JP5725403B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、潜像担持体の表面上にドット状の静電潜像であるドット潜像を形成し、これを現像して得たトナー像を最終的に記録材上に転写して画像形成を行う、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
電子写真方式のデジタル画像形成装置においては、潜像担持体の表面上にドット潜像を形成し、例えば反転現像であれば露光された静電潜像部分にトナーが付着し、正規現像であれば露光されていない非静電潜像部分にトナーが付着することで、トナー像が形成される。以下、反転現像を例に挙げて説明する。現像により潜像担持体の静電潜像部分に付着するトナーの量は、静電潜像面積、現像ポテンシャル(現像剤担持体表面と潜像担持体上の静電潜像との電位差)、トナーの帯電量などによって決まる。そして、出力画像上の階調あるいは濃淡は、一般に、基本ドットマトリクス(例えば9×9ドット)当たりのドット潜像の数を制御したり(以下、「面積階調制御」という。)、1ドットのドット潜像に付着するトナーの付着量を制御したり(以下、「濃度階調制御」という。)、これらの制御を組み合わせたりすることにより実現する。具体的には、面積階調制御であれば基本ドットマトリクス当たりのドット潜像の数を多くし、濃度階調制御であれば露光時間を長くすることで、出力画像の高濃度部を実現できる。逆に、面積階調制御であれば基本ドットマトリクス当たりのドット潜像の数を少なくし、濃度階調制御であれば露光時間を短くすることで、出力画像の低濃度部を実現できる。
近年、高画質化によるドット潜像の書込密度(ドット潜像密度)の向上と画像形成速度の向上により、1ドット当たりの光書込時間が短くなってきている。そのため、1ドット当たりの光書込時間を変更することで画像の階調を表現する濃度階調制御では、分解能を上げることが難しく、濃度階調制御により制御できる1ドット当たりの階調数は減少している。例えば、1200dpi〜4800dpiのように高密度なドット潜像を形成する高速な画像形成装置においては、濃度階調制御により実現可能な1ドット当たりの階調数は4階調程度である。そのため、多段階の階調を再現するためには面積階調制御を採用するのが望ましい。
一方、多くの画像形成装置では、画質維持のため、所定のタイミングで様々な濃度調整制御を実行する(特許文献1や特許文献2)。具体的には、例えば、互いに画像濃度が異なるように形成された複数の潜像パッチ(静電潜像)からなる画像濃度調整用のパッチパターンを書き込み、そのパッチパターンの各潜像パッチの電位を検知する。その後、このパッチパターンを現像し、その現像後のパッチパターンの各パッチ(トナーパッチ)に付着しているトナーの付着量を検知する。そして、検知した潜像電位から求まる現像ポテンシャルとトナー付着量との関係から、所定の濃度指標値(例えば基準画像濃度(例えばベタ画像の目標濃度)となる所定のトナー付着量を得るための現像ポテンシャル)を算出し、この濃度指標値に基づいて各種作像条件を調整し、画像濃度を安定させる制御を行う。
このような濃度調整制御を行うにあたっては、現像ポテンシャルとトナー付着量との関係を高精度に検出することが重要となる。そして、この関係を高い精度で得るには、一般に、幅広い濃度範囲にわたって多数の潜像パッチが分布した多階調のパッチパターンを形成することが望まれる。しかしながら、濃度調整制御の時間短縮化に伴い、形成できる潜像パッチ数には制限がかかるため、なるべく少ない数の潜像パッチからなる多階調パッチパターンで上述した関係を高精度に検出することが要求される。この要求に応えるためには、なるべく少ない数の潜像パッチをなるべく広い濃度範囲に分布させた多階調パッチパターンが望まれる。
ところが、従来の画像形成装置では、低濃度部(ハイライト部)の潜像パッチに付着するトナーの付着量が本来のトナー付着量よりも多く付着するという現象が生じていた。そのため、現像ポテンシャルとトナー付着量との関係を検出する際に低濃度部の潜像パッチのトナー付着量を用いると、当該関係の検出精度が落ちてしまう。また、このような低濃度部の潜像パッチのトナー付着量を用いずに現像ポテンシャルとトナー付着量との関係を検出すると、その関係を検出するのに用いるパッチの濃度分布範囲が狭くなるので、当該関係を高い精度で検出することが難しくなる。
図65は、従来の画像形成装置において検知した現像ポテンシャルとトナー付着量との関係を多数プロットしたグラフである。
現像ポテンシャルとトナー付着量との関係は、線形関係であり、そのプロットした点を直線近似して得られる直線の傾きと切片によって特定することができる。図65に示した近似直線は、高濃度部における複数の潜像パッチについて求めたものである。図65に示すように、高濃度部における潜像パッチのプロット点はいずれも近似直線に近く、近似直線の精度が高いことが伺える。一方、低濃度部における潜像パッチのプロット点を見ると、この近似直線に対してトナー付着量が多い側へ大きく外れている。この結果から、低濃度部における潜像パッチのトナーの付着量が本来のトナー付着量よりも多く付着していることが確認できる。
図65に示すグラフの例では、高濃度部における潜像パッチを多くして高濃度部の潜像パッチだけでもある程度高い精度で近似直線を求めることができている。しかしながら、上述したように、近年の濃度調整制御の時間短縮化に伴い、形成できるパッチ数には制限があるので、高濃度部だけの狭い濃度範囲内で数少ない潜像パッチから高い精度の近似直線を得ることは難しい状況となっている。
図66は、低濃度の潜像パッチを濃度階調制御で作成した例を示す説明図である。
図66に示した濃度階調制御の低濃度潜像パッチは、基本ドットマトリクス(9×9ドット)全体のドットに対して光が照射されて、基本ドットマトリクス全体の電位が濃度に応じて一様に落とされる。そして、付着する全トナーの総帯電量が、現像バイアスVbと基本ドットマトリクス全体の合計潜像電位との差分値(現像ポテンシャル)と等しくなる量のトナーがこの低濃度潜像パッチに付着することになる。この低濃度潜像パッチに付着するトナーの付着量のイメージは、図66の下部に示すようなものとなる。この場合、この低濃度潜像パッチのトナー付着量はおおよそ目標量となり、狙いの画像濃度が得られる。
図67は、電位計により図66に示した潜像パッチと同じ潜像電位が検知される潜像パッチを従来の画像形成装置における面積階調制御で作成した場合の一例を示す説明図である。
図67に示した面積階調制御の低濃度潜像パッチは、基本ドットマトリクス(9×9ドット)内の左上隅3×3ドット分と右下隅3×3ドット分にドット潜像が書き込まれたもので、左上隅や右下隅においてドット潜像が集中している。1ドットの潜像書込時に照射される光のスポット径は一般に1つのドット潜像よりも大きいので、1ドットの潜像書込時には隣接ドットにも光が照射される。そのため、図67に示した低濃度潜像パッチのようにドット潜像が集中した箇所が存在する場合、書込光が重ねて照射されるドット潜像(特に3×3ドットの中央に位置するドット潜像)の潜像電位は予定の電位よりも大きく落ち込み、現像ポテンシャルが予定よりもずっと大きなものとなる。ところが、このような低濃度潜像パッチを一般的な電位計で検知した場合、その検知結果はこのように大きく落ち込んだ電位を基本ドットマトリクス全体で平均した値と同様の値(すなわち図66に示した濃度階調制御の低濃度潜像パッチと同様の値)をとることになる。ところが、このように局所的に大きく落ち込んだ電位部分に付着するトナー付着量のイメージは、図67の下部に示すようなものとなり、図66に示した濃度階調制御の低濃度潜像パッチの場合と比較してトナー付着量が多いものとなる。そして、このようにトナー付着量が多くなるという不具合は、基本ドットマトリクス全体のドット数に対するドット潜像数の比率が低い低濃度部ほど顕著なものとなる。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、より少ないパッチ数の多階調パッチパターンで高精度な濃度調整制御が可能な画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体の表面が目標帯電電位となるように該表面を一様に帯電させる帯電手段と、画像データに基づいて、該帯電手段により帯電された該潜像担持体の表面を露光してドット状の静電潜像であるドット潜像を形成する静電潜像形成手段と、該潜像担持体の表面上の静電潜像部分又は非静電潜像部分にトナーを静電的に付着させて現像する現像手段と、該現像手段の現像により該潜像担持体の表面上に形成されたトナー像を、最終的には記録材上に転写させる転写手段と、多階調のパッチパターンを該静電潜像形成手段により該潜像担持体の表面に形成し、該多階調のパッチパターンにおける各潜像パッチの電位を電位検知手段により検知するとともに、該各潜像パッチを該現像手段により現像して得た各トナーパッチのトナー付着量をトナー付着量検知手段により検知し、これらの検知結果に基づいて画像濃度調整制御を行う画像濃度調整制御手段とを備えた画像形成装置において、上記多階調のパッチパターンを構成する潜像パッチのうち所定の低濃度範囲に属する1又は2以上の低濃度潜像パッチは、面積階調制御の最小画素単位である基本ドットマトリクスが周期的に配置され、かつ、対応する濃度に応じて該基本ドットマトリクス内におけるドット潜像の数及び配置が1つのドット潜像又は2以上のドット潜像群からなる単位ドット潜像の単位で決められたものであり、上記1又は2以上の低濃度潜像パッチの一部又は全部は、単位ドット潜像の中心間距離の中で最小値となる最小中心間距離が最大となるように基本ドットマトリクス内における単位ドット潜像の配置が決められたドット離散潜像パッチであり、上記静電潜像形成手段が画像データに基づいて上記所定の低濃度範囲に属する濃度に対応したドット潜像を形成するときの上記基本ドットマトリクス内におけるドット潜像の配置は、複数の単位ドット潜像が互いに隣接するものを含むことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、上記1又は2以上の低濃度潜像パッチは、基本ドットマトリクス内に2以上の単位ドット潜像が配置されたものであって、基本ドットマトリクス内のいずれの箇所に追加の単位ドット潜像を配置しても最大となる最小中心間距離が変わらない単位ドット潜像の配置を備えた潜像パッチの中で最も低い濃度に対応した潜像パッチよりも濃度が低い全潜像パッチであることを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項1又は2に記載の画像形成装置において、上記画像濃度調整制御手段が行う画像濃度調整制御は、上記電位検知手段により検知した各潜像パッチの電位と該各潜像パッチを上記現像手段により現像したときの現像バイアスとから現像ポテンシャルを算出し、上記トナー付着量検知手段により検知した該各潜像パッチに対応した各トナーパッチのトナー付着量と該各潜像パッチに対応する現像ポテンシャルとの関係を直線近似し、直線近似した当該関係から基準画像濃度に対応する所定のトナー付着量が得られる現像ポテンシャルを特定し、上記帯電手段の目標帯電電位、上記現像手段の現像バイアス、上記静電潜像形成手段の露光パワーのうちの1つ以上の作像条件を制御するものであることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、上記静電潜像形成手段の光源は、面発光レーザーであることを特徴とする。
本発明においては、画像濃度調整制御に用いる多階調のパッチパターンを構成する潜像パッチのうち、少なくとも所定の低濃度範囲に属する1又は2以上の低濃度潜像パッチについては、面積階調制御により濃度に対応した潜像パッチを形成する。当該1又は2以上の低濃度潜像パッチは、面積階調制御の最小画素単位である基本ドットマトリクスが周期的に配置された構造をとったもので、対応する濃度に応じて基本ドットマトリクス内におけるドット潜像の数及び配置が単位ドット潜像の単位で決められたものである。そして、本発明では、当該1又は2以上の低濃度潜像パッチの一部又は全部が、パッチ全体に配置された各単位ドット潜像の中心間距離の中で最小値となる最小中心間距離が最大となるように基本ドットマトリクス内における単位ドット潜像の配置が決められたドット離散潜像パッチとなっている。このようなドット離散潜像パッチは、対応する濃度を得るために基本ドットマトリクス内に必要なドット潜像の数を単位ドット潜像の単位で配置する際、各単位ドット潜像が互いに最も離れた配置となり、静電潜像形成手段による露光が重なって潜像電位が予定の電位よりも大きく落ち込むドット潜像の数を減らすことができる。また、静電潜像形成手段による露光が重なって潜像電位が予定の電位よりも大きく落ち込むドット潜像の電位の落ち込み度合いを軽減することができる。よって、低濃度潜像パッチにおいて予定のトナー付着量よりもトナー付着量が多くなるという不具合が抑制される。その結果、パッチ数が少ない多階調パッチパターンを用いて画像濃度調整制御の濃度指標値を得るための関係(例えば現像ポテンシャルとトナー付着量との関係)を検出する際に、当該低濃度潜像パッチのトナー付着量の検知結果を用いても、その検出精度を落とすようなことはない。したがって、低濃度部を含む幅広い濃度範囲内に分散させた潜像パッチからなる多階調パッチパターンを用いて当該関係を検出することができる。よって、当該関係を高精度に検出することができ、高精度な濃度調整制御が可能となる。
以上、本発明によれば、より少ないパッチ数の多階調パッチパターンで高精度な濃度調整制御が可能となるという優れた効果が得られる。
本実施形態に係る複写機を示す概略構成図。 同複写機における中間転写ユニットとその周囲構成とを示す拡大構成図。 同複写機の中間転写ベルトとその表面に形成された階調パターン像とを示す模式図。 同複写機のセンサユニットにおける第二センサを示す拡大構成図。 同センサユニットにおける第一センサを示す拡大構成図。 第一センサに適用可能な拡散反射型センサの構成図。 同複写機における4つの画像形成ユニットのうち、2つを示す拡大構成図。 露光装置の光学系の概略構成図。 露光装置の光学系の各部材間の距離の説明図。 光源として用いる二次元アレイの説明図。 光量モニタ部の説明図。 第1開口板の説明図、(a)は、斜視図、(b)は、(a)中のX−Y平面の断面図。 第2開口板の斜視説明図。 光束F0の光強度分布の説明図、(a)は、光強度分布、(b)は、各開口板を通過する光束の分布の説明図。 光束F0の光強度分布の説明図、(a)は、光強度分布、(b)は、各開口板を通過する光束の分布の説明図。 光束F0の光強度分布の説明図、(a)は、光強度分布、(b)は、各開口板を通過する光束の分布の説明図。 光束F0の光量を一定と仮定した場合の光束F0及び光束Fsの発散角と光量との関係を示すグラフ。 光束Fsの光量を一定とするように調整が成された場合の光束F0及び光束Fsの発散角と光量との関係の一例を示すグラフ。 光束F0の発散角と第1開口板で反射される光束の光量との関係を示すグラフ。 光束F0の発散角とフォトダイオードで受光される光束の光量との関係を示すグラフ。 (光束Fsの光量/光束Fmの光量)を一定としたときの、D4と光束Fmの光量との関係を示すグラフ。 D3とD4と(K2/K1)との関係を示すグラフ。 付着物が受光面中央に付着しているときの、結像レンズからフォトダイオードまでの距離とフォトダイオードの出力の低下量との関係を示すグラフ。 フォトダイオードの受光面と受光領域との説明図。 面発光レーザアレイの断面構造の概略図。 図25中の領域Eの拡大説明図。 図26とは別の材料で作製した例の図25中の領域Eの拡大説明図。 感光体作製例で得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線回折スペクトルを表した図。 水ペーストの乾燥粉末のX線回折スペクトルを表した図。 同複写機の電気回路の要部を示すブロック図。 同複写機の制御部によって行われるセルフチェックにおける制御フローを示すフローチャート。 同複写機における各機器のオンオフタイミングを示すタイミングチャート。 LEDの発光開始初期における発光特性を示すグラフ。 LEDの周囲温度Taと、LEDの許容順電流IFとの関係を示すグラフ。 長期的な使用に伴うLEDの発光量変化特性を示すグラフ。 基準パッチのトナー付着量と、VspやVsgとの関係を示すグラフ。 基準パッチのトナー付着量と、△Vspや△Vsgと、感度補正係数αとの関係を示すグラフ。 基準パッチのトナー付着量と、拡散反射成分と、正反射成分との関係を示すグラフ。 基準パッチのトナー付着量と、正反射光における正反射成分の正規化値との関係を示すグラフ。 基準パッチのトナー付着量と、△Vsp_difと、地肌部変動補正量との関係を示すグラフ。 市販遮光における正反射成分の正規化値と、地肌部変動補正後の拡散光による出力値との関係を示すグラフ。 露光Dutyが32/64値のハーフトーン画像の説明図。 露光Dutyが32/64値のハーフトーン画像の他の例の説明図。 露光装置に搭載された、光源ドライバ、光源、両者が実装される基板、この基板上で光源ドライバと光源の各発光部とを電気的に接続する配線を示した概略図。 同光源ドライバと光源の各発光部とを接続する配線の等価回路の概要を示す説明図。 発光部を発光させるときの時定数と立ち上がり特性を示すグラフ。 パターン例1における10階調パターンを示す説明図。 パターン例2における10階調パターンを示す説明図。 各パターン例について、その10階調パターンの各パッチ電位の検知結果から計算した現像ポテンシャルと各パッチのトナー付着量との関係をプロットしたグラフ。 最もドット潜像を平均的に離散させる配置を説明する説明図。 注目ドットに対する隣接主走査ドットラインと隣接副走査ドットラインとの交点に存在するドットを隣接ドットとし、この隣接ドットと注目ドットとを結んだ仮想直線と主走査ドットラインとのなす角度をθとする場合の説明図。 θを振ったときの基本ドットマトリクス内における潜像面積比率と最小中心間距離との関係を示すグラフ。 θ=30°の場合のドット配置の例を示す説明図。 θ=15°の場合のドット配置の例を示す説明図。 θ=60°の場合のドット配置の例を示す説明図。 θ=75°の場合のドット配置の例を示す説明図。 パターン例3における10階調パターンを示す説明図。 光源として端面発光型の4チャンネルLDアレイを用いた変形例2における発光部列を説明するための説明図。 静電疲労によって感光体の光減衰特性が変化したときの補正制御の説明図。 中間調制御の説明図。 ベタ画像の露光を行った場合と中間調の露光を行った場合との感光体の光減衰特性の説明図。 4ドット×4ドットの簡易な基本ドットマトリクスがにおいてドット潜像の数を1ドット単位で変化させた16階調のパッチパターンを作成する例を示す説明図。 4つの低濃度パッチの基本ドットマトリクスの一例を示す説明図。 4つの低濃度パッチの基本ドットマトリクスの他の例を示す説明図。 従来の画像形成装置において検知した現像ポテンシャルとトナー付着量との関係を多数プロットしたグラフ。 低濃度の潜像パッチを濃度階調制御で作成した例を示す説明図。 電位計により図66に示した潜像パッチと同じ潜像電位が検知される潜像パッチを従来の画像形成装置における面積階調制御で作成した場合の一例を示す説明図。
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態は、画像形成装置として、タンデム型のフルカラーの電子写真複写機(以下、単に「複写機600」という。)への適用例である。
まず、本実施形態の複写機600全体の構成について説明する。
図1は、本実施形態の複写機600全体を示す概略構成図である。
複写機600は、画像形成を行う複写機本体100と、この複写機本体100が上方に載置され、複写機本体100に対して記録体である転写紙5の供給を行う給紙装置200とを備える。さらに、複写機本体100の上方に取り付けられ、原稿画像を読み取るスキャナ300と、このスキャナ300の上部に取り付けられる原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。複写機本体100には、転写紙5を手差し給紙させるための手差しトレイ6、及び、画像形成済みの転写紙5が排紙される排紙トレイ7が設けられている。
図2は、複写機本体100の構成を示す拡大図である。
複写機本体100には、中間転写体である無端ベルト状の中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10の材料には、ベルト伸びによる位置ずれを防止するために、機械的特性に非常に優れた材料であるポリイミドが採用されている。さらに、中間転写ベルト10の高画質高安定化、すなわち、温湿度環境に依存せず常に安定した転写性能が得られるようにするため、抵抗調整剤としてカーボンを分散させている。そのために、ベルト色は黒色となっている。この中間転写ベルト10は、3つの支持ローラである第一支持ローラ14、第二支持ローラ15、及び、第三支持ローラ16に張架されている。中間転写ベルト10が張架された状態で、駆動源としての不図示のモータが駆動し、3つの支持ローラのうちの少なくとも一つが駆動ローラとして回転駆動することによって、図2中の時計回り方向に回転駆動される。
図2に示すように、3つの支持ローラのうち、第一支持ローラ14と第二支持ローラ15との間のベルト張架部分には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に対応した4つの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kが並んで配置されている。また第一支持ローラ14と第三支持ローラ16との間のベルト張架部分には、中間転写ベルト10上に形成された多階調パッチパターンの各トナーパッチの濃度(トナー付着量)を検出するためのトナー付着量検知手段としての濃度センサ310が取り付けられている。
図3は、濃度センサ310を備えるセンサユニット305と、センサユニット305近傍の中間転写ベルト10とを示す模式図である。
センサユニット305には、2つの濃度センサ310a,310bが搭載されており、2つの濃度センサ310a,310bは、図3に示すように、図中矢印Wで示す感光体20の長手方向と平行な方向(以下「ベルト幅方向W」という。)に2箇所設けられている。また、中間転写ベルト10には詳細は後述する各色のトナーパッチが形成される。なお、図3では各色10個のトナーパッチからなるトナーパターンが示されているが、トナーパッチ数に限定はない。また、図3に示すように、中間転写ベルト10のベルト幅方向Wについて、二つの濃度センサ310に対応した2つの位置にトナーパターンが形成される。
中間転写ベルト10の奥側の位置には、黒のトナーパターンTkが形成される。一方、中間転写ベルト10の手前側の位置には、マゼンタのトナーパターンTm、シアンのトナーパターンTc、及び、イエローのトナーパターンTyが順次形成される。そして、センサユニット305の手前側に配置された第一濃度センサ310aはカラートナーパターン検知用として、一方、奥側の第二濃度センサ310bは黒トナーパターン検知用として設けられている。
図4は、第二濃度センサ310bの模式図であり、図5は第一濃度センサ310aの模式図である。図4及び図5中のTpはトナーパターンを示す。
黒トナーパターンを検知する第二濃度センサ310bは、図4に示すように、LED315と正反射受光素子316とを備えた正反射型センサである。一方、カラートナーパターンを検知する第一濃度センサ310aは、図5に示すようにLED315、正反射受光素子316、及び拡散反射受光素子317を備えた正反射+拡散反射型センサである。なお、カラートナーパターンを検知するセンサとしては、図6に示すように、LED315と拡散反射受光素子317とを備えた拡散反射型センサを用いてもよい。これらセンサはともに、発光素子であるLED315にはピーク発光波長:λp=950[nm]のGaAs赤外発光ダイオードを、また受光素子にはピーク受光感度:800[nm]のSiフォトトランジスタを使用している。また、各センサと検知対象面である中間転写ベルト10との距離(検出距離)は5[mm]となるように配置されている。
図1及び図2で示す画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの上方には、図1に示すように、静電潜像形成手段としての露光装置900が設けられている。この露光装置900は、スキャナ300で読み取った原稿の画像情報に基づいて、レーザ制御部(図示せず)により光源である面発光レーザ(図示せず)を駆動して書込光を出射し、各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kに設けられる潜像担持体としての感光体20Y,20C,20M,20K上に静電潜像を形成するためのものである。ここで、書込光の出射は、面発光レーザに限るものではなく端面発光レーザ、またはLEDアレイであってもよい。
画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの構成について説明する。なお、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの構成はいずれも同様の構成であるため、以下の説明では色分け符号を適宜付すことなく説明する。
図7は隣り合う2つの画像形成ユニット18の構成を示す拡大図である。
画像形成ユニット18には、感光体20の周囲に、帯電手段としての帯電装置60、現像手段としての現像装置61、クリーニング手段としての感光体クリーニング装置63及び除電手段としての除電装置64が設けられている。また、感光体20に対して中間転写ベルト10を介して対向する位置には、転写手段を構成する一次転写装置62が設けられている。
帯電装置60は、帯電ローラを採用した接触帯電方式のものであり、感光体20に接触して電圧を印加することにより感光体20の表面を一様に帯電する。この帯電装置60には、非接触のスコロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式のものも採用できる。
また、現像装置61では、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤を使用している。なお、現像剤としては一成分現像剤を使用してもよい。この現像装置61は、現像ケース70内に設けられた攪拌部66と現像部67とに大別できる。攪拌部66では、二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)が攪拌されながら搬送されて現像剤担持体としての後述する現像スリーブ65上に供給される。この攪拌部66は、平行な2本のスクリュー68が設けられている。また、2本のスクリュー68の間には、スクリュー68の軸線方向の両端部で2本のスクリュー68を配置した空間が互いに連通するように仕切るための仕切り板が設けられている。また、現像ケース70には現像装置61内の現像剤のトナー濃度を検出するためのトナー濃度センサ71が取り付けられている。一方、現像部67では、現像スリーブ65が担持する現像剤のうちのトナーが感光体20に転移される。この現像部67には、現像ケース70の開口を通して感光体20と対向する現像スリーブ65が設けられており、その現像スリーブ65内には図示しないマグネットが固定配置されている。また、現像スリーブ65に先端が接近するようにドクタブレード73が設けられている。本実施形態では、このドクタブレード73と現像スリーブ65との間の最接近部における間隔が0.35[mm]となるように設定されている。
この現像装置61では、現像剤を2本のスクリュー68で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ65に供給する。現像スリーブ65に供給された現像剤は、マグネットにより汲み上げて保持される。現像スリーブ65に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ65の回転に伴って搬送され、ドクタブレード73により適正な量に規制される。なお、規制された現像剤は攪拌部66に戻される。このようにして感光体20と対向する現像領域まで搬送された現像剤は、マグネットにより穂立ち状態となり、磁気ブラシを形成する。現像領域では、現像スリーブ65に印加されている現像バイアスにより、現像剤中のトナーを感光体20上の静電潜像部分に移動させる現像電界が形成される。これにより、現像剤中のトナーは、感光体20上の静電潜像部分に転移し、感光体20上の静電潜像は可視像化され、トナー像が形成される。現像領域を通過した現像剤は、マグネットの磁力が弱い部分まで搬送されることで現像スリーブ65から離れ、攪拌部66に戻される。このような動作の繰り返しにより、攪拌部66内のトナー濃度が薄くなると、それをトナー濃度センサ71が検出し、その検出結果に基づいて攪拌部66にトナーが補給される。
一次転写装置62は、一次転写ローラを採用しており、中間転写ベルト10を挟んで感光体20に押し当てるようにして設置されている。一次転写装置62は、ローラ形状のものでなくても、導電性のブラシ形状のものや、非接触のコロナチャージャなどを採用してもよい。
感光体クリーニング装置63は、先端を感光体20に押し当てられるように配置される、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えている。また、本実施形態では、クリーニング性能を高めるために感光体20に接触する導電性のファーブラシ76を併用している。そして、クリーニングブレード75やファーブラシ76により感光体20から除去されたトナーは、感光体クリーニング装置63の内部に収容される。
除電装置64は、除電ランプで構成されており、光を照射して感光体20の表面電位を初期化する。
また、画像形成ユニット18には、各感光体20に対応させて、電位検知手段としての電位センサ320が設けられている。この電位センサ320は、感光体20の表面に対向するように設けられ、感光体20の長手方向のセンサ取付位置は、図3に示す濃度センサ310と長手方向(図3のベルト幅方向W)の位置が同じとなるような位置にそれぞれ配置されている。これらの電位センサ320は感光体20表面の電位を検出する。
画像形成ユニット18の具体的な設定について説明する。
感光体20の直径は60[mm]であり、感光体20を380[mm/s]の線速で駆動している。また、現像スリーブ65の直径は25[mm]であり、現像スリーブ65を570[mm/s]の線速で駆動している。また、現像領域に供給される現像剤中のトナーの帯電量は、およそ−(マイナス)10〜−30[μC/g]の範囲となるのが好適である。また、感光体20と現像スリーブ65との間隙である現像ギャップは、0.5〜0.3[mm]の範囲で設定でき、値を小さくすることで現像効率の向上を図ることが可能である。また、感光体20の感光層の厚みは30[μm]であり、露光装置900の光学系のビームスポット径は52×55[μm]であり、その光量は約0.101[mW]である。一例として帯電装置60により、感光体20の表面は−700[V]に一様帯電され、露光装置900によりレーザが照射された静電潜像部分の電位は、−250[V]となる。これに対して、現像バイアスの電圧を−550[V]とし、300[V]の現像ポテンシャルを確保する。このような作像条件は画像濃度調整制御等の結果によって適時変更される。
以上の構成をもつ画像形成ユニット18では、感光体20の回転とともに、まず帯電装置60で感光体20の表面を一様に帯電する。次いでスキャナ300により読み取った画像情報に基づいて露光装置900からレーザによる書込光を照射し、感光体20上に静電潜像を形成する。その後、現像装置61により静電潜像が可視像化されてトナー像が形成される。このトナー像は、一次転写装置62により中間転写ベルト10上に一次転写される。一次転写後に感光体20の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニング装置63により除去され、その後、感光体20の表面は、除電装置64により除電されて、次の画像形成に供される。
次いで、図2に示すように、支持ローラのうちの第三支持ローラ16に対向する位置には、二次転写装置である二次転写ローラ24が設けられている。そして、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙5上に二次転写する際には、二次転写ローラ24を第三支持ローラ16に巻回された中間転写ベルト10部分に押し当てて二次転写を行う。なお、二次転写装置としては二次転写ローラ24を用いた構成でなくても、例えば転写ベルトや非接触の転写チャージャを用いた構成としてもよい。この二次転写ローラ24には、二次転写ローラ24に付着したトナーをクリーニングするローラクリーニング部91が当接している。
また、二次転写ローラ24の転写紙5搬送方向下流側には、2つのローラ23a,23b間に無端ベルト状の搬送ベルト22が張架した構成を有する。また、このさらに搬送方向下流側には、転写紙5上に転写されたトナー像を定着させるための定着装置25が設けられている。この定着装置25は、加熱ローラ26に加圧ローラ27を押し当てた構成となっている。また、中間転写ベルト10の支持ローラのうちの第二支持ローラ15に対向する位置には、ベルトクリーニング装置17が設けられている。このベルトクリーニング装置17は、転写紙5に中間転写ベルト10上のトナー像を転写した後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するためのものである。
また、複写機本体100には、図1に示すように、給紙装置200から給紙された転写紙5を、二次転写ローラ24を経由して排紙トレイ7に案内する搬送路48が設けられており、この搬送路48に沿って、搬送ローラ49a、レジストローラ49b、排出ローラ56などが設けられている。搬送路48の下流側には、転写後の転写紙5の搬送方向を、排紙トレイ7又は用紙反転装置93に切り替える、切替爪55が設けられている。用紙反転装置93は、転写紙5を反転させて再び二次転写ローラ24に向けて送り出すものである。さらに、複写機本体100には、手差しトレイ6から搬送路48へ合流する手差し給紙路53が設けられ、この手差し給紙路53の上流側には、手差しトレイ6にセットされた転写紙5を一枚ずつ給紙するための手差し給紙ローラ50及手差し分離ローラ51が設けられている。
給紙装置200は、転写紙5を収納する複数の給紙カセット44、これらの給紙カセット44に収納された転写紙を一枚ずつ送り出す給紙ローラ42及び分離ローラ45、送り出された転写紙を給紙路46に沿って搬送する搬送ローラ47などから構成されている。給紙路46は、複写機本体100の搬送路48に接続している。
次に、光走査装置である露光装置900の構成について図8及び図9を用いて説明する。
この露光装置900は、光源914、カップリングレンズ915、アパーチャ916、シリンドリカルレンズ917、光偏向器としてのポリゴンミラー913、ポリゴンミラー913を回転させる不図示のポリゴンモータ、2つの走査レンズ911a,911bなどを備えている。
カップリングレンズ915は、一例として焦点距離が46.5[mm]、厚さ(図9におけるd2)が3.0[mm]のガラス製レンズであり、光源914から出射された光束を略平行光とする。アパーチャ916は、一例として主走査方向に対応する方向の前幅が5.8[mm]、副走査方向に対応する方向の前幅が1.22[mm]の矩形形状あるいは楕円形状の開口部を有し、カップリングレンズ915を介した光束のビーム径を規定する。本開口部に関しては後述する光量モニタで詳細に述べる。シリンドリカルレンズ917は、一例として焦点距離が106.9[mm]、厚さ(図9におけるd5)が3.0[mm]のガラス製レンズであり、アパーチャ916の開口部を通過した光束をポリゴンミラー913の偏向反射面近傍に副走査方向に関して結像する。ポリゴンミラー913は、一例として内接円の半径が7[mm]の4面鏡あり、副走査方向に平行な軸の周りに等速回転する。走査レンズ911aは、一例として中心(光軸上)肉厚(図9におけるd8)が13.50[mm]の樹脂製レンズである。走査レンズ911bは、一例として中心(光軸上)肉厚(図9におけるd10)が3.50[mm]の樹脂製レンズである。
光源914とポリゴンミラー913との間の光路上に配置された光学系は、カップリング光学系とも呼ばれている。本実施形態では、一例としてカップリング光学系は、カップリングレンズ915とアパーチャ916とシリンドリカルレンズ917とから構成されている。ポリゴンミラー913と感光体20との間の光路上に配置された光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、一例として走査光学系は、走査レンズ911aと走査レンズ911bとから構成されている。この走査光学系の副走査方向の横倍率は、一例として0.97倍である。また、露光装置900の光学系全体の副走査方向の横倍率は、一例として2.2倍である。
本実施形態では、感光体20の表面に形成される光スポットの目標とするスポット径は、一例として主走査方向で52[μm]、副走査方向で55[μm]である。また、一例として、光源914とカップリングレンズ915との距離(図9におけるd1)は46.06[mm]、カップリングレンズ915とアパーチャ916との距離(図9におけるd3)は47.69[mm]、アパーチャ916とシリンドリカルレンズ917との距離(図9におけるd4)は10.32[mm]、シリンドリカルレンズ917とポリゴンミラー913との距離(図9におけるd6)は128.16[mm]である。そして、ポリゴンミラー913と走査レンズ911aの第1面(入射面)との距離(図9におけるd7)は46.31[mm]、走査レンズ911aの第2面(射出面)と走査レンズ911bの第1面(入射面)との距離(図9におけるd9)は89.73[mm]、走査レンズ911bの第2面(射出面)と被走査面である感光体20の表面との距離(図9におけるd11)は141.36[mm]である。さらに、感光体20における有効走査領域W1の長さ(図9におけるd12)は323[mm]である。また、図9における角度θは60[°]である。
光源914は、図10に示されるように、一例として40個の発光部101が1つの基板上に形成された二次元アレイ901を有している。この二次元アレイ901は、主走査方向に対応する方向(第1の方向、以下では便宜上、「Dir_main方向」ともいう。)から副走査方向に対応する方向(第2の方向、以下では便宜上、「Dir_sub方向」ともいう。)に向かって傾斜角αをなす方向(第3の方向、以下では便宜上、「T方向」という。)に沿って10個の発光部101が等間隔に配置された発光部列を4列有している。そして、これら4列の発光部列は、Dir_sub方向に等間隔に配置されている。すなわち、40個の発光部101は、T方向とDir_sub方向とにそれぞれ沿って二次元的に配列されている。
そして、一例として、隣接する発光部列のDir_sub方向に関する間隔(図10におけるds2)は48.0[μm]、各発光部列におけるT方向に関する発光部間隔(図10におけるd1)は48.0[μm]、各発光部101をDir_sub方向に延びる仮想線上に正射影したときの発光部101の間隔(図10におけるds1)は4.8[μm]である。すなわち、ds2=d1、及びds2=ds1×Mの関係にある。
次に光源914から射出される光量を検知する光量モニタについて詳細を述べる。
光量モニタ部の説明図を図11に示す。光量モニタ光学系は、光源914、カップリングレンズ915、第1開口板923、第2開口板926、結像レンズ924、フォトダイオード925、基板928から構成される。
第1開口板923は、一例として図12(a)に示されるように、開口部を有し、カップリングレンズ915を介した光束のビーム径を規定する。この第1開口板923は、光束の最も光強度の大きい部分が開口部のほぼ中央を通るように配置されている。また、第1開口板923の開口部の周囲は、反射部材でできている。そして、第1開口板923は、開口部の周囲の反射部材で反射された光束をモニタ用光束として利用するため、カップリングレンズ915を介した光束の進行方向に垂直な仮想面に対して傾斜して配置されている。すなわち、第1開口板923は、光源914から射出された光束のうち、光強度の大きい中央部分を通過させ、光強度の小さい外周部分をモニタ用光束として反射(分離)する。以下では、便宜上、第1開口板923で反射されたモニタ用光束の進行方向を「Q方向」とする。ここでは、第1開口板923の開口部は、図12(a)及び図12(b)に示されるように、副走査方向に対応する方向(ここでは、Z軸方向)に関する長さD2は1.28[mm]であり、主走査方向に対応する方向(ここでは、Y軸方向)に関する長さD1は5.8[mm]である。すなわち、D1>D2である。なお、図12(b)は、開口部の中心を通るXY断面図である。
第2開口板926は、第1開口板923で反射されたモニタ用光束の光路上に配置され、一例として図13に示されるように、モニタ用光束のビーム径を制限する開口部を有している。また、第2開口板926は、光学的にカップリングレンズ915の焦点位置近傍に配置されている。これにより、モニタ用光束がマルチビームのときに、各光束の主光線が第2開口板926の開口部に集まり、各光束が同じ形状に整形される。第2開口板926の開口部は、副走査方向に対応する方向(ここでは、Z軸方向)に関する長さD4は3.25[mm]であり、それに直交する方向の長さD3は3.8[mm]である。すなわち、D3<D1であり、D4>D2である。
そこで、例えば、図14(a)に示されるように、発散角がA1の光束F01が光源914から出力されると、図14(b)に示されるように、光束F01のうちの領域Fs1の光束が第1開口板923の開口部を通過し、領域Fm1の光束が第2開口板926の開口部を通過する。
また、例えば、図15(a)に示されるように、光束F01に比べて中心に強いピークを持つ光強度分布を有し、発散角がA2(<A1)の光束F02が光源914から出力されると、図15(b)に示されるように、光束F02のうちの領域Fs2の光束が第1開口板923の開口部を通過し、領域Fm2の光束が第2開口板926の開口部を通過する。
また、図16(a)に示されるように、光束F01に比べて中心から緩やかに広がる光強度分布を有し、発散角がA3(>A1)の光束F03が光源から出力されると、図16(b)に示されるように、光束F03のうちの領域Fs3の光束が第1開口板923の開口部を通過し、領域Fm3の光束が第2開口板926の開口部を通過する。
ところで、光源914から出力される光束(光束F0とする)の発散角が大きくなると、一例として図17に示されるように、第1開口板923の開口部を通過する光束(光束Fsとする)の光量は減少する。なお、ここでは、光束F0の光量は、発散角が変化しても一定であると仮定している。
そこで、光束Fsの光量を一定とするには、一例として図18に示されるように、光束F0の発散角が設計値(ここでは、A1とする)よりも大きいときは、光束F0の光量を大きくし、光束F0の発散角が設計値よりも小さいときは、光束F0の光量を小さくする必要がある。このとき、第1開口板923で反射される光束(光束(F0−Fs)とする)の光量は、一例として図19に示されるように、光束F0の発散角が大きくなるにつれて増加する。仮に、第2開口板926がない場合には、光束(F0−Fs)が、フォトダイオード925で受光される。この場合に、従来と同様にして、自動露光パワー調整(AutoPowerControl、以下、APCという)を行うと、例えば、光束F0の発散角がA3のときには、光束F0の光量を更に少なくするように制御され、例えば、光束F0の発散角がA2のときには、光束F0の光量を更に多くするように制御される。これにより、光束Fsの光量は上記一定値からずれることとなる。すなわち、APCの精度が低下することとなる。
本実施形態では、第1開口板923で反射されたモニタ用光束の光路上に第2開口板926を配置し、第1開口板923で反射されたモニタ用光束を整形している。これにより、一例として図20に示されるように、フォトダイオード925で受光される光束(光束Fmとする)の光量は、光束F0の発散角が変化しても、光束Fsの光量と同様に、ほぼ一定となる。
また、第1開口板923の開口部と第2開口板926の開口部との間には、D3<D1、D4>D2の関係がある。これにより、光束F0の発散角が大きく変化しても、(光束Fsの光量/光束Fmの光量)をほぼ一定とすることができる。
ところで、第2開口板926の開口部の副走査方向に対応する方向に関する開口径D4を大きくすることで、フォトダイオード925での受光量(光束Fmの光量)を増加させることができる。
図21には、(光束Fsの光量/光束Fmの光量)を一定としたときの、D4と光束Fmの光量との関係が示されている。これによると、D4を増加させると光束Fmの光量は増加するが、D4がある値を超えると、光束Fmの光量は減少する。これは、D4を増加させ過ぎると、(光束Fsの光量/光束Fmの光量)を維持するのに、D3を小さくしなければならないためである。
D4がD2の1.4倍〜3.7倍の範囲内のときに、光束Fmの光量は光束F0の光量の10[%]を超えている。例えば、光源914の発光光量が1[mW]のときには、フォトダイオード925の受光量は0.1[mW]以上となり、フォトダイオード925の出力信号のS/N比の低下、及び応答時間の遅延を招くことなく、精度良く光量を検出することが可能となる。本実施形態では、図21における光束Fmの光量が最大となるように、D3=3.8[mm]、D4=3.25[mmと]した。
また、図22には、D3とD4と(K2/K1)との関係が示されている。ここで、K1は、光束F0の発散角が所定の発散角(例えば、A1)のときの(光束Fsの光量/光束Fmの光量)であり、K2は、光束F0の発散角が上記所定の発散角から主走査方向に対応する方向及び副走査方向に対応する方向に等方的に変化したときの(光束Fsの光量/光束Fmの光量)である。
図22から明らかなように、D3を一定としてD4を大きくすると、K2/K1は大きくなる。また、D4を一定としてD3を小さくすると、K2/K1は小さくなる。この関係を利用し、K2/K1が0.0[%]、すなわち、光束F0の発散角が変化しても(光束Fsの光量/光束Fmの光量)が変わらないというD3とD4の組み合わせが求められる。図22に示されるように、p1(D3=4.3[mm]、D4=2.5[mm])とp2(D3=2.7[mm]、D4=4.5[mm])とを結ぶ、K2/K1=0.0[%]の曲線が得られる。一般的に、光量変化が3[%]以上あると画像上で濃度ムラとして認識されるので、K2/K1の変化は3[%]以内であるのが望ましい。これにより、光束F0の発散角の変化による光量検知のバラツキを±3[%]以内にすることが可能となる。すなわち、光源から射出された光束の発散角が等方的に変化して、光束Fsの光量がPsからPs+ΔPsに変化し、光束Fmの光量がPmからPm+ΔPmに変化したとき、{(Ps+ΔPs)/(Pm+ΔPm)}/(Ps/Pm)の値は、0.97以上で1.03以下であることが好ましい。
そこで、D4がD2の1.4倍〜3.7倍の範囲内のときには、フォトダイオード925の受光量を十分に確保できるとともに、いずれの発散角においても、光束Fsの光量と光束Fmの光量の比を略一定とすることができる。すなわち、発散角が大きく変化しても、光束Fsの光量が一定であれば、光束Fmの光量はほとんど変化しない。そこで、フォトダイオード925の出力レベルが一定(所定のレベル)となるように光束F0の光量を制御すると、光束Fsの光量を常に一定の光量とすることが可能となる。
結像レンズ924は、Q方向に関して第2開口板926から20[mm]離れた位置に配置され、第2開口板926の開口部を通過したモニタ用光束を集光する。ここでは、結像レンズ924の焦点距離は27[mm]である。
フォトダイオード925は、Q方向に関して結像レンズ924から10.6[mm]離れた位置に配置され、結像レンズ924を介したモニタ用光束を受光する。フォトダイオード925は、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。ここでは、フォトダイオード925の受光面は、1辺の長さが1.1[mm]の正方形状である。そして、受光面の中央付近で受光するように設定されている。
また、例えば、フォトダイオード925の受光面上に付着物や傷等があり、その部分が集光位置になると、受光量が大きく減少し、正しい信号が出力されない。そこで、Q方向に関して結像レンズ924の焦点位置からやや離れたところにフォトダイオード925の受光面を配置すると、受光面上でのビーム径が大きくなり、受光面上に付着物、傷等があったとしても受光量の大きな低下を抑えることができる。
図23には、目で判別できる付着物(φ50[μm])が仮にフォトダイオード925の受光面中央に付着しているときの、フォトダイオード925の出力の低下量と結像レンズ924からフォトダイオード925までの距離との関係が示されている。なお、図23における「f」は、結像レンズ924の焦点距離である。
結像レンズ924からフォトダイオード925までの距離が、f×0.95以下若しくはf×1.05以上であれば、φ50[μm]の付着物がフォトダイオード925の受光面中央に付着していても、フォトダイオード925の出力の低下は20[%]以下であるので、出荷前の調整時に行われる光源914の光量校正で十分にカバーできる範囲内にある。そこで、本実施形態では、結像レンズ924からフォトダイオード925までの距離を、f×1.06としている。
さらに、フォトダイオード925の受光面に垂直にモニタ用光束が入射すると、受光面からの反射光が入射光と逆の光路を通り、光源914へ戻ってしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、一例として図11に示されるように、モニタ用光束の受光位置での受光面の法線(図11中のLn)方向が、入射光の入射方向のすべてに対して傾斜するように設定し、受光面からの反射光が光源914に戻らないようにしている。具体的には、入射角を10[°]としている。
また、光源914とフォトダイオード925との間に配置された光学系の横倍率βが約0.5倍であり、二次元アレイ901の長手方向のサイズが0.3[mm]であるため、フォトダイオード925の受光面上では、0.3[mm]×0.5=0.15[mm]の長さに二次元アレイ901が投影される。
一般的に、フォトダイオードは、受光位置によって検知感度が異なっている。そこで、常に受光面の中心付近で受光されるのが望ましい。
本実施形態では、一例として図24に示されるように、受光面925bのサイズ1.1[mm]の1/2よりもさらに中央に近い受光領域925aで受光するように設定されている。すなわち、二次元アレイ901における長手方向の長さL、この長手方向に対応する方向に関するフォトダイオード925の長さL´とすると、(L×β)≦(L´×0.5)の関係が満足されている。これにより、常に同じ検知感度で受光することができる。
また、本実施形態では、一例として図11に示されるように、光源914とフォトダイオード925は、同一の基板928上に実装されている。
次に本実施形態に用いた面発光レーザの詳細を述べる。
本実施形態の面発光レーザアレイは以下のようにして作製することができる。AlAs層を選択酸化した電流狭窄構造を用いた780nm帯面発光レーザの構造例である。波長は、感光体の感度特性に合わせて選定できる。
図25に面発光レーザアレイの断面構造の概略図を示す。
また、図26は、活性層(804,805)の周辺である図25中の領域Eの拡大説明図である。
n−GaAs基板801上に、Al0.12Ga0.88As量子井戸層802/Al0.3Ga0.7As障壁層803からなる活性層を含み、Al0.6Ga0.4As上部スペーサ層804及びAl0.6Ga0.4As下部スペーサ層805とからなる1波長光学厚さの共振器領域806を、各層λ/4の光学厚さで40.5ペアのn−Al0.3Ga0.7As高屈折率層/n−Al0.9Ga0.1As低屈折率層からなる下部反射鏡808と、24ペアのp−Al0.3Ga0.7As高屈折率層/p−Al0.9Ga0.1As低屈折率層からなる上部反射鏡807とではさんだ構成となっている。なお、図26中の807aは、上部反射鏡807の最下部のAl0.9Ga0.1As低屈折率層(厚さ:λ/4)を示し、図26中の808aは、下部反射鏡808の最上部のAl0.9Ga0.1As低屈折率層(厚さ:λ/4)を示す。さらに、AlAs被選択酸化層809(電流注入部)が共振器領域806からλ/4離れた上部反射鏡807に設けられている。なお反射鏡の各層の間には抵抗低減のために組成が徐々に変わる組成傾斜層を含む。これらの結晶成長にはMOCVD法やMBE法を用いることができる。
次に、ドライエッチング法によりメサ形状を形成する。エッチング面は下部反射鏡808中に達するようにすることが一般的である。次に、エッチング工程により側面が露出したAlAs被選択酸化層809を、水蒸気中で熱処理し周辺を酸化させAlxOyの絶縁物層(AlxOy電流狭窄層810)に変え素子駆動電流の経路を中心部の酸化されていないAlAs領域だけに制限する電流狭窄構造を形成する。続いて、SiO保護層(図示せず)を設け、更にポリイミドでエッチング部を埋め込んで平坦化し、p−GaAsコンタクト層811と光出射部812のある上部反射鏡807上のポリイミドからなる絶縁膜815とSiO保護層(図示せず)を除去し、p−GaAsコンタクト層811上の光出射部812以外にp側個別電極813を形成し、裏面にn側共通電極814を形成した。
本実施形態の場合ドライエッチング法により形成されたメサ部が各面発光レーザ素子となる。本実施形態のアレイ配置を形成する方法は、本実施形態のアレイ配置に沿ったフォトマスクを形成し、通常のフォトリソグラフ工程によりエッチング用マスクを形成し、エッチングすることで形成できる。アレイの各素子の電気的空間的分離のために素子と素子の間の溝は5[μm]程度以上は設けることが好ましい。あまり狭いとエッチングの制御が難しくなるからである。また、メサ部は本実施形態のような円形の他に、楕円形や、正方形、長方形の矩形など任意の形状とすることができる。また、大きさ(直径など)は10[μm]程度以上設けることが好ましい。あまり小さいと素子動作時に熱がこもり特性が悪くなるからである。
また、副走査方向での高密度化に影響のない主走査方向の素子間隔を広げているので、各素子間の熱干渉の影響低減や、各素子の配線を通すために必要なスペースを確保することができる。
なお、前述した780nm帯面発光レーザは、別の材料でも作製できる。
図27は、図26を用いて説明したものとは別の材料で作製した例の、活性層(804,805)の周辺である、図25中の領域Eの拡大説明図である。
図27に示すように活性層は、圧縮歪組成であってバンドギャップ波長が780[nm]となる3層のGaInPAs量子井戸活性層822と格子整合する4層の引っ張り歪みを有するGa0.6In0.4P引っ張り障壁層823とから構成する。また、電子を閉じ込めるためのクラッド層(本実施形態ではスペーサ層)としてワイドバンドギャップである(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pを用いる、(Al0.7Ga0.30.5In0.5P上部スペーサ層824及び(Al0.7Ga0.30.5In0.5P下部スペーサ層825を備えている。キャリア閉じ込めのクラッド層(824,825)をAlGaAs系で形成した場合に比べて、クラッド層(824,825)と量子井戸活性層(822)とのバンドギャップ差を極めて大きく取ることができる。他は図26と同様である。
表1には、AlGaAs(スペーサ層)/AlGaAs(量子井戸活性層)系780nm,850nm面発光型半導体レーザ、さらに、AlGaInP(スペーサ層)/GaInPAs(量子井戸活性層)系780nm面発光型半導体レーザの典型的な材料組成でのスペーサ層と井戸層、及び障壁層と井戸層とのバンドギャップ差が示されている。なお、スペーサ層とは、通常構成の場合には活性層と反射鏡の間にあたる層のことであって、キャリアを閉じ込めるためのクラッド層としての機能を有している層を指している。
Figure 0005725403
表1に示すように、AlGaInP(スペーサ層)/GaInPAs(量子井戸活性層)系780nm面発光型半導体レーザによれば、AlGaAs/AlGaAs系780nm面発光型半導体レーザはもとより、AlGaAs/AlGaAs系850nm面発光型半導体レーザよりもバンドギャップ差を大きく取れることが判る。
具体的にクラッド層と活性層とのバンドギャップ差は、クラッド層をAlGaAsで形成した場合の466[meV](Al組成0.6の場合)に比べて、767[meV]であり極めて大きい。障壁層と活性層とのバンドギャップ差も同様に優位差があり、良好なキャリア閉じ込めとなる。
また、活性層が圧縮歪を有しているので、ヘビーホールとライトホールのバンド分離により利得の増加が大きくなった。これらにより高利得となるので、低閾値で、高出力であった。なおこの効果は、GaAs基板とほぼ同じ格子定数を有するAlGaAs系で作製した780nmや850nm面発光レーザでは得られない。さらには、キャリア閉じ込め向上、歪量子井戸活性層による高利得化によって低閾値化することで、光取り出し側DBRの反射率低減が可能となり、さらに高出力化できる。また、本実施形態のように利得が大きくなると温度上昇による光出力低下を抑えることができ、アレイの素子間隔をより狭くすることができる。
また、活性層と障壁層は、Alを含んでいない材料から構成されており、Alフリー活性領域(量子井戸活性層、及びそれに隣接する層)としているので、酸素の取り込みが低減することで非発光再結合センターの形成を抑えることができ、長寿命化を図れる。これにより、書込ユニットもしくは光源ユニットの再利用が可能となる。
次に、本実施形態の感光体について詳細を述べる。
〔感光体作製例〕
−チタニルフタロシアニン結晶の合成−
特開2004−83859号公報、実施例1に準じて、チタニルフタロシアニン結晶を作製した。即ち、1,3−ジイミノイソインドリン292部とスルホラン1800部を混合し、窒素気流下でチタニウムテトラブトキシド204部を滴下する。滴下終了後、徐々に180[℃]まで昇温し、反応温度を170[℃]〜180[℃]の間に保ちながら5時間撹拌して反応を行った。反応終了後、放冷した後析出物を濾過し、クロロホルムで粉体が青色になるまで洗浄し、つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80[℃]の熱水で数回洗浄した後乾燥し、粗チタニルフタロシアニンを得た。得られた熱水洗浄処理した粗チタニルフタロシアニン顔料のうち60部を96%硫酸1000部に3〜5℃下撹拌、溶解し、ろ過した。得られた硫酸溶液を氷水35000部中に撹拌しながら滴下し、析出した結晶を濾過、ついで洗浄液が中性になるまでイオン交換水(pH:7.0、比伝導度:1.0[μS/cm])により水洗を繰り返(洗浄後のイオン交換水のpH値は6.8、比伝導度は2.5[μS/cm]であった)し、チタニルフタロシアニン顔料の水ペーストを得た。この水ペーストにテトラヒドロフラン1500部を加え、室温下でホモミキサー(ケニス、MARK,fモデル)により強烈に撹拌(2000[rpm])し、ペーストの濃紺色の色が淡い青色に変化したら(撹拌開始後20分)、撹拌を停止し、直ちに減圧濾過を行った。濾過装置上で得られた結晶をテトラヒドロフランで洗浄し、顔料のウェットケーキ98部を得た。これを減圧下(5[mmHg])、70[℃]で2日間乾燥して、チタニルフタロシアニン結晶78部を得た。
得られたチタニルフタロシアニン粉末を、市販のX線回折装置(理学電機:RINT1100)により、下記の条件によりX線回折スペクトル測定したところ、Cu−Kα線(波長1.542[Å])に対するブラッグ角2θが27.2±0.2[°]に最大ピークと最低角7.3±0.2[°]にピークを有し、かつ7.3[°]のピークと9.4[°]のピークの間にピークを有さず、更に26.3[°]にピークを有さないチタニルフタロシアニン粉末を得られた。その結果を図28に示す。また、得られた水ペーストの一部を80℃の減圧下(5[mmHg])で、2日間乾燥して、低結晶性チタニルフタロシアニン粉末を得た。水ペーストの乾燥粉末のX線回折スペクトルを図29に示す。
<X線回折スペクトル測定条件>
X線管球:Cu
電圧: 50[kV]
電流: 30[mA]
走査速度:2[°/分]
走査範囲:3[°]〜40[°]
時定数: 2[秒]
−分散液の作製−
次に、先に合成したチタニルフタロシアニン結晶の分散液を作製した。下記組成の分散液を下に示す条件のビーズミリングにより作製した。
先に合成したチタニルフタロシアニン結晶 20部
ポリビニルブチラール(積水化学製:BX−1) 12部
2−ブタノン 368部
市販のビーズミル分散機(VMA−GETZMANNGMBH製:DISPERMATSL、ローターの直径は45[mm]、分散室容量は50[ml])に直径0.5[mm]のジルコニアボールを用いた。始めにポリビニルブチラールを溶解した2−ブタノン溶液を循環タンクに投入し、循環を行い、樹脂液が循環系に満たされ、循環タンクに戻ってくるのを確認した。次いで、チタニルフタロシアニン結晶を循環タンクにすべて投入し、循環タンクで撹拌を行った後、3000[rpm]のローター回転数にて、60分間循環分散を行った。分散終了後、ビーズミル分散機よりミルベースを払い出し、更に600部の2−ブタノンを投入し、希釈と同時に分散機に残ったミルベースをすべて払い出し、分散液を作製した。
−電子写真感光体の作製−
−直径30[mm]のアルミニウムドラムに、下記組成の下引き層塗工液、電荷発生層塗工液、および電荷輸送層塗工液を、順次塗布・乾燥し、3.5[μm]の下引き層、0.2[μm]の電荷発生層、28[μm]の電荷輸送層を形成し、積層感光体を作製した。
(下引き層塗工液)
酸化チタン(CR−EL:石原産業社製) 70部
アルキッド樹脂(ベッコライトM6401−50−S(固形分50%)、大日本インキ化学工業製) 15部
メラミン樹脂(スーパーベッカミンL−121−60(固形分60%)、大日本インキ化学工業製) 10部
2−ブタノン 100部
(電荷発生層塗工液)
前記のチタニルフタロシアニン結晶分散液を用いた。
(電荷輸送層塗工液)
ポリカーボネート(ユーピロンZ300:三菱ガス化学社製) 10部
下記の化1に示す構造式の電荷輸送物質 7部
Figure 0005725403
テトラヒドロフラン 80部
スキャナ300について図1に基づいて簡単に説明する。
スキャナ300では、コンタクトガラス31上に載置される原稿(図示せず)の読取り走査を行うために、原稿照明用光源とミラーを搭載した第1及び第2の走行体33,34が往復移動する。これらの走行体33,34により走査された画像情報は、結像レンズ35によってその後方に設置されている読取センサ36の結像面に集光され、読取センサ36によって画像信号として読込まれる。
図30は、本実施形態の複写機が備える各部の電気的な接続を示すブロック図である。
図30に示すように、本実施形態の複写機600には、コンピュータ構成のメイン制御部500が備えられており、このメイン制御部500が各部を駆動制御する。メイン制御部500は、各種演算や各部の駆動制御を実行するCPU(Central Processing Unit)501にバスライン502を介して、コンピュータプログラム等の固定的データを予め記憶するROM(Read Only Memory)503と各種データを書き換え自在に記憶するワークエリア等として機能するRAM(Random Access Memory)504とが接続されて構成されている。ROM503には、濃度センサ310の出力値に対する単位面積当りのトナー付着量への換算に関する情報を記憶した換算テーブル(図示せず)が格納されている。メイン制御部500には、複写機本体100の各部、給紙装置200、スキャナ300、原稿自動搬送装置400が接続されている。ここで、複写機本体100の濃度センサ310及び電位センサ320は、検出した情報をメイン制御部500に送り出す。
次に、複写機600の動作について説明する。
複写機600を用いて原稿のコピーをとる場合、まず、原稿自動搬送装置400の原稿台30に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス31上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、ユーザーが図示しないスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス31上に搬送される。そして、スキャナ300が駆動して第一走行体33および第二走行体34が走行を開始する。これにより、第一走行体33からの光がコンタクトガラス31上の原稿で反射し、その反射光が第二走行体34のミラーで反射されて、結像レンズ35を通じて読取センサ36に案内される。このようにして原稿の画像情報を読み取る。
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、図示しない駆動モータが駆動し、3つの支持ローラ14,15,16のうちの1つが回転駆動して中間転写ベルト10が回転駆動する。また、これと同時に、各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの感光体20Y,20C,20M,20Kも回転駆動する。その後、スキャナ300の読取センサ36で読み取った画像情報に基づいて、露光装置900から、各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの感光体20Y,20C,20M,20K上に書込光がそれぞれ照射される。これにより、各感光体20Y,20C,20M,20Kには、それぞれ静電潜像が形成され、現像装置61Y,61C,61M,61Kにより可視像化される。そして、各感光体20Y,20C,20M,20K上には、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像が形成される。
このようにして形成された各色トナー像は、各一次転写装置62Y,62C,62M,62Kにより、順次中間転写ベルト10上に重なり合うようにそれぞれ一次転写される。これにより、中間転写ベルト10上には、各色トナー像が重なり合った合成トナー像が形成される。なお、二次転写後の中間転写ベルト10上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置17により除去される。
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、ユーザーが選択した転写紙5に応じた給紙装置200の給紙ローラ42が回転し、給紙カセット44の1つから転写紙5が送り出される。送り出された転写紙5は、分離ローラ45で1枚に分離して給紙路46に入り込み、搬送ローラ47により複写機本体100内の搬送路48まで搬送される。このようにして搬送された転写紙5は、レジストローラ49bに突き当たったところで止められる。
レジストローラ49bは、上述のようにして中間転写ベルト10上に形成された合成トナー画像が二次転写ローラ24に対向する二次転写部に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始する。レジストローラ49bにより送り出された転写紙5は、中間転写ベルト10と二次転写ローラ24との間に送り込まれ、二次転写ローラ24により、中間転写ベルト10上の合成トナー像が転写紙5上に二次転写される。その後、転写紙5は、二次転写ローラ24に吸着した状態で定着装置25まで搬送され、定着装置25で熱と圧力が加えられてトナー像の定着処理が行われる。定着装置25を通過した転写紙5は、排出ローラ56により排紙トレイ7に排出されスタックされる。なお、トナー像が定着された面の裏面にも画像形成を行う場合には、定着装置25を通過した転写紙5の搬送方向を切替爪55により切り換え、用紙反転装置93に送り込む。転写紙5は、そこで反転し再び二次転写ローラ24に案内される。
複写機600では、ある所定タイミング(電源投入時や所定時間、または所定枚数毎)に、感光体の露光パワーに対する潜像電位の特性(以下、光減衰特性と記述する場合がある)の変化を検知し、検知結果をフィードバックして最適な帯電電位、露光パワー、現像バイアス等を設定する画像濃度調整制御を行う。この画像濃度調整制御は、本実施形態のCPU501がコンピュータプログラムに基づいて行うものであり、セルフチェックと呼ばれる制御である。
特に、感光体の光減衰特性は、使用環境、静電疲労の度合い、及び感光層の膜厚などによって特性が異なる。光減衰特性の環境依存性については、常温・常湿度環境、高温・高湿度環境、低温・低湿度環境などの使用環境によって、同じ帯電電位、露光パワーであっても潜像電位が異なり、光減衰カーブの形状が異なる。また、光減衰特性の静電疲労特性については、長時間、帯電・露光を繰り返して、何十万枚も作像すると、感光体が帯電や露光の繰り返しで特性が劣化する。このため、多くの枚数を作像すると、感光体が劣化して同じ帯電電位で同じ露光パワーを設定しても、感光体の表面電位が下がりにくくなる。このため、静電疲労の度合いの違いによっても光減衰カーブの形状が異なる。また、作像を長時間繰り返すと、転写されないで残ったトナーを感光体からクリーニングする感光体クリーニングブレードが、トナーだけでなく感光体の表面も少しずつ削っていく。このため、感光体の感光層の膜厚は経時で減少していく。そして、膜厚が変化すると、同じ帯電電位で同じ露光パワーを設定した時に感光体表面電位が異なり、膜厚の違いによっても光減衰カーブの形状が異なる。
上述したように使用環境・静電疲労の度合い・膜厚によって感光体の光減衰特性が異なる。使用環境・静電疲労の度合い・膜厚の何れか一つの光減衰特性に対する影響のみを考えると、光減衰カーブの形状の変化は比較的単純に変化する。一方、実機内ではクリーニングブレードによる膜削れや静電疲労の進行、使用環境の変動が同時に発生するため、使用環境・静電疲労の度合い・膜厚が複合的に光減衰特性に対して影響するため、使用時間、作像枚数等のデータに基づいて実際の感光体の露光パワーに対する潜像電位の特性を予想することは困難である。このため、画像濃度調節制御によって、感光体の露光パワーに対する潜像電位の特性の変化を検知し、作像条件にフィードバックすることは重要なことである。
図31は、セルフチェック動作(電位制御)を示すフローチャートである。
なお、セルフチェックに用いる中間転写ベルト10上のトナーパターンは、先に説明した図3に示したものである。図31に示すセルフチェックの処理ルーチンでは、基本的に、複写機の起動時、予め定められたコピー枚数の複写毎(つまり連続作像動作中における作像動作と作像動作との間)、一定時間毎等必要に応じて行うようになっている。ここでは起動時の実行動作について説明する。まず電源オン時の状態をジャム等の異常処理時と区別するために、電位制御の実行条件として定着装置25の定着温度を検出する。定着温度センサからの入力信号を基に、定着装置25の定着温度が100[℃]を越えているか否かを判断し、定着装置25の定着温度が100[℃]を越えている場合には、電位制御を実行しない。これに対し、100[℃]を超えていない場合には、セルフチェックを実行する。つまり、本複写機においては、電源ON直後における定着ローラの表面温度が100[℃]を超えていないという条件を具備するか否かが制御部によって判断され、具備する場合にセルフチェックを実行する。かかる構成においては、CPU501等から構成される制御部が、判定手段として機能している。
セルフチェックにおいては、プロッタの立ち上げに先立ち、まず、2つの濃度センサ310a,310b(これらを適宜「濃度センサ310」という。)について、LED315をOFFしている状態での出力電圧値であるオフセット電圧(Voffset_reg、Voffset_dif)をVoffsetとして検知する(ステップ700:以下、ステップをSと記す。)。ここで、Voffset_regは、正反射受光素子316で受光した正反射光の出力電圧値であり、Voffset_difは、拡散反射受光素子317で受光した拡散反射光の出力電圧値である。検知終了後、プロッタ立ち上げ動作を行う(S701)。このプロッタ立ち上げ動作では、図32のタイミングチャートに示すように各感光体モータ、中間転写ベルトモータ、二次転写モータ等のモータの起動タイミングと、決められた作像タイミングとに従い、帯電、現像、転写バイアスの立ち上げ動作等の作像動作に必要な制御立ち上げ動作処理を行う。また図32に示すように、本実施形態では、この立ち上げ動作処理内で、中間転写モータの起動タイミングと同期して濃度センサ310のLED315をONする。
なお、中間転写モータの起動タイミングと同期して濃度センサ310のLED315をONする制御を行うのは、以下の理由による。
作像条件調整制御が開始されると、基準トナー像の光反射量を測定するためにLED等の発光手段がONされるが、発光手段の発光量は、発光開始からの時間経過とともに、例えば図33に示すグラフのように変化する。同図において、発光量は、発光開始から数十[μsec]後に最大になるが、その後は、発光手段の内部温度上昇による内部抵抗の増加に伴って発光量が徐々に低下していき、内部温度上昇が飽和に達した時点で安定化する。安定化までに要する時間は数秒であるが、この間には基準トナー像の光反射率を正確に検知することができない。このため、発光手段の発光量の安定化を待ってから、光学センサによる基準トナー像の光反射率を検知しなければならない。これに対して、中間転写モータの起動タイミングと同期して濃度センサ310のLED315をONする制御を行うことにより、多階調パッチパターンが感光体20上に作像され、これが現像されたトナーパターンが中間転写ベルト10に転写されたのち、濃度センサ310による検知位置まで到達するまでの間に、濃度センサ310のLED315の発光量を安定化させることができる。
ところで、古くは、トナーパターンの濃度検知を精度良く行うための理想的な検知位置として、現像後であって転写前、つまり、感光体上とることが一般的であった。しかしながら、感光体上でトナーパターンの濃度を検知する場合には、LED光の照射による感光体の光疲労を引き起こし、感光体のLED照射部に形成される画像だけが帯状に濃くなったり薄くなったりするという問題を発生させる。そこで、本実施形態においては、感光体上ではなく、中間転写ベルト10上でトナーパターンを検知するようにしている。かかる構成では、LED光の照射による感光体の光疲労を引き起こすことがない。
図34は、LEDがおかれている環境下の温度である周囲温度Taと、LED315の許容順電流IFとの関係を示すグラフ(温度定格図)である。
図示のように、LED315においては、周囲温度Taに応じてLED315に発生させる電流値を決定する必要がある。周囲温度Taが高くなるほど、LED315が許容し得る電流値が低くなるからである。ここで、濃度センサ310の被検対象面である中間転写ベルト10の地肌部における光反射率が比較的高い場合には、Vsg調整処理において、受光素子に規定量の反射光を受光させるのに必要となるLED発光量、即ち、濃度センサ310からの出力電圧値を既定値(例えば4.0±0.2[V])にするのに必要となるLED電流値、が比較的小さくなる。ここで、Vsgとは、中間転写ベルト10の地肌部を検知した濃度センサ310の出力電圧値である。
例えば、中間転写ベルト10として透明のものを用い、濃度センサ310の対向ローラとして鏡面反射率の高い金属ローラ(20°光沢度:約500)を用い、対向ローラ表面でLED光を反射させた場合には、4.0[V]のVsgを得るのに必要なLED電流値は4〜7[mA]程度である。
これに対し、本実施形態では、被検対象たる中間転写ベルト10として、温湿度環境に対する抵抗変動の小さいカーボン分散系のベルト(20°光沢度:120)を採用している。この中間転写ベルト10は、カーボン分散によって黒色を呈しており、鏡面反射率が約1/4程度と、かなり低くなっている。このような中間転写ベルト10において、4.0[V]のVsgを得るためには、LED電流が透明ベルトの約5倍の20〜35[mA]にもなってしまう。光沢度の低いベルトや表面粗さが大きいベルトでも、同様にLED電流が相当に大きくなる。
先に説明したように、LED電流については、周囲温度に応じた許容順電流値内で使用しなければならないという制約があるため、20〜35[mA]をLEDに流すのは困難である。LED電流を許容順電流値内に留めつつ、所望のVsg値を得る方法としては、濃度センサ310の受光素子の感度、すなわち、OPアンプのゲインを上げる方法がある。これによれば、LED電流を許容順電流値内に留めつつ、4.0[V]のVsgを得ることも可能である。但し、この方法では、受光素子に入る非常に微弱な光を単に電気回路的に増幅するだけであるので、高いS/N比を得ることができなくなる。
そこで、本実施形態では、検知対象面である中間転写ベルト10の表面が黒色であることへの対策として、高反射率のベルトに比べてLED電流値を大きくすることに加えて、OPアンプのゲインを上げている。両者を大きくすることで、LED電流値を許容順電流値内に留めつつ、S/N比の低下を抑えているのである。具体的には、LED電流については、周囲温度の最大値を50[℃]、経時的な光量低下を約2/3と見込んで、15[mA]に設定した。また、OPアンプのゲインについては、LED電流のばらつきを20〜35[mA](最大幅15[mA])と見込んで、2.5倍とした。これにより、環境によらず安定した転写性が得られる黒色の中間転写ベルト10上で、濃度センサ310として必要なS/N比を確保することが可能となった。
LED315は、図35に示すように、長期的な使用に伴って、格子欠陥を徐々に増大させつつ、発光量を徐々に低下させていくという特性を持つ。この発光量の低下度合いは、LED315の材料によって異なるが、多くの場合にはLEDに流す電流に依存し、電流値が大きいほど経時的な発光量低下の割合が大きくなる。同図において、発光率は、初期状態のLEDの発光量を100[%]とした場合における各時点での発光量の割合を示している。同図から、LEDの発光量の低下率は、電流値が大きいほど高く、また周囲温度が高いほど劣化の進行が加速されることがわかる。
本実施形態では、既に述べたように、セルフチェック中における無駄な待ち時間を無くす目的で、プロッタ立ち上げ時にLED315をONし、その後、プロッタ立ち下げ時までONし続けている。かかる構成では、光学検知が必要なときだけLEDをオンオフさせていた従来に比べて、LEDのON時間がかなり長くなる。すると、従来では発生していなかった図35に示すような経時的なLED315の発光量の低下が起こるようになる。正反射型光学センサである第二濃度センサ310bの場合には、発光量の低下が検知精度にそれほど影響しないが、マルチ反射型光学センサである第一濃度センサ310aの場合には、発光量の低下が検知精度に影響してくる。
そこで、本実施形態では、LED315の経時的な光量低下によるマルチ反射型光学センサである第一濃度センサ310aによる検知精度の低下を抑えるべく、検知結果を補正するようになっている。これにより、LED電流の経時的な光量低下による拡散反射光出力の変動を補正するのである。
次に、所定条件で一様に帯電された各感光体20の表面電位(感光体地肌部電位Vd)の検知(Vd検知)を電位センサ320により行い(S702)、この検知結果に基づいて帯電装置60のACバイアスの調整を行う(S703)。この後、Vsg調整を行う(S704)。このVsg調整では、中間転写ベルト10の地肌部(表面)からの正反射光(Vsg_reg)がある所定範囲内(4.0±0.2[V])となるように濃度センサ310のLED発光量を調整する。また光量調整後、ベルト地肌部出力(Vsg_reg,Vsg_dif)はRAMに記憶しておく。ここでS701〜S702は各色の画像形成ユニット18で並列処理を、またS703は2つの濃度センサ310a,310bについて並列で処理を行う。なお、ここでVsg調整の開始タイミングは、濃度センサ310のLED315がONされてからセンサ出力が安定化するまでの約5秒の時間経過後に行われるようにするために、ステップS702〜S703の処理後としている。
次に、各感光体20上に各色10階調のパッチパターン(多階調パッチパターン)の静電潜像を形成し(S705)、各感光体20上における10階調パターンの各パッチ電位に対する電位センサ320の出力値を読み込んで(S706)、RAM504に格納する。また、このセンサ出力値(各パッチの電位)とこのパッチパターンを現像したときの現像バイアスとから現像ポテンシャルを計算しておく(S707)。なお、このときに形成する10階調のパッチパターンの作像条件及びパターン構造は後に詳述する。
そして、感光体20上に形成された静電潜像は、それぞれ黒現像装置61K、シアン現像装置61C、マゼンタ現像装置61M、イエロー現像装置61Yにより現像させて顕像化させることにより各色のトナー像とする。つぎに、図3に示すように、中間転写ベルト10上に一次転写する。各色の10階調パターンは、図3に示すように2つの濃度センサ310a,310bのベルト幅方向Wの位置に対応する位置(C、M、Yについては画像中心に対し手前側40[mm]位置に、Kについては画像中心に対し奥側40[mm]位置)に作像する。
次いで、CPU501は、上述した10階調パターンを現像して中間転写ベルト10上に転写したトナーパターンに対するトナー付着量を濃度センサ310(Pセンサ)によって検知する(S706)。このトナー付着量検知では、各色のトナーパターンに対する濃度センサ310の正反射光出力(Vsp_reg)、拡散反射光出力(Vsp_dif)をすべてのトナーパッチ(10パッチ×4色分)をRAM504に格納する。次に、トナーの付着量を算出する(ステップS707)。この付着量算出アルゴリズムは、黒トナー検知用センサとカラートナー検知用センサとではセンサ構成が異なるために、別のアルゴリズムとなる。
まず、黒トナーパッチの付着量変換処理について述べる。
黒トナーの付着量計算は、従来技術に示されるベルト地肌部出力(Vsg)とパッチ部出力(Vsp)との出力比(Vsp/Vsg)を算出し、これをROMに収められている図示しない付着量変換テーブルを参照することにより、付着量を算出する。
次に、カラートナーパッチの付着量変換処理について述べる。
本実施形態では、LED電流を高く設定しなければいけない黒色の中間転写ベルト10上で拡散反射型センサを用いた付着量検知を行っているため、ここにおけるトナー付着量変換処理では、LED電流の経時的な光量低下によるセンサ出力低下、及びVsg調整(ベルト地肌部の正反射光出力が4.0[V]±0.2[V]となるようにする調整)により生じる拡散反射光出力の変動を補正する補正処理が必要となる。本実施形態では、カラートナーの付着量については、以下のSTEP1〜7という6段階の処理によって演算する。
STEP1では、データサンプリングを行って、ΔVspやΔVsgを算出する。
まず、各色(C、M、Y)のトナーパターンについて、正反射光出力、拡散光出力ともに、それを構成する全パッチ(n=C1〜C10,M1〜M10,Y1〜Y10)におけるオフセット電圧との差分を計算する。これは、最終的には、センサ出力の増分をカラートナーの付着量に変化よる増分とするための処理である。
正反射光出力増分については、次のようにして求める。
ΔVsp_reg.[n]=(Vsp_reg.[n])−(Voffset_reg)
また、拡散反射光出力増分については、次のようにして求める。
ΔVsp_dif.[n]=(Vsp_dif.[n])−(Voffset_dif)
但し、オフセット出力電圧値(Voffset_reg、Voffset_dif)が、無視できるレベルに十分に小さい値となるOPアンプを用いた場合、この様な差分処理は省略しても構わない。このようなSTEP1により、図36に示す特性曲線を得る。
STEP2では、感度補正係数αを算出する。
まず、STEP1にて求めたΔVsp_reg.[n]やΔVsp_dif.[n]から、パッチごとに「(ΔVsp_reg.[n])/(ΔVsp_dif.[n])」を算出する。そして、後述するSTEP3で正反射光出力の成分分解を行う際に、拡散光出力(ΔVsp_dif[n])に乗ずるための感度補正係数αを、次のようにして算出する。
α=min{(ΔVsp_reg[n])/(Vsp_Dif.[n])}
このようなSTEP2により、図37に示すような特性曲線を得る。なお、感度補正係数αをΔVsp_reg.[n]とVsp_dif.[n]との最小値としたのは、正反射光出力の正反射成分の最小値がほぼゼロであり、かつ正の値となることがあらかじめわかっているからである。
STEP3では、正反射光の成分分解を行う。
正反射光出力の拡散光成分については、次のようにして求める。
ΔVsp_reg._dif.[n]=(ΔVsp_dif.[n])×α
また、正反射光出力の正反射成分については、次のようにして求める。
ΔVsp_reg._reg.[n]=(ΔVsp_reg.[n])−(ΔVsp_reg._dif.[n])
このようにして成分分解を行うと、感度補正係数αが求まるパッチ検知電圧にて、正反射光出力の正反射成分がゼロとなる。そして、この処理により、図38に示すように、正反射光出力が[正反射光成分]と[拡散光成分]とに成分分解される。
STEP4では、正反射光出力の正反射成分を正規化する。
次の式のようにして、各パッチの検知電圧における地肌検知電圧との比を求めて、0〜1までの正規化値へ変換する。
正規化値β[n]=(ΔVsp_reg._reg.)/(ΔVsg_reg._reg)(=中間転写ベルト地肌部の露出率)
このようなSTEP4により、図39に示すような特性曲線を得る。
STEP5では、拡散光出力の地肌部変動補正を行う。
まず、次の式のようにして、[ベルト地肌部からの拡散光出力成分]を、[拡散光出力電圧]から除去する処理を行う。
補正後の拡散光出力=(ΔVsp_dif’)
=[拡散光出力電圧]−[地肌部検知電圧]×[正反射成分の正規化値]
={ΔVsp_dif(n)}−{(ΔVsg_dif)×β(n)}
これにより、中間転写ベルト10の地肌部の影響を除くことができる。よって、正反射光出力が感度を持つ低付着量域において、ベルト地肌部から直接反射される拡散光成分を、拡散光出力から、除去することができる。このような処理を行うことにより、トナー付着量ゼロ〜1層形成までのトナー付着量範囲における補正後拡散光出力が、図40に示すように、原点を通り、且つトナー付着量に対して1次線形関係のある値へと変換される。
STEP6では、拡散光出力の感度を補正する。
具体的には、図41に示すように、「正反射光の正反射成分の正規化値」に対し、地肌部変動補正後の拡散光出力をプロットし、トナー低付着量域における直線関係から、拡散光出力の感度を求める。そして、この感度が予め定めた狙いの感度となるような補正を行う。ここで言う拡散光出力の感度とは、図41に示す直線の傾きである。この傾きが、ある正規化値の地肌部変動補正後の拡散光出力が所定の値(図示の例ではx=0.3のときy=1.2)となるように、現状の傾きに対して乗じる補正係数を算出する。
つまり、出力電圧値の測定結果を補正するのである。直線の傾きについては、次のような最小二乗法によって求める。
直線の傾き=Σ(x[i]−X)(y[i]−Y)/Σ(x[i]−X)
X=正反射光_正反射成分の正規化値の平均値
y=Y−直線の傾き×X
x[i]=正反射光_正反射成分の正規化値(但し、計算に用いるxの範囲は0.06≦x≦1)
y[i]=地肌部変動補正後拡散光出力
Y=地肌部変動補正後拡散光出力の平均値
なお、本実施形態においては、計算に用いるxの範囲の下限値を0.06としたが、この下限値はx,yが線形関係にある範囲内で任意に決めることができる値である。上限値については、正規化値が0〜1までの値であることから1とした。こうして求められた感度から計算される正規化値aがある値bとなるような感度補正係数γを、次のようにして求める。
感度補正係数:γ=b/(直線の傾き×a+y切片)
そして、STEP5で求めた地肌部変動補正後の拡散光出力を、この感度補正係数γの乗算によって補正する。
感度補正後の拡散光出力:(ΔVsp_dif’’)
=[地肌部変動補正後拡散光出力]×[感度補正係数γ]
={ΔVsp_dif(n)’}×γ
STEP7では、センサ出力値をトナー付着量に変換する。
STEP6までの処理により、LED光量低下などによって生じる拡散反射出力の経時的な変動に対する補正処理がすべて行われたため、最後に、補正後のセンサ出力値をトナー付着量変換テーブルを参照することにより、トナー付着量への変換を行う。上述した処理により、黒トナー、カラートナーともに付着量計算(S707)までができる。そして、つぎに、現像γの計算(S708)を行う。
現像γの計算処理(S708)では、図31のS707で得られた現像ポテンシャル(各色10階調パッチパターンの各パッチを現像したときの現像バイアスVbと各パッチの検知電位との差分値)に対し、各パッチのトナー付着量データ(単位面積当りのトナー付着量[mg/cm])をプロットしたデータの直線近似式(傾きを現像γと呼び、x切片を現像開始電圧と呼ぶ。)を計算し、狙いのトナー付着量(ベタ画像の目標トナー付着量)を得るのに必要な現像ポテンシャルを算出する(S709)。そして、後述するS710からS714までのステップで、この現像ポテンシャルにマッチした帯電電位Vd、現像バイアスVb、及び、露光電位VLを算出する。
上述したステップ(S705)で作成する10階調のパッチパターンの作像条件は、以下の通りである。
帯電電位Vd =−700[V]
現像バイアスVb =−550[V]
露光パワー(LDパワー)= 0.101[mW]
書込密度 = 2400[dpi]×2400[dpi]
なお、帯電電位Vdは、帯電装置60によって一様帯電させた感光体20の表面電位(地肌部電位)であり、現像バイアスVbは現像スリーブ65に印加されている電圧値である。また、露光パワー(LDパワー)は、感光体20上での露光パワー(以下「Lp」と示す。)である。また、LDdutyは、単位面積あたりの露光時間を示す。
図42は、dutyのみによって、単位面積(1ドット面積)あたりの露光時間を変化させて、単位面積(64ドット分の面積)あたりの潜像面積を32ドット分とした場合(32/64値)の潜像パターンを示す模式図である。図42中の矢印G方向が主走査方向であり、図中の黒塗り部分が光源を発光させ、露光を行った潜像部分を示す。
このように各ドットを露光する際のdutyを変更することでドット、単位面積(64ドット分の面積)あたりの潜像面積(潜像ドット数)を32/64値とすることができる。また、光源を連続点灯させることによって、単位面積あたりの潜像ドット数を64/64値とすることができる。
なお、単位面積あたりの露光時間を変化させる制御としては、図42のように1ドットドットの潜像の形成に対して露光する領域と露光しない領域とを形成する制御よりも、露光するドットと露光しないドットとの組み合わせによって単位面積あたりのドット数とする制御の方が、より潜像を安定させることができる。
図43は、露光するドットと露光しないドットとの組み合わせによって単位面積あたりの潜像ドット数を32/64値とした場合の潜像パターンを示す模式図である。
図43に示す例では、1ドットドットの潜像は、ドット全体が露光されるか、またはドット全体が露光されないかの何れかとなる。図43に示すように、露光するドットと露光しないドットとの組み合わせによって、LDdutyを変更し、単位面積あたりの潜像ドット数を変更した方が、感光体に露光される潜像が集中するため、図42のように、潜像形成が1ドットドットずつLDdutyを変更する例と比較して、安定した潜像を作成することができる。
さらに、図43に示す潜像パターンは、露光するドット(潜像ドット)が集中し、互いに隣接するように配置されている。露光するドット(潜像ドット)を集中させることにより、図42に示す潜像パターンに比べて、露光された領域と露光されていない領域との境界となる部分が少なくなり、単位面積あたりの潜像ドット数が32/64値で同じであっても、潜像が安定する。また、露光するドットが主走査方向に連続している。図42に示す潜像パターンでは光源が点灯と消灯を頻繁に繰り返すため、潜像が不安定になりやすい。これに対し、図43に示す潜像パターンであれば、主走査方向に潜像ドットが連続している間は、光源を点灯させたままとするため、図42の潜像パターンに比べて、潜像が安定する。
図44は、露光装置900に搭載された、光源ドライバ931、複数の発光部を有する光源914、両者が実装される基板933、この基板933上で光源ドライバ931と光源914の各発光部とを電気的に接続する配線932A,932B,932Cを示した概略図である。
ここでは、説明の便宜上、40個の発光部のうちの3個の発光部930A,930B,930Cのみを例示して示す。また、図示では、発光部930A,930B,930Cに発光レベル電流を供給する光源ドライバ931を構成するICパッケージのピンをICピン931a,931b,931cとし、光源914のパッケージのピンを光源ピン914a,914b,914cとし、ICピン931aと光源ピン914aとをつなぐ配線を配線932Aとし、ICピン931bと光源ピン914bとをつなぐ配線を配線932Bとし、ICピン931cと光源ピン914cとをつなぐ配線を配線932Cとする。
図45は、光源ドライバ931と光源914の各発光部930A,930B,930Cとを接続する配線の等価回路の概要を示す説明図である。
図45において、ICピン931aの容量をC11、ICピン931bの容量をC21、ICピン931cの容量をC31とし、配線932Aのカップリング容量をC12、配線932Bのカップリング容量をC22、配線932Cのカップリング容量をC32とし、発光部930Aの容量成分をC13、発光部930Bの容量成分をC23、発光部930Cの容量成分をC33とする。また、発光部930Aの抵抗成分をR1、発光部930Bの抵抗成分をR2、発光部930Cの抵抗成分をR3とする。
図46は、発光部を発光させるときの時定数と立ち上がり特性を示すグラフである。
光源ドライバ931から発光部930Aに至るまでの系(チャンネル)には、C1=C11+C12+C13の容量成分が存在し、この容量成分C1と発光部930Aの抵抗成分R1とにより、この系全体では時定数τ1=R1×C1が生じる。他の発光部についても同様である。例えば、ある一定電流をパルス状に印加する場合、その絶対値を1としたとき、時定数τは電流の大きさが(1−e−1)となるまでの時間を示している。一方、立ち上がり特性については、例えば、ある一定電流をパルス状に印加する場合、その絶対値を1としたとき、電流の大きさが0.1から0.9に変化するまでの時間(立ち上がり時間ta)で示すことができる。パルス状の波形について応答特性を考える場合には、立ち上がり特性を考えるのが分かりやすいので、両者の関係式より立ち上がり特性と時定数との関係を求めると、立ち上がり時間ta=2.2×τとなる。これは立ち下がり時間についても同様に当てはまる。つまり、配線932A,932B,932Cが長くてカップリング容量C12,C22,C32が大きいほど、時定数τが大きくなり、立ち上がり時間が長くなるという関係となる。
本実施形態の光源914は、発光部が40個と多いため、光源914と光源ドライバ931との間の配線パターンが複雑化し、配線が長くなって配線のカップリング容量が増加し、立ち上がり時間が比較的長い。立ち上がり時間taは、一般に、光源914が多チャンネルのVCSELである場合には10[nsec]以下であり、端面発光LDである場合には5[nsec]以下である。ドット潜像を形成する際、この立ち上がり時間が確保できないと、安定した光量が得られずドット潜像の形成が不安定となる。一方で、安定した光量を得るためにドット潜像を集中させ過ぎると、ドット潜像が少ない低濃度のパッチにおいて、上述した検知ステップ(S706)において検知されるパッチ潜像の電位と当該パッチのトナー付着量との関係が、本来の関係(直線関係)から大きく外れてしまう。
図47は、10階調パターンの一作成例(以下「パターン例1」という。)を示す説明図である。
図48は、10階調パターンの他の作成例(以下「パターン例2」という。)を示す説明図である。
これらの10階調パターンは、いずれも、書込密度が2400dpi×2400dpiであり、各パッチが24ドット×24ドットの基本ドットマトリクスを繰り返して構成されたものである。各パターン例の10階調パターンを構成する互いに濃度が異なる10個のパッチは、パターン例ごとに、図示したパターン1〜10のようなドット潜像パターンをもつ基本ドットマトリクスによって構成されている。いずれのパターン例におけるパッチも、対応する濃度に応じて基本ドットマトリクス内におけるドット潜像の数及び配置が単位ドット潜像の単位で互いに異なるように形成されている。なお、ここで説明するパターン例1及びパターン例2は、いずれも、1つのドット潜像単位で(すなわち、単位ドット潜像が1つの潜像ドットである。)、ドット潜像の数及び配置を異ならせて、濃度が異なったパッチを形成している。これらのパターン例1及びパターン例2は、このような面積階調制御により10階調パターンが形成されているが、その基本ドットマトリクス内におけるドット潜像の配置がパターン例間で異なっている。なお、いずれのパターン例も、基本ドットマトリクス内におけるドット潜像の数は同じである。
基本ドットマトリクス全体に対する基本ドットマトリクス内に書き込まれた潜像ドットの割合(以下「潜像割合」という。)をaとしたとき、パターン6までは、潜像割合aは0.5以下である。すなわち、基本ドットマトリクス内における潜像面積の比率が50%以下である。このとき、互いに隣接して配置された集中ドット潜像群の主走査方向における長さをcm[ドット]とし、集中ドット潜像群の副走査方向における長さをcs[ドット]とし、主走査方向の書込密度をρm[dpi]とし、副走査方向の書込密度をρs[dpi]とした場合、(ρm×ρs)/(600)=(2400×2400)/(600)=16である。したがって、集中ドット潜像群の寸法をcm×cs≦16を満たすように設定すれば、600[dpi]×600[dpi]の書込密度の場合以上にドット潜像が集中しないようにすることができる。
600[dpi]×600[dpi]の書込密度の場合には、ドット潜像が集中して形成されていても、パッチ潜像の電位と当該パッチのトナー付着量との関係が本来の直線関係から大きく外れてしまうという問題が発生していなかった。したがって、2400[dpi]×2400[dpi]という高い書込密度である本実施形態においても、600[dpi]×600[dpi]の書込密度の場合以上に潜像ドットが集中しないように各濃度のパッチを形成することで、600[dpi]×600[dpi]の書込密度の場合と同様に、上記問題を発生させないようにすることができる。その結果、パッチ潜像の電位と当該パッチのトナー付着量との関係を検出するための10階調パターンに低濃度部分のパッチを含ませることができ、濃度範囲の広いパッチパターンを用いることができ、当該関係の高精度な検出が可能となり、高精度な濃度調整制御が可能となる。
a≦0.5のときの集中ドット潜像群の寸法cm×csについて、パターン例1及びパターン例2についてそれぞれ計算した。パターン例1の10階調パターンでは、パターン1のパッチがcm×cs=5×5=25であり、パターン2〜6がいずれも6×6=36である。一方、パターン例2の10階調パターンでは、パターン1〜6のいずれのパッチもcm×cs=1×1=1である。パターン例1では、集中ドット潜像群の寸法cm×csが最も小さい、すなわち、もっともドット潜像が集中していないパターン1でも、cm×cs=25となり、600[dpi]×600[dpi]の書込密度の場合以上にドット潜像が集中している。これに対し、パターン例2では、各ドット潜像が隣り合わないように分散しているので、600[dpi]×600[dpi]の書込密度の場合以上にドット潜像が集中することがなくなっている。
ここでの説明では、1ドットに対して露光する場合と露光しない場合の2値のみで階調を表したが、1ドットの階調数が3以上であってもよく、この場合、cm=1/2など、cmやcsが整数以外の数値をとる。
図49は、各パターン例について、その10階調パターンの各パッチ電位の検知結果から計算した現像ポテンシャルと各パッチのトナー付着量との関係をプロットしたグラフである。
このグラフの横軸に示した現像ポテンシャルは、10階調パターンを現像したときの現像バイアスと当該10階調パターンの各パッチを電位センサ320で読み取った電位との差分値である。また、このグラフの縦軸に示したトナー付着量は、10階調パターンを現像して得た各トナーパッチの濃度を濃度センサ310で読み取った値から算出したものである。
図49に示すグラフにおいて、パターン例1を見ると、低濃度部のパッチであるパターン1〜6、特に濃度が低い4つのパターン1〜4あたりで、現像ポテンシャルとトナー付着量との関係が直線関係からトナー付着量の多い側に外れている。これに対し、パターン例2を見ると、10個のパッチすべてで直線関係が成り立っている。一般に、現像ポテンシャルとトナー付着量との関係は直線関係となるため、パターン例2の場合、低濃度部のパッチについても当該関係を高い精度良く検出するのに役立つ。
パターン例2では、ドット潜像が集中しないように分散させるべく、低濃度部のパッチについてのドット潜像の配置パターンを工夫している。具体的には、低濃度部のパッチについては、単位ドット潜像(ここでは単位ドット潜像が1つのドット潜像からなるので、以下、単にドット潜像という。)の中心間距離の中で最小値となる最小中心間距離が最大となるように、基本ドットマトリクス内におけるドット潜像の配置が決められたドット離散潜像パッチとしている。
最もドット潜像を平均的に離散させる配置は、図50に示すように、ドット潜像間の中心同士を結んでできる仮想直線のなす角度(以下「中心間角度」という。)がすべて60°となるように離散する配置である。この場合、ドット潜像間の中心間距離はすべて等しくなり、ドット潜像は均等に離散する。しかしながら、書込ドットは格子状に配置するという制約があるため、このようにドット潜像を均等に離散させることは困難である。そこで、中心間角度が60°より少しずれた場合にドット潜像がどのように配置されるかを検討する。
図51に示すように、注目ドットが存在する主走査方向の主走査ドットラインに隣接する隣接主走査ドットラインと、注目ドットが存在する副走査方向の副走査ドットラインに隣接する隣接副走査ドットラインとの交点に存在するドットを隣接ドットとし、この隣接ドットと注目ドットとを結んだ仮想直線と主走査ドットラインとのなす角度をθとする。そして、主走査ドットラインの間隔及び副走査ドットラインの間隔を変更して書込密度が変わらないようにθを振ったとき、なるべくドット潜像が離散するようにドット潜像を配置した場合に最も近い同士のドット潜像間における中心間距離を最小中心間距離と定義し、基本ドットマトリクス内における潜像面積比率と最小中心間距離との関係を図52のグラフに示した。なお、θ=60°の場合がすべてのドット間の中心間距離が等距離となるため最小中心間距離は一番大きくなり、θ=60°からずれるにつれてドット間の中心間距離が等距離からずれていき、最小中心間距離が小さくなる。
θ=60°からずれた場合における潜像面積比率の増加に伴う最小中心間距離の変化傾向を分析するため、まず、θが60°から±15°ずれた状態すなわちθ=45°と75°のときの潜像面積比率における最小中心間距離を算出した。図52に示すように、同じ15°のずれでも、θ=45°の方が、θ=75°よりも、潜像面積比率の増加に伴う最小中心間距離の減少量(以下「減少率」という。)が少ない。すなわち、θ=45°〜60°の間は、最小中心間距離の減少率が少なく、θ=60°を超えると、最小中心間距離の減少率が大きくなることを示している。また、θが60°より大きい場合に、θ=45°の場合の最小中心間距離の減少率が等しい減少率をもつのは、図52に示したように、θ=64°の場合である。θ=45°の場合の最小中心間距離の減少率が許容範囲(潜像面積比率がおおよそ100%になるまでは最小中心間距離を1ドット以上確保できる範囲)とすると、θ=45°〜64°までが許容範囲内であると言える。
また、θ=45°以下の例を見てみる。図53はθ=30°の場合のドット配置の例を示すものであり、図54はθ=15°の場合のドット配置の例を示すものである。ドット配置は格子状に並べる必要があるため、図53及び図54のように直角三角形を基本として、その整数倍となるように主走査方向、副走査方向に並べるという制約がある。このとき、直角三角形の1つの角がθに相当し、もう1つの角度は(90°−θ)となる。すなわち、図53に示すθ=30°のドット配置は、図55に示すθ=60°の主走査方向と副走査方向を入れ替えたものであり、等価であると言える。同様に、図54に示すθ=15°のドット配置は、図56に示すθ=75°の主走査方向と副走査方向を入れ替えたものであり、等価であると言える。このように、θ=45°以下の場合、主走査方向と副走査方向を入れ替えれば(90°−θ)の場合と等価となるため、先ほどの最小中心間距離の減少率の許容範囲の上限値であるθ=64°は、(90°−64°)=26°と等価となる。よって、最小中心間距離の減少率の許容範囲はθ=26°〜64°に広がる。
上記パターン例2において、a≦0.5のパターン1〜6についてのθを求めると、パターン1ではθ=53°、パターン2ではθ=56°、パターン3〜6ではθ=45°となっている。したがって、上記パターン例2における低濃度パッチに対応したパターン1〜6はいずれも最小中心間距離の減少率が許容範囲に収まるように、最小中心間距離をなるべく大きくとるようにドット潜像を配置した潜像パターンであるといえる。
なお、本実施形態における露光装置900は、ポリゴン面数が6面であり、書込画角が39°であり、書込幅が328[mm]であり、画周波数bは42.8[MHz]となるので、b/100=42.8/100=0.428であるため、cmは0.428ドット以上点灯していれば、露光波形の立ち上がりに関しては問題ない。すなわち、パターン例2における潜像パターンでも、安定した多階調パッチパターンを形成することができる。
〔変形例1〕
次に、上記露光装置900の構成及び画像濃度調整制御に用いる多階調パッチパターンの一変形例(以下、本変形例を「変形例1」という。)について説明する。
本変形例1における光源914は、上記実施形態と同様に40個の発光部101が1つの基板上に形成された二次元アレイ901を有している。ただし、本変形例1では、隣接する発光部列のDir_sub方向に関する間隔(図10におけるds2)が24.0[μm]であり、各発光部列におけるT方向に関する発光部間隔(図10におけるd1)が24.0[μm]であり、各発光部101をDir_sub方向に延びる仮想線上に正射影したときの発光部101の間隔(図10におけるds1)が2.4[μm]である。
図57は、10階調パターンの更に他の作成例(以下「パターン例3」という。)を示す説明図である。
本変形例1における多階調パッチパターンは、図57に示すように上記実施形態の場合と同様に10階調パターンであるが、書込密度が4800[dpi]×4800[dpi]である点で、異なっている。また、本変形例1の10階調パターンを構成する互いに濃度が異なる10個のパッチは、24ドット×24ドットの基本ドットマトリクスを繰り返して構成されたものであり、上記パターン例2のパターン1〜10のようなドット潜像パターンをもつ基本ドットマトリクスによって構成されている。ただし、本変形例1のパターン例3では、2つのドット潜像単位で(すなわち、本変形例1では単位ドット潜像が2つの潜像ドットの群からなる。)、ドット潜像の数及び配置を異ならせて、濃度が異なったパッチを形成している。本変形例1に係るパターン例3の10階調パターンにおいて、パターン1〜10の各パッチにおける潜像面積比率はいずれも他のパターン例の場合と同様である。
本変形例1の場合、(ρm×ρs)/(600)=(4800×4800)/(600)=64となるので、集中ドット潜像群(本変形例1では単位ドット潜像に相当する。)の寸法をcm×cs≦64を満たすように設定すれば、600[dpi]×600[dpi]の書込密度の場合以上にドット潜像が集中しないようにすることができる。a≦0.5のときの集中ドット潜像群の寸法cm×csについて、パターン例3について計算した。パターン例3の10階調パターンは、パターン1〜6のいずれのパッチもcm×cs=2×1=2である。よって、パターン例3では、単位ドット潜像が隣り合わないように分散しており、600[dpi]×600[dpi]の書込密度の場合以上にドット潜像が集中することがない。
このパターン例3における現像ポテンシャルとトナー付着量との関係は、上記パターン例1及びパターン例2と一緒に図49に示した。パターン例3を見ると、10個のパッチすべてで直線関係が成り立っている。よって、パターン例3の場合、低濃度部のパッチについても当該関係を高い精度良く検出するのに役立つ。
なお、本変形例1における露光装置900は、ポリゴン面数が6面であり、書込画角が39°であり、書込幅が328[mm]であり、画周波数bは171.2[MHz]となるので、b/100=171.2/100=1.712であるため、cmは1.712ドット以上点灯していれば、露光波形の立ち上がりに関しては問題ない。すなわち、パターン例3のようにcm=2である単位ドット潜像の単位で濃度を調整したパッチパターンであれば、安定した多階調パッチパターンを形成することができる。
〔変形例2〕
次に、上記露光装置900の構成及び画像濃度調整制御に用いる多階調パッチパターンの他の変形例(以下、本変形例を「変形例2」という。)について説明する。
本変形例2における光源914は、上記実施形態における二次元アレイ(基板面に対して垂直方向に光を照射するVCSEL型のもの)ではなく、基板面に対して平行な方向へ光りを照射するいわゆる端面発光型の4チャンネルLDアレイである。本変形例2では、図58に示すように、隣接する発光部列のDir_sub方向に関する間隔(図58におけるds)が9.6[μm]である。
本変形例2における多階調パッチパターンは、上記実施形態の場合と同様に10階調パターンであるが、書込密度が1200[dpi]×1200[dpi]である点で、異なっている。また、本変形例2の10階調パターンを構成する互いに濃度が異なる10個のパッチは、24ドット×24ドットの基本ドットマトリクスを繰り返して構成されたものであり、上記パターン例2のパターン1〜10のようなドット潜像パターンをもつ基本ドットマトリクスによって構成されている。具体的には、1つのドット潜像単位で(すなわち、本変形例2では単位ドット潜像が1つの潜像ドットからなる。)、ドット潜像の数及び配置を異ならせて、濃度が異なったパッチを形成している。本変形例2に係る10階調パターン(以下「パターン例4」という。)において、パターン1〜10の各パッチにおける潜像面積比率はいずれも他のパターン例の場合と同様である。
本変形例2の場合、(ρm×ρs)/(600)=(1200×1200)/(600)=4となるので、集中ドット潜像群(本変形例2では単位ドット潜像に相当する。)の寸法をcm×cs≦4を満たすように設定すれば、600[dpi]×600[dpi]の書込密度の場合以上にドット潜像が集中しないようにすることができる。a≦0.5のときの集中ドット潜像群の寸法cm×csについて、パターン例4について計算した。パターン例4の10階調パターンは、パターン1〜6のいずれのパッチもcm×cs=1×1=1である。よって、パターン例4では、単位ドット潜像すなわち各ドット潜像が隣り合わないように分散しており、600[dpi]×600[dpi]の書込密度の場合以上にドット潜像が集中することがない。
なお、このパターン例4における現像ポテンシャルとトナー付着量との関係は図示しないが、上記パターン例2や上記パターン例3と同様に、10個のパッチすべてで直線関係が成り立つ。よって、パターン例4の場合でも、低濃度部のパッチについても当該関係を高い精度良く検出するのに役立つ。
なお、本変形例2における露光装置900は、ポリゴン面数が6面であり、書込画角が39°であり、書込幅が328[mm]であり、画周波数bは107.0[MHz]となるので、b/200=107.0/200=0.535であるため、cmは0.535ドット以上点灯していれば、露光波形の立ち上がりに関しては問題ない。すなわち、パターン例2のようにcm=1である単位ドット潜像の単位で濃度を調整したパッチパターンであれば、安定した多階調パッチパターンを形成することができる。
本実施形態(上記変形例1及び2を含む。以下同じ。)では、上述した10階調パターンを形成し、各パッチの電位及び各パッチのトナー付着量を検知して、図49に示すような直線近似式を算出し、算出した直線近似式に基づいて、狙いのトナー付着量(ベタ画像の目標トナー付着量)を得るのに必要な現像ポテンシャルを算出する(S709)。狙いのトナー付着量をMmaxとし、直線近似式の傾きをγ、y切片をbとすると、必要な現像ポテンシャルPmaxは、Mmax=γ×Pmax+bPmax=(Mmax−b)/γから求めることができる。
このようにして狙いのトナー付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルを算出したら(S709)、次に、感光体20の残留電位Vrを検知する(S710)。この検知では、露光装置900の露光パワーを最大光量となるように制御し、このときの電位センサ320で読み取った電位を感光体20の残留電位Vrとする。本来は、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電のプロセスを経た後の電位を残留電位Vrと呼ぶが、本実施形態では電位センサ320が露光と現像との間に配置されているため、除電プロセスの代わりに最大光量での露光を行い、このような最大露光後の電位を残留電位として検出している。
この残留電位Vrが基準値(例えば、初期状態において、感光体20を所定の帯電電位Vdとした後、最大光量で露光したときの残留電位Vr)を超えていた場合、残留電位Vrと基準値の差分を前記所定の帯電電位Vdに加えたものを目標帯電電位として設定する(S711)。カラー画像を形成するときには、各色並行して感光体20の帯電装置60による帯電電位Vdが上記目標帯電電位になるように電源回路(図示せず)を調整し、露光装置900の光源ドライバ931を介して光源914における露光パワーを、露光後の感光体表面の電位である露光電位VLと上記目標電位との間で所望の露光ポテンシャルを得ることができる電位になるように調整する(S711)。さらに、各色の現像装置の各現像バイアスVbが露光電位VLとの間で所望の現像ポテンシャルが得られるような現像バイアスとなるように、電源回路を調整する(S711)。
ここで、従来の残留電位Vrと基準値との差分の補正について、より詳しく説明する。
まず、残留電位Vrを測定するときの露光パワーについて説明する。
図59は、帯電電位Vdを600[V]、800[V]、及び900[V]と変化させたときの露光パワー(LDPower)Lpと露光電位VLとの関係を示すグラフである。なお、図59(a)は、それ以上露光パワーを与えても電位がほとんど変化しない電位飽和状態となる露光パワーLpの最小値が帯電電位Vdによって異なる感光体の一例である。また、図59(b)は、帯電電位Vdが変わっても電位飽和状態となる露光パワーLpの最小値があまり変化しない感光体の一例である。図中の横軸の単位は、[μJ・cm]であり、露光エネルギーを示すものとなっているが、露光パワーと読み変えることができる。
残留電位Vrの測定では、画像形成で用いる範囲で帯電電位Vdが変わっても露光後の感光体表面の電位である露光電位VLの値が変化しない露光パワーLp(以下、帯電非依存露光パワーLpαと呼ぶ)を使用する。図59(a)に示す例では、0.35[μJ/cm]以上、(図59(b)に示す例では、0.40[μJ/cm]以上の露光パワーLpを用いる。なお、このような帯電非依存露光パワーLpαで露光すると、通常の感光体では電位飽和状態となる。
次に、静電疲労によって感光体の光減衰特性が変化したときの補正について説明する。
図60は図59(b)を用いて説明した感光体の光減衰特性が変化したときの補正制御の説明図である。
図60に示す例では、0.45[μJ/cm]の露光パワーを使用している。疲労前(初期:図中実線)の残留電位Vrである初期残留電位Vrαの値は低く、初期帯電電位Vdαとの間で、十分な露光ポテンシャル(図中の実線の矢印で示す初期露光ポテンシャルPotα)を得ることができる。一方、静電疲労後(図中一点鎖線)の感光体では残留電位Vrである疲労後残留電位Vrβが疲労前の初期残留電位Vrαよりも高くなってしまう。このため、初期に比べて露光ポテンシャル(図中の一点鎖線の矢印で示す疲労時露光ポテンシャルPotβ)が小さくなる。そのため、初期と同じ露光ポテンシャルを得るために、帯電電位Vdを、(疲労後残留電位Vrβ−初期残留電位Vrα)の大きさだけ嵩上げして、補正後帯電電位Vdγとして、必要な露光ポテンシャル(図中の破線の矢印で示す補正後露光ポテンシャルPotγ)を得るように制御する。このように帯電電位Vdを補正する制御を行うことによって、露光パワーLpに対する露光電位VLの関係が図60中の破線で示すような光減衰特性となり、疲労時も初期と同じ露光ポテンシャルを得ることが可能となる。
なお、帯電電位Vdを補正するときに、帯電非依存露光パワーLpαを使用して、残留電位Vrを測定するのは以下の理由による。
帯電電位Vdが変わると露光電位VLの値が変化する程度の露光パワーの一例として、露光パワーLpが、0.15[μJ/cm]の場合について、図60を用いて説明する。図53に示すように、帯電非依存露光パワーLpαよりも低い露光パワーで露光した場合であっても、疲労後残留電位Vrβと初期残留電位Vrαとの関係と同様に、静電疲労時の露光電位である疲労時露光電位VLβは、初期状態の露光電位である初期露光電位VLαよりも高い値となる。ここで、帯電電位Vdを、(疲労時露光電位VLβ−初期露光電位VLα)の大きさだけ嵩上げして補正後帯電電位Vdδとする(Vdδ=Vd+VLβ−VLα)。そして、表面電位が補正後帯電電位Vdδの感光体を同じ露光パワー(0.15[μJ/cm])で露光したときの露光電位を補正後露光電位VLγとすると、補正後露光電位VLγは疲労時露光電位VLβよりも高い値となる。そして、補正後露光電位VLγが疲労時露光電位VLβよりも高くなると、補正後の露光ポテンシャル(Vdδ−VLγ)は、初期状態での露光ポテンシャル(Vd−VLα)よりも低い値となり、同じ露光パワー(0.15[μJ/cm])の作像条件において、初期状態と同じ露光ポテンシャルを得ることができない。これに対し、帯電非依存露光パワーLpα(0.45[μJ/cm])で露光すると、補正後の露光電位は補正前の露光電位である疲労後残留電位Vrβと同じ大きさとなるため、帯電電位Vdを嵩上げした分、露光ポテンシャルを大きくすることができ、必要な露光ポテンシャルを得ることができる。これにより、任意の露光パワーに対して、初期状態と同様の露光ポテンシャルを得ることができるようになる。このため、帯電電位Vdを補正するときには帯電電位Vdが変わっても露光電位VLの値が変化しない帯電非依存露光パワーLpαを使用する必要がある。また、以下に説明する、良好なベタ画像と中間調の画像とを得るための補正制御においても、感光体の表面電位が飽和状態となる残留電位Vrの値を用いる。そして、この値が帯電電位Vdの値によって変化すると、適切な補正を行うことができなくなるため、帯電非依存露光パワーLpαを使用して残留電位Vrの値を求める必要がある。
以上のようにして、感光体20の残留電位Vrを検知し(S710)、各目標電位(目標帯電電位Vd、現像バイアスVb、目標露光電位VL)を算出したら(S711)、次に、ベタ画像だけでなく、ハーフトーンと呼ばれる中間調の画像も形成する(S712)。そして、感光体20の光減衰特性が変化した場合、この中間調の画像も適切に作像できるように作像条件を調節する。詳しくは、良好なベタ画像と中間調の画像とを得るための補正制御、具体的には、図60を用いて説明したように、疲労等に対する帯電電位Vdの補正制御が行われた後に、良好なベタ画像と中間調の画像を得るための最適な露光パワーLpを求める制御を行う(S713)。
図61は、ベタ画像の露光を行った場合と中間調の露光を行った場合との感光体の光減衰特性の説明図である。
図61中の実線がベタ画像の露光の場合であり、破線が中間調の露光を行った場合である。なお、中間調の露光は、ベタ画像と同じ露光パワーで、単位面積あたりの露光時間をベタ画像よりも少なくする。単位面積あたりの露光面積を変えることで中間調を表す手法を用いても構わない。電位センサによる感光体表面の電位の測定はドット一つ一つではなく、ある程度の範囲で電位を測定し、その範囲内の平均値となる電位を検出する。よって、図61に示すように、同じ露光量であっても、中間調の露光を行った場合の露光電位である中間調露光電位VLhは、ベタ画像の露光を行った場合の露光電位であるベタ露光電位VLhよりも高い値(帯電電位Vdに近い値)となる。良好なベタ画像と中間調の画像とを得るためには、露光パワーを所望の光減衰率に合わせるように調整する。この光減衰率とは、帯電電位が一定の条件下で、ベタ画像の条件で露光したときの露光ポテンシャル(PotA)に対する中間調の条件で露光したときの露光ポテンシャル(PotB)の比{(PotB)/(PotA)}である。そして、この光減衰率の値を所定の一定にすることにより、ベタ画像に対するハーフトーン画像の濃度を一定に揃えることができる。図61では光減衰率を0.7で調整する例を示す。また、本例では、ベタ画像の作像条件の露光Dutyは100[%]であり、ハーフトーンの作像条件の露光Dutyは50[%]である。本例では露光Dutyを変更したが、露光Dutyを変更せずに単位面積あたりの露光面積を50%にしても構わない。
本例の良好なベタ画像と中間調の画像とを得るための補正制御では、中間調露光電位VLhに基づいて適切な露光パワーLpを算出する。先ず、露光Dutyが50[%](4値のパルス調整を行える機械の場合、2値)になるようにセットし、光減衰率0.7となる電位、すなわち、残留電位Vr測定時の露光ポテンシャル(図中の実線の矢印で示す最大露光ポテンシャルPotM)×0.7が露光ポテンシャル(図中のPotG)となる電位を光量調整目標値Vgとする。図61中の破線に示すように、露光Dutyを50[%]に下げると、その露光電位である中間調露光電位VLhの検知結果は、Vr測定時(ベタ露光電位VLf)のように電位が飽和せず、露光パワーLpを変えると中間調露光電位VLも変化する(感光体の感度がある領域である)ため露光パワーを精度よく調整可能となる。露光Duty50[%]で露光パワーLp調整を行い、中間調露光電位VLhが光量調整目標値Vgとなるような露光パワーLpを算出する(図61ではLp=約0.35[μJ/cm])。次に、算出した露光パワーでベタ部(露光Duty100[%])の露光電位VLであるベタ露光電位VLfを測定する。そして、所望のトナー付着量をえるために必要な現像ポテンシャルをベタ露光電位VLfに足し合わせ、現像バイアスVbを決定する。さらに、現像バイアスに地肌ポテンシャルを足し合わせ帯電電位Vdを決定する。
なお、ある帯電電位Vdのときに適正なベタ画像と中間調の画像とがとれるように適切な露光量(露光パワーLp)を決定した後、その露光量でベタ露光電位VLfを求めると、VLf≒Vrとなる。VLf≒Vrであれば再度、帯電電位Vd’を算出してもVd’≒Vdとなるため、Vdに対して算出した最適な露光量を設定するとVd’に対しても最適な露光量となる。図59(b)の例で、例えば、Vrを露光パワーLp=0.2[μJ/cm]で検知すると帯電電位Vdによって、Vrが大きく変化する。中間調制御を行った帯電電位が−600[V]であり、帯電電位−600[V]に対して光減衰率が0.7となる露光パワーが0.15[μJ/cm]であるとすると、VLfは図59(b)のグラフより、約−250[V]であり、Vr(約200[V])よりも約50[V]、マイナス極性に高い値となる。そして、最後の工程で所望の露光ポテンシャル得るための補正で、帯電電位が50[V]補正され、Vd’=−650[V]になる。
このように、VLfがVrと大きく異なる場合は、Vrに基づいて算出される帯電電位Vdと、VLfに基づいて最後の工程で算出される帯電電位Vd’との値が、大きくことなってしまうため、露光パワーLp=0.2[μJ/cm]は残留電位Vrを検知する場合は適切な露光量ではない。このため、光減衰特性が図59(b)のようになる感光体では、上述したように、0.45[μJ/cm]のような強い露光パワー(帯電非依存露光パワーLpα)が必要となる。このように強い露光パワーで残留電位Vrの検知を行うと帯電電位−600[V]に対して最適な(光減衰率が0.7となる)露光パワーが0.32[μJ/cm]は残留電位Vrを検知する場合は適切な露光量である。
なお、上述の制御のように、露光Dutyを50[%]で露光ポテンシャル×0.7が得られる電位になるように露光パワーを調整すると、その露光パワーで露光Duty100[%]にし、露光電位VLを測定した場合、ほぼ、ベタ部の露光電位VL=残留電位Vrとなる。このため、電位が飽和した状態となるほどの露光パワーで露光したときの露光ポテンシャルに対して光減衰率が0.7となるように調節した露光パワーであれば、露光Duty100[%]に対する露光Duty50[%]の光減衰率が0.7となる。
本例では、ベタ露光時(Duty100[%])では露光パワーを少し変えてもほぼ電位が変わらない領域の露光パワーを画像で使用している。この領域は、例えば図61のような感光体の場合、帯電電位が−800[V]に対して、0.35[μJ/cm]〜0.43[μJ/cm]あたりの領域であり、露光パワーの変化に対して感光体電位の変化が少ない領域である。この場合0.36[μJ/cm]に露光パワーが設定されたと仮定し、その後、露光パワーが少し変わって0.35[μJ/cm]に変わったとしても、図61のVLfの曲線を参照すると殆ど電位は変化しない。このような露光パワーの領域で画像を作像しているため、その最適露光パワーでベタ露光すると、露光パワーを変化させても露光電位が殆ど変わらない、すなわち、露光パワーに対する電位の感度が無いため、ベタ露光では露光パワーを精度良く調整できない。そのため、露光パワーに対して感度があるように露光Dutyを50[%]に落として(同じ露光パワーでも露光時間が半分になり、光量が半分になるためVLhのように露光パワーに対して感度がある)、露光パワーを調整している。
このように、残留電位Vrを検知し、その検知結果に基づいて露光パワーを調節し、調節した露光パワーに基づいて、現像バイアスVb及び帯電電位Vdを求め、作像条件調節制御を行っている。この作像条件調節制御によって、感光体の露光パワーに対する潜像電位の特性の変化が生じても、良好なベタ画像とハーフトーン画像とを得ることができる。
以上、本実施形態に係る複写機600は、潜像担持体としての感光体20と、感光体20の表面が目標帯電電位となるように該表面を一様に帯電させる帯電手段としての帯電装置60と、画像データに基づいて、帯電装置60により帯電された感光体20の表面を露光してドット状の静電潜像であるドット潜像を形成する静電潜像形成手段としての露光装置900と、感光体20の表面上の静電潜像部分又は非静電潜像部分にトナーを静電的に付着させて現像する現像手段としての現像装置61と、現像装置61の現像により感光体20の表面上に形成されたトナー像を最終的には記録材としての転写紙5上に転写させる転写手段としての中間転写ベルト10等と、多階調のパッチパターン(10階調パターン)を露光装置900により感光体20の表面に形成し、多階調のパッチパターンにおける各潜像パッチの電位を電位検知手段としての電位センサ320により検知するとともに、各潜像パッチを現像装置61により現像して得た各トナーパッチのトナー付着量をトナー付着量検知手段としての濃度センサ310により検知し、これらの検知結果に基づいて画像濃度調整制御を行う画像濃度調整制御手段としてのメイン制御部500とを備えた画像形成装置である。この複写機600において、多階調のパッチパターンを構成する潜像パッチのうち所定の低濃度範囲(a≦0.5)に属する1又は2以上の低濃度潜像パッチ(パターン1〜6のパッチ)は、面積階調制御の最小画素単位である基本ドットマトリクスが周期的に配置され、かつ、対応する濃度に応じて基本ドットマトリクス内におけるドット潜像の数及び配置が単位ドット潜像(上記変形例2では2以上のドット潜像群からなり、他の例では1つのドット潜像からなる。)の単位で決められたものである。そして、パッチ2〜6の低濃度潜像パッチは、単位ドット潜像の中心間距離の中で最小値となる最小中心間距離が最大となるように基本ドットマトリクス内における単位ドット潜像の配置が決められたドット離散潜像パッチである。低濃度潜像パッチをこのようなドット離散潜像パッチとすることで、低濃度の潜像パッチにおいて予定のトナー付着量よりもトナー付着量が多くなるという不具合が抑制される。その結果、パッチ数が少ない多階調パッチパターンを用いて画像濃度調整制御の濃度指標値(現像γや現像開始電圧)を得るための関係(現像ポテンシャルとトナー付着量との関係)を検出する際に、当該低濃度潜像パッチのトナー付着量の検知結果を用いても、その検出精度を落とすようなことはない。したがって、低濃度部を含む幅広い濃度範囲内に分散させた潜像パッチからなる多階調パッチパターンを用いて当該関係を検出することができるようになり、当該関係を高精度に検出することが可能となり、高精度な濃度調整制御が可能となる。
ここで、ドット離散潜像パッチについて、説明の簡略化のために、図62を用いて、基本ドットマトリクスが4ドット×4ドットである場合でドット潜像の数を1ドット単位で変化させて16階調のパッチパターンを作成する例で説明する。各パッチは、それぞれ、図62に示したパターン1〜16の各基本ドットマトリクスを周期的に配置したものである。この16階調パターンのパターン2は、各ドット潜像(図中ハッチング部分)の中心間距離は、全中心間距離の中で、図示の基本ドットマトリクス中の2つのドット潜像間の中心間距離が最小値となる。この最小値を最小中心間距離とし、このパターン2では2.8ドットである。同様に、パターン3について見ると、各ドット潜像の中心間距離が最小値となるのは、図示の基本ドットマトリクスにおいて横に並んだ又は縦に並んだ2つのドット潜像間の中心間距離であり、2ドットである。このようにして求められる各パターンの最小中心間距離は、図62においてかっこ書きされている。
ここで、図62における例えばパターン2の基本ドットマトリクスを見ると、その左上に位置するドット潜像に対し、追加のドット潜像を配置する箇所としては、図示の箇所(左から3ドット目かつ下から2ドット目の箇所)のほか、残り14箇所存在する。しかしながら、仮に、図示の箇所以外に追加のドット潜像を配置した場合、その最小中心間距離は2.8ドット未満となる。例えば、追加のドット潜像を左から1ドット目かつ下から3ドット目の箇所に配置した場合、最小中心間距離は1ドットとなる。また、追加のドット潜像を左から3ドット目かつ下から3ドット目の箇所に配置した場合、最小中心間距離は2.2ドットとなる。また、追加のドット潜像を左から4ドット目かつ下から1ドット目の箇所に配置した場合、最小中心間距離はおよそ1.4ドットとなる。すなわち、図示のパターン2は、最小中心間距離が最大でとり得る値であるおよそ2.8となるように、基本ドットマトリクス内におけるドット潜像の配置が決められている。図62の例では、パターン2〜8、すなわち、基本ドットマトリクス内に2以上の単位ドット潜像が配置されていてa≦0.5である低濃度パッチについては、すべて、このようなドット離散潜像パッチとなるようにドット潜像の配置が決められている。
図63は、a≦0.5の濃度範囲に属する4つの低濃度パッチの基本ドットマトリクスの一例を示す説明図である。図63に示す多階調パッチパターンは、8ドット×8ドットの基本ドットマトリクスを用い、単位ドット潜像が4つのドット潜像からなる例(cm=4、cs=1)である。これらの低濃度パッチも、ドット離散潜像パッチで構成されている。例えばパターン2を見ると、各単位ドット潜像の中心間距離のうち最小となる最小中心間距離はおよそ5.7ドットである。図63に示す4つの低濃度パッチも、最小中心間距離が最大でとり得る値となるように(最も長くなるように)、基本ドットマトリクス内におけるドット潜像の配置が決められている。
図64は、a≦0.5の濃度範囲に属する4つの低濃度パッチの基本ドットマトリクスの他の例を示す説明図である。図64に示す多階調パッチパターンは、8ドット×8ドットの基本ドットマトリクスを用い、単位ドット潜像が4つのドット潜像からなる例であるが、単位ドット潜像を構成する4つのドット潜像の並びが、図63に示したものとは異なっている。つまり、図64に示す多階調パッチパターンの単位ドット潜像は、cm=2でcs=2である。図64に示す4つの低濃度パッチも、ドット離散潜像パッチで構成されている。例えばパターン2を見ると、各単位ドット潜像の中心間距離のうち最小となる最小中心間距離はおよそ5.7ドットである。図64に示す4つの低濃度パッチも、最小中心間距離が最大でとり得る値となるように(最も長くなるように)、基本ドットマトリクス内におけるドット潜像の配置が決められている。
また、本実施形態において、ドット離散潜像パッチで構成されている低濃度潜像パッチは、基本ドットマトリクス内に2以上の単位ドット潜像が配置されたものであって、基本ドットマトリクス内のいずれの箇所に追加の単位ドット潜像を配置しても最大となる最小中心間距離が変わらない単位ドット潜像の配置を備えた潜像パッチの中で最も低い濃度に対応した潜像パッチよりも濃度が低い全潜像パッチである。図62を用いて説明すると、基本ドットマトリクス内に2以上の単位ドット潜像が配置されたパターン2〜16のうち、基本ドットマトリクス内のいずれの箇所に追加の単位ドット潜像を配置しても最大となる最小中心間距離が変わらずに1ドットとなる単位ドット潜像の配置を備えた潜像パッチは、パターン9〜16である。そして、これらのパターン9〜16の中で最も低い濃度に対応したものはパターン9である。本実施形態では、パターン9よりも濃度が低い全潜像パッチ、すなわち、パターン2〜8については、すべてドット離散潜像パッチで構成されている。
また、本実施形態においては、露光装置900が画像データに基づいて所定の低濃度範囲(a≦0.5)に属する濃度に対応したドット潜像を形成するときに行う階調制御は、上述した多階調のパッチパターンにおける当該所定の低濃度範囲に属する低濃度潜像パッチを形成するときの階調制御とは異なるものとするのが好ましい。例えば、画像形成時における低濃度部分の階調制御では、上述したドット離散潜像パッチのように基本ドットマトリクス内のドット潜像を分散配置するのではなく、基本ドットマトリクス内のドット潜像を集中して配置する。上述したようにドット潜像が分散して配置されていると、光源が点灯と消灯を頻繁に繰り返すことになるため、安定したドット潜像を形成することが難しく、画像全体で見ると画像濃度ムラとなりやすい。よって、画像濃度調整制御のために形成する多階調パッチパターンについては、ドット離散潜像パッチのように基本ドットマトリクス内のドット潜像を分散配置して検出精度の向上を図るが、画像形成時においては安定したドット潜像を形成するために、基本ドットマトリクス内のドット潜像を集中させた面積階調制御を行う。もちろん、画像形成時には濃度階調制御を採用してもよい。
また、本実施形態で行う画像濃度調整制御は、電位センサ320により検知した各潜像パッチの電位と各潜像パッチを現像装置61により現像したときの現像バイアスとから現像ポテンシャルを算出し、濃度センサ310により検知した各潜像パッチに対応した各トナーパッチのトナー付着量と各潜像パッチに対応する現像ポテンシャルとの関係を直線近似し、直線近似した当該関係から基準画像濃度(例えばベタ画像の濃度)に対応する所定のトナー付着量が得られる現像ポテンシャルを特定し、帯電装置60の目標帯電電位、現像装置61の現像バイアス、露光装置900の露光パワーのうちの1つ以上の作像条件を制御する。本実施形態によれば、これらの作像条件の基準となる現像ポテンシャルを高い精度で特定できるので、これらの作像条件を高精度に調整することができる。
10 中間転写ベルト
18 画像形成ユニット
20 感光体
60 帯電装置
61 現像装置
62 一次転写装置
63 感光体クリーニング装置
64 除電装置
310 濃度センサ
320 電位センサ
500 メイン制御部
600 複写機
900 露光装置
901 二次元アレイ
914 光源
931 光源ドライバ
932 配線
933 基板
特開平07−253694号公報 特開平10−013675号公報

Claims (4)

  1. 潜像担持体と、
    該潜像担持体の表面が目標帯電電位となるように該表面を一様に帯電させる帯電手段と、
    画像データに基づいて、該帯電手段により帯電された該潜像担持体の表面を露光してドット状の静電潜像であるドット潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    該潜像担持体の表面上の静電潜像部分又は非静電潜像部分にトナーを静電的に付着させて現像する現像手段と、
    該現像手段の現像により該潜像担持体の表面上に形成されたトナー像を、最終的には記録材上に転写させる転写手段と、
    多階調のパッチパターンを該静電潜像形成手段により該潜像担持体の表面に形成し、該多階調のパッチパターンにおける各潜像パッチの電位を電位検知手段により検知するとともに、該各潜像パッチを該現像手段により現像して得た各トナーパッチのトナー付着量をトナー付着量検知手段により検知し、これらの検知結果に基づいて画像濃度調整制御を行う画像濃度調整制御手段とを備えた画像形成装置において、
    上記多階調のパッチパターンを構成する潜像パッチのうち所定の低濃度範囲に属する1又は2以上の低濃度潜像パッチは、面積階調制御の最小画素単位である基本ドットマトリクスが周期的に配置され、かつ、対応する濃度に応じて該基本ドットマトリクス内におけるドット潜像の数及び配置が1つのドット潜像又は2以上のドット潜像群からなる単位ドット潜像の単位で決められたものであり、
    上記1又は2以上の低濃度潜像パッチの一部又は全部は、単位ドット潜像の中心間距離の中で最小値となる最小中心間距離が最大となるように基本ドットマトリクス内における単位ドット潜像の配置が決められたドット離散潜像パッチであり、
    上記静電潜像形成手段が画像データに基づいて上記所定の低濃度範囲に属する濃度に対応したドット潜像を形成するときの上記基本ドットマトリクス内におけるドット潜像の配置は、複数の単位ドット潜像が互いに隣接するものを含むことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    上記1又は2以上の低濃度潜像パッチは、基本ドットマトリクス内に2以上の単位ドット潜像が配置されたものであって、基本ドットマトリクス内のいずれの箇所に追加の単位ドット潜像を配置しても最大となる最小中心間距離が変わらない単位ドット潜像の配置を備えた潜像パッチの中で最も低い濃度に対応した潜像パッチよりも濃度が低い全潜像パッチであることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
    上記画像濃度調整制御手段が行う画像濃度調整制御は、上記電位検知手段により検知した各潜像パッチの電位と該各潜像パッチを上記現像手段により現像したときの現像バイアスとから現像ポテンシャルを算出し、上記トナー付着量検知手段により検知した該各潜像パッチに対応した各トナーパッチのトナー付着量と該各潜像パッチに対応する現像ポテンシャルとの関係を直線近似し、直線近似した当該関係から基準画像濃度に対応する所定のトナー付着量が得られる現像ポテンシャルを特定し、上記帯電手段の目標帯電電位、上記現像手段の現像バイアス、上記静電潜像形成手段の露光パワーのうちの1つ以上の作像条件を制御するものであることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
    上記静電潜像形成手段の光源は、面発光レーザーであることを特徴とする画像形成装置。
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