JP2005139377A - 新規アントラピリドン化合物、及びそれを用いたインク組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、新規アントラピリドン化合物、そのアントラピリドン化合物を含有するバイオレット色のインク組成物に関する。
各種カラー記録法の中で、その代表的方法の一つであるインクジェットプリンタによる記録方法においては、インクの各種吐出方式が開発されているが、いずれも水性インクの小滴を発生させ、これを種々の被記録材料(紙、フィルム、布帛等)に付着させ記録を行うものである。これは、記録ヘッドと被記録材料とが接触しない為、音の発生が少なく静かであり、また小型化、高速化、カラー化が容易であるという特長の為、近年急速に普及しつつあり、今後とも大きな伸長が期待されている。この中で、コンピューターのカラーディスプレー上の画像又は文字情報のインクジェットプリンタによるカラ−記録は、一般にはイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4色のインクによる減法混色で表現される。CRTディスプレー等のレッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)による加法混色画像を減法混色画像で出来るだけ忠実に再現するには、Y、M、Cのそれぞれについて、標準の色相に近い色相を有し且つ鮮明であることが望まれるが、これを改良するため、7色(Y、M、C、R、G、B、K)インクを用いるインクジェット印刷法が提案されている(例えば特許文献1を参照)。そこにおいては可溶性基を持たせた建染染料(バット染料)が用いられており、色相、鮮明性、堅牢度などの点から市場の要求を完全に満足するには至っていない。また、従来インクジェット用インクとして用いられているY、M、Cを予め混合して得られたR、G、B等の各インクを用いても鮮明性に優れた印刷物が得られないという問題がある。
一方、ブルーの色域を広げる有効的な色相としては、赤味のブルーすなわちバイオレット色が最も優れているといわれている(例えば特許文献1、特許文献2を参照)。インクジェット記録用バイオレット色素の例としては、従来C.I.アシッドバイオレット17、C.I.アシッドバイオレット48等が挙げられている(例えば特許文献2、特許文献3を参照)が、これらは色相、鮮明性は良好であるが、溶解性、堅牢性などの点で市場の要求を満たすには至っていない。更に、インク組成物には長期の保存に対し安定であり、プリントした画像の濃度が高く、しかも耐水性、耐光性及び耐ガス性等の堅牢度に優れている事が求められる。さらに最近のデジタルカメラの普及と共に、家庭でも画像をプリントする機会が増しているが、得られたプリント物を保管する時に、空気中の酸化性ガスによる画像の変色も問題視されている。
特開2002−241661号公報(第1−17頁)
特開平7−305014号公報(第9、10頁)
特開2003−34765号公報(第7−9頁)
一方、ブルーの色域を広げる有効的な色相としては、赤味のブルーすなわちバイオレット色が最も優れているといわれている(例えば特許文献1、特許文献2を参照)。インクジェット記録用バイオレット色素の例としては、従来C.I.アシッドバイオレット17、C.I.アシッドバイオレット48等が挙げられている(例えば特許文献2、特許文献3を参照)が、これらは色相、鮮明性は良好であるが、溶解性、堅牢性などの点で市場の要求を満たすには至っていない。更に、インク組成物には長期の保存に対し安定であり、プリントした画像の濃度が高く、しかも耐水性、耐光性及び耐ガス性等の堅牢度に優れている事が求められる。さらに最近のデジタルカメラの普及と共に、家庭でも画像をプリントする機会が増しているが、得られたプリント物を保管する時に、空気中の酸化性ガスによる画像の変色も問題視されている。
本発明は水に対する溶解性が高く、インクジェット記録に適する色相と鮮明性を有し、人に対してより安全性の高いインク組成物を提供する事を目的とする。
本発明者らは前記したような課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったものである。 即ち本発明は、
(1)遊離酸の形で式(1)
(式中、R1は水素原子又はメトキシ基を、R2は水素原子、アルキル基、アルコキシ低級アルキル基、アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノもしくはジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を表す。)で表される新規アントラピリドン化合物、
(2)(1)に記載のアントラピリドン化合物を含有することを特徴とするインク組成物、
(3)水溶性有機溶剤を含有する(2)に記載のインク組成物、
(4)(1)に記載のアントラピリドン化合物の含有量が0.1〜20重量%である(2)または(3)に記載のインク組成物、
(5)インクジェット用である(2)から(4)のいずれか一項に記載のインク組成物、
(6)インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インク組成物として(2)から(5)のいずれか一項に記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法、
(7)被記録材が情報伝達用シートである(6)に記載のインクジェット記録方法、
(8)情報伝達用シートが表面処理されたシートである(7)に記載のインクジェット記録方法、
(9)(1)に記載のアントラピリドン化合物を有する着色体、
(10)(2)から(5)のいずれか一項に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンタ、
に関する。
(1)遊離酸の形で式(1)
(2)(1)に記載のアントラピリドン化合物を含有することを特徴とするインク組成物、
(3)水溶性有機溶剤を含有する(2)に記載のインク組成物、
(4)(1)に記載のアントラピリドン化合物の含有量が0.1〜20重量%である(2)または(3)に記載のインク組成物、
(5)インクジェット用である(2)から(4)のいずれか一項に記載のインク組成物、
(6)インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インク組成物として(2)から(5)のいずれか一項に記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法、
(7)被記録材が情報伝達用シートである(6)に記載のインクジェット記録方法、
(8)情報伝達用シートが表面処理されたシートである(7)に記載のインクジェット記録方法、
(9)(1)に記載のアントラピリドン化合物を有する着色体、
(10)(2)から(5)のいずれか一項に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンタ、
に関する。
本発明のインク組成物は、インク組成物製造過程でのメンブランフィルターに対するろ過性が良好という特徴を有する。又、本発明のインク組成物は長期間保存後の結晶析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安定性が良好である。そして本発明のインク組成物をインクジェット記録用のバイオレットインクとして使用した印刷物はメディア(紙、フィルム等)を選択することなく理想的なバイオレットの色相であり、従来インクジェット記録用として用いられているシアンインクとマゼンタインクにより色だしされたバイオレット(色)よりも、鮮明性の高いバイオレット(色)を再現させることが可能であり、CRTディスプレー等に表示されるカラー画像の色相を紙の上に忠実に再現させることも可能である。更に本発明のインク組成物は、シアンとマゼンタ等と共に用いることで耐光性、耐オゾン性、耐湿性などに優れたインクジェット記録を可能にする。
本発明を詳細に説明する。尚、本発明において断りがないかぎりスルホン酸基、水酸基、及びカルボキシル基は遊離酸の形で表す。
本発明のアントラピリドン化合物又はその塩は、前記式(1)で表される。
式(1)において、R1は水素原子又はメトキシ基を、R2は水素原子、アルキル基、アルコキシ低級アルキル基、アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を表す。アルキル基としては例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso―プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。アルコキシ低級アルキル基としては例えばメトキシエチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基等が挙げられる。アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基としては例えばメトキシエトキシプロピル基、ブトキシエトキシプロピル基等が挙げられる。また、ヒドロキシ低級アルキル基及びシアノ低級アルキル基におけるアルキルとしては、例えばエチル、プロピル等が挙げられる。モノアルキルアミノアルキル基としては例えばモノメチルアミノエチル基、モノメチルアミノプロピル、モノエチルアミノエチル基、モノエチルアミノプロピル基等が挙げられる。ジアルキルアミノアルキル基としては例えばジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル等が挙げられる。好ましいR2としては、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくは、水素原子またはメチル基である。
式(1)において、R1は水素原子又はメトキシ基を、R2は水素原子、アルキル基、アルコキシ低級アルキル基、アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を表す。アルキル基としては例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso―プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8のアルキル基が挙げられる。アルコキシ低級アルキル基としては例えばメトキシエチル基、エトキシエチル基、ブトキシエチル基等が挙げられる。アルコキシ低級アルコキシ低級アルキル基としては例えばメトキシエトキシプロピル基、ブトキシエトキシプロピル基等が挙げられる。また、ヒドロキシ低級アルキル基及びシアノ低級アルキル基におけるアルキルとしては、例えばエチル、プロピル等が挙げられる。モノアルキルアミノアルキル基としては例えばモノメチルアミノエチル基、モノメチルアミノプロピル、モノエチルアミノエチル基、モノエチルアミノプロピル基等が挙げられる。ジアルキルアミノアルキル基としては例えばジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル等が挙げられる。好ましいR2としては、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましくは、水素原子またはメチル基である。
式(1)で示されるアントラピリドン化合物の具体例としては、例えば下記の化合物No.1〜14の例が挙げられる。
本発明の式(1)で表されるアントラピリドン化合物は例えば次のようにして得られる。
下記式(2)の化合物1モルに下記式(3)の化合物通常1.1〜3モルをキシレン等の極性溶媒中、触媒として例えば炭酸ナトリウムを通常0.01〜0.1モルを仕込み、通常130〜145℃、通常3〜15時間加熱し、その間生成する水及びエタノールを溶媒と共に共沸させて閉環反応を行い、式(4)の化合物を得る。
下記式(2)の化合物1モルに下記式(3)の化合物通常1.1〜3モルをキシレン等の極性溶媒中、触媒として例えば炭酸ナトリウムを通常0.01〜0.1モルを仕込み、通常130〜145℃、通常3〜15時間加熱し、その間生成する水及びエタノールを溶媒と共に共沸させて閉環反応を行い、式(4)の化合物を得る。
次いで、式(4)の化合物に5−アミノイソフタール酸ジメチルエステル1.1〜5モルを、N,N−ジメチルホルムアミド等の非プロトン性極性溶媒中、炭酸ナトリウムのような塩基及び酢酸銅のような銅触媒の存在下、110〜150℃、1〜6時間ウルマン反応を行って縮合し、式(5)の化合物を得る。
次いで、式(5)の化合物を8〜15%発煙硫酸中で、50〜120℃でスルホン化およびエステルの加水分解を行うことにより、本発明の式(1)で表されるアントラピリドン化合物が得られる。
式(1)のアントラピリドン化合物は、遊離酸の形で、あるいは、その塩の形態で存在する。塩としては、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アルキルアミン塩、アルカノールアミン塩又はアンモニウム塩が挙げられる。好ましくはナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、アンモニウム塩が挙げられる。また塩の調製法としては、例えば目的化合物(色素)を含む反応液、目的化合物(色素)のケーキ、あるいは乾燥品を水に溶解したものに食塩を加えて、塩析、濾過することによってナトリウム塩をウエットケーキとして得ることができる。そのウエットケーキを再び水に溶解後、塩酸を加えてpHを1〜2に調整して得られる結晶を濾過すれば、遊離酸(あるいは一部はナトリウム塩のまま)の形で得ることができる。更に、その遊離酸のウエットケーキを水と共に攪拌しながら、目的の塩に対応する塩基、例えばナトリウム以外のアルカリ金属化合物(例えば、水酸化リチウム、水酸化カリウム等)アミン類、アンモニア水等を添加してアルカリ性にすれば、リチウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などの各々の塩の溶液が得られる。これらの塩のうち、好ましいものはリチウム、ナトリウムの塩である。
本発明のインク組成物は式(1)で表されるアントラピリドン化合物又は塩を水又は水性溶媒(後記する水溶性有機溶剤(溶解助剤を含む。以下同様)を含有する水)に溶解したものである。インクのpHは通常6〜11であり、7〜10が好ましい。このインク組成物をインクジェットプリンタ用のインクとして使用する場合、アントラピリドン化合物(色素)としては金属陽イオンの塩化物、硫酸塩等の無機物の含有量が少ないものを用いるのが好ましく、その含有量の目安は例えば、化合物(色素)中、1重量%以下である。無機物の少ないアントラピリドン化合物(色素)を製造するには、例えば逆浸透膜による方法等の通常の方法又は本発明の化合物(色素)の乾燥品あるいはウエットケーキを必要な回数だけメタノールおよび水の混合溶媒中で攪拌し、濾過、乾燥する方法で脱塩処理する方法で脱塩処理する操作を繰り返せば良い。
式(1)で表されるアントラピリドン化合物の反応液は、インク組成物の製造に直接使用する事が出来る。しかし、反応液から単離し、乾燥、例えばスプレー乾燥させ、次にインク組成物の調製に供することも出来る。
本発明のインク組成物は水を媒体として調製される。本発明のインク組成物中に、上記のようにして得られた式(1)の化合物(色素)は、通常0.1〜20重量%、より好ましくは1〜15重量%、更に好ましくは2〜10重量%含有される。本発明のインク組成物には、さらに必要に応じて、水溶性有機溶剤を、本発明の効果を害しない範囲内において含有される。水溶性有機溶剤の含有量は0〜60重量%であり、インク調製剤は0〜20重量%好ましくは0〜15重量%をそれぞれ含有しても良く、最終的に水を加え濃度が調整される。
使用しうる水溶性有機溶剤の例としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1〜C4アルカノール、N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類、アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の(C2〜C6)アルキレン単位を有するモノマー、オリゴマー又はポリアルキレングリコール又はチオグリコール、グリセリン、ヘキサン−1.2.6−トリオール等のポリオール(トリオール)、エチレングリコールモノメチルエーテル又はエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル又はジエチレングリコールモノエチルエーテル又はトリエチレングリコールモノメチルエーテル又はトリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの(C1〜C4)アルキルエーテル、γーブチロラクトン又はジメチルスルホキシド等があげられる。
これらのうち好ましいものとしては2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、モノ、ジ又はトリエチレングリコール、ジプロピレングリコールが挙げられ、より好ましいものは、2−ピロリドン、N−メチルピロリジン−2−オン、ジエチレングリコールである。これらの水溶性有機溶剤は、単独もしくは混合して用いられる。
インク調製剤としては、例えば防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物、染料溶解剤、界面活性剤などが挙げられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトチリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられ、無機塩系化合物としては、例えば無水酢酸ソーダが挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ、安息香酸ナトリウム等があげられる。
防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ニトチリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられ、ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられ、無機塩系化合物としては、例えば無水酢酸ソーダが挙げられ、イソチアゾリン系化合物としては、例えば1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤としてソルビン酸ソーダ、安息香酸ナトリウム等があげられる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずに、インクのpHを6〜11の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩などが挙げられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどがあげられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどがあげられる。
水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホン化されたベンゾフェノン又はスルホン化されたベンゾトリアゾール等があげられる。水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等があげられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等があげられる。
キレート試薬としては、例えばエチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウムなどがあげられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライトなどがあげられる。
水溶性紫外線吸収剤としては、例えばスルホン化されたベンゾフェノン又はスルホン化されたベンゾトリアゾール等があげられる。水溶性高分子化合物としては、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等があげられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等があげられる。
界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤が、それぞれ目的に応じて使用出来る。使用しうるアニオン界面活性剤の例としてはアルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸ジオクチルスルホ琥珀酸塩などが挙げられる。使用しうるカチオン界面活性剤の例としては2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体などがある。使用しうる両性界面活性剤の例としてはラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などがある。使用しうるノニオン界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルキルアルキルエーテルなどのエーテル系、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートなどのエステル系、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3オールなどのアセチレングリコール系(例えば、日信化学社製サーフィノール104、104PG50、82、465、オルフィンSTGなど)、などが挙げられる。
これらのインク調製剤は、1種類又は多種類を必要により選択して使用される。
これらのインク調製剤は、1種類又は多種類を必要により選択して使用される。
本発明のインク組成物を調製するに当たり、前記各薬剤を溶解させる順序に特に制限はない。本発明の式(1)のアントラピリドン化合物を水及び/又は上記水性溶媒(水溶性有機溶剤含有水)に溶解させ、次いでインク調製剤を添加して溶解させてもよいし、本発明の式(1)の水溶性アントラピリドン化合物を水に溶解させたのち、水性溶媒、インク調製剤を添加し、溶解させてもよい。本発明のインク組成物を調製するにあたり、用いる水はイオン交換水又は蒸留水など不純物が少ない精製水を使用するのが好ましい。インク組成物の調製後、更に、必要に応じメンブランフィルターなどを用いて精密濾過を行って夾雑物を除いてもよく、インクジェットプリンタ用のインク組成物においては、一般には、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過を行うフィルターの孔径は通常1ミクロン〜0.1ミクロン、好ましくは、0.8ミクロン〜0.2ミクロンである。
尚、本発明のバイオレット色のインク組成物にはさらに公知公用のマゼンタ、シアン等の染料を配合することによって、ブルーとバイオレットの色調を好みのものにすることができることは言うまでもない。
尚、本発明のバイオレット色のインク組成物にはさらに公知公用のマゼンタ、シアン等の染料を配合することによって、ブルーとバイオレットの色調を好みのものにすることができることは言うまでもない。
本発明のインク組成物は、天然及び合成繊維材料又は混紡品の印刷にも適しているが、最も好ましい用途はインクジェット印捺法における被記録媒体上への印刷である。この場合、水、日光、オゾン及び摩擦に対する良好な耐性を有する高品質のバイオレット印捺物が得られる。
本発明の着色体は前記の本発明のアントラピリドン化合物で着色されたものである。着色されるべきものとしては、特に制限無く、例えば紙、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等があげられるがこれらに限定されない。
本発明のインクジェット記録方法を適用しうる好ましい被記録材としては紙、フィルム等の情報伝達用シートが挙げられる。情報伝達用シートについては、表面処理されたもの、具体的にはこれらの基材にインク受容層を設けたものが好ましい。インク受容層は、例えば上記基材にカチオン系ポリマーを含浸あるいは塗工することにより、また多孔質シリカ、アルミナゾルや特殊セラミックス等インク中の色素を吸収し得る無機微粒子をポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材表面に塗工することにより設けられる。このようなインク受容層を設けたものは通常インクジェット専用紙(フィルム)あるいは光沢紙(フィルム)と呼ばれ、例えばピクトリコ(旭硝子(株)製)、カラーBJペーパー、カラーBJフォトフィルムシート、プロフェッショナルフォトペーパー(いずれもキャノン(株)製)、カラーイメージジェット用紙(シャープ(株)製)、PM写真用紙、スーパーファイン専用光沢フィルム(いずれもエプソン(株)製)、ピクタファイン(日立マクセル(株)製)等として市販されている。なお、普通紙にも利用できることはもちろんである。
本発明のインクジェット記録方法では、本発明のインク組成物はマゼンタインク組成物、シアンインク組成物、必要に応じ、ブラックインク組成物等と共に使用に供されうる。
各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、それらの容器を、本発明のインク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定位置にセット(装填)されて、使用される。
各色のインク組成物は、それぞれの容器に注入され、それらの容器を、本発明のインク組成物を含有する容器と同様に、インクジェットプリンタの所定位置にセット(装填)されて、使用される。
本発明のインクジェット記録方法で、被記録材に記録を行うには、例えば本発明のインク組成物を含有する容器をインクジェットプリンタの所定位置にセットし、通常の方法で、被記録材に記録すればよい。インクジェットプリンタとしては、例えば機械的振動を利用したピエゾ方式のプリンタや加熱により生ずる泡を利用したバブルジェット(登録商標)方式のプリンタ等があげられる。
本発明の水性インク組成物は、鮮明なバイオレット色の記録画像を与え、特にインクジェット光沢紙において高い鮮明な色相を有する。また、人に対する安全性も高い。他のマゼンタのインクとシアンインクと共に用いる事で、通常のシアンインクとマゼンタインクの混色によるブルーとバイオレットでは出し得ない広い可視領域の色調を色出しする事ができ、優れた記録物を得ることができる。また、記録画像の堅牢度が高い。
本発明のインク組成物は貯蔵中に沈澱、分離することがない。また、本発明のインク組成物をインクジェット印捺において使用した場合、噴射器(インクヘッド)を閉塞することもない。本発明のインク組成物は連続式インクジェットプリンタによる比較的長い時間一定の再循環下又はオンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な使用においても、物理的性質の変化を起こさない。
以下に本発明を更に実施例により、より具体的に説明する。尚、本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の記載のない限り重量基準である。
実施例1(化合物No.1の合成例)
(1)キシレン360部中、攪拌しながら、式(2)(R2=CH3)の化合物94.8部、炭酸ナトリウム3.0部、式(3)(R1=H)の化合物144.0部を順次仕込み、昇温した。140〜150℃の温度で8時間反応を行い、その間、反応で生成するエタノールと水をキシレンと共沸させながら系外へ留出させ、反応を完結させた。次いで冷却し、30℃にてメタノール240部を添加して30分攪拌後、濾過し、メタノール360部で洗浄後、乾燥して、式(4)(R1=H、R2=CH3)の化合物124.8部を淡黄色針状結晶として得た。
(2)次に、N,N−ジメチルホルムアミド225部中に、攪拌しながら、(1)で得られた式(4)(R1=H、R2=CH3)の化合物66.6部、5−アミノイソフタール酸ジメチルエステル78.4部、酢酸銅1水和物18.0部及び無水酢酸ナトリウム18.5部を順次仕込み、昇温し、140〜145℃で5時間反応を行った後、約30℃に冷却し、濾過後、N,N−ジメチルホルムアミド100部で洗浄し、次いでメタノール1000部で洗浄、乾燥して式(5)(R1=H、R2=CH3)の化合物51.0部を赤色結晶として得た。
(3)次に、96.0%硫酸139.0部に、攪拌下冷却しながら31.6%発煙硫酸211.0部を添加して、12%発煙硫酸350.0部を調製し、(2)で得られた式(5)の化合物42.9部を30〜50℃にて約30分を要して添加し、70〜80℃にて1時間反応を行った。次に、氷水1000部中に、上で得たスルホン化反応液を添加し、その間氷を加えながら40℃以下に保持した。水を加えて液量を1500部とし、食塩150部を添加して1時間攪拌し、析出した結晶を濾過した。ウェットケーキをメタノール700部と共に加熱攪拌し、30分還流を行った。40℃に冷却後、濾過し、次いでメタノール350部で洗浄後、乾燥して、本発明の、遊離酸の形で下記式(6)で表される化合物40.0部を赤色結晶として得た。λmax:540.5nm(水溶液中)
(1)キシレン360部中、攪拌しながら、式(2)(R2=CH3)の化合物94.8部、炭酸ナトリウム3.0部、式(3)(R1=H)の化合物144.0部を順次仕込み、昇温した。140〜150℃の温度で8時間反応を行い、その間、反応で生成するエタノールと水をキシレンと共沸させながら系外へ留出させ、反応を完結させた。次いで冷却し、30℃にてメタノール240部を添加して30分攪拌後、濾過し、メタノール360部で洗浄後、乾燥して、式(4)(R1=H、R2=CH3)の化合物124.8部を淡黄色針状結晶として得た。
(2)次に、N,N−ジメチルホルムアミド225部中に、攪拌しながら、(1)で得られた式(4)(R1=H、R2=CH3)の化合物66.6部、5−アミノイソフタール酸ジメチルエステル78.4部、酢酸銅1水和物18.0部及び無水酢酸ナトリウム18.5部を順次仕込み、昇温し、140〜145℃で5時間反応を行った後、約30℃に冷却し、濾過後、N,N−ジメチルホルムアミド100部で洗浄し、次いでメタノール1000部で洗浄、乾燥して式(5)(R1=H、R2=CH3)の化合物51.0部を赤色結晶として得た。
(3)次に、96.0%硫酸139.0部に、攪拌下冷却しながら31.6%発煙硫酸211.0部を添加して、12%発煙硫酸350.0部を調製し、(2)で得られた式(5)の化合物42.9部を30〜50℃にて約30分を要して添加し、70〜80℃にて1時間反応を行った。次に、氷水1000部中に、上で得たスルホン化反応液を添加し、その間氷を加えながら40℃以下に保持した。水を加えて液量を1500部とし、食塩150部を添加して1時間攪拌し、析出した結晶を濾過した。ウェットケーキをメタノール700部と共に加熱攪拌し、30分還流を行った。40℃に冷却後、濾過し、次いでメタノール350部で洗浄後、乾燥して、本発明の、遊離酸の形で下記式(6)で表される化合物40.0部を赤色結晶として得た。λmax:540.5nm(水溶液中)
実施例2
(A)インクの調製
上記実施例1で得られた式(6)の化合物を用いて表1に示した組成の液体を調製し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により水性インク組成物を得た。また水はイオン交換水を使用した。尚、インク組成物のpHがpH=8、総量100部になるように水、水酸化ナトリウムを加えた。
(A)インクの調製
上記実施例1で得られた式(6)の化合物を用いて表1に示した組成の液体を調製し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過する事により水性インク組成物を得た。また水はイオン交換水を使用した。尚、インク組成物のpHがpH=8、総量100部になるように水、水酸化ナトリウムを加えた。
表2(インク組成物)
実施例1で得られた式(6)の化合物 5.8部
水 75.0部
水酸化ナトリウム 0.1部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
IPA 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
サーフィノール104PG50(界面活性剤、日信化学社製) 0.1部
計 100.0部
実施例1で得られた式(6)の化合物 5.8部
水 75.0部
水酸化ナトリウム 0.1部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
IPA 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
サーフィノール104PG50(界面活性剤、日信化学社製) 0.1部
計 100.0部
(B)インクジェットプリント
インクジェットプリンタ(商品名 キヤノン社製 BJ−S630)を用いて、普通紙(LBPペーパーA4 LS−500(キヤノン社製))、光沢紙(プロフェッショナルフォトペーパー PR−101(キヤノン社製)にインクジェット記録を行った。
インクジェットプリンタ(商品名 キヤノン社製 BJ−S630)を用いて、普通紙(LBPペーパーA4 LS−500(キヤノン社製))、光沢紙(プロフェッショナルフォトペーパー PR−101(キヤノン社製)にインクジェット記録を行った。
(C)記録画像の評価
1.色相評価
1−1.光沢紙での色相評価
記録画像の色相、鮮明性:記録紙を測色システム(GRETAG SPM50:GRETAG社製)を用いて測色し、L*、a*、b*値を算出した。鮮明性は各記録紙のL*値(明度)を略合わせた時の色度(a*、b*)からC* =((a* )2+(b* )2)1/2を算出し、評価した。結果を表3に示す。
1.色相評価
1−1.光沢紙での色相評価
記録画像の色相、鮮明性:記録紙を測色システム(GRETAG SPM50:GRETAG社製)を用いて測色し、L*、a*、b*値を算出した。鮮明性は各記録紙のL*値(明度)を略合わせた時の色度(a*、b*)からC* =((a* )2+(b* )2)1/2を算出し、評価した。結果を表3に示す。
(D)記録画像のキセノン耐光性試験
光沢紙にプリントした試験片をキセノンウェザオメータCi4000(ATLAS社製)を用い、0.36W/平方メートル照度で50時間照射し、試験前後の濃度×100を測定した。結果は表5に示す。
(E)記録画像のオゾン耐性試験
光沢紙にプリントした試験片を、オゾンウェザーメーター(スガ試験機社製)を用い、温度40℃、湿度55%RH、オゾン濃度3ppmで1時間放置し、試験前後の色差(ΔE)を測定した。結果は表5に示す。
光沢紙にプリントした試験片をキセノンウェザオメータCi4000(ATLAS社製)を用い、0.36W/平方メートル照度で50時間照射し、試験前後の濃度×100を測定した。結果は表5に示す。
(E)記録画像のオゾン耐性試験
光沢紙にプリントした試験片を、オゾンウェザーメーター(スガ試験機社製)を用い、温度40℃、湿度55%RH、オゾン濃度3ppmで1時間放置し、試験前後の色差(ΔE)を測定した。結果は表5に示す。
(F)記録画像の耐湿性試験
光沢紙にプリントした試験片を、恒温恒湿器(応用技研産業社製)を用いて50℃、90%RHで7日間放置し、試験前後の染料の滲みを目視により下記のように判定した。判定した結果を表5に示す。
○ 染料に滲みがほとんど見られない
△ 染料の滲みがやや見られる。
× 染料の滲みがかなり見られる。
光沢紙にプリントした試験片を、恒温恒湿器(応用技研産業社製)を用いて50℃、90%RHで7日間放置し、試験前後の染料の滲みを目視により下記のように判定した。判定した結果を表5に示す。
○ 染料に滲みがほとんど見られない
△ 染料の滲みがやや見られる。
× 染料の滲みがかなり見られる。
比較例1
実施例1で得られた式(6)の化合物の代わりにC.I.アシッドバイオレット17を使用する以外は実施例2と同様にしてインクを調製、インクジェット記録を行い、記録画像の評価を行った。結果を表3〜5に示す。
実施例1で得られた式(6)の化合物の代わりにC.I.アシッドバイオレット17を使用する以外は実施例2と同様にしてインクを調製、インクジェット記録を行い、記録画像の評価を行った。結果を表3〜5に示す。
比較例2
実施例1で得られた式(6)の化合物の代わりに色素C.I.アシッドバイオレット48を使用する以外は実施例2と同様にしてインクを調製、インクジェット記録を行い、記録画像の評価を行った。結果を表5に示す。
実施例1で得られた式(6)の化合物の代わりに色素C.I.アシッドバイオレット48を使用する以外は実施例2と同様にしてインクを調製、インクジェット記録を行い、記録画像の評価を行った。結果を表5に示す。
表3
色相 鮮明性
L* a* b* C*
実施例2 (光沢紙) 36.6 71.3 −46.6 85.1
比較例1 (光沢紙) 38.6 47.6 −68.6 83.5
色相 鮮明性
L* a* b* C*
実施例2 (光沢紙) 36.6 71.3 −46.6 85.1
比較例1 (光沢紙) 38.6 47.6 −68.6 83.5
表3より実施例2は、光沢紙に記録画像した色相が、比較例1よりC*値が高く、鮮明性高いことがわかる。
1−2.普通紙での色相評価
上記と同様にして、実施例2、比較例1の普通紙での色相の結果を表4に示す。
上記と同様にして、実施例2、比較例1の普通紙での色相の結果を表4に示す。
表4
色相 鮮明性
L* a* b* C*
実施例2 (普通紙) 44.1 41.9 −25.1 48.8
比較例1 (普通紙) 44.9 26.3 −39.5 47.5
色相 鮮明性
L* a* b* C*
実施例2 (普通紙) 44.1 41.9 −25.1 48.8
比較例1 (普通紙) 44.9 26.3 −39.5 47.5
表4より、実施例2は、普通紙に記録画像した色相が、比較例1よりC*値が高く、鮮明性が高いことがわかる。
表5
耐光性(ΔE) オゾン耐性(ΔE) 耐湿性
実施例2 8 20 ○
比較例1 107 104 ×
比較例2 31 117 ○
耐光性(ΔE) オゾン耐性(ΔE) 耐湿性
実施例2 8 20 ○
比較例1 107 104 ×
比較例2 31 117 ○
表5より、実施例2は、耐光性、オゾン耐性において、比較例1、2より非常に優れていることがわかる。耐湿性は比較例1よりも非常に優れていることがわかる。
従って、本発明のアントラピリドン化合物によって得られた着色体は、鮮明性が高く、耐光性、オゾン耐性、及び耐湿性に優れていることがわかる。
従って、本発明のアントラピリドン化合物によって得られた着色体は、鮮明性が高く、耐光性、オゾン耐性、及び耐湿性に優れていることがわかる。
Claims (10)
- 請求項1に記載のアントラピリドン化合物を含有することを特徴とするインク組成物
- 水溶性有機溶剤を含有する請求項2に記載のインク組成物
- 請求項1に記載のアントラピリドン化合物の含有量が0.1〜20重量%である請求項2または3に記載のインク組成物
- インクジェット用である請求項2から4のいずれか一項に記載のインク組成物
- インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インク組成物として請求項2から5のいずれか一項に記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法
- 被記録材が情報伝達用シートである請求項6に記載のインクジェット記録方法
- 情報伝達用シートが表面処理されたシートである請求項7に記載のインクジェット記録方法
- 請求項1に記載のアントラピリドン化合物を有する着色体
- 請求項2から5のいずれか一項に記載のインク組成物を含有する容器が装填されたインクジェットプリンタ
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---|---|---|---|---|
CN106366690A (zh) * | 2016-08-04 | 2017-02-01 | 上海贝通色彩科技有限公司 | 一种喷墨红色染料化合物及其制备方法与应用 |
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JP2002516621A (ja) * | 1996-11-27 | 2002-06-04 | イーストマン ケミカル カンパニー | 光吸収性ポリマー組成物の製造方法 |
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-
2003
- 2003-11-10 JP JP2003379717A patent/JP2005139377A/ja active Pending
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