JP3082726B2 - 積層型圧電トランスとその実装構造 - Google Patents

積層型圧電トランスとその実装構造

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JP3082726B2 JP09317345A JP31734597A JP3082726B2 JP 3082726 B2 JP3082726 B2 JP 3082726B2 JP 09317345 A JP09317345 A JP 09317345A JP 31734597 A JP31734597 A JP 31734597A JP 3082726 B2 JP3082726 B2 JP 3082726B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高電圧発生用電源回
路で用いられる圧電トランスに関し、特に電極部の構造
を改善した積層型圧電トランスとその実装構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の積層型圧電トランスの一例を図1
1の斜視図に示す。同図において、101は薄いセラミ
ックを積層した圧電体であり、その長さ方向の中央部に
発電部110が、その両側に駆動部111が形成されて
いる。102は前記圧電体101の発電部110の表裏
面に形成された出力電極、103,104は同様に前記
圧電体101の駆動部111の表裏面で前記出力電極1
02を挟む位置に形成された入力電極である。そして、
前記各入力及び出力の各電極103,104と102に
はそれぞれ入力端子106,107と入力端子105が
接続され、電圧の印加及び電圧の出力を行っている。ま
た、Nはノード点、103a,104aは前記駆動部1
11において前記圧電体101の内部に積層された図外
の複数の内部電極をそれぞれ前記入力電極103,10
4に接続するための内部電極接続用電極である。そし
て、入力端子106,107を介して入力電極103,
104間に電圧Vinを印加することにより、出力電極
102との間に電圧Voutを出力端子105から取り
出すことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の積層
型圧電トランスでは、駆動部111の入力電極103,
104における内部電極の接続は入力電極接続用電極1
03a,104aで行い、電気接点取り出しは各入力電
極103および104のノード点Nで入力端子106,
107を用いて行なっている。発電部110において
も、同様に出力電極102のノード点Nで出力端子10
5を用いて電気接点取り出し行っている。このため外部
に形成される前記した各電極102,103,104,
103a,104aが圧電体101の上下面と長手方向
の両側面の4面にわたって形成されることになり、圧電
体101のこれらの面に対する研削、研磨加工が必要と
なり、この加工時におけるチッピングや欠け等の欠陥や
加工変質層の影響で圧電体の機械的強度が低下され、し
かも複数面に対して電極のための印刷、電極焼成を行う
必要があり、加工工数がかかって生産性が悪いという問
題がある。また、前記したように圧電体101の表面に
各電極が露呈されるため、高電圧を取り扱う圧電トラン
スでは安全上少なくともこれらの電極を有する面を絶縁
カバーで覆わなければならず、小型化、薄型化要求への
対応が困難であるという問題がある。また、外部電極を
形成する面及び内部電極接続用電極を形成する面が圧電
体の複数面にわたることから生産性が悪くなるという問
題もある。さらに、圧電体の上面と下面に設けた入力電
極103,104をそれぞれ厚さ方向に交互に内部電極
に接続した構造とするためには、積層構造の圧電体11
0の内部電極が偶数層に、すなわち圧電体101を構成
する有効セラミックス層の数が奇数層でなければなら
ず、そのために圧電体の積層数に制約を受け、電気特性
の設計自由度が低くなるという問題もある。
【0004】本発明の目的は、電極が形成される圧電体
の表面を1つの表面に限定するとともに、電極の露呈面
積を低減し、これにより生産性を高め、かつ安全対策を
図るとともに小型化、薄型化を実現し、しかも設計の自
由度を向上することを可能にした積層型圧電トランスと
その実装構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の内部電
極を積層した構造の圧電体を有し、前記圧電体において
厚さ方向に分極された駆動部と、長さ方向に分極された
発電部を有すし、かつ前記駆動部と発電部の各内部電極
にそれぞれ入力電極と出力電極を接続する構成の積層型
圧電トランスにおいて、前記圧電体の一側面に前記入力
電極と出力電極がそれぞれ配設され、前記入力電極は前
記駆動部の内部電極に対して積層方向に交互に接続され
る一対の入力電極として構成され、かつこれら一対の入
力電極が前記圧電体の長さ方向に並んで配設されている
ことを特徴とする。特に、前記一対の入力電極は、それ
ぞれの面積が前記圧電体の前記一側面の面積の2%以内
に形成され、かつ前記一対の入力電極にそれぞれ接続さ
れる入力端子の接続位置が前記圧電体におけるノード位
置から前記圧電体の全長寸法の±7%以内の範囲に設定
される。
【0006】また、本発明における実装構造は、積層型
圧電トランスをマザー基板に実装するための絶縁カバー
を備えており、前記絶縁カバーは前記圧電体の前記一側
面を覆いかつ前記一側面において前記入力電極と出力電
極を接着支持するカバー本体部と、前記カバー本体部を
前記マザー基板に係止させるための係止爪とを備え、前
記積層型圧電トランスは、前記絶縁カバーにより前記一
側面側が支承され、そのノード点において前記マザー基
板に突出された支持柱により支承される構成を備える。
あるいは、前記絶縁カバーは前記圧電体の前記一側面を
覆いかつ前記一側面において前記入力電極と出力電極を
接着支持するカバー本体部と、前記カバー本体部と一体
に形成され、かつ前記積層型圧電トランスの下面に沿っ
て延設されて前記積層型圧電トランスのノード点に対応
する位置に支持柱を有する支持板部と、前記カバー本体
部を前記マザー基板に係止させるための係止爪とを備
え、前記積層型圧電トランスは、前記絶縁カバーにより
前記一側面側が支承され、ノード点において前記支持板
部の前記支持柱により支承される構成とされる。
【0007】本発明の積層型圧電トランスでは、圧電体
の一方の側面のみに入力電極と出力電極が配設されて、
これらの電極で内部電極との電気的接続を行っているこ
とにより、圧電体に対する電極接続面の研削、研磨加
工、電極の印刷が片側面で済み、加工によるチッピング
等の発生が減少して生産性を向上させるとともに、この
外部電極を振動のノード近傍に位置させる構成にするこ
とにより積層型圧電トランスの効率を高くする。また、
上下面に外部電極を形成しないことにより、上下面で逆
電位にする必要がなくなるため積層構成に制約が無くな
るとともに、上下面に絶縁カバーを設ける必要がなくな
ることから薄型化ができる。
【0008】なお、本発明のように、積層体の内部に設
けられた内部電極に対して電気的取り出しを1つの側面
で行う技術として、例えば、特開平3−270943号
公報に示された積層型圧電アクチュエータがある。この
積層型圧電アクチュエータは、図12に示すように、そ
れぞれ内部電極パターンを形成した絶縁板を積層し、形
成された積層体202を有する積層型圧電アクチュエー
タ201の一側面において前記各内部電極パターンを一
層置きの交互に外部電極203,204に電気接続した
ものである。しかしながら、このような電極構造を本発
明にかかる積層型圧電トランスに適用するのみでは、後
述するように、所望の高い効率を得ることは困難であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について図
面を参照して説明する。図1は本発明の積層型圧電トラ
ンスの第1の実施形態の斜視図、図2はその正面図、図
3(a)〜(c)は図1のAA線、BB線、CC線の各
断面図である。これらの図において、積層構造の圧電体
1は、複数枚、ここで図4に分解平面図を示すように、
5枚のセラミックス1A〜1Eを積層した矩形の薄板状
に形成されており、その両端部にそれぞれ駆動部11が
形成され、これら駆動部11の間に発電部10が形成さ
れている。そして、4枚の前記セラミック10A〜10
Dの上面には、それぞれ駆動部11と発電部10に対応
する位置に内部電極が形成されている。これらの内部電
極のうち、発電部10の内部電極10a〜10dはその
両端部が前記圧電体1の両側面にまで達しているが、前
記駆動部11の各内部電極11a〜11dは、その側縁
の一部が接続部111として各セラミックスの一側縁に
まで突出されており、しかも積層されたセラミックスの
下層から奇数番目と偶数番目のセラミックス1A,1C
と1B,1Dでは、それぞれの内部電極11a,11c
と11b,11dの各接続部111の位置が圧電体1の
長さ方向の異なる位置に配置されている。
【0010】そして、前記各セラミックス1A〜1Eが
積層されて前記圧電体1が構成された上で、前記各駆動
部11の内部電極11a〜11dの各接続部111が形
成されている側の前記圧電体1の側面Sには、前記発電
部10の内部電極10a〜10dに対応する位置に出力
電極2が配設されており、また前記各駆動部11の内部
電極11a〜11dに対応する位置で、圧電体1の長さ
方向に異なる位置に入力電極3,4がそれぞれ配設され
ている。そして、前記出力電極2は、前記各セラミック
スに形成された発電部10の内部電極10a〜10dと
その一端部において電気接続されている。また、前記一
方の入力電極3は前記各セラミックスのうち、下層から
奇数番目のセラミックス1A,1Cの駆動部の内部電極
11a,11cにそれぞれの接続部111を介し電気接
続されている。同様に、前記他方の入力電極4は前記各
セラミックスのうち、下層から偶数番目のセラミックス
1B,1Dの駆動部の内部電極11b,11dにそれぞ
れの接続部111を介し電気接続されている。
【0011】そして、前記出力電極2と、入力電極3,
4にはそれぞれ出力端子5と入力端子6,7が形成され
ている。ここで、前記入力電極3,4は、それぞれ圧電
体1の前記一側面Sの総面積の2%以内の面積に形成さ
れる。また、前記入力電極3,4に形成される入力端子
6,7は圧電体がλ/2の3倍の縦振動をした時の駆動
部ノード点に対して前記圧電体1の全長に対して±7%
以内の位置に設定されている。例えば、前記圧電体1の
長さ×幅×厚さを42mm×5.5mm×1.44mm
とし、前記一側面Sの面積を60.5mm2 としたと
き、前記入力電極3,4の面積(幅×高さ)は1.44
mm2 (1mm×1.44mm)とする。また、前記入
力端子6,7の駆動部ノード点からの位置偏位は±3m
mの範囲となる。この構成により、入力端子6,7を通
して入力電極3,4間にλ/2の3倍に相当する共振周
波数の交流電圧Vinを入力すると、発電部ノード点に
設けられた出力電極2に接続された出力端子5に出力V
outが得られる。
【0012】前記積層型圧電トランスの製造方法の一例
を説明する。まず、電気機械結合係数が大きく機械品質
係数の大きな圧電セラミックス材料、例えばNEPEC
8(商品名、(株)トーキン製)を用い、セラミックグ
リーンシート法により積層体を形成する。まず、ドクタ
ーブレード法により成膜した5枚のセラミックスグリン
シート1A〜1Eのうち4枚のシート1A〜1Dに、図
4に示した内部電極10a〜10d,11a〜11dを
スクリーン印刷を用いて焼成タイプのAg/Pdペース
トで印刷する。ここで、各内部電極に形成されている突
状の接続部111は、図4に示すように、1mm×0.
4mmである。そして、これらのセラミックスグリーン
シートを積層し、かつこの積層体をプレスして、温度:
1100℃、キープ時間:2時間の条件でセラミックス
及びAg/Pdを一体焼成することにより、長さ42m
m、幅5.5mm、厚さ1.44mmの長板状をした積
層型の圧電体1を形成する。
【0013】次いで、前記圧電体1の表面のうち、前記
内部電極11a〜11dの各接続部111が設けられて
いる側の一側面Sを切削、研磨加工し、各内部電極の接
続部111を露出させる。しかる上で、前記圧電体1の
一側面に出力電極2、入力電極3,4をAg/Pd電極
を用いて内部電極10a〜10d,11a〜11dと接
続するように前記した寸法、パターンに印刷し、600
℃で焼成する。これにより、図1の積層型圧電トランス
が形成される。さらに、温度:150℃の絶縁油中で、
前記積層型圧電トランスに電圧:1.5KV/mmを1
5分間加えて分極処理を施した後、前記出力電極2と入
力電極3,4にそれぞれ出力端子5と入力端子6,7を
形成する。例えば、半田に濡れ性のある金属を接続して
端子とする。このとき、圧電体1の一側面における各電
極の面積は1mm×l.44mm=1.44mm2 であ
り、前記一側面の面積(60.5mm2 )の2%以内
で、入力電極3,4における入力端子6,7の接続位置
は、駆動部ノード点に対して±3mm(長さの±7%)
以内の範囲とした。また、出力電極2における出力端子
5の接続位置は発電部ノード点上から取り出した。
【0014】このように製造された本実施形態の圧電ト
ランスでは、入力端子6,7を通して入力電極3,4に
電圧を印加し、出力電極2から出力端子5を通して出力
を取り出することが可能となる。このとき、入力電極
3,4に対する入力端子6,7の接続位置、すなわち入
力位置や、出力電極2に対する出力端子5の接続位置、
すなわち出力位置を前記のように設定したことで、その
接続位置や各電極の面積が要因とされる振動阻害による
効率低下は見られず積層型圧電トランスとして十分な効
率が得られた。これに対し、入力及び出力の各電極の面
積が前記した値の2%よりも小さい場合、および各端子
の接続位置がノード点に対して長さ方向に±7%の範囲
を越えた場合には駆動時に振動が阻害され効率が2%程
度低下したことが確認された。
【0015】ここで、前記実施形態では、複数のセラミ
ックスに設けた駆動部の各内部電極を交互に駆動部電極
に接続するために突状の接続部111を設けているが、
この接続部に代えて図5に示すように、凹部112を形
成してもよい。この凹部112は奇数番目と偶数番目の
各内部電極11a,11cと11b,11dとで、圧電
体1の長さ方向に対する位置を相違させている。また、
これと共に各内部電極11a〜11dはその一側縁が前
記圧電体1の一側面Sに露呈されるように構成される。
このため、前記各内部電極11a〜11dの各凹部11
2の位置においてそれぞれ入力電極3,4を圧電体1の
厚さ方向にわたって形成することで、一つの入力電極
3,4に対して奇数番目と偶数番目の各内部電極の凹部
が交互に位置されてその部分では電気的な接続が行われ
ず、凹部112が存在ししていない側の内部電極が対応
する入力電極6,7に対する電気接続が行われることに
なり、結果として前記実施形態と同様に厚さ方向に1つ
置きに内部電極11a〜11dが入力電極3,4に接続
されることになる。
【0016】また、前記実施形態では、出力電極2は複
数のセラミックスのそれぞれに形成された内部電極10
a〜10dで構成されているが、この出力電極2は圧電
体1の最上層のセラミックス1Eの下面位置と、最下層
のセラミックス1Aの上面位置にそれぞれ設けられてい
る構成としてもよい。
【0017】また、前記圧電トランスを実装する際に
は、図6に示すI字型絶縁カバー20を利用することが
可能である。このI字型絶縁カバー20は、絶縁牲およ
び不燃牲が高いモールド材料、例えば液晶ポリマーを用
い、インサートモールド法によりモールド成形してい
る。同図はI字型絶縁カバー20の斜視図であり、図7
は実装状態のDD線断面図である。これらの図におい
て、21はカバー本体部、22はマザー基板係合爪、2
3は入力端子引き出し溝、24は出力端子引き出し溝で
ある。また、40はマザー基板、41は弾性接着剤、4
2は前記マザー基板40に設けられた圧電トランス支持
柱、43は係合穴である。このI字型絶縁カバー20の
絶縁部の長さは42.4mm、幅3mm、厚さ1.48
mmである。
【0018】実装に当たっては、圧電トランスの各電極
2,3,4の各端子5,6,7からリード8を引き出し
た上で、出力電極2をエポキシ系の接着剤41で、前記
出力端子引き出し溝24上の前記カバー本体部21の内
面に接着する。また、入力電極3,4は入力端子引き出
し溝23上の前記カバー本体部21の内面にシリコーン
系の接着剤41で接着する。そして、マザー基板係合爪
22をマザー基板40に設けた係合穴43に挿入して固
定すると共に、マザー基板40の表面に設けられた支持
柱42により、圧電トランスのノード点Nを接触させた
状態で支承する。さらに、前記各端子5,6,7から引
き出したリード8をマザー基板40の所定の接続位置に
半田付けし、マザー基板40との電気接続を行ってい
る。
【0019】また、図8に示すL字型絶縁カバー30を
用いての実装も可能である。同図はL字型絶縁カバーの
斜視図、図9はその実装状態の斜視図とEE線断面図で
ある。これらの図において、31はカバー本体部であ
り、その下縁から側方に支持板部35が一体に延長形成
されている。また、32はマザー基板係合爪、33は入
力端子引き出し溝、34は出力端子引き出し溝、36は
支持柱である。なお、前記マザー基板係合爪32は前記
支持板部35の底面の複数箇所にも形成されている。ま
た、40はマザー基板、41は弾性接着剤、43は係合
穴である。なお、前記L字型カバー30のカバー本体部
31の寸法は、長さ42.4mm、幅3mm、厚さ1.
48mmであり、底板部35の寸法は、長さ42.4m
m、幅5.9mm、厚さ1.48mmである。
【0020】実装に当たっては、前記各端子5,6,7
からリード8を引き出した上で、出力電極2はエポキシ
系の接着剤41で、出力端子引き出し溝34上のカバー
本体部31の内面に接着する。また、入力電極3,4
は、入力端子引き出し溝33上のカバー本体部31の内
面にシリコーン系の接着剤41で接着する。そして、マ
ザー基板係合爪22でマザー基板40に固定すると共
に、圧電トランスのノード点Nを支持板部35の上面一
部に設けた支持柱36で支持する。さらに、前記各端子
から引き出したリード8をマザー基板40の所定の接続
位置に半田付けし、電気的な接続を行っている。
【0021】このように、本発明の積層型圧電トランス
においては、発電部と駆動部の各内部電極に接続される
出力電極と入力電極が圧電体の一つの側面にのみ形成さ
れているため、これらの電極を覆うための絶縁カバーの
簡素化ができる。特に、圧電体の上面部に対する絶縁カ
バーが不要となるため、実装高さ寸法が小さくでき、薄
型実装が実現できる。また、各電極を形成する際には圧
電体の前記一側面に対してのみ加工を行えばよいため、
加工工数が削減できるとともに、加工時に生じるチッピ
ングの発生が抑制でき、生産性を10%以上向上するこ
とが可能となる。さらに、片側面取り出し用の絶縁カバ
ーの使用により積層型圧電トランスの実装箇所数が低減
でき、実装時の作業効率が5%向上された。
【0022】図10は本発明の第2の実施形態の斜視図
であり、ここでは長さ方向縦振動機械共振の波長λの1
/2の2倍のモードで駆動する積層型圧電トランスに本
発明を適用した例を示している。なお、前記第1の実施
形態と等価な部分には同一符号を付してある。この実施
形態では、積層圧電体1’の一端部に駆動部11が、反
対側端部に発電部10が形成されている。前記圧電体
1’の構成は、図4に示した第1の実施形態での複数の
セラミックス1A〜1Eの一方の駆動部11の内部パタ
ーン11a〜11Dを除去したと同様な構成とされてい
る。そして、前記圧電体1’の一側面Sに出力電極2と
入力電極3,4がそれぞれ形成されており、これらの電
極における内部電極との接続構造も前記第1の実施形態
と同様である。そして、前記出力電極2と入力電極3,
4には、それぞれ出力端子5と入力端子6,7か接続さ
れており、特に入力端子6,7は、その面積が前記圧電
体1’の前記一側面Sの面積の2%以内に設定され、か
つ各入力端子6,7の接続位置は、駆動部ノード点に対
して前記圧電体1’の長手方向に±7%以内の範囲に設
定されている。
【0023】この第2の実施形態では、第1の実施形態
と同じ材料を用いて長さ28mm、幅5.5mm、厚さ
1.44mmの長板状の圧電体を形成し、圧電体の前記
一側面の面積40.3mm2 に対し、前記各電極の面積
は0.8mm2 (0.56mm×1.44mm)とし、
2%以下とする。また、前記入力端子5の接続位置は駆
動部ノード点に対して圧電体1’の長さ方向に±1.9
6mmであり、前記圧電体1Aの長さ方向の全長の±7
%以内の範囲としている。このような構成の圧電トラン
スに対し、入力端子6,7にλの1/2の2倍に相当す
る共振周波数の交流電圧Vinを入力すると、発電ノー
ドに設けられた出力電極3,4に接続された出力端子
6,7に出力Voutが得られる。この第2の実施形態
においては、第1の実施形態と振動モードが相違する
が、圧電体1’の一側面Sにのみ所定の面積の電極3,
4を形成し、かつ所定の位置範囲に入力端子6,7を接
続することにより、第1の実施形態と同様の作用効果を
得ることが可能である。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明の積層型圧電
トランスによれば、次の効果を得ることが可能となる。
すなわち、第1の効果は、積層された駆動部の複数の内
部電極を電気的に接続する入力電極の電極面積及びノー
ドからの形成位置を圧電体の一側面の面積及び長さ方向
の位置に対して最適化することにより、圧電トランスが
駆動される際の振動に影響を及ぼさなくなり、効率の高
い電圧変換効果が得られる。また、第2の効果は、入力
電極と出力電極が圧電体の一側面だけに形成されている
ことより、圧電体に対する加工や入出力の各電極を形成
する際の印刷工数を削減するとともに、チッピング発生
が減少でき、しかも圧電トランスを実装するための絶縁
カバーの薄型化、簡素化が実現できる。さらに、第3の
効果は、圧電体の積層方向の上下面に入出力の各電極を
設ける必要がないため、積層数を任意に設定することが
でき、電気特性上の設計自由度が向上できる。また、第
4の効果は、圧電トランスをマザー基板に実装する際
の、圧電トランスの固定と電気接続取り出しを同時に行
えることにより、振動阻害部分が最小限となり、実装作
業効率を向上することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の圧電トランスの第1の実施形態の斜視
図である。
【図2】図1の圧電トランスの正面図である。
【図3】図1のAA線、BB線、CC線の各断面図であ
る。
【図4】圧電体の内部電極を示すための部分分解平面図
である。
【図5】他の構成の内部電極を示すための圧電体の部分
分解斜視図である。
【図6】I字型絶縁カバーの斜視図である。
【図7】図6のDD線断面図である。
【図8】L字型絶縁カバーの斜視図である。
【図9】図8のEE線断面図である。
【図10】本発明の第2の実施形態の斜視図である。
【図11】従来の圧電トランスの構成を示す斜視図であ
る。
【図12】従来の電極構造の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,1’ 圧電体 1A〜1E セラミックス 2 出力電極 3,4 入力電極 5 出力端子 6,7 入力端子 8 リード 10a〜10d 発電部の内部電極 11a〜11d 駆動部の内部電極 20 I字型絶縁カバー 30 L字型絶縁カバー 40 マザー基板
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 41/107 H05K 1/18

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の内部電極を積層した構造の圧電体
    を有し、前記圧電体において厚さ方向に分極された駆動
    部と、長さ方向に分極された発電部を有すし、かつ前記
    駆動部と発電部の各内部電極にそれぞれ入力電極と出力
    電極を接続する構成の積層型圧電トランスにおいて、前
    記圧電体の一側面に前記入力電極と出力電極がそれぞれ
    配設され、前記入力電極は前記駆動部の内部電極に対し
    て積層方向に交互に接続される一対の入力電極として構
    成され、かつこれら一対の入力電極が前記圧電体の長さ
    方向に並んで配設されていることを特徴とする積層型圧
    電トランス。
  2. 【請求項2】 前記一対の入力電極は、それぞれの面積
    が前記圧電体の前記一側面の面積の2%以内に形成さ
    れ、かつ前記一対の入力電極にそれぞれ接続される入力
    端子の接続位置が前記圧電体におけるノード位置から前
    記圧電体の全長寸法の±7%以内の範囲にあることを特
    徴とする請求項1に記載の積層型圧電トランス。
  3. 【請求項3】 前記駆動部の内部電極は、前記圧電体の
    前記一側面に向けて突出された接続部を有しており、か
    つこの接続部は前記圧電体の厚さ方向に隣接する内部電
    極間において、前記圧電体におけるノードを中心にして
    前記圧電体の長さ方向に交互にずれていることを特徴と
    する請求項1または2に記載の積層型圧電トランス。
  4. 【請求項4】 前記駆動部の内部電極は、前記圧電体の
    前記一側面から退避された凹状の接続部を有しており、
    かつこの接続部は前記圧電体の厚さ方向に隣接する内部
    電極間において、前記圧電体におけるノードを中心にし
    て前記圧電体の長さ方向に交互にずれていることを特徴
    とする請求項1または2に記載の積層型圧電トランス。
  5. 【請求項5】 前記発電部の内部電極は前記圧電体の積
    層数に対応して複数層形成されており、前記複数の発電
    部の内部電極が前記圧電体の前記一側面において前記出
    力電極にそれぞれ電気接続されていることを特徴とする
    請求項1ないし4のいずれかに記載の積層型圧電トラン
    ス。
  6. 【請求項6】 前記請求項1ないし5に記載の積層型圧
    電トランスをマザー基板に実装するための絶縁カバーを
    備えており、前記絶縁カバーは前記圧電体の前記一側面
    を覆いかつ前記一側面において前記入力電極と出力電極
    を接着支持するカバー本体部と、前記カバー本体部を前
    記マザー基板に係止させるための係止爪とを備え、前記
    積層型圧電トランスは、前記絶縁カバーにより前記一側
    面側が支承され、そのノード点において前記マザー基板
    に突出された支持柱により支承されていることを特徴と
    する積層型圧電トランスの実装構造。
  7. 【請求項7】 前記請求項1ないし5に記載の積層型圧
    電トランスをマザー基板に実装するための絶縁カバーを
    備えており、前記絶縁カバーは前記圧電体の前記一側面
    を覆いかつ前記一側面において前記入力電極と出力電極
    を接着支持するカバー本体部と、前記カバー本体部と一
    体に形成され、かつ前記積層型圧電トランスの下面に沿
    って延設されて前記積層型圧電トランスのノード点に対
    応する位置に支持柱を有する支持板部と、前記カバー本
    体部を前記マザー基板に係止させるための係止爪とを備
    え、前記積層型圧電トランスは、前記絶縁カバーにより
    前記一側面側が支承され、ノード点において前記支持板
    部の前記支持柱により支承されていることを特徴とする
    積層型圧電トランスの実装構造。
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