JP5229616B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
例えば、湿度が高く、トナーが帯電しにくい状態のときにおいては、トナー補給装置から補給された新規トナーは、攪拌搬送路において、十分摩擦帯電することができない。特に、近年、現像装置の小型化によって、攪拌搬送路が短くなり、このような高湿環境下において、新規トナーは、攪拌搬送路で十分摩擦帯電することができない。このように、十分帯電していない新規トナーが供給搬送路に搬送される結果、供給搬送路内には、現像装置内に比較的長い時間存在し撹拌作用を長く受けて十分に帯電したトナーと、十分に帯電していない新規トナーとが存在し、供給搬送路内のトナー帯電量が不均一になる。その結果、現像ローラ上の撹拌作用を長く受けて十分に帯電したトナーが付着した箇所は、所望の画像濃度が得られ、現像ローラ上の十分に帯電していない新規トナーが付着した箇所は、所望の画像濃度よりも濃くなり、現像ムラが生じるのである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記現像手段には、現像手段内の現像剤を攪拌する攪拌部材を備えており、前記トナー帯電処理が、前記攪拌部材を所定時間回転駆動させる処理であることを特徴する画像形成装置。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、前記トナー帯電状態を変化させる要因に基づいて、前記攪拌部材による現像剤攪拌時間を変化させることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、前記光学的検知手段の出力調整と、前記トナー帯電処理とを同時に実行することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、複数の潜像担持体と、それぞれの潜像担持体を個別に帯電するための複数の帯電手段と、それぞれの潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、少なくともトナーを含有する現像剤を担持する現像剤担持体に現像バイアスを印加しながら該現像剤担持体上のトナーをそれぞれの潜像担持体上の潜像に個別に転移させて該潜像を現像する複数の現像手段と、それぞれの潜像担持体との対向位置を順次通過するように表面を無端移動させる無端移動体と、それぞれの潜像担持体の現像によって得られたトナー像を、該無端移動体の表面に保持される記録体に転写するか、あるいは該無端移動体の表面に転写した後に記録体に転写する転写手段と、該無端移動体上のトナー像からの反射光を検出する光学的検知手段と、付着量が互いに異なるような画像形成条件で形成された複数のトナーパッチからなる階調パターンを形成し、該複数のトナーパッチを前記光学的検知手段で検出した検出値に基づいて画像形成条件を調整する画像濃度調整手段と、所定の位置ズレ検知用トナーパッチをそれぞれの潜像担持体から該無端移動体の表面に転写して得た位置ズレ検知パターンの前記光学的検知手段による検知結果に基づいて、それぞれの潜像担持体上におけるトナー像の相対的な位置ズレ量を算出し、その算出結果に基づいてそれぞれの潜像担持体上におけるトナー像の相対的な位置ズレを補正する位置ズレ補正手段とを備える画像形成装置において、装置内の湿度、温度または所定期間内に作像した画像の画像面積率を検知し、その検知結果に基づいて、現像手段内のトナーの帯電状態を予測し、現像手段内のトナーの帯電状態が現像装置内のトナー帯電状態が不均一状態であったり、帯電量が低い状態であったりすることが予測されるときは、位置ズレ補正手段を実行した後に前記階調パターンの作像を行うように決定し、現像装置内のトナー帯電状態が、均一状態であり、また、帯電量が良好な状態であると予測されるときは、前記階調パターンの作像後に位置ズレ補正手段を実行するように決定する決定手段を備えたことを特徴とするものである。
また、現像手段内のトナーの帯電量が均一と予測される場合や、現像手段内のトナーが十分帯電していると予測される場合は、画像濃度調整手段を実行する前にトナー帯電処理を実行しないようにするので、画像濃度調整の時間を短縮することができる。
また、位置ズレ検知は、光学的検知手段を用いて、トナーパッチ間の距離を検知するので、現像ムラが生じてトナーパッチに濃度ズレがあったりしても検知結果に影響を及ぼすことがない。よって、現像手段内のトナー帯電量が不均一であったり、トナー帯電量が低下していたりしても良好にそれぞれの潜像担持体上におけるトナー像の相対的な位置ズレを検知することができる。
さらに、請求項5の発明においては、位置ズレ補正手段を実行して、それぞれの潜像担持体上におけるトナー像の相対的な位置ズレを補正するので、色ずれを抑制することができる。
また、請求項5の発明によれば、階調パターンのトナーパッチ数を少なくしても、精度よく現像γの検出を行うことが可能となるとともに、色ずれを抑制することができる。
図1は、本実施形態に係るレーザプリンタの主要部を示す概略構成図である。
このレーザプリンタは、画像形成手段として、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための4組の作像手段たるプロセスユニット1Y,1C,1M,1K(以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック用の部材であることを示す。)を備えている。このプロセスユニット1Y,1C,1M,1Kは、それぞれ、潜像担持体としてのドラム状の感光体11Y,11C,11M,11Kを有する感光体ユニット10Y,10C,10M,10Kと、現像手段たる現像装置20Y,20C,20M,20Kとを備えている。
図2において、プロセスユニット1Yは、上述したように、感光体ユニット10Y及び現像手段たる現像装置20Yを備えている。感光体ユニット10Yは、感光体11Yのほか、その感光体表面をクリーニングするクリーニングブレード13Y、その感光体表面を一様帯電する帯電手段たる帯電ローラ15Y等を備えている。また、感光体表面に潤滑剤を塗布するとともに、感光体表面を除電する機能を有する潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Yも備えている。この潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Yは、ブラシ部が導電性繊維で構成され、その芯金部には除電バイアスを印加するための図示しない除電用電源が接続されている。
図3に示すように、マグネットローラ28Yには、感光体11Yに対向する現像極S1から図中反時計周り(現像スリーブ22Yによる現像剤搬送方向)に沿って順に、現像極S1(以下「S1極」という。)、搬送極N1,S2(以下、それぞれ「N1極」、「S2極」という。)、剤切れ上流極N2(以下「N2極」という。)、剤切れ・汲み上げ・規制極N3(以下「N3極」という。)という5極が設けられている(S1、S2、S3は互いに同極で例えばS極。N1、N2はS1等とは異なる極性で例えばN極。)
しかし、本実施形態においては、現像スリーブ22Y上に汲み上げられた現像剤が現像ドクタ25Yによる規制を受けるまでの現像スリーブ上において、磁界の変極点が存在しないので、変極点が存在するものに比べ、現像ドクタ25Yの上流側での現像剤ストレスを低減できる。このように、現像剤ストレスを低減することは、現像装置小型化の要請による現像剤量の少量化と、現像剤の長寿命化の相反する目的を両立するために非常に有効である。本実施形態のように、二成分現像剤を用いたカラー画像形成装置においては、トナー分散性を向上するために、シリカ(SiO2)や酸化チタン(TiO2)等の添加剤がトナー表面多くに外添されているが、これら添加剤はメカ的ストレスや熱ストレスに非常に弱い。ストレスを受けると、外添剤がトナー内部に埋没したり、表面から離脱したりする現象が発生し、現像剤(トナー、キャリアを含む)の流動性や帯電特性、さらにトナーとキャリアの物理的付着力が変化する。しかし、上述のような構成によって現像ドクタ25Yの上流側での現像剤ストレスを低減することで、トナー外添剤の埋没や離脱を極力抑えることを可能にすることができる。
図4は、光学センサ69の概略断面図である。図に示すように、光学センサ69は、主に、発光手段としての発光素子311と、正反射光を受光するための第1の受光手段としての正反射受光素子312と、拡散反射光を受光するための第2の受光手段としての拡散反射受光素子313とから構成されている。発光素子311から発した光を、中間転写ベルト6の表面に向けて出射する。そして、中間転写ベルト6の表面や、その表面に転写されたトナーパッチで正反射した正反射光を正反射受光素子312によって受光して、受光量に応じた電圧を出力する。更に、中間転写ベルト6の表面や、その表面に転写されたトナーパッチで拡散反射した拡散反射光を拡散反射受光素子313によって受光して、受光量に応じた電圧を出力する。
図6は、プロセスコントロールの基本フロー図である。
まず、制御部100は、プロセスコントロールを実行する前に、光学センサ69の初期設定を行う(S1)。具体的には、光学センサ69の正反射受光素子312の出力が予め決められた所定値(4V)になるように、発光素子311の発光強度を調整する。なお、光学センサ69の初期設定は、行わなくてもよい。
Vsg:転写ベルト地肌部を検知する光学センサからの出力電圧値(地肌部検知電圧)
Vsp:各基準パッチを検知する光学センサからの出力電圧値(パッチ検知電圧)
Voffset:オフセット電圧(LEDをOFFしているときの出力電圧値)
_reg:正反射光出力(Regular Reflectionの略)
_dif:拡散反射光出力(Diffuse Reflectionの略)(cf.JIS Z 8105 色に関する用語)
[n] 要素数:nの配列変数
i)以下の式を用いて正反射光からオフセット電圧を減ずる。
ΔVsg_reg[K][n]=Vsg_reg[K][n]−Voffset_reg
ΔVsp_reg[K]=Vsg_reg[K]−Voffset_reg[K]
正規化値Rn[K]=ΔVsg_reg[K][n]/ΔVsp_reg[K]
正規化値に対応する付着量変換テーブルを予め作成しておき、それに対応させて付着量を得る。
以上が、Kトナーの付着量算出アルゴリズムである。
カラートナー付着量においては、以下に示すSTEP1〜7という7段階の処理によって演算する。
STEP1では、データサンプリングを行って、ΔVspやΔVsgを算出する。まず、正反射光出力,拡散反射光出力ともに、全基準パッチ[n]個についてオフセット電圧との差分を計算する。これは、最終的には「センサ出力の増分をカラートナーの付着量に変化よる増分」のみで表したいためである。
また、拡散反射光出力増分については、次のようにして求める。
このようなSTEP1により、図9に示す特性曲線を得る。
STEP2では、感度補正係数αを算出する。まず、STEP1にて求めたΔVsp_reg.[n]やΔVsp_dif.[n]から、各基準パッチ毎に「ΔVsp_reg.[n]/ΔVsp_dif.[n]」を算出する。そして、後述するSTEP3で正反射光出力の成分分解を行う際に、拡散光出力(ΔVsp_dif[n])に乗ずるための感度補正係数αを、次のようにして算出する。
STEP3では、正反射光の成分分解を行う。
正反射光出力の拡散光成分については、次のようにして求める。
STEP4では、正反射光出力の正反射成分を正規化する。次の式のようにして、各パッチ検知電圧における地肌検知電圧との比を求めて、0〜1までの正規化値へ変換するのである。
STEP5では、拡散光出力の地肌部変動補正を行う。まず、次の式のようにして、ベルト地肌部からの拡散光出力成分を、拡散光出力電圧から除去する。
STEP6では、拡散光出力の感度を補正する。具体的には、図14に示すように、「正反射光の正反射成分の正規化値」に対し、地肌部変動補正後の拡散光出力をプロットし、そのプロット線を近似することで、拡散光出力の感度を求め、この感度があらかじめ定めた狙いの感度となる様、補正を行う。
まず、プロット線を2次近似式(y=ξ1x2+ξ2x+ξ3)で近似して、最小二乗法により係数ξ1、ξ2、ξ3を求める。
x[i]:正反射光_正反射成分の正規化値
y[i]:地肌部変動補正後拡散光出力
なお、計算に用いるxの範囲は、0.1≦x≦1.0である。
上記(1)、(2)、(3)の連立方程式を解くことで、係数ξ1、ξ2、ξ3を求めることができる。
STEP7では、センサ出力値をトナー付着量に変換する。STEP6までの処理により、LED光量低下などによって生ずる拡散反射出力の経時的な変動に対する補正処理が全て行われたため、最後に、センサ出力値をトナー付着量変換テーブルに基づいてトナー付着量に変換するのである。
以上が、カラートナーの付着量算出アルゴリズムである。
本実施形態においては、以下の式を用いて、現像バイアスVbを算出する。
Vlは、べた部露光部電位であり、本実施形態では、−50[V]である。
また、制御部100は、算出した現像バイアスVbに基づいて、帯電バイアスVcを決定する。帯電バイアスVcは、以下の式を用いて算出する。
Vfは、地肌ポテンシャルであり、本実施形態では、140[V]である。なお、地肌ポテンシャルVfとは、地肌汚れ防止のため現像バイアスVbとオフセットして設定するポテンシャルのことである。
また、LDパワーは、帯電電位に応じて80〜120%の間で調整するが、ここでは詳しい説明を割愛する。
以上が、プロセスコントロールの制御フローである。
現像γの算出において、最小二乗法により1次直線を求める際に使用するデータ点は光学センサの有効検出範囲内に均等に分散していることが望ましい。なぜなら、データ点が集中すると、誤差要因により現像γの精度が悪くなることが考えられるからである。ここで、誤差要因とは現像スリーブの周期ムラによるトナーパッチのトナー付着量のばらつきや、中間転写ベルト上の傷などによる光学センサ出力誤差から生ずるトナー付着量誤差である。そのため、各トナーパッチ作成時の現像バイアスを近くして、各トナーパッチの付着量の差異を小さくすると、トナー付着量にばらつきが生じた場合に変動の影響を受けやすくなるため、現像γの精度が悪化してしまう。よって、現像γを精度よく算出するという観点からトナーパッチのトナー付着量は光学センサ69の有効検出範囲内で低付着側から高付着側にかけて、等間隔に分布することが求められる。また、データ点を等間隔に分布させることは、付着量算出の観点からも非常に重要である。
最大現像ポテンシャルは以下の式により求めることができる。
ここで、べた部露光後電位Vlとは露光を行った後の感光体電位であり、感光体の特性に依存する値となる。本実施形態ではVl=−50[V]である。例えば、前回のプロセスコントロールの結果、現像バイアスVbが−550[V]であったとすると、現像ポテンシャルはPotMax=|−550−(−50)|=500[V]となる。最大現像ポテンシャルPotMaxの物理的意味であるが、所望のベタ濃度を得ることができる現像ポテンシャルである。本実施形態では、トナー付着量0.45[mg/cm2]のとき、ID=1.4が得られるようなシステムとなっている。
以上のように数13を用いて、各色それぞれの最大現像ポテンシャルPotMaxを求める。
K色トナーの場合、照射した光は、トナー表面で吸収されてしまうため、拡散反射光の感度が得られないとった特性がある。そのため、K色トナーでは正反射光のみを用いてトナー付着量の検知を行っている。また、正反射光のみで付着量の検知を行う場合には、トナー付着量が多くなるにつれて感度が低下するため、付着量の検知範囲がC,M,Y色のように、拡散反射光と正反射光との両方を用いて付着の検知を行うものに比べて狭くなる。よって、K色の階調パターンにおける各トナーパッチの付着量が、ベタ濃度のときのトナー付着量0.45[mg/cm2]よりも低い領域で均等分散するように、階調パターンを作像するときの現像バイアスを算出する。本実施形態においては、各トナーパッチの付着量が、0.05[mg/cm2]≦[K]≦0.35[mg/cm2]の範囲で均等分散するように、現像バイアスを算出する。
ここで、VPnは各トナーパッチの現像バイアスを表し、VPnのnは階調パターンのn番目を表す。
VP1(K)=PotMax(K)×(2/15)−Vl[−V]
VP2(K)=PotMax(K)×(4/15)−Vl[−V]
VP3(K)=PotMax(K)×(6/15)−Vl[−V]
VP4(K)=PotMax(K)×(8/15)−Vl[−V]
VP5(K)=PotMax(K)×(10/15)−Vl[−V]
C,M,Yの階調パターンは、図15に示すように、感度補正係数ηを算出するときに、各色のトナーパッチが、0.1≦x≦1.0の範囲内で均等に分散するのが理想である。よって、C,M,Yの場合、各トナーパッチが、0.1≦x≦1.0の範囲内で均等に分散するように、現像バイアスを算出する。
VP1(1)=PotMAX(1)×(1/15)−Vl
VP1(2)=PotMAX(2)×(2/15)−Vl
VP1(3)=PotMAX(3)×(3/15)−Vl
VP2(1)=PotMAX(1)×(4/15)−Vl
VP2(2)=PotMAX(2)×(5/15)−Vl
VP2(3)=PotMAX(3)×(6/15)−Vl
VP3(1)=PotMAX(1)×(7/15)−Vl
VP3(2)=PotMAX(2)×(8/15)−Vl
VP3(3)=PotMAX(3)×(9/15)−Vl
VP4(1)=PotMAX(1)×(10/15)−Vl
VP4(2)=PotMAX(2)×(11/15)−Vl
VP4(3)=PotMAX(3)×(12/15)−Vl
VP5(1)=PotMAX(1)×(13/15)−Vl
VP5(2)=PotMAX(2)×(14/15)−Vl
VP5(3)=PotMAX(3)×(15/15)−Vl
帯電バイアスの設定はK、C、M、Y共通であり、以下の数16を用いて算出する。
ただし、帯電バイアスの設定は地肌汚れが生じないように、地肌ポテンシャルオフセットを設定する。本実施形態において、地肌ポテンシャルオフセットは−140[V]である。
図3に示すように、現像スリーブ22Y上に汲み上げられた現像剤が現像ドクタ25Yによる規制を受けるまでの現像スリーブ上において、磁界の変極点が存在しないように構成し、現像剤の低ストレス化を図った結果、現像スリーブ上でトナーが十分に摩擦帯電することができない場合がある。その結果、現像スリーブ上に汲み上げられたトナーに帯電量が低いものが存在した場合、それが現像スリーブ上で十分に帯電されず、そのまま感光体に付着して、現像ムラが生じる場合がある。よって、供給搬送路内のトナーの帯電量を均一にして、供給搬送路内に十分に帯電していないトナーが存在しないようにすることが重要である。しかし、小型化の要請により現像装置が小さくなると、攪拌搬送路の長さが短くなり、トナー補給装置から供給された新規トナーが、攪拌搬送路内で十分に帯電されずに、供給搬送路へ搬送されてしまう場合がある。その結果、供給搬送路内のトナー帯電量が不均一となり、現像スリーブに十分に帯電していないトナーが汲み上げられて、現像ムラが生じるおそれがある。特に、高湿環境など、トナーが帯電しにくい状態のときや、単位時間または単位枚数あたりのトナー入換え量が多い場合、このような供給搬送路内のトナー帯電量の不均一が発生しやすい。
そして、このような供給搬送路内のトナー帯電量の不均一が発生している状態で画像濃度調整手段である制御部100が、プロセスコントロールを実行した場合、階調パターンに現像ムラが生じ、トナーパッチに濃度ずれが生じてしまう。本実施形態の各色の階調パターンは、5個と少ないトナーパッチから構成されているため、トナーパッチの濃度ずれが生じると、現像γの検出誤差や感度補正係数ηの検出誤差が大きくなってしまい、画像濃度調整後に良好な画像を得ることができなくなるおそれがある。
図17は、横軸を現像ポテンシャル縦軸を光学センサの出力値より算出したトナー付着量として、プロットしたグラフである。現像ポテンシャルとトナー付着量とは比例関係にあるが、図17に示すようにトナー付着量が0.6[mg/cm2]を超えると、現像ポテンシャルとトナー付着量との比例関係が崩れてしまっている。これは、光学センサが、トナー付着量が0.6[mg/cm2]を超えると、正しく付着量を検知できなくなってしまったからである。よって、階調パターンの各トナーパッチに付着するトナー付着量が多くなってしまうと、多くのトナーパッチのトナー付着量が0.6[mg/cm2]を超えてしまう。本実施形態においては、本実施形態の各色の階調パターンは、5個と少ないトナーパッチから構成されているため、トナー帯電量が大幅に低下していると、光学センサの検知範囲に1個のトナーパッチしか入らなくなり、現像γを検出できなくなってしまう。
以下に、実施例1、2を用いて、本実施形態の特徴点を具体的に説明する。
図18は、実施例1におけるプロセスコントロール実行時の制御フローである。
図に示すように、この実施例1においては、制御部100は、光学センサ69の初期設定を行った後(S11)、現像装置のトナー帯電状態を判定する(S12)。具体的には、制御部100は、トナー帯電状態を変化させる要因として、温湿度センサ104で装置内部の温度や湿度を検知して、温度や湿度が所定の閾値を越えた場合は、現像装置内のトナー帯電状態が不均一状態であったり、帯電量が低い状態であったりすることが予測されるので「不安定」状態と判定する。一方、温度や湿度が所定の閾値以下の場合は、現像装置内のトナー帯電状態が、均一状態であり、また、帯電量が良好な状態であると予測されるので、現像装置内のトナー帯電状態が「安定」状態であると判定する。
また、検知した温度や湿度、画像面積率の移動平均に基づいて、攪拌時間を変化させてもよい。例えば、下記の表1に示すような画像面積率と攪拌時間とを対応づけたLUT(ルックアップテーブル)をRAM102に記憶しておき、LUTを参照して画像面積率の移動平均値に対応する攪拌時間を決定する。
また、光学センサ69の検知範囲にひとつのトナーパッチしか入らないような事態が起こるのを抑制することができる。
また、画像面積率の移動平均を監視して、トナー入換え量が多い場合は、早期にプロセスコントロールを実行し、トナー入換え量が少ない場合は、プロセスコントロールの実行間隔を延ばすような制御を行ってもよい。
次に、実施例2について説明する。
図19は、実施例2におけるプロセスコントロール実行時の制御フローである。
図に示すように、実施例2においては、制御部100は、プロセスコントロール実行時に、位置ズレ補正の実行も行うようにしたものである。
実施例1と同様に、光学センサの初期設定を行った後、トナー帯電状態を変化させる要因を検知してトナー帯電状態が「安定」状態か否かを判定する(S21〜S22)。制御部100が、「不安定」状態と判定した場合(S22のNO)は、位置ズレ補正制御の実行を開始し、現像装置の各攪拌スクリュー23、24を攪拌して(S23)、中間転写ベルト6に位置ズレ検知パターンを作像する(S24)。位置ズレ検知パターンを作像したら、プロセスコントールの実行を開始して、階調パターンを作像する(S25)。その結果、図20に示すように、中間転写ベルト6に位置ズレ検知パターン後に、中間転写ベルト6の幅方向中央部に階調パターンが形成される。
一方、制御部100が、「安定」状態と判定した場合(S22のYES)は、先にプロセスコントールの実行を開始して、階調パターンを作像し(S26)、その後、位置ズレ補正制御の実行して位置ズレ検知パターンを作像する(S27)。その結果、図21に示すように、中間転写ベルト6に中間転写ベルトの幅方向中央部に階調パターンが形成された後、位置ズレ検知パターンが形成される。
また、制御部100は、3つの光学センサ69a〜69cが、同じタイミングで直交トナーパッチTc、Ty、Tk、Tmや傾斜トナーパッチSc、Sy、Sk、Smを検知しているか否かを検知して、検知タイミングがずれている場合は、スキューズレや倍率誤差が発生していることになるので、タイミングのずれた時間から、スキューズレや倍率誤差を算出する。
図23(a)は、階調パターン形成後に、位置ズレ検知パターンを形成する場合におけるタイミングチャートである。一方、図23(b)は、位置ズレ検知パターン形成後に階調パターンを形成する場合におけるタイミングチャートである。
図23(a)に示すように、本実施形態においては、全色の階調パターンを同時に作成できるよう構成し、画像形成動作の開始と同時に、光学センサに最も近接配置されているK色のプロセスユニットでK色の階調パターンを形成している。これにより、画像形成動作が開始して光学センサがトナーパッチの検知を開始するまでの時間は、K色書込み位置から光学センサまでの距離)/線速[sec]で表すことができる。
一方、位置ズレ検知パターンは、K色のトナーパッチは、Y色のトナーパッチとM色のトナーパッチとの間に形成するものであるため、画像形成動作の開始と同時に、K色のトナーパッチの作成は、行えず、図23(b)に示すように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に作像が開始される。よって、画像形成動作が開始して、光学センサがトナーパッチの検知を開始するまでの時間は、(イエロー書込み位置から光学センサまでの距離)/線速[sec]で表すことができる。すなわち、位置ズレ検知パターンを最初に作成した場合は、階調パターンを最初に作成した場合に比べて、3作像ピッチ分光学センサの検知開始が遅くなる。その結果、図20、図21に示すように、中間転写ベルト上に形成された階調パターンの先端から位置ズレ検知パターン後端までの距離と、中間転写ベルト上に形成された位置ズレ検知パターンの先端から階調パターン後端までの距離とは同じであるが、上記したように、位置ズレ検知パターンを先に形成した場合は、光学センサによる検知開始遅延があるため、その分、処理時間が長くなり、ユーザーを待たせる時間が長くなる。
また、位置ズレ検知は、光学センサを用いて、トナーパッチ間の距離を検知するので、現像ムラが生じてトナーパッチに濃度ズレがあったりしても検知結果に影響を及ぼすことがない。よって、現像装置内のトナー帯電量が不均一であったり、トナー帯電量が低下していたりしても良好に位置ズレを検知することができる。
さらに、位置ズレを補正するので、色ずれを抑制することができる。
69:光学センサ
311:発光素子
312:正反射受光素子
313:拡散反射受光素子
Claims (5)
- 潜像担持体と、
該潜像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、
所定電位に帯電した潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
少なくともトナーを含有する現像剤を担持する現像剤担持体に現像バイアスを印加しながら該現像剤担持体上のトナーを該潜像担持体上の潜像に転移させて該潜像を現像する現像手段と、
現像によって得られたトナー像を該潜像担持体から転写体に転写する転写手段と、
前記転写体上のトナー像または前記潜像担持体上のトナー像からの反射光を検出する光学的検知手段と、
付着量が互いに異なるような画像形成条件で形成された複数のトナーパッチからなる階調パターンを形成し、該複数のトナーパッチを前記光学的検知手段で検出した検出値に基づいて画像形成条件を調整する画像濃度調整手段とを備える画像形成装置において、
装置内の湿度、温度または所定期間内に作像した画像の画像面積率を検知し、その検知結果に基づいて、現像手段内のトナーの帯電状態を予測し、現像手段内のトナーの帯電状態が現像装置内のトナー帯電状態が不均一状態であったり、帯電量が低い状態であったりすることが予測されるときは、前記現像手段内のトナーを帯電させるトナー帯電処理を実行してから前記画像濃度調整手段を実行するように決定し、現像装置内のトナー帯電状態が、均一状態であり、また、帯電量が良好な状態であると予測されるときは、トナー帯電処理を実行せずに前記画像濃度調整手段を実行するよう決定する決定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1の画像形成装置において、
前記現像手段には、現像手段内の現像剤を攪拌する攪拌部材を備えており、
前記トナー帯電処理が、前記攪拌部材を所定時間回転駆動させる処理であることを特徴する画像形成装置。 - 請求項2の画像形成装置において、
前記トナー帯電状態を変化させる要因に基づいて、前記攪拌部材による現像剤攪拌時間を変化させることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、
前記光学的検知手段の出力調整と、前記トナー帯電処理とを同時に実行することを特徴とする画像形成装置。 - 複数の潜像担持体と、
それぞれの潜像担持体を個別に帯電するための複数の帯電手段と、
それぞれの潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、
少なくともトナーを含有する現像剤を担持する現像剤担持体に現像バイアスを印加しながら該現像剤担持体上のトナーをそれぞれの潜像担持体上の潜像に個別に転移させて該潜像を現像する複数の現像手段と、
それぞれの潜像担持体との対向位置を順次通過するように表面を無端移動させる無端移動体と、
それぞれの潜像担持体の現像によって得られたトナー像を、該無端移動体の表面に保持される記録体に転写するか、あるいは該無端移動体の表面に転写した後に記録体に転写する転写手段と、
該無端移動体上のトナー像からの反射光を検出する光学的検知手段と、
付着量が互いに異なるような画像形成条件で形成された複数のトナーパッチからなる階調パターンを形成し、該複数のトナーパッチを前記光学的検知手段で検出した検出値に基づいて画像形成条件を調整する画像濃度調整手段と、
所定の位置ズレ検知用トナーパッチをそれぞれの潜像担持体から該無端移動体の表面に転写して得た位置ズレ検知パターンの前記光学的検知手段による検知結果に基づいて、それぞれの潜像担持体上におけるトナー像の相対的な位置ズレ量を算出し、その算出結果に基づいてそれぞれの潜像担持体上におけるトナー像の相対的な位置ズレを補正する位置ズレ補正手段とを備える画像形成装置において、
装置内の湿度、温度または所定期間内に作像した画像の画像面積率を検知し、その検知結果に基づいて、現像手段内のトナーの帯電状態を予測し、現像手段内のトナーの帯電状態が現像装置内のトナー帯電状態が不均一状態であったり、帯電量が低い状態であったりすることが予測されるときは、位置ズレ補正手段を実行した後に前記階調パターンの作像を行うように決定し、現像装置内のトナー帯電状態が、均一状態であり、また、帯電量が良好な状態であると予測されるときは、前記階調パターンの作像後に位置ズレ補正手段を実行するように決定する決定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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