JP2013018849A - 水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体 - Google Patents

水溶性アゾ化合物又はその塩、インク組成物及び着色体 Download PDF

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Abstract

【課題】水に対する溶解性が高く、高い発色性を有し、記録画像の彩度に優れる水溶性の黄色色素(化合物)及びそれを含有する各種記録用、特にインクジェット記録用のイエローインク組成物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される水溶性アゾ化合物又はその塩。
Figure 2013018849

(式中、Qはハロゲン原子を表し、xは2から4の整数を表し、基Aは下記式(4)等で表されるアミノ基を表す。)
Figure 2013018849

【選択図】なし

Description

本発明は、水溶性のジスアゾ化合物又はその塩、これを含有するインク組成物、及びこれらにより着色された着色体に関する。
各種カラー記録方法の中で、その代表的方法の1つであるインクジェットプリンタによる記録方法は、インクの吐出方式が各種開発されている。これらは、いずれもインクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うものである。この方法は、記録ヘッドと被記録材とが直接接触しないため、音の発生がなく静かである。また、小型化、高速化、カラー化が容易であるという特長を有するため、近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。
従来、万年筆やフェルトペン等のインク、及びインクジェット記録用のインクとしては、水溶性の色素(染料)を水性媒体に溶解したインクが使用されている。これらの水性インクには、ペン先やインク吐出ノズルでのインクの目詰まりを防止すべく、一般に水溶性の有機溶剤が添加されている。これらのインクには、十分な濃度の記録画像を与えること、ペン先やノズルの目詰まりを生じないこと、被記録材上での乾燥性が良いこと、滲みが少ないこと、保存安定性に優れること等の性能が要求される。
インクジェットのノズル詰まりは、ノズル付近でインク中の水分が他の溶剤や添加剤よりも先に蒸発し、水分が少なく溶剤や添加剤が多いという組成状態になったときに、色素が固化し析出することに由来するものが多い。よって、インク中の水分が少ない状態になった場合においても固体が析出しにくいということが非常に重要な要求性能の1つである。この理由から、溶剤や添加剤に対する高い溶解性も色素に求められる性質の1つである。また、ノズル詰まりを解消する方法として、印字濃度の高い色素を用いる手法が知られている。印字濃度が高い色素を用いることで、従来の印字濃度を保ちつつ、インク中の色素含有量を減らすことができる。これは色素を析出しにくくするだけでなく、コスト面でも有利であり、高い印字濃度を持つ色素の開発が望まれている。
ところで、コンピューターのカラーディスプレイ上の画像又は文字情報をインクジェットプリンタによりカラーで記録するには、一般にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクによる減法混色が用いられ、これにより記録画像がカラーで表現される。CRT(ブラウン管)ディスプレイ等におけるレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)による加法混色画像を、減法混色画像でできるだけ忠実に再現するために、インクに使用される各色素、中でもY、M、Cのそれぞれが、標準色に近い色相を有し、且つ鮮明であることが望まれる。ここで言う鮮明さとは、一般的に高い彩度を持つことを意味する。彩度が低いY、M、Cの3原色を用いた場合、単色又は混色で表現できる色領域が狭くなり、表現したい色領域の範囲としては不十分となる場合がある。このため、高彩度な色素と、それを含有するインクの開発が望まれている。
また、インクの性能としては、長期の保存に対して安定であり、記録画像の濃度が高く、しかもその画像が耐水性、耐湿性、耐光性、耐ガス性等の堅牢性に優れることが求められる。ここで耐ガス性とは、空気中に存在する酸化作用を持つガス(酸化性ガスとも呼ばれる)が、被記録材上又は被記録材中で、記録画像の色素(染料)と反応し、記録画像を変退色させるという現象に対する耐性のことである。酸化性ガスの中でも特にオゾンガスは、インクジェット記録画像の変退色現象を促進させる主要な原因物質とされている。この変退色現象はインクジェット記録画像に特徴的なものであるため、耐オゾンガス性の向上はこの分野における重要な技術的課題である。
近年のインクジェット技術の発達により、インクジェット記録(印刷)のスピードの向上がめざましい。このため、電子トナーを用いたレーザープリンタと同様に、オフィス環境での主用途である普通紙へのドキュメントの印刷に、インクジェットプリンタを用いる市場の動きがある。インクジェットプリンタは記録紙の種類を選ばず、またプリンタ自体の価格が安いという利点があり、特にスモールオフィス・ホームオフィス(SOHO)等の小〜中規模オフィス環境で普及が進んでいる。このように普通紙への印刷用途でインクジェットプリンタを使用する場合、印刷物に求められる品質の中では、色相、発色(印字)濃度、及び耐水性がより重視される傾向がある。
これらの性能を満たす目的で、顔料インクを用いる方法が提案されている。しかし、顔料インクは色素が水性インク中には溶解しないため溶液状態とはならず、分散状態のインクであるため、これをインクジェット記録に用いると、インク自体の安定性の問題や記録ヘッドのノズル詰まりの問題等が生じる。また、顔料インクを使用した場合、耐擦性にも問題を生じることが多い。染料インクの場合、このような問題は比較的起こりにくいとされるが、特に耐水性において顔料インクと比較して著しく劣り、それに対する改良が強く望まれている。また、染料インクは顔料インクと異なり、インクジェット記録により普通紙の表面に付着させた色素が、より速く紙の裏面方向へ浸透し、その結果、発色濃度が低下するという問題が起こりやすい。
写真画質のインクジェット記録画像を得る方法の1つとして、被記録材の表面にインク受容層を設ける方法がある。このような目的で設けられるインク受容層は、インクの乾燥を早め、また高画質での色素の滲みを少なくするために、多孔性白色無機物を含むことが多い。しかしながら、特にこのような被記録材において、上記オゾンガスによる変退色が顕著に見られる。最近のデジタルカメラ及びカラープリンタの普及と共に、家庭でもデジタルカメラ等で得られた画像を写真画質として印刷する機会が増しているため、上記の酸化性ガスによる記録画像の変退色が問題視される。他の3原色であるマゼンタやシアンと比較すると、イエロー色素については耐光性と共に、良好な酸化性ガスへの耐性を有する色素が提案されてきている。しかし、市場が要求するような高い鮮明性と各種堅牢性とを十分に満足するインクジェット記録用の黄色色素やイエローインクは、未だ得られていない。
水溶性及び鮮明性に優れる公知のインクジェット用の黄色色素としては、C.I.(カラーインデックス)ダイレクト・イエロー132が挙げられる。また、近年のインクジェット記録用の黄色色素の開発により高堅牢性のアゾ系色素が複数提案されている。
特許文献1には、耐光、及び耐水堅牢性を有する黄色の陰イオン性アゾ化合物が開示されている。
特許文献2には、水に対する溶解性が高く、耐湿性、耐オゾンガス性、及び耐光性を有する黄色の水溶性アゾ化合物が開示されている。
特許文献3には、水に対する溶解性が高く、耐湿性、耐オゾンガス性、及び耐光性を有し、特に普通紙上での耐水性などの堅牢性に優れた黄色の水溶性アゾ化合物が開示されている。
特許文献4には、水又は水溶性有機溶剤に対する溶解性が高く、画像の印字濃度が高く、且つ画像の耐光性、及び耐オゾンガス性に優れる水溶性の黄色色素が開示されている。
特開平4−233975号公報 特開2006−152264号公報 国際公開2009/066412号 国際公開2010/125903号
本発明は、水に対する溶解性が高く、記録画像の高い発色性(印字濃度)を有し、彩度に優れる水溶性の黄色色素(化合物)、及びそれを含有する各種記録用、特にインクジェット記録用のイエローインク組成物の提供を目的とする。
本発明者等は上記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、特定の式で表される水溶性アゾ化合物及びそれを含有するインク組成物が上記課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
1)
下記式(1)で表される水溶性アゾ化合物又はその塩、
Figure 2013018849
(式中、Qはハロゲン原子を表し、xは2から4の整数を表し、基Aは下記式(2)から(6)で表されるアミノ基を表す。)
Figure 2013018849
(式(2)において、Rは水素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基またはイソプロピル基を表す。)
Figure 2013018849
(式(3)において、Rはメチル基またはヒドロキシ基を表す。)
Figure 2013018849
Figure 2013018849
(式(5)において、Rはメチル基またはエチル基を表す。)
Figure 2013018849
(式(6)において、Rはメチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基を表す。)
2)
上記式(1)において、基Aが式(2)から式(4)である上記1)に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩、
3)
上記式(1)において、Qが塩素原子であり、xが3であり、基Aが式(2)又は式(3)である上記1)に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩、
4)
上記式(1)で表される水溶性アゾ化合物が下記式(7)で表される上記1)に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩、
Figure 2013018849
5)
上記1)乃至4)のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩を含有するインク組成物、
6)
水溶性有機溶剤をさらに含有する上記5)に記載のインク組成物、
7)
インクジェット記録用である上記5)又は6)に記載のインク組成物、
8)
上記5)乃至7)のいずれか一項に記載のインク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させ、記録を行うインクジェット記録方法、
9)
上記被記録材が情報伝達用シートである上記8)に記載のインクジェット記録方法、
10)
上記情報伝達用シートが普通紙又は多孔性白色無機物を含むインク受容層を有するシ−トである上記9)に記載のインクジェット記録方法、
11)
(a)上記1)乃至4)のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩、
(b)上記1)乃至4)のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩を含有するインク組成物、及び
(c)上記1)乃至4)のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩及び水溶性有機溶剤を含有するインク組成物、のいずれかにより着色された着色体、
12)
上記8)に記載のインクジェット記録方法により着色された着色体、
13)
上記5)又は6)に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ、
に関する。
上記式(1)で表される本発明の水溶性アゾ化合物又はその塩は、水に対する溶解性が高く、該化合物又はその塩を含有する本発明のインク組成物を製造する過程での、例えばメンブランフィルターに対する濾過性が良好であるという特徴を有する。また、本発明の化合物を含有する本発明のインク組成物により記録された画像は、従来の化合物を用いたものと比較して印字濃度、彩度に優れる。このように、式(1)で表される本発明の水溶性アゾ化合物又はその塩、及びこれを含有するインク組成物は、各種記録用のインク用途、特にインクジェット記録用のインク用途に極めて有用である。
本発明を詳細に説明する。
上記式(1)で表される本発明の水溶性アゾ化合物又はその塩は、水溶性の黄色色素である。本明細書においては特に断りがない限り、スルホ基、カルボキシ基等の酸性官能基は遊離酸の形で表す。また、本発明は、上記の通り、式(1)で表される水溶性アゾ化合物又は該化合物の塩の両者を含むものであるが、両者を常に「化合物又はその塩」等と併記するのは煩雑である。このため特に断りがない限り、便宜上、「本発明の(水溶性アゾ)化合物又はその塩」の両者を含めて単に「本発明の(水溶性アゾ)化合物」と簡略して、以下記載する。
本発明の化合物は上記式(1)で表される。
式(1)中、Qはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子又は塩素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
式(1)中、xは2から4の整数、好ましくは3を表す。
式(1)中、基Aは、上記式(2)または(6)で表されるアミノ基を表す。
式(2)中、Rは、水素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基またはイソプロピル基を表す。このうち、好ましくは水素原子である。
式(3)中、Rは、メチル基またはヒドロキシ基を表す。このうち、好ましくはメチル基である。
式(5)中、Rは、メチル基またはエチル基を表す。このうち、好ましくはメチル基である。
式(6)中、Rは、メチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基を表す。このうち、好ましくはヒドロキシエチル基である。
上記の基A、Q、R、R、R、R及びxのうち、好ましいものを組み合せた化合物はより好ましく、より好ましいものを組み合せた化合物はさらに好ましい。好ましいものと、より好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
上記式(1)で表される化合物のうち、特に好ましい化合物が上記式(7)で表される化合物である。
上記式(1)で表される本発明の化合物は、例えば次のようにして製造することができる。なお、下記式(AA)から(J)において適宜使用される基A、Q、R、R、R、R及びxは、それぞれ上記式(1)等におけるのと同じ意味を表す。
特開2004−75719号公報に記載の方法に準じて、市販品の2−アミノ−4−ハロゲノフェノールを原料として得られる下記式(AA)で表される化合物を、重亜硫酸ナトリウム及びホルマリンを用いて下記式(B)で表されるメチル−ω−スルホン酸誘導体に変換する。次いで、常法により、下記式(C)で表される5−アミノ−2−クロロ安息香酸をジアゾ化し、先に得られた下記式(B)で表されるメチル−ω−スルホン酸誘導体と、反応温度0〜15℃、pH2〜4でカップリング反応を行い、引き続き、反応温度80〜95℃、pH10.5〜11.5で加水分解反応を行うことにより、下記式(D)で表される化合物が得られる。
Figure 2013018849
次いで、上記式(D)で表される化合物(2当量)とハロゲン化シアヌル(1当量)、例えば塩化シアヌル(1当量)とを、反応温度15〜45℃、pH5〜8で縮合することにより、下記式(E)で表される化合物が得られる。
Figure 2013018849
さらに、得られた上記式(E)で表される化合物におけるトリアジン環上の塩素原子を、反応温度75〜90℃、pH7〜9の条件下、基Aに対応する下記式(F)〜(J)で表されるアミンで置換することにより、上記式(1)で表される本発明の化合物を得ることができる。
Figure 2013018849
上記式(F)のアミンとしては、アラニン、ロイシン、セリン、アスパラギン酸が具体例として挙げられる。式(G)のアミンとしては、バリン、トレオニンが具体例として挙げられる。式(H)のアミンはイソニペコチン酸として、容易に市販品を入手できる。式(I)のアミンとしては、メチルアミンまたはエチルアミンが具体例として挙げられる。また、式(J)のアミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミンまたはジエタノールアミンが具体例として挙げられる。
上記式(1)の本発明の化合物の具体例を下記表1に示すが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。なお、下記表1中、Q及びxは、上記式(1)におけるQ及びxに対応し、化合物番号1乃至9は基Aが前記式(2)、化合物番号10及び11は基Aが前記式(3)、化合物番号12は前記式(4)、化合物番号13、14は前記式(5)、化合物番号15乃至17は前記式(6)のアミノ基のものの具体例である。
Figure 2013018849
Figure 2013018849
Figure 2013018849
上記式(1)で表される化合物は、遊離酸、あるいはその塩としても存在する。上記式(1)で表される化合物の塩としては、無機又は有機陽イオンとの塩が挙げられる。無機陽イオンの塩の具体例としては、アルカリ金属塩、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等の塩;及びアンモニウム塩(NH4 +)等が挙げられる。また、有機陽イオンの塩としては、例えば下記式(8)で表される4級アンモニウムの塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2013018849
上記式(8)中、Z1〜Z4はそれぞれ独立に水素原子、C1−C4アルキル基、ヒドロキシC1−C4アルキル基、又はヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基を表し、Z1〜Z4の少なくとも1つは水素原子以外の基である。
ここで、Z1〜Z4における上記C1−C4アルキル基の例としては、メチル、エチル等が挙げられる。同様に、上記ヒドロキシC1−C4アルキル基の例としては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、2−ヒドロキシブチル等が挙げられる。同様に、上記ヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基の例としては、ヒドロキシエトキシメチル、2−ヒドロキシエトキシエチル、3−(ヒドロキシエトキシ)プロピル、3−(ヒドロキシエトキシ)ブチル、2−(ヒドロキシエトキシ)ブチル等が挙げられる。
上記塩のうち好ましいものは、ナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンの塩等の有機4級アンモニウム塩;及び、アンモニウム塩;等が挙げられる。これらのうち、より好ましくは、リチウム塩、ナトリウム塩、及びアンモニウム塩である。
当業者においては明らかなように、上記式(1)で表される化合物の塩又は遊離酸は、以下の方法等により容易に得ることができる。
例えば、式(1)で表される化合物の合成反応における、最終工程終了後の反応液、あるいは式(1)で表される化合物の塩を含む水溶液等に、例えばアセトンやC1−C4アルコール等の水溶性有機溶剤を加える方法;塩化ナトリウムを加えて塩析する方法;等の方法によって析出した固体を濾過分離することにより、上記式(1)で表される化合物のナトリウム塩等をウェットケーキとして得ることができる。
また、得られたナトリウム塩のウェットケーキを水に溶解後、塩酸等の酸を加えてそのpHを適宜調整し、析出した固体を濾過分離することにより、上記式(1)で表される化合物の遊離酸を、あるいは式(1)で表される化合物の一部がナトリウム塩である遊離酸とナトリウム塩との混合物を得ることもできる。
また、得られたナトリウム塩のウェットケーキ又はその乾燥固体を水に溶解後、塩化アンモニウム等のアンモニウム塩を添加し、塩酸等の酸を加えてそのpHを適宜、例えばpH1〜3に調整し、析出した固体を濾過分離することにより、上記式(1)で表される化合物のアンモニウム塩を得ることができる。添加する塩化アンモニウムの量及び/又はpHを適宜調整することにより、式(1)で表される化合物のアンモニウム塩と式(1)で表される化合物のナトリウム塩との混合物;式(1)で表される化合物の遊離酸とアンモニウム塩との混合物;等を得ることもできる。
また、後記するように上記反応終了後の反応液に、鉱酸(例えば塩酸、硫酸等)を加えて直接遊離酸の固体を得ることもできる。この場合には、式(1)で表される化合物の遊離酸のウェットケーキを水に加えて撹拌し、例えば、水酸化カリウム;水酸化リチウム;アンモニア水;又は式(8)で表される有機4級アンモニウムの水酸化物;等を添加して造塩することにより、各々添加した化合物に応じたカリウム塩;リチウム塩;アンモニウム塩;又は4級アンモニウム塩;等を得ることもできる。遊離酸のモル数に対して、加える上記の水酸化物等のモル数を制限することにより、例えばリチウム塩とナトリウム塩との混塩等;さらにはリチウム塩、ナトリウム塩、及びアンモニウム塩の混塩等;も調製することが可能である。上記式(1)で表される化合物の塩は、その塩の種類により溶解性等の物理的な性質、あるいはインクとして用いた場合のインクの性能が変化する場合もある。このため、目的とするインク性能等に応じて塩の種類を選択することも好ましく行われる。
上記式(1)で表される本発明の化合物は、その合成反応における最終工程終了後、塩酸等の鉱酸の添加により固体の遊離酸として単離することができ、得られた遊離酸の固体を水又は例えば塩酸水等の酸性水で洗浄すること等により、不純物として含有する無機塩(無機不純物)、例えば塩化ナトリウムや硫酸ナトリウム等を除去することができる。上記のようにして得られる本発明の化合物の遊離酸は、上記の通り、得られたウェットケーキやその乾燥固体を、水中で所望の無機又は有機塩基と処理することにより、対応する化合物の塩の溶液を得ることができる。無機塩基としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;及び水酸化アンモニウム(アンモニア水);等が挙げられる。有機塩基の例としては、例えば上記式(8)で表される4級アンモニウムに対応する有機アミン、例えばジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の化合物は、天然及び合成繊維材料又は混紡品の染色、さらには、筆記用インク及びインクジェット記録用インク組成物の製造に適している。例えば、上記式(1)で表される本発明の化合物の合成反応における、最終工程終了後の反応液は、本発明のインク組成物の製造に直接使用することもできる。しかし、例えば上記の方法や、スプレー乾燥等の方法により反応液等を乾燥して該化合物を単離した後、得られた化合物をインク組成物に加工することもできる。
本発明のインク組成物は、上記式(1)で表される化合物を水又は、水と水溶性有機溶剤(水との混和が可能な有機溶剤)との混合溶液(水性媒体ともいう)に溶解し、必要に応じインク調製剤を添加したものである。このインク組成物をインクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合、不純物として含有する金属陽イオンの塩化物、例えば塩化ナトリウム;硫酸塩、例えば硫酸ナトリウム;等の無機不純物の含有量が少ないものを用いるのが好ましい。この場合、例えば塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムとの総含有量は、式(1)で表される化合物の総質量に対して1質量%以下程度であり、下限値は0質量%、すなわち検出機器の検出限界以下で良い。無機不純物の少ない化合物を製造する方法としては、例えばそれ自体公知の逆浸透膜による方法;本発明の化合物の乾燥品あるいはウェットケーキを、例えばアセトンやC1−C4アルコール(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール等)等の水溶性有機溶剤、又は含水水溶性有機溶剤中に加え、懸濁精製又は晶析する方法;等の方法が挙げられ、これらの方法により脱塩処理等をすれば良い。
本発明のインク組成物は、インク組成物の総質量中に、上記式(1)で表される化合物を通常0.1〜20質量%、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは2〜8質量%含有する。
本発明のインク組成物は水を媒体として調製され、本発明の効果を害しない範囲内において必要に応じ、水溶性有機溶剤やインク調製剤を適宜含有しても良い。
水溶性有機溶剤は、染料の溶解;組成物の乾燥の防止(湿潤状態の保持);組成物の粘度の調整;色素の被記録材への浸透の促進;組成物の表面張力の調整;組成物の消泡;等の効果を期待して使用され、本発明のインク組成物には含有する方が好ましい。
インク調製剤としては、例えば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、染料溶解剤、褪色防止剤、表面張力調整剤、消泡剤等の公知の添加剤が挙げられる。
本発明のインク組成物の総質量に対して、水溶性有機溶剤の含有量は0〜60質量%、好ましくは10〜50質量%であり、インク調製剤は0〜20質量%、好ましくは0〜15質量%用いるのが良い。本発明のインク組成物において、上記式(1)で表される化合物、水溶性有機溶剤、及びインク調製剤以外の残部は水である。
上記の水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1−C4アルコール;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式ケトン;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ、若しくはポリアルキレングリコール又はチオグリコール;トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(好ましくはトリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4モノアルキルエーテル;γ−ブチロラクトン;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
なお、上記の水溶性有機溶剤には、例えばトリメチロールプロパン等のように、常温で固体の物質も含まれている。該物質等は固体であっても水溶性を示し、さらに該物質等を含有する水溶液は水溶性有機溶剤と同様の性質を示し、同じ効果を期待して使用することができる。このため本明細書においては、便宜上、このような固体の物質であっても上記と同じ効果を期待して使用できる限り、水溶性有機溶剤の範疇に含むこととする。
上記の水溶性有機溶剤として好ましいものは、イソプロパノール、グリセリン、モノ、ジ、又はトリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−ピロリドン、ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、トリメチロールプロパン、及びブチルカルビトールであり、より好ましくはイソプロパノール、グリセリン、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、及びブチルカルビトールである。これらの水溶性有機溶剤は、単独又は混合して用いられる。
上記の防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンゾチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物としては、例えば、ペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。
ピリジンオキシド系化合物としては、例えば、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられる。
イソチアゾリン系化合物としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。
その他の防腐防黴剤としては、酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等;さらにはアーチケミカル社製の商品名プロクセルRTMGXL(S)及びプロクセルRTMXL−2(S);等が、それぞれ挙げられる。なお、本明細書中において、上付きの「RTM」は登録商標を意味する。
pH調整剤は、インクの保存安定性を向上させる目的で、インクのpHを6.0〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム;あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;タウリン等のアミノスルホン酸;等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、スチルベン系化合物が挙げられる。またベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤等も使用できる。
粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物が挙げられ、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
染料溶解剤としては、例えば、尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。その中でも尿素を使用するのが好ましい。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機の褪色防止剤としてはハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類等が挙げられ、金属錯体としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体等が挙げられる。
表面張力調整剤としては、界面活性剤が挙げられ、例えば、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;日信化学工業株式会社製の商品名サーフィノールRTM104、同82、同465、オルフィンRTMSTG;SIGMA−ALDRICH社製の商品名TergitolRTM15−S−7;等が挙げられる。
消泡剤としては、高酸化油系、グリセリン脂肪酸エステル系、フッ素系、シリコーン系化合物等が挙げられる。
これらのインク調製剤は、単独又は混合して用いられる。なお、本発明のインク組成物の表面張力は通常25〜70mN/m、より好ましくは25〜60mN/mであり、粘度は30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下に調整することがより好ましい。
本発明のインク組成物の製造において、添加剤等の各薬剤を溶解させる順序には特に制限はない。インク組成物の調製に用いる水は、イオン交換水、蒸留水等の不純物が少ないものが好ましい。また、必要に応じインク組成物の調製後に、メンブランフィルター等を用いて精密濾過を行って、インク組成物中の夾雑物を除いても良い。特に、本発明のインク組成物をインクジェット記録用のインクとして使用する場合には、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過に使用するフィルターの孔径は通常1〜0.1μm、好ましくは0.8〜0.1μmである。
本発明の化合物を含有するインク組成物は、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング、又は記録(印刷)、特にインクジェット記録における使用に適する。また、本発明のインク組成物は、インクジェットプリンタの記録ヘッドのノズル付近における乾燥に対しても固体の析出は起こりにくく、この理由により該記録ヘッドの閉塞もまた起こしにくい。
本発明のインクジェット記録方法で被記録材に記録を行う方法として、次の方法が挙げられる。すなわち、本発明のインク組成物が充填された容器をインクジェットプリンタの所定位置に装填し、本発明のインク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させ、記録を行う方法である。インクジェットプリンタには、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式;加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式;等を利用したものがある。本発明のインクジェット記録方法は、いかなる方式であっても使用が可能である。
より高精細な記録画像を得ることを目的とし、同じ色素を含有する2種類のインクを1台のインクジェットプリンタに装填する場合もある。この2種類のインクの違いは色素の含有量であり、一方は含有量の高いもの、他方は低いものとし、インクセットとして使用する。本発明のインク組成物は、このようなインクセットとして使用することもできる。また、インクセットの一方に本発明のインク組成物を使用し、他方に公知のインク(組成物)を使用しても良い。
本発明のインク組成物は、本発明により得られる効果を阻害しない範囲で、その色相を微調整する目的等から本発明の化合物と公知のイエロー色素とを含有するイエローインク組成物としても良い。また、他の色のインク、例えばブラックインクの調色用途、あるいはレッドインクやグリーンインクを調製する目的で、本発明の化合物をマゼンタ色素やシアン色素と併用して用いることもできる。さらに、フルカラーの記録画像を得る目的で、本発明のインク組成物と共に、マゼンタ、シアン、必要に応じて、グリーン、ブルー(又はバイオレット)、レッド、ブラック等の各色のインクを併用することもできる。この場合、各色のインクをそれぞれの容器に充填し、それらの容器をインクジェットプリンタの所定位置に装填してインクジェット記録に使用すれば良い。
本発明のインクジェット記録方法に用いる被記録材としては、例えば紙、フィルム等の情報伝達用シート、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等が挙げられ、情報伝達用シートが好ましい。情報伝達用シートとしては、特に制限はなく、普通紙はもちろん、表面処理されたもの、具体的には紙、合成紙、フィルム等の基材にインク受容層を設けたもの等が用いられる。インク受容層とは、インクを吸収してその乾燥を早める等の作用を有する層である。インク受容層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸又は塗工する方法;又はインク中の色素を吸収し得る無機微粒子をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に、上記基材の表面に塗工する方法;等により設けられる。上記のインク中の色素を吸収し得る無機微粒子の材質としては、多孔質シリカ、アルミナゾル、特殊セラミックス等が挙げられる。このようなインク受容層を有する情報伝達用シートは、通常インクジェット専用紙、インクジェット専用フィルム、光沢紙、光沢フィルム等と呼ばれる。インク受容層を有する情報伝達用シートの代表的な市販品の例としては、キヤノン(株)製、商品名プロフェッショナルフォトペーパー、キヤノン写真用紙・光沢プロ[プラチナグレード]、及び光沢ゴールド;セイコーエプソン(株)製、商品名写真用紙クリスピア(高光沢)、写真用紙(光沢);日本ヒューレット・パッカード(株)製、商品名アドバンスフォト用紙(光沢);富士フィルム(株)製、商品名画彩 写真仕上げPro;ブラザー工業株式会社製、商品名:写真光沢紙BP71G;等が挙げられる。
また、普通紙とは、特にインク受容層を設けていない紙のことを意味し、用途によってさまざまなものが数多く市販されている。市販されている普通紙のうち、インクジェット記録用としては、両面上質普通紙(セイコーエプソン株式会社製);PB PAPER GF−500(キヤノン株式会社製);Multipurpose Paper、All−in−one Printing Paper(Hewlett Packard社製);等が挙げられる。また、特に用途をインクジェット記録に限定しないプレーンペーパーコピー(PPC)用紙等も普通紙である。
本発明の着色体は、(a)本発明の水溶性アゾ化合物;(b)該化合物を含有する本発明のインク組成物;(c)該化合物及び水溶性有機溶剤を含有する本発明のインク組成物;の3者のいずれかにより、着色された物質を意味する。着色される物質には特に制限はなく、例えば上記の被記録材等が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは上記の被記録材が着色されたものが挙げられる。物質への着色方法は特に制限されないが、例えば浸染法、捺染法、スクリーン印刷等の印刷方法、及び本発明のインクジェット記録方法等が挙げられ、本発明のインクジェット記録方法が好ましい。上記着色体の中でも、本発明のインクジェット記録方法により着色された着色体が好ましい。
上記式(1)で表される本発明の水溶性アゾ化合物は、水や水溶性有機溶剤に対する溶解性に優れる。また、本発明のインク組成物を製造する過程での、例えばメンブランフィルターに対する濾過性が良好であるという特徴を有する。本発明のインク組成物は、普通紙及びインク受容層を有する情報伝達用シートといった被記録材上で非常に鮮明で、彩度及び印字濃度が高く、理想的な色相のイエロー色の記録画像を与える。このため、写真調のカラー画像を紙の上に忠実に再現させることも可能である。また、本発明のインク組成物は長期間保存後の固体析出、物性変化、色相変化等もなく、貯蔵安定性が極めて良好である。
本発明のインク組成物をインクジェットインクとして使用しても、ノズル付近におけるインク組成物の乾燥による固体析出は非常に起こりにくく、噴射器(記録ヘッド)を閉塞することもない。また、本発明のインク組成物は連続式インクジェットプリンタを用い、比較的長い時間間隔においてインクを再循環させて使用する場合においても、又はオンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な使用においても、物理的性質の変化を起こさない。
さらに、本発明のインク組成物により、インク受容層を有する情報伝達用シートに記録された画像は、耐水性、耐湿性、耐オゾンガス性、耐擦性、耐光性等の各種堅牢性、特に耐水性、耐オゾンガス性が良好であり、この理由から、写真調の画像の長期保存安定性にも優れている。また、従来のインクと比較して、普通紙上での彩度、明度、及び印字濃度等の発色性、特に彩度および発色性の高さにも優れている。
このように、式(1)で表される本発明の水溶性アゾ化合物、及びこれを含有する本発明のインク組成物は、各種の記録インク用途、特にインクジェット記録用のインク用途に極めて有用である。
以下に本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特別の記載のない限り、本文中「部」及び「%」とあるのは質量基準であり、また反応温度は内温である。合成した化合物のうち、λmax(最大吸収波長)を測定したものについては、pH7〜8の水溶液中での測定値を示した。また、実施例中で得た化合物の各構造式において、カルボキシ基、スルホ基等の酸性官能基は、遊離酸の形で記載した。なお、実施例で得られた本発明の化合物の室温における水に対する溶解度は、いずれも100g/L以上であった。
[実施例1]
(工程1)
5−アミノ−2−クロロ安息香酸17.2部を水酸化ナトリウムでpH6に調整しながら水200部に溶解し、次いで亜硝酸ナトリウム7.2部を加えた。この溶液を0〜10℃で、5%塩酸200部中に30分間かけて滴下した後、10℃以下で1時間攪拌してジアゾ化反応を行い、ジアゾ反応液を調製した。
一方、2−(スルホプロポキシ)−5−クロロアニリン26.6部を、水酸化ナトリウムでpH7に調整しながら水130部に溶解し、10.4部の重亜硫酸ナトリウム及び8.6部の35%ホルマリンを用いて、常法によりメチル−ω−スルホン酸誘導体とした。得られたメチル−ω−スルホン酸誘導体を、先に調製したジアゾ反応液中に加え、0〜15℃、pH2〜4で24時間攪拌した。反応液を水酸化ナトリウムでpH11とした後、同pHを維持しながら80〜95℃で5時間攪拌した。得られた反応液を、5%塩酸200部中に滴下し、析出固体を濾過分離することにより下記式(9)で表されるアゾ化合物100部をウェットケーキとして得た。
Figure 2013018849
(工程2)
250部の氷水中にライオン社製、商品名:レオコールRTMTD90(界面活性剤)0.10部を加えて激しく攪拌し、その中に塩化シアヌル3.6部を添加し0〜5℃で30分間攪拌し、懸濁液を得た。続いて上記式(9)で表される化合物のウェットケーキ100部を水200部に溶解し、この溶液に上記の懸濁液を30分間かけて滴下した。滴下終了後pH6〜8、25〜45℃で6時間撹拌した。得られた液に、アラニン7.7部を加え、pH7〜9、75〜90℃で4時間攪拌した。得られた反応液を20〜25℃まで冷却後、この反応液にアセトン800部を加え、20〜25℃で1時間攪拌した。析出固体を濾過分離することによりウェットケーキ50.0部を得た。このウェットケーキを80℃の熱風乾燥機で乾燥することにより、下記式(10)で表される本発明の水溶性アゾ化合物のナトリウム塩(λmax:403.0nm)18.0部を得た。
Figure 2013018849
[実施例2]
実施例1(工程2)におけるアラニン7.7部の代わりに、バリン7.2部を使用する以外は実施例1と同様にして、下記式(11)で表される本発明の水溶性アゾ化合物のナトリウム塩19.4部(λmax:403.5nm)を得た。
Figure 2013018849
[実施例3]
実施例1(工程2)におけるアラニン7.7部の代わりに、ロイシン7.9部を使用する以外は実施例1と同様にして、下記式(12)で表される本発明の水溶性アゾ化合物のナトリウム塩20.8部(λmax:404.5nm)を得た。
Figure 2013018849
[実施例4]
実施例1(工程2)におけるアラニン7.7部の代わりに、イソニペコチン酸7.7部を使用する以外は実施例1と同様にして、下記式(13)で表される本発明の水溶性アゾ化合物のナトリウム塩20.2部(λmax:405.0nm)を得た。
Figure 2013018849
[実施例5]
実施例1(工程2)におけるアラニン7.7部の代わりに、セリン6.3部を使用する以外は実施例1と同様にして、下記式(14)で表される本発明の水溶性アゾ化合物のナトリウム塩20.2部(λmax:402.0nm)を得た。
Figure 2013018849
[実施例6]
実施例1(工程2)におけるアラニン7.7部の代わりに、アスパラギン酸8.4部を使用する以外は実施例1と同様にして、下記式(15)で表される本発明の水溶性アゾ化合物のナトリウム塩20.4部(λmax:400.5nm)を得た。
Figure 2013018849
[実施例7]
実施例1(工程2)におけるアラニン7.7部の代わりに、トレオニン7.1部を使用する以外は実施例1と同様にして、下記式(16)で表される本発明の水溶性アゾ化合物のナトリウム塩19.4部(λmax:403.0nm)を得た。
Figure 2013018849
[実施例8]
実施例1(工程2)におけるアラニン7.7部の代わりに、メチルアミン40%水溶液7.8部を使用する以外は実施例1と同様にして、下記式(17)で表される本発明の水溶性アゾ化合物のナトリウム塩20.4部(λmax:408.5nm)を得た。
Figure 2013018849
[実施例9]
実施例1(工程2)におけるアラニン7.7部の代わりに、ジメチルアミン50%水溶液5.4部を使用する以外は実施例1と同様にして、下記式(18)で表される本発明の水溶性アゾ化合物のナトリウム塩20.8部(λmax:410.0nm)を得た。
Figure 2013018849
[実施例10]
実施例1(工程2)におけるアラニン7.7部の代わりに、ジエタノールアミン6.3部を使用する以外は実施例1と同様にして、下記式(19)で表される本発明の水溶性アゾ化合物のナトリウム塩5.6部(λmax:403.0nm)を得た。
Figure 2013018849
[実施例11〜15]
[(A)インクの調製]
前記実施例1乃至5で得られた本発明のアゾ化合物(式(10)〜式(14)のナトリウム塩]のそれぞれを色素として用い、下記表4に示した組成を混合して溶液とすることにより、本発明のインク組成物を得た。得られたインク組成物を、それぞれ0.45μmのメンブランフィルターで濾過して夾雑物を除き、試験用のインクを調製した。なお、この試験用インクのpHは8.0〜9.5の範囲であった。また、下記表4中、「界面活性剤」は、日信化学株式会社製の商品名サーフィノールRTM104PG50を使用した。実施例1乃至4で得た化合物を使用した各インクの調製を、それぞれ実施例11乃至15とする。
Figure 2013018849
[比較例1]
各実施例で得た本発明の化合物のかわりに、特許文献1の例25に記載の化合物を用いる以外は、実施例11乃至15と同様にして比較用のインクを調製した。このインクの調製を比較例1とする。比較例1に用いた化合物の構造式を下記式(20)に示す。
Figure 2013018849
[比較例2]
各実施例で得た本発明の化合物のかわりに、特許文献2の実施例2に記載の色素を用いる以外は、実施例11乃至15と同様にして比較用のインクを調製した。このインクの調製を比較例2とする。比較例2に用いた化合物の構造式を下記式(21)に示す。
Figure 2013018849
[比較例3]
各実施例で得た本発明の化合物のかわりに、特許文献4の実施例1に記載の色素を用いる以外は、実施例11乃至15と同様にして比較用のインクを調製した。このインクの調製を比較例3とする。比較例3に用いた化合物の構造式を下記式(22)に示す。
Figure 2013018849
[(B)インクジェット記録]
前記実施例11乃至15、及び各比較例で調製した各インクを、インクジェットプリンタ(キヤノン株式会社製、商品名:PIXUSRTM ip4500)を用いて、3種類の普通紙にインクジェット記録を行なった。インクジェット記録の際、反射濃度が数段階の階調で得られるように画像パターンを作り、黄色のグラデーションを有する記録物を得た。得られた記録物を試験片とし、各種の試験を行なった。なお、耐水性試験の目視判断を行う際には、チェック柄の印刷物を用いた。
普通紙1 :キヤノン株式会社製 商品名:PB Paper (GF500)
普通紙2 :ヒューレットパッカード社製、商品名:HP
Multipurpose Paper
普通紙3 :ヒューレットパッカード社製、商品名:HP
All−in−onePrinting Paper
耐光性試験、及び耐オゾン性試験は、試験前の記録物の印字濃度(反射濃度)Dy値が1.0に最も近い部分について印字濃度の測定を行なった。彩度(C*値)、及び印字濃度(Dy値)は、階調の最も高い箇所を測定した。彩度、及び反射濃度の測定には、測色システム(商品名SpectroEyeRTM、X−right社製)を使用した。測色は、濃度基準にDIN、視野角2度、光源D65の条件で行なった。
記録画像の各種試験方法および試験結果の評価方法を以下に記載する。
[(C)キセノン耐光性試験]
各試験片をホルダ−に設置して、キセノンウェザオメータXL75[スガ試験機(株)社製]を用い、温度24℃、湿度60%RH、0.36W/平方メートル照度で168時間照射した。試験後の各試験片の印字濃度を上記測色システムにより測色し、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求めたところ、実施例11乃至15、及び比較例1乃至3ともに良好な結果を示した。
[(D)耐オゾン性試験]
オゾンウェザーメーター OMS−H〔スガ試験機社製〕を用いてオゾン濃度10ppm、湿度60%RH、温度24℃の環境下に24時間放置した。試験後の各試験片の印字濃度を上記測色システムにより測色し、色素残存率を(試験後の反射濃度/試験前の反射濃度)×100(%)で計算して求めたところ、実施例11乃至15、及び比較例1乃至3ともに良好な結果を示した。
[(E)耐水性試験(蒸発乾燥試験)]
印刷後1時間乾燥を行ったチェック柄の印字物に対して、イオン交換水を1滴滴下し、そのまま自然乾燥した。乾燥後、パターンのにじみの程度を目視で評価したところ、実施例11乃至15、及び比較例1乃至3ともに良好な結果を示した。
[(F)彩度試験]
各試験片のうち、印字濃度が最も高い階調部分について、前記測色システムによりイエロー彩度C*値を測定した。
結果を下記表5に示す。
Figure 2013018849
表5の結果から彩度において、比較例1乃至2は、いずれの普通紙においても実施例11乃至15より極めて劣る結果を示した。比較例3は、普通紙1及び3において実施例11乃至15より極めて劣る結果を示し、普通紙2において実施例11乃至15より劣る結果を示した。
[(G)印字濃度試験]
各試験片のうち、印字濃度が最も高い階調部分について、前記測色システムによりイエロー印字濃度を測定した。
結果を下記表6に示す。
Figure 2013018849
表6の結果から印字濃度において、比較例1及び2は、いずれの普通紙においても実施例11乃至15より極めて劣る結果を示した。また、比較例3は、普通紙1及び3において実施例11乃至15より極めて劣る結果を示し、普通紙2において実施例11乃至14より劣る結果を示した。
表5及び6の結果より、比較例1及び2は、普通紙における彩度(C*値)及び印字濃度(Dy値)において各実施例より極めて劣る結果を示した。比較例3は、彩度(C*値)及び印字濃度(Dy値)において、普通紙2で比較的良好ではあるが、普通紙1及び3では各実施例よりも劣る結果を示した。これに対して各実施例は、記録物の彩度(C*値)、および印字濃度(Dy値)において、すべての普通紙で優れた結果を示した。
以上の結果より、本発明の水溶性アゾ化合物、及び該化合物を含有する本発明のインク組成物は、従来の色素と比較して、多種類の普通紙でのイエロー印字濃度が高く発色性に優れ、又、鮮明性の高い色相を有していることがわかる。
黄色色素である本発明の水溶性アゾ化合物、及びこれを含有する本発明のイエローインク組成物は、高発色、高彩度の記録画像を与える。従って、該化合物、及びこれを含有するインク組成物は、各種の記録用途、特にインクジェット記録用途に非常に有用である。

Claims (13)

  1. 下記式(1)で表される水溶性アゾ化合物又はその塩。
    Figure 2013018849
    (式中、Qはハロゲン原子を表し、xは2から4の整数を表し、基Aは下記式(2)から(6)で表されるアミノ基を表す。)
    Figure 2013018849
    (式(2)において、Rは水素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基またはイソプロピル基を表す。)
    Figure 2013018849
    (式(3)において、Rはメチル基またはヒドロキシ基を表す。)
    Figure 2013018849
    Figure 2013018849
    (式(5)において、Rはメチル基またはエチル基を表す。)
    Figure 2013018849
    (式(6)において、Rはメチル基、エチル基またはヒドロキシエチル基を表す。)
  2. 前記式(1)において、基Aが式(2)から式(4)である請求項1に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩。
  3. 前期式(1)において、Qが塩素原子であり、xが3であり、基Aが式(2)又は式(3)である請求項1に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩
  4. 前記式(1)で表される水溶性アゾ化合物が下記式(7)で表される請求項1に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩。
    Figure 2013018849
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩を含有するインク組成物。
  6. 水溶性有機溶剤をさらに含有する請求項5に記載のインク組成物。
  7. インクジェット記録用である請求項5又は6に記載のインク組成物。
  8. 請求項5乃至7のいずれか一項に記載のインク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に付着させ、記録を行うインクジェット記録方法。
  9. 前期被記録材が情報伝達用シートである請求項8に記載のインクジェット記録方法。
  10. 前記情報伝達用シートが普通紙又は多孔性白色無機物を含むインク受容層を有するシ−トである請求項9に記載のインクジェット記録方法。
  11. (a)請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩、
    (b)請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩を含有するインク組成物、及び
    (c)請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水溶性アゾ化合物又はその塩及び水溶性有機溶剤を含有するインク組成物、のいずれかにより着色された着色体。
  12. 請求項8に記載のインクジェット記録方法により着色された着色体。
  13. 請求項5又は6に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ。
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