JP4953989B2 - 積層コンデンサおよびコンデンサ実装基板 - Google Patents

積層コンデンサおよびコンデンサ実装基板 Download PDF

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Description

本発明は積層コンデンサおよびコンデンサ実装基板に関し、特に、ICに電力を供給するデカップリング回路等に好適に用いられる積層コンデンサおよびコンデンサ実装基板に関するものである。
従来から、ICと電源との間に並列接続するデカップリング回路に積層コンデンサが好適に用いられており、このような積層コンデンサはIC内のスイッチングにおける切替直後の電力不足状態の間にICに電力を供給するものである。
従来の積層コンデンサとしては、複数の誘電体層を積層してなる積層体の内部に誘電体層を挟んで互いに対向するように交互に配置された複数の第1の内部電極および第2の内部電極から複数の第1の引出部および第2の引出部をそれぞれ複数箇所で積層体の側面に引き出し、積層方向の上下に位置する第1の引出部同士および第2の引出部同士をそれぞれ電気的に接続しつつ積層体の側面に積層方向に渡って第1の端子電極および第2の端子電極を形成したものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
上記従来の積層コンデンサは、内部電極から引き出された引出部を複数形成して流れる電流の経路を短くしたことにより等価直列インダクタンスが小さくなるので直列共振により形成されるインピーダンスの極小なピークが高周波側に形成される。このように形成された直列共振のピーク付近を機能帯域とするコンデンサは、例えば、機能帯域の周波数が異なるコンデンサを複数組み合わせて広い帯域でインピーダンスが低くなるように構成したデカップリング回路においては高周波側の機能帯域に対応するコンデンサとして用いられるものである。
特表2002−508114号公報
しかしながら、上記従来の積層コンデンサは機能帯域においては直列共振のピークが急峻に形成されており、この急峻度が高い場合であれば近い周波数帯域に対応する機能帯域を有したコンデンサとの間の並列共振により形成されるインピーダンスの極大なピークが急峻になってしまう。そのため、上記従来の積層コンデンサを用いて構成したデカップリング回路は、一部でインピーダンスが規格値よりも大きな周波数帯域が生じるという問題点があった。即ち、従来の積層コンデンサは、インピーダンスの低い機能帯域を高周波側に有しているにもかかわらず、共振点のピークが急峻に形成された場合にはデカップリング回路のインピーダンス特性を一部の周波数帯域で大きく劣化させてしまうという問題点があった。
従って、近年においては、積層コンデンサとして、等価直列インダクタンス(ESL)を変化させることなく、等価直列抵抗(ESR)を高くすることが要求されているが、未だインピーダンスが低いという問題があった。
本発明は、等価直列インダクタンス(ESL)をそれ程変化させることなく、等価直列抵抗(ESR)を高くすることができる積層コンデンサおよびコンデンサ実装基板を提供することを目的とする。
本発明の積層コンデンサは、複数の誘電体層を積層してなる積層体と、該積層体の内部で前記誘電体層を挟んで互いに対向するように交互に配置された複数の第1の内部電極および第2の内部電極と、前記第1の内部電極ら前記積層体の側面に引き出された第1の引出部と、前記第2の内部電極から前記積層体の側面に引き出された第2の引出部と、前記積層体の側面に積層方向にって設けられ、前記第1の引出部同士を電気的に接続する第1の端子電極と、前記積層体の側面に積層方向に亘って設けられ、前記第2の引出部同士を電気的に接続する第2の端子電極と、前記積層体の側面に積層方向に亘って設けられ、前記第1の端子電極に設けられた第1の絶縁層と、前記積層体の側面に積層方向に亘って設けられ、前記第2の端子電極に設けられた第2の絶縁層と、を備える積層コンデンサにおいて、前記第1の端子電極は、前記第1の絶縁層の両側において当該第1の絶縁層から露出しており、前記第2の端子電極は、前記第2の絶縁層の両側において当該第2の絶縁層から露出していることを特徴とする。
また、本発明の積層コンデンサは、複数の誘電体層を積層してなる積層体と、該積層体の内部で前記誘電体層を挟んで互いに対向するように交互に配置された複数の第1の内部電極および第2の内部電極と、前記第1の内部電極から前記積層体の側面に引き出された第1の引出部と前記第2の内部電極から前記積層体の側面に引き出された第2の引出部と、前記積層体の側面に積層方向にって設けられ、前記第1の引出部同士を電気的に接続する第1の端子電極と、前記積層体の側面に積層方向に亘って設けられ、前記第2の引出部同士を電気的に接続する第2の端子電極と、前記積層体の側面に積層方向に亘って設けられ、前記第1の引出部の露出面中央部に設けられた第1の絶縁層と、前記積層体の側面に積層方向に亘って設けられ、前記第2の引出部の露出面中央部に設けられた第2の絶縁層と、を備える積層コンデンサにおいて、前記第1の端子電極は、前記第1の絶縁層の両側に位置しており、前記第2の端子電極は、前記第2の絶縁層の両側に位置していることを特徴とする。
このような積層コンデンサでは、積層方向の上下に位置する第1の引出部の露出面中央部および第2の引出部の露出面中央部を覆うように、それぞれ絶縁層が存在し、この絶縁層の両側には、第1の端子電極または第2の端子電極が存在しており、このような積層コンデンサを半田を用いて基板表面に複数実装した場合には、積層コンデンサの絶縁層が、基板表面に形成されたそれぞれの電極パターンの中央部に当接し、絶縁層の両側に位置する第1の端子電極および第2の端子電極と、それぞれの電極パターンとが半田により接合され、第1の引出部、第2の引出部と、基板の各電極パターンとの間で、電流経路が2つの狭い経路となり、かつ、絶縁層の厚みを変更することにより半田高さを長くして電流経路を長くすることができ、等価直列インダクタンス(ESL)をそれほど変化させることなく、等価直列抵抗(ESR)を高くすることが可能となる。
これにより、積層コンデンサの直列共振のピークは最小値が上昇してなだらかになり、機能帯域の異なるコンデンサを複数組み合わせて広い帯域でインピーダンスが低くなるようにデカップリング回路を構成する場合に、本発明の積層コンデンサと隣の機能帯域のコンデンサとの並列共振のピークが急峻にならなくなるので、デカップリング回路のインピーダンス特性の劣化を低減させることが可能になる。
尚、等価直列インダクタンス(ESL)は、半田により接合され、第1の引出部、第2の引出部と、基板の電極パターンとの間の電流経路が、絶縁層によって2つの狭い経路になることによって増大することはない。これは、等価直列インダクタンス(ESL)が、電流経路の断面積に依存するのではなく、絶縁層を含めた電流経路の幅に依存するためである。
また、本発明の積層コンデンサでは、絶縁層の厚みを変更することにより、積層コンデンサと基板との隙間を調整でき、例えば、絶縁層の厚みを大きくすることにより、積層コンデンサと基板との隙間を大きくすることができ、積層コンデンサと基板との絶縁信頼性を向上できるとともに、半田接続部の長期接続信頼性(温度サイクル試験等の環境試験における半田の長寿命化)を向上することができる。
さらに、本発明の積層コンデンサでは、絶縁層の厚みを一定とすることにより、積層コンデンサを基板に配置したときに、積層コンデンサと基板との隙間を一定にすることができ、半田付けした際の積層コンデンサが傾斜して実装されることを防止できる。
本発明のコンデンサ実装基板では、上記積層コンデンサを基板の表面に複数実装してなるコンデンサ実装基板であって、前記積層コンデンサの前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層が、前記基板の表面に形成された電極パターンの中央部に当接しており、前記第1の絶縁層の両側に位置する前記第1の端子電極および前記第2の絶縁層の両側に位置する前記第2の端子電極と、それらに対応する前記電極パターンとが半田により接合されていることを特徴とする。
このようなコンデンサ実装基板では、上記したように、第1の引出部、第2の引出部と、基板の各電極パターンとの間で、電流経路が2つの狭い経路となり、かつ、絶縁層の厚みを変更することにより半田高さを長くして電流経路を長くすることができ、等価直列インダクタンス(ESL)をそれほど変化させることがなく、等価直列抵抗(ESR)を高くすることができ、これにより、積層コンデンサの直列共振のピークは最小値が上昇してなだらかになり、他のコンデンサとの並列共振のピークが緩やかになり、デカップリング回路のインピーダンス特性の劣化を低減できる。
本発明の積層コンデンサおよびコンデンサ実装基板によれば、積層コンデンサを半田を用いて基板表面に複数実装した場合には、積層コンデンサの絶縁層が、基板表面に形成された電極パターンの中央部に当接しており、絶縁層の両側に位置する第1の端子電極および第2の端子電極と、各電極パターンとが半田により接合され、第1の引出部、第2の引出部と基板の各電極パターンとの間で、電流経路が2つの狭い経路となり、かつ、絶縁層の厚みを変更することにより半田高さを長くして電流経路を長くすることができ、等価直列インダクタンス(ESL)をそれほど変化させることがなく、等価直列抵抗(ESR)を高くすることが可能となる。
これにより、積層コンデンサの直列共振のピークは最小値が上昇してなだらかになり、他のコンデンサとの並列共振のピークが急峻にならなくなるので、デカップリング回路のインピーダンス特性の劣化を低減させることが可能になる。
以下に、本発明の積層コンデンサについて添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の積層コンデンサの一形態を示す断面図であり、本発明の積層コンデンサ10は積層体1を具備するもので、複数の第1の内部電極3および複数の第2の内部電極4、第1の端子電極7および第2の端子電極8を備えている。
積層体1は、矩形状の複数の誘電体層2a、2bを、例えば、70層〜600層積層することによって形成された略直方体状の誘電体ブロックである。誘電体層2a、2bは、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム等を主成分とする誘電体材料によって1層あたり1μm〜3μmの厚みに形成されている。積層体1の内部には、誘電体層2bを挟んで互いに対向するように交互に第1の内部電極3および第2の内部電極4が複数配置されており、対向領域では静電容量が発生する。
言い換えれば、積層体1は、誘電体層と内部電極とが交互に積層されており、誘電体層2bの上下面には、第1の内部電極3および第2の内部電極4が形成され、これにより静電容量が発生する。
なお、誘電体層2bは静電容量を形成する有効層として機能し、内部電極3、4により挟まれない誘電体層2aは保護層として積層体1の主面側(積層方向上下)にそれぞれ配置されている。
この内部電極3、4は、例えば、ニッケル、銅、ニッケル−銅、銀−パラジウム等の金属を主成分とする導体材料によって、例えば、0.5μm〜2μmの厚みに形成されている。また内部電極3、4の外周は積層体1の側面から離れているので、両内部電極3、4の対向面積は、例えば、各誘電体層2bの面積が2.3mmである場合であれば、1.7mm〜2mmに設定される。
また第1の内部電極3および第2の内部電極4は、それぞれ積層体1の一方側の側面に引き出された第1の引出部5および第2の引出部6を介して、それぞれ積層体1の一方側の側面で複数の第1の端子電極7および第2の端子電極8と電気的に接続されている。第1の引出部5および第2の引出部6は、内部電極3、4と同一材料で形成されている。
第1の端子電極7および第2の端子電極8は、積層体1の側面に積層方向xに渡って例えば2μm〜70μmの厚みで形成されており、積層方向の上下に位置する第1の引出部5の露出面同士および第2の引出部6の露出面同士をそれぞれ電気的に接続している。尚、図1(b)では、一部のみ誘電体層2a、2bを一点鎖線で、一部のみ引出部5、6の露出面を破線で記載した。
また端子電極7、8は、例えば、ニッケル、銅、銀、パラジウム等の金属を主成分とする導体材料によって、例えば0.5μm〜2μmの厚みに形成される。なお端子電極7、8の表面には、外部の配線基板の配線等との接続を良好にする目的で錫、ハンダもしくは金等の導体材料によって被膜を形成するのが好ましい。
このように構成された積層コンデンサ10では、第1の端子電極7と第2の端子電極8との間に所定の電圧が印加されると、第1の内部電極3と第2の内部電極4との間に位置する誘電体層2bの誘電率、厚み、対向面積および層数に対応した静電容量が形成される。
そして、本発明の積層コンデンサでは、第1の端子電極7および第2の端子電極8表面中央部に、第1の絶縁層11および第2の絶縁層12が積層方向xに形成されている。絶縁層11、12は、第1の端子電極7および第2の端子電極8を介して、積層方向xの上下に位置する第1の引出部5の露出面中央部および第2の引出部6の露出面中央部を覆うように(掛け渡すように)形成されている。
言い換えれば、引出部5、6の端面は、積層体1の一方側の側面に露出しており、この露出した端面(露出面)を連結するように端子電極7、8が積層体1の側面に形成され、この端子電極7、8の表面には、絶縁層11、12がそれぞれ積層方向xに延設され、絶縁層11、12の積層方向xと直交する方向(絶縁層11、12の両側)には、端子電極7、8が露出している。
絶縁層11は、例えば、エポキシ樹脂等の耐熱性樹脂から形成されており、後述するように、基板に半田付けする際に溶融しないようになっている。絶縁層11、12の厚みtは、積層コンデンサと基板との絶縁信頼性、または半田接続部の長期接続信頼性を向上できるような厚みに設定されている。厚みtは、ほぼ半田高さとされる。
本発明の積層コンデンサ10は、誘電体層2bがチタン酸バリウムを主成分とする誘電体材料から成る場合であれば、チタン酸バリウムの粉末に適当な有機溶剤、ガラスフリット、有機バインダ等を添加・混合して泥漿状になすとともに、これをドクターブレード法等によって所定形状、所定厚みのセラミックグリーンシートを複数形成する工程と、この各セラミックグリーンシートの一主面に、例えば、ニッケルの粉末に適当な有機溶剤、ガラスフリット、有機バインダ等を添加・混合して得た導体ペーストをスクリーン印刷法等によって所定パターンに印刷・塗布する工程と、得られたセラミックグリーンシートを所定の枚数だけ積層し圧着させることにより複数のセラミックグリーンシートからなる積層シートを形成し、これを個々の積層コンデンサに対応する個片の積層体に切断分離する工程と、この個片の積層体を、例えば、1100℃〜1400℃の温度で焼成して積層体1を得る工程と、積層体1の側面に上記導体ペーストをスクリーン印刷法等によって積層方向に渡って帯状に印刷・塗布・焼き付けして端子電極7、8を形成する工程とを含む製造方法を用いて製作される。
そして、耐熱性樹脂を、端子電極7、8上に所定厚みで塗布し、絶縁層11を形成する。この絶縁層11を形成する耐熱性樹脂の塗布方法は、例えば、スクリーン印刷で行う。スクリーン印刷は、個片の積層体に切断分離する前に行うことができる。
また端子電極7、8上の被膜は、例えば、無電解メッキ処理により形成される。この製造方法のうち焼成する工程においては、セラミックグリーンシートおよび導体ペーストは焼成によりそれぞれ誘電体層2および内部電極3、4となる。なお、この製造方法において使用されるセラミックグリーンシートの焼成に伴う収縮率は、例えば、10%〜20%程度に設定される。また導体ペースト中には、セラミックグリーンシート中に含有されている誘電体材料を添加・混合しておくようにしても構わない。
このようにして製作された積層コンデンサ10は、第1の端子電極7および第2の端子電極8表面に、かつ第1の端子電極7および第2の端子電極8を介して、積層方向xの上下に位置する第1の引出部5の露出面中央部および第2の引出部6の露出面中央部に掛け渡すように、それぞれ絶縁層11、12を形成したので、このような積層コンデンサ10を半田を用いて基板13表面に複数実装した場合には、積層コンデンサ10の絶縁層11、12が、基板13表面に形成された電極パターン15の中央部に当接しており、絶縁層11、12の両側に形成された積層コンデンサ10の第1の端子電極7および第2の端子電極8と、電極パターン15とが半田17により接合され、第1の引出部5、第2の引出部6と、基板13の電極パターン15との間で、電流経路が2つの狭い経路となり、かつ、絶縁層11、12の厚みtを変更することにより半田高さを高くして電流経路を長くすることができ、等価直列インダクタンス(ESL)をそれほど変化させることなく、等価直列抵抗(ESR)を高くすることが可能となる。
これにより、積層コンデンサの直列共振のピークは最小値が上昇してなだらかになり、機能帯域の異なるコンデンサを複数組み合わせて広い帯域でインピーダンスが低くなるようにデカップリング回路を構成する場合に、本発明の積層コンデンサと隣の機能帯域のコンデンサとの並列共振のピークが急峻にならなくなるので、デカップリング回路のインピーダンス特性の劣化を低減させることが可能になる。
すなわち、従来、図3(b)に示すように、低周波側に機能帯域をもつコンデンサのインピーダンス特性をy、高周波側に機能帯域をもつコンデンサのインピーダンス特性をqとした場合、これらを組み合わせて構成したデカップリング回路のインピーダンスは実線となり、2つのコンデンサの間の並列共振のピークrでは高いインピーダンスとなる。一方図3(a)に示すように、高周波側に機能帯域をもつコンデンサに本発明の積層コンデンサを用いた場合には、そのインピーダンス特性はxとなる。ESRが大きくなったため、インピーダンスが極小となる周波数でのインピーダンス値が大きくなっている。インピーダンス特性xを有する低周波側に機能帯域を有するコンデンサとの並列共振のピークzが低く抑えられる。
また、本発明の積層コンデンサでは、絶縁層11、12の厚みtを変更することにより、積層コンデンサ10と基板13との隙間Lを調整でき、例えば、絶縁層11、12の厚みtを大きくすることにより、積層コンデンサ10と基板13との隙間Lを大きくすることができ、積層コンデンサ10と基板13との絶縁信頼性を向上できるとともに、半田接続部の長期接続信頼性を向上できる。
さらに、本発明の積層コンデンサでは、絶縁層11、12の厚みtを一定とすることにより、積層コンデンサ10を基板13に配置したときに、積層コンデンサ10と基板13との隙間Lを一定にすることができ、半田付けした際の積層コンデンサ10が基板13に対して傾斜して実装されることを防止できる。
図2は、本発明のコンデンサ実装基板を示すもので、この図2では、上記した図1の積層コンデンサ10を基板13に複数実装している。尚、図2では、一つの積層コンデンサの実装構造のみ示している。
積層コンデンサ10の絶縁層11、12が、例えば、樹脂製の基板13表面に形成された電極パターン15の中央部に当接しており、絶縁層11の両側に位置する積層コンデンサ10の第1の端子電極7および第2の端子電極8と、電極パターン15とが半田17により接合されている。
このようなコンデンサ実装基板では、上記したように、第1の引出部5、第2の引出部6と、基板13の電極パターン15との間で、電流経路が2つの狭い経路となり、かつ、絶縁層11の厚みを変更することにより半田高さを長くして電流経路を長くすることができ、等価直列インダクタンス(ESL)をそれほど変化させることがなく、等価直列抵抗(ESR)を高くすることができ、これにより、積層コンデンサ10の直列共振のピークは最小値が上昇してなだらかになり、他のコンデンサとの並列共振のピークが緩やかになり、デカップリング回路のインピーダンス特性の劣化を低減できる。
なお、本発明は上述した実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上述した実施の形態の例においては、端子電極7、8表面に絶縁層11を形成したが、図4に示すように、積層方向の上下に位置する第1の引出部5の露出面中央部および第2の引出部6の露出面中央部にそれぞれ掛け渡すように絶縁層11が形成されており、第1の端子電極7a、7bおよび第2の端子電極8a、8bが、絶縁層11の両側に形成されている。
このような積層コンデンサであっても上記と同様の効果を得ることができる。この場合の絶縁層11としては、耐熱性樹脂のみならず、無機材料も使用することができる。
さらに、図5に示すように、一枚の内部電極に複数の引き出し部を有する場合にも、本発明を適用できることは勿論である。
本発明の積層コンデンサ10の効果を示すため、PEEC(Partial Element Equivalent Circuit)法を用いた数値シミュレーションを行った。図1の形状に合わせて、誘電率4000の誘電体材料の内部に、縦1.68mm、横0.53mm、厚さ1um、シート抵抗100mΩ/□の内部電極3と4を2μmの間隔で交互に50層積層した場合のESRとESLを計算した。
各内部電極から積層体の一方側の側面に引き出された引出部5と6は、それぞれ引出方向に100μm、引出方向に対する幅400μm、厚さ1μm、シート抵抗100mΩ/□とした。本発明の特長である絶縁層11を、厚さtが100μm、幅200μm、積層方向の長さを150μmとし、引出部の露出面中央部に設けた。
この積層コンデンサを基板に実装したときの半田接続部(図2の半田17)を幅100μm、高さ100μm、積層方向の長さ150μmの2箇所接続とした。比較のために、本発明の絶縁層11がなく、半田接続部が幅400μm、厚さ50μm、積層方向の長さ150μmの従来のコンデンサの計算も行った。
従来のコンデンサと本発明のコンデンサでESRとESLを比較した結果、本発明の積層コンデンサのESRは、従来のコンデンサの1.5倍と大きくなり、ESLは1.15倍と僅かに増加しただけであった。
本発明の積層コンデンサの実施の形態の一例を示すもので、(a)は断面図、(b)は側面図である。 コンデンサ実装基板の一部の断面図である。 (a)本発明の積層コンデンサおよびこれを用いたデカップリング回路のインピーダンス特性を示す線図、(b)は従来の積層コンデンサおよびこれを用いたデカップリング回路のインピーダンス特性を示す線図である。 絶縁層を積層体の一方側の側面に直接形成した積層コンデンサの他の形態を示すもので、(a)は断面図、(b)は側面図である。 一つの内部電極に複数の引出部を形成した積層コンデンサを示す断面図である。
符号の説明
1・・・積層体
2a・・・誘電体層(保護層)
2b・・・誘電体層(有効層)
3・・・第1の内部電極
4・・・第2の内部電極
5・・・第1の引出部
6・・・第2の引出部
7、7a、7b・・・第1の端子電極
8、8a、8b・・・第2の端子電極
10・・・積層コンデンサ
11、12・・・絶縁層
13・・・基板
15・・・電極パターン
17・・・半田

Claims (3)

  1. 複数の誘電体層を積層してなる積層体と、
    該積層体の内部で前記誘電体層を挟んで互いに対向するように交互に配置された複数の第1の内部電極および第2の内部電極と、
    前記第1の内部電極から前記積層体の側面に引き出された第1の引出部と、
    前記第2の内部電極から前記積層体の側面に引き出された第2の引出部と、
    前記積層体の側面に積層方向にって設けられ、前記第1の引出部同士を電気的に接続する第1の端子電極と、
    前記積層体の側面に積層方向に亘って設けられ、前記第2の引出部同士を電気的に接続する第2の端子電極と、
    前記積層体の側面に積層方向に亘って設けられ、前記第1の端子電極に設けられた第1の絶縁層と、
    前記積層体の側面に積層方向に亘って設けられ、前記第2の端子電極に設けられた第2の絶縁層と、を備える積層コンデンサにおいて、
    前記第1の端子電極は、前記第1の絶縁層の両側において当該第1の絶縁層から露出しており、
    前記第2の端子電極は、前記第2の絶縁層の両側において当該第2の絶縁層から露出していることを特徴とする積層コンデンサ。
  2. 複数の誘電体層を積層してなる積層体と、
    該積層体の内部で前記誘電体層を挟んで互いに対向するように交互に配置された複数の第1の内部電極および第2の内部電極と、
    前記第1の内部電極から前記積層体の側面に引き出された第1の引出部と
    前記第2の内部電極から前記積層体の側面に引き出された第2の引出部と、
    前記積層体の側面に積層方向にって設けられ、前記第1の引出部同士を電気的に接続する第1の端子電極と、
    前記積層体の側面に積層方向に亘って設けられ、前記第2の引出部同士を電気的に接続する第2の端子電極と、
    前記積層体の側面に積層方向に亘って設けられ、前記第1の引出部の露出面中央部に設けられた第1の絶縁層と、
    前記積層体の側面に積層方向に亘って設けられ、前記第2の引出部の露出面中央部に設けられた第2の絶縁層と、を備える積層コンデンサにおいて、
    前記第1の端子電極は、前記第1の絶縁層の両側に位置しており、
    前記第2の端子電極は、前記第2の絶縁層の両側に位置していることを特徴とする積層コンデンサ。
  3. 請求項1または2記載の積層コンデンサを基板の表面に複数実装してなるコンデンサ実装基板であって、
    前記積層コンデンサの前記第1の絶縁層および前記第2の絶縁層が、前記基板の表面に形成された電極パターンの中央部に当接しており、
    前記第1の絶縁層の両側に位置する前記第1の端子電極および前記第2の絶縁層の両側に位置する前記第2の端子電極と、それらに対応する前記電極パターンとが半田により接合されていることを特徴とするコンデンサ実装基板。
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