JP5240541B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、詳しくは、トナーと磁性キャリアとで構成された2成分現像剤を用いて画像形成を行うものに関するものである。
従来、現像剤担持体上に担持したトナーと磁性キャリアとを含有する2成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を現像剤担持体内部に設けられた磁極にて穂立ちさせて磁気ブラシを形成し、その磁気ブラシを潜像担持体上の潜像に摺擦せしめて現像を行う2成分現像方式が広く知られている(例えば、特許文献1)。2成分現像方式は、カラー化が容易なことから現在広く利用されている。2成分現像方式では、現像剤中におけるトナーと磁性キャリアとの比率(例えば重量比)を示すトナー濃度が高すぎると、形成した画像中に地肌汚れが発生したり、細部解像力の低下が生じたりする。一方、トナー濃度が低すぎると、ベタ画像部の濃度が低下したり、潜像担持体へのキャリア付着が発生したりする。そのため、現像装置内における現像剤中のトナー濃度の検知結果に基づいてトナー補給動作をオンオフすることで、現像剤中のトナー濃度を適正範囲内に維持するトナー濃度制御を行うことが重要である。
しかし、トナー濃度が一定となるようにトナー濃度制御したとしても、連続プリント時に一定の画像濃度が得られない場合があった。具体的に説明すると、画像面積率の高い画像を出力した場合は、現像によって消費されたトナーの量が比較的多いので、現像装置内に十分に帯電されていない新しいトナーが多く供給される。このため、次の画像形成までの間に攪拌によってトナーの平均帯電量を所望の平均帯電量まで十分に帯電させることができず、画像濃度が高くなってしまう。また、画像面積率の低い画像を出力した場合、現像によって消費されたトナーの量は比較的少ないので、所望のトナー濃度に維持すべく補給されるトナーの量が少ない。そのため、現像装置内に比較的長い時間存在しているトナーの量が多い。現像装置内に比較的長い時間存在しているトナーは、撹拌作用を長く受けるため、必要以上に帯電し、現像装置内のトナーの平均帯電量が所望の平均帯電量よりも高くなり、画像濃度が低下する。
以上のように、画像面積率の低い画像を出力する場合と画像面積率の高い画像を出力する場合とでは、その後のトナー補給により現像装置内に存在する新しいトナーの比率が異なることから、現像装置内のトナー平均帯電量に違いが生じてくる。よって、トナー濃度が一定となるようにトナー濃度制御したとしても、一定の画像濃度が得られないという不具合が発生するのである。
特開昭57−136667号公報
本出願人は、特願2005−327647号(以下、「先願」という。)に次のような画像形成装置を提案した。前記先願に記載された画像形成装置は、所定期間内における現像装置内のトナー入換量を把握するための情報、例えば出力された画像の画像面積率、を検出する情報検出手段を有している。この情報検出手段の検出結果によって、現像装置内に存在する新しいトナーの比率あるいは古いトナーの比率がどの程度なのかを把握して、連続プリント時の次の画像を形成するときにおける現像装置内のトナー平均帯電量を把握する。そして、情報検出手段の検出結果に基づいて、トナー濃度制御基準値補正手段によってトナー濃度制御基準値の補正を行い、現像装置内のトナー濃度を調整することで、一定の画像濃度を得る。
しかし前記先願では、所定期間内における現像装置内のトナー入換量以外の要因、例えば環境変動や現像剤の経時劣化などによって、現像装置内のトナーの帯電させやすさが変化しても、それらに対して対処することができない。そのため、前記先願で提案した発明だけでは、画像濃度を適切に制御できないおそれがあった。
具体的に説明すると、環境変動やトナーの経時変化によって、トナーの帯電特性が変わるなどして、現像装置内のトナーを帯電させやすい状態のときは、次の画像形成までに現像装置内のトナーを必要以上に帯電させてしまい、現像装置内のトナーの平均帯電量が比較的高くなる。一方、現像装置内のトナーが帯電しにくい状態のときは、次の画像形成まで現像装置内のトナーを十分帯電させることができず、トナーの平均帯電量が比較的低くなる。すなわち、所定期間内における現像装置内のトナー入換量が同じであり、現像装置内に存在する新しいトナーの比率あるいは古いトナーの比率が同じであっても、現像装置内のトナーの帯電しやすさによって、次の画像形成時の現像装置内のトナー平均帯電量が異なってくるのである。
従って、先願のように、所定期間内における現像装置内のトナー入換量から、現像装置内に存在する新しいトナーの比率あるいは古いトナーの比率がどの程度なのかを把握しただけでは、連続プリント時における画像濃度を一定にすることができなかった。
また、現像装置内のトナー濃度の目標値が増加するときや、低下するときに現像装置のトナー平均帯電量が変化することがわかった。
先願では、過去数十枚分という一定期間内に出力した画像の画像面積率の移動平均値を算出し、算出した画像の画像面積率の移動平均値と、この移動平均値に対応した目標トナー濃度補正値とが対応づけられたルックアップテーブルとに基づいて、目標トナー濃度補正値を決定する。そして、この目標トナー濃度補正値に基づいて、目標トナー濃度を補正している。
目標トナー濃度が増加する方向に補正されると、現像装置内のトナー濃度が補正された目標トナー濃度となるように、トナー濃度増加分余計にトナーが現像装置内に供給される。例えば、画像面積率の高い画像連続出力した後、画像面積率の低い画像を連続出力したときは、画像面積率の移動平均値が、画像出力毎に低下していく。このとき、移動平均を算出するために用いる過去に出力した画像の枚数が少なめに設定されていると、画像面積率の移動平均値の変動が大きい。その結果、目標トナー濃度が急激に増加する。その結果、所定期間内にトナー濃度増加分余計に供給されるトナー量が多くなる。よって、大量に供給されたトナー濃度増加分のトナーによって、次の画像形成までに現像装置内のトナーを十分帯電させることができず、トナー平均帯電量が下がって、画像濃度が高くなってしまう。また、トナー濃度が急激に増加する結果、トナーとキャリアとの接触確率が急激に下がり、現像装置内のトナーが急激に帯電しにくい状態となる。その結果、現像装置内のトナーの平均帯電量が、所望の帯電量になかなか戻らず、長期間、トナー平均帯電量が低い状態となってしまう。よって、目標トナー濃度を増加させる場合は、移動平均を算出するために用いる過去に出力した画像の枚数を多めに設定することで、画像面積率の移動平均値の変動を小さくすることが好ましい。このように、画像面積率の移動平均値の変動を小さくすることで、目標トナー濃度が徐々に増加し、所定期間内に現像装置に供給されるトナー濃度増加分のトナー量を減らすことができ、画像濃度の低下が抑制できる。
一方、目標トナー濃度を減少する方向に補正する場合は、現像装置内のトナー濃度が補正された目標トナー濃度になるように、現像装置内に供給されるトナー量が目標トナー濃度減少分、減少する。移動平均を算出するために用いる過去に出力した画像の枚数が多めに設定されており、徐々に目標トナー濃度が補正される場合、次のような不具合が生じる。例えば、画像面積率の低い画像を連続出力した後に、画像面積率が高い画像を連続出力したとき、目標トナー濃度の減少がゆっくりだと、目標トナー濃度減少による現像装置内に供給されるトナー量の減少量が少ないため、多くのトナーが現像装置に供給される。しかも、現像装置内のトナー量が多い状態であるため、トナーとキャリアとの接触確率が低く、供給された帯電量の低いトナーが良好に帯電しない。その結果、次の画像形成までに現像装置内のトナーの平均帯電量を所望にまで帯電させることができなくなり、画像濃度が高くなってしまう。従って、トナー濃度を減少する方向にトナー濃度制御基準値を補正する場合は、トナー濃度を増加する方向にトナー濃度制御基準値を補正する場合に比べて、トナー濃度を急激に変化させる必要がある。
このように、目標トナー濃度を増加させる方向に補正するときと減少させる方向に補正するときとでは、一定の画像濃度を維持できる目標トナー濃度の変更の速度が異なる。しかし、先願では、トナー濃度を増加させるときと、減少させるときとでトナー濃度制御基準値の変更の速度が同じであったため、トナー濃度増加時または減少時の少なくとも一方のときに、画像濃度が高くなる場合があった。
本発明は、以上の背景に鑑み上記先願を改良するものであり、その第1の目的とするところは、環境変動などによる現像装置のトナーの平均帯電量の変化に対処して、一定の画像濃度を得ることが可能な画像形成装置を提供することである
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像を担持する像担持体と、トナーと磁性キャリアとを含む2成分現像剤によって前記像担持体上の潜像をトナー像に顕著化する現像装置と、前記現像装置内にトナーを補給するトナー補給装置と、前記現像装置内の前記2成分現像剤中のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、前記現像装置内のトナー濃度を制御するために参照されるトナー濃度制御基準値と、トナー濃度検出手段の出力値とに応じて前記トナー濃度を制御するトナー濃度制御手段と、を備えた画像形成装置において、所定期間内における前記現像装置内のトナー入換量を把握するための情報を検出する第1情報検出手段と、前記現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握するための情報を検出する第2情報検出手段と、前記第1情報検出手段の検出結果と前記第2情報検出手段の検出結果とに基づいて前記トナー濃度制御基準値を変更するトナー濃度制御基準値変更手段と、を備え、前記トナー濃度制御手段を、前記トナー濃度検出手段の出力値が、前記トナー濃度制御基準値よりも大きい場合、前記トナー補給装置を駆動して、前記現像装置内にトナーを補給し、前記トナー濃度検出手段の出力値が、前記トナー濃度制御基準値以下の場合、前記トナー補給装置の駆動を停止するよう構成し、前記第1情報検出手段を、前記所定期間内に形成した画像の画像面積または画像面積率を検出するよう構成し、前記トナー濃度制御基準値変更手段は、前記第1情報検出手段が検出した、前記所定期間内に形成した画像の画像面積または画像面積率の移動平均を算出し、算出した移動平均の値に基づいて前記トナー濃度制御基準値の補正量を算出し、前記第2情報検出手段が、前記現像装置内のトナーを帯電させやすい状態を示す情報を検出したときは、算出した前記補正量を所定量減少させ、前記第2情報検出手段が、前記現像装置内のトナーを帯電させにくい状態を示す情報を検出したときは、算出した前記補正量を所定量増加させることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記第2情報検出手段は、前記現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握するための情報として、現像能力に関する情報を検出するよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の画像形成装置において、前記第2情報検出手段は、前記現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握するための情報として、装置内の環境情報を検出するよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、前記第2情報検出手段は、前記現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握するための情報として、前記2成分現像剤の経時変化を把握するための情報を検出するよう構成したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、前記トナー濃度制御基準値変更手段は、前記第2情報検出手段が、前記現像装置内のトナーを帯電させやすい状態を示す情報を検出したとき、かつ、前記所定期間内に形成した画像の画像面積または画像面積率の移動平均値が低いときは、算出した前記補正量の減少量を、前記所定期間内に形成した画像の画像面積または画像面積率の移動平均値が高いときに比べて、多くすることを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、前記トナー濃度制御基準値変更手段は、前記第2情報検出手段が、前記現像装置内のトナーを帯電させにくい状態を示す情報を検出したとき、かつ、前記所定期間内に形成した画像の画像面積または画像面積率の移動平均値が高いときは、算出した前記補正量の増加量を、前記所定期間内に形成した画像の画像面積または画像面積率の移動平均値が低いときの増加量に比べて多くすることを特徴とするものである
本発明の請求項1においては、第1情報検出手段で検出した所定期間内における現像装置内のトナー入換量を把握するための情報を検出する。この情報から、所定期間内に現像装置内のトナーがどのくらい消費され、どのくらいの新しいトナーが補給されるかを把握することができる。すなわち、現像装置内に存在する新しいトナーの比率あるいは古いトナーの比率がどの程度なのかを把握することができる。これにより、現像装置内のトナー入換量が変わることによる次の画像形成時における現像装置内のトナー平均帯電量の変化を把握することができる。しかも、第2情報検出手段で、現像装置内のトナー帯電させやすさを把握するための情報を検出することで、先願では把握できなかった現像装置内のトナー帯電させやすさの変化によるトナー平均帯電量の変化も把握することができる。従って、第1情報検出手段で検出した所定期間内における現像装置内のトナー入換量を把握するための情報と第2情報検出手段で検出した現像装置内のトナー帯電させやすさの情報とから、次の画像形成時の現像装置内のトナー平均帯電量を先願よりも精度よく把握することができる。よって、上記第1情報検出手段が検出した情報と上記第2情報検出手段が検出した情報とに基づき、トナー濃度制御基準値変更手段によって画像濃度が一定に維持されるようにトナー濃度制御基準値を補正することができる。この結果、環境変動やトナーの経時変化によって現像装置内のトナー帯電させやすさが変化し、かつ、現像装置内のトナー入換量が変わるような画像形成を行っても、トナー濃度を調整することにより、一定の画像濃度を得ることができる。
以上、請求項1の本発明によれば、環境変動などによる現像装置内のトナーの帯電させやすさの変化にも対処して適切な画像濃度を得ることができるという優れた効果がある
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のカラーレーザプリンタ(以下、「レーザプリンタ」という。)に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るレーザプリンタの主要部を示す概略構成図である。
このレーザプリンタは、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(Bk)の各色の画像を形成するための4組の作像手段1Y,1C,1M,1Bk(以下、各符号の添字Y、C、M、Bkは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック用の部材であることを示す。)が、中間転写体としての中間転写ベルト6の表面移動方向(図1中の矢印A方向)における上流側から順に配置されている。この作像手段1Y,1C,1M,1Bkは、それぞれ、潜像担持体としてのドラム状の感光体11Y,11C,11M,11Bkを有する感光体ユニット10Y,10C,10M,10Bkと、現像装置20Y,20C,20M,20Bkとを備えている。また、各作像手段1Y,1C,1M,1Bkの配置は、各感光体ユニット内の感光体11Y,11C,11M,11Bkの回転軸が平行になるように且つ中間転写ベルト6の表面移動方向に所定のピッチで配列するように、設定されている。
各作像手段1Y,1C,1M,1Bkによって形成された感光体11Y,11C,11M,11Bk上のトナー像は、中間転写ベルト6上に順次重ね合わされて1次転写される。この重なり合って得られるカラー画像は、中間転写ベルト6の表面移動に伴って2次転写ローラ3との間の2次転写部に搬送される。また、本レーザプリンタは、上記作像手段1Y,1C,1M,1Bkのほか、その下方に図示しない光書込ユニットが配置されており、さらにその下に図示しない給紙カセットが配置されている。図1中の一点鎖線は、転写紙の搬送経路を示している。給紙カセットから給送された転写紙は、図示しない搬送ガイドによってガイドされながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ5が設けられている一時停止位置に送られる。転写紙は、レジストローラ5により所定のタイミングで2次転写部に供給される。そして、中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像が、転写紙上に2次転写され、転写紙上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙は、定着ユニット7でトナー像が定着された後、排紙トレイ8上に排出される。
図2は、上記作像手段1Y,1C,1M,1Bkのうち、イエローの作像手段1Yの概略構成を示す拡大図である。他の作像手段1M,1C,1Bkについてもそれぞれ同じ構成となっているので、それらの説明は省略する。
図2において、作像手段1Yは、上述したように、感光体ユニット10Y及び現像装置20Yを備えている。感光体ユニット10Yは、感光体11Yのほか、その感光体表面をクリーニングするクリーニングブレード13Y、その感光体表面を一様帯電する帯電ローラ15Y等を備えている。また、感光体表面に潤滑剤を塗布するとともに、感光体表面を除電する機能を有する潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Yも備えている。この潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Yは、ブラシ部が導電性繊維で構成され、その芯金部には除電バイアスを印加するための図示しない除電用電源が接続されている。
上記構成の感光体ユニット10Yにおいて、感光体11Yの表面は、電圧が印加された帯電ローラ15Yにより一様帯電される。この感光体11Yの表面に図示しない光書込ユニットで変調及び偏向されたレーザ光Lが走査されながら照射されると、感光体11Yの表面に静電潜像が形成される。この感光体11Y上の静電潜像は、後述の現像装置20Yで現像されてイエローのトナー像となる。感光体11Yと中間転写ベルト6とが対向する1次転写部では、感光体11Y上のトナー像が中間転写ベルト6上に転写される。トナー像が転写された後の感光体11Yの表面は、感光体クリーニング手段としてのクリーニングブレード13Yでクリーニングされた後、潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Yで所定量の潤滑剤が塗布されるとともに除電され、次の静電潜像の形成に備えられる。
上記現像装置20Yは、上記静電潜像を現像するための現像剤として、磁性キャリア及び負帯電のトナーを含む二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を使用している。また、この現像装置20Yは、現像ケースの感光体側の開口から一部露出するように配設された現像剤担持体としての非磁性材質からなる現像スリーブ22Yや、現像スリーブ22Yの内部に固定配置された磁界発生手段としてマグネットローラ(不図示)、撹拌搬送部材としての撹拌搬送スクリュー23Y,24Y、現像ドクタ25Y、トナー濃度検知手段としての透磁率センサ26Y、トナー補給装置としての粉体ポンプ27Y等を備えている。現像スリーブ22Yには現像電界形成手段としての図示を省略した現像バイアス電源により負の直流電圧DC(直流成分)に交流電圧AC(交流成分)が重畳された現像バイアス電圧が印加され、現像スリーブ22Yが感光体11Yの金属基体層に対して所定電圧にバイアスされている。なお、現像バイアス電圧は、負の直流電圧DC(直流成分)のみを印加するようにしてもよい。
図2において、現像ケース内に収容された現像剤が撹拌搬送スクリュー23Y,24Yで撹拌搬送されることによりトナーが摩擦帯電される。そして、第1撹拌搬送スクリュー23Yが配置された第1撹拌搬送路内の現像剤の一部が現像スリーブ22Yの表面に担持され、現像ドクタ25Yで層厚が規制された後、感光体11Yと対向する現像領域に搬送される。現像領域では、現像スリーブ22Y上の現像剤中のトナーが現像電界によって感光体11Y上の静電潜像に付着し、トナー像となる。その後、現像領域を通過した現像剤は、現像スリーブ22Y上の現像剤離れ極位置で現像スリーブ22Yから離れ、第1撹拌搬送路に戻る。第1撹拌搬送路をその下流端まで搬送された現像剤は、第2撹拌搬送スクリュー24Yが配置された第2撹拌搬送路の上流端へ移動し、第2撹拌搬送路内でトナー補給を受ける。その後、第2撹拌搬送路をその下流端まで搬送された現像剤は、第1撹拌搬送路の上流端へ移動する。第2撹拌搬送路の底部を構成する現像ケース部分には、透磁率センサ26Yが設置されている。
現像ケース内の現像剤のトナー濃度は、画像形成に伴うトナー消費により低下するので、透磁率センサ26Yの出力値Vtに基づいて、必要により図1に示したトナーカートリッジ30Yから粉体ポンプ27Yによりトナーが補給されることで適正な範囲に制御される。トナー補給制御は、出力値Vtとトナー濃度制御基準値である目標出力値Vtrefとの差分値Tn(=Vtref−Vt)に基づいて、差分値Tnが+(プラス)の場合はトナー濃度が十分高いと判断してトナーを補給せず、差分値Tnが−(マイナス)の場合は差分値Tnの絶対値が大きいほどトナー補給量を多くするようにして、出力値Vtが目標出力値Vtrefの値に近づくようにして行う。
また、画像形成枚数が10〜50枚(コピースピードなどにより約5〜200枚)に達するごとに一回の割合で、プロセスコントロールにより目標出力値Vtref、帯電電位、光量等を調整する。詳しくは、例えば、感光体11Y上に形成された複数のハーフトーン及びベタパターンを中間転写ベルト6に転写し、その濃度を図1に示す反射濃度センサ62により検知して、その検知値からトナー付着量を把握し、トナー付着量が狙いの付着量になるように目標出力値Vtref、帯電電位、光量等を調整する。
更に、本実施形態では、プロセスコントロールとは別に、1回の画像形成ごとに目標出力値Vtrefを補正する処理も行う。これらの詳しい内容は、トナー濃度制御の内容とあわせて後述する。
また、4つの感光体11Y,11C,11M,11Bkのうち、最下流側にあるブラック用の感光体11Bkのみ中間転写ベルト6に常に接触している転写ニップ常接状態であり、残りの感光体11M,11C,11Yは中間転写ベルトに対して接離可能となっている。転写紙上にカラー画像を形成する場合、4つの感光体11Y,11C,11M,11Bkは、それぞれ中間転写ベルト6に当接する。一方、転写紙上にブラックの単色画像を形成する場合、各カラー用の感光体11Y,11C,11Mを中間転写ベルト6から離間させ、ブラックトナーによるトナー像が形成されるブラック用の感光体11Bkのみを中間転写ベルト6に当接させるようにする。
次に、トナー濃度制御を行う制御手段としての制御部について説明する。
図3は、トナー濃度制御を行う制御部の構成を示す説明図である。
この制御部100は、各現像装置ごとに設けられているが、その基本的構成はいずれも同様であるので、以下色分け符号(Y,C,M,Bk)を省略して説明する。なお、各現像装置の制御部100の一部(CPU101、ROM102、RAM103等)は各現像装置間で共用されている。
本実施形態の制御部100は、CPU101、ROM102、RAM103、I/Oユニット104等から構成されている。I/Oユニット104には、上記透磁率センサ26及び上記反射濃度センサ62がそれぞれ図示しないA/D変換器を介して接続されている。制御部100は、CPU101が所定のトナー濃度制御プログラムを実行することにより、I/Oユニット104を介して粉体ポンプ27を駆動するトナー補給駆動モータ31に制御信号を伝達し、トナー補給動作を制御する。また、所定の目標出力値補正プログラムを実行することにより、1回の画像形成ごとに目標出力値Vtrefを補正し、常に一定の画像濃度が得られるようにする。ROM102には、CPUが実行するトナー濃度制御プログラム、目標出力値補正プログラムなどが記憶されている。RAM103には、I/Oユニット104を介して取得した透磁率センサ26の出力値Vtを一時保存するVtレジスタ、現像装置20内の現像剤のトナー濃度が目標トナー濃度であるときに透磁率センサ26が出力すべき基準出力値Vtrefを記憶するVtrefレジスタ、反射濃度センサ62からの出力値Vsを記憶するVsレジスタ等が設けられている。なお、本実施形態において制御部100は、後述するトナー濃度制御基準値変更手段たる目標出力値変更手段としても機能するものである。
図4は、透磁率センサ26の出力値を縦軸にとり、検知対象の現像剤のトナー濃度を横軸にとったグラフである。
グラフに示すように、実用的なトナー濃度の範囲では、透磁率センサ26の出力値と現像剤のトナー濃度との関係は直線近似することができる。そして、現像剤のトナー濃度が高いほど、透磁率センサ26の出力値が小さくなる特性を示す。この特性を利用して、透磁率センサ26の出力値Vtが目標出力値Vtrefより大きい場合に粉体ポンプ27を駆動してトナー補給を行う。逆に、出力値Vtが目標出力値Vtrefより小さい場合には、粉体ポンプ27を停止させトナー補給を行わない。本実施形態では、1回の画像形成ごとに透磁率センサ26の出力値Vtに基づいてトナー補給制御を行う。
次に、トナー入換量を把握するための情報である画像面積率または画像面積によるトナー濃度制御基準値たる目標出力値Vtrefを変更する目標出力値変更手段の処理について詳細に説明する。
図5は、出力画像面積率による現像γ(現像ポテンシャルに対するトナー付着量関係式の傾き)の差異を示すグラフである。このグラフは、同一の画像面積率画像を、標準線速モード(138[mm/sec])で連続100枚出力した際の値である。このグラフからわかるように、画像面積率の高い画像を出力する場合の方が現像γが高くなる。これは次の理由によるものと考えられる。すなわち、画像面積率の高い画像を出力する場合、一定期間内における現像装置20のトナー入換量が多いため、現像装置20内に比較的長い時間存在しているトナーの量が少ない。そのため、過剰に帯電したトナーが少ないので、現像装置20内に比較的長い時間存在しているトナー(過剰に帯電したトナー)の量が多い画像面積率の低い画像を出力した場合に比べて、高い現像能力を発揮できたものと考えられる。
このように、一定期間内における現像装置20のトナー入換量の違いによってその後の画像形成時における現像能力に差異が発生する。現像能力に差異が発生すると、形成される画像の画像濃度にも差異が生じ、一定の画像濃度で画像形成を行うことができなくなる。そこで、一定期間内における現像装置20のトナー入換量が違っても、現像能力を一定に維持するように、原理的には現像γが一定になるように、目標出力値Vtrefを補正する。目標出力値Vtrefを補正すれば、透磁率センサ26の出力値Vtがその補正後の目標出力値Vtrefに近づくようにトナー濃度が調整される。その結果、画像面積率の高い画像を出力した場合のように現像装置20のトナー入換量が多いときにはトナー濃度を低くして現像能力を低め、あるいは、画像面積率の低い画像を出力した場合のように現像装置20のトナー入換量が少ないときにはトナー濃度を高くして現像能力を増加させて、現像能力が一定になるようにする。
なお、一定期間内における現像装置20のトナー入換量は、出力する画像の面積[cm]や画像面積率[%]などの種々の情報から把握することが可能である。本実施形態では、画像面積率からトナー入換量を把握する場合を例に挙げて説明する。なお、画像面積率[%]は次のようにしてトナー入換量[mg/page]という単位に換算して利用する。本実施形態においては、適正な現像能力を発揮した場合、A4の転写紙に対して100%のベタ画像を出力するときに300[mg]のトナーを消費し、300[mg]のトナーが補給される。よって、この場合のトナー入換量は300[mg/page]となる。ただし、画像面積率をトナー入換量に換算する場合、例えば基準の転写紙をA4横通紙に設定したときには、出力する全ての転写紙をこの基準転写紙に換算して画像面積率を換算する等の必要がある。本実施形態における現像装置20の現像剤容量は240[g]である。
図6は、横軸に画像面積率[%]をとり、縦軸に現像γ[mg/cm/kV]をとったグラフである。
このグラフは、図6に示すグラフのときと同様に、標準線速モードにおいてトナー濃度を一定に保ったまま、画像面積率ごとに100枚連続印刷を行ったときのものである。このグラフから、画像面積率が基準値である5[%]を超えると、現像γは高くなる傾向があることがわかる。よって、本実施形態のプリンタにおいては、画像面積率が5[%]よりも高い場合、目標出力値Vtrefを高くしてトナー濃度を低めに誘導し、現像γを落として画像濃度を一定にすることが望まれる。逆に、目標出力値Vtrefを高くした後に画像面積率が5[%]以下の出力した場合には、目標出力値Vtrefを低くしてトナー濃度を高めに誘導する必要がある。
図7は、目標出力値変更手段による目標出力値補正処理の流れを示すフローチャートである。
この目標出力値補正処理は各印刷のJOBの終了ごとに実行する。制御部100は、印刷JOBが終了したら、まず、直前までに印刷した過去数枚分あるいは数十枚分という一定期間内に出力した画像の画像面積率[%]の移動平均値を算出する(S1)。画像面積率[%]の移動平均値ではなく、単純な平均値でもよいが、移動平均値を用いることにより、現時点での現像剤特性を知るのに適した、過去数枚のトナー入換量の履歴を知ることができる。よって、本実施形態では移動平均値を用いることにする。この移動平均値は、簡単のため、下記の数1に示す式に従って算出したものを用いる。
Figure 0005240541
ここで、「N」は画像面積率のサンプリング数(累積枚数)であり、「M(i−1)」は前回算出した移動平均値であり、「X(i)」は今回の画像面積率である。なお、M(i)及びX(i)は色ごとに個別に算出されるものである。
本実施形態のように、前回算出した移動平均値を用いて、今回の移動平均値を求めるので、過去数枚あるいは数十枚という画像面積率のデータをRAM103に保存する必要がなくなるため、RAM103の使用領域を大幅に減少させることができる。また、累積枚数Nを適宜変更することで、制御のレスポンスを変更することが可能となる。例えば環境変動や経時において累積枚数Nを変更すると、より効果的に制御することができる。
このようにして移動平均値を算出したら、次に、制御部100は、Vtrefレジスタから目標出力値Vtrefの現在値と目標出力値Vtrefの初期値とを取得する(S2)。なお、Vtrefの初期値と現在値とは式2のように定義する。
Figure 0005240541
また、制御部100は、透磁率センサ26の感度情報を取得する(S3)。透磁率センサ26の感度は、単位が[V/wt%]で表されるものであり、センサ固有の値である(図5にプロットした直線の傾きの絶対値が感度である。)。そして、直前の透磁率センサ26の出力値Vtを取得し(S4)、上記S2で取得した目標出力値Vtrefの現在値を使って、Vt−Vtrefを算出する(S5)。その後、制御部100は、目標出力値Vtrefを補正するか否かを判断する。例えば、前回のプロセスコントロールが成功したか否か、あるいは、上記S5において算出したVt−Vtrefの結果が所定範囲内に収まっているか否か、などを判断基準とする。本実施形態では、上記S5において算出したVt−Vtrefの結果が所定範囲内に収まっているか否かを判断する(S6)。
Vt−Vtrefの結果が所定範囲内に収まっている場合、LUTを参照して補正量ΔVtrefを決定する(S7)。具体的には、まず、LUTを参照して、上記S1で算出した移動平均値に対応するトナー濃度補正量ΔTC(トナー濃度を変化させる量)を決定する。トナー濃度補正量ΔTCを決定した後、上記S3で取得した透磁率センサ26の感度を用いて、下記の数3に示す式から目標出力値の補正量ΔVtrefを算出する。算出した補正量ΔVtrefは、RAM103に保存する。なお、補正量ΔVtrefは、色ごとに個別に算出される。
Figure 0005240541
下記の表1は、透磁率センサ26の感度が0.3の場合のLUTの例を示すものである。
Figure 0005240541
本実施形態で使用するLUTは以下の手法を用いて作製した。
図8は、画像面積率の移動平均値[%]を横軸にとり、基準のトナー濃度に対して現像γを一定にするためにトナー濃度を変化させるマイナス方向のトナー濃度補正量[wt%]を縦軸にとったときのグラフである。
このグラフによれば、例えば画像面積率の移動平均値が80%の場合、トナー濃度補正量ΔTCを−1[wt%]としてトナー濃度制御を行うと、現像γが一定に保たれるということがわかる。画像面積率の移動平均値に対するトナー濃度補正量ΔTCは、対数近似がもっとも精度よく近似できる。そのため、LUTに用いる移動平均値に対するトナー濃度補正量ΔTCは、この対数近似の方法を用いて決定した。本実施形態においては、上記表1に示すように、移動平均値が10%未満の場合には補正ステップを1%ごとに設定し、移動平均値が10%以上の場合には補正ステップを10%ごとに設定した。この補正ステップは、現像剤や現像装置の特性に応じて任意に変更が可能である。
また、現像剤の使用状況は色ごとに異なるので、現像装置20ごとに補正ステップや目標出力値補正処理の実行タイミングなどの各種条件を異ならせるようにしてもよい。特に、最大補正量を色ごとに調整するのが望ましい。この場合、例えば上記数3に代えて下記の数4に示す式を用いるようにする。
Figure 0005240541
以上のようにLUTを参照して補正量ΔVtrefを決定したら(S7)、次に、制御部100は、決定した補正量ΔVtrefと上記S2で取得したVtrefの初期値とから、下記の数5に示す式から、補正後の目標出力値Vtrefを色ごとに算出する(S8)。
Figure 0005240541
次に、制御部100は、算出したVtrefの上下限処理を行う(S9)。具体的には、算出したVtrefが予め設定された上限値を越える場合には、その上限値を補正後のVtrefとする。一方、算出したVtrefが予め設定された下限値を下回る場合には、その下限値を補正後のVtrefとする。なお、算出したVtrefがこれらの上限値と下限値の間である場合には、その算出したVtrefを補正後のVtrefとする。このようにして得られた補正後のVtrefは、Vtrefの現在値としてRAM103に保存される(S10)。
本目標出力値補正処理は、連続印刷中においては、前回の現像終了時から今回の現像開始時までの間に実行するのが望ましい。このようなタイミングで行うことで、連続印刷中においても、出力画像1枚ごとに適切に補正された目標出力値Vtrefを用いてトナー濃度制御を行うことができる。
次に、本発明の特徴点について、実施例1、2に基づき説明する。
[実施例1]
まず、実施例1について、説明する。
本発明者らは、本目標出力値補正処理の追従性を確認するため現像γを変化させて実験を行った。以下に、本発明者らが行った実験について、実験1乃至3として、具体的に説明する。
[実験1]
まず、本発明者らが行った実験1について、説明する。
実験1は、標準環境設定(23℃、湿度65%)、実験開始前現像γが0.6〜1.2[(mg/cm)/kV]において本目標出力値補正処理を行い、スタートの画像面積率を0%とし、以降20枚印刷毎に画像面積率を20%増加させたときの出力画像の画像濃度(ID)の安定性を確認する実験である。なお、本目標出力値補正処理に用いる画像面積率の移動平均は、上記数1を用いて算出し、累積枚数Nを10枚に設定した。また、実験1の現像システムは、目標画像濃度(ID)を1.4に設定したものである。実験1の実験結果を図9に示す。なお、図9は、実験開始前現像γが0.6〜1.2[(mg/cm)/kV]のいずれかのときの実験結果であるが、他の現像γで行ったときの実験結果も、図9とほぼ同じ結果が得られた。図の横軸は、プリント枚数、縦軸の第1軸(図中右側)は、ΔVtref、縦軸の第2軸(図中左側)は、画像濃度(ID)をそれぞれ示している。また、図中点線は、ΔVtrefであり、図中実線は、画像濃度である。
図9からわかるように、本目標出力値補正処理を行うことで、いずれの画像面積率でも、画像濃度をほぼ一定値に保つことができることがわかった。
図9からわかるように、本現像システムにおいては、現像γが、0.6〜1.2[(mg/cm)/kV]のとき、本目標出力値補正処理を行うことで、画像濃度をほぼ一定値に保つことができることがわかった。
[実験2]
次に、実験2について説明する。
実験2は、実験開始前現像γを1.8[(mg/cm)/kV]にして、実験1と同様の実験を行った。その結果を図10に示す。
図10からわかるように、現像γが、1.8[(mg/cm)/kV]と高い場合、出力する画像の画像面積率が、20%以上となってくると、画像濃度(ID)が高くなることがわかった。
現像γが1.8[(mg/cm)/kV]と高い場合、出力する画像の画像面積率が、高くなるにつれて、画像濃度が高くなる理由は、次のように考えられる。すなわち、現像γが高い場合は、現像装置内のトナーが帯電されにくい状態となっており、現像装置内のトナーが十分帯電していない。このため、現像能力が高くなり、現像γが高くなったと考えられる。そして、現像装置内のトナーが帯電されにくい状態において、出力画像の画像面積率が高くなって、現像装置内に補給されるトナーが多くなると、次の画像形成までに現像装置内に十分帯電しないトナーが多くなる。その結果、出力画像の画像面積率が高くなるにつれて、画像濃度(ID)が高くなったと考えられる。
よって、現像γ(現像能力)が高く、現像装置内のトナーが帯電されにくい状態のときは、実験1の現像システムに比べて、現像装置内のトナー濃度を低下させて、現像装置内のトナーが、キャリアと接触する確率を増やして、現像装置内のトナーが帯電されやすい状態にする必要がある。
[実験3]
次に、実験3について説明する。
実験3は、実験開始前現像γを0.4[(mg/cm)/kV]にして、実験1と同様の実験を行った。その結果を図11に示す。
図11からわかるように、出力する画像の画像面積率が、0%〜50%の間で、画像濃度(ID)が低くなることがわかった。
現像γが0.4[(mg/cm)/kV]と低い場合、出力する画像の画像面積率が、低いときに画像濃度が低下する理由は、次のように考えられる。すなわち、現像γが低い場合は、現像装置内のトナーを帯電させやすい状態となっており、現像装置内のトナーが十分帯電しているため、現像能力が低下し、現像γが低くなったと考えられる。現像装置内のトナーを帯電させやすい状態において、出力画像の画像面積率が低く、現像装置内に補給されるトナーが少ないと、次の画像形成までに現像装置内のトナーが必要以上に帯電してしまう。その結果、出力画像の画像面積率が低いとき、画像濃度(ID)が低下したと考えられる。
よって、現像γ(現像能力)が低く、現像装置内のトナーが帯電しやすい状態のときは、実験1の現像システムに比べて、現像装置内のトナー濃度を増加させて、現像装置内のトナーが、キャリアと接触する確率を減らして、現像装置内のトナーを帯電しにくい状態にする必要がある。
なお、上述の実験1乃至3で用いた現像システムでは、現像γが0.6〜1.2[(mg/cm)/kV]で、安定した画像濃度が得られているが、現像装置の構成などによって、安定した画像濃度が得られる現像γの範囲は異なる。
上述の実験1〜3の結果を鑑み、実施例1の目標出力値変更手段の処理は、トナー入換量を把握するための情報である画像面積率と、現像装置内のトナーの帯電しやすさを把握するための情報である現像γ(現像能力)とに基づいて、目標出力値Vtrefを変更するよう構成した。
図12は、実施例1の目標出力値変更手段による目標出力値補正処理の流れを示すフローチャートである。
図に示すように、実施例1の目標出力値補正処理は、画像面積率[%]の移動平均値を算出したら、プロセスコントロール実行時に算出した現像能力である現像γを取得する(S12)。なお、実施例1では、上記プロセスコントロールは、100枚印刷毎に行っている。現像γを取得したら、上述の図7同様、目標出力値Vtrefの現在値と目標出力値Vtrefの初期値、透磁率センサ26の感度情報、直前の透磁率センサ26の出力値Vtを取得し、Vt−Vtrefを算出して、Vt−Vtrefの結果が所定範囲内に収まっているか否かを判断する(S13〜S17)。
Vt−Vtrefの結果が所定範囲内に収まっている場合(S17のYes)、取得した現像γを参照して、トナー濃度補正量ΔTCを補正する補正係数aを決定する(S18)。実施例1においては、現像γが適正範囲よりも高い場合は、補正係数aを−0.2[wt%]とし、現像γが適正範囲よりも低い場合は、補正係数aを0.2[wt%]とした。これにより、現像γが適正範囲よりも高い場合は、現像γが適正範囲にあるときのトナー濃度よりも低くなる方向にトナー濃度が補正され、現像γが適正範囲よりも低い場合は、現像γが適正範囲にあるときのトナー濃度よりも高くなる方向にトナー濃度が補正される。なお、補正係数aの値は、現像システムによって適宜設定する数値である。
次に、LUTおよび補正係数aに基づいて補正量ΔVtrefを決定する(S19)。具体的には、上述同様、LUTを参照して、算出した移動平均値に対応するトナー濃度補正量ΔTC(トナー濃度を変化させる量)を決定する。トナー濃度補正量ΔTCを決定した後、S18で決定した補正係数aで、決定したトナー濃度補正量ΔTCを補正し、透磁率センサ26の感度を用いて、下記の数6に示す式から目標出力値の補正量ΔVtrefを算出する。算出した補正量ΔVtrefは、RAM103に保存する。なお、補正量ΔVtrefは、色ごとに個別に算出される。
Figure 0005240541
以上のようにLUTと補正係数aを用いて補正量ΔVtrefを決定したら、上述同様、制御部100は、上記数5から、補正後の目標出力値Vtrefを色ごとに算出して、算出したVtrefの上下限処理を行う(S21〜S22)。
この実施例1においては、プロセスコントロールが印刷枚数100枚毎に実行されているため、トナー濃度補正量ΔTCの補正は、印刷枚数100枚毎に補正される。
また、上述では、現像装置内のトナーの帯電しやすさを把握するための情報である現像γに基づいて、トナー濃度補正量ΔTCを補正係数aで補正して、補正量ΔVtrefを修正しているが、これに限られない。例えば、現像γが高いときのLUTと、現像γが適正範囲にあるときのLUTと、現像γが低いときのLUTとをRAM103に保存しておき、現像γに応じたLUT参照して、補正量ΔVtrefを決定してもよい。この場合も、現像γが低いときのLUTを参照して決定される補正量ΔVtrefは、画像面積率の移動平均が同じでも、現像γが適正範囲にあるときのLUTを参照して決定される補正量ΔVtrefよりも低い値をとり、現像γが適正範囲にあるときによりもトナー濃度が高めに補正される。同様に、現像γが高いときのLUTを参照して決定される補正量ΔVtrefは、画像面積率の移動平均が同じでも、現像γが適正範囲にあるときのLUTを参照して決定される補正量ΔVtrefよりも高い値をとり、現像γが適正範囲にあるときによりもトナー濃度が低めに補正される。
また、上述では、LUT中の画像面積率の全範囲において、一律に0.2[Wt%]を加算または減算しているが、これに限られない。例えば、図10に示すように、現像γが高い場合は、画像面積率の移動平均が高くなるにつれて、画像濃度が高くなるので、画像面積率の移動平均が高いときのトナー濃度補正量ΔTCから減算する補正係数aを、画像面積率が低いときに減算する補正係数aよりも大きくしてもよい。同様に、図11に示すように、現像γが低い場合は、画像面積率の移動平均が低いときに、画像濃度が低くなるので、画像面積率の移動平均が低いときのトナー濃度補正量ΔTCに加算する補正係数aを、画像面積率の移動平均が高いときに加算する補正係数aよりも大きくしてもよい。また、上述では、現像γが適正範囲よりも高い場合の補正係数と、低い場合の補正係数のみであるが、現像γの値に応じて、2種類以上の値を設けてもよい。
次に、実施例1の目標出力値補正処理の性能を総合的に評価するためにショートランニング試験を行った。このショートランニング試験条件は、標準線速(120mm/s)で、下記表2に示すように画像面積率を変化させ、450枚連続通紙である。
図13は、初期現像γを適性範囲より高くした場合の試験結果であり、図14は、初期現像γを適正範囲より低くした場合の試験結果である。なお、図中実線は、現像γの値によって、トナー濃度補正量ΔTCを補正した実施例1の目標出力値補正処理の試験結果であり、図中点線は、現像γの値によって、トナー濃度補正量ΔTCを補正しない比較例の目標出力値補正処理の試験結果である。
Figure 0005240541
図13中点線の比較例の目標出力値補正処理は、出力画像が、低画像面積から高画像面積に移行したときに画像濃度IDが高くなり、ショートラン試験中常に、画像濃度が目標画像濃度(ID=1.4)より高い値となっていた。一方、図13中の実線で示した実施例1の目標出力値補正処理は、ショートラン試験全範囲において、画像濃度をほぼ目標画像濃度(ID=1.4)にすることができた。よって、実施例1の目標出力値補正処理のように、現像γが適正範囲よりも高いとき、トナー濃度補正量ΔTCに補正係数aを減算して、トナー濃度を現像γが適性範囲のときよりも低くなるように調整することで、画像濃度を一定に保つことができる。
図14中点線の比較例の目標出力値補正処理は、出力画像が、高画像面積から低画像面積に移行したときに画像濃度IDが低くなり、ショートラン試験中常に、画像濃度が目標画像濃度(ID=1.4)より低い値となっていた。一方、図14中の実線で示した実施例1の目標出力値補正処理は、ショートラン試験全範囲において、画像濃度をほぼ目標画像濃度(ID=1.4)にすることができた。よって、実施例1の目標出力値補正処理のように、現像γが適正範囲よりも低いとき、トナー濃度補正量ΔTCに補正係数aを加算して、トナー濃度を現像γが適性範囲のときよりも高くなるよう調整することで、画像濃度を一定に保つことができる。
また、上述では、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握するための情報として、現像能力である現像γを用いているが、これに限られない。環境条件が低湿低温環境下においては、現像装置内のトナーを帯電させやすいため、画像濃度が低下する。逆に、高温高湿環境下においては、現像装置内のトナーを帯電させにくいため、画像濃度が増加する。よって、装置内の環境を検知して、検知した環境条件が、低温低湿環境(10℃、湿度15%)のときは、補正量ΔTCに補正係数aを加算する。これにより、低温低湿環境下における現像装置内のトナー濃度が、標準環境下よりも高くなり、現像装置内のトナーが標準環境下よりもキャリアとの接触確率が下がり、現像装置内のトナーを帯電させにくくすることができる。その結果、低温低湿環境下において、画像濃度が低下するのを抑制することができる。また、検知した環境条件が、高温高湿環境(27℃、湿度80%)のときは、補正量ΔTCに補正係数aを減算する。これにより、高温高湿環境下における現像装置内のトナー濃度が、標準環境下よりも低くなり、現像装置内のトナーが標準環境下よりもキャリアとの接触確率が上がり、現像装置内のトナーを帯電させやすくすることができる。その結果、高温高湿環境下において、画像濃度が増加するのを抑制することができる。
なお、装置内の環境を検知する環境検知手段たる温湿度センサは、現像装置近傍に設けることが好ましいが、例えば、転写電流を決定するために用紙の搬送経路上に設けられた温湿度センサの値を用いてもよい。
また、トナーの経時変化によっても現像装置内のトナーの帯電させやすさが変化する。すなわち、トナーは、経時使用によって、外添剤が離脱するなどして、現像剤の流動性が悪化したり、トナー自体の帯電能力が低下したりして、経時変化する。このように、トナーが経時変化すると、現像装置内のトナーを帯電させにくくなり、画像濃度が高くなる。そこで、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握するための情報として、トナーの経時変化を用いて、トナーが経時変化している場合は、補正量ΔTCに補正係数aを減算して、現像装置内のトナー濃度を低くする。これにより、現像装置内のトナーがキャリアとの接触確率が上がり、現像装置内のトナーを帯電させやすくすることができ、画像濃度を良好に維持することができる。なお、トナー経時変化は、印刷枚数から把握する。すなわち、トナーが経時変化して帯電しにくくなる印刷枚数を予め実験などによって、求めておき、この印刷枚数となったら、トナーが経時変化したと把握して、補正量ΔTCに補正係数aを減算する。
また、トナー経時変化の情報と、環境情報と、現像γの情報とを用いて、現像装置内のトナーの帯電させやすさを総合的に判断して、この判断した結果に基づいて補正量ΔTCに加算または減算する補正係数aを決めてもよい。
また、上述では、補正量ΔTCに補正係数aを減算または加算して、ΔVtrefを修正しているが、ΔVtrefに補正係数を加算または減算してΔVtrefを修正してもよい。もちろん、ΔVtrefに補正係数aを乗算したり、除算したりして、ΔVtrefを修正してもよい。
[実施例2]
次に、実施例2について、説明する。
本発明者らは、本目標出力値補正処理の追従性を確認するため実験A乃至Cの実験を行った。
[実験A]
まず、本発明者らが行った実験Aについて、説明する。
実験Aは、標準環境設定(23℃、湿度65%)において本目標出力値補正処理を行い、スタートの画像面積率を0%とし、以降20枚印刷毎に画像面積率を20%増加させたときの出力画像の画像濃度(ID)の安定性を確認する実験である。なお、本目標出力値補正処理に用いる画像面積率の移動平均は、上記数1を用いて算出し、累積枚数Nを10枚に設定した。また、実験Aの現像システムは、目標画像濃度(ID)を1.4に設定したものである。実験Aの実験結果を図15に示す。なお、図の横軸は、プリント枚数、縦軸の第1軸(図中右側)は、ΔVtref、縦軸の第2軸(図中左側)は、画像濃度(ID)をそれぞれ示している。また、図中点線は、ΔVtrefであり、図中実線は、画像濃度である。
図15からわかるように、ΔVtrefが低い(トナー濃度が高い)状態から、ΔVtrefを増加(トナー濃度を減少)させた場合は、本目標出力値補正処理を行うことで、画像濃度をほぼ一定値に保つことができることがわかった。
[実験B]
次に、実験Bについて説明する。
実験Bは、実験Aと同じ環境設定、同じ現像システムを用いて、次のような条件で実験を行ったときの出力画像の画像濃度(ID)の安定性を確認したものである。すなわち、スタートの画像面積率を100%とし、以降20枚印刷毎に画像面積率を20%減少させる条件である。その結果を、図16に示す。
図16からわかるように、ΔVtrefが高い(トナー濃度が低い)状態から、ΔVtrefを減少(トナー濃度を増加)させた場合は、プリント枚数が30枚〜80枚あたりにおいて、画像濃度(ID)が目標画像濃度(1.4)よりも高い値となってしまった。この実験2により、ΔVtrefが高い(トナー濃度が低い)状態から、ΔVtrefを減少(トナー濃度を増加)させた場合は、実験1と同じ現像システムでは、出力画像の画像濃度(ID)の安定性が十分でないことがわかった。
[実験C]
次に、実験Cについて説明する。
実験Cは、実験Bと同じ環境設定、同じ実験条件とし、画像面積率の移動平均に用いる累積枚数Nを20枚に設定した現像システムを用いたときの出力画像の画像濃度(ID)の安定性を確認する実験である。その結果を、図17に示す。
図17からわかるように、画像面積率の移動平均に用いる累積枚数Nを20枚に設定した現像システムにおいては、ΔVtrefが高い(トナー濃度が低い)状態から、ΔVtrefを減少(トナー濃度を増加)させた場合において、画像濃度をほぼ一定値に保つことができ、出力画像の画像濃度(ID)の安定性を十分確保することができた。
画像面積率の移動平均の算出に用いる累積枚数Nを20枚に設定した実験Cの現像システムを用いると、画像面積率の移動平均に用いる累積枚数Nを10枚に設定した実験Bの現像システムに比べて、出力画像濃度が安定する理由は、次のように考えられる。すなわち、図16に示すように、実験Bの現像システム(累計枚数10枚に設定したシステム)においては、画像面積率が減少(例えば、100%から80%に減少)すると、ΔVtrefが急激に減少(トナー濃度が急激に増加)した後、所定の値にΔVtrefに安定している。一方、図17に示すように、実験Cの現像システム(累計枚数20枚に設定したシステム)においては、画像面積率が減少(例えば、100%から80%に減少)したとき、実験Bのシステムに比べて、ΔVtrefが徐々に減少(トナー濃度が徐々に増加)していることがわかる。これは、上述したように、本目標値補正処理は、画像面積率の移動平均とΔVtrefとが関連づけられたLUTを参照して、画像面積率の移動平均からΔVtrefが決定されている。例えば、画像面積率が、100%から80%に減少したとき、累計枚数Nが10枚の場合は、画像面積率の移動平均が80%に対応するΔVtrefとなる30枚目までΔVtrefが低下し、30枚目から40枚目までのプリントでは、画像面積率の移動平均が80%に対応するΔVtrefに設定される。一方、累計枚数Nが20枚の場合は、画像面積率の移動平均が80%に対応するΔVtrefとなる40枚目まで、ΔVtrefが低下し続ける。すなわち、累計枚数Nが10枚の場合は、20枚〜30枚の10枚の間で画像面積率の移動平均100%〜80%の間で設定されたLUTのΔVtrefの値を全て取り得る。一方、累計枚数Nが20枚の場合は、20枚〜40枚の20枚の間で画像面積率の移動平均100%〜80%の間で設定されたLUTのΔVtrefの値を全て取り得る。すなわち、実験Bにおいては、10枚で所定のトナー濃度に安定するが、実験Cでは20枚で所定のトナー濃度に安定し、実験Bよりも実験Cの現像システムの方が、変更速度が遅くなるのである。そして、このように、移動平均を算出する累計枚数Nを10枚から20枚に増やして、変更速度を遅くすることで、ΔVtrefの急激な減少が抑えられる。なお、ここで言う「変更速度」Vは、次の式で表すことができる。
=(Vtrefの変更量)/N
は、ある画像面積率を有する画像を所定回数連続出力させて所定値に安定させた目標出力値Vtref−Aから、この画像面積率と画像面積率が所定量異なる画像を連続出力したときに、目標出力値Vtref−Bに安定するまでにかかる画像形成枚数である。なお、Vtrefの変更量は、(Vtref−A−Vtref−B)である。
実験Bのシステムにおいては、出力する画像面積率が減少すると、ΔVtrefを決定するために用いられる画像面積率の移動平均が急激に低下するため、ΔVtrefが急激に低下して、トナー濃度が急激に増加する。このため、現像装置内に供給されるトナー量は、トナー濃度増加分急激に増加する。その結果、現像装置内に新しいトナーが急激に多くなり、次の画像形成までに、十分に帯電していないトナーが多くなる。その結果、画像濃度(ID)が目標IDより高くなる。特に、出力する画像面積率が高い場合は、画像形成で消費されるトナーが多いため、現像装置内に補給される新しいトナーが多い。このとき、トナー濃度が急激に増加して、その増加分について、トナーが現像装置内に供給されると、現像装置内の新しいトナーがさらに多くなる。このため、低画像面積のときに比べて、画像濃度(ID)が目標IDより高くなりやすい。一方、実験Cのシステムにおいては、出力する画像面積率が減少しても、ΔVtrefを決定するために用いられる画像面積率の移動平均が急激に低下しない。よって、ΔVtrefが徐々に低下してトナー濃度が徐々に増加する。このため、トナー濃度増加によって供給されるトナー量が徐々に増加する。従って、次の画像形成までに、現像装置内のトナー平均帯電量を所望にまで帯電させることができる。その結果、画像濃度(ID)を安定させることができる。
なお、トナー濃度が低下する場合、実験Cのように画像面積率の移動平均の算出に用いる累積枚数Nを20枚に設定すると、次のような不具合が起こる。移動平均の算出に用いる累積枚数Nを20枚に設定すると、累積枚数Nを10枚に設定したときに比べて、変更速度が遅くなり、目標トナー濃度が徐々に低下することとなる。その結果、画像出力後に補給されるトナーの目標トナー濃度減少分減る量が少なく、現像装置内に多くのトナーが供給される。また、現像装置内のトナー濃度も高いので、次の画像形成までに供給されたトナーが十分帯電できず、現像装置内のトナーの平均帯電量が所望よりも下がってしまう。その結果、画像濃度が高くなってしまう。特に、画像面積率の移動平均が低く、かつ、トナー濃度が高い場合であるときは、現像装置内に多くのトナーが存在している。このような状態から、画像面積率が高い画像が連続出力された場合は、現像装置内に多くの新しいトナーが供給される。このとき、トナー濃度の低下がゆっくりだと、現像装置内のトナーがキャリアと接触する確率がなかなかあがらず、多くのトナーが十分に帯電しない状態となって、画像濃度が高くなりやすい。
よって、累積枚数Nを10枚に設定して、目標トナー濃度をすばやく減少させた方が、累積枚数Nを20枚に設定して、目標トナー濃度を徐々に減少させるものに比べて、現像装置内のトナー平均帯電量の低下を抑制することができる。その結果、現像能力が高くなるのを抑制でき、画像濃度IDが目標IDより高くなるのを抑制することができる。
以上、実験A乃至Cを行った結果、現像装置内の目標トナー濃度を高める場合は、徐々に高めた方がよく、現像装置内の目標トナー濃度を低くする場合は、急激に下げた場合が良いことがわかった。すなわち、現像装置内の目標トナー濃度を高める場合と、現像装置内の目標トナー濃度を低くする場合とで、目標出力値Vtrefの変更の仕方を異ならせることが好ましい。
上述の実験A〜Cの結果を鑑み、実施例2の目標出力値変更手段の処理は、現像装置内の目標トナー濃度を高める方向に目標出力値Vtrefを変更するときは、現像装置内の目標トナー濃度を低める方向に目標出力値Vtrefを変更するときよりも、変更速度が長くなるよう目標出力値Vtrefを補正するようにした。具体的には、現像装置内の目標トナー濃度を高める方向に目標出力値Vtrefを変更するときの画像面積率の移動平均を算出するときの画像面積率のサンプリング数N(累積枚数)を、現像装置内のトナー濃度を低める方向に目標出力値Vtrefを変更するときの画像面積率の移動平均を算出するときの画像面積率のサンプリング数N(累積枚数)よりも多くする。このように、サンプリング数を多くすることで、現像装置内の目標トナー濃度を高める方向の画像面積率の低い画像が連続出力されたときに、変更速度を遅くすることができる。変更速度を遅くすることで、目標トナー濃度が徐々に増加するようになり、画像濃度が高くなるのを抑制することができる。
本実施例2では、現像装置内の目標トナー濃度を高める方向に目標出力値Vtrefを変更するときの画像面積率の移動平均を算出するときの画像面積率のサンプリング数N(累積枚数)を20枚とし、現像装置内の目標トナー濃度を低める方向に目標出力値Vtrefを変更するときの画像面積率の移動平均を算出するときの画像面積率のサンプリング数N(累積枚数)を10枚に設定した。なお、サンプリング数Nの値は、現像剤の特性、現像剤容量、現像装置の構成などに基づいて適宜設定する数値である。
また、現像装置内の目標トナー濃度を高める方向に目標出力値Vtrefが変更されるか、現像装置内の目標トナー濃度を低める方向に目標出力値Vtrefが変更されるかは、処理直前に出力した画像の画像面積率が、増加傾向であるか下降傾向であるかで判断することができる。具体的には、処理直前に出力した画像が、前回処理したときに算出した画像面積率の移動平均よりも大きい場合は、処理直前に出力した画像の画像面積率が、増加傾向であると判断する。一方、処理直前に出力した画像が、前回処理したときに算出した画像面積率の移動平均よりも小さい場合は、処理直前に出力した画像の画像面積率が、下降傾向であると判断する。
図18は、実施例2の目標出力値変更手段による目標出力値補正処理の流れを示すフローチャートである。
図に示すように、実施例2の目標出力値補正処理は、まず、処理直前に出力した画像の画像面積率が、増加傾向であるか否かを判定する(S31)。具体的には、前回算出した移動平均値M(i−1)から、今回の画像面積率X(i)を減算することで、判定する。M(i−1)−X(i)≦0のときは、画像面積率が増加傾向であると判定して、画像面積率のサンプリング数をN1=10枚で、移動平均値M(i)を算出する(S32)。一方、M(i−1)−X(i)>0のときは、画像面積率が増加傾向であると判定して、画像面積率のサンプリング数をN2=20枚で、移動平均値M(i)を算出する(S33)。以降、先の図7同様の処理を行って、目標出力値Vtrefを補正する(S34〜S42)。
次に、実施例2の目標出力値補正処理の性能を総合的に評価するためにショートランニング試験を行った。このショートランニング試験条件は、標準線速(138mm/s)で、先の表2に示すように画像面積率を変化させ、450枚連続通紙である。
図19は、試験結果である。なお、図中実線は、今回の画像面積率が増加傾向か下降傾向かで、移動平均を算出するために用いるサンプリング数を異ならせた実施例2の目標出力値補正処理の試験結果である。図中点線は、移動平均を算出するために用いるサンプリング数を一律10枚とした比較例の目標出力値補正処理の試験結果である。
図19中点線の比較例の目標出力値補正処理は、出力画像が、高画像面積から低画像面積に移行したときに画像濃度IDが一次的に高くなった。特に、連続して出力する画像が、高画像面積から低画像面積へとなるときの画像面積の差分が大きいほど、画像濃度が高くなる傾向が見られた。一方、図19中の実線で示した実施例2の目標出力値補正処理は、ショートラン試験全範囲において、画像濃度をほぼ目標画像濃度(ID=1.4)にすることができた。よって、実施例2の目標出力値補正処理のように、今回の画像面積率が下降傾向のとき、移動平均を算出するために用いるサンプリング数を増加傾向ときに比べて増やす処理を行って、目標トナー濃度が急激に増加しないようにすることで、画像濃度を一定に保つことができる。
また、現像装置内のトナーを帯電させやすい状態のときは、目標トナー濃度が多少急激に増加しても、現像装置内のトナーを次の画像形成までに十分帯電させることができる。しかし、現像装置内のトナーを帯電させにくい状態のときは、通常時よりもさらにゆっくり目標トナー濃度を増加させないと、現像装置内のトナーを次の画像形成までに十分帯電させることができず、画像濃度が高くなってしまう。このため、現像装置内のトナーの帯電させやすさに基づいて、変更速度を変更するのが好ましい。現像装置内のトナーの帯電させやすさに関する情報としては、装置内の環境、トナーの経時変化などが挙げられる。
現像装置内のトナーを帯電させやすさを把握する情報として、装置内環境を用いる場合は、装置内の環境を検知する環境検知手段たる温湿度センサを、現像装置近傍に設け、この温湿度センサの検知結果を上述の制御部100で取得する。すなわち、上述の制御部100が、第2情報検出手段として機能する。環境条件が低湿低温(10℃、湿度15%)環境下においては、現像装置内のトナーを攪拌したときの単位時間あたりの帯電量が多く、現像装置内のトナーを帯電させやすい。従って、このときは、標準環境(23℃、湿度65%)のときよりも移動平均に用いるサンプリング数を減らして変更速度を短くする。一方、環境条件が、高温高湿環境(27℃、湿度80%)のときは、現像装置内のトナーを攪拌したときの単位時間あたりの帯電量が少なく、現像装置内のトナーを帯電させにくい。従って、このときは、標準環境(23℃、湿度65%)のときよりも移動平均に用いるサンプリング数を増やして変更速度を遅くする。
また、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握する情報として、トナーの経時変化を用いる場合は、トナーが経時使用されて、トナーを帯電させにくい状態となったら、移動平均に用いるサンプリング数を増やして変更速度を遅くする。なお、トナー経時変化は、印刷枚数から把握する。すなわち、トナーが経時変化して帯電しにくくなる印刷枚数を予め実験などによって、求めておき、この印刷枚数となったら、移動平均に用いるサンプリング数を増やして変更速度を遅くする。
なお、トナー経時変化の情報、環境情報を用いて、現像装置内のトナーの帯電させやすさを総合的に判断して、この判断した結果に基づいて移動平均に用いるサンプリング数を決定してもよい。
以上、本実施形態の実施例1によれば、環境変動などによる現像装置内のトナーの帯電させやすさの変化にも対処して適切な画像濃度を得ることができるという優れた効果がある。
また、実施例1によれば、第2情報検出手段としての制御部100は、現像能力である現像γを検出して、現像γの値に基づいて、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握することで、精度よく、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握することができる。
また、装置内の環境情報から、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握してもよい。これにより、現像γによって現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握するものように、トナーパターンを作成せずとも、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握することができる。
また、2成分現像剤の経時変化から、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握してもよい。これにより、現像γによって現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握するものように、トナーパターンを作成せずとも、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握することができる。
また、トナー濃度制御基準値変更手段たる制御部は、所定期間内における前記現像装置内のトナー入換量を把握するための情報に基づいて決定されるトナー濃度制御基準値たる目標出力値Vtrefの補正量ΔVtrefを、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握する情報に基づいて、修正する。これにより、現像装置20の現像能力が一定に維持されるように目標出力値Vtrefを補正することができる。
また、現像装置内のトナーを帯電させやすい状態のときは、トナーが過剰に帯電して、画像濃度を低下させるおそれがあるので、画像濃度を一定するためには、通常時よりも現像装置内の目標トナー濃度を高くする必要がある。従って、現像装置内のトナーを帯電させやすい状態を示す情報を検出したときは、現像装置内の目標トナー濃度が増加する方向に目標出力値の補正量ΔVtrefを修正する。これにより、現像装置内のトナーを帯電させやすい状態のときは、画像面積率の移動平均値が同じであっても、現像装置の目標トナー濃度が通常時よりも高くなる。その結果、現像装置内のトナーがキャリアと接触する確率が通常時よりも減り、現像装置内のトナーが過剰に帯電されてしまうのを抑制することができる。これにより、画像濃度を安定させることができる。
また、先の図11に示すように、現像装置内のトナーを帯電させやすい状態のときは、所定期間内における現像装置内のトナー入換量たる画像面積率の移動平均値が低いときの方が、高いときに比べて画像濃度が低下しやすい。従って、現像装置内のトナーを帯電させやすい状態のときは、画像面積率の移動平均の低い値に対応する目標出力値の補正量ΔVtrefの修正量を、画像面積率の移動平均の高い値に対応する目標出力値の補正量ΔVtrefの修正量よりも多くする。これにより、現像装置内のトナーを帯電させやすい状態のときにおける、画像面積率の移動平均の値が低いのときの画像濃度の低下を抑制することができる。
また、現像装置内のトナーを帯電させにくいときは、次の画像形成までに現像装置内のトナーを十分に帯電させることができず、画像濃度が高くなるおそれがある。よって、トナーを帯電させにくいときは、画像面積率の移動平均値が同じであっても、現像装置の目標トナー濃度を通常時よりも低くする必要がある。従って、現像装置内のトナーを帯電させにくい状態を示す情報を検出したときは、目標トナー濃度が低くなる方向に目標出力値の補正量ΔVtrefを修正する。これにより、現像装置内のトナーを帯電させにくい状態のときは、画像面積率の移動平均値が同じであっても、現像装置の目標トナー濃度が通常時よりも低くなる。その結果、現像装置内のトナーがキャリアと接触する確率が通常時よりも増え、次の画像形成までに現像装置内のトナーを所望の平均帯電量することができる。これにより、画像濃度を安定させることができる。
また、先の図10に示すように、現像装置内のトナーを帯電させにくい状態のときは、画像面積率の移動平均値が高いときの方が、低いときに比べて画像濃度が上昇しやすい。従って、現像装置内のトナーを帯電させにくいときは、画像面積率の移動平均の高い値に対応する目標出力値の補正量ΔVtrefの修正量を、画像面積率の移動平均の低い値に対応する目標出力値の補正量ΔVtrefの修正量よりも多くする。これにより、現像装置内のトナーを帯電させにくい状態のときにおける、画像面積率の移動平均の値が高いのときの画像濃度の上昇を抑制することができる。
また、目標トナー濃度を増加する方向に補正するときの目標トナー濃度の変更速度を、減少する方向に補正するときの目標トナー濃度の変更速度より遅くした。これにより、目標トナー濃度が増加する方向に補正されるとき、目標トナー濃度が急激に増加して、現像装置内に十分帯電されていないトナーが増えて、画像濃度が高まるのを抑制することができる。また、目標トナー濃度が減少する方向に補正されるときの目標トナー濃度の変更速度は、トナー濃度が増加するときの変更速度よりも早いので、目標トナー濃度をすばやく減少させることができる。これにより、目標トナー濃度を減少させる方向に補正するときに画像濃度が高くなるのを抑制することができる。
また、トナー濃度制御基準値変更手段は、上記制御部100の検出結果から得られる上記所定期間内に形成した画像の画像面積率の移動平均値に基づいて、上記目標出力値Vtrefを変更するものである。これにより、現時点での現像剤特性を知るのに適した、過去数枚分のトナー入換量の履歴を把握することができる。その結果、目標出力値Vtrefをより適正に補正することができる。
また、目標トナー濃度が増加する方向に補正するときに、移動平均を算出するために用いるサンプリング数N(累計枚数)を、目標トナー濃度を減少する方向に補正するときよりも多くすることで、前回出力した画像面積率に対して今回出力した画像面積率が大幅に小さくても、移動平均が大幅に減少することが抑制される。その結果、トナー濃度が急激に増加するのを抑制することができ、現像能力を一定に維持して、一定の画像濃度を維持することができる。また、トナー濃度が減少する方向に変更させるときにおける、移動平均を算出するために用いるサンプリング数N(累計枚数)が、トナー濃度を増加させるときに比べて、少ない。よって、前回出力した画像面積率に対して今回出力した画像面積率が大幅に大きい場合、移動平均が大幅に上昇して、トナー濃度が急激に減少する。これにより、トナー濃度を、出力した画像の画像面積率に対応したトナー濃度にすばやく減少させることができる。これにより、現像能力を一定に維持して、一定の画像濃度を維持することができる。
また、現像装置内のトナーを帯電させやすい状態のときは、トナー濃度が多少急激に増加して、現像装置内に補給されるトナー量が多少急激に増加しても、現像装置内のトナーを次の画像形成までに十分帯電させることができる。しかし、現像装置内のトナーを帯電させにくい状態のときは、通常時よりもさらにゆっくりトナー濃度を増加させないと、現像装置内のトナーを次の画像形成までに十分帯電させることができず、画像濃度が高くなってしまう。また、現像装置内のトナーを帯電させやすい状態のときは、現像装置内のトナー濃度を多少ゆっくり減少させても現像装置内のトナーを次の画像形成までに十分帯電させることができる。しかし、現像装置内のトナーを帯電させにくい状態のときは、通常時よりもさらに急激トナー濃度を減少させないと、現像装置内のトナーを次の画像形成までに十分帯電させることができず、画像濃度が高くなってしまう。このように、現像装置内のトナーの帯電させやすさによって、トナー濃度増加時および減少時における変更速度が異なってくる。よって、第2情報検出手段たる制御部で、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握するための情報を検出して、その検出結果に基づいて前記変更速度を変更する。これにより、現像装置内の帯電させやすさが変化しても、トナー濃度増加時および減少時の画像濃度を一定に維持することができる。
また、制御部100は、現像能力である現像γを検出して、現像γの値に基づいて、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握することで、精度よく、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握することができる。
また、装置内の環境情報から、現像装置内のトナーの帯電しやすさを把握してもよい。これにより、現像γによって現像装置内のトナーの帯電しやすさを把握するものように、トナーパターンを作成せずとも、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握することができる。
また、2成分現像剤の経時変化から、現像装置内のトナーの帯電しやすさを把握してもよい。これにより、現像γによって現像装置内のトナーの帯電しやすさを把握するものように、トナーパターンを作成せずとも、現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握することができる。
また、本実施形態によれば、上記第1の目標出力値補正手段は、前回の作像終了時から次回の作像開始時までの間に上記目標出力値Vtrefの変更を行うものである。これにより、出力画像1枚ごとに適切に補正された目標出力値Vtrefを用いてトナー濃度制御を行うことができる。
レーザプリンタの主要部を示す概略構成図。 レーザプリンタが備える作像手段のうちイエロー作像手段の概略構成を示す拡大図。 レーザプリンタのトナー濃度制御を行う制御部の構成を示したブロック図。 透磁率センサの出力値を縦軸にとり、検知対象の現像剤のトナー濃度を横軸にとったグラフ。 出力画像面積率による現像γの差異を示すグラフ。 横軸に画像面積率をとり、縦軸に現像γをとったグラフ。 目標出力値補正手段による目標出力値補正処理の流れを示すフローチャート。 画像面積率の移動平均値を横軸にとり、基準のトナー濃度に対して現像γを一定にするためにトナー濃度を変化させる量を縦軸にとったときのグラフ。 実験1の結果を示す図。 実験2の結果を示す図。 実験3の結果を示す図。 実施例1の目標出力値補正処理の流れを示すフローチャート。 初期現像γを適性範囲より高くした場合における実施例1の試験結果と比較例の試験結果とを示す図。 初期現像γを適性範囲より低くした場合における実施例1の試験結果と比較例の試験結果とを示す図。 実験Aの結果を示す図。 実験Bの結果を示す図。 実験Cの結果を示す図。 実施例2の目標出力値補正処理の流れを示すフローチャート。 実施例2の試験結果と比較例の試験結果とを示す図。
符号の説明
6 中間転写ベルト
11 感光体
20 現像装置
26 透磁率センサ
27 粉体ポンプ
30 トナーカートリッジ
62 反射濃度センサ
100 制御部

Claims (6)

  1. 潜像を担持する像担持体と、
    トナーと磁性キャリアとを含む2成分現像剤によって前記像担持体上の潜像をトナー像に顕著化する現像装置と、
    前記現像装置内にトナーを補給するトナー補給装置と、
    前記現像装置内の前記2成分現像剤中のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段と、
    前記現像装置内のトナー濃度を制御するために参照されるトナー濃度制御基準値と、トナー濃度検出手段の出力値とに応じて前記トナー濃度を制御するトナー濃度制御手段と、を備えた画像形成装置において、
    所定期間内における前記現像装置内のトナー入換量を把握するための情報を検出する第1情報検出手段と、
    前記現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握するための情報を検出する第2情報検出手段と、
    前記第1情報検出手段の検出結果と前記第2情報検出手段の検出結果とに基づいて前記トナー濃度制御基準値を変更するトナー濃度制御基準値変更手段と、を備え、
    前記トナー濃度制御手段を、前記トナー濃度検出手段の出力値が、前記トナー濃度制御基準値よりも大きい場合、前記トナー補給装置を駆動して、前記現像装置内にトナーを補給し、前記トナー濃度検出手段の出力値が、前記トナー濃度制御基準値以下の場合、前記トナー補給装置の駆動を停止するよう構成し、
    前記第1情報検出手段を、前記所定期間内に形成した画像の画像面積または画像面積率を検出するよう構成し、
    前記トナー濃度制御基準値変更手段は、前記第1情報検出手段が検出した、前記所定期間内に形成した画像の画像面積または画像面積率の移動平均を算出し、算出した移動平均の値に基づいて前記トナー濃度制御基準値の補正量を算出し、前記第2情報検出手段が、前記現像装置内のトナーを帯電させやすい状態を示す情報を検出したときは、算出した前記補正量を所定量減少させ、前記第2情報検出手段が、前記現像装置内のトナーを帯電させにくい状態を示す情報を検出したときは、算出した前記補正量を所定量増加させることを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    前記第2情報検出手段は、前記現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握するための情報として、現像能力に関する情報を検出するよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1または2の画像形成装置において、
    前記第2情報検出手段は、前記現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握するための情報として、装置内の環境情報を検出するよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、
    前記第2情報検出手段は、前記現像装置内のトナーの帯電させやすさを把握するための情報として、前記2成分現像剤の経時変化を把握するための情報を検出するよう構成したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、
    前記トナー濃度制御基準値変更手段は、前記第2情報検出手段が、前記現像装置内のトナーを帯電させやすい状態を示す情報を検出したとき、かつ、前記所定期間内に形成した画像の画像面積または画像面積率の移動平均値が低いときは、算出した前記補正量の減少量を、前記所定期間内に形成した画像の画像面積または画像面積率の移動平均値が高いときに比べて、多くすることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1乃至5いずれかの画像形成装置において、
    前記トナー濃度制御基準値変更手段は、前記第2情報検出手段が、前記現像装置内のトナーを帯電させにくい状態を示す情報を検出したとき、かつ、前記所定期間内に形成した画像の画像面積または画像面積率の移動平均値が高いときは、算出した前記補正量の増加量を、前記所定期間内に形成した画像の画像面積または画像面積率の移動平均値が低いときの増加量に比べて多くすることを特徴とする画像形成装置
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