその塩において、
    11がカルボキシ基、又は基Aで表される基であり、
    31及びR32が水素原子であり、
    基Aが式(2)で表される基であり、該式(2)において、
    21、R22、R23及びR24が水素原子である、請求項1に記載のインク組成物。
  8. 水溶性有機溶剤をさらに含有する請求項1乃至7に記載のインク組成物。
  9. インクジェット記録に用いる請求項8に記載のインク組成物。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のインク組成物の液滴を、記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させることにより記録を行うインクジェット記録方法。
  11. 被記録材が情報伝達用シートである、請求項10に記載のインクジェット記録方法。
  12. 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するインク受容層を有するシートである、請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のインク組成物により着色された着色体。
  14. 請求項10乃至12のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法により着色された着色体。
  15. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ。
  16. 下記式(1)で表される化合物又はその塩、
    Figure 2012126770
    [式(1)中、
    基Aは下記式(2)で表される基を表し、
    11はカルボキシ基、又は基Aを表し、
    31及びR32はそれぞれ独立に水素原子又はC1−C6アルキル基を表し、
    31とR32は結合して、これらがそれぞれ置換する2つの炭素原子と共にC5−C10シクロアルキレン環を形成しても良い。]、
    Figure 2012126770
    [式(2)中、
    *は基Aとしての結合部位を表し、
    21は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はシアノアルキル基を表し、
    22は水素原子、スルホ基、又はカルボキシ基を表し、
    23及びR24はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、スルホ基、カルボキシ基、又はハロゲン原子を表す。]。
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