JP5435343B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
このように作像プロセスの構成要素や作像条件調整の内容に応じて様々な現象が起こり得るが、基準トナー像が"異常"になったことを検出することで作像プロセスの異常をある程度判断することができる。しかしながら、基準トナー像の異常だけでは、作像プロセスの異常が何故発生したのかまでは判断できないため、従来の画像形成装置では異常を修理するために、"異常"検知後は作像プロセスを構成する各要素の正常/異常の切り分け解析を行わなければならなかった。
基準トナー像の検知結果に基づいて制御部が作像プロセスに異常があると判断した場合、操作パネル等の報知手段によって作像プロセスに異常が発生したことをユーザーに異常が生じていることを伝達する。そして、ユーザーがサービスマンを呼び、サービスマンが異常の原因を解析し、原因箇所を修理する。このとき、従来の画像形成装置では、サービスマンは基準トナー像の画像に影響を与え得る箇所のすべてについて異常があるか否かを調べる必要があった。このため、サブホッパ内にトナーを充填するトナー充填プロセスに異常がある場合でも、現像装置等の感光体周りの作像ユニットの各要素についても切り分けて正常/異常の解析を行っていた。このため、サービスマンがトナー充填プロセスに異常があることを断定するまでに時間がかかり、サービスマンが作業をしている間のユーザーが画像形成装置を使用できないダウンタイムが長くなっていた。
或る時点からの累積トナー充填量≒或る時点からの累積トナー消費量 ・・・・(B)
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記基準トナー像検出手段の検出結果に基づいて上記基準トナー像のトナー付着量を算出するトナー付着量算出手段を備え、上記異常発生判断手段は、該トナー付着量が所定範囲外となった場合に作像工程の何処かに異常が生じたと判断することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記或る時点からの累積トナー消費量は上記或る時点からの上記トナー補給装置の動作時間に基づいて算出されることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記潜像担持体上に形成された静電潜像の面積を算出する画像面積算出手段を備え、上記或る時点からの累積トナー消費量は上記或る時点からの画像面積の累積に基づいて算出されることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1または2のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記トナー収容器から上記副トナー収容器までトナーを搬送するトナー搬送経路の途中に配置され、該トナー収容器から搬送されるトナーを一度収容し、収容したトナーを該副トナー収容器へと送り出す補助トナー収容器と、該補助トナー収容器内にトナーが所定量以上充填された状態となるように該トナー収容器から該補助トナー収容器へのトナーの供給(以下、トナー補助充填と呼ぶ)を制御するトナー補助充填制御手段とを備え、上記トナー充填制御手段は、該副トナー収容器での必要に応じて該補助トナー収容器から該副トナー収容器へのトナーの供給を制御するものであり、上記異常発生部判断手段は、異常の原因が上記トナー充填工程にあると判断した場合に、上記トナー充填の制御データと上記トナー補助充填の制御データとに基づいて異常の原因がトナー補助充填工程にあるか否かを判断することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記副トナー収容器内にトナーが所定量以上充填されているか否かを検出するトナー充填量検知手段と、上記補助トナー収容器内にトナーが所定量以上充填されているか否かを検出するトナー補助充填量検知手段と、上記トナー収容器内のトナーを該補助トナー収容器内に搬送して該補助トナー収容器へのトナーの充填を行うトナー補助充填装置と、該補助トナー収容器内のトナーを該副トナー収容器内に搬送して該副トナー収容器へのトナーの充填を行うトナー充填装置と、を備え、上記トナー補助充填制御手段は、該トナー補助充填量検知手段が該補助トナー収容器内のトナーの充填量が所定量未満であることを検出したときに該トナー補助充填装置によるトナー充填を行い、該補助トナー収容器内のトナーの充填量が所定量以上となったことを検出すると該トナー補助充填装置によるトナー充填を停止するものであり、上記トナー充填制御手段は、該トナー充填量検知手段が該副トナー収容器内のトナーの充填量が所定量未満であることを検出したときに該トナー充填装置によるトナー充填を行い、該副トナー収容器内のトナーの充填量が所定量以上となったことを検出すると該トナー充填装置によるトナー充填を停止するものであり、上記トナー充填制御手段は、前回のトナー補助充填実行時からの上記副トナー収容器へのトナーの充填量を累積して補助充填後累積トナー充填量を算出する補助充填後トナー充填量算出手段を備え、上記異常発生部判断手段は、異常の原因が上記トナー充填工程にあると判断した場合に、上記トナー補助充填の制御データと上記トナー充填の制御データとから算出される補助充填後累積トナー充填量が次の(C)式を満たさない場合に上記異常の原因がトナー補助充填工程にあると判断することを特徴とするものである。
補助充填後累積トナー充填量 < トナー補助充填停止時の補助トナー収容器内のトナー量 ・・・・(C)
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記補助充填後累積トナー充填量は前回のトナー補助充填実行時からの上記トナー充填装置の動作時間に基づいて算出されることを特徴とするものである。
図1は、本実施形態に係るカラー画像形成装置の一例であるカラー複写機(以下、複写機500と呼ぶ)を示す概略構成図である。
複写機500は、中央に画像形成装置本体としてのプリンタ部100、その下部にテーブル状に構成された給紙部200が配置され、プリンタ部100の上方にスキャナ300、スキャナ300の上方に原稿自動補給装置400を配置した構成となっている。
プリンタ部100内には、複数の支持ローラ(14、15、16)に巻き掛けられた可撓性を有する無端ベルトにより構成された像担持体としての中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、複数の支持ローラ(14,15,16)のうち1つのローラが図示していない駆動装置によって回転駆動され、これにより中間転写ベルト10が矢印で示す時計方向に表面移動するように駆動され、他のローラが従動回転する。このように表面移動する中間転写ベルト10の上部の張架部分には、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローのそれぞれの単色画像を作像する作像ユニット18が横に並べるようにして配置されている。すなわち、中間転写ベルト10の第一支持ローラ14と第二支持ローラ15との間の張架部分に、4つの作像ユニット18を配置してタンデム画像形成部20を構成している。また、第一支持ローラ14と第三支持ローラ16との間の張架部分には、中間転写ベルト10上に形成された基準トナー像である付着量制御パターンのトナーの付着量を検出するため光反射センサ605が取り付けられている。
4つの作像ユニット18は、中間転写ベルト10に接する像担持体としての感光体ドラム40を具備している。この感光体ドラム40の周りには、帯電装置56、現像装置60、クリーニング装置58、除電装置59等が配置され、さらに感光体ドラム40が中間転写ベルト10に接する位置における中間転写ベルト10の内側には一次転写装置57が設けられている。本実施形態の場合、4つの作像ユニット18は同一構造に構成されているが、現像装置60で使用するトナーの色がイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色に分けられている。また、各作像ユニット18の上方には光変調されたレーザ光Lを各感光体ドラム40表面に照射して各色に対応した静電潜像を感光体ドラム40表面上に形成する露光装置21が配置され、このレーザ光Lは帯電装置56と現像装置60の間で感光体ドラム40に照射する。
そして、図示していないスタートスイッチを押すと、複写動作が開始される。原稿自動補給装置400に原稿をセットしたときは、原稿を補給してコンタクトガラス32上へと移動した後に、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33及び第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに第二走行体34に向けて反射し、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
さらに、複写動作の開始によって給紙部200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つから転写紙を繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46内に入れる。そして、紙搬送ローラ47で搬送してプリンタ部100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。一方、手差し給紙を選択した場合には手差し給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上の転写紙を繰り出し、手差し分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
二次転写部で画像転写された後の転写紙は、二次転写装置22によって搬送して定着装置25へと送り込まれる。定着装置25で熱と圧力とを加えてフルカラー画像を定着された後の転写紙は、切り換え爪55で搬送経路を切り換えられることで排出ローラ26によって排出され、排紙トレイ27上にスタックされる。または、切り換え爪55で搬送経路を切り換えられることで転写紙反転装置28に送られ、そこで反転して再びレジストローラ49へと導かれ、二次転写部で裏面にも画像を記録された後、排出ローラ26で排紙トレイ27上に排出される。
一方、二次転写部で画像を転写紙に転写した後の中間転写ベルト10は、中間転写体クリーニング装置17によって画像転写後に表面上に残留する残留トナーが除去され、タンデム画像形成部20による次の画像形成に備える。
また、図3に示すように、現像装置60は感光体ドラム40と対向して配置され、トナーとキャリアとからなる二成分の現像剤を担持し、感光体ドラム40上の静電潜像にトナーを供給して静電潜像を現像する現像ローラ601を備える。また、現像ローラ601に供給する現像剤を収容する現像剤収容部には回転することにより現像剤を攪拌しながら軸方向に搬送する第一スクリュ602及び第二スクリュ603を備える。第一スクリュ602と第二スクリュ603とが互いに逆方向に現像剤を搬送することにより現像装置60内を現像剤が循環する。また、現像装置60の第一スクリュ602の下方には現像装置60内の現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ604が配置されている。なお、本実施形態のトナー濃度センサ604は透磁率センサである。
また、図2に示すように、複写機500では4つの作像ユニット18のうちブラック用の18Bkを中間転写ベルト10の表面移動方向の最下流側に配置している。このように配置することにより、4つの感光体ドラム40のうち、最上流側に配置されたイエロー用の40Yと最下流側に配置されたブラック用の40Bkとの間の中間転写ベルト10の移動距離分、Bk単色モードでのファーストコピー時間を短縮することが可能となっている。
次に、収容する現像剤内のトナーが消費された現像装置60にトナーを供給するトナー供給機構の参考構成例について説明する。
図4は、参考構成例の複写機500が備えるトナー供給装置600の概略説明図である。トナー供給装置600は、トナーカートリッジとしてのトナー収容器80、トナー収容器80を固定する容器固定部111、トナー収容器80のトナー袋81内のトナーを吸引する粉体ポンプ70、及び、粉体ポンプ70が吸引したトナーを充填して現像装置60へトナーを搬送するサブホッパ61等を備える。
図4において、現像装置60へ補給するトナーを収納したトナー収納手段としてのトナー収容器80はプリンタ部100に設けられた不図示のセット部にセットされる。セット部は、プリンタ部100の外装に設けられた不図示の前扉を開放すると現れ、セット部にはトナー供給装置600の一部を構成する容器固定部111が設けられている。容器固定部111にはトナー移送チューブ78を介して粉体ポンプ70と連通するノズル110が設けられており、トナー収容器80をセット部へセットするとトナー収容器80の口金部材82が容器固定部111の孔部に挿入され、トナー収容器80が容器固定部111に固定される。これにより、ノズル110がトナー収容器80の口金部材82に挿入されて接続状態になる。ノズル110の内部には、通路が設けられ、通路はノズル110の端部に接続されたトナー補給路としてのトナー移送チューブ78と連通されている。
図4に示すように、トナーが補給される現像装置60の上部に副トナー収容器としてのサブホッパ61が設けられており、トナー収容器80のトナーは一旦このサブホッパ61に収納される。そして、サブホッパ61上にはトナー収容器80のトナーをこのサブホッパ61に移送するスクリューポンプ手段としての粉体ポンプ70が設けられている。この粉体ポンプ70は、一軸偏芯スクリューポンプであって、金属などの剛性をもつ材料で偏芯したスクリュ形状に作られたロータ71と、ゴム等の弾性体で作られ、2条スクリュー形状に形成されたステータ72と、これらを包み、かつ粉体の補給路を形成する樹脂材料などで作られたフォルダ73とを有している。ロータ71は、ピン継ぎ手により連結された駆動軸74に一体連結されたギヤ75が不図示のアイドルギヤを介して第一クラッチ76と駆動連結され、第一クラッチ76のオン・オフにより粉体ポンプ70の稼働が制御される。なお、第一クラッチ76と後述する第二クラッチ68は不図示の駆動装置によって駆動される回転駆動軸79に設けられている。
図7に示すように下室63には下スクリュ66が設けられており、連通孔Bによって位置B’に供給されたトナーは下スクリュ66の回転により図7中の矢印P2方向に移動される。符号Cは、下室63と現像装置60とを連通する補給口であって矢印P2方向に移動されるトナーは補給口Cから現像装置60内へ落下して補給される。
上述のように構成されたトナー供給装置600は、現像装置60が備えるトナー濃度センサ604の検知結果に基づいて不図示の制御部より現像装置60へのトナー補給指令が発せられると、第二クラッチ68がオンとなり上スクリュ(64,65)及び下スクリュ66を作動する。上スクリュ(64,65)と下スクリュ66を作動すると、その回転時間に応じた量のトナーが現像装置60に補給される。
このように、サブホッパ61内の各スクリュが回転することによりサブホッパ61内のトナーが現像装置60内に補給されるため、サブホッパ61がトナー補給装置として機能する。また、第二クラッチ68をオンにすることでサブホッパ61内の各スクリュが回転し、第二クラッチ68をオフにすることで各スクリュの回転が停止するので、後述するトナー補給制御部310は第二クラッチ68のオン/オフを制御することにより現像装置60へのトナー補給を制御する。
トナーセンサ69がサブホッパ61内のトナー量を監視しており、そのトナー検知量が所定量を下回ると、不図示の制御部よりトナー充填命令が発せられ粉体ポンプ70が作動する。粉体ポンプ70が作動すると粉体ポンプ70内に負圧が発生し、トナー収容器80のトナーが吸引され、粉体ポンプ70の下方に配置されたサブホッパ61内へトナーが供給される。このとき、サブホッパ61へのトナー供給量は高精度に制御する必要はない。このため、任意の時間の間に粉体ポンプ70によって移送されるトナー移送量はサブホッパ61が備える上スクリュ(64,65)及び下スクリュ66の駆動によって同じ時間の間に現像装置60に補給されるトナー補給量よりも多量となるように設定されている。
このように、粉体ポンプ70が作動することによりトナー収容器80内のトナーがサブホッパ61内に充填されるため、粉体ポンプ70がトナー充填装置として機能する。このため、後述するトナー充填制御部410は粉体ポンプ70のオン/オフを制御することによりサブホッパ61へのトナー充填を制御する。
また、トナー収容器80のトナー袋81はフレキシブル容器であるので、粉体ポンプ70によるトナー移送に伴って自動的に減容される。
図8は、複写機500の制御部1のブロック図である。制御部1は、4つの各作像ユニット18ごとに設けられているが、その基本的構成はいずれも同様であるので、以下色分け符号(Y,C,M,Bk)を省略して説明する。なお、図8中の符号1aで示すの制御部1の一部(CPU101、ROM102、RAM103等)は4つの作像ユニット18間で共用されている。
さらに、制御部1は、サブホッパ61から現像装置60へのトナーの補給を制御し、必要に応じてトナーを補給し、また、累積トナー補給量を算出/保存するトナー補給制御手段としてのトナー補給制御部310を備える。トナー補給制御部310は、トナー濃度センサ604の検知結果に基づいて、現像装置60内のトナー濃度が低下したことが検出されると、第二クラッチ68をオンにする制御を行う。これにより、サブホッパ61内の各スクリュを回転させ、サブホッパ61内のトナーを現像装置60へと補給する。
また、制御部1は、表示部700に接続されており、作像プロセス異常判断部530で異常があると判断されたときに、異常が生じていることを表示部700に表示し、ユーザーやサービスマンに報知する。さらに、トナー充填異常判断部710でトナー充填工程に異常の原因があるとの判断がされた場合もその判断結果も表示部700で報知する。
参考構成例の複写機500では、画像濃度制御手段である制御部1と光反射センサ605により付着量制御パターンを検知するのだが、画像形成プロセスに何らかの不具合が生じた場合は付着量制御パターンが正常に作像されず、光反射センサ605の検知結果に基づいてそれを検出することになる。
図9に示す通紙では約4700枚目まではおよそ100枚ごとにサブホッパ内が"トナー無し"になっていたことが分かる。なお、およそ10枚の飛び石で"トナー無し"(図中の「▲プロット」)になっているのは、1回目の充填トナーの嵩が安定せず"トナー有り"と検知し、嵩が安定するおよそ10枚目に再度"トナー無し"を検知するためである。
この通紙では、約4700枚目以降にトナーセンサ69の検知面69fを清掃する検知面清掃部材(不図示)が破損してしまい、検知面69fにトナーが付着したままの状態となり、トナーセンサ69は常に"トナー有り"しか通知しなくなってしまっている(「●」プロットがなくなっている)。なお、粉体ポンプ70の駆動を制御してサブホッパ61内へのトナーの充填を制御するトナー充填制御部410は、トナーセンサ69の"トナー無し"のタイミングでトナー充填を実行する。このため、検知面清掃部材の破損のようなハード的な破損が発生すると、トナー充填を実行しなくなる(「▲」プロットもなくなっている)。
また、複写機500の制御部1のトナー補給制御部310は、前回のトナー充填実行時からのトナーの消費量を累積して累積トナー消費量を算出するトナー消費量算出手段としてのトナー消費量算出部320を備える。そして、作像プロセス異常判断部530が作像プロセスに異常があると判断した場合、トナー充填異常判断部710は、累積トナー消費量が次の(A1)式を満たさない場合に異常の原因がトナー充填工程にあると判断する。
累積トナー消費量 < トナー充填停止時のサブホッパ内のトナー量 ・・・・(A1)
なお、累積トナー消費量は、トナー充填制御データの一部である前回のトナー充填実行のタイミングのデータ(図9中の「▲」プロット)、及び、トナー補給制御データの一部である第二クラッチ68をONにし続けた時間のデータから算出される。
図11は、参考構成例の異常発生部判断手段の一つ目の参考例(参考例1と呼ぶ)の概念を説明する図である。
図11中の矢印は複写機500でのトナーの流れを示しており、サブホッパ61内のトナーセンサ69の位置にトナーが存在しておらず、トナーセンサ69が“トナー無し”を検出すると、トナー充填制御部410によってトナー充填制御が実施され、トナー収容器80内のトナーはサブホッパ61内に充填される。そして、サブホッパ61内のトナーセンサ69の位置にトナーが存在する状態までサブホッパ61へのトナーの充填が成され、トナーセンサ69が“トナー有り”を検出するとトナー充填制御部410によるトナー充填制御が終了する。また、現像装置60内のトナー濃度センサ604の検知結果に基づいて現像装置60内の現像剤のトナー濃度が所定の濃度よりも低下したことを検出するとトナー補給制御部310によってトナー補給制御が実施され、サブホッパ61内のトナーが現像装置60内に補給される。トナー補給制御はトナー補給制御部310が第二クラッチ68をONにすることにより、サブホッパ61内のスクリュが回転し、サブホッパ61内のトナーが現像装置60へ補給される。また、トナー補給制御によってサブホッパ61内のトナーが減少し、トナーセンサ69が“トナー無し”を検出すると、トナー充填制御部410によってトナー充填制御が実施される。
ここで、上記(A1)式の右辺である「トナー充填停止時のサブホッパ内のトナー量」を、トナーセンサ69が“トナー有り”を検出する高さまでサブホッパ61内にトナーが存在する状態でのサブホッパ61内のトナーの量とし、「サブホッパ容量Sv」と表現する。また、上記(A1)式の左辺である「累積トナー消費量」は、前回のトナー充填制御が終了してからのサブホッパ61から現像装置60へのトナーの補給量である累積トナー補給量Sdとする。このとき、上記(A1)は以下の(1)式のように表現することができる。
累積トナー補給量Sd < サブホッパ容量Sv ・・・(1)
ここで、トナー充填プロセスが正常であれば上記(1)式の関係が成り立つ。
このように上記(1)式の関係を満たすか否かによって、付着量制御パターンが薄くなった際に、トナー充填プロセスが正常か/異常かを他のプロセスとは切り分けて判断することができる。トナー充填プロセスの異常としては、参考構成例のように検知面清掃部材の破損に限るものではない。他の例としては、トナーセンサ69が故障し、常に“トナー有り”を検出した信号は発し続ける状態であっても上記(1)式の関係を満たさない状態となることによって、トナー充填プロセスに異常があることを検出することができる。
トナー充填プロセスに異常がある場合は表示部700でその旨が報知されるため、サービスマンがトナー充填プロセスに異常があることを断定するまでに時間を要さず、付着量制御パターンの検知結果に基づいて複写機500に異常が生じていると判断された場合の修理までのダウンタイムを低減することができる。
図12は、参考構成例の異常発生部判断手段の二つ目の参考例(参考例2と呼ぶ)の概念を説明する図である。
図12に示す参考例2の概念では、トナー収容器80からサブホッパ61を介して現像装置60にトナーを補給する構成は参考例1の概念と同様であるので説明は省略する。
上述した参考例1ではサブホッパ容量Svと、累積トナー消費量としての累積トナー補給量Sdとを比較することによってトナー充填プロセスに異常があるかどうかを判断する。一方、本参考例2では、前回のトナー充填制御が実行された後、現像装置60から感光体ドラム40に供給されて現像に用いられたトナーの量であるトナー現像量の累積値である累積トナー現像量Spを累積トナー消費量として、サブホッパ容量Svと比較することによってトナー充填プロセスに異常があるかどうかを判断する。累積トナー現像量Spは、画像面積カウンタ340が算出する画像一枚当たりの画像面積と、予め実験によって求められた静電潜像に対する単位面積当たりの目標付着量[mg/cm2]との積によって算出される一枚の画像のトナー消費量を、トナー充填制御が終了してから次のトナー充填制御が開始されるまでの間、累積しつづけることによって算出することができる。ここで次のトナー充填制御が開始された場合は累積トナー現像量Spはリセットされる。複写機500では、制御部1が備えるトナー消費量算出部320が一枚の画像の画像面積に基づいてその画像のトナー消費量を算出し、さらに算出したトナー消費量の値を前回のトナー充填実行時から累積して累積トナー現像量Spを算出する。このとき、上記(A1)は以下の(2)式のように表現することができる。
累積トナー現像量Sp < サブホッパ容量Sv ・・・(2)
ここで、トナー充填プロセスが正常であれば、上記(2)式の関係が成り立つ。
参考例2では、このような上記(2)式の関係を満たすか否かによって、付着量制御パターンが薄くなった際に、参考例1と同様にトナー充填プロセスが正常か/異常かを他のプロセスとは切り分けて判断することができる。
上述した参考構成例の複写機500では、前回のトナー充填実行時からのトナーの消費量を累積した累積トナー消費量と、トナー充填停止時のサブホッパ61内のトナー量と、が所定の関係を満たす否かによって、異常の原因がトナー充填工程にあるか否かを判断する。異常の原因がトナー充填工程にあるか否かを判断する要素としては、これに限るものではない。以下、複写機500の実施形態として、或る時点からのトナーの充填量を累積した累積トナー充填量と、或る時点からのトナーの消費量を累積した累積トナー消費量と、が所定の関係を満たす否かによって、異常の原因がトナー充填工程にあるか否かを判断する実施形態(以下、実施形態1と呼ぶ)について説明する。
実施形態1の複写機500は、異常の原因がトナー充填工程にあるか否かを判断する構成が参考構成例の複写機500と異なり、他の構成は共通するため、共通する構成については説明を省略する。
図13に示すように、実施形態1の複写機500の制御部1は、トナー充填制御部410が、或る時点からのトナーの充填量を累積して累積トナー充填量を算出するトナー充填量算出手段としてのトナー充填量算出部420を備える点で図8に示す参考構成例の制御部1と異なる。また、参考構成例のトナー消費量算出手段としてのトナー消費量算出部320が、前回のトナー充填実行時からのトナーの消費量を累積して累積トナー消費量を算出するものであるのに対して、実施形態1のトナー消費量算出部320は、或る時点からのトナーの消費量を累積して累積トナー消費量を算出する点でも実施形態1は参考構成例と異なる。
或る時点からの累積トナー充填量 ≒ 或る時点からの累積トナー消費量 ・・・・(B)
或る時点としては、通紙開始時に限らず、複写機500に異常が発生していない状態の時点で、「或る時点からの累積トナー充填量」と「或る時点からの累積トナー消費量」との「或る時点」が同時であればよい。
或る時点からの累積トナー充填量は、トナー充填制御データの一部である、或る時点から第一クラッチ76をONにし続けた時間のデータから算出される。また、或る時点からの累積トナー消費量は、トナー補給制御データの一部である、或る時点から第二クラッチ68をONにし続けた時間のデータから算出される。
図15は、実施形態1の異常発生部判断手段の一つ目の実施例(実施例1と呼ぶ)の概念を説明する図である。
図15中の矢印は実施形態1の複写機500でのトナーの流れを示している。サブホッパ61内のトナーセンサ69の位置にトナーが存在しておらず、トナーセンサ69が“トナー無し”を検出すると、トナー充填制御部410によってトナー充填制御が実施され、トナー収容器80内のトナーはサブホッパ61内に充填される。そして、サブホッパ61内のトナーセンサ69の位置にトナーが存在する状態までサブホッパ61へのトナーの充填が成され、トナーセンサ69が“トナー有り”を検出するとトナー充填制御部410によるトナー充填制御が終了する。また、現像装置60内のトナー濃度センサ604の検知結果に基づいて現像装置60内の現像剤のトナー濃度が所定の濃度よりも低下したことを検出するとトナー補給制御部310によってトナー補給制御が実施され、サブホッパ61内のトナーが現像装置60内に補給される。トナー補給制御はトナー補給制御部310が第二クラッチ68をONにすることにより、サブホッパ61内のスクリュが回転し、サブホッパ61内のトナーが現像装置60へ補給される。また、トナー補給制御によってサブホッパ61内のトナーが減少し、トナーセンサ69が“トナー無し”を検出すると、トナー充填制御部410によってトナー充填制御が実施される。
ここで、上記(B)式の左辺である「或る時点からの累積トナー充填量」は、或る時点よりトナー収容器80からサブホッパ61へのトナーの供給量とし、「累積トナー充填量Se」と表現し、上記(B)式の右辺である「或る時点からの累積トナー消費量」は、或る時点よりサブホッパ61から現像装置60へのトナーの補給量である「累積トナー補給量Sd」と表現する。このとき、上記(B)式は以下の(3)式のように表現することができる。
累積トナー充填量Se ≒ 累積トナー補給量Sd ・・・(3)
ここで、トナー充填プロセスが正常であれば上記(3)式の関係が成り立つ。
そして、図14で示す実験結果となる通紙では、第一クラッチ76をONにし続けた時間と第二クラッチ68をONにし続けた時間とをカウントしたところ、図14のグラフで示すように検知面清掃部材が破損したおよそ4700枚目以降(図14中の破線で示し領域)では上記(3)式が破綻するような履歴を辿ったことが分かった。このとき、上記(3)式の左辺と右辺のディメンジョンは、予め実験してあるトナー供給装置600による補給能力[g/sec]のデータを用いて統一した。すなわち、上記(3)式の右辺の累積トナー補給量Sdは、サブホッパ61内にトナーが十分収容されている状態で第二クラッチ68をONにしたときにサブホッパ61から現像装置60に補給されるトナーの時間当たりの補給量[g/sec]を予め実験によって求め、この値に第二クラッチ68をONにし続けた時間の値を掛けることによって算出する。また、上記(3)式の左辺の累積トナー充填量Seは、トナー収容器80内にトナーが十分収容されている状態で第一クラッチ76をONにしたときにトナー収容器80からサブホッパ61に充填されるトナーの時間当たりの充填量[g/sec]を予め実験によって求め、この値に第一クラッチ76をONにし続けた時間の値を掛けることによって算出する。
このように上記(3)式の関係を満たすか否かによって、付着量制御パターンが薄くなった際に、トナー充填プロセスが正常か/異常かを他のプロセスとは切り分けて判断することができる。
図16は、実施形態1の異常発生部判断手段の二つ目の実施例(実施例2と呼ぶ)の概念を説明する図である。
図16に示す実施例2の概念では、トナー収容器80からサブホッパ61を介して現像装置60にトナーを補給する構成は参考例1の概念と同様であるので説明は省略する。
上述した実施例1では累積トナー充填量Seと、或る時点からの累積トナー消費量としての累積トナー補給量Sdとを比較することによってトナー充填プロセスに異常があるかどうかを判断する。一方、本実施例2では、或る時点の後、現像装置60から感光体ドラム40に供給されて現像に用いられたトナーの量であるトナー現像量の累積値である累積トナー現像量Spを或る時点からの累積トナー消費量として、累積トナー充填量Seと比較することによってトナー充填プロセスに異常があるかどうかを判断する。
累積トナー現像量Spは、画像面積カウンタ340が算出する画像一枚当たりの画像面積と、予め実験によって求められた静電潜像に対する単位面積当たりの目標付着量[mg/cm2]との積によって算出される一枚の画像のトナー消費量を、或る時点からその値がリセットされるまでの間、累積しつづけることによって算出することができる。実施形態1の複写機500では、制御部1が備えるトナー消費量算出部320が一枚の画像の画像面積に基づいてその画像のトナー消費量を算出し、さらに算出したトナー消費量の値を或る時点から累積して累積トナー現像量Spを算出する。このとき、上記(B)式は以下の(4)式のように表現することができる。
累積トナー充填量Se ≒ 累積トナー現像量Sp ・・・(4)
ここで、トナー充填プロセスが正常であれば、上記(4)式の関係が成り立つ。
実施例2では、このような上記(4)式の関係を満たすか否かによって、付着量制御パターンが薄くなった際に、参考例1と同様にトナー充填プロセスが正常か/異常かを他のプロセスとは切り分けて判断することができる。
上述した参考構成例の複写機500のトナー供給装置600が備える粉体ポンプ70とサブホッパ61との組み合わせは一組である。粉体ポンプ70とサブホッパ61との組み合わせの数としては、一組に限らず複数組備えた構成であっても良い。以下、粉体ポンプ70とサブホッパ61との組み合わせを複数組備えた、トナー供給機構の三つ目の実施形態(以下、実施形態2と呼ぶ)について説明する。
図17は、実施形態2の複写機500が備えるトナー供給装置600の概略説明図である。実施形態2のトナー供給装置600は、参考構成例と同様に、トナー収容器80及びトナー収容器80を固定する容器固定部111を備える。そして、実施形態2のトナー供給装置600は、トナーの搬送経路の上流側からトナーを吸引する粉体ポンプ70と、粉体ポンプ70が吸引したトナーを充填してトナーの搬送経路の下流側へトナーを搬送するサブホッパ61との組み合わせを二組備えている点で参考構成例のトナー供給装置600と異なる。
トナー収容器80から現像装置60にトナーを供給するサブホッパ61までのトナーの搬送経路が短い場合(例えば、20[cm])は、粉体ポンプ70とサブホッパ61との組み合わせが一組のみの構成であっても、トナー収容器80から現像装置60まで問題なくトナーの搬送が可能である。
しかし、複写機500のレイアウトの都合により、トナー収容器80から現像装置60にトナーを供給するサブホッパ61までのトナーの搬送経路が非常に長くなる場合がある。例えば、トナー収容器80から現像装置60にトナーを供給するサブホッパ61までのトナーの搬送経路が200[cm]と非常に長い場合は、トナー収容器80から現像装置60にトナーを供給するサブホッパ61まで一つの粉体ポンプ70でトナーを吸引して搬送しようとすると、搬送力不足でトナー収容器80から粉体ポンプ70までの搬送経路の途中でトナーが詰まり易くなる。搬送経路の途中でトナーが詰まると、トナーセンサ69がサブホッパ61内のトナーの充填量が所定量未満であることを検出して粉体ポンプ70を駆動してもサブホッパ61に対してトナーを供給できなくなる。サブホッパ61に対してトナーを供給できないと、トナーセンサ69がサブホッパ61内のトナーの充填量が所定量未満であることを検出し続けるため、トナー充填制御部410は粉体ポンプ70を駆動し続ける。搬送力不足であるため粉体ポンプ70を駆動し続けても搬送経路の途中でトナーが詰まった状態を解消することができない。そして、粉体ポンプ70を連続駆動することで粉体ポンプ70やその駆動系の温度が上昇し、この温度上昇が原因でトナー供給装置600が破損するおそれがある。
実施形態2のトナー供給装置600は、現像装置60の上方に配置された下流側サブホッパ61aと、下流側サブホッパ61aにトナーを供給する下流側粉体ポンプ70aとを備え、さらに、トナー収容器80から下流側粉体ポンプ70aまでの間のトナー搬送経路に上流側サブホッパ61bと上流側サブホッパ61bにトナーを供給する上流側粉体ポンプ70bとを備える。
実施形態2のトナー供給装置600は粉体ポンプ70及びサブホッパ61の組み合わせを2組備えているが、各組み合わせの粉体ポンプ70及びサブホッパ61は、図5〜図7を用いて説明した参考構成例のトナー供給装置600が備える1組の粉体ポンプ70及びサブホッパ61と同様の構成である。また、トナー収容器80から上流側粉体ポンプ70bまでの搬送経路を形成する上流側トナー移送チューブ78b及び上流側サブホッパ61bから下流側粉体ポンプ70aまでの搬送経路を形成する下流側トナー移送チューブ78aは、参考構成例のトナー供給装置600が備えるトナー移送チューブ78と同様の構成である。また、実施形態2のトナー供給装置600において、トナー収容器80やプリンタ部100のセット部は参考構成例と同様の構成であり、トナー収容器80をセット部へセットすることにより、トナー収容器80内と上流側トナー移送チューブ78bとが連通する。
トナー供給装置600は、現像装置60が備えるトナー濃度センサ604の検知結果に基づいて不図示の制御部より現像装置60へのトナー補給指令が発せられると、下流側サブホッパ61aの第二クラッチ68がオンとなり上スクリュ(64,65)及び下スクリュ66を作動する。下流側サブホッパ61aの上スクリュ(64,65)と下スクリュ66を作動すると、その回転時間に応じた量のトナーが現像装置60に補給される。
このように、下流側サブホッパ61a内の各スクリュが回転することにより下流側サブホッパ61a内のトナーが現像装置60内に補給されるため、下流側サブホッパ61aがトナー補給装置として機能する。また、下流側サブホッパ61aの第二クラッチ68をオンにすることで下流側サブホッパ61a内の各スクリュが回転し、下流側サブホッパ61aの第二クラッチ68をオフにすることで各スクリュの回転が停止するので、後述するトナー補給制御部310は下流側サブホッパ61aの第二クラッチ68のオン/オフを制御することにより現像装置60へのトナー補給を制御する。
上流側サブホッパ61bが備えるトナーセンサ69は上流側サブホッパ61b内のトナー量を監視しており、そのトナー検知量が所定量を下回ると、不図示の制御部より上流側トナー充填命令が発せられ上流側粉体ポンプ70bが作動する。上流側粉体ポンプ70bが作動すると、上流側粉体ポンプ70b内に負圧が発生し、トナー収容器80内のトナーが吸引され、上流側粉体ポンプ70bの下方に配置された上流側サブホッパ61b内へトナーが供給される。このとき、上流側サブホッパ61bへのトナー供給量は高精度に制御する必要はない。このため、任意の時間の間に上流側粉体ポンプ70bによって移送されるトナー移送量は上流側サブホッパ61bが備える上スクリュ(64,65)及び下スクリュ66の駆動によって同じ時間の間に下流側トナー移送チューブ78aへのトナーの供給量よりも多量となるように設定されている。
このように、上流側粉体ポンプ70bが作動することによりトナー収容器80内のトナーが上流側サブホッパ61b内に充填されるため、上流側粉体ポンプ70bがトナー補助充填装置として機能する。このため、後述する上流側トナー充填制御部410bは上流側粉体ポンプ70bのオン/オフを制御することにより上流側サブホッパ61bへのトナー充填(以下、トナー補助充填と呼ぶ)を制御する。
また、トナー収容器80のトナー袋81はフレキシブル容器であるので、上流側粉体ポンプ70bによるトナーの移送に伴って自動的に減容される。
実施形態2のトナー供給装置600では、下流側サブホッパ61aが備えるトナーセンサ69は下流側サブホッパ61a内のトナー量を監視しており、そのトナー検知量が所定量を下回り、且つ、上流側サブホッパ61bが備えるトナーセンサ69のトナー検知量が所定量を上回っている場合は、不図示の制御部より下流側トナー充填命令が発せられ下流側粉体ポンプ70aが作動し、さらに、上流側サブホッパ61bの第二クラッチ68がオンとなり上スクリュ(64,65)及び下スクリュ66を作動する。
上流側サブホッパ61bの各スクリュが作動することにより、上流側サブホッパ61bの上スクリュ(64,65)と下スクリュ66を作動すると、その回転時間に応じた量のトナーが下流側トナー移送チューブ78aに供給される。また、下流側粉体ポンプ70aが作動することにより、下流側粉体ポンプ70a内に負圧が発生し、下流側トナー移送チューブ78a内のトナーが吸引され、下流側粉体ポンプ70aの下方に配置された下流側サブホッパ61a内へトナーが補給される。このとき、下流側サブホッパ61aへのトナー供給量は高精度に制御する必要はない。
このため、任意の時間の間に下流側粉体ポンプ70aによって移送されるトナー移送量は下流側サブホッパ61aが備える上スクリュ(64,65)及び下スクリュ66の駆動によって同じ時間の間に現像装置60に補給されるトナー補給量よりも多量となるように設定されている。また、任意の時間の間に上流側サブホッパ61bが備える上スクリュ(64,65)及び下スクリュ66の駆動によって下流側トナー移送チューブ78aに供給されるトナーの供給量は、同じ時間の間に下流側粉体ポンプ70aによって移送されるトナー移送量よりも多量となるように設定されている。
また、実施形態2のトナー供給装置600では、下流側サブホッパ61aが備えるトナーセンサ69のトナー検知量が所定量を下回っている場合であっても、上流側サブホッパ61bが備えるトナーセンサ69のトナー検知量が所定量を下回っている場合は、下流側粉体ポンプ70aは作動させない。
図18は、実施形態2の複写機500の制御部1のブロック図である。制御部1は、4つの各作像ユニット18ごとに設けられているが、その基本的構成はいずれも同様であるので、以下色分け符号(Y,C,M,Bk)を省略して説明する。なお、図18中の符号1aで示すの制御部1の一部(CPU101、ROM102、RAM103等)は4つの作像ユニット18間で共用されている。
実施形態2の制御部1は、上流側トナーセンサ69bの検知結果に応じて、上流側サブホッパ61bに対するトナー充填を実行し、また、補助累積トナー充填量を算出/保存するトナー補助充填制御手段としての上流側トナー充填制御部410bを備える。上流側トナー充填制御部410bは、上流側トナーセンサ69bが“トナー無し”を検出すると、上流側粉体ポンプ70bの第一クラッチ76をオンにする制御を行う。これにより、上流側粉体ポンプ70bが作動し、トナー収容器80内のトナーを上流側サブホッパ61bに充填するトナー補助充填が実行される。なお、上流側トナーセンサ69bが“トナー有り”を検出すると、上流側トナー充填制御部410bは第一クラッチ76をオフにする制御を行い、トナー補助充填を終了する。
さらに、実施形態2の制御部1は、下流側サブホッパ61aから現像装置60へのトナーの補給を制御し、必要に応じてトナーを補給し、また、累積トナー補給量を算出/保存するトナー補給制御手段としてのトナー補給制御部310を備える。トナー補給制御部310は、トナー濃度センサ604の検知結果に基づいて、現像装置60内のトナー濃度が低下したことが検出されると、下流側サブホッパ61aの第二クラッチ68をオンにする制御を行う。これにより、下流側サブホッパ61a内の各スクリュを回転させ、下流側サブホッパ61a内のトナーを現像装置60へと補給する。
実施形態2の複写機500の制御部1は、付着量制御パターンの付着量が異常に薄くなった場合に、トナー充填プロセスに不具合が無いかどうかを、他の作像プロセスと切り分けて判断し、さらに、トナー充填プロセスに不具合がある場合には、トナー補助充填プロセスに不具合が無いかどうかを、他のトナー充填プロセスと切り分けて判断するトナー充填異常判断部710を備えている。
これにより、異常があるか否かを調べる箇所が、トナー充填プロセス、または、それ以外の作像プロセスの何れかに限定され、異常が生じた箇所を断定するまでの時間を短縮することができ、従来の画像形成装置に比べてダウンタイムの短縮を図ることができる。
さらに、実施形態2の複写機500では、異常がある箇所がトナー充填プロセスである場合に、異常があるか否かを調べる箇所が、トナー補助充填プロセス、または、それ以外のトナー充填プロセスの何れかに限定され、異常が生じた箇所を断定するまでの時間をさらに短縮することができる。
累積トナー消費量 < トナー充填停止時の下流側サブホッパ内のトナー量 ・・・・(A2)
なお、累積トナー消費量は、トナー充填制御データの一部である前回のトナー充填実行のタイミングのデータ、及び、トナー補給制御データの一部である下流側サブホッパ61aの第二クラッチ68をONにし続けた時間のデータから算出される。
図19中の矢印は複写機500でのトナーの流れを示している。
上流側サブホッパ61b内の上流側トナーセンサ69bの位置にトナーが存在しておらず、上流側トナーセンサ69bが“トナー無し”を検出すると、上流側トナー充填制御部410bによってトナー補助充填制御が実施され、トナー収容器80内のトナーは上流側サブホッパ61b内に充填される。そして、上流側サブホッパ61b内の上流側トナーセンサ69bの位置にトナーが存在する状態まで上流側サブホッパ61bへのトナーの充填が成され、上流側トナーセンサ69bが“トナー有り”を検出すると上流側トナー充填制御部410bによるトナー補助充填制御が終了する。
下流側サブホッパ61a内の下流側トナーセンサ69aの位置にトナーが存在しておらず、下流側トナーセンサ69aが“トナー無し”を検出すると、下流側トナー充填制御部410aによってトナー充填制御が実施され、上流側サブホッパ61b内のトナーは下流側サブホッパ61a内に充填される。そして、下流側サブホッパ61a内の下流側トナーセンサ69aの位置にトナーが存在する状態まで下流側サブホッパ61aへのトナーの充填が成され、下流側トナーセンサ69aが“トナー有り”を検出すると下流側トナー充填制御部410aによるトナー充填制御が終了する。また、トナー充填制御によって上流側サブホッパ61b内のトナーが減少し、上流側トナーセンサ69bが“トナー無し”を検出すると、上流側トナー充填制御部410bによってトナー補助充填制御が実施される。
累積トナー補給量Sd < 下流側サブホッパ容量Sa ・・・(5)
ここで、トナー充填プロセスが正常であれば上記(5)式の関係が成り立つ。
このように上記(5)式の関係を満たすか否かによって、付着量制御パターンが薄くなった際に、トナー充填プロセスが正常か/異常かを他のプロセスとは切り分けて判断することができる。
補助充填後累積トナー充填量 < トナー補助充填停止時の上流側サブホッパ内のトナー量 ・・・・(C1)
補助充填後累積トナー充填量は、トナー補助充填制御データの一部である前回のトナー補助充填実行のタイミングのデータ、及び、トナー充填制御データの一部である上流側サブホッパ61bの第二クラッチ68をONにし続けた時間のデータから算出される。
補助充填後累積トナー充填量Sc < 上流側サブホッパ容量Sb ・・・(6)
ここで、トナー補助充填プロセスが正常であれば上記(6)式の関係が成り立つ。
このように上記(6)式の関係を満たすか否かによって、トナー充填プロセスに異常があると判断された際に、トナー補助充填プロセスが正常か/異常かを他のトナー充填プロセスとは切り分けて判断することができる。
トナー充填プロセスに異常がある場合は、トナー補助充填プロセスに異常があるか、それ以外のトナー充填プロセスに異常があるかが表示部700で報知されるため、サービスマンがトナー充填プロセスに異常があることを断定するまでに時間を要さず、付着量制御パターンの検知結果に基づいて複写機500に異常が生じていると判断された場合の修理までのダウンタイムを低減することができる。
累積トナー消費量 < トナー充填停止時のサブホッパ内のトナー量 ・・・・(A1)
この(A1)式を満たすか否かを判断することによって、トナー充填データとトナー補給データとに基づいてトナー充填工程に異常があるか否かを判断する構成を実現することができる。
或る時点からの累積トナー充填量≒或る時点からの累積トナー消費量 ・・・・(B)
この(B)式を満たすか否かを判断することによって、トナー充填データとトナー補給データとに基づいてトナー充填工程に異常があるか否かを判断する構成を実現することができる。
実施形態2の複写機500では、参考構成例と同様に、作像プロセス異常判断部530が作像工程の何処かに異常が生じていると判断した場合、トナー充填異常判断部710がトナー充填工程に異常があるか否かを判断してその判断結果を表示部700に表示して報知することにより、ユーザーやサービスマンに異常の原因がトナー充填工程にあるか否かを伝達することができる。このため、表示部700でトナー充填工程に異常があることを表示している場合はトナー充填工程を構成するトナー収容器80から下流側サブホッパ61aまでの工程のみの正常/異常の解析を行えばよい。一方、表示部700がトナー充填工程に異常があることを表示していない場合はトナー収容器80から下流側サブホッパ61aにトナーを充填するまでの工程の正常/異常の解析は行わなくてよい。このため付着量制御パターンに基づいて作像工程の異常を検知した場合に、異常を修理するまでのダウンタイムの短縮を図ることができる。さらに、実施形態2の複写機500では、トナー充填異常判断部710がトナー充填工程に異常があると判断した場合に、トナー充填異常判断部710はトナー補助充填工程に異常があるか否かを判断してその判断結果を表示部700に表示して報知する。これにより、表示部700でトナー補助充填工程に異常があることを表示している場合はトナー補助充填工程を構成するトナー収容器80から上流側サブホッパ61bまでの工程のみの正常/異常の解析を行えばよい。一方、表示部700がトナー充填工程に異常があり、トナー補助充填工程には異常が無いことを表示している場合は、上流側サブホッパ61bから下流側サブホッパ61aまでの工程のみの正常/異常の解析を行えばよい。このため、付着量制御パターンに基づいて作像工程の異常を検知した場合に、異常を修理するまでのダウンタイムの更なる短縮を図ることができる。
補助充填後累積トナー充填量 < トナー補助充填停止時の上流側サブホッパ内のトナー量 ・・・・(C1)
この(C1)式を満たすか否かを判断することによって、トナー補助充填データとトナー充填データとに基づいてトナー補助充填工程に異常があるか否かを判断する構成を実現することができる。
10 中間転写ベルト
17 中間転写体クリーニング装置
18 作像ユニット
20 タンデム画像形成部
21 露光装置
22 二次転写装置
25 定着装置
40 感光体ドラム
56 帯電装置
57 一次転写装置
58 クリーニング装置
59 除電装置
60 現像装置
61 サブホッパ
61a 下流側サブホッパ
61b 上流側サブホッパ
68 第二クラッチ
69 トナーセンサ
69a 下流側トナーセンサ
69b 上流側トナーセンサ
69f 検知面
70 粉体ポンプ
70a 下流側粉体ポンプ
70b 上流側粉体ポンプ
76 第一クラッチ
80 トナー収容器
100 プリンタ部
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 I/Oユニット
110 ノズル
111 容器固定部
200 給紙部
300 スキャナ
310 トナー補給制御部
320 トナー消費量算出部
340 画像面積カウンタ
400 原稿自動補給装置
410 トナー充填制御部
410a 下流側トナー充填制御部
410b 上流側トナー充填制御部
420 トナー充填量算出部
500 複写機
510 電位制御部
520 付着量算出部
530 作像プロセス異常判断部
600 トナー供給装置
601 現像ローラ
604 トナー濃度センサ
605 光反射センサ
700 表示部
710 トナー充填異常判断部
Sa 下流側サブホッパ容量
Sb 上流側サブホッパ容量
Sc 累積トナー充填量
Sd 累積トナー補給量
Se 累積トナー充填量
Sv サブホッパ容量
Claims (7)
- 静電潜像を担持する潜像担持体と、
該潜像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
該潜像担持体上に形成された静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、
該現像装置に供給するトナーを収納したトナー収容器と、
該トナー収容器から該現像装置までトナーを搬送するトナー搬送経路の途中に配置され、該トナー収容器から搬送されるトナーを一度収容し、収容したトナーを該現像装置へと送り出す副トナー収容器と、
該副トナー収容器内にトナーが所定量以上充填された状態となるように該トナー収容器から該副トナー収容器へのトナーの供給(以下、トナー充填と呼ぶ)を制御するトナー充填制御手段と、
該現像装置での必要に応じてなされる該副トナー収容器から該現像装置へのトナーの供給(以下、トナー補給と呼ぶ)を制御するトナー補給制御手段と、
該潜像担持体上または該潜像担持体からトナー像の転写を受けた像担持体上に形成された予め定められた形状のトナー像である基準トナー像を検出する基準トナー像検出手段と、
該基準トナー像検出手段の検出結果に基づいて作像条件を調整して画像濃度を制御する画像濃度制御手段と、
該基準トナー像検出手段の検出結果に基づいて作像工程の何処かに異常が生じているか否かの判断を行う異常発生判断手段とを有する画像形成装置において、
上記異常発生判断手段が作像工程の何処かに異常が生じていると判断した場合に、上記トナー充填の制御データと上記トナー補給の制御データとに基づいて異常の原因がトナー充填工程にあるか否かを判断する異常発生部判断手段と、
該異常発生部判断手段の判断結果を報知する報知手段とを有し、
上記トナー収容器内のトナーを上記副トナー収容器内に搬送して該副トナー収容器へのトナーの充填を行うトナー充填装置と、
該副トナー収容器内のトナーを上記現像装置内に搬送して該現像装置へのトナーの補給を行うトナー補給装置と、
或る時点からのトナーの充填量を累積して累積トナー充填量を算出するトナー充填量算出手段と、
上記或る時点からのトナーの消費量を累積して累積トナー消費量を算出するトナー消費量算出手段とを備え、
上記異常発生判断手段が作像工程の何処かに異常が生じていると判断した場合、上記異常発生部判断手段は、上記トナー充填の制御データと上記トナー補給の制御データとから算出される上記或る時点からの累積トナー充填量及び或る時点からの累積トナー消費量が次の(B)式を満たさない場合に上記異常の原因がトナー充填工程にあると判断することを特徴とする画像形成装置。
或る時点からの累積トナー充填量≒或る時点からの累積トナー消費量 ・・・・(B) - 請求項1の画像形成装置において、
上記基準トナー像検出手段の検出結果に基づいて上記基準トナー像のトナー付着量を算出するトナー付着量算出手段を備え、
上記異常発生判断手段は、該トナー付着量が所定範囲外となった場合に作像工程の何処かに異常が生じたと判断することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記或る時点からの累積トナー消費量は上記或る時点からの上記トナー補給装置の動作時間に基づいて算出されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記潜像担持体上に形成された静電潜像の面積を算出する画像面積算出手段を備え、
上記或る時点からの累積トナー消費量は上記或る時点からの画像面積の累積に基づいて算出されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
上記トナー収容器から上記副トナー収容器までトナーを搬送するトナー搬送経路の途中に配置され、該トナー収容器から搬送されるトナーを一度収容し、収容したトナーを該副トナー収容器へと送り出す補助トナー収容器と、
該補助トナー収容器内にトナーが所定量以上充填された状態となるように該トナー収容器から該補助トナー収容器へのトナーの供給(以下、トナー補助充填と呼ぶ)を制御するトナー補助充填制御手段とを備え、
上記トナー充填制御手段は、該副トナー収容器での必要に応じて該補助トナー収容器から該副トナー収容器へのトナーの供給を制御するものであり、
上記異常発生部判断手段は、異常の原因が上記トナー充填工程にあると判断した場合に、上記トナー充填の制御データと上記トナー補助充填の制御データとに基づいて異常の原因がトナー補助充填工程にあるか否かを判断することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項5の画像形成装置において、
上記副トナー収容器内にトナーが所定量以上充填されているか否かを検出するトナー充填量検知手段と、
上記補助トナー収容器内にトナーが所定量以上充填されているか否かを検出するトナー補助充填量検知手段と、
上記トナー収容器内のトナーを該補助トナー収容器内に搬送して該補助トナー収容器へのトナーの充填を行うトナー補助充填装置と、
該補助トナー収容器内のトナーを該副トナー収容器内に搬送して該副トナー収容器へのトナーの充填を行うトナー充填装置と、を備え、
上記トナー補助充填制御手段は、該トナー補助充填量検知手段が該補助トナー収容器内のトナーの充填量が所定量未満であることを検出したときに該トナー補助充填装置によるトナー充填を行い、該補助トナー収容器内のトナーの充填量が所定量以上となったことを検出すると該トナー補助充填装置によるトナー充填を停止するものであり、
上記トナー充填制御手段は、該トナー充填量検知手段が該副トナー収容器内のトナーの充填量が所定量未満であることを検出したときに該トナー充填装置によるトナー充填を行い、該副トナー収容器内のトナーの充填量が所定量以上となったことを検出すると該トナー充填装置によるトナー充填を停止するものであり、
上記トナー充填制御手段は、前回のトナー補助充填実行時からの上記副トナー収容器へのトナーの充填量を累積して補助充填後累積トナー充填量を算出する補助充填後トナー充填量算出手段を備え、
上記異常発生部判断手段は、異常の原因が上記トナー充填工程にあると判断した場合に、上記トナー補助充填の制御データと上記トナー充填の制御データとから算出される補助充填後累積トナー充填量が次の(C)式を満たさない場合に上記異常の原因がトナー補助充填工程にあると判断することを特徴とする画像形成装置。
補助充填後累積トナー充填量 < トナー補助充填停止時の補助トナー収容器内のトナー量 ・・・・(C) - 請求項6の画像形成装置において、
上記補助充填後累積トナー充填量は前回のトナー補助充填実行時からの上記トナー充填装置の動作時間に基づいて算出されることを特徴とする画像形成装置。
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