JP2017072655A - 画像形成装置 - Google Patents

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隆義 木原
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洸輔 井加田
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順仁 内藤
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Abstract

【課題】感光体の感光層の膜厚の長手方向におけるムラを精度良く検知し、その検知結果に基づいて、画像の形成不良を効果的に抑制することができる技術を提供する。
【解決手段】検知手段が検知する帯電部材の電流値に基づいて、帯電部材に印加される電圧の電圧値において感光体と前記帯電部材との間で放電が発生し始める放電開始電圧値を取得する取得部であって、感光体において静電像が形成される画像形成領域を記録材の搬送方向と直交する長手方向に複数の領域に分割することにより設定される複数の測定領域のうちの少なくとも1つの測定領域における放電開始電圧値を取得する取得部と、取得部が取得した放電開始電圧値に基づいて取得される、感光体の感光層の膜厚の長手方向におけるムラに基づき、記録材に転写される現像剤像の濃度の前記長手方向におけるムラを低減させるムラ抑制制御を実行する制御部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子写真画像形成方式を用いた画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式を採用する画像形成装置において実行される画像形成工程には、ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラム)の表面を所定の電位に均一に帯電処理する工程が含まれる。帯電手段としては、例えばローラ帯電部材(以下、帯電ローラ)を感光ドラム表面に当接し、この帯電ローラに電圧を印加して感光ドラムを帯電する接触帯電方式が現在主流となっている。帯電ローラに対する電圧の印加方法としては直流電圧を印加する方式と、直流電圧に交流電圧を重畳し、プラス側、マイナス側への放電を交互に起こすことで帯電を均一化する方式と、がある。後者の方式においては、帯電ローラと感光ドラム間の抵抗性負荷に流れる抵抗負荷電流と、帯電ローラと感光ドラム間の容量性負荷に流れる容量負荷電流と、帯電ローラと感光ドラム間の放電電流とが流れ、これらが合計された電流が帯電ローラに流れる。この際、安定した帯電を得るためには放電電流量を所定値以上にすると良いことが経験的に分かっている。
図18に、帯電ローラに交流電圧Vcを印加した際、帯電ローラに流れる電流Ic特性を示す。交流電圧Vcは、交流電圧のピーク電圧値、電流Icは交流電流の実効値を示している。図18より、交流電圧Vcの振幅を徐々に上昇させると、これに伴って帯電電流が増加する。所定電圧Vhの2倍以下の場合には、交流電圧の振幅と帯電電流とは略比例している。これは抵抗負荷電流と容量性負荷電流とが電圧振幅に比例するとともに、電圧振幅が小さいために放電現象が発生せず放電電流が流れないためである。そして、交流電圧をさらに大きくしていくと、所定電圧Vhの2倍で放電現象が始まる。このとき、帯電電流Icは比例関係から外れ、放電電流Is分だけ多く流れる。ここで安定して帯電させるためには、この放電電流Isが所定値以上になるように交流電圧Vcを設定する必要がある。
しかしながら、帯電ローラから感光ドラムへの放電量が増えた場合、感光ドラムの削れ等の感光ドラム劣化が促進されるとともに、放電生成物による高温高湿環境での画像流れ等の異常画像が発生する場合があった。よって、前記問題を解決するためには安定した帯電を得ると共に、放電量を極力抑えた必要最低限の電圧印加に制御する必要がある。しかし、実際には感光ドラムへの印加電圧と放電量の関係は常に一定ではなく、感光ドラムの感光体層や誘電体層の膜厚、帯電部材や空気の環境変動等により変化する。放電量の変化による不具合は、前述の環境変動による原因の他に、帯電部材の製造ばらつきや汚れによる抵抗値変動、耐久による感光ドラムの静電容量変動、画像形成装置本体の高圧発生装置の特性ばらつきなどでも発生することが判っている。
このような放電量の変化を抑制するために、「放電電流制御方式」が提案されている(特許文献1参照)。また、上記に述べたように感光体は使用環境や使い方に伴い電気的な特性が変化する。特に、膜厚が変化することで画像濃度が変化し出力画像の濃度等に影響を与え、画像が変わってしまうことが知られている。感光ドラムの表面電位状態を知る手段として、パッシェンの法則にしたがって放電開始電圧を検出することで、感光体の電位状態を簡易的に検出する手段が提案されている(特許文献2,特許文献3)。
特開2004−157501号公報 特開2011−118234号公報 特開2012−13881号公報
しかしながら、近年進んでいる画像形成装置の高寿命化や市場においての使用方法の多様化に伴って、帯電ローラの汚れや感光ドラムの膜厚変化に長手方向でムラが生じてしまう場合があった。これは、例えば画像形成プロセス方向(記録材の搬送方向)と垂直な方向(以下長手方向)において印字部に偏りがある画像を形成し続けた場合に発生する可能性がある。その他、感光ドラムと紙等の記録材が直接当接する方式の画像形成装置において、封筒や葉書等の小サイズの記録材を使用し続けることで起きてしまう可能性もある。
上記のような偏りがある印字や小サイズ等の通紙が長期にわたり行われた結果、感光ドラムの膜厚に長手方向でムラが生じるとインピーダンスが長手方向で異なる状態となり、長手方向において放電しやすい部分と放電しにくい部分ができてしまう。したがって、上記放電電流制御では長手全体の放電量を検知しているため、適正より低い放電量になる部分や、適正より高く放電して感光ドラムの削れ量が促進される部分が存在する場合がある。感光ドラムの削れ量が促進され長手方向の膜厚ムラが発生すると、レーザ露光部の電位状態に差が生じてしまい、この露光部の電位差が現像コントラストの差となり長手で現像性が異なってしまう。よって、感光ドラムの長手領域において画像形成に適正な電位を均一に得られることができないと、長手方向に濃度ムラ等の画像不良を発生させてしまう。このような感光ドラムの膜厚ムラを事前に予測して放電量を決定すればよいが、このような現象はユーザの使用状況によって大きく変化するので予測は困難である場合がある。
本発明の目的は、感光体の感光層の膜厚の長手方向におけるムラを精度良く検知し、その検知結果に基づいて、画像の形成不良を効果的に抑制することができる技術を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、
記録材に転写される現像剤像を形成するための静電像が形成される感光体と、
前記感光体に近接又は接触配置され、電圧が印加されることにより、前記感光体を帯電させる帯電部材と、
前記帯電部材に電圧を印加する電圧印加手段と、
前記感光体を露光する露光手段と、
前記帯電部材に流れる電流の電流値を検知する検知手段と、
前記検知手段が検知する電流値に基づいて、前記帯電部材に印加される電圧の電圧値において前記感光体と前記帯電部材との間で放電が発生し始める放電開始電圧値を取得する取得部であって、前記感光体において静電像が形成される画像形成領域を記録材の搬送方向と直交する長手方向に複数の領域に分割することにより設定される複数の測定領域のうちの少なくとも1つの測定領域における、前記放電開始電圧値を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記放電開始電圧値に基づいて取得される、前記感光体の感光層の膜厚の前記長手方向におけるムラに基づき、記録材に転写される現像剤像の濃度の前記長手方向におけるムラを低減させるムラ抑制制御を実行する制御部と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、感光体の感光層の膜厚の長手方向におけるムラを精度良く検知し、その検知結果に基づいて、画像の形成不良を効果的に抑制することができる。
本発明の実施例1におけるムラ抑制制御のフローチャート 本発明の実施例に係る画像形成装置の概略図 放電電流制御ブロック図 放電電流制御回路図 放電電流検出方法の説明図 放電電流制御検出波形図 DCバイアス放電開始電圧検知回路図 帯電部材のV−I特性の概略図 露光部を測定領域とする部分放電開始電圧測定の概略図 非露光部を測定領域とする部分放電開始電圧測定の概略図 本発明の実施例における感光ドラムの測定領域の説明図 感光ドラムの帯電電位及び露光電位と膜厚の相関図 本発明の実施例1における測定領域Dと評価通紙条件を示す概略図 感光ドラムの表面電位の長手方向の分布とACバイアスとの関係 露光量とドラム電位のE−Vカーブ 本発明の実施例2におけるムラ抑制制御のフローチャート 本発明の実施例3におけるムラ抑制制御のフローチャート 帯電部材のV−I特性の概略図
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
本発明の実施例に係る画像形成装置の具体例としては、例えば、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置が挙げられる。本発明は、そのような画像形成装置において、感光ドラム表面において長手方向(記録材の搬送方向に直交する方向)に所定の範囲を有する測定領域を設定する。そして、その測定領域における放電開始電圧値を検知(取得)することで(部分放電開始電圧検知)、感光ドラムの感光体層の長手膜厚ムラを検知(取得)する。そして、その検知結果に基づいて所望の制御を実施することで、記録材に転写される現像剤像の濃度の長手方向におけるムラを低減させ、画像形成不良の発生を抑制することを特徴としている。
<画像形成装置とプロセスカートリッジの構成と動作の概略>
図2は、本発明の実施例に係る画像形成装置1の概略断面図である。画像形成装置1は、感光体、像担持体としての感光ドラム3、半導体レーザ5にて感光ドラム3上にレーザビームを走査するレーザスキャナ4(露光手段)、を備える。さらに、画像形成装置1は、感光ドラム3上を一様に帯電するための帯電部材、帯電手段である帯電ローラ6、感光ドラム3上に形成された静電潜像(静電像)を現像剤で現像する現像剤担持体としての現像ローラ7、現像剤を格納する現像器8、を備える。感光ドラム3、帯電ローラ6、現像ローラ7、現像器8、種々の情報を記憶する不揮発性メモリ9は、プロセスカートリッジ2として一体的に構成されている。プロセスカートリッジ2は、画像形成装置1の装置本体に対して着脱可能(交換可能)に構成されている。ここで、画像形成装置1の装置本体とは、画像形成装置1におけるプロセスカートリッジ2を除いた構成部分のことを指す。
画像形成装置1は、さらに、感光ドラム3に現像された現像剤像を記録材11に転写す
るための転写ローラ10、記録材11に転写された現像剤を熱と圧にて定着するための定着器12、定着器12の温度を制御するための温度サーミスタ13、を備える。また、画像形成装置1は、記録材11を給紙する給紙ローラ14、記録材11の搬送と感光ドラム3の回転との同期をとるためのトップセンサ15を備える。また、画像形成装置1は、現像剤像が定着された後の記録材11(画像が形成された記録材11)を排紙トレイ17へ排出するための排紙ローラ16、現像剤像の定着後の記録材11の有無を検出するための排紙センサ18、を備える。さらに、画像形成装置1は、CPU20(制御部)を備え上述した各構成を制御するエンジンコントローラ19、画像形成装置1の外部環境を検知する環境センサ21、を備える。
<帯電部の制御>
図3は、本実施例に係る画像形成装置の帯電部の制御を行うブロック図である。CPU20は、演算部30、記憶部31、交流電圧用駆動信号発生部32を有する。放電電流制御回路33は、CPU20から信号を送られることで放電電流を制御しながら帯電ローラ6に電圧を印加する(電圧印加手段)。CPU20は、環境センサ21の出力値を検知し、出力値に応じた放電電流回路33の制御を行う。放電電流制御回路33の詳細な動作は後述する。
<放電電流制御>
図4は、本実施例における放電電流制御回路33の回路図である。放電電流制御回路33では、正弦波電圧印加部50で発生させた正弦波の交流高圧を、直流高圧回路51で出力される直流電圧に重畳させる。その振動電圧が帯電ローラ6に供給される。また、交流電流値検出手段としての交流電流検知部52の検知出力値に応じて、一定の振動電圧出力レベルとなるように交流電流値が制御される。さらに放電電流制御回路33は、電圧振幅値検出部であるピーク電圧検出回路53と微分振幅値検出部である微分波形ピーク電圧検出回路54とを有する。これにより、CPU20は、出力する交流電圧のピーク値と微分波形ピーク値を検出することができる。
図5は、本実施例における放電電流の検出方法を説明するための図であり、帯電ローラ6に印加される交流電圧のピーク値及び、微分波形のピーク値と帯電交流電流値の特性を示している。図5に示すように、帯電交流電圧が放電開始電圧(Vh)の2倍以下の領域では、帯電電流値の帯電交流電圧に対する関係式は、原点を通るほぼ比例の直線で表される。この領域においては、帯電ローラ6と感光ドラム3との間の抵抗性負荷および容量性負荷に応じた電流が流れる。これに対し、帯電交流電圧が放電開始電圧(Vh)の2倍以上の領域においては、帯電ローラ6と感光ドラム3との間に放電電流が発生し、この放電電流値が加算された帯電電流値Icが流れる。放電開始領域においては、放電する場合の特性を500で表し、放電しない場合の特性を501で表す。ここで特性500および特性501の関係から放電電流値を算出することができる。また、放電する場合のピーク値Va、放電しない場合のピーク値Va´、帯電電流Icの場合に、放電電流値Isは、以下の式(1)により求められる。
Is=Ic×(Va´−Va)/Va´ … 式(1)
つまり、(Va´−Va)/Va´を知ることができれば帯電電流に対する放電量が検知できる。
図6を用いて(Va´−Va)/Va´の求め方を説明する。図6は、本実施例における放電電流制御検出波形図を示す。図6(A)に、帯電ローラ6に印加されている帯電出力波形、図6(B)に、帯電出力の微分波形を示している。縦軸に出力波形を示し、横軸は時間を示している。帯電電圧の出力波形は、放電の影響を受けてピーク付近のレベルがΔV(=(Va´−Va))だけ下がった形状になる。また、微分電圧の波形については位相が90°遅れるため、ピーク値が放電の影響を受けることがない。そのため、微分電
圧のピーク値(Vb)が、放電しない場合の出力電圧のピークレベル(Va´)に相当する。したがって、(Va´−Va)/Va´を求めることができる。図5、図6に示した方法によって、放電電流値Isになるように帯電電流値Icを調整している。
<長手膜厚ムラの検知方法>
上述した課題を解決するため、本実施例では感光ドラム3表面の放電開始電圧値を長手方向において部分的に検知し、それらの測定結果に基づいて感光ドラム3表面の露光電位Vlを長手方向に検知する。露光電位Vlとドラム膜厚Tの関係性からドラムの膜厚変化を求めることができ、感光ドラム3の長手方向の膜厚ムラとして検知することができる。上記の関係性は、帯電電位Vdにおける露光電位Vlと膜厚の関係を予め求めておくことで算出可能となる。
ここで、感光ドラム3は、電荷発生物質や電荷輸送物質などの光導電性物質からなる層(感光体層)を支持体上に形成した構成を有しており、以下、感光ドラム3の膜厚とは、感光体層の膜厚のことを指す。なお、感光ドラム3の構成としては、導電性の支持体の表面を被覆するための導電層、導電層から感光体層への電荷注入を阻止するための電気的バリア性を有する中間層を感光体層と支持体の間に設ける場合がある。また、感光ドラムの寿命としては、電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを積層してなる積層型感光ドラムの場合では、電荷輸送層としての表面層(CT層)が削れた後に残る膜厚量で決定する場合が多い。例えば、アルミシリンダ等の導電性支持体である基体上に導電層約30μm、中間層と電荷発生層で約1μm、電荷輸送層15μmの感光ドラムの場合、感光ドラムの初期膜厚は15μmとされる。なお、ここで示した構成はあくまで一例であり、本発明が適用可能な感光ドラムの構成はここで示した例に限定されるものではない。
図12は、感光ドラムの膜厚に対する帯電電位Vd及び露光電位Vlの関係性を示した図である。横軸は感光ドラム3の膜厚Tであり、縦軸は帯電電位Vdを右側に,露光電位Vlを左側に示している。帯電ローラ6への印加バイアスは−550Vで測定した。点線が帯電電位Vdのグラフ、実線が露光電位Vlのグラフである。この場合の帯電電位Vdは暗減衰量が20〜25V程度あるため、−530V程度になる。図からわかるように帯電電位Vdは膜厚:Tにかかわらず安定しているのに対し、露光電位Vlは膜厚:Tによって大きく変化しているのがわかる。特にドラム膜厚が10μm以下で露光電位Vlの変化量が顕著である。この関係性より、感光ドラム3のある測定領域Dの露光電位Vlを測定することで、感光ドラムの膜厚を検知することができる。
次に、感光ドラムの膜厚を検知するために必要な放電情報検知方法について説明する。
<放電情報検知方法:放電開始電圧検知方法>
本実施例では、放電情報検知手段に検知する放電情報として放電開始電圧値を用いる。
図3に示すように、本実施例に係る画像形成装置は、放電情報として放電開始電圧値を検知するため、DCバイアス放電開始電圧検知回路34を有する(取得部)。DCバイアス放電開始電圧検知回路34は、CPU20から信号を送られることで帯電ローラ6にDC電圧を印加しながら放電開始電圧を検知する。
図7は、本実施例におけるDCバイアス放電開始電圧検知回路34の概略構成を示す。DCバイアス放電開始電圧検知回路34は、概略、電圧設定回路部100、トランス駆動回路部101、高圧トランス部102、フィードバック回路部103、電流検出回路部(電流検知手段)104を備える。電圧設定回路部100は、PWM信号に応じて、バイアス値を変更可能に構成されている。フィードバック回路部103は、抵抗R61を介して出力電圧をモニタし、PWM信号の設定に応じた出力電圧値になるように設けられている。電流検出回路部104は、帯電ローラ6に流れる電流値I62とフィードバック回路1
03から流れる電流値I61を加算した電流値I63を抵抗R63で検出し、J110からアナログ値としてCPU20に伝送する。感光ドラム3と帯電ローラ6間で放電が開始するまでは、感光ドラム3と帯電ローラ6間は絶縁されている。そのため、放電が開始されるまでは、検出抵抗R63に流れる電流はフィードバック回路部103から流れてくるI61のみである。I61は、PWM信号で設定されるVpwmとVref、R64、R65で決められる。
I61=(Vref−Vpwm)/R64−Vpwm/R65
また、その電流値I61がフィードバック抵抗R61を流れることで、出力電圧も設定される。
Vout=I61×R61+Vpwm≒I61×R61
図8は、本実施例におけるV−I特性を示す図である。つまり、図8の直線(1)に示すように放電が開始されるまでは、PWM信号に応じた電流値I61の電流しか電流検出回路部のR63には流れない直線となる。しかし、感光ドラム3と帯電ローラ6間で放電が開始されると、帯電体に流れる電流値I62とフィードバック回路から流れる電流値I61を加算した電流値I63の電流が流れる。つまり、図8の曲線(2)に示すように放電が開始した時点で分岐点をもった曲線となる。このことより、帯電体に流れる電流は、曲線(2)から直線(1)を引いたIsdで算出することができる。そしてこの複数のIsdのうち、あるIsdが所定の電流値になった時点をDCバイアス放電開始電圧値と判断する。
さらに放電開始電圧を感光ドラム3の長手方向において部分的に検知する(感光ドラム3表面の長手方向における特定の領域における放電開始電圧を検知する)ためには、感光ドラム3を長手方向の全体にわたって均一に帯電する必要がある。そのためには十分な大きさの帯電交流電圧を印加しなければならない。本実施例では本装置構成における帯電ACバイアスの最大値を印加する。また、電圧印加の際に均一な帯電電位になっているかを確認する機構を持っていてもよい。以下に均一な帯電電位の確認機構について説明する。
まず所定のDCバイアスと最大のACバイアスを印加し、DCバイアス放電開始電圧検知回路34によりそのときの感光ドラム3の長手全体のDCバイアス放電開始電圧Vdcth1(ave)を検知する。次にACバイアス(PWM)を1つステップダウンさせて同様に所定のDCバイアスとそのACバイアスを印加し、DCバイアス放電開始電圧検知34によりそのときの感光ドラム3の長手全体のDCバイアス放電開始電圧Vdcth2(ave)を検知する。感光ドラム3の静電容量容量をCd、帯電ローラ6と感光ドラム3間の静電容量をCとすると、感光ドラム3の長手全体のDCバイアス放電開始電圧はそれぞれ、次式で表される。
Vdcth1(ave)=(1+C/Cd)Vpa+Vd1(ave)
Vdcth2(ave)=(1+C/Cd)Vpa+Vd2(ave)
そして、これら2式から、次の関係式を得ることができる。
Vdcth1(ave)−Vdcth2(ave)=Vd1(ave)−Vd2(ave)
ここで、Vd1(ave)は、最大のACバイアスで帯電された感光ドラム3の表面電位の長手方向における平均の電位である。また、Vd2(ave)は、設定値が最大から一つステップダウンしたACバイアスで帯電された感光ドラム3の表面電位の長手方向における平均の電位である。
図14は、感光ドラム3の表面電位の長手方向の分布とACバイアスとの関係を示す図である。図14(a)は、長手方向において放電発生のムラがある場合の帯電電位を示している。ACバイアスによる帯電は、正放電と逆放電を繰り返すことで一定の帯電電位に
安定させるが、ACバイアスが低いと、放電発生に長手方向のムラがある場合、帯電においても長手方向のムラを引き起こす。図14(b)は、ACバイアスを上げた場合の帯電電位を示している。図に示すように、ACバイアスを上げていけば放電量が長手全体で上昇し、感光ドラム3の電位は長手方向において均一化される。図14(c)は、放電に長手方向のムラがない場合の帯電電位を示している。ACバイアスを更に上げていけば、それに伴って平均電位は上昇していく。長手方向全体で感光ドラム3の帯電電位が均一になると平均電位は一定の値にとどまる。
このことから、Vdcth1(ave)とVdcth2(ave)を比較することで帯電電位の均一性を確認できる。具体的には、Vdcth1=Vdcth2ならばVd1=Vd2であり、感光ドラム3の表面電位が長手方向において均一化されていると判断できる。逆に、Vdcth1≠Vdcth2ならばVd1≠Vd2であり、感光ドラム3表面を十分に帯電できていないと判断する。この場合は、どのような電圧を印加したとしても品質的に安定した画像を提供することができない状態と判断できるので、プロセスカートリッジが寿命に到達したとして、ユーザに報知する等の対応をとることが必要となる。
図9、図10を用いて感光ドラム3の長手方向における部分的な放電開始電圧の検知方法について説明する。図9は、測定領域D(i)(複数の測定領域のうち放電開始電圧値の取得対象となる一の測定領域)のみを露光したときの部分放電開始電圧の検知方法を説明する図である。横軸は、感光ドラム3の長手方向における位置であり、原点を感光ドラム3の表面の一方の端部の位置とし、軸の進む方向に向かって一方の端部から他方の端部に近づいていくことを示している。また、縦軸は感光体ドラムの表面電位であり、負極性で数値が高くなるほどマイナス方向に絶対値が大きくなることを示している。すなわち、図9は、感光ドラム3の長手方向に沿った表面電位の変化(違い)を示している。
まず、図9(a)のように、感光ドラム3を均一に帯電(帯電電位:Vd)する。次に、図9(b)のように、レーザスキャナ4により測定領域D(i)のみ露光し、露光電位(Vl)にする。さらに、図9(c)のように、DCバイアス放電開始電圧検知回路34を用いて帯電ローラ6にDCバイアス(Vdc)を印加し、一部露光電位とした形でDCバイアス放電開始電圧を測定する。その結果、露光電位を形成した測定領域D(i)のDCバイアス放電開始電圧Vth1(i)(第1の放電開始電圧値)が得られる。
このとき、帯電ローラ6に印加するDCバイアス(Vdc)は、ドラム電位との大きさの差が測定領域D(i)よりも非測定領域において小さくなり、かつ測定領域D(i)と非測定領域のいずれのドラム電位に対しても同じ極性側で大きさに差を有する値とする。図9の場合では、測定領域D(i)のドラム電位は露光電位(Vl)であり、非測定領域のドラム電位は帯電電位(Vd)である。よって、その大きさが帯電電位(Vd)に近い大きさとなり、かつ、露光電位(Vl)と帯電電位(Vd)のいずれに対しても同じ負極性側に大きさの差を有するDCバイアス(Vdc)を印加する。そうすることで、測定領域のみの放電開始電圧を求めることができる。
測定領域D(i)の感光ドラム容量をCd(i)、帯電ローラ6と感光ドラム3間の容量をC(i)として等価回路で考えると、DCバイアス放電開始電圧の大きさは、次式で表される。
Vth1(i)=−(1+C(i)/Cd(i))Vpa−VL(i) … 式(2)
ここで、Vpaはパッシェン電圧であり気圧と放電間距離の関数である。
図10は、測定領域D(i)(複数の測定領域のうち放電開始電圧値の取得対象となる一の測定領域)のみを非露光部としたときの部分放電開始電圧の検知方法である。横軸は、感光ドラム3の長手方向の位置であり、縦軸は、感光体ドラム3の表面電位であり、負
極性で数値が高くなるほどマイナス方向に絶対値が大きくなることを示している。図9と異なり部分放電開始電圧検知での測定領域を非露光部とし、露光部を非測定領域としている。
まず、図10(a)のように、感光ドラム3を均一に帯電(帯電電位:Vd)する。次に、図10(b)のように、レーザスキャナ4により測定領域D(i)以外の部分を露光し、露光電位(Vl)にする。さらに、図10(c)のように、DCバイアス放電開始電圧検知回路34を用いて帯電ローラ6にDCバイアス(Vdc)を印加し、一部露光電位とした形でDCバイアス放電開始電圧を測定する。その結果、露光電位を形成した測定領域D(i)のDCバイアス放電開始電圧Vth2(i)(第2の放電開始電圧値)が得られる。
このとき、帯電ローラに印加したDCバイアス(Vdc)は、図9を用いて説明した場合と同様に、その大きさを設定する。すなわち、DCバイアス(Vdc)は、ドラム電位との大きさの差が測定領域D(i)よりも非測定領域において小さくなり、かつ測定領域D(i)と非測定領域のいずれのドラム電位に対しても同じ極性側で大きさに差を有する値とする。図10の場合では、測定領域D(i)は帯電電位(Vd)であり、非測定領域は露光電位(Vl)である。よって、その大きさが露光電位(Vl)に近い大きさとなり、かつ、帯電電位(Vd)と露光電位(Vl)のいずれに対しても同じ正極性側に大きさの差を有するDCバイアス(Vdc)を印加する。そうすることで、測定領域のみの放電開始電圧を求めることができる。
図9を用いて説明した場合と同様に、放電開始電圧の大きさは次式で求めることができる。
Vth2(i)=(1+C(i)/Cd(i))Vpa−Vd … 式(3)
図9、図10を用いて説明したように、感光ドラムの長手方向にて同じ測定領域D(i)を露光電位(Vl)と帯電電位(Vd)を用いて、各々の放電開始電圧を測定することでVth1(i),Vth2(i)を求めることができる。そうすると、測定領域D(i)の感光ドラム容量をCd(i)、帯電ローラ6と感光ドラム3間の容量をC(i)の成分を無視することができ、測定領域D(i)の露光電位(Vl)を正確に算出することができる。つまり、式(2)、式(3)より下記式(4)が得られる。
式(2)+式(3):Vth1(i)+Vth2(i)=−(Vl(i)+Vd) …式(4)
そして、式(4)より下記式(5)が得られ、Vl(i)を求めることができる。
Vl(i)=−(Vth1(i)+ Vth2(i))−Vd … 式(5)
したがって、上記工程を、感光ドラム3の表面を長手方向に複数の領域に区切って各領域ごとに行うことで、長手方向におけるVl変化(Vl(1),Vl(2),・・・,Vl(x))を精度良く求めることができる。
次に部分放電開始電圧検知を行う感光ドラムにおける長手方向の測定領域について説明する。本発明の実施例は、感光ドラムの長手方向の膜厚ムラを検知することを特徴としており、長手方向に所定の範囲を有する測定領域を少なくとも1箇所設定する。
図11は、本発明の実施例における感光ドラムの測定領域の例を示す図である。図11(a)は、感光ドラム3表面の画像形成領域(印字可能領域)を長手方向を均一に7等分し、それぞれの領域で上記部分放電開始電圧検知を行う場合の説明図である。同図のように、画像形成領域を長手方向に分割して部分放電開始電圧検知を行うことで、各々の測定領域D(i),(i=1〜7)のVlを検知することができる。Vlの検知結果より、感光ドラム3の感光層の長手方向における膜厚の削れムラを検知することができる。なお、
測定領域の設定方法は、このように画像形成領域を等分に分割する方法に限られない。
図11(b)は、実際に通紙する紙(記録材)のサイズに合わせて測定領域を決めてもよい。図示のように、小,中,大のサイズ紙に合わせて各測定領域を決定することで、通紙による感光ドラム3の削れ量を考慮に入れた測定が可能となり、より精度の高い測定が可能となる。このような測定領域の設定においても、上記算出方法より、各々の測定領域D(i)のVl(i)を求めることができる。
本実施例では、図11に示すように、測定領域D(i)を5〜7等分して感光ドラム3の長手方向の複数箇所におけるVlを求める例を示した。しかし、測定領域D(i)は長手方向に所定範囲の領域を有する少なくとも1箇所を設定し、その測定領域DのVlを測定し、膜厚を検知することで感光ドラムの膜厚ムラを検知することができる。
本実施例では、放電情報として放電開始電圧を用いて放電開始電圧を検知することで測定領域の露光電位Vlを検知している。しかし、所望の測定領域の露光電位Vlを検知する効果が得られるのであれば検知方法はこれに限らない。例えば、帯電ローラ6もしくは転写ローラ10から放電される放電電流を検知することで測定領域の露光電位Vlを検知しても良い。
また、本実施例では、感光体ドラム3に近接又は接触配置され、電圧印加により感光ドラム3を帯電する帯電部材として、帯電ローラ6を用いた場合について説明した。しかし、同様の効果が得られるのであれば、帯電ローラ6以外の導電部材を用いてもよい。例えば、図2中に示している、電圧印加によって感光ドラム3との間に転写バイアスを発生させる転写ローラ(転写部材)10を用いても良い。
<放電情報の測定結果に基づいた制御:画像形成時の電位制御>
本実施例では、放電情報を検知して検知結果より感光ドラムの膜厚を精度よく検知する方法を説明した。次に検知結果に基づいた所望の制御の一例として、画像形成時の電位制御について説明する。
初期状態の感光ドラム3の表面電位は、帯電電位Vdは−500V,露光電位Vlは−150Vとし,現像バイアスVdcは−350Vと設定した。使用され続けると感光ドラム3の現象電位及び露光電位Vlの上昇が発生する。そのままであると、現像コントラストが十分に確保することができず、濃度薄や階調性の低下などの画像不良が発生する場合がある。そこで、検知結果に基づいて帯電バイアス及び現像バイアスを可変して印加することで初期状態と同様な電位制御を実施することができる。
例えば、4%印字率でCS680紙A4サイズ紙を2枚間欠で30000枚通紙したとき、上記放電情報検知手段により検知される感光ドラム3の露光電位Vlは−170Vであった。検知結果に基づいて、印加する帯電バイアス及び現像バイアスを−20V増やすことで、初期状態と同様の現像コントラストで画像形成を行うことができる。
本実施例では、画像形成時の電位制御として印加する帯電バイアス及び現像バイアスを可変することで電位制御を実施している。しかし、同様の効果が得られるのであればこれに限らない。例えば、検知結果に基づいて露光手段によってレーザ露光量を可変して露光電位Vlを初期状態にすることで画像形成時の電位制御を実施しても良い。
上述した本実施例の特徴である、部分的な放電開始電圧検知によって感光ドラムの長手膜厚ムラを検知し、その検知結果に基づいて感光ドラムの長手膜厚ムラ抑制制御を実施する構成について、より具体的な適用例を以下説明する。
<長手膜厚検知後の制御:ドラム膜厚ムラ抑制制御>
感光ドラム3の削れ量は、帯電ローラ6等による帯電によって放電される放電電流量とクリーニングブレード(回転する感光ドラム3の表面に摺動当接して該表面からトナーを除去するクリーニング部材)の当接圧によって決定される。本実施例では、23℃50%RHの環境にて放電電流量:180μA,クリーニングブレートの当接圧:45gf/cmの条件で実施した。また、図12にて説明したように、感光ドラム3の膜厚が10μm以下の領域において、膜厚差(膜厚が相対的に厚い領域と相対的に薄い領域との膜厚の差)が3μm以上あると露光部電位Vlの電位差が約40V以上になることが分かっている。この条件でベタ画像を印字するとになると顕著に濃度薄が発生することが分かっている。つまり、感光ドラム3の長手方向において、3μm以上の膜厚差が発生すると濃度の濃い部分と薄い部分のムラが顕著に発生する。さらに、使用初期及び長期使用における前半は濃度ムラが発生しにくく、感光ドラムの削れ量の蓄積によって徐々に顕在化するという課題がある。
そこで、本実施例では、部分放電開始電圧検知方法により感光ドラム3の膜厚が10μm以下(第1の閾値以下)になり、かつ感光ドラム3長手方向に3μm以上(第2の閾値以上)膜厚ムラがあると判断したときに、ドラム膜厚ムラ抑制制御を実施する。
ドラム膜厚ムラ抑制制御としては、画像形成動作後に帯電ローラ6によって感光ドラム3上を一旦帯電したのち、ドラム膜厚が大きいと判断した測定領域D(i)のみをレーザスキャナ4により露光する。露光された測定領域D(i)に対して、帯電ローラ6によりDCバイアスを印加して積極的に放電させて感光ドラム3を回転させる。つまり、放電量をドラム膜厚の厚い個所のみに積極的に増加させて削れ量を増やす。そうすることで、感光ドラム3の長手一部のみの削れ量を促進させ、感光ドラム3の膜厚を長手方向に略均一にそろえることができる。
<評価条件>
実施例1は、検討条件として、23℃50%RHの環境において、解像度を600dpi、プロセススピードを235mm/sec、レーザ露光量を2.0mJ/m^2とした。また、本実施例では負極性のトナーを使用したが、正極性のトナーを使用してもよい。この場合はバイアス等の符号が全て逆となる以外は構成として変わらない。測定は、4%印字率でCS680紙A6サイズ紙を2枚間欠で40000枚通紙し、5000枚毎にベタ白画像1枚とベタ黒画像1枚を印刷した。通紙は、小サイズのため感光ドラム3の長手方向片側に寄った領域を紙が搬送されるように設定した。感光ドラム3の削れムラの画像弊害としては、長手方向の濃度ムラを画像上にて確認した。画像弊害を確認する評価紙はXerox Business4200を使用した。初期状態の感光ドラム3の表面電位は、帯電電位Vdは−500V,露光電位Vlは−150Vとし,現像バイアスVdcは−350Vと設定した。
図13は、実施例1における測定領域Dと通紙条件を示している。実施例1では、感光ドラム3表面の画像形成領域を長手方向に7分割して測定領域D(1)〜D(7)とした。通紙は、感光ドラムの測定領域D(6)、D(7)に重なる領域を通紙する。つまり、測定領域D(6)、D(7)の領域に偏ってトナーを印字しつつ、記録紙の通紙を実施している。
ドラム膜厚ムラ抑制制御が必要であると判断すると、その後の後回転で感光ドラム3の回転を約4sec間延長し、感光ドラム3の通紙していない測定領域D(1)〜D(5)をDCバイアス印加して帯電して、露光及び現像することで削れを促進させた。後回転時の感光ドラム3の回転時間は、本構成で2枚間欠プリントしたときのドラム回転時間と同
様になるように設定した。しかし、同様の効果が得られればこれに限らずドラム回転時間をさらに長くする、もしくは放電量を多くする等の動作により、ドラム膜厚が厚い個所のみを削る効果が得られれば良い。
実施例1におけるドラム膜厚ムラ抑制制御は、プリントジョブの後回転を延長してドラム膜厚ムラを抑制する構成を示して説明した。しかし、同様の効果が得られればこれに限らずドラム膜厚が厚い個所のみを削る構成であれば問題ない。例えば、画像形成の前工程で同様の処理を行っても良いし、帯電ローラ6でなく転写ローラ10を用いても良い。
<長手膜厚ムラ抑制制御フローチャート>
図1は、本発明の実施例1における感光ドラム3の長手方向の部分放電開始電圧の検知及びドラム膜厚ムラ検知結果に基づく長手膜厚ムラ抑制制御について説明するフローチャートである。
まず、画像形成装置1の電源がONされるもしくはプリントコマンドが受信される(S101)。次に、部分放電開始電圧を検知するかどうかを決定する(S102)。感光ドラム3の長手膜厚ムラは経時変化によって起きるため、部分放電開始電圧は常に測定する必要はない。本実施例では1000枚程度で感光ドラム3の削れに伴う濃度ムラの画像不良が発生しやすかったため、1000枚毎に1回部分放電開始電圧の測定を実行した。その間は直近で実施した測定結果に基づいてプリント動作を開始する。なお、測定の実施頻度は、画像形成装置の構成に則して適宜設定すればよい。
部分放電開始電圧測定を実施する場合、測定領域D(1)を決定した後(S103)、感光ドラム3を均一に帯電できるよう十分な大きさのバイアスを帯電ローラ6に印加する(S104)。そして、測定領域D(1)をレーザ露光して露光電位Vl(1)にして、DCバイアス放電開始電圧検知回路34によりDCバイアス放電開始電圧を検知する(S105)。同様に、測定領域D(1)以外の領域D(2)〜D(7)(非測定領域)をレーザ露光して測定領域D(1)に対応する帯電電位Vd(1)とし、DCバイアス放電開始電圧を検知する(S106)。この測定領域D(i)(i=1〜7)での放電開始電圧検知を感光ドラムの長手領域にわたってそれぞれ実行する(測定領域D(2)〜D(7)についても同様に検知を実施する)。i=7であれば測定終了と判断する(S107)。i=7でなければ、次の測定領域Dの放電開始電圧検知を実施する(S108)。
それぞれの測定領域D(1)〜D(7)の部分放電開始電圧検知結果より、感光ドラム3の膜厚を算出し測定結果を得る(S109)。この測定結果に基づいて画像形成装置内の記憶手段に格納してある濃度ムラ閾値と比較し、感光ドラム3の膜厚ムラが低ければ問題なしと判断して通常のプリント動作を開始する(S110)。もし、感光ドラム3の濃度ムラ閾値を超えて長手の膜厚ムラが発生している場合では、濃度ムラが発生する可能性があると判断する。すると、画像形成に対して補正するように後回転時にドラム膜厚ムラ抑制制御を実行するようにする(S111)。
実施例1では部分放電開始電圧検知により感光ドラムの膜厚ムラを測定し、ドラム膜厚ムラ抑制制御を必要と判断されると、その後のプリントジョブの後回転毎に必ず制御を投入するようにした。その後の印字や通紙履歴等により感光ドラムの膜厚ムラが均一になれば、ドラム膜厚ムラ抑制制御を停止する。
また、ドラム膜厚ムラ抑制制御による膜厚ムラの補正領域は、感光ドラム3の長手方向1箇所に限らず複数の測定領域に対して有効である。実施例1においては、測定領域D(1)〜D(5)に対してプリントジョブの後回転を延長してドラム膜厚ムラを抑制する構成を示して説明した。しかし、通紙条件や印字条件によっては測定領域の数を可変させる
、又は補正領域が離れていても問題ない。例えば、通紙条件により感光ドラムの両端部が削れていると判断すれば、補正領域をD(2)〜D(6)等に可変するように行うことが可能である。
<効果確認>
本実施例の効果を確認するために、感光ドラム3の長手膜厚ムラ検知及びドラム膜厚ムラ抑制制御を組み入れた方法と従来の放電電流制御方法である比較例において画像弊害を確認した。比較例の構成は、部分放電開始電圧検知及び検知結果よりドラム膜厚ムラ抑制制御を実施しない以外は本実施例と同じなので、説明は割愛する。
下記表1は、その結果を示している。表内の○は画像不良発生なしを表している。×はベタ画像に濃度ムラが発生しているレベルを表している。比較例は、30000枚通紙時より画像ムラが発生している。比較例では、部分放電開始電圧検知及び検知結果よりドラム膜厚ムラ抑制制御を実施しないため、そのまま通紙し続けていくと40000枚まで続けて濃度ムラが発生している。40000枚通紙後の測定領域D(1)〜D(5)の露光電位Vlは−160Vであり、ドラム膜厚は10μmであった。また、測定領域D(6)、D(7)の露光電位Vlは−210Vであり、ドラム膜厚は6μmであった。
これに対し、実施例は、1000枚毎に部分放電開始電圧検知を実施することで、感光ドラム3の長手膜厚ムラを検知している。そのため、本実施例では25000枚通紙したところからドラム膜厚ムラ抑制制御を実施することで濃度ムラの画像レベルが良化していることがわかる。実施例では、40000枚まで濃度ムラの画像不良は発生しなかった。このときの測定領域D(1)〜D(5)の露光電位Vlは−190Vであり、ドラム膜厚は8μmであった。また、測定領域D(6)、D(7)の露光電位Vlは−210Vであり、ドラム膜厚は6μmであった。これらの結果から、本実施例では、ドラム膜厚ムラに伴う画像弊害である長手の濃度ムラを効果的に抑制することができたことがわかる。したがって、本実施例によれば、部分放電開始電圧検知を行いその検知結果より感光ドラム3の膜厚ムラを算出し、測定結果に基づいてドラム膜厚ムラ抑制制御を実施することで濃度ムラを良化させることができ、効果を実証することができた。
Figure 2017072655
(実施例2)
実施例1は、放電開始電圧検知の検知結果より感光ドラムの長手膜厚ムラ抑制制御を実施することで濃度ムラを抑制することを特徴としていた。本発明の実施例2は、放電開始電圧検知によって感光ドラムの長手膜厚ムラを検知し、その検知結果に基づいて感光ドラムの露光光量を長手方向で可変制御することを特徴としている。本実施例では、放電開始電圧検知によって感光ドラムの長手膜厚ムラを検知し、その検知結果に基づいて感光ドラムに照射するレーザ露光量を長手方向の領域ごとに可変制御することで感光ドラムの電位を制御し、濃度ムラ等の画像不良の発生を防止する。実施例2においてここで説明しない事項は、実施例1と同様であり、再度の説明を省略する。
<長手膜厚検知後の制御:ドラム長手光量可変制御>
図15は、実施例2における感光ドラム3の露光量:Eと表面電位:Vの関連性を示す図である。横軸がレーザ露光量:Eを示し、縦軸が感光ドラムの電位:Vを示している。
帯電ローラ6への印加バイアスは−530Vで測定した。図中に示すように、感光ドラム膜厚が15μmから10μm、5μmと変化するにつれてレーザ露光量に対する感光ドラム3の電位が変化しているのが確認できる。したがって、部分放電開始電圧検知の検知結果に基づいて、感光ドラム3の長手膜厚を検知し、ある測定領域Dのみを適切なレーザ露光量に変更することで感光ドラム3の露光電位Vlを長手方向に均一にし、適切な現像コントラストを確保することができる。
<長手光量の可変制御制御フローチャート>
図16のフローチャートを参照して、部分放電開始電圧検知の検知結果より感光ドラム3の長手膜厚ムラを検知し、その検知結果より感光ドラム3の長手光量の可変制御を実施する方法について説明する。評価及び検討条件は、実施例1と同様とした。なお、実施例2における部分放電開始電圧検知等の検知方法において、実施例1と重複する部分については割愛する。
図16は、本実施例における感光ドラムの長手方向の部分放電開始電圧の検知及びドラム膜厚ムラ検知結果に基づくドラム長手光量可変制御について説明するフローチャートである。まず、画像形成装置1の電源がONされるもしくはプリントコマンドが受信される(S201)。次に、部分放電開始電圧を検知するかどうかを決定する(S202)。感光ドラム3の長手膜厚ムラは、経時変化によって起きるので、部分放電開始電圧は常に測定する必要はない。本実施例では1000枚程度で感光ドラムの削れに伴う濃度ムラの画像不良が発生しやすかったため、1000枚毎に1回部分放電開始電圧の測定を実行した。その間は直近で実施した測定結果に基づいてプリント動作を開始する。なお、測定の実施頻度は、画像形成装置の構成に則した適宜設定すればよい。
部分放電開始電圧測定を実施する場合、測定領域D(1)を決定した後(S203)、感光ドラム3を均一に帯電できるよう十分な大きさのバイアスを帯電ローラ6に印加する(S204)。そして、測定領域D(1)をレーザ露光して露光電位Vl(1)にして、DCバイアス放電開始電圧検知回路34によりDCバイアス放電開始電圧を検知する(S205)。同様に、測定領域D(1)以外の領域D(2)〜D(7)(非測定領域)をレーザ露光して測定領域D(1)に対応する帯電電位Vd(1)とし、DCバイアス放電開始電圧を検知する(S206)。この測定領域D(i)(i=1〜7)での放電開始電圧検知を感光ドラムの長手領域にわたってそれぞれ実行する(測定領域D(2)〜D(7)についても同様に検知を実施する)。i=7であれば測定終了と判断する(S207)。i=7でなければ、次の測定領域Dの放電開始電圧検知を実施する(S208)。
それぞれの測定領域D(1)〜D(7)の部分放電開始電圧検知結果より、感光ドラム3の膜厚を算出し測定結果を得る(S209)。この測定結果に基づいて画像形成装置内に格納してある濃度ムラ閾値と比較し、感光ドラム3の膜厚ムラが低ければ問題なしと判断して通常のプリント動作を開始する(S210)。もし、感光ドラム3の濃度ムラ閾値を超えて長手の膜厚ムラが発生している場合では、濃度ムラが発生する可能性があると判断する。すると、画像形成に対して補正するように感光ドラム3長手方向の測定領域毎に光量可変制御を実施し、適切な露光電位Vlを形成して画像形成を実行するようにする(S211)。
ドラム長手光量可変制御による膜厚ムラの補正領域は、感光ドラム3長手方向1箇所に限らず複数の測定領域に対して有効である。実施例2においては、測定領域D(1)〜D(5)と測定領域D(6)、D(7)の各々の領域に対してレーザ露光量を可変させることでドラム膜厚ムラが発生していても露光電位Vlを均一にすることが可能になる。
<効果確認>
本実施例の効果を確認するために、実施例1と同様の効果確認を行った。比較例としてドラム長手光量可変制御を実行しないという条件以外は本実施例と同じなので、説明は割愛する。評価画像及び測定に関しては実施例1と同様の実施したため、説明を割愛する。
濃度ムラに対する検討結果は、実施例1で示した表1と同様の結果になった。比較例は、実施例1と同様に30000枚通紙時より画像ムラが発生している。比較例では、部分放電開始電圧検知及び検知結果よりドラム長手光量可変制御を実施しないため、そのまま通紙し続けていくと40000枚まで続けて濃度ムラが発生している。40000枚通紙後のレーザ露光量は、感光ドラム3の全領域で均一に2.0mJ/m^2の条件であった。このときの測定領域D(1)〜D(5)の露光電位Vlは−160Vであり、ドラム膜厚は10μmであった。また測定領域D(6)、D(7)の露光電位Vlは−210Vであり、ドラム膜厚は6μmであった。
これに対し、実施例は、1000枚毎に部分放電開始電圧検知を実施することで、感光ドラム3のレーザ露光量可変制御の判断している。本実施例では25000枚通紙したところからレーザ露光量可変制御を実施することで、濃度ムラの画像レベルが良化していることがわかる。実施例においては、40000枚まで濃度ムラの画像不良は発生しなかった。このときの測定領域D(1)〜D(5)のレーザ露光量を2.4mJ/m^2として露光電位Vlは−150Vであり、ドラム膜厚は10μmであった。また、測定領域D(6)、D(7)のレーザ露光量を2.8mJ/m^2として露光電位Vlは−150Vであり、ドラム膜厚は6μmであった。これらの結果から、本実施例では、感光ドラム3の長手方向に膜厚ムラが発生してもレーザ露光量を可変して制御することで、画像弊害である長手方向の濃度ムラを効果的に抑制することができたことがわかる。したがって、本実施例によれば、部分放電開始電圧検知を行いその検知結果より感光ドラムの膜厚ムラを算出し、測定結果に基づいてドラム長手光量可変制御を実施することで濃度ムラを良化させることができ、効果を実証することができた。
通紙条件や印字条件によっては、測定領域の数を可変させる、又は補正領域が離れていても問題ない。例えば、通紙条件により感光ドラム3の両端部が削れていると判断すれば、レーザ露光量の補正領域をD(1)、D(7)と、D(2)〜D(6)に可変することも可能である。また、感光ドラム3の長手方向における露光量を変更する手段として、本実施例ではレーザパワーを可変することで露光量を変化させ露光電位Vlを均一になるようにした。しかし、同様の効果が得られるのであればこれに限らず、感光ドラム3の露光電位を長手方向に均一にすることができれば問題ない。例えば、同じレーザパワーでも発光時間やディザパターンをコントロールして用いても良い。
さらに本実施例では、部分放電開始電圧検知結果に基づいて感光ドラム3の長手領域でレーザ露光量を変更するため、実施例1で行っていた長手膜厚ムラ抑制制御よりも制御時間を短縮することができる。また、レーザ露光量を可変して感光ドラム3の長手領域に均一に露光電位Vlを形成することができるため、初期状態とほぼ変わらない電位制御で画像形成を実行することができ、濃度等を維持できる効果も得られる。
(実施例3)
本発明の実施例3は、放電開始電圧検知によって感光ドラム3の長手膜厚ムラを検知し、その検知結果に基づいてドラム寿命を判断し、ユーザへのドラム寿命報知することを特徴としている。なお、実施例1、2と構成が重複する部分については説明を割愛する。
<長手膜厚検知後の制御:ドラム寿命検知制御>
実施例1は、ドラム膜厚ムラ抑制制御を実施することで濃度ムラの抑制することを特徴としている。また、実施例2では長手光量の可変制御を実施することで濃度ムラの抑制を
することを特徴としている。通常は、現像容器内のトナーが消費されトナー残量がゼロまたは所定閾値以下になるとユーザに報知し、画像形成装置の動作が停止する。しかし、使用枚数の想定を超えて通紙し続けると感光ドラム3の長手方向でドラム削れ量が大きくなっていく。感光ドラム3の膜厚がある閾値より薄くなると長手方向全域を均一に帯電することができずカブリ等の画像不良が発生する。このような状態になった感光ドラム3は、そのままにしておくと廃トナーパンク(廃トナー容器の容量を超えて廃トナーが発生する)や画像形成装置内部へのトナー漏れ等が発生する場合がある。そのため、感光ドラム3の寿命はユーザに的確に報知する必要がある。
測定は、4%印字率でCS680紙A6サイズ紙を2枚間欠で50000枚通紙し、5000枚毎にベタ白画像1枚とベタ黒画像1枚を印刷した。通紙は、感光ドラム3の長手方向片側に寄った領域を紙が搬送されるように設定した。感光ドラム3の削れムラの画像弊害としては、長手方向の濃度ムラとカブリについて画像上にて確認した。画像弊害を確認する評価紙はXerox Business4200を使用した。初期状態の感光ドラム3の表面電位は、帯電電位Vdは−500V,露光電位Vlは−150Vとし,現像バイアスVdcは−350Vと設定した。
<ドラム寿命検知制御フローチャート>
図17のフローチャートを参照して、本実施例における、部分放電開始電圧検知の検知結果より感光ドラム3の長手膜厚ムラを検知し、感光ドラム寿命を検知する方法について説明する。評価及び検討条件は、実施例1、2と同様とした。なお、実施例3における部分放電開始電圧検知等の検知方法において、実施例1、2と重複する部分については説明を割愛する。
図17は、本実施例における感光ドラムの長手方向の部分放電開始電圧の検知及びドラム膜厚ムラ検知結果に基づくドラム寿命検知制御について説明するフローチャートである。まず、それぞれの測定領域の部分放電開始電圧検知結果より、感光ドラムの膜厚を算出し測定結果を得るステップ(S301〜S309)までは実施例1のステップ(S101〜S109)と同様のため、説明を割愛する。この測定結果に基づいて画像形成装置内の記憶手段に格納してある濃度ムラ閾値と比較し、感光ドラム3の膜厚ムラが低ければ問題なしと判断して通常のプリント動作を開始する(S310)。感光ドラム3の濃度ムラ閾値を超えて長手の膜厚ムラが発生している場合では、濃度ムラが発生すると判断し、次の画像形成に対して補正するように画像形成後回転時にドラム膜厚ムラ抑制制御を実行するようにする(S311)。
さらに、ドラム膜厚ムラ抑制制御が必要で、且つ測定結果に基づいて画像形成装置内に格納してある感光ドラム寿命閾値と比較し、感光ドラム3の膜厚が大きければ問題なしと判断してプリント動作を開始する(S312)。もし、感光ドラム寿命閾値を超えて長手の膜厚ムラが発生している場合には、動作を終了しドラム寿命と判断してユーザにドラム寿命を報知する(S313)。ドラム寿命検知制御による測定領域は、感光ドラム長手方向1箇所に限らず複数の測定領域に対して有効である。実施例3においては、測定領域D(6)D(7)の領域に対してドラム寿命検知制御を実施し判断している。
<効果確認>
本実施例の効果を確認するために、上記検知制御を組み入れた方法と従来の放電電流制御方法である比較例において画像弊害を確認した。比較例の構成は、部分放電開始電圧検知及び検知結果よりドラム寿命検知制御を実施しない以外は本実施例と同じなので、説明は割愛する。
下記表2は、その結果を示している。画像レベルにおいて、濃度ムラ,帯電不良による
カブリ及びトナー漏れにおいて、表内の○は画像不良発生なしを示し、×は画像不良が発生する及び画像形成装置内にトナーが漏れていることを示す。
Figure 2017072655
結果を見ると、比較例は、30000枚通紙時より画像ムラが発生している。比較例では、部分放電開始電圧検知及び検知結果よりドラム膜厚ムラ抑制制御とドラム寿命検知制御を実施しないため、そのまま通紙し続けていくと50000枚まで続けて濃度ムラが悪化している。さらに、45000枚時からは画像上にカブリが発生し、50000枚時にはトナー漏れが発生してしまい、画像形成装置内にトナーが漏れて汚染していた。50000枚通紙後の測定領域D(1)〜D(5)の露光電位Vlは−210Vであり、ドラム膜厚は6μmであった。また、測定領域D(6)、D(7)の露光電位Vlは−280Vであり、ドラム膜厚は2μmであった。測定領域D(6)、D(7)においては、帯電不良によるカブリが発生しており、帯電電位Vdは−390Vであった。
これに対し、実施例は、1000枚毎に部分放電開始電圧検知及び検知結果よりドラム寿命検知制御を実施している。部分放電開始電圧検知によって感光ドラム3の長手膜厚ムラを検知することで、本実施例では44000枚通紙したところでドラム寿命と判断し、検知結果を報知し画像形成を停止させた。これらの結果から、本実施例では、部分放電開始電圧検知を行いその検知結果より感光ドラム3の膜厚ムラを算出し、測定結果に基づいてドラム膜厚ムラ抑制制御を実施することで濃度ムラを良化させることができた。さらに、ドラム寿命検知制御を行うことで致命的な画像弊害及び画像形成装置内への廃トナーパンクやトナー漏れ等によるトナー汚染を防止することができた。したがって、本実施例によれば、部分放電開始電圧検知を行いその検知結果より感光ドラム3の膜厚ムラを算出し、測定結果に基づいてドラム寿命検知制御を実施することで精度良くドラム寿命を検知し報知することができ、効果を実証することができた。
(実施例4)
実施例1は、画像形成装置内の記憶メモリ等を使用して放電開始電圧検知を行い、その検知結果より感光ドラム3の膜厚ムラを算出し、測定結果に基づいてドラム膜厚ムラ抑制制御を実施した。本発明の実施例4では、検知手段において不揮発性メモリを使用することで実施例1に対し、制御の自由度向上やスピードアップを特徴としている。なお、実施例4において実施例1〜3と重複する構成部分については説明を割愛する。
実施例4に係る画像形成装置1は、プロセスカートリッジ2に備えられた不揮発性メモリ9を、ドラム膜厚ムラ抑制制御に利用することを特徴としている。装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジに備えられた不揮発性メモリ9に、上記制御に必要な、製造時における感光ドラム3の各種情報を記憶させておき、その記憶情報を用いて上記制御を行う。こうすることで、感光ドラム3の生産による感度フレや膜厚フレを初期状態より補正することが可能となる。したがって、より精度の高い制御が可能となると共に制御の自由度向上やスピードアップが可能となる。
具体的には、感光ドラム3の膜厚ムラ抑制制御の内容を、使用状況や使用環境に応じて変更する。また、使用履歴を制御に反映させたい場合には、不揮発性メモリ9に、過去の膜厚ムラ抑制制御の回数や制御内容、帯電電流値の出力値履歴等を記憶させておく。さらに、不揮発性メモリ9に印字履歴・通紙種履歴を格納し、それら履歴に合わせて測定領域を適宜変更するなど、制御内容の調整、変更を行ってもよい。
なお、上記各実施例では、感光ドラムに形成したトナー像(現像剤像)を被転写体としての記録材に直接転写する構成の画像形成装置について説明したが、画像形成装置の構成は特に限定されるものではない。例えば、複数の画像形成部で形成したそれぞれ色の異なるトナー像を被転写体としての中間転写体上に重畳転写してカラートナー像を形成し、これを記録材に転写する画像形成装置(カラーレーザプリンタなど)に対しても本発明は適用可能である。
1…画像形成装置、2…プロセスカートリッジ、3…感光ドラム(感光体)、4…レーザスキャナ(露光手段)、5…半導体レーザ、6…帯電ローラ(帯電部材)、7…現像ローラ(現像剤担持体)、8…現像器、9…不揮発メモリ、10…転写ローラ、11…記録材、19…エンジンコントローラ、20…CPU(制御部)、21…環境センサ、30…演算部、31…記憶部、32…交流電圧用駆動信号発生部、33…放電電流制御回路、34…DCバイアス放電開始電圧検知回路(取得部)

Claims (15)

  1. 記録材に転写される現像剤像を形成するための静電像が形成される感光体と、
    前記感光体に近接又は接触配置され、電圧が印加されることにより、前記感光体を帯電させる帯電部材と、
    前記帯電部材に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記感光体を露光する露光手段と、
    前記帯電部材に流れる電流の電流値を検知する検知手段と、
    前記検知手段が検知する電流値に基づいて、前記帯電部材に印加される電圧の電圧値において前記感光体と前記帯電部材との間で放電が発生し始める放電開始電圧値を取得する取得部であって、前記感光体において静電像が形成される画像形成領域を記録材の搬送方向と直交する長手方向に複数の領域に分割することにより設定される複数の測定領域のうちの少なくとも1つの測定領域における、前記放電開始電圧値を取得する取得部と、
    前記取得部が取得した前記放電開始電圧値に基づいて取得される、前記感光体の感光層の膜厚の前記長手方向におけるムラに基づき、記録材に転写される現像剤像の濃度の前記長手方向におけるムラを低減させるムラ抑制制御を実行する制御部と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記取得部は、
    前記電圧印加手段が第1の電圧値の電圧を前記帯電部材に印加した後、前記複数の測定領域のうち前記放電開始電圧値の取得対象となる一の測定領域を所定の露光電位とすべく前記一の測定領域にのみ前記露光手段が露光し、その後、絶対値の大きさが前記所定の露光電位よりも前記第1の電圧値に近い第2の電圧値の電圧を前記電圧印加手段が前記帯電部材に印加したときに、前記検知手段により検知される電流値に基づいて、第1の放電開始電圧値を取得し、
    前記電圧印加手段が第1の電圧値の電圧を前記帯電部材に印加した後、前記複数の測定領域のうち前記一の測定領域を除いた領域を前記所定の露光電位とすべく前記一の測定領域を除いた領域にのみ前記露光手段が露光し、その後、絶対値の大きさが前記第1の電圧値よりも前記所定の露光電位に近い第3の電圧値の電圧を前記電圧印加手段が前記帯電部材に印加したときに、前記検知手段により検知される電流値に基づいて、第2の放電開始電圧値を取得し、
    前記第1の放電開始電圧値と前記第2の放電開始電圧値とに基づいて、前記露光手段に露光された後の前記一の測定領域における露光電位を取得し、
    前記露光電位に基づいて、前記一の測定領域における前記感光層の膜厚を取得することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第2の電圧値は、絶対値の大きさが前記第1の電圧値よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記第3の電圧値は、絶対値の大きさが前記所定の露光電位よりも小さいことを特徴とする請求項2または3に記載の画像形成装置。
  5. 前記取得部は、
    前記一の測定領域D(i)の前記露光電位を、Vl(i)、
    前記第1の放電開始電圧値を、Vth1(i)、
    前記第2の放電開始電圧値を、Vth2(i)、
    前記第1の電圧値を、Vd、
    としたときに、
    Vl(i)=−(Vth1(i)+Vth2(i))−Vd
    の関係に基づいて、前記露光電位を取得することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1
    項に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御部は、
    前記ムラ抑制制御として、
    前記複数の測定領域のそれぞれの前記放電開始電圧値に基づいて取得される前記複数の測定領域のそれぞれの前記感光層の膜厚に基づいて、前記複数の測定領域における前記膜厚の差が小さくなるように、前記感光層を削る制御を実行することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記制御部は、
    前記感光層を削る制御として、
    前記電圧印加手段が、前記感光体を帯電させるべく前記帯電部材に電圧を印加し、
    その後、前記露光手段が、前記複数の測定領域のうち前記膜厚が相対的に厚い前記測定領域のみを露光し、
    その後、前記電圧印加手段が、前記帯電部材と前記感光体との間に放電を生じさせるべく前記帯電部材に電圧を印加するように、
    前記電圧印加手段及び前記露光手段を制御することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記制御部は、
    前記ムラ抑制制御として、
    前記複数の測定領域のそれぞれの前記放電開始電圧値に基づいて取得される前記複数の測定領域のそれぞれの前記感光層の膜厚に基づいて、前記複数の測定領域における前記露光手段に露光された後の露光電位の差が小さくなるように、前記露光手段の露光量を調整する制御を実行することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記制御部は、
    前記露光量を調整する制御として、
    前記膜厚が薄いほど前記露光量を強くするように前記露光手段を制御することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御部は、
    前記複数の測定領域のうち前記膜厚が第1の閾値以下の領域において、前記膜厚が相対的に厚い前記測定領域と前記膜厚が相対的に薄い前記測定領域との前記膜厚の差が、第2の閾値以上になったときに、前記ムラ抑制制御を実行することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御部が前記ムラ抑制制御を実行した後、前記複数の測定領域のうち前記膜厚が相対的に厚い前記測定領域と前記膜厚が相対的に薄い前記測定領域との前記膜厚の差が、所定の寿命閾値を超えたときに、前記感光体の交換を促すための報知を行う報知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記帯電部材は、記録材に画像を形成する画像形成工程において、前記露光手段が前記感光体に静電像を形成するための露光を行う前に、前記感光体を所定の電位に帯電させるための帯電部材であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  13. 前記帯電部材は、前記感光体に形成された現像剤像を記録材または記録材に前記現像剤像を転写するための中間転写体へ転写させる工程において、前記感光体との間に転写バイ
    アスが発生するように電圧が印加される転写部材であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記電圧印加手段が前記帯電部材に印加する電圧は直流電圧であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 少なくとも前記感光体は、不揮発性メモリを備えたプロセスカートリッジとして画像形成装置の装置本体に対して着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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