JP4497448B2 - 水溶性モノアゾ化合物、水性マゼンタインク組成物および着色体 - Google Patents

水溶性モノアゾ化合物、水性マゼンタインク組成物および着色体 Download PDF

Info

Publication number
JP4497448B2
JP4497448B2 JP2003187689A JP2003187689A JP4497448B2 JP 4497448 B2 JP4497448 B2 JP 4497448B2 JP 2003187689 A JP2003187689 A JP 2003187689A JP 2003187689 A JP2003187689 A JP 2003187689A JP 4497448 B2 JP4497448 B2 JP 4497448B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
formula
salt
water
ink composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003187689A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004083892A (ja
Inventor
典子 梶浦
康夫 白崎
和信 長崎
真二郎 高橋
純子 吉岡
達 田部井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2003187689A priority Critical patent/JP4497448B2/ja
Publication of JP2004083892A publication Critical patent/JP2004083892A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4497448B2 publication Critical patent/JP4497448B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶性モノアゾ化合物、水性マゼンタインク組成物および着色体に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種カラー記録法の中で、その代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法において、インクの各種吐出方式が開発されているが、いずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うものである。これは、記録ヘッドと被記録材料とが接触しない為、音の発生がなく静かであり、また小型化、高速化、カラー化が容易という特長の為、近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。この中で、コンピューターのカラーディスプレー上の画像又は文字情報をインクジェットプリンタによりカラ−で記録するには、一般にはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクによる減法混色で表現される。CRTディスプレー等のR、G、Bによる加法混色画像を減法混色画像で出きるだけ忠実に再現するには、使用するインクの色相及び鮮明性が重要である。又、インク組成物は長期の保存に対し安定であり、プリントした画像の濃度が高く、しかも耐水性、耐光性、耐オゾン性等の堅牢度に優れている事が求められている。
耐オゾンガス性とは、空気中に存在する酸化作用を持つオゾンガスが記録紙中で染料と反応し、印刷された画像を変退色させるという現象に対する耐性のことである。このオゾンガスは、インクジェット記録画像の退色現象を促進させているとされている最も大きな要因とされている。この変退色現象はインクジェット画像に特徴的なものであるため、耐オゾンガス性の向上は重要な課題となっている。特に、写真画質インクジェット専用紙の表面に設けられるインク受容層には、インクの乾燥を早め、また高画質でのにじみを少なくする為に、多孔質の無機物素材を用いているものが多く、このような記録紙上でオゾンガスによる変退色が顕著に見られている。
今後、インクを用いた印刷方法の使用分野を拡大すべく、広告等の展示物に活用した場合、光(電灯、蛍光灯、日光等)に暴される場合が多くなるため、インクジェット記録用に用いられるインク組成物及びそれによって着色された着色体には、耐水性、耐光性、耐湿性の他に、特に耐オゾンガス性の向上が強く求められてきている。
これらを解決するため、例えば特許文献1〜特許文献9等多くの出願がされているが、市場の要求を完全に満足するには至っていない。
【特許文献1】
特開平4−279671号公報
【特許文献2】
特開平6−329933号公報
【特許文献3】
特開平8−73791号公報
【特許文献4】
特開平8−113745号公報
【特許文献5】
特開平10−46045号公報
【特許文献6】
特開平10−329403号公報
【特許文献7】
特開平11−158429号公報
【特許文献8】
特開2000−265099号公報
【特許文献9】
特開2001−72886号公報
【特許文献10】
特公昭35−12784号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は水に溶解性が高く、長期間保存した場合でも安定であり、かつ印字された画像の濃度が高く、しかも耐オゾン性、耐光性、耐水性に優れた、人に対してより安全性の高いマゼンタ色の水溶性モノアゾ化合物およびそれを含有するインク組成物を提供する事を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記したような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったものである。即ち本発明は、
(1)下記式(1)
【化8】
Figure 0004497448
(式中、X、Yはそれぞれ独立に置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換の水酸基、又は置換もしくは非置換のメルカプト基を、BはCO又はSO2を、mは0、1又は2を、Rは置換または非置換のフェニル基、メチル基、フェニルアセチル基、またはフェノキシアセチル基を、Aは水素原子又は置換基をそれぞれ表す)で表される水溶性モノアゾ化合物又はその塩、
(2)下記式(1)
【化9】
Figure 0004497448
(式中、X、Yはそれぞれ独立に置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換の水酸基、又は置換もしくは非置換のメルカプト基を、Aは水素原子、スルホン酸基又はカルボキシル基を、BはCO又はSO2を、Rはフェニル基、アルキルフェニル基、フェニルアセチル基、またはフェノキシアセチル基を、mは0、1又は2をそれぞれ表す)で表される水溶性モノアゾ化合物又はその塩、
(3)塩がリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩または式(2)
【化10】
Figure 0004497448
(式中、X1〜X4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基またはヒドロキシアルコキシアルキル基を表す)で表されるアンモニウム塩である(1)または(2)のモノアゾ化合物の塩、
(4)式(1)において、X、Yがそれぞれ独立にアミノ基;置換もしくは非置換のアニリノ基;置換もしくは非置換のピリジニウム基;置換もしくは非置換のベンジルアミノ基;置換基としてカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ1〜4のアルコキシ基を1〜2個有してもよいアルキルアミノ基;炭素数1〜4のアルコキシ基を1〜2個有してもよいジアルキルアミノ基、モルホリノ基、アリルアミノ基、ジアリルアミノ基;置換もしくは非置換の第4級アンモニウム基;シクロヘキシルアミノ基;水酸基;炭素数1〜4のアルコキシ基;置換もしくは非置換のフェノキシ基、ベンジルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基;ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、スルホン酸基、またはカルボキシル基で置換されていてもよいアルキルメルカプト基、Aがスルホン酸基、Bが−CO、Rがフェニル基、フェニルアセチル基、フェノキシアセチル基、mが1である(1)から(3)のいずれか一項に記載のモノアゾ化合物またはその塩、
(5)式(1)において、X、Yがそれぞれ独立にアミノ基;置換基として炭素数1〜8のアルキル基、スルホン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、モロホリノ基を1〜2個有してもよいアニリノ基、ピリジニウム基;ベンジルアミノ基;置換基としてカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、ヒドロキシ1〜4のアルコキシ基を1〜2個有してもよい炭素数1〜6アルキルアミノ基;炭素数1〜4のアルコキシ基アルキルアミノ基;炭素数1〜4のアルコキシ基を1〜2個有してもよいジアルキルアミノ基、モルホリノ基、アリルアミノ基、ジアリルアミノ基;置換基として炭素数1〜4のアルキル基、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン基を有してもよい第4級アンモニウム基;シクロヘキシルアミノ基;水酸基;炭素数1〜4のアルコキシ基;置換基として炭素数1〜8のアルキル基、スルホン酸基、カルボキシル基を有してもよいフェノキシ基、ベンジルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基;ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、スルホン酸基、またはカルボキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜6アルキルメルカプト基、Aがスルホン酸基、Bが−CO、Rがフェニル基、mが1である(1)から(4)のいずれか一項に記載のモノアゾ化合物またはその塩、
(6)骨格として下記式(3)
【化11】
Figure 0004497448
で表される水溶性モノアゾ化合物又はその塩を水性媒体に溶解してなることを特徴とする水性マゼンタインク組成物
(7)骨格として下記式(4)
【化12】
Figure 0004497448
で表される水溶性モノアゾ化合物又はその塩を水性媒体に溶解してなることを特徴とする水性マゼンタインク組成物
(8)(1)から(5)のいずれか1項に記載のモノアゾ化合物またはその塩を含むことを特徴とする水性マゼンタインク組成物、
(9)骨格として下記式(3)
【化13】
Figure 0004497448
で表される水溶性モノアゾ化合物又はその塩を水性媒体に溶解してなることを特徴とする水性マゼンタインク組成物の製造方法、
(10)骨格として下記式(4)
【化14】
Figure 0004497448
で表される水溶性モノアゾ化合物又はその塩を水性媒体に溶解してなることを特徴とする水性マゼンタインク組成物の製造方法
(11)インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、マゼンタインクとして(6)から(8)のいずれか一項に記載の水性マゼンタインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法、
(12)被記録材が情報伝達用シートである(11)に記載のインクジェット記録方法、
(13)情報伝達用シートが表面処理されたシートである(12)に記載のインクジェット記録方法、
(14)(1)から(5)のいずれか1項に記載のモノアゾ化合物またはその塩、又は(6)から(8)のいずれか1項に記載の水性マゼンタインク組成物で着色された着色体
(15)着色がプリンタによりなされた(14)の着色体、
(16)(6)から(8)のいずれか1項に記載の水性マゼンタインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ、
に関する。
尚、本発明において断りが無いかぎりスルホン酸基及びカルボキシル基は遊離酸の形で表す。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明を詳細に説明する。
【0006】
式(1)のX、Yは置換もしくは非置換のアミノ基、置換もしくは非置換の水酸基、置換もしくは非置換のメルカプト基を表す。
置換もしくは非置換のアミノ基としては、例えばアミノ基;置換もしくは非置換のアニリノ基;置換もしくは非置換のピリジニウム基;置換もしくは非置換のベンジルアミノ基;置換基としてカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基を1〜2個有してもよいアルキルアミノ基;炭素数1〜4のアルコキシ基を1〜2個有してもよいジアルキルアミノ基、モルホリノ基、アリルアミノ基、ジアリルアミノ基;置換もしくは非置換の第4級アンモニウム基;シクロヘキシルアミノ基等があげられる。
置換もしくは非置換の水酸基としては、例えば水酸基;炭素数1〜4のアルコキシ基;置換もしくは非置換のフェノキシ基、ベンジルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等があげられる。置換もしくは非置換のメルカプト基としては、例えばメルカプト基、炭素数1〜6のアルキルメルカプト基;ヒドロキシ基、シアノ基、アルコキシ基、ヒドロキシアルコキシ基、スルホン酸基、またはカルボキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜6アルキルメルカプト基が挙げられ、スルホン酸基で置換された炭素数1〜4アルキルメルカプト基が好ましい。
【0007】
式(1)のX、Yにおいて置換もしくは非置換のアニリノ基の例は、アニリノ基、2−メチルアニリノ基、4−ブチルアニリノ基、4−オクチルアニリノ基、3−スルホアニリノ基、4−スルホアニリノ基、2,5−ジスモロホアニリノ基、2−カルボキシアニリノ基、3,5−ジカルボキシアニリノ基、4−ヒドロキシ−3−カルボキシアニリノ基、4−ヒドロキシ−5−カルボキシアニリノ基等である。置換もしくは非置換のピリジニウム基の例は、3−カルボキシピリジニウム基、4−メチルピリジニウム基、3−カルバモイルピリジニウム基、4−スルホピリジニウム基等である。置換もしくは非置換のベンジルアミノ基の例は、ベンジルアミノ基、4−メチルベンジルアミノ基、4−クロルベンジルアミノ基等である。置換基としてカルボキシル基、スルホン酸基、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基を1〜2個有してもよいアルキルアミノ基やジアルキルアミノ基の例は、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、n−ブチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−スルホエチルアミノ基、カルボキシメチルアミノ基、ジ(カルボキシメチル)アミノ基、1,2−ジカルボキシプロピルアミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノ基、ジ(2−ヒドロキシエチル)アミノ基、2−ヒドロキシプロピルアミノ基等である。置換もしくは非置換の第4級アンモニウム基の例は、トリメチルアミノ基、トリエチルアミノ基、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタン基等である。
炭素数1〜4のアルコキシ基の例は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基等である。置換もしくは非置換のフェノキシ基の例はフェノキシ基、2−カルボキシフェノキシ基、4−カルボキシフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−スルホフェノキシ基等である。
好ましいX、Yとしては、モルホリノ基、水酸基、2−メチルアニリノ基、3−スルホアニリノ基、3,5−ジカルボキシアニリノ基、4−ヒドロキシ−5−カルボキシアニリノ基、3−カルボキシピリジニウム基、カルボキシメチルアミノ基、ジ(カルボキシメチル)アミノ基、フェノキシ基、2−カルボキシフェノキシ基、スルホプロピルメルカプト基、スルホエチルアミノ基であり、さらに好ましくは、水酸基、3,5−ジカルボキシアニリノ基、4−ヒドロキシ−5−カルボキシアニリノ基、スルホプロピルメルカプト基、スルホエチルアミノ基である。
【0008】
式(1)においてRは置換または非置換のフェニル基、メチル基、フェニルアセチル基、またはフェノキシアセチル基を表し、フェニル基の置換基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、第3ブチル基等のアルキル基が好ましい。
好ましいRとしては、フェニル基、4−メチルフェニル基、フェニルアセチル基、またはフェノキシアセチル基があげられ、更に好ましくはフェニル基である。Aは水素原子または置換基を表すが、水素原子、スルホン酸基、カルボン酸基が好ましく、スルホン酸が特に好ましい。好ましい置換位置は後記する式(8)における4位である。また、ナフタレン環上のスルホン酸の位置は後記する式(8)における4位、3位が好ましく、3位が特に好ましい。
【0009】
本発明の式(1)の化合物の塩は、無機または有機陽イオンの塩である。適当な無機塩は、特にアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩である。好ましい無機塩としては、リチウムおよびナトリウムの塩であり、適当な有機塩としては、式(2)で表されるアンモニウム塩があげられる。
【0010】
式(2)のX1〜X4においてアルキル基の例は前記と同じものであり、ヒドロキシ−アルキル基の例はヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基等であり、ヒドロキシエトキシ−アルキル基の例はヒドロキシエトキシメチル基、2−ヒドロキシエトキシエチル基、3−ヒドロキシエトキシプロピル基、2−ヒドロキシエトキシプロピル基、4−ヒドロキシエトキシブチル基、3−ヒドロキシエトキシブチル基、2−ヒドロキシエトキシブチル基等である。
【0011】
式(2)のアンモニウム塩の具体例を表1に示す。
【0012】
Figure 0004497448
【0013】
式(1)で表されるモノアゾ化合物は、例えば次のようにして製造する事が出来る。例えば塩化シアヌルと式(5)
【0014】
【化15】
Figure 0004497448
【0015】
(式中、A、mは前記と同じ意味を有する)で表される化合物を1次縮合させることにより得られる化合物を常法によりジアゾ化し、式(6)
【0016】
【化16】
Figure 0004497448
(式中、B、Rは前記と同じ意味を有する)で表される化合物とカップリングさせる。次いで式X−H(式中、Xは前記と同じ意味を有する)で表される化合物、式Y−H(式中、Yは前記と同じ意味を有する)で表される化合物と2次及び3次縮合させることにより、式(1)で表される水溶性モノアゾ化合物を得ることが出来る。尚、上記のカップリング反応は、好ましくは水溶媒中、通常0−20℃、pH2−12において、特に好ましくは5−10℃、pH3−8において実施される。
又、塩化シアヌルとの1次縮合反応は、好ましくは水溶媒中通常0−20℃、好ましくは5−10℃、pH1−9好ましくはpH1−5において、又2次縮合反応は、通常10−60℃、好ましくは20−50℃、pH2−11、好ましくは4−10において、更に3次縮合反応は、通常60−100℃、好ましくは70−95℃、pH2−12、好ましくは4−10において、それぞれ実施される。
又、式(1)で表される化合物は、次の方法によっても製造することが出来る。即ち、塩化シアヌルと式(3)で表される化合物を1次縮合させ、更に式X−Hで表される化合物と2次縮合させることにより得られる化合物を常法によりジアゾ化し、式(4)で表される化合物とカップリングさせた後、更に式Y−Hで表される化合物と3次縮合させるか、式X−Hで表される化合物を2次縮合させた後、更に式Y−Hで表される化合物と3次縮合させた後、常法によりジアゾ化し、式(4)表される化合物とカップリングさせることによっても式(1)で表される水溶性モノアゾ化合物を得ることができる。
尚、例えば、特許文献10に、本発明の式(1)で表されるモノアゾ化合物の前駆体に相当する式(7)
【0017】
【化17】
Figure 0004497448
【0018】
(式(7)中、Y2はハロゲン原子を表す)で表される化合物についての製法が記載されている。
【0019】
前記式(1)に示した化合物の好適な例として、特に限定されるものではないが、具体的には下記表1及び2のような構造が挙げられる。
尚、表1において便宜上、下記式(8)のようにA、R、スルホン酸の置換位置を定義する。
【0020】
【化18】
Figure 0004497448
【0021】
【表1】
Figure 0004497448
【0022】
【表2】
Figure 0004497448
【0023】
最終的に、本発明による式(1)で表されるモノアゾ化合物またはその塩(以下断りの無い限りモノアゾ化合物またはその塩を単にモノアゾ化合物と記す。)は、鉱酸の添加により遊離酸の形で単離する事ができ、これから水または酸性化した水による洗浄により無機塩を除去する事が出来る。次に、この様に得られる低い塩含有率を有する酸型色素は、水性媒体中で水酸化物および/または炭酸塩、例えば水酸化リチウム、炭酸リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは前記一般式(2)で表されるアミンにより中和することにより対応する塩の溶液とすることが出来る。好ましいアミンとしては、例えばアンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチル−N−エタノールアミン、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン、2−(2−ヒドロキシエトキシ)−エチルアミン、ジ[2−(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]アミン、トリ[2−(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]アミン等があげられる。
【0024】
式(1)で表されるモノアゾ化合物は、天然及び合成繊維材料との混紡品の染色に適しており、さらにはこれら染料は、筆記用インクおよび記録用液の製造に著しく適している。
【0025】
式(1)で表される本発明のモノアゾ化合物の反応液は、記録用インク組成物の製造に直接使用する事が出来る。しかし、これを反応液から単離し、乾燥、例えばスプレー乾燥させ、次にインク組成物に加工することもできる。最終製品の記録用インク組成物は、式(1)で表される本発明のモノアゾ化合物を水溶液中に通常0.1〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは2〜10重量%程度含有する。本発明のインク組成物には、水溶性有機溶剤0〜30重量%、インク調製剤0〜5重量%含有していても良い。
【0026】
本発明の水性マゼンタインク組成物は、式(1)で表されるモノアゾ化合物を水または水性溶媒(水溶性有機溶剤含有水)に溶解したものである。
【0027】
本発明で使用しうる水溶性有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール、N,N−ジメチルホルムアミドまたはN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリジン−2−オン等のラクタム、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オンまたは1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類、アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトンまたはケトアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、エチレングリコール、1,2−または1,3−プロピレングリコール、1,2−または1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノマー、オリゴマーまたはポリアルキレングリコールまたはチオグリコール、グリセリン、ヘキサン−1.2.6−トリオール等のポリオール(トリオール)、エチレングリコールモノメチルエーテルまたはエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモノエチルエーテル又はトリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエーテル、γーブチロラクトンまたはジメチルスルホキシド等があげられる。
【0028】
本発明の組成物において、水溶性有機溶剤として好ましくは2−ピロリドン、N−メチルピロリジン−2−オン、モノ、ジまたはトリエチレングリコール、ジプロピレングリコールであり、より好ましくは2−ピロリドン、N−メチルピロリジン−2−オン、ジエチレングリコールである。
【0029】
インク調製剤としては、例えば防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、界面活性剤などがあげられる。防腐防黴剤としては、例えば無水酢酸ソーダ、ソルビン酸ソーダ、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン等があげられる。pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを8.0〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどがあげられる。防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグルコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどがあげられる。水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホン化されたベンゾフェノンまたはスルホン化されたベンゾトリアゾール等があげられる。水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等があげられる。染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等があげられる。界面活性剤としては、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤などがあげられる。アニオン界面活性剤としてはアルキルスリホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸およびその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。両性界面活性剤としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどのアセチレングリコール系(例えば、日信化学社製サーフィノール104、104E、104PG50、82、465、オルフィンSTGなど)、などが挙げられる。これらのインク調製剤は、単独もしくは混合して用いられる。
【0030】
本発明の水性マゼンタインク組成物は、式(1)で表されるモノアゾ化合物を水または上記水性溶媒(水溶性有機溶剤含有水)に、上記インク調製剤などと共に溶解させることによって製造できる。
この水性マゼンタインク組成物をインクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合、モノアゾ化合物としては金属陽イオンの塩化物、硫酸塩等の無機物の含有量が少ないものを用いるのが好ましく、その含有量の目安は例えば1%以下程度である。無機物の少ないモノアゾ化合物を製造するには、例えば逆浸透膜による方法等の通常の方法で、脱塩処理すればよい。
本発明の製造方法において、溶解させる順序には特に制限はない。あらかじめ水または上記水性溶媒(水溶性有機溶剤含有水)に溶解させ、インク調製剤を添加して溶解させてもよいし、式(1)で表されるモノアゾ化合物を水に溶解させたのち、水性溶媒、インク調製剤を添加して溶解させてもよい。またこれと順序が異なっていてもよいし、式(1)で表されるモノアゾ化合物の反応液または逆浸透膜による脱塩処理を行った液に、水性溶媒、インク調製剤を添加してインク組成物を製造してもよい。用いる水はイオン交換水または蒸留水など不純物が少ない物が好ましい。さらに、必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行って夾雑物を除いてもよく、インクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合は精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は1ミクロン〜0.1ミクロン、好ましくは、0.8ミクロン〜0.2ミクロンである。
【0031】
式(1)で表される化合物を1種以上含有する記録用液は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング、または記録法、特にインクジェット印捺法における使用に適する。この場合、水、日光、オゾンおよび摩擦に対する良好な耐性を有する高品質のマゼンタ印捺物が得られる。式(1)で表されるモノアゾ染料に、イエロー、シアン等の染料を配合することによって、マゼンタ色調を好みのものにすることもできる。
【0032】
本発明の着色体は前記の本発明の化合物で着色されたものである。着色されるべきものとしては、特に制限無く、例えば紙、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等があげられるがこれらに限定されない。着色法としては、例えば浸染法、捺染法、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェットプリンタによる方法等があげられるが、インクジェットプリンタによる方法が好ましい。
【0033】
本発明のインクジェット記録方法を適用しうる被記録材としては例えば紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維及び皮革等が挙げられる。情報伝達用シートについては、表面処理されたもの、具体的にはこれらの基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工することにより、また多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等インク中の色素を吸収し得る無機微粒子をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工することにより設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙(フィルム)あるいは光沢紙(フィルム)と呼ばれ、例えばピクトリコ(旭硝子(株)製)、カラーBJペーパー、カラーBJフォトフィルムシート(いずれもキャノン(株)製)、カラーイメージジェット用紙(シャープ(株)製)、スーパーファイン専用光沢フィルム(エプソン(株)製)、ピクタファイン(日立マクセル(株)製)等として市販されている。なお、普通紙にも利用できることはもちろんである。
【0034】
本発明のインクジェット記録方法では、本発明の水性マゼンタインク組成物はイエローインク組成物、シアンインク組成物、必要に応じ、ブラックインク組成物と併用されうる。
各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、この容器を、本発明の水性マゼンタインク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定位置にセット(装填)されて、使用される。
【0035】
本発明のインクジェット記録方法で、被記録材に記録するには、例えば上記のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で、被記録材に記録すればよい。インクジェットプリンタとしては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式のプリンタや加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式のプリンタ等があげられる。
【0036】
本発明の水性インク組成物は、鮮明なマゼンタ色であり、特にインクジェット光沢紙における高い耐光性と耐オゾン性を有する。また、人に対する安全性も高い。他のイエロー、シアンのインクと共に用いる事で、広い可視領域の色調を色出しする事ができ、耐光性及び耐オゾン性に優れたイエロー、シアン、ブラックと共に用いることにより、特に耐オゾン性に優れ、かつ耐光性、耐水性においても優れた記録物を得ることができる。
【0037】
本発明によるインクは貯蔵中に沈澱、分離することがない。また、本発明によるインクをインクジェット印捺において使用した場合、噴射器を閉塞することもない。本発明によるインクを連続式インクジェットプリンタによる比較的長い時間一定の再循環下またはオンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な使用においても、本発明によるインクの物理的性質は変化しない。
【0038】
【実施例】
以下に本発明を更に実施例により具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り重量基準である。
【0039】
実施例1
常法により、塩化シアヌル12.9部と2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸13.0部を水性媒体中でpH3−5、温度0−5℃で1次縮合させ、得られた化合物を常法により35%塩酸22部と40%亜硝酸ナトリウム12.7部でジアゾ化し、1−ベンゾイルアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸29.0部とpH5−6、温度10−15℃でカップリングさせた。次いで3,5−ジカルボキシアニリン12.0部をpH5−6、温度40−45℃、4時間で2次縮合させ、更に、pH9.5−10.0、温度90−95℃、6時間で処理させ、得られた生成物を常法に従い塩析、濾過することにより酸型構造で下記式(9)(化合物例No.9)で表されるモノアゾ化合物(水中でのλmax=515nm)を得た。
【0040】
【化19】
Figure 0004497448
【0041】
実施例2
常法により、塩化シアヌル12.9部と2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸13.0部を水性媒体中でpH3−5、温度0−5℃で1次縮合させ、得られた化合物を常法により35%塩酸22部と40%亜硝酸ナトリウム12.7部でジアゾ化し、1−ベンゾイルアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸29.0部とpH5−6、温度10−15℃でカップリングさせた。次いで3,5−ジカルボキシアニリン12.0部をpH5−6、温度40−45℃、4時間で2次縮合させ、更に4−ヒドロキシー5カルボキシアニリン42.9部をpH4−5、温度80−85℃、4時間で3次縮合させ、得られた生成物を常法に従い塩析、濾過することにより酸型構造で下記式(10)(化合物例No.11)で表されるモノアゾ化合物(水中でのλmax=518nm)を得た。
【0042】
【化20】
Figure 0004497448
【0043】
実施例3−12
実施例2において二次縮合で使用した、3,5−ジカルボキシアニリンのわりに下記表2の第1欄の化合物を、3次縮合で使用した4−ヒドロキシ−5−カルボキシアニリンの代わりに同表の第2欄の化合物を各々用いて、実施例2と同様の方法で合成すると、各々対応するモノアゾ化合物が得られた。
実施例3では化合物例No.38、実施例4では化合物例No.12、実施例5では化合物例No.13、実施例6では化合物例No.52、実施例7では化合物例No.53、実施例8では化合物例No.54、実施例9では化合物例No.41、実施例10では前記式(8)において、Aがスルホン酸基でその置換位置が4位、Rがフェニル基、BがCO、スルホン基の位置が3位、Xが4−ヒドロキシ−5−カルボキシアニリノ、Yが水酸基である化合物、実施例11では化合物例No.43、実施例12では化合物例No.58がそれぞれ得られた。
【0044】
Figure 0004497448
【0045】
実施例13
実施例1において使用した、1−ベンゾイルアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸の代わりに1−ベンゼンスルホニルアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸を用いて実施例1と同様の方法で合成すると、酸型構造で下記式(11)(化合物例No.28)で表されるモノアゾ化合物が得られた。
【0046】
【化21】
Figure 0004497448
【0047】
実施例14
実施例1において使用した、1−ベンゾイルアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸の代わりに1−ベンゾイルアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−4,6−ジスルホン酸を用いて実施例1と同様の方法で合成すると、酸型構造で下記式(12)で表されるモノアゾ化合物が得られる。
【0048】
【化22】
Figure 0004497448
【0049】
実施例15、16
(A)インクの調製
上記実施例1、3で得られた化合物を用いて表5に示した組成の液体を調製し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により各インクジェット用水性インク組成物を得た。また水はイオン交換水を使用した。尚、インク組成物のpHがpH=8〜10、総量100部になるように水、水酸化ナトリウムを加えた。実施例1で得られた化合物を用いた試験を実施例15、実施例3で得られた化合物を用いた試験を実施例16とする。
【0050】
Figure 0004497448
【0051】
(B)インクジェットプリント
インクジェットプリンタ(商品名 キヤノン社製 BJ−S630)を用いて、普通紙(プリンタペーパーA4 TLB5A4S(キャノン社製))、色素受容層を有する光沢紙(エプソン社製PM写真用紙 KA420PSK)の2種にインクジェット記録を行った。
【0052】
以下比較試験として、実施例1のインクと同じ印字濃度になるようにインクを調製し評価を行った。
比較例1
比較対象として実施例3で得られた化合物の代わりにインクジェット用マゼンタ色素として広く用いられているC.I.ダイレクトレッド227(下記式(13)を2.5部使用する以外は実施例1と同様の組成でインクを調製、インクジェット記録をし、記録画像の評価を行った。
【0053】
【化23】
Figure 0004497448
【0054】
比較例2
比較対象として実施例3で得られた化合物の代わりにインクジェット用マゼンタ色素として広く用いられている特許文献3、化合物No.(1)記載の化合物(下記式(14)を2部使用する以外は実施例1と同様の組成でインクを調製、インクジェット記録をし、記録画像の評価を行った。
【0055】
【化24】
Figure 0004497448
【0056】
(C)記録画像の評価
1.色相評価
1−1.光沢紙での色相評価
記録画像の色相、鮮明性:記録紙を測色システム(GRETAG SPM50:GRETAG社製)を用いて測色し、L*、a*、b*値を算出した。色相はJNC(社団法人 日本印刷産業機械工業会)のJAPAN Colorの標準マゼンタのカラーサンプルとの比較、鮮明性はC*=((a*2+(b*21/2で評価した。
JNCのJAPAN Colorの標準マゼンタのカラーサンプルと実施例15、実施例16の光沢紙での色相の結果を表6に示す。
【0057】
Figure 0004497448
【0058】
表6より、本発明のモノアゾ化合物は、JNC標準マゼンタの色相に近く、理想的な色相であることがわかる。
【0059】
1−2.普通紙での色相評価
上記と同様にして、実施例15、比較例1、比較例2の普通紙での色相をの結果を表7に示す。
【0060】
Figure 0004497448
【0061】
表7より、本発明のモノアゾ化合物は、普通紙に記録画像した色相が、比較例1、2よりC*値が高く、非常に鮮明性が高いことがわかる。
【0062】
(D)記録画像のキセノン耐光性試験
光沢紙にプリントした試験片をキセノンウェザオメーターCi4000(ATLAS社製)を用い、0.36W/平方メートルの照度で50時間照射し、試験前後の色差(ΔE)と残存濃度(%)(試験前の濃度/試験後の濃度×100)を測定した。結果は表8に示す。
(E)記録画像のオゾン耐性試験
光沢紙にプリントした試験片を、加湿器をオゾンウェザーメーター内に導入し、湿度60%を保持させたオゾンウェザーメーター(スガ試験機社製 型式OMS−H)を用い、温度約35℃、オゾン濃度12ppmで2時間放置し、試験前後の色差(ΔE)と残存濃度(%)(試験後の濃度/試験前の濃度×100)を測定した。結果は表8に示す。
【0063】
(F)記録画像の耐湿性試験
光沢紙にプリントした試験片を、恒温恒湿器(応用技研産業社製)を用いて50℃、90%RHで7日間放置し、試験前後の染料の滲みを目視により判定した。
○ 染料に滲みがほとんど見られない。
△ 染料のにじみがやや見られる。
× 染料の滲みがかなり見られる。
【0064】
Figure 0004497448
【0065】
表8より、実施例15は、比較例1より耐光性、オゾン耐性が強く、比較例2よりオゾン耐性、耐湿性が強いことがわかる。比較例16は耐光性、オゾン耐性、が比較例1,2より強く、耐湿性は比較例2より強いことがわかる。
本発明のモノアゾ化合物を用いたマゼンタインクは、色相、耐光堅牢度、耐オゾン堅牢度、耐湿性が総合的に強い、非常に優れたマゼンタ色インクであることがわかる。
【0066】
実施例17
常法により、塩化シアヌル18.8部と2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸18.8部を水性媒体中でpH3−6、温度0−5℃で1次縮合させ、得られた化合物を常法により、塩酸と亜硝酸ナトリウムでジアゾ化し、1−ベンゾイルアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸43.6部とpH7−8、温度5−10℃でカップリングさせた。次いで5−アミノイソフタル酸18.1部をpH5−6、温度40−50℃で2次縮合させ、更に3−メルカプト−1−プロパンスルホン酸ナトリウム26.7部を加えpH8−10、温度85−95℃で3次縮合を行なった。得られた生成物を常法に従い塩析、濾過することにより、酸型構造で下記式(16)(化合物例No.61)で表されるモノアゾ化合物(水中でのλmax=517nm)を得た。
【0067】
【化25】
Figure 0004497448
【0068】
実施例18
常法により、塩化シアヌル18.8部と2,4−ジアミノベンゼンスルホン酸18.8部を水性媒体中でpH3−6、温度0−5℃で1次縮合させ、得られた化合物を常法により、塩酸と亜硝酸ナトリウムでジアゾ化し、1−ベンゾイルアミノ−8−ヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸43.6部とpH7−8、温度5−10℃でカップリングさせた。次いで5−アミノイソフタル酸18.1部をpH5−6、温度40−50℃で2次縮合させ、更にタウリン18.7部を加えpH7−9、温度85−95℃で3次縮合を行なった。得られた生成物を常法に従い塩析、濾過することにより酸型構造で下記式(16)(化合物例No.63)で表されるモノアゾ化合物(水中でのλmax=520nm)を得た。
【化26】
Figure 0004497448
【0069】
実施例19、20
(A)インクの調製
上記実施例17で得られた化合物を2.8部使用する以外は実施例15における表5と同様のインク組成でインクを調製し、前記(B)と同様にしてインクジェット記録をし、記録画像の評価を行った。これを実施例19とする。
実施例18で得られた化合物を3.3部使用する以外は実施例15における表5と同様のインク組成でインクを調製し、前記(B)と同様にしてインクジェット記録をし、記録画像の評価を行った。これを実施例20とする。
【0070】
前記の(C)記録画像の評価、1.色相評価、1−2.普通紙での色相評価と同様にして記録画像の色相、鮮明性を測定した。結果を表9に示す。
【0071】
Figure 0004497448
【0072】
表9より、本発明のアゾ化合物は、普通紙に記録画像した色相が、比較例1、2よりC*値が高く、非常に鮮明性が高いことがわかる。
【0073】
前記、(E)記録画像のオゾン耐性試験、(F)記録画像の耐湿性試験と同様にして記録画像のオゾン耐性試験、耐湿性試験行った。その結果を表10に示す。
【0074】
Figure 0004497448
【0075】
表10より、実施例19、20は、比較例2よりオゾン耐性、耐湿性が強いことがわかる。
本発明のモノアゾ化合物を用いたマゼンタインクは、色相、耐光堅牢度、耐オゾン堅牢度、耐湿性が総合的に強い、非常に優れたマゼンタ色インクであることがわかる。
【0076】
【発明の効果】
本発明の化合物は水溶解性に優れ、インク組成物製造過程でのメンブランフィルターに対するろ過性が良好という特徴を有する。又、この化合物を使用した本発明のインク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。そして本発明のインク組成物をインクジェット記録用のマゼンタインクとして使用した印刷物はメディア(紙、フィルム等)を選択することなく理想的なマゼンタの色相である。また耐光性、オゾン耐性にも非常に優れている。更に本発明のマゼンタインク組成物は、イエロー、シアン及びブラックインクと共に用いることで耐光性、オゾン耐性などに優れたインクジェット記録が可能である。従って、本発明の化合物はインクジェット記録用のマゼンタインクとして極めて有用である。

Claims (9)

  1. 下記式(1)
    Figure 0004497448
    (式中、X、Yは、一方が、カルボキシル基で置換されたアニリノ基若しくはカルボキシル基と水酸基とで置換されたアニリノ基、他方が、カルボキシル基と水酸基とで置換されたアニリノ基、スルホン酸基を1〜2個有してもよい炭素数1〜6アルキルアミノ基、水酸基、又はスルホン酸基で置換された炭素数1〜4アルキルメルカプト基を、BはCOを、mは1を、Rはフェニル基を、Aはスルホン酸基をそれぞれ表す)で表される水溶性モノアゾ化合物又はその塩
  2. 塩がリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩または式(2)
    Figure 0004497448
    (式中、X1〜X4はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基またはヒドロキシアルコキシアルキル基を表す)で表されるアンモニウム塩である請求項1に記載のモノアゾ化合物の塩
  3. 請求項1または2に記載のモノアゾ化合物またはその塩を含むことを特徴とする水性マゼンタインク組成物
  4. インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、マゼンタインクとして請求項に記載の水性マゼンタインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法
  5. 被記録材が情報伝達用シートである請求項に記載のインクジェット記録方法
  6. 情報伝達用シートが表面処理されたシートである請求項に記載のインクジェット記録方法
  7. 請求項1または2に記載のモノアゾ化合物またはその塩、又は請求項に記載の水性マゼンタインク組成物で着色された着色体
  8. 着色がプリンタによりなされた請求項7に記載の着色体
  9. 請求項に記載の水性マゼンタインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ
JP2003187689A 2002-07-04 2003-06-30 水溶性モノアゾ化合物、水性マゼンタインク組成物および着色体 Expired - Fee Related JP4497448B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003187689A JP4497448B2 (ja) 2002-07-04 2003-06-30 水溶性モノアゾ化合物、水性マゼンタインク組成物および着色体

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002195564 2002-07-04
JP2003187689A JP4497448B2 (ja) 2002-07-04 2003-06-30 水溶性モノアゾ化合物、水性マゼンタインク組成物および着色体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004083892A JP2004083892A (ja) 2004-03-18
JP4497448B2 true JP4497448B2 (ja) 2010-07-07

Family

ID=32071978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003187689A Expired - Fee Related JP4497448B2 (ja) 2002-07-04 2003-06-30 水溶性モノアゾ化合物、水性マゼンタインク組成物および着色体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4497448B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012032986A1 (ja) 2010-09-06 2012-03-15 日本化薬株式会社 インクジェット記録用インクセット、記録方法及びそれを用いた着色体

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5103724B2 (ja) 2005-09-30 2012-12-19 富士通株式会社 インターポーザの製造方法
WO2009078252A1 (ja) * 2007-12-14 2009-06-25 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha 水溶性アントラピリドン化合物又はその塩、インク組成物及び着色体
WO2012032985A1 (ja) * 2010-09-06 2012-03-15 日本化薬株式会社 インクジェット記録用インクセット、記録方法及びそれを用いた着色体
CN106752060A (zh) * 2016-11-28 2017-05-31 黄山普米特新材料有限公司 一种水基红色染料和喷墨成像用油墨及其制备方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09217018A (ja) * 1995-07-26 1997-08-19 Ilford Ag インクジエットプリント用染料
US6068687A (en) * 1997-11-20 2000-05-30 Ilford Imaging Switzerland Gmbh Azo dyes and their preparation and use
JP2001139836A (ja) * 1999-09-03 2001-05-22 Nippon Kayaku Co Ltd アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09217018A (ja) * 1995-07-26 1997-08-19 Ilford Ag インクジエットプリント用染料
US6068687A (en) * 1997-11-20 2000-05-30 Ilford Imaging Switzerland Gmbh Azo dyes and their preparation and use
JP2001139836A (ja) * 1999-09-03 2001-05-22 Nippon Kayaku Co Ltd アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012032986A1 (ja) 2010-09-06 2012-03-15 日本化薬株式会社 インクジェット記録用インクセット、記録方法及びそれを用いた着色体
CN103154159A (zh) * 2010-09-06 2013-06-12 日本化药株式会社 喷墨记录用油墨组、记录方法以及使用其的着色体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004083892A (ja) 2004-03-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4794241B2 (ja) 水溶性アゾ化合物、インク組成物及び着色体
JP5100659B2 (ja) 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体
JP4989975B2 (ja) アントラピリドン化合物、マゼンタインク組成物及び着色体
KR101493918B1 (ko) 안트라피리돈 화합물 또는 그의 염, 마젠타 잉크 조성물 및 착색체
JP5145243B2 (ja) アントラピリドン化合物、その塩、それを含有するマゼンタインク組成物及び着色体
EP1942154B1 (en) Water soluble azo compound, ink composition, and colored material
JP5107258B2 (ja) アントラピリドン化合物、その塩、マゼンタインク組成物及び着色体
WO2007020719A1 (ja) 水溶性アゾ化合物、インク組成物及び着色体
JP2008088281A (ja) 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体
JP4794270B2 (ja) 水溶性アゾ化合物、インク組成物および着色体
JP2008088282A (ja) 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体
JPWO2010146994A1 (ja) 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体
JP2007077256A (ja) アントラピリドン化合物及びインクジェット記録用インク組成物
JP4497448B2 (ja) 水溶性モノアゾ化合物、水性マゼンタインク組成物および着色体
JP2008056830A (ja) 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体
JPWO2009093500A1 (ja) 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体
JPWO2007018175A1 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体
JP5229795B2 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体
JP4963883B2 (ja) 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体
JP4905928B2 (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、そのアントラピリドン化合物を含有するマゼンタインク組成物及び着色体
JP4404308B2 (ja) 水溶性モノアゾ化合物、インク組成物および着色体
JP4446339B2 (ja) アゾ化合物、インク組成物
JP2005042028A (ja) 水溶性モノアゾ化合物、それを含有する水性オレンジインク組成物及びこれを用いて得られる着色体
JP2010254861A (ja) アントラピリドン化合物又はその塩、マゼンタインク組成物及び着色体
JP2006096855A (ja) 水溶性アゾ化合物、インク組成物および着色体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060508

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091202

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100119

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100218

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20100218

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20100219

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100409

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100409

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4497448

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160423

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees