以下、本発明の一実施形態を図1〜図58に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、4つのトナーカートリッジ(2034a、2034b、2034c、2034d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、トナーパターン検出器2245、温湿度センサ(図示省略)及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、各感光体ドラムの長手方向に沿った方向をY軸方向、4つの感光体ドラムの配列方向に沿った方向をX軸方向として説明する。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えば、パソコン)及び公衆回線を介した情報機器(例えば、ファクシミリ装置)との双方向の通信を制御する。そして、通信制御装置2080は、受信した情報をプリンタ制御装置2090に通知する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、アナログデータをデジタルデータに変換するAD変換器などを有している(図2参照)。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置及び情報機器からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置及び情報機器からの画像情報を光走査装置2010に送る。
温湿度センサは、カラープリンタ2000内の温度と湿度を検出し、プリンタ制御装置2090に通知する。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。なお、各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転するものとする。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて、各色毎に変調された光束を、対応する帯電された感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。これにより、各感光体ドラムの表面では、光が照射された部分だけ電荷が消失し、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。なお、この光走査装置2010の構成については後述する。
トナーカートリッジ2034aにはブラックトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033aに供給される。トナーカートリッジ2034bにはシアントナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033bに供給される。トナーカートリッジ2034cにはマゼンタトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033cに供給される。トナーカートリッジ2034dにはイエロートナーが格納されており、該トナーは現像ローラ2033dに供給される。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
ここで、一般的な画像形成ユニットの構成について図3を用いて説明する。画像形成ユニットは、感光体ドラムの周囲に、帯電ユニット、現像ユニット、感光体クリーニングユニットが設けられている。また、感光体ドラムに対して中間転写ベルトを介して対向する位置には1次転写ユニットが設けられている。
帯電ユニットは、帯電ローラを採用した接触帯電方式のものであり、感光体ドラムに接触して電圧を印加することにより感光体ドラムの表面を一様に帯電する。この帯電ユニットには、非接触のスコロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式のものも採用できる。
現像ユニットは、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤を使用している。なお、現像剤としては一成分現像剤を使用することもできる。この現像ユニットは、現像ケース内に設けられた攪拌部と現像部とに大別できる。攪拌部では、二成分現像剤が攪拌されながら搬送されて現像剤担持体としての現像スリーブ上に供給される。この攪拌部は平行な2本のスクリューが設けられており、2本のスクリューの間には、両端部で互いが連通するように仕切るために仕切り板が設けられている。また、現像ケースには現像ユニット内の現像剤のトナー濃度を検出するためのTCセンサが取り付けられている。二成分現像剤のキャリアは磁性体、トナーは非磁性体であるため、TCセンサは透磁率方式を採用しており、現像ユニット内のトナー濃度は、現像剤の透磁率、つまり単位体積あたりの現像剤の磁気抵抗に現れる。
一方、現像部では、現像スリーブに付着した現像剤のうちのトナーが感光体ドラムに転移される。この現像部には、現像ケースの開口を通して感光体ドラムと対向する現像スリーブが設けられており、その現像スリーブ内には図示しないマグネットが固定配置されている。また、現像スリーブに先端が接近するようにドクターブレードが設けられている。
この現像ユニットでは、現像剤を2本のスクリューで攪拌しながら搬送循環し、現像スリーブに供給する。現像スリーブに供給された現像剤は、マグネットにより汲み上げられて保持される。現像スリーブに汲み上げられた現像剤は、現像スリーブの回転に伴って搬送され、ドクターブレードにより適正な量に規制される。なお、規制された現像剤は攪拌部に戻される。このようにして感光体ドラムと対向する現像領域まで搬送された現像剤は、マグネットにより穂立ち状態となり、磁気ブラシを形成する。現像領域では、現像スリーブに印加されている現像バイアスにより、現像剤中のトナーを感光体ドラム上の静電潜像部分に移動させる現像電界が形成される。これにより、現像剤中のトナーは、感光体ドラム上の静電潜像部分に転移し、感光体ドラム上の静電潜像は可視像化され、トナー像が形成される。現像領域を通過した現像剤は、マグネットの磁力が弱い部分まで搬送されることで現像スリーブから離れ、攪拌部に戻される。このような動作の繰り返しにより、攪拌部内のトナー濃度が薄くなると、それをTCセンサが検出し、その検出結果に基づいて攪拌部にトナーが補給される。
1次転写ユニットとして1次転写ローラを採用しており、中間転写ベルトを挟んで感光体ドラムに押し当てるようにして設置されている。もちろん、1次転写ユニットは、ローラ状のものでなくても、導電性のブラシ形状のものや、非接触のコロナチャージャなどを採用しても良い。
感光体クリーニングユニットは、先端を感光体ドラムに押し当てられるように配置される。例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレードを備えている。また、クリーニング性能を高めるために感光体ドラムに接触する導電性のファーブラシを併用している。このファーブラシには図示しない金属製の電界ローラからバイアスが印加されており、その電界ローラには図示しないスクレーパの先端が押し当てられている。そして、クリーニングブレードやファーブラシにより感光体ドラムから除去されたトナーは、感光体クリーニングユニットの内部に収容され、図示しない廃トナー回収ユニットにて回収される。
図1に戻り、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされて多色のカラー画像が形成される。ところで、転写ベルト2040上で、トナー画像の移動する方向(ここでは、X軸方向)は「副方向」と呼ばれ、該副方向に直交する方向(ここでは、Y軸方向)は「主方向」と呼ばれている。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対2056に搬送する。該レジストローラ対2056は、所定のタイミングで記録紙を転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出す。これにより、転写ベルト2040上のカラー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラ2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙上に定着される。ここで定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次スタックされる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
トナーパターン検出器2245は、転写ベルト2040の+Z側であって、転写ベルト2040の+X側端部近傍に配置されている。このトナーパターン検出器2245については後述する。
次に、前記光走査装置2010の構成について説明する。
光走査装置2010は、一例として図4〜図7に示されるように、4つの光源(2200a、2200b、2200c、2200d)、4つのカップリングレンズ(2201a、2201b、2201c、2201d)、4つの開口板(2202a、2202b、2202c、2202d)、4つのシリンドリカルレンズ(2204a、2204b、2204c、2204d)、ポリゴンミラー2104、4つの偏向器側走査レンズ(2105a、2105b、2105c、2105d)、8枚の折返しミラー(2106a、2106b、2106c、2106d、2108a、2108b、2108c、2108d)、4つの像面側走査レンズ(2107a、2107b、2107c、2107d)、4つの光検知センサ(2205a、2205b、2205c、2205d)、4枚の光検知用ミラー(2207a、2207b、2207c、2207d)、及び不図示の走査制御装置などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング2300(図4〜図6では図示省略、図7参照)の所定位置に組み付けられている。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
光源2200bと光源2200cは、X軸方向に関して離れた位置に配置されている。そして、光源2200aは光源2200bの−Z側に配置されている。また、光源2200dは光源2200cの−Z側に配置されている。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201bは、光源2200bから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201cは、光源2200cから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
カップリングレンズ2201dは、光源2200dから射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光束とする。
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介した光束を整形する。
開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介した光束を整形する。
開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介した光束を整形する。
開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介した光束を整形する。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dの開口部を通過した光束を、ポリゴンミラー2104の偏向反射面近傍にZ軸方向に関して結像する。
ポリゴンミラー2104は、2段構造の4面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。そして、1段目(下段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束がそれぞれ偏向され、2段目(上段)の4面鏡ではシリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束がそれぞれ偏向されるように配置されている。
ここでは、シリンドリカルレンズ2204a及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束はポリゴンミラー2104の−X側に偏向され、シリンドリカルレンズ2204c及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束はポリゴンミラー2104の+X側に偏向される。
各偏向器側走査レンズはそれぞれ、ポリゴンミラー2104の回転に伴って、対応する感光体ドラム面上で光スポットが主走査方向に等速で移動するようなパワーを有する非円弧面形状を有している。
偏向器側走査レンズ2105a及び偏向器側走査レンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の−X側に配置され、偏向器側走査レンズ2105c及び偏向器側走査レンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の+X側に配置されている。
そして、偏向器側走査レンズ2105aと偏向器側走査レンズ2105bはZ軸方向に積層され、偏向器側走査レンズ2105aは1段目の4面鏡に対向し、偏向器側走査レンズ2105bは2段目の4面鏡に対向している。また、偏向器側走査レンズ2105cと偏向器側走査レンズ2105dはZ軸方向に積層され、偏向器側走査レンズ2105cは2段目の4面鏡に対向し、偏向器側走査レンズ2105dは1段目の4面鏡に対向している。
そこで、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、偏向器側走査レンズ2105a、折返しミラー2106a、像面側走査レンズ2107a、及び折返しミラー2108aを介して、感光体ドラム2030aに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030a上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030aでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030aの回転方向が、感光体ドラム2030aでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、偏向器側走査レンズ2105b、折り返しミラー2106b、像面側走査レンズ2107b、及び折返しミラー2108bを介して、感光体ドラム2030bに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030b上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030bでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030bの回転方向が、感光体ドラム2030bでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、偏向器側走査レンズ2105c、折り返しミラー2106c、像面側走査レンズ2107c、及び折返しミラー2108cを介して、感光体ドラム2030cに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030c上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030cでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030cの回転方向が、感光体ドラム2030cでの「副走査方向」である。
また、ポリゴンミラー2104で偏向されたシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、偏向器側走査レンズ2105d、折り返しミラー2106d、像面側走査レンズ2107d、及び折り返しミラー2108dを介して、感光体ドラム2030dに照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に伴って感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム2030d上を走査する。このときの光スポットの移動方向が、感光体ドラム2030dでの「主走査方向」であり、感光体ドラム2030dの回転方向が、感光体ドラム2030dでの「副走査方向」である。
ところで、各感光体ドラムにおける画像情報が書き込まれる主走査方向の走査領域は「有効走査領域」、「画像形成領域」、あるいは「有効画像領域」などと呼ばれている。
ポリゴンミラー2104と各感光体ドラムとの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、偏向器側走査レンズ2105aと像面側走査レンズ2107aと折り返しミラー(2106a、2108a)とからKステーションの走査光学系が構成されている。また、偏向器側走査レンズ2105bと像面側走査レンズ2107bと折り返しミラー(2106b、2108b)とからCステーションの走査光学系が構成されている。そして、偏向器側走査レンズ2105cと像面側走査レンズ2107cと折り返しミラー(2106c、2108c)とからMステーションの走査光学系が構成されている。さらに、偏向器側走査レンズ2105dと像面側走査レンズ2107dと折り返しミラー(2106d、2108d)とからYステーションの走査光学系が構成されている。
光検知センサ2205aには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Kステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207aを介して入射する。
光検知センサ2205bには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Cステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207bを介して入射する。
光検知センサ2205cには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Mステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207cを介して入射する。
光検知センサ2205dには、ポリゴンミラー2104で偏向され、Yステーションの走査光学系を介した光束のうち書き込み開始前の光束の一部が、光検知用ミラー2207dを介して入射する。
各光検知センサはいずれも、受光量に応じた信号(光電変換信号)を出力する。
走査制御装置は、各光検知センサの出力信号に基づいて対応する感光体ドラムでの走査開始タイミングを検出する。
次に、前記トナーパターン検出器2245について説明する。
このトナーパターン検出器2245は、一例として図8に示されるように、3つの反射型光学センサ(2245a、2245b、2245c)を有している。
そして、一例として図9に示されるように、反射型光学センサ2245aは、転写ベルト2040における有効画像領域の−Y側の端部近傍に配置され、反射型光学センサ2245cは、転写ベルト2040における有効画像領域の+Y側の端部近傍に配置されている。反射型光学センサ2245bは、主方向に関して、反射型光学センサ2245aと反射型光学センサ2245cの中間位置に配置されている。
ここでは、主方向(Y軸方向)に関して、反射型光学センサ2245aの中心位置をY1、反射型光学センサ2245bの中心位置をY2、反射型光学センサ2245cの中心位置をY3とする。
3つの反射型光学センサ(2245a、2245b、2245c)は、いずれも同じ構成、同じ構造を有している。そこで、以下では、反射型光学センサ2245aを代表として、反射型光学センサの構成及び構造について説明する。
反射型光学センサ2245aは、一例として図10〜図13に示されるように、11個の発光部(E1〜E11)を含む照射系、11個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE11)を含む照明光学系、11個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD11)を含む受光光学系、11個の受光部(D1〜D11)を含む受光系などを備えている。
11個の発光部(E1〜E11)は、主方向に沿って等しい間隔Leで配置されている。各発光部には、LED(Light Emitting Diode)を用いることができる。ここでは、一例として、Le=0.4mmとしている。この場合は、主方向に関して、E1とE11との間の距離は4mm(Le×10)である。また、各発光部の主方向の大きさは約0.04mmである。さらに、各発光部から射出される光束の波長は850nmである。なお、以下では、便宜上、点灯された発光部を「点灯発光部」と略述する。
11個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE11)は、それぞれ11個の発光部(E1〜E11)に個別に対応している。
各照明用マイクロレンズは、対応する発光部から射出された光束を転写ベルト2040の表面に向けて集光的に導く。各照明用マイクロレンズでは、レンズ径、レンズの曲率半径、及びレンズ厚は同一である。また、各照明用マイクロレンズの光軸は、対応する発光部の発光面に直交する方向に平行である。
ここでは、説明をわかりやすくするため、各発光部から射出され対応する照明用マイクロレンズを通過した光束のみが、検出用光(S1〜S11)として転写ベルト2040を照明するものとする(図14参照)。そして、各検出用光によって転写ベルト2040の表面に形成される光スポット(以下では、便宜上「検出用光スポット」と略述する)の中心は、副方向に関して、対応する発光部と受光部の中間付近にある。
各検出用光スポットの大きさ(直径)は、一例として、0.4mmである。この値は、上記発光部間隔Leと等しい。なお、従来の検出用光スポットの大きさ(直径)は、通常、2〜3mm程度であった。
また、ここでは、転写ベルト2040の表面は滑らかであり、転写ベルト2040の表面に照射された検出用光のほとんどは正反射される。
11個の受光部(D1〜D11)は、それぞれ発光部(E1〜E11)に個別に対応している。
各受光部は、対応する発光部から射出され、転写ベルト2040の表面で正反射された光束の光路上に配置されている。そして、隣り合う受光部の間隔は、発光部間隔Leと等しい。各受光部の主方向の大きさは約0.35mmである。また、各受光部における受光感度のピーク波長は850nm付近にある。
各受光部には、PD(フォトダイオード)を用いることができる。そして、各受光部は、受光量に応じた信号を出力する。
11個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD11)は、それぞれ11個の受光部(D1〜D11)に個別し、転写ベルト2040あるいはトナーパターンで反射された検出用光を集光する。この場合には、各受光部の受光量を増加させることが可能となる。すなわち、検出感度を向上させることができる。各受光用マイクロレンズでは、レンズ径、レンズの曲率半径、及びレンズ厚は同一である。
各マイクロレンズには、主方向及び副方向に関して集光機能を有する球面レンズや、副方向に関して正のパワーを持つシリンドリカルレンズ、主方向に関するパワーと副方向に関するパワーとが互いに異なるアナモフィックレンズなどを用いることができる。
ここでは、一例として、各マイクロレンズは球面レンズである。そして、各照明用マイクロレンズでは、入射側の光学面は集光パワーを有し、射出側の光学面は集光パワーを有していない。また、各受光用マイクロレンズでは、射出側の光学面は集光パワーを有し、入射側の光学面は集光パワーを有していない。
具体的には、各照明用マイクロレンズでは、レンズ径は0.415mm、レンズの曲率半径は0.430mm、レンズ厚は1.229mmである。
各受光用マイクロレンズでは、レンズ径は0.712mm、レンズの曲率半径は0.380mm、レンズ厚は1.419mmである。
本実施形態では、11個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE11)と11個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD11)は、一体化され、マイクロレンズアレイとなっている。これにより、各マイクロレンズを所定位置に組み付ける際の作業性を向上させることができる。また、複数のマイクロレンズにおけるレンズ面間の位置精度を高めることができる。各レンズ面は、フォトリソグラフィやモールド成形などの加工法を用いてガラス基板や樹脂基板上に形成することができる。
なお、以下では、発光部を特定する必要がない場合には、発光部Eiと表示する。そして、発光部Eiに対応する照明用マイクロレンズを照明用マイクロレンズLEiと表示する。また、発光部Eiから射出され照明用マイクロレンズLEiを通過した光束を、検出用光Siと表示する。また、発光部Eiに対応する受光部を受光部Diと表示する。さらに、受光部Diに対応する受光用マイクロレンズを受光用マイクロレンズLDiと表示する。
また、一例として図15に示されるように、各照明用マイクロレンズの光軸は、対応する各発光部の中心を通り該発光部に垂直な軸に対して受光系側にΔd(ここでは、0.035mm)ずれている。また、各受光用マイクロレンズの光軸は、対応する各受光部の中心を通り該受光部に垂直な軸に対して照射系側にΔd’(ここでは、0.020mm)ずれている。これにより、より多くの反射光を対応する受光部に導くことができる。
そして、副方向に関して、照明用マイクロレンズLEiと受光用マイクロレンズLDiのレンズ間距離は0.445mm、発光部Eiと受光部Diの間隔は、0.500mmである。さらに、副方向に関して、発光部Eiから照明用マイクロレンズLEiまでの距離は、0.800mmであり、各マイクロレンズの−Z側の面から転写ベルト2040表面までの距離は、5mmである。
次に、テストパターンとしてのトナーパターンについて説明する。
ここでは、一例として図16に示されるように、有効画像領域内の−Y側の部分に形成されるトナーパターンをPattA、有効画像領域内の+Y側の部分に形成されるトナーパターンをPattC、PattAとPattCの中間に形成されるトナーパターンをPattBとする。
PattA、PattB及びPattCは、いずれも5種類のパターン(DP1、DP2、DP3、DP4、PP)を有している。
DP1〜DP4は、いずれも濃度検出用パターンであり、PPは位置ずれ検出用パターンである。
濃度検出用パターンDP1はブラックトナーで形成され、濃度検出用パターンDP2はマゼンタトナーで形成される。また、濃度検出用パターンDP3はシアントナーで形成され、濃度検出用パターンDP4はイエロートナーで形成される。なお、以下では、濃度検出用パターンDP1〜DP4を区別する必要がない場合には、総称して「濃度検出用パターンDP」ともいう。
濃度検出用パターンDPは、一例として図17に示されるように、5個の四角形状のパターン(p1〜p5、以下では、便宜上「矩形パターン」という)を有している。各矩形パターンは、転写ベルト2040の進行方向に沿って並んでおり、それぞれ全体としてみたときにトナー濃度の階調が異なっている。ここでは、トナー濃度の低い矩形パターンから、p1、p2、p3、p4、p5とする。すなわち、矩形パターンp1のトナー濃度が最も低く、矩形パターンp5のトナー濃度が最も高い。
ここでは、一例として、各矩形パターンの主方向の長さw1を1mm、副方向の長さw2を2mmとしている。すなわち、各矩形パターンの主方向の長さw1(1mm)は、主方向に隣接する2つの発光部間の長さLe(=0.4mm)と検出用光スポットの大きさ(0.40mm)の和よりも大きい。また、副方向に関して、隣接する2つの矩形パターンの中心間隔w3は3mmである。そこで、副方向に関する濃度検出用パターンDPの大きさ(4・w3+w2)は14mmとなる。このように、主方向及び副方向のいずれに関しても、濃度検出用パターンDPの大きさを従来よりも大幅に小さくすることができる。
この場合は、トナーパターンを作成するのに必要なトナー量を従来の1/100程度とすることができる。すなわち、不寄与トナーの量を大幅に減少させることができる。その結果、トナーカートリッジの交換時期を延長させることができる。
ところで、トナー濃度の階調は、光源から射出される光束のパワーの調整、光源に供給される駆動パルスにおけるデューティの調整、帯電バイアス及び現像バイアスの調整によって変えることができる。また、網点の面積率を変えることによっても、トナー濃度の階調を変化させることができる。
本実施形態では、一例として図18に示されるように、発光部E6からの検出用光S6によって照明される位置に濃度検出用パターンDPが形成されるように設定されている。
位置ずれ検出用パターンPPは、一例として図19に示されるように、12個のライン状パターン(LPK1〜LPK6、LPY1、LPY2、LPC1、LPC2、LPM1、LPM2)を有している。
ライン状パターンLPK1〜LPK6は、ブラックトナーで形成され、ライン状パターンLPY1及びLPY2は、イエロートナーで形成される。また、ライン状パターンLPC1及びLPC2は、シアントナーで形成され、ライン状パターンLPM1及びLPM2は、マゼンタトナーで形成される。
ライン状パターンLPK1、LPK3、LPK5、LPY1、LPC1及びLPM1は、長手方向が主方向(Y軸方向)に平行であり、ライン状パターンLPK2、LPK4、LPK6、LPY2、LPC2及びLPM2は、長手方向が主方向(Y軸方向)に対して傾斜している。ここでは、傾斜角を45°としている。
そして、ライン状パターンLPK1、LPY1、LPK2、LPY2は、副方向に沿って一列(「パターン列A」という)に配置されている。ライン状パターンLPK3、LPC1、LPK4、LPC2は、上記パターン列Aの+Y側で、副方向に沿って一列(「パターン列B」という)に配置されている。ライン状パターンLPK5、LPM1、LPK6、LPM2は、上記パターン列Bの+Y側で、副方向に沿って一列(「パターン列C」という)に配置されている。
なお、以下では、長手方向が主方向(Y軸方向)に平行なライン状パターンを「平行ライン状パターン」ともいい、長手方向が主方向(Y軸方向)に対して傾斜しているライン状パターンを「傾斜ライン状パターン」ともいう。
ここでは、各平行ライン状パターンは、長手方向の長さを1.0mm、短手方向の長さを0.5mmとしている。また、副方向に隣接する2つの平行ライン状パターンの間隔を1.0mmとしている。なお、従来のライン状パターンは、一例として、長手方向の長さが8.0mm、短手方向の長さが1.0mmであり、副方向に隣接する2つの従来のライン状パターンの間隔が3.5mmであった。
また、各傾斜ライン状パターンは、主方向に関して、内側に位置する2つの角の間の距離を1.0mm、短手方向の長さを0.5mmとしている。そして、副方向に隣接する2つの傾斜ライン状パターンの間隔を1.5mmとしている。
また、パターン列Aの副方向側にダミーパターンLDPKa、パターン列Bの副方向側にダミーパターンLDPKb、パターン列Cの副方向側にダミーパターンLDPKcが形成される。各ダミーパターンは、対応するパターン列の主方向に関する位置を検出するためのパターンである。各ダミーパターンの主方向の長さは1.0mm、副方向の長さは0.45mmである。ここでは、各ダミーパターンは、ブラックトナーのベタパッチである。また、主方向に関して、各ダミーパターンの中心位置は、対応するパターン列の中心位置とほぼ等しい。なお、各ダミーパターンの色及び形状は、これに限定されるものではない。
本実施形態では、一例として図20に示されるように、発光部E1からの検出用光S1によって照明される位置にパターン列Aが形成され、発光部E6からの検出用光S6によって照明される位置にパターン列Bが形成され、発光部E11からの検出用光S11によって照明される位置にパターン列Cが形成されるように設定されている。
次に、画像プロセス制御のために、トナーパターン検出器2245を用いて行われる濃度検出処理及び位置ずれ検出処理について図21を用いて説明する。本実施形態では、濃度検出処理及び位置ずれ検出処理は、プリンタ制御装置2090によって行われる。図21のフローチャートは、濃度検出処理及び位置ずれ検出処理の際に、プリンタ制御装置2090によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。
最初のステップS301では、画像プロセス制御の要求があるか否かを判断する。ここでは、画像プロセス制御フラグがセットされていれば、ここでの判断は肯定され、画像プロセス制御フラグがセットされていなければ、ここでの判断は否定される。
画像プロセス制御フラグは、電源投入直後では、(1)感光体ドラムの停止時間が6時間以上のとき、(2)装置内の温度が10℃以上変化しているとき、(3)装置内の相対湿度が50%以上変化しているとき、印刷時では、(4)プリント枚数が所定の枚数に達したとき、(5)現像ローラの回転回数が所定の回数に達したとき、(6)転写ベルトの走行距離が所定の距離に達したときなどにセットされる。
ステップS301での判断が否定されると、各検出処理はいずれも行われない。一方、ステップS301での判断が肯定されると、画像プロセス制御フラグをリセットし、ステップS303に移行する。ここでは、ユーザから連続する複数枚の画像の形成が要求され、該複数枚の画像におけるm番目の画像が形成された後で、(m+1)番目の画像が形成される前のタイミングで画像プロセス制御フラグがセットされたものとする。
このステップS303では、走査制御装置に対してトナーパターンの作成を指示する。
これにより、走査制御装置は、感光体ドラム2030dにおける所定位置に、濃度検出用パターンDP4、ライン状パターンLPY1、LPY2、が形成されるようにYステーションを制御し、感光体ドラム2030cにおける所定位置に、濃度検出用パターンDP2、ライン状パターンLPM1、LPM2、が形成されるようにMステーションを制御する。
また、走査制御装置は、感光体ドラム2030bにおける所定位置に、濃度検出用パターンDP3、ライン状パターンLPC1、LPC2、が形成されるようにCステーションを制御し、感光体ドラム2030aにおける所定位置に、濃度検出用パターンDP1、ライン状パターンLPK1〜LPK6、ダミーパターンLDPKa〜LDPKcが形成されるようにKステーションを制御する。
なお、各パターンを形成するために必要なパターンの形成位置情報、濃度情報、濃度検出用パターンの各諧調に対応したバイアス条件、トナー濃度を推定するための反射型光学センサの出力の濃度変換LUT(ルック・アップ・テーブル)は、プリンタ制御装置2090のROMに予め格納されている。また、各位置ずれ検出用パターンは、同一の作像条件(露光パワー、帯電バイアス、現像バイアスなど)で形成される。
そして、各ステーションによって形成された濃度検出用パターン、位置ずれ検出用パターン及びダミーパターンは、それぞれ所定のタイミングで転写ベルト2040に転写される。
これによって、転写ベルト2040における位置Y1、Y2及びY3に上記トナーパターン(PattA、PattB、PattC)が形成されることとなる(図22)。
次のステップS305では、トナー濃度の検出処理を行う。ここでは、濃度検出用パターンDP1〜DP4を検出用光が照明したときの、反射型光学センサの出力信号に基づいて、各矩形パターンのトナー濃度を求める。
なお、トナーパターンの形成が指示されてから、トナーパターンが反射型光学センサの前方に到達するまでの時間は略定まっており、プリンタ制御装置2090は、濃度検出用パターンが反射型光学センサの前方に近づいたと判断される適切なタイミングで、発光部の点灯を指示する。
次のステップS307では、位置ずれ検出処理を行う。この位置ずれ検出処理の詳細を図23のフローチャートを用いて説明する。
最初のステップS401では、主方向に関する各パターン列の位置を認識する。
パターン列A、パターン列B及びパターン列Cは、それぞれ検出用光S1によって照明される位置、検出用光S6によって照明される位置、及び検出用光S11によって照明される位置に形成されるように設定されている。図24(A)には、パターン列Aが設定通りに形成されている場合の検出用光S1の軌跡が示されている。図24(B)には、パターン列Bが設定通りに形成されている場合の検出用光S6の軌跡が示されている。図24(C)には、パターン列Cが設定通りに形成されている場合の検出用光S11の軌跡が示されている。
しかしながら、トナーパターンを形成する際の位置ずれや、感光体ドラム及び転写ベルトの蛇行などに起因して、パターン列の主方向に関する位置誤差が発生することがあり、必ずしも設定通りにはならない。そこで、各ダミーパターンを用いて、対応するパターン列の主方向に関する位置を求める。なお、以下では、代表として、パターン列Bの位置認識について説明する。
図25〜図27には、ダミーパターンLDPKbが反射型光学センサに対向する位置に移動してきたときの、受光部の出力の一例が示されている。
図25には、発光部E6のみを点灯させたときの、受光部D6の出力(D6(dp)とする)が示され、図26には、発光部E7のみを点灯させたときの、受光部D7の出力(D7(dp)とする)が示され、図27には、発光部E5のみを点灯させたときの、受光部D5の出力(D5(dp)とする)が示されている。
なお、図25におけるD6(belt)は、検出用光S6が転写ベルトを照明したときの受光部D6の出力であり、図26におけるD7(belt)は、検出用光S7が転写ベルトを照明したときの受光部D7の出力であり、図27におけるD5(belt)は、検出用光S5が転写ベルトを照明したときの受光部D5の出力である。
そして、図25におけるΔD6は、D6(belt)とD6(dp)の差分であり、図26におけるΔD7は、D7(belt)とD7(dp)の差分であり、図27におけるΔD5は、D5(belt)とD5(dp)の差分である。
ここでは、ΔD6>ΔD7、ΔD6>ΔD5の関係がある。
この場合は、発光部E6のみが点灯されたとき、検出用光S6は、その全てがダミーパターンLDPKbに照射され、ダミーパターンLDPKbによって散乱又は吸収されるため、D6(dp)は、D6(belt)に比べて非常に小さい値になっていると考えられる。一方、発光部E7のみが点灯されたとき、検出用光S7は、転写ベルトとダミーパターンLDPKbの両方に照射されたため、ダミーパターンLDPKbによって散乱又は吸収される光が少なく、ΔD6>ΔD7となったと考えられる。同様に、発光部E5のみが点灯されたとき、検出用光S5は、転写ベルトとダミーパターンLDPKbの両方に照射されたため、ダミーパターンLDPKbによって散乱又は吸収される光が少なく、ΔD6>ΔD5となったと考えられる。
そこで、この場合は、一例として図28に示されるように、主方向に関して、パターン列Bの中心は、発光部E6とほぼ同じ位置にあることが認識できる。なお、ここでは、D5(belt)≒D6(belt)≒D7(belt)であるため、D5(dp)とD6(dp)とD7(dp)の中でD6(dp)が最も小さいことから、上記認識をしても良い。
図29〜図32には、ダミーパターンLDPKbが反射型光学センサに対向する位置に移動してきたときの、受光部の出力の別の例が示されている。
図29には、発光部E6のみを点灯させたときの、D6(dp)が示され、図30には、発光部E7のみを点灯させたときの、D7(dp)が示され、図31には、発光部E5のみを点灯させたときの、D5(dp)が示され、図32には、発光部E8のみを点灯させたときの、受光部D8の出力(D8(dp)とする)が示されている。
なお、図32におけるD8(belt)は、検出用光S8が転写ベルトを照明したときの受光部D8の出力であり、ΔD8は、D8(belt)とD8(dp)の差分である。
ここでは、ΔD6≒ΔD7>ΔD5≒ΔD8の関係がある。この場合は、一例として図33に示されるように、主方向に関して、パターン列Bの中心は、発光部E6と発光部E7との中間位置にあることが認識できる。
パターン列A及びパターン列Cについても、同様にして主方向に関する位置を認識することができる。
なお、ダミーパターンは位置ずれ検出処理を行う度に形成する必要はない。例えば、装置の電源をオン(ON)した時に行われる最初の位置ずれ検出処理でのみダミーパターンを形成し、装置の電源をオフ(OFF)するまでに行われる位置ずれ検出処理では、直前に行った位置ずれ検出処理での情報、すなわち、位置ずれ検出用パターンを検知したときの情報に基づいて、位置ずれ検出用パターンの主方向の位置を推定することができる。
例えば、RAMに保存されている前回の位置ずれ検出用パターンを検知したときの受光部の出力情報から、今回はどの位置にくるかを推定することも可能である。具体的には、発光部Ei(i=1〜11)を発光させたときに、転写ベルトからの正反射光を受光したときの受光部Diの出力と、転写ベルト上のトナーパターンからの正反射光を受光したときの受光部Diの出力との差(出力差ΔDi)が最も大きい発光部に略対向する位置に、位置ずれ検出用パターンが存在すると推定する。
また、受光部の出力情報を参照しなくても、前回の位置ずれ検出用パターンを検知してからの経過時間や環境条件(温度、湿度)の変化が小さい場合には、位置ずれ検出用パターンの位置は一般に大きく変化しないため、そのときと同じ位置であると推定できる。
次のステップS403では、点灯させる発光部を決定する。
点灯させる発光部として、幾つかの発光部を点灯させる場合と、全ての発光部を点灯させる場合とがある。
幾つかの発光部を点灯させる場合には、前述したパターン列の主方向に関する位置認識結果に基づき、点灯させる発光部を決定することができる。例えば、主方向に関して、パターン列Bの中心が、発光部E6とほぼ同じ位置にあると判断された場合には、パターン列Bの位置ずれを検知するために点灯させる発光部として、発光部E6のみと決定することができる。なぜなら、発光部E5及びE7を点灯させても検出用光S5及びS7の一部がパターンを照射しないため、位置ずれ検出に関しては、光の利用効率が小さく、位置ずれ検知の精度にはほとんど影響しない。このことから、発光部E6のみを発光させれば良い。
なお、位置ずれ検出用パターンが副方向に移動しているときに、検出用光S6がパターンから外れてしまうおそれがある場合は、余裕を見て発光部E6の両側の発光部E5及びE7も加えて、点灯させる発光部を発光部E5〜E7の3つと決定することもできる。画像形成装置の特性(トナーパターンの形成位置ずれ状態、感光体ドラム及び転写ベルトの蛇行状態など)に応じて、余裕分を決定することができる。
また、例えば、主方向に関して、パターン列Bの中心が、発光部E6と発光部E7との中間位置にあると判断された場合、点灯させる発光部として、発光部E6と発光部E7の2つと決定することができる。なぜなら、発光部E5及びE8を点灯させても検出用光S5及びS8の一部がパターンを照射しないため、位置ずれ検出に関しては、光の利用効率が小さく、位置ずれ検知の精度にはほとんど影響しない。このことから、発光部E6と発光部E7の2つを点灯させれば良い。
この場合、発光部毎に、位置ずれの演算結果が得られるので、発光部E6及び発光部E7に対して得られた位置ずれを平均化することにより、検出精度を高めることができる。
また、発光部E6及び発光部E7のどちらか一方を選択し、該選択された発光部のみを点灯させても良い。
さらに、位置ずれ検出用パターンが副方向に移動している際に、検出用光S6及びS7がパターンから外れてしまうおそれがある場合は、余裕を見て発光部E6及びE7の両側の発光部E5と発光部E8も加えて、点灯させる発光部をE5〜E8の4つとすることもできる。
全ての発光部を点灯させる場合には、反射型光学センサが有する全ての発光部を使用する。この場合には、突発的にパターンの主方向に関する位置が大きく変化しても、パターン列Bが検出用光から外れてしまうという不具合が起きにくい。
次のステップS405では、点灯パターンを決定する。
点灯パターンとして、点灯させる発光部が複数のとき、それらを同時に点灯・消灯させる場合と、それらを順次、点灯・消灯させる場合とがある。
例えば、2つの発光部Eα、Eβを同時に点灯させ、2つの検知用光Sα、Sβで1つのパターンを照射して、その反射光を複数の受光部で受光する場合、Sαによる反射光と、Sβによる反射光が、同一の受光部で受光される(反射光が混合する)と、これらを分離することはできない。しかし、発光部Eα及びEβを順次点灯・消灯させると、Sαによる反射光と、Sβによる反射光が、同一の受光部で受光されたとしても、発光タイミングが異なっているため、時間的に分離することができる。
一方、1つのパターンからの反射光が混合されない場合には、同時に点灯させることが可能である。もちろん順次点灯・消灯させても良い。
ここでは、点灯対象の発光部の全てを1回点灯・消灯させるのに要する時間を「ライン周期」という。
複数の発光部を同時に点灯させる場合は、複数の発光部を順次、点灯・消灯させる場合に比べて、ライン周期を短くできるという利点がある。
なお、1つのパターンからの反射光が混合するかどうかは、点灯させる複数の発光部の位置関係、パターンからの拡散反射特性(反射光の角度分布)、照明用マイクロレンズ及び受光用マイクロレンズの形状等、反射型光学センサのレイアウトに依存する。
点灯させる発光部がE6とE7のように、隣接する発光部の場合、発光部E6が点灯したときのパターンからの反射光は受光部D6及びD7で受光され、発光部E7が点灯したときのパターンからの反射光も受光部D6及びD7で受光されるようなレイアウトとなっていると、受光部D6及びD7で受光された光は、発光部E6に起因するものか、発光部E7に起因するものか分離することができない。この場合には、発光部E6及び発光部E7を順次(この場合は2つなので、交互に)点灯・消灯させる必要がある。
点灯させる発光部がE5〜E8の4つの場合には、発光部E5、発光部E6、発光部E7、発光部E8、発光部E5、発光部E6、・・・の順に点灯・消灯させる。
次のステップS407では、点灯モードを決定する。
点灯モードとして、発光部を常時点灯させる場合と、パルス点灯させる場合とある。
例えば、点灯させる発光部がE6のみのときには、常時点灯させたり、パルス点灯させたりすることができる。一方、点灯させる発光部がE6とE7のときには、順次、点灯・消灯させる必要があり、各発光部はパルス点灯されることとなる。
また、点灯させる発光部がE1とE11のときには、同時点灯させることができ、さらに各発光部は常時点灯させたり、パルス点灯させたりすることができる。また、発光部E1と発光部E11を順次点灯させることもできる。
このように、点灯対象の発光部が複数あり、それらを順次、点灯・消灯させる場合には、各発光部はパルス点灯される。一方、それ以外の場合には、各発光部は常時点灯及びパルス点灯の一方を選択することができる。
常時点灯は、発光部の点灯/消灯の回数を減らすことができ、駆動回路を簡略化できるメリットがある。一方、パルス点灯は、点灯している時間を短くすることができ、発光部の劣化を抑え、長寿命化を図ることができる。また、パルス点灯は、発光部の温度上昇を抑えられるというメリットがある。
なお、点灯させる発光部、点灯パターン、及び点灯モードの全てが選択可能であっても良いし、それらの少なくとも1つが、予め決定されていても良い。前者の場合は、駆動回路が複雑になってしまうが、様々な画像形成装置に対して種々の動作が可能となる。一方、後者の場合、例えば、点灯パターンと点灯モードが予め決定されていれば、駆動回路は容易になり、低コスト化が可能である。この場合、点灯させる発光部に関しては、トナーパターンの主方向の長さや、画像形成装置の特性に応じて適切に選択できるので、実用的である。
次のステップS409では、出力を取得する受光部を決定する。
出力を取得する受光部として、一部の受光部の出力を取得する場合と、全ての受光部の出力を取得する場合とがある。
一部の受光部の出力を取得する場合には、点灯させる発光部の決定結果に基づいて、出力を取得する受光部を決定することができる。
例えば、点灯させる発光部がE6のみの場合、受光部出力を取得する受光部は、発光部E6に対応する受光部D6と、その周辺の受光部のみで良い。
図34には、発光部E6のみが点灯されたときに、照明対象物が転写ベルトの場合の各受光部Di(i=1〜11)の出力分布が示されている。図35には、発光部E6のみが発光されたときに、照明対象物がライン状パターンLPK3、またはLPK4の場合の各受光部Di(i=1〜11)の出力分布が示されている。図36には、発光部E6のみが発光されたときに、照明対象物がライン状パターンLPC1、またはLPC2の場合の各受光部Di(i=1〜11)の出力分布が示されている。
この場合、位置ずれ検出に必要な受光部は受光部D6のみである。その理由について説明する。
照明対象物が転写ベルト及びライン状パターンLPK3、LPK4の場合、受光部D5〜D7以外の8つの受光部出力は0であるため、位置ずれ検出には受光部D5〜D7の3つしか用いることができない。
位置ずれ検出には、ライン状パターンが検出用光の照明領域に徐々に近づくことによる受光量の低下(以下では、「立ち下がり」という)と、ライン状パターンが検出用光の全てによって照明された場合の受光量と照明対象物が転写ベルトの場合の受光量との差分値と、ライン状パターンが検出用光の照明領域から徐々に遠ざかることによる受光量の増大(以下では、「立ち上がり」という)が大きく関係している。
ここで、ライン状パターンが検出用光の全てによって照明された場合の受光量と照明対象物が転写ベルトの場合の受光量との差分値について考える。受光部D5〜D7の合計の受光量をD_ALLとすると、照明対象物が転写ベルトの場合とライン状パターンLPK3、LPK4の場合とでは、D_ALLの差は非常に大きい。ここで、受光部D6の出力差だけをみると、D_ALLの差に比べて小さくなるが、この場合でも受光部D6の出力差は大きい。そこで、照明対象物が正反射体に近い転写ベルトの場合は、受光量が0ではない全ての受光部の出力を位置ずれ検出に用いる必要はなく、点灯させる発光部に対応する受光部の出力のみを用いれば良いこととなる。
一方、照明対象物がライン状パターンLPC1、LPC2の場合、受光部D1〜D11の受光量はいずれも0ではない。
そこで、各受光部について、照明対象物が転写ベルトの場合の受光量と、照明対象物がライン状パターンLPC1、LPC2の場合の受光量との差分の絶対値を求め、それを全受光部について合計したものをD’_ALLとする。このD’_ALLを位置ずれ検出に用いるのが理想であるが、全ての受光部の受光量を用いると計算が煩雑になる。そこで、ライン状パターンLPK3、LPK4の場合と同様に、ライン状パターンLPC1、LPC2の場合についても、点灯させる発光部に対応する受光部の受光量のみを、位置ずれ検出に用いることとする。
次のステップS411では、受光部の出力を取得するタイミングを決定する。
図37には、発光部E6のみが常時点灯されているときに、受光部D6の出力のサンプリングが発光部E6の点灯に連動している場合が示されている。なお、受光部D6の出力の単位時間当たりのデータ点数は、受光部D6におけるサンプリングレートに依存する。
図38には、発光部E6がパルス点灯されているときの、受光部D6の出力をサンプリングするタイミングが示されている。発光部E6が点灯されるタイミングに合わせて常にサンプリングされている。このサンプリング結果のうち、各ライン状パターンに対して複数回のサンプリング結果を得ることができる。なお、ライン状パターンLPC2の通過後に消光されるまで、パルス点灯は継続されている。
受光部の出力を取得するタイミングは、良好な位置ずれ検出を行うために画像形成装置が必要とする各ライン状パターンに対するサンプリング回数が設定されれば、発光部に関する決定内容に合わせて、様々なタイミングの設定が可能である。
次のステップS413では、各受光部の受光量を取得する。
次のステップS415では、各パターン列の位置の正否を判定する。
ここでは、取得された各受光部の出力から、各パターン列の位置の正否判定を行う。この判定は、事前に各パターン列の位置が直接検出されている場合には不要であるが、各パターン列の位置が推定された位置である場合には行うことが望ましい。
ここで各パターン列の位置が推定した位置と大きく違っていると判定された場合には、各パターン列の位置を直接検出し、ステップS406に移行する。このステップS406では、点灯させる発光部に対して適切な位置に位置ずれ検出用パターンを作成し、上記ステップS401に戻る。一方、各パターン列の位置が推定した位置とほぼ同じであると判定された場合には、ステップS417に移行する。
このステップS417では、位置ずれを算出する。
一例として図39には、発光部E6が常時点灯されているときの、受光部D6の出力変化が示されている。また、一例として図40には、発光部E6がパルス点灯されているときの、受光部D6の出力変化が示されている。なお、図39及び図40における「BELT」は、照明対象物が転写ベルトであることを意味している。また、以下では、受光部の出力変化を「出力波形」ともいう。
図41を用いて、出力波形から各ライン状パターンの計算上の検出時間を求める方法について説明する。なお、ここでは、発光部の点灯が開始された時を基点としている。
先ず、ライン状パターンLPK3の検出時間を求める。
(1)ライン状パターンLPK3における出力波形の立ち下がり直前(t1)での転写ベルトからの反射光による受光部D6の受光量の任意の時間内における平均値と、出力波形の立ち上がり直後(t3)での転写ベルトからの反射光による受光部D6の受光量の任意の時間内における平均値を求める。分かりやすいように、これらの平均値が共に等しい値を取ることとし、この値をD_Beltとする。
(2)検出用光S6の全てがライン状パターンLPK3を照明したとき(t2)に、受光部D6の受光量の任意の時間内における平均値を求め、この値をD_Bkとする。
(3)D_BeltとD_Bkの差分値を求める。この差分値をD_BBとする。
(4)D_BkにD_BBの50%を加えた値となる時間を、出力波形の立ち下がり領域及び出力波形の立ち上がり領域で1つずつ(ta、tb)求める。
(5)2つの時間(ta、tb)の平均値を求める。この平均値がライン状パターンLPK3の検出時間となる。なお、このようにして、ライン状パターンの検出時間を求めることを、以下では、「50%のスレッシュレベルでパターンを検出する」ともいう。
ところで、受光部のサンプリング周波数によっては、受光部D6の単位時間あたりの受光部出力のデータ点数が少なくなり、D_BkにD_BBの50%を加えた値となる時間が取得データの中に存在しない場合がある。この場合、所望のデータ点に最も近い2点のデータ点を線形補完することで仮想的に所望のデータ点(ここでは、D_BkにD_BBの50%を加えた値となる時間)を求める。
なお、ライン状パターンLPK3の検出時間を求める際に、受光部D6の出力が、D_BkにD_BBの50%を加えた値となる時間を求めたが、D_BBの50%に限定する必要はなく、例えば、D_BkにD_BBの40又は60%を加えた値となる時間を求めて、ライン状パターンLPK3の検出時間を求めても良い。すなわち、上記スレッシュレベルを40又は60%としても良い。理想的な場合では、D_BkにD_BBの40%、50%、及び60%のいずれを加えて時間を求めても、結果はほとんど変わらない。
続いて、同様にして、ライン状パターンLPC1、ライン状パターンLPK4、ライン状パターンLPC2の検出時間を求める。
上記説明では、発光部E6を常時点灯させた場合について説明したが、発光部E6をパルス発光させた際の受光部D6の出力変化の出力波形を用いても、上記方法と同様な方法で検出時間を求めることができる(図42参照)。この場合、発光部のパルス周波数に同期して受光部出力を取得しているため、パルス周波数によっては、受光部D6の単位時間あたりの受光部出力のデータ点数が少なくなり、各スレッシュレベルに対応するデータ点が存在しない場合も考えられる。この場合も、所望のデータ点に最も近い2点のデータ点を線形補完することで仮想的に所望のデータ点を求めた後に、上記方法を適用すれば良い。
また、一般的には発光部のパルス周波数よりも、受光部のサンプリング周波数の方が高く設定できる。そこで、単位時間あたりの受光部D6の出力のデータ点数は、発光部E6を常時点灯させた場合の方が、発光部E6をパルス点灯させた場合に比べて多くなり、上記線形補完の精度も高くなる。その結果、位置ずれ検出精度も高くなる。なお、ライン状パターンの検出時間の算出方法は上記方法に限定されるものではない。
同様にして、受光部D1の出力波形から、ライン状パターンLPK1、ライン状パターンLPY1、ライン状パターンLPK2、ライン状パターンLPY2の検出時間を求める(図43〜48参照)。
また、同様にして、受光部D11の出力波形から、ライン状パターンLPK5、ライン状パターンLPM1、ライン状パターンLPK6、ライン状パターンLPM2の検出時間を求める(図49〜54参照)。
そして、受光部D1の出力波形における、ライン状パターンLPK1の検出時間からライン状パターンLPY1の検出時間までの時間Tky1、ライン状パターンLPK2の検出時間からライン状パターンLPY2の検出時間までの時間Tky2を求める(図55(A)参照)。
また、受光部D6の出力波形における、ライン状パターンLPK3の検出時間からライン状パターンLPC1の検出時間までの時間Tkc1、ライン状パターンLPK4の検出時間からライン状パターンLPC2の検出時間までの時間Tkc2を求める(図55(B)参照)。
また、受光部D11の出力波形における、ライン状パターンLPK5の検出時間からライン状パターンLPM1の検出時間までの時間Tkm1、ライン状パターンLPK6の検出時間からライン状パターンLPM2の検出時間までの時間Tkm2を求める(図55(C)参照)。
そして、時間Tky1、時間Tkc1、及び時間Tkm1と、あらかじめ得られているそれらの基準時間との差(時間差ΔT1とする)をそれぞれ求める。該時間差ΔT1が許容範囲内であれば、トナー画像相互の副方向に関する位置関係は適正であると判断する。一方、該時間差ΔT1が許容範囲内でなければ、トナー画像相互の副方向に関する位置関係にずれがあると判断する。この場合には、プリンタ制御装置2090は、該時間差ΔT1から上記位置関係のずれ量ΔS1を求め、該ずれ量ΔS1を走査制御装置に通知する。
また、時間Tky2、時間Tkc2、及び時間Tkm2と、あらかじめ得られているそれらの基準時間との差(時間差ΔT2とする)をそれぞれ求める。該時間差ΔT2が許容範囲内であれば、トナー画像相互の主方向に関する位置関係は適正であると判断する。一方、該時間差ΔT2が許容範囲内でなければ、トナー画像相互の主方向に関する位置関係にずれがあると判断する。この場合には、プリンタ制御装置2090は、該時間差ΔT2から上記位置関係のずれ量ΔS2を求め、該ずれ量ΔS2を走査制御装置に通知する。
一例として、時間Tky1における時間差ΔT1が許容範囲内でない場合が図56(A)に示されている。また、時間Tky2における時間差ΔT2が許容範囲内でない場合が図56(B)に示されている。この場合には、プリンタ制御装置2090は、次の(1)式を用いて、イエロートナー画像の主方向に関する位置ずれ量ΔS2を求める。ここで、Vは転写ベルト2040の副方向への移動速度である。
ΔS2=V・ΔT2・cot45° ……(1)
図21に戻り、次のステップS309では、画像プロセス制御を実施する。
ここでは、上記濃度検出処理で得られたトナー濃度から、トナーの色毎に、トナー濃度のずれ量を求める。そして、トナー濃度のずれ量が許容限を超えている場合には、トナー濃度が狙いのトナー濃度となるように、或いは、トナー濃度のずれ量が許容限内となるように制御する。
例えば、トナー濃度のずれ量に応じて、対応する画像形成ステーションにおいて、光源から射出される光束のパワー、光源に供給される駆動パルスにおけるデューティ、帯電バイアス、現像バイアス(例えば、特開2009−216930号公報参照)の少なくともいずれかを調整する。
ところで、画像濃度を維持するための画像濃度制御には、現像ポテンシャル制御、及び階調制御がある。
現像ポテンシャル制御では、所望の画像濃度(例えばベタ濃度)を確保するために、現像ポテンシャル(現像バイアス−ベタ露光電位)の制御を行う。すなわち、濃度検出用パターンから得られたトナー濃度と現像ポテンシャルとの関係より、現像γ(現像ポテンシャルを横軸、トナー濃度を縦軸としたときの傾き)と現像開始電圧Vk(現像ポテンシャルを横軸(x軸)、トナー濃度を縦軸(y軸)としたときのx切片)を求める。そして、次の(2)式を用いて、所望の画像濃度を確保するために必要な現像ポテンシャルを決定し、これに基づいて、作像条件(露光パワー、帯電バイアス、現像バイアス)を決定している。
必要な現像ポテンシャル[−kV]=所望の画像濃度(トナー濃度)[mg/cm2]/現像γ[(mg/cm2)/(−kV)]+現像開始電圧Vk[−kV] ……(2)
トナーの帯電量と現像ポテンシャルとが一定であれば、現像γはほぼ維持されるが、温度や湿度の変化がある環境ではトナーの帯電量の変化が避けられず、中間調領域の階調性が変化してしまう。それを補正するために階調制御が行われる。階調制御も現像ポテンシャル制御と同等の濃度検出用パターンを用いることができる。
光走査装置の光源が半導体レーザ(LD)の場合には、LDパワーを固定しておき、発光デューティを変化させることで、濃度検出用パターンの矩形パターン毎のトナー濃度を異ならせることができる。
階調制御では、得られた階調性と目標とする階調性との偏差がなくなるように階調補正用LUT(ルック・アップ・テーブル)が適宜変更される。具体的には、その都度、新しい階調補正用LUTに書き換える方法や、予め用意した複数の階調補正用LUTから最適なものを選択する方法などがある。
また、上記位置ずれ検出処理において、トナー画像相互の副方向に関する位置関係にずれがあると、走査制御装置は、該ずれ量ΔS1が0となるように、例えば、対応する画像形成ステーションにおける画像の書き出しタイミングを変更する。
また、上記位置ずれ検出処理において、トナー画像相互の主方向に関する位置関係にずれがあると、走査制御装置は、該ずれ量ΔS2が0となるように、例えば、対応する画像形成ステーションにおける画素クロックの位相を調整する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るカラープリンタ2000では、反射型光学センサ2245a、反射型光学センサ2245b、及び反射型光学センサ2245cによって、本発明の画像形成装置における反射型光学センサが構成されている。
また、プリンタ制御装置2090によって、本発明の画像形成装置における処理装置が構成されている。
以上説明したように、本実施形態に係るカラープリンタ2000によると、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)と、各感光体ドラムに対して画像情報に応じて変調された光束を主走査方向に走査し、潜像を形成する光走査装置と、潜像にトナーを付着させトナー画像を生成する4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)と、各トナー画像が転写される転写ベルト2040と、転写ベルト2040に転写されたトナーパターンを検出するためのトナーパターン検出器2245と、全体を統括的に制御するプリンタ制御装置2090などを備えている。
トナーパターン検出器2245は、反射型光学センサ2245a、反射型光学センサ2245b及び反射型光学センサ2245cを有し、各反射型光学センサは、転写ベルト2040に対向する位置に配置されている。
そして、各反射型光学センサは、主方向に沿って等間隔で配置された11個の発光部(E1〜E11)を含む照射系、11個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE11)を含む照明光学系、11個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD11)を含む受光光学系、及び11個の受光部(D1〜D11)を含む受光系などを備えている。
トナーパターンは、各反射型光学センサに個別に対応して転写ベルト2040上に形成され、転写ベルト2040の移動に伴って、各反射型光学センサに対向する位置に搬送される。各トナーパターンは、いずれもイエロートナー画像の位置ずれを検出するためのパターン列Aと、シアントナー画像の位置ずれを検出するためのパターン列Bと、マゼンタトナー画像の位置ずれを検出するためのパターン列Cとを有している。そして、主方向に関して、パターン列Aとパターン列B、及びパターン列Bとパターン列Cは、互いに隣接している。
そして、各トナーパターンは、転写ベルト2040上に転写されたm番目のユーザ画像と(m+1)番目のユーザ画像との間に形成される。
図57には、本実施形態のように主方向に複数個並べた位置ずれ検出用パターンと、従来と同様に副方向に1列に並べた位置ずれ検出用パターンとの、副方向に関する全長を比較するための図が示されている。図57から明らかなように、主方向に対して平行または傾斜したライン状パターンを主方向に複数並べて配置すると、該ライン状パターンを副方向に1列に並べて配置した場合に比べて、位置ずれ検出用パターンの副方向に関する全長は半分程度になることがわかる。従って、短くなった分だけ紙間を更に詰めることが可能となり、単位時間あたりの画像出力枚数が位置ずれ検出処理によって減少することを防ぐことができる。ここでは、図57に示されるように、主方向に対して平行なライン状パターンの長さを1.0mm、幅を0.5mmとし、それらの副方向の間隔を1.0mmとしている。また、主方向に対して45°傾斜したライン状パターンの長さを1.4mm、幅を0.5mmとし、それらの副方向の間隔を1.5mmとしている。
また、画像形成動作を停止させて位置ずれ補正をする際に、主方向に複数個のパターンを並べて位置ずれ補正を行うと、これまでの場合に比べてお客様をお待たせする時間を短くすることができる。その上、主方向に並べた複数個の位置ずれ検出用パターンを紙間に配置させると、画像形成動作を停止させることなく位置ずれ補正ができるため、上記の場合に比べて著しくお待たせ時間を短くできる(究極的には待ち時間0)。
また、トナーパターンの総面積が従来よりも小さくなるため、トナー消費量を低減させることができる。すなわち、不寄与トナーの量を従来よりも減らすことができる。
また、3つの各パターン列に検出用光をほぼ同時に照射することができる(図58参照)。このことから、1つの反射型光学センサで、イエロートナー画像の位置ずれ、シアントナー画像の位置ずれ、マゼンタトナー画像の位置ずれをほぼ同時に検出することができる。そして、従来よりも、位置ずれ検出に要する時間を短縮することができる。
ところで、従来の反射型光学センサを用いて、3つのパターン列を有する位置ずれ検出用パターンを検出するには、従来の反射型光学センサの多くが発光部を1つしか持たないため、従来の反射型光学センサを主方向に沿って3個並べなければならない。また、従来の反射型光学センサの中には発光部を2つ持つものもあるが、仮に2つの発光部を同時に点灯させても、反射型光学センサと照明対象物との距離を、位置ずれ検出をするために定められている所定の距離に設定してやると、照明対象物を照明する検出用光は互いに重なってしまう。すなわち、発光部を2つ持つ従来の反射型光学センサであっても、3つのパターン列を有する位置ずれ検出用パターンを検出するためには、反射型光学センサを主方向に沿って3個並べなければならない。そこで、位置ずれ検出用パターンを有効画像領域外の領域に形成する場合には、従来の反射型光学センサの主方向における大きさは30mm程度であるため、従来の反射型光学センサを主方向に3個並べるためには、主方向に関して移動体(感光体ドラム及び転写ベルト)を、有効画像領域外の領域のうち+Y側の領域だけでも90mm以上大きくする必要がある。また、有効画像領域外の領域のうち−Y側の領域にも、従来の反射型光学センサを主方向に3個並べるためには、更に移動体(感光体ドラム及び転写ベルト)を、主方向に関して90mm以上大きくする必要がある。従って、従来の反射型光学センサを用いて、3つのパターン列を有する位置ずれ検出用パターンを検出しようとすると、画像形成装置の大型化を招く。
一方、本実施形態に係る反射型光学センサでは、発光部Eiと受光部Diとの距離は0.500mm、主方向に関する発光部間隔及び受光部間隔は共に0.400mmである。従って、発光部の個数及び受光部の個数が共に11個であれば、本実施形態に係る反射型光学センサの主方向に関する大きさは5mm程度となる。そこで、従来の反射型光学センサを用いる場合に比べて、画像形成装置の大型化を抑制することができる。
また、本実施形態に係る反射型光学センサでは、発光部が微小であるため、検出用光のスポットを小さくすることができ、その結果として、トナーパターンの大きさを小さくすることができる。このことは、画像形成に使用されない不寄与トナーの消費量を低減できるメリットもある。
さらに、本実施形態に係る反射型光学センサでは、発光部と受光部とが近接しているため、照明対象物への検出用光の入射角及び反射角を小さくすることができる。その結果、転写ベルトがトナーの影になってしまうファドーファクターや、転写ベルトのばたつき(反射型光学センサと転写ベルトの距離の変動)による検出誤差を低減することができる。
また、本実施形態では、パターン列毎に位置認識用パッチとして、ダミーパターンが形成されている。この場合は、ダミーパターンの分だけ不寄与トナーの量が増大するが、パターン列の主方向に関する位置を予め把握することができる。さらに、パターン列を構成する複数のライン状パターン間において、得られる位置ずれ検出に有効な情報の量を等しくすることができる。従って、位置ずれ検出精度の低下や位置ずれ検出に要する時間の増大を防ぐことができる。
仮にダミーパターンを形成しない場合、その分だけ不寄与トナーの量を削減できるが、パターン列の主方向に関する位置は、副方向において最初に検出用光に照明されるライン状パターン(LPK1、LPK3、LPK5)からの反射光で判断しなければならない。この場合、判断を下すまでの間も該ライン状パターンは副方向に移動しているため、該ライン状パターンの副方向の長さが短い場合や、該ライン状パターンの搬送速度(移動速度)が速い場合に、該ライン状パターンから得られる位置ずれ検出に必要な情報の量は、該ライン状パターン以外のライン状パターンから得られる情報の量に比べて少なくなる。これは、位置ずれ検出精度の低下や位置ずれ検出に要する時間の増大に繋がる。
検出用光スポットの大きさは、どれだけ小さいトナーパターンを読めるのかに関係している。該スポットの大きさを発光部間隔Leよりも大きくすると、副方向に関して0.40mmよりも大きなトナーパターンしか正確に検知できない。このとき、隣り合う2つの検出用光スポットの中心間隔は発光部間隔Le=0.40mmと等しいため、トナーパターン上では該2つの検出用光スポットは互いに重なることとなる。このようなときに、位置ずれ検出のために隣り合う任意の複数の発光部を同時に点灯させると、光利用効率が低下する。
検出用光スポットの大きさを発光部間隔Leよりも小さくすると、副方向に関して0.40mmよりも小さいトナーパターンでも、トナーパターンの大きさが検出用光スポットのスポット径相当であれば正確に検出できる。しかし、隣り合う2つの検出用光スポットの中心間隔は発光部間隔Le=0.40mmと等しいため、トナーパターン上では該2つの検出用光スポットの縁と縁の間に、検出用光で照明されない領域が生じる。検出用光で照明されない領域の大きさと同等あるいはそれ以下の大きさのトナーパターンが該領域を通過すると、そのトナーパターンの検知ができなくなる。また、検出用光スポットのスポット径を小さくすれば小さくする程、仮に1つのトナーパターン内でのトナー濃度が一様でない場合に、該トナーパターンにおける照明位置によって受光部の出力が変化する。
本実施形態では、検出用光スポットの大きさを、発光部間隔Leと略等しくすることで、隣接する2つの検出用光スポットが重なり合うことがなくなり、隣り合う任意の複数の発光部を同時に点灯させる場合に生じる光利用効率の低下を防ぐことができる。また、スポット径が大きくなることによるトナーパターンの副方向の幅の拡大を防ぐことができる。更に、2つの検出用光スポットの縁と縁の間に、検出用光で照明されない領域が生じることがないため、トナーパターンの大きさが小さくても、何れかの検出用光で照明されるため、該トナーパターンを正確に検知できる。
そこで、プリンタ制御装置2090は、画像品質を低下させることなく、不寄与トナーの量を低減することができる。
なお、上記実施形態において、発光部E1、発光部E6、及び発光部E11が、順次、点灯・消灯されても良い(図59参照)。この場合は、発光部の劣化が抑えられ、長寿命化を図ることができる。また、発光部の温度上昇を抑えることができる。
ところで、発光部E6を点灯させると、照明対象物がシアンのライン状パターンの場合、受光部D1とD11でも反射光を受光してしまう。つまり、発光部E1、発光部E6、及び発光部E11を同時に点灯させると、受光部D6では、検出用光S6の反射光だけではなく、検出用光S1の反射光及び検出用光S11の反射光も受光される。検出用光S1の反射光及び検出用光S11の反射光は、シアンのライン状パターンの位置ずれ検出には関係しないものであり、いわばノイズのようなものであるため可能であれば除去するのが好ましい。これは、発光部E1、発光部E6、及び発光部E11を順次、点灯・消灯させることによって解決することができる。
また、上記実施形態における位置ずれ検出用パターンは一例であり、これに限定されるものではない(図60〜図62参照)。
また、上記実施形態では、各平行ライン状パターンの主方向の長さが1mmの場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、図63に示されるように、各平行ライン状パターンの主方向の長さが1.5mmであっても良い。
この場合は、検出用光S2、S5、S7、S10もその全てがライン状パターンを照明することが可能となる。そこで、パターン列Aについては、2つの発光部(E1、E2)を用い、該2つの発光部を交互に点灯・消灯させることができる(図64参照)。そして、発光部毎に得られた情報を平均化し、精度向上を図ることができる。
同様に、パターン列Bについては、発光部E6に加えて、発光部E5及び発光部E7を点灯させたときの情報も得られるので、発光部毎に得られた情報を平均化することで、より高い精度で位置ずれ検出を行うことができる。
また、パターン列Cについては、発光部E11に加えて、発光部E10を点灯させたときの情報も得られるので、発光部毎に得られた情報を平均化することで、より高い精度で位置ずれ検出を行うことができる。
また、上記実施形態では、反射型光学センサが11個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、図65に示されるように、反射型光学センサが19個の発光部を有していても良い。この場合に、一例として図66に示されるように、発光部E1からの検出用光S1がパターン列Aを照明し、発光部E10からの検出用光S10がパターン列Bを照明し、発光部E19からの検出用光S19がパターン列Cを照明しても良い。
この場合に、発光部E10のみを点灯させ、照明対象物が転写ベルトのときの各受光部の出力が図67に示され、照明対象物がLPK3又はLPK4のときの各受光部の出力が図68に示され、照明対象物がLPC1又はLPc2のときの各受光部の出力が図69に示されている。
図69に示されるように、発光部E10を点灯させ、検出用光S10がLPC1又はLPc2を照明したときに、受光部D1、D19では反射光が受光されていない。すなわち、発光部E1、E10、E19を同時に常時点灯させたとしても、受光部では、位置ずれ検出に関係しない反射光は受光されない。この場合は、上記実施形態に比べて、より高い精度で位置ずれ検出が可能となる。
発光部を常時発光させて位置ずれ検出を行う場合、発光部の劣化や発光部の温度上昇といった弊害が生まれるが、主方向に並ぶ各ライン状パターンにおいて、副方向の位置ずれ及びトナー濃度のばらつきがなければ、各受光部の出力波形は重なる。そこで、各時間ごとに各受光部の出力を単純に平均化すれば良い。
発光部をパルス点灯させて位置ずれ検出を行う場合、主方向の異なる位置に配置された各受光部の出力波形は、発光部の点灯時間分だけそれぞれずれてしまう。そこで、この場合には、各受光部の出力波形を発光部の点灯時間差だけ時間軸方向に関して前後させ、各受光部の出力波形が互いに重なるように補正した後に、各受光部の出力を平均化して位置ずれ量を算出する。
また、例えば、図70に示されるように、反射型光学センサが23個の発光部を有していても良い。この場合に、一例として図71に示されるように、発光部E3からの検出用光S3がパターン列Aを照明し、発光部E12からの検出用光S12がパターン列Bを照明し、発光部E21からの検出用光S21がパターン列Cを照明しても良い。上記実施形態では、仮に転写ベルトの位置が主方向に関して±0.5mm程度変動すると、パターン列Aが検出用光S1の照明領域から外れたり、パターン列Cが検出用光S11の照明領域から外れたりする可能性があったが、この場合には、パターン列A及びパターン列Cが、照明領域から外れることはない。
また、上記実施形態では、位置すれを算出する際に、2つの時間(ta、tb)の平均値を検出時間とする場合について説明したが、これに限らず、2つの時間(ta、tb)の一方を検出時間としても良い。
また、上記実施形態では、濃度検出用パターンと位置ずれ検出用パターンとが連続して形成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、濃度検出用パターン及び位置ずれ検出用パターンが互いに異なるタイミングで形成されても良い。すなわち、濃度検出処理及び位置ずれ検出処理が互いに異なるタイミングで行われても良い。
例えば、図72に示されるように、m番目のユーザ画像と(m+1)番目のユーザ画像との間に位置ずれ検出用パターンのみが形成されても良い。また、例えば、図73に示されるように、m番目のユーザ画像と(m+1)番目のユーザ画像との間に位置ずれ検出用パターンにおける平行ライン状パターンのみが形成され、(m+1)番目のユーザ画像と(m+2)番目のユーザ画像との間に位置ずれ検出用パターンにおける傾斜ライン状パターンのみが形成されても良い。
また、上記実施形態では、トナーパターン検出器2245が3つの反射型光学センサを有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、例えば、図74に示されるように、反射型光学センサが33個の発光部を有していても良い。この場合、両端の発光部(E1とE33)間の距離は12.8(=0.4×32)mmである。
また、上記実施形態では、位置ずれ検出用パターンについて、パターン列毎にダミーパターンが作成される場合について説明したが、これに限らず、例えば図75に示されるように、パターン列Bのみにダミーパターンが作成されても良い。この場合は、該ダミーパターンから得られた位置情報に基づいて、パターン列A及びパターン列Cの主方向の位置を推定する。
また、上記実施形態では、Y1、Y2及びY3の位置にそれぞれ濃度検出用パターンが形成される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば図76に示されるように、Y2の位置のみに濃度検出用パターンが形成されても良い。
また、上記実施形態では、転写ベルトの表面が滑らかな場合について説明したが、これに限らず、転写ベルトの表面が滑らかでなくても良い。この場合であっても、上記実施形態と同様にして位置ずれを検出することができる。また、転写ベルトの表面の一部が滑らかであっても良い。
また、上記実施形態では、11個の照明用マイクロレンズ(LE1〜LE11)と11個の受光用マイクロレンズ(LD1〜LD11)が一体化されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態において、反射型光学センサに処理装置を設け、プリンタ制御装置2090での処理の少なくとも一部を、該処理装置が行っても良い。
また、上記実施形態において、プリンタ制御装置2090での処理の少なくとも一部を、走査制御装置が行っても良い。
また、上記実施形態では、4色のトナーが用いられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、5色あるいは6色のトナーが用いられる場合であっても良い。
また、上記実施形態では、トナーパターン検出器2245が、転写ベルト2040上のトナーパターンを検出する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、感光体ドラム表面のトナーパターンを検出しても良い。なお、感光体ドラムの表面は、転写ベルト2040と同様に正反射体に近い。
また、上記実施形態において、トナーパターンを記録紙に転写し、該記録紙上のトナーパターンを、トナーパターン検出器2245で検出しても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置として、カラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限らず、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機であっても良い。