JP2001126956A - 貫通型コンデンサ - Google Patents
貫通型コンデンサInfo
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- JP2001126956A JP2001126956A JP30781099A JP30781099A JP2001126956A JP 2001126956 A JP2001126956 A JP 2001126956A JP 30781099 A JP30781099 A JP 30781099A JP 30781099 A JP30781099 A JP 30781099A JP 2001126956 A JP2001126956 A JP 2001126956A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】貫通型コンデンサ10の平面平行度を維持して
誘電体層1a〜1e間の剥離・密着不良を大幅に減少さ
せると共に大電流が流れても貫通導体層4で発熱を防止
することを目的とする。 【解決手段】貫通型コンデンサ10において、貫通導体
層4が、グランド電極3a,3bと重なり合わない領域
の厚み、電極幅を、重なり合う領域に比べて、厚く又は
広くなっている。
誘電体層1a〜1e間の剥離・密着不良を大幅に減少さ
せると共に大電流が流れても貫通導体層4で発熱を防止
することを目的とする。 【解決手段】貫通型コンデンサ10において、貫通導体
層4が、グランド電極3a,3bと重なり合わない領域
の厚み、電極幅を、重なり合う領域に比べて、厚く又は
広くなっている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は貫通型コンデンサの
構造に関するものである。
構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】貫通型コンデンサは、残留インダクタン
スが極めて小さいため、高周波ノイズ除去効果に優れて
いる。このため、比較的ノイズ成分の強い高周波回路や
デジタル回路等のインピーダンスの高い回路に多用され
る。
スが極めて小さいため、高周波ノイズ除去効果に優れて
いる。このため、比較的ノイズ成分の強い高周波回路や
デジタル回路等のインピーダンスの高い回路に多用され
る。
【0003】ここで、従来の貫通型コンデンサの構造を
図4,図5に基づいて説明する。図4は従来の貫通型コ
ンデンサ100の断面図、図5は図4のA−A線断面図
を示す。
図4,図5に基づいて説明する。図4は従来の貫通型コ
ンデンサ100の断面図、図5は図4のA−A線断面図
を示す。
【0004】貫通型コンデンサ100は、複数の誘電体
層101が積層された積層体10Aと、誘電体層101
間に配置された貫通導体層11と、誘電体層101間に
配置されたグランド電極層12とが交互に積層配置され
ている。この貫通導体層11は積層体10Aの両方の端
面に導出されており、その端面に貫通導体層11と接続
した入出力端子電極13、14が形成されている。ま
た、グランド電極層12は積層体10Aの入出力端子電
極13,14が形成された端面とは異なる他の一対の端
面に導出されており、その端面にグランド電極層12の
一部と接続したグランド端子15が形成されている。こ
こで、貫通型コンデンサ100は、従来から表面実装法
により回路基板の回路パターンの信号ライン側に入出力
端子電極13,14が、また、グランド端子回路パター
ンのアース側にグランド端子15が各々半田付けされて
成る。
層101が積層された積層体10Aと、誘電体層101
間に配置された貫通導体層11と、誘電体層101間に
配置されたグランド電極層12とが交互に積層配置され
ている。この貫通導体層11は積層体10Aの両方の端
面に導出されており、その端面に貫通導体層11と接続
した入出力端子電極13、14が形成されている。ま
た、グランド電極層12は積層体10Aの入出力端子電
極13,14が形成された端面とは異なる他の一対の端
面に導出されており、その端面にグランド電極層12の
一部と接続したグランド端子15が形成されている。こ
こで、貫通型コンデンサ100は、従来から表面実装法
により回路基板の回路パターンの信号ライン側に入出力
端子電極13,14が、また、グランド端子回路パター
ンのアース側にグランド端子15が各々半田付けされて
成る。
【0005】以上の貫通型コンデンサ100の構造によ
り、貫通導体層11とグランド電極層12との対向面
積、誘電体層101の厚み及びその誘電率に依存した所
定の容量成分が形成される。そして、入出力端子電極1
3,14に信号を入力することにより貫通導体層11に
入力用端子電極13又は14から出力用端子電極13又
は14に向かって大きい電流が流れ、貫通導体層11と
グランド電極層12間で所定の電荷が蓄積されることに
なる。一方、ノイズとして存在した電流が流れた場合に
は、この電流をグランド電極層12からグランド端子電
極15に流され、貫通導体層11に流れている電流を平
滑化することができる。
り、貫通導体層11とグランド電極層12との対向面
積、誘電体層101の厚み及びその誘電率に依存した所
定の容量成分が形成される。そして、入出力端子電極1
3,14に信号を入力することにより貫通導体層11に
入力用端子電極13又は14から出力用端子電極13又
は14に向かって大きい電流が流れ、貫通導体層11と
グランド電極層12間で所定の電荷が蓄積されることに
なる。一方、ノイズとして存在した電流が流れた場合に
は、この電流をグランド電極層12からグランド端子電
極15に流され、貫通導体層11に流れている電流を平
滑化することができる。
【0006】このような貫通型コンデンサ100の積層
体10Aは、未焼成の誘電体層101上にグランド電極
層12となる導体膜を形成し、未焼成の誘電体層101
上に貫通導体層11となる導体膜を形成し、これら複数
の誘電体層101を交互に積層して、未焼成誘電体層1
01と導体膜とを一体的に焼結して形成していた。その
後、積層体10Aの一方端面に、貫通導体層11の両端
が接続するように入出力端子電極13,14を、また、
他方端面にグランド電極層12の一部に接続するように
グランド端子電極15が各々形成されていた。
体10Aは、未焼成の誘電体層101上にグランド電極
層12となる導体膜を形成し、未焼成の誘電体層101
上に貫通導体層11となる導体膜を形成し、これら複数
の誘電体層101を交互に積層して、未焼成誘電体層1
01と導体膜とを一体的に焼結して形成していた。その
後、積層体10Aの一方端面に、貫通導体層11の両端
が接続するように入出力端子電極13,14を、また、
他方端面にグランド電極層12の一部に接続するように
グランド端子電極15が各々形成されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の貫通型コンデン
サ100においては、積層体10Aの一体焼成時に、誘
電体層101,貫通導体層11,グランド電極層12そ
れぞれの収縮率の違いにより誘電体層101間のデラミ
ネーションや積層体10Aのクラックを低減させなけれ
ばならない。このためには、貫通導体層11の厚み、グ
ランド電極層12の厚みは薄い方が望ましい。しかしな
がら、実際には、貫通型コンデンサ100の貫通導体層
11には大きい電流が流れるため、貫通導体層11の厚
みを薄くすると、貫通導体層11が抵抗となり、これに
より、貫通導体層11が発熱してしまうという問題点あ
った。
サ100においては、積層体10Aの一体焼成時に、誘
電体層101,貫通導体層11,グランド電極層12そ
れぞれの収縮率の違いにより誘電体層101間のデラミ
ネーションや積層体10Aのクラックを低減させなけれ
ばならない。このためには、貫通導体層11の厚み、グ
ランド電極層12の厚みは薄い方が望ましい。しかしな
がら、実際には、貫通型コンデンサ100の貫通導体層
11には大きい電流が流れるため、貫通導体層11の厚
みを薄くすると、貫通導体層11が抵抗となり、これに
より、貫通導体層11が発熱してしまうという問題点あ
った。
【0008】一方、未焼成状態の誘電体層101となる
グリーンシートを介して貫通導体層11,グランド電極
層12を交互に積層した場合、貫通導体層11とグラン
ド電極層12の重なる領域が盛り上がってしまい、切断
後に端部となる領域がへこんでしまうという問題点を有
していた。従って、積層体10Aの平面平行度が保てな
くなり、積層時に積層体10Aを圧着しても段差が大き
いために圧力が均一にかからず誘電体層101の密着不
良が起こり、その結果、切断した際に剥離,密着不良の
不具合が生じる問題点を有していた。
グリーンシートを介して貫通導体層11,グランド電極
層12を交互に積層した場合、貫通導体層11とグラン
ド電極層12の重なる領域が盛り上がってしまい、切断
後に端部となる領域がへこんでしまうという問題点を有
していた。従って、積層体10Aの平面平行度が保てな
くなり、積層時に積層体10Aを圧着しても段差が大き
いために圧力が均一にかからず誘電体層101の密着不
良が起こり、その結果、切断した際に剥離,密着不良の
不具合が生じる問題点を有していた。
【0009】また、小型化で高容量を実現するために貫
通導体層11又はグランド電極層12の内部電極数を増
やした貫通型コンデンサ100においては、積層体10
Aの主面から一番近い内部電極までの距離(トップマー
ジン)を薄くするため、積層体10Aの主面から一番近
い内部電極端部と入出力端子電極表面までの距離が短く
なることが知られており、メッキ液塗布工程において、
積層体10Aと入出力端子電極間からメッキ液が浸入し
高温環境化で貫通型コンデンサ100が膨張してしまう
という問題点を有していた。
通導体層11又はグランド電極層12の内部電極数を増
やした貫通型コンデンサ100においては、積層体10
Aの主面から一番近い内部電極までの距離(トップマー
ジン)を薄くするため、積層体10Aの主面から一番近
い内部電極端部と入出力端子電極表面までの距離が短く
なることが知られており、メッキ液塗布工程において、
積層体10Aと入出力端子電極間からメッキ液が浸入し
高温環境化で貫通型コンデンサ100が膨張してしまう
という問題点を有していた。
【0010】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出され
たものであり、その目的は、積層体の焼成時のデラミネ
ーションやクラックが発生することがなく、積層体の平
面平行度を得ることができ、また、熱衝撃の信頼性が高
く、かつ、大電流が流れたときの貫通導体層の発熱を防
止できる貫通型コンデンサを提供することにある。
たものであり、その目的は、積層体の焼成時のデラミネ
ーションやクラックが発生することがなく、積層体の平
面平行度を得ることができ、また、熱衝撃の信頼性が高
く、かつ、大電流が流れたときの貫通導体層の発熱を防
止できる貫通型コンデンサを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の貫通型コンデン
サは、誘電体層を複数積層して成る矩形状積層体の内部
に、前記積層体の相対向する一対の端面から両端部が導
出する貫通導体層と、前記誘電体層を介して前記貫通導
体層と対向し、且つ前記積層体の他の相対向する一対の
両端面に導出するグランド電極層とを交互に配置すると
ともに、前記積層体の相対向する一対の端面に、貫通導
体層の両端部に接続される一対の入出力端子を形成し、
他の相対向する一対の端面に、グランド電極層の両端部
に接続されるグランド端子を形成して成る貫通型コンデ
ンサにおいて、前記貫通導体層のうち前記グランド電極
層と重なり合わない領域の層厚が、重なり合う領域の層
厚に比べて厚いことにある。
サは、誘電体層を複数積層して成る矩形状積層体の内部
に、前記積層体の相対向する一対の端面から両端部が導
出する貫通導体層と、前記誘電体層を介して前記貫通導
体層と対向し、且つ前記積層体の他の相対向する一対の
両端面に導出するグランド電極層とを交互に配置すると
ともに、前記積層体の相対向する一対の端面に、貫通導
体層の両端部に接続される一対の入出力端子を形成し、
他の相対向する一対の端面に、グランド電極層の両端部
に接続されるグランド端子を形成して成る貫通型コンデ
ンサにおいて、前記貫通導体層のうち前記グランド電極
層と重なり合わない領域の層厚が、重なり合う領域の層
厚に比べて厚いことにある。
【0012】本発明の構成によれば、前記貫通導体層の
うち前記グランド電極層と重なり合わない領域の層厚
が、重なり合う領域の層厚に比べて厚いために、未焼成
状態で積層体の両端部が貫通導体層の厚みによりへこみ
を防止することができ、これにより、積層体の平面平行
度を維持させると共に貫通導体層の両端を厚くさせて抵
抗を小さくすることができる。その結果、誘電体層間の
剥離・密着不良を大幅に減少させると共に大電流が流れ
ても発熱を有効に防止することができる。
うち前記グランド電極層と重なり合わない領域の層厚
が、重なり合う領域の層厚に比べて厚いために、未焼成
状態で積層体の両端部が貫通導体層の厚みによりへこみ
を防止することができ、これにより、積層体の平面平行
度を維持させると共に貫通導体層の両端を厚くさせて抵
抗を小さくすることができる。その結果、誘電体層間の
剥離・密着不良を大幅に減少させると共に大電流が流れ
ても発熱を有効に防止することができる。
【0013】また、貫通導体層の両端部が厚く形成され
ているので、積層体の端面電極と貫通導体層との接続を
確実にさせることができ、これにより信頼性が増して製
造時の歩留まりを向上させることができる。しかも、内
部の貫通導体層から外部電極までの接続性が良好になり
ESR(等価直列抵抗)などの電気特性も良好に保つこ
とができる。
ているので、積層体の端面電極と貫通導体層との接続を
確実にさせることができ、これにより信頼性が増して製
造時の歩留まりを向上させることができる。しかも、内
部の貫通導体層から外部電極までの接続性が良好になり
ESR(等価直列抵抗)などの電気特性も良好に保つこ
とができる。
【0014】さらに、グランド電極層には、ノイズのよ
うな小さい電流しか流れず発熱がないため、グランド電
極全体の厚みを薄くすることができ、全体として小型化
を達成することもできる。
うな小さい電流しか流れず発熱がないため、グランド電
極全体の厚みを薄くすることができ、全体として小型化
を達成することもできる。
【0015】なお、好ましい態様としては、上述の発明
に加えて前記貫通導体層の前記グランド電極層と重なり
合わない領域の層幅が、その重なり合う領域の幅に比べ
て広くすると良い。これにより、さらに抵抗を低くする
ことができる。
に加えて前記貫通導体層の前記グランド電極層と重なり
合わない領域の層幅が、その重なり合う領域の幅に比べ
て広くすると良い。これにより、さらに抵抗を低くする
ことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の貫通型コンデンサ
を図面に基づいて詳説する。図1は本発明に係る貫通型
コンデンサの外観斜視図であり、図2は図1の貫通型コ
ンデンサの断面図であり、図3は貫通型コンデンサの積
層体における分解図である。貫通型コンデンサ10は例
えば、積層体1の相対向する一対の端面には、入力端子
電極5と出力端子電極6が形成されており、積層体1の
相対向する他の一対の端面には、グランド端子電極7,
7が形成されている。
を図面に基づいて詳説する。図1は本発明に係る貫通型
コンデンサの外観斜視図であり、図2は図1の貫通型コ
ンデンサの断面図であり、図3は貫通型コンデンサの積
層体における分解図である。貫通型コンデンサ10は例
えば、積層体1の相対向する一対の端面には、入力端子
電極5と出力端子電極6が形成されており、積層体1の
相対向する他の一対の端面には、グランド端子電極7,
7が形成されている。
【0017】積層体1は複数の誘電体層1a〜1eが積
層されなる。この誘電体層1a〜1eは、チタン酸バリ
ウム、チタン酸ストロンチウムなどからなり、積層体1
の形状として直方体形状に成型されている。誘電体層1
cと1d間には積層体1の端面に導通するPd等の金属
材料からなる貫通導体層4が形成されており、端面に形
成した入出力端子電極5,6と接続されている。また、
誘電体層1aと1c間、誘電体層1dと1e間には積層
体1の端面に導通するPd等の金属材料からなるグラン
ド電極層3a、3bと形成されており、端面に形成した
グランド端子電極7,7と接続されている。この構成に
より、グランド電極3a,貫通導体層4,グランド電極
層3aが互いに交互に配置されており、グランド電極3
a,貫通導体層4間又は貫通導体層4,グランド電極層
3aで容量成分が形成されている。
層されなる。この誘電体層1a〜1eは、チタン酸バリ
ウム、チタン酸ストロンチウムなどからなり、積層体1
の形状として直方体形状に成型されている。誘電体層1
cと1d間には積層体1の端面に導通するPd等の金属
材料からなる貫通導体層4が形成されており、端面に形
成した入出力端子電極5,6と接続されている。また、
誘電体層1aと1c間、誘電体層1dと1e間には積層
体1の端面に導通するPd等の金属材料からなるグラン
ド電極層3a、3bと形成されており、端面に形成した
グランド端子電極7,7と接続されている。この構成に
より、グランド電極3a,貫通導体層4,グランド電極
層3aが互いに交互に配置されており、グランド電極3
a,貫通導体層4間又は貫通導体層4,グランド電極層
3aで容量成分が形成されている。
【0018】貫通導体層4は、図3に示すように誘電体
層1cの長手方向に延び、その両端部が誘電体層1cの
短辺に延出している。また、グランド電極層3(3a、
3b)は、誘電体層1b、1dの幅方向に延び、その両
端部が誘電体層1b、1dの長辺の中央部より延出して
いる。
層1cの長手方向に延び、その両端部が誘電体層1cの
短辺に延出している。また、グランド電極層3(3a、
3b)は、誘電体層1b、1dの幅方向に延び、その両
端部が誘電体層1b、1dの長辺の中央部より延出して
いる。
【0019】また、貫通導体層4は、グランド電極層3
と重なり合わない領域の電極厚みは、その重なり合う領
域に比べて、厚くなる肉厚部4aが形成されている。こ
れにより、積層体1の両端側が凹んで貫通導体層4とグ
ランド導体層3とが重なった領域が盛り上がることはな
く、肉厚部4aで両端部が垂れ下がるのを維持させるこ
とができ、その結果、入出力電極端子5,6の接合の信
頼性を向上させることができるだけでなく、積層体1の
圧着工程において、圧着しても段差が無いために圧力が
均一にかかり、誘電体層間の剥離,密着不良という原因
を防止することができる。また、肉厚部4aの幅方向は
グランド電極層3と重なる貫通導体層4の幅よりも広く
形成してもよい。これにより、貫通導体層4と入出力端
子5,6の接続を確実にする他、貫通導体層4の抵抗を
下げることもできる。
と重なり合わない領域の電極厚みは、その重なり合う領
域に比べて、厚くなる肉厚部4aが形成されている。こ
れにより、積層体1の両端側が凹んで貫通導体層4とグ
ランド導体層3とが重なった領域が盛り上がることはな
く、肉厚部4aで両端部が垂れ下がるのを維持させるこ
とができ、その結果、入出力電極端子5,6の接合の信
頼性を向上させることができるだけでなく、積層体1の
圧着工程において、圧着しても段差が無いために圧力が
均一にかかり、誘電体層間の剥離,密着不良という原因
を防止することができる。また、肉厚部4aの幅方向は
グランド電極層3と重なる貫通導体層4の幅よりも広く
形成してもよい。これにより、貫通導体層4と入出力端
子5,6の接続を確実にする他、貫通導体層4の抵抗を
下げることもできる。
【0020】なお、例えば、図3において、誘電体層1
aは上部側のトップマージンとなる層であり、誘電体層
1b、1dはその表面にグランド電極層3aが形成され
る層となっており、誘電体層1eはその表面に貫通導体
層4が形成される層であり、誘電体層1eは下部側のト
ップマージン層となる層となる。
aは上部側のトップマージンとなる層であり、誘電体層
1b、1dはその表面にグランド電極層3aが形成され
る層となっており、誘電体層1eはその表面に貫通導体
層4が形成される層であり、誘電体層1eは下部側のト
ップマージン層となる層となる。
【0021】そして、積層体1は、貫通導体層4を形成
した誘電体層1dとグランド電極層3を形成した誘電体
層1b,1dとが交互に積層して構成され、さらに、積
層厚み方向の最外部分には、上部側のトップマージン層
となる誘電体層1aと、下部側のトップマージン層とな
る誘電体層1cとが積層される。
した誘電体層1dとグランド電極層3を形成した誘電体
層1b,1dとが交互に積層して構成され、さらに、積
層厚み方向の最外部分には、上部側のトップマージン層
となる誘電体層1aと、下部側のトップマージン層とな
る誘電体層1cとが積層される。
【0022】ここで、貫通導体層4が形成された誘電体
層1cとグランド電極層3を形成した誘電体層1b,1
dとの積層において、グランド電極層3(3a、3b)
となる誘電体層1b、1dがトップマージン層となる誘
電体層1a,1eに隣接する層に位置されている。この
ように、グランド電極層3を積層体1の主面側の一番近
い側に設けると、小型化,高容量化により電極数を増や
してトップマージンを薄くした場合にでもグランド電極
層3の層厚が薄いために、高温半田槽に浸す熱衝撃(Δ
T)試験を行っても、クラック発生率を低減することが
できる。この理由は、肉厚部4aを形成した貫通導体層
4に比べてグランド電極層3は薄く形成しているために
誘電体層1b,1dとグランド電極層3の熱膨張係数の
差を無視することができるためである。
層1cとグランド電極層3を形成した誘電体層1b,1
dとの積層において、グランド電極層3(3a、3b)
となる誘電体層1b、1dがトップマージン層となる誘
電体層1a,1eに隣接する層に位置されている。この
ように、グランド電極層3を積層体1の主面側の一番近
い側に設けると、小型化,高容量化により電極数を増や
してトップマージンを薄くした場合にでもグランド電極
層3の層厚が薄いために、高温半田槽に浸す熱衝撃(Δ
T)試験を行っても、クラック発生率を低減することが
できる。この理由は、肉厚部4aを形成した貫通導体層
4に比べてグランド電極層3は薄く形成しているために
誘電体層1b,1dとグランド電極層3の熱膨張係数の
差を無視することができるためである。
【0023】上記構成の貫通型コンデンサ10は次のよ
うに作製する。まず、誘電体セラミックからなるグリー
ンシートを用意する。
うに作製する。まず、誘電体セラミックからなるグリー
ンシートを用意する。
【0024】次に、貫通導体層4が形成される誘電体層
1c、グランド電極層3が形成される誘電体層b,d上
に、貫通導体4となる導体膜及びグランド電極層3とな
る導体膜をそれぞれグリーンシートに複数形成する。具
体的にはPdを主成分とする金属ペーストを用いて、所
定形状にスクリーン印刷する。即ち、貫通導体層4及び
グランド電極層3となる導体膜の延出方向は、互いに直
交するように印刷される。
1c、グランド電極層3が形成される誘電体層b,d上
に、貫通導体4となる導体膜及びグランド電極層3とな
る導体膜をそれぞれグリーンシートに複数形成する。具
体的にはPdを主成分とする金属ペーストを用いて、所
定形状にスクリーン印刷する。即ち、貫通導体層4及び
グランド電極層3となる導体膜の延出方向は、互いに直
交するように印刷される。
【0025】本発明では、グランド電極と重なり合わな
い肉厚部4aを厚くするために、貫通導体層4を印刷す
る際に、スクリーンパターンのメッシュの開きを前記グ
ランド電極と重なり合う領域は小さくし、肉厚部4aで
はメッシュの開きを大きくしたスクリーンを用いて印刷
する。また、肉厚部4aの幅を大きくするために、スク
リーンパターンのメッシュの幅を広くしたスクリーンを
用いて印刷する。
い肉厚部4aを厚くするために、貫通導体層4を印刷す
る際に、スクリーンパターンのメッシュの開きを前記グ
ランド電極と重なり合う領域は小さくし、肉厚部4aで
はメッシュの開きを大きくしたスクリーンを用いて印刷
する。また、肉厚部4aの幅を大きくするために、スク
リーンパターンのメッシュの幅を広くしたスクリーンを
用いて印刷する。
【0026】このようなグリーンシート状の誘電体層1
a〜1eを図3に示す積層順に応じて積層し、そして、
これを積層体1の形状に応じて寸法に切断してチップ材
を形成する。ついでこのチップ材を所定の雰囲気、温度
で焼成し、貫通導体層4、グランド電極層3(3a、3
b)及び誘電体層1a〜1eとを一体的に焼結する。こ
れにより、積層体1を作製する。次に積層体1の端面
に、入出力端子電極5、6及びグランド端子電極7を形
成する。具体的には、入出力端子電極5、6及びグラン
ド端子電極7は、積層体1の端面からAgまたはAg−
Pd合金からなる導電ペーストを塗布・焼き付けして成
る厚膜下地導体膜を形成し、その上にNiやNi−Sn
メッキなどの表面メッキ層を被着して構成される。かく
して本発明の貫通コンデンサによれば、貫通導体4が、
前記グランド電極3と重なり合わない領域の電極厚みま
たは電極幅が、重なり合う領域に比べて大きくなってい
るため、積層体1の平面平行度を維持する事ができ、こ
れにより、層間の剥離・密着不良を大幅に減少すること
ができると共に、貫通導体層4の抵抗が小さくなり大電
流が流れても発熱を有効に防止することができる。
a〜1eを図3に示す積層順に応じて積層し、そして、
これを積層体1の形状に応じて寸法に切断してチップ材
を形成する。ついでこのチップ材を所定の雰囲気、温度
で焼成し、貫通導体層4、グランド電極層3(3a、3
b)及び誘電体層1a〜1eとを一体的に焼結する。こ
れにより、積層体1を作製する。次に積層体1の端面
に、入出力端子電極5、6及びグランド端子電極7を形
成する。具体的には、入出力端子電極5、6及びグラン
ド端子電極7は、積層体1の端面からAgまたはAg−
Pd合金からなる導電ペーストを塗布・焼き付けして成
る厚膜下地導体膜を形成し、その上にNiやNi−Sn
メッキなどの表面メッキ層を被着して構成される。かく
して本発明の貫通コンデンサによれば、貫通導体4が、
前記グランド電極3と重なり合わない領域の電極厚みま
たは電極幅が、重なり合う領域に比べて大きくなってい
るため、積層体1の平面平行度を維持する事ができ、こ
れにより、層間の剥離・密着不良を大幅に減少すること
ができると共に、貫通導体層4の抵抗が小さくなり大電
流が流れても発熱を有効に防止することができる。
【0027】また、グランド電極層3には、ノイズのよ
うな小さい電流しか流れないため、グランド電極全体の
厚みを薄くしてもでき発熱を抑えることができる。さら
に、貫通導体層4の引き出し領域の電極厚みまたは電極
幅が大きくなっているため、ESR(等価直列抵抗)な
どの電気特性も良好で、しかも入出力端子との接続の信
頼性も確保できる。
うな小さい電流しか流れないため、グランド電極全体の
厚みを薄くしてもでき発熱を抑えることができる。さら
に、貫通導体層4の引き出し領域の電極厚みまたは電極
幅が大きくなっているため、ESR(等価直列抵抗)な
どの電気特性も良好で、しかも入出力端子との接続の信
頼性も確保できる。
【0028】なお、上述したように、電極厚みが薄いグ
ランド電極層3を積層体の両最外側に配置すると、トッ
プマージンを薄くしても、耐熱衝撃(ΔT)試験におい
て、クラック発生率を低減できる。本発明は上述に記載
の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を
逸脱しない範囲内での種々の変更や改良等は何ら差し支
えない。
ランド電極層3を積層体の両最外側に配置すると、トッ
プマージンを薄くしても、耐熱衝撃(ΔT)試験におい
て、クラック発生率を低減できる。本発明は上述に記載
の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を
逸脱しない範囲内での種々の変更や改良等は何ら差し支
えない。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、積層体
の平面平行度を維持することができ、貫通導体層に大電
流が流れても、発熱を有効に抑えることができる。ま
た、誘電体層間の剥離・密着不良を大幅に減少すること
ができる。また、ESR(等価直列抵抗)などの電気特
性も良好で、しかも入出力端子との接続の信頼性も確保
できる。さらに、全体的に厚みが薄いグランド電極層を
コンデンサ本体の最外層に設けることにより、高温半田
槽に浸す耐熱衝撃(ΔT)試験において、クラックの発
生率を大幅に低減できる。
の平面平行度を維持することができ、貫通導体層に大電
流が流れても、発熱を有効に抑えることができる。ま
た、誘電体層間の剥離・密着不良を大幅に減少すること
ができる。また、ESR(等価直列抵抗)などの電気特
性も良好で、しかも入出力端子との接続の信頼性も確保
できる。さらに、全体的に厚みが薄いグランド電極層を
コンデンサ本体の最外層に設けることにより、高温半田
槽に浸す耐熱衝撃(ΔT)試験において、クラックの発
生率を大幅に低減できる。
【図1】本発明の貫通型コンデンサの外観斜視図であ
る。
る。
【図2】本発明の貫通型コンデンサの断面図である。
【図3】貫通型コンデンサの積層体における分解斜視図
である。
である。
【図4】従来の貫通型コンデンサの断面図である。
【図5】図4の貫通型コンデンサの平面図である。
1・・・・・・・・・コンデンサ本体 1a〜1e・・・・・誘電体層 4・・・・・・・・・貫通導体 3、3a、3b・・・グランド電極 5、6・・・・・・・入出力用端子 7・・・・・・・・・グランド端子
Claims (2)
- 【請求項1】 誘電体層を複数積層して成る矩形状積層
体の内部に、前記積層体の相対向する一対の端面から両
端部が導出する貫通導体層と、前記誘電体層を介して前
記貫通導体層と対向し、且つ前記積層体の他の相対向す
る一対の両端面に導出するグランド電極層とを交互に配
置するとともに、 前記積層体の相対向する一対の端面に、貫通導体層の両
端部に接続される一対の入出力端子を形成し、他の相対
向する一対の端面に、グランド電極層の両端部に接続さ
れるグランド端子を形成して成る貫通型コンデンサにお
いて、 前記貫通導体層のうち前記グランド電極層と重なり合わ
ない領域の層厚が、重なり合う領域の層厚に比べて厚い
ことを特徴とする貫通型コンデンサ。 - 【請求項2】 前記貫通導体層の前記グランド電極層と
重なり合わない領域の層幅が、その重なり合う領域の幅
に比べて広いことを特徴とする請求項1記載の貫通型コ
ンデンサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30781099A JP2001126956A (ja) | 1999-10-28 | 1999-10-28 | 貫通型コンデンサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30781099A JP2001126956A (ja) | 1999-10-28 | 1999-10-28 | 貫通型コンデンサ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001126956A true JP2001126956A (ja) | 2001-05-11 |
Family
ID=17973501
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30781099A Pending JP2001126956A (ja) | 1999-10-28 | 1999-10-28 | 貫通型コンデンサ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001126956A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008143075A1 (ja) * | 2007-05-21 | 2008-11-27 | Sanyo Electric Co., Ltd. | 電気素子およびその製造方法 |
JP2010226031A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Tdk Corp | 積層貫通コンデンサの製造方法 |
JP2010226030A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Tdk Corp | 積層貫通コンデンサの製造方法 |
JP2010238696A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Tdk Corp | 積層貫通コンデンサの製造方法 |
JP2011049490A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-10 | Tdk Corp | 積層コンデンサ |
-
1999
- 1999-10-28 JP JP30781099A patent/JP2001126956A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2008143075A1 (ja) * | 2007-05-21 | 2008-11-27 | Sanyo Electric Co., Ltd. | 電気素子およびその製造方法 |
JP2010226031A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Tdk Corp | 積層貫通コンデンサの製造方法 |
JP2010226030A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Tdk Corp | 積層貫通コンデンサの製造方法 |
JP2010238696A (ja) * | 2009-03-30 | 2010-10-21 | Tdk Corp | 積層貫通コンデンサの製造方法 |
JP2011049490A (ja) * | 2009-08-28 | 2011-03-10 | Tdk Corp | 積層コンデンサ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060919 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20090623 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090630 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100105 |