JPH11340081A - 積層セラミック電子部品及びその製造方法 - Google Patents

積層セラミック電子部品及びその製造方法

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JPH11340081A
JPH11340081A JP10140114A JP14011498A JPH11340081A JP H11340081 A JPH11340081 A JP H11340081A JP 10140114 A JP10140114 A JP 10140114A JP 14011498 A JP14011498 A JP 14011498A JP H11340081 A JPH11340081 A JP H11340081A
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sintered body
ceramic
electronic component
ceramic sintered
insulating layer
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JP10140114A
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English (en)
Inventor
Nobushige Moriwaki
伸重 森脇
Kazuhiro Yoshida
和宏 吉田
Kenichi Watanabe
健一 渡辺
Mitsuru Nagashima
満 永島
Makoto Murata
誠 村田
Yukio Tanaka
雪夫 田中
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイドギャップの幅が小さく、電気的特性の
精度が高く、比較的簡単な工程により得ることができ、
絶縁耐圧が良好な積層セラミック電子部品を得る。 【解決手段】 セラミック焼結体2内に複数の内部電極
3〜6が厚み方向に重なり合うように配置されており、
厚み方向に隣接する内部電極間の距離をtとしたとき
に、焼成に際しての焼結収縮率の違いにより内部電極3
〜6の側端縁3a,3b〜6a,6bが、焼結体2の側
面2c,2dから内側にt/200以上入り込んでお
り、焼結体2の側面2c,2dを被覆するように絶縁層
9,10が形成されている積層セラミック電子部品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック積層一
体焼成技術を用いて構成された積層セラミック電子部品
及びその製造方法に関し、より詳細には、内部電極側方
のサイドギャップが小さくされている積層セラミック電
子部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば積層コンデンサなどの積層セラミ
ック電子部品においては、セラミック焼結体内に複数の
内部電極が配置されている。この種の積層セラミック電
子部品において電極材料の使用効率を高めたり、静電容
量の増大や精度などを高めたりするために、サイドギャ
ップをなくした構造の積層コンデンサが提案されている
(例えば、特公平2−30570号公報など)。なお、
サイドギャップとは、内部電極の側端縁と、セラミック
焼結体の側面との間の内部電極が存在しない領域をい
う。
【0003】例えば特公平2−30570号公報に記載
の方法では、まず、矩形のセラミックグリーンシートの
全幅に至るように導電ペーストを印刷し、該導電ペース
トが印刷された複数枚のセラミックグリーンシートを積
層し、積層体を得る。この積層体を焼成することによ
り、内部電極端縁が、外部電極との接続が予定されてい
る端面だけでなく、一対の側面にも露出しているセラミ
ック焼結体が得られる。次に、セラミック焼結体の両端
面に外部電極を形成する。
【0004】この先行技術に記載の製造方法では、内部
電極がセラミック焼結体の一対の側面にも至るように、
すなわちセラミック焼結体の全幅に至るように形成され
ているので、内部電極材料の使用効率を高めることがで
き、かつ静電容量の増大、精度の向上を図ることができ
る。
【0005】しかしながら、内部電極がセラミック焼結
体の側面に露出することになるため、耐電圧が低いとい
う問題があった。そこで、特開平3−82006号公報
には、耐電圧を高め得る構造が提案されている。すなわ
ち、内部電極が一対の側面に露出しているセラミック焼
結体を得た後に、エッチングもしくはサイドブラストな
どの物理的な方法により、内部電極側端縁近傍部分を除
去する。次に、除去された部分に絶縁性材料を注入して
絶縁層を形成することにより、耐電圧の向上が図られて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−82006
号公報に開示されている積層コンデンサでは、上記のよ
うにセラミック焼結体の全幅に至る内部電極を形成した
後に、エッチングや物理的加工方法により内部電極側端
縁近傍部分を除去していたため、サイドギャップの大き
さを非常に小さくすることができる。しかしながら、こ
のようなエッチングや物理的加工方法、並びに絶縁層の
注入といった煩雑な工程を実施しなければならなかっ
た。加えて、エッチングや物理的加工方法において、セ
ラミック焼結体が損傷を受けたりするおそれもあった。
【0007】さらに、上記エッチングやサンドブラスト
などの物理的方法により内部電極側端縁近傍部分を除去
した場合、その加工精度を高めることが非常に困難であ
った。従って、静電容量などの電気的精度を高めること
ができなかった。
【0008】本発明の目的は、上述した従来技術の欠点
を解消し、サイドギャップの大きさをできるだけ小さく
することができ、内部電極などの材料使用効率を高める
ことができ、かつ電気的特性のばらつきが生じ難く、加
えて容易に製造することができる積層セラミック電子部
品、並びにこのような積層セラミック電子部品を容易に
製造することを可能とする方法を提供することによる。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、複数の内部電極をセラミックと共に一体焼成してな
るセラミック焼結体を用いた積層セラミック電子部品で
あって、セラミック焼結体と、前記セラミック焼結体内
においてセラミック層を介して重なり合うように配置さ
れた複数の内部電極とを備え、厚み方向に隣接する内部
電極間の厚み方向距離をtとした時に、内部電極とセラ
ミックスとの焼結収縮率の差により前記内部電極の側端
縁がセラミック焼結体側面から内側にt/200以上入
り込んでおり、前記焼結体側面を被覆するように形成さ
れた絶縁層をさらに備えることを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の発明では、前記セラミッ
ク焼結体が、上面、下面、一対の側面及び一対の端面を
有し、一対の端面に外部電極が形成されており、かつ前
記絶縁層が焼結体の側面だけでなく、上面及び下面をも
被覆するように形成されている。
【0011】請求項3に記載の発明では、請求項1に記
載の積層セラミック電子部品を収納するケースをさらに
備え、前記絶縁層が該ケース内にポッティングされた樹
脂により構成されている。
【0012】請求項4に記載の発明は、積層セラミック
電子部品の製造方法であって、複数の内部電極がセラミ
ック層を介して厚み方向に重なり合うように配置されて
おり、かつ該内部電極側端縁が両側面に露出するように
形成されている未焼成のセラミック積層体を用意する工
程と、前記セラミック積層体を焼成し、厚み方向に隣接
する内部電極間の距離をtとした時に、焼結収縮率の違
いにより内部電極側端縁が側面から内側にt/200以
上入り込むように形成されたセラミック焼結体を得る工
程と、前記セラミック焼結体の一側面を被覆するように
絶縁層を形成する工程と、前記セラミック焼結体の外表
面に外部電極を形成する工程とを備えることを特徴とす
る。
【0013】請求項5に記載の発明では、前記セラミッ
ク焼結体が、上面、下面、一対の側面及び一対の端面を
有し、前記内部電極を形成する工程において、一対の外
部電極がセラミック焼結体の一対の端面に形成され、か
つ前記絶縁層を形成する工程において、セラミック焼結
体の外部電極が形成される一対の端面以外の上面、下面
及び一対の側面を被覆するように樹脂モールドにより、
絶縁層が形成されている。
【0014】請求項6に記載の発明は、前記セラミック
焼結体を収納するケースを用意する工程をさらに備え、
前記絶縁層を形成する工程において、ケース内にセラミ
ック焼結体を配置し、ケースとセラミック焼結体との間
の空間に樹脂をポッティングすることにより絶縁層が形
成されている。
【0015】請求項7に記載の発明では、前記セラミッ
ク焼結体として、複数の積層セラミック電子部品ユニッ
トが電気的に一体化されたセラミック焼結体アレイもし
くはスタックが用いられている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の非限定的な実施例
を挙げることにより、本発明をより詳細に説明する。
【0017】図1(a),(b)は、本発明の第1の実
施例に係る積層コンデンサの縦断面図及び(a)のA−
A線に沿う断面図である。積層コンデンサ1は、直方体
状のセラミック焼結体2を用いて構成されている。セラ
ミック焼結体2の内部には、セラミック焼結体層を介し
て厚み方向に重なり合うように複数の内部電極3〜6が
形成されている。内部電極3,5は、セラミック焼結体
2の一方の端面2aに引き出されている。内部電極4,
6は、他方端面2bに引き出されている。端面2a,2
bには、外部電極7,8がそれぞれ形成されている。
【0018】また、図1(b)から明らかなように、外
部電極3〜6の側端縁3a,3b〜6a,6bは、セラ
ミック焼結体2の側面2c,2dから内側に入り込んで
いる。すなわち、内部電極3〜6の側方には、図1
(b)のXで示す幅のサイドギャップ領域が形成されて
いる。
【0019】もっとも、上記サイドギャップ領域は、セ
ラミック焼結体2と、内部電極3〜6の焼結収縮率の差
により、焼成に際し内部電極3〜6の側端縁が内側に引
き込むことにより形成されている。
【0020】セラミック焼結体2の側面2c,2dを被
覆するように絶縁層9,10が形成されている。絶縁層
9,10は、合成樹脂などの絶縁性材料により構成され
ている。ここでは、溶融状態の絶縁性材料をセラミック
焼結体2の側面2c,2dに塗布することにより絶縁層
9,10が形成されている。溶融状態にある絶縁性材料
は、内部電極3〜6の側端縁3a,3b〜6a,6a,
6bが内側に入り込んだことによって生じるセラミック
焼結体層間の隙間に入り込む。
【0021】本実施例の積層コンデンサ1の製造方法を
図2〜図4を参照して説明する。積層コンデンサ1を得
るにあたっては、まず、チタン酸バリウム系セラミック
スのような誘電体セラミックスを主成分とするセラミッ
クスリラーを得る。次に、該セラミックスリラーをシー
ト成形し、セラミックグリーンシートを得る。
【0022】しかる後、図2(a),(b)に平面図で
示すように、矩形のセラミックグリーンシート11,1
2上に、AgやNiのような導電ペーストを印刷するこ
とにより、内部電極13,14を印刷する。この場合、
内部電極13,14は、矩形のセラミックグリーンシー
ト11,12の全幅に至るように形成されている。
【0023】次に、セラミックグリーンシート11,1
2を適宜の枚数交互に繰り返し積層し、上下に必要に応
じて無地の矩形のセラミックグリーンシートを積層し、
未焼成のセラミック積層体を得る。
【0024】上記のようにして得たセラミック積層体を
図3(a),(b)に示す。セラミック積層体15で
は、内部に複数の内部電極3A〜6Aが配置されてい
る。なお、内部電極3A〜6Aは、図2に示した内部電
極13,14により構成されるものであるが、図1に示
した焼成後の内部電極3〜6に対応させて、参照番号3
A〜6Aで示すこととする。
【0025】内部電極3A,5Aは、端面15aに引き
出されており、内部電極4A,6Aは、端面15aとは
対向し合っている他方端面15bに引き出されている。
また、図3(b)から明らかなように、内部電極3A〜
6Aの両側端縁は、セラミック積層体15の側面15
c,15dに至るように配置されている。
【0026】なお、本実施例では、説明を容易とするた
めに1個のセラミック積層体15の製造方法を示した
が、実際には、マザーのセラミック積層体を得た後に、
厚み方向に切断することにより、セラミック積層体15
を効率良く得ることができる。また、このような切断に
より、内部電極3A〜6Aの側端縁が端面15a,15
bや側面15c,15dに確実に露出される。
【0027】次に、未焼成のセラミック積層体15を焼
成する。この焼成により内部電極3A3〜6Aが焼付け
られて内部電極3〜6が形成されると共に、セラミック
スが焼成されてセラミック焼結体とされる。このように
して得られたセラミック焼結体2の横断面図を図4に示
す。
【0028】焼成に際しての焼結収縮率はセラミックス
に比べて内部電極の方が大きくしてある。従って、セラ
ミック焼結体2においては、内部電極3〜6の側端縁3
a,3b〜6a,6bが、セラミック焼結体2の側面2
a,2bより内側に引き込むことになる。その結果、図
4に示すように、幅Xのサイドギャップ領域が形成され
ると共に、この幅Xのサイドギャップ領域に空隙16が
形成される。この空隙16は、内部電極3〜6の厚みが
数μm〜数+μm程度であるため、同じく数μm以下と
非常に薄い。
【0029】次に、上記セラミック焼結体2の側面2
c,2dに、合成樹脂もしくはガラスを塗布し、焼付け
ることにより、絶縁層9,10を形成する。この場合、
焼付時に液状化した絶縁材料は、上記空隙16に毛細管
現象により確実にかつ容易に入り込む。従って、図1
(b)に示されているように、絶縁層9,10により、
上記空隙16が確実に満たされ、絶縁性が高められるだ
けでなく、耐湿性も良好とされる。
【0030】次に、外部電極7,8を形成する。外部電
極7,8の形成については、絶縁層9,10の形成に先
立ち行っても良く、絶縁層9,10の形成後に行っても
良い。
【0031】また、外部電極7,8の形成方法について
も特に限定されず、導電ペーストの塗布・焼付け、メッ
キ、蒸着、スパッタリングなどの適宜の方法を用いるこ
とができる。
【0032】本実施例の積層コンデンサ1では、上記の
ように、セラミックスと内部電極の焼結収縮率の違いに
より、非常に小さな幅のサイドギャップが形成されるこ
とになる。従って、小型でありながら、大きな容量の積
層コンデンサを得ることができる。
【0033】しかも、上記絶縁層9,10により空隙1
6が埋められ、かつ側面2c,2dが被覆されるので、
絶縁耐圧も高められる。また、上記セラミック焼結体2
を得るにあたっては、内部電極3A〜6Aの幅をセラミ
ック積層体15の幅と同一寸法とすればよいため、セラ
ミック積層体15は簡単な工程で容易に得ることができ
る。しかも、セラミック積層体15を得た後には、焼成
するだけで、上記幅Xのサイドギャップを確実に構成す
ることができる。従って、エッチング等の煩雑な工程を
実施する必要がない。加えて、焼結収縮率により上記幅
Xが決定されるので、静電容量の精度の向上も図り得
る。
【0034】また、上記内部電極3〜6を構成するため
の導電ペーストの組成を調整することにより、焼結収縮
率を容易に調整することができる。従って、上記サイド
ギャップの幅Xを、導電ペーストを調整することにより
容易に調整することができ、それによって絶縁耐圧を容
易にコントロールすることができる。
【0035】本願発明者は、上記内部電極3〜6の側方
に内部電極が収縮したことにより形成されるサイドギャ
ップの幅と、絶縁耐圧との関係を測定した。結果を図5
に示す。
【0036】図5から明らかなように、内部電極側方の
サイドギャップすなわち、内部電極の収縮により形成さ
れた空隙の幅を大きくすればするほど、絶縁耐圧が高め
られることがわかる。特に、上記内部電極がセラミック
焼結体の側面から入り込んでいる幅を、隣接する内部電
極間の厚み方向寸法をtとしたとき、t/200以上、
より好ましくは、t/100以上とすれば、絶縁破壊電
圧を十分な大きさとし得ることがわかる。
【0037】なお、図5に示す絶縁破壊電圧は、絶縁層
9,10を形成する前のセラミック焼結体2について測
定した値である。また、縦軸の破壊電圧比とは、内部電
極の側方に150μmの幅のサイドギャップを設けた従
来の通常の絶縁破壊電圧を1とし、この絶縁破壊電圧に
対する絶縁破壊電圧比を示すものとする。
【0038】なお、図5では、内部電極の入り込み割合
がt/200の場合でも、絶縁破壊電圧比は0.500
程度であるが、絶縁層9,10を付与することにより、
最終的に得られる積層コンデンサ1の絶縁破壊電圧は、
十分な大きさのサイドギャップを設けた従来の積層コン
デンサと同等となる。
【0039】図6は、本発明の第2の実施例に係る積層
コンデンサを説明するための横断面図である。第1の実
施例の積層コンデンサ1では、セラミック焼結体2の側
面2c,2dに絶縁材料を塗布した後溶融状態にするこ
とにより絶縁層9,10が形成されていた。本発明にお
いては、絶縁層の形成は、第1の実施例の方法に限定さ
れるものではない。
【0040】図6に示す積層コンデンサ21では、セラ
ミック焼結体2の側面2c,2dだけでなく、上面2
e,下面2fをも被覆するように樹脂モールド層が形成
され、それによって絶縁層22が構成されている。この
ように、側面2c,2dを被覆するだけでなく、モール
ド成型により上面2e及び下面2fをも被覆することに
より、低誘電率の絶縁層がより多くの面に形成されるた
め、耐電圧及び耐シール性をより一層高めることができ
る。
【0041】なお、樹脂モールド層により絶縁層22を
形成したが、ガラスにより絶縁層22を形成してもよ
い。図7は、本発明の第3の実施例に係る積層コンデン
サを説明するための横断面図である。第3の実施例の積
層コンデンサ31では、第1の実施例のセラミック焼結
体2を厚み方向に複数積層した構造に相当するセラミッ
ク焼結体スタック32が用いられている。このように、
本発明に係るセラミック積層電子部品においては、複数
のセラミック電子部品ユニットが厚み方向に重なり合う
ように配置されて一体化された焼結体を用いたものであ
ってもよい。
【0042】セラミック焼結体スタック32は、合成樹
脂などによるケース33内に配置されている。このケー
ス33には、図示しないが、内部に配置したセラミック
焼結体の特性を外部に取り出すための取出電極や取出端
子を形成しておくとよい。また、セラミック焼結体スタ
ック32では、第1の実施例の場合と同様に、それぞ
れ、内部電極3〜6の側端縁3a,3b〜6a,6b
は、焼結体側面33c,33dよりも内側に入り込んで
おり、幅Xの隙間が形成されている。
【0043】上記ケース33内にセラミック焼結体スタ
ック32を配置した後、合成樹脂をポッティングし、硬
化させることにより、絶縁層34が形成されている。こ
のように、絶縁層については、ケース33内にセラミッ
ク焼結体スタック32を配置した後、ポッティングによ
り容易に構成することが可能である。この場合には、ケ
ース内蔵型の積層セラミック電子部品を得るにあたっ
て、ポッティングと同時に、耐電圧を高めるための上記
絶縁層を形成することができるので、製造工程を増加さ
せることなく、絶縁耐圧に優れた積層コンデンサスタッ
クを容易に得ることができる。
【0044】第1〜第3の実施例では、積層セラミック
電子部品として、積層コンデンサに適用した例を示した
が、積層コンデンサ以外の、積層インダクタ、積層型圧
電セラミック電子部品、積層バリスタ、積層型サーミス
タなどの様々な積層セラミック電子部品に、本発明を適
用することができる。
【0045】また、第3の実施例では、複数の積層コン
デンサユニットが厚み方向に積層されたセラミック焼結
体スタック32を用いたが、複数の積層セラミック電子
部品ユニットが横方向に連結された積層セラミック焼結
体アレイをセラミック焼結体として用いてもよい。
【0046】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、内部電
極とセラミックスの焼結収縮率の違いにより、内部電極
の側端縁がセラミック焼結体の側面から内側に入り込ん
でいる。従って、製造工程において、内部電極材料の使
用効率を高め得るだけでなく、焼成前に内部電極をセラ
ミックグリーンシートと同じ幅に形成すればよいため、
静電容量などの電気的特性の精度に優れた積層セラミッ
ク電子部品を得ることができる。
【0047】加えて、特開平3−820065号公報に
記載の従来技術では、内部電極の側端縁近傍部分をエッ
チングやサンドブラストなどの物理的な方法により除去
していたが、本発明では,このような煩雑な処理工程を
必要とすることなく内部電極を焼結体側面から内側に入
り込んだ状態とすることができる。従って、製造工程の
簡略化を果たすことができる。加えて、セラミックスの
損傷も生じ難い。
【0048】さらに、内部電極側端縁が焼結体側面の内
側にt/200以上入り込んでおり、焼結体側面を被覆
するように絶縁層が形成されてので、絶縁耐圧も十分な
大きさとされる。
【0049】よって、請求項1に記載の発明によれば、
比較的簡単な工程により、静電容量などの電気的特性の
精度に優れており、セラミックスの損傷が生じ難く、か
つ十分な絶縁耐圧を示す積層セラミック電子部品を提供
することが可能となる。
【0050】請求項2に記載の発明では、絶縁層がセラ
ミック焼結体の上面及び下面をも被覆するように形成さ
れているので、より一層絶縁耐圧性や耐シール性を高め
ることができる。
【0051】請求項3に記載の発明では、セラミック焼
結体をケース内に収納してなる構造の積層セラミック電
子部品において、前記ケース内にポッティングにより樹
脂層を形成することにより、充填樹脂層とセラミック焼
結体側面における絶縁耐圧を高めるための樹脂層とを同
時に形成することができる。従って、ケース内蔵セラミ
ック積層電子部品の製造に際し、製造工程を増加させる
ことなく、本発明に従って、電気的特性の精度が高く、
絶縁耐圧が良好な小型の積層セラミック電子部品を提供
することができる。
【0052】請求項4に記載の発明に係る積層セラミッ
ク電子部品の製造方法では、未焼成のセラミック積層体
を得るにあたり、内部電極をセラミック積層体の全幅に
至るように形成すればいため、該セラミック積層体を容
易にかつ高精度に作製することができる。しかも、上記
セラミック積層体を焼成した際に、焼結収縮率の違いに
より、内部電極の側端縁が焼結体側面から内側に入り込
む。従って、余分の工程を増加させることなく、内部電
極側端縁と焼結体側面との間に小さなサイドギャップを
構成し得る。
【0053】加えて、上記焼結収縮率の差により、内部
電極側端縁が焼結体側面から内側にt/200以上を入
り込むように構成されており、かつ焼結体側面に絶縁層
が形成されるため、絶縁耐圧が良好な積層セラミック電
子部品とすることができる。
【0054】すなわち、請求項4に記載の発明によれ
ば、セラミック積層体を用意し、焼成し、絶縁層を形成
するという比較的簡単な一連の工程により、請求項1に
記載の発明に係る積層セラミック電子部品を得ることが
できる。
【0055】請求項5に記載の発明では、絶縁層がセラ
ミック焼結体の上面及び下面をも被覆するように形成さ
れるため、より一層絶縁耐圧性や耐シール性に優れた積
層セラミック電子部品を得ることができる。
【0056】請求項6に記載の発明では、ケース内蔵積
層セラミック電子部品の製造に際し、ケースとセラミッ
ク焼結体との間の空間に樹脂をポッティングする工程に
おいて、上記した絶縁層を同時に形成することができる
ので、製造工程を増加させることなく、電気的特性の精
度が高く、絶縁耐圧に優れた積層セラミック電子部品を
容易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)は、本発明に係る第1の実施例
に係る積層コンデンサを説明するための縦断面図及びA
−A線に沿う断面図。
【図2】(a),(b)は、第1の実施例に係る積層コ
ンデンサの製造に際して用意されるセラミックグリーン
シート及びその上に形成された内部電極の形状を説明す
るための各平面図。
【図3】(a),(b)は、第1の実施例の積層コンデ
ンサを得るのに用意される未焼成のセラミック積層体を
説明するための縦断面図及びA−A線に沿う断面図。
【図4】第1の実施例の積層コンデンサを得るのに用い
られたセラミック焼結体を示す横断面図。
【図5】第1の実施例の積層コンデンサにおいて、内部
電極側端縁の焼結体側面から内側への入り込み割合と、
絶縁破壊電圧比との関係を示す。
【図6】本発明の第2の実施例に係る積層コンデンサを
説明するための横断面図。
【図7】本発明の第3の実施例に係る積層コンデンサを
説明するための横断面図。
【符号の説明】
1…積層コンデンサ 2…セラミック焼結体 2a,2b…端面 2c,2d…側面 2e…上面 2f…下面 3〜6…内部電極 3a,3b〜6a,6b…側端縁 7,8…外部電極 9,10…絶縁層 11,12…セラミック燐シート 13,14…内部電極 15…セラミック積層体 15a,15b…端面 15c,15d…側面 21…積層コンデンサ 22…絶縁層 31…積層コンデンサ 32…ケース 33…セラミック焼結体 34…絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永島 満 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 村田 誠 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内 (72)発明者 田中 雪夫 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の内部電極をセラミックスと共に一
    体焼成してなるセラミック焼結体を用いた積層セラミッ
    ク電子部品であって、 セラミック焼結体と、 前記セラミック焼結体内においてセラミック層を介して
    重なり合うように配置された複数の内部電極とを備え、
    厚み方向に隣接する内部電極間の厚み方向距離をtとし
    た時に、内部電極とセラミックスとの焼結収縮率の差に
    より前記内部電極の側端縁がセラミック焼結体側面から
    内側にt/200以上入り込んでおり、 前記焼結体側面を被覆するように形成された絶縁層をさ
    らに備えることを特徴とする積層セラミック電子部品。
  2. 【請求項2】 前記セラミック焼結体が、上面、下面、
    一対の側面及び一対の端面を有し、一対の端面に外部電
    極が形成されており、かつ前記絶縁層が焼結体の側面だ
    けでなく、上面及び下面をも被覆するように形成されて
    いる、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の積層セラミック電子部
    品を収納するケースをさらに備え、前記絶縁層が該ケー
    ス内にポッティングされた樹脂により構成されている、
    積層セラミック電子部品。
  4. 【請求項4】 複数の内部電極がセラミック層を介して
    厚み方向に重なり合うように配置されており、かつ該内
    部電極が両側面に露出するように形成されている未焼成
    のセラミック積層体を用意する工程と、 前記セラミック積層体を焼成し、厚み方向に隣接する内
    部電極間の距離をtとした時に、焼結収縮率の違いによ
    り内部電極が側面から内側にt/200以上入り込むよ
    うに形成されたセラミック焼結体を得る工程と、 前記セラミック焼結体の一側面を被覆するように絶縁層
    を形成する工程と、 前記セラミック焼結体の外表面に外部電極を形成する工
    程とを備えることを特徴とする、積層セラミック電子部
    品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記セラミック焼結体が、上面、下面、
    一対の側面及び一対の端面を有し、前記内部電極を形成
    する工程において、一対の外部電極がセラミック焼結体
    の一対の端面に形成され、かつ前記絶縁層を形成する工
    程において、セラミック焼結体の外部電極が形成される
    一対の端面以外の上面、下面及び一対の側面を被覆する
    ように樹脂モールドにより、絶縁層が形成される、請求
    項4に記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記セラミック焼結体を収納するケース
    を用意する工程をさらに備え、前記絶縁層を形成する工
    程において、ケース内にセラミック焼結体を配置し、ケ
    ースとセラミック焼結体との間の空間に樹脂をポッティ
    ングすることにより絶縁層が形成される請求項4に記載
    の積層セラミック電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記セラミック焼結体として、複数の積
    層セラミック電子部品ユニットが一体化されたセラミッ
    ク焼結体アレイもしくはスタックを用いる、請求項6に
    記載の積層セラミック電子部品の製造方法。
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