JP2004070067A - トナー補給装置、画像形成装置、及びトナー補給方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像装置内のトナー濃度を常に安定化させ、かつトナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行なう。
【解決手段】画像面積比率が閾値よりも低く、トナー消費量が少ないときには、画像の複写によりトナー濃度が殆ど低下しないので、画像の複写を実行してから、トナーの補給並びに攪拌を現像装置33で行なっている。これにより、画像の複写に要する時間を短縮化することができる。また、画像面積比率が閾値よりも高く、トナー消費量が少ないときには、トナーの補給並びに攪拌を現像装置33で行なってから、画像の複写を実行している。これにより、トナー濃度の低下を原因とする画像品質の劣化を防止することができる。
【選択図】図1
【解決手段】画像面積比率が閾値よりも低く、トナー消費量が少ないときには、画像の複写によりトナー濃度が殆ど低下しないので、画像の複写を実行してから、トナーの補給並びに攪拌を現像装置33で行なっている。これにより、画像の複写に要する時間を短縮化することができる。また、画像面積比率が閾値よりも高く、トナー消費量が少ないときには、トナーの補給並びに攪拌を現像装置33で行なってから、画像の複写を実行している。これにより、トナー濃度の低下を原因とする画像品質の劣化を防止することができる。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式あるいは静電記録方式の画像形成装置に設けられるトナー補給装置、それを備える画像形成装置、及びトナー補給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の様に電子写真方式あるいは静電記録方式の画像形成装置としては、デジタル複写機、レーザプリンタ、及びLEDプリンタ等がある。
【0003】
この様な画像形成装置では、原稿の画像を読み取って、この画像を示す画像データをメモリに一旦記憶し、この画像データによって示される画像を感光体上に静電潜像として形成し、この感光体上の静電潜像をトナーにより現像して、このトナーの画像を記録用紙に転写して定着させている。このトナーは、磁性体キャリアと混合され、2成分現像剤として用いられることが多く、現像装置内の2成分現像剤のトナー濃度をトナー濃度センサにより検出し、このトナー濃度が予め設定された閾値以下まで低下すると、トナーを現像装置内に補給し、これによりほぼ一定のトナー濃度を常に維持している。また、トナーの補給動作に際しては、現像装置内の2成分現像剤を攪拌して、トナーを2成分現像剤中に均一に混合し、かつトナーを十分に帯電させている。
【0004】
トナーの補給は、トナー補給装置により行われており、一回当たりのトナー補給量が常に一定となる様にトナー補給装置を制御している。従って、全体が黒ベタの様な印字率100%の画像や印字率20%〜30%の画像のいずれに対しても、一定量のトナーが補給されることになる。この一定量としては、最大サイズの記録用紙の記録に用いられる平均的なトナーの消費量が設定される。また、実際には、記録用紙一枚単位でトナー補給量を制御するのではなく、複数枚単位でトナー補給量を制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の様にトナー補給量を常に一定に制御すると、文字原稿の画像の様に印字率が3%〜10%程度と低く、トナー消費量が少ない画像の記録が連続したときには、2成分現像剤に対するトナー補給量が過剰になり易く(トナー濃度が高くなる傾向にあり)、トナーの飛散や記録用紙の地肌の汚れ(BG低下)等の問題が発生した。逆に、グラフィックや写真の画像の様に印字率が高くて、トナー消費量が多い画像の記録が連続したときには、2成分現像剤に対するトナー補給量が不足し易く(トナー濃度が低下する傾向にあり)、記録用紙上の画像濃度が低下するという問題が発生した。
【0006】
また、記録用紙へとトナーを供給するトナー供給位置でのトナー濃度、例えば現像装置内のスリーブでのトナー濃度に着目すると、このトナー濃度が図28のグラフに示す様に変動していた。このグラフにおいて、縦軸には初期のトナー濃度を0としたときのトナー濃度の変動率を示し、また横軸には画像が記録された記録用紙の枚数を示している。
【0007】
ここで、全体が白ベタの画像(階調レベルが0/255)を連続記録した直後にハーフトーンの画像(例えば階調レベルが48/255)を連続記録したり、あるいは逆にハーフトーンの画像を連続記録紙した直後に白ベタの画像を連続記録したときには、トナー濃度が図28の点線の特性曲線S1に示す様に変動し、トナー濃度の変動が±1wt%の範囲に収まった。
【0008】
ところが、白ベタの画像を連続記録した直後に黒ベタの画像を連続記録したときには、トナー濃度が図28の領域Aにおける実線の特性曲線S2に示す様に変動し、トナー濃度が約−1.3%まで低下してアンダーシュートした。このアンダーシュートの原因は、黒ベタの画像の記録が開始されると、現像装置内のトナー供給位置でのトナー濃度が直ちに低下するものの、現像装置内の2成分現像剤全体の平均的なトナー濃度が遅れて低下するので、トナー濃度センサによって検出されるトナー濃度が閾値以下となるまでに時間が費やされ、この時間だけトナー補給動作が遅れ、この時間にトナーが急激に消費され続けるためである。
【0009】
逆に、黒ベタの画像を連続記録した直後に白ベタの画像を連続記録したときには、トナー濃度が図28の領域Bにおける実線の特性曲線S2に示す様に変動し、トナー濃度がオーバシュートした。このオーバシュートの原因は、黒ベタの画像の連続記録中はトナー補給動作が継続されており、白ベタの画像の記録が開始されると、トナーの消費が停止されるものの、現像装置内の2成分現像剤全体の平均的なトナー濃度が遅れて上昇するので、トナー濃度センサによって検出されるトナー濃度が閾値を超えるまでに時間が費やされ、この時間だけトナー補給動作が更に継続されるためである。
【0010】
このため、例えば特開平4−204468号公報では、画像の印字率に応じてトナー濃度と比較されるトナー濃度閾値を変更して、トナー濃度を制御したり、トナー補給量に応じてトナーの攪拌継続時間を変更し、これによりトナー濃度の低下を防いだり、トナーの帯電量を安定化させ、画像品質を良好に保つという技術が開示されている。
【0011】
しかしながら、ここでは、トナー補給動作と画像形成動作を常に並行させ、トナー補給量をトナー消費量に追従させていた。このため、トナー消費量が急激に上昇したときには、トナーの供給が優先されて、トナーの混合及び攪拌が現像装置内で僅かに行われるだけとなり、十分に帯電されていないトナーが供給されてしまい、画像品質の低下を生じることがあった。また、トナー消費量に対してトナー補給量が追従せず、トナーエンプティとなって、画像形成装置が停止することもあった。
【0012】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、現像装置内のトナー濃度を常に安定化させ、かつトナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行ない得るトナー補給装置、画像形成装置、及びトナー補給方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、現像装置内のトナー濃度をトナー濃度センサにより検出し、トナー濃度センサの検出出力とトナー濃度閾値の比較に基づいて、トナーを現像装置に補給するトナー補給装置において、画像を示す画像データに基づいて、トナー消費量を算出する演算手段と、トナー消費量に応じて、トナー補給量と、トナー濃度センサの検出出力及びトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方と、トナー補給動作及び画像形成動作の動作順序とを制御する制御手段とを備えている。
【0014】
この様な構成の本発明によれば、トナー消費量に応じて、トナー補給量と、トナー濃度センサの検出出力及びトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方と、トナー補給動作及び画像形成動作の動作順序とを制御している。トナー補給量を制御することにより、現像装置内のトナー濃度を変更することができる。また、トナー濃度センサの検出出力及びトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方を制御することにより、トナー濃度がトナー濃度閾値以下になったときに開始されるトナー補給動作のタイミングを変更することができる。更に、トナー補給動作及び画像形成動作の動作順序を制御することにより、例えばトナー補給動作を優先させて、トナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行ってから、画像形成動作を行なうことが可能になる。従って、これらの制御を適宜に組み合わせることにより、現像装置内のトナー濃度を常に安定化させ、かつトナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行なうことが可能になる。
【0015】
また、本発明においては、演算手段は、原稿を読み取ることにより生成され画像データに基づいて、トナー消費量を算出している。
【0016】
ここでは、複写機を前提としており、スキャナーによって読み取られた原稿の画像を記録用紙に記録するのに必要なトナー消費量を求めている。
【0017】
更に、本発明においては、演算手段は、画像全体の面積に対するトナーの付着面積を表す画像面積比率をトナー消費量として算出している。あるいは、演算手段は、画像全体の濃度を表す画像密度をトナー消費量として算出している。
【0018】
画像面積比率及び画像密度のいずれも、トナー消費量に対応している。
【0019】
また、本発明においては、制御手段は、画像形成動作の度に、トナー濃度センサの検出出力とトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方を変更し、画像形成動作の終了時にトナー濃度センサの検出出力とトナー濃度閾値を変更前の状態に戻している。
【0020】
これにより画像形成動作の度に、トナー濃度やトナー補給動作等を制御することができる。
【0021】
更に、本発明においては、制御手段は、画像形成動作の度に、トナー補給動作の時期を変更している。
【0022】
例えば、トナー消費量が多いときには、トナー補給動作の時期を早めて、トナー濃度の低下を未然に防止している。
【0023】
また、本発明においては、制御手段は、トナー補給量に応じて、現像装置内のトナー攪拌継続時間を設定している。
【0024】
このため、トナー補給量が多くても、トナーの混合、攪拌、及び帯電が十分に行われる。
【0025】
更に、本発明においては、制御手段は、現像装置内のトナー攪拌動作をトナー補給動作と共に制御して、トナー補給動作及びトナー攪拌動作を画像形成動作の期間から外している。
【0026】
例えば、画像形成動作よりも先にトナー補給動作及びトナー攪拌動作を行い、これによってトナーの補給、混合、攪拌、及び帯電を十分に行なう。
【0027】
また、本発明においては、制御手段は、トナー消費量が高い場合は、画像形成動作の開始前にトナー補給動作の時期を設定し、トナー消費量が低い場合は、画像形成動作の終了後にトナー補給動作の時期を設定している。
【0028】
この様にトナー消費量が高いときに、画像形成動作の開始前にトナー補給動作の時期を設定すれば、画像形成動作中にトナー濃度が著しく低下することを防止することができる。また、トナー消費量が低いときに、画像形成動作の終了後にトナー補給動作の時期を設定すれば、画像形成動作が優先されるので、画像形成を速やかに行なうことができる。
【0029】
次に、本発明の画像形成装置は、本発明のトナー補給装置を備えている。
【0030】
また、本発明は、現像装置内のトナー濃度をトナー濃度センサにより検出し、トナー濃度センサの検出出力とトナー濃度閾値の比較に基づいて、トナーを現像装置に補給するトナー補給方法において、画像を示す画像データに基づいて、トナー消費量を算出する演算ステップと、ナー消費量に応じて、トナー補給量と、トナー濃度センサの検出出力及びトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方と、トナー補給動作及び画像形成動作の動作順序とを制御する制御ステップとを含んでいる。
【0031】
この様な画像形成装置及びトナー補給方法のいずれによっても、本発明のトナー補給装置と同様の作用並びに効果が達成される。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す側面図である。本実施形態の画像形成装置1は、原稿の画像を読み取り、電子写真方式により原稿の画像を記録用紙上に複写するものであって、画像読取り部10、レーザ書込み部20、画像形成部30、及び給紙部40を備えている。
【0034】
画像読み取り部10では、第1及び第2走査ユニット11,12を相互に所定の速度関係を維持しつつ移動させ、第1走査ユニット11によってプラテンD上の原稿の画像を露光し、第1及び第2走査ユニット11,12によって原稿からの反射光をレンズ13へと導き、レンズ13によって原稿の画像を光電変換素子(以下CCDと称する)14上に結像する。CCD14は、原稿の画像を主走査方向に繰り返し走査して読み取り、原稿の画像を示す画像データを出力する。この画像データは、RAM(図示せず)に一旦記憶される。
【0035】
レーザ書込み部20では、画像データをRAMから読み出し、この画像データに対応する駆動信号をレーザダイオードに印加して、レーザダイオードから出射されるレーザ光を変調し、このレーザ光をモータ21により定速回転されるポリゴンミラー22で反射させて、このレーザ光を各折り返しミラー24,25,26及びレンズ23を介して画像形成部30の感光体ドラム32の表面に入射させ、このレーザ光により感光体ドラム32の表面を主走査方向に繰り返し露光走査する。このとき、感光体ドラム32は、副走査方向に回転しており、レーザ光の主走査と感光体ドラム32の副走査により該感光体ドラム32表面に静電潜像が形成される。
【0036】
画像形成部30では、感光体ドラム32を一方向に回転させつつ、感光体ドラム32表面の残留トナーをクリーナ39により除去し、イレーザランプの光を感光体ドラム32表面に照射して、感光体ドラム32の表面を除電し、更に感光体ドラム32表面を帯電チャージャー31により一様に帯電させてから、感光体ドラム32表面をレーザ書込み部20からのレーザ光で露光走査させて、感光体ドラム32表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム32表面の静電潜像を現像装置33により現像して、感光体ドラム32表面にトナー像を形成する。
【0037】
一方、給紙部40では、記録用紙Pを給紙ローラ41Aにより用紙カセット41から引き出し、この記録用紙を各搬送ローラ43により各レジストローラ44まで搬送し、この記録用紙を各レジストローラ44により感光体ドラム32表面の静電潜像のタイミングに合わせて搬送し、感光体ドラム32の表面のトナー像を転写チャージャ34により記録用紙に転写させる。更に、記録用紙を分離機35により除電して感光体ドラム32から剥離させ、この記録用紙を搬送ベルト36により定着装置37まで搬送し、記録用紙を定着装置37の各ローラ37A,37Bにより加熱及び加圧して、記録用紙上のトナー像を定着させてから、記録用紙を各排出ローラ38,45により排紙トレイ50へと排出する。
【0038】
図2は、現像装置33の構成を示す側面図である。この現像装置33では、非磁性体のトナーと磁性体キャリアとを混合した2成分現像剤を収容しており、現像スリーブ33Aを矢印方向に回転させつつ、現像スリーブ33A内のマグネットローラの磁力により該現像スリーブ33A表面に2成分現像剤を吸着保持して、ドクターブレード302により現像スリーブ33A表面に一定厚みの2成分現像剤の層を形成し、感光体ドラム32と対向する側で、現像スリーブ33A表面部位から感光体ドラム32へと2成分現像剤層のトナーを飛翔させて、感光体ドラム32表面の静電潜像をトナーにより現像し、感光体ドラム32表面にトナー像を形成する。
【0039】
また、現像装置33では、その上面にトナー補給口306を有し、その底面の2成分現像剤と接触し易い位置にトナー濃度センサSを設けている。トナー濃度センサSは、2成分現像剤中のトナー濃度を検出するものであり、その構成を後で詳しく述べる。
【0040】
更に、現像装置33では、一対の搬送スクリュー304,305及び攪拌部材303をそれぞれの矢印方向に回転させており、これらの回転により2成分現像剤を攪拌して、トナーを磁性体キャリアに均一に混合しつつ、2成分現像剤を現像スリーブ33A表面に供給している。この2成分現像剤の攪拌に際し、トナー濃度センサSにより2成分現像剤中のトナー濃度を検出し、このトナー濃度が低下して来ると、トナー補給ローラ307を回転させて、トナーをトナー補給口306から補給し、トナー濃度を高める。
【0041】
図3は、トナー濃度センサSの構成を示すブロック図である。図3から明らかな様にトナー濃度センサSは、透磁率センサであって、差動トランス方式のものであり、差動トランス50、交流電源54、調整用ネジコア55、位相比較回路57、及び平滑回路58を備えている。
【0042】
差動トランス50は、一次コイル51、及び二次側の直列接続された基準コイル52と検知コイル53を備えており、交流電源54からの交流電圧が一次コイル51に供給される。また、基準コイル52と検知コイル53は、略同一の巻数であって、かつ逆極性となっている。調整用ネジコア55は、一次コイル51と基準コイル52に挿入されており、該各コイル51,52間のインダクタンスを調整するために、その位置を変更される。
【0043】
ここで、2成分現像剤は、非磁性体のトナーを磁性体キャリアに混合したものである。このため、2成分現像剤の単位体積当たりのトナーの量が多くなると、単位体積当たりの磁性体キャリアの量が少なくなり、2成分現像剤の磁気抵抗が大きくなる。逆に、単位体積当たりのトナーの量が少なくなると、単位体積当たりの磁性体キャリアの量が多くなり、2成分現像剤の磁気抵抗が小さくなる。トナー濃度センサSは、その様な2成分現像剤の磁気抵抗を検出し、この磁気抵抗に対応する単位体積当たりトナーの量、つまりトナー濃度を検出する。
【0044】
より具体的には、トナー濃度センサSは、2成分現像剤が一次コイル51と検知コイル53の近傍位置Pに流れる様に配置される。このため、2成分現像剤が一次コイル51と検知コイル53の磁心として作用し、該2成分現像剤の磁気抵抗により該各コイル51,53間のインダクタンスが決まり、検知コイル53の電圧信号が決まる。従って、検知コイル53の電圧信号は、2成分現像剤のトナー濃度に対応する。
【0045】
位相比較回路57は、一次コイル51の電圧信号と検知コイル53の電圧信号とを入力し、これらの電圧信号の排他的論理和を求めて、この排他的論理和を示す信号を出力する。平滑回路58は、この排他的論理和を示す信号を入力すると、この排他的論理和を示す信号を平滑化して、直流電圧VTを出力する。この直流電圧VTは、トナー濃度を示しており、トナー濃度センサSの検出出力として出力される。
【0046】
図4は、2成分現像剤のトナー濃度Tに対するトナー濃度センサSの検出出力VTの特性を示すグラフである。このグラフから明らかな様にトナー濃度Tが低いときにはトナー濃度センサSの検出出力VTが高くなり、逆にトナー濃度Tが高いときにはトナー濃度センサSの検出出力VTが低くなる。例えば、トナー濃度がT0からT1へと減少すると、検出出力VTがVT0からVT1へと増加する。
【0047】
尚、トナー濃度センサSとして、トナー濃度が低くなる程、その検出出力VTが高くなる負特性のものを例示しているが、トナー濃度が低くなる程、その検出出力VTが低くなる正特性のものを適用しても構わない。
【0048】
図5は、本実施形態の画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置1では、現像装置33のトナー補給ローラ307を回転させるトナー補給ローラモータ61、トナー補給ローラモータ61を駆動制御するトナー補給ローラモータ駆動回路62、現像装置33の各搬送スクリュー304,305、攪拌部材303、及び現像スリーブ33Aを回転させる現像器駆動モータ63、現像器駆動モータ63を駆動制御する現像器駆動回路64、各駆動回路62,64への制御信号、トナー濃度センサSからの検出出力VT、CCD14からの画像データを入出力するI/O回路65、各種のプログラムやデータを記憶したROM66、各種のデータを記憶したり、ワーキングエリアとして用いられるRAM67、及び画像形成装置1を統括的に制御するCPU68を備えている。
【0049】
CPU68は、それぞれの制御信号をI/O回路65を介してトナー補給ローラモータ駆動回路62及び現像器駆動回路64に出力して、各駆動回路62,64を制御し、これによりトナー補給ローラモータ61及び現像器駆動モータ63を回転させる。また、CPU68は、トナー濃度センサSからの検出出力VTをI/O回路65を介して入力し、検出出力VTに対応するトナー濃度を判定する。更に、CPU68は、原稿の画像を示す画像データをCCD14からI/O回路65を介して入力すると、この画像データをRAM67に一旦蓄積し、このRAM67内の画像データに基づいて、この画像データによって示される原稿の画像面積比率(印字率とも言う)を算出する。複数枚の原稿を読み取ったときには、各原稿を示すそれぞれの画像データをRAM67に一旦蓄積して、これらの画像データに基づいて、各原稿の画像面積比率を算出する。この画像面積比率は、画像を記録用紙に記録するためのトナー消費量に対応する。
【0050】
さて、この様な構成の画像形成装置において、CPU68は、原稿の画像の複写に際し、トナー消費量に対応する画像面積比率に基づいて、トナー濃度閾値を補正したり、トナー補給量、トナー補給動作の時期、トナー攪拌継続時間を設定し、これにより現像装置33内のトナー濃度を常に安定化させ、かつトナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行っている。
【0051】
ここで、トナー濃度閾値の補正手順について説明する。
【0052】
画像面積比率が低いときには、トナー消費量が少なく、トナー濃度が過剰になり易いため(オーバシュート)、トナー濃度センサSの検出出力VTと比較されるトナー濃度閾値V0を高くする。トナー濃度センサSは、トナー濃度が低くなる程、その検出出力VTが高くなるという負特性を有することから、トナー濃度閾値V0が高くなると、検出出力VTがトナー濃度閾値V0以上になったときに行われるトナー補給動作が遅延され、トナー濃度が過剰になる傾向が緩和される。逆に、画像面積比率が高いときには、トナー消費量が多く、トナー濃度が低下し易いため(アンダーシュート)、トナー濃度閾値V0を低くする。トナー濃度閾値V0が低くなると、検出出力VTがトナー濃度閾値V0以上になったときに行われるトナー補給動作が早められ、トナー濃度が低下する傾向が緩和される。
【0053】
図6は、画像面積比率に対するトナー濃度閾値V0の補正量ΔVtの特性を示すグラフである。このグラフから明らかな様に画像面積比率が高くなる程、トナー濃度閾値V0の補正量ΔVtが高くされている。
【0054】
また、トナー濃度閾値V0の補正量ΔVtは、図7のグラフに示す様に連続して複写される記録用紙の枚数によっても増大される。これにより、トナー濃度閾値V0が更に適確に補正されることになる。
【0055】
図8は、画像面積比率及び記録用紙の連続複写枚数に対応する補正量ΔVtを記録したデータテーブルDTである。このデータテーブルDTをROM66に予め記憶しておき、トナー濃度閾値V0を補正するときには、ROM66内のデータテーブルDTを参照して、画像面積比率及び記録用紙の連続複写枚数に対応する補正量ΔVtを求め、トナー濃度閾値を(V0+ΔVt)に設定する。
【0056】
尚、一連の画像の複写を終了したときには、トナー濃度閾値が元の値に戻される。
【0057】
次に、トナー補給量の設定手順について説明する。
【0058】
図9は、画像面積比率及びトナー補給量を求めるための構成を示すブロック図であり、画像形成面積検出部71、被現像面積検出部72、画像面積比率演算部73、及びトナー補給量設定部74が設けられている。これらの検出部71,72、演算部73、設定部74は、CPU68が画像面積比率及びトナー補給量を求めるためのプログラムをROM66から読み出して実行することにより生成される。
【0059】
画像形成面積検出部71は、CCD14により読み取られた画像データ、あるいは格別に設けられた周知の原稿サイズセンサ(図示せず)の検出出力に基づいて、原稿の複写領域の総面積を求める。被現像面積検出部72は、CCD14により読み取られた画像データに基づいて、トナーが付着する感光体ドラム32表面の静電潜像の面積を求める。画像面積比率演算部73は、原稿複写領域の総面積に対する静電潜像の面積の比を画像面積比率として求める。トナー補給量設定部74は、画像面積比率に対応するトナー補給量を求め、このトナー補給量のトナーを補給するのに必要なトナー補給ローラ307の回転時間T0を求める。そして、トナー補給量設定部74は、トナー補給ローラモータ駆動回路62を通じてトナー補給ローラモータ61を駆動制御して、その求めた回転時間T0だけトナー補給ローラ307を回転させ、その求めたトナー補給量だけトナーを現像装置33に補給する。
【0060】
図10は、画像面積比率に対するトナー補給量の特性を示すグラフである。ここでは、トナー補給量Mが画像面積比率に正比例している。
【0061】
図12は、画像面積比率に対するトナー補給ローラ307の回転時間T0の特性を示すグラフである。このグラフは、画像面積比率に正比例するトナー補給量を補給するのに要するトナー補給ローラ307の回転時間T0を実験的に求めて示しており、画像面積比率がトナー補給ローラ307の回転時間T0に正比例している。このグラフの特性を関数やデータテーブルとしてROM66に予め記憶しておく。そして、トナー補給量設定部74は、ROM66内の該特性を参照して、画像面積比率に対応するトナー補給ローラ307の回転時間T0を求め、この回転時間T0だけトナー補給ローラ307を回転させて、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーを現像装置33に補給する。
【0062】
尚、図11のグラフに示す様に画像面積比率がH1,H2,…に達する度に、トナー補給量をM1,M2,…と段階的に増大させても良い。この場合は、トナー補給ローラ307の回転時間も段階的に変更することになる。
【0063】
次に、トナー補給動作の時期及びトナー攪拌継続時間の設定手順について説明する。
【0064】
画像面積比率が高いときには、トナー消費量が多く、トナーの補給動作を直ちに行なう必要がある。これに対して画像面積比率が低いときには、トナー消費量が少なく、現像装置33へのトナーの補給を直ちに行なわなくても、画像品質の低下が見られないため、一連の画像の複写を終了した後にトナー補給動作を行ない、複写中にトナー補給動作を行なわない。
【0065】
一方、画像面積比率が高いときには、トナー消費量が多く、トナー補給量も多いため、現像装置33内の2成分現像剤の攪拌継続時間を長くする必要がある。画像面積比率が低いときには、トナー消費量が少なく、トナー補給量も少ないため、2成分現像剤の攪拌継続時間を短くする。
【0066】
図13は、トナー補給量Mに対する攪拌継続時間の特性を示すグラフである。また、図15は、画像面積比率に対する攪拌継続時間の特性を示すグラフである。これらのグラフから明らかな様に、攪拌継続時間がトナー補給量Mと画像面積比率に正比例している。
【0067】
図13のトナー補給量Mに対する攪拌継続時間の特性又は図15のグラフの画像面積比率に対する攪拌継続時間の特性は、ROM66に予め記憶されている。CPU68は、トナーの攪拌に際し、ROM66内の特性を参照して、トナー補給量Mに対する攪拌継続時間又は画像面積比率に対する攪拌継続時間を求め、この攪拌継続時間だけ、現像器駆動回路64を通じて現像器駆動モータ63を駆動制御し、各搬送スクリュー304,305、攪拌部材303、及び現像スリーブ33Aを回転させて、現像装置33内の2成分現像剤を攪拌する。
【0068】
尚、図14のグラフに示す様にトナー補給量Mがm1,m2,…に達する度に、攪拌継続時間をT1,T2,…と段階的に増大させたり、図16のグラフに示す様に画像面積比率がH1,H2,…に達する度に、攪拌継続時間をT1,T2,…と段階的に増大させても良い。
【0069】
図17は、この様な画像面積比率に対するトナー濃度閾値の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【0070】
尚、トナー濃度閾値を補正する代わりに、トナー濃度センサSの検出出力VTを補正しても構わない。この場合は、画像面積比率に対するトナー濃度センサSの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を図18の図表の通りに設定すれば良い。
【0071】
また、トナー濃度センサSとして正特性のものを適用した場合は、トナー濃度閾値の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を図19の図表の通りに設定するか、あるいはトナー濃度センサSの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を図20の図表の通りに設定すれば良い。
【0072】
次に、原稿の画像の複写に際し、現像装置33内のトナー濃度を常に安定化させ、かつトナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行なうための処理手順を図21のフローチャートに従って説明する。
【0073】
まず、画像形成装置1の操作パネル(図示せず)がユーザにより操作されて、記録部数Xが入力され(ステップS101)、スタートボタン(図示せず)が押される(ステップS102)。これに応答してCPU68は、画像読み取り部10を制御して、N枚の原稿の読み取りを開始し(ステップS103)、N枚の原稿を示す画像データをRAM67に一旦記憶する。
【0074】
この後、画像形成面積検出部71によりRAM67内のN枚の原稿の複写領域の総面積が求められ(ステップS104)、被現像面積検出部72によりN枚の原稿の静電潜像の総面積が求められ(ステップS105)、画像面積比率演算部73により画像面積比率が求められ(ステップS106)、トナー補給量設定部74により画像面積比率に対応するトナー補給量を補給するのに必要なトナー補給ローラ307の回転時間T0が求められる(ステップS107)。
【0075】
更に、CPU68は、画像面積比率を予め設定された閾値と比較し、画像面積比率が閾値よりも高いか否かを判定する(ステップS108)。そして、例えば画像面積比率が閾値よりも高ければ(ステップS108で「LOW」)、CPU68は、ROM66内のデータテーブルDTを参照して、画像面積比率及び記録用紙の連続複写枚数に対応する補正量ΔVtを求め、トナー濃度閾値を(V0+ΔVt)に設定する(ステップS109)。
【0076】
更に、CPU68は、N枚の原稿の画像データをRAM67から読み取りつつ、レーザ書込み部20、画像形成部30、及び給紙部40を制御して、N×X枚の記録用紙への複写を行ない(ステップS111)、このN×X枚の記録用紙への複写が終了するまで待機する(ステップS112で「No」)。そして、この複写が終了すると(ステップS112で「Yes」)、トナー補給量設定部74は、ステップS107で求められた回転時間T0だけ、トナー補給ローラモータ駆動回路62を通じてトナー補給ローラモータ61を駆動制御して、トナー補給ローラ307を回転させ、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーを現像装置33に補給する(各ステップS113,S114)。
【0077】
また、トナーの補給動作と同時に、CPU68は、ROM66内の図13のトナー補給量Mに対する攪拌継続時間の特性又は図15のグラフの画像面積比率に対する攪拌継続時間の特性を参照して、攪拌継続時間を求め、この攪拌継続時間だけ、現像器駆動回路64を通じて現像器駆動モータ63を駆動制御して、現像装置33内の各搬送スクリュー304,305、攪拌部材303、及び現像スリーブ33Aを回転させ、2成分現像剤を攪拌する。通常、トナー補給ローラ307の回転時間T0よりも攪拌継続時間が長いことから、トナー補給ローラ307が停止された後も、2成分現像剤の攪拌が継続される(ステップS115)。そして、攪拌継続時間が経過して、現像器駆動モータ63が停止されると、トナー濃度センサSの検出出力VTがステップS109で補正されたトナー濃度閾値(V0+ΔVt)と比較され、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)未満であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超えていれば(ステップS116で「Yes」)、次のステップS117に移る。また、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)以上であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値以下であれば(ステップS116で「No」)、2成分現像剤の攪拌が再開されて、2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超える様に調整にされる。
【0078】
こうして2成分現像剤のトナー濃度が調整されると、CPU68は、トナー濃度閾値を(V0+ΔVt)から元のV0に戻し(ステップS117)、次の一連の画像の複写が指示されているか否かを判定し(ステップS118)、次の複写が指示されていれば(ステップS118で「Yes」)、ステップS101に戻り、次の複写が指示されていなければ(ステップS118で「No」)、この処理を終了する。
【0079】
一方、画像面積比率が閾値よりも高いと判定されると(ステップS108で「HIGH」)、CPU68は、ROM66内のデータテーブルDTを参照して、補正量ΔVtを求め、トナー濃度閾値を(V0+ΔVt)に設定する(ステップS110)。
【0080】
そして、トナー補給量設定部74は、ステップS107で求められた回転時間T0だけ、トナー補給ローラ307を回転させ、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーを現像装置33に補給する(各ステップS119,S120)。
【0081】
また、トナーの補給動作と同時に、CPU68は、ROM66内の特性を参照して、攪拌継続時間を求め、この攪拌継続時間だけ、現像器駆動モータ63を駆動制御して、2成分現像剤を攪拌する。このとき、トナー補給ローラ307が停止された後も、2成分現像剤の攪拌が継続される(ステップS121)。そして、攪拌継続時間が経過し、トナー濃度センサSの検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)未満であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超えていれば(ステップS122で「Yes」)、次のステップS123に移る。また、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)以上であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値以下であれば(ステップS122で「No」)、2成分現像剤の攪拌が再開されて、2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超える様に調整にされる。
【0082】
こうして2成分現像剤のトナー濃度が調整されると、CPU68は、N枚の原稿の画像データをRAM67から読み取りつつ、レーザ書込み部20、画像形成部30、及び給紙部40を制御して、N×X枚の記録用紙への複写を行ない(ステップS123)、このN×X枚の記録用紙への複写が終了するまで待機する(ステップS124で「No」)。そして、複写が終了すると(ステップS124で「Yes」)、トナー濃度閾値を(V0+ΔVt)から元のV0に戻し(ステップS117)、次の複写が指示されていれば(ステップS118で「Yes」)、ステップS101に戻り、次の複写が指示されていなければ(ステップS118で「No」)、この処理を終了する。
【0083】
この様な処理では、画像面積比率が閾値よりも低く、トナー消費量が少ないときには、画像の複写によりトナー濃度が殆ど低下しないので、画像の複写を実行してから、トナーの補給並びに攪拌を行なっている。これにより、画像の複写に要する時間を短縮化することができる。また、画像面積比率が閾値よりも高く、トナー消費量が多いときには、トナーの補給並びに攪拌を行なってから、画像の複写を実行している。これにより、トナーを十分に攪拌して帯電させることができ、画像品質の劣化を防止することができる。
【0084】
図22は、図21の処理手順の変形例を示すフローチャートである。この変形例のフローチャートにおいては、図21のステップS112の次にステップS131を挿入して付加すると共に、図21のステップS110の次にステップS132を挿入して付加している。
【0085】
ここでは、例えば画像面積比率が閾値よりも低いと判定されると(ステップS108で「LOW」)、トナー濃度閾値が(V0+ΔVt)に補正され(ステップS109)、N×X枚の記録用紙への複写が行なわれ(ステップS111)、このN×X枚の記録用紙への複写の終了が待機される(ステップS112)。
【0086】
そして、この複写が終了すると(ステップS112で「Yes」)、CPU68は、トナー濃度センサSの検出出力VTをステップS109で補正されたトナー濃度閾値(V0+ΔVt)と比較する(ステップS131)。そして、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)以上であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値以下であれば(ステップS131で「No」)、ステップS107で求められた回転時間T0だけ、トナー補給ローラ307が回転され、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーが現像装置33に補給され(各ステップS113,S114)、更に2成分現像剤の攪拌が継続されつつ(ステップS115)、2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超える様に調整され(ステップS116)、この後にステップS117に移る。
【0087】
また、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)未満であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超えていれば(ステップS131で「Yes」)、各ステップS113〜S116を行なわずに、つまりトナーの補給並びに攪拌を行なわずに、ステップS117に移る。
【0088】
一方、画像面積比率が閾値よりも高いと判定されると(ステップS108で「HIGH」)、トナー濃度閾値が(V0+ΔVt)に補正され(ステップS109)、トナー濃度センサSの検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)と比較される(ステップS132)。そして、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)以上であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値以下であれば(ステップS132で「No」)、ステップS107で求められた回転時間T0だけ、トナー補給ローラ307が回転され、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーが現像装置33に補給され(各ステップS119,S120)、更に2成分現像剤の攪拌が継続されつつ(ステップS121)、2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超える様に調整され(ステップS122)、この後にステップS123に移る。
【0089】
また、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)未満であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超えていれば(ステップS132で「Yes」)、各ステップS119〜S122が行なわれずに、つまりトナーの補給並びに攪拌が行なわれずに、ステップS123に移る。
【0090】
この様に2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超えているか否かを判定し、2成分現像剤のトナー濃度が規定値以下のときにだけ、トナーの補給並びに攪拌を行なえば、無駄な動作を行なわずに済む。また、トナー濃度センサSの検出出力VTをステップS109で補正されたトナー濃度閾値(V0+ΔVt)と比較することにより、2成分現像剤のトナー濃度が規定値以下であるか否かを判定しているので、先に述べたトナー濃度のオーバシュートやアンダーシュートを回避することができる。
【0091】
図23は、図21の処理手順の他の変形例を示すフローチャートである。この他の変形例のフローチャートにおいては、トナー濃度閾値を補正する代わりに、トナー濃度センサSの検出出力VTを補正しており、図21の各ステップS109,S110,S117の代わりに、各ステップS141,S142,S143を挿入している。
【0092】
ここでは、例えば画像面積比率が閾値よりも低いと判定されると(ステップS108で「LOW」)、CPU68は、ROM66内のデータテーブルDTを参照して、画像面積比率及び記録用紙の連続複写枚数に対応する補正量ΔVtを求め、トナー濃度センサSの検出検出出力VTを(VT−ΔVt)に設定する(ステップS141)。
【0093】
そして、N×X枚の記録用紙への複写が行なわれ(ステップS111)、このN×X枚の記録用紙への複写の終了が待機される(ステップS112)。この複写が終了すると(ステップS112で「Yes」)、ステップS107で求められた回転時間T0だけ、トナー補給ローラ307が回転され、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーが現像装置33に補給され(各ステップS113,S114)、更に2成分現像剤の攪拌が継続されつつ(ステップS115)、2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超える様に調整される(ステップS116)。
【0094】
こうして2成分現像剤のトナー濃度が調整されると、CPU68は、トナー濃度センサSの検出出力VTの補正を解除し(ステップS142)、次の複写が指示されていれば(ステップS118で「Yes」)、ステップS101に戻り、次の複写が指示されていなければ(ステップS118で「No」)、この処理を終了する。
【0095】
また、画像面積比率が閾値よりも高いと判定されると(ステップS108で「HIGH」)、CPU68は、ROM66内のデータテーブルDTを参照して、補正量ΔVtを求め、トナー濃度センサSの検出検出出力VTを(VT+ΔVt)に設定する(ステップS143)。そして、ステップS107で求められた回転時間T0だけ、トナー補給ローラ307が回転され、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーが現像装置33に補給され(各ステップS119,S120)、更に2成分現像剤の攪拌が継続されつつ(ステップS121)、2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超える様に調整される(ステップS122)。
【0096】
引き続いて、CPU68は、N×X枚の記録用紙への複写を行ない(ステップS123)、このN×X枚の記録用紙への複写が終了すると(ステップS124で「Yes」)、トナー濃度センサSの検出出力VTの補正を解除する(ステップS142)。更に、次の複写が指示されていれば(ステップS118で「Yes」)、ステップS101に戻り、次の複写が指示されていなければ(ステップS118で「No」)、この処理を終了する。
【0097】
尚、本実施形態では、トナー消費量を示す指標として画像面積比率を求め、この画像面積比率を用いているが、この画像面積比率の代わりに、画像密度を求めて用いても良い。
【0098】
この画像密度は、画像全体の濃度を表わしており、トナー消費量を示すものである。特に、濃淡画像の場合は、静電画像の面積だけではなく、画像の濃淡によってトナー消費量が変動するので、この画像密度を用いることが好ましい。ただし、2値画像の場合は、画像の濃淡を考慮する必要がないので、演算処理が簡単であり、短時間で求められる画像面積比率を用いることが好ましい。
【0099】
画像密度を用いる場合は、CCD14の出力レベルが画像の濃淡に対応することから、CCD14の出力レベルと画像密度の関係を実験的に求めて、この関係を表わす数式やデータテーブルを求め、これらの数式やデータテーブルをROM66を記憶しておく。そして、原稿の画像の複写に際し、ROM66内の数式やデータテーブルを参照して、CCD14の出力レベルに対応する画像密度を求めれば良い。
【0100】
また、画像密度を用いる場合も、画像面積比率と同様に、トナー濃度閾値の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を設定することができる。
【0101】
図24は、画像密度に対するトナー濃度閾値の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【0102】
尚、トナー濃度閾値を補正する代わりに、トナー濃度センサSの検出出力VTを補正しても構わない。この場合は、画像密度に対するトナー濃度センサSの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を図25の図表の通りに設定すれば良い。
【0103】
また、トナー濃度センサSとして正特性のものを適用した場合は、トナー濃度閾値の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を図26の図表の通りに設定するか、あるいはトナー濃度センサSの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を図27の図表の通りに設定すれば良い。
【0104】
【発明の効果】
以上説明した様に本発明によれば、トナー消費量に応じて、トナー補給量と、トナー濃度センサの検出出力及びトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方と、トナー補給動作及び画像形成動作の動作順序とを制御し、これによって現像装置内のトナー濃度を常に安定化させ、かつトナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行なうことを可能にしている。
【0105】
また、画像形成装置が複写機である場合は、スキャナーによって読み取られた原稿の画像を記録用紙に記録するのに必要なトナー消費量を求めている。
【0106】
更に、画像面積比率あるいは画像密度をトナー消費量として算出している。
【0107】
また、画像形成動作別に、トナー濃度やトナー補給動作等を制御して、多様な画像の品位を向上させている。
【0108】
更に、トナー消費量が多いときには、トナー補給動作の時期を早めて、トナー濃度の低下を未然に防止している。
【0109】
また、トナー補給量に応じて、現像装置内のトナー攪拌継続時間を設定し、トナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行なっている。
【0110】
更に、画像形成動作よりも先にトナー補給動作及びトナー攪拌動作を行い、これによってトナーの補給、混合、攪拌、及び帯電を十分に行なっている。
【0111】
また、トナー消費量が高いときには、画像形成動作の開始前にトナー補給動作の時期を設定して、画像形成動作中にトナー濃度が著しく低下することを防止している。また、トナー消費量が低いときには、画像形成動作の終了後にトナー補給動作の時期を設定して、画像形成動作を優先し、画像形成を速やかに行なっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態を示す側面図である。
【図2】図1の画像形成装置における現像装置の構成を示す側面図である。
【図3】図2の現像装置のトナー濃度センサの構成を示すブロック図である。
【図4】2成分現像剤のトナー濃度Tに対するトナー濃度センサの検出出力VTの特性を示すグラフである。
【図5】図1の画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
【図6】画像面積比率に対するトナー濃度閾値V0の補正量ΔVtの特性を示すグラフである。
【図7】連続複写枚数に対するトナー濃度閾値V0の補正量ΔVtの特性を示すグラフである
【図8】画像面積比率及び連続複写枚数に対応する補正量ΔVtを記録したデータテーブルを示す図である。
【図9】図5のCPUにおける画像面積比率及びトナー補給量を求めるための構成を示すブロック図である。
【図10】画像面積比率に対するトナー補給量の特性を示すグラフである。
【図11】画像面積比率に対するトナー補給量の他の特性を示すグラフである。
【図12】画像面積比率に対するトナー補給ローラの回転時間T0の特性を示すグラフである。
【図13】トナー補給量Mに対する攪拌継続時間の特性を示すグラフである。
【図14】トナー補給量Mに対する攪拌継続時間の他の特性を示すグラフである。
【図15】画像面積比率に対する攪拌継続時間の特性を示すグラフである。
【図16】画像面積比率に対する攪拌継続時間の他の特性を示すグラフである。
【図17】負特性のトナー濃度センサについて、画像面積比率に対するトナー濃度閾値V0の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図18】負特性のトナー濃度センサについて、画像面積比率に対するトナー濃度センサの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図19】正特性のトナー濃度センサについて、画像面積比率に対するトナー濃度閾値V0の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図20】正特性のトナー濃度センサについて、画像面積比率に対するトナー濃度センサの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図21】本実施形態の画像形成装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図22】図21の処理手順の変形例を示すフローチャートである。
【図23】図21の処理手順の他の変形例を示すフローチャートである。
【図24】負特性のトナー濃度センサについて、画像密度に対するトナー濃度閾値V0の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図25】負特性のトナー濃度センサについて、画像密度に対するトナー濃度センサの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図26】正特性のトナー濃度センサについて、画像密度に対するトナー濃度閾値V0の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図27】正特性のトナー濃度センサについて、画像密度に対するトナー濃度センサの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図28】従来の装置におけるトナー濃度の変動を示すグラフである。
【符号の説明】
1 画像形成装置
10 画像読取り部
20 レーザ書込み部
30 画像形成部
33 現像装置
40 給紙部
61 トナー補給ローラモータ
62 トナー補給ローラモータ駆動回路
63 現像器駆動モータ
64 現像器駆動回路
65 I/O回路
66 ROM
67 RAM
68 CPU
71 画像形成面積検出部
72 被現像面積検出部
73 画像面積比率演算部
74 トナー補給量設定部
S トナー濃度センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式あるいは静電記録方式の画像形成装置に設けられるトナー補給装置、それを備える画像形成装置、及びトナー補給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知の様に電子写真方式あるいは静電記録方式の画像形成装置としては、デジタル複写機、レーザプリンタ、及びLEDプリンタ等がある。
【0003】
この様な画像形成装置では、原稿の画像を読み取って、この画像を示す画像データをメモリに一旦記憶し、この画像データによって示される画像を感光体上に静電潜像として形成し、この感光体上の静電潜像をトナーにより現像して、このトナーの画像を記録用紙に転写して定着させている。このトナーは、磁性体キャリアと混合され、2成分現像剤として用いられることが多く、現像装置内の2成分現像剤のトナー濃度をトナー濃度センサにより検出し、このトナー濃度が予め設定された閾値以下まで低下すると、トナーを現像装置内に補給し、これによりほぼ一定のトナー濃度を常に維持している。また、トナーの補給動作に際しては、現像装置内の2成分現像剤を攪拌して、トナーを2成分現像剤中に均一に混合し、かつトナーを十分に帯電させている。
【0004】
トナーの補給は、トナー補給装置により行われており、一回当たりのトナー補給量が常に一定となる様にトナー補給装置を制御している。従って、全体が黒ベタの様な印字率100%の画像や印字率20%〜30%の画像のいずれに対しても、一定量のトナーが補給されることになる。この一定量としては、最大サイズの記録用紙の記録に用いられる平均的なトナーの消費量が設定される。また、実際には、記録用紙一枚単位でトナー補給量を制御するのではなく、複数枚単位でトナー補給量を制御している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の様にトナー補給量を常に一定に制御すると、文字原稿の画像の様に印字率が3%〜10%程度と低く、トナー消費量が少ない画像の記録が連続したときには、2成分現像剤に対するトナー補給量が過剰になり易く(トナー濃度が高くなる傾向にあり)、トナーの飛散や記録用紙の地肌の汚れ(BG低下)等の問題が発生した。逆に、グラフィックや写真の画像の様に印字率が高くて、トナー消費量が多い画像の記録が連続したときには、2成分現像剤に対するトナー補給量が不足し易く(トナー濃度が低下する傾向にあり)、記録用紙上の画像濃度が低下するという問題が発生した。
【0006】
また、記録用紙へとトナーを供給するトナー供給位置でのトナー濃度、例えば現像装置内のスリーブでのトナー濃度に着目すると、このトナー濃度が図28のグラフに示す様に変動していた。このグラフにおいて、縦軸には初期のトナー濃度を0としたときのトナー濃度の変動率を示し、また横軸には画像が記録された記録用紙の枚数を示している。
【0007】
ここで、全体が白ベタの画像(階調レベルが0/255)を連続記録した直後にハーフトーンの画像(例えば階調レベルが48/255)を連続記録したり、あるいは逆にハーフトーンの画像を連続記録紙した直後に白ベタの画像を連続記録したときには、トナー濃度が図28の点線の特性曲線S1に示す様に変動し、トナー濃度の変動が±1wt%の範囲に収まった。
【0008】
ところが、白ベタの画像を連続記録した直後に黒ベタの画像を連続記録したときには、トナー濃度が図28の領域Aにおける実線の特性曲線S2に示す様に変動し、トナー濃度が約−1.3%まで低下してアンダーシュートした。このアンダーシュートの原因は、黒ベタの画像の記録が開始されると、現像装置内のトナー供給位置でのトナー濃度が直ちに低下するものの、現像装置内の2成分現像剤全体の平均的なトナー濃度が遅れて低下するので、トナー濃度センサによって検出されるトナー濃度が閾値以下となるまでに時間が費やされ、この時間だけトナー補給動作が遅れ、この時間にトナーが急激に消費され続けるためである。
【0009】
逆に、黒ベタの画像を連続記録した直後に白ベタの画像を連続記録したときには、トナー濃度が図28の領域Bにおける実線の特性曲線S2に示す様に変動し、トナー濃度がオーバシュートした。このオーバシュートの原因は、黒ベタの画像の連続記録中はトナー補給動作が継続されており、白ベタの画像の記録が開始されると、トナーの消費が停止されるものの、現像装置内の2成分現像剤全体の平均的なトナー濃度が遅れて上昇するので、トナー濃度センサによって検出されるトナー濃度が閾値を超えるまでに時間が費やされ、この時間だけトナー補給動作が更に継続されるためである。
【0010】
このため、例えば特開平4−204468号公報では、画像の印字率に応じてトナー濃度と比較されるトナー濃度閾値を変更して、トナー濃度を制御したり、トナー補給量に応じてトナーの攪拌継続時間を変更し、これによりトナー濃度の低下を防いだり、トナーの帯電量を安定化させ、画像品質を良好に保つという技術が開示されている。
【0011】
しかしながら、ここでは、トナー補給動作と画像形成動作を常に並行させ、トナー補給量をトナー消費量に追従させていた。このため、トナー消費量が急激に上昇したときには、トナーの供給が優先されて、トナーの混合及び攪拌が現像装置内で僅かに行われるだけとなり、十分に帯電されていないトナーが供給されてしまい、画像品質の低下を生じることがあった。また、トナー消費量に対してトナー補給量が追従せず、トナーエンプティとなって、画像形成装置が停止することもあった。
【0012】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、現像装置内のトナー濃度を常に安定化させ、かつトナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行ない得るトナー補給装置、画像形成装置、及びトナー補給方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、現像装置内のトナー濃度をトナー濃度センサにより検出し、トナー濃度センサの検出出力とトナー濃度閾値の比較に基づいて、トナーを現像装置に補給するトナー補給装置において、画像を示す画像データに基づいて、トナー消費量を算出する演算手段と、トナー消費量に応じて、トナー補給量と、トナー濃度センサの検出出力及びトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方と、トナー補給動作及び画像形成動作の動作順序とを制御する制御手段とを備えている。
【0014】
この様な構成の本発明によれば、トナー消費量に応じて、トナー補給量と、トナー濃度センサの検出出力及びトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方と、トナー補給動作及び画像形成動作の動作順序とを制御している。トナー補給量を制御することにより、現像装置内のトナー濃度を変更することができる。また、トナー濃度センサの検出出力及びトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方を制御することにより、トナー濃度がトナー濃度閾値以下になったときに開始されるトナー補給動作のタイミングを変更することができる。更に、トナー補給動作及び画像形成動作の動作順序を制御することにより、例えばトナー補給動作を優先させて、トナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行ってから、画像形成動作を行なうことが可能になる。従って、これらの制御を適宜に組み合わせることにより、現像装置内のトナー濃度を常に安定化させ、かつトナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行なうことが可能になる。
【0015】
また、本発明においては、演算手段は、原稿を読み取ることにより生成され画像データに基づいて、トナー消費量を算出している。
【0016】
ここでは、複写機を前提としており、スキャナーによって読み取られた原稿の画像を記録用紙に記録するのに必要なトナー消費量を求めている。
【0017】
更に、本発明においては、演算手段は、画像全体の面積に対するトナーの付着面積を表す画像面積比率をトナー消費量として算出している。あるいは、演算手段は、画像全体の濃度を表す画像密度をトナー消費量として算出している。
【0018】
画像面積比率及び画像密度のいずれも、トナー消費量に対応している。
【0019】
また、本発明においては、制御手段は、画像形成動作の度に、トナー濃度センサの検出出力とトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方を変更し、画像形成動作の終了時にトナー濃度センサの検出出力とトナー濃度閾値を変更前の状態に戻している。
【0020】
これにより画像形成動作の度に、トナー濃度やトナー補給動作等を制御することができる。
【0021】
更に、本発明においては、制御手段は、画像形成動作の度に、トナー補給動作の時期を変更している。
【0022】
例えば、トナー消費量が多いときには、トナー補給動作の時期を早めて、トナー濃度の低下を未然に防止している。
【0023】
また、本発明においては、制御手段は、トナー補給量に応じて、現像装置内のトナー攪拌継続時間を設定している。
【0024】
このため、トナー補給量が多くても、トナーの混合、攪拌、及び帯電が十分に行われる。
【0025】
更に、本発明においては、制御手段は、現像装置内のトナー攪拌動作をトナー補給動作と共に制御して、トナー補給動作及びトナー攪拌動作を画像形成動作の期間から外している。
【0026】
例えば、画像形成動作よりも先にトナー補給動作及びトナー攪拌動作を行い、これによってトナーの補給、混合、攪拌、及び帯電を十分に行なう。
【0027】
また、本発明においては、制御手段は、トナー消費量が高い場合は、画像形成動作の開始前にトナー補給動作の時期を設定し、トナー消費量が低い場合は、画像形成動作の終了後にトナー補給動作の時期を設定している。
【0028】
この様にトナー消費量が高いときに、画像形成動作の開始前にトナー補給動作の時期を設定すれば、画像形成動作中にトナー濃度が著しく低下することを防止することができる。また、トナー消費量が低いときに、画像形成動作の終了後にトナー補給動作の時期を設定すれば、画像形成動作が優先されるので、画像形成を速やかに行なうことができる。
【0029】
次に、本発明の画像形成装置は、本発明のトナー補給装置を備えている。
【0030】
また、本発明は、現像装置内のトナー濃度をトナー濃度センサにより検出し、トナー濃度センサの検出出力とトナー濃度閾値の比較に基づいて、トナーを現像装置に補給するトナー補給方法において、画像を示す画像データに基づいて、トナー消費量を算出する演算ステップと、ナー消費量に応じて、トナー補給量と、トナー濃度センサの検出出力及びトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方と、トナー補給動作及び画像形成動作の動作順序とを制御する制御ステップとを含んでいる。
【0031】
この様な画像形成装置及びトナー補給方法のいずれによっても、本発明のトナー補給装置と同様の作用並びに効果が達成される。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の画像形成装置の一実施形態を示す側面図である。本実施形態の画像形成装置1は、原稿の画像を読み取り、電子写真方式により原稿の画像を記録用紙上に複写するものであって、画像読取り部10、レーザ書込み部20、画像形成部30、及び給紙部40を備えている。
【0034】
画像読み取り部10では、第1及び第2走査ユニット11,12を相互に所定の速度関係を維持しつつ移動させ、第1走査ユニット11によってプラテンD上の原稿の画像を露光し、第1及び第2走査ユニット11,12によって原稿からの反射光をレンズ13へと導き、レンズ13によって原稿の画像を光電変換素子(以下CCDと称する)14上に結像する。CCD14は、原稿の画像を主走査方向に繰り返し走査して読み取り、原稿の画像を示す画像データを出力する。この画像データは、RAM(図示せず)に一旦記憶される。
【0035】
レーザ書込み部20では、画像データをRAMから読み出し、この画像データに対応する駆動信号をレーザダイオードに印加して、レーザダイオードから出射されるレーザ光を変調し、このレーザ光をモータ21により定速回転されるポリゴンミラー22で反射させて、このレーザ光を各折り返しミラー24,25,26及びレンズ23を介して画像形成部30の感光体ドラム32の表面に入射させ、このレーザ光により感光体ドラム32の表面を主走査方向に繰り返し露光走査する。このとき、感光体ドラム32は、副走査方向に回転しており、レーザ光の主走査と感光体ドラム32の副走査により該感光体ドラム32表面に静電潜像が形成される。
【0036】
画像形成部30では、感光体ドラム32を一方向に回転させつつ、感光体ドラム32表面の残留トナーをクリーナ39により除去し、イレーザランプの光を感光体ドラム32表面に照射して、感光体ドラム32の表面を除電し、更に感光体ドラム32表面を帯電チャージャー31により一様に帯電させてから、感光体ドラム32表面をレーザ書込み部20からのレーザ光で露光走査させて、感光体ドラム32表面に静電潜像を形成し、感光体ドラム32表面の静電潜像を現像装置33により現像して、感光体ドラム32表面にトナー像を形成する。
【0037】
一方、給紙部40では、記録用紙Pを給紙ローラ41Aにより用紙カセット41から引き出し、この記録用紙を各搬送ローラ43により各レジストローラ44まで搬送し、この記録用紙を各レジストローラ44により感光体ドラム32表面の静電潜像のタイミングに合わせて搬送し、感光体ドラム32の表面のトナー像を転写チャージャ34により記録用紙に転写させる。更に、記録用紙を分離機35により除電して感光体ドラム32から剥離させ、この記録用紙を搬送ベルト36により定着装置37まで搬送し、記録用紙を定着装置37の各ローラ37A,37Bにより加熱及び加圧して、記録用紙上のトナー像を定着させてから、記録用紙を各排出ローラ38,45により排紙トレイ50へと排出する。
【0038】
図2は、現像装置33の構成を示す側面図である。この現像装置33では、非磁性体のトナーと磁性体キャリアとを混合した2成分現像剤を収容しており、現像スリーブ33Aを矢印方向に回転させつつ、現像スリーブ33A内のマグネットローラの磁力により該現像スリーブ33A表面に2成分現像剤を吸着保持して、ドクターブレード302により現像スリーブ33A表面に一定厚みの2成分現像剤の層を形成し、感光体ドラム32と対向する側で、現像スリーブ33A表面部位から感光体ドラム32へと2成分現像剤層のトナーを飛翔させて、感光体ドラム32表面の静電潜像をトナーにより現像し、感光体ドラム32表面にトナー像を形成する。
【0039】
また、現像装置33では、その上面にトナー補給口306を有し、その底面の2成分現像剤と接触し易い位置にトナー濃度センサSを設けている。トナー濃度センサSは、2成分現像剤中のトナー濃度を検出するものであり、その構成を後で詳しく述べる。
【0040】
更に、現像装置33では、一対の搬送スクリュー304,305及び攪拌部材303をそれぞれの矢印方向に回転させており、これらの回転により2成分現像剤を攪拌して、トナーを磁性体キャリアに均一に混合しつつ、2成分現像剤を現像スリーブ33A表面に供給している。この2成分現像剤の攪拌に際し、トナー濃度センサSにより2成分現像剤中のトナー濃度を検出し、このトナー濃度が低下して来ると、トナー補給ローラ307を回転させて、トナーをトナー補給口306から補給し、トナー濃度を高める。
【0041】
図3は、トナー濃度センサSの構成を示すブロック図である。図3から明らかな様にトナー濃度センサSは、透磁率センサであって、差動トランス方式のものであり、差動トランス50、交流電源54、調整用ネジコア55、位相比較回路57、及び平滑回路58を備えている。
【0042】
差動トランス50は、一次コイル51、及び二次側の直列接続された基準コイル52と検知コイル53を備えており、交流電源54からの交流電圧が一次コイル51に供給される。また、基準コイル52と検知コイル53は、略同一の巻数であって、かつ逆極性となっている。調整用ネジコア55は、一次コイル51と基準コイル52に挿入されており、該各コイル51,52間のインダクタンスを調整するために、その位置を変更される。
【0043】
ここで、2成分現像剤は、非磁性体のトナーを磁性体キャリアに混合したものである。このため、2成分現像剤の単位体積当たりのトナーの量が多くなると、単位体積当たりの磁性体キャリアの量が少なくなり、2成分現像剤の磁気抵抗が大きくなる。逆に、単位体積当たりのトナーの量が少なくなると、単位体積当たりの磁性体キャリアの量が多くなり、2成分現像剤の磁気抵抗が小さくなる。トナー濃度センサSは、その様な2成分現像剤の磁気抵抗を検出し、この磁気抵抗に対応する単位体積当たりトナーの量、つまりトナー濃度を検出する。
【0044】
より具体的には、トナー濃度センサSは、2成分現像剤が一次コイル51と検知コイル53の近傍位置Pに流れる様に配置される。このため、2成分現像剤が一次コイル51と検知コイル53の磁心として作用し、該2成分現像剤の磁気抵抗により該各コイル51,53間のインダクタンスが決まり、検知コイル53の電圧信号が決まる。従って、検知コイル53の電圧信号は、2成分現像剤のトナー濃度に対応する。
【0045】
位相比較回路57は、一次コイル51の電圧信号と検知コイル53の電圧信号とを入力し、これらの電圧信号の排他的論理和を求めて、この排他的論理和を示す信号を出力する。平滑回路58は、この排他的論理和を示す信号を入力すると、この排他的論理和を示す信号を平滑化して、直流電圧VTを出力する。この直流電圧VTは、トナー濃度を示しており、トナー濃度センサSの検出出力として出力される。
【0046】
図4は、2成分現像剤のトナー濃度Tに対するトナー濃度センサSの検出出力VTの特性を示すグラフである。このグラフから明らかな様にトナー濃度Tが低いときにはトナー濃度センサSの検出出力VTが高くなり、逆にトナー濃度Tが高いときにはトナー濃度センサSの検出出力VTが低くなる。例えば、トナー濃度がT0からT1へと減少すると、検出出力VTがVT0からVT1へと増加する。
【0047】
尚、トナー濃度センサSとして、トナー濃度が低くなる程、その検出出力VTが高くなる負特性のものを例示しているが、トナー濃度が低くなる程、その検出出力VTが低くなる正特性のものを適用しても構わない。
【0048】
図5は、本実施形態の画像形成装置1の制御系を示すブロック図である。本実施形態の画像形成装置1では、現像装置33のトナー補給ローラ307を回転させるトナー補給ローラモータ61、トナー補給ローラモータ61を駆動制御するトナー補給ローラモータ駆動回路62、現像装置33の各搬送スクリュー304,305、攪拌部材303、及び現像スリーブ33Aを回転させる現像器駆動モータ63、現像器駆動モータ63を駆動制御する現像器駆動回路64、各駆動回路62,64への制御信号、トナー濃度センサSからの検出出力VT、CCD14からの画像データを入出力するI/O回路65、各種のプログラムやデータを記憶したROM66、各種のデータを記憶したり、ワーキングエリアとして用いられるRAM67、及び画像形成装置1を統括的に制御するCPU68を備えている。
【0049】
CPU68は、それぞれの制御信号をI/O回路65を介してトナー補給ローラモータ駆動回路62及び現像器駆動回路64に出力して、各駆動回路62,64を制御し、これによりトナー補給ローラモータ61及び現像器駆動モータ63を回転させる。また、CPU68は、トナー濃度センサSからの検出出力VTをI/O回路65を介して入力し、検出出力VTに対応するトナー濃度を判定する。更に、CPU68は、原稿の画像を示す画像データをCCD14からI/O回路65を介して入力すると、この画像データをRAM67に一旦蓄積し、このRAM67内の画像データに基づいて、この画像データによって示される原稿の画像面積比率(印字率とも言う)を算出する。複数枚の原稿を読み取ったときには、各原稿を示すそれぞれの画像データをRAM67に一旦蓄積して、これらの画像データに基づいて、各原稿の画像面積比率を算出する。この画像面積比率は、画像を記録用紙に記録するためのトナー消費量に対応する。
【0050】
さて、この様な構成の画像形成装置において、CPU68は、原稿の画像の複写に際し、トナー消費量に対応する画像面積比率に基づいて、トナー濃度閾値を補正したり、トナー補給量、トナー補給動作の時期、トナー攪拌継続時間を設定し、これにより現像装置33内のトナー濃度を常に安定化させ、かつトナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行っている。
【0051】
ここで、トナー濃度閾値の補正手順について説明する。
【0052】
画像面積比率が低いときには、トナー消費量が少なく、トナー濃度が過剰になり易いため(オーバシュート)、トナー濃度センサSの検出出力VTと比較されるトナー濃度閾値V0を高くする。トナー濃度センサSは、トナー濃度が低くなる程、その検出出力VTが高くなるという負特性を有することから、トナー濃度閾値V0が高くなると、検出出力VTがトナー濃度閾値V0以上になったときに行われるトナー補給動作が遅延され、トナー濃度が過剰になる傾向が緩和される。逆に、画像面積比率が高いときには、トナー消費量が多く、トナー濃度が低下し易いため(アンダーシュート)、トナー濃度閾値V0を低くする。トナー濃度閾値V0が低くなると、検出出力VTがトナー濃度閾値V0以上になったときに行われるトナー補給動作が早められ、トナー濃度が低下する傾向が緩和される。
【0053】
図6は、画像面積比率に対するトナー濃度閾値V0の補正量ΔVtの特性を示すグラフである。このグラフから明らかな様に画像面積比率が高くなる程、トナー濃度閾値V0の補正量ΔVtが高くされている。
【0054】
また、トナー濃度閾値V0の補正量ΔVtは、図7のグラフに示す様に連続して複写される記録用紙の枚数によっても増大される。これにより、トナー濃度閾値V0が更に適確に補正されることになる。
【0055】
図8は、画像面積比率及び記録用紙の連続複写枚数に対応する補正量ΔVtを記録したデータテーブルDTである。このデータテーブルDTをROM66に予め記憶しておき、トナー濃度閾値V0を補正するときには、ROM66内のデータテーブルDTを参照して、画像面積比率及び記録用紙の連続複写枚数に対応する補正量ΔVtを求め、トナー濃度閾値を(V0+ΔVt)に設定する。
【0056】
尚、一連の画像の複写を終了したときには、トナー濃度閾値が元の値に戻される。
【0057】
次に、トナー補給量の設定手順について説明する。
【0058】
図9は、画像面積比率及びトナー補給量を求めるための構成を示すブロック図であり、画像形成面積検出部71、被現像面積検出部72、画像面積比率演算部73、及びトナー補給量設定部74が設けられている。これらの検出部71,72、演算部73、設定部74は、CPU68が画像面積比率及びトナー補給量を求めるためのプログラムをROM66から読み出して実行することにより生成される。
【0059】
画像形成面積検出部71は、CCD14により読み取られた画像データ、あるいは格別に設けられた周知の原稿サイズセンサ(図示せず)の検出出力に基づいて、原稿の複写領域の総面積を求める。被現像面積検出部72は、CCD14により読み取られた画像データに基づいて、トナーが付着する感光体ドラム32表面の静電潜像の面積を求める。画像面積比率演算部73は、原稿複写領域の総面積に対する静電潜像の面積の比を画像面積比率として求める。トナー補給量設定部74は、画像面積比率に対応するトナー補給量を求め、このトナー補給量のトナーを補給するのに必要なトナー補給ローラ307の回転時間T0を求める。そして、トナー補給量設定部74は、トナー補給ローラモータ駆動回路62を通じてトナー補給ローラモータ61を駆動制御して、その求めた回転時間T0だけトナー補給ローラ307を回転させ、その求めたトナー補給量だけトナーを現像装置33に補給する。
【0060】
図10は、画像面積比率に対するトナー補給量の特性を示すグラフである。ここでは、トナー補給量Mが画像面積比率に正比例している。
【0061】
図12は、画像面積比率に対するトナー補給ローラ307の回転時間T0の特性を示すグラフである。このグラフは、画像面積比率に正比例するトナー補給量を補給するのに要するトナー補給ローラ307の回転時間T0を実験的に求めて示しており、画像面積比率がトナー補給ローラ307の回転時間T0に正比例している。このグラフの特性を関数やデータテーブルとしてROM66に予め記憶しておく。そして、トナー補給量設定部74は、ROM66内の該特性を参照して、画像面積比率に対応するトナー補給ローラ307の回転時間T0を求め、この回転時間T0だけトナー補給ローラ307を回転させて、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーを現像装置33に補給する。
【0062】
尚、図11のグラフに示す様に画像面積比率がH1,H2,…に達する度に、トナー補給量をM1,M2,…と段階的に増大させても良い。この場合は、トナー補給ローラ307の回転時間も段階的に変更することになる。
【0063】
次に、トナー補給動作の時期及びトナー攪拌継続時間の設定手順について説明する。
【0064】
画像面積比率が高いときには、トナー消費量が多く、トナーの補給動作を直ちに行なう必要がある。これに対して画像面積比率が低いときには、トナー消費量が少なく、現像装置33へのトナーの補給を直ちに行なわなくても、画像品質の低下が見られないため、一連の画像の複写を終了した後にトナー補給動作を行ない、複写中にトナー補給動作を行なわない。
【0065】
一方、画像面積比率が高いときには、トナー消費量が多く、トナー補給量も多いため、現像装置33内の2成分現像剤の攪拌継続時間を長くする必要がある。画像面積比率が低いときには、トナー消費量が少なく、トナー補給量も少ないため、2成分現像剤の攪拌継続時間を短くする。
【0066】
図13は、トナー補給量Mに対する攪拌継続時間の特性を示すグラフである。また、図15は、画像面積比率に対する攪拌継続時間の特性を示すグラフである。これらのグラフから明らかな様に、攪拌継続時間がトナー補給量Mと画像面積比率に正比例している。
【0067】
図13のトナー補給量Mに対する攪拌継続時間の特性又は図15のグラフの画像面積比率に対する攪拌継続時間の特性は、ROM66に予め記憶されている。CPU68は、トナーの攪拌に際し、ROM66内の特性を参照して、トナー補給量Mに対する攪拌継続時間又は画像面積比率に対する攪拌継続時間を求め、この攪拌継続時間だけ、現像器駆動回路64を通じて現像器駆動モータ63を駆動制御し、各搬送スクリュー304,305、攪拌部材303、及び現像スリーブ33Aを回転させて、現像装置33内の2成分現像剤を攪拌する。
【0068】
尚、図14のグラフに示す様にトナー補給量Mがm1,m2,…に達する度に、攪拌継続時間をT1,T2,…と段階的に増大させたり、図16のグラフに示す様に画像面積比率がH1,H2,…に達する度に、攪拌継続時間をT1,T2,…と段階的に増大させても良い。
【0069】
図17は、この様な画像面積比率に対するトナー濃度閾値の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【0070】
尚、トナー濃度閾値を補正する代わりに、トナー濃度センサSの検出出力VTを補正しても構わない。この場合は、画像面積比率に対するトナー濃度センサSの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を図18の図表の通りに設定すれば良い。
【0071】
また、トナー濃度センサSとして正特性のものを適用した場合は、トナー濃度閾値の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を図19の図表の通りに設定するか、あるいはトナー濃度センサSの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を図20の図表の通りに設定すれば良い。
【0072】
次に、原稿の画像の複写に際し、現像装置33内のトナー濃度を常に安定化させ、かつトナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行なうための処理手順を図21のフローチャートに従って説明する。
【0073】
まず、画像形成装置1の操作パネル(図示せず)がユーザにより操作されて、記録部数Xが入力され(ステップS101)、スタートボタン(図示せず)が押される(ステップS102)。これに応答してCPU68は、画像読み取り部10を制御して、N枚の原稿の読み取りを開始し(ステップS103)、N枚の原稿を示す画像データをRAM67に一旦記憶する。
【0074】
この後、画像形成面積検出部71によりRAM67内のN枚の原稿の複写領域の総面積が求められ(ステップS104)、被現像面積検出部72によりN枚の原稿の静電潜像の総面積が求められ(ステップS105)、画像面積比率演算部73により画像面積比率が求められ(ステップS106)、トナー補給量設定部74により画像面積比率に対応するトナー補給量を補給するのに必要なトナー補給ローラ307の回転時間T0が求められる(ステップS107)。
【0075】
更に、CPU68は、画像面積比率を予め設定された閾値と比較し、画像面積比率が閾値よりも高いか否かを判定する(ステップS108)。そして、例えば画像面積比率が閾値よりも高ければ(ステップS108で「LOW」)、CPU68は、ROM66内のデータテーブルDTを参照して、画像面積比率及び記録用紙の連続複写枚数に対応する補正量ΔVtを求め、トナー濃度閾値を(V0+ΔVt)に設定する(ステップS109)。
【0076】
更に、CPU68は、N枚の原稿の画像データをRAM67から読み取りつつ、レーザ書込み部20、画像形成部30、及び給紙部40を制御して、N×X枚の記録用紙への複写を行ない(ステップS111)、このN×X枚の記録用紙への複写が終了するまで待機する(ステップS112で「No」)。そして、この複写が終了すると(ステップS112で「Yes」)、トナー補給量設定部74は、ステップS107で求められた回転時間T0だけ、トナー補給ローラモータ駆動回路62を通じてトナー補給ローラモータ61を駆動制御して、トナー補給ローラ307を回転させ、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーを現像装置33に補給する(各ステップS113,S114)。
【0077】
また、トナーの補給動作と同時に、CPU68は、ROM66内の図13のトナー補給量Mに対する攪拌継続時間の特性又は図15のグラフの画像面積比率に対する攪拌継続時間の特性を参照して、攪拌継続時間を求め、この攪拌継続時間だけ、現像器駆動回路64を通じて現像器駆動モータ63を駆動制御して、現像装置33内の各搬送スクリュー304,305、攪拌部材303、及び現像スリーブ33Aを回転させ、2成分現像剤を攪拌する。通常、トナー補給ローラ307の回転時間T0よりも攪拌継続時間が長いことから、トナー補給ローラ307が停止された後も、2成分現像剤の攪拌が継続される(ステップS115)。そして、攪拌継続時間が経過して、現像器駆動モータ63が停止されると、トナー濃度センサSの検出出力VTがステップS109で補正されたトナー濃度閾値(V0+ΔVt)と比較され、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)未満であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超えていれば(ステップS116で「Yes」)、次のステップS117に移る。また、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)以上であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値以下であれば(ステップS116で「No」)、2成分現像剤の攪拌が再開されて、2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超える様に調整にされる。
【0078】
こうして2成分現像剤のトナー濃度が調整されると、CPU68は、トナー濃度閾値を(V0+ΔVt)から元のV0に戻し(ステップS117)、次の一連の画像の複写が指示されているか否かを判定し(ステップS118)、次の複写が指示されていれば(ステップS118で「Yes」)、ステップS101に戻り、次の複写が指示されていなければ(ステップS118で「No」)、この処理を終了する。
【0079】
一方、画像面積比率が閾値よりも高いと判定されると(ステップS108で「HIGH」)、CPU68は、ROM66内のデータテーブルDTを参照して、補正量ΔVtを求め、トナー濃度閾値を(V0+ΔVt)に設定する(ステップS110)。
【0080】
そして、トナー補給量設定部74は、ステップS107で求められた回転時間T0だけ、トナー補給ローラ307を回転させ、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーを現像装置33に補給する(各ステップS119,S120)。
【0081】
また、トナーの補給動作と同時に、CPU68は、ROM66内の特性を参照して、攪拌継続時間を求め、この攪拌継続時間だけ、現像器駆動モータ63を駆動制御して、2成分現像剤を攪拌する。このとき、トナー補給ローラ307が停止された後も、2成分現像剤の攪拌が継続される(ステップS121)。そして、攪拌継続時間が経過し、トナー濃度センサSの検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)未満であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超えていれば(ステップS122で「Yes」)、次のステップS123に移る。また、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)以上であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値以下であれば(ステップS122で「No」)、2成分現像剤の攪拌が再開されて、2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超える様に調整にされる。
【0082】
こうして2成分現像剤のトナー濃度が調整されると、CPU68は、N枚の原稿の画像データをRAM67から読み取りつつ、レーザ書込み部20、画像形成部30、及び給紙部40を制御して、N×X枚の記録用紙への複写を行ない(ステップS123)、このN×X枚の記録用紙への複写が終了するまで待機する(ステップS124で「No」)。そして、複写が終了すると(ステップS124で「Yes」)、トナー濃度閾値を(V0+ΔVt)から元のV0に戻し(ステップS117)、次の複写が指示されていれば(ステップS118で「Yes」)、ステップS101に戻り、次の複写が指示されていなければ(ステップS118で「No」)、この処理を終了する。
【0083】
この様な処理では、画像面積比率が閾値よりも低く、トナー消費量が少ないときには、画像の複写によりトナー濃度が殆ど低下しないので、画像の複写を実行してから、トナーの補給並びに攪拌を行なっている。これにより、画像の複写に要する時間を短縮化することができる。また、画像面積比率が閾値よりも高く、トナー消費量が多いときには、トナーの補給並びに攪拌を行なってから、画像の複写を実行している。これにより、トナーを十分に攪拌して帯電させることができ、画像品質の劣化を防止することができる。
【0084】
図22は、図21の処理手順の変形例を示すフローチャートである。この変形例のフローチャートにおいては、図21のステップS112の次にステップS131を挿入して付加すると共に、図21のステップS110の次にステップS132を挿入して付加している。
【0085】
ここでは、例えば画像面積比率が閾値よりも低いと判定されると(ステップS108で「LOW」)、トナー濃度閾値が(V0+ΔVt)に補正され(ステップS109)、N×X枚の記録用紙への複写が行なわれ(ステップS111)、このN×X枚の記録用紙への複写の終了が待機される(ステップS112)。
【0086】
そして、この複写が終了すると(ステップS112で「Yes」)、CPU68は、トナー濃度センサSの検出出力VTをステップS109で補正されたトナー濃度閾値(V0+ΔVt)と比較する(ステップS131)。そして、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)以上であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値以下であれば(ステップS131で「No」)、ステップS107で求められた回転時間T0だけ、トナー補給ローラ307が回転され、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーが現像装置33に補給され(各ステップS113,S114)、更に2成分現像剤の攪拌が継続されつつ(ステップS115)、2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超える様に調整され(ステップS116)、この後にステップS117に移る。
【0087】
また、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)未満であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超えていれば(ステップS131で「Yes」)、各ステップS113〜S116を行なわずに、つまりトナーの補給並びに攪拌を行なわずに、ステップS117に移る。
【0088】
一方、画像面積比率が閾値よりも高いと判定されると(ステップS108で「HIGH」)、トナー濃度閾値が(V0+ΔVt)に補正され(ステップS109)、トナー濃度センサSの検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)と比較される(ステップS132)。そして、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)以上であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値以下であれば(ステップS132で「No」)、ステップS107で求められた回転時間T0だけ、トナー補給ローラ307が回転され、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーが現像装置33に補給され(各ステップS119,S120)、更に2成分現像剤の攪拌が継続されつつ(ステップS121)、2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超える様に調整され(ステップS122)、この後にステップS123に移る。
【0089】
また、検出出力VTがトナー濃度閾値(V0+ΔVt)未満であれば、つまり2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超えていれば(ステップS132で「Yes」)、各ステップS119〜S122が行なわれずに、つまりトナーの補給並びに攪拌が行なわれずに、ステップS123に移る。
【0090】
この様に2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超えているか否かを判定し、2成分現像剤のトナー濃度が規定値以下のときにだけ、トナーの補給並びに攪拌を行なえば、無駄な動作を行なわずに済む。また、トナー濃度センサSの検出出力VTをステップS109で補正されたトナー濃度閾値(V0+ΔVt)と比較することにより、2成分現像剤のトナー濃度が規定値以下であるか否かを判定しているので、先に述べたトナー濃度のオーバシュートやアンダーシュートを回避することができる。
【0091】
図23は、図21の処理手順の他の変形例を示すフローチャートである。この他の変形例のフローチャートにおいては、トナー濃度閾値を補正する代わりに、トナー濃度センサSの検出出力VTを補正しており、図21の各ステップS109,S110,S117の代わりに、各ステップS141,S142,S143を挿入している。
【0092】
ここでは、例えば画像面積比率が閾値よりも低いと判定されると(ステップS108で「LOW」)、CPU68は、ROM66内のデータテーブルDTを参照して、画像面積比率及び記録用紙の連続複写枚数に対応する補正量ΔVtを求め、トナー濃度センサSの検出検出出力VTを(VT−ΔVt)に設定する(ステップS141)。
【0093】
そして、N×X枚の記録用紙への複写が行なわれ(ステップS111)、このN×X枚の記録用紙への複写の終了が待機される(ステップS112)。この複写が終了すると(ステップS112で「Yes」)、ステップS107で求められた回転時間T0だけ、トナー補給ローラ307が回転され、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーが現像装置33に補給され(各ステップS113,S114)、更に2成分現像剤の攪拌が継続されつつ(ステップS115)、2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超える様に調整される(ステップS116)。
【0094】
こうして2成分現像剤のトナー濃度が調整されると、CPU68は、トナー濃度センサSの検出出力VTの補正を解除し(ステップS142)、次の複写が指示されていれば(ステップS118で「Yes」)、ステップS101に戻り、次の複写が指示されていなければ(ステップS118で「No」)、この処理を終了する。
【0095】
また、画像面積比率が閾値よりも高いと判定されると(ステップS108で「HIGH」)、CPU68は、ROM66内のデータテーブルDTを参照して、補正量ΔVtを求め、トナー濃度センサSの検出検出出力VTを(VT+ΔVt)に設定する(ステップS143)。そして、ステップS107で求められた回転時間T0だけ、トナー補給ローラ307が回転され、画像面積比率に応じたトナー補給量のトナーが現像装置33に補給され(各ステップS119,S120)、更に2成分現像剤の攪拌が継続されつつ(ステップS121)、2成分現像剤のトナー濃度が規定値を超える様に調整される(ステップS122)。
【0096】
引き続いて、CPU68は、N×X枚の記録用紙への複写を行ない(ステップS123)、このN×X枚の記録用紙への複写が終了すると(ステップS124で「Yes」)、トナー濃度センサSの検出出力VTの補正を解除する(ステップS142)。更に、次の複写が指示されていれば(ステップS118で「Yes」)、ステップS101に戻り、次の複写が指示されていなければ(ステップS118で「No」)、この処理を終了する。
【0097】
尚、本実施形態では、トナー消費量を示す指標として画像面積比率を求め、この画像面積比率を用いているが、この画像面積比率の代わりに、画像密度を求めて用いても良い。
【0098】
この画像密度は、画像全体の濃度を表わしており、トナー消費量を示すものである。特に、濃淡画像の場合は、静電画像の面積だけではなく、画像の濃淡によってトナー消費量が変動するので、この画像密度を用いることが好ましい。ただし、2値画像の場合は、画像の濃淡を考慮する必要がないので、演算処理が簡単であり、短時間で求められる画像面積比率を用いることが好ましい。
【0099】
画像密度を用いる場合は、CCD14の出力レベルが画像の濃淡に対応することから、CCD14の出力レベルと画像密度の関係を実験的に求めて、この関係を表わす数式やデータテーブルを求め、これらの数式やデータテーブルをROM66を記憶しておく。そして、原稿の画像の複写に際し、ROM66内の数式やデータテーブルを参照して、CCD14の出力レベルに対応する画像密度を求めれば良い。
【0100】
また、画像密度を用いる場合も、画像面積比率と同様に、トナー濃度閾値の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を設定することができる。
【0101】
図24は、画像密度に対するトナー濃度閾値の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【0102】
尚、トナー濃度閾値を補正する代わりに、トナー濃度センサSの検出出力VTを補正しても構わない。この場合は、画像密度に対するトナー濃度センサSの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を図25の図表の通りに設定すれば良い。
【0103】
また、トナー濃度センサSとして正特性のものを適用した場合は、トナー濃度閾値の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を図26の図表の通りに設定するか、あるいはトナー濃度センサSの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を図27の図表の通りに設定すれば良い。
【0104】
【発明の効果】
以上説明した様に本発明によれば、トナー消費量に応じて、トナー補給量と、トナー濃度センサの検出出力及びトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方と、トナー補給動作及び画像形成動作の動作順序とを制御し、これによって現像装置内のトナー濃度を常に安定化させ、かつトナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行なうことを可能にしている。
【0105】
また、画像形成装置が複写機である場合は、スキャナーによって読み取られた原稿の画像を記録用紙に記録するのに必要なトナー消費量を求めている。
【0106】
更に、画像面積比率あるいは画像密度をトナー消費量として算出している。
【0107】
また、画像形成動作別に、トナー濃度やトナー補給動作等を制御して、多様な画像の品位を向上させている。
【0108】
更に、トナー消費量が多いときには、トナー補給動作の時期を早めて、トナー濃度の低下を未然に防止している。
【0109】
また、トナー補給量に応じて、現像装置内のトナー攪拌継続時間を設定し、トナーの混合、攪拌、及び帯電を十分に行なっている。
【0110】
更に、画像形成動作よりも先にトナー補給動作及びトナー攪拌動作を行い、これによってトナーの補給、混合、攪拌、及び帯電を十分に行なっている。
【0111】
また、トナー消費量が高いときには、画像形成動作の開始前にトナー補給動作の時期を設定して、画像形成動作中にトナー濃度が著しく低下することを防止している。また、トナー消費量が低いときには、画像形成動作の終了後にトナー補給動作の時期を設定して、画像形成動作を優先し、画像形成を速やかに行なっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一実施形態を示す側面図である。
【図2】図1の画像形成装置における現像装置の構成を示す側面図である。
【図3】図2の現像装置のトナー濃度センサの構成を示すブロック図である。
【図4】2成分現像剤のトナー濃度Tに対するトナー濃度センサの検出出力VTの特性を示すグラフである。
【図5】図1の画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
【図6】画像面積比率に対するトナー濃度閾値V0の補正量ΔVtの特性を示すグラフである。
【図7】連続複写枚数に対するトナー濃度閾値V0の補正量ΔVtの特性を示すグラフである
【図8】画像面積比率及び連続複写枚数に対応する補正量ΔVtを記録したデータテーブルを示す図である。
【図9】図5のCPUにおける画像面積比率及びトナー補給量を求めるための構成を示すブロック図である。
【図10】画像面積比率に対するトナー補給量の特性を示すグラフである。
【図11】画像面積比率に対するトナー補給量の他の特性を示すグラフである。
【図12】画像面積比率に対するトナー補給ローラの回転時間T0の特性を示すグラフである。
【図13】トナー補給量Mに対する攪拌継続時間の特性を示すグラフである。
【図14】トナー補給量Mに対する攪拌継続時間の他の特性を示すグラフである。
【図15】画像面積比率に対する攪拌継続時間の特性を示すグラフである。
【図16】画像面積比率に対する攪拌継続時間の他の特性を示すグラフである。
【図17】負特性のトナー濃度センサについて、画像面積比率に対するトナー濃度閾値V0の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図18】負特性のトナー濃度センサについて、画像面積比率に対するトナー濃度センサの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図19】正特性のトナー濃度センサについて、画像面積比率に対するトナー濃度閾値V0の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図20】正特性のトナー濃度センサについて、画像面積比率に対するトナー濃度センサの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図21】本実施形態の画像形成装置による処理手順を示すフローチャートである。
【図22】図21の処理手順の変形例を示すフローチャートである。
【図23】図21の処理手順の他の変形例を示すフローチャートである。
【図24】負特性のトナー濃度センサについて、画像密度に対するトナー濃度閾値V0の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図25】負特性のトナー濃度センサについて、画像密度に対するトナー濃度センサの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図26】正特性のトナー濃度センサについて、画像密度に対するトナー濃度閾値V0の補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図27】正特性のトナー濃度センサについて、画像密度に対するトナー濃度センサの検出出力VTの補正方向と補正量、トナー補給量、トナー補給動作の時期、2成分現像剤の攪拌継続時間を示す図表である。
【図28】従来の装置におけるトナー濃度の変動を示すグラフである。
【符号の説明】
1 画像形成装置
10 画像読取り部
20 レーザ書込み部
30 画像形成部
33 現像装置
40 給紙部
61 トナー補給ローラモータ
62 トナー補給ローラモータ駆動回路
63 現像器駆動モータ
64 現像器駆動回路
65 I/O回路
66 ROM
67 RAM
68 CPU
71 画像形成面積検出部
72 被現像面積検出部
73 画像面積比率演算部
74 トナー補給量設定部
S トナー濃度センサ
Claims (11)
- 現像装置内のトナー濃度をトナー濃度センサにより検出し、トナー濃度センサの検出出力とトナー濃度閾値の比較に基づいて、トナーを現像装置に補給するトナー補給装置において、
画像を示す画像データに基づいて、トナー消費量を算出する演算手段と、
トナー消費量に応じて、トナー補給量と、トナー濃度センサの検出出力及びトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方と、トナー補給動作及び画像形成動作の動作順序とを制御する制御手段と
を備えることを特徴とするトナー補給装置。 - 演算手段は、原稿を読み取ることにより生成され画像データに基づいて、トナー消費量を算出することを特徴とする請求項1に記載のトナー補給装置。
- 演算手段は、画像全体の面積に対するトナーの付着面積を表す画像面積比率をトナー消費量として算出することを特徴とする請求項1に記載のトナー補給装置。
- 演算手段は、画像全体の濃度を表す画像密度をトナー消費量として算出することを特徴とする請求項1に記載のトナー補給装置。
- 制御手段は、画像形成動作の度に、トナー濃度センサの検出出力とトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方を変更し、画像形成動作の終了時にトナー濃度センサの検出出力とトナー濃度閾値を変更前の状態に戻すことを特徴とする請求項1に記載のトナー補給装置。
- 制御手段は、画像形成動作の度に、トナー補給動作の時期を変更することを特徴とする請求項1に記載のトナー補給装置。
- 制御手段は、トナー補給量に応じて、現像装置内のトナー攪拌継続時間を設定することを特徴とする請求項1に記載のトナー補給装置。
- 制御手段は、現像装置内のトナー攪拌動作をトナー補給動作と共に制御して、トナー補給動作及びトナー攪拌動作を画像形成動作の期間から外すことを特徴とする請求項1に記載のトナー補給装置。
- 制御手段は、トナー消費量が高い場合は、画像形成動作の開始前にトナー補給動作の時期を設定し、トナー消費量が低い場合は、画像形成動作の終了後にトナー補給動作の時期を設定することを特徴とする請求項1に記載のトナー補給装置。
- 請求項1乃至8のいずれかに記載のトナー補給装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
- 現像装置内のトナー濃度をトナー濃度センサにより検出し、トナー濃度センサの検出出力とトナー濃度閾値の比較に基づいて、トナーを現像装置に補給するトナー補給方法において、
画像を示す画像データに基づいて、トナー消費量を算出する演算ステップと、
トナー消費量に応じて、トナー補給量と、トナー濃度センサの検出出力及びトナー濃度閾値のうちの少なくとも一方と、トナー補給動作及び画像形成動作の動作順序とを制御する制御ステップと
を含むことを特徴とするトナー補給方法。
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