JP3935089B2 - 複合電子部品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は複合電子部品に係り、特に積層セラミックコンデンサの素子本体内部に抵抗体を付加した複合電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特開平5−283283号公報
【0003】
コンデンサ、インダクタ、サーミスタ、バリスタ等の積層セラミック電子部品は、体積が小さいこと、堅牢性および信頼性が高いことなどから、各種の電子機器に使用されており、電子機器の小型化に伴い、さらなる小型化、高性能化が求められている。
【0004】
このような積層セラミック電子部品のうち、例えば、積層セラミックコンデンサは、通常、誘電体層と内部電極層とが交互に積層された積層体と、この積層体の対向する側面に設けられた一対の外部電極を備えるような構造である。このような積層セラミックコンデンサは、例えば、出力平滑化回路を構成する平滑用コンデンサとして用いられている。
【0005】
しかし、積層セラミックコンデンサは、等価直列抵抗(ESR)が非常に低く、回路内の信号がループし発振現象が生じ、その結果、ノイズを生じるという問題がある。すなわち、平滑用コンデンサとしてESRの低い積層セラミックコンデンサを使用した場合、2次側平滑回路が等価的にLとC成分のみで構成されてしまい、回路内に存在する位相成分が±90°および0°のみとなり、位相の余裕がなくなり容易に発振してしまう。
【0006】
このため、積層セラミックコンデンサに抵抗成分を付加してESRを高めた複合電子部品(CR複合素子)が種々提案されている。例えば、特開平5−283283号公報(特許文献1)には、内部電極層を有するチップ状セラミック誘電体の両端部に内部電極層に電気的に接続させて抵抗層を設け、この抵抗層の表面に外部電極層を設けたCR複合素子、すなわち、抵抗成分を積層セラミックコンデンサの外部電極内に形成したCR複合素子が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したような従来の複合電子部品(特許文献1)に設けられた抵抗層の構造では、抵抗体の実質的な厚みが5μm程度と薄いため、素子に電圧を印加した時に抵抗値の変動がおき、耐電圧性が十分とは言えない。また、仮に、抵抗体の実質的な厚みを増大させたとしても、従来の構造では、局部的に抵抗体厚みの小さいところが存在するおそれがあり、やはり耐電圧性が十分とは言えない。
【0008】
このような実状の基に、本発明は創案されたものであって、その目的は、素子の外部電極側に抵抗体を有する複合電子部品であって、従来開示のタイプのものに比べて、耐電圧性が格段と向上させることができる複合電子部品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明は、素子本体と、素子本体の対向する両端面に形成された一対の第1外部電極および第2外部電極と、抵抗体とを有する複合電子部品の製造方法であって、該方法は、誘電体層を介して第1内部電極層と第2内部電極層とが交互に積層されたキャパシタ構成部分を備える素子本体を作製するための工程であって、積層される前記第1内部電極層は、卑金属からなるとともに、前記第1外部電極側に露出する接続部を有するように形成されており、積層される前記第2内部電極層は、前記第2外部電極側に露出する接続部を有し、当該接続部は、第2外部電極に接続されるように形成されている素子本体形成工程と、前記第1外部電極側に露出する前記第1内部電極層の接続部の一部分を被覆・接続するように貴金属からなる接続電極を形成する接続電極形成工程と、前記接続電極によって被覆・接続されていない前記第1内部電極層の残余の接続部を酸化処理して絶縁膜である第1絶縁体を形成する第1絶縁体形成工程と、実質的に前記第1絶縁体の上に抵抗体を形成するとともに、当該抵抗体の一端は、前記接続電極の一部分と接続されるように形成される抵抗体形成工程と、前記抵抗体の他端の一部分を残して実質的に前記抵抗体を覆うように第2絶縁体を形成する第2絶縁体形成工程と、前記抵抗体の他端の一部分が前記第1外部電極と接続されてなるよう第1外部電極を形成する第1外部電極形成工程と、を有してなるように構成される。
【0010】
本発明の複合電子部品の製造方法は、前記第1外部電極と接続される抵抗体の一部分から前記抵抗体が前記接続電極に接する部分までの抵抗体の距離仕様を定めることにより、抵抗の調整がなされるように構成される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
〔第1の実施の形態の説明〕
本発明の第1の実施の形態について、図1〜図7を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は本発明の複合電子部品1の一実施形態を示す斜視図であり、図2は図1に示される素子本体20(積層体20)の要部を分解して表した概略斜視図である。図3〜図6はそれぞれ第1外部電極側の抵抗体を含む所定構造の形成を経時的に説明するための素子本体の概略斜視図である。図7は本発明における第1外部電極側の内部の所定構造を説明するための図面であって、図1のA−A方向矢視断面相当図である(図2のA−A方向を参照)。
【0019】
図1に示されるように、本発明の複合電子部品1は、図面上で略直方体形状に示されている素子本体20と、素子本体20の対向する両端面に形成された一対の第1外部電極11および第2外部電極15とを有している。素子本体20の大きさは、例えば、(0.6〜5.6mm)×(0.3〜5.0mm)×(0.3〜2.5mm)程度とすることができる。
【0020】
素子本体20は、図2に示されるように誘電体層7と内部電極層21、25とが交互に積層されたキャパシタ構成部分(C)とを備えている。
【0021】
本発明における内部電極層21、25は、誘電体層7を介して交互に積層された第1内部電極層21と第2内部電極層25から構成されている。図2において、誘電体層7と第1内部電極層21を有するシート体71と、誘電体層7と第2内部電極層25を有するシート体75は、互いに順次繰り返し多層に積層されている。
【0022】
積層される第1内部電極層21は、図2に示されるように前記第1外部電極11側に露出する突出部21aを有している。図2に示されるごとく第1内部電極層21は、誘電体層7との関係で、誘電体層7の外周枠から露出している部分は突出部21aのみ(より正確には突出部の端部のみ)である。
【0023】
この一方で、積層される第2内部電極層25は、図2に示されるように第2外部電極15側に露出する接続部25aを有し、この接続部25aは第2外部電極15に接続されている。図2に示されるごとく第2内部電極層25は、誘電体層7との関係で、誘電体層7の外周枠から露出している部分は接続部25a(より正確には接続部25aの端部のみ)である。
【0024】
このような本発明の第1の実施の形態では、第1外部電極内に抵抗体が形成されている。以下、第1外部電極側の抵抗体を含む所定構造の形成を図3〜図6に基づき経時的に説明する。
【0025】
本発明において、図2に示される前記第1内部電極層21の突出部21aは、積層された後、図3に示されるように素子本体の片側端面にその接続端がほぼ同じ縦方向の所定幅域内に出現する。そして、これらの第1内部電極層21の突出部21aは、図4に示されるように、これらの上に形成された接続電極41によって、一体的に覆われ、接続される。接続電極41の幅は、第1内部電極層21の突出部21aの幅よりも図面上大きく描かれているが、これらの関係は特に限定されるものではなく、略同程度の幅とすれば十分である。
【0026】
次いで、図5に示されるように接続電極41は、さらに抵抗体(膜)50により被覆される。図面では、接続電極41の一部を残して抵抗体50を形成するようにしているが、接続電極41を完全に覆うようにしてもよい。このような抵抗体50は、素子本体20の端面の接続電極41から広く空いたエリアに向けて(図4の右方向)形成される。
【0027】
次いで、図6に示されるように抵抗体(膜)50の上には、絶縁膜60が形成され、この絶縁膜60は、前記抵抗体50の一部分50aを残してほぼ全体の抵抗体を覆うと伴に、前記接続電極41をも完全に覆うように形成されている。抵抗体(膜)50は、誘電体層7と絶縁膜60とで挟まれた形態となっている。
次いで、図7に示されるごとくこれらの積層物を完全に覆うように第1外部電極11が形成される。そして、絶縁膜60により絶縁がなされていない抵抗体50の一部分50aが第1外部電極11と接続される。図7に示されるように第1外部電極11と抵抗体50との電気的接合は、抵抗体50の一部分50aから開始される。そして、抵抗体50の抵抗作用は接続電極41との接合位置にまで至り、この間の距離が抵抗体厚さに相当するために、耐電圧性は格段と向上する。また、抵抗体50の長さ(図7の横方向)を一定としてこの上に形成される絶縁膜60の長さを変えることにより、実質的な抵抗作用をする抵抗体50の長さを変えることができ、抵抗の調整をすることが可能となる。あるいは、抵抗体50の長さそのものを変えても抵抗の調整をすることが可能となる。
【0028】
このような構成のもとに、第1外部電極11と第2外部電極15との端子間において、第1外部電極11と前記接続電極41との間で実質的な抵抗体(層)50による抵抗体構成部分(R)が構成され、前記接続電極41と第2外部電極15との間で実質的なキャパシタ構成部分(C)が構成される。
【0029】
〔第2の実施の形態の説明〕
本発明の第2の実施の形態について、図8〜図10を参照しつつ説明する。第2の実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる点は、両外部電極にそれぞれ抵抗体を備えている点にある。
【0030】
図8は本発明の複合電子部品2の一実施形態を示す斜視図であり、図9は図8に示される素子本体20(積層体20)の要部を分解して表した概略斜視図である。図10は本発明における第1および第2外部電極側の内部の所定構造をそれぞれ説明するための図面であって、図8のA−A方向矢視断面相当図である(図9のA−A方向を参照)。さらに、図10においては、その図面上の上部および下部で積層構成を1層ずらして内部電極21および26の双方が表示できるようにしてある。
【0031】
図8に示されるように、本発明の複合電子部品2は、図面上で略直方体形状に示されている素子本体20と、素子本体20の対向する両端面に形成された一対の第1外部電極11および第2外部電極15とを有している。素子本体20の大きさは、例えば、(0.6〜5.6mm)×(0.3〜5.0mm)×(0.3〜2.5mm)程度とすることができる。
【0032】
素子本体20は、図9に示されるように誘電体層7と内部電極層21、26とが交互に積層されたキャパシタ構成部分(C)とを備えている。
【0033】
本発明における内部電極層21、26は、誘電体層7を介して交互に積層された第1内部電極層21と第2内部電極層26から構成されている。図9において、誘電体層7と第1内部電極層21を有するシート体71と、誘電体層7と第2内部電極層26を有するシート体76は、互いに順次繰り返し多層に積層されている。
【0034】
積層される第1内部電極層21は、図9に示されるように前記第1外部電極11側に露出する第1突出部21aを有している。図9に示されるごとく第1内部電極層21は、誘電体層7との関係で、誘電体層7の外周枠から露出している部分は第1突出部21aのみ(より正確には突出部の端部のみ)である。
【0035】
この一方で、積層される第2内部電極層26は、図9に示されるように第2外部電極15側に露出する第2突出部26aを有し、この第2突出部26aは第2外部電極15に接続されている。図9に示されるごとく第2内部電極層26は、誘電体層7との関係で、誘電体層7の外周枠から露出している部分は第2突出部26aのみ(より正確には第2突出部26aの端部のみ)である。
【0036】
このような本発明の第2の実施の形態では、第1外部電極11内および第2外部電極15内に、それぞれ第1抵抗体および第2抵抗体が形成されている。第1外部電極11側の第1抵抗体を含む所定構造の形成、および第2外部電極15側の第2抵抗体を含む所定構造の形成、はそれぞれ前記第1の実施形態のところでのべた形成方法(図3〜図7参照)と実質的に同じであるのでここでの説明は省略する。
【0037】
所定の第1および第2抵抗体50,50´がそれぞれ各外部電極11,15に形成された状態が図10に示されている。
【0038】
すなわち、第1外部電極側において、第1接続電極41は、第1外部電極側に露出する第1内部電極層21の第1突出部21aを被覆・接続するように形成されており、第1抵抗体50は、第1接続電極41に接するとともに、素子本体の前記第1外部電極11側に形成されており、第1絶縁体60は、第1抵抗体50の一部分50aを残して第1抵抗体50を覆うと伴に、第1接続電極41を覆い、第1抵抗体の一部分50aが第1外部電極11と接続されるように構成されている。同様に、第2外部電極側において、第2接続電極41´は、第2外部電極側に露出する第2内部電極層26の第1突出部26aを被覆・接続するように形成されており、第2抵抗体50´は、第2接続電極41´に接するとともに、素子本体の前記第2外部電極15側に形成されており、第2絶縁体60´は、第2抵抗体50´の一部分50´aを残して第2抵抗体50´を覆うと伴に、第2接続電極41´を覆い、第2抵抗体の一部分50´aが第2外部電極15と接続されるように構成されている。第1抵抗体(膜)50は、誘電体層7と第1絶縁体60とで挟まれた形態となっており、第2抵抗体(膜)50´は、誘電体層7と第2絶縁体60´とで挟まれた形態となっている。
【0039】
図10に示されるように第1外部電極11と第1抵抗体50との電気的接合は、第1抵抗体50の一部分50aから開始される。同様に、第2外部電極15と第2抵抗体50´との電気的接合も、第2抵抗体50´の一部分50´aから開始される。そして、これら抵抗体50(50´)の抵抗作用は接続電極41(41´)との接合位置にまで至り、この間の距離が抵抗体厚さに相当するために、耐電圧性は格段と向上する。また、抵抗体50(50´)の長さ(図10の横方向)を一定としてこの上に形成される絶縁膜60(60´)の長さを変えることにより、実質的な抵抗作用をする抵抗体50(50´)の長さを変えることができ、抵抗の調整をすることが可能となる。あるいは、抵抗体50(50´)の長さそのものを変えても抵抗の調整をすることが可能となる。
【0040】
このような構成のもとに、第1外部電極11と第2外部電極15との端子間において、第1外部電極11と前記第1接続電極41との間で実質的な抵抗体(層)50による抵抗体構成部分(R)が構成され、第1接続電極41と第2接続電極41´との間で実質的なキャパシタ構成部分(C)が構成され、さらに、第2接続電極41´と第2外部電極15との間で実質的な抵抗体(層)50´による抵抗体構成部分(R´)が構成される。
【0041】
〔第3の実施の形態の説明〕
本発明の第3の実施の形態について、図11〜図13を参照しつつ説明する。
【0042】
図11は本発明の複合電子部品3の一実施形態を示す斜視図であり、図12は図11に示される素子本体20(積層体20)の要部を分解して表した概略斜視図である。図13は本発明における第1外部電極側の内部の所定構造を説明するための図面であって、図11のA−A方向矢視断面相当図である。
【0043】
図11に示されるように、本発明の複合電子部品3は、図面上で略直方体形状に示されている素子本体20と、素子本体20の対向する両端面に形成された一対の第1外部電極11および第2外部電極15とを有している。素子本体20の大きさは、例えば、(0.6〜5.6mm)×(0.3〜5.0mm)×(0.3〜2.5mm)程度とすることができる。
【0044】
素子本体20は、図12に示されるように誘電体層7と内部電極層23、28とが交互に積層されたキャパシタ構成部分(C)とを備えている。
【0045】
本発明における内部電極層23、28は、誘電体層7を介して交互に積層された第1内部電極層23と第2内部電極層28から構成されている。図12において、誘電体層7と第1内部電極層23を有するシート体73と、誘電体層7と第2内部電極層28を有するシート体78は、互いに順次繰り返し多層に積層されている。
【0046】
積層される第1内部電極層23は、図12に示されるように前記第1外部電極11側に露出する接続部23aを有している。図12に示されるごとく第1内部電極層23は、誘電体層7との関係で、誘電体層7の外周枠から露出している部分は接続部23aのみ(より正確には接続部の端部のみ)である。
【0047】
この一方で、積層される第2内部電極層28は、図12に示されるように第2外部電極15側に露出する接続部28aを有し、この接続部28aは第2外部電極15に接続されている。図12に示されるごとく第2内部電極層28は、誘電体層7との関係で、誘電体層7の外周枠から露出している部分は接続部28a(より正確には接続部28aの端部のみ)である。
【0048】
このような本発明の第3の実施の形態では、第1外部電極内に抵抗体が形成されている。以下、第1外部電極側の抵抗体を含む所定構造について図13に基づき説明する。
【0049】
図13に示される第1内部電極層23の第1外部電極側の接続部23aは、積層された後、図13の矢印B方向から見た場合、接続部23aの接続端面が図面の横線として現われ、この横線が縦方向に順次並んで出現している。そして、これらの第1内部電極層23の接続部23aの端面を一体的に覆うように接続電極42が形成される。図示のごとく接続電極42の幅は、誘電体膜7の幅と同程度とされる。これによって、第1内部電極層23と接続電極42の電気的接合がなされる。
【0050】
ついで、このような接続電極42の上に第1絶縁体61が形成される。この第1絶縁体61は、接続電極42の一部分42aを残して、接続電極42に被着されている。被着されない接続電極42の一部分42aとは反対側に位置する接続電極42の端面42bは、第1外部電極11との導通を避けるために、第1絶縁体61により絶縁される。接続電極42の端面42bのみ、第1絶縁体61とは別の新たな絶縁膜を形成して絶縁することも可能であるが、作業工程等を減らして効率化を図るという観点からすれば、図13に示されるごとく第1絶縁体61により一体的に所定範囲の絶縁を図ることが望ましい。この場合、安定かつ信頼性の高い絶縁を得るためには、第1絶縁体61は、予め所定の形状に成形されたアルミナ基板やガラス基板等のセラミック基板を用いることが好ましい。これらのものは、通常、接着材を介して固着される。このような基板に変えて、低温焼成により絶縁膜(基板)となる焼成タイプの絶縁材料を用いることも好ましい態様である。具体的には、ガラス、低温焼成セラミック等のペーストが用いられる。形成方法は、絶縁部材用ペーストを印刷あるいは転写等の方法で塗設後、焼成して形成すればよい。
【0051】
このような第1絶縁体61の上には、さらに抵抗体(膜)51が形成される。本発明における形態の抵抗体(膜)51は、前記第1絶縁体61で絶縁されていない接続電極42の一部分42aと接続されるとともに、大部分が前記第1絶縁体61の上に被着形成されている。すなわち、抵抗体(膜)51は、素子本体20の端面の前記第1絶縁体61で絶縁されていない接続電極42の一部分42aから、図13の右方向の広く空いたエリアに向けて第1絶縁体61の大部分を覆うように形成されている。
【0052】
このような抵抗体(膜)50の上には、第2絶縁体66が形成される。この第2絶縁体66は、前記抵抗体(膜)51の一部分51aを残してほぼ全体の抵抗体51を覆うと伴に、前記接続電極42の一部分42aをも完全に覆うように形成され、絶縁機能を発揮している。もちろん、接続電極42の端部42cも第2絶縁体66により覆われ絶縁される。第2絶縁体66は、いわゆるペーストタイプの絶縁材料を塗設後、焼成して形成することが好ましい。塗設対象の複雑な形態に柔軟に対応することができるからである。
【0053】
この上に図13に示されるように第1外部電極11が形成される。そして、第1絶縁体61および第2絶縁体66に挟まれるように形成された抵抗体(膜)51は、その片端51a(第2絶縁体66により絶縁がなされていない抵抗体51の一部分51a)が第1外部電極11と接続される。これにより第1外部電極11と抵抗体51との電気的接合は、抵抗体51の一部分51aから開始される。そして、抵抗体51の抵抗作用は接続電極42との接合位置(符号42aの箇所で電気的に接合)にまで至り、この間の距離が抵抗体厚さに相当するために、耐電圧性は格段と向上する。また、抵抗体51の長さ(図13の横方向)を一定としてこの上に形成される第2絶縁体66の被着長さを変えることにより、実質的な抵抗作用をする抵抗体51の長さを変えることができ、抵抗の調整をすることが可能となる。あるいは、抵抗体51の長さそのものを変えても抵抗の調整をすることが可能となる。
【0054】
このような構成のもとに、第1外部電極11と第2外部電極15との端子間において、第1外部電極11と前記接続電極42(42a)との間で実質的な抵抗体(層)51による抵抗体構成部分(R)が構成され、前記接続電極42と第2外部電極15との間で実質的なキャパシタ構成部分(C)が構成される。
【0055】
〔第4の実施の形態の説明〕
本発明の第4の実施の形態について、図14および図15を参照しつつ説明する。
【0056】
図14は本発明の複合電子部品4の一実施形態を示す斜視図であり、図15は本発明における第1外部電極側の内部の所定構造を説明するための図面であって、図14のA−A方向矢視断面相当図である。
【0057】
図14に示されるように、本発明の複合電子部品4は、図面上で略直方体形状に示されている素子本体20と、素子本体20の対向する両端面に形成された一対の第1外部電極11および第2外部電極15とを有している。素子本体20の大きさは、例えば、(0.6〜5.6mm)×(0.3〜5.0mm)×(0.3〜2.5mm)程度とすることができる。
【0058】
素子本体20は、誘電体層7と内部電極層23、28とが交互に積層されたキャパシタ構成部分(C)とを備えおり、その形態は、前記第3の実施の形態の説明で述べた素子本体20と同じ構造(詳細は図12)であるため、ここでの説明は省略する。
【0059】
このような本発明の第4の実施の形態では、第1外部電極内に抵抗体が形成されている。以下、第1外部電極側の抵抗体を含む所定構造について図15に基づき説明する。
【0060】
図15に示される第1内部電極層23の第1外部電極側の接続部23aは、積層された後、図14の矢印B方向から見た場合、接続部23aの接続端面が図面の横線として現われ、この横線が縦方向に順次並んで出現している。そして、これらの第1内部電極層23の接続部23aの端面を一体的に覆うように接続電極42が形成される。図示のごとく接続電極42の幅は、誘電体膜7の幅と同程度とされる。これによって、第1内部電極層23と接続電極42の電気的接合がなされる。
【0061】
ついで、このような接続電極42の上に第1絶縁体62が形成される。この第1絶縁体62は、接続電極42の一部分42aを残して、接続電極42に被着されている。本実施の形態において、被着されない接続電極42の一部分42aと反対側に位置する接続電極42の端面42bは、第1外部電極11との導通を避けるために、別の新たな絶縁膜69を形成して絶縁されている。
【0062】
本実施の形態として、安定かつ信頼性の高い絶縁を得るためには、第1絶縁体61は、予め所定の形状に成形されたアルミナ基板やガラス基板等のセラミック基板が用いられている。厚さは、通常、10〜600μm程度である。このものは、通常、接着材を介して固着される。
【0063】
このような第1絶縁体62の上には、さらに抵抗体(膜)52が形成される。本発明における形態の抵抗体(膜)52は、前記第1絶縁体62で絶縁されていない接続電極42の一部分42aと接続されるとともに、大部分が前記第1絶縁体62の上に被着形成されている。すなわち、抵抗体(膜)52は、素子本体20の端面の前記第1絶縁体62で絶縁されていない接続電極42の一部分42aから、図15の右方向の広く空いたエリアに向けて第1絶縁体62の大部分を覆うように形成されている。本実施の形態における抵抗体(膜)52は、接続電極42の他方の端面42cも覆い、ここでも電気的な接合が図られている。
【0064】
このような抵抗体(膜)52の上には、第2絶縁体67が形成される。この第2絶縁体67は、前記抵抗体(膜)52の一部分52aのみを残して全体の抵抗体52を完全に覆うように形成され、絶縁機能を発揮している。第2絶縁体67は、いわゆるペーストタイプの絶縁材料を塗設後、焼成して形成することが好ましい。塗設対象の複雑な形態に柔軟に対応することができるからである。
【0065】
この上に図15に示されるように第1外部電極11が形成される。そして、第1絶縁体62および第2絶縁体67に挟まれるように形成された抵抗体(膜)52は、その片端52a(第2絶縁体67により絶縁がなされていない抵抗体52の一部分52a)が第1外部電極11と接続される。これにより第1外部電極11と抵抗体52との電気的接合は、抵抗体52の一部分52aから開始される。そして、抵抗体52の抵抗作用は接続電極42との接合位置(符号42aの箇所で電気的に接合)にまで至り、この間の距離が抵抗体厚さに相当するために、耐電圧性は格段と向上する。また、抵抗体52の長さ(図15の横方向)を一定としてこの上に形成される第2絶縁体67の被着長さを変えることにより、実質的な抵抗作用をする抵抗体52の長さを変えることができ、抵抗の調整をすることが可能となる。あるいは、抵抗体52の長さそのものを変えても抵抗の調整をすることが可能となる。
【0066】
このような構成のもとに、第1外部電極11と第2外部電極15との端子間において、第1外部電極11と前記接続電極42(42a)との間で実質的な抵抗体(層)52による抵抗体構成部分(R)が構成され、前記接続電極42と第2外部電極15との間で実質的なキャパシタ構成部分(C)が構成される。
【0067】
〔第5の実施の形態の説明〕
本発明の第5の実施の形態について、図16〜図19を参照しつつ説明する。
【0068】
図16は本発明の複合電子部品5の一実施形態を示す斜視図であり、図17は本発明における第1外部電極側の内部の所定構造を説明するための図面であって、図16のA−A方向矢視断面相当図である。図18および図19は、本実施の形態における接続電極および絶縁体の形成を説明するための素子本体の概略斜視図である。
【0069】
図16に示されるように、本発明の複合電子部品5は、図面上で略直方体形状に示されている素子本体20と、素子本体20の対向する両端面に形成された一対の第1外部電極11および第2外部電極15とを有している。素子本体20の大きさは、例えば、(0.6〜5.6mm)×(0.3〜5.0mm)×(0.3〜2.5mm)程度とすることができる。
【0070】
素子本体20は、誘電体層7と内部電極層23、28とが交互に積層されたキャパシタ構成部分(C)とを備えおり、その形態は、前記第3の実施の形態の説明で述べた素子本体20と同じ構造(詳細は図12)であるため、ここでの説明は省略する。
【0071】
このような本発明の第5の実施の形態では、第1外部電極内に抵抗体が形成されている。以下、第1外部電極側の抵抗体を含む所定構造について図17に基づき説明する。
【0072】
図17に示される第1内部電極層23の第1外部電極側の接続部23aは、積層された後、図17の矢印B方向から見た場合、接続部23aの接続端面が図面の横線として現われ、この横線が縦方向に順次並んで出現している。この状況が図18に理解し易いように示されている。そして、これらの第1内部電極層23の接続部23aを一体的に接続するように接続電極43が被着形成される。この状況が図19に理解し易いように示されている。この場合、接続電極43は、図17や図19に示されるように第1内部電極層23の接続部23aの一部を覆うように形成され、覆われていない残余の接続部23a´は、後工程で酸化処理され第1絶縁体63を構成する。
【0073】
すなわち、接続電極43は、第1外部電極11側に露出する第1内部電極層23の接続部23aの一部分を被覆・接続するように形成されており、第1絶縁体63は、前記接続電極43によって被覆・接続されていない第1内部電極層23の残余の接続部23a´(図19)を酸化処理して形成された絶縁膜である。第1絶縁体63(絶縁膜)の形成方法については、後述する。
【0074】
このような第1絶縁体63および接続電極43の上には、抵抗体(膜)53が被着形成される。すなわち、本発明の実施形態における抵抗体(膜)53は、接続電極43の少なくとも一部分43aと接続されるとともに、第1絶縁体63を完全に覆うように形成されている。
【0075】
このような抵抗体(膜)53の上には、第2絶縁体68が形成される。この第2絶縁体68は、前記抵抗体(膜)53の一部分53aのみを残して全体の抵抗体53を完全に覆うように、さらには、接続電極43をも完全に覆うように形成され、絶縁機能を発揮している。第2絶縁体68は、いわゆるペーストタイプの絶縁材料を塗設後、焼成して形成することが好ましい。塗設対象の複雑な形態に柔軟に対応することができるからである。
【0076】
この上に図17に示されるように第1外部電極11が形成される。そして、第1絶縁体63および第2絶縁体68に挟まれるように形成された抵抗体(膜)53は、その片端53a(第2絶縁体68により絶縁がなされていない抵抗体53の一部分53a)が第1外部電極11と接続される。これにより第1外部電極11と抵抗体53との電気的接合は、抵抗体53の一部分53aから開始される。そして、抵抗体53の抵抗作用は接続電極43との接合位置(符号43aの箇所で電気的に接合)にまで至り、この間の距離が抵抗体厚さに相当するために、耐電圧性は格段と向上する。また、抵抗体53の長さ(図17の横方向)を一定としてこの上に形成される第2絶縁体68の被着長さを変えることにより、実質的な抵抗作用をする抵抗体53の長さを変えることができ、抵抗の調整をすることが可能となる。あるいは、抵抗体53の長さそのものを変えても抵抗の調整をすることが可能となる。
【0077】
このような構成のもとに、第1外部電極11と第2外部電極15との端子間において、第1外部電極11と前記接続電極43(43a)との間で実質的な抵抗体(層)53による抵抗体構成部分(R)が構成され、前記接続電極43と第2外部電極15との間で実質的なキャパシタ構成部分(C)が構成される。
【0078】
上記第1絶縁体63形成のための製法要件は以下のとおりである。すなわち、用いる内部電極層23は、酸化処理により酸化層の形成が可能なように、Ni、Cu等の卑金属を主成分として構成される。接続電極43は、Ag、Pd等の貴金属を主成分として構成される。そして、まず最初に、図19に示されるように接続電極43形成用のペーストを設けた後に、酸素なしの雰囲気下で、焼き付けが行なわれる。これにより、内部電極23と接続電極43の接続が行なわれる。この時点では、接続部23a´を含む内部電極層23の酸化は行なわれていない。しかる後、例えば、抵抗体53形成用ペーストを設けた後、酸素雰囲気下(例えば、空気中)で抵抗体53の焼き付けを行い、残余の接続部23a´部分を酸化させる。この酸化処理により、残余の接続部23a´部分は、第1絶縁体63を構成することになる。第1絶縁体63の形成は、抵抗体53形成用ペースト、第2絶縁体68形成用ペースト、および外部電極11形成用ペーストを設けた後に、これらを一括して酸素雰囲気下で焼き付けするようにしてもよい。
【0079】
次に、上述してきた本発明の各複合電子部品を構成する部材について説明する。
【0080】
〔外部電極11,15〕
本発明の複合電子部品を構成する外部電極11,15は、導電材としてPd、Ag、Au、Cu、Pt、Rh、Ru、Ir等の金属の少なくとも1種、あるいは、これらの合金を使用することができる。外部電極の厚みは特に制限されず、例えば、1〜100μm、特に5〜50μm程度とすることができる。
また、外部電極には、導電材の焼結性を向上させること、積層体との接着性を確保することを目的として、ガラスが含有されてもよい。
【0081】
〔内部電極層21,23,25,26,28〕
本発明の複合電子部品を構成する内部電極層に使用される導電材は、第5の実施の形態を除いて特に制限されないが、誘電体層の構成材料に耐還元性を有するものを使用することで、安価な卑金属を用いることができる。導電材として使用する卑金属は、例えば、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn、Cr、Co、Al等の1種以上とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。また、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1重量%程度以下含有されてもよい。内部電極層の厚みは、複合電子部品の用途等に応じて適宜設定することができ、例えば、0.5〜5μm、特に0.5〜2.5μm程度とすることができる。
【0082】
〔抵抗体50,51,52,53〕
本発明の複合電子部品を構成する抵抗体は、導電性酸化物と絶縁性酸化物とを含有する材料で形成される。導電性酸化物は、特に制限されるものではなく、例えば、酸化ルテニウム、酸化ルテニウム化合物、黒鉛の少なくとも1種を含有することが好ましい。酸化ルテニウムとしては、例えば、RuO2、Bi2Ru2O7、SrRuO3、CaRuO3、Pb2Ru2O6、BaRuO3等が挙げられる。また、黒鉛としては、グラファイト・カーボンを使用することができる。
【0083】
また、絶縁性酸化物は、特に制限されるものではないが、抵抗値の制御および導電材との焼結性、接続部材との接着性を確保するために、ガラスを選択することが好ましい。ガラスの組成は、特に制限する必要はなく、抵抗値の制御の容易性や、必要とする特性を考慮して適宜設定することができる。
【0084】
また、抵抗値の調整、あるいは、その他の抵抗体に要求される電気特性等を制御するために、抵抗体に金属酸化物を添加することができる。さらに、0.1Ω以下の抵抗を必要とするような場合には、金属と絶縁性酸化物で抵抗体を構成してもよい。
【0085】
抵抗体における抵抗値の制御は、導電性酸化物と絶縁性酸化物の混合比の調整で行うことができ、また、抵抗体の厚みによっても抵抗値を制御することができる。
【0086】
〔誘電体層7〕
本発明の複合電子部品を構成する誘電体層に使用する誘電体材料としては、特に制限はなく、種々の誘電体材料を使用することができる。例えば、酸化チタン系、チタン酸系複合酸化物、あるいは、これらの混合物等を使用することができる。酸化チタンとしては、必要に応じてNiO、CuO、Mn3O4、Al2O3、MgO、SiO2等を総量で0.001〜30重量%程度の範囲で含有するTiO2等が挙げられる。また、チタン酸系複合酸化物としては、チタン酸バリウム(BaTiO3)等が挙げられる。Ba/Tiの原子比は、0.95〜1.20の範囲が好ましく、チタン酸バリウムには、MgO、CaO、Mn3O4、Y2O3、V2O5、ZnO、ZrO2、Nb2O5、Cr2O3、Fe2O3、P2O5、SrO、Na2O、K2O等が総量で0.001〜30重量%程度の範囲で含有されてもよい。また、焼成温度、線膨張率の調整等のため、(BaCa)SiO3ガラス等のガラスが含有されていてもよい。
【0087】
誘電体層の1層当たりの厚みは特に制限されないが、例えば、0.5〜20μm程度に設定することができる。また、誘電体層の積層数は、通常、2〜300程度とすることができる。
【0088】
〔接続電極41,41´,42,43〕
素子の接合の際には、接合の確実性を担保するために、接続電極用部材(接合部材)が用いられる。特に、制約のある第5の実施の形態を除いて、本発明で用いられる接続電極の部材は、導電材としてPd、Ag、Au、Cu、Pt、Rh、Ru、Ir等の金属の少なくとも1種、あるいは、これらの合金を使用することができる。また、接続部材には、導電材の焼結性を向上させること、積層体や抵抗体との接着性を確保することを目的として、ガラスが含有されてもよい。接続部材の厚みは特に制限されず、例えば、0.5〜30μm、特に5〜20μm程度とすることができる。
【0089】
〔絶縁体(膜)60,60´,61,66,62,67,63,68を構成する絶縁部材〕
第5の実施の形態の酸化膜63を除いて、本発明における絶縁体(膜)を構成する絶縁部材は、従来から複合電子部品に使用されるような絶縁材料を使用して形成することができる。例えば、外部電極や接続部材の導電材との焼結性、接着性を確保するために、ガラス、樹脂、低温焼成セラミック材料などを選択することができる。使用するガラスの組成は、特に制限する必要はなく、必要とする絶縁特性を考慮して適宜設定することができる。
【0090】
複合電子部品の製造方法
次に、複合電子部品の一般的製造方法について簡単に説明する。
複合電子部品は、例えば、まず、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法により抵抗体を含むグリーンチップ体を作製して積層体とする(素子本体の形成)。次に、積層体の外部電極側の両端面に、必要に応じて、接続電極、抵抗体、絶縁体、外部電極を印刷、転写、貼り付け等で形成する。しかる後、焼成することにより複合電子部品を製造することができる。
【0091】
以下、一般に使用されるペーストの組成例について説明しておく。
<誘電体層用ペースト>
誘電体層用ペーストは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練分散したものを使用することができる。
【0092】
誘電体原料の組成は、製造する複合電子部品の用途を考慮して適宜選択することができる。例えば、チタン酸系複合酸化物としてチタン酸バリウムを使用する場合、水熱合成法等により合成したBaTiO3に、副成分原料を混合する方法を用いることができる。また、BaCO3とTiO2と副成分との混合物を仮焼成して固相反応させる乾式合成法を用いてもよく、水熱合成法を用いてもよい。また、共沈法、ゾル・ゲル法、アルカリ加水分解法、沈殿混合法等により得た沈殿物と副成分原料との混合物を仮焼成して合成してもよい。尚、副成分原料には、酸化物や、焼成により酸化物となる各種化合物、例えば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等の少なくとも1種を用いることができる。
【0093】
誘電体原料の平均粒径は、目的とする誘電体層の平均結晶粒径に応じて決定することができ、通常、平均粒径0.1〜5μm程度の粉末を使用する。また、誘電体層用ペースト中の誘電体原料の含有量は、通常、30〜80重量%程度とする。
【0094】
誘電体層用ペーストに使用する有機ビヒクルは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。バインダとしては、例えば、エチルセルロース、ポリビニルブチラールとメタクリル酸エステルとの共重合体、アクリル酸エステル系共重合体等の公知の樹脂バインダを使用することができる。また、バインダを溶解するための有機溶剤として、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の有機溶剤を使用することができる。このようなバインダや有機溶剤の誘電体層用ペースト中の含有量は特に制限はなく、通常、バインダは1〜5重量%程度、有機溶剤は10〜50重量%程度とすることができる。
【0095】
<内部電極層用ペースト>
内部電極層用ペーストは、上述の各種導電性金属や合金、あるいは、焼成後に上述のような導電材となる各種酸化物、有機金属化合物等と、上記のような有機ビヒクルとを混練分散して調製する。
【0096】
<外部電極用ペースト>
外部電極用ペーストは、導電材としてPd、Ag、Au、Cu、Pt、Rh、Ru、Ir等の金属の少なくとも1種、あるいは、これらの合金を使用し、上記の内部電極層用ペーストと同様にして調製する。
【0097】
上述の各種ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択された添加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、10重量%以下とすることが好ましい。
【0098】
<抵抗体用ペースト>
抵抗体用ペーストは、上述の各種導電性酸化物および絶縁性酸化物と、上記のような有機ビヒクルとを混練分散して調製する。
【0099】
<絶縁部材用ペースト>
絶縁部材用ペーストは、上述の各種絶縁性材料と、上記のような有機ビヒクルとを混練分散して調製する。ペーストの代わりに、絶縁基板をそのまま用いることもできる。
【0100】
<接続電極用ペースト>
接続電極用ペーストは、上記接続電極用部材と、上記のような有機ビヒクルとを混練分散して調製する。
【0101】
[グリーンチップ体(素子本体)の作製]
印刷法を用いる場合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを、ポリエチレンテレフタレート等の支持体上に積層印刷する。このとき、第1および第2の内部電極層は、それぞれ各実施の形態に示されているように、誘電体層用ペーストの外枠に対して所定の形態が得られるように印刷する。順次積層印刷した後、所定形状に切断してチップ化し、支持体から剥離してグリーンチップ体とする。
【0102】
また、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを用いて上記と同様に印刷したものを積層し、所定形状に切断して、グリーンチップ体とする。
【0103】
[脱バインダ処理工程]
上記のようにして作製されたグリーンチップ体は、焼成前に脱バインダ処理が施されることが好ましい。この脱バインダ処理の条件は、使用した材料等を考慮して適宜設定することができ、例えば、内部電極層の導電材にNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、特に下記の条件で行うことが好ましい。
【0104】
脱バインダ処理条件
昇温速度 :5〜300℃/時間、特に10〜100℃/時間
保持温度 :200〜400℃、特に250〜300℃
温度保持時間:0.5〜24時間、特に5〜20時間
雰囲気 :空気中
【0105】
[焼成工程]
グリーンチップ体の焼成は、誘電体用ペースト中の誘電体原料、内部電極層用ペースト中の電極材料の種類等を考慮して適宜設定することができ、例えば、内部電極層の導電材にNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気はN2を主成分とし、H2含有量が1〜10容量%、10〜35℃における水蒸気圧によって得られるH2Oガスを混合したものが好ましい。そして、酸素分圧は、10-3〜10-8Paとすることが好ましい。酸素分圧が上記範囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が上記範囲を超えると、内部電極層が酸化することがある。
【0106】
焼成時の温度は、1100〜1400℃、特に1200〜1300℃とすることが好ましい。保持温度が1100℃未満であると緻密化が不十分であり、1400℃を超えると内部電極層が途切れ易くなる。また、焼成時の温度保持時間は、0.5〜8時間、特に1〜3時間が好ましい。
【0107】
[アニール工程]
還元雰囲気で焼成した場合、積層体にはアニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これにより絶縁抵抗の加速寿命を著しく長くすることができる。
【0108】
アニール雰囲気の酸素分圧は、10-3Pa以上、特に10-3〜10-1Paとすることが好ましい。酸素分圧が上記範囲未満であると、誘電体層の再酸化が困難であり、また、酸素分圧が上記範囲を超えると、内部電極層が酸化することがある。
【0109】
アニールの保持温度は、1100℃以下、特に500〜1000℃とすることが好ましい。保持温度が500℃未満であると誘電体層の再酸化が不十分となり、絶縁抵抗の加速寿命が短くなり、1100℃を超えると内部電極層が酸化し、静電容量が低下するだけでなく、誘電体素地と反応し、加速寿命も短くなる。尚、アニール工程は昇温および降温だけから構成してもよい。この場合、温度保持時間をとる必要はなく、保持温度は最高温度と同義である。また、温度保持時間は、0〜20時間、特に2〜10時間が好ましい。雰囲気ガスにはN2と加湿したH2ガスを用いることが好ましい。
【0110】
尚、上述の脱バインダ処理、焼成、および、アニールの各工程において、N2、H2や混合ガス等を加湿するには、例えば、ウエッター等を使用することができる。この場合の水温は、5〜75℃程度が好ましい。
【0111】
脱バインダ処理、焼成、および、アニールの各工程は、連続して行っても、独立して行ってもよい。これらの工程を連続して行う場合、脱バインダ処理後、冷却せずに雰囲気を変更し、続いて焼成の保持温度まで昇温して焼成を行い、次いで、冷却し、アニール工程での保持温度に達したときに雰囲気を変更してアニールを行うことが好ましい。
【0112】
また、これらの工程を独立して行う場合、脱バインダ処理工程は、所定の保持温度まで昇温し、所定時間保持した後、室温にまで降温する。その際、脱バインダ雰囲気は、連続して行う場合と同様なものとする。さらに、アニール工程は、所定の保持温度にまで昇温し、所定時間保持した後、室温にまで降温する。その際のアニール雰囲気は、連続して行う場合と同様とする。また、脱バインダ工程と、焼成工程とを連続して行い、アニール工程だけを独立して行うようにしてもよく、あるいは、脱バインダ工程だけを独立して行い、焼成工程とアニール工程を連続して行ってもよい。
【0113】
[接続電極の形成]
必要に応じて積層体の外部電極側の片側端面に露出している内部電極層の突出部や接続部を接続するように接続電極用ペーストを印刷あるいは転写後、焼成して、接続電極を形成する。
【0114】
[抵抗体の形成]
抵抗体用ペーストを印刷あるいは転写後、焼成して、抵抗体(膜)を形成する。
【0115】
[絶縁体(膜)の形成]
絶縁部材(絶縁膜)用ペーストを印刷あるいは転写後、焼成して、絶縁膜を形成する。絶縁性を高めるために、必要に応じて絶縁基板をそのまま使用してもよい。
【0116】
[外部電極形成]
上記のように作製したチップ体(積層体)の対向する両端面側に外部電極用ペーストを印刷あるいは転写する。その後、焼成して、外部電極電極を形成する。外部電極用ペーストの焼成条件は、例えば、N2とH2の混合ガス等の還元性雰囲気中で600〜800℃にて10分間〜1時間程度とすることが好ましい。
このように製造される本発明の複合電子部品は、必要に応じてリード線が設けられ、ハンダ付け等によりプリント基板上等に実装され使用される。
【0117】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の複合電子部品は、素子の外部電極側に抵抗体を有する複合電子部品であって、従来開示のタイプのものに比べて、耐電圧性が格段と向上させることができるという優れた効果が発現する。さらに、実質的な抵抗作用をする抵抗体の長さを製造段階で容易に変えることができ、抵抗の調整が容易に行なえるという優れた効果が発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の複合電子部品の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】図2は図1に示される素子本体の要部を分解して表した概略斜視図である。
【図3】図3は第1外部電極側の抵抗体を含む所定構造の形成を経時的に説明するための素子本体の概略斜視図である。
【図4】図4は第1外部電極側の抵抗体を含む所定構造の形成を経時的に説明するための素子本体の概略斜視図である。
【図5】図5は第1外部電極側の抵抗体を含む所定構造の形成を経時的に説明するための素子本体の概略斜視図である。
【図6】図6は第1外部電極側の抵抗体を含む所定構造の形成を経時的に説明するための素子本体の概略斜視図である。
【図7】図7は本発明における第1外部電極側の内部の所定構造を説明するための図面(断面図)である。
【図8】図8は本発明の複合電子部品の一実施形態を示す斜視図である。
【図9】図9は図8に示される素子本体の要部を分解して表した概略斜視図である。
【図10】図10は本発明における第1および第2外部電極側の内部の所定構造をそれぞれ説明するための図面(断面図)である。
【図11】図11は本発明の複合電子部品の一実施形態を示す斜視図である。
【図12】図12は図11に示される素子本体の要部を分解して表した概略斜視図である。
【図13】図13は本発明における第1外部電極側の内部の所定構造を説明するための図面(断面図)である。
【図14】図14は本発明の複合電子部品の一実施形態を示す斜視図である。
【図15】図15は本発明における第1外部電極側の内部の所定構造を説明するための図面(断面図)である。
【図16】図16は本発明の複合電子部品の一実施形態を示す斜視図である。
【図17】図17は本発明における第1外部電極側の内部の所定構造を説明するための図面(断面図)である。
【図18】図18は本実施の形態における接続電極および絶縁体の形成を説明するための素子本体の概略斜視図である。
【図19】図19は本実施の形態における接続電極および絶縁体の形成を説明するための素子本体の概略斜視図である。
【符号の説明】
1,2,3,4,5…複合電子部品
7…誘電体層
11,15…外部電極
20…素子本体
21,23,25,26,28…内部電極層
41,41´,42,43…接続電極
50,51,52,53…抵抗体
60,60´,61,66,62,67,63,68…絶縁体(膜)
Claims (2)
- 素子本体と、素子本体の対向する両端面に形成された一対の第1外部電極および第2外部電極と、抵抗体とを有する複合電子部品の製造方法であって、
該方法は、
誘電体層を介して第1内部電極層と第2内部電極層とが交互に積層されたキャパシタ構成部分を備える素子本体を作製するための工程であって、積層される前記第1内部電極層は、卑金属からなるとともに、前記第1外部電極側に露出する接続部を有するように形成されており、積層される前記第2内部電極層は、前記第2外部電極側に露出する接続部を有し、当該接続部は、第2外部電極に接続されるように形成されている素子本体形成工程と、
前記第1外部電極側に露出する前記第1内部電極層の接続部の一部分を被覆・接続するように貴金属からなる接続電極を形成する接続電極形成工程と、
前記接続電極によって被覆・接続されていない前記第1内部電極層の残余の接続部を酸化処理して絶縁膜である第1絶縁体を形成する第1絶縁体形成工程と、
実質的に前記第1絶縁体の上に抵抗体を形成するとともに、当該抵抗体の一端は、前記接続電極の一部分と接続されるように形成される抵抗体形成工程と、
前記抵抗体の他端の一部分を残して実質的に前記抵抗体を覆うように第2絶縁体を形成する第2絶縁体形成工程と、
前記抵抗体の他端の一部分が前記第1外部電極と接続されてなるよう第1外部電極を形成する第1外部電極形成工程と、
を有してなることを特徴とする複合電子部品の製造方法。 - 前記第1外部電極と接続される抵抗体の一部分から前記抵抗体が前記接続電極に接する部分までの抵抗体の距離仕様を定めることにより、抵抗の調整がなされるようになっている請求項1に記載の複合電子部品の製造方法。
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JP2003045667A JP3935089B2 (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 複合電子部品の製造方法 |
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