JP2004151247A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多数の検出手段を使用して装置のコストを大幅に上昇させることなく、且つ、精度よく画像濃度を安定させることのできる画像形成装置を提供する。
【解決手段】像担持体1と;帯電手段2と;帯電電圧印加手段2Aと;露光手段3と;現像手段4と;現像電圧印加手段4Aと;像担持体1上の現像剤像の濃度を検知するための画像濃度検知手段10と;前記像担持体上に形成した検知用画像の濃度を前記画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて画像形成条件を制御する制御手段50と;を有し、出力画像形成時以外の所定のタイミングに、帯電手段2により像担持体1を所定の表面電位に帯電させ、露光手段3により像担持体1の所定の領域を所定の露光量で露光し、該露光部に現像手段3から現像剤を供給して検知用画像を形成する画像形成装置100は、検知用画像形成時の露光手段3の露光量が、出力画像形成時と異なる構成とする。
【選択図】 図2
【解決手段】像担持体1と;帯電手段2と;帯電電圧印加手段2Aと;露光手段3と;現像手段4と;現像電圧印加手段4Aと;像担持体1上の現像剤像の濃度を検知するための画像濃度検知手段10と;前記像担持体上に形成した検知用画像の濃度を前記画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて画像形成条件を制御する制御手段50と;を有し、出力画像形成時以外の所定のタイミングに、帯電手段2により像担持体1を所定の表面電位に帯電させ、露光手段3により像担持体1の所定の領域を所定の露光量で露光し、該露光部に現像手段3から現像剤を供給して検知用画像を形成する画像形成装置100は、検知用画像形成時の露光手段3の露光量が、出力画像形成時と異なる構成とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置においては、一般に回転ドラム型とされる感光体の表面を、帯電手段によって一様に帯電させた後、当該感光体の表面に露光手段によって画像露光を施して、画像情報に応じた静電潜像を形成する。そして、上記画像形成装置では、感光体上に形成された静電潜像を、所定の現像バイアスが印加される現像装置によって現像し顕像化して、当該顕像化された現像剤像を、記録用紙等の転写材上に転写・定着することにより、画像を形成するように構成されている。
【0003】
ところで、上記画像形成装置においては、現像剤若しくは感光体の劣化、又は感光体のロット差(感度差)などによって、画像濃度の変動やカブリ、或いは画像の抜け等の画像欠陥が発生することがある。
【0004】
例えば、現像装置で使用される主にキャリアとトナーとからなる二成分の現像剤におけるトナーの帯電量(電荷量)は、使用頻度や画像比率によって変化する。このように、トナーの帯電量が変化すると、当該トナー帯電量の変化に応じて、図4に示すように、画像濃度が変化してしまう。
【0005】
又、均一帯電された感光体の表面に、画像露光を施すことにより書き込んだ画像部の電位は、感光体の光感度が温度変動等に応じて変化するため、使用環境や頻度に応じて画像濃度のばらつきを招くこととなる。更には、感光体の製造時のロット差により、感度がばらつくことで、ロット毎に画像濃度のばらつきを招くことがある。
【0006】
このように、上記画像形成装置においては、使用環境や頻度の違い並びに現像剤若しくは感光体の劣化、又は感光体のロット差などによって、画像濃度の変動やカブリ、或いは画像の抜け等の画像欠陥が発生するという問題が起こることがある。
【0007】
そこで、上記の問題点を解決するため、従来、感光体の表面電位を検出する表面電位検出器と、現像装置内の現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出器と、感光体或いは被転写体上の現像剤像(トナー像)の画像濃度を検出する画像濃度検出器と、画像濃度検出器の出力によりトナーの帯電量変化を検知してトナー濃度及び感光体の表面電位を変化させ画像濃度を安定させる画像濃度制御装置と、が設けられ、画像濃度を安定させるように構成した画像形成装置が提案されている。
【0008】
ところで、上記従来技術は、次のような問題点を有している。即ち、上記従来技術の画像形成装置の場合、表面電位検出器が必須な構成となる。このため特にタンデム式(中間転写体或いは転写材担持体とされる被転写体の移動方向に沿って複数の画像形成部が並置される構成)のカラー画像形成装置においては、複数の表面電位検出器が必要となる。又、潜像形成後の感光体面近傍に配設する必要があり、装置の大型化を招く要因の1つとなっていた。
【0009】
そこで、これらの問題点を回避する技術として、特許文献1に開示されているように、画像露光を用いずに帯電電位と現像バイアスの差分で現像させ、その時の現像濃度を検出し、トナー補給量を制御し、且つ、帯電電位と現像バイアスの電位差を湿度に応じて変化させることで上記問題点を解消しようとするものがある。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−183876号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術は、次のような問題点を有している。
【0012】
即ち、帯電電位と現像バイアスの差分で現像する場合(以下、「アナログパッチ」という。)は、現像可能領域全域を現像することとなり、通常の画像形成時には現像されない部分(非通紙部領域)も現像させることとなる。このため、過剰に感光体が汚れることとなり、画像形成装置内のトナー飛散等により、汚れを助長することとなる。
【0013】
又、アナログパッチ方式においては、感光体の表面電位の電位ムラの影響を受けやすく、結果として精度の高い測定/検出を行うことは困難である。このため、アナログパッチの検出値を用いて各種制御値を変更しても精度よく画像濃度を制御することは困難である。
【0014】
更に、画像濃度検出器の測定必要領域以上に現像されるため、余剰のトナーが消費されることとなり、ランニングコストの増加を招くこととなる。
【0015】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものである。
【0016】
従って、本発明の目的は、多数の検出手段を使用して装置のコストを大幅に上昇させることなく、且つ、精度よく画像濃度を安定させることのできる画像形成装置を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、画像形成装置の汚れや余剰なトナーの消費を低減し、且つ、精度よく画像濃度を安定させることのできる画像形成装置を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、連続画像形成時の濃度変動や、長期画像形成停止後の再開時、像担持体の新旧或いはロット差などによる画像濃度や色味の変動を防止、常に安定した画像を形成することのできる画像形成装置を提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は、電位センサを用いず、最適な条件(プロセス条件等)を設定することができ、安価な構成で、常に画像濃度を安定させ、且つ、画像欠陥のない良好な状態を安定的に維持することのできる画像形成装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、以下の構成を特徴とする。
【0021】
(1)像担持体と;前記像担持体を帯電させる帯電手段と;前記像担持体を帯電させるべく前記帯電手段に電圧を印加する帯電電圧印加手段と;帯電した前記像担持体を露光して前記像担持体に静電像を形成する露光手段と;前記像担持体に形成された静電像を現像剤を用いて現像する現像手段と;静電像を現像すべく前記現像手段に電圧を印加する現像電圧印加手段と;前記像担持体上の現像剤の濃度を検知するための画像濃度検知手段と;前記像担持体上に形成した検知用画像の濃度を前記画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて画像形成条件を制御する制御手段と;を有し、出力画像形成時以外の所定のタイミングに、前記帯電手段により前記像担持体を所定の表面電位に帯電させ、前記露光手段により前記像担持体の所定の領域を所定の露光量で露光し、該露光部に前記現像手段から現像剤を供給して前記検知用画像を形成する画像形成装置において、前記検知用画像形成時の前記露光手段の露光量が、出力画像形成時と異なることを特徴とする画像形成装置。
【0022】
(2)前記非画像形成時の露光量が画像形成時の2倍以上であることを特徴とする上記(1)の画像形成装置。
【0023】
(3)像担持体と;前記像担持体を帯電させる帯電手段と;前記像担持体を帯電させるべく前記帯電手段に電圧を印加する帯電電圧印加手段と;帯電した前記像担持体を露光して前記像担持体に静電像を形成する露光手段と;前記像担持体に形成された静電像を現像剤を用いて現像する現像手段と;静電像を現像すべく前記現像手段に電圧を印加する現像電圧印加手段と;前記像担持体上の現像剤の濃度を検知するための画像濃度検知手段と;前記像担持体上に形成した検知用画像の濃度を前記画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて画像形成条件を制御する制御手段と;を有し、出力画像形成時以外の所定のタイミングに、前記帯電手段により前記像担持体を所定の表面電位に帯電させ、前記露光手段により前記像担持体の所定の領域を所定の露光量で露光し、該露光部に前記現像手段から現像剤を供給して検知用画像を形成する画像形成装置において、前記検知用画像形成時の前記帯電電圧印加手段の印加電圧が、出力画像形成時と異なることを特徴とする画像形成装置。
【0024】
(4)前記検知用画像形成時の前記帯電電圧印加手段の印加電圧は、絶対値にて比較して、出力画像形成時の前記像担持体の帯電電位の半分以下になるように制御されることを特徴とする上記(3)の画像形成装置。
【0025】
(5)前記出力画像形成時の画像形成条件として、前記現像電圧印加手段の印加電圧を制御することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0026】
(6)前記出力画像形成時の画像形成条件として、前記帯電電圧印加手段の印加電圧を制御することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0027】
(7)更に、前記現像手段に現像剤を補給する現像剤補給手段を有し、前記出力画像形成時の画像形成条件として、前記現像剤補給手段からの現像剤補給量を制御することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0028】
(8)前記現像手段は、キャリアとトナーとを備える現像剤を用い、前記現像剤補給手段は、前記現像手段にトナーを補給することを特徴とする上記(7)の画像形成装置。
【0029】
(9)更に、入力された画像情報を、出力画像に反映される所望の出力信号に変換する画像信号変換手段を有し、前記出力画像形成時の画像形成条件として、前記画像信号変換手段を制御することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0030】
(10)前記画像信号変換手段は、一の入力信号から一の出力信号を導く変換テーブル情報であり、前記出力画像形成時の画像形成条件として、該変換テーブルの入力信号と出力信号との対応関係を補正することを特徴とする上記(9)の画像形成装置。
【0031】
(11)前記検知用画像形成時の前記現像電圧印加手段の印加電圧の直流成分は、絶対値にて比較して、出力画像形成時の該直流成分より低いことを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0032】
(12)前記帯電手段は、前記像担持体に接触して前記像担持体を帯電させる接触帯電手段であることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0033】
(13)前記現像手段は、キャリアとトナーとを備える現像剤を用いることを特徴とする上記(1)〜(6)、及び(9)〜(12)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0034】
(14)像担持体と;前記像担持体を帯電させる帯電手段と;前記像担持体を帯電させるべく前記帯電手段に電圧を印加する帯電電圧印加手段と;帯電した前記像担持体を露光して前記像担持体に静電像を形成する露光手段と;前記像担持体に形成された静電像を現像剤を用いて現像する現像手段と;静電像を現像すべく前記現像手段に電圧を印加する現像電圧印加手段と;前記像担持体に形成された現像剤像が転写される被転写体と;前記被転写体上の現像剤の濃度を検知するための画像濃度検知手段と;前記被転写体上に転写した検知用画像の濃度を前記画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて画像形成条件を制御する制御手段と;を有し、出力画像形成時以外の所定のタイミングに、前記帯電手段により前記像担持体を所定の表面電位に帯電させ、前記露光手段により前記像担持体の所定の領域を所定の露光量で露光し、該露光部に前記現像手段から現像剤を供給して前記検知用画像を形成する画像形成装置において、前記検知用画像形成時の前記露光手段の露光量が、出力画像形成時と異なることを特徴とする画像形成装置。
【0035】
(15)像担持体と;前記像担持体を帯電させる帯電手段と;前記像担持体を帯電させるべく前記帯電手段に電圧を印加する帯電電圧印加手段と;帯電した前記像担持体を露光して前記像担持体に静電像を形成する露光手段と;前記像担持体に形成された静電像を現像剤を用いて現像する現像手段と;静電像を現像すべく前記現像手段に電圧を印加する現像電圧印加手段と;前記像担持体に形成された現像剤像が転写される被転写体と;前記被転写体上の現像剤の濃度を検知するための画像濃度検知手段と;前記被転写体上に転写した検知用画像の濃度を前記画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて画像形成条件を制御する制御手段と;を有し、出力画像形成時以外の所定のタイミングに、前記帯電手段により前記像担持体を所定の表面電位に帯電させ、前記露光手段により前記像担持体の所定の領域を所定の露光量で露光し、該露光部に前記現像手段から現像剤を供給して前記検知用画像を形成する画像形成装置において、前記検知用画像形成時の前記帯電電圧印加手段の印加電圧が、出力画像形成時と異なることを特徴とする画像形成装置。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0037】
実施例1
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成を示す。本実施例において、画像形成装置は、装置本体と通信可能に接続された例えばパーソナルコンピュータなどの外部ホスト機器から送信される画像情報信号に応じて、電子写真方式を利用してイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色フルカラー画像を形成することのできるフルカラープリンタ装置である。
【0038】
先ず、図1を参照して本実施例の画像形成装置100の全体構成について説明する。画像形成装置100は、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、「感光体ドラム」という。)を有する。感光体ドラム1に対向して、この感光体ドラム1の表面を所定の電位に一様に帯電するための帯電手段として、帯電ローラ2が設けられている。感光体ドラム1の回転方向において、帯電ローラ2よりも下流側において、レーザー書き込みユニット(露光手段)3からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報に応じて、レーザー光Lが順次照射される。そして、この像露光部よりも更に下流側に、イエロー現像剤(トナーとキャリアを所定比率で混合したもの。他の色についても同様。)を内包した現像器4Y、マゼンタ現像剤を内包した現像器4M、シアン現像剤を内包した現像器4C、ブラック現像剤を内包した現像器4Bkを具備したロータリー現像ユニット40が感光体ドラム1と対向して配置されている。
【0039】
ロータリー現像ユニット40より更に下流側に位置して、感光体ドラム1上で顕在化されたトナー像が転写され、これを担持する中間転写体としての中間転写体ベルト5Aが配置されている。感光体ドラム1上に形成されたトナー像を中間転写体ベルト5A上に転写するための一次転写手段たる一次転写ローラ5Bが、中間転写体ベルト5Aを介して感光体ドラム1に対向して配設され、感光ドラム1と中間転写体ベルト5Aとの間に一次転写部N1を形成している。又、感光体ドラム1から中間転写体ベルト5A上に転写されたトナー像を、所望の転写材Pに転写するための二次転写手段たる二次転写ローラ6が、中間転写体ベルト5Aに対向配置されており、二次転写部N2を形成している。
【0040】
又、画像形成装置100は、一次転写工程後に感光体ドラム1上に残留したトナー等を清掃する感光体クリーナー7A、二次転写工程後に中間転写体ベルト5A上に残留したトナー等を清掃する中間転写体クリーナー7Bを有する。
【0041】
更に、二次転写ローラ6よりも転写材Pの搬送方向上流側には、転写材Pの供給手段及び搬送手段(図示せず)が配置され、又二次転写ローラ6よりも転写材Pの搬送方向下流側において、転写材P上に形成された未定着のトナー像を転写材Pに定着せしめる定着装置20が配置されている。
【0042】
次に、画像形成装置100の各要素を順次より詳しく説明する。
【0043】
[感光体]
本実施例では、感光体ドラム1は直径80mmのOPC感光体を用いた。この感光体ドラム1は、アルミニウム等の導電性ドラム基体と、その外周面に形成した感光層(光導電層)で構成された負帯電極性の感光体(ネガ感光体)であり、図中矢印方向に150mm/secのプロセススピード(周速度)をもって回転駆動されている。
【0044】
[帯電]
帯電ローラ2は中心の芯金と、その外周に同心一体にローラ状に形成した弾性導電層と、更にその外周面に形成した抵抗層の複合層構造のローラである。弾性導電層は、例えば、体積抵抗率が104Ωcm以下の導電性ゴムなどの単層或いは複合層である。抵抗層は、体積抵抗率107〜1011Ωcm、厚さ100μm程度以下の導電性ゴム等の単層或いは複合層である。
【0045】
帯電ローラ2はその芯金の両端部を軸受け部材(図示せず)に回転自由に軸受けさせて、押圧バネなどとされる押圧手段(図示せず)で感光体ドラム1に対して所定の押圧力をもって圧接されている。本実施例では、帯電ローラ2は、感光体ドラム1の回転駆動に伴い従動回転する。
【0046】
又、電圧印加手段としての帯電バイアス電源2A(図3)により帯電ローラ2の芯金に所定のバイアス電圧が印加されることにより、感光体ドラム1の外周面が接触帯電方式で所定の極性・電位(本実施例ではマイナス)に一様に帯電処理される。本実施例では、帯電バイアスとしては、電位収束性に優れる「AC帯電方式」を用いた。「AC帯電方式」とは、ACバイアスにDCバイアスを重畳させた交番電圧を帯電部材に印加して被帯電体を帯電させる方式である。この方式では、ACバイアスが所定電界以上であれば、感光体ドラム1の表面電位はDCバイアスに略同等に収束するものである。本実施例では、画像形成時の帯電バイアスとして、周波数1200Hz、Vpp1.7kVの正弦波のACバイアスと、−700VのDCバイアスとの重畳電圧を印加する。これにより、感光体ドラム1の表面電位として−680Vを得ることができた。
【0047】
[露光]
レーザー光Lによって走査露光されるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、原稿の画像を、画像読取装置(図示せず)によってイエロー、マゼンタ、シアン、黒色の4色の画像情報として読み取った後、或いはパソコン等(図示せず)にから転送された画像情報を基に、4色の画像情報に画像処理部によって所定の画像処理を施したものである。これらのイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の画像情報は、例えば、画像読取装置の読み取り動作に同期して、露光手段としてのレーザー書き込みユニット3に送られるようになっている。本実施例では、レーザー書き込みユニット3としては、レーザー光源、レンズ系、ポリゴンミラーなどを備える斯界にて周知のレーザースキャナーを用いた。
【0048】
本実施例においては、各色とも、ベタ画像(最大濃度画像)形成時の感光体ドラム1の表面電位が−180Vになるように露光量が調整されている。
【0049】
[現像]
ロータリー現像ユニット40に配される各色の現像器4M、4Y、4C、4Bkは、全て二成分方式の現像方式であり、所定の比率で主に非磁性樹脂トナー粒子(トナー)と磁性粒子(キャリア)とが混合された二成分現像剤を用いる。二成分現像剤は、マグネットを内包したスリーブ状の現像剤担持体(以下、「現像スリーブ」という。)4a上に拘束され、現像スリーブ4aの回転に伴って感光体ドラム1との対向部(現像部)に搬送される。そして、電圧印加手段としての現像バイアス電源4A(図3)から現像スリーブ4aに印加される現像バイアスによって、感光体ドラム1上に形成された静電像に応じて二成分現像剤中のトナーが感光体ドラム1上に転移され、所望の濃度の画像形成が実行される。本実施例のトナーは全て負極性(ネガトナー)である。
【0050】
本実施例では、画像形成時の現像バイアスとして、周波数2400Hz、Vpp2.0kVの矩形波のACバイアスと、−530VのDCバイアスとを重畳させたものを用いた。
【0051】
又、各現像器4M、4Y、4C、4Bkには、それぞれ現像剤補給手段として現像剤補給容器が接続されており、ほぼ現像によって消費した分に相当するトナーが、この現像剤補給容器から現像器4M、4Y、4C、4Bkに補給される。トナーの補給量は、例えば形成画像情報の色毎、画素毎の濃度情報に基づいて算出するなど、公知任意の方法を採用し得る。
【0052】
[画像濃度センサ]
本実施例の画像形成装置100では、感光体ドラム1上の画像濃度を検知するための画像濃度検知手段として、画像濃度センサ10が、感光体ドラム1の回転方向においてロータリー現像ユニット40よりも下流側で二次転写ローラ5Bよりも上流側に配置されている。本実施例では、画像濃度センサ10として反射型のセンサを用いており、画像濃度センサ10の投光部(LED)から発光された光を、非画像形成時の所定のタイミングで形成された、感光ドラム1上の所定領域のトナー像(以下、「パッチ」という。)に照射し、その反射光を画像濃度センサ10の受光部により受光する。そして、反射光の比率に応じてトナー像の濃度を検知するものである。詳しくは後述するように、この画像濃度センサ10によって画像濃度検知用画像(以下、「パッチ」という。)の濃度を検出して、その検出信号が画像形成条件の制御に供される。
【0053】
[中間転写]
中間転写体ベルト5Aは、感光体ドラム1上の一次転写部N1を含む領域に渡って平坦に保持されたベルトである。中間転写体ベルト5Aは、感光体ドラム1上に形成されたトナー画像を、順次重ねた状態に転写するためのものである。この中間転写体ベルト5Aの周長は、感光体ドラム1の周長の整数倍(例えば、2〜5倍)となっている。本実施例では2×80×π(mm)の周長に設定されている。
【0054】
又、中間転写体ベルト5Aは単層の導電性ゴムで形成され、厚みが100μm、抵抗が1×109Ωに設定されている。この中間転写体ベルト5Aは、駆動機構(図示せず)により駆動される駆動ローラを含む3つのローラによって、これらの回転速度(周速)と同一の速度で、感光体ドラム1の回転に同期して図中矢印方向に沿って循環移動可能となっている。
【0055】
[一次転写ローラ]
一次転写ローラ5Bは感光体ドラム1上に形成された各色のトナー像を中間転写体ベルト5A上に転写するためのものである。この一次転写ローラ5Aは、中心の芯金と、その外周に同心一体にローラ状に形成した中抵抗の弾性層とからなる。本実施例では、一次転写ローラ5Aは、抵抗が5×106Ω、直径16mmの導電性ゴムローラである。
【0056】
この一次転写ローラ5Aの芯金部に電源(図示せず)よりトナー像と逆極性の所定のバイアス(本実施例ではプラス)を印加し、感光体ドラム1上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト5Aに転写させる。
【0057】
[二次転写ローラ]
二次転写ローラ6は中間転写体ベルト5Aに転写、担持されたトナー像を所望の転写材Pの転写するものであり、中心の芯金と、その外周に同心一体にローラ状に形成した中抵抗の弾性層とからなる。本実施例では、二次転写ローラ6は、抵抗が5×108Ω、直径16mmの導電性ゴムローラである。
【0058】
この二次転写ローラ6の芯金部に電源(図示せず)よりトナー像と逆極性の所定のバイアス(本実施例ではプラス)を印加し、中間転写体ベルト5Aに形成された各色のトナー像を転写材Pに転写させる。
【0059】
[定着]
その後、トナー像が転写された転写材Pは定着装置20に搬送され、転写材P上に定着され、一連の画像形成が終了する。
【0060】
[画像形成条件制御]
次に、画像形成条件の制御について説明する。尚、以下に説明する画像形成条件の制御は、各色について行うが、その原理、制御手順は各色で同じであるので、ここでは、特に色は指定せずに総括的に説明する。
【0061】
ところで、本実施例の構成で、パッチの濃度に応じて画像形成プロセスの各種制御値を変更しない場合、例えば連続1000枚画像形成時の1枚目と1000枚目の濃度差を生じたり、長時間画像形成を実行しなかった後に画像形成を実行した際に所望の濃度、色域を得ることができなかったりする。又、同様に、感光体ドラム1の新品と耐久末期との間、或いは交換前と交換後でも濃度差が生じたり、所望の色見の画像を得ることができなかったりする。
【0062】
これは、連続画像形成時に、図5、図6に示すように、現像剤の現像特性(トナーの電荷量やトナーとキャリアとの比率)が変化したためであると考えられる。図5は、500枚の連続画像形成を行う前と行った後とで、トナーの帯電電荷量と画像比率とを比較して示す。図6は、画像比率を10%で一定とした際の画像形成枚数とトナーの帯電電荷量の変化を示す。
【0063】
又、感光体ドラム1の耐久前後や、交換前後の色見変動は、図7、図8に示すように、耐久前後の感光体ドラム1の感度変化や、感光体ドラム1のロットの違いによる感度差により、露光時の電位が変化するためであると考えられる。図7は、感光体ドラム1のロットの違いによる、露光量と感光ドラム1の表面電位との関係を比較して示す。又、図8は、感光体ドラム1の耐久前後での露光量と感光体ドラム1の表面電位との関係を比較して示す。
【0064】
さて、本実施例にて用いるようなOPC感光体は、一般的に、図9に示すような特性を示す。即ち、所定光量以上においては、感光体表面電位は一定の値に飽和する特性である(この時の飽和電位を、以下「Vsl」という。)。
【0065】
このVslは、耐久前後による感度差や、ロット違いによる感度差には依存せず、感光体ドラム1の処方に依存するものであり、常に一定の値である。
【0066】
又、帯電手段として帯電ローラ2を用いたAC帯電方式においては、図10に示すように、感光体ドラム1の新旧やロット差によらず、所定値以上のACバイアスが印加されていれば、重畳されたDCバイアスと感光体ドラム1の表面電位は略1:1の関係がある。
【0067】
そこで、本実施例では、所定のタイミング、例えば画像形成装置起動時や、画像形成10枚毎の画像形成時の間(所謂、紙間)などの非画像形成時に、図2のフローチャートに従ってパッチを形成する。ここで、「画像形成時」とは、転写材に転写して出力するための出力画像を形成している時をいうものとし、「非画像形成時」とは、画像形成時以外、即ち、転写材に転写して出力するための出力画像を形成している時以外をいうものとする。
【0068】
パッチ形成時には、パッチの領域(本実施例では20mm×20mm)の露光量を画像形成時の3倍とし、図11に示すように、パッチ領域における感光体ドラム1の表面電位をVsl(本実施例では−20V)に飽和させる。又、パッチ形成時には、現像バイアスのDC成分を−170Vに切り替える。
【0069】
パッチ形成時に感光ドラム1の表面電位をVslに飽和させるためには、一般に、画像形成時の露光量が感光体ドラム1への過剰なトナーの付着や、画像の太り防止の観点から露光部電位を、電位の立下り途中の−180V(図11)となるように設定されていることから、露光量を画像形成時の2倍以上とする。より好ましくは3倍以上とする。但し、露光装置の寿命、即ち発光光量を増加させると、所定量の発光が可能な時間が短くなることを考慮して、通常、上限として7倍以下、より好ましくは5倍以下とする。
【0070】
ところで、図12に、本実施例の画像形成装置100における、標準的な状態の現像コントラスト(現像バイアスのDC成分と、感光ドラム1上の画像部(露光部)電位との電位差)と感光体ドラム1上の画像濃度との関係を示す。
【0071】
図12から、標準状態におけるパッチの画像濃度は、光学濃度で0.5であることが分かる(Vsl=−20V、現像バイアスのDC成分=−170Vで現像コントラスト=150Vのとき)。即ち、パッチ形成時に感光ドラム1の表面電位をVslに飽和させているので、この標準状態の画像濃度とのずれ分が、現像バイアスの変動に相当する画像形成装置の変動を示すものである。
【0072】
又、図示するように、画像濃度約0.1〜0.9では、画像濃度と現像コントラストとは略線形(濃度差(ΔD)/現像コントラスト差(ΔV)=0.004)の相関を示す。
【0073】
本実施例では、図12の関係から、パッチの画像濃度のずれ分に応じて、現像バイアスを制御する。即ち、パッチの画像濃度の差分ΔDに対し、ΔD/0.004V分だけ現像バイアスをシフトさせる。
【0074】
図3は、本実施例の制御態様を模式的に示す。これに限定されるものではないが、本実施例では、帯電バイアス、露光量、現像バイアスの制御は、画像形成装置100の動作を統括制御する制御手段50が一括して行うようになっている。制御手段50は、演算制御の中心素子たるCPU51、記憶手段たるRAM52、ROM53、外部の機器との情報の入出力のためのインターフェイス素子54、データの変換素子であるA/D変換器55及びD/A変換器56などを備えた制御回路として構成される。制御手段50は、ROM53などに記憶されたプログラムに従って、画像形成条件の制御を実行する。つまり、画像濃度センサ10の出力信号を取り込み、RAM52に一旦記憶させるなどして、CPU51が、この出力信号、ROM53内に設定されたテーブル、演算式等を利用して、現像バイアスの制御値を算出し、斯かる算出結果に基づいて現像バイアス電源4Aに制御信号を送信し、所望の現像バイアスを印加させる。
【0075】
図2を参照して、制御手順を更に説明すると、制御手段50は、パッチ検実行タイミングを検知すると(ステップ1)、レーザー書き込みユニット3によるレーザー露光量を画像形成時の3倍に設定し、又現像バイアスのDC成分を−170Vに切り替える設定を行う(ステップ2)。そして、画像形成時と同じ帯電バイアスで帯電させた感光ドラム1を露光して、Vsl(−20V)のパッチ領域を形成する(ステップ3)。このパッチ潜像を現像して(ステップ4)、画像濃度センサ10でこのパッチの画像濃度Dを検出する(ステップ5)。本実施例では、パッチの画像濃度Dが、標準状態の画像濃度0.5から±0.05以上ずれた場合に現像バイアスをシフトさせる制御を行うこととして、制御手段50は、検出したパッチの画像濃度Dが0.45<D<0.55の範囲内か否かを判断する(ステップ6)。制御手段50は、ステップ6にて現像バイアスをシフトさせる必要があると判断した場合には、検出したパッチの濃度Dから、画像形成時の現像バイアスのDC成分を、次式、
−530(画像形成時の現像コントラスト)−(0.5−D)/0.004
により算出した値に設定する(ステップ7)。
【0076】
上述の制御を行って各種画像形成を実行したところ、連続画像形成時の濃度変動や、長期画像形成停止後の再開時、感光体ドラム1の新旧、ロット差による濃度や色見の変動を生じることなく、常に濃度/色見の安定した画像を形成することができた。
【0077】
又、本実施例においては、アナログパッチを用いることなく、現像コントラストと画像濃度との関係を検知することができるため、非通紙部領域の余剰な汚れや、過剰なトナー消費を低減することができる。更に、アナログパッチのように帯電ムラ等による濃度ムラを生じることがないため、精度よくパッチの形成/濃度測定を行うことができ、画像の安定性も向上させることができる。
【0078】
以上、本実施例によれば、電位センサなど多数の検出手段を設けることなく、安価な構成で、画像濃度を安定させることができる。
【0079】
実施例2
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成及び動作は実施例1のものと同じであるので、同一構成、作用の要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0080】
本実施例では、図13のフローチャートに従い、帯電バイアスを変化させてパッチ形成を実行した。
【0081】
図14をも参照して更に説明すると、ステップ2において、帯電バイアスを、感光体ドラム1の表面電位が−300Vとなるように帯電バイアスのDC成分を−330Vに変更する。そして、画像形成時と同じ露光量でパッチ領域(20mm×20mm)を露光することで、実施例1と同様に、露光部の電位を−20VのVslに飽和させる。又、パッチ形成時の現像バイアスのDC成分は、実施例1と同様、−170Vに設定する。その後は、実施例1と同様に、画像形成時の現像バイアスを制御/補正する。
【0082】
パッチ形成時に感光ドラム1の表面電位を、通常画像形成時の露光量にてVslに飽和させるためには、一般に、画像形成時の感光ドラム1の帯電電位が、画像白地部へのトナー付着(かぶり)防止、及び適正な現像コントラストを得られるよう帯電電位が−680Vとなるように設定されていることから、画像形成時の感光ドラム1の帯電電位よりも、絶対値にて3/5以下となるようにする。より好ましくは半分以下とする。但し、パッチ形成時のかぶり防止の観点から、通常、下限として1/3以上、より好ましくは2/5以上とする。
【0083】
斯かる制御を行って各種画像形成を実行したところ、常に濃度/色見の安定した画像を形成することができた。
【0084】
又、実施例1では画像形成時の必要光量よりも多量の光量が必要とされるため、露光部、つまり上記実施例ではレーザー素子のコストアップのつながることが想定されるが、本実施例では帯電バイアスのDC成分で制御しているため、より低コストにて感光体ドラム1の表面電位のVslへの飽和を実現することができる。
【0085】
以上、本実施例によれば、実施例1と同様の効果を奏しつつ、更にコストを低減させることができる。
【0086】
実施例3
次に、本発明に係る更に他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成及び動作も、実施例1のものと同じである。
【0087】
本実施例においては、実施例1、2の構成において、画像形成時の画像形成条件として、現像バイアスだけでなく、トナーの補給量、画像信号変換手段のテーブルのうち、少なくとも1つ以上の制御を行う。
【0088】
例えば、図16に示すように、画像濃度センサ10の検出値が標準値より低い(濃度が薄い)場合には、画像形成時の現像器4へのトナーの補給量を、標準的な濃度時に比べて増加させる。逆に、標準値より高い(濃度が濃い)場合には、画像形成時の現像器4へのトナーの補給量を標準的な濃度時に比べて減少させる。これにより、濃度/色見の安定した画像を常に形成することができる。
【0089】
又、図17に示すように、画像形成時の画像形成条件として、入力された画像情報を出力画像に反映される所望の出力信号に変換する画像信号変換手段、より詳しくは、一の入力信号から一の出力信号を導く変換テーブル情報の、入力信号と出力信号との対応関係を補正することができる。つまり、入力信号に対する出力信号の変換を制御する画像信号変換テーブルを、画像濃度センサ10の検出値が標準値より低い(濃度が薄い)場合には、画像信号変換テーブルを濃度が濃いほうにシフトさせる。逆に、標準値より高い(濃度が濃い)場合には、画像信号変換テーブルを薄いほうにシフトさせる。これにより、濃度/色見の安定した画像を常に形成することができる。
【0090】
図15は、本実施例の制御態様を模式的に示す。制御手段50は、画像濃度センサ10の検出値に基づいて、上述のように現像剤補給容器63からの補給量を、現像剤補給容器63が備えるスクリューなどの補給手段の駆動を変更するなどして制御する。又、制御手段50は、画像濃度センサ10の検出値に基づいて、ROM53などに予め設定されている画像信号変換テーブルに基づき、変換結果が上述のようにシフトするような補正演算を行う。
【0091】
本実施例のように、他の制御手段を、現像バイアスの制御と組み合わせることにより、より非線形に濃度が変動した場合でも、適宜な組み合わせによって、より広範に濃度を安定させることができる。場合によっては、上記他の制御手段を、現像バイアスの制御に替えて行ってもよい。
【0092】
実施例4
更に、画像形成時の画像形成条件として、現像バイアスに替えて、若しくは加えて帯電バイアスを制御してもよい。
【0093】
即ち、帯電電位を変化させることで、現像コントラストも同時に変化するため、画像濃度を制御することができる。図18に帯電電位と現像コントラストの関係(絶対値表示、露光量、現像バイアスDC一定時)の関係を示す。同図から分かるように、帯電電位を上昇(絶対値)させると現像コントラストが減少し、濃度を薄くすることができ、又帯電電位を減少(絶対値)させると現像コントラストが増大し、濃度を濃くすることができる。
【0094】
斯かる制御は、実施例1にて説明した制御態様(図3)と同様にして実行し得る。制御手段50は、画像濃度センサ10の出力信号に応じて、帯電バイアス電源2Aに制御信号を送信し、画像形成時に帯電ローラ2に印加する帯電バイアスを制御する。
【0095】
この場合においても、実施例3にて説明した、トナーの補給量、画像信号変換手段のテーブルのうち少なくとも1つと組み合わせることができる。
【0096】
斯かる構成によっても、上記各実施例と同様に、濃度/色見の安定した画像を常に形成することができる。
【0097】
[その他の実施形態例]
(1)上記各実施例の画像形成装置において、帯電手段2はローラ型に限らず、ブレード型、ロッド型、ブラシ型、磁気ブラシ型等の他の形態の接触帯電部材であってもよい。又、コロナ帯電のように被帯電体に当接していない帯電手段を使用することもできる。
【0098】
(2)交番電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。
【0099】
(3)交番電圧の代わりに定電圧、或いは定電流制御された直流電界も使用可能である。
【0100】
(4)画像露光手段は、原稿画像のスリット露光手段など他の適宜の露光手段、機構にすることができる。
【0101】
(5)現像方式は、上記各実施例における反転現像に限定されるものではなく、正規現像でも差し支えない。
【0102】
(6)上記各実施例は適宜、独立に或いは併用して用いても差し支えないのは勿論である。
【0103】
(7)上記各実施例では、感光体に形成した画像濃度検知用画像は、感光体上でその濃度を検出するとして説明したが、画像濃度検知用画像を中間転写体などの被転写体に転写して、その上で濃度を検出するように画像濃度検知手段を設けてもよい。
【0104】
(8)被転写体としての中間転写体の移動方向に沿って、それぞれ第1の像担持体(感光体など)を備える複数の画像形成部が並置され、各画像形成部から第2の像担持体としての中間転写体上に順次現像剤像を形成し、その後、中間転写体上から現像剤像を転写材に一括して転写する、所謂、タンデム方式の画像形成装置にも、本発明は等しく適用可能である。この場合、各画像形成部において第1の像担持体上に形成した画像濃度検知用画像の濃度を、各画像形成部にそれぞれ設けられた画像濃度検知手段によって検出してもよいし、一旦中間転写体に転写した後、1つ又は複数の画像濃度検知手段によって中間転写体上でその濃度を検出してもよい。
【0105】
(9)更に、被転写体として、上記中間転写体の代わりに、転写材を担持して周回移動する転写材担持体を有し、単一の像担持体又は複数の画像形成部がそれぞれ備えた複数の像担持体から転写材担持体上の転写材に順次現像剤像を重ねて転写し、転写材担持体から転写材を分離した後に現像剤像を転写材に定着させる方式(転写材上多重転写方式)の画像形成装置にも、本発明は等しく適用可能である。この場合、上記(7)の場合と同様、画像濃度検知用画像は、像担持体上に形成しその上で濃度を検出してもよいし、転写材担持体又は転写材担持体上の転写材に転写した後にその上で濃度を検出してもよい。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多数の検出手段を使用して装置のコストを大幅に上昇させることなく、又画像形成装置内の汚れや余剰なトナーの消費を低減し、且つ精度よく画像濃度を安定させることが可能である。又、本発明によれば、連続画像形成時の濃度変動や、長期画像形成停止後の再開時、像担持体の新旧或いはロット差などによる画像濃度や色味の変動を防止、常に安定した画像を形成することができ、更に、電位センサを用いず、最適な条件(プロセス条件等)を設定することができ、安価な構成で、常に画像濃度を安定させ、且つ、画像欠陥のない良好な状態を安定的に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成図である。
【図2】本発明に従う画像形成条件制御の一実施例のフローチャート図である。
【図3】本発明に従う画像形成条件制御の制御態様を模式的に示すブロック図である。
【図4】トナーの電荷量と画像濃度との関係の一例を示すグラフ図である。
【図5】連続画像形成500枚前後のトナー電荷量と画像比率との関係の一例を示すグラフ図である。
【図6】画像形成枚数とトナー電荷量との関係(画像比率一定)の一例を示すグラフ図である。
【図7】露光量と感光体表面電位との関係(ロット違い)の一例を示すグラフ図である。
【図8】露光量と感光体表面電位の関係(新旧差)の一例を示すグラフ図である。
【図9】露光量と感光体表面電位との関係(Vsl近傍)の一例を示すグラフ図である。
【図10】帯電バイアスのDC成分と感光体表面電位との関係の一例を示すグラフ図である。
【図11】本発明に従ってパッチ形成時の露光量を変化させた場合の感光体表面電位と露光量との関係の一例を示すグラフ図である。
【図12】現像コントラストと画像濃度との関係の一例を示すグラフ図である。
【図13】本発明に従う画像形成条件制御の他の実施例のフローチャート図である。
【図14】本発明に従ってパッチ形成時の帯電バイアスを変化させた場合の感光体表面電位と露光量との関係の一例を示すグラフ図である。
【図15】本発明に従う画像形成条件制御の他の制御態様を模式的に示すブロック図である。
【図16】トナー補給量と画像濃度との関係の一例を示すグラフ図である。
【図17】入力画像信号と出力画像信号との関係(画像信号変換テーブル)の一例を示すグラフ図である。
【図18】帯電電位と現像コントラストの関係(露光量、現像バイアスDC一定)の一例を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体、電子写真感光体)
2 帯電ローラ(帯電手段)
3 レーザー書き込みユニット(露光手段)
4 現像器
5A 中間転写体ベルト(中間転写体)
5B 一次転写ローラ(一次転写手段)
6 二次転写ローラ(二次転写手段)
10 画像濃度センサ(画像濃度検知手段)
40 ロータリー現像ユニット(現像手段)
L 画像露光
P 転写材
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式を用いたプリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置においては、一般に回転ドラム型とされる感光体の表面を、帯電手段によって一様に帯電させた後、当該感光体の表面に露光手段によって画像露光を施して、画像情報に応じた静電潜像を形成する。そして、上記画像形成装置では、感光体上に形成された静電潜像を、所定の現像バイアスが印加される現像装置によって現像し顕像化して、当該顕像化された現像剤像を、記録用紙等の転写材上に転写・定着することにより、画像を形成するように構成されている。
【0003】
ところで、上記画像形成装置においては、現像剤若しくは感光体の劣化、又は感光体のロット差(感度差)などによって、画像濃度の変動やカブリ、或いは画像の抜け等の画像欠陥が発生することがある。
【0004】
例えば、現像装置で使用される主にキャリアとトナーとからなる二成分の現像剤におけるトナーの帯電量(電荷量)は、使用頻度や画像比率によって変化する。このように、トナーの帯電量が変化すると、当該トナー帯電量の変化に応じて、図4に示すように、画像濃度が変化してしまう。
【0005】
又、均一帯電された感光体の表面に、画像露光を施すことにより書き込んだ画像部の電位は、感光体の光感度が温度変動等に応じて変化するため、使用環境や頻度に応じて画像濃度のばらつきを招くこととなる。更には、感光体の製造時のロット差により、感度がばらつくことで、ロット毎に画像濃度のばらつきを招くことがある。
【0006】
このように、上記画像形成装置においては、使用環境や頻度の違い並びに現像剤若しくは感光体の劣化、又は感光体のロット差などによって、画像濃度の変動やカブリ、或いは画像の抜け等の画像欠陥が発生するという問題が起こることがある。
【0007】
そこで、上記の問題点を解決するため、従来、感光体の表面電位を検出する表面電位検出器と、現像装置内の現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出器と、感光体或いは被転写体上の現像剤像(トナー像)の画像濃度を検出する画像濃度検出器と、画像濃度検出器の出力によりトナーの帯電量変化を検知してトナー濃度及び感光体の表面電位を変化させ画像濃度を安定させる画像濃度制御装置と、が設けられ、画像濃度を安定させるように構成した画像形成装置が提案されている。
【0008】
ところで、上記従来技術は、次のような問題点を有している。即ち、上記従来技術の画像形成装置の場合、表面電位検出器が必須な構成となる。このため特にタンデム式(中間転写体或いは転写材担持体とされる被転写体の移動方向に沿って複数の画像形成部が並置される構成)のカラー画像形成装置においては、複数の表面電位検出器が必要となる。又、潜像形成後の感光体面近傍に配設する必要があり、装置の大型化を招く要因の1つとなっていた。
【0009】
そこで、これらの問題点を回避する技術として、特許文献1に開示されているように、画像露光を用いずに帯電電位と現像バイアスの差分で現像させ、その時の現像濃度を検出し、トナー補給量を制御し、且つ、帯電電位と現像バイアスの電位差を湿度に応じて変化させることで上記問題点を解消しようとするものがある。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−183876号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来技術は、次のような問題点を有している。
【0012】
即ち、帯電電位と現像バイアスの差分で現像する場合(以下、「アナログパッチ」という。)は、現像可能領域全域を現像することとなり、通常の画像形成時には現像されない部分(非通紙部領域)も現像させることとなる。このため、過剰に感光体が汚れることとなり、画像形成装置内のトナー飛散等により、汚れを助長することとなる。
【0013】
又、アナログパッチ方式においては、感光体の表面電位の電位ムラの影響を受けやすく、結果として精度の高い測定/検出を行うことは困難である。このため、アナログパッチの検出値を用いて各種制御値を変更しても精度よく画像濃度を制御することは困難である。
【0014】
更に、画像濃度検出器の測定必要領域以上に現像されるため、余剰のトナーが消費されることとなり、ランニングコストの増加を招くこととなる。
【0015】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたものである。
【0016】
従って、本発明の目的は、多数の検出手段を使用して装置のコストを大幅に上昇させることなく、且つ、精度よく画像濃度を安定させることのできる画像形成装置を提供することである。
【0017】
本発明の他の目的は、画像形成装置の汚れや余剰なトナーの消費を低減し、且つ、精度よく画像濃度を安定させることのできる画像形成装置を提供することである。
【0018】
本発明の他の目的は、連続画像形成時の濃度変動や、長期画像形成停止後の再開時、像担持体の新旧或いはロット差などによる画像濃度や色味の変動を防止、常に安定した画像を形成することのできる画像形成装置を提供することである。
【0019】
本発明の他の目的は、電位センサを用いず、最適な条件(プロセス条件等)を設定することができ、安価な構成で、常に画像濃度を安定させ、且つ、画像欠陥のない良好な状態を安定的に維持することのできる画像形成装置を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、以下の構成を特徴とする。
【0021】
(1)像担持体と;前記像担持体を帯電させる帯電手段と;前記像担持体を帯電させるべく前記帯電手段に電圧を印加する帯電電圧印加手段と;帯電した前記像担持体を露光して前記像担持体に静電像を形成する露光手段と;前記像担持体に形成された静電像を現像剤を用いて現像する現像手段と;静電像を現像すべく前記現像手段に電圧を印加する現像電圧印加手段と;前記像担持体上の現像剤の濃度を検知するための画像濃度検知手段と;前記像担持体上に形成した検知用画像の濃度を前記画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて画像形成条件を制御する制御手段と;を有し、出力画像形成時以外の所定のタイミングに、前記帯電手段により前記像担持体を所定の表面電位に帯電させ、前記露光手段により前記像担持体の所定の領域を所定の露光量で露光し、該露光部に前記現像手段から現像剤を供給して前記検知用画像を形成する画像形成装置において、前記検知用画像形成時の前記露光手段の露光量が、出力画像形成時と異なることを特徴とする画像形成装置。
【0022】
(2)前記非画像形成時の露光量が画像形成時の2倍以上であることを特徴とする上記(1)の画像形成装置。
【0023】
(3)像担持体と;前記像担持体を帯電させる帯電手段と;前記像担持体を帯電させるべく前記帯電手段に電圧を印加する帯電電圧印加手段と;帯電した前記像担持体を露光して前記像担持体に静電像を形成する露光手段と;前記像担持体に形成された静電像を現像剤を用いて現像する現像手段と;静電像を現像すべく前記現像手段に電圧を印加する現像電圧印加手段と;前記像担持体上の現像剤の濃度を検知するための画像濃度検知手段と;前記像担持体上に形成した検知用画像の濃度を前記画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて画像形成条件を制御する制御手段と;を有し、出力画像形成時以外の所定のタイミングに、前記帯電手段により前記像担持体を所定の表面電位に帯電させ、前記露光手段により前記像担持体の所定の領域を所定の露光量で露光し、該露光部に前記現像手段から現像剤を供給して検知用画像を形成する画像形成装置において、前記検知用画像形成時の前記帯電電圧印加手段の印加電圧が、出力画像形成時と異なることを特徴とする画像形成装置。
【0024】
(4)前記検知用画像形成時の前記帯電電圧印加手段の印加電圧は、絶対値にて比較して、出力画像形成時の前記像担持体の帯電電位の半分以下になるように制御されることを特徴とする上記(3)の画像形成装置。
【0025】
(5)前記出力画像形成時の画像形成条件として、前記現像電圧印加手段の印加電圧を制御することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0026】
(6)前記出力画像形成時の画像形成条件として、前記帯電電圧印加手段の印加電圧を制御することを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0027】
(7)更に、前記現像手段に現像剤を補給する現像剤補給手段を有し、前記出力画像形成時の画像形成条件として、前記現像剤補給手段からの現像剤補給量を制御することを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0028】
(8)前記現像手段は、キャリアとトナーとを備える現像剤を用い、前記現像剤補給手段は、前記現像手段にトナーを補給することを特徴とする上記(7)の画像形成装置。
【0029】
(9)更に、入力された画像情報を、出力画像に反映される所望の出力信号に変換する画像信号変換手段を有し、前記出力画像形成時の画像形成条件として、前記画像信号変換手段を制御することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0030】
(10)前記画像信号変換手段は、一の入力信号から一の出力信号を導く変換テーブル情報であり、前記出力画像形成時の画像形成条件として、該変換テーブルの入力信号と出力信号との対応関係を補正することを特徴とする上記(9)の画像形成装置。
【0031】
(11)前記検知用画像形成時の前記現像電圧印加手段の印加電圧の直流成分は、絶対値にて比較して、出力画像形成時の該直流成分より低いことを特徴とする上記(1)〜(10)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0032】
(12)前記帯電手段は、前記像担持体に接触して前記像担持体を帯電させる接触帯電手段であることを特徴とする上記(1)〜(11)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0033】
(13)前記現像手段は、キャリアとトナーとを備える現像剤を用いることを特徴とする上記(1)〜(6)、及び(9)〜(12)のいずれかに記載の画像形成装置。
【0034】
(14)像担持体と;前記像担持体を帯電させる帯電手段と;前記像担持体を帯電させるべく前記帯電手段に電圧を印加する帯電電圧印加手段と;帯電した前記像担持体を露光して前記像担持体に静電像を形成する露光手段と;前記像担持体に形成された静電像を現像剤を用いて現像する現像手段と;静電像を現像すべく前記現像手段に電圧を印加する現像電圧印加手段と;前記像担持体に形成された現像剤像が転写される被転写体と;前記被転写体上の現像剤の濃度を検知するための画像濃度検知手段と;前記被転写体上に転写した検知用画像の濃度を前記画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて画像形成条件を制御する制御手段と;を有し、出力画像形成時以外の所定のタイミングに、前記帯電手段により前記像担持体を所定の表面電位に帯電させ、前記露光手段により前記像担持体の所定の領域を所定の露光量で露光し、該露光部に前記現像手段から現像剤を供給して前記検知用画像を形成する画像形成装置において、前記検知用画像形成時の前記露光手段の露光量が、出力画像形成時と異なることを特徴とする画像形成装置。
【0035】
(15)像担持体と;前記像担持体を帯電させる帯電手段と;前記像担持体を帯電させるべく前記帯電手段に電圧を印加する帯電電圧印加手段と;帯電した前記像担持体を露光して前記像担持体に静電像を形成する露光手段と;前記像担持体に形成された静電像を現像剤を用いて現像する現像手段と;静電像を現像すべく前記現像手段に電圧を印加する現像電圧印加手段と;前記像担持体に形成された現像剤像が転写される被転写体と;前記被転写体上の現像剤の濃度を検知するための画像濃度検知手段と;前記被転写体上に転写した検知用画像の濃度を前記画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて画像形成条件を制御する制御手段と;を有し、出力画像形成時以外の所定のタイミングに、前記帯電手段により前記像担持体を所定の表面電位に帯電させ、前記露光手段により前記像担持体の所定の領域を所定の露光量で露光し、該露光部に前記現像手段から現像剤を供給して前記検知用画像を形成する画像形成装置において、前記検知用画像形成時の前記帯電電圧印加手段の印加電圧が、出力画像形成時と異なることを特徴とする画像形成装置。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0037】
実施例1
図1は本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成を示す。本実施例において、画像形成装置は、装置本体と通信可能に接続された例えばパーソナルコンピュータなどの外部ホスト機器から送信される画像情報信号に応じて、電子写真方式を利用してイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色フルカラー画像を形成することのできるフルカラープリンタ装置である。
【0038】
先ず、図1を参照して本実施例の画像形成装置100の全体構成について説明する。画像形成装置100は、像担持体としてのドラム型の電子写真感光体(以下、「感光体ドラム」という。)を有する。感光体ドラム1に対向して、この感光体ドラム1の表面を所定の電位に一様に帯電するための帯電手段として、帯電ローラ2が設けられている。感光体ドラム1の回転方向において、帯電ローラ2よりも下流側において、レーザー書き込みユニット(露光手段)3からイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報に応じて、レーザー光Lが順次照射される。そして、この像露光部よりも更に下流側に、イエロー現像剤(トナーとキャリアを所定比率で混合したもの。他の色についても同様。)を内包した現像器4Y、マゼンタ現像剤を内包した現像器4M、シアン現像剤を内包した現像器4C、ブラック現像剤を内包した現像器4Bkを具備したロータリー現像ユニット40が感光体ドラム1と対向して配置されている。
【0039】
ロータリー現像ユニット40より更に下流側に位置して、感光体ドラム1上で顕在化されたトナー像が転写され、これを担持する中間転写体としての中間転写体ベルト5Aが配置されている。感光体ドラム1上に形成されたトナー像を中間転写体ベルト5A上に転写するための一次転写手段たる一次転写ローラ5Bが、中間転写体ベルト5Aを介して感光体ドラム1に対向して配設され、感光ドラム1と中間転写体ベルト5Aとの間に一次転写部N1を形成している。又、感光体ドラム1から中間転写体ベルト5A上に転写されたトナー像を、所望の転写材Pに転写するための二次転写手段たる二次転写ローラ6が、中間転写体ベルト5Aに対向配置されており、二次転写部N2を形成している。
【0040】
又、画像形成装置100は、一次転写工程後に感光体ドラム1上に残留したトナー等を清掃する感光体クリーナー7A、二次転写工程後に中間転写体ベルト5A上に残留したトナー等を清掃する中間転写体クリーナー7Bを有する。
【0041】
更に、二次転写ローラ6よりも転写材Pの搬送方向上流側には、転写材Pの供給手段及び搬送手段(図示せず)が配置され、又二次転写ローラ6よりも転写材Pの搬送方向下流側において、転写材P上に形成された未定着のトナー像を転写材Pに定着せしめる定着装置20が配置されている。
【0042】
次に、画像形成装置100の各要素を順次より詳しく説明する。
【0043】
[感光体]
本実施例では、感光体ドラム1は直径80mmのOPC感光体を用いた。この感光体ドラム1は、アルミニウム等の導電性ドラム基体と、その外周面に形成した感光層(光導電層)で構成された負帯電極性の感光体(ネガ感光体)であり、図中矢印方向に150mm/secのプロセススピード(周速度)をもって回転駆動されている。
【0044】
[帯電]
帯電ローラ2は中心の芯金と、その外周に同心一体にローラ状に形成した弾性導電層と、更にその外周面に形成した抵抗層の複合層構造のローラである。弾性導電層は、例えば、体積抵抗率が104Ωcm以下の導電性ゴムなどの単層或いは複合層である。抵抗層は、体積抵抗率107〜1011Ωcm、厚さ100μm程度以下の導電性ゴム等の単層或いは複合層である。
【0045】
帯電ローラ2はその芯金の両端部を軸受け部材(図示せず)に回転自由に軸受けさせて、押圧バネなどとされる押圧手段(図示せず)で感光体ドラム1に対して所定の押圧力をもって圧接されている。本実施例では、帯電ローラ2は、感光体ドラム1の回転駆動に伴い従動回転する。
【0046】
又、電圧印加手段としての帯電バイアス電源2A(図3)により帯電ローラ2の芯金に所定のバイアス電圧が印加されることにより、感光体ドラム1の外周面が接触帯電方式で所定の極性・電位(本実施例ではマイナス)に一様に帯電処理される。本実施例では、帯電バイアスとしては、電位収束性に優れる「AC帯電方式」を用いた。「AC帯電方式」とは、ACバイアスにDCバイアスを重畳させた交番電圧を帯電部材に印加して被帯電体を帯電させる方式である。この方式では、ACバイアスが所定電界以上であれば、感光体ドラム1の表面電位はDCバイアスに略同等に収束するものである。本実施例では、画像形成時の帯電バイアスとして、周波数1200Hz、Vpp1.7kVの正弦波のACバイアスと、−700VのDCバイアスとの重畳電圧を印加する。これにより、感光体ドラム1の表面電位として−680Vを得ることができた。
【0047】
[露光]
レーザー光Lによって走査露光されるイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、原稿の画像を、画像読取装置(図示せず)によってイエロー、マゼンタ、シアン、黒色の4色の画像情報として読み取った後、或いはパソコン等(図示せず)にから転送された画像情報を基に、4色の画像情報に画像処理部によって所定の画像処理を施したものである。これらのイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の画像情報は、例えば、画像読取装置の読み取り動作に同期して、露光手段としてのレーザー書き込みユニット3に送られるようになっている。本実施例では、レーザー書き込みユニット3としては、レーザー光源、レンズ系、ポリゴンミラーなどを備える斯界にて周知のレーザースキャナーを用いた。
【0048】
本実施例においては、各色とも、ベタ画像(最大濃度画像)形成時の感光体ドラム1の表面電位が−180Vになるように露光量が調整されている。
【0049】
[現像]
ロータリー現像ユニット40に配される各色の現像器4M、4Y、4C、4Bkは、全て二成分方式の現像方式であり、所定の比率で主に非磁性樹脂トナー粒子(トナー)と磁性粒子(キャリア)とが混合された二成分現像剤を用いる。二成分現像剤は、マグネットを内包したスリーブ状の現像剤担持体(以下、「現像スリーブ」という。)4a上に拘束され、現像スリーブ4aの回転に伴って感光体ドラム1との対向部(現像部)に搬送される。そして、電圧印加手段としての現像バイアス電源4A(図3)から現像スリーブ4aに印加される現像バイアスによって、感光体ドラム1上に形成された静電像に応じて二成分現像剤中のトナーが感光体ドラム1上に転移され、所望の濃度の画像形成が実行される。本実施例のトナーは全て負極性(ネガトナー)である。
【0050】
本実施例では、画像形成時の現像バイアスとして、周波数2400Hz、Vpp2.0kVの矩形波のACバイアスと、−530VのDCバイアスとを重畳させたものを用いた。
【0051】
又、各現像器4M、4Y、4C、4Bkには、それぞれ現像剤補給手段として現像剤補給容器が接続されており、ほぼ現像によって消費した分に相当するトナーが、この現像剤補給容器から現像器4M、4Y、4C、4Bkに補給される。トナーの補給量は、例えば形成画像情報の色毎、画素毎の濃度情報に基づいて算出するなど、公知任意の方法を採用し得る。
【0052】
[画像濃度センサ]
本実施例の画像形成装置100では、感光体ドラム1上の画像濃度を検知するための画像濃度検知手段として、画像濃度センサ10が、感光体ドラム1の回転方向においてロータリー現像ユニット40よりも下流側で二次転写ローラ5Bよりも上流側に配置されている。本実施例では、画像濃度センサ10として反射型のセンサを用いており、画像濃度センサ10の投光部(LED)から発光された光を、非画像形成時の所定のタイミングで形成された、感光ドラム1上の所定領域のトナー像(以下、「パッチ」という。)に照射し、その反射光を画像濃度センサ10の受光部により受光する。そして、反射光の比率に応じてトナー像の濃度を検知するものである。詳しくは後述するように、この画像濃度センサ10によって画像濃度検知用画像(以下、「パッチ」という。)の濃度を検出して、その検出信号が画像形成条件の制御に供される。
【0053】
[中間転写]
中間転写体ベルト5Aは、感光体ドラム1上の一次転写部N1を含む領域に渡って平坦に保持されたベルトである。中間転写体ベルト5Aは、感光体ドラム1上に形成されたトナー画像を、順次重ねた状態に転写するためのものである。この中間転写体ベルト5Aの周長は、感光体ドラム1の周長の整数倍(例えば、2〜5倍)となっている。本実施例では2×80×π(mm)の周長に設定されている。
【0054】
又、中間転写体ベルト5Aは単層の導電性ゴムで形成され、厚みが100μm、抵抗が1×109Ωに設定されている。この中間転写体ベルト5Aは、駆動機構(図示せず)により駆動される駆動ローラを含む3つのローラによって、これらの回転速度(周速)と同一の速度で、感光体ドラム1の回転に同期して図中矢印方向に沿って循環移動可能となっている。
【0055】
[一次転写ローラ]
一次転写ローラ5Bは感光体ドラム1上に形成された各色のトナー像を中間転写体ベルト5A上に転写するためのものである。この一次転写ローラ5Aは、中心の芯金と、その外周に同心一体にローラ状に形成した中抵抗の弾性層とからなる。本実施例では、一次転写ローラ5Aは、抵抗が5×106Ω、直径16mmの導電性ゴムローラである。
【0056】
この一次転写ローラ5Aの芯金部に電源(図示せず)よりトナー像と逆極性の所定のバイアス(本実施例ではプラス)を印加し、感光体ドラム1上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト5Aに転写させる。
【0057】
[二次転写ローラ]
二次転写ローラ6は中間転写体ベルト5Aに転写、担持されたトナー像を所望の転写材Pの転写するものであり、中心の芯金と、その外周に同心一体にローラ状に形成した中抵抗の弾性層とからなる。本実施例では、二次転写ローラ6は、抵抗が5×108Ω、直径16mmの導電性ゴムローラである。
【0058】
この二次転写ローラ6の芯金部に電源(図示せず)よりトナー像と逆極性の所定のバイアス(本実施例ではプラス)を印加し、中間転写体ベルト5Aに形成された各色のトナー像を転写材Pに転写させる。
【0059】
[定着]
その後、トナー像が転写された転写材Pは定着装置20に搬送され、転写材P上に定着され、一連の画像形成が終了する。
【0060】
[画像形成条件制御]
次に、画像形成条件の制御について説明する。尚、以下に説明する画像形成条件の制御は、各色について行うが、その原理、制御手順は各色で同じであるので、ここでは、特に色は指定せずに総括的に説明する。
【0061】
ところで、本実施例の構成で、パッチの濃度に応じて画像形成プロセスの各種制御値を変更しない場合、例えば連続1000枚画像形成時の1枚目と1000枚目の濃度差を生じたり、長時間画像形成を実行しなかった後に画像形成を実行した際に所望の濃度、色域を得ることができなかったりする。又、同様に、感光体ドラム1の新品と耐久末期との間、或いは交換前と交換後でも濃度差が生じたり、所望の色見の画像を得ることができなかったりする。
【0062】
これは、連続画像形成時に、図5、図6に示すように、現像剤の現像特性(トナーの電荷量やトナーとキャリアとの比率)が変化したためであると考えられる。図5は、500枚の連続画像形成を行う前と行った後とで、トナーの帯電電荷量と画像比率とを比較して示す。図6は、画像比率を10%で一定とした際の画像形成枚数とトナーの帯電電荷量の変化を示す。
【0063】
又、感光体ドラム1の耐久前後や、交換前後の色見変動は、図7、図8に示すように、耐久前後の感光体ドラム1の感度変化や、感光体ドラム1のロットの違いによる感度差により、露光時の電位が変化するためであると考えられる。図7は、感光体ドラム1のロットの違いによる、露光量と感光ドラム1の表面電位との関係を比較して示す。又、図8は、感光体ドラム1の耐久前後での露光量と感光体ドラム1の表面電位との関係を比較して示す。
【0064】
さて、本実施例にて用いるようなOPC感光体は、一般的に、図9に示すような特性を示す。即ち、所定光量以上においては、感光体表面電位は一定の値に飽和する特性である(この時の飽和電位を、以下「Vsl」という。)。
【0065】
このVslは、耐久前後による感度差や、ロット違いによる感度差には依存せず、感光体ドラム1の処方に依存するものであり、常に一定の値である。
【0066】
又、帯電手段として帯電ローラ2を用いたAC帯電方式においては、図10に示すように、感光体ドラム1の新旧やロット差によらず、所定値以上のACバイアスが印加されていれば、重畳されたDCバイアスと感光体ドラム1の表面電位は略1:1の関係がある。
【0067】
そこで、本実施例では、所定のタイミング、例えば画像形成装置起動時や、画像形成10枚毎の画像形成時の間(所謂、紙間)などの非画像形成時に、図2のフローチャートに従ってパッチを形成する。ここで、「画像形成時」とは、転写材に転写して出力するための出力画像を形成している時をいうものとし、「非画像形成時」とは、画像形成時以外、即ち、転写材に転写して出力するための出力画像を形成している時以外をいうものとする。
【0068】
パッチ形成時には、パッチの領域(本実施例では20mm×20mm)の露光量を画像形成時の3倍とし、図11に示すように、パッチ領域における感光体ドラム1の表面電位をVsl(本実施例では−20V)に飽和させる。又、パッチ形成時には、現像バイアスのDC成分を−170Vに切り替える。
【0069】
パッチ形成時に感光ドラム1の表面電位をVslに飽和させるためには、一般に、画像形成時の露光量が感光体ドラム1への過剰なトナーの付着や、画像の太り防止の観点から露光部電位を、電位の立下り途中の−180V(図11)となるように設定されていることから、露光量を画像形成時の2倍以上とする。より好ましくは3倍以上とする。但し、露光装置の寿命、即ち発光光量を増加させると、所定量の発光が可能な時間が短くなることを考慮して、通常、上限として7倍以下、より好ましくは5倍以下とする。
【0070】
ところで、図12に、本実施例の画像形成装置100における、標準的な状態の現像コントラスト(現像バイアスのDC成分と、感光ドラム1上の画像部(露光部)電位との電位差)と感光体ドラム1上の画像濃度との関係を示す。
【0071】
図12から、標準状態におけるパッチの画像濃度は、光学濃度で0.5であることが分かる(Vsl=−20V、現像バイアスのDC成分=−170Vで現像コントラスト=150Vのとき)。即ち、パッチ形成時に感光ドラム1の表面電位をVslに飽和させているので、この標準状態の画像濃度とのずれ分が、現像バイアスの変動に相当する画像形成装置の変動を示すものである。
【0072】
又、図示するように、画像濃度約0.1〜0.9では、画像濃度と現像コントラストとは略線形(濃度差(ΔD)/現像コントラスト差(ΔV)=0.004)の相関を示す。
【0073】
本実施例では、図12の関係から、パッチの画像濃度のずれ分に応じて、現像バイアスを制御する。即ち、パッチの画像濃度の差分ΔDに対し、ΔD/0.004V分だけ現像バイアスをシフトさせる。
【0074】
図3は、本実施例の制御態様を模式的に示す。これに限定されるものではないが、本実施例では、帯電バイアス、露光量、現像バイアスの制御は、画像形成装置100の動作を統括制御する制御手段50が一括して行うようになっている。制御手段50は、演算制御の中心素子たるCPU51、記憶手段たるRAM52、ROM53、外部の機器との情報の入出力のためのインターフェイス素子54、データの変換素子であるA/D変換器55及びD/A変換器56などを備えた制御回路として構成される。制御手段50は、ROM53などに記憶されたプログラムに従って、画像形成条件の制御を実行する。つまり、画像濃度センサ10の出力信号を取り込み、RAM52に一旦記憶させるなどして、CPU51が、この出力信号、ROM53内に設定されたテーブル、演算式等を利用して、現像バイアスの制御値を算出し、斯かる算出結果に基づいて現像バイアス電源4Aに制御信号を送信し、所望の現像バイアスを印加させる。
【0075】
図2を参照して、制御手順を更に説明すると、制御手段50は、パッチ検実行タイミングを検知すると(ステップ1)、レーザー書き込みユニット3によるレーザー露光量を画像形成時の3倍に設定し、又現像バイアスのDC成分を−170Vに切り替える設定を行う(ステップ2)。そして、画像形成時と同じ帯電バイアスで帯電させた感光ドラム1を露光して、Vsl(−20V)のパッチ領域を形成する(ステップ3)。このパッチ潜像を現像して(ステップ4)、画像濃度センサ10でこのパッチの画像濃度Dを検出する(ステップ5)。本実施例では、パッチの画像濃度Dが、標準状態の画像濃度0.5から±0.05以上ずれた場合に現像バイアスをシフトさせる制御を行うこととして、制御手段50は、検出したパッチの画像濃度Dが0.45<D<0.55の範囲内か否かを判断する(ステップ6)。制御手段50は、ステップ6にて現像バイアスをシフトさせる必要があると判断した場合には、検出したパッチの濃度Dから、画像形成時の現像バイアスのDC成分を、次式、
−530(画像形成時の現像コントラスト)−(0.5−D)/0.004
により算出した値に設定する(ステップ7)。
【0076】
上述の制御を行って各種画像形成を実行したところ、連続画像形成時の濃度変動や、長期画像形成停止後の再開時、感光体ドラム1の新旧、ロット差による濃度や色見の変動を生じることなく、常に濃度/色見の安定した画像を形成することができた。
【0077】
又、本実施例においては、アナログパッチを用いることなく、現像コントラストと画像濃度との関係を検知することができるため、非通紙部領域の余剰な汚れや、過剰なトナー消費を低減することができる。更に、アナログパッチのように帯電ムラ等による濃度ムラを生じることがないため、精度よくパッチの形成/濃度測定を行うことができ、画像の安定性も向上させることができる。
【0078】
以上、本実施例によれば、電位センサなど多数の検出手段を設けることなく、安価な構成で、画像濃度を安定させることができる。
【0079】
実施例2
次に、本発明に係る他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成及び動作は実施例1のものと同じであるので、同一構成、作用の要素には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0080】
本実施例では、図13のフローチャートに従い、帯電バイアスを変化させてパッチ形成を実行した。
【0081】
図14をも参照して更に説明すると、ステップ2において、帯電バイアスを、感光体ドラム1の表面電位が−300Vとなるように帯電バイアスのDC成分を−330Vに変更する。そして、画像形成時と同じ露光量でパッチ領域(20mm×20mm)を露光することで、実施例1と同様に、露光部の電位を−20VのVslに飽和させる。又、パッチ形成時の現像バイアスのDC成分は、実施例1と同様、−170Vに設定する。その後は、実施例1と同様に、画像形成時の現像バイアスを制御/補正する。
【0082】
パッチ形成時に感光ドラム1の表面電位を、通常画像形成時の露光量にてVslに飽和させるためには、一般に、画像形成時の感光ドラム1の帯電電位が、画像白地部へのトナー付着(かぶり)防止、及び適正な現像コントラストを得られるよう帯電電位が−680Vとなるように設定されていることから、画像形成時の感光ドラム1の帯電電位よりも、絶対値にて3/5以下となるようにする。より好ましくは半分以下とする。但し、パッチ形成時のかぶり防止の観点から、通常、下限として1/3以上、より好ましくは2/5以上とする。
【0083】
斯かる制御を行って各種画像形成を実行したところ、常に濃度/色見の安定した画像を形成することができた。
【0084】
又、実施例1では画像形成時の必要光量よりも多量の光量が必要とされるため、露光部、つまり上記実施例ではレーザー素子のコストアップのつながることが想定されるが、本実施例では帯電バイアスのDC成分で制御しているため、より低コストにて感光体ドラム1の表面電位のVslへの飽和を実現することができる。
【0085】
以上、本実施例によれば、実施例1と同様の効果を奏しつつ、更にコストを低減させることができる。
【0086】
実施例3
次に、本発明に係る更に他の実施例について説明する。本実施例の画像形成装置の基本構成及び動作も、実施例1のものと同じである。
【0087】
本実施例においては、実施例1、2の構成において、画像形成時の画像形成条件として、現像バイアスだけでなく、トナーの補給量、画像信号変換手段のテーブルのうち、少なくとも1つ以上の制御を行う。
【0088】
例えば、図16に示すように、画像濃度センサ10の検出値が標準値より低い(濃度が薄い)場合には、画像形成時の現像器4へのトナーの補給量を、標準的な濃度時に比べて増加させる。逆に、標準値より高い(濃度が濃い)場合には、画像形成時の現像器4へのトナーの補給量を標準的な濃度時に比べて減少させる。これにより、濃度/色見の安定した画像を常に形成することができる。
【0089】
又、図17に示すように、画像形成時の画像形成条件として、入力された画像情報を出力画像に反映される所望の出力信号に変換する画像信号変換手段、より詳しくは、一の入力信号から一の出力信号を導く変換テーブル情報の、入力信号と出力信号との対応関係を補正することができる。つまり、入力信号に対する出力信号の変換を制御する画像信号変換テーブルを、画像濃度センサ10の検出値が標準値より低い(濃度が薄い)場合には、画像信号変換テーブルを濃度が濃いほうにシフトさせる。逆に、標準値より高い(濃度が濃い)場合には、画像信号変換テーブルを薄いほうにシフトさせる。これにより、濃度/色見の安定した画像を常に形成することができる。
【0090】
図15は、本実施例の制御態様を模式的に示す。制御手段50は、画像濃度センサ10の検出値に基づいて、上述のように現像剤補給容器63からの補給量を、現像剤補給容器63が備えるスクリューなどの補給手段の駆動を変更するなどして制御する。又、制御手段50は、画像濃度センサ10の検出値に基づいて、ROM53などに予め設定されている画像信号変換テーブルに基づき、変換結果が上述のようにシフトするような補正演算を行う。
【0091】
本実施例のように、他の制御手段を、現像バイアスの制御と組み合わせることにより、より非線形に濃度が変動した場合でも、適宜な組み合わせによって、より広範に濃度を安定させることができる。場合によっては、上記他の制御手段を、現像バイアスの制御に替えて行ってもよい。
【0092】
実施例4
更に、画像形成時の画像形成条件として、現像バイアスに替えて、若しくは加えて帯電バイアスを制御してもよい。
【0093】
即ち、帯電電位を変化させることで、現像コントラストも同時に変化するため、画像濃度を制御することができる。図18に帯電電位と現像コントラストの関係(絶対値表示、露光量、現像バイアスDC一定時)の関係を示す。同図から分かるように、帯電電位を上昇(絶対値)させると現像コントラストが減少し、濃度を薄くすることができ、又帯電電位を減少(絶対値)させると現像コントラストが増大し、濃度を濃くすることができる。
【0094】
斯かる制御は、実施例1にて説明した制御態様(図3)と同様にして実行し得る。制御手段50は、画像濃度センサ10の出力信号に応じて、帯電バイアス電源2Aに制御信号を送信し、画像形成時に帯電ローラ2に印加する帯電バイアスを制御する。
【0095】
この場合においても、実施例3にて説明した、トナーの補給量、画像信号変換手段のテーブルのうち少なくとも1つと組み合わせることができる。
【0096】
斯かる構成によっても、上記各実施例と同様に、濃度/色見の安定した画像を常に形成することができる。
【0097】
[その他の実施形態例]
(1)上記各実施例の画像形成装置において、帯電手段2はローラ型に限らず、ブレード型、ロッド型、ブラシ型、磁気ブラシ型等の他の形態の接触帯電部材であってもよい。又、コロナ帯電のように被帯電体に当接していない帯電手段を使用することもできる。
【0098】
(2)交番電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。
【0099】
(3)交番電圧の代わりに定電圧、或いは定電流制御された直流電界も使用可能である。
【0100】
(4)画像露光手段は、原稿画像のスリット露光手段など他の適宜の露光手段、機構にすることができる。
【0101】
(5)現像方式は、上記各実施例における反転現像に限定されるものではなく、正規現像でも差し支えない。
【0102】
(6)上記各実施例は適宜、独立に或いは併用して用いても差し支えないのは勿論である。
【0103】
(7)上記各実施例では、感光体に形成した画像濃度検知用画像は、感光体上でその濃度を検出するとして説明したが、画像濃度検知用画像を中間転写体などの被転写体に転写して、その上で濃度を検出するように画像濃度検知手段を設けてもよい。
【0104】
(8)被転写体としての中間転写体の移動方向に沿って、それぞれ第1の像担持体(感光体など)を備える複数の画像形成部が並置され、各画像形成部から第2の像担持体としての中間転写体上に順次現像剤像を形成し、その後、中間転写体上から現像剤像を転写材に一括して転写する、所謂、タンデム方式の画像形成装置にも、本発明は等しく適用可能である。この場合、各画像形成部において第1の像担持体上に形成した画像濃度検知用画像の濃度を、各画像形成部にそれぞれ設けられた画像濃度検知手段によって検出してもよいし、一旦中間転写体に転写した後、1つ又は複数の画像濃度検知手段によって中間転写体上でその濃度を検出してもよい。
【0105】
(9)更に、被転写体として、上記中間転写体の代わりに、転写材を担持して周回移動する転写材担持体を有し、単一の像担持体又は複数の画像形成部がそれぞれ備えた複数の像担持体から転写材担持体上の転写材に順次現像剤像を重ねて転写し、転写材担持体から転写材を分離した後に現像剤像を転写材に定着させる方式(転写材上多重転写方式)の画像形成装置にも、本発明は等しく適用可能である。この場合、上記(7)の場合と同様、画像濃度検知用画像は、像担持体上に形成しその上で濃度を検出してもよいし、転写材担持体又は転写材担持体上の転写材に転写した後にその上で濃度を検出してもよい。
【0106】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多数の検出手段を使用して装置のコストを大幅に上昇させることなく、又画像形成装置内の汚れや余剰なトナーの消費を低減し、且つ精度よく画像濃度を安定させることが可能である。又、本発明によれば、連続画像形成時の濃度変動や、長期画像形成停止後の再開時、像担持体の新旧或いはロット差などによる画像濃度や色味の変動を防止、常に安定した画像を形成することができ、更に、電位センサを用いず、最適な条件(プロセス条件等)を設定することができ、安価な構成で、常に画像濃度を安定させ、且つ、画像欠陥のない良好な状態を安定的に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施例の概略構成図である。
【図2】本発明に従う画像形成条件制御の一実施例のフローチャート図である。
【図3】本発明に従う画像形成条件制御の制御態様を模式的に示すブロック図である。
【図4】トナーの電荷量と画像濃度との関係の一例を示すグラフ図である。
【図5】連続画像形成500枚前後のトナー電荷量と画像比率との関係の一例を示すグラフ図である。
【図6】画像形成枚数とトナー電荷量との関係(画像比率一定)の一例を示すグラフ図である。
【図7】露光量と感光体表面電位との関係(ロット違い)の一例を示すグラフ図である。
【図8】露光量と感光体表面電位の関係(新旧差)の一例を示すグラフ図である。
【図9】露光量と感光体表面電位との関係(Vsl近傍)の一例を示すグラフ図である。
【図10】帯電バイアスのDC成分と感光体表面電位との関係の一例を示すグラフ図である。
【図11】本発明に従ってパッチ形成時の露光量を変化させた場合の感光体表面電位と露光量との関係の一例を示すグラフ図である。
【図12】現像コントラストと画像濃度との関係の一例を示すグラフ図である。
【図13】本発明に従う画像形成条件制御の他の実施例のフローチャート図である。
【図14】本発明に従ってパッチ形成時の帯電バイアスを変化させた場合の感光体表面電位と露光量との関係の一例を示すグラフ図である。
【図15】本発明に従う画像形成条件制御の他の制御態様を模式的に示すブロック図である。
【図16】トナー補給量と画像濃度との関係の一例を示すグラフ図である。
【図17】入力画像信号と出力画像信号との関係(画像信号変換テーブル)の一例を示すグラフ図である。
【図18】帯電電位と現像コントラストの関係(露光量、現像バイアスDC一定)の一例を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム(像担持体、電子写真感光体)
2 帯電ローラ(帯電手段)
3 レーザー書き込みユニット(露光手段)
4 現像器
5A 中間転写体ベルト(中間転写体)
5B 一次転写ローラ(一次転写手段)
6 二次転写ローラ(二次転写手段)
10 画像濃度センサ(画像濃度検知手段)
40 ロータリー現像ユニット(現像手段)
L 画像露光
P 転写材
Claims (1)
- 像担持体と、
前記像担持体を帯電させる帯電手段と、
前記像担持体を帯電させるべく前記帯電手段に電圧を印加する帯電電圧印加手段と、
帯電した前記像担持体を露光して前記像担持体に静電像を形成する露光手段と、
前記像担持体に形成された静電像を現像剤を用いて現像する現像手段と、
静電像を現像すべく前記現像手段に電圧を印加する現像電圧印加手段と、
前記像担持体上の現像剤の濃度を検知するための画像濃度検知手段と、
前記像担持体上に形成した検知用画像の濃度を前記画像濃度検知手段により検知した結果に基づいて画像形成条件を制御する制御手段と、
を有し、
出力画像形成時以外の所定のタイミングに、前記帯電手段により前記像担持体を所定の表面電位に帯電させ、前記露光手段により前記像担持体の所定の領域を所定の露光量で露光し、該露光部に前記現像手段から現像剤を供給して前記検知用画像を形成する画像形成装置において、
前記検知用画像形成時の前記露光手段の露光量が、出力画像形成時と異なることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002314715A JP2004151247A (ja) | 2002-10-29 | 2002-10-29 | 画像形成装置 |
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JP2016180790A (ja) * | 2015-03-23 | 2016-10-13 | キヤノン株式会社 | 画像形成装置 |
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-
2002
- 2002-10-29 JP JP2002314715A patent/JP2004151247A/ja active Pending
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