JP4794270B2 - 水溶性アゾ化合物、インク組成物および着色体 - Google Patents
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Description
本発明は水に対する溶解性が高く、インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、且つ記録物の耐水性、耐湿性、耐光性、耐ガス堅牢性に優れた水溶性の黄色色素(化合物)及びそれを含有するインク組成物を提供する事を目的とする。
即ち、本発明は
(1)遊離酸として、下記式(1)
(2)式(1)におけるR1が水素原子である(1)に記載の水溶性アゾ化合物、
(3)式(1)におけるR2が水素原子である(1)又は(2)に記載の水溶性アゾ化合物、
(4)式(1)におけるAが下記式(2)若しくは(3)で示される基又はヒドロキシル基
(5)(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物を含有することを特徴とするインク組成物、
(6)水溶性有機溶剤を含有する(5)に記載のインク組成物、
(7)インクジェット記録用である(5)又は(6)に記載のインク組成物、
(8)インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして(5)乃至(7)のいずれか一項に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法、
(9)被記録材が情報伝達用シートである(8)に記載のインクジェット記録方法、
(10)情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有したインク受容層を有するシ−トである(9)に記載のインクジェット記録方法、
(11)(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物、又は(5)乃至7のいずれか一項に記載のインク組成物で着色された着色体、
(12)着色がインクジェットプリンタによりなされた(11)に記載の着色体、
(13)(5)乃至(7)のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ、
に関する。
本発明の水溶性アゾ化合物は下記式(1)で表される。
上記置換基を有していてもよい脂肪族アミン残基の置換基として好ましいものはスルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基である。
置換基を有していてもよい脂肪族アミン残基の具体例としては、例えば2−スルホエチルアミノ基、カルボキシメチルアミノ基、2−ヒドロキシエチルアミノ基、2−カルボキシエチルアミノ基、1−カルボキシエチルアミノ基、1,2−ジカルボキシエチルアミノ基、ジ(カルボキシメチル)アミノ基等が挙げられる。
また、上記置換基を有していてもよい芳香族アミン残基の置換基として好ましいものはカルボキシル基及びスルホ基である。置換基を有していてもよい芳香族アミン残基の具体例としては、アニリノ基、3,5−ジカルボキシアニリノ基、4−スルホアニリノ基等が挙げられる。
更に、置換基を有していてもよいフェノキシ基の置換基として好ましいものはスルホ基、カルボキシル基、C1−C4アシル基、ヒドロキシル基である。置換基を有していてもよいフェノキシ基の具体例としては、フェノキシ基、4−スルホフェノキシ基、4−カルボキシフェノキシ基、4−アセチルアミノフェノキシ基、4−ヒドロキシフェノキシ基等が挙げられる。
更に、置換基を有していてもよいアルコキシ基の置換基として好ましいものはヒドロキシル基及びカルボキシル基である。置換基を有していてもよいアルコキシ基の具体例としては、メトキシエトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、3−カルボキシプロポキシ基等がそれぞれ挙げられる。
これらのうち、Aとしては、モルホリノ基、ヒドロキシル基又はスルホ基、カルボキシル基及びヒドロキシル基からなる群から選択される置換基を有していてもよい脂肪族アミン残基が好ましく、特にスルホエチルアミノ基、カルボキシメチルアミノ基、モルホリノ基、及びヒドロキシル基が好ましい。
R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、炭素数1〜4のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。これらのうち、R1としては水素原子が好ましい。
R2は水素原子、ニトロ基、ハロゲン原子又はヒドロキシル基を示す。これらのうち、R2としては、水素原子が好ましい。
置換基R1を有するベンゼン環上のスルホプロピルオキシ基の置換位置は、このベンゼン環上のアゾ基の置換位置に対して2位又は3位が好ましく、3位がより好ましい。
nは1〜3の整数を表し、1又は2が好ましい。尚、ベンゼン環上のカルボキシ基の置換位置は、このベンゼン環上のアゾ基の位置に対してn=1の場合には2位、3位、4位が、n=2の場合には3位及び5位が好ましい。
ここで、X1〜X4におけるアルキル基の例としてはメチル基、エチル基等があげられ、同じくヒドロキシアルキル基の例としてはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基等があげられ、更にヒドロキシアルコキシアルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル基、2−ヒドロキシエトキシエチル基、3−(ヒドロキシエトキシ)プロピル基、3−(ヒドロキシエトキシ)ブチル基、2−(ヒドロキシエトキシ)ブチル基等が挙げられる。
例えば、後述する実施例1におけるようなメタノールを加える前の反応液、式(1)の化合物を含むウェットケーキ又は乾燥品などを水に溶解したものに食塩を加えて、塩析、濾過することにより、式(1)の化合物のナトリウム塩をウェットケーキとして得ることができる。
又、得られたナトリウム塩のウェットケーキを水に溶解後、塩酸を加えてそのpHを適宜調整することにより得られる固体を濾過すると、式(1)の化合物の遊離酸を、あるいは式(1)の化合物の一部がナトリウム塩で、一部が遊離酸である混合物を得ることができる。
更に、式(1)の化合物の遊離酸のウェットケーキを水と共に撹拌しながら、例えば、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水又は式(5)の水酸化物等を添加してアルカリ性にすれば、各々相当するカリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、4級アンモニウム塩を得ることができる。
これらの塩のうち、特に好ましいものは、前記の通りリチウム塩及びナトリウム塩である。
すなわち、例えば特開2004−75719号公報に記載の例を参考にして得られる下記式(A)の化合物を重亜硫酸ナトリウム及びホルマリンを用いてメチル‐ω‐スルホン酸誘導体(B)に変える。次いで、常法により、下記式(C)で示される芳香族アミン類をジアゾ化し、先に得られた式(B)のメチル‐ω‐スルホン酸誘導体と0〜5℃、pH0〜2でカップリング反応を行い、引き続き、60〜80℃、pH10.5〜11.0で加水分解反応を行うことにより、下記式(D)で示されるアミノ基を有するアゾ化合物を得る。
次に得られた式(D)で示されるアゾ化合物の2当量とハロゲン化シアヌル、例えば塩化シアヌルとを、温度20〜25℃、弱酸性(通常pH5〜6)で縮合することにより、下記式(E)で示される縮合体を得る。
さらに得られた式(E)中の、式(1)におけるAに対応する位置に置換した塩素原子を、水酸化物イオン、アンモニア、モルホリン、置換基を有していてもよい脂肪族アミン、置換基を有していてもよい芳香族アミン、置換基を有していてもよいフェノ−ル又は置換基を有していてもよいアルコ−ル等で置換すべく、温度75〜80℃、pH7〜8の条件下で縮合することにより、本発明の式(1)で示される水溶性アゾ化合物を得ることができる。
下記式(A)の化合物としては、例えば2−スルホプロポキシアニリン(式(A)においてR1=水素原子の化合物)、2−スルホプロポキシ−5−メチルアニリン(式(A)においてR1=メチルの化合物)などが具体例として挙げられる。
また下記式(C)の化合物としては、例えば市販品として入手可能な3−アミノ安息香酸(式(C)においてR2=水素原子、n=1、カルボキシ基の置換位置がアミノ基に対して3位の化合物)、4−アミノ安息香酸(式(C)においてR2=水素原子、n=1、カルボキシ基の置換位置がアミノ基に対して4位の化合物)、5−アミノイソフタル酸(式(C)においてR2=水素原子、n=2、カルボキシ基の置換位置がアミノ基に対して3位および5位の化合物)、2−アミノ−4−ヒドロキシ安息香酸(式(C)においてR2=ヒドロキシ、n=1、アミノ基の置換位置がカルボキシル基に対して2位、ヒドロキシル基の置換位置が同様に5位の化合物)、4−アミノ−5−ニトロ安息香酸(式(C)においてR2=ニトロ、n=1、アミノ基の置換位置がカルボキシル基に対して2位、ニトロ基の置換位置が同様に5位の化合物)などが具体例として挙げられる。
具体例として挙げた上記の式(A)および式(C)の化合物を適宜組合わせ前記に準じて製造を行うことにより、後述する表1の水溶性アゾ化合物を得ることができる。
本発明の式(1)の水溶性アゾ化合物を含む反応液(例えば後述する実施例1における、メタノールを投入する前の反応液など)は、本発明のインク組成物の製造に直接使用する事が出来る。しかし、反応液から該化合物を単離し、乾燥、例えばスプレー乾燥させ、次にインク組成物に加工することもできる。本発明の記録用インク組成物は、本発明の式(1)の水溶性アゾ化合物を水溶液中に通常0.1〜20質量%、より好ましくは1〜15質量%、更に好ましくは2〜10質量%含有する。本発明のインク組成物中、下記する水溶性有機溶剤は通常0〜30質量%、同じくインク調製剤は通常0〜10質量%含有する。
インク組成物を調製するのに供する式(1)の水溶性アゾ化合物は、金属陽イオンの塩化物、硫酸塩等の無機物の含有量が少ないものを用いるのが好ましく、その含有量の目安は例えば塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムの総含有量として色素成分中に1質量%以下程度である。無機物の少ない色素を製造するには、例えばそれ自体公知の逆浸透膜による方法等で、色素原末の溶液を脱塩処理すればよい。
用いうる餅防腐防黴剤の例としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の各化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが、ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが、イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等がそれぞれ挙げられる。その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
使用しうるキレート試薬の例としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。使用しうる防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
使用しうる水溶性高分子化合物の例としては、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
使用しうる染料溶解剤の例としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。
使用しうる界面活性剤の例としては、例えばアニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。ここでアニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。又カチオン界面活性剤としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ−4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
これらのインク調製剤のそれぞれは、単独で又は混合して用いられる。
本発明のインクジェット記録方法では、黄色の本発明のインク組成物と共に、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、必要に応じて、グリーンインク組成物、ブルー(又はバイオレット)インク組成物、レッドインク組成物、及びブラックインク組成物等と併用して使用しうる。この場合、各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、それらの容器を、インクジェットプリンタの所定位置に装填して使用する。使用しうるインクジェットプリンタの例としては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式のプリンタや加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式のプリンタ等が挙げられる。
なお、合成した各化合物のλmaxは、pH7〜8の水溶液中での測定値を示した。また得られた式(7)〜式(10)の化合物は便宜上、遊離酸の形で示したが、以下の実施例においては、式(7)〜式(10)の各化合物をナトリウム塩として得た。
5−アミノイソフタル酸36.2部を水酸化ナトリウムでpH6に調整しながら水210部に溶解し、亜硝酸ナトリウム14.8部を加えた。この溶液を5〜10℃の5%塩酸510部中に30分間かけて滴下した後、10℃以下で1時間攪拌し、ジアゾ化反応を行った。次に2−スルホプロポキシアニリン46.2部を、水酸化ナトリウムでpH5に調整しながら水130部に溶解し、21.8部の重亜硫酸ナトリウム及び18.0部の35%ホルマリンを用いて、常法によりメチル−ω−スルホン酸誘導体とした後に、先に合成したジアゾニウム塩中に投入し、0〜5℃、pH0〜2で2時間攪拌した。反応液を水酸化ナトリウムでpH11とした後、同pHを維持しながら65〜70℃で5時間攪拌し、さらに240部の塩化ナトリウムで塩析することにより160部のアミノ基を有するアゾ化合物をウエットケーキとして得た。次に250部の氷水中にレオコールTD90(界面活性剤、ライオン社製)0.14部を加え激しく攪拌し、その中に塩化シアヌル13.8部を添加し0〜5℃で30分間攪拌した。続いてこの懸濁液を、先にウエットケーキで得た160部のアミノ基を有するアゾ化合物と水400部で得られた溶液中に30分間かけて滴下し、滴下終了後pH5〜6、20〜25℃で2時間撹拌した後、タウリン11.2部を投入し、pH7〜8、75〜80℃で3時間攪拌した。得られた反応液を20〜25℃まで冷却後、この反応液にメタノール800部を投入し、20〜25℃で1時間攪拌し、ろ過することによりウエットケーキ95.0部を得た。このウエットケーキを熱風乾燥機(80℃)で乾燥することにより、下記式(7)で示される本発明の水溶性アゾ化合物(λmax 390nm)56.0部を得た。
実施例1のタウリン11.2部をグリシン6.8部とする以外は実施例1と同様の方法で本発明の下記式(8)で示される水溶性アゾ化合物(λmax 393nm)52.0部を得た。
実施例1の5−アミノイソフタル酸36.2部を3−アミノ安息香酸27.4部とする以外は実施例1と同様の方法で本発明の式(9)で示される本発明の水溶性アゾ化合物(λmax 383nm)50.0部を得た。
5−アミノイソフタル酸18.1部を水酸化ナトリウムでpH6に調整しながら水100部に溶解し、亜硝酸ナトリウム7.2部を加えた。この溶液を5〜10℃の5%塩酸255部中に1時間かけて滴下した後、10℃以下で1時間攪拌し、ジアゾ化反応を行った。次に2−スルホプロポキシアニリン23.1部を水酸化ナトリウムでpH5に調整しながら水70部に溶解し、重亜硫酸ナトリウムおよびホルマリンを用いて、常法によりメチル−ω−スルホン酸誘導体とした後に、先に合成したジアゾニウム塩を投入し、pH5〜6、10〜15℃で3時間攪拌した。反応液を水酸化ナトリウムでpH12とした後に80〜90℃で2時間攪拌した後、得られた反応液をろ過後、ろ液を熱風乾燥機(80℃)で全乾燥し、アミノ基含有アゾ化合物を40.1部を得た。次に塩化シアヌル9.3部を200部の氷水中で激しく攪拌懸濁し、この中へ水400部で溶解させたアミノ基含有アゾ化合物を40.1部を1時間かけて滴下し、滴下後pH3〜3.5、5〜10℃で1時間、続いてpH5〜6、30〜40℃で3時間攪拌した後、pH9〜10、80〜90℃で4時間攪拌した。得られた反応液をろ過後、ろ液を熱風乾燥機(80℃)で全乾燥し、色素粉末54.0部を得た。この色素粉末を水300部、メタノール700部中に投入し、1時間攪拌後、ろ過分取した。得られたウエットケーキを熱風乾燥機(80℃)で全乾燥することにより、下記式(10)で示される化合物(λmax 383nm)45.0部を得た。
(A)インクの調製
上記実施例1、2、3及び4で得られた本発明の各アゾ化合物を用いて表2に示した組成比で混合して本発明のインク組成物を得、それぞれ0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により夾雑物を除いた。尚、水はイオン交換水を使用し、インク組成物のpHがpH=7〜9となるように28%アンモニア水で調整後、総量が100部になるように水を加えた。実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4で得られた各アゾ化合物を用いた試験をそれぞれ実施例4、実施例5、実施例6及び実施例7とする。
実施例1〜実施例4で得られた各アゾ化合物 5.0部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
イソプロピルアルコール 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
サーフィノール104PG50(注) 0.1部
28%アンモニア水+水 75.9部
計 100.0部
(注)アセチレングリコ−ル系ノニオン界面活性剤、日信化学社製
C.I.ダイレクトイエロー132 3.0部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
イソプロピルアルコール 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
サーフィノール104PG50(前記) 0.1部
28%アンモニア水+水 77.9部
計 100.0部
インクジェットプリンタ(キヤノン社製 Pixus 860i)を用いて、多孔性白色無機物を含有したインク受容層を有する光沢紙1(キヤノン社製 プロフェッショナルフォトペーパー PR−101)及び光沢紙2(エプソン社製 写真用紙<光沢> KA450PSK)の2種にインクジェット記録を行った。インクジェット記録の際、反射濃度が数段階の階調が得られるように画像パターンを作り、黄色の印字物を得た。
耐湿性試験は未印字部と印字部を有する印刷物を用いて行い、又耐光性試験及び耐オゾンガス性試験は試験前の印字物の反射濃度D値が1に最も近い部分について反射濃度の測定を行った。また、反射濃度は測色システム「GRETAG SPM50:GRETAG社製」を用いて測定した。
光沢紙1と光沢紙2にプリントした試験片を恒温恒湿器(応用技研産業(株)製)を用いて50℃、湿度90%RH(相対湿度)で7日間放置し、試験前後の印字部の色素(染料)の未印字部への滲みを目視により判定した。結果を表4に示す。評価基準は以下のようである。
○ 色素の未印字部への滲みがほとんど見られない。
△ 色素の未印字部への滲みがやや見られる。
× 色素の未印字部への滲みがかなり見られる。
光沢紙1と光沢紙2にプリントした試験片を空気層を介して2mm厚のガラス板と共にホルダ−に設置して、キセノンウェザオメータCi4000(ATLAS社製)を用い、0.36W/平方メートル照度で50時間照射した。試験後、反射濃度を測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め、3段階で評価した。
色素残存率が85%以上・・・・・・・・○
色素残存率が75%以上85%未満・・・△
色素残存率が75%未満・・・・・・・・×
結果を表4に示す。
光沢紙1と光沢紙2にプリントした試験片をオゾンウェザーメーター(スガ試験機社製)を用いてオゾン濃度40ppm、湿度60%RH、温度24℃の環境下に3時間放置した後、反射濃度を前記の測色システムを用いて測色した。測定後、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求め、3段階で評価した。
色素残存率が65%以上 ○
色素残存率が55%以上65%未満 △
色素残存率が55%未満 ×
結果を表4に示す。
実施例1乃至実施例4で得られた各アゾ化合物(Na塩)について、 水に対する溶解性を試験した。水はイオン交換水を用い、pH8付近、室温(約25℃)で試験を行った。溶解性は以下の評価基準で評価した。
C.I.ダイレクトイエロー132に比べ溶解度が高い ○
C.I.ダイレクトイエロー132と同等の溶解度 △
C.I.ダイレクトイエロー132に比べ溶解度が低い ×
結果を表4に示す。
溶解性 耐湿性 耐オゾンガス性 耐光性
実施例4 ○ (光沢紙1) ○ ○ ○
(光沢紙2) ○ ○ ○
実施例5 ○ (光沢紙1) ○ ○ ○
(光沢紙2) ○ ○ ○
実施例6 ○ (光沢紙1) ○ ○ ○
(光沢紙2) ○ ○ ○
実施例7 ○ (光沢紙1) ○ ○ ○
(光沢紙2) ○ ○ ○
比較例1 − (光沢紙1) ○ △ △
(光沢紙2) × ○ ○
Claims (12)
- 式(1)におけるR1が水素原子である請求項1に記載の水溶性アゾ化合物
- 式(1)におけるR2が水素原子である請求項1又は請求項2に記載の水溶性アゾ化合物
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物を含有することを特徴とするインク組成物
- 水溶性有機溶剤を含有する請求項4に記載のインク組成物
- インクジェット記録用である請求項4又は請求項5に記載のインク組成物
- インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載のインク組成物を用いることを特徴とするインクジェット記録方法
- 被記録材が情報伝達用シートである請求項7に記載のインクジェット記録方法
- 情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有したインク受容層を有するシ−トである請求項8に記載のインクジェット記録方法
- 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物、又は請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載のインク組成物で着色された着色体
- 着色がインクジェットプリンタによりなされた請求項10に記載の着色体
- 請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ
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