JP2004335877A - 樹脂モールド型積層セラミックコンデンサ - Google Patents
樹脂モールド型積層セラミックコンデンサ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004335877A JP2004335877A JP2003131938A JP2003131938A JP2004335877A JP 2004335877 A JP2004335877 A JP 2004335877A JP 2003131938 A JP2003131938 A JP 2003131938A JP 2003131938 A JP2003131938 A JP 2003131938A JP 2004335877 A JP2004335877 A JP 2004335877A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ceramic capacitor
- resin
- multilayer ceramic
- lead wire
- molded
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Ceramic Capacitors (AREA)
- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Abstract
【課題】セラミックを誘電体とした樹脂モールド型で耐電圧が高く大容量のセラミックコンデンサを提供すること。
【解決手段】積層セラミックコンデンサユニット1の内部電極1a,1b間の寸法を0.1mm程度にするとともに、両側の端面に位置する内部電極1aを同電圧に接続し、その積層セラミックコンデンサユニット1の複数をユニット1間で隣接する内部電極1aどうしを並列接続して集合し、前記集合した複数のセラミックコンデンサユニット1を一体に樹脂モールド4する。
【選択図】 図1
【解決手段】積層セラミックコンデンサユニット1の内部電極1a,1b間の寸法を0.1mm程度にするとともに、両側の端面に位置する内部電極1aを同電圧に接続し、その積層セラミックコンデンサユニット1の複数をユニット1間で隣接する内部電極1aどうしを並列接続して集合し、前記集合した複数のセラミックコンデンサユニット1を一体に樹脂モールド4する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂モールド型積層セラミックコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セラミックを誘電体とするコンデンサとして、プレス成形して焼結したセラミック単板の両面に導電ペーストを印刷して電極を焼付け形成したコンデンサ素体の複数を積み重ねて集合し、電極に引出線を半田などで接続し、集合したコンデンサ素体全体を絶縁樹脂で外装したセラミックコンデンサが知られている。たとえば特開平6−69068号公報、特開2001−297938号公報。
【0003】
また、一側の端縁に延びる内部電極を形成したセラミックシートと他側の端縁に延びる内部電極を形成したセラミックシートとを交互に積み重ねて押圧焼結して積層セラミックコンデンサ素体を形成し、この積層セラミックコンデンサ素体の両側側面のそれぞれに、露出する内部電極の端縁どうしを接続する側面電極を形成し、この側面電極に接続した端子を露出して外周面を絶縁樹脂で被覆した積層セラミックコンデンサが知られている。たとえば特開平9−283363号公報、特開平5−226177号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前者のセラミックスコンデンサは、高電圧に対応することができるものの、セラミック単板の厚みを0.5mmよりも薄くすると焼成で割れやクラックあるいは反りが発生するため、セラミック単板をたとえば1kVの耐電圧で0.1mm程度に薄くして静電容量を大きくすることが困難であるという問題がある。また、後者の積層セラミックコンデンサは、電子機器に用いられ1層の厚みは数μmと薄く、静電容量は大きいものの、耐電圧が低く高電圧に対応することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の実情に鑑みなされたもので、セラミックを誘電体とした樹脂モールド型で耐電圧が高く大容量のセラミックコンデンサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、セラミック誘電体層内に適宜間隔を隔てて対峙して配列された複数の内部電極を有し、前記セラミック誘電体層の対向する両側面のそれぞれに、交互に配列した前記内部電極の端縁をどうしを接続する側面電極が形成され、前記側面電極のそれぞれに引出線を接続してなる積層セラミックコンデンサユニットの複数を、積層セラミックコンデンサユニット間で隣接する内部電極どうしを同電位側に並列集合し、前記集合した複数の積層セラミックコンデンサユニットを一体に樹脂モールドするとともに、前記複数の積層セラミックコンデンサユニットの同電位側の側面の各引出線を端子板の一端に接続し、前記端子板の他端を前記樹脂モールドから外部に導出してなることを特徴とする。
【0007】
請求項1に係る本発明では、セラミックコンデンサユニットを積層セラミックコンデンサユニットとするので、内部電極間の厚みを電気機器や電力機器に要求される数百〜数千Vの高電圧に耐えられる限度、たとえば0.1mm程度にまで薄くすることができるとともに、積層数によってセラミックコンデンサユニットの厚みを数mm程度に厚くすることができ、数cm角の大型寸法のセラミックコンデンサユニットが実現できる。また、コンデンサユニット間にモールド樹脂が充填されても、コンデンサユニット間で隣り合う内部電極は同電位で電圧差並びに静電容量が生じないので、絶縁的、静電容量的に安定した大容量の樹脂モールド型積層セラミックコンデンサとすることができる。
【0008】
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る本発明において、積層セラミックコンデンサユニットの両側面の引出線を互いに向かい合う内側に傾けて両側の端子板の一端にそれぞれ接続するとともに、両側の端子板の前記一端間を絶縁板で固定してなることを特徴とする。
【0009】
積層セラミックコンデンサユニットの両側面の引出線を互いに向かい合う内側に傾けておくことにより、モールド樹脂の熱膨張による引出線の外側向きに働く応力に対し、引出線の側面電極からの剥がれを防止することができ、また、端子板を絶縁板で固定することにより、端子板に加わる外力によるモールド樹脂の割れなどを防ぐことができる。
【0010】
請求項3に係る本発明は、請求項1に係る本発明において、内部電極に切欠き孔を設け、前記内部電極を挟んで両側に位置するセラミックどうしを前記切欠き孔部で密着させてなることを特徴とする。
【0011】
内部電極の形成時に切欠き孔(電極が印刷されない部分)を設けると、内部電極を挟んで両側に位置する同質のセラミックどうしが形成時の押圧により密着し、そのまま焼結されて接着し、この接着により内部電極は剥がれにくくなり、これにより内部電極の面積を広くすることができ、一層静電容量を大きくすることができる。
【0012】
請求項4に係る本発明は、請求項1に係る本発明において、端子板を延長して引出線部を形成し、前記引出線部とセラミックコンデンサユニットの側面電極とを樹脂モールドの残留応力により密接させてなることを特徴とする。この特長により引出線と側面電極との半田付けなどの手間を省くことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照にして説明する。図1は実施の形態に係る樹脂モールド型積層セラミックコンデンサで、(a)は斜視図、(b)は接続図、図2は図1に示す樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの積層セラミックコンデンサユニットの構成を手順で示す斜視図である。
【0014】
図1において、1は積層セラミックコンデンサユニット(以下、ユニットコンデンサという。)、2a,2bは引出線、3a,3bは端子板、4は絶縁樹脂モールド層である。
【0015】
ユニットコンデンサ1は、図2に示すようにセラミックシートの表面に、セラミックシートの一側の端縁に延びる内部電極1aを印刷したセラミックシート5aと他側の端縁に延びる内部電極1bを印刷したセラミックシート5bとを、交互に積み重ね、これを押圧成形して積層セラミックコンデンサ基体6を形成し、内部電極1aの端縁が露出する側面6aおよびこの側面6aと対向する側の電極1bの端縁が露出する側面6bのそれぞれに、内部電極1aの端縁どうしおよび内部電極1bの端縁どうしを接続する側面電極1c、1dを形成し、これを焼成し(側面電極は焼成後形成する場合もある。)し、その後引出線2a(2b)を接続固着することにより構成されている。
【0016】
このユニットコンデンサ1を、この実施の形態では4個、側面電極1c側を一面側に配置して並列集合し、側面電極1cに接続固着した引出線2aは端子板3a一端に、側面電極1dに接続固着した引出線2bは、この実施の形態では端子板3b一端に一括接続され、端子板3aおよび3bの引出線を接続した端部ともその全体を絶縁樹脂4でモールドされている。なお、引出線2a、2bのそれぞれを個別の端子板に接続場合もある。
【0017】
端子板3a,3bはユニットコンデンサ1の内側に配置されており、引出線2a,2bは互いに向かい合う内側に傾けて両側の端子板3a,3bの一端にそれぞれ接続されている。この傾けによりモールド樹脂4の熱膨張時の引出線の外側向きに働く応力に対し、引出線2a,2bの側面電極1c,1dからの剥がれを防止するためである。
【0018】
以上のように構成した樹脂モールド型積層セラミックコンデンサでは、セラミックコンデンサユニット1を積層構造とするので、内部電極間の厚みを高電圧に耐えられる限度まで薄くすることができるとともに、積層数によりセラミックコンデンサユニット1の厚みを数mm程度に厚くでき、電気機器や電力機器に要求される数百〜数kVの電圧クラスに最適な絶縁厚さ約0.1mm以上程度で数cm角以上の大型寸法のユニットコンデンサが実現できる。また、ユニットコンデンサ1間にモールド樹脂4が充填されても、ユニットコンデンサ1間で隣り合う内部電極1a,1aは同電位で電圧差並びに静電容量が生じないので、絶縁的、静電容量的に安定した大容量の樹脂モールド型積層セラミックコンデンサとすることができる。
【0019】
なお、図3に示すように端子板3a,3bの引出線2a,2bを接続固着する端部を、引出線2a,2bが互いに向かい合う内側に傾く間隔で一枚の絶縁板7に固定すると、絶縁樹脂4の熱膨張による引出線2a,2bの外側向きに働く応力に対し、引出線2a,2bの側面電極1c,1dからの剥がれを防止することができるとともに、端子板3a,3bに加わる外力によるモールド樹脂の割れなどを防ぐことができる。絶縁板7には端子板3a,3bを所定の位置で挿通する長孔7a,7bと樹脂モールド時に発生する気泡を逃がす貫通孔7cが随所に形成されている。端子板3a,3bは長孔7a,7bからユニットコンデンサ1側へ導出して絶縁板7に固着する場合もある。
【0020】
ところで、図2に示すようなユニットコンデンサ1では、セラミックと内部電極とは異質材料であるため、接着が不充分となり熱膨張差により接着部にラミネーションやクラックなどの欠陥が生じる恐れがある。この恐れをなくすには図5および図6に示すように、内部電極1a(1b)の形成時に楕円h1(図5)あるいは複数の円形h2(図6)などの適宜の形状や大きさの切欠き孔(電極が印刷されない部分)を設けるとよい。
【0021】
このような切欠き孔を設けると、その切欠き孔で内部電極を挟んで両側に位置する同質のセラミックスどうしが形成時の押圧により密着し、そのまま焼結されて接着する。この接着によりラミネーションやクラックなどの欠陥が生じる恐れをなくすことができ、絶縁性能や部分放電特性などの性能向上が図れる。さらには、内部電極は剥がれにくくなり、これにより内部電極の面積を大型化することができ、一層静電容量を大きくすることができる。
【0022】
以上の実施の形態では、側面電極に引出線の一端部を接続固着し、その引出線の他端部を端子板に接続固着してユニットコンデンサの側面電極を外部に引出しているが、 図4に示すように端子板と引出線を一体化した端子板3a,3bとし、端子板3a,3bの端部を側面電極1c、1dに押圧当接して絶縁樹脂4で注形し、使用温度以上で硬化する。この硬化により絶縁樹脂4の残留応力が常に端子板3a,3bが側面電極1c、1dに押し付ける方向に働くので端子板3a,3bと側面電極1c、1dとの接続を良好に維持することができる。ただし、注形時に端子板3a,3bと側面電極1c、1dとの間に絶縁樹脂4が入り込まないように、たとえばテープを巻回したり、冶具や工具で押さえるなどの養生が必要である。これによりユニットコンデンサの側面電極を外部に引出すようにすると、引出し構造を簡素にでき、その分工数の低減が図れる。
【0023】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、絶縁的、静電容量的に安定した信頼性の高い大容量の樹脂モールド型積層セラミックコンデンサを得ることができるほか、高電圧に対応することができる大容量であるにもかかわらず、積層セラミックコンデンサユニットの厚さを数mm程度の大きさにすることができるので、セラミックの焼成で割れやクラックあるいは反りの発生がなく、製造における歩留まりが高く、また、結線も容易であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの構成を示す斜視図(a)と接続図(b)である。
【図2】図1に示す樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの積層セラミックコンデンサユニットの構成を手順で示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの電極引出し部の他の例を示す断面図(a)と絶縁板の斜視図(b)である。
【図4】本発明の実施の形態に係る樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの電極引出し部のさらに他の例を示す斜視図(a)と説明図(b)である。
【図5】本発明の実施の形態に係る樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの内部電極の他の例を示す平面図(a)とA−A断面図(b)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの内部電極のさらに他の例を示す平面図(a)とB−B断面図(b)である。
【符号の説明】
1 積層セラミックコンデンサユニット
1a、1b 内部電極
1c、1d 側面電極
2a、2b 引出線
3a、3b 端子板
4 絶縁樹脂モールド層
5a,5b セラミックシート
7 絶縁板
h1、h2 切り欠き孔
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂モールド型積層セラミックコンデンサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
セラミックを誘電体とするコンデンサとして、プレス成形して焼結したセラミック単板の両面に導電ペーストを印刷して電極を焼付け形成したコンデンサ素体の複数を積み重ねて集合し、電極に引出線を半田などで接続し、集合したコンデンサ素体全体を絶縁樹脂で外装したセラミックコンデンサが知られている。たとえば特開平6−69068号公報、特開2001−297938号公報。
【0003】
また、一側の端縁に延びる内部電極を形成したセラミックシートと他側の端縁に延びる内部電極を形成したセラミックシートとを交互に積み重ねて押圧焼結して積層セラミックコンデンサ素体を形成し、この積層セラミックコンデンサ素体の両側側面のそれぞれに、露出する内部電極の端縁どうしを接続する側面電極を形成し、この側面電極に接続した端子を露出して外周面を絶縁樹脂で被覆した積層セラミックコンデンサが知られている。たとえば特開平9−283363号公報、特開平5−226177号公報。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前者のセラミックスコンデンサは、高電圧に対応することができるものの、セラミック単板の厚みを0.5mmよりも薄くすると焼成で割れやクラックあるいは反りが発生するため、セラミック単板をたとえば1kVの耐電圧で0.1mm程度に薄くして静電容量を大きくすることが困難であるという問題がある。また、後者の積層セラミックコンデンサは、電子機器に用いられ1層の厚みは数μmと薄く、静電容量は大きいものの、耐電圧が低く高電圧に対応することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の実情に鑑みなされたもので、セラミックを誘電体とした樹脂モールド型で耐電圧が高く大容量のセラミックコンデンサを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明は、セラミック誘電体層内に適宜間隔を隔てて対峙して配列された複数の内部電極を有し、前記セラミック誘電体層の対向する両側面のそれぞれに、交互に配列した前記内部電極の端縁をどうしを接続する側面電極が形成され、前記側面電極のそれぞれに引出線を接続してなる積層セラミックコンデンサユニットの複数を、積層セラミックコンデンサユニット間で隣接する内部電極どうしを同電位側に並列集合し、前記集合した複数の積層セラミックコンデンサユニットを一体に樹脂モールドするとともに、前記複数の積層セラミックコンデンサユニットの同電位側の側面の各引出線を端子板の一端に接続し、前記端子板の他端を前記樹脂モールドから外部に導出してなることを特徴とする。
【0007】
請求項1に係る本発明では、セラミックコンデンサユニットを積層セラミックコンデンサユニットとするので、内部電極間の厚みを電気機器や電力機器に要求される数百〜数千Vの高電圧に耐えられる限度、たとえば0.1mm程度にまで薄くすることができるとともに、積層数によってセラミックコンデンサユニットの厚みを数mm程度に厚くすることができ、数cm角の大型寸法のセラミックコンデンサユニットが実現できる。また、コンデンサユニット間にモールド樹脂が充填されても、コンデンサユニット間で隣り合う内部電極は同電位で電圧差並びに静電容量が生じないので、絶縁的、静電容量的に安定した大容量の樹脂モールド型積層セラミックコンデンサとすることができる。
【0008】
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る本発明において、積層セラミックコンデンサユニットの両側面の引出線を互いに向かい合う内側に傾けて両側の端子板の一端にそれぞれ接続するとともに、両側の端子板の前記一端間を絶縁板で固定してなることを特徴とする。
【0009】
積層セラミックコンデンサユニットの両側面の引出線を互いに向かい合う内側に傾けておくことにより、モールド樹脂の熱膨張による引出線の外側向きに働く応力に対し、引出線の側面電極からの剥がれを防止することができ、また、端子板を絶縁板で固定することにより、端子板に加わる外力によるモールド樹脂の割れなどを防ぐことができる。
【0010】
請求項3に係る本発明は、請求項1に係る本発明において、内部電極に切欠き孔を設け、前記内部電極を挟んで両側に位置するセラミックどうしを前記切欠き孔部で密着させてなることを特徴とする。
【0011】
内部電極の形成時に切欠き孔(電極が印刷されない部分)を設けると、内部電極を挟んで両側に位置する同質のセラミックどうしが形成時の押圧により密着し、そのまま焼結されて接着し、この接着により内部電極は剥がれにくくなり、これにより内部電極の面積を広くすることができ、一層静電容量を大きくすることができる。
【0012】
請求項4に係る本発明は、請求項1に係る本発明において、端子板を延長して引出線部を形成し、前記引出線部とセラミックコンデンサユニットの側面電極とを樹脂モールドの残留応力により密接させてなることを特徴とする。この特長により引出線と側面電極との半田付けなどの手間を省くことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照にして説明する。図1は実施の形態に係る樹脂モールド型積層セラミックコンデンサで、(a)は斜視図、(b)は接続図、図2は図1に示す樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの積層セラミックコンデンサユニットの構成を手順で示す斜視図である。
【0014】
図1において、1は積層セラミックコンデンサユニット(以下、ユニットコンデンサという。)、2a,2bは引出線、3a,3bは端子板、4は絶縁樹脂モールド層である。
【0015】
ユニットコンデンサ1は、図2に示すようにセラミックシートの表面に、セラミックシートの一側の端縁に延びる内部電極1aを印刷したセラミックシート5aと他側の端縁に延びる内部電極1bを印刷したセラミックシート5bとを、交互に積み重ね、これを押圧成形して積層セラミックコンデンサ基体6を形成し、内部電極1aの端縁が露出する側面6aおよびこの側面6aと対向する側の電極1bの端縁が露出する側面6bのそれぞれに、内部電極1aの端縁どうしおよび内部電極1bの端縁どうしを接続する側面電極1c、1dを形成し、これを焼成し(側面電極は焼成後形成する場合もある。)し、その後引出線2a(2b)を接続固着することにより構成されている。
【0016】
このユニットコンデンサ1を、この実施の形態では4個、側面電極1c側を一面側に配置して並列集合し、側面電極1cに接続固着した引出線2aは端子板3a一端に、側面電極1dに接続固着した引出線2bは、この実施の形態では端子板3b一端に一括接続され、端子板3aおよび3bの引出線を接続した端部ともその全体を絶縁樹脂4でモールドされている。なお、引出線2a、2bのそれぞれを個別の端子板に接続場合もある。
【0017】
端子板3a,3bはユニットコンデンサ1の内側に配置されており、引出線2a,2bは互いに向かい合う内側に傾けて両側の端子板3a,3bの一端にそれぞれ接続されている。この傾けによりモールド樹脂4の熱膨張時の引出線の外側向きに働く応力に対し、引出線2a,2bの側面電極1c,1dからの剥がれを防止するためである。
【0018】
以上のように構成した樹脂モールド型積層セラミックコンデンサでは、セラミックコンデンサユニット1を積層構造とするので、内部電極間の厚みを高電圧に耐えられる限度まで薄くすることができるとともに、積層数によりセラミックコンデンサユニット1の厚みを数mm程度に厚くでき、電気機器や電力機器に要求される数百〜数kVの電圧クラスに最適な絶縁厚さ約0.1mm以上程度で数cm角以上の大型寸法のユニットコンデンサが実現できる。また、ユニットコンデンサ1間にモールド樹脂4が充填されても、ユニットコンデンサ1間で隣り合う内部電極1a,1aは同電位で電圧差並びに静電容量が生じないので、絶縁的、静電容量的に安定した大容量の樹脂モールド型積層セラミックコンデンサとすることができる。
【0019】
なお、図3に示すように端子板3a,3bの引出線2a,2bを接続固着する端部を、引出線2a,2bが互いに向かい合う内側に傾く間隔で一枚の絶縁板7に固定すると、絶縁樹脂4の熱膨張による引出線2a,2bの外側向きに働く応力に対し、引出線2a,2bの側面電極1c,1dからの剥がれを防止することができるとともに、端子板3a,3bに加わる外力によるモールド樹脂の割れなどを防ぐことができる。絶縁板7には端子板3a,3bを所定の位置で挿通する長孔7a,7bと樹脂モールド時に発生する気泡を逃がす貫通孔7cが随所に形成されている。端子板3a,3bは長孔7a,7bからユニットコンデンサ1側へ導出して絶縁板7に固着する場合もある。
【0020】
ところで、図2に示すようなユニットコンデンサ1では、セラミックと内部電極とは異質材料であるため、接着が不充分となり熱膨張差により接着部にラミネーションやクラックなどの欠陥が生じる恐れがある。この恐れをなくすには図5および図6に示すように、内部電極1a(1b)の形成時に楕円h1(図5)あるいは複数の円形h2(図6)などの適宜の形状や大きさの切欠き孔(電極が印刷されない部分)を設けるとよい。
【0021】
このような切欠き孔を設けると、その切欠き孔で内部電極を挟んで両側に位置する同質のセラミックスどうしが形成時の押圧により密着し、そのまま焼結されて接着する。この接着によりラミネーションやクラックなどの欠陥が生じる恐れをなくすことができ、絶縁性能や部分放電特性などの性能向上が図れる。さらには、内部電極は剥がれにくくなり、これにより内部電極の面積を大型化することができ、一層静電容量を大きくすることができる。
【0022】
以上の実施の形態では、側面電極に引出線の一端部を接続固着し、その引出線の他端部を端子板に接続固着してユニットコンデンサの側面電極を外部に引出しているが、 図4に示すように端子板と引出線を一体化した端子板3a,3bとし、端子板3a,3bの端部を側面電極1c、1dに押圧当接して絶縁樹脂4で注形し、使用温度以上で硬化する。この硬化により絶縁樹脂4の残留応力が常に端子板3a,3bが側面電極1c、1dに押し付ける方向に働くので端子板3a,3bと側面電極1c、1dとの接続を良好に維持することができる。ただし、注形時に端子板3a,3bと側面電極1c、1dとの間に絶縁樹脂4が入り込まないように、たとえばテープを巻回したり、冶具や工具で押さえるなどの養生が必要である。これによりユニットコンデンサの側面電極を外部に引出すようにすると、引出し構造を簡素にでき、その分工数の低減が図れる。
【0023】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、絶縁的、静電容量的に安定した信頼性の高い大容量の樹脂モールド型積層セラミックコンデンサを得ることができるほか、高電圧に対応することができる大容量であるにもかかわらず、積層セラミックコンデンサユニットの厚さを数mm程度の大きさにすることができるので、セラミックの焼成で割れやクラックあるいは反りの発生がなく、製造における歩留まりが高く、また、結線も容易であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの構成を示す斜視図(a)と接続図(b)である。
【図2】図1に示す樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの積層セラミックコンデンサユニットの構成を手順で示す斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの電極引出し部の他の例を示す断面図(a)と絶縁板の斜視図(b)である。
【図4】本発明の実施の形態に係る樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの電極引出し部のさらに他の例を示す斜視図(a)と説明図(b)である。
【図5】本発明の実施の形態に係る樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの内部電極の他の例を示す平面図(a)とA−A断面図(b)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る樹脂モールド型積層セラミックコンデンサの内部電極のさらに他の例を示す平面図(a)とB−B断面図(b)である。
【符号の説明】
1 積層セラミックコンデンサユニット
1a、1b 内部電極
1c、1d 側面電極
2a、2b 引出線
3a、3b 端子板
4 絶縁樹脂モールド層
5a,5b セラミックシート
7 絶縁板
h1、h2 切り欠き孔
Claims (4)
- セラミック誘電体層内に所定の間隔を隔てて対峙して配列された複数の内部電極を有し、前記セラミック誘電体層の対向する両側面のそれぞれに、交互に配列した前記内部電極の端縁をどうしを接続する側面電極が形成され、前記側面電極のそれぞれに引出線を接続してなる積層セラミックコンデンサユニットの複数を、積層セラミックコンデンサユニット間で隣接する内部電極どうしを同電位側に並列集合し、前記集合した複数の積層セラミックコンデンサユニットを一体に樹脂モールドするとともに、前記複数の積層セラミックコンデンサユニットの同電位側の側面の各引出線を端子板の一端に接続し、前記端子板の他端を前記樹脂モールドから外部に導出してなることを特徴とする樹脂モールド型積層セラミックコンデンサ。
- 積層セラミックコンデンサユニットの両側面の引出線を互いに向かい合う内側に傾けて両側の端子板の一端にそれぞれ接続するとともに、両側の端子板の前記一端間を絶縁板で固定してなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂モールド型積層セラミックコンデンサ。
- 内部電極に切欠き孔を設け、前記内部電極を挟んで両側に位置するセラミックどうしを前記切欠き孔部で密着させてなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂モールド型積層セラミックコンデンサ。
- 端子板を延長して引出線部を形成し、前記引出線部とセラミックコンデンサユニットの側面電極とを樹脂モールドの残留応力により密接させてなるなることを特徴とする請求項1に記載の樹脂モールド型積層セラミックコンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003131938A JP2004335877A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 樹脂モールド型積層セラミックコンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003131938A JP2004335877A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 樹脂モールド型積層セラミックコンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004335877A true JP2004335877A (ja) | 2004-11-25 |
Family
ID=33506988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003131938A Pending JP2004335877A (ja) | 2003-05-09 | 2003-05-09 | 樹脂モールド型積層セラミックコンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004335877A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010526008A (ja) * | 2007-04-24 | 2010-07-29 | セラムテック アクチエンゲゼルシャフト | メタライジングされている表面を有するセラミックボディを備えた構成部材 |
KR100994172B1 (ko) * | 2008-07-23 | 2010-11-15 | 삼화콘덴서공업주식회사 | 커패시터 모듈 |
WO2022085516A1 (ja) * | 2020-10-23 | 2022-04-28 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | コンデンサの製造方法 |
JP7097761B2 (ja) | 2018-06-27 | 2022-07-08 | 株式会社村田製作所 | 積層セラミック電子部品 |
-
2003
- 2003-05-09 JP JP2003131938A patent/JP2004335877A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010526008A (ja) * | 2007-04-24 | 2010-07-29 | セラムテック アクチエンゲゼルシャフト | メタライジングされている表面を有するセラミックボディを備えた構成部材 |
KR100994172B1 (ko) * | 2008-07-23 | 2010-11-15 | 삼화콘덴서공업주식회사 | 커패시터 모듈 |
JP7097761B2 (ja) | 2018-06-27 | 2022-07-08 | 株式会社村田製作所 | 積層セラミック電子部品 |
WO2022085516A1 (ja) * | 2020-10-23 | 2022-04-28 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | コンデンサの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2842382B2 (ja) | 積層型圧電トランスおよびその製造方法 | |
JP2003031435A (ja) | 多端子型の積層セラミック電子部品 | |
JP2008205073A (ja) | セラミックコンデンサ | |
JP2006351602A (ja) | 積層型圧電アクチュエータ素子 | |
JP2012009679A (ja) | セラミック電子部品及びその製造方法 | |
JP2000012377A (ja) | 積層セラミック電子部品及びその製造方法 | |
JP2002015939A (ja) | 積層型電子部品およびその製法 | |
JP3668072B2 (ja) | 積層型圧電アクチュエータ | |
JPH11112046A (ja) | 圧電アクチュエータ及びその製造方法 | |
JP2004335877A (ja) | 樹脂モールド型積層セラミックコンデンサ | |
JPH11340081A (ja) | 積層セラミック電子部品及びその製造方法 | |
JP2000340448A (ja) | 積層セラミックコンデンサ | |
JP2000106320A (ja) | 積層セラミックコンデンサ | |
JP2000150289A (ja) | 積層セラミックコンデンサ | |
JP2007019420A (ja) | 積層型圧電素子 | |
JP2000106322A (ja) | 積層セラミックコンデンサ | |
JP2004281957A (ja) | 積層型セラミック電子部品およびその製造方法 | |
JP2000340849A (ja) | 積層型圧電アクチュエータ | |
JP2000164451A (ja) | 積層セラミックコンデンサ | |
JPH10208979A (ja) | 積層電子部品及びその製造方法 | |
JPH0456179A (ja) | 積層型圧電素子 | |
JP2001126956A (ja) | 貫通型コンデンサ | |
WO2022270299A1 (ja) | 積層セラミック電子部品およびその製造方法 | |
JPH04273183A (ja) | 圧電効果素子および電歪効果素子並びにその製造方法 | |
JPH0476969A (ja) | 電歪効果素子 |