JP2019124765A - 画像形成装置及び補正方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナーの劣化状態に応じて現像電圧を補正する。【解決手段】制御部は、現像スリーブに現像電圧Vdc1が印加されたときに電流検知回路によって検知される検知電流値(S303、S304)と、現像スリーブに現像電圧Vdc1より低い現像電圧Vdc2が印加されたときに電流検知回路によって検知される検知電流値(S306、S304)と、の電流値の差に基づいて、プリント時に現像スリーブに印加する現像電圧Vdc2の補正を行う(S309〜S311)。【選択図】図8
Description
本発明は、画像形成装置及び補正方法に関し、特に、露光による静電潜像を形成する電子写真記録方式を用いたレーザビームプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置及び補正方法に関する。
トナー(現像剤)が充填された開封直後のカートリッジと、使用開始されてから時間が経過した(耐久が進んだ)カートリッジと、では、適切な画像のコントラストを得る上で必要な高電圧の設定が異なる。なお、高電圧とは感光ドラム上に形成した静電潜像を現像する際に現像スリーブに印加する高電圧である。これは、トナーの劣化により、現像ローラ(現像スリーブともいう)から感光ドラムへのトナーの移動量が変化するためである。そのため、例えば特許文献1では、現像容器内におけるトナーの抵抗値を検知したり、例えば特許文献2では、感光ドラム上のトナー量を濃度センサで検知したりすることにより、トナーの劣化状態を判断し、高電圧の補正を行う構成が提案されている。
しかしながら、より安価な構成でトナーの劣化状態をより高精度に判断し、現像スリーブに印加する高電圧の補正を行うことが望まれていた。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、トナーの劣化状態に応じてプリント時の現像電圧を補正することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
(1)表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、前記像担持体に光を照射して前記像担持体の表面を露光し、前記静電潜像を形成する露光手段と、現像剤を担持する現像部材と、前記現像剤を前記像担持体の表面に付着させ、前記像担持体上の前記静電潜像を現像するために、前記現像部材に現像電圧を印加する現像電圧印加手段と、前記像担持体と電流経路を形成する転写部材と、前記像担持体の表面に現像された画像を被転写体に転写するために、前記転写部材に転写電圧を印加する転写電圧印加手段と、前記転写部材に前記転写電圧が印加されたときに前記転写部材と前記像担持体を介して流れる電流値を検知する電流検知手段と、を備える画像形成装置であって、前記現像電圧印加手段により前記現像部材に第一の現像電圧が印加されたときに前記電流検知手段によって検知される第一の電流値と、前記現像電圧印加手段により前記現像部材に前記第一の現像電圧よりも低い第二の現像電圧が印加されたときに前記電流検知手段によって検知される第二の電流値と、の電流値の差に基づいて、前記現像部材に印加する電圧を設定する制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、トナーの劣化状態に応じて現像電圧を補正することができる。
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[画像形成装置]
図1は、実施例1の画像形成装置であるレーザビームプリンタ100(以下、プリンタ100という)の構成を示す概略断面図である。図1において、給紙カセット101に載置された記録材である用紙Sは、ピックアップローラ102によりピックアップされ、駆動部(不図示)により駆動される給紙ローラ103によって、画像形成部106に搬送される。画像形成部106では、帯電ローラ202により所定の電位に帯電された感光ドラム201上に、レーザ光源207から出射されたレーザ光の走査により静電潜像が形成される。感光ドラム201上に形成された静電潜像は、現像部材である現像スリーブ203に高電圧を印加することにより、現像スリーブ203から移動して感光ドラム201に付着したトナー(現像剤)によって現像され、トナー像が形成される。そして、感光ドラム201上に形成されたトナー像は、転写ローラ204により、給紙カセット101から搬送された被転写体である用紙Sに転写され、用紙Sは定着装置104に搬送される。定着装置104では、用紙S上の未定着のトナー像が加圧・加熱処理され、用紙Sに定着される。その後、定着装置104から排出された用紙Sは、排出ローラ105により排出され、プリンタ100の機外に排出される。上述した画像形成動作は、プリンタ100の動作を制御するCPUやASIC等で構成される制御手段である制御部208により制御される。
図1は、実施例1の画像形成装置であるレーザビームプリンタ100(以下、プリンタ100という)の構成を示す概略断面図である。図1において、給紙カセット101に載置された記録材である用紙Sは、ピックアップローラ102によりピックアップされ、駆動部(不図示)により駆動される給紙ローラ103によって、画像形成部106に搬送される。画像形成部106では、帯電ローラ202により所定の電位に帯電された感光ドラム201上に、レーザ光源207から出射されたレーザ光の走査により静電潜像が形成される。感光ドラム201上に形成された静電潜像は、現像部材である現像スリーブ203に高電圧を印加することにより、現像スリーブ203から移動して感光ドラム201に付着したトナー(現像剤)によって現像され、トナー像が形成される。そして、感光ドラム201上に形成されたトナー像は、転写ローラ204により、給紙カセット101から搬送された被転写体である用紙Sに転写され、用紙Sは定着装置104に搬送される。定着装置104では、用紙S上の未定着のトナー像が加圧・加熱処理され、用紙Sに定着される。その後、定着装置104から排出された用紙Sは、排出ローラ105により排出され、プリンタ100の機外に排出される。上述した画像形成動作は、プリンタ100の動作を制御するCPUやASIC等で構成される制御手段である制御部208により制御される。
[画像形成部]
図2は、画像形成部106の構成を示す模式図である。帯電手段である帯電装置211の電圧印加部である帯電電圧印加回路205は、帯電ローラ202に帯電電圧を印加することにより、像担持体である感光ドラム201を所定の電位に帯電する。続いて、所定の電位に帯電された感光ドラム201は、画像信号に応じて、露光手段である露光装置212のレーザ光源207から出射されたレーザ光により走査され、感光ドラム201上(像担持体上)に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像手段である現像装置213の現像電圧印加回路210により現像スリーブ203に高電圧が印加される。これにより、現像スリーブ203上のトナーが感光ドラム201に移動し、静電潜像に付着することによりトナー像が形成される。転写手段である転写装置214の転写電圧印加回路206は、転写部材である転写ローラ204に転写電圧を印加することにより、感光ドラム201上のトナー像は、転写ローラ204と感光ドラム201が当接するニップ部に挟持された用紙Sに転写される。制御部208は、このように、帯電装置211、露光装置212、現像装置213、転写装置214を制御して画像形成を行う。
図2は、画像形成部106の構成を示す模式図である。帯電手段である帯電装置211の電圧印加部である帯電電圧印加回路205は、帯電ローラ202に帯電電圧を印加することにより、像担持体である感光ドラム201を所定の電位に帯電する。続いて、所定の電位に帯電された感光ドラム201は、画像信号に応じて、露光手段である露光装置212のレーザ光源207から出射されたレーザ光により走査され、感光ドラム201上(像担持体上)に静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、現像手段である現像装置213の現像電圧印加回路210により現像スリーブ203に高電圧が印加される。これにより、現像スリーブ203上のトナーが感光ドラム201に移動し、静電潜像に付着することによりトナー像が形成される。転写手段である転写装置214の転写電圧印加回路206は、転写部材である転写ローラ204に転写電圧を印加することにより、感光ドラム201上のトナー像は、転写ローラ204と感光ドラム201が当接するニップ部に挟持された用紙Sに転写される。制御部208は、このように、帯電装置211、露光装置212、現像装置213、転写装置214を制御して画像形成を行う。
[露光装置]
図3は、感光ドラム201にレーザ光を照射する露光手段である露光装置212の構成を示す模式図である。露光装置212は、制御回路部401、レーザドライバ404、レーザ光源207から構成されている。更に、レーザ光源207は、レーザ光を出射するレーザダイオード405と、レーザダイオード405が出射するレーザ光の光量を検知するPD406から構成されている。レーザドライバ404は、レーザダイオード405の発光量をPD406でモニタしながら、光量が一定になるように制御を行う。制御回路部401は、レーザドライバ404へVDO信号402を出力する。VDO信号402は、画像形成するための画像データであり、レーザダイオード405の発光、消灯を制御する信号である。また、制御回路部401はレーザドライバ404に、パルス幅で変調されるPWM(Pulse Width Modulation)信号である光量可変信号403を出力する。そして、レーザドライバ404は、光量可変信号403の信号に応じてレーザダイオード405の光量を可変する構成となっている。
図3は、感光ドラム201にレーザ光を照射する露光手段である露光装置212の構成を示す模式図である。露光装置212は、制御回路部401、レーザドライバ404、レーザ光源207から構成されている。更に、レーザ光源207は、レーザ光を出射するレーザダイオード405と、レーザダイオード405が出射するレーザ光の光量を検知するPD406から構成されている。レーザドライバ404は、レーザダイオード405の発光量をPD406でモニタしながら、光量が一定になるように制御を行う。制御回路部401は、レーザドライバ404へVDO信号402を出力する。VDO信号402は、画像形成するための画像データであり、レーザダイオード405の発光、消灯を制御する信号である。また、制御回路部401はレーザドライバ404に、パルス幅で変調されるPWM(Pulse Width Modulation)信号である光量可変信号403を出力する。そして、レーザドライバ404は、光量可変信号403の信号に応じてレーザダイオード405の光量を可変する構成となっている。
[転写電圧印加回路]
図4は、本実施例の転写装置214の転写電圧印加回路206の概略構成を示す模式図である。転写電圧印加回路206は、電流検知回路301、正電圧及び負電圧の転写電圧を生成し、出力する高電圧電源302、所定の転写電圧が出力されるように高電圧電源302を制御するFB(フィードバック)回路303から構成されている。転写電圧印加回路206は、負荷304に転写電圧を出力する。なお、負荷304は、転写電圧印加回路206からの出力電流I3が流れる電流経路を構成する転写ローラ204、感光ドラム201を指す。
図4は、本実施例の転写装置214の転写電圧印加回路206の概略構成を示す模式図である。転写電圧印加回路206は、電流検知回路301、正電圧及び負電圧の転写電圧を生成し、出力する高電圧電源302、所定の転写電圧が出力されるように高電圧電源302を制御するFB(フィードバック)回路303から構成されている。転写電圧印加回路206は、負荷304に転写電圧を出力する。なお、負荷304は、転写電圧印加回路206からの出力電流I3が流れる電流経路を構成する転写ローラ204、感光ドラム201を指す。
電流検知手段である電流検知回路301は、図4に示すように、FB回路303に流れる電流I2と負荷304に流れる電流I3を合わせた電流I1(=I2+I3)を検知する回路である。高電圧電源302は、出力電圧を正極性又は負極性に可変可能な定電圧電源であり、転写ローラ204に直流電圧である転写電圧を印加する。
本実施例では、現像装置213の現像電圧印加回路210より現像スリーブ203に所定の現像電圧(例えば−350V)を印加し、例えば高濃度設定の場合のように、感光ドラム201上にプリント時以上のトナー(現像剤)を付着させる。この状態で、転写電圧印加回路206より転写ローラ204に負極性の転写電圧を印加し、感光ドラム201上のトナーが付着している面が転写ローラ204に到達したときの電流値を、電流検知回路301により検知する。このとき検知された電流値を電流検知結果1とする。
同様に、現像電圧印加回路210より現像スリーブ203にプリント時の電圧(例えば−200V)を印加し、感光ドラム201上にプリント時と同量のトナー(現像剤)を付着させる。この状態で、転写電圧印加回路206より転写ローラ204に負極性の転写電圧を印加し、感光ドラム201上のトナーが付着している面が転写ローラ204に到達したときの電流値を電流検知回路301により検知する。このとき検知された電流値を電流検知結果2とする。そして、本実施例では、電流検知結果1と電流検知結果2との比較、すなわち感光ドラム201のトナー付着量が異なる場合の電流値の比較を行うことにより、感光ドラム201上のトナーの付着状態を検知し、トナーの劣化状態を判断する。そして、トナーの劣化状態の判断結果に基づいて、プリント時に、現像電圧印加回路210より現像スリーブ203に印加する現像電圧の設定値を補正する。なお、現像電圧の補正方法については後述する。
また、本実施例では、感光ドラム201へのトナーの付着量の調整を、現像電圧印加回路210が現像スリーブ203に印加する現像電圧により行っているが、本構成に限定されるものではない。例えば、レーザ光源207の光量設定を変えることで、感光ドラム201上の電位を調整してもよい。また、本実施例では、転写ローラ204を介して感光ドラム201に流れる電流値を、転写装置214に設けられた電流検知回路301を用いて検知しているが、この構成に限定するものではない。例えば、感光ドラム201上に当接するローラのうち、負電圧を印加でき、印加した際の電流値を検知できる回路を有する構成であれば、容易に置き換え可能である。また、本実施例は、転写ローラ204に流れる電流値を測定するため、構成上、トナーを感光ドラム201上に付着させる必要がある。しかしながら、必ずしもプリント時に行う必要はなく、トナーパッチやクリーニングブレード捲れ防止のため、クリーニングブレードにトナーを付着させるタイミングで行うことが可能である。そのため、トナーの劣化状態を検知するために、新たにトナーの消費量が増加することはない。
[転写電圧と検知電流値との関係]
図5は、感光ドラム201上にトナーが付着していない状態での転写電圧と電流検知回路301による検知電流値との関係を説明するグラフである。図5において、横軸は転写電圧[単位:V]を示し、縦軸は電流検知回路301による検知電流値[単位:μA]を示す。本実施例では、感光ドラム201は、現像スリーブ203の位置において、−100Vに帯電されているものとする。図5の直線(1)に示すように、転写電圧が放電開始電圧に到達するまでは、転写電圧を増加させても、検知電流値は小さく、殆ど変化は生じていない。そして、転写電圧が放電開始電圧よりも高い電圧になった後は、曲線(2)に示すように、急激に検知電流値が増加する。一方、感光ドラム201上にトナーが所定の量以上載っている(付着している)場合には、感光ドラム201と転写ローラ204との間で、付着しているトナーにより放電に必要な電位差が得られない。その結果、放電が阻害されるため、検知電流値は、放電開始電圧相当の転写電圧を印加しても放電が生じず、直線(1)の状態となるため、電流検知回路301の検知電流値は、電流値が殆ど変化しない飽和傾向を示す。
図5は、感光ドラム201上にトナーが付着していない状態での転写電圧と電流検知回路301による検知電流値との関係を説明するグラフである。図5において、横軸は転写電圧[単位:V]を示し、縦軸は電流検知回路301による検知電流値[単位:μA]を示す。本実施例では、感光ドラム201は、現像スリーブ203の位置において、−100Vに帯電されているものとする。図5の直線(1)に示すように、転写電圧が放電開始電圧に到達するまでは、転写電圧を増加させても、検知電流値は小さく、殆ど変化は生じていない。そして、転写電圧が放電開始電圧よりも高い電圧になった後は、曲線(2)に示すように、急激に検知電流値が増加する。一方、感光ドラム201上にトナーが所定の量以上載っている(付着している)場合には、感光ドラム201と転写ローラ204との間で、付着しているトナーにより放電に必要な電位差が得られない。その結果、放電が阻害されるため、検知電流値は、放電開始電圧相当の転写電圧を印加しても放電が生じず、直線(1)の状態となるため、電流検知回路301の検知電流値は、電流値が殆ど変化しない飽和傾向を示す。
[現像電圧と検知電流値との関係]
図6は、現像電圧の印加電圧と、電流検知回路301による検知電流値との関係を説明するグラフである。図6において、横軸は現像電圧[単位:V]を示し、縦軸は電流検知回路301による検知電流値[単位:μA]を示す。本実施例では、感光ドラム201上は、帯電装置211により、−100Vに帯電され、転写装置214の転写ローラ204には、−600Vの転写電圧が印加されているものとする。ここで、感光ドラム201と現像電圧との間に電位差があるほど、現像スリーブ203上のトナーは感光ドラム201に付着しやすくなる。そのため、現像スリーブ203に印加される現像電圧が負(マイナス)側に大きくなるほど、トナーの感光ドラム201への付着量は増加する。そして、感光ドラム201に付着するトナーが多いほど、転写ローラ204と感光ドラム201間のインピーダンスが増加するため、一定の転写電圧が転写ローラ204に印加されている場合には、電流検知回路301による検知電流値は減少する。
図6は、現像電圧の印加電圧と、電流検知回路301による検知電流値との関係を説明するグラフである。図6において、横軸は現像電圧[単位:V]を示し、縦軸は電流検知回路301による検知電流値[単位:μA]を示す。本実施例では、感光ドラム201上は、帯電装置211により、−100Vに帯電され、転写装置214の転写ローラ204には、−600Vの転写電圧が印加されているものとする。ここで、感光ドラム201と現像電圧との間に電位差があるほど、現像スリーブ203上のトナーは感光ドラム201に付着しやすくなる。そのため、現像スリーブ203に印加される現像電圧が負(マイナス)側に大きくなるほど、トナーの感光ドラム201への付着量は増加する。そして、感光ドラム201に付着するトナーが多いほど、転写ローラ204と感光ドラム201間のインピーダンスが増加するため、一定の転写電圧が転写ローラ204に印加されている場合には、電流検知回路301による検知電流値は減少する。
図6に示すように、現像電圧が−100V、−300Vのときには、それぞれ検知電流値が−3.0、−1.0μAとなる。そして、現像電圧が−100Vから−300V程度の間までは、現像電圧が負側に増加すると、検知電流値は減少する方向の傾きを示している(図6中の領域1)。一方、感光ドラム201上のトナーの付着量が一定以上になると、現像電圧を負(マイナス)側に大きくしても、検知電流値は殆ど変化せず、飽和傾向を示している(図6中の領域2)。このとき、実際には微小な検知電流値の変化はあるものの無視できるレベルである。これは、感光ドラム201の表面がトナーで覆われているため、転写ローラ204と感光ドラム201との間での放電が発生しなくなったことによるものである。
[トナーの劣化状態の判断と補正]
次に、トナーの劣化状態の判断と補正方法について説明する。一般的なトナーの特性として、摩擦や熱により、トナー自体の特性が変わり、帯電しにくくなる劣化状態となる。感光ドラム201上に適切な画質となる量のトナーが付着している場合には、電流検知回路301による検知電流値は、図6の領域2に示すような飽和傾向となる。一方、使用期間が長くなり、トナーが劣化してくると、同じ現像電圧を現像スリーブ203に印加しても、感光ドラム201上に付着するトナー量が減少するのに応じて、電流検知回路301による検知電流値は、反対に増加することになる。
次に、トナーの劣化状態の判断と補正方法について説明する。一般的なトナーの特性として、摩擦や熱により、トナー自体の特性が変わり、帯電しにくくなる劣化状態となる。感光ドラム201上に適切な画質となる量のトナーが付着している場合には、電流検知回路301による検知電流値は、図6の領域2に示すような飽和傾向となる。一方、使用期間が長くなり、トナーが劣化してくると、同じ現像電圧を現像スリーブ203に印加しても、感光ドラム201上に付着するトナー量が減少するのに応じて、電流検知回路301による検知電流値は、反対に増加することになる。
図7は、感光ドラム201にトナーが付着している場合の、現像スリーブ203に印加する現像電圧と電流検知回路301による検知電流値との関係を説明するグラフである。図7において、横軸は現像電圧[単位:V]を示し、縦軸は電流検知回路301による検知電流値[単位:μA]を示す。本実施例では、図7に示すように、感光ドラム201上にプリント時以上のトナーが付着する第一の現像電圧である現像電圧Vdc1(検知電流値が飽和状態を示す現像電圧値)を印加する。検知電流値の飽和状態に相当する現像電圧の設定値は、予め制御部208に記憶されているものとする。
感光ドラム201にプリント時以上のトナーが付着した状態で、電流検知回路301により検知された検知電流値を検知電流値1(第一の電流値)とする。一方、感光ドラム201上にプリント時のトナーが付着する第二の現像電圧である現像電圧Vdc2を印加する。感光ドラム201にプリント時のトナーが付着した状態で、電流検知回路301により検知された検知電流値を検知電流値2(第二の電流値)とする。プリント時の現像電圧Vdc2を印加したときのトナー量での電流検知回路301により検知された検知電流値2が、検知電流値1に比べて、所定量である閾値以上(例えば0.1μA)増加していれば、トナーが劣化していると判断する。そして、プリント時に現像スリーブ203に印加する現像電圧の補正を行う。なお、トナーが劣化していると判断する電流値の所定量(閾値)は、予め制御部208に記憶されているものとする。
現像電圧を補正する場合には、まず、図7に示す現像電圧の変化に対して検知電流値が飽和状態となり、変化しない現像電圧値である変極点を導出する。そして、変極点に相当する電圧(図7中の点A)より、数十V負(マイナス)側に高い電圧値(図7中の点B)をプリント時の現像電圧として設定することで、現像電圧の補正を行う。変極点の導出には、トナー劣化の判断に用いた検知電流値2と、そのときに現像スリーブ203に印加した現像電圧Vdc2の他に、次の検知電流値3を測定して、特性式の導出を行う。検知電流値3(第三の電流値)は、トナーが感光ドラム201上に付着しない第三の現像電圧である現像電圧Vdc3(例えば0V)を現像スリーブ203に印加し、トナーが感光ドラム201にない状態で電流検知回路301により測定された電流値である。
そして、検知電流値2と現像電圧Vdc2、検知電流値3に基づいて、特性式を導出する。本実施例では、特性式を、図7に示すような、y=αx+βで示される一次方程式とする。検知電流値3は、現像電圧が0Vのときの検知電流値とすると、一次方程式のβは、検知電流値3の値である。また、一次方程式の直線の傾きαは、検知電流値2と現像電圧Vdc2、及び検知電流値3と現像電圧0Vより算出する。そして、導出した式y=αx+βのyに検知電流値1を代入することにより、変極点の現像電圧値A(一次方程式のx)を求める。そして、変極点に相当する現像電圧Aよりも負側に数十V(例えば−30V)高い現像電圧値Bをプリント時の現像電圧値として設定する。これにより、トナー劣化によりトナーが感光ドラム201へ付着しにくくなっても、現像スリーブ203と感光ドラム201との間の電位差が適切になる。このように、画質を向上しつつ、トナーの劣化状態を判断するために構成を追加する必要がないため、安価な回路構成でトナーの劣化状態の検知を実現することができる。
[現像電圧の制御シーケンス]
図8は、上述した現像電圧を制御する制御シーケンスを示すフローチャートである。図8の処理は、プリンタ100の電源オン、又はプリンタ100の制御部208が記録紙Sへの画像形成を指示するプリントコマンドを受信したときに起動され、制御部208により実行される。なお、制御部208には、プリント時の現像電圧値を変更する場合の補正値が、予め記憶されているものとする。
図8は、上述した現像電圧を制御する制御シーケンスを示すフローチャートである。図8の処理は、プリンタ100の電源オン、又はプリンタ100の制御部208が記録紙Sへの画像形成を指示するプリントコマンドを受信したときに起動され、制御部208により実行される。なお、制御部208には、プリント時の現像電圧値を変更する場合の補正値が、予め記憶されているものとする。
ステップ(以下、Sとする)301では、制御部208は、プリント前のキャリブレーション等の、プリント動作が実行される前の感光ドラム201が回転している準備動作(前多回転ともいう)のタイミングで、次のような制御を行う。すなわち、制御部208は、帯電装置211の帯電電圧印加回路205から帯電ローラ202に帯電電圧を印加し、感光ドラム201を所定の電位に帯電する。S302では、制御部208は、露光装置212のレーザ光源207よりレーザ光を感光ドラム201に照射して、感光ドラム201を露光する。S303では、制御部208は、現像装置213の現像電圧印加回路210から現像スリーブ203に現像電圧Vdc1を印加して、感光ドラム201上にトナーを付着させる。S304では、制御部208は、トナーが付着した感光ドラム201が転写ローラ204に対向する位置を通過するときに、転写装置214の転写電圧印加回路206より転写電圧を印加し、そのとき、電流検知回路301により検知された電流値を記憶する。なお、制御部208は、電流検知回路301により検知された電流値を、現像スリーブ203に印加した現像電圧がVdc1であれば検知電流値1、現像スリーブ203に印加した現像電圧がVdc2ならば検知電流値2として記憶する。
S305では、制御部208は、検知電流値1、2の測定を行ったかどうかを判断するために、直前に現像スリーブ203に印加した現像電圧がVdc2かどうか判断する。制御部208は、現像電圧がVdc2と判断した場合には処理をS307へ進め、現像電圧がVdc2ではない(Vdc1である)と判断した場合には処理をS306へ進める。S306では、制御部208は、現像装置213の現像電圧印加回路210から現像スリーブ203に現像電圧Vdc2を印加して、感光ドラム201上にトナーを付着させ、処理をS304に戻す。
S307では、制御部208は、検知電流値2と検知電流値1との差(検知電流値2−検知電流値1)を算出する。S308では、制御部208は、S307で算出した検知電流値2と検知電流値1との差に基づいて、トナーが劣化状態かどうか判断する。制御部208は、(検知電流値2−検知電流値1)が0.1μA以上の場合には、トナーは劣化状態と判断して、処理をS309に進め、(検知電流値2−検知電流値1)が0.1μA未満の場合には、トナーは劣化状態ではないと判断し、処理を終了する。
S309では、制御部208は、現像装置213の現像電圧印加回路210から現像スリーブ203に、トナーが感光ドラム201に付着しない現像電圧Vdc3を印加する。そして、制御部208は、感光ドラム201上の現像電圧Vdc3を印加した位置が転写ローラ204まで回転した時点で転写装置214の転写電圧印加回路206より転写電圧を印加し、電流検知回路301により検知された電流値(検知電流値3)を記憶する。
S310では、制御部208は、図7に示すような、現像電圧印加回路210から現像スリーブ203に印加する現像電圧と電流検知回路301による検知電流値との関係を示す特性式を導出する。この、「特性式を導出する」とは、図7の特性式をy=αx+βとした場合のαとβとを算出することを意味する。そして、制御部208は、導出された特性式に基づいて、変極点の現像電圧値を算出する。S311では、制御部208は、S309で算出した変極点の現像電圧値に、制御部208に予め記憶されている補正値を加算した現像電圧値により、プリント時(画像形成時)の現像電圧を補正して、処理を終了する。
なお、S308においてトナーの劣化状態を判断しているが、劣化状態は必須ではない。例えば、検知電流値1と検知電流値の差の値が閾値より大きいか否かを判断する工程に置き換えても良い。
以上説明したように、本実施例では、所定の量以上のトナー量が現像スリーブから感光ドラムに付着された際に、転写ローラに流れる転写電流値が飽和する点を利用して、プリント時の濃度設定におけるトナー量における転写電流値との比較を行う。そして、転写電流値の差に基づいて、トナーの劣化状態を判断し、トナーが劣化している場合には、現像電圧を補正することにより、濃度補正を行う。その結果、安価な回路構成で画質を向上させることができる。
以上説明したように、本実施例によれば、トナーの劣化状態に応じてプリント時の現像電圧を補正することができる。
感光ドラム201や転写ローラ204の近傍の環境(温度、湿度)の変化や、感光ドラム201や転写ローラ204の負荷特性が変化することにより、電流検知回路301が検知する電流値が影響される場合がある。実施例2では、転写ローラの抵抗値による影響を考慮して、トナーの劣化判断を行う例について説明する。なお、実施例2におけるプリンタ100や画像形成部106の構成は実施例1と同様であり、同じ構成には同じ符号を使用することで、説明を省略する。
[トナー劣化判断の閾値の算出]
図9は、転写ローラ204の抵抗値の影響を説明するための、現像電圧と検知電流値との関係を示すグラフである。図9(a)は、感光ドラム201の表面は、−100Vに帯電され、転写電圧は、−600Vが印加されているときの、現像電圧と検知電流値の関係を示すグラフである。図9(a)において、横軸は現像電圧[単位:V]を示し、縦軸は電流検知回路301による検知電流値[単位:μA]を示す。図9(a)において、上側の直線のグラフは、転写ローラの抵抗値が小さい場合の現像電圧と検知電流値との関係を示している。一方、下側の直線のグラフは、転写ローラの抵抗値が大きい場合の現像電圧と検知電流値との関係を示している。
図9は、転写ローラ204の抵抗値の影響を説明するための、現像電圧と検知電流値との関係を示すグラフである。図9(a)は、感光ドラム201の表面は、−100Vに帯電され、転写電圧は、−600Vが印加されているときの、現像電圧と検知電流値の関係を示すグラフである。図9(a)において、横軸は現像電圧[単位:V]を示し、縦軸は電流検知回路301による検知電流値[単位:μA]を示す。図9(a)において、上側の直線のグラフは、転写ローラの抵抗値が小さい場合の現像電圧と検知電流値との関係を示している。一方、下側の直線のグラフは、転写ローラの抵抗値が大きい場合の現像電圧と検知電流値との関係を示している。
図9(b)は、図9(a)の破線部分を拡大した図である。図9(a)、(b)に示すように、転写ローラ204の抵抗値が高い場合と低い場合とでは、現像電圧と検知電流値の関係を示す直線の傾きが異なる。なお、本実施例においても、実施例1と同様に、トナーの劣化状態を判断する閾値である検知電流値の差(検知電流値2−検知電流値1)を0.1μAとして説明する。
図9(b)に示すように、転写ローラ204の抵抗値が高い場合と低い場合とでは、トナーが劣化していると判断されるタイミングが異なる。すなわち、トナーが劣化していると判断される現像電圧は、転写ローラ204の抵抗値が小さい場合の方が大きく、転写ローラの抵抗値が小さい場合の方は小さいことが分かる。言い換えるならば、トナーによる抵抗値変化が転写ローラ204の抵抗値が小さい場合には、グラフの傾きが大きいため、検知電流値に顕著に表れるのに対し、抵抗値が大きい場合には、グラフの傾きが小さくなるため、検知電流値の変化が見えにくいことになる。その結果、トナーの劣化状態を判断する検知電流値の差が固定値であると、閾値(0.1μA)を超えるタイミングが転写ローラ204の抵抗値により異なり、現像電圧を補正できるタイミングに差が生じてしまうことになる。そのため、例えば転写ローラ204の近傍に環境センサ(不図示)を設け、環境センサにより検知した環境温度、湿度に基づいて、トナーの劣化状態を判断するための閾値である検知電流値の差を変更することができる。しかしながら、コストアップや環境センサを配置するスペースの制約があり、好ましくない。
そこで、本実施例では、環境センサを設けずに、トナーの劣化状態を判断する閾値(検知電流値の差)を調整し、適切なタイミングでトナー劣化を判断できる構成について、以下に説明する。具体的には、検知電流値1、2の測定に先立ち、転写ローラ204の抵抗値を測定し、測定された抵抗値に基づいて、トナー劣化状態を判断する検知電流値の差を調整する。なお、実施例1では、トナー劣化を判断する電流値の差の調整を行っていない。後述するように、転写ローラ204の抵抗値の測定を行っている間、画像形成動作の開始が遅れることになる。一方、実施例1では、画像形成が行われないダウンタイム(画像形成前の待ち時間)を短くすることを優先させているため、転写ローラ204の抵抗値の測定を行っていない。
トナーの劣化状態を判断する閾値の調整動作について説明する。まず、感光ドラム201上にトナーが付着していない状態において、転写装置214の転写電圧印加回路206から転写ローラ204に転写電圧を印加する。そして、印加した転写電圧値と電流検知回路301により検知された検知電流値とにより、転写ローラ204の抵抗値R(=V(印加した転写電圧値)/I(検知電流値)を算出することができる。算出された転写ローラ204の抵抗値に基づいて、次のような方法で、トナーの劣化状態を判断する閾値(検知電流値の差)を決定すればよい。例えば、転写ローラ204の抵抗値と、トナーが劣化状態であると判断する検知電流値の差(=検知電流値2−検知電流値1)とを対応付けたテーブルを予め、記憶手段でもある制御部208に記憶しておく。そして、制御部208は、算出された転写ローラ204の抵抗値に応じた検知電流値の差をテーブルから選択し、閾値とすればよい。また、例えば、算出した転写ローラ204の抵抗値より、1V当たりの電流値(電流変化量)を求め、求めた電流変化量の5倍を閾値として用いてもよい。
[現像電圧の制御シーケンス]
図10は、上述した本実施例の現像電圧を制御する制御シーケンスを示すフローチャートである。図9の処理は、プリンタ100の電源オン、又はプリンタ100の制御部208が記録紙Sへの画像形成を指示するプリントコマンドを受信したときに起動され、制御部208により実行される。なお、制御部208は、上述した転写ローラ204の抵抗値と、トナー劣化判断の閾値となる検知電流値の差(=検知電流値2−検知電流値1)とを対応付けたテーブルを記憶しているものとする。
図10は、上述した本実施例の現像電圧を制御する制御シーケンスを示すフローチャートである。図9の処理は、プリンタ100の電源オン、又はプリンタ100の制御部208が記録紙Sへの画像形成を指示するプリントコマンドを受信したときに起動され、制御部208により実行される。なお、制御部208は、上述した転写ローラ204の抵抗値と、トナー劣化判断の閾値となる検知電流値の差(=検知電流値2−検知電流値1)とを対応付けたテーブルを記憶しているものとする。
S401では、制御部208は、帯電装置211の帯電電圧印加回路205から帯電ローラ202に帯電電圧を印加し、感光ドラム201を所定の電位に帯電する。本実施例では、帯電電圧は、実施例1と同様に、−100Vとする。S402では、制御部208は、露光装置212のレーザ光源207よりレーザ光を感光ドラム201に照射して、感光ドラム201を露光する。S403では、制御部208は、現像装置213の現像電圧印加回路210から現像スリーブ203に、トナーが感光ドラム201に付着しない現像電圧Vdc3を印加する。そして、制御部208は、感光ドラム201の現像電圧Vdc3を印加した位置が転写ローラ204まで回転した時点で、転写電圧印加回路206から転写電圧を印加し、電流検知回路301により検知された電流値(検知電流値3)を取得して、記憶する。なお、本実施例でも、実施例1と同様に、転写電圧は−600Vが印加された状態で、現像電圧Vdc3(例えば0V)を印加するものとする。
S404では、制御部208は、転写電圧(−600V)をS403で取得した検知電流値で除することにより、転写ローラ204の抵抗値を算出する。S405では、制御部208は、S404で算出した転写ローラ204の抵抗値に対応付けられたトナー劣化判断の閾値である検知電流値の差を、上述したテーブルより選択する。S406〜S411、S412、S413の処理は、それぞれ実施例1の図8のS303〜S308、S310、S311の処理と同様であり、ここでの説明は省略する。
なお、本実施例では、S411において、制御部208は、検知電流値2と検知電流値1との差(検知電流値2−検知電流値1)に基づいて、トナーが劣化状態と判断した場合には、S412、S413の処理を実行する。その際、実施例1では、図8のS309において、制御部208は、現像電圧印加回路210から現像スリーブ203に、トナーが感光ドラム201に付着しない現像電圧Vdc3を印加し、電流検知回路301により検知電流値3を取得する処理を行っていた。本実施例では、制御部208は、S403で同様の処理を行い、その際取得した検知電流値3を記憶している。そのため、S412では、制御部208は、S403で記憶した検知電流値3を用いて、特性式を導出するため、改めて、電流検知回路301による検知電流値3を取得する処理は行っていない。
以上説明したように、本実施例では、転写ローラの抵抗値を算出し、算出された抵抗値に応じて、トナーの劣化状態を判断する閾値である検知電流値の差を決定する。これにより、より適切なタイミングで、トナーの劣化を判断し、高画質を実現するための適切な現像電圧の設定を行うことができる。
以上説明したように、本実施例によれば、トナーの劣化状態に応じてプリント時の現像電圧を補正することができる。
201 感光ドラム
203 現像スリーブ
208 制御部
301 電流検知回路
203 現像スリーブ
208 制御部
301 電流検知回路
Claims (12)
- 表面に静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、
前記像担持体に光を照射して前記像担持体の表面を露光し、前記静電潜像を形成する露光手段と、
現像剤を担持する現像部材と、
前記現像剤を前記像担持体の表面に付着させ、前記像担持体上の前記静電潜像を現像するために、前記現像部材に現像電圧を印加する現像電圧印加手段と、
前記像担持体と電流経路を形成する転写部材と、
前記像担持体の表面に現像された画像を被転写体に転写するために、前記転写部材に転写電圧を印加する転写電圧印加手段と、
前記転写部材に前記転写電圧が印加されたときに前記転写部材と前記像担持体を介して流れる電流値を検知する電流検知手段と、
を備える画像形成装置であって、
前記現像電圧印加手段により前記現像部材に第一の現像電圧が印加されたときに前記電流検知手段によって検知される第一の電流値と、前記現像電圧印加手段により前記現像部材に前記第一の現像電圧よりも低い第二の現像電圧が印加されたときに前記電流検知手段によって検知される第二の電流値と、の電流値の差に基づいて、前記現像部材に印加する電圧を設定する制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記第一の電流値と前記第二の電流値との電流値の差が所定の閾値以上の場合にはプリント時に前記現像部材に印加する前記第二の現像電圧の補正を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記現像電圧印加手段により前記第一の現像電圧を前記現像部材に印加すると、前記像担持体に前記現像剤がプリント時以上に付着し、
前記現像電圧印加手段により前記第二の現像電圧を前記現像部材に印加すると、前記像担持体に前記現像剤がプリント時と同量に付着することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記第一の電流値と前記第二の電流値との電流値の差が前記所定の閾値以上の場合には、
前記像担持体に前記現像剤が付着しない第三の現像電圧が前記現像部材に印加されたときに前記電流検知手段によって検知される第三の電流値と、前記第二の現像電圧と、前記第二の電流値と、基づいて、前記電流検知手段によって前記第一の電流値が検知されるために前記現像部材に印加されるべき現像電圧を算出し、算出された現像電圧を補正した電圧をプリント時に前記現像部材に印加する前記第二の現像電圧とすることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記転写部材の抵抗値と、前記抵抗値に対応付けられた前記第一の電流値と前記第二の電流値との電流値の差の閾値と、を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記第三の現像電圧が前記現像部材に印加されたときに前記電流検知手段によって検知される前記第三の電流値と、前記電流検知手段が電流検知を行うときに前記転写部材に印加された前記転写電圧と、に基づいて、前記転写部材の前記抵抗値を算出し、算出した前記抵抗値に対応付けられた前記閾値を前記記憶手段より取得することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記第一の電流値及び前記第二の電流値の検知を行う前に前記抵抗値に応じた前記閾値を取得し、取得した前記閾値と前記電流値の差とに基づいて、前記現像剤の劣化状態を判断することを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
- 表面に静電潜像が形成される像担持体と、
前記像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、
前記像担持体に光を照射して前記像担持体の表面を露光し、前記静電潜像を形成する露光手段と、
現像剤を担持する現像部材と、
前記現像剤を前記像担持体の表面に付着させ、前記像担持体上の前記静電潜像を現像するために、前記現像部材に現像電圧を印加する現像電圧印加手段と、
前記像担持体と電流経路を形成する転写部材と、
前記像担持体の表面に現像された画像を被転写体に転写するために、前記転写部材に転写電圧を印加する転写電圧印加手段と、
前記転写部材に前記転写電圧が印加されたときに前記転写部材と前記像担持体を介して流れる電流値を検知する電流検知手段と、
を備える画像形成装置の補正方法であって、
前記現像電圧印加手段により前記現像部材に第一の現像電圧が印加されたときに前記電流検知手段によって第一の電流値を検知する工程、
前記現像電圧印加手段により前記現像部材に前記第一の現像電圧よりも低い第二の現像電圧が印加されたときに前記電流検知手段によって第二の電流値を検知する工程、及び
前記第一の電流値と前記第二の電流値の差に基づいて、前記現像部材に印加する電圧を設定する工程、を実行することを特徴とする補正方法。 - 前記第一の電流値と前記第二の電流値との電流値の差が所定の閾値以上の場合には、プリント時に前記現像部材に印加する前記第二の現像電圧の補正を行う工程、を実行することを特徴とする請求項7に記載の補正方法。
- 前記現像電圧印加手段により前記第一の現像電圧を前記現像部材に印加すると、前記像担持体に前記現像剤がプリント時以上に付着し、
前記現像電圧印加手段により前記第二の現像電圧を前記現像部材に印加すると、前記像担持体に前記現像剤がプリント時と同量に付着することを特徴とする請求項8に記載の補正方法。 - 前記第二の現像電圧の補正を行う工程は、
前記像担持体に前記現像剤が付着しない第三の現像電圧を前記現像部材に印加して、前記電流検知手段によって第三の電流値を検知する工程と、
前記第三の現像電圧、前記第三の電流値、前記第二の現像電圧、及び前記第二の電流値に基づいて、前記電流検知手段によって前記第一の電流値が検知されるために前記現像部材に印加されるべき現像電圧を算出する工程と、
前記算出された現像電圧を補正した電圧を、プリント時に前記現像部材に印加する前記第二の現像電圧とする工程と、を含むことを特徴とする請求項9に記載の補正方法。 - 前記転写部材の抵抗値と、前記抵抗値に対応付けられた前記第一の電流値と前記第二の電流値との電流値の差の閾値と、を記憶する記憶手段を有し、
前記第三の電流値を検知する工程により検知された前記第三の電流値と、前記電流検知手段が前記第三の電流値を検知したときに前記転写部材に印加された前記転写電圧と、に基づいて、前記転写部材の前記抵抗値を算出する算出工程と、
前記算出した前記抵抗値に応じた閾値を前記記憶手段より取得する取得工程と、
を実行することを特徴とする請求項10に記載の補正方法。 - 前記算出工程、及び前記取得工程は、前記第一の電流値を検知する工程を実行する前に、実行されることを特徴とする請求項11に記載の補正方法。
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