JP4428515B2 - アントラピリドン化合物、水性マゼンタインク組成物及びインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
又最近のデジタルカメラの浸透と共に、家庭でも写真をプリントする機会が増している。この写真を保管する時に、空気中の酸化性ガスによる写真画質の変色が問題視されている。
(1)式(1)
で表されるアントラピリドン化合物又はその塩、
(2)式(1)におけるR1がメチル基である(1)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
(3)式(1)におけるYが水酸基又はアミノ基である(1)または(2)に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
(4)式(1)におけるXが、アニリノ基、2−スルホアニリノ基、2,5−ジスルホアニリノ基、2−エチルヘキシルアミノ基又はシクロヘキシルアミノ基、4−メトキシ−2−スルホアニリノ基、2−カルボキシ−5−スルホアニリノ基、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリノ基である請求項1から3のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩、
(5)色素成分として、(1)から(4)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩を含むことを特徴とする水性マゼンタインク組成物、
(6)水溶性有機溶剤を含有する(5)に記載の水性マゼンタインク組成物、
(7)アントラピリドン化合物又はその塩中の無機塩の含有量が1質量%以下である(5)又は(6)に記載の水性マゼンタインク組成物、
(8)インクジェット記録用である(5)から(7)のいずれか一項に記載の水性マゼンタインク組成物、
(9)インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして(5)から(7)のいずれか一項に記載の水性マゼンタインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法
(10)被記録材が情報伝達用シ−トである(9)に記載のインクジェット記録方法、
(11)(5)から(7)のいずれか一項に記載の水性マゼンタインク組成物を含有する容器、
(12)(11)の容器を有するインクジェットプリンタ、
(13)(1)から(4)のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩を有する着色体、
に関する。
式(1)において、R1は水素原子、アルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、シクロヘキシル基、モノ若しくはジアルキルアミノアルキル基又はシアノ低級アルキル基を表す。本発明におけるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等の炭素数1〜8のアルキル基等があげられる。
また、本発明における低級アルキル基としては、上記アルキル基の中、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4のものを挙げることができ、より好ましくはメチル基、エチル基又はプロピル基を挙げることができる。本発明において低級アルキル基以外のもの、例えば低級アルコールなどにおいて「低級」といった場合も同様とする。
また、R1におけるヒドロキシ低級アルキル基としては、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等があげられ、モノアルキルアミノアルキル基としては、例えばメチルアミノプロピル基、エチルアミノプロピル基等があげられ、ジアルキルアミノアルキル基としては、例えばジメチルアミノプロピル基、ジエチルアミノエチル基等があげられ、シアノ低級アルキル基としては、例えばシアノエチル基、シアノプロピル基等が挙げられる。好ましいR1としては水素原子、低級アルキル基が挙げられ、水素原子、メチル基がより好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(1)におけるYとしては、クロル、ヒドロキシ、アミノ、2−スルホエチルアミノ、2−カルボキシエチルアミノ、カルボキシメチルアミノ、1,2−ジカルボキシエチルアミノ、1,3−ジカルボキシプロピルアミノ、2−ヒドロキシエチルアミノ、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアミノ、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアミノ、ビス(カルボキシメチル)アミノ、モルホリノ等が挙げられ、ヒドロキシ、アミノ、2−スルホエチルアミノ、2−カルボキシエチルアミノ、カルボキシメチルアミノ、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピルアミノ、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチルアミノ、ビス(カルボキシメチル)アミノが好ましく、特にヒドロキシ、アミノが好ましい。
No. R1 X Y
1 CH3 2,5-2(S)-アニリノ OH
2 CH3 2,5-2(S)-アニリノ NH2
3 CH3 2,5-2(S)-アニリノ モノエタノールアミノ
4 CH3 2,5-2(S)-アニリノ ジエタノールアミノ
5 CH3 アニリノ OH
7 CH3 アニリノ カルボキシエチルアミノ
8 H アニリノ スルホエチルアミノ
9 CH3 ベンジルアミノ OH
10 CH3 シクロヘキシルアミノ OH
11 CH3 シクロヘキシルアミノ シクロヘキシルアミノ
12 CH3 n-ブチルアミノ OH
13 CH3 N,N-ジエチルプロピルアミノ OH
14 CH3 N,N-ジエチルプロピルアミノ N,N-ジエチルプロピルアミノ
16 CH3 アニリノ N,N-ジエチルプロピルアミノ
17 CH3 4-フェニルフェノキシ OH
18 CH3 4-フェニルフェノキシ NH2
19 CH3 3-アミノ-アニリノ OH
20 CH3 アニリノ NH2
21 CH3 NH2 NH2
22 CH3 2-エチルヘキシルアミノ OH
23 CH3 2-エチルヘキシルアミノ NH2
24 CH3 2-エチルヘキシルアミノ 2-エチルヘキシルアミノ
25 CH3 2-エチルヘキシルアミノ モルホリノ
26 CH3 2-エチルヘキシルアミノ Cl
27 CH3 3-(S)-アニリノ OH
28 CH3 3-(S)-アニリノ NH2
29 CH3 3-(S)-アニリノ モノエタノールアミノ
30 C2H5 3-(S)-アニリノ カルボキシエチルアミノ
31 CH3 3-(S)-アニリノ スルホエチルアミノ
32 CH3 2-(S)-アニリノ OH
33 CH3 2-(S)-アニリノ NH2
34 C2H4OH 2-(S)-アニリノ 2-エチルヘキシルアミノ
35 CH3 2-(S)-アニリノ モルホリノ
36 CH3 4-メトキシ-2-(S)-アニリノ OH
37 C4H9 4-メトキシ-2-(S)-アニリノ NH2
38 CH3 2-(K)-5-(S)-アニリノ OH
39 CH3 2-(K)-4-(S)-アニリノ OH
40 CH3 4-(S)-ナフチル-1-イルアミノ OH
の化合物1モルと2,4,6−トリクロロ−S−トリアジン(シアヌルクロライド)1〜1.3モルとを水中で、pH2〜7、5〜35℃、2〜8時間反応させて得られる1次縮合物である式(4)
の化合物に、式(1)におけるXに対応するアミン類1モルを、pH4〜9、5〜90℃、10分〜5時間反応させることにより、Yが塩素原子である式(5)
の化合物が2次縮合物として得られる。
次いで、pH9〜12、50〜100℃、10分〜5時間加水分解するか、又はアンモニア、対応するアミン類を、pH8〜10、50〜100℃、10分〜8時間反応させることにより、3次縮合物としてYが塩素原子以外の式(6)
の化合物が得られる。
なお、縮合の順序は各種化合物の反応性に応じ、適宜定められ、上記に限定されない。
なお、式(3)のアントラピリドン化合物は、例えば次のようにして得られる。即ち、下記式(7)
の化合物が得られる。
の化合物が得られる。
のアントラピリドン化合物が得られる。
本発明の水性マゼンタインク組成物(以下場合により単にインクともいう)は、前記式(1)で表される化合物又はその塩(以下場合により、式(1)で表される化合物又はその塩を単に式(1)の色素ともいう)を色素成分として含むもので、該組成物は該色素を水に、必要に応じて溶性有機溶剤(溶解助剤を含む。以下同様。)を含む水(以下場合により単に水性溶媒ともいう)に溶解することにより得ることができる。該インクのpHは6〜11程度が好ましい。この水性インク組成物をインクジェット記録用プリンタに使用する場合、色素成分としては金属陽イオンの塩化物及び硫酸塩等の無機物の含有量は少ないものを用いるのが好ましく、その含有量の目安は例えば、塩化ナトリウムと硫酸ナトリウムの総含量として1質量%以下である。無機物の少ない本発明の色素成分を製造するには、例えば逆浸透膜による通常の方法又は本発明の色素成分の乾燥品あるいはウェットケーキを必要な回数だけメタノール及び水の混合溶媒中で撹拌し、濾過、乾燥する方法で脱塩処理する操作を繰り返せば良い。
粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物があげられ、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等があげられる。
本発明の水性インク組成物は前記各成分を任意の順序で混合、撹拌することによって得られる。得られたインク組成物は狭雑物を除く為にメンブランフィルター等で濾過を行ってもよい。
(1)キシレン360部中に、攪拌しながら、式(7)(R1=CH3)の化合物94.8部、炭酸ナトリウム3.0部、ベンゾイル酢酸エチルエステル144.0部を順次仕込み、昇温した。140〜150℃の温度で8時間反応を行い、その間、反応で生成するエタノールと水をキシレンと共沸させながら系外へ留出させ、反応を完結させた。次いで、冷却し、30℃にてメタノール240部を添加して30分攪拌後、濾過し、メタノール360部で洗浄後、乾燥して、式(8)(R1=CH3)の化合物124.8部を淡黄色針状結晶として得た。
(2)次に、N,N―ジメチルホルムアミド300.0部中に、攪拌しながら、式(8)の化合物(R1=CH3)88.8部、メタアミノアセトアニリド75.0部、酢酸銅1水和物24.0部及び炭酸ナトリウム12.8部を順次仕込み、昇温した。120〜130℃で3時間反応を行う。約50℃に冷却下、メタノール120部を添加し、30分攪拌後、濾過し、メタノール500部で洗浄し、次いで80℃の湯で洗浄、乾燥して式(9)(R1=CH3)の化合物79.2部を青味赤色結晶として得た。
一方、氷水60部にリパールOH(商品名、アニオン界面活性剤、ライオン株式会社製)0.4部を加え、溶解後シアヌルクロライド8.9部、を添加し、30分攪拌し、得られた懸濁液を、上記の式(3)を含む溶液中に添加し、10%苛性ソーダ水溶液を滴下しながら、PHを2.7〜3.0に保ち、25〜30℃で3時間1次縮合反応を行い、式(4)(R1=CH3)の化合物を含有する反応液を得た。
(5)上記(4)で得られた式(4)(R1=CH3)の化合物を含有する反応液中に、オルタニル酸8.4部(純度98.89%)、水40部、25%苛性ソーダ水溶液8部からなる溶液を添加し、更に、水を加えて液量を300部とし、昇温した。60〜70℃の温度で、10%苛性ソーダ水溶液を滴下しながら、PHを6.0〜6.5に保ち、1時間反応させ2次縮合反応を行い、式(5)(R1=CH3、X=2−スルホアニリノ基)の化合物を含む反応液を得た。
(6)上記(5)で得られた式(5)(R1=CH3、X=2−スルホアニリノ基)の化合物を含む反応液中に、25%苛性ソーダ水溶液を加えながら、PHを10.0〜10.2に保ちながら、85〜90℃の温度で、1時間反応させた。反応後、水を加えて液量を400部に調整した後、濾過して不溶解物を除去した。
得られた反応液に水を加えて液量を500部に調整した。温度を50〜55℃に保ちながら、食塩100部を添加し、次いで濃塩酸を加えてPHを0.5に調整した後、1時間攪拌し、結晶をろ別し、20%食塩水溶液200部で洗浄して、式(6)(R1=CH3、X=2−スルホアニリノ基、Y=OH)の化合物を赤色ウェットケーキとして92部を得た。
(7)上記(6)で得られたウェットケーキを、メタノール200部中に加え、60〜65℃に加熱、溶解させた後、約5℃に氷冷攪拌下1時間保持した後、析出した結晶を濾過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(10)(表1におけるNo.32の化合物)の化合物25.6部を赤色結晶として得た。
λmax:545.0nm(水溶液中)
(1)氷水100部にリパールOH0.4部を加え溶解後、シアヌルクロライド8.9部を添加し、30分攪拌し、得られた懸濁液中に2,5−ジスルホアニリン(AS酸)13.2部(純度91.7%)を加え、25%苛性ソーダ水溶液を滴下しながらPHを2.7〜3.3に保ちながら、15〜20℃で反応を行い一次縮合反応液を得た。次に、実施例1の(3)で得られた式(3)の化合物のウェットケーキ(純度45.9%)67.7部を添加し、次いで25%苛性ソーダ24部を添加してPHを5〜6に保ちながら、60〜70℃にて4時間攪拌し、2次縮合反応を行い、式(5)(R1=CH3、X=2,5−ジスルホアニリノ基)の化合物を含む反応液を得た。
(2)上記(1)の反応液中に、25%苛性ソーダ水溶液を加えて、PHを10.8〜11.2に調整しながら、90〜95℃の温度で、1時間反応させた。反応後、水を加えて液量を400部に調整し、濾過して不溶解物を除去する。得られた反応液に水を加えて液量を500部に調整し、加熱して60〜65℃に保ちながら食塩100部を添加し、次いで塩酸を添加してPHを0.5に調整した後、30分攪拌した。得られた結晶をろ別し、20%食塩水溶液200部で洗浄し、式(6)(R1=CH3、X=2,5−ジスルホアニリノ基、Y=OH)の化合物を明赤色ウェットケーキとして73部を得た。
(3)上記(2)で得られるウェットケーキを、メタノール500部中に加え、20〜25℃で1時間攪拌した後、結晶を濾過、メタノールで洗浄後、乾燥し下記式(11)(表1におけるNo.1の化合物)の化合物31.3部を赤色結晶として得た。
λmax:543.0nm(水溶液中)
(A)インクの調製
実施例1、実施例2でそれぞれ得られた本発明のアントラピリドン化合物(色素成分)を含む下記表2の組成のインク組成物を調製し、0.45μmのメンブランフィルターでろ過することにより各インクジェット用水性マゼンタインク組成物を得た。
水はイオン交換水を使用した。尚、インク組成物のpHがpH=8〜10、総量100部になるように水、水酸化アンモニウムを加えた。
実施例1または実施例2で得られた各色素 5.0部
(脱塩処理したものを使用)
水+水酸化アンモニウム 75.9部
グリセリン 5.0部
尿素 5.0部
N−メチル−2−ピロリドン 4.0部
IPA(イソプロピルアルコール) 3.0部
ブチルカルビトール 2.0部
界面活性剤(サーフィノール104PG50 日信化学社製)
0.1部
計 100.0部
インクジェットプリンタ(商品名 Canon社 BJ S−630)を用いて、普通紙、プロフェッショナルフォトペーパー(PR−101(キャノン社製))、フォト光沢フィルム(HG−201(キャノン社製))、PM写真用紙<光沢>(セイコーエプソン社製)の4種の被記録材料にインクジェット記録を行った。
(以下で使用する略称は、それぞれ、PR=プロフェッショナルフォトペーパー 、HG=フォト光沢フィルム、PM=PM写真用紙<光沢>を意味する)
印刷の際は、反射濃度が数段階の階調が得られるように画像パターンを作り、印刷した。以下に記する試験では試験前の印刷物の反射濃度D値が1.0に最も近い階調部分を用いて測定を行った。
(1)色相評価
記録画像の色相、鮮明性:記録紙を測色システム(Gretag Macbeth SpectroEye:GRETAG社製)を用いて、L*、a*、b*値を測定した。鮮明性はC*=((a*)2+(b*)2)1/2で算出した。結果を表3に示す。
(2)耐光試験
キセノンウェザーメーター(アトラス社製)を用い、24℃、60%RHにて記録画像に50時間照射した。上記の測色システムを用いて照射前後の濃度(D値)を測定し、残存率を下記式で算出した。
残存率(%)=照射後のD値/照射前のD値
結果を表3に示す。
(3)オゾン耐性試験
記録画像にプリントした試験片をオゾンウェザーメーター(スガ試験機社製 型式OMS−H)を用いて24℃、12ppm、60%RHで2時間放置し、試験前後の濃度(D値)を測定し、残存率を下記式で算出した。
残存率(%)=処理後のD値/処理前のD値
結果を表3に示す。
色相 鮮明性 耐光性 耐オゾン性
L* a* b* C* (残存率%)(残存率%)
評価例1
普通紙 47.7 60.4 -17.1 62.8 96 99
PR 56.7 70.2 -33.3 77.7 96 91
HG 57.1 70.8 -33.5 78.3 96 89
PM 58.0 70.2 -34.2 78.1 97 96
評価例2
普通紙 50.1 62.8 -15.7 64.7 96 99
PR 57.8 72.5 -31.7 79.1 89 97
HG 58.4 71.1 -31.1 77.7 86 98
PM 59.5 72.5 -33.2 79.4 95 99
比較例1
普通紙 52.6 57.6 - 0.6 57.6 96 99
PR 59.0 69.2 -14.0 70.6 85 51
HG 58.8 68.9 -15.8 70.7 83 61
PM 60.6 68.1 -14.8 69.7 89 65
(1)実施例1の(5)で得られた式(5)(R1=CH3、X=2−スルホアニリノ基)の化合物を含む反応液に、濃アンモニア水(28%)24部を加え、90℃に加熱し、30分反応させた。反応後、濾過して不溶解物を除去した。得られた反応液に水を加えて液量を800部に調整した。温度を50〜60℃に保ちながら、食塩160部を添加し、次いで濃塩酸を加えて、pHを0に調整した後30分撹拌し、結晶を濾別し、20%食塩水溶液400部で洗浄して式(6)(R1=CH3、X=2−スルホアニリノ基、Y=NH2)の化合物を赤色ウェットケーキとして100部得た。
(2)上記(1)で得られたウェットケーキをメタノール800部中に加え、60〜65℃に加熱、撹拌後、濾過、メタノールで洗浄、乾燥し、下記式(12)(表1におけるNo.33の化合物)の化合物29.6部を赤色結晶として得た。
λmax:544.8nm(水溶液中)
(1)実施例1の(4)で得られた式(4)(R1=CH3)の化合物を含有する反応液中に、4−メトキシ−2−スルホアニリン10.2部(純度99.4%)、水40部、25%苛性ソーダ水溶液7.8部からなる溶液を添加し、更に水を加えて液量を300部とし、昇温した。60〜70℃で、25%苛性ソーダ水溶液を滴下しながら、pHを5.0〜6.0に保ち、30分間反応させ、2次縮合反応を行い、式(5)(R1=CH3、X=4−メトキシ−2−スルホアニリノ基)の化合物を含む反応液を得た。
(2)上記(1)で得られた式(5)(R1=CH3、X=4−メトキシ−2−スルホアニリノ基)の化合物を含む反応液に、25%苛性ソーダ水溶液を加えpHを10.0〜10.2に保ちながら、90℃で1時間反応させた。反応後、濾過して不溶解物を除去した。得られた濾液に水を加えて、液量を1200部に調整した。室温(約20℃)で食塩240部を添加し、次いで濃塩酸を加えて、pHを0に調整した後30分撹拌し、結晶を濾別し、20%食塩水溶液400部で洗浄して式(6)(R1=CH3、X=4−メトキシ−2−スルホアニリノ基、Y=OH)の化合物を赤色ウェットケーキとして100部得た。
(3)上記(2)で得られたウェットケーキをメタノール800部中に加え、室温(約20℃)で1時間撹拌後、濾過、メタノールで洗浄、乾燥して、下記式(13)(表1におけるNo.36の化合物)の化合物20.4部を赤色結晶として得た。
λmax:541.4nm(水溶液中)
(1)実施例1の(4)で得られた式(4)(R1=CH3)の化合物を含有する反応液中に、4−スルホアントラニル酸15.0部(純度76.4%)、水60部、25%苛性ソーダ水溶液16.8部からなる溶液を添加し、更に水を加えて液量を400部とし、昇温した。50〜60℃で、25%苛性ソーダ水溶液を滴下しながら、pHを4.5〜5.0に保ち、30分間反応させ、2次縮合反応を行い、式(5)(R1=CH3、X=2−カルボキシ−5−スルホアニリノ基)の化合物を含む反応液を得た。
(2)上記(1)で得られた式(5)(R1=CH3、X=2−カルボキシ−5−スルホアニリノ基)の化合物を含む反応液中に、25%苛性ソーダ水溶液を加えpHを10.0に保ちながら、85〜90℃で1時間反応させ、更にpHを11.0に保ちながら85〜90で1時間反応させた。反応後、濾過して不溶解物を除去した。得られた濾液に水を加えて、液量を600部に調整した。30〜35℃に保ちながら、食塩120部を添加し、次いで濃塩酸を加えて、pHを0.5に調整した後、1時間撹拌し、結晶を濾別し、20%食塩水溶液60部で洗浄して式(6)(R1=CH3、X=2−カルボキシ−5−スルホアニリノ基、Y=OH)の化合物を赤色ウェットケーキとして100部得た。
(3)上記(2)で得られたウェットケーキをメタノール600部及び水40部中に加え、60〜65℃で30分間撹拌後、濾過、メタノールで洗浄、乾燥して、下記式(14)(表1におけるNo.38の化合物)の化合物16.6部を赤色結晶として得た。
λmax:540.0nm(水溶液中)
(1)実施例1の(4)で得られた式(4)(R1=CH3)の化合物を含有する反応液中に、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリン7.9部(純度98%)、水40部、25%苛性ソーダ水溶液8部からなる溶液を添加し、更に水を加えて液量を400部とし、昇温した。50〜60℃で、25%苛性ソーダ水溶液を滴下しながら、pHを4.5〜5.0に保ち、2時間間反応させ、2次縮合反応を行い、式(5)(R1=CH3、X=3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリノ基)の化合物を含む反応液を得た。
(2)上記(1)で得られた式(5)(R1=CH3、X=3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリノ基)の化合物を含む反応液中に、25%苛性ソーダ水溶液を加えpHを10.8〜11.0に保ちながら、85〜90℃で2時間反応させた。反応後、濾過して不溶解物を除去した。得られた濾液に水を加えて、液量を600部に調整した。60〜65℃に保ちながら、食塩60部を添加し、次いで濃塩酸を加えて、pHを2.0に調整した後、30分間撹拌し、結晶を濾別し、20%食塩水溶液70部で洗浄して式(6)(R1=CH3、X=3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリノ基、Y=OH)の化合物を赤色ウェットケーキとして88部得た。
(3)上記(2)で得られたウェットケーキをメタノール800部中に加え、65℃に加熱し、30分間撹拌後、濾過、メタノールで洗浄、乾燥して、下記式(15)(表1におけるNo.41の化合物)の化合物33.6部を赤色結晶として得た。
λmax:539.0nm(水溶液中)
実施例3の(A)〜(C)と同様にして、インクを調整し、インクジェットプリント記録、次いで画像の評価を行った。ただし、プリント用紙は、普通紙、プロフェッショナルフォトペーパー(PR−101(キャノン社製))、スーパーフォトペーパー(SP−101(キャノン社製))の3種の被記録材料にインクジェット記録を行った。
(以下で使用する略称は、それぞれ、PR=プロフェッショナルフォトペーパー 、SP=スーパーフォトペーパーを意味する)
記録画像の色相、鮮明性、耐光性、耐オゾン性の試験結果を表4に示す。なお、実施例4で得られた化合物を用いて調製したインク組成物を評価した結果を評価例3、実施例5で得られた化合物を用いて調製したインク組成物を評価した結果を評価例4、実施例6で得られた化合物を用いて調製したインク組成物を評価した結果を評価例5、同様にして実施例7で得られた化合物を用いて調製したインク組成物を評価した結果を評価例6とする。
色相 鮮明性 耐光性 耐オゾン性
L* a* b* C* (残存率%)(残存率%)
評価例3
普通紙 47.0 58.7 -19.9 62.0 97 99
PR 46.4 72.3 -32.3 79.2 81 92
SP 55.6 71.3 -31.2 77.8 94 94
評価例4
普通紙 49.3 59.8 -14.4 61.5 95 99
PR 49.7 69.0 -26.3 73.8 85 90
SP 58.9 68.3 -25.8 73.0 92 91
評価例5
普通紙 47.6 55.0 -19.1 58.2 96 99
PR 50.0 65.6 -33.1 73.5 90 95
SP 57.1 65.0 -30.6 71.8 94 96
評価例6
普通紙 47.8 55.8 -16.0 58.0 98 99
PR 57.7 67.3 -27.2 72.6 93 93
SP 57.7 67.2 -28.4 73.0 96 93
Claims (13)
- 式(1)
で表されるアントラピリドン化合物又はその塩 - 式(1)におけるR1がメチル基である請求項1に記載のアントラピリドン化合物又はその塩
- 式(1)におけるYが水酸基又はアミノ基である請求項1または2に記載のアントラピリドン化合物又はその塩
- 式(1)におけるXが、アニリノ基、2−スルホアニリノ基、2,5−ジスルホアニリノ基、2−エチルヘキシルアミノ基又はシクロヘキシルアミノ基、4−メトキシ−2−スルホアニリノ基、2−カルボキシ−5−スルホアニリノ基、3−カルボキシ−4−ヒドロキシアニリノ基である請求項1から3のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩
- 色素成分として、請求項1から4のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩を含むことを特徴とする水性マゼンタインク組成物
- 水溶性有機溶剤を含有する請求項5に記載の水性マゼンタインク組成物
- アントラピリドン化合物又はその塩中の無機塩の含有量が1質量%以下である請求項5又は6に記載の水性マゼンタインク組成物
- インクジェット記録用である請求項5から7のいずれか一項に記載の水性マゼンタインク組成物
- インク滴を記録信号に応じて吐出させて被記録材に記録を行うインクジェット記録方法において、インクとして請求項5から7のいずれか一項に記載の水性マゼンタインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法
- 被記録材が情報伝達用シ−トである請求項9に記載のインクジェット記録方法
- 請求項5から7のいずれか一項に記載の水性マゼンタインク組成物を含有する容器
- 請求項11の容器を有するインクジェットプリンタ
- 請求項1から4のいずれか一項に記載のアントラピリドン化合物又はその塩を有する着色体
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