JP6552237B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
図1に実施例1が適用される画像形成装置である電子写真方式のレーザビームプリンタ100(以下、プリンタ100という)の概略断面図を示す。図1において、給紙カセット101に載置された記録材である用紙は、ピックアップローラ102にてピックアップされ、不図示の駆動部により駆動される給紙ローラ103によって、画像形成プロセス部106に搬送される。画像形成プロセス部106では、帯電ローラ202により所定の電位に帯電された感光ドラム201上に、レーザ光源207から出射されたレーザ光の走査により静電潜像が形成される。感光ドラム201上に形成された静電潜像は、現像スリーブ203によりトナーによって現像され、トナー像が形成される。そして、感光ドラム201上に形成されたトナー像は、給紙カセット101から搬送された用紙に転写ローラ204により転写され、用紙は定着装置104に搬送される。定着装置104では、用紙上の未定着のトナー像が加圧・加熱処理され、用紙に定着される。その後、定着装置104から排出された用紙は、排紙ローラ105により排紙され、プリンタ100の機外に排出される。上述した画像形成動作は、プリンタ100の動作を制御する制御手段である制御部208により制御される。
図2は、画像形成プロセス部106の構成を示す模式図である。帯電手段の電圧印加部である帯電電圧印加回路205は、帯電ローラ202に帯電電圧を印加することにより、像担持体である感光ドラム201を所定の電位に帯電する。続いて、所定の電位に帯電された感光ドラム201は、画像信号に応じて、レーザ光源207から出射されたレーザ光により走査され、感光ドラム201上(像担持体上)に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像スリーブ203により付着される現像剤(トナー)により現像され、トナー像が形成される。転写電圧の印加手段である転写電圧印加回路206は、転写部材である転写ローラ204に転写電圧を印加することにより、転写ローラ204と感光ドラム201が当接するニップ部に挟持された用紙に感光ドラム201上のトナー像が転写される。
図3(a)は、感光ドラム201にレーザ光を照射する露光手段である露光部の構成を示す模式図である。露光部は、制御回路部401、レーザドライバ404、レーザ光源207から構成されている。更に、レーザ光源207は、レーザ光を出射するレーザダイオード405と、レーザダイオード405が出射するレーザ光の光量を検知するPDセンサ406から構成されている。レーザドライバ404は、レーザダイオード405の発光量をPDセンサ406でモニタしながら、光量を一定にするよう制御を行う。制御回路部401はレーザドライバ404へVDO信号402を出力する。VDO信号402は、画像形成するための画像データであり、レーザダイオード405の発光、消灯を制御する信号である。また、制御回路部401はレーザドライバ404に、パルス幅で変調されるPWM(Pulse Width Modulation)信号である光量可変信号403を出力する。そして、レーザドライバ404は、光量可変信号403の信号に応じてレーザダイオード405の光量を可変する構成となっている。
図3(b)は、本実施例の転写電圧印加回路206の概略構成を示す模式図である。転写電圧印加回路206は、電流検知回路301、正電圧の転写電圧及び負電圧の転写電圧を生成する高電圧電源302、所定の転写電圧が出力されるように高電圧電源302を制御するFB(フィードバック)回路303から構成されている。そして、転写電圧印加回路206は、負荷304に転写電圧を出力する。なお、負荷304は、転写電圧印加回路206からの出力電流I3が流れる転写ローラ204、感光ドラム201を指す。
次に、感光ドラム201の表面電位の算出結果に応じて、算出された表面電位の誤差を補正する制御について説明する。まず、放電開始電圧の算出方法について説明する。図4(a)は、転写電圧印加回路206から転写ローラ204に印加される印加電圧と、転写ローラ204に流れる電流値との関係を示すグラフである。図4(a)において、横軸は印加電圧(単位:V(ボルト))であり、縦軸は電流値(単位:μA(アンペア))である。図4(a)に示すように、放電が開始されるまでは(直線(1)と曲線(2)との分岐点までは)、転写ローラ204に印加された電圧に応じた電流(図中、直線(1)で示す電流)が、転写ローラ204から感光ドラム201に流れる。しかし、感光ドラム201−転写ローラ204間で放電が開始されると、図中の曲線(2)に示すように、転写ローラ204から感光ドラム201へ電流が急激に流れるようになり、曲線(2)は変極点を有する曲線となる。このことより、感光ドラム201−転写ローラ204間に流れる放電電流の電流値は、曲線(2)が示す電流値と直線(1)が示す電流値との差分であるΔ値で示すことができる。そして、このΔ値が所定の電流値になった時点の印加電圧、例えば印加電圧が正電圧の場合には3[μA]、又は負電圧の場合には−3[μA]になった時点の印加電圧が、放電が開始された電圧(以下、放電開始電圧という)と判断される。
感光ドラム201の放電特性として、環境(例えば温度、湿度)や感光ドラム201の膜厚の違いにより、放電に必要となる電位差は異なる。図4(b)は、感光ドラム201への印加電圧と感光ドラム201に流れる放電電流の電流値との関係を示す電圧−電流特性図であり、横軸は印加電圧[V]を示し、縦軸は電流値[μA]を示す。転写ローラ204の表面が感光ドラム201の表面と同等の凹凸がない状態であれば、図4(b)に示すように、感光ドラム201の表面電位に対して、放電が開始されるのに必要な電位差は、正電位と負電位で対称の関係(正負対称)になる。即ち、図中の電流値が0μA(放電電流が流れていない状態)から、感光ドラム201に正電位(正極性)の転写電圧を印加し、放電電流が所定の電流値(例えば3μA)になったときの印加電圧を電圧VLh(以下、正電位側の放電開始電圧という)とする。同様に、図中の電流値が0μA(放電電流が流れていない状態)から、感光ドラム201に負電位(負極性)の転写電圧を印加し、放電電流が所定の電流値(例えば−3μA)になったときの印加電圧を電圧VLl(以下、負電位側の放電開始電圧という)とする。このとき、電流値が0μAのときの印加電圧と正電位側の放電開始電圧VLhとの電圧差と、電流値が0μAのときの印加電圧と負電位側の放電開始電圧VLlとの電圧差とは等しく、正電位側と負電位側で対称の関係となる。
感光ドラム201の表面電位=(VLh+VLl)/2 (1)
次に、補正量1の導出方法について、従来の手法による導出方法と本実施例での導出方法について説明する。まず、従来の手法では、帯電ローラ202より感光ドラム201に交流電圧のみを印加することで、感光ドラム201の表面電位を0V(ボルト)に帯電させる。その後、転写ローラ204より感光ドラム201に転写電圧を印加して、放電開始電圧を測定する。このとき、上述した式(1)より得られる算出結果が、感光ドラム201の表面電位との誤差に対する補正量1となる。即ち、感光ドラム201の表面電位を0V(ボルト)に帯電させた状態で、式(1)より感光ドラム201の表面電位を算出すると、平面−平面ギャップ間の放電特性の場合には、算出された表面電位は0Vになる。ところが、上述した極性効果により算出された表面電位は0Vにならず、誤差を含んだ算出結果が得られる。その結果、実際の感光ドラム201の表面電位が0V(ボルト)と既知であるため、算出された誤差量がそのまま補正量1となる。従来の手法で交流電圧を印加することが必要な理由は、補正量1を導出する際に、感光ドラム201の表面電位を0V(ボルト)等の既知の電圧値にするためである。また、帯電ローラ202より感光ドラム201に直流電圧のみによる帯電(電圧印加)を行った場合には、放電開始電圧のばらつきにより、感光ドラム201の表面電位を正確に0Vにすることが困難なためである。
図5は、感光ドラム201に照射されたレーザ光源207からのレーザ光量と、感光ドラム201の表面電位(VL)との関係を示す特性図であり、横軸はレーザ光量を示し、縦軸は感光ドラム201の表面電位(VL)を示す。なお、感光ドラム201の表面電位は正電位、負電位があるため、図5の縦軸は電位の絶対値を示している。上述したように、本実施例では、感光ドラム201を光量値Aで露光することで感光ドラム201の表面電位を0V状態にしている。このときのレーザ光量と感光ドラム201の表面電位との特性を示すグラフは、破線で示すグラフ(A)である。ところが、感光ドラム201を光量値Aで露光しても、図5の実線で示すグラフ(B)のように、特性上、感光ドラム201の表面電位が正確に0Vの状態とならない場合がある。即ち、グラフ(B)で示すように感光ドラム201の電位状態が飽和する飽和領域が存在し、感光ドラム201の表面電位が正確に0Vの状態とならない場合がある。このように感光ドラム201が飽和している状態のときの電位を飽和電位といい、飽和電位(例えば−10V(ボルト))は推定可能であるため、予め制御部208の不図示の記憶部に、飽和電位の推定値が記憶されている。
レーザ照射後の実際の感光ドラム201の表面電位を算出するため、補正量の算出に続いて、0V(ボルト)以外の所定の電圧、所定の光量値で、感光ドラム201を帯電、露光させる。このときの所定の電圧、所定の光量値は、予め制御部208の記憶部に保持されている値であり、例えば、ある状態で感光ドラム201の表面電位が推定で−150Vになるように設定される値である。そして、前述した式(1)より算出した結果(即ち、補正前の感光ドラム201の表面電位)から、上述した補正量を減算することにより、レーザ照射後の実際の感光ドラム201の表面電位を算出することができる。また、表面電位を算出する制御部208で生じる誤差の原因として挙げている極性効果は、誤差の一例である。例えば、回路の精度や電気的特性により発生する誤差についても、本実施例の補正方法により補正することができる。前述した式(1)及び補正量は、どちらも回路の精度や電気的特性の誤差の影響を受ける。式(1)における誤差量と補正量における誤差量が略同等であるので、前述した式(1)より算出した結果(補正前の感光ドラム201の表面電位)から、上述した補正量を減算することにより、誤差の影響をキャンセルすることができる。ここで、回路の精度とは、例えば帯電電圧印加回路205の精度のように、抵抗定数や電源電圧のばらつき等で決まる精度のことを指す。また、電気的特性とは、例えば転写ローラ204より感光ドラム201に電圧を印加した際の感光ドラム201の半導体特性のことを指す。
以上説明した制御動作は、制御部208により、図6に示す制御シーケンスに従って実行される。図6は、感光ドラム201の実際の表面電位を算出する制御シーケンスを示すフローチャートであり、プリンタ100の電源がオンされたとき、又は制御部208が外部のコンピュータからプリントコマンドを受信したときに起動される。
感光ドラム201における照射される光量と表面電位との関係(特性)は、感光ドラム201の膜厚変化や、レーザ光源207のばらつきにより影響を受ける場合がある。図7(a)は、感光ドラム201に照射されたレーザ光量と、感光ドラム201の表面電位(VL)との関係を示す特性グラフであり、横軸はレーザ光量を示し、縦軸は感光ドラム201の表面電位(VL)を示す。なお、感光ドラム201の表面電位は正電位、負電位があるため、図5の縦軸は電位の絶対値を示している。図7(a)において、実線で表した(1)は、標準的な環境でのレーザ光量と感光ドラム201の表面電位との特性を示すグラフである。一方、破線で表した(2)は、(1)に対して感光ドラム201の膜厚が変化した場合の特性を示すグラフであり、長い破線で表した(3)は、(1)に対してレーザ光源207のばらつきにより、照射される光量がばらついた場合の特性を示すグラフである。
図8は、感光ドラム201の実際の表面電位及び適正な光量値を算出する制御シーケンスを示すフローチャートであり、プリンタ100の電源がオンされたとき、又は制御部208が外部のコンピュータからプリントコマンドを受信したときに起動される。なお、実施例1の図6と同じ処理については、図6と同一のステップ番号を付し、詳細な説明は省略する。なお、上述した光量値Dを導出するために、図7(b)における点B、点Cでの感光ドラム201の表面電位の測定の際に使用する光量値B、光量値Cの値は、予め制御部208の不図示の記憶部に記憶されているものとする。
204 転写ローラ
205 帯電電圧印加回路
206 転写電圧印加回路
207 レーザ光源
208 制御部
301 電流検知回路
Claims (7)
- 像担持体と、
前記像担持体を帯電する帯電手段と、
画像データに応じた光量の光を照射して前記像担持体を露光する露光手段と、
前記像担持体に形成された画像を転写するための転写手段と、
前記転写手段に電圧を印加する印加手段と、
前記印加手段より印加された電圧により前記転写手段と前記像担持体に流れる電流値を検知する検知手段と、
前記帯電手段より直流電圧のみを印加して前記像担持体を帯電させ、画像形成時において、画像データに基づいて前記露光手段により露光する際の光量よりも大きい光量であって、前記像担持体が飽和電位となる光量の光を前記像担持体に照射して前記像担持体を露光した後に、前記印加手段により前記転写手段に電圧を印加した場合に前記検知手段により検知された前記像担持体に流れる電流値の検知結果に基づいて、前記像担持体の表面電位を算出する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記露光手段により露光する際の光量よりも大きい光量であって、前記像担持体が飽和電位となる光量の光を前記像担持体に照射して前記像担持体を露光した後に、
前記印加手段から前記転写手段に正極性の電圧を印加するように前記印加手段を制御する場合であって、前記検知手段が所定の電流値を検知した場合に、前記転写手段に印加された第一電圧を算出し、
前記印加手段から前記転写手段に負極性の電圧を印加するように前記印加手段を制御する場合であって、前記検知手段が所定の電流値を検知した場合に、前記転写手段に印加された第二電圧を算出し、
前記第一電圧と前記第二電圧との和の1/2により算出される前記像担持体の表面電位を、前記像担持体の表面電位の補正量として算出し、
更に、前記露光手段により露光する際の光量を前記像担持体に照射して前記像担持体を露光した後に、
前記印加手段から前記転写手段に正極性の電圧を印加するように前記印加手段を制御する場合であって、前記検知手段が所定の電流値を検知した場合に、前記転写手段に印加された第一電圧を算出し、
前記印加手段から前記転写手段に負極性の電圧を印加するように前記印加手段を制御する場合であって、前記検知手段が所定の電流値を検知した場合に、前記転写手段に印加された第二電圧を算出し、
前記第一電圧と前記第二電圧との和の1/2により算出される前記像担持体の表面電位を、前記像担持体の補正前の表面電位として算出し、
算出した補正前の表面電位を前記補正量を用いて補正して前記像担持体の表面電位を決定することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第一電圧と前記第二電圧との和の1/2により算出される前記像担持体の表面電位から、前記像担持体の飽和電位を減じた表面電位を、前記像担持体の表面電位の補正量とすることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記補正前の前記像担持体の表面電位から前記補正量を減じた表面電位を、前記像担持体の表面電位とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記露光手段から前記像担持体が飽和電位とならない複数の光量を前記像担持体に照射した際に算出された各々の前記光量に対応した前記像担持体の表面電位に基づいて前記像担持体が飽和電位となる光量を算出し、前記算出された光量に基づいて前記画像形成時よりも高い光量を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記複数の光量と、前記複数の光量で前記像担持体を露光した際に算出された前記複数の光量に対応した前記像担持体の表面電位と、に基づいて、前記光量と前記表面電位とを対応付ける関係式を導出し、前記導出された関係式により前記像担持体が飽和電位となるときの光量を算出することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
- 前記露光手段は、レーザ光源を有し、前記レーザ光源から画像データに応じた光量のレーザ光を照射する手段を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記露光手段は、LEDを有し、前記LEDから画像データに応じた光量の光を照射する手段を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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