●画像形成装置の実施形態(1)●
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態について、図を用いて説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置をタンデム型のフルカラープリンタへ適用した例を示す概略構成図である。図1において、カラープリンタ1000は、帯電、露光、現像、転写、定着を行う画像形成プロセス部分を図示し、その他の構成は省略をしている。カラープリンタ1000には、図1で示す他に、PC等から送られた画像データを処理し、露光データに変換するプリンタコントローラ、画像形成動作を制御する本体制御部、記録材である転写紙の供給を行う給紙ユニット、転写紙を手差し給紙させるための手差しトレイ、及び、画像形成済みの転写紙が排紙される排紙トレイなどが、備えられている。
図1において、カラープリンタ1000は、第1の転写ユニットとして、第2の像担持体である無端ベルト状の中間転写ベルト105を備えている。中間転写ベルト105は、カラープリンタ1000の中央付近に配置されている。この中間転写ベルト105は、4つの支持ローラ112、113、114、119によって張架されている。支持ローラ112は駆動ローラも兼ねており、この支持ローラ112が回転することで、中間転写ベルト105は張架状態を維持しながら、図中矢印方向に移動する。
中間転写ベルト105の張架部分には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色に対応する4つの画像形成ユニットが配置されている。各画像形成ユニットはそれぞれ、感光体ユニット103Y、103C、103M、103Kと現像ユニット102Y、102C、102M、102Kを有してなる。これらの画像形成ユニットの下方には、露光ユニット200が設けられている。露光ユニット200は、画像情報に基づいて半導体レーザを駆動し、これによって書込光を出射する構造を内部に備えている。この書込光によって、第1の像担持体としての感光体ドラム101Y、101M、101C、101K上に静電潜像が形成される。なお、書込光の出射はレーザに限るものではなく、例えば、LEDであってもよい。
●画像形成ユニットの構成
次に、画像形成ユニットの構成について図2を用いて説明する。図2に示す画像形成ユニット2000は、各色のトナー画像を形成するために、各色に対応してカラープリンタ1000が備えるものである。画像形成ユニット2000の構成は、色の別に関わらず同じ構成からなる。図2では、画像形成ユニット2000を構成する各部の符号の末尾に付与されている色の識別を示すアルファベット(Y、C、M、K)は省略している。
図2において画像形成ユニット2000は、感光体ドラム101の周囲に、帯電ユニット301、現像ユニット102、感光体クリーニングユニット308が配置されてなる。また、感光体ドラム101には、中間転写ベルト105を挟んだ対向位置に1次転写ユニット106が配置されている。
帯電ユニット301は、帯電ローラを採用した接触帯電方式のものであって、感光体ドラム101に接触して電圧を印加することにより感光体ドラム101の表面を一様に帯電する。この帯電ユニット301には、非接触のスコロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式のものも採用できる。
現像ユニット102は、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤を使用している。なお、現像剤としては一成分現像剤を使用することもできる。この現像ユニット102は、現像ケース内に設けられた攪拌部303と現像部304に大別できる。攪拌部303では、二成分現像剤が攪拌されながら搬送されて現像剤担持体としての現像スリーブ305上に供給される。この攪拌部303は平行な2本のスクリューが設けられており、2本のスクリュー306の間には、両端部で互いが連通するように仕切るために仕切り板が設けられている。
また、感光体ユニット103には現像ユニット102内の現像剤のトナー濃度を検出するためのTCセンサ104が取り付けられている。二成分現像剤のキャリアは磁性体、トナーは非磁性体であるため、TCセンサ104は透磁率方式を採用しており、現像ユニット102内のトナー濃度は、現像剤の透磁率、つまり単位体積あたりの現像剤の磁気抵抗に現れる。
現像部304は、現像スリーブ305に付着した現像剤のうちのトナーが感光体ドラム101に転移される。この現像部304には、現像ケースの開口を通して感光体ドラム101と対向する現像スリーブ305が設けられており、その現像スリーブ305内には図示しないマグネットが固定配置されている。また、現像スリーブ305に先端が接近するようにドクターブレード307が設けられている。
現像ユニット102は、現像剤を2本のスクリュー306で攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブ305に供給する。現像スリーブ305に供給された現像剤は、マグネットにより汲み上げられて保持される。現像スリーブ305に汲み上げられた現像剤は、現像スリーブ305の回転に伴って搬送され、ドクターブレード307により適正な量に規制される。なお、規制された現像剤は攪拌部303に戻される。このようにして感光体ドラム101と対向する現像領域まで搬送された現像剤は、マグネットにより穂立ち状態となり、磁気ブラシを形成する。
現像領域では、現像スリーブ305に印加されている現像バイアスにより、現像剤中のトナーを感光体ドラム101上の静電潜像部分に移動させる現像電界が形成される。これにより、現像剤中のトナーは、感光体ドラム101上の静電潜像部分に転移し、感光体ドラム上101上の静電潜像は可視像化され、トナー像が形成される。
現像領域を通過した現像剤は、マグネットの磁力が弱い部分まで搬送されて現像スリーブ305から離れ、攪拌部303に戻される。このような動作の繰り返しにより、攪拌部303内のトナー濃度が薄くなると、それをTCセンサ104が検出し、その検出結果に基づいて攪拌部303にトナーが補給される。
1次転写ユニット106は、中間転写ベルト105を挟んで感光体ドラム101に押し当てられるようにして設置されている。1次転写ユニット106は、1次転写ローラとして用いられている。なお、1次転写ユニット106は、ローラ状のものでなくても、導電性のブラシ形状のものや、非接触のコロナチャージャなどを採用してもよい。
感光体クリーニングユニット308は、先端を感光体ドラム101に押し当てられるように配置される。例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード309を備えている。また、クリーニング性能を高めるために感光体ドラム101に接触する導電性のファーブラシ310を併用している。このファーブラシ310には図示しない金属製の電界ローラからバイアスされており、その電界ローラには図示しないスクレーパの先端が押し当てられている。
クリーニングブレード309やファーブラシ310により感光体ドラム101から除去されたトナーは、感光体クリーニングユニット308の内部に収容され、図示しない廃トナー回収ユニットにて回収される。
以上の構成を有してなる図2に示した画像形成ユニット2000は、感光体ドラム101の回転とともに、まず帯電ユニット301で感光体ドラム101の表面を一様に帯電する。次いで、プリントコントローラ2080からの画像情報に基づいて露光ユニット200からレーザLb(書込光)が照射され、感光体ドラム101上に静電潜像が形成される。
その後、現像ユニット102により静電潜像が可視像化されてトナー像が形成される。このトナー像は、1次転写ユニット106により中間転写ベルト105上に1次転写される。1次転写後に感光体ドラム101の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニングユニット308により除去され、次の画像形成に供される。感光体ドラム101の軸方向を「主走査方向」とし、主方向に直交して移動する中間転写ベルト105の移動方向を「副走査方向」とする。
●露光ユニットの構成
次に、カラープリンタ1000の下方に設けられている露光ユニット200の構成について図3乃至図6を用いて説明する。図3は、露光ユニット200を主走査方向からみた光学配置図である。図4は、露光ユニット200の一部を副走査方向からみた光学配置図である。図5は、露光ユニット200の別の一部を副走査方向からみた光学配置図である。図6は、露光ユニット200全体を副走査方向からみた光学配置図である。
露光ユニット200は、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つのfθレンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、8つの折返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つのトロイダルレンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、4つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d)、4つの光検知用ミラー(2207a、2207b、2207c、2207d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。上記の各部材は、図6に示す光学ハウジング2300の所定位置に組み付けられている。
なお、以下の説明において、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。また、以下の説明において、カップリングレンズ2201a及びカップリングレンズ2201bの光軸に沿った方向を「w1方向」、光源2200a及び光源2200bにおける主走査対応方向を「m1方向」とする。さらに、カップリングレンズ2201c及びカップリングレンズ2201dの光軸に沿った方向を「w2方向」、光源2200c及び光源2200dにおける主走査対応方向を「m2方向」とする。なお、光源2200a及び光源2200bにおける副走査対応方向、光源2200c及び光源2200dにおける副走査対応方向は、いずれ図3から図6中に示す座標軸におけるZ軸方向と同じ方向である。
光源2200bと光源2200cは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。そして、光源2200aは光源2200bの−Z側に配置されている。また、光源2200dは光源2200cの−Z側に配置されている。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、光源2200aからの光束を略平行光束とする。カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、光源2200bからの光束を略平行光束とする。カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、光源2200cからの光束を略平行光束とする。カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、光源2200dからの光束を略平行光束とする。
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
ポリゴンミラー2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。なお、1段目の4面鏡及び2段目の4面鏡は、互いに位相が45°ずれて回転し、書き込み走査は1段目と2段目とで交互に行われる。
ここでは、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
各fθレンズ2105はそれぞれ、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム103の面上に光スポットを形成し、この光スポットは主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。
fθレンズ2105a及びfθレンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、fθレンズ2105c及びfθレンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
fθレンズ2105aとfθレンズ2105bはZ軸方向において積層されており、fθレンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。また、fθレンズ2105cとfθレンズ2105dはZ軸方向に積層されており、fθレンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、fθレンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。
ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、fθレンズ2105a、折返しミラー2106a、トロイダルレンズ2107a、及び折返しミラー2108aを介し、感光体ドラム101Kに照射されて、光スポットを形成する。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム103感光体ドラム103aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム101K上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム101Kにおける「主走査方向」であり、感光体ドラム101Kの回転方向が、感光体ドラム101Kにおける「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、fθレンズ2105b、折り返しミラー2106b、トロイダルレンズ2107b、及び折返しミラー2108bを介し、感光体ドラム101Mに照射されて、光スポットを形成する。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム101Mの長手方向に移動する。すなわち、感光体101M上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム101Mにおける「主走査方向」であり、感光体ドラム101Mの回転方向が、感光体ドラム101Mにおける「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、fθレンズ2105c、折り返しミラー2106c、トロイダルレンズ2107c、及び折返しミラー2108cを介し、感光体ドラム101Cに照射されて、光スポットを形成する。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム101Cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム101C上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム101Cにおける「主走査方向」であり、感光体ドラム101Cの回転方向が、感光体ドラム101Cにおける「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、fθレンズ2105d、折り返しミラー2106d、トロイダルレンズ2107d、及び折り返しミラー2108dを介し、感光体ドラム101Yに照射されて、光スポットを形成する。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム101Yの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム101Y上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム101Yにおける「主走査方向」であり、感光体ドラム103dの回転方向が、感光体ドラム101Yにおける「副走査方向」である。
各感光体ドラム101において、画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は「有効画像領域」と呼ばれる。
なお、各折り返しミラー2108は、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラム101に至る各光路長が互いに一致するとともに、各感光体ドラム101における光束の入射位置及び入射角がいずれも互いに等しくなるように、それぞれ配置されている。
また、シリンドリカルレンズ2204とそれに対応するトロイダルレンズ2107とにより、偏向点とそれに対応する感光体ドラム表面とを副走査方向に共役関係とする面倒れ補正光学系が構成されている。
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラム103との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、fθレンズ2105aとトロイダルレンズ2107aと折り返しミラー(2106a、2108a)とから黒色トナーに係る画像を形成するKステーションの走査光学系が構成されている。また、fθレンズ2105bとトロイダルレンズ2107bと折り返しミラー(2106b、2108b)とからシアン色トナーに係る画像を形成するCステーションの走査光学系が構成されている。そして、fθレンズ2105cとトロイダルレンズ2107cと折り返しミラー(2106c、2108c)とからマゼンダ色トナーに係る画像を形成するMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、fθレンズ2105dとトロイダルレンズ2107dと折り返しミラー(2106d、2108d)とから黄色トナーに係る画像を形成するYステーションの走査光学系が構成されている。
光検知センサ2205aには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Kステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207aを介して入射する。
光検知センサ2205bには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Cステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207bを介して入射する。
光検知センサ2205cには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Mステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207cを介して入射する。
光検知センサ2205dには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Yステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207dを介して入射する。
各光検知センサ2205はいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。走査制御装置は、各光検知センサ2205の出力信号に基づいて対応する感光体ドラム101への走査開始タイミングを検出する。
以下の説明において、主走査方向を「主方向」と表記する。また、副走査方向を「副方向」と表記する。
●中間転写ベルト
次に、中間転写ベルト105について説明する。図7に示すように、中間転写ベルト105は、支持ローラ(112、113、119、114)によって張架されており、支持ローラ(112、113、119、114)の回転によって、図7に示す矢印の方向に中間転写ベルト105は移動する。図7において、支持ローラ112の対向する位置に、2次転写ユニットである2次転写ローラ108が配置されている。
中間転写ベルト105上のトナー像を転写紙115上に2次転写する際は、2次転写ローラ108を、支持ローラ112に巻回された中間転写ベルト105部分に押し当てた状態で、中間転写ベルト105を矢印方向に移動させる。2次転写ローラ108には、ローラクリーニング部116が当接している(図1を参照)。ローラクリーニング部116は、2次転写ローラ108に付着したトナーをクリーニングする部材である。なお、2次転写ユニットは、2次転写ローラ108を用いた構成に限る必要はなく、例えば転写ベルトや非接触の転写チャージャを用いた構成としてもよい。
中間転写ベルト105の主方向中央付近には、テストパターン201が形成される。テストパターン201の詳細は後述する。また、図7においてテストパターン201は、有効画像領域のほぼ中央部に1つだけ形成されているが、これに限ることなく、複数列のテストパターン201を形成してもよい。この場合、反射型光学センサ109を有効画像領域内および、有効画像領域外、もしくは、有効画像領域内か有効画像領域外のいずれかに、複数個配置し、これに対応するテストパターンを複数組形成すればよい。
支持ローラ112で張架されている中間転写ベルト105付近には、テストパターン201を検出するための反射型光学センサ109が配置されている。反射型光学センサ109の構造等については、後述する。図7において、反射型光学センサ109は、中間転写ベルト105の折り返し端部近傍の1つだけに配置されているが、カラープリンタ1000において、複数のテストパターン201を形成し用いる場合は、反射型光学センサ109を、テストパターン201に合わせて増設すればよい。
また、支持ローラ113に対向する位置には、ベルトクリーニングユニット110が設けられている。このベルトクリーニングユニット110は、転写紙115に中間転写ベルト105上のトナー像を転写した後に、中間転写ベルト105上に残留する残留トナーを除去するためのものである。
●反射型光学センサ
次に、反射型光学センサ109について説明する。図8から図11を用いて説明する。図8は、反射型光学センサ109の副方向における断面図である。図8に示すように、反射型光学センサ109は、中間転写ベルト105に光を照射し、反射光を受光するセンサである。反射型光学センサ109は、発光部E(1〜11)と、照射レンズLE(1〜11)と、受光部D(1〜11)と、受光レンズLD(1〜11)と、を有してなる。
発光部(1〜11)は、テストパターン201を照明する光を出射する。発光部E(1〜11)は、発光部(1〜11)から射出された光を中間転写ベルト105に集光して光スポットS(1〜11)を形成するマイクロレンズである。
受光部D(1〜11)は、中間転写ベルト105によって、または、中間転写ベルト105上に形成されたテストパターン201によって反射された光(反射光)を受光して、電気信号を出力する。受光レンズLD(1〜11)は、反射光を対応する受光部D(1〜11)に集光するマイクロレンズである。
図8において、反射型光学センサ109は、中間転写ベルト105が支持ローラ112によって副方向に折り返す位置に、対向して配置されている。なお、以下の説明においては、発光部Eを特定する必要がない場合には、発光部Eiと表記し、発光部Eiに対応する照射用マイクロレンズを照射レンズLEiと表記する。また、発光部Eiから射出され照射レンズLEiを通過し、中間転写ベルト105の位置において集光する光束を光スポットSiと表記する。また、発光部Eiに対応する受光部を受光部Diと表記し、発光部Diに対応する受光レンズを受光レンズLDiと表記する。
図8に示すように、照射レンズLEiの光軸は、対応する発光部Eiの中心を通り、この発光部Eiに垂直な軸に対して受光系側にΔdだけずれている。また、受光レンズLDi光軸は、対応する受光部Diの中心を通り、この受光部Diに垂直な軸に対して照射系側にΔd´だけずれている。この構成により、より多くの反射光が、対応する受光部Diに導かれる。
照射レンズLEiは、対応する発光部Eiの前方(中間転写ベルト105側)に配置されており、発光部Eiから射出された光束を中間転写ベルト105の表面に向けて集光的に導く働きをする。以下の説明において、発光部Eiから射出されて照射レンズLEiで集光される光束は、発光部Eiに対応する照射レンズLEiのみを通過するものとし、この光束によってのみ、中間転写ベルト105上に光スポットSiが形成されるものとする。
中間転写ベルト105の表面は滑らかであり、中間転写ベルト105の表面に照射された光のほとんどは正反射するから、受光部Diは、発光部Eiが中間転写ベルト105上に形成した光スポットSiからの反射光を受光する。
また、照射レンズLEiと受光レンズLDiは一体に形成されている。このように一体に形成することで、照射レンズLEiと受光レンズLDiを反射型光学センサ109に組み付ける際の作業性を向上させることができる。また、レンズ面間の配置精度を高めることができる。各レンズ面は、フォトリソグラフィやモールド成形などの加工法を用いてガラス基板や樹脂基板上に形成することができる。
照射レンズLEi及び受光レンズLDiには、主方向及び副方向に関して集光機能を有する球面レンズや、副方向に正のパワーを持つシリンドリカルレンズ、主方向と副方向のパワーが異なるアナモフィックレンズなどを用いることができる。
照射レンズLEiおよび受光レンズLDiにおいて、照射レンズLEiの間、および、受光レンズLDiの間においては、受光レンズLDiのレンズ径、レンズの曲率半径、レンズ厚は同一値である。しかし、照射レンズLEiと受光レンズLDiは、レンズ径、レンズの曲率半径、レンズ厚が全て異なる値になる。
例えば、照射レンズLEiのレンズ径は0.613mm、曲率半径は0430mm、レンズ厚は0.129mmである。受光レンズLDiのレンズ径は0.750mm、曲率半径は0.380mm、レンズ厚は0.319mmである。照射レンズLEiの光軸は、発光部Eiからの反射光を受光部Diに導くために、対応する発光部Eiの中心を通り、発光部Eiに垂直な軸に対して受光系Di側に0.035mmずれている。一方、受光レンズLDiの光軸は、より多くの反射光を受光するために対応する受光部Diの中心を通りこの受光部Diに垂直な軸に対して発光部Ei側に平行に0.020mmずれている。
副方向におけるレンズ間ピッチは0.445mmである。なお、発光部Eiと、それに対応する受光部Diの副方向における間隔は0.500mmである。発光部Eiから照射レンズLEiまでの距離は0.800mmである。ここに列記した反射型光学センサ109の特性に関わる数値は、以下の説明においてすべて同様である。また、マイクロレンズアレイの裏面から被験物までの距離は5mmである。
反射型光学センサ109が中間転写ベルト105の平面上に形成する光スポットSiのピッチは、発光部Eiのピッチと同じ0.4mmである。つまり、光スポットSiの直径は0.4mm程度であって、発光部Eiのピッチとほぼ同等である。
以上のように、受光レンズLDiのレンズ径を照射レンズLEiより大きくすることで、反射光をより多く受光できるようになる。また、受光レンズLDiの曲率半径を照射レンズLEiの曲率半径に比べて小さくすることで、レンズ内部における全反射が増える。このため、正反射受光量を減らすことができる。また、受光レンズLDiの曲率半径を小さくすることで、点灯させる発光部Eiに対応する受光部Diに隣接する受光部Di前面に配置した受光レンズLDiを通過した光線を、大きく屈折させる事ができ、後述するようにテストパターン201からの拡散反射光が受光部Diに到達でき、拡散反射受光量も増加する。
個々のレンズは球面レンズであり、照射レンズLEiは、レンズの入射面に集光パワーを有しているが、射出面には集光パワーを有していない。また、受光レンズLDiは、レンズの入射面に集光パワーを有していないが、射出面には集光パワーを有している。
図9は、反射型光学センサ109の中間転写ベルト105に対向する面から見た断面図である。図9に示すように反射型光学センサ109は、11個の発光部E(1〜11)が主方向に沿って配列されている。隣接する発光部Ei同士の間隔は一定に保たれている(符号Le)。この発光部E(1〜11)のそれぞれに対応する11個の照射レンズLE(1〜11)が中間転写ベルト105側に配置されている(図8を参照)。発光部Eiと照射レンズLEiによって、照明光学系が形成されている。
また、11個の受光部D(1〜11)が発光部E(1〜11)のそれぞれに対応する主方向位置であって、副方向にずれた位置に配置されている。この受光部D(1〜11)のそれぞれに対応する11個の受光レンズLD(1〜11)が中間転写ベルト105側に配置されている(図8を参照)。受光部Diと受光レンズLDiによって、受光光学系が形成されている。
●発光部
発光部Eiには、例えば、LED(Light Emitting Diode)を用いればよい。ここでは、一例として、隣接する発光部Ei同士の間隔(ピッチ)Leを0.4mmとして説明を続ける。
発光部Ei同士のピッチLeが0.4mmの場合、主方向に関する発光部E1と発光部E11の距離は4mm(Le×10)となる。また、各発光部Eの主方向の大きさ及び副方向の大きさは、いずれも約0.04mmである。さらに、各発光部Eから射出される光束の波長は850nmである。
11個の発光部(E1〜E11)は、本体制御部2090によって点灯及び消灯される。なお、以下の説明では、点灯された発光部を「点灯発光部」と略述する。
●受光部の説明
受光部Diの配列間隔(配列ピッチ)は、発光部EのピッチLeと等しい。受光部Diの主方向の大きさ及び副方向の大きさは、いずれも約0.35mmである。また、受光部Diにおける受光感度のピーク波長は850nm付近にある。
受光部Diには、PD(フォトダイオード)を用いることができる。受光部Diは、受光量に応じた信号を出力する。
●中間転写ベルトと反射型光学センサの関係
図10は、反射型光学センサ109の構成の一部を示す断面図であって、照明光学系である発光部Eiと照射レンズLEi、および中間転写ベルト105の照射面のみを示している。図10に示すように、発光部Eiから出射された光は、照射レンズLEiによって集光的に導かれて中間転写ベルト105上に照射される。各照射レンズLEiは、レンズ径、レンズの曲率半径、及びレンズ厚は同一である。また、各照射レンズLEiの光軸は、対応する発光部Eiの発光面に直交する方向に平行である。
●光スポットの説明
図11は、反射型光学センサ109の構成の一部を示す断面図であって、中間転写ベルト105上に、反射型光学センサ109から出射された光によって形成される光スポットSiの例を示す図である。図11に示すように、発光部Eiから射出された光が照射レンズLEiによって集光され、この集光された光が中間転写ベルト105上に形成する光スポット(S1〜S11)は、副方向において、対応する発光部Eiと、この発光部Eiに対応する受光部Diとの中間付近に対応する位置に形成される。光スポットSの大きさ(直径)は、例えば0.4mmである。この値は、発光部EiのピッチLeと等しい値である。
●カラープリンタの電気的構成図
次に、図12を用いてカラープリンタ1000の電気的構成の例について説明をする。カラープリンタ1000は本体制御部2090によって動作を制御される。破線で示されている本体制御部2090は、各種演算や各部の駆動制御を実行するCPU402にバスライン409を介して、コンピュータプログラム等の固定的データを予め記憶するROM405と、各種データを書き換え自在に記憶するワークエリア等として機能するRAM403と、が接続されており、各種のアナログ入力信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路401と、を有してなる。
ROM405には、中間転写ベルト105上にテストパターン201を形成するために必要な情報が格納されている。このROM405に格納される情報は、例えばテストパターン201の形成位置や濃度情報、テストパターンの階調を形成するためのバイアス条件、テストパターン201のトナー濃度を推定するための反射型光学センサ出力の濃度変換情報など、である。本体制御部2090には、プリントコントローラ2080が接続され、PC411やスキャナ412、FAX413等の上位装置からの画像情報を本体制御部2090に一元化した画像データとして送信する。
CPU402には、モータやクラッチ417を駆動する駆動回路415と、画像形成に必要な電圧を発生する高圧発生装置416と、カラープリンタ1000内の温度と湿度を検知する温湿度センサ414も接続されている。
例えば、PC411からの画像情報のプリントを行う場合、PC411のプリンタドライバを用いて画像情報を送信する。プリントコントローラ2080は、プリンタドライバからのプリント情報をCPU402に送り、CPU402は駆動回路415を介して駆動部の駆動を行い、画像形成ステーション418に信号を送り、画像形成ステーション418は前述の画像形成プロセスを実行する。
また、本体制御部2090のA/D変換回路401には、反射型光学センサ109からの出力信号が入力される。CPU402は、A/D変換回路401にてデジタルデータに変換された、反射型光学センサ109からの出力に基づいて、テストパターン201の検知処理を実行する。
次にカラープリンタ1000における画像形成動作について説明する。図1に示す構成を有するカラープリンタ1000を用いてPCなどの外部機器から、印刷処理を行う場合、まずPC側からプリンタドライバを介して出力対象となる画像情報が送信される。プリントコントローラ2080は、プリンタドライバからの画像情報を受けて、露光ユニット200(図1を参照)に露光信号を送る。
また、プリント処理の指示を受けた本体制御部2090は、図示しない駆動モータを駆動させ、支持ローラ112を回転駆動させる。これによって中間転写ベルト105が回転駆動する。また、これと同時に各画像形成ユニットの感光体ドラム101Y、101C、101M、101Kも回転駆動する。その後、プリントコントローラ2080からの情報に基づいて、露光ユニット200から感光体ドラム101Y、101C、101M、101K上に書込光がそれぞれ照射される。
書込光によって、感光体ドラム101Y、101C、101M、101K上には、それぞれ静電潜像が形成され、現像ユニット102Y、102C、102M、102Kにより可視像化されて、各感光体ドラム101Y、101C、101M、101K上には、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像が形成される。このようにして形成された各色トナー像は、1次転写ユニット106Y、106C、106M、106Kにより、順次、中間転写ベルト105上に重なりあうように1次転写される。この1次転写により、中間転写ベルト105上には、各色トナー像が重なり合った合成トナー像が形成される。
なお、2次転写後の中間転写ベルト105上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニングユニット110により除去される。
また、画像情報を受けて、ユーザーが選択した転写紙115に応じた給紙ユニットの給紙ローラ(図示せず)が回転し、給紙カセット(図示せず)の1つから転写紙115が送り出される。送り出された転写紙115は、図示しない分離ローラで1枚に分離して図示しない給紙路に入り込み、搬送ローラによってカラープリンタ1000本体内の搬送路まで搬送される。このようにして搬送された転写紙115は、レジストローラ107に突き当たったところで止められる。
レジストローラ107は、上述のようにして中間転写ベルト105上に形成された合成トナー画像が2次転写ローラ108に対向する2次転写部に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始する。ここで、レジストローラ107は、一般的には接地されて使用されることが多いが、転写紙115の紙粉除去のためにバイアスを印加するようにしてもよい。レジストローラ107により送り出された転写紙115は、中間転写ベルト105と2次転写ローラ108との間に送り込まれ、2次転写ローラ108により、中間転写ベルト105上の合成トナー像が転写紙115上に2次転写される。
その後、転写紙115は、2次転写ローラ108から定着ユニット111へ搬送され、定着ユニット111で熱と圧力が加えられてトナー像の定着処理が行われる。定着ユニット111を通過した転写紙115は、図示しない排出ローラにより図示しない排紙トレイに排出されスタックされる。なお、トナー像が定着された面の裏面にも画像形成を行う場合には、定着ユニット111を通過した転写紙115の搬送方向を図示しない切替爪により切り換え、図示しない用紙反転ユニットに送り込む。転写紙115は、そこで反転し再び2次転写ローラ108に案内される。
次に、本発明に係る画像形成装置において実行される画像プロセス制御の処理の流れについて、図13のフローチャートを用いて説明する。なお、図13において、各処理ステップをS501、S502、・・・のように表記する。図13に示す画像プロセス制御は、CPU402がコンピュータプログラムに基づいて行う処理である。
まず、カラープリンタ1000の電源スイッチがパワーオンされたとき、または、PCなどの外部装置からカラープリンタ1000へ印刷開始の指示がされるまでは、待ち状態になる(S502のNo)。
カラープリンタ1000の電源スイッチがパワーオンされたとき、または、印刷指示がされたとき(S502のYes)、画像プロセス制御の要否を判定する(S503)。上記の条件のいずれかを満たせば画像プロセス制御が実行される(S503のYes)。その理由は以下の通りである。すなわち、パワーオンの直後は、定着ヒーターの加温時間やプリントコントローラ2080の準備時間が必要であり、また、未使用の間に使用環境が変化している可能性もある。このようなときには、位置ずれなどが生じやすいため、画像プロセス制御を実行する。また、印刷時においては、トナーの補給や消費、感光体ユニット103や中間転写ベルト105などの特性に変化が生じることもあり、位置ずれが生じる可能性があるため、画像プロセス制御を実行する。
具体的には、パワーオン直後の場合は、感光体ユニット103の停止時間が6時間以上であるとき、または、カラープリンタ1000の装置内温度が10℃以上変化した場合、または、カラープリンタ1000の装置内の相対湿度が50%以上変化した場合に、画像プロセス制御を実行する(S503のYes)。なお、感光体ドラム101の停止時間は、感光体ドラム101が停止した時刻を、プリントコントローラ2080の保持しているリアルタイムクロックから取得してRAM403に保存し、パワーオンされたときのリアルタイムクロックから取得する時刻との差分を求めることで、算出できる。
また温度や湿度の変化は、感光体ドラム101が停止した時に温湿度センサ414によって、温度情報と相対湿度情報を取得してRAM403に記憶しておき、パワーオンされたときの温湿度センサ414から温度情報と相対湿度情報を取得し、これらの差分を算出することで求めることができる。
また、印刷指示がされたときは、累積プリント枚数が所定の値に達したときに、印刷動作を中止して画像プロセス制御を実行する(S503のYes)。
画像プロセス制御が実行されると、まず、テストパターン201の作成が行われる(S504)。テストパターン201を作成する時間間隔は、予め行う実験等により求められるプロセス変動量によって決定する。また累積プリント枚数の他に、現像スリーブ305や中間転写ベルト105の走行距離等をしきい値にしてもよい。
ここで、処理S504において作成されるテストパターン201について説明をする。図14は、テストパターン201が中間転写ベルト105上に形成された状態図の例を示す平面図である。図14において、中間転写ベルト105の主方向中央部付近に、トナー濃度検知用のテストパターンであるパッチDPと、トナー位置検知用のテストパターンであるラインPPと、からなるテストパターン201が形成されている。パッチDPは、トナー色ごとに階調が異なる矩形からなる。図14において、パッチDPはトナー色ごとに4階調の矩形で表されている。ラインPPは、トナー色ごとに、主方向に沿った直線と、主方向に対して角度を持った直線と、から形成されている。
テストパターン201の下流にはテストパターン201のうち、ラインPPのみが、中間転写ベルト105の有効画像領域内の中央部および両端付近に形成されている。
画像プロセス制御には、画像濃度を維持するための画像濃度制御(現像ポテンシャル制御や階調制御)、画像位置を合わせるための画像位置補正制御などがある。どの画像プロセス制御を行うかによって、テストパターン201の形成条件は異なる。現像ポテンシャル制御では、所望の画像濃度(例えばベタ濃度)を確保するために、現像ポテンシャル(現像バイアス−ベタ露光電位)の制御を行う。この制御には、テストパターン201のうちパッチDPを用いる。パッチDPを検知して得られたトナー濃度と現像ポテンシャルとの関係より、現像γと現像開始電圧Vkを求める。
所望の画像濃度を確保するために必要な現像ポテンシャルは、所望の画像濃度(トナー濃度)(mg/cm2)を、現像γ[(mg/cm2)/(−kv)]によって除算した値に、現像開始電圧Vk(−kv)を加算することで演算により求めることができる。算出された現像ポテンシャル(−kv)に基づき、作像条件(露光パワー、帯電バイアス、現像バイアス)が決定される。
現像ポテンシャル(−kv)は、その算定式から明らかなように、トナー帯電量と現像ポテンシャルが一定であれば現像γはほぼ維持される。しかし、温湿度変化のある環境ではトナー帯電量の変化が避けられず、中間調領域の階調性が変化してしまう。これを補正するために、階調制御が行われる。階調制御も現像ポテンシャル制御と同じくパッチDPを用いることができる。
露光ユニット200が有する光源が半導体レーザ(LD)である場合には、LDパワーを固定しておき、発光デューティを可変することで、パッチDP毎のトナー濃度を異ならせることができる。階調制御では、得られた階調性と目標とする階調性との偏差がなくなるように階調補正用ルックアップテーブル(LUT)が適宜変更される。具体的には、その都度新しいLUTに書き換える方法や、予め用意した複数のLUTから最適なものを選択して切り換える方法などがある。
パッチDPは主方向に1mm、副方向に2mmの大きさで形成される。副方向に並んだパッチDP同士の間隔は3mmである。なお、パッチDPの主方向の大きさ(1.0mm)は、反射型光学センサ109の主方向の発光部ピッチ(Le=0.4mm)と中間転写ベルト105上に照射される光スポットSiの主方向の大きさ(0.4mm)との和よりも大きくなっている。
主方向におけるパッチDPの大きさを1.0mmとしたことで、従来のもの(大きさが15mm以上)に比べて、1/15のトナー消費量低減が可能である。副方向におけるパッチDPの大きさは、後述するように受光部出力を取得する平均化回数に応じて決定されるが、上記のように2mmに設定したとするならば、副方向も含めた小パッチ化により、合わせて1/100程度のトナー消費量低減が可能となる。
画像位置補正制御では、トナー位置検知用のラインPPをある同一の作像条件に基づいて、中間転写ベルト105の有効画像領域内の中央部と両端付近に形成する。
このラインPPは、検知精度の観点から高濃度であることが望ましい。例えば、前述の現像ポテンシャル制御で得られるベタ濃度の作像条件と同様の条件が適している。トナー位置検知用のラインPPは、主方向に1.0mm、副方向に0.5mmの大きさのラインと、同様の大きさ位のラインを45°傾けたラインを、各色のトナーの順番に沿って、例えばK、M、C、Yのように順番に沿って形成する。なお、副方向のライン間隔は1mmである。
上記のようにテストパターン201が形成された後、反射型光学センサ109を用いて、まずパッチDPのトナー濃度検知を行う(S505)。トナー濃度検知(S505)は、受光部Diの出力から、所定の算出アルゴリズムを用いて、パッチDP毎のトナー濃度を算出する。反射型光学センサ109でのトナー濃度検知処理の詳細については、後述する。
続いて、反射型光学センサ109を用いたトナー位置検知用のラインPPによる、トナー位置検知処理を行う(S506)。トナー位置検知処理においても、反射型光学センサ109の受光部の検知量から、トナー位置を算出する。トナー位置検知処理の詳細についても、後述する。
続いて、反射型光学センサ109の検知結果から各特性値を求めるための演算処理が実行される(S507)。テストパターン201を構成するパッチDPのトナー濃度の算出結果より、前述した現像γや現像開始電圧Vkを決定するための演算処理が実行される。これらを求めるための直線近似は最小二乗法が適用できる。また、LUTを変更するための演算処理も実行される。また、算出されたトナー位置より画像位置補正に関する演算処理が実行されて、各色のレジストずれや走査線傾き、色ズレなどに係るデータが算出される。色ズレは、ある色(例えばK)を基準としたときの、それ以外の色(例えばM、C、Y)のズレとして定義される。
上記演算処理の結果、作像条件、LUT、および画像位置補正量などの画像プロセス条件が決定される(S508)。
●トナー濃度検知処理(S505)の詳細
次に、トナー濃度検知処理(S505)における詳細な処理の流れについて図15を用いて説明する。図15において、各処理ステップをS601、S602・・・のように表記する。まず、反射型光学センサ109でテストパターン201の主方向の位置を認識する(S601)。
すでに説明をしたとおり、照射系から射出された光スポットSi(φ0.4mm)は、中間転写ベルト105上に11個並ぶ。両端の発光部E1とE11の間の長さは4mmである。これに対して、前述したようにパッチDPの主方向の大きさは1mmである。パッチDPの主方向の位置は、11個の光スポットSiの中心位置と重なることが好ましいが、パッチDPの主方向の位置誤差(パッチ形成位置ずれや、感光体ドラム101や中間転写ベルト105の蛇行などによって発生)があるため、必ずしもその通りにはならない。
このような位置誤差を解消するには、パッチDPの主方向の位置を予め認識しておくことが必要である。最後にトナー濃度検知を行った情報、つまりパッチDPを検知したときの情報を基に、パッチDPの位置を推定することができる。
例えば、RAM403等に記憶されたパッチDPを検知したときの受光部Diからの出力の結果によって、次にパッチDPが形成される位置を推定することもできる。具体的には、発光部Eiが発光したときに、対応する受光部Diの受光部出力から判断することができる。
パッチDPは、発光部Eiが発光したとき受光部Diが受光する中間転写ベルト105からの正反射光と、発光部Eiが発光したとき中間転写ベルト105上のパッチDPからの正反射光との出力差ΔDiが、最も大きくなる発光部Eiの主方向位置に、存在することとなる。
ここで、反射型光学センサ109の受光部Diからの出力によって、テストパターン201の位置を検出する処理(S601)の詳細について説明をする。図16は、反射型光学センサ109の発光部Eiから射出された光が形成する光スポットSi(i=1〜11)とテストパターン201の位置関係の例を示す概略図である。図16において、光スポットSi(i=1〜11)は、紙面右側からS1、S2・・・S11として配置されている。パッチDPの長辺に沿って記載されている矢印は、中間転写ベルト105の移動方向、すなわち、パッチDPの移動方向を示している。
図16において、テストパターン201を構成するパッチDPの主方向の中心位置は、発光部E6によって形成される光スポットS6の主方向位置と等しい位置にある状態を示している。パッチDPの主方向の大きさは1mmであるから、光スポットSiの主方向の大きさと、主方向の発光部Ei同士のピッチとの和よりも大きい。図16に示すように、パッチDPには、光スポットS6の全範囲が照射されているが、光スポットS5とS7は、一部が照射されている状態である。
図16に示した状態において、発光部E6が発光したときに、受光部D6が受光する反射光のうち、中間転写ベルト105で正反射された反射光による受光部D6の出力(D6b)と、パッチDPで正反射された反射光による受光部D6の出力(D6p)、および、出力D6bと出力D6pとの差(ΔD6)の例を図17に示す。図17に示すように、発光部E6により形成される光スポットS6は、その全てがパッチDPに照射されることで、パッチDPを形成するトナーにより光が散乱するため、出力D6pは、出力D6bに比べて小さくなる。
また、図16に示した状態において、発光部E7が発光したときに、受光部D7が受光する反射光のうち、中間転写ベルト105で正反射された反射光による受光部D7の出力(D7b)と、パッチDPで正反射された反射光による受光部D7の出力(D7p)、および、出力D7bと出力D7pとの差(ΔD7)の例を図18に示す。図18に示すように、発光部E7により形成される光スポットS7が、中間転写ベルト105において正反射されたことによる受光部D7の出力D7bは、出力D6bと同じになる。しかし、出力D7pは、出力D6pに比べて大きい値を取る。
なぜならば、発光部E7により形成される光スポットS7は、中間転写ベルト105とパッチDPの両方に照射されるからである。これによって、トナーにより散乱される反射光は光スポットS6の反射光よりも小さくなるから、出力D7pは、出力D6pに比べて大きい値になり、差ΔD6>差ΔD7になる。
また、図16に示した状態において、図示はしないが、発光部E5が発光したときに、受光部D5が受光する反射光のうち、中間転写ベルト105で正反射された反射光による受光部D5の出力(D5b)と、パッチDPで正反射された反射光による受光部D5の出力(D5p)を比べると、出力D5pは、出力D6pに比べて大きくなり、差ΔD5は、ΔD5<ΔD6となる。
さらに、図16から明らかなように、発光部E1〜E4、および発光部E8〜E11に対応する位置にはパッチDPは存在しないので、ΔD1〜ΔD4、およびΔD8〜ΔD11はゼロである。
このように、受光部Diの出力の差ΔDiが最も大きい受光部を特定することでテストパターン201の主方向の位置は発光部E6によって形成される光スポットS6に対応する位置にあると判定することができる。もちろん、検知のばらつきを無視すれば、Dib(i=1〜11)の出力は全て等しくなるから、Diの出力Dipが最も小さい発光部Eiの主方向位置に、パッチDPが存在すると判定してもよい。
次に、光スポットSiとテストパターン201と位置関係について別の例を用いて説明する。図19は、テストパターン201を構成するパッチDPの主方向の中心位置が、発光部E6によって形成される光スポットS6と、発光部E7によって形成される光スポットS7の中間にある状態を例示する図である。すでに説明をしたとおり、パッチDPの主方向の大きさは1mmである。
図19に示す状態において、発光部E6が発光したときに、受光部D6が受光する反射光のうち、中間転写ベルトで正反射された反射光による受光部D6の出力(D6b)と、パッチDPで正反射された反射光による受光部D6の出力(D6p)、および、出力D6pと出力D6pとの差(ΔD6)の例を図20に示す。また、図19に示す状態においては、発光部E7が発光したときの、中間転写ベルトで正反射された反射光による受光部D7の出力(D7b)と、パッチDPで正反射された反射光による受光部D7の出力(D7p)、および、出力D7pと出力D6pとの差(ΔD7)も、図20に示すグラフのようになる。すなわち、発光部E6により形成される光スポットS6、および、発光部E7により形成される光スポットS7は、その全てがパッチDPに照射されるので、パッチDPを形成するトナーにより光が散乱し、出力D6pは、出力D6bに比べて小さくなり、出力D7pは、出力D7bに比べて小さくなる。
一方、図19に示す状態において、発光部E5が発光したときに、中間転写ベルト105で正反射された反射光による受光部D5の出力(D5b)、パッチDPで正反射された反射光による受光部D5の出力(D5p)、出力D5bと出力D5pとの差(ΔD5)の例は、図20に示すようになる。また、発光部E8が発光したときに、中間転写ベルト105で正反射された反射光による受光部D8の出力(D8b)と、パッチDPで正反射された反射光による受光部D8の出力(D8p)と、出力D8bと出力D8pとの差(ΔD8)の例は、図20に示すようになる。
図19に示す状態においては、発光部E5により形成される光スポットS5は、その一部がパッチDPに照射され、他の一部は、中間転写ベルト105に照射されるので、パッチDPを形成するトナーにより散乱される光量が小さい。同様に、発光部E8により形成される光スポットS8は、その一部がパッチDPに照射され、他の一部は、中間転写ベルト105に照射されるので、パッチDPを形成するトナーにより散乱される光量が小さい。そのために、出力D5bと出力D5pとの差ΔD5も、出力D8bと出力D8pとの差ΔD8も、ΔD6またはΔD7に比べて大きい。
このように、発光部Ei(i=6、7)が発光したときのΔD6またはΔD7は、発光部Ej(j=5、8)が発光したときのΔD5またはΔD8よりも大きく、かつ、ΔD6≒ΔD7である。これらの検出結果から、テストパターン201の主方向の位置は、発光部E6および発光部E7によって形成される光スポットS6およびS7に対応する位置、つまりは発光部E6と発光部E7の中間にあると判定することができる。
また、受光部出力の結果を見なくとも、最後にパッチDPを検知してからの経過時間や環境条件の変化が小さい場合には、パッチDPの位置は一般に大きく変化しないため、そのときと同じ位置であると推定できる。
処理S601によって、パッチDPの主方向の位置が認識できた後、照明系動作決定処理(S602)が実行される。この処理では、トナー濃度を検知するために発光させる発光部Eiの決定と、その発光部Eiをどのように発光させるのか(発光パターンと発光モード)を決定する処理が実行される。発光させる発光部Eiとして、幾つかの発光部Eiを発光させる場合と、全ての発光部Eiを発光させる場合とがある。
幾つかの発光部を発光させる場合には、前述したパッチDPの主方向の位置認識(S601)の結果に基づき、発光させる発光部Eiを決定することができる。例えば、図16に示した例においては、発光させる発光部Eiを「発光部E6」とすることができる。なぜなら、発光部E1〜E4、及び発光部E8〜E11を発光させても光スポットS1〜S4、及びS8〜S11はパッチDPに照射されないため、トナー濃度の検知には寄与しないからである。また、発光部E5及びE7を発光させても光スポットS5及びS7の一部しかパッチDPを照射しないため、トナー濃度の検知に対して、光の利用効率が小さく、トナー濃度検知の精度は低くなるからである。このように、図16の例によれば、必要最小限として、発光部E6のみを発光させればよい。
また、パッチDPが副方向に移動している際のパッチDPの主走査向位置の誤差により、光スポットS6がパッチDPから外れてしまうという事態が想定される。このような不具合が起きないように、余裕を見て発光部E6の両端の発光部E5及びE7も加えて、発光させる発光部をE5〜E7の3つと決定することもできる。これら発光させる発光部Eiの決定は、カラープリンタ1000の性能(パッチ形成位置ずれ性能や、感光体や中間転写ベルトの蛇行性能など)によって、複数の決定条件がある。
また図19に示した例においては、発光させる発光部Eiとして、発光部E6及びE7の2つと決定することができる。なぜなら、発光部E1〜E4、及び発光部E9〜E11を発光させても光スポットS1〜S4、及びS9〜S11はパッチDPを照射しないため、トナー濃度の検知には寄与しないからである。また、発光部E5及びE8を発光させても光スポットS5及びS8の一部しかパッチDPを照射しないため、トナー濃度の検知に対して、光の利用効率が小さく、トナー濃度検知の精度は低い。このことにより、発光部E6及びE7の2つを発光させればよい。
この場合、後述するように、発光部1つに対して、トナー濃度の演算結果が得られるので、2つの発光部E6及びE7に対して得られたトナー濃度を平均化することにより、1つのパッチに対するトナー濃度検知精度を高めることができる。また、発光部E6又は発光部E7のどちらか一方を選択して、必要最小限として、発光部を1つのみを発光させることもできる。さらには、パッチDPが副方向に移動している際のパッチDPの主方向位置の誤差により、光スポットS6がパッチDPから外れてしまうという事態が想定される。このような不具合が起きないように、余裕を見て発光部E6及びE7の両端の発光部E5及びE8も加えて、発光させる発光部をE5〜E8の4つとすることもできる。
全ての発光部Eiを発光させる場合には、トナー濃度を検知するために反射型光学センサ109が有する全ての発光部Eiを使用する。この場合には、前述したパッチDPの主方向位置の認識結果に関わらず、万が一、突発的にパッチDPの主方向位置が変化しても、パッチDPが光スポットSiのいずれからも外れてしまうという不具合が起きにくい。
また、発光部Eiをどのように発光させるのかについては、発光パターンと発光モードがある。発光パターンは、発光させる発光部Eiが複数のときには、これらを同時に発光させるパターンと、順次に発光させるパターンがある。発光モードは、発光部Eiを常時発光させるパターンと、パルス発光させるパターンがある。
複数の発光部Eiがある場合においては、例えば発光部EαとEβを同時に発光させたときの光スポット(Sα、Sβ)が、1つのパッチDPを照射した場合、その反射光を複数の受光部Diで受光したとすると、Sαによる反射光と、Sβによる反射光は、同じ受光部Diで受光され混合してしまう。この場合には、受光部Diの出力が、光スポットSαによるものか光スポットSβよるものかの、分離をすることはできない。
しかし、発光部Eαと発光部Eβを順次発光する場合には、Sαによる反射光と、Sβによる反射光が、同一の受光部Diに受光されたとしても、その発光タイミングの違いによって、受光部Diの出力を時間的に分離することができる。一方、パッチDPからの反射光が混合しない場合には、同時発光させることは可能であり、もちろん順次発光させても良い。反射型光学センサ109の発光動作は、複数の発光部を同時に発光させるものと、複数の発光部を順次(タイミングを変えて)発光させるものがあるが、いずれの動作においても、複数の発光部が発光する周期がある。この周期をライン周期という。上記2つの発光動作のうち、同時の複数の発光部を発光させる動作の方が、ライン周期を短くすることができる。
なお、パッチDPからの反射光が混合するかどうかは、発光させる複数の発光部Eiの位置、パッチDPからの拡散反射特性(反射光の角度分布)、照射レンズLEiや受光レンズLDiの形状等の反射型光学センサ109のレイアウトに依存する。例えば、図22に示すように、テストパターン201を構成するパッチDPの主方向のサイズを大きくし、発光させる発光部Eiとして、E3及びE9のように離れた位置にある発光部Eiを用いるときは、発光部E3に起因するパッチDPからの反射光と、発光部E9に起因するパッチDPからの反射光は混合しない。
つまり、発光部E3が発光したとき、その反射光は受光部D1〜D5では受光するが、受光部D6〜D11では受光しない。また、発光部E9が発光したとき、その反射光は受光部E7〜E11では受光するが、受光部D1〜D6では受光しない。このように、離れてレイアウトされている発光部Eiを同時に発光させることが可能である。
図19に示した例において、発光させる発光部がE6及びE7のときのように、隣接する発光部Eiの場合、発光部E6が発光したときのパッチからの反射光は受光部D6及びD7で受光され、発光部E7が発光したときにもパッチからの反射光は受光部D6及びD7で受光されるレイアウトとなっている。このような場合には、受光部D6及びD7に受光された光は、発光部E6に起因するものか、発光部E7に起因するものか分離することができない。
このような場合には、発光部E6及びE7を順次に(この場合は2つなので、交互に)発光させ、時間的に分離する必要がある。また、図19に示した例において、発光させる発光部がE5〜E8の4つの場合には、発光部E5からE8を順次に、E5、E6、E7、E8、E5、E6、E7・・・という順に発光させる。
ここで、発光モード(常時発光する場合とパルス発光する場合)について説明する。図16に示した例において、発光部E6のみを発光させる場合、発光部E6は常時発光させたり、パルス発光させたりすることができる。図19に示した例のように、発光させる発光部E6およびE7のように複数ある場合は、順次点灯にする必要があり、各発光部(E6およびE7)はパルス発光にする必要がある。
図22に示した例のように発光させる発光部がE3及びE9であるときには、同時発光をさせることができ、さらに各発光部(E3及びE9)を常時発光させることも、パルス発光させることもできる。また、この場合、発光部E3及びE9を順次発光することもでき、各発光部E3及びE9をパルス発光させる必要がある。このように、発光させる発光部Eiが複数あり順次発光する場合には、各発光部Eiはパルス発光する必要があるが、そうでない場合には、各発光部Eiは常時発光およびパルス発光の選択が可能である。
常時発光は、発光部Eiの発光/消灯の回数を減らすことができ、駆動回路が容易にできるメリットがある。一方で、パルス発光は、発光している時間を短くすることができ、発光部の劣化を抑えられる(長寿命化)。また、発光部の温度上昇を抑えられるというメリットがある。
上述したように、トナー濃度を検知するために発光させる発光部Eiと、その発光部Eiの発光パターンと、その発光部Eiの発光モードとの少なくとも1つを、照射系動作決定処理(S602)において、決定する。
反射型光学センサ109として、上記のいずれもが選択できるような照射系の駆動回路が組まれている場合もあるが、発光部Eiをどのように発光させるのか(発光パターンと発光モード)については、予め所望の駆動回路が組まれている場合もある。
前者であれば、駆動回路は複雑になるが、様々な画像形成装置に対して種々の動作が可能である。後者であれば、発光部Eiを発光させる発光パターンと発光モードが決まっているので駆動回路は容易になり、低コスト化が可能である。発光させる発光部Eiについては、テストパターン201の主方向の大きさやカラープリンタ1000の性能(パッチ形成位置ずれ性能や、感光体ドラム101や中間転写ベルト105の蛇行性能など)によって可変できる。
次に、受光系動作決定処理が実行される(S603)。決定すべき受光系の動作としては、受光部出力を取得する受光部Diと、受光部出力の取得タイミングの決定がある。受光部出力を取得する受光部Diとして、幾つかの受光部出力を取得する場合と、全ての受光部出力を取得する場合とがある。
幾つかの受光部出力を取得する場合には、前述した発光させる発光部Eiの決定結果に基づき、受光部出力を取得する受光部Diを決定することができる。例えば、図16に示した例であれば、発光させる発光部がE6のみであるから、受光部出力を取得する受光部Diは、発光部E6に対応する受光部D6のみで良い。
図23および図24に、発光部E6が発光したときの受光部出力分布の例を示す。図32は、中間転写ベルト201からの反射光を受光した受光部Di(i=1〜11)の出力分布の例を示している。図24は、パッチDPからの反射光を受光した受光部Di(i=1〜11)の出力分布の例を示している。図23に示すように、中間転写ベルト105で正反射された光は、そのほとんどが受光部D6によって受光されている。一方、図24に示すように、パッチDPで反射された光は、トナーによって拡散するので、受光部D6における出力レベルが下がるが、周辺の受光部Di(i=4、5、7、8)における出力レベルが上がっている。このように、照射系動作決定処理においては、発光部E6のみを発光させるときは、受光部D4からD8の出力を検知すればよい。なぜなら、受光部D1〜D3及びD9〜D11の受光部出力はゼロであるからである。
同様に、図19に示した例であれば、発光させる発光部はE6とE7であるから、この2つの発光部を順次点灯する場合には、発光部E6に対して必要な受光部はD4〜D8であり、発光部E7に対して必要な受光部はD5〜D9である。よって、図19に示した例の場合、必要な受光部Diは、受光部D4〜D9の6つである。
また、図22に示した例であれば、発光させる発光部がE3とE9であるから、この2つの発光部を同時点灯、もしくは順次点灯する場合には、発光部E3に対して必要な受光部はD1〜D5であり、発光部E9に対して必要な受光部はD7〜D11である。よって、図22に示した例の場合、必要な受光部は受光部D6を除く他の受光部Di(i=1〜5、7〜11)である。このように不要な受光部Diの受光部出力を取得しないことにより、データ量の削減と、後述するトナー濃度演算における演算量の削減を図ることができる。
また、全ての受光部Diの受光部出力を取得する場合には、前述した発光させる発光部Eiの決定結果に関わらず、全ての受光部Diの出力を取得し、その中に出力がゼロのものがあれば、後述するトナー濃度演算において、値ゼロが演算に用いられる。もちろん、前述した発光させる発光部Eiの決定結果が全ての発光部Eiであれば、全ての受光部Diの出力を取得する。
受光部Diの出力を取得するタイミングについて、図16に示した例を用いて、説明をする。図16に示した例は、発光させる発光部Eiは発光部E6のみである。ここでは、発光部E6を常時発光させている場合について説明する。受光部出力を取得する受光部Diは、前述のとおり、D4〜D8の5つである。
図25は、発光部Eiによって形成される光スポットSi(i=1〜11)と、中間転写ベルト105上に形成されるテストパターン201を構成するパッチDPの例を示している。図25において、パッチDPは、紙面左方向から、パッチDP1、パッチDP2、パッチDP3、パッチDP4の順に並んでいる。紙面の矢印は中間転写ベルト105の進行方向であって、副方向を示している。なお、ここではパッチDP1の進行方向前方には、光スポットSiの照明領域には、中間転写ベルト105だけであって、パッチDPは形成されていない。この照明領域に該当する中間転写ベルト105の領域を示すために。擬似的に矩形を描いている。この矩形領域は、符号BELTを付して、以下の説明に使用する。
図26は、図25に例示した光スポットSiの照射タイミング(発光部Eiの発光タイミング)と、光スポットSiの照射領域を、中間転写ベルト105(BELT)およびパッチDP1〜4が通り過ぎるタイミングと、受光部出力を取得する(ON)タイミングの、例を示すタイミングチャートである。
図26に示すように、発光部E6は、パッチDP1の通過に先立ち、発光を開始(ON)する。その後、中間転写ベルト105が移動し、BELTによる受光部出力をサンプリング(ON/OFF)して、受光部出力を1回取得する。その後、発光部E6は発光したまま、最初のパッチDP1が光スポットSiの位置を通過する。そのタイミングに合わせて、パッチDP1の副方向の中央付近で受光部出力を1回サンプリングする。以降、同様に、発光部E6は発光したまま、パッチDP12、パッチDP3、パッチDP4に対して、各1回ずつサンプリングする。パッチDP4のサンプリングが終了し、パッチDP4が光スポット位置を通過した後に、発光部E6を消灯する(OFF)。
ここでは、受光部Diは、発光部Eiが発光している間に、パッチDP1の副方向の中央付近が、光スポットSiの照射領域を通過するタイミングに合わせて、反射光を受光したことによる受光部出力を1回サンプリングしている。なお、図25では、パッチDP1が形成されていない中間転写ベルト105の位置(BELT)を、各パッチDP1と同じ大きさの領域となるように四角で囲ってその領域を図示しているが、この領域については各パッチDP1と同じ大きさである必要はない。パッチDP1がないときの受光部出力は、テストパターン201がないときに取得すればよい。
また別の例として、図27を用いて説明する。図27は、図26に相当するタイミングチャートの別の例であって、受光部Diは、発光部Eiが発光している間に、各パッチDP1の副方向の前後を除いた部分が光スポットSiを通過するタイミングに合わせて、3回サンプリングし、受光部出力を取得している。後述するように、1回の受光部出力に対して、トナー濃度の演算結果が得られるので、3回の受光部出力に対して得られたトナー濃度を副方向(パッチの移動方向)に平均化することにより、1つのパッチに対するトナー濃度検知精度を高めることができる。
さらに別の例として、図28に示すタイミングチャートは、各パッチDP1が光スポットSIを通過するタイミングに合わせて、発光部Eiがパルス発光(ON/OFF)している場合を示している。この場合において、受光部Diの出力は、発光部Eiのパルス発光のタイミングに合わせて、1回サンプリングされている。
さらに別の例として、図29に示すタイミングチャートは、発光部Eiがパルス発光している時間を短くしている場合の例をしている。この場合、パッチDP1が光スポットSiの位置を通過する時間より、パルス発光している時間が短くても良く、発光部Eiの温度上昇低減に対して効果が大きい。受光部Diの出力は発光部Eiのパルス発光のタイミングに合わせて、1回サンプリングされている。
さらに別の例として、図30に示すタイミングチャートは、発光部Eiがパルス発光している場合であって、受光部Diの出力は発光部Eiのパルス発光のタイミングに合わせて、3回サンプリングされている例を示している。また、図31には、各パッチDP1が光スポットSiの位置を通過するタイミングに合わせて、発光部Eiが2回パルス発光し、そのパルス発光のタイミングに合わせて、受光部Diが1回ずつサンプリングして受光部出力を取得する例を示す。この場合、各パッチDP1に対しては、計2回のサンプリングが行われている。
さらに別の例として、図32に示すタイミングチャートは、発光部EiがパッチDP1の通過に先だってパルス発光を開始し、パッチDP4が通過する後に消光するまで、パルス発光を継続する例を示している。図32において、受光部出力は発光部Eiのパルス発光のタイミングに合わせて常にサンプリングされている。このサンプリング結果のうち、パッチDP1〜DP4のそれぞれに対して、数回ずつのサンプリング結果を抜き出すことができる。良好なトナー濃度検知を行うために、カラープリンタ1000が必要とする各パッチDP1に対するサンプリング回数が設定されれば、照射系動作に合わせて、様々な取得タイミングの設定が可能である。
次に、複数の発光部Eiが発光する場合について説明する。図19に示した例では、発光させる発光部がE6及びE7である。この発光部E6とE7を、順次発光させ、そのときに取得される受光部出力の取得タイミングの例を図33に示す。図19の例において、受光部出力を取得する受光部はD4〜D9の6つである。
発光部E6と発光部E7は、パッチDP1の通過に先だって、順次発光を開始する。前述したように各発光部Eiはパルス発光となる。発光部E6が発光/消光した後、発光部E7が発光/消光する順次発光を1ライン発光と呼ぶ。よって、図33に示すタイミングチャートは2ライン発光の例であって、ライン周期はTである。
受光部D4〜D9はパッチDP1がない中間転写ベルト105の位置(BELT)では、各発光部Eiがパルス発光するタイミングに合わせて、受光部出力をサンプリングし、受光部出力を取得する。つまり、2つの発光部(E6、E7)が2ライン発光しているので、受光部出力は4回のサンプリングを行うことになる。次に、最初のパッチDP1が光スポットSiの位置を通過するタイミングに合わせて、パッチDP1の副方向の中央付近で、発光部E6と発光部E7を2ライン発光させる。受光部D4〜D9は発光部E6と発光部E7がパルス発光するタイミングに合わせて、受光部出力を4回サンプリングする。以降、同様の動作をパッチDP2、パッチDP3、パッチDP4に対して実施する。
後述するように、1回の受光部出力に対して、トナー濃度の演算結果が得られるので、順次発光する2つの発光部(E6、E7)に対して得られたトナー濃度を主方向に平均化できる。さらに、発光部(E6、E7)は1つのパッチDP1に対して2回の受光部出力を取得しているので、得られたトナー濃度を副方向に平均化できる。すなわち、4つのトナー濃度検知結果が平均化できるので、1つのパッチDP1に対するトナー濃度検知精度を高めることができる。
発光部E6とE7を発光させて取得する受光部出力の取得タイミングの別の例を図34に示す。図34において、発光部E6と発光部E7はパッチDP1の通過に先立ち、ライン周期T’にて継続的に順次発光を行う。受光部D4〜D9は、発光部E6と発光部E7がパルス発光するタイミングに合わせて、受光部出力をサンプリングし、受光部出力を取得する。パッチDP4の通過後に順次発光は終了する。このサンプリング結果のうち、パッチDP1からDP4に対して数回のサンプリング結果を抜き出すことができる。ライン周期を短くすることで、副方向におけるサンプリング回数を増やすことができる。これによって、トナー濃度検知精度を高めることができる。
以上の3つの処理、すなわち、テストパターン位置認識ステップ(S601)と、照射系動作決定ステップ(S602)と、受光系動作決定ステップ(S603)を実施することにより、反射光の受光部出力を取得する前準備が完了する。
図15に戻る。前準備が完了した後、トナー濃度を算出するために反射光の取得を行う(S604)。反射光取得処理(S604)について、図35を用いて説明をする。図35は、反射型光学センサ109とパッチDPの位置関係の例を示す図である。図35において、パッチDPは階調の異なる複数のパッチDP1〜DP5から構成されている。図35に示すように、反射型光学センサ109の発光部Eiと受光部Diは、主方向に所定の間隔を持って配置されている。紙面右方向から中間転写ベルト105が移動して、パッチDP1〜DP5が、順次、反射型光学センサ109に近づく。照射系をなす発光部Ei(i=1〜11)と、受光系をなす受光部Di(i=1〜11)は、「主方向において同じ位置」に位置し、受光部Diの配列ピッチは、発光部Eiの配列ピッチと等しい。なお、発光部Eiは、紙面の上から下に向けて、発光部E1、E2・・・E11の順に配置されている。同様に、受光部Diは受光部D1、D2・・・D11の順に配置されている。
トナー濃度検知用のテストパターン201であるパッチDPはそれぞれ、ブラック(K、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色トナーにより形成されるが、図35に示すパッチDP1は、そのうちの一色により構成されたもののみを図示している。このパッチDPは、濃度を複数階調(図の例では5階調)に変化させた矩形状のパッチを副方向に5つ形成したものである。すなわち、パッチDPは、濃度階調の異なる5個の「矩形状パッチ」の集合であるが、これら濃度階調の異なる矩形状パッチは半導体レーザの発光デューティの調整によって形成できる。また「面積階調法」によっても濃度を変えることもできる。
パッチDPを構成する5個の「矩形状パッチ」は、図35に示すように、副方向の進行順に濃度が低いものからパッチDP1、DP2、・・、DP5とする。また、パッチDPがない領域を中間転写ベルト105からの反射光を受光するための領域(BELT)とする。各パッチは主方向に1mm、副方向に2mmの大きさをもって形成される。走査方向に並んだパッチの中心間隔は3mmである。なお、各パッチの主方向の大きさ(1.0mm)は、反射型光学センサ109の主方向の発光部EiのピッチLe(0.4mm)と中間転写ベルト105上に照射される光スポットの主方向の大きさ(0.4mm)との和よりも大きくなっている。また、発光部Eiのピッチと、光スポットSiの主方向の大きさはほぼ同じである。
まず図35に示す例を用いて、前準備(S601からS603)で得られる結果の例について説明をする。テストパターン位置認識処理(S601)により、テストパターン201の主方向の位置は発光部E3の位置である、と推定される。この結果に基づき、照射系動作決定処理(S602)により、発光させる発光部EiはE3のみとされて、発光モードはパルス発光させると決定される。続いて、受光系動作決定処理(S603)により、受光部出力を取得する受光部はD1〜D5の5つとされて、取得タイミングは、図28に示すように、パッチDPが光スポットSiの位置を通過するタイミングに合わせて、発光部E3がパルス発光し、受光部Diは発光部E3の発光タイミングに応じて1回サンプリングする。これによって、受光部出力を取得する。
上記前準備結果に基づいて、反射光取得処理(図15のS604)について説明する。パッチDPは、中間転写ベルト105の表面に形成されて副方向に移動し、反射型光学センサ109からの光スポットSiの照射領域に近づいていく。パッチDPが形成されるタイミングは既知であるので、形成されてから照射領域に近づく適当なタイミングで発光部E3のパルス発光を開始する。まずパッチDPの前方のパッチがない中間転写ベルト105の領域(BELT)に対して、発光部E3がパルス発光し、そのタイミングに合わせて受光部D1〜D5は1回サンプリングして、受光部出力を取得する。
中間転写ベルト105の表面は滑らかであるので、発光部E3によって形成される光スポットS3による、「中間転写ベルト105表面からの反射光」は、ほぼ正反射するとみなすことができる。よって、対応する受光部D3、及び対応する受光部D3に隣接する2つの受光部D2及びD4の計3個の受光部で受光すればよく、残りの受光部D1及びD5では反射光は受光されない。このときの受光部D1〜D5の受光部出力の分布例を図36に示す。図36において、横軸は各受光部Diを示し、縦軸は各受光部Diの受光部出力の例を示している。なお、各受光部Diの受光部出力は、受光部D3の受光部出力を「1」としたときの相対値で表している。また、横軸にあるD(ALL)は受光部D1〜D5の受光部出力の和を表している。
続いてパッチDPが副方向に移動すると、最初のパッチDP1が光スポットSiの位置を通過する。このタイミングに合わせて、発光部E3はパルス発光し、パッチDP1の副方向の中央付近が光スポットSiの位置を通過するタイミングに合わせて受光部D1〜D5は1回サンプリングする。これによって、各受光部Di(i=1〜5)は、受光部出力を取得する。
中間転写ベルト105上に形成されたパッチDP1に照射された光スポットSの反射光は、トナーにより散乱された拡散反射光と、中間転写ベルト105の表面で反射された正反射光に大別でき、受光部D1〜D5によって受光される。このときの受光部出力分布の例を図37に示す。図37において、横軸と縦軸は、図36を同様である。図37に示すように、パッチDP1は、中間転写ベルト105のみではなくトナーが存在するため、その受光部出力は、図36と異なる。トナーによる拡散反射光が発生する一方で、中間転写ベルト105表面からの正反射光が減っているから、図36に示した分布にくらべて、図37に示す分布の方が、受光部D3の受光量が低くなっており、受光部D1と受光部D5においても受光部出力が取得されている。
さらに、パッチDPが副方向に移動すると、パッチDP2が光スポットSiを通過するタイミングに合わせて、発光部E3がパルス発光し、パッチDP2の副方向の中央付近が光スポット位置を通過するタイミングに合わせて受光部D1〜D5が1回サンプリングをし、受光部出力を取得する。パッチDP2は、パッチDP1に比べ高濃度である(トナー量が多い)から、図37に示した受光量分布に対して、トナーによる拡散反射光が増える一方、中間転写ベルト105表面からの正反射光がさらに減る状態になる。以降、同様に、パッチDP3〜DP5からの反射光による受光部出力分布を取得することができる。
次に、パッチDP1を例に、トナー濃度演算処理について説明する(図15のS606)。図51及び図52は、反射型光学センサ109から射出された光が、照明対象である中間転写ベルト105によって反射される様子を示す概略図である。図51に示すように、テストパターン201を照明する光が、中間転写ベルト105のみを照明したときは、その反射光のほとんどが中間転写ベルト105の表面で正反射される。
一方、図52に示すように、テストパターン201を照明する光が、テストパターン201を形成するトナーと、テストパターン201の下地である中間転写ベルト105の表面にも到達して反射したときは、その反射光は、中間転写ベルト105の表面で正反射された光と、少なくとも1回はトナーで反射・屈折されることにより散乱された光が含まれる。
散乱光には、中間転写ベルト105の表面から正反射される方向と同一方向に散乱されるものも含まれるが、その光量は少なく、中間転写ベルト105の表面から正反射される光と区別できないため、無視してもよい。
すなわち、中間転写ベルト105に起因する光を正反射寄与分として、テストパターン201によって起因する光を拡散反射寄与分とする。このように、テストパターン201を照明した光スポットSiは、正反射されるとともに拡散反射される。
このように、中間転写ベルト105に照射される光スポットは、中間転写ベルト105の表面でほぼすべての光が正反射するので、「中間転写ベルト105の表面からの反射光」を5つの受光部D1〜D5で受光すると、3つの受光部D2〜D4における受光部出力は0でないが、受光部D1とD5における受光部出力は0となっている(図36を参照)。
これは中間転写ベルト105からの正反射光が、反射型光学センサ109の受光レンズLD上において、受光部D2〜D4に対応する受光レンズLDに入射するビームサイズを有しているからである。中間転写ベルト105上にテストパターン201(パッチDP1)が存在する場合、図52に示すように、中間転写ベルト105およびトナーに照射される光スポットSiは、中間転写ベルト105の表面から正反射される光と、少なくとも1回はトナーで反射・屈折されることにより散乱される光が含まれる。散乱光には、中間転写ベルト105の表面から正反射される方向と同一方向に散乱されるものも含まれるが、その光量は少なく、また、中間転写ベルト105の表面から正反射される光と区別できないため、無視してよい。
すなわち、中間転写ベルト105に起因する光を正反射寄与分、トナーに起因する光を拡散反射寄与分とすると、中間転写ベルト105及びトナーからの反射光は正反射されるとともに拡散反射されるので、5つの受光部D1〜D5の受光部出力はいずれも0にならない(図37を参照)。これは拡散反射された光が、反射型光学センサ109の受光レンズLDi上において、受光部D1〜D5に対応する受光用マイクロレンズに入射するビームサイズを有しているからである。
発光部E3が発光したとき、受光部D3は正反射光しか受光しないため、その受光部主力は「正反射光寄与分」のみを含んでいるが、受光部D3を除く他の4つの受光部D1、D2、D4、D5における受光部出力は全て「拡散反射寄与分」を含んでいる。但し、2つの受光部D1とD5における受光部出力は「拡散反射寄与分」しか含んでいない。これは、照射対象物を中間転写ベルト105としたとき、中間転写ベルト105による正反射光が3つの受光部D2〜D4でしか受光されていないためである。
したがって、2つの受光部D2とD4における受光部出力は、発光部E3からの光スポットにより照射されたパッチDP1による「正反射寄与分」と「拡散反射寄与分」とが混在したものとなる。このように、図37に例示した受光量分布のように得られた受光部出力は、正反射寄与分と拡散反射寄与分とに分割することが可能である。
次に、正反射寄与分と拡散反射寄与分とが混在した受光部D2とD4において、その混在比率を求める方法を説明する。中間転写ベルト105に対する受光部出力分布は正反射寄与分そのものであり、図36に示すように既知である。図37に示す受光部出力分布から、図36に示す受光部出力分布を定数倍して差し引くことにより「拡散反射寄与分のみ」を抽出できる。この定数を「α1」とすると、これは以下のように決定される。
パッチDP1に対する受光部D3の受光部出力は正反射寄与分であるから、図37に示す受光部D3の受光部出力と、図36に示す受光部D3の受光部出力の定数α1倍が等しくなるように、定数α1を求めればよい。このようにして、図38に示すように、図36の出力分布を定数:α1倍した「正反射寄与分」と、図37の出力分布から「図36の出力分布を定数:α1倍した正反射寄与分」を差し引いた「拡散反射寄与分」に分割できる。
すなわち、図36における受光部D3の受光部出力を「A」とし、図37における受光部D3の受光部出力を「A1」とすると、「A」は「正反射寄与分のみ」、「A1」は、「正反射寄与分:Aとなるべき部分からパッチDP1中のトナーによる拡散反射により減少した部分」である。そこで、「α1・A=A1」とすると、拡散反射寄与分は、「A−α1・A=(1−α1)A」となる。従って、発光部E3からの光スポットS3がパッチDP1を照射しているときの正反射寄与分は「A1」は「α1・A」であり、拡散反射寄与分は「(1−α1)A」となる。このように、演算によって、正反射寄与分と拡散反射寄与分とが混在した受光部D2とD4において、その混在比率を求めることができ、これらを分割することができる。同様にして、パッチDP1〜DP5についても、正反射寄与分と拡散反射寄与分とを分割することができる。
各パッチDP1〜DP5に対し、上記のように分割した正反射寄与分と拡散反射寄与分について、各受光部Diの受光部出力:Diの和をD(ALL)=D1+D2+D3+D4+D5とするとき、各パッチのトナー濃度(mg/cm2)に対して、D(ALL)をプロットすると、図39に示すグラフのようになる。図39において、横軸はトナー濃度(mg/cm2)、縦軸は正反射光寄与分の受光量の和を示している。なお、正反射寄与分については「受光部D1とD5が0」であるから、D(ALL)≡D(正)=D3+(D2とD4の正反射寄与分)となり、拡散反射寄与分については、受光部D3が0であるため、D(ALL)≡D(拡)=D1+(D2とD4の拡散反射寄与分)+D5となる。ここで、D(拡)とは、受光部Diが受光した光のうち、拡散反射光の受光による出力分を意味する。また、D(ALL)とは、受光部Diからの出力を意味する。D(正)とは、受光部Diが受光した光のうち、正規反射光の受光による出力分を意味する。D(拡)、D(正)、D(ALL)の意味は、以下の説明においても同様とする。
図39に示す正反射寄与分の和:D(正)は、トナー濃度が高くなるにつれて減少している。これは、トナー濃度が高いほど正反射する光が減少するためである。しかし、トナー濃度が高い領域ではトナー濃度に対するD(正)の変化量は小さい。そのため、演算されたD(正)を用いて高濃度領域のトナー濃度は求めることは困難である。
これに対し、図39に示す拡散反射寄与分の和:D(拡)は、全てのトナー濃度領域において単調に増加する関数になっている為、演算されたD(拡)から、図39に示したトナー濃度とD(拡)との関係を用いて全ての領域においてトナー濃度を得ることができる。
●画像形成装置の実施形態(2)
次に、本発明に係る画像形成装置の別の実施の形態について説明をする。まず、画像形成装置であるカラープリンタ1000が備える反射型光学センサ109を構成する発光部Eiの発光量の調整方法について図40を用いて説明する。図40は、縦軸を発光部Eiの発光量としたときの経時的変化の例を示すグラフである。発光部Eiを発光させるとき、常にある決まった順電流値で発光させた場合は、発光部Eiは経時的に劣化して発光量が低下する(符号G1)。また、発光部Eiを発光させたとき、中間転写ベルト105からの反射光の検出値が常に一定になるように発光量を制御した場合(符号G2)、中間転写ベルト105は2次転写時に用紙と接触によって、また、クリーニングブレード309との接触によって、経時的に磨耗する。これによって、中間転写ベルト105の反射率は低下する。反射率の低下を補うために、発光部Eiの発光量が増加する。
しかし、発光部Eiを発光させたときに、発光部Eiに対応する照射レンズLEiによって反射される光(レンズ反射光)を受光部Diで検出したとき、この値が常に一定になるように発光部Eiの発光量を調整すれば(符号G3)、照射レンズLEiの反射率は変化しないから、発光部Eiの発光量を常に一定に保つことができる。
上記にて説明をした、3つ発光量制御方式を用いた場合のトナー濃度検知精度について図41を用いて説明する。常に決まった順電流値で発光させた場合(符号G11)、経時劣化で発光量が低下(t=T)すると、低下する前(t=0)に比べてトナー濃度(mg/cm2)に対するD(拡)が低下してしまう。その為に経時的に検知精度が低下してしまう。また、中間転写ベルト105からの反射光の検出値が常に一定になるように発光量を制御した場合(符号G21)、中間転写ベルト105の経時劣化で反射率が低下(t=T)すると、低下する前(t=0)よりもトナー濃度(mg/cm2)に対するD(拡)が増加してしまう。その為に経時的に検知精度が低下してしまう。
一方、照射レンズLEiからのレンズ反射光を受光部Diで検出した値が常に一定になるように発光部Eiの発光量を調整した場合(符号G31)、照射レンズLEiのレンズの反射率は経時的に変化しない為、発光部Eiの発光量を常に一定に保つことができる。その為にトナー濃度(mg/cm2)に対するD(拡)の関係はほとんど変わらず、常に精度良く、トナー濃度(mg/cm2)を検出することが可能となる。
ここで、レンズ反射光を受光部Diで検出する場合、中間転写ベルト105からの正反射光が受光部Diに入らない状態で行う必要がある。例えば、図59に示すように中間転写ベルト105上の照射スポット領域にテストパターン201がある状態では、発光部E3を発光させて受光部D3によって反射光を受光すると、中間転写ベルト105からの正反射光成分は検出されない。しかし、テストパターン201からの拡散反射光は検出される。その為、テストパターン201のトナー濃度が経時的に変化しない場合は、同一光量をテストパターン201に照射した時の拡散反射光の検出値は経時的に変化しない。そこで、テストパターン201がスポット光Siの照射される位置にある状態で光量制御を行えば、発光部Eiからの発光量を経時的に一定に制御できる。
●画像形成装置の実施形態(3)
次に、本発明に係る画像形成装置のさらに別の実施の形態について説明をする。図61、図62、図63は、本実施形態に係るカラープリンタ1000が備える反射型光学センサ109主方向断面図の別の例である。図61において、反射型光学センサ109は、発光部Eiの発光量を調整するときに、レンズ反射光のみを検出できるように、照射レンズLEiの外側にシャッター1090を備えている。
図61に示すように、反射型光学センサ109は、照射レンズLEiの外側に、シャッター1090を備え、受光部Diにおいてレンズ反射光を検出するときに、発光部Eiから出射された光が中間転写ベルト105に照射されることがないように、シャッター1090を閉じるようになっている。シャッター1090は、発光部Eiからの照射光が照射レンズLEiにのみによって反射された分を受光部Diにて受光されるようにするための機構である。よって、シャッター1090に光を反射する部材を用いるときは、シャッター1090の反射面からの反射光が受光部にて受光されないようにしなくてはならない。そのため、シャッター1090に反射部材を用いるときは、照射レンズLEiの前面を覆うのではなく、図61に示すように、シャッター1090の反射面から受光部に反射光が戻らないように、シャッター1090の反射面に角度を付ける。
また、図62に示すように、反射型光学センサ109がレンズ反射光を検出するときに、シャッター1090を照射レンズLEiの前面に配置するようにし、さらに、シャッター1090の照射レンズLEi対向面に清掃部材1091を備えてもよい。これによって、レンズ反射光の検出をするときに、照射レンズLEiのレンズ面の清掃をすることができ、発光部Eiの発光量が、照射レンズLEiに付着する汚れやホコリによって減衰することを防ぐことができる。またこの場合において、清掃部材1091からの反射光が受光部LDiで検知されないように、LEi対向面の清掃部材1091には、照射光を吸収する部材を用いるとよい。
また、図63に示すように、シャッター1090の一端を照射レンズLEiの前面に当接し、この当接部分に清掃機能1091aを配置してもよい。これによって、反射型光学センサ109がレンズ反射光の検出をするときに、シャッター1090を、照射レンズLEiの面に沿って移動させれば、照射レンズLEiのレンズ面に付着する汚れやホコリの清掃をすることができる。その結果、発光部Eiの発光量が、照射レンズLEiに付着する汚れやホコリによって減衰することを防ぐことができる。またこの場合において、シャッター1090の反射面からの反射光が受光部LDiにて受光されることがないように、シャッター1090の反射面からの反射光が受光部LDiに戻らないような角度で、シャッター1090の反射面を固定すればよい。
●画像形成装置の実施形態(4)
また、図60に示すように、反射型光学センサ109に回動機構を設けて、中間転写ベルト105に照射光が照射されない状態にしてから、レンズ反射光を受光部Diにおいて受光してもよい。これによって、シャッター機構を設けなくても、反射型光学センサ109がレンズ反射光のみを検出することができる。
●画像形成装置の実施形態(5)
または感光ドラム101または中間転写ベルト105を移動させて、中間転写ベルト105に照射光が照射されない状態、または、照射されたとしても反射光が受光部Diで受光されない状態にした後に、受光部Diにおいてレンズ反射光を検出してもよい。このようにすれば、照射レンズLEiのレンズ反射光だけを受光することができる。
●画像形成装置の実施形態(6)
テストパターン201の検出に図35を用いて説明をした発光部E1〜E11を使用するときは、E1を発光させて受光部D1の検出値からE1の発光量を決定し、E2を発光させて受光部D2の検出値からE2の発光量を決定し、同様にE3からE11までの発光量を決定すればよい。このようにすれば、E1からE11の発光量を一定値に制御することができる。
●画像形成装置の実施形態(7)
また、テストパターン201の検出において、例えば発光部E4〜E6を使用する場合、E4を発光させたときの受光部D4による検出値が一定値になるように、発光部E4の発光量を調整し、同様に発光部E5、発光部E6の発光量を調整すればよい。このようにすれば、発光部E4〜E6の発光量を一定値にすることができる。
●画像形成装置の実施形態(8)
以上説明をした実施形態において、反射型光学センサ109への照射レンズLEiの取り付け誤差などが原因で、それぞれの発光部Eiを発光させたときに、図68(a)に示すように、それぞれの発光部Eiに対応する受光部Diの受光部出力にばらつきが生じる場合がある。その場合、各発光部Eiの発光量の調整精度が変わってしまう。
そこで、例えば、発光部E4を発光させた場合に、受光部D3、D4、D5の受光部出力の和が一定になるように発光部E4の発光量を調整し、発光部E5、発光部E6の発光量も同様に調整する。その結果、図68(b)に示すように、各発光部Eiを発光させたときの受光部Diの受光部出力に生じるバラツキが小さくなり、各発光部Eiの発光量の調整精度のバラツキを小さくすることができる。同様に発光部Eiを発光させたときの受光部出力D(i−n)+・・+Di+・・+D(i+n)が一定になるようにEiの発光量を調整し、E(i+1)、E(i+2)に関しても同様の調整を行っても、同様の効果が得られる。ただし、n≧1である。
●画像形成装置の実施形態(9)
また、発光部Eiの発光量を一定にすることができても、照射レンズLEiのレンズ面にトナーなどの汚れが付着する場合、経時的にテストパターンに照射される光量が変化し、拡散反射光成分/規格化正反射成分とトナー濃度(mg/cm2)との関係を用いて正確にテストパターン201のトナー濃度を算出することができなくなる。そのため、図62または図63に示したようにシャッターにレンズ清掃機能を付加して常にレンズ面を綺麗な状態に保てば、これらの問題は解決される。図62に示した方式の場合、シャッター部材1091は、照射光を吸収する材質又は構造として、照明光を反射しないものを用いる必要がある。
●画像形成装置の実施形態(10)
また、図64及び図65に示すように、受光レンズLDiに近接した照射レンズLEiの表面位置に、反射率の高い領域1092を設けてもよい。これによって照射レンズLEiからの反射光量が増大し、発光部Eiの発光量の調整を精度良く行うことができる。
●画像形成装置の実施形態(11)
さらに、図66および図67に示すように、受光レンズLDiに近接した照射レンズLEiの裏面位置に、反射率の高い領域1092を設けてもよい。これによって照射レンズLEiからの反射光量が増大し、発光部Eiの発光量の調整を精度良く行うことができる。
●画像形成装置の実施形態(12)
以上説明をしたとおり、本実施形態に係るカラープリンタ1000が備える反射型光学センサ109を用いることで、トナー濃度演算を精度良く行うことができる(図15のS606)。次に、トナー位置検知処理が実行される(図13のS506)。トナー位置検知処理(S506)もトナー濃度検知処理(S505)と同様に、反射型光学センサ109の受光部Diの受光部出力量から、ラインPPのトナー位置を算出する。
トナー位置検知用のラインPPは主方向に1.0mm、副方向に0.5mmの大きさのラインと、同様のものを45°傾けたラインからなる。副方向のライン間隔は1mmである。各ラインにはそれぞれ色が付されている。主方向に沿って形成されているラインと45°の傾きをもって形成されているラインそれぞれに、黒(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)のラインが形成されている。
●トナー位置検知の説明
次に、反射型光学センサ109を用いて行われるトナー位置検知処理(S506)について図42を用いて説明する。図42は、ラインPPの例を示す図である。図42に示すように、主方向において、例えば、発光部E3の中心位置とラインPPの中心位置が一致するように、ラインPPが形成される。この場合、本体制御部2090は、ラインPPが反射型光学センサ109に近づくタイミングを計って、発光部E3を連続発光させる。
発光部E3からの光スポットS3は、中間転写ベルト105が回転するにつれて、すなわち、時間が経過するとともに、トナー位置検知用のラインPPを構成するLPK1〜LPY2を順次照射する。
発光部E3からの光によって形成された光スポットS3の反射光を、対応する受光部D3が受光して、受光部出力を経時的に出力する。図43に出力信号の模式図を示す。受光部D3の受光部出力は、光スポットS3が中間転写ベルト105を照射しているとときには出力値が大きく、ラインPPのいずれかを照射しているときには、出力値が小さくなる。光スポットS3がラインPPの一部であるテストパターンLPK1を照射してから次のテストパターンLPM1を照射するまでの時間をTkm、光スポットS3がテストパターンLPK1を照射してからテストパターンLPC1を照射するまでの時間をTkc、光スポットS3がテストパターンLPK1を照射してからテストパターンLPY1を照射するまでの時間をTkyとする(図43)。なお、ここでは、わかりやすくするため、各受光部Diの出力信号は、増幅され、所定の基準値と比較する比較回路を介しているものとする。
ラインPPが形成されるタイミングは既知であり、発光部Eiの発光タイミングはそれに応じて制御されている。よって、ラインPPを構成するテストパターンLPK1からテストパターンLPY2までの、それぞれが検知されるタイミングは既知である。この既知のタイミングを基準時間として、上記の時間Tkm、時間Tkc、及び時間Tkyを比較すると、トナー画像相互の副方向に関する位置関係が適正であるか否か判定することができる。
仮に、時間Tkm、時間Tkc、時間Tkyが基準時間と異なる場合は、トナー画像相互の副方向に関する位置関係にずれていることになる。この場合、本体制御部2090(図12参照)は、時間Tkm、時間Tkc、時間Tkyを、ぞれぞれの基準値との時間差から、位置関係のずれ量を算出し、算出したずれ量が0となるように、それぞれに対応する画像形成ステーションの光走査開始タイミングを調整する。
次に、ラインPPの検知時刻と、トナー位置ずれの関係について、図44および図45を用いて説明する。図44は、ラインPPを構成するテストパターンLPK1とテストパターンLPM1のみを抜き出し、テストパターンLPM1が副方向に距離ΔS1だけずれた場合の受光部出力の例を示す。この場合、時間Tkmは基準時間に対し中間転写ベルト105の移動速度と距離ΔS1から求められる時間ΔT1だけ大きくなる。
また、図43に示すように、光スポットSiがパターンLPK2を照射してからパターンLPM2を照射するまでの時間Tkm2、光スポットSiがパターンLPK2を照射してからパターンLPC2を照射するまでの時間Tkc2、光スポットSiがパターンLPK2を照射してからLPY2を照射するまでの時間Tky2を検出する。
検出された時間Tkm2、時間Tkc2、及び時間Tkyを、あらかじめ得られているそれらの基準時間と比較し、時間Tkm2、時間Tkc2、及び時間Tky2のいずれもそれらの基準時間と同じであれば、トナー画像相互の主方向に関する位置関係は適正であると判断される。しかし、時間Tkm2、時間Tkc2、及び時間Tky2のいずれかが基準時間と異なれば、トナー画像相互の主方向に関する位置関係にずれがあると判断される。
図45において、パターンLPK2とLPM2のみを抜き出して、パターンLPM2が主方向に距離ΔS2だけずれた場合の受光部出力の様子を示す。この場合には、時間Tkm2は、基準時間に対し中間転写ベルトの移動速度と距離ΔS2から求められる時間ΔT2だけ大きくなる。
この場合には、本体制御部2090は、次の(式1)を用いて、トナー画像の主方向に関する位置ずれ量ΔS2を求めることができる。ここで、Vは中間転写ベルト105の副方向への移動速度である。この位置ずれ量ΔS2は、図示しない走査制御装置に通知される。図示しない走査制御装置は、位置ずれ量ΔS2が0となるようにMステーションを調整する。
ΔS2=V・ΔT2・cot45°・・(式1)
以上説明した実施の形態においては、反射型光学センサ109が11個の発光部E1〜E11と11個の受光部D1〜D11を備える例を用いたが、本発明に係る画像形成装置において、発光部の数および受光部の数はこれに限らない。また、中間転写ベルト105は、表面が滑らかであって、表面での反射が正反射のみの場合を例に用いたが、表面が滑らかでない(表面で拡散反射する)中間転写ベルト105であっても、本発明は適用可能である。すなわち、適宜の手段を用いて「正反射体による検知出力分布」を測定できれば、それを用いて「正反射寄与分と拡散反射寄与分に分割する」ことが可能である。
例えば、予め正反射体を用いて検知出力分布を測定しておき、測定された分布をメモリ等に記憶しておくこともできるし、転写ベルトの一部に「表面が滑らかな部分」を形成し、この部分での正反射を検出することもできるし、可動式の正反射体を画像形成装置中に備えて、必要なときにその正反射体を可動して検出することもできる。
また、図13に示した画像プロセス制御の例では、トナー濃度検知(S505)を先に実行しているが、トナー位置検知(S506)を先に実行してもよい。
●画像形成装置の実施形態(13)
以上説明をしたトナー位置検知処理(図13のS506)は、最後にラインPPを検知したときの情報を基に、その主方向の位置を推定していた。以下、トナー位置検知処理の別の実施の形態について説明をする。本実施形態は、トナー位置の推定精度を高めるために、ラインPPの上流に、テストパターン位置認識用パッチを新たに配置する。この位置認識用パッチの主方向位置を検知することで、このテストパターン位置認識用パッチの下流にある濃度検知用のテストパターン201の主方向位置を推定することができる。
図46は、反射型光学センサ109とパッチDPの位置関係の例を示す図であって、図35で示したパッチDPに、テストパターン位置認識用パッチTPを新たに配置した例である。パッチTPは、トナー濃度検知を行うためのパッチDPの上流に配置されている。パッチTPの大きさは主方向に0.5mm、副方向に1mmである。これはパッチDPの主方向の大きさよりも小さい。パッチDPに先立ち、テストパターン位置認識用パッチTPは、中間転写ベルト105の表面に形成されて副方向に移動し、反射型光学センサ109からの光スポットSiの照射領域に近づく。
パッチTPが形成されるタイミングは既知であるので、形成されてから照射領域を通過する適当なタイミングで全ての発光部Ei(i=1〜11)の順次発光を開始する。順次発光は1ライン発光、または数ライン発光程度で十分である。受光部出力の取得は、発光部Eiのタイミングに合わせて、受光部Diのみを行えばよい。発光部Eiに発光によって、光スポットSiが中間転写ベルト105上に照射されると、その光スポットSiの照射位置にパッチTPがあるか否かの判定は、受光部Diの受光部出力によって行うことができる。すなわち、パッチTPが照射領域にあるときは、パッチTPを形成するトナーによって、光スポットSiが拡散するため、その分、受光部出力は低下する。よって、パッチTPに対して、少なくとも1ライン発光を行うことで取得した受光部出力Di(i=1〜11)から、どの発光部Eiに対応する位置にパッチTPが存在するか判定することができる。
次に、図47および図48を用いて、パッチTPが光スポットS1〜S11に到達し、1ライン発光したときの、発光部Eiに対する受光部Diの受光部出力について説明をする。図47は、パッチTPが光スポットSiの照明領域に到達している状態を例示している。図47において、光スポットSiは紙面上方から、S1、S2、S3・・・S11の順となっている。よって、パッチTPは、光スポットS3の照明領域にある。図48は、図47に例示する状態において、パッチTPが光スポットS3の照明領域にあるときの、受光部Diの受光部出力の分布を示すグラフである。
光スポットS1と、S5からS11に係る照明領域にはパッチTPはないので、受光部D1および受光部D5〜D11は中間転写ベルト105からの正反射光のみを受光しているから、受光部出力は高い。一方、光スポットS2とS4の照明領域の一部に、パッチTPが係っているので、それに応じて受光部D2およびD4の受光部出力は低くなっている。光スポットS3の照明領域の全体に、パッチTPが係っているので、受光部D3の受光部出力は大きく低下する。このように、受光部出力は大きく低下している光スポットSiを照射する発光部E3に対応する位置に、パッチTPがあると判定できる。
また、発光部ピッチが0.4mm、パッチTPの主方向の大きさが0.5mmであることと、受光部D2およびD4の受光部出力より、パッチTPの両端部が少し光スポットS2およびS4に照射されたことがわかる。このように、受光部出力がもっとも低い受光部Diに対応する位置にパッチTPは存在する。このパッチTPの下流に、その主方向の中心位置を同じくして濃度検知用のテストパターンDPを配置すれば、濃度検知用のテストパターンDPの主方向位置の推定を、高精度に行うことができる。
なお、パッチTPの色に制約はない。また、パッチTPはベタパッチ(塗りつぶし)を例示しているが、中間調でも同様である。ただし、発光部出力の差が大きくなる方が、検知精度が高まることから、ブラックや、カラートナーであれば高濃度であることが望ましい。パッチTPの大きさは上記の大きさに限定されるものではなく、その主方向の位置が分かればよいので、トナー消費量を削減する上でもパッチDPの主方向の大きさよりも小さいことが望ましい。
さらには、光スポットにパッチTPの一部が照射されることにより、パッチTPにおける照射光の散乱による受光部出力の低下が判別できるならば、発光部Eiのピッチよりも小さくてもよい。
●画像形成装置の実施形態(14)
次に、本発明に係る画像形成装置において実行されるトナー位置検知処理のさらに別の実施の形態について説明をする。上記にて説明をしたトナー位置検知処理の例は、いずれも主方向の位置を推定するものである。すなわち、直接、濃度検知用のパッチDPの主方向の位置を検知する処理ではない。本実施形態においては、直接的に濃度検知用のパッチDPの主方向の位置を検知することにより、トナー位置を決定することができる。
図49は、光スポットSiの照射領域に、パッチDP1の先頭に形成されているパッチDP1到達している例である。図50は、図49に示す状態における、受光部Diの受光部出力の分布の例を示すグラフである。
パッチDP1が形成されるタイミングは既知であるので、パッチDP1が光スポットSiの照射領域を通過する適当なタイミングにおいて、全ての発光部Ei(i=1〜11)の順次発光を開始する。順次発光は1ライン発光、または数ライン発光程度でよい。受光部出力の取得は、発光部Eiのタイミングに合わせて、受光部Diのみを行えばよい。発光部Eiが発光し、光スポットSiが中間転写ベルト105上に照射される。その光スポットSiの照射位置にパッチDP1があるか否かは、受光部Diの受光部出力の分布を用いることで判定できる。すなわち、パッチDP1が光スポットSiの照明領域に到達していれば、そのパッチDP1がある光スポットSiの照明領域からの反射光量は低くなるため、この光スポットSiからの反射光を受光する受光部Diからの受光部出力は低下する。
図50に示すように、受光部D1および受光部D5〜D11は中間転写ベルト105からの正反射光を受光しているから、受光部出力は高い。一方、受光部D2およびD4では、正反射光を受光している受光部Diよりも受光部出力が低く、受光部D3はさらに低い。このように、受光部出力が低くなっている受光部Diに対応する光スポットSiを照射する発光部E3の位置にパッチDP1があることが判定できる。また、発光部ピッチが0.4mm、パッチDP1の主方向の大きさが1mmであることから、受光部D2およびD4の受光部出力より、DP1の大部分に光スポットS2およびS4が照射されたことも判定できる。このように、受光部出力がもっとも低い受光部Diに対応する位置にパッチDP1は存在すると判定できる。
このパッチDP1はテストパターンそのものであり、パッチDP1に続いて、パッチDP2、DP3、・・・が連なっている。すなわち、濃度検知用のテストパターンDPの主方向位置を推定するまでもなく、決定することができる。このパッチDPの位置を決定した後、前述の照射系動作決定処理(図15のS602)および受光系動作決定処理(図15のS603)を行い、このパッチDPを用いて反射光取得処理(図15のS604)を実行する。
トナー位置検知処理(図13のS506)、照射系動作決定処理(図15のS602)、および受光系動作決定処理(図15のS603)を行うための時間が必要な場合には、先頭のパッチ(ここではパッチDP1)の副方向の大きさを、他のパッチより大きくすればよい。
なお、図49においては、図35に図示したパッチDP1がない中間転写ベルト105の領域(BELT領域)を省略している。前述したように、パッチDP1がないときの受光部出力は、テストパターンDP1がないときにいつでもその受光部出力を取得することができるので、BELT領域として、各パッチ間(DP1とDP2の間など)や、パッチDP5の後ろとしてもよい。また、BELT領域を先頭のパッチDP1より上流とする場合(図35参照)には、テストパターン201の位置が決定されていないため、全ての発光部Ei(i=1〜11)を発光させて、受光部出力を取得しておいてもよい。
次に、パッチDPの主方向の大きさについて図53を用いて説明する。上述の説明では、パッチDPの主方向の大きさが1mmである場合について説明してきた。図53は、パッチDPの主方向の大きさが1.2mmである場合について説明する。
図53は、図16に示したものと同様に、パッチDPの主方向の中心位置が、発光部E6の主方向位置と等しい位置にあった場合の、光スポットSiとパッチDPとの位置関係の例を示している。ただし、このときのパッチDPの主方向の大きさは1.2mmであり、光スポットSiの主方向の大きさと、主方向の発光部EiのピッチLeの2倍との和以上である。この場合にはパッチDPを3つの発光部E5〜E7で過不足なく照射できるので、これら3つの発光部Ei(i=5、6、7)を用いてトナー濃度を算出すればよい。
図54は、パッチDPの主方向の中心位置が、発光部E6とE7の中心位置と等しい位置にあった場合の光スポットSiとパッチDPとの位置関係の例を示す。この場合には、2つの発光部E6とE7でパッチDPを照射しており、2つの発光部Ei(i=6,7)を用いてトナー濃度を算出することができる。
このように、パッチDPの主方向の大きさを、光スポットSiの主方向の大きさと、主方向の発光部ピッチの2倍との和以上とすることで、少なくとも2つ以上の発光部Eiに関してトナー濃度を算出することができ、その複数のトナー濃度を用いて、平均化処理を施すことにより、主方向に平均化されたトナー濃度を得ることができる。これにより、検知精度が向上できる。3つのトナー濃度が算出できる場合には最大・最小を省いた中間の値を採用したり、4つ以上であれば、最大・最小の値を除いた残りの平均値を採用したりして、異常値などを除去して検知精度を向上させることもできる。
次に、テストパターン201の別の実施の形態を説明する。図55において、テストパターン201aは、副方向の同じ位置において、主方向に沿って2列のトナーパターンが形成されている。テストパターン201aの主方向配置は図14に示したテストパターン201と同様である。図55において、テストパターン201の別の例であるテストパターン201aが、中間転写ベルト105の主方向中央部付近に、形成されている。テストパターン201aは、トナー濃度検知用のテストパターンであるパッチDPaと、トナー位置検知用のテストパターンであるラインPPaと、からなる。パッチDPaは、トナー色ごとに階調が異なる矩形からなる。図56において、パッチDPはトナー色ごとに2階調の矩形で表されている。ラインPPaは、トナー色ごとに、主方向に沿った直線と、主方向に対して角度を持った直線と、から形成されている。
パッチDPaが有する4階調のパッチは、トナー色毎に主方向に2つ、副方向に2つの計4つ配置されている。これによって、図14に示したテストパターン201に比べて、副方向の長さが1/2になり、テストパターン201aを検知する時間が、テストパターン201を検知する時間に比べて、約1/2に短縮できる。また、その下流にはトナー位置を検知するためのトナー位置検知用ラインPPaは中間転写ベルト105の有効画像領域内の中央部および両端付近に形成されている。
図56は図8から図11にて示した反射型光学センサ109を用いて、パッチDPaからの反射光を取得する様子を示す概略図である。なお、紙面上下方向が「主方向」、紙面左右方向の左向きが「副方向」である。
図56に示したように、パッチDPa1は、濃度を複数階調(図56の例では4階調)に変化させた矩形を主方向に2つ、副方向に2つ配置しており、副方向の先頭に濃度が低いものからパッチDPa1とDPa2を配置し、パッチDPa1の副方向下流側にパッチDPa3を、パッチDPa2の副方向下流側にDPa4を、それぞれ配置している。また、パッチDP1aとパッチDPa2の前方には表記されている矩形領域(BELT)は、中間転写ベルト105の表面を表している。
パッチDPaは、主方向が1mm、副方向が2mmである。主方向に並んだパッチDPa1とDPa2の中心間隔は2.4mmである。なお、各パッチDPaの主方向の大きさ(1.0mm)は、反射型光学センサ109の主方向の発光部ピッチ(Le=0.4mm)と中間転写ベルト上に照射される光スポットSiの主方向の大きさ(0.4mm)との和よりも大きくなっている。
図35に示した例と同様に、図56を具体例として用いて、前準備(図15のS601からS603)で得られる結果の例について説明する。テストパターン位置認識処理(S601)により、テストパターン201aの主方向の位置は発光部E3と発光部E9の位置である、と推定される。この結果に基づいて、照射系動作決定処理(S602)により、発光させる発光部をE3とE9に決定し、発光モードを順次発光として決定される。続いて、受光系動作決定処理(S603)において、受光部出力を取得する受光部をD1〜D11のすべての受光部Diに決定し、受光部出力の取得タイミングを、図57に示すように、各パッチが光スポット位置を通過するタイミングに合わせて発光部E3とE9が順次発光したタイミングで1回サンプリングする、と決定する。
以下、上記の前準備の結果に基づき、反射光を取得する手順を示す。
パッチDP1は、支持部材である中間転写ベルトの表面に形成されて副方向に移動し、反射型光学センサ109からの光スポット照射領域に近づいていく。パッチDP1が形成されるタイミングは既知であるので、形成されてから照射領域に近づく適当なタイミングで発光部E3とE9の順次発光を開始する。
まずパッチDP1の前方のパッチがない領域BELTに向けて、発光部E3とE9がパルス発光し、そのタイミングに合わせて受光部D1〜D11の受光部出力は、1回サンプリングされる。続いてパッチDPaは副方向に移動して、最初のパッチDPa1とDPa2が光スポットSiの照射領域に到達する。このタイミングに合わせて、発光部E3およびE9を順次発光させて、パッチDPa1とDPa2が光スポットS3とS9を通過するタイミングに合わせて受光部D1〜D11の受光部出力を1回サンプリングする。
さらに、パッチDPaは副方向に移動して、パッチDPa3とDPa4が光スポットSiの照射領域を通過するタイミングに合わせて、発光部E3とE9を順次発光させて、パッチDPa3とDPa4が光スポットS3とS9を通過するタイミングに合わせて、受光部D1〜D11の受光部出力を1回サンプリングする。
このようにして、中間転写ベルト105からの反射光に係る受光部出力分布と、4階調のパッチDPaからの反射光に係る受光部出力分布と、を取得することができる。これを用いて上述したように、トナー濃度を演算により求めることができる。このようにテストパターン201aを形成することで、1つの反射型光学センサ109を用いて同時に(1ライン発光の間に)2つのパッチDPaに対して受光部出力を取得することができる。
もちろん、反射型光学センサ109の発光部Eiの数および受光部Diの数に応じて、2以上のパッチに対して受光部出力を取得することもできる。この場合、テストパターン201aの副方向の長さを短くすることができ、検知時間を短縮することができる。
画像形成装置は像担持体や現像装置の構成によっては、副方向に回動する部材が用いられることが多いため、その部材の変動によって、副方向に画像濃度むらが発生しやすい。すなわち、この濃度むらが発生した場合には、テストパターンに重畳してしまう。そのため、テストパターンの副方向の長さが短くなれば、この濃度むらの影響を低減させることが可能となる。
なお、テストパターン201aの配置は図56に限定されるものではない。すなわち、図58に示すように、異なる主方向の位置を通過するパッチDPaのトナー消費量をできるだけ均等にするように、濃度の最も薄いパッチDPa1とパッチDPa4の主方向位置を同じにし、パッチDPa2とパッチDPa3の主方向位置を同じにするように、形成してもよい。
複数の発光部Eiの長さ、すなわち、中間転写ベルト105を照射する光スポットSiの列を、主方向に並んだ複数のパッチDPaの長さよりも大きくすることにより、パッチDPaに光スポットSiが照射されない状態を防ぐことができる。
さらには、複数の発光部Eiの長さを、中間転写ベルト105が搬送されるときの主方向の位置ずれや、パッチDPaを形成したときの主方向の位置ずれのマージンも考慮した分だけ、主方向に並んだ複数のパッチDPaの長さより大きくすることが望ましい。これにより、反射型光学センサ109の主方向の大きさを過不足無く設定することができる。
直接転写方式の画像形成装置では像担持体上にテストパターン201aを形成するが、本実施形態に示すように、媒体が(平滑な)中間転写ベルトである中間転写方式では、媒体上にテストパターン201aを形成する。後者の方が先に述べた副方向への濃度むらが発生しやすいため、副方向のテストパターンの長さを短くできる反射型光学センサ109の適用上好ましい。