JP2009169307A - トナー補給装置および画像形成装置 - Google Patents

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【課題】 トナーの過多補給および過少補給を防止し、収容容器内のトナーの濃度を一定に保つことのできるトナー補給装置およびそれを備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】 トナー補給装置は、トナー消費量算出部150を含む。トナー消費量算出部150は、画像データ入力部62から入力される多値画像の各ピクセルの階調値を用いて、トナーの通算消費量を算出する。具体的には、予測消費量算出部63によってトナーの消費量の予測値を求め、算出されたトナーの消費量を補正消費量算出部64によって補正した後、通算消費量算出部65によって積算し、トナーの通算消費量を算出する。この通算消費量が基準消費量以上になると、予め定める第1補給量のトナーを現像槽に補給させる。またトナー濃度取得部によって取得されるトナーの濃度が補給開始濃度未満になると、予め定める第2補給量のトナーを現像槽に補給させる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、トナーを用いて静電潜像を現像する現像手段のトナー収容容器にトナーを補給するためのトナー補給装置およびそれを備える画像形成装置に関する。
電子写真法に基づいて画像を形成する電子写真方式の画像形成装置は、たとえば複写装置、プリンタまたはファクシミリ装置として用いられている。電子写真方式の画像形成装置は、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置および定着装置を含んで構成される。
このような画像形成装置では、帯電装置によって帯電させた感光体ドラムの感光面に対して、露光装置による露光を行って静電潜像を形成する。そして、形成した静電潜像を現像装置において、たとえばトナーとキャリアとから成る2成分現像剤を用いて現像し、可視像であるトナー像を形成する。このトナー像を、転写装置によって紙などの記録材に転写した後、定着装置によって定着することによって画像が形成される。
このように2成分現像剤を用いて静電潜像を現像する画像形成装置では、現像処理に用いられる2成分現像剤中のトナーの濃度が、形成する画像の品質に影響を与える。そこで、このような画像形成装置では、一定濃度の画像を得るために、2成分現像剤が収容される現像剤収容容器にトナーを補給してトナー濃度が適正な範囲内に入るように制御している。
現像剤収容容器へのトナーの補給に関する従来技術が、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている画像形成装置は、ドットカウンタでカウントされた画素数、すなわちピクセルの数に基づいてトナーの補給を行う。
特許文献1には、感光体に濃度測定用パターンを形成して、この濃度測定用パターンのトナー濃度をトナー濃度検出センサで検出して、その結果に基づいてトナーの補給量を補正することが開示されている。また特許文献1には、書き込む画素密度によってトナーの補給量の補正値を変更することが開示されている。
特開平6−324569号公報
特許文献1に開示の技術では、濃度測定用パターンのトナー濃度の測定結果に基づいてトナーの補給量を補正し、またトナーの補給量の補正値を画素密度によって変更しているが、画像のエッジ部の影響については考慮していない。
画像のエッジ部を構成するピクセルと、エッジ部以外の部分を構成するピクセルとでは、入力階調値が同じであっても、感光体へのトナーの付着量が異なる場合がある。したがって特許文献1に開示の技術のように画像のエッジ部の影響を考慮せずにトナーの補給量の補正およびその補正値の変更を行なっても、トナーの補給量を適切に補正することはできないので、トナーの補給量が、実際に必要な量と異なる場合がある。
たとえばトナーが過剰に補給されてしまうことがある。このようにトナーが過剰に補給された場合、現像剤収容容器内のトナー濃度が現像に適した濃度から外れてしまうので、現像剤収容容器内のトナー濃度を適正化する必要があるが、現像剤収容容器内のトナー濃度を適正化する方法としては、過剰に補給されたトナーを現像によって消費する以外に方法がない。したがって、形成される画像の品質が低下することを避けることができない。
またトナーの補給量が過度に少なくなると、現像剤収容容器内のトナーの濃度を現像に必要な濃度に保つことができなくなってしまう。
本発明の目的は、トナーの過多補給および過少補給を防止し、収容容器内のトナーの濃度を一定に保つことのできるトナー補給装置およびそれを備える画像形成装置を提供することである。
本発明は、複数のピクセルから成り、各ピクセルが階調値で表される多値画像に基づいて像担持体に形成される静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段の前記トナーを収容するトナー収容容器にトナーを補給するためのトナー補給装置であって、
予め定める第1および第2補給量のトナーをトナー収容容器に補給可能な補給手段と、
トナー収容容器に第1補給量のトナーが補給された時点からのトナーの通算消費量を、入力される多値画像に基づいて算出するトナー消費量算出手段と、
トナー収容容器に収容されるトナーの濃度を取得する濃度取得手段と、
トナー消費量算出手段によって算出されるトナーの通算消費量が、予め定める基準消費量以上になると、第1補給量のトナーをトナー収容容器に補給し、濃度取得手段によって取得されるトナーの濃度が、予め定める補給開始濃度未満になると、第2補給量のトナーをトナー収容容器に補給するように補給手段を制御する制御手段とを含み、
前記トナー消費量算出手段は、
入力される多値画像の各ピクセルの階調値を取得する階調値取得部と、
前記多値画像におけるエッジを主走査方向および副走査方向に関して検出するエッジ検出部と、
前記階調値取得部によって取得される階調値と、前記エッジ検出部による主走査方向および副走査方向に関するエッジの検出結果とを用いて、トナーの消費量の予測値を求め、前記予測値を用いて、トナーの通算消費量を算出する算出部とを備えることを特徴とするトナー補給装置である。
また本発明は、前記制御手段は、算出部によってトナーの通算消費量が算出された時点から、予め定める算出補給遅延時間が経過した時点で、第1補給量のトナーの補給を開始するように補給手段を制御することを特徴とする。
また本発明は、前記制御手段は、トナー濃度取得部によってトナーの濃度が取得された時点から、予め定める濃度補給遅延時間が経過した時点で、第2補給量のトナーの補給を開始するように補給手段を制御することを特徴とする。
また本発明は、前記トナー収容容器は、トナーとともにキャリアを収容し、
前記補給開始濃度は、キャリアに対するトナーの被覆率が100%以下になる濃度であることを特徴とする。
また本発明は、前記制御手段は、濃度取得手段によって取得されるトナーの濃度が、前記補給開始濃度未満になると、トナー収容容器へのトナーの補給を開始し、前記トナーの濃度が、補給開始濃度よりも大きい補給停止濃度以上になると、トナー収容容器へのトナーの補給を停止するように補給手段を制御することを特徴とする。
また本発明は、複数のピクセルから成り、各ピクセルが階調値で表される多値画像に基づいて像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
トナーを収容するトナー収容容器を含み、像担持体に形成される静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、
現像手段のトナー収容容器にトナーを補給するための前記本発明のトナー補給装置とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、トナー補給装置は、補給手段と、トナー消費量算出手段と、濃度取得手段と、制御手段とを備えている。補給手段は、予め定める第1および第2補給量のトナーをトナー収容容器に補給可能である。トナー消費量算出手段は、階調値取得部とエッジ検出部と算出部とを備えている。階調値取得部によって、入力される多値画像の各ピクセルの階調値が取得される。エッジ検出部は、入力される多値画像におけるエッジを主走査方向および副走査方向に関して検出する。このエッジ検出部による主走査方向および副走査方向に関するエッジの検出結果と、階調値取得部によって取得される階調値とを用いて、算出部によってトナーの消費量の予測値が求められ、この予測値を用いて、現像剤収容容器に第1補給量のトナーが補給された時点からのトナーの通算消費量が算出される。このトナーの通算消費量が基準消費量以上になると、制御手段によって制御される補給手段によって、第1補給量のトナーがトナー収容容器に補給される。また濃度取得手段によって取得されるトナーの濃度が補給開始濃度未満になると、制御手段によって制御される補給手段によって、第2補給量のトナーがトナー収容容器に補給される。したがって、トナーの過多補給および過少補給を防止し、トナー収容容器内のトナーの濃度を一定に保つことができる。
またトナーの消費量の予測値に用いられるエッジの検出結果は、主走査方向および副走査方向の両方に関するエッジの検出結果であるので、エッジの検出結果として主走査方向および副走査方向のいずれか一方に関するエッジの検出結果を用いる場合に比べて、トナーの消費量の予測値をより正確に求めることができる。したがってトナーの通算消費量をより正確に求めることができるので、トナーの過多補給および過少補給をより確実に防止し、トナー収容容器内のトナーの濃度をより確実に一定に保つことができる。
また本発明によれば、算出部によってトナーの通算消費量が算出された時点から算出補給遅延時間が経過した時点で、制御手段によって制御される補給手段によって、第1補給量のトナーの補給が開始される。これによって、トナー収容容器のうち、トナーが現像に使用されてトナーの濃度が低下した領域に、必要量のトナーを補給することが可能であるので、トナー収容容器内のトナーの濃度を均一化することが可能である。
また本発明によれば、トナー濃度取得部によってトナーの濃度が取得された時点から濃度補給遅延時間が経過した時点で、制御手段によって制御される補給手段によって、第2補給量のトナーの補給が開始される。これによって、トナー収容容器のうち、トナーが現像に使用されてトナーの濃度が低下した領域に、必要量のトナーを補給することが可能であるので、トナー収容容器内のトナーの濃度を均一化することが可能である。
また本発明によれば、補給開始濃度は、キャリアに対するトナーの被覆率が100%以下になる濃度であるので、トナーの帯電不良を防止し、かぶりの発生を防止することができる。
また本発明によれば、濃度取得手段によって取得されるトナーの濃度が補給開始濃度未満になると、制御手段によって制御される補給手段によってトナーの補給が開始され、濃度取得手段によって取得されるトナーの濃度が補給開始濃度よりも大きい補給停止濃度以上になると、トナーの補給が停止される。このようにトナーの濃度に基づく補給動作にヒステリシスを持たせることによって、補給手段による補給動作のチャタリングと呼ばれる振動を防止することができる。
また本発明によれば、前述のようにトナーの過多補給および過少補給を防止し、トナー収容容器内のトナーの濃度を一定に保つことのできるトナー補給装置を備えて画像形成装置が構成される。これによって、一定の品質の画像を安定して形成することのできる画像形成装置を実現することができる。
図1は、本発明の実施の一形態であるトナー補給装置11の構成を示すブロック図である。図2は、トナー補給装置11を備える本発明の実施の一形態の画像形成装置である複写機30の概略構成を示す概略構成図である。この複写機30は、トナーとキャリア(磁性キャリア)とを混合してなる現像剤(2成分現像剤)を用いる現像手段である現像装置10と、この現像装置10のトナー収容容器、より詳細には現像剤収容容器である現像槽4にトナーを補給するためのトナー補給装置11を備えている。
(複写機30の構成)
複写機30は複写機、プリンターおよびファクシミリ装置としての機能を有するものであり、スキャナ部31、通信部34、レーザプリンター部32を備えている。
スキャナ部31は透明ガラスからなる原稿載置台35、原稿載置台35上へ自動的に原稿を供給搬送するための両面対応自動原稿送り装置(RADF;Recirculating Automatic Document Feeder)36、及び原稿載置台35上に載置された原稿の画像を走査して読み取るための原稿画像読み取りユニット、すなわちスキャナユニット40を含んで構成されている。そして、このスキャナ部31にて読み取られた原稿画像は、画像データとして後述する画像データ入力部へと送られ、画像データに対して所定の画像処理が施される。
RADF36は、所定の原稿トレイ(図示せず)上に複数枚の原稿を一度にセットしておき、セットされた原稿を1枚ずつ自動的に原稿載置台35上へ給送する装置である。そして、スキャナユニット40による原稿画像の読み取りが行われた後、所定の取り出し位置にまで搬出する機能を有している。
また、RADF36は、両面自動原稿送り装置としての機能を有している。すなわち、RADF36は、片面の読み取りに用いる片面用搬送路に加えて、両面の読み取りに使用する両面用搬送路、搬送路を切り換えるためのガイド、各搬送路における原稿の状態を把握(確認)・管理するためのセンサ群および制御部等(全て図示せず)を有している。これにより、スキャナユニット40による原稿画像の読み取り後、原稿を裏返し、再び原稿載置台35に搬送することが可能となっている。
そして、RADF36は、ユーザ(オペレータ)によって入力される選択指示に応じて、原稿の片面読み取りあるいは両面読み取りのいずれかを実行するように設定されている。
スキャナユニット40は、原稿載置台35上に搬送された原稿の画像を、1ライン毎に読み取る原稿画像読み取りユニットである。そして、図2に示すように、第1走査ユニット40a,第2走査ユニット40b,光学レンズ43およびCCD44を有している。
第1走査ユニット40aは、原稿載置台35に沿って図2の紙面に向かって左から右へと一定速度Vで移動しながら原稿を露光するものである。そして、図2に示すように、光を照射するためのランプリフレクターアセンブリ41と、原稿からの反射光を第2走査ユニット40bに導く第1の反射ミラー42aとを有している。
第2走査ユニット40bは、第1走査ユニット40aに追随してV/2の速度で移動するようになっている。そして、第1の反射ミラー42aに反射される光を光学レンズ43およびCCD44の方向へ導くための、第2・第3の反射ミラー42b・42cを備えている。
光学レンズ43は、この第3の反射ミラー42cに反射される光を、CCD44上で結像させるものである。
CCD(光電変換素子)44は、光学レンズ43によって結像された光を、電気信号(電気的画像信号)に変換するためのものである。このCCD44によって得られたアナログの電気信号は、CCD44を備えたCCDボード(図示せず)によってデジタル信号の画像データに変換される。そして、この画像データは、画像処理部において各種の画像処理が施された後にメモリ(図示せず)に記憶される。そして、複写機30のメインCPU(図示せず)の出力指示に応じて、レーザプリンター部32に伝達されるように設定されている。
このように、スキャナ部31は、上記RADF36とスキャナユニット40との互いに関連した動作により、原稿載置台35上に読み取るべき原稿を順次載置させながら、原稿載置台35の下面に沿ってスキャナユニット40を移動させて原稿画像を読み取るように構成されている。
通信部34は、無線通信あるいは有線通信によって、パーソナルコンピュータPCやファクシミリ装置FAXなどの外部装置と通信を行うものである。これにより、たとえばスキャナ部31によって読み取った画像データを外部に送信したり、あるいは、外部機器から受信したデータに基づく画像をレーザプリンター部32によってシート(記録材、記録媒体)上に形成したりできるようになっている。
レーザプリンター部32は、画像データに基づいてシートに画像を形成するためのものである。そして、図2に示すように、レーザ書き込みユニット46、電子写真プロセス部47およびシート搬送機構50を備えている。レーザ書き込みユニット46および電子写真プロセス部47は、潜像形成手段に相当する。
レーザ書き込みユニット46は、スキャナ部31(スキャナユニット40)によって読み取られた画像データや、外部装置から受信した画像データに基づいて、電子写真プロセス部47における感光体ドラム(潜像保持体)48にレーザ光を照射し、静電潜像を形成するものである。レーザ書き込みユニット46は、後述する図9に示すパルス幅変調回路110および半導体レーザ素子111、ならびにレーザ光を等角速度で偏向する不図示のポリゴンミラーおよびf−θレンズを含む。ここで、f−θレンズは、ポリゴンミラーによって偏向されたレーザ光を、感光体ドラム48の表面において、等角速度で偏向されるように補正するものである。
レーザ書き込みユニット46に入力される画像データは、パルス幅変調回路110に入力される。パルス幅変調回路110は、入力される画像データのピクセル毎に、そのピクセルの信号入力値である階調値に対応した幅、より詳細には時間長のレーザ駆動パルスを形成して出力する。パルス幅変調回路110は、相対的に見て、階調値が高く高濃度のピクセルに対応する信号入力値に対しては、より幅の広い駆動パルスを形成し、階調値が低く低濃度のピクセルに対応する信号入力値に対しては、より幅の狭い駆動パルスを形成し、階調値が中程度であり中濃度のピクセルに対応する信号入力値に対しては、中間の幅の駆動パルスを形成する。
パルス幅変調回路110から出力されたレーザ駆動パルスは、半導体レーザ素子111に供給される。またパルス幅変調回路110から出力されたレーザ駆動パルスは、後述する図9に示す主走査方向エッジカウント部121およびドットカウント部122に入力される。半導体レーザ素子111は、供給されるレーザ駆動パルスのパルス幅に対応する時間だけ駆動され、発光する。したがって半導体レーザ素子111は、相対的に見て、高濃度画素に対しては、より長い時間駆動され、低濃度画素に対しては、より短い時間駆動されることになる。
半導体レーザ素子111から出射されたレーザ光は、図示しないが、ポリゴンミラーによって掃引され、f/θレンズなどのレンズ、およびレーザ光を像担持体である感光体ドラム48方向に指向させる固定ミラーによって感光体ドラム48上にスポット結像される。このようにして、レーザ光が感光体ドラム48の回転軸とほぼ平行な方向(主走査方向)にこのドラム48を走査し、静電潜像を形成する。
電子写真プロセス部47は、感光体ドラム48と、その周囲に設けられた帯電器12、現像装置10、転写器14、不図示の剥離器、クリーニング器13および不図示の除電器とを備えている。
帯電器12は、感光体ドラム48上にレーザ書き込みユニット46によって静電潜像を形成させるために、感光体ドラム48の表面を均一に帯電させる。
現像装置10は、レーザ書き込みユニット46によって形成された感光体ドラム48上の静電潜像を現像してトナー像を生成する。現像装置10の詳細については後述する。
転写器14は、現像装置10によって生成したトナー像をシート(記録媒体)に対して静電転写する。
シート搬送機構50は、図2に示すように、搬送部33、カセット給紙装置51〜54、定着器49、用紙反転部55、再供給経路56、排紙ローラ57を備えており、電子写真プロセス部47にシートを供給するとともに、シートに転写された画像を定着させ、さらに、シートを外部に排出する機能を有している。
搬送部33は、電子写真プロセス部47における所定の転写位置(転写器が配置されている位置)にシートを搬送するためのものである。
カセット給紙装置51〜54は、転写にかかるシートを蓄積しておくとともに、転写時に、シートを搬送部33に送り込むためのものである。
定着器49は、シートに転写されたトナー像を定着させるものである。
用紙反転部55は、搬送されてきた用紙の表裏を反転して排出(スイッチバック)するものである。
再供給経路56は、トナー像の定着後、シートの裏面に画像を形成するために、シートを搬送部33に再供給するための経路である。
排紙ローラ57は、搬送されてきたシートを後処理装置(図示せず)に排出するためのものである。
(現像装置10の構成)
次に、現像装置10の構成について説明する。図3は、トナー補給装置11および現像装置10の構成を示す断面図である。この図に示すように、現像手段である現像装置10は、現像剤担持体である現像ローラ1、撹拌ローラ2,3、トナー収容容器である現像槽4、ドクターブレード5を備えている。本実施形態において現像槽4は、現像剤収容容器として機能し、トナーとともにキャリアを収容する。
現像槽4は、トナーとキャリアとから成る2成分現像剤を収容するための現像剤収容容器であり、現像槽4内には、現像ローラ1、撹拌ローラ2,3、ドクターブレード5が備えられている。また、現像槽4における撹拌ローラ2と対向する位置には、トナー濃度センサ100が備えられている。また、現像槽4には、開口部6が設けられており、この開口部6を介してトナー補給槽7から現像剤が供給されるようになっている。トナー濃度センサ100と、補給ローラ8が設けられる開口部6とは、現像剤の搬送方向において離隔して設けられている。
現像ローラ1は、現像槽4の開口部から一部が露出し、この露出した部分が感光体ドラム48と対向するように設けられた、円筒状の回転ローラであり、現像槽4内に収容されているトナーを担持して上記露出部における感光体ドラム48との対向部に搬送するものである。これにより、感光体ドラム48上に形成された静電潜像に、トナーを付着させることができ、この静電潜像を現像してトナー像を形成することができる。図3に示した矢印A,Bはそれぞれ、感光体ドラム48、現像ローラ1の回転方向を示している。現像ローラ1と、補給ローラ8が設けられる開口部6とは、現像剤の搬送方向において離隔して設けられている。
ドクターブレード5は、現像槽4における現像ローラ1と感光体ドラム48とのニップ部よりも上流側に備えられ、現像ローラ1とドクターブレード5の先端とのギャップであるドクターギャップDgを規定し、現像ローラ1に付着したトナーの一部を穂切するものである。
トナー濃度センサ100は、現像槽4における撹拌ローラ2と対向する位置に備えられ、トナー濃度を検出するものである。トナー濃度センサは、たとえば透磁率センサによって実現される。図4は、トナー濃度センサ100の概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、トナー濃度センサ100は、一次コイル102、検知コイル103、基準コイル104、位相比較回路105、平滑回路106を備えている。
一次コイル102の両端は、交流電源101に接続されている。また、一次コイル102の一方の端部は、位相比較回路105に接続されている。
一次コイル102の二次側には、略同じ巻き数で逆極性の2個のコイルが直列に巻かれている。この2個のコイルの一方が基準コイル104、他方が検知コイル103である。
一次コイル102および基準コイル104の近くには高透磁率のねじコア107が磁心として働くように挿入されている。このねじコア107の位置を調整することにより、一次コイル102と基準コイル104との間のインダクタンスを調整することができる。
一次コイル102および検知コイル103の近く(図4の領域T、図3におけるトナー濃度センサ100と撹拌ローラ2との間の領域)には、測定されるべきトナー(現像剤)が流れており、その現像剤が磁心として働いて一次コイル102と検知コイル103との間のインダクタンスを変化させる。このインダクタンスの大きさは、磁心として働いている現像剤あるいは磁性キャリアの磁粉量によって決まるので、検知コイル103の出力電圧によって磁粉量すなわちトナー濃度を測定できる。
基準コイル104と検知コイル103とは略同じ巻き数であり、極性は逆極性である。また、基準コイル104と検知コイル103とは、直列に結ばれているので、その出力としては両コイルの差が取り出せる。位相比較回路105では、一次コイル102へ供給される交流電圧と二次側のコイルである基準コイル104および検知コイル103の出力との排他的論理和をとる。その後、その出力信号を平滑回路106で平滑化して直流電圧として取り出す。そして、詳細は後述するが、現像装置10では、この出力電圧を用いてトナー(現像剤)の補給量の制御に用いられるようになっている。
撹拌ローラ2,3は、現像槽4内の現像剤を撹拌することで、現像剤を微少に帯電させるものである。図3に示した矢印Cは、撹拌ローラ2の回転方向を示している。
(トナー補給装置11の構成)
トナー補給装置11は、トナー補給槽7を備える。トナー補給槽7には、図3に示したように、開口部が設けられており、この開口部と現像槽4に設けられた開口部6とを介して、トナー補給槽7内のトナーが現像槽4に供給されるようになっている。より詳細には、トナー補給槽7の上記開口部付近には、補給手段である補給ローラ8が備えられており、後述するトナー濃度制御系60が、補給ローラ8を回転駆動させるための補給ローラ駆動モータ71の回転を制御することで、現像槽4に補給するトナーの量が制御される。トナー補給槽7には、上記開口部とは異なる開口部がさらに設けられており、この開口部を介して、トナー補給槽7に対して交換可能に取り付けられるトナーカートリッジ7aからトナーが必要に応じて補給されるようになっている。また、トナー補給槽7内には、トナー(現像剤)を撹拌するための撹拌部材9が備えられている。
さらにトナー補給装置11は、図1に示すように、トナー濃度制御系60、ROM( Read Only Memory)80、RAM(Random Access Memory)81および補給ローラ駆動モータ71を備える。ROM80、RAM81、補給ローラ駆動モータ71は、トナー濃度制御系60に接続されている。トナー濃度制御系60は、制御手段である制御部61、画像データ入力部62、予測消費量算出部63、補正消費量算出部64、通算消費量算出部65、主補給タイミング制御部66、主補給量制御部69、補給ローラ主駆動部70、トナー濃度取得部73、補助補給タイミング制御部74、補助補給量制御部75、補給ローラ補助駆動部76を備えている。予測消費量算出部63、補正消費量算出部64および通算消費量算出部65は、トナー消費量算出部150を構成する。予測消費量算出部63、補正消費量算出部64および通算消費量算出部65は、算出部として機能する。
制御部61は、トナー濃度制御系60の中枢部であり、トナー濃度制御系60の全ての動作を制御する。制御部61は、中央処理装置(Central Processing Unit:略称CPU
)によって実現される。また、ROM80にはトナー濃度制御等のプログラムが記憶されており、制御部61は、ROM80に記憶されたプログラムを読み込んで実行することで、トナー濃度制御系60の各部の動作を制御する。制御部61は、複写機30のメインCPUの一部であってもよい。
RAM81は、基準値記憶部81a、トナー濃度基準値記憶部81bを含んでいる。基準値記憶部81aは、画像データから算出したトナーの通算消費量に基づくトナーの補給を行うか否かを判断するための基準消費量を記憶する。トナー濃度基準値記憶部81bは、トナーの補給を開始する濃度である補給開始濃度を記憶する。
補給開始濃度は、キャリアに対するトナーの被覆率が100%以下になる濃度に選ばれる。「トナーの被覆率」とは、2個のキャリアにトナー1個が共有されるとして求められる被覆率のことである。
本実施形態では、特許第3710801号公報に記載されているように、キャリアである磁性体キャリアの平均体積直径をDcav_vol(μm)とし、トナーの平均体積直径をDtav_vol(μm)とし、磁性体キャリア比重をγcとし、トナー比重をγtとしたとき、トナー濃度取得部73によって取得されるトナー濃度TD(%)が次式(1)により規定される範囲内に収まるように補給開始濃度を選択し、トナーを補給する。
TD≦{γt・Vt/Nt/(γc・Vc)}×100 …(1)
式(1)において、各記号の意味は、以下の通りである。
Vt(トナー体積)=(π/6)・(Dtav_vol)
Sc(磁性体キャリア表面積)=π・(Dcav_vol+Dtav_vol)
Nt(線密個数)=Sc/[(30.5/2)・(Dtav_vol)]/2
Vc(磁性体キャリア体積)=(π/6)・(Dcav_vol)
磁性体キャリアの平均体積直径Dcav_vol(μm)およびトナーの平均体積直径Dtav_vol(μm)を用い、上記式(1)に基づいて、取得されたトナー濃度TD(%)を収めるべき規定の範囲を設定すれば、この目標となる規定の範囲を正確に設定することができ、トナー濃度を常に的確に制御することが可能になる。これにより、画像のカスレやカブレ等の発生が防止される。
次に、この様な目標となるトナー濃度の規定の範囲が正確である理由を説明する。まず、磁性体キャリアcが大球形であって、トナーtが小球形であるとする。その上で、多数のトナーtが磁性体キャリアc表面に付着して、磁性体キャリアc表面が完全に被われ、それ以上のトナーの付着余地が磁性体キャリアc表面になく、かつ磁性体キャリアc表面に付着していない余剰のトナーがなく、また隣接する2つの磁性体キャリアによって1つのトナーが共有されているときに、トナーの被覆率が100%であり、そのときに的確なトナー濃度の上限値TD100%が設定されているものとする。
この状態では、磁性体キャリアの平均体積直径をDcav_vol(μm)とし、トナーの平均体積直径をDtav_vol(μm)とし、磁性体キャリア比重をγcとし、トナー比重をγtとすると、理論上、次式(2)により適確なトナー濃度の上限値TD100%を算出することができる。
TD100%={γt・Vt/Nt/(γc・Vc)}×100 …(2)
上記式(1)の右項と上記式(2)の右項は同じである。したがって、上記式(1)は、取得されたトナー濃度TD(%)を、上記式(2)の適確なトナー濃度の上限値TD100%以下に保ちながら、トナー濃度TD(%)を上限値TD100%に常に近づけることを示唆している。
仮に、余剰のトナーtがあると、取得されたトナー濃度TD(%)が上記式(1)の規定の範囲から外れる。この場合は、余剰のトナーtがマグネットローラである現像ローラ1から感光体ドラム48へと供給されて、画像のかぶりが生じる。
したがって、補給開始濃度を式(2)によって表されるTD100%以下に選ぶことによって、トナーの被覆率を100%以下とすることができ、トナーの帯電不良を防止し、かぶりの発生を防止することができる。
基準値記憶部81aに記憶する基準値、および、トナー濃度基準値記憶部81bに記憶するトナー濃度の基準値は、たとえばROM80に予め記憶されていてもよく、あるいは、図示しない入力手段を介してユーザが設定してもよい。
また、制御部61が、ROM80から読み込んだプログラム等の情報や、トナー濃度センサ100の出力電圧に基づくトナー濃度の情報などを、RAM81に一時記憶するようにしてもよい。
画像データ入力部62には、スキャナ部31によって読み取った画像や通信部34を介して外部機器から受信した画像データに対して、所定の画像処理を施された画像データが入力される。所定の画像処理とは、たとえば、それ以降の画像処理に対する前処理、画像調整における入力ガンマ補正、変換、領域分離処理、文字領域、網点写真領域等の領域判定処理、領域ごとに領域判定結果を示す識別信号を付加する領域分離処理、RGBの画像信号をCMYK(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像信号に変換する色補正処理、変倍処理、空間フィルタ処理、中間調ガンマ特性の補正処理、などである。そして、画像データ入力部62は、入力された画像データを予測消費量算出部63に出力する。
予測消費量算出部63は、画像データ入力部62から入力された画像データである多値画像の画像信号に対して、ピクセル(以下「画素」ということがある)単位で重み付け係数を掛け合わせながらピクセルカウントを行ない、トナー消費量の予測値を算出する。多値画像は複数のピクセルから成り、各ピクセルは階調値で表されている。
ここで、トナー消費量の予測値を算出する処理について、より詳細に説明する。なお、以下に述べる処理は、カラー画像を形成する場合には各色について(たとえば入力されるCMYK信号ごとに)、それぞれ行われるものとする。
図5は、予測消費量算出部63の構成を示すブロック図である。図5では、画像データ入力部62および補正消費量算出部64を合わせて示す。予測消費量算出部63は、小領域生成部91と、階調値取得部92と、係数格納部93と、重み付け演算部94と、積算部95とを備えている。重み付け演算部94および積算部95は、トナー量相当カウント算出部として機能する。
小領域生成手段である小領域生成部91は、画像データ入力部62から出力される各画像の出力画像信号を、予め定められた小領域ごとの信号にグループ化する。各小領域に属する各ピクセルの信号入力値は、その小領域に対するトナーの消費量に相関のあるカウント値(以下「トナー量相当カウント」ということがある)の演算に寄与する。
複写機30において、感光体ドラム48上に形成される静電潜像は、たとえ、あるピクセル同士が同じ信号入力値(階調値)を有していても、周辺のピクセルがどのような信号入力値となるかによって、現像性が変化する。レーザ書き込みユニット46から、あるピクセルに対して、その階調データに対応する同じ露光条件の光が照射されたとしても、その周辺のピクセルがどのような条件で露光されるのかによって、静電潜像の質が異なるのである。したがって、その静電潜像に対するトナー付着量も異なることになるので、各ピクセルにおけるトナーの消費量は、周辺のピクセルの信号入力値に影響を受ける。そこで、本実施の形態では、各ピクセルの信号入力値のみを考慮するのではなく、小領域に含まれる複数のピクセルの信号入力値に応じた重み付け係数を用いて、各ピクセルにおけるトナーの消費量の予測値に対応したトナー量相当カウントを計算する。
小領域生成部91は、信号を小領域ごとにグループ化するのに、たとえば、画像全体を構成する全ピクセルに対して、3×3や4×4のマトリックスで表されるピクセル群を生成する。このようなピクセル群からなる小領域は、1つの連続した領域であればよく、その形状は任意である。このとき、全ピクセルのそれぞれを注目ピクセルとして各注目ピクセルに対して1つずつ小領域を作成するようにしてもよいし、全ピクセルを、各ピクセルがいずれか1つの小領域のみに属するように分割して小領域を作成するようにしてもよい。いずれにしても、小領域生成部91は、入力される画像信号に対して、複数のピクセルからなる小領域を、各ピクセルがいずれか1つの小領域にトナー量相当カウント換算対象ピクセルとして含まれるように生成する。
図6に、3×3のマトリックスで表される小領域であって、各ピクセルがいずれか1つの小領域で注目ピクセルとなる例を示す。注目ピクセルはトナー量相当カウント換算対象ピクセルである。この小領域(実線)では中央のピクセルpix1が注目ピクセルである。たとえば信号入力値が256階調で表されるとして、ピクセルpix1の信号入力値が128でその左隣のピクセルpix2の信号入力値が64であり、その他のピクセルの信号入力値が0の場合が示されている。ピクセルpix2が注目ピクセルとなるときには図の破線で示した別の小領域が生成される。したがって、小領域同士が重なり合い、各ピクセルの信号入力値は異なる小領域における演算のために複数回使用される。注目ピクセルが画像のエッジに位置する小領域では、画像範囲外のピクセルの信号入力値としてダミーの値を設定すればよい。
また、図7に、3×3のマトリックスで表される小領域であって、各ピクセルがいずれか1つの小領域のみに属する例を示す。この場合の小領域は、全画像を分割したものに相当し、互いに重ならない。したがって、小領域の全ピクセルがトナー量相当カウント換算対象ピクセルである。
以上の小領域は、周辺ピクセルの影響を適切に反映させるために、あまり大きい領域でない方が好ましく、最大で6×6のマトリックスとする。小領域の形状は任意でよいので、6×6のマトリックスの領域内に収まる小領域が好ましいと言える。あまり大きい小領域を生成すると、却って以降のトナー量相当カウント演算の精度が低下する。
小領域生成部91で各小領域にグループ化された後は、各信号入力値は、小領域へのグループ化情報とともに、階調値取得部92に入力される。小領域へのグループ化情報があれば、図6のように複数の小領域に使用されるピクセルが存在する場合でも、同じピクセルの信号入力値を複数個作成しなくて済む。
階調値取得部92は、入力される多値画像のピクセル毎の階調値を取得する。以下、階調値を取得することを「カウント」ということがある。「多値画像」とは、たとえば16階調、256階調等の多階調の画像のことである。本実施形態において階調値取得部92は、入力される多値画像の各小領域について、ピクセルごとに階調値を取得する。つまり、多値画像を構成するピクセルごとの信号入力値である階調値、たとえば信号入力値が0〜255の値をとる256階調の場合には0〜255を示す信号入力値を、各小領域についてカウントする。
係数格納部93は、入力される多値画像のピクセル毎の階調値に対応する重み付け係数、より詳細には、各階調値に対応する重み付け係数を含む重み付け係数テーブルを格納する。
重み付け演算部94は、階調値取得部92によりカウントされた各小領域の各トナー量相当カウント換算対象ピクセルのカウント値に対して、まず周辺ピクセルの影響を考慮した値に補正演算し、さらにその補正値に対してトナー量相当カウントを算出するための重み付けを行う。重み付けを行うには、重み付け演算部94が、各ピクセルが属する小領域に適した重み付け係数を係数格納部93に格納される重み付け係数テーブルから取得して、入力信号値に小領域における補正演算を施して得られる信号値に、取得した重み付け係数を掛け合わせる。係数格納部93に格納される重み付け係数テーブルには、複数の入力信号値に対応するトナー量相当カウントを表すそれぞれの重み付け係数が含まれている。このように、予測消費量算出部63では、階調値取得部92、重み付け演算部94、および、係数格納部93に格納される重み付け係数テーブルにより、小領域ごとのトナー消費量に対応したトナー量相当カウント値を求めている。
ここで、重み付け演算部94による、入力信号値の小領域における補正演算の仕方は複数通り考えられる。いずれも、補正演算は、各ピクセルの信号入力値を、静電潜像の現像性が周辺ピクセルによって実際にどのような信号値のものと等しくなるかを小領域のピクセルを用いて換算して、補正する演算である。
たとえば小領域が図6のように構成される場合に、小領域の全ピクセルの信号入力値の総和を求め、その総和の値を用いて、予め定めた一定の演算により、各注目ピクセルの信号入力値を補正する方法がある。この場合には、図6では小領域の全ピクセルの信号入力値の総和は128+64=192であり、この値を用いてピクセルpix1の信号入力値128を演算により補正する。トナーが負極性に帯電しており、信号入力値が大きいほど高濃度の状態であることを示す場合には、あるピクセルの信号入力値がある値であったときに、その周辺ピクセルの信号入力値が大きいほど、このピクセルの静電潜像の現像性が、より小さな信号入力値のものに近づく。したがって、この場合の補正演算では、小領域における信号入力値の総和が大きいほど、各ピクセルの信号入力値を小さな値に補正する。
また、小領域が図7のように構成される場合には、小領域の全ピクセルの信号入力値の総和を求め、その総和の値を用いて、予め定めた一定の演算により、各ピクセルの信号入力値を補正する方法がある。これは図6に対して信号入力値の総和を求める補正演算と同じである。
図6の構成にしろ、図7の構成にしろ、トナー量相当カウント換算対象ピクセルの信号入力値をトナー量相当カウントに換算するために補正演算するのに、トナー量相当カウント換算対象ピクセルの信号入力値と、トナー量相当カウント換算対象ピクセルが属する小領域の、他の少なくとも1つのピクセルの信号入力値とを用いる。
そして、重み付け演算部94は、上述のように補正して求めた各ピクセルの信号値に対して、係数格納部93の重み付け係数テーブルから、信号値に対応するトナー量相当カウント換算用の重み付け係数を読み出して乗算する。トナー量相当カウント換算用の重み付け係数は、トナー消費量がピクセルの信号値に比例しないことから、各信号値に対応した値として重み付け係数テーブルに格納されているものである。ここでの乗算結果は積算部95に入力される。図6および図7で各小領域について各ピクセルの信号入力値の総和を求めて信号入力値を補正する構成を用いる場合には、信号入力値の総和に対応する補正値がどのような値になるのかについての情報を、重み付け係数テーブルのトナー量相当カウント換算用の重み付け係数に含ませておき、この重み付け係数を読み出すことで、信号入力値の補正とトナー量相当カウントへの換算とを同時に行うようにしてもよい。
このような、重み付け演算部94の信号入力値の補正演算およびトナー量相当カウント換算による各ピクセルのトナー量相当カウントの算出は、予測消費量算出部63が、信号入力値の補正演算の内容を含めて、小領域のピクセルの階調データとトナー量相当カウント換算対象ピクセルのトナー消費量との関係を予め記憶しておき、この関係に基づいてトナー量相当カウント換算対象ピクセルの階調データをトナー量相当カウントに換算していることに相当する。
積算部95は、重み付け演算部94によりトナー量相当カウント換算用の重み付け係数が乗算された信号値を、入力された多値画像の全てのピクセルについて積算する。この積算値は出力画像全体のトナー量相当カウントを表している。
係数格納部93に格納される重み付け係数テーブルの重み付け係数は、信号入力値に応じて予め定められる。表1に、信号入力値が0〜15の値をとる16値の信号入力値である場合の重み付け係数テーブルの一例を示す。
Figure 2009169307
表1の場合、トナーの消費量の異なる16個の信号入力値が4つのエリア(エリア1〜エリア4)に分けられ、エリアごとに重み付け係数が定められている。重み付け演算部72によって重み付けが行なわれるときには、4つのエリアに分けられた重み付け係数が、0〜15の値をとるそれぞれの信号入力値に対応して選択され、重み付けが行われる。表1では、0〜4の信号入力値の重み付け係数は0、5〜8の信号入力値の重み付け係数は1、9〜12の信号入力値の重み付け係数は3、13〜15の信号入力値の重み付け係数は4となっている。
図8は、表1に示す4つのエリア(4つの分割領域)に分けられた重み付け係数テーブルの信号入力値とそれに対応する重み付け係数との関係を示す図である。図8では、トナー消費量特性を実線の曲線で示す。図8に示すように、各エリアにおいて、矩形部分の面積の総和が、トナー消費量特性を示す曲線の面積と略一致しているので、重み付けされた後の階調値すなわちピクセルカウント値の積算値からトナーの消費量の予測値を計算することができる。
補正消費量算出部64は、予測消費量算出部63が算出したトナー消費量を、トナー像におけるエッジを考慮して補正する。「トナー像におけるエッジ」とは、静電潜像を現像して形成されるトナー像において、トナーから成る部分であるトナー部分、たとえば記録用紙においてトナーが付着している部分の端のことである。
図9は、補正消費量算出部64の構成を示すブロック図である。図9では、トナー補給装置11の制御部61、画像データ入力部62、予測消費量算出部63および通算消費量算出部65、ならびに図2に示すレーザプリンター部32のレーザ書込みユニット46を合わせて示す。
補正消費量算出部64は、エッジ検出部120と、エッジ比率算出部124と、エッジ補正演算部125と、エッジ補正係数格納部126とを含む。エッジ検出部120は、入力画像データである多値画像において、トナー像におけるエッジに相当する多値画像のエッジを検出する。本実施形態においてエッジ検出部120は、多値画像におけるエッジを、多値画像の主走査方向および副走査方向に関して検出する。エッジ検出部120は、主走査方向エッジカウント部121と、ドットカウント部122と、クロックパルス発振器123と、副走査方向エッジカウント部140とを含む。
主走査方向エッジカウント部121は、Dフリップフロップ131と、排他的論理和(Exclusive OR;略称EOR)素子(以下、「EORゲート」という)132と、カウンタ133とを含む。主走査方向エッジカウント部121は、入力画像データである多値画像において、トナー像におけるエッジに相当する多値画像のエッジの数を主走査方向に関してカウントする。すなわち主走査方向エッジカウント部121は、トナー像の主走査方向におけるエッジに相当する多値画像の主走査方向におけるエッジの数をカウントする。
Dフリップフロップ131の一方の入力端子には、レーザ書き込みユニット46のパルス幅変調回路110からの出力信号が供給され、他方の入力端子にはクロックパルス発振器123からのクロックパルスが供給される。
Dフリップフロップ131の出力端子Qからの出力信号は、EORゲート132の一方の入力端子に入力される。EORゲート132の他方の入力端子には、パルス幅変調回路110からの出力信号が供給される。したがってEORゲート132は、入力される多値画像において、主走査方向に隣接する2つのピクセルの出力信号同士を比較することになる。
EORゲート132は、Dフリップフロップ131の出力端子Qからの出力信号と、パルス幅変調回路110からの出力信号との排他的論理和をとる。つまりEORゲート132は、Dフリップフロップ131から入力される入力信号と、パルス幅変調回路110から供給される入力信号とが等しい場合には「0」を出力し、等しくない場合には「1」を出力する。トナー像の主走査方向のエッジを構成するピクセルは、このピクセルに主走査方向に関してトナー像の外部において隣接するピクセルと異なる出力信号値を有する。したがって、エッジの部分では、Dフリップフロップ131から入力される入力信号と、パルス幅変調回路110から供給される入力信号とが等しくなく、EORゲート132から「1」が出力される。
EORゲート132から「1」が出力されたことがカウンタ133によって積算され、トナー像における主走査方向のエッジの数が算出される。このようにしてトナー像における主走査方向のエッジの数を求めることができる。カウンタ133から出力されるトナー像における主走査方向のエッジの数は、制御部61に入力される。
副走査方向エッジカウント部140は、画像メモリ141と、ダイレクトメモリアクセス(Direct Memory Access;略称DMA)回路142と、第1ラインバッファ143と、第2ラインバッファ145と、マルチプレクサ(multiplexer;略称MUX)144と、比較回路146とを含む。副走査方向エッジカウント部140は、入力画像である多値画像において、トナー像におけるエッジに相当する多値画像のエッジの数を副走査方向に関してカウントする。すなわち副走査方向エッジカウント部140は、トナー像の副走査方向におけるエッジに相当する多値画像の副走査方向におけるエッジの数をカウントする。
副走査方向エッジカウント部140の画像メモリ141には、図1に示す画像データ入力部62から画像データが入力され、一時的に記憶される。画像メモリ141から選択された画像データがデータバスを介してDMA回路142に転送される。DMA回路142から画像データの最初の主走査方向のピクセル、すなわち第1ラインのピクセルのすべてが第1ラインバッファ143に転送され、その次の隣接する第2ラインの主走査方向のピクセルのすべてが第2ラインバッファ145に転送される。つまりDMA回路142から、第1ラインに含まれるすべてのピクセルの画像データが第1ラインバッファ143に転送され、副走査方向に関して第1ラインに隣接する第2ラインに含まれるすべてのピクセルの画像データが第2ラインバッファ145に転送される。
第1ラインバッファ143の出力信号と第2ラインバッファ145の出力信号との2列のピクセルがMUX144に供給され、MUX144から、入力された2列の信号を加えたものが、レーザ書き込みユニット46のパルス幅変調回路110の入力端子に供給される。具体的には、MUX144によって、第1ラインバッファ143の出力信号および第2ラインバッファ145の出力信号のうち、副走査方向に関して先のライン、すなわち副走査方向上流側のラインの画像データが格納されているラインバッファの出力信号がパルス幅変調回路110の入力端子に供給された後、副走査方向に関して後のライン、すなわち副走査方向下流側のラインの画像データが格納されているラインバッファの出力信号がパルス幅変調回路110の入力端子に供給される。
本実施形態と異なり、ラインバッファが一つしかないと、パルス幅変調回路110への1ラインの出力が完了してから次の1ラインを画像メモリ141に取りに行くことになるので、次のラインのパルス幅変調回路110への出力が、感光体ドラム48への書込みタイミングに間に合わなくなるおそれがある。そこで、本実施形態では、二つのラインバッファを設けて、あるラインを一つのラインバッファから出力中に、もう一つのラインバッファに、次のラインを予め取り込んでおく。これによって、パルス幅変調回路110への出力が、感光体ドラム48への書込みタイミングに間に合わなくなることを防ぐことができ、高速印刷が可能になる。
MUX144は、二つのラインバッファのうち、先のラインが格納されている方のバッファを選択する為に存在する。つまり、MUX144は、あるラインの出力が完了すると、反対側のバッファを選択するように自動的に切り替わる。
また比較回路146には、第1ラインバッファ143と第2ラインバッファ145とから2列のピクセルが供給される。比較回路146はカウンタを兼ねており、隣接する2列のピクセルから副走査方向の「1」→「0」または「0」→「1」の変化を確認し、その結果から、トナー像における副走査方向のエッジの数をカウントする。比較回路146の出力信号である、カウントされたエッジの数は、制御部61に供給される。
ドットカウント部122は、論理積素子(以下、「ANDゲート」という)135と、カウンタ136とを含む。ドットカウント部122は、パルス幅変調回路110から出力される出力信号のレベルをピクセル毎にカウントする。ANDゲート135の一方の入力端子には、パルス幅変調回路110からの出力信号が供給され、他方の入力端子にはクロックパルス発振器123からのクロックパルスが供給される。したがって、ANDゲート135の出力端子から、レーザ駆動パルスのパルス幅に対応した数のクロックパルス、すなわち各ピクセルの濃度に対応した数のクロックパルスが出力される。
このクロックパルスの数がピクセル毎にカウンタ136によって積算され、トナー像を構成する全ピクセルの数が算出される。このカウンタ136から出力されるトナー像の全ピクセルの数は、制御部61に入力される。
補正消費量算出部64のエッジ比率算出部124は、主走査方向エッジカウント部121の出力結果と、副走査方向エッジカウント部140の出力結果と、ドットカウント部122の出力結果とに基づいて、トナー像におけるエッジの比率、すなわちトナー像を構成する全ピクセルの数に対するエッジのピクセルの数(エッジのピクセルの数/全ピクセルの数)を算出する。このエッジ比率に基づいて、エッジ補正係数格納部126に格納されるエッジ補正係数αがエッジ補正演算部125によって選択される。エッジ補正演算部125は、予測消費量算出部63によって算出されたトナーの消費量wにエッジ補正係数αを乗算し、トナーの補正消費量を算出する。
エッジ補正係数格納部126に格納されるエッジ補正係数は、エッジ比率に応じて予め定められる。表2に、静電潜像の電界の回り込みによりエッジ部の電界強度が大きくなりエッジ部のトナー付着量が大きくなるエッジ効果が現れる場合のエッジ補正係数αの一例を示す。
Figure 2009169307
表2の場合、エッジ比率が4つのエリア、具体的にはエリア1〜エリア4に分けられ、エリアごとにエッジ補正係数αが定められている。エッジ補正演算部125によってトナーの補正消費量が算出されるときには、4つのエリアごとに定められたエッジ補正係数αが、エッジ比率に対応して選択される。表2の場合、エッジ比率が0%以上5%未満であるときのエッジ補正係数αは1.0であり、エッジ比率が5%以上10%未満であるときのエッジ補正係数αは1.1であり、エッジ比率が10%以上20%未満であるときのエッジ補正係数αは1.2であり、エッジ率が20%以上であるときのエッジ補正係数αは1.3である。
表3に、たとえば、細線もしくは孤立ドットの再現性が低下し、エッジ部のトナー付着量が低下する場合のエッジ補正係数αの一例を示す。
Figure 2009169307
表3の場合、表2の場合と同様に、エッジ比率が4つのエリア、具体的にはエリア1〜エリア4に分けられ、エリアごとにエッジ補正係数αが定められている。エッジ補正演算部125によってトナーの補正消費量が算出されるときには、4つのエリアごとに定められたエッジ補正係数αが、エッジ比率に対応して選択される。表3の場合、エッジ比率が0%以上5%未満であるときのエッジ補正係数αは1.0であり、エッジ比率が5%以上10%未満であるときのエッジ補正係数αは0.9であり、エッジ比率が10%以上20%未満であるときのエッジ補正係数αは0.8であり、エッジ率が20%以上であるときのエッジ補正係数αは0.7である。
画像形成装置である複写機30において、エッジ効果の影響は一様でなく、装置によって、エッジ効果の強いものと、弱いものとがある。エッジ効果の強い装置の場合、より詳細にはエッジ部のトナー付着量がエッジ部以外の部分のトナー付着量に比べて大きくなる場合、エッジ補正係数αは、エッジ比率が高いほど大きくなるように定められ、たとえば表2に示すエッジ補正係数αが用いられる。エッジ効果の弱い装置の場合、より詳細には、たとえば細線または孤立ドットの再現性の低下などによって、エッジ部のトナー付着量がエッジ部以外の部分のトナー付着量に比べて小さくなる場合、エッジ補正係数αは、エッジ比率が高いほど小さくなるように定められ、たとえば表3に示すエッジ補正係数αが用いられる。エッジ効果の強弱は、たとえば予め試験によって求められる。
通算消費量算出部65は、補正消費量算出部64から入力される補正後のトナー消費量である補正消費量を、算出されるたびに累積する。したがって、通算消費量算出部65による積算値を、図1に示す主補給量制御部69による主補給動作が行われた時点から累積して記憶すれば、その主補給動作が行われた時点からのトナーの通算消費量が分かる。このようにすることによって、トナーの通算消費量を正確に予測計算することができる。算出された通算消費量は、図1に示す主補給タイミング制御部66に入力される。このように通算消費量算出部65は、補給手段である補給ローラ8によって現像槽4に第1補給量である基準消費量Wrefのトナーが補給された時点からのトナーの通算消費量を算出する。通算消費量算出部65は、通算トナー量相当カウント算出部に相当する。
図1に戻って、主補給タイミング制御部66は、遅延回路であり、通算消費量算出部65から入力される通算消費量を、予め定める算出補給遅延時間t1だけ遅延させて主補給量制御部69に出力する。算出補給遅延時間t1は、予測消費量算出部63において画像データに基づいてトナー消費量を算出した時点から、トナー消費量の算出に用いられた画像データに対応する画像の現像処理が現像ローラ1と感光体ドラム48との間で行われ、当該現像処理後に現像ローラ1上に残存したトナーが現像槽4に回収され、撹拌ローラ2,3によって補給ローラ8の近傍に移動するまでの時間に設定されている。
主補給量制御部69は、主補給タイミング制御部66から入力されたトナーの通算消費量が所定値以上の場合、補給ローラ主駆動部70に補給ローラ駆動モータ71を駆動させるための駆動信号を供給し、主補給タイミング制御部66から入力された信号が所定値未満の場合、補給ローラ主駆動部70に補給ローラ駆動モータ71を停止させるための停止信号を供給する。すなわち、主補給量制御部69は、通算消費量算出部65が算出したトナーの通算消費量が、RAM81内の基準値記憶部81aに記憶されている基準値である基準消費量以上である場合には補給ローラ駆動モータ71を駆動させ、通算消費量算出部65が算出したトナーの消費量が、RAM81に記憶されている基準値である基準消費量よりも小さい場合には補給ローラ駆動モータ71を停止させる。
主補給量制御部69は、たとえば、トリガパルスが入力されると、一定時間幅のパルスを出力するモノステーブル(単安定)マルチバイブレータで構成され、補給すべきトナー量に応じたタイミングで間欠駆動される。主補給量制御部69はモノステーブルマルチバイブレータに限るものではなく、たとえば補給ローラ駆動モータ71の回転数を制御することによってトナー補給量を制御する構成としてもよい。ただし、主補給量制御部69としてモノステーブルマルチバイブレータを用いる場合には、たとえば補給ローラ駆動モータ71の回転数を制御する場合に比べて、トナー補給量をより正確に安定して制御できる。
補給ローラ主駆動部70は、主補給量制御部69から駆動信号を受けている間、補給ローラ8の回転駆動源である補給ローラ駆動モータ71を駆動(間欠駆動)する。これにより、補給ローラ8が回転駆動され、トナー補給槽7内のトナーが現像槽4に補給される。
濃度取得手段であるトナー濃度取得部73は、トナー濃度センサ100の出力信号に基づいて、現像槽4内のトナー濃度を取得し、取得したトナー濃度を補助補給タイミング制御部74に出力する。
遅延回路である補助補給タイミング制御部74は、トナー濃度取得部73から入力されるトナー濃度を、予め定める濃度補給遅延時間t2だけ遅延させて補助補給量制御部75に入力する。濃度補給遅延時間t2は、トナー濃度取得部73においてトナー濃度を取得した後、そのトナー濃度が測定された2成分現像剤がトナー補給装置11によるトナーの補給領域に移動するまでの時間に設定されている。
補助補給量制御部75は、補助補給タイミング制御部74から入力された信号に基づいて補給ローラ補助駆動部76に補給ローラ駆動モータ71を駆動させるための駆動信号または停止させるための停止信号を供給する。補助補給量制御部75は、たとえば、トリガパルスが入力されると、一定時間幅のパルスを出力するモノステーブルマルチバイブレータで構成され、補給すべきトナー量に応じたタイミングで間欠駆動される。なお、補助補給制御部75はモノステーブルマルチバイブレータに限るものではなく、たとえば補給ローラ駆動モータ71の回転数を制御することによってトナー補給量を制御する構成としてもよい。ただし、補助補給量制御部75としてモノステーブルマルチバイブレータを用いる場合には、たとえば補給ローラ駆動モータ71の回転数を制御する場合に比べて、トナー補給量をより正確に安定して制御できる。
補給ローラ補助駆動部76は、補助補給量制御部75から駆動信号を受けている間、補給ローラ8の回転駆動源である補給ローラ駆動モータ71を駆動する。これにより、補給ローラ8がトナー補給槽7内のトナーを現像槽4に供給するようになっている。
(トナー補給装置11の動作)
トナー補給装置11の動作について説明する。図10は、トナー補給装置11によるトナー補給動作に関する処理手順を示すフローチャートである。トナー補給装置11によるトナー補給動作は、複写機30による画像形成動作が開始されると開始され、ステップs1に進む。
ステップs1では、画像データ入力部62は、画像データの入力を受け付ける。画像データは、1ページ分が画像データ入力部62に入力される。画像データ入力部62に入力された画像データは、トナー消費量算出部150の予測消費量算出部63、および補正消費量算出部64の副走査方向エッジカウント部140の画像メモリ141に入力される。
ステップs2では、トナー消費量算出部150の予測消費量算出部63は、画像データの各ピクセルについてトナーの消費量の予測値に対応したトナー量相当カウントを算出し、画像データの全ピクセルについて積算し、1ページ分のトナー消費量を算出する。より詳細には、予測消費量算出部63は、入力された多値画像から小領域を生成し、補正演算した後、図5に示す係数格納部93に格納されている重み付け係数テーブルの重み付け係数に基づいてピクセルごとに重み付けし、トナー消費量wを算出する。
ステップs3では、制御部61は、図9に示す主走査方向エッジカウント部121および副走査方向エッジカウント部140からの出力結果、より詳細には主走査方向エッジカウント部121のカウンタ133および副走査方向エッジカウント部140の比較回路146からの出力結果に基づいて、入力された多値画像にエッジがあるか否かを判断する。エッジがあると判断されるとステップs4に進み、エッジがないと判断されるとステップs5に進む。具体的には、主走査方向および副走査方向の少なくともいずれか一方にエッジがあると判断されるとステップs4に進み、主走査方向および副走査方向のいずれにもエッジがないと判断されるとステップs5に進む。
ステップs4では、トナー消費量算出部150の補正消費量算出部64は、エッジを考慮して、トナーの補正消費量を算出する。より詳細には、補正消費量算出部64は、主走査方向エッジカウント部121の出力結果と、副走査方向エッジカウント部140の出力結果と、ドットカウント部122の出力結果とに基づいて、トナー像におけるエッジの比率、すなわちトナー像を構成する全ピクセルの数に対するエッジのピクセルの数(エッジのピクセルの数/全ピクセルの数)を算出する。このエッジ比率に基づいて、エッジ補正係数格納部126に格納されるエッジ補正係数αがエッジ補正演算部125によって選択される。エッジ補正演算部125は、予測消費量算出部63によって算出されたトナーの消費量wにエッジ補正係数αを乗算し、トナーの補正消費量を算出する。このようにしてトナーの補正消費量が算出されると、ステップs5に進む。
ステップs5では、トナー消費量算出部150の通算消費量算出部65は、トナーの消費量wを累計し、通算消費量TWを算出する。ステップs3においてエッジがあると判断された場合には、補正消費量が累計される。算出された通算消費量は、主補給量制御部69に出力される。より詳細には、制御部61は、通算消費量算出部65に算出させた通算消費量を、主補給タイミング制御部66によって算出補給遅延時間t1だけ遅延させて主補給量制御部69に出力させる。このようにしてトナー消費量算出部150によって通算消費量TWが算出されて出力されると、ステップs6に進む。
ステップs6では、主補給量制御部69は、算出された通算消費量TWが、予め定める基準消費量Wref以上であるか否かを判断する。通算消費量TWが基準消費量Wref以上であると判断されると、ステップs7に進み、通算消費量TWが基準消費量Wref未満であると判断されると、ステップs9に進む。
基準消費量Wrefは、トナー消費量算出部150によって算出されるトナーの通算消費量と実際のトナー消費量との誤差を考慮して選ばれる。より詳細には、基準消費量Wrefは、トナー消費量算出部150によって算出されるトナーの通算消費量から、トナー消費量算出部150によって算出されるトナーの通算消費量と実際のトナー消費量との誤差の最大値を差し引いた値よりも小さい値に選ばれる。これによって、トナーの過補給が生じることを防止することができる。
たとえば、トナー消費量算出部150によって算出される通算消費量と実際のトナー消費量との誤差の最大値が±20%である場合、算出される通算消費量に対して80%以下の値を基準消費量Wrefに設定する。過補給をより確実に防止するために、基準消費量Wrefを、たとえば、算出されるトナーの通算消費量に対して80%の値よりも小さい値(たとえば70%)に設定してもよい。また、たとえばトナー消費量算出部150によって算出したトナーの通算消費量と実際のトナー消費量との誤差の最大値が±5%である場合には、算出したトナーの通算消費量に対して95%以下(たとえば90%)の値を基準消費量Wrefに設定すればよい。基準消費量Wrefは、予め試験によって、トナー消費量算出部150で算出される通算消費量と、実際のトナー消費量との誤差の最大値を求めて、その求めた最大値に基づいて設定される。
ステップs7では、制御部61は、主補給量制御部69から補給ローラ主駆動部70に、補給ローラ駆動モータ71を駆動させる駆動信号を出力させ、補給ローラ駆動モータ71を駆動させ、基準消費量Wrefに相当する量のトナーを現像槽4に補給させる。この基準消費量Wrefに相当する量が、第1補給量に相当する。補給ローラ8の1回転あたりのトナーの補給量は、基準消費量Wrefおよび、後述する基準補給量Wrsに応じて選ばれる。たとえば、補給ローラ8の1回転あたりの補給量は、基準消費量Wrefに選ばれる。
このようにしてトナーが補給されると、ステップs8に進む。ステップs8において、通算消費量算出部65におけるトナーの消費量の累計値TWがゼロ(0)にリセットされ、ステップs9に進む。
ステップs9では、トナー濃度取得部73が、トナー濃度センサ100の出力信号からトナー濃度TDを取得し、補助補給タイミング制御部74を介して補助補給量制御部75に出力し、ステップs10に進む。より詳細には、制御部61は、トナー濃度取得部73によって取得されたトナー濃度TDを、補助補給タイミング制御部74によって濃度補給遅延時間t2だけ遅延させて補助補給量制御部75に出力させる。
ステップs10では、補助補給量制御部75は、入力されたトナー濃度TDが、予め定める基準値である補給開始濃度未満であるか否かを判断する。トナー濃度TDが補給開始濃度未満であると判断されると、ステップs11に進み、トナー濃度TDが補給開始濃度以上であると判断されると、ステップs13に進む。
ステップs11では、制御部61は、補助補給量制御部75から補給ローラ補助駆動部76に、補給ローラ駆動モータ71を駆動させる駆動信号を出力させて補給ローラ駆動モータ71を駆動させ、予め定める基準補給量Wrsのトナーを現像槽4に補給させる。この基準補給量Wrsが、第2補給量に相当する。基準補給量Wrsは、前述の基準消費量Wrefと同一の値であってもよく、異なる値であってもよい。このようにしてトナーが補給されると、ステップs12に進む。ステップs12において、トナーの消費量のカウンタTW、すなわちトナーの消費量の累積値TWをゼロ(0)にリセットして、ステップs13に進む。
ステップs13では、制御部61は、複写機30による画像形成動作が終了し、トナー補給装置11の運転の終了が指示されているか否かを判断する。運転の終了が指示されていると判断されると、ステップs14に進んで処理を終了し、運転の終了が指示されていないと判断されると、ステップs1に戻り、画像データの受信から始まる一連のステップが繰返される。
本実施形態では、ステップs12においてトナーの消費量の累積値である通算消費量TWがゼロ(0)にリセットされる。したがってステップs6においてトナーの消費量の累積値である通算消費量TWが基準消費量Wref未満であると判断されて、ステップs7で基準消費量Wrefのトナーの補給が行なわれずに、ステップs10でトナー濃度TDが補給開始濃度未満であると判断されて基準補給量Wrsのトナーが補給される場合、ステップs13からステップs1に戻った後のステップs5において、通算消費量算出部65は、通算消費量TWとして、現像槽4に補給ローラ8によって第2補給量である基準補給量Wrsのトナーが補給された時点からのトナーの通算消費量を算出する。このように通算消費量算出部65は、補給ローラ8によって現像槽4に基準消費量Wrefのトナーが補給された時点または基準補給量Wrsのトナーが補給された時点からのトナーの通算消費量を算出する。
以上のように、本実施形態では、画像データから算出したトナーの通算消費量に基づくトナーの補給である主補給と、トナー濃度TDに基づくトナーの補給である補助補給を行なう。主補給で基準消費量との比較に用いられるトナーの通算消費量は、エッジを考慮して算出される。画像のエッジ部は、たとえばエッジ効果によって、べた部よりも多量のトナーが付着するので、ドットをカウントする上で、べた部とエッジ部とでカウントの重み付けは異なるべきである。本実施形態では、主補給で基準消費量との比較に用いられるトナーの通算消費量は、エッジを考慮して算出されるので、エッジを考慮しない場合に比べて、実際のトナーの消費量との誤差をより小さくし、トナーの消費量の予測値をより正確に算出することができる。また補助補給では、トナー濃度TDが補給開始濃度未満になると、基準補給量Wrsのトナーが補給されるので、現像槽4におけるトナーの濃度TDを現像動作に必要な濃度に保つことができる。
このように本実施の形態では、算出された通算消費量に基づく主補給に加えて、トナー濃度TDに基づく補助補給を行なうことによって、算出された通算消費量に基づくトナー補給量の不足分を補い、現像槽4内のトナー濃度TDをトナー濃度目標値に近づけ、トナー濃度を安定させることができる。したがって、本実施の形態では、現像処理に伴うトナーの消費に対して、トナーの補給量が過多または過少になることを防止することができ、現像槽4におけるトナーの濃度TDを一定に保つことができる。
また補助補給は、主補給において基準消費量Wrefに相当する量のトナーが補給された後に、トナー濃度TDを確認し、そのトナー濃度が補給開始濃度未満である場合に行なわれる。前述のように、主補給ではエッジを考慮して算出されたトナーの通算消費量に基づいて補給動作を行なうか否かが判断されるので、補給が必要なときにより的確に、必要な量のトナーを補給することができる。これによって、トナー濃度TDが補給開始濃度未満になることを可及的に防ぐことが可能となるので、トナー濃度TDに基づく補助補給の頻度を低減し、制御部61による制御の負荷を低減することができる。
また本実施形態では、主補給において補給されるトナーの量である基準消費量Wrefは、通算消費量算出部65によって算出されるトナーの通算消費量Wから、通算消費量Wと実際のトナー消費量との誤差の最大値を減算した値よりも小さくなるように選ばれる。これによって、算出したトナーの通算消費量と実際のトナーの通算消費量との間に誤差が生じた場合に、その誤差によってトナーの過補給が生じることを防止することができる。
また本実施の形態では、補助補給を行なうか否かの判断の基準となるトナーの補給開始濃度は、キャリアに対するトナーの被覆率が100%以下になる濃度に選ばれる。これによって、トナーの帯電不良を防止し、かぶりの発生を防止することができる。
また本実施形態では、画像データから算出したトナー消費量に基づくトナーの補給(主補給)は、通算消費量算出部65において通算消費量を算出された時点から、算出補給遅延時間t1が経過した時点で行なわれる。算出補給遅延時間t1は、そのトナー消費量の算出に用いられた画像データに対応する画像の現像処理が現像ローラ1と感光体ドラム48との間で行われ、当該現像処理後に現像ローラ1上に残存したトナーが現像槽4に回収され、撹拌ローラ2,3によって補給ローラ8の近傍に移動するまでの時間に選ばれる。
このように算出補給遅延時間t1が経過した時点で主補給を行なうことによって、画像データに対応する画像の現像処理を行った後、当該画像の現像処理によるトナー消費に応じたトナーの補給を適切なタイミングで行うことができる。また現像処理によってトナー濃度が低下した領域に、必要量のトナーを補給することができるので、現像槽4内のトナー濃度をより均一化することができる。
また本実施形態では、トナー濃度TDに基づくトナーの補給(補助補給)は、トナー濃度取得部73においてトナー濃度TDが取得された時点から、濃度補給遅延時間t2が経過した時点で行なわれる。濃度補給遅延時間t2は、トナー濃度センサ100によってトナー濃度TDが測定されたトナーが現像槽4に回収され、トナー補給装置11によるトナーの補給領域に搬送されるまでの時間に選ばれる。
このように濃度補給遅延時間t2が経過した時点で補助補給を行なうことによって、トナー濃度TDに基づくトナーの補給(補助補給)量に、通算消費量に基づくトナーの補給(主補給)量が上乗せさせて補給されることを防止できる。したがって、通算消費量に基づく補給(主補給)と、トナー濃度検出結果に基づく補給(補助補給)とを併用する場合でも、トナーの過補給が生じることを確実に防止できる。
また本実施形態では、補給ローラ駆動モータ71を駆動させる補給ローラ主駆動部70および補給ローラ補助駆動部76が、モノステーブルマルチバイブレータによって構成されており、両駆動部が、トナー補給量に応じて、補給ローラ駆動モータ71を間欠駆動させる。このように、間欠駆動によって補給量を制御することにより、補給量を安定させ、制御性のよいトナー補給を行うことができる。
また本実施の形態では、予測消費量算出部63は、入力される画像データを小領域生成部91によって小領域ごとにクループ化して補正演算した後、小領域に含まれる複数のピクセルの信号入力値に応じた重み付け係数を用いて、各ピクセルのトナーの消費量の予測値を計算する。これによって、周辺のピクセルの信号入力値の影響が考慮された値として、トナーの消費量を算出することができるので、トナーの消費量をより正確に予測算出することができる。したがって、トナーの過多補給および過少補給をより確実に防ぐことができる。
また本実施の形態では、エッジ検出部120は、主走査方向エッジカウント部121によって、多値画像の主走査方向に関して、トナー像のエッジを構成するピクセルの数を検出し、副走査方向エッジカウント部140によって、多値画像の主走査方向に直交する副走査方向に関して、トナー像のエッジを構成するピクセルの数を検出し、ドットカウント部122によって、トナー像のエッジを構成する全ピクセルの数を検出する。
つまり本実施の形態では、トナーの消費量の予測値に用いられるエッジの検出結果は、主走査方向および副走査方向の両方に関するエッジの検出結果であり、トナー補給は、書き込んだ画像領域の主走査方向および副走査方向のエッジの総個数に基づいて行われる。これによって、エッジの検出結果として主走査方向および副走査方向のいずれか一方に関するエッジの検出結果を用いる場合に比べて、トナーの消費量の予測値をより正確に求めることができる。したがってトナーの通算消費量をより正確に求めることができるので、トナーの過多補給および過少補給をより確実に防止し、トナー収容容器である現像槽4内のトナーの濃度をより確実に一定に保つことができる。
また本実施の形態では、副走査方向エッジカウント部140は、2つのラインバッファ、すなわち第1ラインバッファ143および第2ラインバッファ145を含む。このようにラインバッファを2つにすることで、高速印刷においてデータ転送が印刷に対して間に合わなくなる、すなわちパルス幅変調回路110への出力が、感光体ドラム48への書込みタイミングに間に合わなくなることを防ぐことができる。つまり、高速印刷が可能になる。この高速印刷は、副走査方向エッジカウント部140の比較回路146以外のモジュールによって実現される。本実施の形態では、この高速印刷を実現可能な構成に、比較回路146を追加するだけで、副走査方向のエッジをカウントする副走査方向エッジカウント部140を実現することができる。このように本実施の形態では、簡単な構成で、副走査方向エッジカウント部140を実現することができる。
また本実施形態では、感光体ドラム48への書込みは、レーザ書込みユニット46の半導体レーザ素子111によって行われる。半導体レーザ素子111のオンからオフ(ON→OFF)またはオフからオン(OFF→ON)への動作は、画像のエッジ部で起こるので、この動作の回数をカウントすることで、主走査方向および副走査方向のエッジの個数をカウントすることができる。したがって、主走査方向および副走査方向のエッジの個数を容易にカウントすることができる。半導体レーザ素子111のオンからオフ、またはオフからオンへの動作は、前述の主走査方向エッジカウント部121および副走査方向エッジカウント部140によってカウントすることができる。
以上に述べた本実施の形態では、エッジ検出部120は、レーザ書き込みユニット46のパルス幅変調回路110からの出力信号を用いて、トナー像のエッジを構成するピクセルの数およびトナー像を構成する全ピクセルの数をカウントする。エッジ検出部120は、これに限定されず、画像データ入力部62に入力される画像データを用いて、エッジのピクセルの数およびトナー像の全ピクセルの数をカウントするように構成されてもよい。この場合、エッジ検出部の主走査方向エッジカウント部および副走査方向エッジカウント部は、たとえば、画像データ入力部62に入力される画像データを2値化し、隣接するピクセルの階調値を比較することによって、階調値が「0」から「1」、または「1」から「0」に変化する部分をエッジとしてカウントするように構成される。またドットカウント部は、たとえば2値化された画像データから、トナー像を構成するピクセルの数をカウントするように構成される。
また本実施の形態では、補給ローラ8は、トナー濃度取得部73によって取得されるトナー濃度TDが補給開始濃度未満になると、一定量である基準補給量Wrsのトナーを補給するように補助補給量制御部75を介して制御部61によって制御される。補給ローラ8の制御の仕方はこれに限定されない。たとえば補給ローラ8は、トナー濃度取得部73によって取得されるトナーの濃度TDが補給開始濃度未満になると、現像槽4へのトナーの補給を開始し、トナー濃度取得部73によって取得されるトナーの濃度TDが、補給開始濃度よりも大きい補給停止濃度以上になると、現像槽4へのトナーの補給を停止するように制御部61によって制御されてもよい。
このようにトナーの補給を停止するときのトナーの濃度を、トナーの補給を開始するときのトナーの濃度よりも大きい値に選択し、トナー濃度に基づく補給動作にヒステリシスを持たせることによって、補給ローラ8による補給動作のチャタリングと呼ばれる振動を防止することができる。
このようにヒステリシスを持たせる場合、図11に示すように、前述の図10に示すフローチャートのステップs10の後であってステップs12の前に、ステップs11に代えて、ステップa1〜a6が設けられる。この場合、ステップs10においてトナー濃度TDが基準値である補給開始濃度未満であると判断されると、ステップa1に進み、ステップa1において基準補給量Wrsのトナーの補給が開始され、ステップa2に進む。
ステップa2では、トナー濃度TDの基準値を、もとの基準値である補給開始濃度よりも大きい補給停止濃度に置き換える。このようにして基準値が補給開始濃度から補給停止濃度に置き換えられると、ステップa3に進む。
ステップa3において、ステップs9と同様にしてトナー濃度TDが取得されてステップa4に進み、ステップa4において、トナー濃度TDが、置き換えられた基準値である補給停止濃度未満であるか否かが判断される。ステップa4において、トナー濃度TDが基準値である補給停止濃度未満であると判断されると、ステップa3に戻り、再度トナー濃度TDが取得される。このとき、補給ローラ駆動モータ71の駆動は継続されており、補給ローラ8の回転が継続されるので、トナーの補給が継続され、基準補給量Wrsのトナーが再度補給される。
ステップa4において、トナー濃度TDが補給停止濃度未満でない、すなわちトナー濃度TDが補給停止濃度以上であると判断されると、ステップa5に進み、ステップa5においてトナー濃度TDの基準値が、もとの基準値である補給開始濃度に戻されて、ステップa6に進む。ステップa6において、補給ローラ駆動モータ71の駆動が停止されることによって補給ローラ8の回転が停止されて、トナーの補給が停止され、ステップs12に進む。
補給開始濃度は、たとえば4.5%に選ばれ、補給停止濃度は、たとえば4.8%に選ばれる。本実施形態において補給停止濃度は、補給開始濃度よりも、補給開始濃度の5%以上20%以下大きい値に選ばれる。補給停止濃度と補給開始濃度との関係はこれに限定されない。
補給開始濃度は、現像装置10において現像を行なうために最低限必要なトナー濃度である下限濃度よりも大きい値に選ばれる。本実施形態において補給開始濃度は、下限濃度よりも10%以上30%以下大きい値に選ばれる。補給開始濃度はこれに限定されない。
補給停止濃度は、現像装置10における現像動作を不具合なく行なうための上限のトナーの濃度である上限濃度よりも小さい値に選ばれる。本実施形態において補給停止濃度は、上限濃度よりも10%以上30%以下小さい値に選ばれる。補給停止濃度はこれに限定されない。
また本実施形態では、現像ローラ1、撹拌ローラ2,3を備えた構成について説明したが、現像装置10の構成はこれに限るものではない。たとえば、現像ローラ1、撹拌ローラ2,3の形状や配置、撹拌ローラの個数、現像槽4の形状などが異なっていてもよい。現像装置10の構成が上記した構成と異なる場合、主補給における算出補給遅延時間t1は、通算消費量算出部65において通算消費量を算出した後、その通算消費量の算出に用いた画像データに対応する画像の現像処理後に現像ローラ(現像剤担持体)1上に残った残存トナーが、所定経路を経てトナー補給位置に搬送されるまでの時間に設定すればよい。また補助補給における濃度補給遅延時間t2は、トナー濃度TDが測定されたトナーが、所定経路を経てトナー補給位置に搬送されるまでの時間に設定すればよい。
また本実施の形態では、トナー補給装置11は、トナー槽7に対してトナーを補給するように構成されるが、これに限定されず、トナーとともに、キャリアを供給するように構成されてもよい。
また本実施形態では、トナー濃度制御系60における全ての処理を、制御部61の制御によって行っている。しかしながら、これに限らず、これらの処理を行うためのプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出すことのできる情報処理装置を、制御部61に代えて用いるようにしてもよい。
この構成では、情報処理装置の演算装置(CPUやMPU)が、記録媒体に記録されているプログラムを読み出して処理を実行する。したがって、このプログラム自体が処理を実現するといえる。
ここで、上記の情報処理装置としては、一般的なコンピューター(ワークステーションやパソコン)の他に、コンピューターに装着される、機能拡張ボードや機能拡張ユニットを用いることができる。
また、上記のプログラムとは、処理を実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式プログラム,中間コードプログラム,ソースプログラム等)のことである。このプログラムは、単体で使用されるものでも、他のプログラム(OS等)と組み合わせて用いられるものでもよい。また、このプログラムは、記録媒体から読み出された後、装置内のメモリ(RAM等)にいったん記憶され、その後再び読み出されて実行されるようなものでもよい。
また、プログラムを記録させる記録媒体は、情報処理装置と容易に分離できるものでもよいし、装置に固定(装着)されるものでもよい。さらに、外部記憶機器として装置に接続するものでもよい。
このような記録媒体としては、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどを適用できる。
また、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介して情報処理装置と接続されている記録媒体を用いてもよい。この場合、情報処理装置は、ネットワークを介するダウンロードによりプログラムを取得する。すなわち、上記のプログラムを、ネットワーク(有線回線あるいは無線回線に接続されたもの)等の伝送媒体(流動的にプログラムを保持する媒体)を介して取得するようにしてもよい。なお、ダウンロードを行うためのプログラムは、装置内(あるいは送信側装置・受信側装置内)にあらかじめ記憶されていることが好ましい。
本発明の実施の一形態であるトナー補給装置11の構成を示すブロック図である。 トナー補給装置11を備える本発明の実施の一形態の画像形成装置である複写機30の概略構成を示す断面図である。 トナー補給装置11および現像装置10の構成を示す断面図である。 トナー濃度センサ100の概略構成を示すブロック図である。 予測消費量算出部63の構成を示すブロック図である。 小領域の第1の生成例を示す図である。 小領域の第2の生成例を示す図である。 表1に示す4つのエリア(4つの分割領域)に分けられた重み付け係数テーブルの信号入力値とそれに対応する重み付け係数との関係を示す図である。 補正消費量算出部64の構成を示すブロック図である。 トナー補給装置11によるトナー補給動作に関する処理手順を示すフローチャートである。 トナー補給装置11によるトナー補給動作に関する他の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
11 トナー補給装置
46 レーザ書込みユニット
60 トナー濃度制御系
61 制御部
62 画像データ入力部
63 予測消費量算出部
64 補正消費量算出部
65 通算消費量算出部
66 主補給タイミング制御部
69 主補給量制御部
70 補給ローラ主駆動部
71 補給ローラ駆動モータ
73 トナー濃度取得部
74 補助補給タイミング制御部
75 補助補給量制御部
76 補給ローラ補助駆動部
120 エッジ検出部
121 主走査方向エッジカウント部
122 ドットカウント部
123 クロックパルス発振器
124 エッジ比率算出部
125 エッジ補正演算部
126 エッジ補正係数格納部
140 副走査方向エッジカウント部
150 トナー消費量算出部

Claims (6)

  1. 複数のピクセルから成り、各ピクセルが階調値で表される多値画像に基づいて像担持体に形成される静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段の前記トナーを収容するトナー収容容器にトナーを補給するためのトナー補給装置であって、
    予め定める第1および第2補給量のトナーをトナー収容容器に補給可能な補給手段と、
    トナー収容容器に第1補給量のトナーが補給された時点からのトナーの通算消費量を、入力される多値画像に基づいて算出するトナー消費量算出手段と、
    トナー収容容器に収容されるトナーの濃度を取得する濃度取得手段と、
    トナー消費量算出手段によって算出されるトナーの通算消費量が、予め定める基準消費量以上になると、第1補給量のトナーをトナー収容容器に補給し、濃度取得手段によって取得されるトナーの濃度が、予め定める補給開始濃度未満になると、第2補給量のトナーをトナー収容容器に補給するように補給手段を制御する制御手段とを含み、
    前記トナー消費量算出手段は、
    入力される多値画像の各ピクセルの階調値を取得する階調値取得部と、
    前記多値画像におけるエッジを主走査方向および副走査方向に関して検出するエッジ検出部と、
    前記階調値取得部によって取得される階調値と、前記エッジ検出部による主走査方向および副走査方向に関するエッジの検出結果とを用いて、トナーの消費量の予測値を求め、前記予測値を用いて、トナーの通算消費量を算出する算出部とを備えることを特徴とするトナー補給装置。
  2. 前記制御手段は、算出部によってトナーの通算消費量が算出された時点から、予め定める算出補給遅延時間が経過した時点で、第1補給量のトナーの補給を開始するように補給手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のトナー補給装置。
  3. 前記制御手段は、トナー濃度取得部によってトナーの濃度が取得された時点から、予め定める濃度補給遅延時間が経過した時点で、第2補給量のトナーの補給を開始するように補給手段を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のトナー補給装置。
  4. 前記トナー収容容器は、トナーとともにキャリアを収容し、
    前記補給開始濃度は、キャリアに対するトナーの被覆率が100%以下になる濃度であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナー補給装置。
  5. 前記制御手段は、濃度取得手段によって取得されるトナーの濃度が、前記補給開始濃度未満になると、トナー収容容器へのトナーの補給を開始し、前記トナーの濃度が、補給開始濃度よりも大きい補給停止濃度以上になると、トナー収容容器へのトナーの補給を停止するように補給手段を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナー補給装置。
  6. 複数のピクセルから成り、各ピクセルが階調値で表される多値画像に基づいて像担持体に静電潜像を形成する潜像形成手段と、
    トナーを収容するトナー収容容器を含み、像担持体に形成される静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、
    現像手段のトナー収容容器にトナーを補給するための請求項1〜5のいずれか1つに記載のトナー補給装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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