JPH10208979A - 積層電子部品及びその製造方法 - Google Patents

積層電子部品及びその製造方法

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JPH10208979A
JPH10208979A JP9009680A JP968097A JPH10208979A JP H10208979 A JPH10208979 A JP H10208979A JP 9009680 A JP9009680 A JP 9009680A JP 968097 A JP968097 A JP 968097A JP H10208979 A JPH10208979 A JP H10208979A
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external electrode
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JP9009680A
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Yukio Ono
幸夫 大野
Hiroya Shigemoto
広也 重本
Satoshi Takakuwa
聡 高桑
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Taiyo Yuden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外部電極と積層体及び内部電極との密着性が
高く耐水性,信頼性,耐久性に優れた積層電子部品及び
その製造方法を提供する。 【解決手段】 外部電極24と積層体23との間に中間
層25を形成することにより、外部電極24と積層体2
3との応力が緩和されるとともに、積層体23を焼成し
た際に内部電極引出部21aが収縮して生じる積層体2
3の端面の凹部を中間層25により充填することができ
るので、真空蒸着法等の薄膜法により外部電極24を形
成しても外部電極24に亀裂が生じることなく、さら
に、クラックやデラミネーションの発生を防止すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層コンデンサ等
の積層電子部品の製造方法に関し、特に外部電極を形成
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図1に従来の積層電子部品の一例として
の積層コンデンサを示す。図1は積層電子部品の分解斜
視図である。図1において、積層コンデンサ10は、内
部電極11を形成する内部電極層と絶縁体を形成する絶
縁体層12とを交互に積層してなる積層体13と、積層
体13の両端部において内部電極11に形成される内部
電極引出部11aを交互に並列に接続している一対の外
部電極14とから構成されている。
【0003】この積層コンデンサ10の製造に際して
は、まず、誘電体セラミックからなる矩形状のグリーン
シートに内部電極11を形成する内部電極層を印刷す
る。この内部電極11は、たとえばAg,Pd,Ag−
Pd,Ni,Cu等の金属ペーストからなり、これをグ
リーンシートに印刷するものである。
【0004】次に、グリーンシートを目的に応じて複数
積み重ねてシート積層物を形成し、このシート積層物の
全体を熱圧着し、さらに、単一部品の幅及び長さに基づ
き切断して積層体13を得る。ここでシート積層物は、
積層体13の端面に内部電極11の内部電極引出部11
aが露出するように切断される。
【0005】さらに、この積層体13に、炉を用い大気
中で約300℃まで加熱して積層体13に含まれる有機
バインダー成分を焼成させる脱バインダー処理を施し、
この後に大気中で1300℃まで加熱して積層体13を
焼成させる。 最後に、真空蒸着法やスパッタ法等の薄
膜法によりAg,Sn,Cr,Ni等の金属粒子を積層
体13の端面に薄膜として被着させて前記金属の薄膜を
成膜することにより外部電極14を形成し、積層コンデ
ンサ10が製造される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た積層コンデンサ10は、外部電極14が積層体13に
直接付設されており、積層コンデンサ10の信頼性,耐
水性を向上させる観点から密着性を確保しつつ外部電極
14の膜厚を厚く形成すると、外部電極14の応力によ
り積層体13にクラックやデラミネーション等が発生す
る。また、図2に示すように、この積層コンデンサ10
を回路基板1に形成されている回路パターン2へ半田付
けする際にも、半田3からの張力4により積層体13に
クラック5やデラミネーション等が発生する。一方、ク
ラック5やデラミネーションの発生防止等の観点より両
者の密着性を低くすると、大気中の水分が浸入して信頼
性,耐水性の低いものになるという難点があった。
【0007】また、前述した積層電子部品の製造方法で
は薄膜法により外部電極14を形成しているため、図3
に示すように、内部電極引出部11aの積層体13表面
に露出する部分において、外部電極14に亀裂が生じる
ことがある。即ち、図4に示すように、内部電極11と
絶縁体層12では焼成時の収縮率が異なることから、焼
成した後であって外部電極14を形成する前の積層体1
3は、その内部電極11の内部電極引出部11aが絶縁
体層12の端面よりも内側に形成され、さらに、内部電
極引出部11aの端部の形状も収縮変形するものとな
る。従って、この積層体13の端面に外部電極14を形
成すると前述したような亀裂が生じるものである。
【0008】これにより、外部電極14と内部電極11
の電気的接続性が低下し、さらに、この亀裂より大気中
の水分が浸入することによって絶縁不良や導通不良が生
じる場合があり、積層電子部品の信頼性,耐久性が低下
するという難点がある。
【0009】さらに、前述した積層電子部品の製造方法
では、外部電極の膜厚を同一面において変化させること
が困難であり、一方で、一律に外部電極の膜厚を厚くす
ると外部電極の応力により積層体にクラックやデラミネ
ーションが生じるため、外部電極の膜厚を厚く形成する
事によって前述した亀裂の発生を防ぐことは困難であ
る。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、外部電極と内部電極及び
積層体との密着性が高く耐水性,信頼性,耐久性に優れ
た積層電子部品及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明では、内部電極層と絶縁体層とから
なる積層体を焼成し、少なくとも積層体表面の内部電極
が露出する所定部位に、内部電極と導通接続する外部電
極を形成してなる積層電子部品において、前記外部電極
と積層体との間に導電性の中間層を形成している、こと
をその特徴とする。 この発明によれば、中間層によっ
て外部電極と積層体との密着性を高めるとともに、外部
電極と積層体との応力を緩和することができる。
【0012】また、請求項2の発明では、請求項1記載
の積層電子部品において、前記中間層が、少なくとも内
部電極層に形成された内部電極引出部を被覆している、
ことをその特徴とする。
【0013】この発明によれば、中間層によって外部電
極と積層体との密着性を高めるとともに、外部電極と積
層体との応力を緩和することができる。さらに、中間層
が少なくとも内部電極引出部を被覆しているので、内部
電極引出部が収縮して生じる積層体端面の凹部が充填さ
れ、外部電極と中間層との接合面を平坦にすることがで
きる。
【0014】また、請求項3の発明では、内部電極層と
絶縁体層とからなる積層体を焼成し、少なくとも積層体
表面の内部電極が露出する所定部位に、内部電極と導通
接続する外部電極を形成してなる積層電子部品の製造方
法において、前記積層体の所定部位に導電性の中間層を
形成した後に、この所定部位に外部電極を形成する、こ
とをその特徴とする。
【0015】この発明によれば、中間層によって外部電
極と積層体との密着性を高めるとともに、外部電極と積
層体との応力を緩和することができる。
【0016】また、請求項4の発明では、請求項3記載
の積層電子部品の製造方法において、少なくとも内部電
極に形成された内部電極引出部を被覆するように前記中
間層を形成する、ことをその特徴とする。
【0017】この発明によれば、中間層によって外部電
極と積層体との密着性を高めるとともに、外部電極と積
層体との応力を緩和することができる。さらに、中間層
が少なくとも内部電極引出部を被覆しているので、内部
電極引出部が収縮して生じる積層体端面の凹部が充填さ
れ、外部電極と中間層との形成面を平坦にすることがで
きる。
【0018】また、請求項5の発明では、請求項3又は
請求項4記載の積層電子部品の製造方法において、有機
金属レジネート又は金属超微粒子を塗布した後に乾燥さ
せて前記中間層を形成する、ことをその特徴とする。
【0019】また、請求項6の発明では、請求項3又は
請求項4記載の積層電子部品の製造方法において、低融
点金属を分散させた分散媒を塗布した後に、この塗布部
にレーザ光を照射し、低融点金属を溶融硬化させて前記
中間層を形成する、ことをその特徴とする。
【0020】また、請求項7の発明では、請求項3又は
請求項4記載の積層電子部品の製造方法において、薄膜
法により前記中間層を形成する、ことをその特徴とす
る。
【0021】この請求項5乃至請求項7の発明によれ
ば、請求項3又は請求項4記載の中間層を確実に形成す
ることができる。
【0022】また、請求項8の発明では、内部電極層と
絶縁体層とからなる積層体を焼成し、少なくとも積層体
表面の内部電極が露出する所定部位に、内部電極と導通
接続する外部電極を形成してなる積層電子部品におい
て、前記外部電極は、内部電極層に形成された内部電極
引出部を被覆する部分の膜厚が他の部分よりも厚く形成
されている、ことをその特徴とする。
【0023】この発明によれば、内部電極引出部におい
ても外部電極に亀裂を生じさせることなく確実に外部電
極を形成することができる。
【0024】また、請求項9の発明では、内部電極層と
絶縁体層とからなる積層体を焼成し、少なくとも積層体
表面の内部電極が露出する所定部位に、内部電極と導通
接続する外部電極を形成してなる積層電子部品の製造方
法において、内部電極層に形成された内部電極引出部を
被覆する部分の膜厚を、他の部分よりも厚くなるように
前記外部電極を形成する、ことをその特徴とする。
【0025】この発明によれば、内部電極引出部におい
ても外部電極に亀裂を生じさせることなく確実に外部電
極を形成することができる。
【0026】また、請求項10の発明では、請求項9の
積層電子部品の製造方法において、成膜抑制部材を設け
たマスクを用いて薄膜法により外部電極を形成する、こ
とをその特徴とする。
【0027】この発明によれば、内部電極引出部におい
ても外部電極に亀裂を生じさせることなく確実に外部電
極を形成することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下に、図面に基づいて本発明の
一実施の形態を説明する。図5は、本発明の第1の実施
の形態に係る積層コンデンサを示す分解斜視図であり、
図6は、この積層コンデンサの断面図である。また、図
7は、この積層コンデンサの製造方法を説明する図であ
る。
【0029】図において、20は積層コンデンサで、絶
縁体層22と内部電極21とを交互に積層してなる積層
体23と、積層体23の両端部において内部電極21を
交互に並列に接続している一対の外部電極24、及び積
層体23と外部電極24との間に形成される中間層25
とから構成されている。
【0030】絶縁体層22は、矩形のシート状のセラミ
ック焼結体からなり、焼結体は例えばチタン酸バリウム
を主成分とするグリーンシートを焼成して形成した誘電
体磁気材料からなる。
【0031】絶縁体層22を介して隣り合う一対の内部
電極21のそれぞれは、内部電極引出部21aと、この
内部電極引出部21aに基端部が接続された内部電極片
21bとから構成されている。この内部電極引出部21
aは、積層体23を焼成する際において内部電極21の
収縮率が絶縁体層22の収縮率よりも大きいため、積層
体23の端面より僅かに内側に形成されている。内部電
極片21bは矩形になっており、内部電極21bの長辺
は外部電極24に対して略直角になっている。また、各
内部電極21における内部電極片21bの幅は各々等し
く形成されている。
【0032】中間層25は、積層体23の両端部に配置
し、積層体23の端面から側面端部に亘って形成されて
いる。また、中間層25は、積層体23の内部電極引出
部21aが積層体23の端面よりも内側に形成されてい
るために生ずる積層体23の凹部を充填するとともに、
外部電極24との接合面が平坦になるように形成されて
いる。さらに、外部電極24は、積層体23の両端部に
配置し、中間層25を被覆するように形成されている。
【0033】前述の内部電極21は、導電性ペーストの
薄膜を焼結させた金属薄膜からなり、導電性ペーストと
しては、例えばパラジウム粉末を主成分とするものが使
用されている。また、中間層25としては、Ag,S
n,Cr,Al,Ni,Cu等の金属材料が用いられ
る。また、外部電極24は、Ag,Sn,Cr,Al,
Ni,Cu等の金属をスパッタ法や真空蒸着法等の薄膜
法により形成された金属薄膜からなるものである。
【0034】以下に、この積層コンデンサ20の製造方
法について説明する。まず、グリーンシートに導電性ペ
ーストからなる内部電極のパターンを印刷し、これを乾
燥させる。次にこのグリーンシートを複数枚積層し、こ
の積層物を約50℃の温度で厚さ方向に約40トンの圧
力を加えて圧着させる。この後、この積層物を格子状に
裁断して積層チップを得る。
【0035】次に、この積層チップを大気中で約300
℃まで加熱して、グリーンシートに含まれる有機バイン
ダーを焼成させる脱バインダ処理を施した後に、これに
バレル研磨処理を行い、さらに大気中で約1300℃ま
で加熱して積層体23を得る。
【0036】次に、図7に示すように、この積層体23
の両端部のそれぞれを、Ag,Sn,Cr,Al,N
i,Cu等からなる金属超微粒子を分散させた溶液26
に浸漬させて(図7(a))、その後に溶液26より引
き上げる(図7(b))。ここで金属超微粒子とは、直
径0.1μm以下の大きさをいう。これにより積層体2
3の端面に溶液26を被着させ、これを乾燥させて中間
層25を形成する。尚、この工程は複数回行うことによ
り中間層25を形成しても良い。
【0037】最後に、この積層体23にAg,Sn,C
r,Al,Ni,Cu等の金属を真空蒸着法やスパッタ
法等の薄膜法により金属薄膜からなる一対の外部電極2
4を形成して積層コンデンサ20が製造される。尚、薄
膜法による外部電極24の形成方法については従来のも
のと変わらないためここでは説明を省略する。
【0038】前述した積層電子部品の製造方法によれ
ば、積層体23と外部電極24との間に中間層25が形
成されているので、この積層電子部品を回路基板上へ半
田付けしても、中間層25によって外部電極24と積層
体23との応力が緩和され、これにより、クラックやデ
ラミネーションの発生を防止することができる。
【0039】また、内部電極引出部21aが収縮して生
じる積層体23端面の凹部が中間層25によって充填さ
れるとともに、外部電極24と中間層25との接合面を
平坦にすることができるので、薄膜法により外部電極2
4を形成しても、外部電極24の端面に亀裂が生じるこ
とがない。
【0040】このため、本発明によれば、外部電極24
と積層体23及び内部電極21との密着性が高く耐水
性,信頼性,耐久性に優れた積層コンデンサ20を得る
ことができる。
【0041】なお、本実施の形態では、中間層25を金
属超微粒子を分散させた溶液26を塗布することによっ
て形成したが、有機金属レジネートを塗布し、これを乾
燥させて中間層25を形成することによっても本発明を
実施することができる。また、金属超微粒子或いは有機
金属レジネート,バインダ及びビヒクル成分からなる導
電性ペーストを塗布し、これを乾燥させて中間層25を
形成することによっても本発明を実施することができ
る。ここで有機金属レジネートとしては、例えばベンジ
ルシリケート,ナフテン酸ジルコニウム等が用いられ
る。
【0042】また、低融点金属を塗布し、この塗布部に
レーザ光を照射して低融点金属を溶融硬化させて中間層
25を形成することによっても本発明を実施することが
できる。ここで低融点金属としては、例えばSn,I
n,Al等が用いられる。
【0043】さらに、Au等の金属を真空蒸着法やスパ
ッタ法等の薄膜法を用いて被着させて金属薄膜を形成す
ることによっても、中間層25を形成し、本発明を実施
することができる。
【0044】また、さらに、中間層25は、積層体23
の端面に生ずる凹部を充填するのみで、積層体23と外
部電極24との間には形成しないものであってもよい。
ただし、この場合は、凹部が充填されることによる密着
性の向上を図れるものの、前述した外部電極24と積層
体23との応力緩和によるクラック発生の防止等の効果
は有しないものとなる。
【0045】(第2の実施の形態)次に、本発明の第2
の実施の形態について図面を参照して説明する。図8
は、本発明の第2の実施の形態に係る積層コンデンサを
示す斜視図であり、図9はこの積層コンデンサの分解斜
視図である。図10及び図12は、この積層コンデンサ
の製造方法を説明する図であり、図11及び図13は、
それぞれ図10及び図12におけるA−A’線矢視方向
断面図である。
【0046】図において、30は積層コンデンサで、絶
縁体層32と内部電極31とを交互に積層してなる積層
体33と、積層体33の上面から両側面上部に亘って形
成され上面において内部電極31を交互に並列に接続し
ている一対の外部電極34とから構成されている。
【0047】絶縁体層32を介して隣り合う一対の内部
電極31のそれぞれは、内部電極引出部31aと、この
内部電極引出部31aの基端部と接続する内部電極片3
1bとから構成されている。この内部電極引出部31a
は、積層体33を焼成する際において内部電極31の収
縮率が絶縁体層32の収縮率よりも大きいため、積層体
33の上面より僅かに内側に形成されている。内部電極
片31bは矩形になっており、内部電極31bの長辺は
積層体33の長辺と略平行になっている。また、各内部
電極31における内部電極片31bの幅は各々等しく形
成されている。
【0048】外部電極34は、積層体33の積層方向に
おいて膜厚をほぼ均一にし、積層方向に略直角に交わる
方向において、内部電極引出部31を被覆する部位が、
それ以外の部位よりも膜厚が厚く形成されている。
【0049】尚、絶縁体層32,内部電極31,外部電
極34の材質等については第1の実施の形態と同様なの
で、ここでは説明を省略する。
【0050】以下に、この積層コンデンサの製造方法に
ついて説明する。まず、焼成処理を施した積層体33を
製造するが、ここまでは第1の実施の形態と同様なので
ここでは説明を省略する。
【0051】次に、この積層体33にスパッタ法或いは
真空蒸着法等の薄膜法を用いて金属薄膜となる外部電極
34を形成する。この薄膜法では積層体33にマスク3
6を用いて積層体33上面をマスキングし、これを薄膜
形成装置に設置し、金属粒子を照射して金属薄膜を成膜
することにより外部電極34を形成する。ここでマスク
36は、ステンレス、タングステン等の金属のほか、熱
による影響を考慮してセラミックをその材質とするもの
である。その他、薄膜形成装置及びこの装置を用いた薄
膜形成方法については、従来のものと変わらないため、
ここでは説明を省略する。
【0052】ここで、マスク36は、マスクパターンの
第1の辺36a及び36a’が外部電極34の幅と対応
する幅となっており、また、第2の辺36b及び36
b’が外部電極34の積層体33上面部の長さと対応す
る長さとなっている。さらに、積層体33の積層方向に
沿って、マスクパターンの第1の辺36a及び36a’
の間を、棒状の成膜抑制部材37a及び37bが架け渡
されている。この成膜抑制部材37a及び37bはマス
ク36の上方に配置され、このマスク36を用いて積層
体33をマスキングした際に成膜抑制部材37a及び3
7bと積層体33との間に所定の隙間が生じるように配
置されている。さらに、成膜抑制部材37a及び37b
により3分割されたマスク36のマスクパターン50
a,50b,50cは、マスクパターン50bがマスク
パターン50a及び50cよりも開口面積が大きく、ま
た、このマスクパターン50bが積層体33の内部電極
引出部31aを覆うことができるものである。尚、この
成膜抑制部材37a及び37bは、マスク36と同じ材
質が使われるものである。
【0053】このマスク36を用いることにより、スパ
ッタ法或いは真空蒸着法等の薄膜法によって積層体33
に金属薄膜である外部電極34を形成し、積層コンデン
サ30を得ることができる。
【0054】この積層電子部品の製造方法によれば、図
11に示すように、マスク38のマスクパターンの上方
に成膜抑制部材37a及び37bが配置され、また、マ
スクパターン50a,50b,50cのうち、内部電極
引出部31aの上方に位置するマスクパターン50bが
他のマスクパターン50a及び50bよりも開口面積が
大きいため、これに金属粒子を照射して金属薄膜を成膜
すると、外部電極34のうち少なくとも内部電極引出部
31aを被覆する部位が、他の部位よりも膜厚が厚く形
成される。
【0055】尚、マスクとして、図10及び図11のマ
スク36に代えて、図12に示すようなものを用いるこ
ともできる。このマスクは、第1のマスク38と第2の
マスク39からなり、両者を重ねて用いるものである。
第1のマスク38は、前述したマスク36から成膜抑制
部材37a及び37bを取り除いたものと同じマスクパ
ターンを有するものであり、外部電極34と対応するも
のである。また、第2のマスク39は、前述した成膜抑
制部材37a及び37bに対応するように第1のマスク
38に、成膜抑制部材40a及び40bを設けた構造を
したものである。
【0056】このマスクを用いた積層電子部品の製造方
法によれば、図13に示すように、外部電極34は少な
くとも内部電極引出部31aを被覆する部位が、他の部
位よりも膜厚が厚く形成される。
【0057】前述した積層電子部品の製造方法によれ
ば、外部電極34が、内部電極引出部31aを被覆する
部分の膜厚が他の部分よりも厚く形成されているため、
内部電極引出部31aにおいても外部電極34に亀裂を
生じさせることなく確実に外部電極34を形成すること
ができる。また、この亀裂発生を防止するために外部電
電極34の膜厚を一律に厚くする必要がないため、外部
電極34の応力によるクラックやデラミネーションの発
生等を防止することができる。
【0058】このため、本発明によれば、外部電極34
と積層体33及び内部電極31との密着性が高く耐水
性,信頼性,耐久性に優れた積層コンデンサ30を得る
ことができる。尚、実施の形態では積層コンデンサの例
を示したが、積層インダクタや、積層LCフィルタ、そ
の他アレイ型の複合部品等でも本願発明を実施できる。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の積層電子
部品によれば、クラックやデラミネーションが発生する
ことなく、外部電極と積層体及び内部電極との密着性が
高く耐水性、信頼性、耐久性がすぐれたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来例の積層電子部品を示す分解斜視図
【図2】従来例の積層電子部品を示す断面図
【図3】従来例の積層電子部品を示す断面図
【図4】従来例の積層電子部品を示す断面図
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る積層電子部品
を示す分解斜視図
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る積層電子部品
を示す断面図
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る積層電子部品
の製造方法を説明する図
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る積層電子部品
を示す斜視図
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る積層電子部品
を示す分解斜視図
【図10】本発明の第2の実施の形態に係る積層電子部
品の製造方法を説明する図
【図11】図10のA−A’線矢視方向断面図
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る積層電子部
品の製造方法を説明する図
【図13】図12のA−A’線矢視方向断面図
【符号の説明】
20,30…積層コンデンサ、21,31…内部電極、
21a,31a…内部電極引出部、21b,31b…内
部電極片、22,32…絶縁体層、23,33…積層
体、24,34…外部電極、25…中間層、36,3
8,39…マスク、37a,37b,40a,40b…
成膜抑制部材。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部電極層と絶縁体層とからなる積層体
    を焼成し、少なくとも積層体表面の内部電極が露出する
    所定部位に、内部電極と導通接続する外部電極を形成し
    てなる積層電子部品において、 前記外部電極と積層体との間に導電性の中間層を形成し
    ている、 ことを特徴とする積層電子部品。
  2. 【請求項2】 前記中間層が、少なくとも内部電極層に
    形成された内部電極引出部を被覆している、 ことを特徴とする請求項1記載の積層電子部品。
  3. 【請求項3】 内部電極層と絶縁体層とからなる積層体
    を焼成し、少なくとも積層体表面の内部電極が露出する
    所定部位に、内部電極と導通接続する外部電極を形成し
    てなる積層電子部品の製造方法において、 前記積層体の所定部位に導電性の中間層を形成した後
    に、この所定部位に外部電極を形成する、 ことを特徴とする積層電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも内部電極に形成された内部電
    極引出部を被覆するように前記中間層を形成する、 ことを特徴とする請求項3記載の積層電子部品の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 有機金属レジネート又は金属超微粒子を
    塗布した後に乾燥させて前記中間層を形成する、 ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の積層電子
    部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 低融点金属を分散させた分散媒を塗布し
    た後に、この塗布部にレーザ光を照射し、低融点金属を
    溶融硬化させて前記中間層を形成する、 ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の積層電子
    部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 薄膜法により前記中間層を形成する、 ことを特徴とする請求項3又は請求項4記載の積層電子
    部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 内部電極層と絶縁体層とからなる積層体
    を焼成し、少なくとも積層体表面の内部電極が露出する
    所定部位に、内部電極と導通接続する外部電極を形成し
    てなる積層電子部品において、 前記外部電極は、内部電極層に形成された内部電極引出
    部を被覆する部分の膜厚が他の部分よりも厚く形成され
    ている、 ことを特徴とする積層電子部品。
  9. 【請求項9】 内部電極層と絶縁体層とからなる積層体
    を焼成し、少なくとも積層体表面の内部電極が露出する
    所定部位に、内部電極と導通接続する外部電極を形成し
    てなる積層電子部品の製造方法において、 内部電極層に形成された内部電極引出部を被覆する部分
    の膜厚を、他の部分よりも厚くなるように前記外部電極
    を形成する、 ことを特徴とする積層電子部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 成膜抑制部材を設けたマスクを用いて
    薄膜法により外部電極を形成する、 ことを特徴とする請求項9の積層電子部品の製造方法。
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