以下、本発明に係る画像形成装置と、これに用いられる反射型光学センサとの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
●反射型光学センサ(1)●
まず、反射型光学センサについて説明する。
●画像形成プロセス部の構成
図1は、本発明に係る反射型光学センサが搭載される画像形成装置の画像形成プロセス部を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成プロセス部は、画像形成装置の一例であるタンデム型のフルカラープリンタ(以下「カラープリンタ」とも言う。)に本発明に係る反射型光学センサを適用した場合を示す。
画像形成プロセス部は、カラープリンタが実行する画像形成プロセスのうち、帯電、露光、現像、転写、定着を行う。カラープリンタには、画像形成プロセス部の他に、PC(Personal Computer)等から送られた画像データを処理し、露光データに変換する後述のプリンタコントローラと、画像形成動作を制御する本体制御部とが設けられている。
また、カラープリンタには、いずれも不図示の構成として、記録材である転写紙115の供給を行う給紙ユニットと、転写紙115を手差し給紙する手差しトレイと、画像形成済みの転写紙115が排紙される排紙トレイとが設けられる。
図1において、画像形成プロセス部本体には、第1の転写ユニットとして、第2の像担持体である無端ベルト状の移動体105が設けられている。移動体105は、支持ローラ113,114,119に張架された状態で、駆動ローラ112により反時計方向に回転駆動される。
移動体105の張架部分には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対応する4つの画像形成ユニットが設けられている。画像形成ユニットには、それぞれ感光体ユニット103Y,103C,103M,103Kと、現像ユニット102Y,102C,102M,102Kが並んで配置されている。
また、画像形成ユニットの下方には、露光ユニット200が設けられている。露光ユニット200は、画像情報に基づいて、内部に設けられる不図示の半導体レーザを駆動して書込光を出射する。そして、露光ユニット200は、各感光体ユニットに設けられている感光性を有する像担持体としての感光体ドラム101Y,101M,101C,101Kの表面上に静電潜像を形成する。
ここで、書込光を出射する光源は、半導体レーザに限るものではなく、例えばLED(Light Emitting Diode)であってもよい。
●画像形成ユニット
図2は、画像形成装置の画像形成ユニットを示す概略構成図である。画像形成ユニットの構成について説明する。
なお、以下の説明において、イエローのトナー像を形成する画像形成ユニットを例に挙げて画像形成ユニットの説明を行うが、他の色の画像形成ユニットも同様の構成を有する。
また、図2とそれに対応する説明では、イエローに対応する画像形成ユニットに付される符号「Y」を省略する。
画像形成ユニットには、感光体ドラム101の周囲に、帯電ユニット301と、現像ユニット102と、感光体クリーニングユニット308が設けられている。感光体ドラム101は、中間転写ベルトなどの移動体105を介して、1次転写ユニット106と対向する位置に設けられている。
帯電ユニット301は、帯電ローラを採用した接触帯電方式である。帯電ユニット301は、感光体ドラム101に接触して電圧を印加することにより感光体ドラム101の表面を一様に帯電する。
なお、帯電ユニット301には、非接触のスコロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式のものも採用することができる。
現像ユニット102は、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤を使用している。現像ユニット102は、現像ケース内に設けられた攪拌部303と現像部304とに大別できる。
なお、現像剤としては一成分現像剤を使用することもできる。
攪拌部303では、現像剤担持体としての現像スリーブ305上に、二成分現像剤が攪拌されながら供給される。攪拌部303には、平行な2本のスクリューが設けられている。2本のスクリュー306の間には、両端部で互いが連通するように仕切るための仕切り板が設けられている。
現像ケースには、現像ユニット102内の現像剤のトナー濃度を検知するためのTC(Toner Concentration)センサ104が取り付けられている。二成分現像剤のキャリアが磁性体でありトナーが非磁性体であるため、TCセンサ104は、透磁率方式を採用している。現像ユニット102内のトナー濃度は、現像剤の透磁率、つまり単位体積あたりの現像剤の磁気抵抗に現れる。
一方、現像部304では、現像スリーブ305に付着した現像剤のうち、トナーが感光体ドラム101に転移される。現像部304には、現像ケースの開口を通して感光体ドラム101と対向する現像スリーブ305が設けられている。
現像スリーブ305内には、不図示のマグネットが固定配置されている。現像スリーブ305に供給された現像剤は、不図示のマグネットにより汲み上げられて保持される。
また、現像部304には、ドクターブレード307が設けられている。ドクターブレード307は、先端が現像スリーブ305に接近するように設けられている。
現像スリーブ305に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ305の回転に伴って搬送され、ドクターブレード307により適正な量に規制される。
なお、ドクターブレード307により規制された現像剤は、攪拌部303に戻される。
このようにして感光体ドラム101と対向する現像領域まで搬送された現像剤は、マグネットにより穂立ち状態となり、磁気ブラシを形成する。
現像領域では、現像スリーブ305に印加されている現像バイアスにより、現像剤中のトナーを感光体ドラム101上の静電潜像部分に移動させる現像電界が形成される。これにより、現像剤中のトナーは、感光体ドラム101上の静電潜像部分に転移する。感光体ドラム101上の静電潜像は、可視像化され、トナー像が形成される。
現像領域を通過した現像剤は、マグネットの磁力が弱まる箇所まで搬送されることにより現像スリーブ305から離れ、攪拌部303に戻される。
このような動作の繰り返しにより、画像形成ユニットでは、攪拌部303内のトナー濃度が薄くなったことをTCセンサ104が検知し、その検知結果に基づいて攪拌部303にトナーが補給される。
1次転写ユニット106は、移動体105を挟んで感光体ドラム101に押し当てられるように設置されている。1次転写ユニット106は、1次転写ローラを採用している。
感光体ドラム101が回転すると、帯電ユニット301により感光体ドラム101の表面が一様に帯電される。
プリントコントローラからの画像情報に基づいて、露光ユニット200からレーザによる書込光が照射され、感光体ドラム101の表面上に静電潜像が形成される。現像ユニット102により、静電潜像が可視像化されてトナー像が形成される。トナー像は、1次転写ユニット106により移動体105上に1次転写される。
ここで、1次転写ユニット106は、ローラ状のものには限定されず、導電性のブラシ形状のものや、非接触のコロナチャージャなどであってもよい。
感光体クリーニングユニット308は、先端が感光体ドラム101に押し当てられるように配置される。感光体クリーニングユニット308は、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード309を備えている。
また、感光体クリーニングユニット308は、クリーニング性能を高めるために感光体ドラム101に接触する導電性のファーブラシ310を併用している。ファーブラシ310には、不図示の金属製の電界ローラからバイアス電流が印加されている。電界ローラには、不図示のスクレーパの先端が押し当てられている。
クリーニングブレード309やファーブラシ310により感光体ドラム101から除去されたトナーは、感光体クリーニングユニット308の内部に収容され、不図示の廃トナー回収ユニットにて回収される。
1次転写後に感光体ドラム101の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニングユニット308により除去され、次の画像形成に利用される。
次に、画像形成ユニットの下方に設けられている露光ユニット200の構成について説明する。
図3は、画像形成装置の露光ユニットの概略構成を示す平面図である。また、図4〜6は、露光ユニットの概略構成を示す側面図である。
露光ユニット200は、図6に示す光学ハウジング2300の所定位置に組み付けられている以下の構成を有する。図4と図5に示すように、露光ユニット200は、4つの光源2200a、2200b、2200c、2200dと、4つのカップリングレンズ2201a、2201b、2201c、2201dを備える。
また、露光ユニット200は、図4と図5に示すように、4つの開口板2202a、2202b、2202c、2202dと、4つのシリンドリカルレンズ2204a、2204b、2204c、2204dと、ポリゴンミラー2104とを備える。
また、露光ユニット200は、図6に示すように、4つのfθレンズ2105a、2105b、2105c、2105dと、8つの折り返しミラー2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108dを備える。
また、露光ユニット200は、図6に示すように、4つのトロイダルレンズ2107a、2107b、2107c、2107dと、4つの光検知センサ2205a、2205b、2205c、2205dとを備える。
さらに、露光ユニット200は、図6に示すように、4つの光検知用ミラー2207a、2207b、2207c、2207dと、不図示の走査制御装置などを備える。
ここで、以下の説明において、移動体105が移動する方向(X軸方向)を副走査方向とし、副走査方向と直交する方向(Y軸方向)を主走査方向とする。また、Z軸方向は、主走査方向と副走査方向とに直交する方向であり、移動体105の法線方向である。
また、本実施の形態では、図4に示すように、カップリングレンズ2201aとカップリングレンズ2201bの光軸に沿った方向を「w1方向」とし、光源2200aと光源2200bにおける主走査方向を「m1方向」とする。
また、本実施の形態では、図5に示すように、カップリングレンズ2201cとカップリングレンズ2201dの光軸に沿った方向を「w2方向」とし、光源2200cと光源2200dにおける主走査方向を「m2方向」とする。
なお、光源2200aと光源2200bにおける副走査方向と、光源2200cと光源2200dにおける副走査方向は、いずれもZ軸方向と同じ方向である。
光源2200bと光源2200cは、図3に示すように、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。そして、図4に示すように、光源2200aは光源2200bの−Z軸側に配置されている。また、図5に示すように、光源2200dは光源2200cの−Z軸側に配置されている。
図4に示すように、カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置される。カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置される。
図5に示すように、カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置される。カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置される。
カップリングレンズ2201a、2201b、2201c、2201dは、光源2200a、2200b、2200c、2200dからの光束を平行光束にする。
なお、カップリングレンズ2201a、2201b、2201c、2201dにより生成される平行光束には、平行光束ではないもののほぼ平行光束である光束を含む。
開口板2202a、2202b、2202c、2202dは、不図示の開口部を有する。開口板2202a、2202b、2202c、2202dは、平行光束を所望の形状に整形する。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍に結像させる。
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍に結像させる。
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍に結像させる。
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍に結像させる。
ポリゴンミラー2104は、4面鏡を備えたポリゴンミラーがZ軸方向に2段積層されて構成されている。各鏡は、それぞれ偏向反射面となる。
ポリゴンミラー2104は、1段目(図6における下段)の4面鏡では、シリンドリカルレンズ2204aからの光束とシリンドリカルレンズ2204dからの光束とをそれぞれ偏向させる。
また、ポリゴンミラー2104は、2段目(図6における上段)の4面鏡では、シリンドリカルレンズ2204bからの光束とシリンドリカルレンズ2204cからの光束とをそれぞれ偏向させる。
なお、ポリゴンミラー2104の1段目の4面鏡と2段目の4面鏡とは、互いに位相が45°ずれて回転するため、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
ここで、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、ポリゴンミラー2104の−X側に偏向される。また、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、ポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
fθレンズ2105a、2105b、2105c、2105dは、非円弧面形状を有する。fθレンズ2105a、2105b、2105c、2105dは、ポリゴンミラー2104が回転することで、対応する感光体ドラム101Y,M,C,K面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する。
fθレンズ2105aとfθレンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置される。
fθレンズ2105aとfθレンズ2105bは、Z軸方向に積層される。fθレンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。
また、fθレンズ2105cとfθレンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
fθレンズ2105cとfθレンズ2105dは、Z軸方向に積層される。fθレンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。
偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、fθレンズ2105a、2106a、トロイダルレンズ2107a、折返しミラー2108aを介して感光体ドラム101Kの表面に照射される。その結果、感光体ドラム101Kの表面には、光スポットが形成される。
シリンドリカルレンズ2204aからの光束による光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム101Kの長手方向に移動する。
すなわち、シリンドリカルレンズ2204aからの光束による光スポットは、感光体ドラム101Kの表面上を走査する。このときの光スポットの感光体ドラム101Kの表面での移動方向が、「主走査方向」である。また、このときの感光体ドラム101Kの回転方向が、感光体ドラム101K表面での「副走査方向」である。
また、シリンドリカルレンズ2204bからの光束は、fθレンズ2105b、折り返しミラー2106b、トロイダルレンズ2107b、及び折返しミラー2108bを介して、感光体ドラム101Mの表面に照射される。その結果、感光体ドラム101Mの表面には、光スポットが形成される。
シリンドリカルレンズ2204bからの光束による光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム101Mの長手方向に移動する。
すなわち、シリンドリカルレンズ2204bからの光束による光スポットは、感光体ドラム101Mの表面上を走査する。このときの光スポットの感光体ドラム101Mの表面での移動方向が、「主走査方向」である。また、この時の感光体ドラム101Mの回転方向が、感光体ドラム101M表面での「副走査方向」である。
また、シリンドリカルレンズ2204cからの光束は、fθレンズ2105c、折り返しミラー2106c、トロイダルレンズ2107c、及び折返しミラー2108cを介して、感光体ドラム101Mの表面に照射される。その結果、感光体ドラム101Mの表面には、光スポットが形成される。
シリンドリカルレンズ2204cからの光束による光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム101Cの長手方向に移動する。
すなわち、シリンドリカルレンズ2204cからの光束による光スポットは、感光体ドラム101Cの表面上を走査する。このときの光スポットの感光体ドラム101Cの表面での移動方向が、「主走査方向」である。また、このときの感光体ドラム101Cの回転方向が、感光体ドラム101Cでの「副走査方向」である。
また、シリンドリカルレンズ2204dからの光束は、fθレンズ2105d、折り返しミラー2106d、トロイダルレンズ2107d、及び折り返しミラー2108dを介して、感光体ドラム101Yの表面に照射される。その結果、感光体ドラム101Yの表面には、光スポットが形成される。シリンドリカルレンズ2204dからの光束による光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム101Yの長手方向に移動する。
すなわち、シリンドリカルレンズ2204dからの光束による光スポットは、感光体ドラム101Yの表面上を走査する。このときの光スポットの感光体ドラム101Yの表面での移動方向が、「主走査方向」である。また、このときの感光体ドラム101Yの回転方向が、感光体ドラム101Y表面での「副走査方向」である。
ここで、感光体ドラム101Yの画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は、「有効画像領域」という。
なお、折り返しミラー2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108dは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムに至る各光路長が互いに一致するように配置されている。
折り返しミラー2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108dは、感光体ドラム101Y、101M、101C、101Kへの光束の入射位置と入射角が互いに等しくなるように配置される。
シリンドリカルレンズ2204a、2204b、2204c、2204dとトロイダルレンズ2107a、2107b、2107c、2107dとは、偏向点と感光体ドラム表面とを副走査方向で共役関係とする面倒れ補正光学系を構成する。
ポリゴンミラー2104と感光体ドラム101Y、101M、101C、101Kとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系という。
fθレンズ2105aとトロイダルレンズ2107aと折り返しミラー2106a、2108aとは、黒色に対応するKステーションの走査光学系を構成する。
また、fθレンズ2105bとトロイダルレンズ2107bと折り返しミラー2106b、2108bとは、シアンに対応するCステーションの走査光学系を構成する。
そして、fθレンズ2105cとトロイダルレンズ2107cと折り返しミラー2106c、2108cとは、マゼンタに対応するMステーションの走査光学系を構成する。
さらに、fθレンズ2105dとトロイダルレンズ2107dと折り返しミラー2106d、2108dとは、イエローに対応するYステーションの走査光学系を構成する。
光検知センサ2205aには、ポリゴンミラー2104で偏向されKステーションの走査光学系を介した光束のうち、書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207aを介して入射する。
光検知センサ2205bには、ポリゴンミラー2104で偏向されCステーションの走査光学系を介した光束のうち、書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207bを介して入射する。
光検知センサ2205cには、ポリゴンミラー2104で偏向されMステーションの走査光学系を介した光束のうち、書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207cを介して入射する。
光検知センサ2205dには、ポリゴンミラー2104で偏向されYステーションの走査光学系を介した光束のうち、書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207dを介して入射する。
光検知センサ2205a、2205b、2205c、2205dは、いずれも受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
走査制御装置は、光検知センサ2205a、2205b、2205c、2205dの出力信号に基づいて、対応する感光体ドラムでの走査開始タイミングを検知する。
●2次転写
次に、画像形成装置の2次転写について説明する。
ここで、図7は、画像形成装置の2次転写を説明する概略図である。図7に示すように、駆動ローラ112に対向する位置には、2次転写ユニットである2次転写ローラ108が設けられている。移動体105上のトナー像を転写紙115上に2次転写する際には、2次転写ローラ108が駆動ローラ112に巻回された移動体105部分に押し当られて2次転写が行われる。
図1に示すように、2次転写ローラ108には、2次転写ローラ108に付着したトナーをクリーニングするローラクリーニング部116が当接している。
なお、本発明における2次転写ユニットとしては、2次転写ローラ108を用いた構成でなくともよい。例えば、2次転写ユニットとして、転写ベルトや非接触の転写チャージャを用いた構成としてもよい。
トナーパターン201は、移動体105の主走査方向の中央部付近に形成される。
また、図1に示すように、2次転写ローラ108の転写紙115の搬送方向下流側には、転写紙115上に転写されたトナー像を定着させるための定着ユニット111が設けられている。
ここで、定着ユニット111は、加熱ローラ117に加圧ローラ118を押し当てる。また、移動体105の支持ローラのうち、駆動ローラ112に対向する位置には、トナーパターンの濃度を検知するための反射型光学センサ109がY軸方向の中央部に設けられている。また、移動体105の支持ローラのうち、別の駆動ローラ112に対向する位置には、ベルトクリーニングユニット110が設けられている。
ベルトクリーニングユニット110は、転写紙115に移動体105上のトナー像を転写した後に移動体105上に残留する残留トナーを除去する。
図8は、画像形成装置の電気的な接続を示すブロック図である。図8に示すように、画像形成装置には、コンピュータ構成の本体制御部406が備えられており、本体制御部406が各部を駆動制御する。
本体制御部406には、各種演算や各部の駆動制御を実行するCPU(central Processing Unit)402が接続されている。また、CPU402には、バスライン409を介して、コンピュータプログラム等の固定的データをあらかじめ記憶するROM(Read Only Memory)405が接続されている。また、本体制御部406には、各種データを書き換え自在に記憶するワークエリアなどとして機能するRAM(Random Access Memory)403が接続されている。
ROM405には、トナーパターンを発生させるために必要なトナーパターンの形成位置や濃度情報が格納されている。また、ROM405には、トナーパターンの階調を形成するためのバイアス条件が格納されている。また、ROM405には、トナーパターンのトナー濃度を推定するための反射型光学センサ出力の濃度変換テーブルLUT(Look Up Table)が格納されている。
本体制御部406には、プリントコントローラ410が接続されている。プリントコントローラ410は、PCやファクシミリ、スキャナ等からの画像情報を本体制御部406に一元化した画像データとして送信する。
また、本体制御部406には、各種センサ情報をデジタルデータに変換するA/D変換回路401が接続されている。
さらに、本体制御部406には、モータやクラッチを駆動する不図示の駆動回路や、画像形成に必要な電圧を発生する不図示の高圧発生ユニットなども接続されている。
●画像形成動作
次に、画像形成装置における画像形成動作について、図1〜8を参照して説明する。
前述の構成を有するカラープリンタを用いてPCからプリントを行う場合、まず不図示のPCに格納されるプリンタドライバを用いて画像情報を送信する。
カラープリンタのプリントコントローラ410は、プリンタドライバからのプリント情報を受けて、露光ユニット200に露光信号を送る。
図7に示すように、プリントコントローラ410からのプリント指令を受けた本体制御部406が、不図示の駆動モータを駆動させることで、駆動ローラ112が回転駆動されて、移動体105が回転駆動される。
また、移動体105の回転駆動とともに、図1に示す各画像形成ユニットの感光体ドラム101Y、101C、101M、101Kも回転駆動される。
その後、プリントコントローラ410からの情報に基づいて、露光ユニット200から、感光体ドラム101Y、101C、101M、101Kの表面上に書込光がそれぞれ照射される。これにより、感光体ドラム101Y、101C、101M、101Kの表面上には、それぞれ静電潜像が形成される。
感光体ドラム101Y、101C、101M、101Kの表面上の静電潜像は、現像ユニット102Y、102C、102M、102Kにより可視像化される。
そして、感光体ドラム101Y、101C、101M、101Kの表面上には、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像が形成される。
このようにして形成された各色トナー像は、1次転写ユニット106Y、106C、106M、106Kにより、移動体105上に重なり合うように1次転写される。これにより、移動体105上には、各色トナー像が重なり合った合成トナー像が形成される。
なお、2次転写後の移動体105上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニングユニット110により除去される。
また、画像情報を受けて、ユーザーが選択した転写紙115に対応する不図示の給紙ユニットの給紙ローラが回転し、不図示の給紙カセットの1つから転写紙115が送り出される。
給紙カセットから送り出された転写紙115は、不図示の分離ローラにより1枚に分離されて不図示の給紙路に進入し、搬送ローラによりプリンタ本体内の搬送路まで搬送される。このようにして搬送された転写紙115は、レジストローラ107に突き当たったところで停止する。
なお、不図示の給紙カセットにセットされていない転写紙115は、不図示の手差し給紙路を通って搬送路に搬送される。このようにして搬送された手差しの転写紙115も、同じくレジストローラ107に突き当たったところで停止する。
レジストローラ107は、上述のように移動体105上に形成された合成トナー画像が2次転写ローラ108に対向する2次転写部に搬送されるタイミングに同期して回転を開始する。ここで、レジストローラ107は、一般的には接地されて使用されるが、転写紙115の紙粉除去のためにバイアス電流を印加してもよい。
レジストローラ107に送り出された転写紙115は、移動体105と2次転写ローラ108との間に送り込まれる。送り込まれた転写紙115には、2次転写ローラ108により、移動体105上の合成トナー像が2次転写される。
転写紙115は、2次転写ローラ108に吸着された状態で定着ユニット111まで搬送され、定着ユニット111により熱と圧力が加えられてトナー像の定着処理が行われる。
定着ユニット111を通過した転写紙115は、不図示の排出ローラにより不図示の排紙トレイに排出されて保持される。
なお、トナー像が定着された面の裏面にも画像形成(両面印刷)を行う場合には、不図示の切換爪により定着ユニット111を通過した転写紙115の搬送方向が切り換えられ、不図示の用紙反転ユニットに送り込まれる。転写紙115は、そこで反転され再び2次転写ローラ108に案内される。
図9は、画像形成装置の画像プロセスを示すフローチャートである。以下、本実施の形態におけるCPU402がコンピュータプログラムに基づいて行う画像プロセス制御について説明する。
画像プロセス制御の処理が開始される(S501)と、CPU402は、カラープリンタの電源スイッチがパワーオンされたときであるか、または印刷が開始されたときであるか否かを判断する(S502)。
ここで、電源スイッチがパワーオンされたときや印刷が開始されたときであれば(S502:Yes)、CPU402は、画像プロセス制御が必要であるか否かを判断する(S503)。このとき、画像プロセス制御が必要であれば(S503:Yes)、CPU402により画像プロセス制御が実行される。
カラープリンタのパワーオン直後は、使用していない期間に使用環境が変化している可能性があるために、定着ヒーターの加温時間やプリントコントローラの準備時間中に画像プロセス制御を実施する場合がある。すなわち、パワーオン直後は、例えば、感光体の停止時間が6時間以上であるか、機内の温度が10℃以上変化したか、あるいは、機内の相対湿度が50%以上変化した場合などに、画像プロセス制御が実行される。
前述の判断基準のうち、感光体の停止時間は次のように求める。まず、感光体が停止したら、CPU402は、プリントコントローラ410の保持しているリアルタイムクロックから時刻情報を取得し、RAM403に保存する。
同様に、パワーオン時には、CPU402は、リアルタイムクロックから時刻情報を取得する。CPU402は、感光体停止時とパワーオン時の時刻情報の差分から、感光体停止時間を求める。
また、温度や湿度の変化の求め方は、次のとおりである。まず、CPU402は、感光体停止時に温湿度センサ414から温度情報と相対湿度情報を取得する。
同様に、パワーオン時には、CPU402は、温湿度センサ414から温度情報と相対湿度情報を取得する。CPU402は、感光体停止時とパワーオン時の温度情報と相対湿度情報それぞれの差分から、温度変化量と相対湿度変化量を求める。
また、トナーの補給や消費、感光体や中間転写ベルトの特性の変化などにより、印刷時に画像プロセス制御を実施する場合がある。
印刷時に画像プロセス制御を行う場合には、プリント枚数が所定の枚数に達するなど、所定の閾値に達した場合にトナーパターンの作成を行う。この場合の閾値は、あらかじめ実験などにより求められるプロセス変動量によって定められる。
なお、画像プロセス制御を行うまでの閾値は、プリント枚数の他に、現像スリーブ305や移動体105の走行距離などを用いてもよい。
次に画像プロセス制御が必要と判断されたら、CPU402は、トナーパターンを形成させる(S504)。
図10は、画像形成装置におけるトナーパターンを作像した移動体105の平面図である。
トナーパターン201は、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4と、位置検知用トナーパターンPPを有している。
画像プロセス制御には、画像濃度を維持するための画像濃度制御(現像ポテンシャル制御や階調制御)や、画像位置を合わせるための画像位置制御などがある。画像プロセス制御で行う制御の種類によって、トナーパターンの形成条件は異なる。
つまり、現像ポテンシャル制御では、所望の画像濃度(例えばベタ濃度)を確保するために、現像ポテンシャル(現像バイアス−ベタ露光電位)の制御を行う。
現像ポテンシャル制御では、トナーパターン201を検知して得られたトナー濃度と現像ポテンシャルとの関係より、現像γと現像開始電圧Vkを求める。
現像ポテンシャル制御では、以下の式(1)を用いて、所望の画像濃度を確保するために必要な現像ポテンシャルを決定する。そして、現像ポテンシャル制御では、決定された現像ポテンシャルに基づき、作像条件(露光パワー、帯電バイアス、現像バイアス)を決定している。
必要な現像ポテンシャル[-kV]=所望の画像濃度(トナー濃度)[mg/cm^2]/現像γ[(mg/cm^2)/(-kV)]+現像開始電圧Vk[-kV] ・・・(1)
ここで、トナー帯電量と現像ポテンシャルが一定であれば、現像γはほぼ維持される。一方、温湿度変化のある環境では、トナー帯電量の変化は避けられないため、中間調領域の階調性が変化してしまう。
そこで、中間調領域の階調性の変化を補正するために、階調制御が行われる。階調制御も、現像ポテンシャル制御と同等のトナーパターン201を用いることができる。
露光装置の光源がLDである場合には、LDの出力は固定し、発光デューティを可変にすることで、トナーパターン201内のパターンごとのトナー濃度を変化させることができる。
階調制御では、得られた階調性と目標とする階調性との偏差がなくなるように階調補正用テーブルLUTが適宜変更される。具体的には、階調制御を行う都度に新しいLUTに書き換える方法や、あらかじめ用意した複数のLUTから最適なものを選択して切り換える方法などがある。
濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4は、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの各色に対応して4階調のパターン(パッチ)が形成される。
濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4は、主走査方向に15mm程度、副走査方向に25mm程度の大きさを持つ。副走査方向に並んだパッチの間隔は5mm程度である。
なお、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4の大きさは、移動体105上に照射されるスポット光の大きさ(φ=1.5mm程度)よりも大きくなるように設定されている。また、濃度検知用トナーパターンの階調数は、4階調には限定されない。
画像位置制御で用いられる位置検知用トナーパターンPPは、所定の作像条件で移動体105の有効画像領域内の両端に形成されている。
ここで、位置検知用トナーパターンPPは、検知精度の観点から高濃度であることが望ましい。位置検知用トナーパターンPPの作像条件として、例えば、現像ポテンシャル制御におけるベタ濃度が得られるような作像条件が望ましい。
図11は、位置検知用トナーパターンPPを示す図である。
位置検知用トナーパターンPPは、図11に示すように、主走査方向(+Y軸方向、本発明における第2方向)に平行な4本の副走査方向位置検知用トナーパターンLPK1−1、LPM1−1、LPC1−1、LPY1−1を有する。また、位置検知用トナーパターンPPは、主走査方向から副走査方向(+X方向、本発明における第1方向)に傾斜した4本の主走査方向位置検知用トナーパターンLPK2−1、LPM2−1、LPC2−1、LPY2−1を有する。
副走査方向位置検知用トナーパターンLP1は、副走査方向のトナー位置ずれ検知に用いられる。また、主走査方向位置検知用トナーパターンLP2は、主走査方向のトナー位置ずれ検知に用いられる。
ここで、副走査方向位置検知用トナーパターンLPK1−1と主走査方向位置検知用トナーパターンLPK2−1は、組をなしており、ともにブラックトナーで形成される。副走査方向位置検知用トナーパターンLPM1−1と主走査方向位置検知用トナーパターンLPM2−1は組をなしており、ともにマゼンタトナーで形成される。副走査方向位置検知用トナーパターンLPC1−1と主走査方向位置検知用トナーパターンLPC2−1は組をなしており、ともにシアントナーで形成される。副走査方向位置検知用トナーパターンLPY1−1と主走査方向位置検知用トナーパターンLPY2−1は組をなしており、ともにイエロートナーで形成される。
副走査方向位置検知用トナーパターンLPK1−1、LPM1−1、LPC1−1、LPY1−1と主走査方向位置検知用トナーパターンLPK2−1、LPM2−1、LPC2−1、LPY2−1は、副走査方向(+X方向)に関し所定の間隔で配置される。
位置検知用トナーパターンPPは、図11に示すように、副走査方向位置検知用トナーパターンLPK1−1、LPM1−1、LPC1−1、LPY1−1の長さを8.0mm、幅を1.0mmとする。
位置検知用トナーパターンPPは、図11に示すように、主走査方向位置検知用トナーパターンLPK2−1、LPM2−1、LPC2−1、LPY2−1の長さを8.0mm、幅を1.0mmとする。
また、副走査方向位置検知用トナーパターンLPK1−1、LPM1−1、LPC1−1、LPY1−1の副走査方向の間隔は、3.5mmとしている。
また、副走査方向位置検知用トナーパターンLPK2−1、LPM2−1、LPC2−1、LPY2−1の副走査方向の間隔は、3.5mmとしている。
また、主走査方向位置検知用トナーパターンLPK2−1、LPM2−1、LPC2−1、LPY2−1の傾斜角は、45°としている。
トナーパターン201が形成されると、CPU402は、反射型光学センサを用いて、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4によるトナー濃度検知を行う(S505)。
トナー濃度検知は、反射型光学センサの受光部の検知量から、反射型光学センサ用の算出アルゴリズムを用いて、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4それぞれのトナー濃度を算出する。トナー濃度検知の工程の詳細は、後述する。
次に、CPU402は、反射型光学センサを用いて、位置検知用トナーパターンPPのトナー位置検知を行う(S506)。
トナー位置検知もトナー濃度検知と同様に、反射型光学センサの受光部の検知量から、トナー位置を算出する。トナー位置検知の工程の詳細は、後述する。
続いて、反射型光学センサの検知結果から、CPU402は、各特性値を求めるための演算処理を実行する(S507)。
ここで、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4のトナー濃度の算出結果から、CPU402は、前述した現像γや現像開始電圧Vkを決定するための演算処理を実行する。これらを求めるための直線近似には、最小二乗法を適用することができる。また、CPU402は、LUTを変更するための演算処理も実行する。
CPU402は、算出されたトナー位置より画像位置補正に関する演算処理を実行する。ここで、画像位置補正に関する演算処理により算出される値は、各色のレジストずれや走査線傾き、色ズレなどである。
なお、色ズレの値は、ある色(例えばK)を基準としたときの、それ以外の色(例えばM、C、Y)のズレとして定義される。
以上の演算処理の後、CPU402は、作像条件、LUT、および画像位置補正量などの画像プロセス条件を決定する(S508)。
●反射型光学センサの構成
次に、トナーを用いて移動体105上に画像を形成する画像形成装置の移動体上のトナーパターン201の検知に用いられる、本発明に係る反射型光学センサの構成について説明する。
図12は、本発明に係る反射型光学センサの実施の形態を示す側面図(副走査方向から見た図)である。また、図13は、本発明に係る反射型光学センサの実施の形態を示す平面図(光軸方向から見た図)である。
反射型光学センサ109は、例えば、中間転写ベルトなどの移動体105または移動体105上のトナーパターンに検知光を出射する1つの発光部E1を有する。
また、反射型光学センサ109は、例えば、検知光の移動体105またはトナーパターン201からの正反射光を受光する1つの受光部D1を有する。ここで、反射型光学センサ109は、発光部E1と受光部D1とが、例えば基板B1の同一平面上に実装されている。
発光部E1には、例えば、LED(Light Emitting
Diode)やLD(Laser Diode)を用いることができる。
また、受光部D1には、PTr(Photo Transistor)やPD(Photo Diode)を用いることができる。ここで、受光部D1は、受光量に応じた信号を出力する。
発光部E1の発光面の寸法は、例えば主走査方向(本発明における第2方向):100um×副走査方向(本発明における第1方向):100umの矩形形状である。また、受光部D1の受光面の寸法は、例えば主走査方向:1mm×副走査方向:1mmの矩形形状である。また、主走査方向における発光部E1と受光部D1の間隔l1は、例えば1.1mmである。
反射型光学センサ109は、照明用レンズLE1と開口部AP1とを有している。
開口部AP1は、発光部E1の発光面と照明用レンズLE1との間に設けられ、発光部E1の光を照明用レンズLE1に透過させて発光像の形状を整える筒状の部材である。
なお、本発明に係る反射型光学センサは、開口部AP1を有しない(照明用レンズLE1のみによって発光像BS1の形状を整える)ものであってもよい。
開口部AP1の口径は、一辺:0.7mmの正方形である。また、開口部AP1の外形寸法は、例えば主走査方向の幅:1.1mm、副走査方向の幅:6.0mm、高さ:2.0mmである。
開口部AP1の中心と発光部E1の中心との距離l2は、主走査方向について例えば0.1mmである。また、開口部AP1と基板B1との間隔l3は、例えば0.2mmである。
また、反射型光学センサ109から移動体105までの距離l4は、5mmである。ここで、発光部E1から射出した検知光は、移動体105上において1.5mm程度のビームスポット径を有する。
なお、以下の説明では、移動体105の表面は滑らかであり、移動体105の表面に照射された検知用光のほとんどは正反射されると仮定する。
照明用レンズLE1は、発光部E1からの検知光を透過させて発光像BS1の形状を整える。照明用レンズLE1には、例えばレンズ光軸に対して回転非対称な形状のアナモフィックレンズを用いている。照明用レンズLE1は、入射側光学面LE11が集光パワーを有し、射出側光学面LE12が集光パワーを有していない。
照明用レンズLE1は、光軸に垂直な軸a1方向(第1軸方向)の倍率と光軸と軸a1方向とに垂直なとしての軸a2方向(第2軸方向)の倍率とが異なる。
なお、照明用レンズLE1は、アナモフィックレンズに限定されるものではない。例えば、照明用レンズLE1は、自由曲面レンズであってもよい。
また、照明用レンズLE1は、レンズ面を形成する2軸のうち、光軸に垂直な軸a1が、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線と略平行に配置されている。ここで、レンズ面は、入射側光学面LE11と射出側光学面LE12により形成される。
照明用レンズLE1は、例えば、レンズ面を形成する2軸のうち、軸a1について、軸a1方向の曲率半径R1:2mm、円錐定数K1:−1.1である。また、レンズ面を形成するもう一方の軸a2について、軸a2方向の曲率半径R2:1.1mm、円錐定数K2:−1.5である。
図14は、反射型光学センサ109の配置例を示す側面図である。また、図15は、反射型光学センサ109の別の配置例を示す側面図である。
次に、反射型光学センサ109の配置位置について説明する。反射型光学センサ109は、移動体105の近傍であればよい。反射型光学センサ109を配置する位置として、例えば、図14に示すようにローラ上や、図15に示すように移動体105を支持したローラ近傍に配置する方法などが提案されている。
図14に示すローラ上で検知する方法では、移動体105が感光体である場合は感光体の膜厚ばらつきやローラの偏心が生じる。また、移動体105が中間転写ベルトである場合は、ベルトの波うちやばたつき、ベルトのカール癖などの影響を受け、反射型光学センサ109に対する検知面の距離や角度のばらつきが生じる。
図15に示すようにローラ近傍で検知する場合であっても、反射型光学センサ109に対する検知面の距離や角度のばらつきが生じる。
ここで、移動体105として想定される中間転写ベルトや感光体ドラムは、トナーの転写効率を高めるために、できるだけ鏡面状に仕上げている。
したがって、移動体105は、トナーの付着がない場合には正反射光成分が大きい。一方、トナーが付着すると、移動体105は、トナーの粒状性のため、光の吸収と拡散が生じ、正反射光成分が小さくなる。
本実施の形態では、説明の簡略化のために、移動体105にトナーの付着がない場合には、移動体105からの反射光は全て正反射光であるとして扱う。一方、移動体105にトナーの付着がある場合には、トナーによる光の吸収と移動体105上のトナーからの正反射光と拡散反射光を考慮する。
このため、受光部D1は、移動体105の検知や移動体105上のKトナーの付着量検知、及び位置ズレ検知用のトナーパターンの検知に用いられる。一方、受光部D2は、Y,M,Cのカラートナーの付着量検知に用いられる。
ここで、受光部D1の出力には、トナーパターンからの正反射光成分と拡散反射光成分が含まれている。また、受光部D2の出力には、トナーパターンからの拡散反射光成分が含まれている。
つまり、受光部D1と受光部D2の両方を用いることで、K,Y,M,Cのトナーパターンからの正反射光成分のみでトナー位置の検知光を比較することができるため、より高い検出精度でトナー位置検知をすることができる。
なお、図12と図13では、移動体105を平面として図示しているが、移動体105が感光体ドラムの場合や中間転写ベルトがローラに巻きついている位置で検知する場合などでは、移動体105の側断面が円弧状になる。
反射型光学センサ109と検知面の距離や角度ばらつきが生じると、トナー位置検知やトナー濃度検知を行う際に正しい出力が得られない。このため、反射型光学センサ109と検知面の距離や角度ばらつきが生じると、正確なトナー位置検知やトナー濃度検知ができない。
反射型光学センサ109は、トナー濃度検知精度の維持とトナー位置検知精度の向上を図りつつ、副走査方向位置検知用トナーパターンの検知時と主走査方向位置検知用トナーパターン検知時との取得波形の傾きの差を、従来よりも小さくするものである。ここで、各取得波形の立ち上がりと立ち下がり時の傾きの差は、単純な差分ではなく重みをつけた差分である。
つまり、反射型光学センサ109は、このようにすることで、主/副方向の違いによるトナー位置検出精度の差を小さくする。
なお、このような変動があると、正確なトナー位置検知やトナー濃度検知ができない理由については後述する。
●トナー位置検知
次に、反射型光学センサ109を用いて行われるトナー位置検知について説明する。
図16は、位置検知用トナーパターンPPと反射型光学センサ109との位置関係を示す図である。
位置検知用トナーパターンPPは、主走査方向に関して、検知面である移動体105上での照射ビームの中心位置と、位置検知用トナーパターンの中心位置とが一致するように、移動体105上に転写される。
位置検知用トナーパターンPPは、第1トナーパターンとしての副走査方向位置検知用トナーパターンLPK1−1、LPM1−1、LPC1−1が配列される。その後、位置検知用トナーパターンPPは、第2トナーパターンとしての主走査方向位置検知用トナーパターンLPY1−1、LPK2−1、LPM2−1、LPC2−1、LPY2−1が配列される。
本体制御部406は、位置検知用トナーパターンPPが反射型光学センサに近づくタイミングに合わせて発光部E1を常時発光させる。移動体105が回転して時間が経過すると、発光部E1からのスポット光は、位置検知用トナーパターンPPの副走査方向位置検知用トナーパターンLPK1−1、LPM1−1、LPC1−1を照射する。その後、発光部E1からのスポット光は、位置検知用トナーパターンPPの主走査方向位置検知用トナーパターンLPY1−1、LPK2−1、LPM2−1、LPC2−1、LPY2−1を照射する。そして、本体制御部406は、発光部E1に対応する受光部D1の出力信号の変化を検知する。
図17は、反射型光学センサの受光部D1の出力波形を示す図である。受光部D1の出力信号は、移動体105を検知しているときは出力が高い(図17における「BELT」の位置に対応)。一方、受光部D1の出力信号は、位置検知用トナーパターンを検知しているときには出力が低い。
次に、出力信号を用いた位置ずれ量算出の方法について説明する。まず、本体制御部406は、出力信号波形の立ち下がりと立ち上がり部分でラインの有無を判定する。ここで、立ち下がり時と立ち上がり時に出力信号が閾値電圧を横切る点(図17の×印)から、位置検知用トナーパターンPPの中心を検知した時間を求める。本実施の形態では、説明の簡略化のために、この閾値電圧を以下の式(2)のように定める。
閾値電圧(V)=検知面がライン状パターンである場合の受光部出力(V)+(検知面がベルトである場合の受光部出力(V)−検知面がライン状パターンである場合の受光部出力(V))×0.5 ・・・式(2)
本体制御部406は、スポット光が副走査方向位置検知用トナーパターンLPK1−1の副走査方向における中心を照射した時間(s)を基準時間とする。ここで、本体制御部406は、基準時間から副走査方向位置検知用トナーパターンLPM1−1の副走査方向における中心を照射するまでの時間Tkmを検知する。
また、本体制御部406は、スポット光が副走査方向位置検知用トナーパターンLPK1−1の副走査方向における中心を照射してから副走査方向位置検知用トナーパターンLPC1−1の副走査方向における中心を照射するまでの時間Tkcを検知する。
また、本体制御部406は、スポット光が副走査方向位置検知用トナーパターンLPK1−1の副走査方向における中心を照射してから副走査方向位置検知用トナーパターンLPY1−1の副走査方向における中心を照射するまでの時間Tkyを検知する。
なお、受光部D1の出力信号は増幅されており、所定の基準値と比較する比較回路を介しているものとする。
本体制御部406は、時間Tkm、時間Tkc、時間Tkyが、あらかじめ得られている基準時間の範囲内であれば、トナー画像相互の副走査方向に関する位置関係が適正であると判断する。
一方、本体制御部406は、時間Tkmと、時間Tkcと、時間Tkyとが基準時間の範囲外であれば、トナー画像相互の副走査方向に関する位置にずれがあると判断する。
この場合に、本体制御部406は、時間Tkmと、時間Tkcと、時間Tkyとにおける基準値からの時間差から位置関係のずれ量を算出する。
本体制御部406は、算出したずれ量を走査制御装置に通知する。そして、走査制御装置は、ずれ量が0となるように、対応するステーションにおける光走査開始のタイミングを調整する。
図18は、反射型光学センサによる副走査方向のトナー位置検知の一例を示す図である。図18では、副走査方向位置検知用トナーパターンLPK1−1とLPM1−1を抜き出している。そして、図18では、副走査方向位置検知用トナーパターンLPM1−1が副走査方向に距離ΔS1だけずれた場合の出力信号の様子を示している。
この場合には、時間Tkmは、基準時間に対して移動体105の移動速度と距離ΔS1から求められる時間ΔT1だけ大きくなる。
本体制御部406は、スポット光が主走査方向位置検知用トナーパターンLPK2−1を照射してから主走査方向位置検知用トナーパターンLPM2−1を照射するまでの時間Tkm2を検知する。
また、本体制御部406は、スポット光が主走査方向位置検知用トナーパターンLPK2−1を照射してから主走査方向位置検知用トナーパターンLPC2−1を照射するまでの時間Tkc2を検知する。
また、本体制御部406は、スポット光が主走査方向位置検知用トナーパターンLPK2−1を照射してから主走査方向位置検知用トナーパターンLPY2−1を照射するまでの時間Tky2を検知する。
そして、本体制御部406は、時間Tkm2と、時間Tkc2と、時間Tkyとを、あらかじめ得られているそれらの基準時間と比較する。ここで、本体制御部406は、時間Tkm2と、時間Tkc2と、時間Tky2とが、いずれも基準時間の範囲内であれば、トナー画像相互の主走査方向に関する位置関係は適正であると判断する。
一方、時間Tkm2と、時間Tkc2と、時間Tky2とが基準時間の範囲外であれば、トナー画像相互の主走査方向に関する位置関係にずれがあると判断する。
図19は、反射型光学センサによる主走査方向のトナー位置検知の一例を示す図である。図19では、主走査方向位置検知用トナーパターンLPK2−1とLPM2−1を抜き出している。そして、図19では、主走査方向位置検知用トナーパターンLPM2が主走査方向に距離ΔS2だけずれた場合の出力信号の様子を示している。
この場合には、時間Tkm2は、基準時間に対して移動体105の移動速度と距離ΔS2から求められる時間ΔT2だけ大きくなる。
本体制御部406は、次の式(3)を用いて、マゼンタトナー画像の主走査方向に関する位置ずれ量ΔS2を求める。ここで、Vは、移動体105の副走査方向への移動速度である。
ΔS2=V・ΔT2・cot45° ・・・式(3)
位置ずれ量ΔS2は、走査制御装置に通知される。そして、走査制御装置は、位置ずれ量ΔS2が0となるようにMステーションを調整する。
図20は、反射型光学センサ109によりトナー位置検知を行った際の受光部D1の出力波形を示す図である。図20において、実線で示す波形は、検知面の距離や角度にばらつきが生じない場合に得られた信号である。また、図20において、点線で示す波形は、検知面の距離や角度にばらつきが生じた場合に得られた信号である。
検知面の距離や角度にばらつきが生じた場合には、検知面がベルトである場合における受光部D1の出力が低下するため、この波形に対しての閾値電圧も低下する。このときの閾値電圧を立ち下がり・立ち上がりの波形が横切る点(図20中の○印)から、各ラインの中心を検知した際の時間を求める。検知面の距離や角度ばらつきが生じない場合と生じる場合とでは、時間Tkm、時間Tkc、時間Tky、時間Tkm2、時間Tkc2、及び時間Tky2に差分が生じてしまう。この時間差にベルトの搬送速度を乗じたものが、トナー位置ずれ検知誤差となる。
●トナー濃度検知
次に、反射型光学センサ109を用いて行われるトナー濃度検知について説明する。
図21は、トナーパターンのうち、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4と反射型光学センサ109との位置関係を示す図である。濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4は、主走査方向に関して、検知面上での照射ビームの中心位置と濃度検知用トナーパターンの中心位置とが一致するように、移動体105上に転写される。
図21では、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの各色に4階調の濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4が形成される。反射型光学センサ109で検知される順番は、ブラック、マゼンタ、シアン、イエローの順とする。
濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4の各パッチの大きさは、主走査方向に15mm程度、副走査方向に25mm程度である。副走査方向に並んだパッチの間隔は5mm程度である。
なお、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4の各パッチの大きさは、移動体105上に照射されるスポット光の大きさ(φ=1.5mm程度)よりも大きくなっている。
ここで、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4からの正反射光による受光部の出力変化については、受光部D1と受光部D2とを有する反射型光学センサを用いて説明する。
本体制御部406は、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4が反射型光学センサ109に近づくタイミングに合わせて発光部E1を常時発光させる。移動体105が回転して時間が経過すると、発光部E1からの検知光の発光像BS1は、各色の各階調の濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4を順次照射する。そして、本体制御部406は、発光部E1に対応する受光部D1と受光部D2の出力信号の変化を検知する。
図22は、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4についての受光部の出力波形を示す図である。ここで、図22(a)は、受光部D1の出力波形を示し、図22(b)は、受光部D2の出力波形を示す。
図22(a)の受光部D1の出力信号は、移動体105を検知しているときは、出力が高い。一方、受光部D1の出力信号は、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4を検知しているときには出力が低い。
また、図22(b)の受光部D2の出力信号は、移動体105を検知しているときは、出力が低い。一方、受光部D2の出力信号は、ブラック以外のカラーの濃度検知用トナーパターンDP2、DP3、DP4を検知しているときには出力が高い。
ここで、出力信号を用いたトナー濃度(トナー付着量)算出の方法について説明する。
まず、本体制御部406は、検知面が移動体105である場合の受光部D1と受光部D2の出力を読み取る。このとき、移動体からの反射ムラの影響を受けないようにするため、任意のサンプリング時間(例えば、2ms)で任意のポイント数(例えば、10点)の値を取得し、その平均値を求める。ここで、受光部D1における出力の平均値をVsg_speとし、受光部D2における出力の平均値をVsg_difとする。
次に、本体制御部406は、検知面が濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4である場合の受光部D1と受光部D2の出力を読み取る。このとき、本体制御部406は、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4の濃度ムラの影響を受けないようにするため、任意の時間(例えば2ms)で任意の箇所(例えば40点)の値を取得する。
取得された値は、出力ばらつきを除去するために、例えば出力値の大きいものから10個と出力値の小さいものから10個を取り除いて、残りの値について平均値を求める。
なお、取得された値について、出力ばらつきが小さい場合には、この処理を行わなくてもよい。
本体制御部406は、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4が検知面の場合の受光部D1の出力の平均値Vsp[M.C,Y-DP1〜DP5]_speを求める。
また、本体制御部406は、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4が検知面の場合の受光部D2の出力の平均値Vsp[M,C,Y-DP1〜DP5]_difを求める。
次に、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4が検知面の場合に、受光部D1と受光部D2が取得した出力の平均値のデータを、トナー付着量に変換する方法について説明する。
図23は、画像形成装置のカラートナー付着量と受光部D1の出力との関係を示す図である。図24は、画像形成装置のカラートナー付着量と受光部D2の出力との関係を示す図である。図25は、画像形成装置のブラックトナー付着量と受光部D1の出力との関係を示す図である。
なお、ブラックトナーは拡散反射成分を持たないため、ブラックトナーの検知には受光部D2の出力を用いない。
まず、カラートナーの付着量変換について説明する。説明を簡略化するため、カラートナーの付着量変換に受光部D1のみを使用した場合について説明する。
ここで、得られたデータは、Vsp[M.C,Y-DP1〜DP5]_spe、Vsp[M,C,Y-DP1〜DP5]_difである。これらのデータから、以下の式(4)を用いてカラートナーの濃度検知用トナーパターンDP2、DP3、DP4における受光部D1の感度補正係数(K2)を求める。
K2=MIN(Vsp[M,C,Y-DP1〜DP5]_spe/Vsp[M,C,Y-DP1〜DP5]_dif) ・・・式(4)
次に、受光部D1の出力からトナーの拡散成分を除去した値(K[M-DP1〜DP5]、K[C-DP1〜DP5]、K[Y-DP1〜DP5])を以下の式(5)を用いて求める。この値は、トナーパターン部の移動体105からの正反射光成分を示す。
K[M,C,Y -DP1〜DP5]=(Vsp[M,C,Y-DP1〜DP5]_spe−Vsp[M,C,Y-DP1〜DP5]_dif・K2)/(Vsg_spe−Vsg_dif・K2) ・・・式(5)
本体制御部406は、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4が検知面の場合の受光部D2の出力から、移動体105の拡散反射成分を除去する。この処理により、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4からの拡散反射成分のみが分離される。分離方法は、以下の式(6)に示す。
Vsp[M,C,Y-DP1〜DP5]_dif’= Vsp[M,C,Y-DP1〜DP5]_dif−Vsg_dif・K[M,C,Y -DP1〜DP5] ・・・式(6)
次に、本体制御部406は、受光部D2のトナー出力のばらつきを補正するためのゲイン調整を行う。このゲイン調整はゲイン調整係数K5を求めることにより行う。式(7)にK5の算出式を示す。
K5=1.63/(α・0.152+β・0.15+γ) ・・・式(7)
式(7)において、α、β、γは、X軸に各トナーパターンのK[M,C,Y
-DP1〜DP5]、Y軸に各トナーパターンのVsp[M,C,Y-DP1〜DP5]_dif’とした時の2次近似により求めた2乗項の係数、1乗項の係数、y切片を示している。
なお、近似直線は最小二乗法により求める。また、式(7)中の定数はあらかじめ実験などにより求められる値である。
次に、本体制御部406は、正規化計算を行う。正規化値(R[M,C,Y
-DP1〜DP5])を求める式を式(8)に示す。
R[M,C,Y-DP1〜DP5]=K5・Vsp[M,C,Y-DP1〜DP5]_dif’ ・・・式(8)
正規化計算により、反射型光学センサ109の取り付けや個体ばらつき、移動体105の反射特性は、ほぼキャンセルされるため、トナー付着量が一意的に決定される。
図26は、ブラックトナー付着量と上記カラートナー付着量と正規化値との関係を示すLUTである。
次に、本体制御部406は、実験的に定められるR[M,C,Y-DP1〜DP5]とM、C、Yのカラートナー付着量の関係をテーブルにした図26に示すLUTを参照する。本体制御部406は、このLUTと、トナー濃度検知測定で求めたカラートナーのR[M,C,Y-DP1〜DP5]から、カラートナー付着量MA[M,C,Y-DP1〜DP5]を求める。
次に、ブラックトナーの付着量の求め方について説明する。ブラックトナーの場合は、ほぼ移動体105からの正反射光反射率とトナーの光吸収特性のみで決定されるため、以下の式(9)の関係から求めることができる。
R[K-DP1〜DP5]=Vsp[K-DP1〜DP5]_spe/Vsg_spe ・・・式(9)
R[K-DP1〜DP5]の算出後、本体制御部406は、カラートナーの場合と同様に図26に示すLUTと、トナー濃度検知測定で求めたブラックトナーのR[K-DP1〜DP5]とから、ブラックトナーのトナー付着量MA[K-DP1〜DP5]を求める。
そして、本体制御部406は、ブラックトナーのトナー付着量と、カラートナー付着量があらかじめ得られている基準付着量と同じであれば、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4のトナー付着量(濃度)は適正であると判断する。
一方、本体制御部406は、ブラックトナーのトナー付着量と、カラートナー付着量MA[M,C,Y-DP1〜DP5]があらかじめ得られている基準付着量と異なれば、任意の色の任意の階調のトナーパターンのトナー付着量(濃度)は適正でないと判断する。
この場合には、本体制御部406は、基準付着量からの付着量のずれ量を求め、該ずれ量を現像装置に通知する。
そして、本体制御部406からの情報に基づき、現像装置は、付着量のずれ量が0となるように、適正付着量でないと判断された任意の色に対応するステーションにおける現像バイアスを調整する。以上のようにして、トナー濃度補正が行われる。
図27は、反射型光学センサによりトナー濃度検知を行った際の受光部の出力変化を示す図である。
検知面の距離や角度のばらつきが生じた場合に、反射型光学センサ109によりトナー濃度検知を行うと、受光部D1で図27に示すような経時の出力の変化がみられる。
図27において、(a)で示す部分は、検知面の距離や角度のばらつきが生じた際に反射型光学センサ109が検知した移動体表面の出力を示す。また、(b)で示す部分は、濃度の異なる任意の色の濃度検知用トナーパターンc、d、eを反射型光学センサ109が検知した出力を示す。
正反射光の出力は、移動体上の出力(Vsg)と、トナーパターンの出力Vsp[K,M,C,Y-DP1〜DP5]とにより、正規化するのが一般的である。正規化を行うと、反射型光学センサ109の取り付けのばらつきなどの感度ばらつきを吸収することができる。
しかしながら、Vsgを検知するときに(a)部のような変動があると、正しいVsgが検知できずに正規化値に誤差が生じる。
一方、拡散光の出力は、移動体表面とトナー表面の拡散反射率の差で濃度検知を行う。ここで、移動体105上の検知面では、距離や角度のばらつきが非常に大きい。そのため、受光部D2に正反射光が入射するなどの事態が発生した場合に反射型光学センサ109の感度ばらつきが生じてしまう。
つまり、受光部D1の出力が変動すると、トナー濃度検知精度が劣化するため、反射型光学センサ109は受光部D1の出力の変動に強いものが求められている。
●反射型光学センサにより形成される発光像
そこで、反射型光学センサ109では、検知面(移動体105の表面または移動体105の表面上のトナーパターン201)を照射する検知光の照射面積を変化させることなく、検知面上の検知光の発光像(ビーム形状)が工夫されている。
後述するように、反射型光学センサ109によれば、トナー濃度検知精度を維持しつつ、トナー位置検知精度を向上させることができる。
また、反射型光学センサ109では、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1検知時と主走査方向位置検知用トナーパターン検知時に、各取得波形の立ち上がりと立ち下がり時の傾きの差を、従来の反射型光学センサよりも小さくすることができる。ここで、各取得波形の立ち上がりと立ち下がり時の傾きの差とは、単純な差分に所定の重みをつけた差分である。
以下、説明を簡略化するために、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角を45°とする。
また、検知面上のビーム形状は、長軸が副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線と略平行となる楕円形状とする。つまり、長軸は、検知面上の検知光の縁と、検知面上のビームを4等分し互いに直交する2軸との交点について、他方よりも交点間距離が大きくなる一方の軸に相当する。
反射型光学センサ109から射出され検知面を照射する検知光の照射面積(ビーム径)は、後述の比較例の反射型光学センサなど通常の反射型光学センサと同程度とする。
図28は、本発明に係る反射型光学センサ109により形成される検知光の発光像BS1の照射位置とビーム形状とを示す図である。
主/副走査方向の違いによるトナー位置検知精度の差を小さくするために、反射型光学センサ109では、以下のように検知光の検知面(移動体105)上の発光像BS1が定められている。つまり、反射型光学センサ109により形成される、検知光の発光像BS1は、例えば、楕円形状や長方形など、長手と短手を持つ形状である。また、反射型光学センサ109により形成される、検知光の発光像BS1の長手方向は、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線a11と平行となる。
換言すれば、検知光の発光像の縁と発光像を4等分し直交する2軸のうち他方よりも交点間距離が大きくなる軸が、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線と平行となる。ここで、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1が第1トナーパターンに相当し、主走査方向位置検知用トナーパターンLP2が第2トナーパターンに相当する。
また、反射型光学センサ109では、検知面を照射する検知光の照射面積(ビーム径)は変化させないように、検知面上の発光像BS1を定めた。
このように発光像BS1を形成することで、反射型光学センサ109は、後述するように主/副走査方向の違いによるトナー位置検知精度の差を小さくすることができる。
反射型光学センサ109は、移動体105における副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線と平行となる線上に検知光の発光像BS1を照射することができる。
なお、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線と平行となる線には、上記なす角の二等分線と略平行な線を含む。
図29は、反射型光学センサ109により形成される検知光の発光像BS1と副走査方向位置検知用トナーパターンLP1との位置関係を示す図である。
図30は、反射型光学センサ109により形成される検知光の発光像BS1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2との位置関係を示す図である。
図29と図30とは、反射型光学センサ109により形成される検知光の発光像BS1が、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2双方の照射面積に変化(差)を生じないことを示している。
●反射型光学センサの比較例の構成
図31は、本発明に係る反射型光学センサ109の比較例の反射型光学センサを示す図である。ここで、図31は、反射型光学センサ209を用いて移動体105上のトナーパターンを検知している様子を主走査方向(Y方向)から見た図である。
反射型光学センサ209は、以下の構成を有する。すなわち、反射型光学センサ209は、1つの発光部E1と、移動体105またはトナーパターンTからの正反射光を受光する受光部D1と、移動体105またはトナーパターンTからの拡散反射光を受光する受光部D2とを有する。
また、反射型光学センサ209は、発光部E1に対応する照明用レンズLE1と、受光部D1に対応する受光用レンズLD1と、受光部D2に対応する受光用レンズLD2とを有する。
図32は、反射型光学センサ209が移動体105を検知している様子を示す主走査方向(Y方向)から見た図である。
図33と図34は、あおり角Aが印加した状態で移動体105を検知する反射型光学センサ209の様子を示す。
本実施の形態において、角度のばらつきとして、移動体105の進行方向に垂直な方向の軸周りの角度変動をあおり角Aと称する。図31において、移動体105の進行方向に垂直な方向の軸周りに−Aのあおり角が生じている。また、図32において、移動体105の進行方向に垂直な方向の軸周りに+Aのあおり角が生じている。
図35と図36は、スキュー角Bが印加した状態で移動体105を検知する比較例の反射型光学センサ209の様子を示す図である。
ここで、移動体105の進行方向の軸周りの角度変動をスキュー角Bとする。
図35において、移動体105の進行方向の軸周りに−Bのスキュー角が生じている。また、図36において、移動体105の進行方向の軸周りに+Bのスキュー角が生じている。
図37と図38は、距離変動Zが印加した状態で移動体105を検知する反射型光学センサ209の様子を示す図である。
検知面の距離のばらつきとして、移動体105をなす平面(XY平面)に対して、この平面に垂直な方向(Z軸方向)における反射型光学センサ109と検知面との距離のばらつきを、検知面の距離変動Zとする。図37において、移動体105をなす平面に垂直な方向に−Zの距離変動が生じている。また、図38において、移動体105をなす平面に垂直な方向に+Zの距離変動が生じている。
移動体105は、前述したあおり角Aとスキュー角Bと検知面の距離変動Zが複合的に生じた状態で搬送されている。このため、反射型光学センサには、これらの変動に強いものが求められている。
●比較例の反射型光学センサの特性
次に、比較例の反射型光学センサ209について、理想的な特性と実際の特性との相違を説明する。
図39は、反射型光学センサ209による理想的な検知条件において、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1を検知した際のトナーパターンと検知光の発光像BS1との位置関係を示す模式図である。ここで、移動体105上の検知光の発光像BSの照射領域は、S=0.5625mm2である。また、図39において、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1の副走査方向における線幅は、約1.0mmである。
図40は、理想的な検知条件において、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1が移動した際の正反射光の受光部D1の出力の時間的な変化を示す波形を正反射出力の最大値で規格化した図である。
図40では、照射ビームは固定した状態で、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1が移動した際の正反射光の受光部D1の出力の時間的な変化を波形にしている。以下の説明において、この波形を正反射光の出力の最大値で規格化する。また、以下の説明では、規格化後の相対正反射光の受光部D1の出力が最小を示す箇所を時間t=0[s]とする。さらに、以下の説明では、各時間に移動体105の搬送速度を乗じ、横軸を時間t[s]からトナー位置X[mm]に変換している。
なお、図40において、Y軸は正反射光の受光部D1の相対出力を示し、X軸は照射ビームに対するトナーの相対位置を示している。
図40中の実線は、理想的な検知条件による反射型光学センサの生の取得波形を示している。また、図40中の点線は、理想的な検知条件による反射型光学センサの生の取得波形をY軸に関して折り返した波形である。
図40の実線から明らかなように、理想的な検知条件におけるセンサ取得波形は、波形の立ち下がりと立ち上がりで対称となっている。
図41は、理想的な検知条件において、主走査方向位置検知用トナーパターンLP2を検知した際のトナーパターンと検知光の発光像との位置関係を示す模式図である。ここで、検知面上の検知光の照射領域は、S=0.5625mm2である。また、主走査方向位置検知用トナーパターンLP2の副走査方向における線幅は、約1.41mmである。
図42は、理想的な検知条件において、主走査方向位置検知用トナーパターンLP2が移動した際の正反射光の受光部D1の出力の時間的な変化を示す波形を正反射出力の最大値で規格化した図である。
ここで、図42では、照射ビームを固定したまま、主走査方向位置検知用トナーパターンLP2が移動した際の正反射PD出力の時間的な変化を示した波形を、最大値で規格化して横軸を時間から照射ビームに対するトナーの相対位置に変換している。
図42中の実線は、理想的な検知条件における反射型光学センサの生の取得波形を示している。一方、図42中の点線は、理想的な検知条件における生の取得波形をY軸に関して折り返した波形である。
図42から明らかなように、理想的な検知条件におけるセンサ取得波形は、波形の立ち下がりと立ち上がりで対称となっている。
また、図40と図42とは、理想的な検知条件における反射型光学センサの検知光の発光像は、主走査方向位置検知用トナーパターンLP2上の照射面積と、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1上の照射面積との間に差がないことを示す。
図43は、反射型光学センサ209を用いて、実際の検知状態下において、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1を検知した際のトナーパターンと検知光の発光像BS2との位置関係を示す模式図である。ここで、検知光の発光像BS2の照射領域は、S=0.5625mm2である。
図44は、反射型光学センサ209による副走査方向位置検知用トナーパターンLP1を検知した際の受光部D1の出力変化を示す波形を、最大値で規格化して横軸を時間から照射ビームに対するトナーの相対位置に変換したセンサ取得波形である。
図44中の実線は、反射型光学センサ209の取得波形を示している。また、図44中の点線は、この取得波形をY軸に関して折り返した波形を示している。
図44から明らかなように、実線で示すセンサ取得波形は波形の立ち下がりと立ち上がりで非対称となっている。
図45は、実際の検知状態下において、反射型光学センサ209が主走査方向位置検知用トナーパターンLP2を検知した際の模式図である。
図46は、反射型光学センサ209による主走査方向位置検知用トナーパターンLP2を検知した際の受光部D1の出力変化を示した波形を、最大値で規格化して横軸を時間から照射ビームに対するトナーの相対位置に変換したセンサ取得波形である。
図46中の実線は、反射型光学センサ209の取得波形を示している。図46中の点線は、この取得波形をY軸に関して折り返した波形である。
図46から明らかなように、実線で示すセンサ取得波形は波形の立ち下がりと立ち上がりで非対称となっている。
このように、センサ取得波形が立ち下がり時と立ち上がり時で非対称になる要因には、感光体の膜厚ばらつきやローラの偏心、中間転写ベルトの波うちやばたつきが挙げられる。
また、他の要因には、中間転写ベルトのカール癖、移動体(感光体や中間転写ベルト)の搬送速度変動、発光部の経時の強度変動が挙げられる。さらに、他の要因には、移動体または移動体上のトナーパターンの場所ごとにおける反射率の違い、移動体の蛇行などの影響が挙げられる。
図47は、図44の実線で示す波形と図40の立ち下がり波形を折り返した波形とを示す図である。また、図48は、図45の実線で示す波形と図42の立ち下がり波形を折り返した波形とを示す図である。
これらの要因が全て取り除かれた場合に、図44と図46で示した取得波形が、図47と図48に示すように、立ち上がり波形が、図40の立ち下がり波形(取得波形の左半分)を折り返した形となり、左右対称になったと仮定する。
図47と図48中の実線は図43、図45と同一である。また、図47と図48中の点線は、図44、図46の立ち下がり波形(取得波形の左半分)を折り返してセンサ取得波形としたものである。
図47の実線と点線の立ち上がり波形について、例えば、相対受光部出力が0.5を示すトナー位置を比較すると、26umの差が生じている。
また、図48の実線と点線の立ち上がり波形について、例えば、相対受光部出力が0.5を示すトナー位置を比較すると、3umの差が生じている。
つまり、センサ取得波形が左右対称であるか非対称であるかの相違によって、比較例の反射型光学センサ209では、1つの色の主/副走査方向の位置検知用トナーパターンPPの絶対位置を誤検知してしまう。そして、全色の位置検知用トナーパターンPPの主/副走査方向の位置ずれ検知を行う場合、誤差が1つの色の場合に比べて大きくなる。
以上のようなセンサ取得波形の非対称性に起因するトナー位置ずれ検知の誤差を解消するためには、図39と図41に示す左右対称のセンサ取得波形を得ることができるのが望ましい。
実際の検知状態下で用いる場合に、反射型光学センサ209によって左右対称のセンサ取得波形を得るためには、上述した要因を全て取り除けばよい。
しかし、このような要因を全て取り除くことは、費用対効果を考えると難しい。
前述の誤差の要因がトナー位置検知の精度に与える影響を抑制するには、位置検知用トナーパターンを検知した際のセンサ取得波形を、前述した要因を取り除いて位置検知用トナーパターンを検知した際のセンサ取得波形に近づければよい。
図49は、前述の要因を取り除いた理想的な条件において、理想的な反射型光学センサで副走査方向の位置検知用トナーパターンを検知した際のセンサ取得波形と、図39、図43で示した取得波形を同一グラフ上に載せたものを示す図である。
図50は、前述の要因を取り除いた理想的な条件において、理想的な反射型光学センサで主走査方向の位置検知用トナーパターンを検知した際のセンサ取得波形と、図41、図45で示した取得波形を同一グラフ上に載せたものを示す図である。
図49と図50において、一点鎖線は、理想的な条件において、不図示の理想的な反射型光学センサで検知した結果を示している。
また、図49と図50において、点線は、理想的な検知条件下において、検知光の発光像BSが理想的な円形で、かつ、発光像BSの照射領域がS=0.5625mm2である不図示の反射型光学センサで検知した結果を示している。
さらに、図49と図50において、実線は、実際の検知条件下において、図31で示した反射型光学センサ209で検知した結果を示している。
図40、図42、図44、図46で示した実線のセンサ取得波形を、図49と図50で示す理想的な波形に近づけるためには、センサ取得波形の立ち下がり時と立ち上がりの傾きが急峻になればよい。
ここで、センサ取得波形の立ち下がり時と立ち上がりの傾きが急峻になると、位置検知用トナーパターンPPを検知した際のセンサ出力ばらつきに対応する位置検知用トナーパターンPPの絶対位置のばらつきが小さくなる。つまり、センサ取得波形の立ち下がり時と立ち上がりの傾きが急峻になると、前述した波形の非対称性に起因するトナー位置検知誤差量を小さくすることができる。
そして、センサ取得波形の立ち下がり時と立ち上がりの傾きを急峻にするためには、移動体または移動体上のトナーパターンを照射する検知光の照射面積を小さくすることが考えられる。
しかし、検知光の照射面積を小さくすると、トナーパターンの場所ごとにトナー付着量のばらつきがあった場合に、トナー付着量のばらつきに起因するセンサ出力の変動が大きくなる。この場合に、例えば平均化処理の回数を増やす等の対策を講じないと、検知光の照射領域(ビーム径)を小さくする前の状態と比べて、トナー濃度検知精度が低下してしまう。
●本発明に係る反射型光学センサの特性
図51は、反射型光学センサ109の検知光の発光像BS1と、理想的な反射型光学センサの検知光の発光像BSと、の副走査方向位置検知用トナーパターンLP1に対する照射位置を示す図である。
図52は、反射型光学センサ109の検知光の発光像BS1と、理想的な反射型光学センサの検知光の発光像BSと、により副走査方向位置検知用トナーパターンLP1が検知された際のそれぞれのセンサ取得波形を示す図である。
図53は、反射型光学センサ109の検知光の発光像BS1と、理想的な反射型光学センサの検知光の発光像BSと、の主走査方向位置検知用トナーパターンLP2に対する照射位置を示す図である。
図54は、反射型光学センサ109の検知光の発光像BS1と、理想的な反射型光学センサの検知光の発光像BSと、により主走査方向位置検知用トナーパターンLP2が検知された際のそれぞれのセンサ取得波形を示す図である。
図55は、図52のトナー位置中心付近の部分拡大図である。また、図56は、図54のトナー位置中心付近の部分拡大図である。
ここで、図52、図54中の一点鎖線は、理想的な反射型光学センサで検知した結果を示している。また、図52、図54中の点線は、照射ビームが理想的な円形で、かつ、発光像BSの照射領域がS=0.5625mm2である不図示の反射型光学センサで検知した結果を示している。
さらに、図52、図54中の実線は、反射型光学センサ109で検知した結果を示している。
図57と図58は、反射型光学センサ109による取得波形から、立ち下がり時(立ち上がり時)の傾きの絶対値を算出し、不図示の反射型光学センサを用いた取得波形の傾きの絶対値と比較したグラフである。
図57と図58中の点線は、照射ビームが理想的な円形で、かつ、検知面上の検知光の照射領域がS=0.5625mm2である不図示の反射型光学センサで検知した結果を示している。また、図57、図58中の実線は、反射型光学センサ109で検知した結果を示している。
図57と図58は、相対的な受光部D1の出力の閾値として、0.8を下回る値に設定すれば、反射型光学センサ109による主/副走査方向トナー位置検知精度は反射型光学センサ209のそれより向上することを示している。
図59は、反射型光学センサ109を用いた場合の主/副走査方向位置検知用トナーパターンLP1の検知結果を示すグラフである。また、図60は、反射型光学センサ209を用いた場合の主/副走査方向位置検知用トナーパターンLP1の検知結果を示すグラフである。
図59と図60中の点線は、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1を検知した結果を示している。また、図59と図60中の実線は、主走査方向位置検知用トナーパターンLP2を検知した結果を示している。
図61は、図59のグラフについて副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2とで囲まれる部分の面積を図示したものである。また、図62は、図60のグラフについて副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2とで囲まれる部分の面積を図示したものである。
図61と図62に示すように、横軸をX軸、縦軸をY軸とすると、Y=1と実線で囲まれる面積と、Y=1と点線で囲まれる面積との差が小さければ、主/副走査方向の違いによるトナー位置検知精度の差が小さいといえる。
図63は、図59と図60のトナー位置中心付近の拡大図により、Y=1と実線で囲まれる面積と、Y=1と点線で囲まれる面積との差を比較した図である。ここで、図63(a)は反射型光学センサ109を用いた場合を示し、図63(b)は反射型光学センサ209を用いた場合を示す。
本実施の形態において、例えば、受光部D1の相対的な出力の閾値を0.8とする。このとき、図63中の矢印の位置の太線一点鎖線と細線一点鎖線で示すように、反射型光学センサ209を用いた場合に比べて、反射型光学センサ109を用いた方が、主/副走査方向の違いによるセンサ取得波形の差が小さくなっている。
このため、本発明に係る反射型光学センサ109によれば、主/副走査方向の違いによるセンサ取得波形の面積差は小さくなっていると推定できる。
つまり、本発明に係る反射型光学センサ109によれば、主/副走査方向の違いによるトナー位置検知精度の差を、反射型光学センサ209に比べて、小さくすることができる。
このため、本発明に係る反射型光学センサ109によれば、反射型光学センサ209に比べて、トナー位置検知精度を向上させることができ、かつ、主/副走査方向の違いによるトナー位置検知精度の差を小さくすることができる。
●反射型光学センサ(2)●
次に、本発明に係る反射型光学センサの別の実施の形態について、先に説明した実施の形態との相違点を中心に説明する。
図64は、本実施の形態の反射型光学センサ109Aの構成を示す平面図である。
先に説明した反射型光学センサ109では、照明用レンズLE1のレンズ面のみを、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2とのなす角の二等分線と平行になるように傾けていた。
反射型光学センサ109Aでは、照明レンズLE1の光軸に垂直な軸a1が、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2とのなす角の二等分線と平行になるように取り付けられている。
反射型光学センサ109Aは、このように配置した点が、反射型光学センサ109と相違する。反射型光学センサ109Aは、照明用レンズLE1のレンズ面を形成する2軸が、副走査方向と主走査方向にそれぞれ平行となっている。
つまり、反射型光学センサ109Aも、図28〜30に示したように、発光像BS1の長手方向が、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線a11と平行となる。
換言すれば、発光像BS1の縁と発光像BS1を4等分し直交する2軸のうち他方よりも交点間距離が大きくなる軸が、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線と平行となる。
また、反射型光学センサ109Aでは、検知面を照射する検知光の照射面積(ビーム径)は変化させないように、検知面上の発光像BS1を定めた。
このため、反射型光学センサ109Aによれば、反射型光学センサ209に比べて、トナー位置検知精度を向上させることができ、かつ、主/副走査方向の違いによるトナー位置検知精度の差を小さくすることができる。
●反射型光学センサ(3)●
次に、本発明に係る反射型光学センサのさらに別の実施の形態について、先に説明した実施の形態との相違点を中心に説明する。
図65は、本実施の形態の反射型光学センサの構成を示す平面図である。
反射型光学センサ109Bは、照明レンズLE1の光軸に垂直な軸a1が副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2とのなす角の二等分線と平行になるように、照明用レンズLE1が取り付けられる。
また、反射型光学センサ109Bは、発光部E1と受光部D1と開口部AP1とについても、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2とのなす角の二等分線と平行になるように取り付けられる。
つまり、反射型光学センサ109Bも、図28〜30に示したように、発光像BS1の長手方向が、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線a11と平行となる。
換言すれば、発光像BS1の縁と発光像BS1を4等分し直交する2軸のうち他方よりも交点間距離が大きくなる軸が、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線と平行となる。
また、反射型光学センサ109Bでは、検知面を照射する検知光の照射面積(ビーム径)は変化させないように、検知面上の発光像BS1を定めた。
このため、反射型光学センサ109Bによれば、反射型光学センサ209に比べて、トナー位置検知精度を向上させることができ、かつ、主/副走査方向の違いによるトナー位置検知精度の差を小さくすることができる。
●反射型光学センサ(4)●
次に、本発明に係る反射型光学センサのさらに別の実施の形態について、先に説明した実施の形態との相違点を中心に説明する。
図66は、本実施の形態における反射型光学センサ109Cの構成を示す側面図である。また、図67は、本実施の形態における反射型光学センサ109Cの構成を示す平面図である。
本実施の形態における反射型光学センサ109Cは、発光部E1と、受光部D1と、開口部AP1とから構成されている。ここで、発光部E1と受光部D1は、先に説明した反射型光学センサ109〜109Bとは異なり、いわゆる面実装型のデバイスを用いている。
反射型光学センサ109Cの開口部AP1の先端から移動体105までの距離l5は、一例として1.6mmである。また、開口部AP1の口径は、一例として、長軸:1.5mm、短軸:0.375mmの楕円形状である。また、開口部AP1の長さl6は、5.0mmである。
反射型光学センサ109Cは、開口部AP1の楕円形状の開口の長軸の向きが副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線と平行となっている。
そのため、反射型光学センサ109Cは、検知面上での発光像BS1の照射位置が、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線と平行となる。
つまり、反射型光学センサ109Cも、図28〜30に示したように、発光像BS1の長手方向が、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線a11と平行となる。
換言すれば、発光像BS1の縁と発光像BS1を4等分し直交する2軸のうち他方よりも交点間距離が大きくなる軸が、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線と平行となる。
また、反射型光学センサ109Cでは、検知面を照射する検知光の照射面積(ビーム径)は変化させないように、検知面上の発光像BS1を定めた。
このため、反射型光学センサ109Cによれば、反射型光学センサ209に比べて、トナー位置検知精度を向上させることができ、かつ、主/副走査方向の違いによるトナー位置検知精度の差を小さくすることができる。
図68は、本発明に係る反射型光学センサのさらに別の実施の形態の構成を示す平面図である。
図68に示すように、反射型光学センサ109Dは、発光像BS1の長手方向が副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線と平行となるように、配置の向きを定めている。
●反射型光学センサ(5)●
次に、本発明に係る反射型光学センサのさらに別の実施の形態について、先に説明した実施の形態との相違点を中心に説明する。
図69は、本実施の形態における反射型光学センサ109Eの構成を示す側面図である。また、図70は、本実施の形態における反射型光学センサ109Eの構成を示す平面図である。
本実施の形態において、反射型光学センサ109Eは、移動体105から受光部D1への正反射光の光路上に受光用レンズLD1を有することが反射型光学センサ109と相違する。
受光用レンズLD1には、主走査方向と副走査方向に関して集光機能を有する球面レンズを用いることができる。また、受光用レンズLD1には、副走査方向に関して正のパワーを有するシリンドリカルレンズを用いることができる。また、受光用レンズLD1には、主走査方向に関するパワーと副走査方向に関するパワーとが互いに異なる、光軸に対して回転非対称な形状のアナモフィックレンズなどを用いることができる。
本実施の形態において、受光用レンズLD1には、前述のレンズのうち、アナモフィックレンズを用いる。
受光用レンズLD1は、一例として、レンズ面を形成する2軸のうち、主走査方向と平行な軸方向の曲率半径は1mm、円錐定数は−1.65となっている。また、受光用レンズLD1は、副走査方向と平行な軸方向の曲率半径は1.1mm、円錐定数は−1.9となっている。
受光用レンズLD1を備えることにより、移動体105からの正反射光を効率よく受光することができるため、受光部D1の出力は約3.2倍となる。
また、反射型光学センサ109Eによれば、受光部D1に受光用レンズLD1を設けることで、移動体105または移動体105上のトナーパターン201からの反射光を効率的に受光部D1へ導光することができる。
したがって、反射型光学センサ109Eによれば、発光部E1への注入電流を下げることができるため、消費電力を低く抑えることができる。
また、反射型光学センサ109Eによれば、発光部E1での注入電流を下げる代わりに、受光部D1の増幅率を抑えてもよい。つまり、受光部D1の増幅率を抑えることができれば、受光した信号によって生じるノイズを低減することができる。
さらに、反射型光学センサ109Eによれば、反射型光学センサ209に比べて、トナー位置検知精度を向上させることができ、かつ、主/副走査方向の違いによるトナー位置検知精度の差を小さくすることができる。
●反射型光学センサ(6)●
次に、本発明に係る反射型光学センサのさらに別の実施の形態について、先に説明した実施の形態との相違点を中心に説明する。
図71は、本実施の形態における反射型光学センサ109Fの構成を示す側面図である。また、図72は、本実施の形態における反射型光学センサ109Fの構成を示す平面図である。
本実施の形態における反射型光学センサ109Fは、発光部E1から所定距離(l11)離間した位置に設けられる受光部D1に加えて、発光部E1から所定距離(l12)離間した位置に設けられる受光部D2を有する。また、反射型光学センサ109Fは、移動体105から受光部D2への正反射光の光路上に受光用レンズLD2を有する点が、反射型光学センサ109Eと相違する。
反射型光学センサ109Fでは、受光部D1と受光部D2とに受光用レンズLD1と受光用レンズLD2とを設ける。このようにすることで、反射型光学センサ109Fによれば、移動体105または移動体105上のトナーパターン201からの反射光を効率的に受光部D1と受光部D2とへ導光することができる。
したがって、反射型光学センサ109Fによれば、発光部E1への注入電流を下げることができるため、消費電力を低く抑えることができる。
また、反射型光学センサ109Fによれば、発光部E1での注入電流を下げる代わりに、受光部D1と受光部D2の増幅率を抑えてもよい。つまり、受光部D1と受光部D2の増幅率を抑えることができれば、受光した信号によって生じるノイズを低減することができる。
さらに、反射型光学センサ109Fによれば、反射型光学センサ209に比べて、トナー位置検知精度を向上させることができ、かつ、主/副走査方向の違いによるトナー位置検知精度の差を小さくすることができる。
●反射型光学センサ(7)●
次に、本発明に係る反射型光学センサのさらに別の実施の形態について、先に説明した実施の形態との相違点を中心に説明する。
図73は、本実施の形態における反射型光学センサ109Gの構成を示す側面図である。また、図74は、本実施の形態における反射型光学センサ109Gの構成を示す平面図である。さらに、図75は、本実施の形態における反射型光学センサ109Gの発光部から射出された検知光の発光像BS1〜BS11が移動体に照射されている様子を示す図である。
本実施の形態において、図73〜図75に示す反射型光学センサ109Gは、複数の発光部E1〜E11と複数の受光部D1〜D11とを有することが反射型光学センサ109と相違する。
また、反射型光学センサ109Gは、発光部E1〜E11に対応する照射用マイクロレンズLE1〜LE11を含む照明光学系と、受光部D1〜D11に対応する受光用マイクロレンズLD1〜LD11を含む受光光学系とを有している。
また、受光部D1〜D11で受光された受光量を分割する処理装置を反射型光学センサ外に有している。この処理装置を、反射型光学センサ109G内に有する構成としてもよい。
●反射型光学センサ(8)●
次に、本発明に係る反射型光学センサの別の実施の形態について、先に説明した実施の形態との相違点を中心に説明する。
図76は、本実施の形態における反射型光学センサにより形成される検知光の発光像BS1の照射位置とビーム形状との別の例を示す図である。図77は、本実施の形態における反射型光学センサにより形成される別の例の検知光の発光像BS1と副走査方向位置検知用トナーパターンLP1との位置関係を示す図である。図78は、本実施の形態における反射型光学センサにより形成される別の例の検知光の発光像BS1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2との位置関係を示す図である。
本発明に係る反射型光学センサの検知光の発光像BS1は、以上説明した反射型光学センサ109などの楕円形状には限定されず、楕円形状に類似する楕円系の形状や、図76〜図78に示す長方形の発光像BS3であってもよい。
ここで、発光像BS3の縁と発光像BS3を4等分したときに直交する2軸のうち他方よりも交点間距離が長い軸が、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2がなす角の二等分線と平行となる。
発光像BS3は、副走査方向位置検知用トナーパターンLP1と主走査方向位置検知用トナーパターンLP2とのなす角の二等分線と平行なa21を長手とし、a22が短手とする。つまり、本発明に係る反射型光学センサの検知光の発光像BS1の形状は、長手方向と短手方向を持つ形状(例えば、ひし形、平行四辺形、涙型など)であればよい。
●画像形成装置●
次に、本発明に係る画像形成装置の実施の形態について説明する。本発明に係る画像形成装置は、以上説明した本発明に係る反射型光学センサを備える。
画像形成装置は、移動体105上に濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4と位置検知用トナーパターンPPとを作成するパターン作成装置としての画像形成ユニットを備える。
また、画像形成装置は、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4と位置検知用トナーパターンPPとを検知対象とする反射型光学センサ109〜109Gを備える。さらに、画像形成装置は、反射型光学センサ109〜109Gの受光系の出力信号に基づいて、トナー濃度とトナー位置との少なくともいずれか一方を算出する処理装置としての本体制御部を備える。
図79は、本発明に係る画像形成装置におけるトナーパターンを作像した移動体の平面図である。また、図80は、本発明に係る画像形成装置における別の例のトナーパターンを作像した移動体の平面図である。
本発明に係る画像形成装置では、図79や図80に示すように、通常の画像形成を行う間に、画像プロセス制御のトナー位置検知を移動体105表面上の画像形成領域外の領域で行うために、トナーパターン201を画像形成領域外に形成する。
つまり、画像形成ユニットは、画像が形成される領域外の移動体105上に、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4と位置検知用トナーパターンPPとを作成する。
また、図80に示すように、画像形成ユニットは、画像パターン203aと画像パターン203bに挟まれた領域に、濃度検知用トナーパターンDP1、DP2、DP3、DP4と位置検知用トナーパターンPPとを作成する。
このようにすることで、本発明に係る画像形成装置によれば、本来の画像形成に対する作業効率低下を防ぐことができ、かつ、リアルタイムでのトナー位置ずれ補正をすることができる。
また、本発明に係る画像形成装置によれば、画像プロセス制御に反射型光学センサ109〜109Gを用いることで、比較例(従来)の反射型光学センサ209に比べてトナー位置検知精度を向上できる。
また、本発明に係る画像形成装置によれば、画像プロセス制御に反射型光学センサ109〜109Gを用いることで、反射型光学センサ209に比べてトナーパターンの主/副走査方向の違いによるトナー位置検知精度の差を小さくすることができる。