JP2546379B2 - 圧電共振部品の製造方法 - Google Patents

圧電共振部品の製造方法

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JP2546379B2 JP1176371A JP17637189A JP2546379B2 JP 2546379 B2 JP2546379 B2 JP 2546379B2 JP 1176371 A JP1176371 A JP 1176371A JP 17637189 A JP17637189 A JP 17637189A JP 2546379 B2 JP2546379 B2 JP 2546379B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、複数個のエネルギ閉込め圧電型共振子が連
結された圧電共振部品の製造方法に関し、特に複数子の
圧電共振ユニット間の振動の漏洩を防止するために加工
工程が改良されたものに関する。
〔従来の技術〕
第2図を参照して、従来の圧電共振部品の一例を説明
する。圧電板1上に、共振電極2a,2b,3a,3bが形成され
ている。圧電板1の下面には、共振電極2a〜3bに表裏対
向する領域にそれぞれ共通共振電極が形成されており、
従って圧電板1には2個のエネルギ閉込め型共振ユニッ
ト2,3が構成されている。
共振電極2a,3aは、導電パターンを介して端子電極4,5
に接続されている。また、共振電極2b,3bには、導電パ
ターンを介してコンデンサ電極6がせ接続されている。
圧電板1の下面にも、コンデンサ電極6と表裏対向する
位置に容量取出しのためのコンデンサ電極が形成されて
おり、かつ下面側のコンデンサ電極が圧電板1の端縁に
形成された端子電極に引出されている。
第2図の圧電共振部品の回路図を第3図に示す。第3
図から明らかなように、2個の共振ユニット2,3が接続
されてフイルタが構成されている。
ところで、第2図の圧電共振部品では、圧電板1の一
方端縁から共振ユニット2,3間の領域に向かって延びる
スリット7が形成されている。該スリット7は、共振ユ
ニット2,3間の振動の漏洩を防止するために設けられて
いるものである。
〔発明が解決しようとする技術的課題〕
上記圧電共振部品の製造においては、圧電板1にスリ
ット7を機械加工により形成するに際し、圧電板1に割
れが生じがちであるという問題があった。また、例えス
リット7を形成し得たとしても、圧電板1の強度が低下
するため、組立ての際に破損事故が発生しがちであっ
た。従って、両共振ユニット2,3間の振動の漏節を防止
し得るという利点を有するものの、量産性の点で難があ
った。
また、スリット7は、圧電板1の一方端縁から共振ユ
ニット2,3間に延びるものであるが、共振ユニット2,3間
を完全に分離しているものではない。従って、共振ユニ
ット2,3間において多生の振動の漏洩が生じることは避
けられず、よって多少の特性の劣化は甘受せざるを得な
かった。
本発明の目的は、複数個のエネルギ閉込め型共振ユニ
ットが連結された圧電共振部品の製造方法であって、圧
電板の破損を生じ難く、かつ連結される共振ユニット間
における振動の漏洩を確実に防止し得る圧電共振部品の
製造方法を提供することにある。
〔技術的課題を解決するための手段〕
本発明は、エネルギ閉込め難の複数個の圧電共振ユニ
ットを連結した構造を有する圧電共振部品の製造方法を
提供するものであり、両主面に共振電極を形成すること
により複数のエネルギ閉込め型圧電ユニットが構成され
た圧電板を用意し、共振電極周囲に振動空間を形成する
ようにして、この圧電板に絶縁板を貼付けて積層基板を
得、複数個の共振ユニット間の領域において上記積層基
板を圧電板側から溝加工する各工程を備えることを特徴
とする。
〔作用〕
絶縁板に支持された状態の圧電板を該圧電板側から溝
加工することにより、複数個の圧電共振ユニット間の分
離が行われる。すなわち、圧電板を絶縁板で支持した状
態で加工するものであるため、溝加工時に割れや欠け等
が生じ難い。また、絶縁板で支持された状態で溝加工す
るものであるため、圧電板部分において連結される共振
ユニット間を確実に分離することも可能であり、よって
共振ユニット間の振動の漏洩を効果的に防止し得る。
〔実施例の説明〕
以下、図面を参照しつつ本発明の圧電共振部品の製造
方法の一実施例を説明する。
まず、第4図(a)及び(b)に示すように、両主面
に共振電極が形成された圧電板11を用意する。なお、第
4図(b)では、下面に形成された導電パターンを上面
側から透かした向きに図示してある。圧点板11は、圧電
性セラミックスよりなり、上面に、共振電極12a,12b,13
a,13b,14a,14bが形成されている。共振電極12a,12bは、
エネルギ閉込め型共振ユニット12を構成するために設け
られているものであり、該共振電極12a,12bが設けられ
ている領域の裏面には、第4図(b)に示す共通共振電
極12cが形成されている。
同様に、共振電極13a,13bが形成されている領域の裏
面には、第4図(b)に示す共通共振電極12cが形成さ
れている。
同様に、共振電極13a,13bが形成されている領域の裏
面には、共通共振電極13cが形成されて共振ユニット13
が構成されている。また、共振電極14a,14bが形成され
ている領域の裏面には、共通共振電極14cが形成されて
おり、それによって共振ユニット14が構成されている。
上記3個のエネルギ閉込め型圧電共振ユニットは、導
電パターン21,22で相互に電気的に接続されている。ま
た。共振電極12a,14bは、それぞれ、圧電板11の端縁に
沿って形成された入出力用端子電極23,24に導電パター
ンを介して接続されている。
次に。上記圧電基板11を、第5図に示す同一平面形状
の絶縁板15に貼付け、積層基板を得る。絶縁板15として
は、アルミナ、フェライトまたはガラス等の絶縁性材料
よりなるものであって、比較的剛性の高い材料を用いる
ことが好ましい。絶縁板15の上面には、複数個の凹部16
が形成されている。各凹部16は、圧電板11に貼付けられ
たときに、共振ユニット12〜14の共振を妨げないための
空間を与えるために設けられている。
次に、第1図に示すように、積層基板17の圧電板側に
スリット18,19を形成し、複数個の圧電板ユニット11a,1
1b,11cに分割する。このユニット18,19の形成は、圧電
板11を絶縁板15に貼付けた後に、圧電板11側から共振ユ
ニット12,13,14間において、溝加工することにより形成
する。本実施例では、スリット18,19の深さは、圧電板1
1の厚みに相当の深さとされている。
スリット18,19を形成することにより、共振電極12b,1
3bに電気的に接続された圧電板11の端縁近傍に形成され
た導電パターン21が分割されて、端子電極21a,21bが、
それぞれ、各圧電板ユニット11a,11bのコーナー部分に
形成されている。同様に、共振電極13a,14aに電気的に
接続される端子電極22a,22bが、圧電板ユニット11b,11c
のコーナー部分に形成されている。
次に、第1図の積層基板17の上面に、絶縁板15と同一
の構造の絶縁板を裏向けて接着する。従って、絶縁板15
に形成された凹部16が各共振ユニット12〜14の上部に被
さるように位置されるため、共振ユニット12〜14の上方
に共振を妨げないための空間が形成される。
このようにして、第6図に示す積層体25が得られる積
層体25では、一の側面25aに、端子電極21a,21bが露出さ
れている。また、端子電極23,24(第1図参照)は、積
層体25の側面25b,25cに主として露出されている。同様
に、第6図では明らかではないが、第1図の端子電極22
a,22bも積層体25の側面25dに露出されている。
よって、第7図に示すように、外部電極26,27,28,29
等を付与することにより、各圧電共振ユニット12〜14間
を電気的に接続することができる。すなわち、外部電極
26により、端子電極21a,21b間が電気的に接続される。
また、外部電極27は、積層体25の下面を経由して、反対
側の側面25d(第6図参照)上に露出している端子電極2
7a(第4図(b)参照)に至るように形成されている。
この外部電極27により、アース電位に接続される電極が
相互に電気的に接続される。また、外部電極28,29は、
端子電極23,24(第1図)に電気的に接続され、それぞ
れ入出力電極となる。特に図示はしないが、第1図の端
子電極22a,22bも、積層体の側面に露出している部分に
付与された外部電極により互いに電気的に接続されてい
る。
従って、上記圧田共振部品では、第8図に示す回路構
成が実現される。すなわち、3個のエネルギ閉込め型圧
田共振子がコンデンサC1,C2と共に電気的に接続された
回路が構成されている。
上記実施例では、エネルギ閉込め型共振ユニット12〜
14が、スリット18,19で分離されているため、各共振ユ
ニット12〜14間における振動の漏洩が効果的に防止され
ている。しかも、上記製造工程の説明から明らかなよう
に、絶縁至15に圧電板11を貼付けてなる積層基板17の状
態でスリット18,19の形成を行うため、圧電板に割れの
生じる恐れが非常に少ない。同様に、その後の組立て工
程においても絶縁板15に接着固定された状態で行われる
ため、圧電板の割れが非常に生じ難くされている。
上述した実施例では、1の圧電板11を絶縁板15に接着
した後にスリットを形成したが、本実施例の製造方法は
マザー基板の状態で行ってもよい。例えば、第9図に示
すように、比較的大きな絶縁板31上に、圧電共振ユニッ
ト12〜14が多数組形成されたマザーの圧電板32を貼付
け、その状態で圧電板側から溝加工してスリットを形成
し、しかる後に切断し、第1図に示した個々の積層基板
17を得てもよい。さらに、マザーの状態でスリットを形
成した後に上面に比較的大きなマザーの絶縁板を接着
し、その後で個別の圧電共振部品ごとに切断してもよ
い。
また、上記実施例はで、スリット18,19の深さが、圧
電板11の厚みと等しい深さとされていたが、第10図に断
面図で略図的に示すように、厚電板11の厚みには至らな
い深さのスリット33を形成してもよい。同様に、スリッ
トは厚電板の厚みを越えて絶縁板に至る深さとしてもよ
い。
さらに、第1図に略図的部分切欠平面図で示すよう
に、隣接する共振ユニット12,13間の領域において圧電
板11の端縁には至らないスリット34を形成してもよい。
すなわち、スリットの平面形状は隣接する共振ユニット
間を分離することが可能であれば任意である。スリット
の数についても共振子間に複数本入ってもよい。
また、隣接する共振ユニット間の端子電極をスリット
形成後に電気的に接続するに際し、上記実施例では外部
電極を用いていた。例えば、外部電極26により端子電極
21a,21bが電気的に接続されていた。これに代えて、第1
2図に部分切欠断面図で示すように、隣接する圧電板ユ
ニット11a,11b間において、スリット18内に接続電極35
を形成することにより端子電極21a,21bを電気的に接続
してもよい。
接続電極35は、スリット16お一部において端子電極21
a,21b間を電気的に接続するようにさえ形成されれは良
く、その形成方法は特に問わない。例えば、導電性ペー
ストを印刷することにより、あるいはスパツタまたは蒸
着等の薄膜形成法を用いれば容易に形成される。
なお、第12図に示したように、スリットの一部を利用
して接続電極35を形成すれば、マザー基板の状態で、ス
リットにより分割された端子電極間を電気的に接続する
ことができる。
また、スリットの形状についても、上記実施例では断
面形状が矩形の溝を示したが、V字型の溝やU字型の溝
等、任意の形状及び幅に形成し得る。さらに、スリット
は機械的に形成してもよく、あるいはレーザ等の光学的
な方法により切削して形成してもよく、さらにエッチャ
ントを用いて化学的に形成してもよい。
また、隣合う共振ユニット間の振動の漏洩をより確実
に防止するには、スリットの形成に加えて、第13図に部
分拡大平面図で示すように、一の共振ユニット12を取囲
むように変質領域36を圧電板11に設けてもよい。変質領
域36は、圧電板11の一部を化学的あるいは光学的に変質
させることにより形成される。このような変質領域36の
平面形状についても図示の円環状のものに限らず、角環
状等の任意の形状に構成し得る。
〔発明の効果〕
以上のように、本発明によれば、複数個のエネルギ閉
込め型共振ユニットが構成された圧電板が絶縁板に貼付
けられて積層基板の状態で溝加工されることにより、複
数個の共振ユニット間が分離される。従って、絶縁板に
支持されて強度が高められているため、従来例のような
分離のためのスリット形成に際しての割れが極めて生じ
難い、また、溝加工後の取扱いに際しても割れが生じ難
いため、圧電共振部品の歩留を改善することが可能とな
る。
また、絶縁板に支持された状態で溝加工するものであ
るため、隣接する共振ユニット間を確実に分離するスリ
ットを形成し得る。従って、隣接する共振ユニット間の
振動の漏洩も確実に防止することができ、特性の安定な
圧電共振部品をより確実に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の製造方法において積層基
板にスリットを形成した状態を示す斜視図、第2図は従
来の圧電共振部品の平面図、第3図は第2図の圧電共振
部品の回路図、第4図(a)は圧電板を説明するための
斜視図、第4図(b)は圧電板の裏面図、第5図は絶縁
板を示す斜視図、第6図は積層基板の上面にさらに絶縁
板を積層した積層体を示す斜視図、第7図は本発明の一
実施例により得た圧電共振部品の斜視図、第8図は第7
図の圧電共振部品の回路図、第9図はマザーの絶縁板の
マザーの圧電板を貼合わせた状態を示す斜視図、第10図
はスリットの他の例を説明するための部分切欠断面図、
第11図はスリットのさらに他の例を説明するための部分
切欠断面図、第12図はスリット内に接続電極を形成した
例を説明するための部分切欠断面図、第13図はスリット
に加えて変質領域を共振ユニットの周囲に形成した例を
説明するための部分切欠平面図である。 図において、11は圧電板、12〜14はエネルギ閉込め難圧
電共振ユニット、12a,12b〜14a,14bは共振電極、15は絶
縁板、17は積層基板、18,19は溝加工により形成された
スリットを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両主面に共振電極が形成されることによ
    り、複数のエネルギ閉込め型共振ユニットが構成された
    厚電板を用意する工程と、 共振電極周囲に振動空間を形成するようにして、前記厚
    電板に絶縁板を貼付けて積層気板を得る工程と、 前記複数個の共振ユニット間の領域において、前記積層
    基板を厚電板側から溝加工する工程とを備えることを特
    徴とする厚電共振部品の製造方法。
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