JP4989975B2 - アントラピリドン化合物、マゼンタインク組成物及び着色体 - Google Patents

アントラピリドン化合物、マゼンタインク組成物及び着色体 Download PDF

Info

Publication number
JP4989975B2
JP4989975B2 JP2006552988A JP2006552988A JP4989975B2 JP 4989975 B2 JP4989975 B2 JP 4989975B2 JP 2006552988 A JP2006552988 A JP 2006552988A JP 2006552988 A JP2006552988 A JP 2006552988A JP 4989975 B2 JP4989975 B2 JP 4989975B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
ink composition
water
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006552988A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2006075706A1 (ja
Inventor
弘之 松本
典子 梶浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2006552988A priority Critical patent/JP4989975B2/ja
Publication of JPWO2006075706A1 publication Critical patent/JPWO2006075706A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4989975B2 publication Critical patent/JP4989975B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D401/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom
    • C07D401/14Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, having nitrogen atoms as the only ring hetero atoms, at least one ring being a six-membered ring with only one nitrogen atom containing three or more hetero rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B5/00Dyes with an anthracene nucleus condensed with one or more heterocyclic rings with or without carbocyclic rings
    • C09B5/02Dyes with an anthracene nucleus condensed with one or more heterocyclic rings with or without carbocyclic rings the heterocyclic ring being only condensed in peri position
    • C09B5/14Benz-azabenzanthrones (anthrapyridones)
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/32Inkjet printing inks characterised by colouring agents
    • C09D11/328Inkjet printing inks characterised by colouring agents characterised by dyes

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は新規なアントラピリドン化合物、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及びこれを用いて得られる着色体に関する。
【背景技術】
【0002】
各種カラー記録法の中で、その代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法において、インクの各種吐出方式が開発されているが、いずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うというものである。これは、記録ヘッドと被記録材料とが接触しない為、音の発生が殆どなく静かであり、また小型化、高速化、カラー化が容易という特長の為、近年急速に普及しつつあり、今後も大きな伸長が期待されている。
従来、万年筆、フェルトペン等のインク及びインクジェット記録用インクとしては、水溶性染料を水性媒体に溶解した水性インクが使用されており、これらの水溶性インクにおいてはペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく一般に水溶性有機溶剤が添加されている。これらの従来のインクにおいては、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等が要求され、また形成される画像には、耐水性、耐光性、耐湿性等の堅牢度が求められる。
【0003】
一方、コンピューターのカラーディスプレー上の画像又は文字情報をインクジェットプリンタによりカラ−で記録するには、一般にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクによる減法混色により表現される。CRTディスプレー等のレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)による加法混色画像を減法混色画像で出来るだけ忠実にそれらの色相を再現する為には、Y、M、Cのそれぞれが、出来るだけそれぞれの標準に近い色相を有し且つ鮮明であることが望まれる。又、それに使用されるインク組成物は長期の保存に対し安定であり、プリントした画像の濃度が高く、しかも耐水性、耐光性及び耐ガス性等の堅牢度に優れていることが求められる。
【0004】
インクジェットプリンタの用途は、OA用小型プリンタ乃至産業用の大型プリンタにまで拡大されてきており、耐水性、耐湿性、耐光性及び耐ガス性等の堅牢度がこれまで以上に求められている。耐水性については多孔質シリカ、カチオン系ポリマー、アルミナゾル又は特殊セラミックなどインク中の色素を吸着し得る、有機又は無機の微粒子をPVA樹脂などとともに紙の表面にコーティングすることにより、大幅に改良されてきている。耐湿性とは着色された被記録材料を高湿度の雰囲気下に保存した際に被記録材中の染料色素が滲んでくるという現象に対する耐性のことである。染料色素の滲みがあると、特に写真調の高精細な画質を求められる画像においては著しく画像品位が低下するため、できるだけこの様な滲みを少なくする事が重要である。耐光性については大幅に改良する技術は未だ確立されておらず、特にY,M,C、Kの4原色のうちマゼンタの色素はもともと耐光性が弱いものが多く、その改良が重要な課題となっている。又、最近のデジタルカメラの浸透と共に家庭でも写真をプリントする機会が増しており、得られたプリント物を保管する時に、空気中の酸化性ガスによる画像の変色も問題視されている。酸化性ガスは、記録紙上又は記録紙中で染料と反応し、印刷された画像を変退色させる性質を有している。酸化性ガスの中でも、オゾンガスはインクジェット記録画像の退色現象を促進させる主要な原因物質とされている。この変退色現象はインクジェット画像に特徴的なものであるため、耐オゾンガス性の向上も耐光性の向上と同様重要な課題となっている。
【0005】
インクジェット記録用水溶性インクに用いられているマゼンタ用色素の色素骨格としては、キサンテン系色素とH酸を用いたアゾ系色素が代表的である。しかし、キサンテン系については色相及び鮮明性は非常に優れるが耐光性が非常に劣る。又、H酸を用いたアゾ系色素については色相及び耐水性の点では良いものがあるが、耐光性、耐ガス性及び鮮明性が劣る。このタイプでは鮮明性及び耐光性の優れたマゼンタ染料も開発されているが、銅フタロシアニン系色素に代表されるシアン染料やイエロー染料など他の色相の染料に比べ耐光性が依然劣る水準である。
【0006】
鮮明性及び耐光性の優れるマゼンタ用色素の色素骨格としてはアントラピリドン系色素(例えば、特許文献1〜8参照)があるが、色相、鮮明性、耐光性、耐水性、耐ガス性及び溶液安定性のすべてを満足させるものは未だ得られていない。
【0007】
【特許文献1】
特開昭59−74173号公報(1−3頁)
【特許文献2】
特開平2−16171号公報(1、5−7頁)
【特許文献3】
特開2000―109464号公報(1−2頁、8−12頁)
【特許文献4】
特開2000―169776号公報(1−2頁、6−9頁)
【特許文献5】
特開2000−191660号公報(1−3頁、11−14頁)
【特許文献6】
特開2001−72884号公報(1−2頁、8−11頁)
【特許文献7】
特開2001―139836号公報(1−2頁、7−12頁)
【特許文献8】
特開2003−192930号公報(22頁、36−37頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は水に対する溶解性が高く、インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、且つ記録物の耐光、耐湿、耐ガス堅牢性に優れたマゼンタ用色素(化合物)及びそれを含有するインク組成物を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は前記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、特定の式で示されるアントラピリドン化合物が前記課題を解決するものであることを見出し本発明を完成させたものである。
即ち、本発明は
(1)遊離酸の形で下記式(1)で表されるアントラピリドン化合物
【0010】
【化1】
Figure 0004989975
【0011】
(式中、Rはメチル基を、XはNH−NH、S−CH CH −S、NH−CH CH −NH又はNH−シクロヘキシル−CH −シクロヘキシル−NHを、Yは下記式(2)
【0012】
【化2】
Figure 0004989975
【0013】
(式中、nは2の整数を表す)
で表される基をそれぞれ表す)、
(2)遊離酸の形で下記式(3)で表される(1)に記載のアントラピリドン化合物
【0014】
【化3】
Figure 0004989975
【0015】
(式中、R及びXは式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
【0016】
【0017】
)架橋基Xが1,2−エタンジイミノ基である(1)又は(2)に記載のアントラピリドン化合物、
【0018】
【0019】
)遊離酸の形で下記式(6)で表されるアントラピリドン化合物、
【0020】
【化6】
Figure 0004989975
【0021】
)(1)乃至()のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物を含有することを特徴とするマゼンタインク組成物、
)水及び水溶性有機溶剤を含有する()に記載のマゼンタインク組成物、
)インクジェット用である()記載のマゼンタインク組成物、
)(1)乃至()のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物中の無機分の含有量が1重量%以下である()乃至()のいずれか一項に記載のマゼンタインク組成物、
)(1)乃至()のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物の含有量が0.1〜20重量%である()乃至()のいずれか一項に記載のマゼンタインク組成物、
10)インクの小滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして()乃至()のいずれか一項に記載のマゼンタインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法、
11)被記録材が情報伝達用シートである(10)に記載のインクジェット記録方法、
12)情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有したインク受像層を有するものである(11)に記載のインクジェット記録方法、
13)()乃至()のいずれか一項に記載のインクジェット記録用マゼンタインク組成物で着色された着色体、
14)着色がインクジェットプリンタによりなされた(13)に記載の着色体、
15)()乃至()のいずれか一項に記載のマゼンタインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ
関する。
また、本明細書においては参考のため、下記の発明についての記載も含む。
(a)遊離酸の形で上記式(1)で表されるアントラピリドン化合物{式中、Rは水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基叉はシアノ低級アルキル基を、Xは架橋基を、Yは上記式(2)(式中、nは1又は2の整数を表す)で表される基をそれぞれ表す}。
(b)式(1)において、Rが水素原子、ヒドロキシ基若しくはジ(C1−C4)アルキルアミノ基で置換されていても良いC1−C4アルキル、Xが−M1−A1−M2−(M1及びM2はそれぞれ独立に、NH、酸素原子又はイオウ原子、A1は単結合;C1−C6アルキレン;C1−C4アルキル基で置換されていても良いフェニレン;シクロヘキシル基上にC1−C4アルキル基で置換されていても良いメチレンジシクロヘキサン−ジイルジイミノ基;ジフェニルエーテル−ジイル基又はジフェニルメタンジイル基を表す)で表される基又は1,4−ピペラジンジイル基である(a)に記載のアントラピリドン化合物。
【発明の効果】
【0022】
本発明の式(1)で表されるアントラピリドン化合物は、インクジェット記録紙上で非常に鮮明性、明度の高い色相を呈し、水溶解性に優れ、インク組成物製造過程でのメンブランフィルターに対するろ過性が良好という特徴を有する。又、この化合物を使用した本発明のインク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。そして本発明のアントラピリドン化合物を含むインクジェット記録用のマゼンタインクを使用した印刷物は被記録材(紙、フィルム等)を選択することなく理想的なマゼンタの色相を与える。更に本発明のマゼンタインク組成物は、写真調のカラー画像の色相を紙の上に忠実に再現させることも可能である。更に写真画質用インクジェット専用紙(フィルム)のような無機微粒子を表面に塗工した被記録材に記録した場合、耐光性、耐オゾン性、耐湿性等の堅牢度が良好であり、写真調の記録画像の長期保存安定性に優れている。このように、式(1)で表されるアントラピリドン化合物はインクジェット記録用インクに用いる色素として極めて有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を詳細に説明する。尚、本発明において特に断りがない限り、スルホン酸基及びカルボキシ基は遊離酸の形で表す。
本発明のアントラピリドン化合物は下記式(1)で表される。
【0024】
【化7】
Figure 0004989975
【0025】
(式中、Rは水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基叉はシアノ低級アルキル基を、Xは架橋基を、Yは下記式(2)
【0026】
【化8】
Figure 0004989975
【0027】
(式中、nは1又は2の整数を表す。)
で表される基を表す。)
【0028】
式(1)において、Rは水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基叉はシアノ低級アルキル基を表す。ここで、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。また、ヒドロキシ低級アルキル基及びシアノ低級アルキル基におけるアルキルとしては、例えばエチル、プロピル等が挙げられ、エチルが好ましい。なお、本明細書において低級アルキルといった場合、特に断りがない限り、C1−C4アルキル基を表す。好ましいRとしては、置換基としてヒドロキシル基又はジ低級アルキルアミノ基を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基が挙げられ、より好ましくは置換基としてヒドロキシル基又はジ低級アルキルアミノ基を有してもよい炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、メチル基が最も好ましい。
【0029】
式(1)において、Yは上記式(2)で表されるカルボキシ置換フェノキシ基を表す。式(2)におけるnとしては1又は2の何れでも良いが、2の場合が好ましい。式(2)におけるカルボキシ置換フェノキシ基の具体例としては、4−カルボキシフェノキシ基及び3,5−ジカルボキシフェノキシ基が挙げられ、3,5−ジカルボキシフェノキシ基が好ましい。
式(1)において、Xは架橋基であり、その具体例としては、−N(H)m(−A−)n1N(H)m−、−S−A−S−、−NH−A−S−又は−O−A−O−(これらの式中、Aは2価の炭素数1〜20の炭化水素残基であり、窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を含んでもよく、n1は0乃至2、mは1又は0を示し、n1が0又は1の時 mは1を示し、n1が2の時 mは0を示す)が挙げられる。−N(H)m(−A−)n1 N(H)m−においてn1=2で m=0の場合、該式はピペラジンジイル基を表す。好ましいXとしては、−N(H)m(−A−)n1 N(H)m−及び−S−A−S−が挙げらる。ここでAの具体例としてはC1〜C6の(ポリ)メチレン、置換基を有していてもよいフェニレン、キシリレン、メチレンジシクロヘキサン−ジイル、メチレンビス(メチルシクロヘキサン−ジイル)、シクロヘキサン−ジイル−ジメチレンが挙げられ、より好ましいものとしては、ジメチレン、ヘキサメチレン、1,3−キシリレン、メチレンジシクロヘキサン−4,1−ジイル、メチレンビス(2−メチルシクロヘキサン)−4,1−ジイル、シクロヘキサン−1,3−ジイル−ジメチレンが挙げられる。特に好ましいAとしては、C1〜C4アルキレン基が、とりわけ好ましいものとしては、エチレン基が挙げられる。
また、場合により好ましいXとしては、式−M1−A1−M2−で表される基、又は1,4−ピペラジンジイル基が挙げられる。式−M1−A1−M2−において、M1及びM2はそれぞれ独立に、NH、酸素原子又はイオウ原子、A1は単結合;C1−C6アルキレン;C1−C4アルキル基で置換されていても良いフェニレン;シクロヘキシル基上にC1−C4アルキル基で置換されていても良いメチレンジシクロヘキサン−ジイルジイミノ基;ジフェニルエーテル−ジイル基又はジフェニルメタンジイル基を表す。この場合のより好ましいXとしてはNH−NH、S−CHCH−S、NH−CHCH−NH又はNH−シクロヘキシル−CH−シクロヘキシル−NHなどが挙げられる。
【0030】
上記式(1)におけるR、Y、Xの好ましい組み合わせとしては、上記における好ましい同士の組み合わせが挙げられ、より好ましい組み合わせとしては例えば、Rが水素原子又はメチル基、より好ましくはメチル基で、Yが4−カルボキシフェノキシ基又は3,5−ジカルボキシフェノキシ基、より好ましくは3,5−ジカルボキシフェノキシ基で、Xが1,2-エタンジイミノ基、メチレンジシクロヘキサン−4,1-ジイルジイミノ基又はヒドラゾ基、より好ましくは1,2-エタンジイミノ基である場合が挙げられる。
【0031】
式(1)で表される化合物は遊離酸の形で表されており、本発明は、遊離酸において式(1)の構造を示すものを全て含むものであり、例えば式(1)で表される化合物のその塩は本願に含まれる。
式(1)で表される化合物の塩は、無機又は有機の陽イオンの塩である。塩の具体例としてはリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、又は下記式(A)で表されるアンモニウム塩が挙げられる。
【0032】
【化9】
Figure 0004989975
【0033】
(式中、Z〜Zはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はヒドロキシアルコキシアルキル基を表わす。)
【0034】
式(A)のZ〜Zにおけるアルキル基の例としてはメチル基、エチル基等があげられ、ヒドロキシアルキル基の例としてはヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基等があげられ、更にヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル基、2−ヒドロキシエトキシエチル基、3−ヒドロキシエトキシプロピル基、3−ヒドロキシエトキシブチル基、2−ヒドロキシエトキシブチル基等が挙げられる。
【0035】
これらのうち好ましいものとしては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらのうち、特に好ましいものは、リチウム、アンモニウム及びナトリウムの塩である。
【0036】
上記の塩は、次のようにして得ることができる。
例えば、後記する反応によって得られる式(1)の化合物を含む反応液、あるいは目的物(式(1)の化合物)を含むケーキ若しくはその乾燥品を水に溶解したもの、に食塩を加えて、塩析、濾過することによってナトリウム塩をウェットケーキとして得ることができる。又、そのウェットケーキを再び水に溶解後、塩酸を加えてpHを1〜2に調整して得られる結晶を濾過すれば、式(1)の化合物を遊離酸(あるいは一部はナトリウム塩のまま)の形で得ることができる。更に、その遊離酸のウェットケーキを水と共に撹拌しながら、例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水、式(A)で表される化合物を添加してアルカリ性にすれば、各々相当するカリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、有機塩が得られる。これらの塩のうち、特に好ましいものは、前記の通り、リチウム、アンモニウム及びナトリウムの塩である。
【0037】
次に、本発明の式(1)で表されるアントラピリドン化合物の具体例を表1に示す。表1中、(K)はモノカルボキシ基を、2(K)はジカルボキシ基をそれぞれ意味する。
【0038】
【表1】
Figure 0004989975
【0039】
本発明の式(1)で表されるアントラピリドン化合物は、例えば次の方法により製造される。
即ち、下記式(7)
【0040】
【化10】
Figure 0004989975
【0041】
(式中、R は前記式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
で表される化合物2モルと2,4,6−トリクロロ−S−トリアジン(シアヌルクロライド)2〜2.4モルとを水中で、pH2〜7、反応温度5〜35℃で2〜8時間反応させて、1次縮合物である下記式(8)
【0042】
【化11】
Figure 0004989975
【0043】
(式中、R は式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
で表される化合物を得る。得られた該化合物に、式(2)で表される基に対応するカルボキシ置換フェノール類2モルを、pH7〜9、反応温度5〜90℃で、10分〜5時間反応させることにより、下記式(9)
【0044】
【化12】
Figure 0004989975
【0045】
(式中、R及びYは式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
で表される化合物が2次縮合物として得られる。
上記カルボキシ置換フェノール類としてはヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシイソフタール酸などを挙げることができる。
次いで、上記で得た式(9)で表される化合物に、架橋基Xに対応する化合物を反応させ、目的の式(1)の化合物(後記式(10)として新たに示した)を得る。
例えば、式(1)で表される化合物として、架橋基Xが両末端にアミノ基を有する基である場合の化合物を得るには、前記式(9)で表される化合物に、下記式(14)
【0046】
HN(H)m(−A−)n1N(H)mH (14)
【0047】
(式中、Aは式(1)におけるのと同じ意味を表し、m及びn1は前記架橋基の項で記載したと同じ意味を表す。)
のジアミノ化合物1モルを、pH8〜10、温度50〜100℃程度の条件で、10分〜8時間反応させることにより、3次縮合物として下記式(10)(式(1)と同じ)
【0048】
【化13】
Figure 0004989975
【0049】
(式中、R、X、Yは式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
において、Xが前記−N(H)m(−A−)n1N(H)m−である化合物が得られる。
式(14)で表される化合物としては例えば、ヒドラジン、エチレンジアミン、ブチレンジアミン、へキシレンジアミン、キシリレンジアミン又はピペラジン又はシクロヘキサン環上に低級アルキル置換を有しても良いメチレンジシクロヘキサン等のC1〜C20炭化水素ジアミンが挙げられる。
前記式(14)で表される化合物の代わりに、下記式
HS−A−SH、HS−A−NH2、HO−A−OH
(式中、Aは前記と同じ意味を表す。)
で表される化合物を使用して、常法により縮合反応を行うことにより、上記式(10)における架橋基Xが夫々−S−A−S−、−S−A−NH−、−O−A−O−である化合物が得られる。
上記のチオグリールとしては、エチレンチオグリールなどのアルキレンチオグリールが挙げられる。グリコールとしてはエチレングリコール、ジヒドロキシベンゼン、それぞれのベンゼン環上にヒドロキシ置換を有するジ(ヒドロキシフェニル)エーテル、ジ(ヒドロキシフェニル)メタン等の酸素原子等の異項原子を含んでも良いC1〜C20炭化水素グリコールが挙げられる。メルカプト置換アルキルアミンとしてはメルカプト置換エチルアミン等が挙げられる。
また、縮合の順序は各種化合物の反応性に応じ、適宜決められ、上記に限定されるものではない。
なお、式(7)で表されるアントラピリドン化合物は、例えば次のようにして得られる。即ち、下記式(11)
【0050】
【化14】
Figure 0004989975
【0051】
(式中、Rは式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
で表されるアントラキノン化合物1モルにベンゾイル酢酸エチルエステル1.1〜3モルをキシレン等の極性溶媒中、炭酸ナトリウム等の塩基性化合物の存在下、130〜180℃、5〜15時間反応を行い、下記式(12)
【0052】
【化15】
Figure 0004989975
【0053】
(式中、Rは式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
で表される化合物を得る。
【0054】
次いで、式(12)で表される化合物1モルにメタアミノアセトアニリド1〜5モルを、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性有機溶媒中、炭酸ナトリウムのような塩基及び酢酸銅のような銅触媒の存在下、110〜150℃、2〜6時間ウルマン反応をおこなって縮合し、下記式(13)
【0055】
【化16】
Figure 0004989975
【0056】
(式中、Rは式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
で表される化合物を得る。
【0057】
次いで式(13)で表される化合物を8〜15重量%発煙硫酸中で、50〜120℃でスルホン化及びアセチルアミノ基の加水分解を行う事により、下記式(7)
【0058】
【化17】
Figure 0004989975
【0059】
(式中、Rは式(1)におけるのと同じ意味を表す。)
で表されるアントラピリドン化合物を得る。
【0060】
本発明のアントラピリドン化合物はインク用マゼンタ色素として、天然及び合成繊維材料又は混紡品の染色に適しており、さらにこれらの化合物は、筆記用インク及びインクジェット記録用インク組成物の製造に適している。
上記式(1)で表される化合物は、色素原体中に含有される金属陽イオンの塩化物、硫酸塩等の無機物量の少ないものを用いるのが好ましく、その含有量の目安は例えば1重量%以下程度である。無機物の少ない色素原体を製造するには、例えば逆浸透膜による方法等通常の方法で、脱塩処理すればよい。
本発明のインク組成物は、式(1)で表される化合物を水又は水性溶媒(後記する水溶性有機溶剤を含有する水)に溶解したものであるが、本発明の式(1)で表される化合物を含む反応液は、インク組成物の製造に直接使用することが出来る。又、反応液から目的物を単離し、乾燥、例えばスプレー乾燥させ、次にインク組成物に加工することも出来る。本発明の記録用インク組成物は、本発明の化合物を通常0.1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%含有する。本発明のインク組成物には、水溶性有機溶剤0〜30重量%、インク調製剤0〜5重量%をそれぞれ含有していても良い。残部は水である。
【0061】
本発明で使用しうる水溶性有機溶剤の具体例としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類、アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノマー、オリゴマー又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール、グリセリン、ヘキサン−1.2.6−トリオール等のポリオール(トリオール)、エチレングリコールモノメチルエーテル又はエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)又はジエチレングリコールモノエチルエーテル又はトリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエーテル、γーブチロラクトン又はジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、単独もしくは混合して用いられる。
これらのうち好ましいものは2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、モノ、ジ又はトリエチレングリコール、ジプロピレングリコールであり、より好ましくは2−ピロリドン、N−メチル2−ピロリドン、ジエチレングリコールである。
【0062】
以下本発明のインク組成物を調製するに当たり使用しうるインク調製剤について説明する。インク調製剤の具体例としては、例えば防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、界面活性剤などが挙げられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられ、無機塩系化合物としては、例えば無水酢酸ソーダが挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ安息香酸ナトリウム、等が挙げられる。
【0063】
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを8.0〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム若しくはアンモニア水、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。アンモニア水がより好ましい。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどが挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
【0064】
水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホン化されたベンゾフェノン又はスルホン化されたベンゾトリアゾール等が挙げられる。
水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。
【0065】
界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などが挙げられる。アニオン界面活性剤としてはアルキルスリホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸、ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどのアセチレングリコール系(例えば、日信化学社製サーフィノール104、82、465、オルフィンSTGなど)、などが挙げられる。これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。
【0066】
本発明のインク組成物は、式(1)で表される化合物(以下単に該色素とも言う)を水又は上記水性溶媒(水溶性有機溶剤含有水)に、必要により、上記インク調製剤などと共に溶解させることによって製造できる。
【0067】
上記製造法において、各成分を溶解させる順序には特に制限はない。あらかじめ水又は上記水性溶媒(水溶性有機溶剤含有水)に該色素を溶解させ、インク調製剤を添加して溶解させてもよいし、該色素を水に溶解させたのち、水性溶媒、インク調製剤を添加して溶解させてもよい。またこれと順序が異なっていてもよい。更に該色素を含む反応液、又は該色素を含む溶解液を逆浸透膜による脱塩処理を行った液に、水性溶媒、インク調製剤を添加してインク組成物を製造してもよい。インク組成物を調製するにあたり、用いられる水はイオン交換水又は蒸留水など不純物が少ないものが好ましい。さらに、必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行って夾雑物を除いてもよく、殊にインクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合は精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1ミクロン〜0.1ミクロン、好ましくは、0.8ミクロン〜0.2ミクロンである。
【0068】
本発明の水溶性のアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング、又は記録、特にインクジェット記録に適する。この場合、水、日光、オゾン及び摩擦に対する良好な耐性を有する高品質のマゼンタ印捺物が得られる。また、他の色、特にブラック用の調色に用いることもできる。
【0069】
本発明の着色体は前記の本発明の式(1)で表される化合物で着色されたものである。着色されるべきものとしては、特に制限はなく、例えば紙、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等があげられるがこれらに限定されない。着色法としては、例えば浸染法、捺染法、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェットプリンタによる方法等があげられるが、インクジェットプリンタによる方法が好ましい。
【0070】
本発明のインクジェット記録方法を適用しうる被記録材(メディア)としては例えば紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維及び皮革等が挙げられる。情報伝達用シートについては、表面処理されたもの、具体的にはこれらの基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工することにより、また多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等インク中の色素を吸収し得る多孔性白色無機物をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工することにより設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙(フィルム)あるいは光沢紙(フィルム)と呼ばれ、例えばピクトリコ(商品名;旭硝子(株)製)、プロフェッショナルフォトペーパー、スーパーフォトペーパー、マットフォトペーパー、(商品名;いずれもキャノン(株)製)、写真用紙〈光沢〉、フォトマット紙、スーパーファイン専用光沢フィルム(商品名;いずれもエプソン(株)製)、プレミアムプラスフォト用紙、プレミアム光沢フィルム、フォト用紙(商品名;いずれも日本ヒュ−レットパッカード(株)製)、フォトライクQP(商品名;コニカ(株)製)等として市場から入手が可能である。なお、普通紙にも利用できることはもちろんである。
【0071】
これらのうち、多孔性白色無機物を表面に塗工した被記録材に記録した画像のオゾンガスによる変退色が特に大きいことが知られているが、本発明の水性マゼンタインク組成物はガス耐性が優れているため、このような被記録材への記録の際に特に効果を発揮する。
【0072】
このような目的で使用される多孔性白色無機物としては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜鉛等である。
【0073】
本発明のインクジェット記録方法で、被記録材に記録するには、例えば上記のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で、被記録材に記録すればよい。本発明のインクジェット記録方法では、公知公用のイエローインク組成物、シアンインク組成物に加えて、グリーンインク組成物、オレンジインク組成物、ブルー(又はバイオレット)インク組成物及び本発明のマゼンタインク組成物、必要に応じてブラックインク組成物等を併用しうる。各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、これらの容器を、本発明のインクジェット記録用水性マゼンタインク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定位置にセット(装填)されて、使用される。インクジェットプリンタとしては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式のプリンタや加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式のプリンタ等が挙げられる。
【0074】
本発明の水性マゼンタインク組成物は、鮮明なマゼンタ色であり、特にインクジェット光沢紙において高い鮮明な色相を有し、記録画像の堅牢度も高い。又、人に対する安全性も高い。
【0075】
本発明によるインク組成物は貯蔵中に沈澱、分離することがない。また、本発明によるインク組成物をインクジェット記録において使用した場合、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。本発明によるインクは連続式インクジェットプリンタによる比較的長い時間一定の再循環下又はオンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な使用においても、物理的性質の変化を起こさない。
【0076】
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の本中において、「部」及び「%」とあるのは、特別に記載のない限りそれぞれ重量基準である。
【実施例1】
【0077】
(1) キシレン360部中に、攪拌しながら、式(11)(R=CH3)で表される化合物94.8部、炭酸ナトリウム3.0部、ベンゾイル酢酸エチルエステル144.0部を順次仕込み、昇温した。140〜150℃の温度で8時間反応を行い、その間、反応で生成するエタノールと水をキシレンと共沸させながら系外へ留出させ、反応を完結させた。次いで、冷却し、30℃にてメタノール240部を添加して30分攪拌後、析出物を濾過分離し、得られた析出物をメタノール360部で洗浄後、乾燥して、式(12)(R=CH)で表される化合物124.8部を淡黄色針状結晶として得た。
(2) 次に、N,N−ジメチルホルムアミド300.0部中に、攪拌しながら、式(12)の化合物(R=CH)88.8部、メタアミノアセトアニリド75.0部、酢酸銅1水和物24.0部及び炭酸ナトリウム12.8部を順次仕込み、昇温した。120〜130℃で3時間反応を行った。約50℃に冷却下、メタノール120部を添加し、30分攪拌後、析出物を濾過分離し、得られた析出物をメタノール500部で洗浄し、次いで80℃の湯で洗浄、乾燥して式(13)(R=CH)で表される化合物79.2部を青味赤色結晶として得た。
【0078】
(3) 次に98.0%硫酸130部に、攪拌下、水冷しながら28.0%発煙硫酸170.0部を添加して、12%発煙硫酸300部を、調製した。水冷下、得られた発煙硫酸に、式(13)(R=CH)で表される化合物51.3部を50℃以下で添加し、昇温した。85〜90℃にて4時間反応(スルホン化)を行った。次に、氷水600部中に、上で得たスルホン化反応液を添加した。その間、液温を氷を加えながら40℃以下に保持した。得られた溶液に、水を加えて液量を1000部とし、濾過して、不溶解分を除去した。次に、母液に湯を加えて1500部とし、温度を60〜65℃に保ちながら、食塩300部を添加して2時間攪拌し、析出した結晶を濾過分離した。得られた結晶を20%食塩水溶液300部で洗浄し、よく絞って式(7)(R=CH)で表される化合物59.2部を含むウェットケーキ100.3部(純度45.9%、ジアゾ分析法による。以下同様。)を赤色結晶として得た。
【0079】
(4) 水60部中に上記(3)で得た式(7)で表される化合物のウェットケーキ(純度45.9%)67.7部を添加し、次いで25%苛性ソーダ24部を添加して攪拌し、更に25%苛性ソーダを加えてPHを3〜4に調整しながら溶解させた。一方、氷水60部にリパールOH(商品名、アニオン界面活性剤、ライオン株式会社製)0.4部を加え、溶解後シアヌルクロライド8.9部を添加し、30分攪拌し、得られた懸濁液を、上記の式(7)の化合物を含む溶液中に添加し、10%苛性ソーダ水溶液を滴下しながら、PHを2.7〜3.0に保ち、25〜30℃で3時間1次縮合反応を行い、式(8)(R=CH)で表される化合物を含有する反応液を得た。
(5)上記(4)で得られた式(8)(R=CH)で表される化合物を含有する反応液中に、氷を添加して温度を5℃に調整した。次いで25%苛性ソ−ダ水溶液を滴下して、PHを9に調整した。別途、水40部に、5−ヒドロキシイソフタール酸7.7部及び25%苛性ソーダ水溶液を加えてPH9に調整した水溶液を得た。上記5℃の反応液中に、該水溶液を30分かけて滴下した。その間、氷と25%苛性ソーダ水溶液の添加で、温度5〜10℃及びPH9.0±0.3を保持した。次いで加熱し、25%苛性ソーダ水溶液の滴下によりPHを9±0.3を保持しながら、温度を27〜30℃まで上げた。その温度で1時間反応を行い、反応を完結させ、式(9)(R=CH、Y=3,5−ジカルボキシフェノキシ基)で表される化合物を含む反応液を得た。
(6)上記(5)で得られた式(9)(R=CH、Y=3,5−ジカルボキシフェノキシ基)で表される化合物を含む反応液中に、エチレンジアミン1.2部を添加し、25%苛性ソーダ水溶液の滴下により、PHを8.7〜9.3に保ち、87〜93℃の温度で、1時間反応させた。反応後、水を加えて液量を約350部に調整した後、濾過して不溶解物を除去した。
得られた反応液に水を加えて液量を400部に調整した。温度を65±2℃に保ちながら、濃塩酸を添加してPHを3に調整した。次いで食塩40部を15分かけて添加し、1時間攪拌し、析出した結晶をろ別し、20%食塩水溶液150部で洗浄して、下記式(15)(表1におけるNo.1の化合物)で表される化合物を赤色ウェットケーキとして得た。
(7)上記(6)で得られたウェットケーキを、メタノール700部中に加え、60〜65℃に加熱、攪拌し1時間保持した後、結晶をろ別し、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(15)で表される化合物35.1部を赤色結晶として得た。
極大吸収波長:510、529nm(水溶液中)
【0080】
【化18】
Figure 0004989975
【実施例2】
【0081】
(1)実施例1の(1)〜(5)と同様にして得た式(9)(R=CH、Y=3,5−ジカルボキシフェノキシ基)で表される化合物を含む反応液中に、1,2−エタンジチオール1.9部を加え、更に、水を加えて液量を400部とし、昇温した。85〜90℃の温度で、25%苛性ソーダ水溶液の滴下により、PHを7.8〜8.2に保ち、1時間反応させた。反応後、水を加えて液量を約430部に調整した後、濾過して不溶解物を除去した。得られた反応液に水を加えて液量を450部に調整した。温度を55〜60℃に保ちながら、濃塩酸を添加してPHを3に調整した。次いで食塩40部を15分かけて添加し、1時間攪拌し、析出した結晶をろ別し、15%食塩水溶液250部で洗浄して、下記式(16)(表1におけるNo.10の化合物)で表される化合物を赤色ウェットケーキとして得た。
(2)上記(1)で得られたウェットケーキを、メタノール500部中に加え、60〜65℃に加熱、攪拌1時間保持した後、析出した結晶をろ別し、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(16)で表される化合物26.4部を赤色結晶として得た。
極大吸収波長:507nm及び533nm(水溶液中)
【0082】
【化19】
Figure 0004989975
【実施例3】
【0083】
(1) 実施例1の(1)〜(5)と同様にして得た式(9)(R=CH、Y=3,5−ジカルボキシフェノキシ基)で表される化合物を含む反応液中に、4,4´−ジアミノジシクロヘキシルメタン4.2部を加え、更に、水を加えて液量を400部とし、昇温した。85〜90℃の温度で、25%苛性ソーダ水溶液の滴下により、PHを8.8〜9.2に保ち、1時間反応させた。反応後、水を加えて液量を約450部に調整した後、濾過して不溶解物を除去した。
得られた反応液に水を加えて液量を500部に調整した。温度を60〜65℃に保ちながら、濃塩酸を添加してPHを2に調整した。次いで食塩50部を15分かけて添加し、1時間攪拌し、析出した結晶をろ別し、15%食塩水溶液300部で洗浄して、下記式(17)(表1におけるNo.2の化合物)で表される化合物を赤色ウェットケーキとして得た。
(2)上記(1)で得られたウェットケーキを、メタノール500部中に加え、60〜65℃に加熱、攪拌1時間保持した後、析出した結晶をろ別し、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(17)で表される化合物18.9部を赤色結晶として得た。
最大吸収波長(λmax):536nm(水溶液中)
【0084】
【化20】
Figure 0004989975
【実施例4】
【0085】
(2) 実施例1の(1)〜(5)と同様にして得た式(9)(R=CH、Y=3,5−ジカルボキシフェノキシ基)で表される化合物を含む反応液中にヒドラジンモノヒドラート80%水溶液1.3部を加え、更に、水を加えて液量を400部とし、昇温する。85〜90℃の温度で、25%苛性ソーダ水溶液の滴下により、PHを8.8〜9.2に保ち、1時間反応させた。反応後、水を加えて液量を約450部に調整した後、濾過して不溶解物を除去した。
得られた反応液に水を加えて液量を500部に調整した。温度を55〜60℃に保ちながら、濃塩酸を添加してPHを3に調整した。次いで食塩50部を15分かけて添加し、1時間攪拌し、析出した結晶をろ別し、15%食塩水溶液250部で洗浄して、下記式(18)(表1におけるNo.3の化合物)で表される化合物を赤色ウェットケーキとして得た。
(2)上記(1)で得られたウェットケーキを、メタノール500部中に加え、60〜65℃に加熱、攪拌1時間保持した後、析出した結晶をろ別し、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(18)で表される化合物16.0部を赤色結晶として得た。
最大吸収波長(λmax):533nm(水溶液中)
【0086】
【化21】
Figure 0004989975
【0087】
[参考例5]
(1)実施例1の(1)〜(4)と同様にして得た式(8)(R=CH)で表される化合物を含有する反応液中に、氷を添加して温度を7℃に調整した。次いで25%苛性ソ−ダ水溶液を滴下して、PHを9に調整した。別途、水40部に、4−ヒドロキシ安息香酸6.8部及び25%苛性ソーダ水溶液を加えてPH9に調整した水溶液を得た。上記7℃の反応液中に、該水溶液を30分かけて滴下した。その間、氷と25%苛性ソーダ水溶液の添加により、温度5〜10℃、PH9.0±0.3を保持した。次いで加熱し、25%苛性ソーダ水溶液の滴下によりPHを8.7〜9.3を保持しながら、温度を40〜50℃まで上げ、その温度で1時間反応を行い、反応を完結させ、式(9)(R=CH、Y=4−カルボキシフェノキシ基)で表される化合物を含む反応液を得た。
(2)上記(1)で得られる式(9)(R=CH、Y=4−カルボキシフェノキシ基)で表される化合物を含む反応液中に、エチレンジアミン1.2部を添加し、25%苛性ソーダ水溶液の滴下により、PHを8.7〜9.3に保ち、87〜93℃の温度で、1時間反応させた。反応後、水を加えて液量を約350部に調整した後、濾過して不溶解物を除去した。得られた反応液に水を加えて液量を600部に調整した。温度を65±2℃に保ちながら、濃塩酸を添加してPHを1に調整した。次いで食塩108部を15分かけて添加し、1時間攪拌し、析出した結晶をろ別し、20%食塩水溶液400部で洗浄して、下記式(19)(表1におけるNo.4の化合物)で表される化合物を赤色ウェットケーキとして得た。
(3)上記(2)で得られたウェットケーキを、メタノール600部中に加え、60〜65℃に加熱、攪拌し1時間保持した後、析出した結晶をろ別し、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(19)で表される化合物16.3部を赤色結晶として得た。
極大吸収波長:511nm及び530nm(水溶液中)
【0088】
【化22】
Figure 0004989975
【0089】
実施例6〜9及び参考例10
(A)インクの調製
上記実施例1で得られた化合物(化合物例No.1)を用いて下記表2に示したインク組成物を調製し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により、本発明の水性マゼンタインク組成物を得た。尚、インク組成物のpHが8〜10、総量100部になるようにイオン交換水、アンモニア水を加えた。実施例1で得られた化合物を用いて得られたインク組成物を実施例6とする。同様に実施例2〜4及び参考例5で得られた化合物を用いて得られたインク組成物をそれぞれ実施例7〜9及び参考例10とする。又、比較対象(比較例)として、特許文献8の実施例3の化合物(化合物No.20)を用い、表2に示した組成により比較用のインク組成物を作成した。該インク組成物を用いて、インクジェット記録を行い、記録画像の評価(比較例については堅牢度のみ)を行った。その結果を、表3及び表4に示した。
【0090】
【表2】
表2(インク組成物の組成)
実施例1の化合物(化合物例No.1) 6.0部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
イソプロピルアルコール 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
サーフィノール104PG50(日信化学社製) 0.1部
イオン交換水+アンモニア水 74.9部
計 100.0部
【0091】
(B)インクジェットプリント
インクジェットプリンタ(キヤノン社製;Pixus 860i;商品名)を用いて、多孔性白色無機物を含有したインク受像層を有する光沢紙(キヤノン社製 プロフェッショナルフォトペーパー PR−101とエプソン社製写真用紙(光沢))にインクジェット記録を行った。インクジェット記録の際、印刷濃度に数段階の諧調が得られるように画像パターンを作り印字物を作成した。
【0092】
(C)記録画像の評価
(1)光沢紙上での記録画像の色相評価
記録画像の色相、鮮明性:記録紙上の画像を測色システム(GRETAG SPM50:GRETAG社製)を用いて測色し、該システムにより算出されたL*、a*、b*値、及び下記式により、色度(a*、b*)から算出された鮮明性(C*)の値により評価を行った。
C* =((a* )2+(b* )2)1/2
評価は、色相及び鮮明性について、JNC(社団法人 日本印刷産業機械工業会)のジャパンカラーの標準マゼンタサンプルとの比較で行った。
実施例6〜9及び参考例10インク組成物を用いて得られた記録画像の色相及び鮮明性の値を、ジャパンカラーの標準マゼンタサンプルでの値と共に表3に示す。尚、ジャパンカラー標準マゼンタの使用紙はJapan Color Standard Paperである。
【0093】
【表3】
表3
色相 鮮明性
L* a* b* C*
JNC標準マゼンタ 46.3 74.4 −4.8 74.6
キヤノン社製光沢紙
実施例 6(No.1) 52.4 76.4 −26.1 80.8
実施例 7(No.10) 51.8 76.9 −25.8 81.1
実施例 8(No.2) 53.4 77.9 −26.9 82.4
実施例 9(No.3) 50.3 74.8 −30.7 80.8
参考例10(No.4) 53.5 76.1 −26.2 80.3
エプソン社製光沢紙
実施例 6(No.1) 54.5 77.4 −25.2 81.4
実施例 7(No.10) 57.0 78.6 −27.3 83.2
実施例 8(No.2) 53.4 77.8 −29.5 83.2
実施例 9(No.3) 50.2 75.8 −33.6 83.0
参考例10(No.4) 54.3 76.7 −27.1 81.3
【0094】
表3より、本発明のマゼンタインク組成物(実施例6〜)を用いた場合は、いずれの光沢紙においても、JNS標準マゼンタの色相に近似しており、インクジェット用マゼンタインク組成物として適していることが判る。又、本発明のマゼンタインク組成物を用いた画像のC*値はJNS標準マゼンタの値よりも高い。このような結果から、本発明のアントラピリドン化合物はマゼンタ用色素として、鮮明性に優れた色相を与えることがわかる。
【0095】
(2)記録画像のキセノン耐光性試験
キヤノン社製光沢紙とエプソン社製光沢紙にプリントした試験片に空気層を設けて、2mm厚のガラス板を設置して、キセノンウェザオメータCi4000(商品名;ATLAS社製)を用い、0.36W/平方メートル照度で、湿度60%RH、温度24℃の条件下に、50時間照射した。試験前後の色差(ΔE)から、下記基準により、3段階で評価した。
ΔE≦10・・・・・・・・・○
10<ΔE≦20・・・・・・△
ΔE>20・・・・・・・・・×
尚、色差(ΔE)は、前記測色システム(GRETAG SPM50:GRETAG社製)を用いて試験前後の各L*、a*、b*の値を測定し、L*、a*、b*の各値の試験前後の差から、次の式により、算出した。
ΔE=((L*の差)2+(a*の差)2+(b*の差)2)1/2
結果を表4に示す。
【0096】
(3)記録画像の耐オゾンガス性試験
キヤノン社製光沢紙とエプソン光沢紙にプリントした試験片をオゾンウェザーメーター(商品名;スガ試験機社製)を用いてオゾン濃度40ppm、湿度60%RH、温度24℃の環境下に6時間放置した。前記(2)と同様にして得られた試験前後の色差(ΔE)の値から、下記基準により、3段階で評価を行った。
ΔE≦20・・・・・・・・・○
20<ΔE≦40・・・・・・△
ΔE>40・・・・・・・・・×
結果を表4に示す。
【0097】
(4)記録画像の耐湿性試験
キヤノン社製光沢紙とエプソン光沢紙にプリントした試験片を恒温恒湿器(応用技研産業社製)を用いて50℃、90%RHの条件下に168時間放置した。試験前後のブリード性を目視にて判定し、下記基準により、3段階で評価した。
○:ブリードが認められない
△:わずかブリードが認められる
×:大きくブリードが認められる
結果を表4に示す。
【0098】
【表4】
表4
キヤノン社製光沢紙
耐光性 耐オゾン性 耐湿性
実施例 6 (No.1) ○ ○ ○
実施例 7 (No.10) ○ ○ ○
実施例 8 (No.2) ○ ○ ○
実施例 9 (No.3) ○ ○ ○
参考例 10 (No.4) ○ ○ ○
比較例 1 △ △ ○
【0099】
エプソン社製光沢紙
耐光性 耐オゾン性 耐湿性
実施例 6 (No.1) ○ ○ ○
実施例 7 (No.10) ○ ○ ○
実施例 8 (No.2) ○ ○ ○
実施例 9 (No.3) ○ ○ △―○
参考例 10(No.4) ○ ○ ○
比較例 1 △ ○ △
【0100】
表4より、本発明のアントラピリドン化合物は、耐光性、耐オゾン性、耐湿性に極めて優れた画像を与える色素であることがわかる。
【0101】
【産業上の利用可能性】
本発明の式(1)で表されるアントラピリドン化合物は水に対する溶解性が高く、インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、該化合物含むマゼンタインク組成物は保存安定性に優れ、且つ該インクを用いた記録物は耐光、耐湿、耐ガス堅牢性に優れることから、該化合物はインクジェット記録用に適するマゼンタ色素である。

Claims (15)

  1. 遊離酸の形で下記式(1)
    Figure 0004989975
    {式中、Rはメチル基を、XはNH−NH、S−CH CH −S、NH−CH CH −NH又はNH−シクロヘキシル−CH −シクロヘキシル−NHを、Yは下記式(2)
    Figure 0004989975
    (式中、nは2の整数を表す)
    で表される基をそれぞれ表す}
    で表されるアントラピリドン化合物。
  2. 遊離酸の形で下記式(3)
    Figure 0004989975
    (式中、R及びXは式(1)におけるのと同じ意味を表す)
    で表される請求項1に記載のアントラピリドン化合物。
  3. 架橋基Xが1,2−エタンジイミノ基である請求項1又は2に記載のアントラピリドン化合物。
  4. 遊離酸の形で下記式(6)
    Figure 0004989975
    で表されるアントラピリドン化合物。
  5. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物を含有することを特徴とするマゼンタインク組成物。
  6. 水及び水溶性有機溶剤を含有する請求項に記載のマゼンタインク組成物。
  7. インクジェット用である請求項記載のマゼンタインク組成物。
  8. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物中の無機分の含有量が1重量%以下である請求項乃至のいずれか一項に記載のマゼンタインク組成物。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物の含有量が0.1〜20重量%である請求項乃至のいずれか一項に記載のマゼンタインク組成物。
  10. インクの小滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして請求項乃至のいずれか一項に記載のマゼンタインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  11. 被記録材が情報伝達用シートである請求項10に記載のインクジェット記録方法。
  12. 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有したインク受像層を有するものである請求項11に記載のインクジェット記録方法。
  13. 請求項乃至のいずれか一項に記載のマゼンタインク組成物で着色された着色体。
  14. 着色がインクジェットプリンタによりなされた請求項13に記載の着色体。
  15. 請求項乃至のいずれか一項に記載のマゼンタインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ。
JP2006552988A 2005-01-17 2006-01-13 アントラピリドン化合物、マゼンタインク組成物及び着色体 Active JP4989975B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006552988A JP4989975B2 (ja) 2005-01-17 2006-01-13 アントラピリドン化合物、マゼンタインク組成物及び着色体

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005008918 2005-01-17
JP2005008918 2005-01-17
PCT/JP2006/300378 WO2006075706A1 (ja) 2005-01-17 2006-01-13 アントラピリドン化合物、マゼンタインク組成物及び着色体
JP2006552988A JP4989975B2 (ja) 2005-01-17 2006-01-13 アントラピリドン化合物、マゼンタインク組成物及び着色体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2006075706A1 JPWO2006075706A1 (ja) 2008-06-12
JP4989975B2 true JP4989975B2 (ja) 2012-08-01

Family

ID=36677729

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006552988A Active JP4989975B2 (ja) 2005-01-17 2006-01-13 アントラピリドン化合物、マゼンタインク組成物及び着色体

Country Status (8)

Country Link
US (1) US7727320B2 (ja)
EP (1) EP1840171B1 (ja)
JP (1) JP4989975B2 (ja)
KR (1) KR101174741B1 (ja)
CN (1) CN101103077B (ja)
CA (1) CA2592869C (ja)
TW (1) TWI371474B (ja)
WO (1) WO2006075706A1 (ja)

Families Citing this family (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0509342D0 (en) * 2005-05-06 2005-06-15 Avecia Inkjet Ltd Colorants and their use in ink jet printing
JP4946024B2 (ja) * 2005-12-09 2012-06-06 セイコーエプソン株式会社 マゼンタインク組成物、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP4631793B2 (ja) * 2006-05-12 2011-02-16 セイコーエプソン株式会社 マゼンタインク組成物、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP4465721B2 (ja) 2006-09-29 2010-05-19 セイコーエプソン株式会社 インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP4548398B2 (ja) 2006-09-29 2010-09-22 セイコーエプソン株式会社 インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
ATE515539T1 (de) 2006-12-01 2011-07-15 Nippon Kayaku Kk Anthrapyridonverbindungen, salz davon, sie enthaltende magenta tintenzusammensetzung sowie gefärbter körper
JP4457412B2 (ja) * 2006-12-14 2010-04-28 セイコーエプソン株式会社 インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP2008231296A (ja) * 2007-03-22 2008-10-02 Seiko Epson Corp インクジェット用インクセット、インクジェット記録方法及び記録物
CN101848970B (zh) 2007-11-06 2014-04-02 日本化药株式会社 蒽吡啶酮化合物或其盐、洋红油墨组合物及着色体
JP5590813B2 (ja) 2008-04-30 2014-09-17 キヤノン株式会社 インクジェット記録方法、記録ユニット、及びインクジェット記録装置
JP5377045B2 (ja) * 2008-05-13 2013-12-25 キヤノン株式会社 インクジェット用インク、インクジェット用インクの作製方法、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP5229795B2 (ja) * 2008-06-27 2013-07-03 日本化薬株式会社 アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体
JP5434561B2 (ja) * 2009-12-18 2014-03-05 セイコーエプソン株式会社 インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP2011195782A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Seiko Epson Corp インク組成物
WO2013075286A1 (zh) * 2011-11-22 2013-05-30 大连理工大学 双核蒽吡啶酮磺酸化合物或其盐、其制备方法及应用
CN102516231B (zh) * 2011-11-22 2014-05-21 大连理工大学 双核蒽吡啶酮磺酸化合物或其盐、其制备方法及应用
CN102558897B (zh) * 2011-11-22 2014-04-02 大连理工大学 含柔性链的双核蒽吡啶酮磺酸化合物或其盐、其制备方法及应用
RU2016105711A (ru) 2013-08-08 2017-09-15 Ниппон Каяку Кабушики Кайша Композиция чернил, способ струйной печати с использованием композиции чернил и окрашенный материал
EP3406449B1 (en) 2016-01-19 2020-11-25 Ricoh Company, Ltd. Inkjet recording device and inkjet recording method

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003192930A (ja) * 2001-09-26 2003-07-09 Nippon Kayaku Co Ltd 新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法

Family Cites Families (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5974173A (ja) 1982-10-22 1984-04-26 Nippon Kayaku Co Ltd 赤色水性インク
JPH0216171A (ja) 1988-07-05 1990-01-19 Ricoh Co Ltd 水性インク
KR100566835B1 (ko) 1998-03-10 2006-04-03 니폰 카야쿠 가부시키가이샤 수성 마젠타 잉크 조성물 및 잉크제트 기록방법
JP3957423B2 (ja) 1998-03-10 2007-08-15 日本化薬株式会社 水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
WO1999048981A1 (fr) 1998-03-25 1999-09-30 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Nouveaux composes d'anthrapyridone, composition d'encre magenta a base aqueuse et procede d'impression par jet d'encre
JP3767879B2 (ja) 1998-03-25 2006-04-19 日本化薬株式会社 新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
JP4360572B2 (ja) 1998-10-22 2009-11-11 日本化薬株式会社 新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
TWI235156B (en) * 1998-10-22 2005-07-01 Nippon Kayaku Kk Novel anthrapyridone compound, aqueous magenta ink composition and ink-jet recording method
JP4408492B2 (ja) 1999-09-03 2010-02-03 日本化薬株式会社 アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
JP3957450B2 (ja) 1999-09-03 2007-08-15 日本化薬株式会社 アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
CA2383143A1 (en) 1999-09-03 2001-03-15 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Anthrapyridone compound, water-based magenta ink composition and method of ink-jet recording
JP4466987B2 (ja) * 2001-05-09 2010-05-26 日本化薬株式会社 アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
WO2003027185A1 (fr) 2001-09-26 2003-04-03 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Nouveaux composes anthrapyridone, compositions d'encre magenta a base d'eau, et procede d'impression a jet d'encre
JP4411856B2 (ja) * 2002-04-23 2010-02-10 セイコーエプソン株式会社 インクセット
JP4433664B2 (ja) * 2002-08-30 2010-03-17 セイコーエプソン株式会社 インク組成物及びインクジェット記録方法
JP4186775B2 (ja) * 2003-09-30 2008-11-26 セイコーエプソン株式会社 インクセット
US7323045B2 (en) * 2003-09-30 2008-01-29 Seiko Epson Corporation Magenta ink composition
US7776144B2 (en) * 2003-10-23 2010-08-17 Fujifilm Corporation Ink and ink set for inkjet recording
JP2005307068A (ja) * 2004-04-23 2005-11-04 Konica Minolta Holdings Inc 電気−熱変換型インクジェット用インク、インクセットと、それを用いたインクジェット記録方法
JP4631793B2 (ja) * 2006-05-12 2011-02-16 セイコーエプソン株式会社 マゼンタインク組成物、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP4548398B2 (ja) * 2006-09-29 2010-09-22 セイコーエプソン株式会社 インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
JP4465721B2 (ja) * 2006-09-29 2010-05-19 セイコーエプソン株式会社 インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物
US7618484B2 (en) * 2007-05-01 2009-11-17 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet ink, ink jet recording method, ink cartridge, recording unit and ink jet recording apparatus

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003192930A (ja) * 2001-09-26 2003-07-09 Nippon Kayaku Co Ltd 新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN101103077A (zh) 2008-01-09
US20090285988A1 (en) 2009-11-19
KR101174741B1 (ko) 2012-08-17
CA2592869A1 (en) 2006-07-20
US7727320B2 (en) 2010-06-01
JPWO2006075706A1 (ja) 2008-06-12
KR20070094606A (ko) 2007-09-20
EP1840171A1 (en) 2007-10-03
TW200632044A (en) 2006-09-16
CN101103077B (zh) 2011-04-06
CA2592869C (en) 2012-10-30
TWI371474B (en) 2012-09-01
EP1840171B1 (en) 2012-02-29
WO2006075706A1 (ja) 2006-07-20
EP1840171A4 (en) 2008-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4989975B2 (ja) アントラピリドン化合物、マゼンタインク組成物及び着色体
JP4500260B2 (ja) 新規アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法
JP5145243B2 (ja) アントラピリドン化合物、その塩、それを含有するマゼンタインク組成物及び着色体
JP5419705B2 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JP5107258B2 (ja) アントラピリドン化合物、その塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JPWO2008056699A1 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JP2008088282A (ja) 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体
JPWO2007018175A1 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体
JP5229795B2 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体
JP4497448B2 (ja) 水溶性モノアゾ化合物、水性マゼンタインク組成物および着色体
JP4905928B2 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体
JP2010254861A (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JP2011068795A (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JPWO2005007752A1 (ja) ジスアゾ化合物、及びそれを用いるインク組成物
JP2018127588A (ja) 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体
JPWO2012008533A1 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JP2014172912A (ja) 色素、組成物及び着色体
JP2016113577A (ja) 耐オゾンガス性の向上方法
JP2010059217A (ja) アントラピリドン色素又はその塩、及びそれを含有するインク組成物
JP2009191147A (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080723

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120424

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120501

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4989975

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150511

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250