JP2004361749A - 画像形成装置及び該画像形成装置の作像ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数の作像ユニット24の各ユニットケース30に、その作像ユニット24を手で掴むための切欠80を形成する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光体と、該感光体にトナー像を形成するためのプロセス機器のうちの少なくとも1つを有する複数の作像ユニットが並列に配置された画像形成装置と、その作像ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ或いはこれらの複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は従来より公知である(例えば特許文献1参照)。この形式の画像形成装置において、各作像ユニットが互いに近接し、又は隣り合う作像ユニット同士が互いに接触した状態で並列に配置されていると、そのいずれかの作像ユニットを掴んで取り出そうとしたとき、各作像ユニットの間に指を入れることができないため、当該作像ユニットをうまく取り出すことができない。
【0003】
そこで、各作像ユニットのユニットケースに把手を設け、その把手を掴んで作像ユニットを取り出せるように構成することが考えられる。例えば、各ユニットケースの上壁に上方に突出する把手を設け、その把手を掴んで作像ユニットを上方に持ち上げることができるように構成するのである。このようにすれば、作像ユニット同士が互いに近接し、または接触して配置されていても、いずれの作像ユニットも容易に取り出すことができる。
【0004】
ところが、この構成によると、ユニットケースに設けられた把手がそのユニットケースの外方に大きく突出しているので、各作像ユニットが画像形成装置本体内に配置されているときに、これらの作像ユニットが画像形成装置本体内で大きなスペースを占めてしまう。このため画像形成装置本体を大型に構成しなければならない不具合が発生する。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−36346号公報(第6頁、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来の欠点を除去した冒頭に記載した形式の画像形成装置と該画像形成装置の作像ユニットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載した形式の画像形成装置において、各作像ユニットのユニットケースに、該作像ユニットを掴むための切欠がそれぞれ形成されていることを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項1)。
【0008】
また、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記切欠は、各ユニットケースの上部に1つずつ設けられ、かつその各切欠は、全て、前記作像ユニットの配列方向における一方の端部側に形成されていると有利である(請求項2)。
【0009】
さらに、上記請求項1又は2に記載の画像形成装置において、各作像ユニットは、画像形成装置本体に対してその手前側に引き出し又は奥側に押し込み可能に支持され、各作像ユニットを手前側に引き出して該作像ユニットを上方に持ち上げ可能に構成すると有利である(請求項3)。
【0010】
また、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、前記感光体は、作像ユニットとは別の部材として構成されていると有利である(請求項4)。
【0011】
さらに、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置において、各作像ユニットは、感光体と、該感光体にトナー像を形成する少なくとも1つのプロセス機器とを有していると有利である(請求項5)。
【0012】
また、上記請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置において、各作像ユニットは、感光体に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置より成るプロセス機器を具備し、前記現像装置の現像ケースは前記ユニットケースの一部によって構成されていると共に、前記切欠は、前記現像ケース以外のユニットケース部分に形成されていると有利である(請求項6)。
【0013】
さらに、本発明は、上記目的を達成するため、請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置の作像ユニットを提案する(請求項7)。
【0014】
また、本発明は上記目的を達成するため、感光体と、該感光体にトナー像を形成するためのプロセス機器のうちの少なくとも1つを有する作像ユニットにおいて、該作像ユニットのユニットケースに、作像ユニットを掴むための切欠が形成されていることを特徴とする作像ユニットを提案する(請求項8)。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0016】
図1に示した画像形成装置は、その本体1内に配置された4つの感光体3を有し、その各感光体上にイエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。ここでは、各感光体3がドラム状に構成されているが、無端ベルトより成る感光体を用いることもできる。またこれらの感光体を識別する必要のあるときは、これらに符号3Y,3M,3C,3BKを付し、必要に応じて、これらを第1、第2、第3及び第4の感光体と称し、これらを特に識別する必要がないときは、その感光体に符号3を付して示すことにする。
【0017】
第1乃至第4の感光体3Y乃至3BKに対向して転写材の一例である中間転写体4が配置され、ここに示した中間転写体4は、複数の支持ローラ12,13,14に巻き掛けられて矢印A方向に走行駆動される無端ベルトにより構成されている。
【0018】
第1乃至第4の各感光体3Y,3M,3C,3BK上にトナー像を形成する構成と、その作用は実質的に全て同一であるため、第1の感光体3Yにトナー像を形成する構成だけを説明する。図2は、この感光体3Yと、そのまわりに配置されたプロセス機器の拡大図であり、該感光体3Yは図1及び図2における反時計方向に回転駆動される。このとき帯電装置7によって感光体表面が所定の極性に均一に帯電される。ここに示した帯電装置7は、感光体3Yに対向配置されて回転する帯電ローラ15と、この帯電ローラ15を支持するケース16とを有している。
【0019】
上述のように帯電装置7により帯電された感光体3Yの帯電面には、図1に示した露光装置8から出射する書き込み光(この例ではレーザビーム)Lが照射される。これによって感光体3Yに静電潜像が形成され、その静電潜像が現像装置9によってイエロートナー像として可視像化される。ここに示した現像装置9は、現像ケース17と、その現像ケース17に支持されて回転駆動される現像ローラ18を有し、その現像ローラ18に担持された乾式現像剤によって静電潜像がトナー像として可視像化される。このように、感光体の表面にトナー像が形成される。
【0020】
無端ベルトより成る中間転写体4を挟んで、第1の感光体3Yにほぼ対向した位置には、転写ローラにより構成された第1の転写装置10が配置され、その転写装置10の作用によって、感光体3Y上のイエロートナー像が中間転写体4上に転写される。中間転写体4に転写されず、第1の感光体3Y上に残された転写残トナーは、クリーニング装置11によって除去される。ここに示したクリーニング装置はクリーニングケース19と、このケース19に支持されたクリーニングブレード21とを有し、このブレード21は感光体3Yの表面に当接して感光体3Y上の転写残トナーを除去する。クリーニング装置11を通過した感光体3Yの表面には除電装置22からの光が照射されてその表面電位が初期化される。
【0021】
全く同様にして、図1に示した第2乃至第4の感光体3M,3C,3BK上にマゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成され、これらのトナー像が、イエロートナー像の転写された中間転写体4上に順次重ねて転写される。このようにして4色の重ねトナー像が中間転写体4上に形成される。
【0022】
一方、図1に示すように、無端ベルトより成る中間転写体4を挟んで支持ローラ14に対向して第2の転写装置23が配置されている。また、画像形成装置本体1の下部には給紙装置5が配置され、この給紙装置5から、例えば転写紙又は樹脂フィルムなどから成る最終転写材としての記録材Pが矢印Bで示す方向に給送され、その記録材Pが、第2の転写装置23と中間転写体4との間の転写領域に搬送され、その第2の転写装置23の作用によって中間転写体4上に形成されたトナー像が記録材P上に転写される。このようにして転写されたトナー像を担持した記録材Pは、定着装置2に送り込まれ、該定着装置2を通過する。このときそのトナー像が熱と圧力の作用によって記録材P上に定着され、記録材P上にフルカラー画像が形成される。定着装置2を通過した記録材は、矢印C方向で示すように排紙部6上に排出される。また、トナー像転写後の中間転写体上に付着する転写残トナーは、クリーニング装置20によって除去される。
【0023】
上述し、かつ図2に示したように、第1の感光体3Yのまわりには、帯電装置7、現像装置9、転写装置10、クリーニング装置11及び除電装置22の各プロセス機器が配置されている。全く同様に、第2乃至第4の感光体3M,3C,3BKのまわりにも、上述した各プロセス機器が配置され、かかるプロセス機器によって、各感光体3に形成された静電潜像をトナー像として可視像化し、そのトナー像を転写材に転写して画像形成を行う。図1及び図2に示した例では、各感光体3上に形成した各トナー像を、中間転写体4より成る転写材に転写し、次いでその中間転写体4上のトナー像を最終転写材である記録材P上に転写するように構成されているが、中間転写体4を省き、各感光体3上のトナー像を、直接、記録材より成る転写材上に重ねて転写し、その重ねトナー像を定着装置によって定着してフルカラー画像を得るように構成することもできる。
【0024】
ここで、各感光体3のまわりに配置され、その感光体にトナー像を形成するための上述のプロセス機器が、ユニット化された一体的な作像ユニット24として構成され、かかる作像ユニット24が複数、図の例では4つ設けられている。
【0025】
図3は、後述する引出体31から1つの作像ユニット24と、1つの感光体3とを取り外した状態を示し、図4は、その作像ユニット24を図3とは反対側から見た斜視図である。図2乃至図4から明らかなように、作像ユニット24は前壁25と、後壁26と、前壁25及び後壁26を一体に連結する第1及び第2ステー27,28(図2)とにより構成されたユニットフレーム29に、帯電装置7、現像装置9、クリーニング装置11及び除電装置22が着脱可能に組み付けられ、これらによって一体的な作像ユニット24が構成されている。
【0026】
ユニットフレーム29と、帯電装置7のケース16と、現像装置9の現像ケース17と、クリーニング装置11のクリーニングケース19とによって、作像ユニット24のユニットケース30が構成され、図2に示すようにそのユニットケース30の下部開口32から感光体3の下部が露出している。またユニットケース30に形成された光入射口33から書き込み光Lがユニットケース30内に入射する。ユニットケースを一体の1つの部材により構成し、そのユニットケースに帯電装置、現像装置、クリーニング装置、除電装置などのプロセス機器の要素、例えば帯電ローラ、現像ローラ、クリーニングブレード、除電ランプなどを一体的に組み付けて作像ユニットを構成することもできる。
【0027】
いずれの作像ユニット24も、現像装置に収容された現像剤の色が異なるだけで、全て実質的に同じく構成されている。図1及び図3から判るように、複数の作像ユニット24は、互いに近接して、水平方向に並列状態に配置されている。
【0028】
図3は、画像形成装置本体1の図示していない前ドアを開き、後述する面板を取り外して、引出体31を画像形成装置本体から引き出したときの様子を示している。この図と図5から判るように、引出体31は、前フレーム板34と、奥フレーム板35と、これらのフレーム板34,35を一体に連結する複数の連結板36A,36B,36C,36D,36Eとを有する枠体状の引出本体42を有し、その各連結板36A,36Eにはスライドレール37,37Aがそれぞれ固定されている。一方、画像形成装置本体1内にも一対のガイドレール38(図3にその一方のみを示す)が固定され、引出体31に固定された各スライドレール37,37Aがその各ガイドレール38に摺動自在に嵌合している。画像形成装置本体1の前ドアを開き、面板を取り外して、引出体31を矢印Xで示す方向に引くと、各スライドレール37が各ガイドレール38に対して摺動しながら、その引出体31が図3に示すように画像形成装置本体外に引き出される。なお、図3では、図1に示した露光装置8の図示を省略してある。
【0029】
図3及び図6に示すように、感光体3は、円筒状の感光体本体41と、その感光体本体41の軸線方向各端部に固定されたフランジ39,40とを有し、感光体本体41の外周面に、前述の如く各色のトナー像が形成される。かかる感光体3と、作像ユニット24は、引出体31と共に画像形成装置本体1に対して引き出され、或いは押し込まれて画像形成装置本体内の所定の装填位置にセットされる。画像形成装置本体1に対して引き出し可能に支持された引出体31を、図3に示したように引き出した上、所望する作像ユニット24を上方に持ち上げれば、その作像ユニット24を引出体31から取り外すことができ、次いで感光体3も引出体31から取り外すことができる。逆の操作によってその作像ユニット24と感光体3を引出体31に装着することができる。このときの動作については後に詳しく説明する。
【0030】
図6は感光体3と作像ユニット24と引出体31とを画像形成装置本体1内の所定の装填位置にセットしたときの状態を示す縦断面図であって、作像ユニット24については、そのユニットケース30だけを簡略化して示した図である。ここで、引出体31と、感光体3と、作像ユニット24は、前述のように、図6に矢印Xで示した方向に引き出され、矢印Y方向に押し込まれるが、これらを引き出す側が手前側、その反対側が奥側である。
【0031】
図6に示すように、画像形成装置本体1の本体フレームは、手前側に位置する前側板44と、奥側に位置する奥側板45を有し、前側板44に形成された開口46は、図示していないねじによって前側板44に着脱可能に固定された前述の面板47によって閉鎖されている。この面板47は、当該面板に形成された孔が前側板44に固定された位置決めピン48に嵌合することにより、前側板44に対して正しく位置決めされる。
【0032】
また、図6に示すように、画像形成装置本体1の奥側板45と、この奥側板45に固定され、かつ該奥側板45よりも奥側に位置する支持板(図示せず)には、それぞれ軸受49を介して、丸棒状の軸50の奥基端側50Cがその軸線まわりに回転自在に支持され、この軸50の手前側自由端50Dの側は、面板47に圧入された軸受51を介して該面板47に回転自在に支持されている。
【0033】
図5は引出体31を奥側から見た様子を示しているが、この図に示すように、引出体31の奥フレーム板35には複数の奥側ピン52が突設され、引出体31の前フレーム板34には、図3に示すように複数の手前側ピン53が突設され、奥側ピン52と手前側ピン53が、奥側板45と面板47とに形成された位置決め孔にそれぞれ着脱可能に嵌合している。その際、図6に示すように、面板47に固定された例えばゴムより成る弾性部材153が、引出体31の前フレーム板34に圧接して引出体31を奥側へ加圧し、これにより図5及び図6に示した奥側ピン52の段部52Aが奥側板45に圧接する。このようにして引出体31が前後方向にガタつくことが阻止され、該引出体31が画像形成装置本体1の本体フレームに対して位置決めされる。
【0034】
さらに、図6に示すように、感光体3の奥側のフランジ39(以下、奥フランジという)の中心孔39Bが、軸50の奥側の部分50Aにガタつくことなく、しかもその軸50の軸線方向に摺動可能に嵌合している。同様に感光体3の手前側のフランジ(以下、前フランジという)40も、その中心孔40Aが、軸50の手前側の部分にガタつくことなく、かつその軸50の軸線方向に摺動可能に嵌合している。
【0035】
さらに図5及び図6に示すように、引出体31の前フレーム板34と、奥フレーム板35には、手前側ホルダ54と、奥側ホルダ55の基部がそれぞれ固定されている。このように、引出体31は、引出本体42と、その引出本体42にそれぞれ取り付けられた奥側ホルダ54及び手前側ホルダ55とを有している。また、感光体3の奥フランジ39の一部が、奥側ホルダ55に形成された奥側孔56に突入しているが、引出体31と感光体3と作像ユニット24が画像形成装置本体1内の所定の装填位置にセットされている状態では、奥フランジ39は、奥側ホルダ55に接触することはない。
【0036】
さらに、図6に示すように、軸50は、手前側ホルダ54と奥側ホルダ55をそれぞれ貫通して延びており、このとき軸50がホルダ54,55に接触することはない。また手前側ホルダ54に形成された手前側孔72には、軸受57を介して、圧縮コイルばねより成る加圧ばね58用のばね受け部材59が回転自在に支持されている。この加圧ばね58は、その一端側が、リング状に形成されたばね受け部材59に圧接し、その他端側は感光体3の前フランジ40に圧接している。これにより、感光体3は奥側に向けて加圧される。かかるばね受け部材59と加圧ばね58の内側を軸50が貫通して延び、さらにその軸50は、引出体31の前フレーム板34と奥フレーム板35を貫通している。
【0037】
一方、図6及び図7に示すように、軸50の奥側の部分には、テーパ状の周面に多数の歯が形成された係合部材63が固定され、感光体3の奥フランジ39の中心孔内周面に形成された多数の歯(図示せず)が係合部材63の歯に噛み合っている。このとき、感光体3は、前述のように加圧ばね58によって奥側へ向けて加圧されているので、奥フランジ39の歯が係合部材63の歯に強固に噛み合う。これにより、感光体3と軸50との軸線方向における相対移動と両者の相対回転が禁止される。この状態で、軸50の奥端部に連結された図示していないモータが作動して、該軸50がその軸線のまわりに回転駆動されると、その回転が係合部材63を介して感光体3に伝えられ、感光体3がその中心軸線のまわりに回転して、前述の画像形成動作が実行される。感光体3の回転に伴って、図6に示したばね受け部材59と加圧ばね58が一体となって、感光体3と共に回転する。このように、係合部材63は、軸50の回転を、感光体3に伝えるべく、該感光体に係合する駆動連結部の一例を構成している。
【0038】
図4及び図6に示すように、ユニットケース30の後壁26には貫通孔64が形成され、その貫通孔64が、軸50に圧入された軸受65にガタつくことなく、しかも軸50の軸線方向に摺動可能に嵌合している。また、図3及び図6に示すように、作像ユニット24のユニットケース30の前壁25に形成された貫通孔には軸受66が圧入され、この軸受66が軸50に、ガタつくことなく、しかも軸50の軸線方向に摺動可能に嵌合している。このように、作像ユニット24が画像形成装置本体1内の所定の装填位置にセットされているとき、その作像ユニット24の奥側の端部(図の例では後壁26)と、手前側の端部(図の例では前壁25)が、それぞれ軸受65,66を介して軸50に嵌合している。これにより、作像ユニット24が、軸50に対して、上下方向を含めた当該軸50の半径方向に位置決めされる。
【0039】
さらに、図3に示すようにユニットケース30の前壁25に突設された基準ピン67が面板47に形成された位置決め孔(図示せず)に着脱可能に嵌合し、図4に示すようにユニットケース30の後壁26に突設されたもう1つの基準ピン68が、図6に示すように奥側板45に形成された位置決め孔に着脱可能に嵌合する。基準ピン67,68は、軸50の中心軸線まわりにおける作像ユニット24の角度位置を規制するものである。さらに、図5に示すように、引出体31の前フレーム板34には、複数のピン69が突設され、その各ピン69が、各ユニットケース30に形成された図示していない孔に着脱可能にそれぞれ嵌合する。これにより、各作像ユニット24が、軸50の軸線方向に位置決めされる。
【0040】
ここで、引出体31と感光体3と作像ユニット24が図6に示したように組み付いた状態のものを引出組立体71と称することにする。図8(a),(b),(c)は、その引出組立体71を画像形成装置本体から引き出すときの様子を示す概略図である。図8においては、一部の部材を省略すると共に、各部材を簡略化して示し、かつその断面を示すハッチングは省略してある。
【0041】
図8の(a)は、引出組立体71が画像形成装置本体内の所定の装填位置にセットされた図6と同じ状態を示している。前述のように、画像形成装置本体1の前ドアを開き、図6に示した面板47を前側板44から外して開口46を開放すると、引出体31の手前側ピン53が面板47の位置決め孔から外れると共に、面板47に圧入された軸受51が軸50から外れる。次いで、引出体31を手前側、すなわち矢印X方向に引くと、引出組立体71の全体が図8(b),(c)に示すように手前側に移動して引き出される。すなわち、引出体31を手前側に引くと、図6に示した引出体の奥側ピン52が画像形成装置本体の奥側板45に形成された位置決め孔から外れて引出体31が手前側にスライドする。このとき、ピン69(図5)を介して引出体31に連結された作像ユニット24が、引出体31と共に手前側に移動する。また、引出体31の奥側ホルダ55の部分55B(図6)が、感光体3の奥フランジ39の部分39A(図6)を加圧するので、感光体3も手前側へ移動し、奥フランジ39の中心孔39Bが軸50に固定された係合部材63(図6)から外れる。
【0042】
上述の引き出し時に、軸50はその奥基端側が画像形成装置本体に支持されたままであるので、当該軸50は、相対的に感光体3と作像ユニット24から漸次抜き出されて行き、図8の(c)に示すように引出体31を完全に引き出し終えると、軸50は感光体3と作像ユニット24から抜き出される。このように、引出体31と共に感光体3と作像ユニット24を手前側に引き出すとき、軸受65,66を介しての、作像ユニット24と軸50との前述の嵌合が外れる。
【0043】
図8の(c)に示した状態では、感光体3と作像ユニット24は軸50に拘束されないフリー状態となるので、その作像ユニット24を、図8の(c)に矢印Hで示すように上方に持ち上げることにより、当該作像ユニット24を引出体31から離脱することができる。次いで、感光体3を、手前側に加圧し、図6に示した加圧ばね58を圧縮変形することにより、感光体3の奥フランジ39を奥側ホルダ55から外すことができるので、その感光体3の奥側の部分を図9に示すように上方に持ち上げることにより、当該感光体3を引出体31から離脱することができる。
【0044】
逆の操作により、感光体3と作像ユニット24を順次、引出体31に組み付けることができる。次いでその引出組立体71の引出体31を図8の(c)に矢印Yで示した奥側へ押し込むと、これと一緒に作像ユニット24が奥側へ移動し、しかも感光体3の前フランジ40が、ばね受け部材59と加圧ばね58を介して引出体31によって奥側へ加圧されて、該感光体3が奥側へ移動し、引出組立体71の全体が奥側へ押し込まれる。このため、軸50が感光体3と作像ユニット24に挿入され、引出組立体71が、図6に示したように画像形成装置本体1内の所定の装填位置にセットされる。このように引出体31と共に感光体3と作像ユニット24を奥側へ押し込むとき、作像ユニット24の奥側の端部と手前側の端部が各軸受65,66を介して軸50に嵌合する。すなわち作像ユニット24の奥側の貫通孔64が軸50に固定された軸受65に嵌合し、しかもその作像ユニット24に取り付けられた手前側の軸受66が軸50に嵌合する。これにより、作像ユニット24が画像形成装置本体1に対して上下方向に位置決めされる。また、作像ユニット24の奥側の基準ピン68が奥側板45の位置決め孔に嵌合する。しかも、引出体31の奥側ピン52も奥側板45の位置決め孔に嵌合して、引出体が上下方向に位置決めされる。さらに感光体3の奥フランジ39と前フランジ40の各中心孔39B,40Aが軸50に嵌合して、その感光体3の上下方向を含めた半径方向の位置決めがなされる。これらの嵌合を円滑に行えるように、軸50の手前側の自由端部を、図6に示すように小径に形成し、或いは先細のテーパ状に形成しておくことが好ましい。
【0045】
上述のように本例の画像形成装置は、画像形成装置本体1に対して手前側に引き出し又は奥側へ押し込み可能に支持された引出体31を有していて、感光体3と作像ユニット24は、引出体31を引き出し又は押し込むとき、その引出体31と共に移動するように支持されている。しかも奥基端側が画像形成装置本体1に支持された軸50を有し、感光体3と作像ユニット24は、軸50に、その軸線方向に挿脱自在に組み付けられ、引出体31と共に感光体3と作像ユニット24を引き出して、画像形成装置本体1に支持された軸50が感光体3と作像ユニット24とから外れた状態で、作像ユニット24と感光体3を引出体31からそれぞれ離脱できるように構成されている。
【0046】
このように、感光体3と作像ユニット24をそれぞれ着脱できるので、その一方だけが寿命となったとき、当該一方のユニットだけを交換することができる。未だ充分に使用できる他方のユニットまで交換する必要はなく、ユーザに必要以上の経済的負担をかける不具合を回避できるのである。
【0047】
作像ユニット24と感光体3が画像形成装置本体1内にセットされているとき、その作像ユニット24の要素、例えば帯電ローラ15、現像ローラ18、クリーニングブレード21などは、図2に示したように感光体3の感光体本体41の表面に当接し、又は近接して位置している。従って、引出体31と共に作像ユニット24と感光体3を引き出し、又は押し込むとき、作像ユニット24と感光体3が図2に示した状態で位置していたとすると、これらに加えられた衝撃によって、作像ユニット24の要素が感光体3に強く当たって、その感光体3に傷が付けられるおそれがある。引出体31を図8の(c)に示したように引き出し、次いで作像ユニット24を上方に持ち上げるときも、作像ユニット24の要素が感光体3の表面に強く当り、その感光体3や作像ユニット24の要素に傷が付けられるおそれがある。作像ユニット24を引出体31に組み付けるときも同様である。
【0048】
そこで、図8の(a),(b),(c)に示すように、引出体31と共に、感光体3と、作像ユニット24を引き出すとき、該感光体3が作像ユニット24に対して相対的に下方に移動し、引出体31と共に感光体3と作像ユニット24を奥側へ押し込むとき、該感光体3が作像ユニット24に対して相対的に上方に移動して該感光体3が画像形成装置本体1に対して上下方向に位置決めされるように構成されている。図8の(a),(b),(c)におけるδ,δ1は、作像ユニット24と感光体3との間隔を示しているが、引出組立体71が画像形成装置本体にセットされているときの間隔δよりも、引出組立体71を引き出したときの間隔δ1が大きくなるのである。図10は、作像ユニット24と感光体3が上下方向に離間し、その作像ユニット24の帯電ローラ15、現像ローラ18及びクリーニングブレード21が感光体3の表面から離間した状態を示している。
【0049】
上述のように、作像ユニット24の要素を感光体3から離間させ、或いはその当接力を弱めた状態で、引出体31と共に感光体3と作像ユニット24を手前側に引き出し、または奥側に押し込むので、このとき作像ユニット24や感光体3に衝撃が加えられても、作像ユニット24の要素が感光体3に強く当たることを阻止できる。しかも引出体31を引き出した上で、作像ユニット24を感光体3に対して着脱するときも、感光体表面や作像ユニット24の要素に傷が付けられる不具合を阻止することができる。
【0050】
次に、引出組立体71の引き出し時に、作像ユニット24と感光体3を上下方向に相対的に離間させるためのより具体的な構成例を説明する。
【0051】
図6に示したように、感光体3と作像ユニット24が画像形成装置本体1内の所定の装填位置にセットされているとき、その感光体3の奥フランジ39が嵌合する軸50の部分50Aを第1の軸部分と称し、その第1の軸部分50Aよりも手前側の軸部分を第2の軸部分50Bと称することにすると、第2の軸部分50Bの直径は第1の軸部分50Aの直径よりも小さく設定されている。両者の直径の差は、例えば1mm程度である。
【0052】
引出体31と共に、感光体3と作像ユニット24とを矢印Xで示した手前側に引き出すと、その感光体3の奥側の端部、すなわち奥フランジ39が第1の軸部分50Aから第2の軸部分50Bに移行するが、このときその感光体3の奥側の端部が自重によって下方に移動し、その下方に移動した感光体3の奥側の端部が引出体31の奥側ホルダ55によって受け止められる。図8の(b),(c)に示すように、奥フランジ39が下方に落ち、該奥フランジ39が奥側ホルダ55の内周面下部の受け面55Aで受け止められるのである。引出組立体71を引き出すとき、感光体3の手前側の端部、すなわちその前フランジ40も、ここから軸50が抜け出ることにより、図8の(b),(c)に概略を示すように、その自重で下方に移動し、当該前フランジ40が引出体31の手前側ホルダ54に、加圧ばね58(図6)とばね受け部材59と軸受57とを介して受け止められる。下方に移動した感光体3の手前側の端部が手前側ホルダ54で受け止められるのである。
【0053】
引出体31を、作像ユニット24及び感光体3と共に奥側へ押し込むと、このとき感光体3の手前側の端部、すなわち前フランジ40が軸50に嵌合し、かつ感光体3の奥側の端部である奥フランジ39が第2の軸部分50Bから第1の軸部分50Aに移行して上方に移動する。これにより、感光体3が画像形成装置本体1に対して上下方向を含めた半径方向に位置決めされる。このとき、作像ユニット24の各要素と感光体3の上下方向の相対位置は図2に示すとおりとなる。
【0054】
以上説明した画像形成装置においては、作像ユニット24が複数のプロセス機器により構成されているが、作像ユニットが1つのプロセス機器を有するように構成することもできる。また、図示した画像形成装置においては、感光体3が作像ユニット24とは別部材として構成されているが、例えば、感光体をユニットケースに回転自在に組み付けるなどして、感光体が作像ユニットの構成要素をなすようにしてもよい。各作像ユニットが、感光体と、その感光体にトナー像を形成する少なくとも1つのプロセス機器を有しているように構成することができるのである。要は、作像ユニットは、感光体と、該感光体にトナー像を形成するためのプロセス機器のうちの少なくとも1つを有するものである。
【0055】
また、本例の画像形成装置においては、その各作像ユニットが、画像形成装置本体に対してその手前側に引き出し又は奥側に押し込み可能に支持され、各作像ユニットを手前側に引き出して該作像ユニットを上方に持ち上げ可能に構成されている。その際、図示した例では、引出体31上に作像ユニット24を載せ、その引出体31と共に、作像ユニット24を画像形成装置本体1に対して引き出し又は押し込み可能に支持したが、引出体を省き、作像ユニット24をガイド手段を介して直に画像形成装置本体に引き出し又は押し込み可能に支持することもできる。
【0056】
ここで、図示した画像形成装置のように、複数の作像ユニット24が並列に配置され、しかもその各作像ユニット24が互いに近接し、或いは隣り同士の作像ユニット24が互いに接触している場合でも、いずれの作像ユニット24も手で容易に掴んで、これを図3に示したように上方に持ち上げることができるように、各作像ユニット24のユニットケース30には、該作像ユニット24を掴むための切欠80がそれぞれ形成されている(図1乃至図4及び図10)。これにより、作業者が、例えば図3に示したいずれかの作像ユニット24を上方に持ち上げるとき、そのユニットケース30の切欠80と、これに対向したユニットケース30のコーナ部分81とに指を掛けて該作像ユニット24を掴むことができる。その作像ユニット24を引出体31上にセットすることも同様である。
【0057】
ユニットケースから突出する把手を設けても同じ効果が得られるが、この場合には、各作像ユニット24を画像形成装置本体1内にセットしたとき、その作像ユニットが画像形成装置本体内に大きなスペースを占める欠点を免れない。本例の画像形成装置においては、各作像ユニット24のユニットケース30に切欠80が設けられているので、各作像ユニット24を画像形成装置本体1内にセットしたときも、その作像ユニット24が画像形成装置本体内で大きなスペースを占めることはない。
【0058】
さらに、ユニットケースから上方に突出する把手を設けた場合には、作像ユニットを画像形成装置本体に対して引き出し、又は押し込むとき、その把手が作像ユニットの上方に位置する露光装置8(図1)に干渉するおそれがあるが、本例の画像形成装置では、このような不具合が発生するおそれはない。
【0059】
また、図1及び図3から判るように、切欠80は、各ユニットケース30の上部に1つずつ設けられ、しかもその各切欠80は、全て、作像ユニット24の配列方向W(図3)における一方の端部側、図の例では図3の右端部側に形成されている。このため、切欠80を作像ユニット24に1つ設けるだけであっても、並列状態に配置された全ての作像ユニット24の間に、指を差し込む隙間ができ、いずれの作像ユニット24も容易かつ確実に手で掴むことができる。
【0060】
また、図示した画像形成装置の各作像ユニット24は、感光体3に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置9より成るプロセス機器を有し、この現像装置9の現像ケース17は、ユニットケース30の一部によって構成されている。その際、前述の切欠80は、現像ケース17以外のユニットケース部分、すなわち第2ステー28に形成されている。切欠80を現像ケース17に形成してもよいが、このように構成すると、現像ケース17の内部の容積が小さくなるので、ここに収容する現像剤が量が少なくなるおそれがある。図示した例では、このような不具合が発生する余地はない。
【0061】
【発明の効果】
本発明によれば、作像ユニットを容易に手で掴むことができ、しかも作像ユニットを画像形成装置本体内にセットしたときその作像ユニットが画像形成装置本体内に大きなスペースを占める不具合を阻止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】作像ユニットと感光体の拡大断面図である。
【図3】画像形成装置本体から引出体を引き出し、1つの作像ユニットと1つの感光体を取り出した状態を示す斜視図である。
【図4】作像ユニットを斜め奥側から見たときの斜視図である。
【図5】引出体を斜め奥側から見たときの斜視図である。
【図6】感光体と作像ユニットが画像形成装置本体内にセットされた状態でのこれらの縦断面図である。
【図7】軸に固定された係合部材を示す図である。
【図8】引出組立体を引き出すときの動作を示す概略説明図である。
【図9】引出体から感光体を取り外すときの様子を示す斜視図である。
【図10】作像ユニットに対して感光体が下方に移動したときの作像ユニットと感光体の横断面図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置本体
3,3Y,3M,3C,3BK 感光体
9 現像装置
17 現像ケース
24 作像ユニット
30 ユニットケース
80 切欠
W 配列方向
Claims (8)
- 感光体と、該感光体にトナー像を形成するためのプロセス機器のうちの少なくとも1つを有する複数の作像ユニットが並列に配置された画像形成装置において、各作像ユニットのユニットケースに、該作像ユニットを掴むための切欠がそれぞれ形成されていることを特徴とする画像形成装置。
- 前記切欠は、各ユニットケースの上部に1つずつ設けられ、かつその各切欠は、全て、前記作像ユニットの配列方向における一方の端部側に形成されている請求項1に記載の画像形成装置。
- 各作像ユニットは、画像形成装置本体に対してその手前側に引き出し又は奥側に押し込み可能に支持され、各作像ユニットを手前側に引き出して該作像ユニットを上方に持ち上げ可能に構成した請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記感光体は、作像ユニットとは別の部材として構成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 各作像ユニットは、感光体と、該感光体にトナー像を形成する少なくとも1つのプロセス機器とを有している請求項1乃至3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 各作像ユニットは、感光体に形成された静電潜像をトナー像として可視像化する現像装置より成るプロセス機器を具備し、前記現像装置の現像ケースは前記ユニットケースの一部によって構成されていると共に、前記切欠は、前記現像ケース以外のユニットケース部分に形成されている請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成装置の作像ユニット。
- 感光体と、該感光体にトナー像を形成するためのプロセス機器のうちの少なくとも1つを有する作像ユニットにおいて、該作像ユニットのユニットケースに、作像ユニットを掴むための切欠が形成されていることを特徴とする作像ユニット。
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