JP5229616B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を用いた複写機、レーザビームプリンタ等の画像形成装置では、常に安定した画像濃度が得られるようにするために、画像濃度制御が行われている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の画像濃度制御は、次のように行われる。まず、感光体等の像担持体上にトナー付着量が互いに異なるように互いに異なる画像形成条件(現像ポテンシャル)で形成された10〜17個の濃度検知用トナーパッチからなる階調パターンを作成する。次に、それらトナーパッチを光学的検知手段である光学センサにより検出した検出値と所定の付着量算出アルゴリズムとを用いて各トナーパッチのトナー付着量を算出する。次に、各トナーパッチのトナー付着量と画像形成条件(現像ポテンシャル)との関係から、直線方程式y=ax+bを求めた後、現像能力を示す指標値である現像γ(現像ポテンシャルを横軸、トナー付着量を縦軸としたときの傾きa)および現像開始電圧Vk(現像ポテンシャルを横軸、トナー付着量を縦軸としたときの横軸の切片)を求める。そして、その求めた現像γ、現像開始電圧Vkに基づいて、適正なトナー付着量となる現像ポテンシャルとなるように、LDパワー、帯電バイアス、現像バイアスなどの作像条件を調整する。
特開2004−354623号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の画像濃度調整においては、10〜17個とトナーパッチ数が多いため、画像濃度調整の時間が長くなるとともに、トナー消費量が多くなってしまうという不具合が生じてしまう。
そこで、トナーパッチ数を減らして画像濃度調整を行うことで、画像濃度調整の時間短縮と、トナー消費量の低減とを図ることが考えられるが、トナーパッチ数を減らすと、階調パターン作成時に現像ムラが生じると現像γの検出誤差が大きくなるという不具合があった。これは、階調パターン作成時に現像ムラが生じると、階調パターンのトナーパッチの少なくともひとつに濃度ずれが生じる。トナーパッチ数の多い階調パターンにおいては、各トナーパッチのトナー付着量と画像形成条件(現像ポテンシャル)との関係を求める際のプロット点が多いため、現像ムラによって1、2個トナーパッチに濃度ずれが生じても現像γの検出精度にあまり影響がない。一方、トナーパッチ数を減らすと、各トナーパッチのトナー付着量と画像形成条件(現像ポテンシャル)との関係を求める際のプロット点が少ないため、現像ムラによって1、2個トナーパッチに濃度ずれが生じてしまうと、現像γの検出誤差が大きくなってしまうのである。
そこで、発明者らは現像ムラの発生要因について鋭意研究した結果、次のことがわかった。すなわち、画像形成によってトナーが消費されると、トナー補給装置から消費された分のトナーが現像装置内の攪拌搬送路に補給される。現像装置の攪拌搬送路に補給された新規トナーは、攪拌搬送路に設けられた搬送スクリュによって、攪拌搬送路内で攪拌搬送されることで、摩擦帯電する。この攪拌搬送路で摩擦帯電したトナーが供給搬送路へ搬送され、供給搬送路に搬送されたトナーは、現像ローラに付着して、画像形成に用いられる。
例えば、湿度が高く、トナーが帯電しにくい状態のときにおいては、トナー補給装置から補給された新規トナーは、攪拌搬送路において、十分摩擦帯電することができない。特に、近年、現像装置の小型化によって、攪拌搬送路が短くなり、このような高湿環境下において、新規トナーは、攪拌搬送路で十分摩擦帯電することができない。このように、十分帯電していない新規トナーが供給搬送路に搬送される結果、供給搬送路内には、現像装置内に比較的長い時間存在し撹拌作用を長く受けて十分に帯電したトナーと、十分に帯電していない新規トナーとが存在し、供給搬送路内のトナー帯電量が不均一になる。その結果、現像ローラ上の撹拌作用を長く受けて十分に帯電したトナーが付着した箇所は、所望の画像濃度が得られ、現像ローラ上の十分に帯電していない新規トナーが付着した箇所は、所望の画像濃度よりも濃くなり、現像ムラが生じるのである。
また、トナーパッチを減らして画像濃度調整を行った場合、階調パターン作成時に現像装置内のトナー帯電量が低下していると、現像γの検出ができないという不具合も生じる。具体的に説明すると、トナーパッチを検知する光学的検知手段としての光学センサは、LEDなどの発光素子とフォトトランジスタなどの受光素子とからなり、発光素子の反射光を受光素子で検知する。光学センサは、一般に、低付着側は、感度よく検知できるが、高付着側は、受光素子の検出感度などにより、ある程度高付着となると、感度よく検知できなくなる。すなわち、光学センサには、トナーパッチを感度よく検知することのできる所定の検出範囲がある。高湿環境下やトナー入換え量が多い場合などによって、現像装置内のトナー帯電量が低下すると、現像能力が高くなり、低い現像バイアスでもトナー付着量の多いトナーパッチが形成され、中程度の現像バイアスで作像されたトナーパッチでも、その付着量が、光学センサの検知範囲外となる場合がある。トナーパッチ数の多い階調パターンにおいては、低い現像バイアスで作成されるトナーパッチも複数あるので、現像装置内のトナー帯電量が低下して現像能力が高くなっても階調パターンのトナーパッチのいくつかを光学センサの検出範囲内に入れることができ、現像γの算出を行うことができる。しかし、階調パターンのトナーパッチを少なくすると、低い現像バイアスで作成されるトナーパッチが少なくなり、現像装置内のトナー帯電量が低下して現像能力が高くなったときに、階調パターンのトナーパッチのうちひとつしか光学センサの検出範囲内に入れることができなくなり、現像γの検出ができなくなるである。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、階調パターンのトナーパッチ数を少なくしても、精度よく現像γを算出することのでき、かつ、階調パターンのトナーパッチのうちひとつしか光学的検知手段の検出範囲内に入らない事態が発生するのを抑制することができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像担持体と、該潜像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、所定電位に帯電した潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、少なくともトナーを含有する現像剤を担持する現像剤担持体に現像バイアスを印加しながら該現像剤担持体上のトナーを該潜像担持体上の潜像に転移させて該潜像を現像する現像手段と、現像によって得られたトナー像を該潜像担持体から転写体に転写する転写手段と、前記転写体上のトナー像または前記潜像担持体上のトナー像からの反射光を検出する光学的検知手段と、付着量が互いに異なるような画像形成条件で形成された複数のトナーパッチからなる階調パターンを形成し、該複数のトナーパッチを前記光学的検知手段で検出した検出値に基づいて画像形成条件を調整する画像濃度調整手段とを備える画像形成装置において、装置内の湿度、温度または所定期間内に作像した画像の画像面積率を検知しその検知結果に基づいて、現像手段内のトナーの帯電状態を予測し、現像手段内のトナーの帯電状態が現像装置内のトナー帯電状態が不均一状態であったり、帯電量が低い状態であったりすることが予測されるときは、前記現像手段内のトナーを帯電させるトナー帯電処理を実行してから前記画像濃度調整手段を実行するように決定し、現像装置内のトナー帯電状態が、均一状態であり、また、帯電量が良好な状態であると予測されるときは、トナー帯電処理を実行せずに前記画像濃度調整手段を実行するよう決定する決定手段を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、前記現像手段には、現像手段内の現像剤を攪拌する攪拌部材を備えており、前記トナー帯電処理が、前記攪拌部材を所定時間回転駆動させる処理であることを特徴する画像形成装置。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、前記トナー帯電状態を変化させる要因に基づいて、前記攪拌部材による現像剤攪拌時間を変化させることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、前記光学的検知手段の出力調整と、前記トナー帯電処理とを同時に実行することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、複数の潜像担持体と、それぞれの潜像担持体を個別に帯電するための複数の帯電手段と、それぞれの潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、少なくともトナーを含有する現像剤を担持する現像剤担持体に現像バイアスを印加しながら該現像剤担持体上のトナーをそれぞれの潜像担持体上の潜像に個別に転移させて該潜像を現像する複数の現像手段と、それぞれの潜像担持体との対向位置を順次通過するように表面を無端移動させる無端移動体と、それぞれの潜像担持体の現像によって得られたトナー像を、該無端移動体の表面に保持される記録体に転写するか、あるいは該無端移動体の表面に転写した後に記録体に転写する転写手段と、該無端移動体上のトナー像からの反射光を検出する光学的検知手段と、付着量が互いに異なるような画像形成条件で形成された複数のトナーパッチからなる階調パターンを形成し、該複数のトナーパッチを前記光学的検知手段で検出した検出値に基づいて画像形成条件を調整する画像濃度調整手段と、所定の位置ズレ検知用トナーパッチをそれぞれの潜像担持体から該無端移動体の表面に転写して得た位置ズレ検知パターンの前記光学的検知手段による検知結果に基づいて、それぞれの潜像担持体上におけるトナー像の相対的な位置ズレ量を算出し、その算出結果に基づいてそれぞれの潜像担持体上におけるトナー像の相対的な位置ズレを補正する位置ズレ補正手段とを備える画像形成装置において、装置内の湿度、温度または所定期間内に作像した画像の画像面積率を検知しその検知結果に基づいて、現像手段内のトナーの帯電状態を予測し、現像手段内のトナーの帯電状態が現像装置内のトナー帯電状態が不均一状態であったり、帯電量が低い状態であったりすることが予測されるときは、位置ズレ補正手段を実行した後に前記階調パターンの作像を行うように決定し、現像装置内のトナー帯電状態が、均一状態であり、また、帯電量が良好な状態であると予測されるときは、前記階調パターンの作像後に位置ズレ補正手段を実行するように決定する決定手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、装置内の湿度、温度または所定期間内に作像した画像の画像面積率を検知して、その検知結果から、現像手段内のトナーの帯電量が不均一と予測される場合や、現像手段内のトナー帯電量が低下していると予測される場合に、画像濃度調整手段を実行する前にトナー帯電処理を実行するので、次のような効果を得ることができる。すなわち、画像濃度調整手段を実行する前にトナー帯電処理を行ってトナーを帯電することにより、現像手段内の所定の電位に帯電していないトナーを所定の電位にまで帯電せることができるとともに、現像手段内のトナー帯電量を均一化することができる。よって、画像濃度調整手段実行時における現像手段のトナー帯電量は、均一であるので、現像ムラが生じるのを抑制でき、階調パターンのトナーパッチに濃度ずれが生じるのを抑制することができる。その結果、少ないトナーパッチでも精度のよい現像能力を示す指標値を検出することができる。また、画像濃度調整手段実行時における現像手段のトナーは、十分帯電しているので、現像能力が大幅に高くなることがない。よって、階調パターンのトナーパッチのうちひとつしか光学的検知手段の検出範囲内に入らない事態が発生するのを抑制することができる。
また、現像手段内のトナーの帯電量が均一と予測される場合や、現像手段内のトナーが十分帯電していると予測される場合は、画像濃度調整手段を実行する前にトナー帯電処理を実行しないようにするので、画像濃度調整の時間を短縮することができる。
また、請求項5の発明によれば現装置内の湿度、温度または所定期間内に作像した画像の画像面積率を検知して、その検知結果に基づき、現像手段内のトナーの帯電量が不均一と予測される場合や、現像手段内のトナー帯電量が低下していると予測される場合は、階調パターン作像前に位置ズレ検知パターンを作像するように決定するので、次のような効果を得ることができる。すなわち、位置ズレ検知パターンを作像することで、現像手段が駆動して、現像手段内のトナーが攪拌され摩擦帯電される。よって、位置ズレ検知パターン作像後においては現像手段内のトナーの帯電量が均一化するとともに、トナーを所定の帯電電位にすることができる。よって、位置ズレ検知パターン作像後に、階調パターンを作像することで、現像ムラが抑制され、階調パターンのトナーパッチに濃度ずれが生じるのを抑制することができる。その結果、少ないトナーパッチでも精度のよい現像能力を示す指標値を検出することができる。また、少ないトナーパッチでも、階調パターンのトナーパッチのいくつかを光学的検知手段の検出範囲内に入れることができ、現像γの検出を行うことができる。
また、位置ズレ検知は、光学的検知手段を用いて、トナーパッチ間の距離を検知するので、現像ムラが生じてトナーパッチに濃度ズレがあったりしても検知結果に影響を及ぼすことがない。よって、現像手段内のトナー帯電量が不均一であったり、トナー帯電量が低下していたりしても良好にそれぞれの潜像担持体上におけるトナー像の相対的な位置ズレを検知することができる。
さらに、請求項5の発明においては、位置ズレ補正手段を実行して、それぞれの潜像担持体上におけるトナー像の相対的な位置ズレを補正するので、色ずれを抑制することができる。
請求項1の発明によれば、階調パターンのトナーパッチ数を少なくしても、精度よく現像γの検出を行うことが可能となる。
また、請求項5の発明によれば、階調パターンのトナーパッチ数を少なくしても、精度よく現像γの検出を行うことが可能となるとともに、色ずれを抑制することができる。
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のカラーレーザプリンタ(以下、「レーザプリンタ」という。)に適用した一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るレーザプリンタの主要部を示す概略構成図である。
このレーザプリンタは、画像形成手段として、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための4組の作像手段たるプロセスユニット1Y,1C,1M,1K(以下、各符号の添字Y、C、M、Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、ブラック用の部材であることを示す。)を備えている。このプロセスユニット1Y,1C,1M,1Kは、それぞれ、潜像担持体としてのドラム状の感光体11Y,11C,11M,11Kを有する感光体ユニット10Y,10C,10M,10Kと、現像手段たる現像装置20Y,20C,20M,20Kとを備えている。
4色のプロセスユニット1Y,1C,1M,1Kの図中上方には、無端移動体たる中間転写ベルト6を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写ユニット50が配設されている。転写手段たる転写ユニット50は、中間転写ベルト6の他に、ベルトクリーニングユニット51、4つの1次転写ローラ52Y,M,C,K、2次転写バックアップローラ53、駆動ローラ54なども備えている。中間転写ベルト6は、これらローラに張架されながら、駆動ローラ54の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの1次転写ローラ52Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト6を感光体3Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト6の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト6は、その無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体11Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト6上に4色重ね合わせトナー像(以下、カラー画像という)が形成される。カラー画像は、中間転写ベルト6の表面移動に伴って2次転写ローラ3との間の2次転写部に搬送される。
また、本レーザプリンタは、上記プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kのほか、その下方に図示しない潜像形成手段たる光書込ユニットが配置されており、さらにその下に図示しない給紙カセットが配置されている。図1中の一点鎖線は、転写紙の搬送経路を示している。給紙カセットから給送された転写紙は、図示しない搬送ガイドによってガイドされながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ5が設けられている一時停止位置に送られる。転写紙は、レジストローラ5により所定のタイミングで2次転写部に供給される。そして、中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像が、転写紙上に2次転写され、転写紙上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙は、定着ユニット7でトナー像が定着された後、排紙トレイ8上に排出される。
各プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kによって形成された感光体11Y,11C,11M,11K上のトナー像は、中間転写ベルト6上に順次重ね合わされて1次転写される。この重なり合って得られるカラー画像は、中間転写ベルト6の表面移動に伴って2次転写ローラ3との間の2次転写部に搬送される。また、本レーザプリンタは、上記プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kのほか、その下方に図示しない光書込ユニットが配置されており、さらにその下に図示しない給紙カセットが配置されている。図1中の一点鎖線は、転写紙の搬送経路を示している。給紙カセットから給送された転写紙は、図示しない搬送ガイドによってガイドされながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ5が設けられている一時停止位置に送られる。転写紙は、レジストローラ5により所定のタイミングで2次転写部に供給される。そして、中間転写ベルト6上に形成されたカラー画像が、転写紙上に2次転写され、転写紙上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙は、定着ユニット7でトナー像が定着された後、排紙トレイ8上に排出される。
図2は、上記プロセスユニット1Y,1C,1M,1Kのうち、イエローのプロセスユニット1Yの概略構成を示す拡大図である。他のプロセスユニット1M,1C,1Kについてもそれぞれ同じ構成となっているので、それらの説明は省略する。
図2において、プロセスユニット1Yは、上述したように、感光体ユニット10Y及び現像手段たる現像装置20Yを備えている。感光体ユニット10Yは、感光体11Yのほか、その感光体表面をクリーニングするクリーニングブレード13Y、その感光体表面を一様帯電する帯電手段たる帯電ローラ15Y等を備えている。また、感光体表面に潤滑剤を塗布するとともに、感光体表面を除電する機能を有する潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Yも備えている。この潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Yは、ブラシ部が導電性繊維で構成され、その芯金部には除電バイアスを印加するための図示しない除電用電源が接続されている。
上記構成の感光体ユニット10Yにおいて、感光体11Yの表面は、電圧が印加された帯電ローラ15Yにより一様帯電される。この感光体11Yの表面に図示しない潜像形成手段たる光書込ユニットで変調及び偏向されたレーザ光Lが走査されながら照射されると、感光体11Yの表面に静電潜像が形成される。この感光体11Y上の静電潜像は、後述の現像装置20Yで現像されてイエローのトナー像となる。感光体11Yと中間転写ベルト6とが対向する転写手段たる1次転写部では、感光体11Y上のトナー像が中間転写ベルト6上に転写される。トナー像が転写された後の感光体11Yの表面は、感光体クリーニング手段としてのクリーニングブレード13Yでクリーニングされた後、潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Yで所定量の潤滑剤が塗布されるとともに除電され、次の静電潜像の形成に備えられる。
上記現像装置20Yは、上記静電潜像を現像するための現像剤として、磁性キャリア及び負帯電のトナーを含む二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を使用している。また、この現像装置20Yは、現像ケースの感光体側の開口から一部露出するように配設された現像剤担持体としての非磁性材質からなる現像スリーブ22Yや、現像スリーブ22Yの内部に固定配置された磁界発生手段としてマグネットローラ、撹拌部材としての撹拌搬送スクリュー23Y,24Y、現像ドクタ25Y、トナー濃度検知手段としてのトナー濃度センサ26Y、トナー補給装置としての粉体ポンプ27Y等を備えている。現像スリーブ22Yには現像電界形成手段としての図示を省略した現像バイアス電源により負の直流電圧DC(直流成分)に交流電圧AC(交流成分)が重畳された現像バイアス電圧が印加され、現像スリーブ22Yが感光体11Yの金属基体層に対して所定電圧にバイアスされている。なお、現像バイアス電圧は、負の直流電圧DC(直流成分)のみを印加するようにしてもよい。
図3は、マグネットローラ28Yの磁極配置を示す図である。
図3に示すように、マグネットローラ28Yには、感光体11Yに対向する現像極S1から図中反時計周り(現像スリーブ22Yによる現像剤搬送方向)に沿って順に、現像極S1(以下「S1極」という。)、搬送極N1,S2(以下、それぞれ「N1極」、「S2極」という。)、剤切れ上流極N2(以下「N2極」という。)、剤切れ・汲み上げ・規制極N3(以下「N3極」という。)という5極が設けられている(S1、S2、S3は互いに同極で例えばS極。N1、N2はS1等とは異なる極性で例えばN極。)
本実施形態において、現像ケース内に収容された現像剤が撹拌搬送スクリュー23Y,24Yで撹拌搬送されることによりトナーが摩擦帯電される。そして、第1撹拌搬送スクリュー23Yが配置された供給搬送路29aY内の現像剤の一部がN3極による磁力で供給搬送路29aY内から汲み上げられて現像スリーブ22Y上に吸着する。現像スリーブ22Y上に吸着した現像剤は、現像スリーブ22Yの回転に伴って図中反時計回りに搬送される。現像ドクタ25Yにより所定の量に規制された現像剤は、現像領域でS1極による磁力で穂立ちし、現像電界により穂立ちした現像剤から感光体11Yの表面上の静電潜像にトナーを供給して、現像処理を行う。現像後の現像剤は、N1極→S2極→N2極の磁力によって現像スリーブ22Y上に保持されながら現像スリーブ22Yの回転に伴って搬送される。その後、N2極とN3極との間に生じる反発磁力(剥離力)および遠心力の作用を受けて、現像スリーブ22Y上から離脱(剤離れ)し、現像剤収容部内の供給搬送路29aYに落下する。供給供給搬送路29aYをその下流端まで搬送された現像剤は、第2撹拌搬送スクリュー24Yが配置された撹拌搬送路29bYの上流端へ移動し、撹拌搬送路29bY内でトナー補給を受ける。その後、第2撹拌搬送路29bYをその下流端まで搬送された現像剤は、供給搬送路29aYの上流端へ移動する。撹拌搬送路29bYの底部を構成する現像ケース部分には、トナー濃度センサ26Yが設置されている。
現像ケース内の現像剤のトナー濃度は、画像形成に伴うトナー消費により低下するので、トナー濃度センサ26Yの出力値Vtに基づいて、必要により図1に示したトナーカートリッジ30Yから粉体ポンプ27Yによりトナーが補給されることで適正な範囲に制御される。トナー補給制御は、出力値Vtとトナー濃度制御基準値である目標出力値Vtrefとの差分値Tn(=Vtref−Vt)に基づいて、差分値Tnが+(プラス)の場合はトナー濃度が十分高いと判断してトナーを補給せず、差分値Tnが−(マイナス)の場合は差分値Tnの絶対値が大きいほどトナー補給量を多くするようにして、出力値Vtが目標出力値Vtrefの値に近づくようにして行う。
本実施形態においては、図3に示すように、N2極と同極性でこれに隣接するN3極が、現像ドクタ25Yの近接位置に配置されている。そのため、現像スリーブ22Y上に汲み上げられた現像剤が現像ドクタ25Yによる規制を受けるまでの現像スリーブ上において、磁界の変極点が存在しない。現像スリーブ22Y上に汲み上げられた現像剤が現像ドクタ25Yによる規制を受けるまでの現像スリーブ上において、磁界の変極点が存在すると、次のような不具合が生じる。変極点付近では、現像剤に作用する磁力が比較的強い上に、法線方向磁束密度が非常に小さいために穂立ちも起きないので、現像剤の密度が高い状態になっている。変極点の付近で現像剤が高密度の状態となる結果、現像剤に大きなストレスを常時加えることになる。そのため、キャリア表面へのトナー添加剤の埋り込みやキャリアの表層膜の磨耗等の進行が速くなり、トナー帯電特性や現像剤の粉体特性が悪化しやすく、滑らかな画像品質を長期にわたって維持することが困難であるという不具合である。
しかし、本実施形態においては、現像スリーブ22Y上に汲み上げられた現像剤が現像ドクタ25Yによる規制を受けるまでの現像スリーブ上において、磁界の変極点が存在しないので、変極点が存在するものに比べ、現像ドクタ25Yの上流側での現像剤ストレスを低減できる。このように、現像剤ストレスを低減することは、現像装置小型化の要請による現像剤量の少量化と、現像剤の長寿命化の相反する目的を両立するために非常に有効である。本実施形態のように、二成分現像剤を用いたカラー画像形成装置においては、トナー分散性を向上するために、シリカ(SiO)や酸化チタン(TiO)等の添加剤がトナー表面多くに外添されているが、これら添加剤はメカ的ストレスや熱ストレスに非常に弱い。ストレスを受けると、外添剤がトナー内部に埋没したり、表面から離脱したりする現象が発生し、現像剤(トナー、キャリアを含む)の流動性や帯電特性、さらにトナーとキャリアの物理的付着力が変化する。しかし、上述のような構成によって現像ドクタ25Yの上流側での現像剤ストレスを低減することで、トナー外添剤の埋没や離脱を極力抑えることを可能にすることができる。
また、4つの感光体11Y,11C,11M,11Kのうち、最下流側にあるブラック用の感光体11Kのみ中間転写ベルト6に常に接触している転写ニップ常接状態であり、残りの感光体11M,11C,11Yは中間転写ベルトに対して接離可能となっている。転写紙上にカラー画像を形成する場合、4つの感光体11Y,11C,11M,11Kは、それぞれ中間転写ベルト6に当接する。一方、転写紙上にブラックの単色画像を形成する場合、各カラー用の感光体11Y,11C,11Mを中間転写ベルト6から離間させ、ブラックトナーによるトナー像が形成されるブラック用の感光体11Kのみを中間転写ベルト6に当接させるようにする。
2次転写部よりも中間転写ベルト表面移動方向下流側には、光学的検知手段たる光学センサ69が中間転写ベルト6のおもて面に対して所定の間隙を介して対向するように配設されている。
図4は、光学センサ69の概略断面図である。図に示すように、光学センサ69は、主に、発光手段としての発光素子311と、正反射光を受光するための第1の受光手段としての正反射受光素子312と、拡散反射光を受光するための第2の受光手段としての拡散反射受光素子313とから構成されている。発光素子311から発した光を、中間転写ベルト6の表面に向けて出射する。そして、中間転写ベルト6の表面や、その表面に転写されたトナーパッチで正反射した正反射光を正反射受光素子312によって受光して、受光量に応じた電圧を出力する。更に、中間転写ベルト6の表面や、その表面に転写されたトナーパッチで拡散反射した拡散反射光を拡散反射受光素子313によって受光して、受光量に応じた電圧を出力する。
光学センサの発光素子311としては、ピーク発光波長が940[nm]のGaAs発光ダイオードが用いられている。また、正反射受光素子312及び拡散反射受光素子313としては、ピーク分光感度波長が850[nm]のSiフォトトランジスタとを有したものを使用している。すなわち、この光学センサは、色による反射率に顕著な差のない830[nm]以上の赤外光を検出するものである。このような光学センサを用いることで、一つのセンサで、Y,M,C,K全色のトナーパッチを検知することができる。
図5は本複写機の電気回路の要部を示すブロック図である。同図において制御手段たる制御部100は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)101、データ記憶手段たる不揮発性のRAM(Random Access Memory)102、データ記憶手段たるROM(Read Only Memory)103等を有している。この制御部100には、プロセスユニット1Y,M,C,K、光書込ユニット68、転写ユニット50、光学センサユニット69などが電気的に接続されている。そして、制御部100は、RAM102やROM103内に記憶している制御プログラムに基づいて、これらの各種の機器を制御するようになっている。
制御部100は、画像を形成するための画像形成条件の制御も行っている。具体的には、制御部100は、プロセスユニット1Y,M,C,Kにおける各帯電部材に対して、帯電バイアスをそれぞれ個別に印加する制御を実施する。これにより、各色の感光体2Y,M,C,Kが、Y,M,C,K用ドラム帯電電位に一様帯電せしめられる。また、制御部100は、光書込ユニット68のプロセスユニット1Y,M,C,Kに対応する4つの半導体レーザーのパワーをそれぞれ個別に制御する。また、制御部100は、プロセスユニット1Y,M,C,Kにおける各現像ローラに、Y,M,C,K用現像バイアス値の現像バイアスを印加する制御を実施する。これにより、感光体2Y,M,C,Kの静電潜像と、現像スリーブとの間に、トナーをスリーブ表面側から感光体側に静電移動させる現像ポテンシャルを作用させて、静電潜像を現像する。
また、制御部100は、電源投入時あるいは所定枚数のプリントを行う度に、各色の画像濃度を適正化するための画像濃度制御たるプロセスコントロールを実行する。
図6は、プロセスコントロールの基本フロー図である。
まず、制御部100は、プロセスコントロールを実行する前に、光学センサ69の初期設定を行う(S1)。具体的には、光学センサ69の正反射受光素子312の出力が予め決められた所定値(4V)になるように、発光素子311の発光強度を調整する。なお、光学センサ69の初期設定は、行わなくてもよい。
光学センサの初期設定処理が終了したら、プロセスコントロールを実行する。画像濃度調整手段である制御部100は、図7に示すような、階調パターンを中間転写ベルト51上における各光学センサ69に対向する位置に色毎に自動形成する(S2)。各色の階調パターンは、トナー付着量の異なる5個程度のトナーパッチからなり、K色の階調パターン、C色の階調パターン、M色の階調パターン、Y色の階調パターンの順で中間転写ベルト51に形成される。階調パターンは、帯電、現像バイアス条件をトナーパッチ毎に変更し、露光条件は、予め決められた所定値(感光体が十分除電されるフル露光)で形成される。なお、階調パターンの各トナーパッチの現像バイアス、帯電バイアスの設定については、後述する。また、図8に示すように、各色の階調パターンの中間転写ベルト移動方向長さを、作像ピッチ(感光体距離)以下としている。これにより、Y,M,C,Kの階調パターンを同時に作像しても、階調パターンが重なることがない。よって、階調パターン作成時間を極小にすることができる。
次に、各色の階調パターンの各トナーパッチを検知して得られた受光素子の出力値と、付着量と受光素子の出力値との関係に基づき構築された付着量算出アルゴリズムとを用いてトナー付着量(画像濃度)に変換処理する。
本実施形態においては、特開2006−139180号に記載のように、トナー付着量の算出を、トナーパッチで正反射した正反射光と、拡散反射光とを用いてトナー付着量を算出する。正反射光と拡散反射光とを用いてトナー付着量を算出することで、正反射光のみを用いてトナー付着量を算出するものに比べて、高付着量の検知範囲を広げることができる。また、特開2006−139180号に記載のトナー付着量算出アルゴリズムを用いることで、温度変化、経時劣化などによる発光素子や受光素子の出力が変化したり、中間転写ベルト6の経時劣化によって受光素子の出力が変化したりしても、正確なトナー付着量を求めることができる。
以下に、本実施形態における付着量算出アルゴリズムについて、具体的に説明する。以下、説明文中の記号を次のように定義する。
Vsg:転写ベルト地肌部を検知する光学センサからの出力電圧値(地肌部検知電圧)
Vsp:各基準パッチを検知する光学センサからの出力電圧値(パッチ検知電圧)
Voffset:オフセット電圧(LEDをOFFしているときの出力電圧値)
_reg:正反射光出力(Regular Reflectionの略)
_dif:拡散反射光出力(Diffuse Reflectionの略)(cf.JIS Z 8105 色に関する用語)
[n] 要素数:nの配列変数
まず、Kトナーの付着量算出アルゴリズムについて説明する。
i)以下の式を用いて正反射光からオフセット電圧を減ずる。
ΔVsg_reg[K][n]=Vsg_reg[K][n]−Voffset_reg
ΔVsp_reg[K]=Vsg_reg[K]−Voffset_reg[K]
ii)正反射データを正規化する。
正規化値Rn[K]=ΔVsg_reg[K][n]/ΔVsp_reg[K]
iii) LUT(ルックアップテーブル)を用いて正規化値を付着量に変換する。
正規化値に対応する付着量変換テーブルを予め作成しておき、それに対応させて付着量を得る。
以上が、Kトナーの付着量算出アルゴリズムである。
次に、カラートナー付着量算出アルゴリズムについて説明する。
カラートナー付着量においては、以下に示すSTEP1〜7という7段階の処理によって演算する。
[STEP1]
STEP1では、データサンプリングを行って、ΔVspやΔVsgを算出する。まず、正反射光出力,拡散反射光出力ともに、全基準パッチ[n]個についてオフセット電圧との差分を計算する。これは、最終的には「センサ出力の増分をカラートナーの付着量に変化よる増分」のみで表したいためである。
正反射光出力増分については、次のようにして求める。
Figure 0005229616

また、拡散反射光出力増分については、次のようにして求める。
Figure 0005229616
但し、オフセット出力電圧値(Voffset_reg、Voffset_dif)が、無視できるレベルに十分に小さい値となるOPアンプを用いた場合、この様な差分処理は省略しても構わない。
このようなSTEP1により、図9に示す特性曲線を得る。
[STEP2]
STEP2では、感度補正係数αを算出する。まず、STEP1にて求めたΔVsp_reg.[n]やΔVsp_dif.[n]から、各基準パッチ毎に「ΔVsp_reg.[n]/ΔVsp_dif.[n]」を算出する。そして、後述するSTEP3で正反射光出力の成分分解を行う際に、拡散光出力(ΔVsp_dif[n])に乗ずるための感度補正係数αを、次のようにして算出する。
Figure 0005229616
このようなSTEP2により、図10に示すような特性曲線を得る。なお、感度補正係数αをΔVsp_reg[n]とVsp_Dif.[n]との最小値としたのは、正反射光出力の正反射成分の最小値がほぼゼロであり、かつ正の値となることがあらかじめわかっているからである。
[STEP3]
STEP3では、正反射光の成分分解を行う。
正反射光出力の拡散光成分については、次のようにして求める。
Figure 0005229616
また、正反射光出力の正反射成分については、次のようにして求める。
Figure 0005229616
このようにして成分分解を行うと、感度補正係数αが求まるパッチ検知電圧にて、正反射光出力の正反射成分がゼロとなる。そして、図11に示すように、正反射光出力が正反射光成分と拡散光成分とに成分分解される。
[STEP4]
STEP4では、正反射光出力の正反射成分を正規化する。次の式のようにして、各パッチ検知電圧における地肌検知電圧との比を求めて、0〜1までの正規化値へ変換するのである。
Figure 0005229616
このようなSTEP4により、図12に示すような特性曲線を得る。
[STEP5]
STEP5では、拡散光出力の地肌部変動補正を行う。まず、次の式のようにして、ベルト地肌部からの拡散光出力成分を、拡散光出力電圧から除去する。
Figure 0005229616
これにより、中間転写ベルト6の地肌部の影響を除くことができる。よって、正反射光出力が感度を持つ低付着量域において、ベルト地肌部から直接反射される拡散光成分を、拡散光出力から、除去することができる。そして、トナー付着量ゼロ〜1層形成までのトナー付着量範囲における補正後拡散光出力が、図13に示すように、原点を通り、且つトナー付着量に対して1次線形関係のある値に変換される。
[STEP6]
STEP6では、拡散光出力の感度を補正する。具体的には、図14に示すように、「正反射光の正反射成分の正規化値」に対し、地肌部変動補正後の拡散光出力をプロットし、そのプロット線を近似することで、拡散光出力の感度を求め、この感度があらかじめ定めた狙いの感度となる様、補正を行う。
「正反射光(正反射成分)の正規化値」に対し、地肌部変動補正後の拡散光出力をプロットしたプロット線を多項式近似(本実施形態においては、2次式近似)して、感度補正係数ηを算出する。
まず、プロット線を2次近似式(y=ξ1x2+ξ2x+ξ3)で近似して、最小二乗法により係数ξ1、ξ2、ξ3を求める。
Figure 0005229616
m:データ数
x[i]:正反射光_正反射成分の正規化値
y[i]:地肌部変動補正後拡散光出力
なお、計算に用いるxの範囲は、0.1≦x≦1.0である。
上記(1)、(2)、(3)の連立方程式を解くことで、係数ξ1、ξ2、ξ3を求めることができる。
こうして近似されたプロット線から計算されるある正規化値aがある値bとなる様な感度補正係数ηを求める。
Figure 0005229616
STEP5で求めた地肌部変動補正後の拡散光出力に対し、STEP6で求めた感度補正係数ηを乗じることで、付着量と拡散出力との関係が予め定められた関係となるように補正する。
Figure 0005229616
[STEP7]
STEP7では、センサ出力値をトナー付着量に変換する。STEP6までの処理により、LED光量低下などによって生ずる拡散反射出力の経時的な変動に対する補正処理が全て行われたため、最後に、センサ出力値をトナー付着量変換テーブルに基づいてトナー付着量に変換するのである。
以上が、カラートナーの付着量算出アルゴリズムである。
上述したトナー付着量算出アルゴリズムを用いて各トナーパッチのトナー付着量を算出したら、各トナーパッチのトナー付着量と各トナーパッチを作成したときの各現像ポテンシャルとの関係から、最小2乗法により直線近似した現像ポテンシャル−トナー付着量直線(y=ax+b)を各色求める。この現像ポテンシャル−トナー付着量直線から、現像能力を示す指標値である現像γ(傾きa)および現像開始電圧Vk(切片b)を各色算出する(S6)。なお、本実施形態では、直線近似としたが、2次近似を採用してもよい。ただし、2次近似を採用した場合の現像γは、プロット線の関係式の微分値とする。
現像γを算出したら、制御部100は、予め決められた目標付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルを現像γに基づいて特定した後、この現像ポテンシャルにマッチした、現像バイアスVbを算出する(S7)。
本実施形態においては、以下の式を用いて、現像バイアスVbを算出する。
Figure 0005229616


Vlは、べた部露光部電位であり、本実施形態では、−50[V]である。
また、制御部100は、算出した現像バイアスVbに基づいて、帯電バイアスVcを決定する。帯電バイアスVcは、以下の式を用いて算出する。
Figure 0005229616


Vfは、地肌ポテンシャルであり、本実施形態では、140[V]である。なお、地肌ポテンシャルVfとは、地肌汚れ防止のため現像バイアスVbとオフセットして設定するポテンシャルのことである。
また、LDパワーは、帯電電位に応じて80〜120%の間で調整するが、ここでは詳しい説明を割愛する。
現像バイアスVb、帯電バイアスVc、LDパワーをRAM102などの不揮発性の記憶手段に保存する。
以上が、プロセスコントロールの制御フローである。
次に、階調パターンの各トナーパッチの現像バイアス、帯電バイアスの設定について説明する。
現像γの算出において、最小二乗法により1次直線を求める際に使用するデータ点は光学センサの有効検出範囲内に均等に分散していることが望ましい。なぜなら、データ点が集中すると、誤差要因により現像γの精度が悪くなることが考えられるからである。ここで、誤差要因とは現像スリーブの周期ムラによるトナーパッチのトナー付着量のばらつきや、中間転写ベルト上の傷などによる光学センサ出力誤差から生ずるトナー付着量誤差である。そのため、各トナーパッチ作成時の現像バイアスを近くして、各トナーパッチの付着量の差異を小さくすると、トナー付着量にばらつきが生じた場合に変動の影響を受けやすくなるため、現像γの精度が悪化してしまう。よって、現像γを精度よく算出するという観点からトナーパッチのトナー付着量は光学センサ69の有効検出範囲内で低付着側から高付着側にかけて、等間隔に分布することが求められる。また、データ点を等間隔に分布させることは、付着量算出の観点からも非常に重要である。
本実施形態は、色による反射率に顕著な差のない赤外光を検知する光学センサ69を用いて、ひとつの光学センサ69でY,M,C,K全色の反射光を検知している。このため、複数色のトナーパッチを検知したときの出力データを用いて上記感度補正係数ηを算出できる。そのため、少トナーパッチを用いたシステムにおいてもより効率的に感度補正係数ηを求めることができる。
また、感度補正係数ηを精度よく求めるためには、各色のトナーパッチを光学センサ69で検知した検知データ(出力値)から算出した正反射光_正反射成分の正規化値xの多くが、0.1≦x≦1.0内に入り、かつ、等間隔に分布することが重要である。すなわち、0.1≦x≦1.0の範囲内に多くのデータが等間隔に分布することによって、多項式近似(ここでは2次曲線近似)が正確に行われ、その結果、感度補正係数ηとして非常に正確な値を得ることができるのである。この感度補正係数ηは付着量に直接関与しているため、感度補正係数ηを精度良く算出することで、付着量変換の精度を大幅に向上させることができる。
このように、現像γの算出、感度補正係数ηの算出いずれも、各色のトナーパッチが所定の範囲内で均等に分散することが重要である。そこで、本実施形態においては、このように均等分散させるために、次に示す方法を用いて階調パターンの作像バイアスを算出している。
以下に、本実施形態の階調パターンの作像バイアスの算出について、一例を用いて具体的に説明する。ここでは、4個のトナーパッチからなる階調パターンを作成する場合を例に挙げて、説明する。ただし、トナーパッチ数についはこれに限定されるものではない。
まず、前回のプロセスコントロールの結果により求められた各色の現像バイアスVbを取得して、現像バイアスVbから最大現像ポテンシャル:PotMaxを求める。
最大現像ポテンシャルは以下の式により求めることができる。
Figure 0005229616

ここで、べた部露光後電位Vlとは露光を行った後の感光体電位であり、感光体の特性に依存する値となる。本実施形態ではVl=−50[V]である。例えば、前回のプロセスコントロールの結果、現像バイアスVbが−550[V]であったとすると、現像ポテンシャルはPotMax=|−550−(−50)|=500[V]となる。最大現像ポテンシャルPotMaxの物理的意味であるが、所望のベタ濃度を得ることができる現像ポテンシャルである。本実施形態では、トナー付着量0.45[mg/cm]のとき、ID=1.4が得られるようなシステムとなっている。
以上のように数13を用いて、各色それぞれの最大現像ポテンシャルPotMaxを求める。
次に、各色の最大現像ポテンシャルから、各色の階調パターンの各トナーパッチにおける現像バイアスの算出を行う。ここで、K色とC,M,Y色では異なる方式を用いて、現像バイアスの算出を行う。これは、K色とC,M,Y色とで付着量検知方式が異なるためである。すなわち、上述したように、本実施形態においては、K色は、正反射光のみを用いて付着量の算出を行い、C,M,Y色は、正反射光と拡散反射光とを用いて付着量の算出を行うためである。
[K色の場合]
K色トナーの場合、照射した光は、トナー表面で吸収されてしまうため、拡散反射光の感度が得られないとった特性がある。そのため、K色トナーでは正反射光のみを用いてトナー付着量の検知を行っている。また、正反射光のみで付着量の検知を行う場合には、トナー付着量が多くなるにつれて感度が低下するため、付着量の検知範囲がC,M,Y色のように、拡散反射光と正反射光との両方を用いて付着の検知を行うものに比べて狭くなる。よって、K色の階調パターンにおける各トナーパッチの付着量が、ベタ濃度のときのトナー付着量0.45[mg/cm]よりも低い領域で均等分散するように、階調パターンを作像するときの現像バイアスを算出する。本実施形態においては、各トナーパッチの付着量が、0.05[mg/cm]≦[K]≦0.35[mg/cm]の範囲で均等分散するように、現像バイアスを算出する。
具体的には、数13より求めた、K色の最大現像ポテンシャルPotMax(K)を以下の数14に代入して、K色の階調パターンにおける現像バイアスの算出を行う。
Figure 0005229616

ここで、VPnは各トナーパッチの現像バイアスを表し、VPnのnは階調パターンのn番目を表す。
よって、K色の階調パターンの各トナーパッチを作像するための現像バイアスVPnは、次のように表すことができる。
VP1(K)=PotMax(K)×(2/15)−Vl[−V]
VP2(K)=PotMax(K)×(4/15)−Vl[−V]
VP3(K)=PotMax(K)×(6/15)−Vl[−V]
VP4(K)=PotMax(K)×(8/15)−Vl[−V]
VP5(K)=PotMax(K)×(10/15)−Vl[−V]
以上のようにしてK色の階調パターンの各トナーパッチを作像するための現像バイアスVPnを設定することにより、ベタ濃度よりも付着量が低い領域に階調パターン濃度を分散させることができる。
[C,M,Yの場合]
C,M,Yの階調パターンは、図15に示すように、感度補正係数ηを算出するときに、各色のトナーパッチが、0.1≦x≦1.0の範囲内で均等に分散するのが理想である。よって、C,M,Yの場合、各トナーパッチが、0.1≦x≦1.0の範囲内で均等に分散するように、現像バイアスを算出する。
まず、数13より求めた、C,M,Y色の最大現像ポテンシャルの大きさを比較し、順序をつけていく。ここで、C,M,Y色の最大現像ポテンシャルを大きい順に、PotMAX(1)、PotMAX(2)、PotMAX(3)とする。例えば、最大現像ポテンシャルが大きい順にC、M、Yであったとすると、PotMAX(1)=PotMAX(C)、PotMAX(2)=PotMAX(M)、PotMAX(3)=PotMAX(Y)となる。ただし、取得した最大現像ポテンシャルが同一であった場合には、C、M、Yの順とする。
次に、順序をつけた最大現像ポテンシャルを以下の数13に代入し、階調パターンの現像バイアスを算出する。
Figure 0005229616

ここで、VPn(m)のnは各色の階調パターンのn番目、mはバイアスの順序(1、2、3)を表す。
上記数15から、各色の階調パターンの各トナーパッチの現像バイアスは以下のように表すことができる。
VP1(1)=PotMAX(1)×(1/15)−Vl
VP1(2)=PotMAX(2)×(2/15)−Vl
VP1(3)=PotMAX(3)×(3/15)−Vl
VP2(1)=PotMAX(1)×(4/15)−Vl
VP2(2)=PotMAX(2)×(5/15)−Vl
VP2(3)=PotMAX(3)×(6/15)−Vl
VP3(1)=PotMAX(1)×(7/15)−Vl
VP3(2)=PotMAX(2)×(8/15)−Vl
VP3(3)=PotMAX(3)×(9/15)−Vl
VP4(1)=PotMAX(1)×(10/15)−Vl
VP4(2)=PotMAX(2)×(11/15)−Vl
VP4(3)=PotMAX(3)×(12/15)−Vl
VP5(1)=PotMAX(1)×(13/15)−Vl
VP5(2)=PotMAX(2)×(14/15)−Vl
VP5(3)=PotMAX(3)×(15/15)−Vl
PotMAX(1)=PotMAX(C)、PotMAX(2)=PotMAX(M)、PotMAX(3)=PotMAX(Y)のときは、図16に示すようなトナー付着量となる。図15に示すように、他の色と比較して、最大現像ポテンシャルが低い(現像γが高い)Y色は高付着量側に、最大現像ポテンシャルが高い(現像γが低い)C色は低付着量側にトナーパッチが作成される。
各色の前回現像バイアスVbを基に算出した最大現像ポテンシャルに基づいて、大小関係を比較して各色の順位付けを行い、その順位に基づいて階調パターンの各トナーパッチの現像バイアスを設定する理由について説明する。これは、現像剤の特性の変化が起こって現像γの値が高くなる方向に変動した際にも、有効範囲内により多くのトナーパッチ作成することができ、より安定して現像γを算出するためである。すなわち、本実施形態においては、他の色と比較して、最大現像ポテンシャルが最も低い色以外は、ベタ濃度よりも付着量が低い領域に、高濃度(高付着量)のトナーパッチが形成される。よって、現像剤の特性の変化が起こって現像γの値が高くなる方向に変動した際にも、最大現像ポテンシャルが最も低い色以外は、高濃度(高付着量)のトナーパッチを光学センサの検知範囲内に入れることができ、トナーパッチが減少するのを抑制することができる。
以上のようにしてC,Y,M色の階調パターンの各トナーパッチを作像するための現像バイアスVPnを設定することにより、各トナーパッチを0.1≦x≦1.0の範囲内で均等に分散させることができる。
次に、各色の階調パターンを作像するときの帯電バイアスVPcnの設定について説明する。
帯電バイアスの設定はK、C、M、Y共通であり、以下の数16を用いて算出する。
Figure 0005229616

ただし、帯電バイアスの設定は地肌汚れが生じないように、地肌ポテンシャルオフセットを設定する。本実施形態において、地肌ポテンシャルオフセットは−140[V]である。
上記のように、前回のプロセスコントロールで算出した現像バイアスVbに基づき、階調パターンの各トナーパッチを作像するための現像バイアスVPnを算出することで、光学センサ69の検知範囲内でトナーパッチを低付着側から高付着側にかけて等間隔で分布させることができ、少ないトナーパッチでも、精度のよい付着量変換や現像γの算出を行うことができる。
次に、本実施形態の特徴点について、説明する。
図3に示すように、現像スリーブ22Y上に汲み上げられた現像剤が現像ドクタ25Yによる規制を受けるまでの現像スリーブ上において、磁界の変極点が存在しないように構成し、現像剤の低ストレス化を図った結果、現像スリーブ上でトナーが十分に摩擦帯電することができない場合がある。その結果、現像スリーブ上に汲み上げられたトナーに帯電量が低いものが存在した場合、それが現像スリーブ上で十分に帯電されず、そのまま感光体に付着して、現像ムラが生じる場合がある。よって、供給搬送路内のトナーの帯電量を均一にして、供給搬送路内に十分に帯電していないトナーが存在しないようにすることが重要である。しかし、小型化の要請により現像装置が小さくなると、攪拌搬送路の長さが短くなり、トナー補給装置から供給された新規トナーが、攪拌搬送路内で十分に帯電されずに、供給搬送路へ搬送されてしまう場合がある。その結果、供給搬送路内のトナー帯電量が不均一となり、現像スリーブに十分に帯電していないトナーが汲み上げられて、現像ムラが生じるおそれがある。特に、高湿環境など、トナーが帯電しにくい状態のときや、単位時間または単位枚数あたりのトナー入換え量が多い場合、このような供給搬送路内のトナー帯電量の不均一が発生しやすい。
そして、このような供給搬送路内のトナー帯電量の不均一が発生している状態で画像濃度調整手段である制御部100が、プロセスコントロールを実行した場合、階調パターンに現像ムラが生じ、トナーパッチに濃度ずれが生じてしまう。本実施形態の各色の階調パターンは、5個と少ないトナーパッチから構成されているため、トナーパッチの濃度ずれが生じると、現像γの検出誤差や感度補正係数ηの検出誤差が大きくなってしまい、画像濃度調整後に良好な画像を得ることができなくなるおそれがある。
さらに、小型化の要請により現像装置が小さくなると、現像装置内が低容量になり現像装置内の現像剤量が少なくなる。その結果、現像装置内の現像剤の特性変化が起こりやすい。よって、高湿環境など、トナーが帯電しにくい状態のときや、単位時間または単位枚数あたりのトナー入換え量が多い場合、現像装置内のトナー帯電量が低下しやすい。このように、現像装置内のトナーの帯電量が低下した状態で、プロセスコントロールを実行した場合、現像能力が高くなっているので、階調パターンの各トナーパッチに付着するトナー付着量が多くなってしまう。
図17は、横軸を現像ポテンシャル縦軸を光学センサの出力値より算出したトナー付着量として、プロットしたグラフである。現像ポテンシャルとトナー付着量とは比例関係にあるが、図17に示すようにトナー付着量が0.6[mg/cm]を超えると、現像ポテンシャルとトナー付着量との比例関係が崩れてしまっている。これは、光学センサが、トナー付着量が0.6[mg/cm]を超えると、正しく付着量を検知できなくなってしまったからである。よって、階調パターンの各トナーパッチに付着するトナー付着量が多くなってしまうと、多くのトナーパッチのトナー付着量が0.6[mg/cm]を超えてしまう。本実施形態においては、本実施形態の各色の階調パターンは、5個と少ないトナーパッチから構成されているため、トナー帯電量が大幅に低下していると、光学センサの検知範囲に1個のトナーパッチしか入らなくなり、現像γを検出できなくなってしまう。
そこで、本実施形態においては、プロセスコントールを実行する前に、現像装置内のトナー帯電状態を予測して、現像装置内のトナー帯電量が不均一な状態や、帯電量が低い状態であることが予測されるときは、プロセスコントールを実行する前に、トナーを帯電させる処理を行っている。
以下に、実施例1、2を用いて、本実施形態の特徴点を具体的に説明する。
[実施例1]
図18は、実施例1におけるプロセスコントロール実行時の制御フローである。
図に示すように、この実施例1においては、制御部100は、光学センサ69の初期設定を行った後(S11)、現像装置のトナー帯電状態を判定する(S12)。具体的には、制御部100は、トナー帯電状態を変化させる要因として、温湿度センサ104で装置内部の温度や湿度を検知して、温度や湿度が所定の閾値を越えた場合は、現像装置内のトナー帯電状態が不均一状態であったり、帯電量が低い状態であったりすることが予測されるので「不安定」状態と判定する。一方、温度や湿度が所定の閾値以下の場合は、現像装置内のトナー帯電状態が、均一状態であり、また、帯電量が良好な状態であると予測されるので、現像装置内のトナー帯電状態が「安定」状態であると判定する。
また、トナー帯電状態を変化させる要因として一定期間内における現像装置4のトナー入換量を検知して、一定期間内における現像装置4のトナー入換量に基づいてトナー帯電状態を予測してもよい。一定期間内における現像装置4のトナー入換量は、一定期間内における出力した画像面積率の移動平均や平均値に基づき把握する。しかし、移動平均値を用いることにより、現時点での現像剤特性を知るのに適した、過去数枚のトナー入換量の履歴を知ることができ好ましい。よって、本実施形態では移動平均値を用いることにする。この移動平均値は、簡単のため、下記の数17に示す式に従って算出したものを用いる。
Figure 0005229616
ここで、「N」は画像面積率のサンプリング数(累積枚数)であり、「M(i−1)」は前回算出した移動平均値であり、「X(i)」は今回の画像面積率である。なお、M(i)及びX(i)は色ごとに個別に算出されるものである。
本実施形態のように、前回算出した移動平均値を用いて、今回の移動平均値を求めるので、過去数枚あるいは数十枚という画像面積率のデータをRAM102に保存する必要がなくなるため、RAM102の使用領域を大幅に減少させることができる。また、累積枚数Nを適宜変更することで、制御のレスポンスを変更することが可能となる。例えば環境変動や経時において累積枚数Nを変更すると、より効果的に現像装置内のトナー帯電状態を予測することができる。
そして、一定期間内における画像面積率の移動平均が高い場合は、制御部100は、現像装置内のトナー帯電状態が、不均一状態であったり、帯電量が低い状態であったりすると予測され現像装置内のトナー帯電状態が「不安定」状態と判定する。一方、画像面積率の移動平均が低い場合は、現像装置内のトナー帯電状態が、均一状態であり、また、帯電量が低い状態でないと予測され、現像装置内のトナー帯電状態が「安定」状態であると判定する。
このように、本実施形態においては、制御部100が、トナー帯電状態を変化させる要因を検知して、現像装置のトナー帯電状態を予測する予測手段として機能する。
制御部100が、現像装置内のトナー帯電状態が「不安定」と判定した場合(S12NO)は、制御部100は、プロセスコントロールを実行する前に、撹拌部材としての撹拌搬送スクリュー23Y,24Yを所定時間回転駆動させて、現像装置内のトナーを摩擦帯電させるトナー帯電処理を実行する(S13)。
また、検知した温度や湿度、画像面積率の移動平均に基づいて、攪拌時間を変化させてもよい。例えば、下記の表1に示すような画像面積率と攪拌時間とを対応づけたLUT(ルックアップテーブル)をRAM102に記憶しておき、LUTを参照して画像面積率の移動平均値に対応する攪拌時間を決定する。
Figure 0005229616
このように、画像面積率の移動平均が増加するにつれ、トナー帯電量が低下が大きくなることが予測されるので、画像面積率の移動平均が増加するにつれ、攪拌時間を長くする。トナー帯電状態を変化させる要因に基づいて、攪拌時間を変化させることで、無駄な攪拌を抑制し、早期にプロセスコントロールを実行することができる。また、無駄な攪拌を抑制することで、トナーにかかるストレスを抑制することができる。
このように所定時間現像装置内のトナーを攪拌することで、現像装置内のトナーを帯電させて、現像装置内のトナー帯電状態を、不均一状態や低帯電状態の「不安定」状態から、均一かつ所定電位に帯電した「安定」状態にすることができる。そして、所定時間現像装置内のトナーを攪拌して、現像装置内のトナー帯電状態が「安定」状態となったら、上述したプロセスコントロールを実行する(S14〜S18)。このように、現像装置内のトナー帯電状態が、「不安定」状態のときは、トナー帯電処理を行って、現像装置内のトナー帯電状態を「安定」状態にしてから、プロセスコントロールを行うので、階調パターンのトナーパッチに濃度ズレが生じることが抑制され、精度のよい感度補正係数ηおよび現像γの算出を行うことができる。
また、光学センサ69の検知範囲にひとつのトナーパッチしか入らないような事態が起こるのを抑制することができる。
一方、現像装置内のトナー帯電状態が「安定」状態であると判定した場合(S12のYES)は、攪拌処理を行わずに、プロセスコントロールを実行する(S14〜S18)。これにより、無駄な攪拌動作を防止することができ、トナーにかかるストレスを抑制することができる。また、早期にプロセスコントロールを実行することができる。
なお、温度や湿度が高い場合においては、プロセスコントロール実行直後においては、良好な画像濃度が得られるが、トナーの入換えが生じるたびに、現像装置内のトナー帯電量が徐々に下がり、現像能力が徐々に上がっていき、徐々に画像濃度が上がっていく。このため、温度や湿度が高い場合においては、プロセスコントールの実行間隔を狭めて、画像濃度が濃くなりすぎる前に、プロセスコントロールを実行するように変更する。本実施形態においては、階調パターンのトナーパッチ数5個と少なく、また、同時に各色の階調パターンを作像できるように構成しているので、プロセスコントロールの実行時間が短い。よって、プロセスコントールを実行してもユーザーを長期間待たせてしまうことがないので、プロセスコントールの実行間隔を狭めてもユーザーに不便さをあまり感じさせることがない。
また、画像面積率の移動平均を監視して、トナー入換え量が多い場合は、早期にプロセスコントロールを実行し、トナー入換え量が少ない場合は、プロセスコントロールの実行間隔を延ばすような制御を行ってもよい。
また、図18に示す制御フローにおいては、光学センサの初期設定が終了した後に、トナー帯電状態を変化させる要因検知して、現像装置内のトナー帯電状態が「安定」状態か否かの予測をしているがこれに限られない。まず、トナー帯電状態を変化させる要因を検知して、現像装置内のトナー帯電状態が「安定」状態か否かの判定するようにしてもよい。そして、「不安定」状態と判定した場合は、光学センサの初期設定処理と、攪拌処理とを並列実行するように制御する。このように制御することで、プロセスコントロール実行前の処理時間を短縮することが可能となり、ユーザの待ち時間の短縮化を図ることができる。
[実施例2]
次に、実施例2について説明する。
図19は、実施例2におけるプロセスコントロール実行時の制御フローである。
図に示すように、実施例2においては、制御部100は、プロセスコントロール実行時に、位置ズレ補正の実行も行うようにしたものである。
実施例1と同様に、光学センサの初期設定を行った後、トナー帯電状態を変化させる要因を検知してトナー帯電状態が「安定」状態か否かを判定する(S21〜S22)。制御部100が、「不安定」状態と判定した場合(S22のNO)は、位置ズレ補正制御の実行を開始し、現像装置の各攪拌スクリュー23、24を攪拌して(S23)、中間転写ベルト6に位置ズレ検知パターンを作像する(S24)。位置ズレ検知パターンを作像したら、プロセスコントールの実行を開始して、階調パターンを作像する(S25)。その結果、図20に示すように、中間転写ベルト6に位置ズレ検知パターン後に、中間転写ベルト6の幅方向中央部に階調パターンが形成される。
一方、制御部100が、「安定」状態と判定した場合(S22のYES)は、先にプロセスコントールの実行を開始して、階調パターンを作像し(S26)、その後、位置ズレ補正制御の実行して位置ズレ検知パターンを作像する(S27)。その結果、図21に示すように、中間転写ベルト6に中間転写ベルトの幅方向中央部に階調パターンが形成された後、位置ズレ検知パターンが形成される。
図20、図21に示すように、この実施例2においては、光学センサがベルト幅方向両端部と、中央部との3箇所設けられている。中央部の光学センサ69bは、図4に示した光学素子と、正反射受光素子と、拡散反射受光素子とから構成されたものである。一方、両端部に設けられる光学センサ69a、69cは、光学素子と正反射受光素子とを備えたものである。もちろん、両端部に設けられる光学センサ69a、69cを、中央部と同じ、図4に示した光学センサを用いてもよいが、両端部の光学センサ69a、69cは、トナーパッチを検知できればよいので、光学素子と正反射受光素子とからなる安価な光学センサを用いた方が好ましい。
位置ズレ検知パターンは、次のようなものである。すなわち、中間転写ベルト移動方向に対して直交する直交トナーパッチTが、C、Y、K、Mの順で形成され、つぎに、中間転写ベルト移動方向に対して45°の角度をなす斜交トナーパッチSがC、Y、K、M順で形成される。このC、Y、K、Mの直交トナーパッチTc、Ty、Tk、TmとC、Y、K、Mの斜交パッチSc、Sy、Sk、Smとで構成されるトナーパッチ群Gが中間転写ベルト移動方向に8個形成される。この8個のトナーパッチ群G1〜G8が、中間転写ベルト幅方向中央部と、両端部にそれぞれ形成される。なお、各トナーパッチは、ベタ濃度で形成されている。また、直交トナーパッチTc、Ty、Tk、Tmおよび斜交トナーパッチSc、Sy、Sk、Smは、C、Y、K、Mの順で形成されているが、これに限定されるものではない。
そして、中間転写ベルト上に作像された階調パターン、位置ズレ検知パターンを光学センサ69a〜69cで検知する(S28)。制御部100は、階調パターンを検知したときの中央部光学センサ69bの出力値に基づいて、階調パターンの各トナーパッチのトナー付着量を算出し(S29)、現像γを求める(S30)。
次に、位置ズレ検知パターンを光学センサ69a〜69cで検知して結果に基づいて位置ズレ量を算出する(S30)。横軸に検知位置(時間)縦軸にセンサ出力をとると、位置ズレ検知パターンを光学センサが検知すると、図22に示すような波形が得られる。斜交パッチSc、Sy、Sk、Smの中央部や直交パッチTc、Ty、Tk、Tmの中央部にきたときに、波形のピークがくる。そして、K色直交パッチTkの波形のピーク(K色直交パッチTkの中央部)を基準とし、各色の直交トナーパッチTc、Ty、Tmとのピーク間距離を測定することで、書き込みズレを算出する。具体的には、位置ズレ検知パターンを検知するときは、時間計測を開始し、直交トナーパッチTc、Ty、Tk、Tmのピークを検知したときの時間を一次記憶しておく。そして、一次記憶した計測時間と、中間転写ベルト6の表面移動速度とから、K色の直交パターンTkの中心と各色の直交パターンTc、Ty、Tmの中心間距離を算出する。このような計算結果が8個でるので、それの平均を計算することで、K色を基準とした各色の書き込みズレ(副走査線方向の位置ズレ)を算出する。
また、制御部100は、3つの光学センサ69a〜69cが、同じタイミングで直交トナーパッチTc、Ty、Tk、Tmや傾斜トナーパッチSc、Sy、Sk、Smを検知しているか否かを検知して、検知タイミングがずれている場合は、スキューズレや倍率誤差が発生していることになるので、タイミングのずれた時間から、スキューズレや倍率誤差を算出する。
そして、現像γに基づき現像バイアスを設定し(S32)、算出した位置ズレ量から位置ズレ補正を実施する(S33)。書き込みズレは、算出した書き込みズレ量に基づいて、書き込みタイミングを調整することで、補正する。スキューズレについては、光書込ユニット70の反射ミラーの角度を調整することによって補正する。倍率誤差については、画素同期クロックの周波数を調整することで、補正する。
このように、実施例2においては、制御部100が、「不安定」状態と判定した場合は、位置ズレ補正制御の実行を開始して、中間転写ベルトに位置ズレ検知パターンを作像する。位置ズレ検知パターンを作像することで、現像手段内のトナーが攪拌されて摩擦帯電する。よって、位置ズレ検知パターン形成後においては、現像手段内のトナーの帯電量が均一化するとともに、トナーを所定の帯電電位にすることができる。よって、位置ズレ検知パターン形成後にプロセスコントロールの実行を開始して、階調パターンを形成することで、階調パターンのトナーパッチに濃度ズレが生じるのを抑制することができ、精度のよい感度補正係数ηおよび現像γの算出を行うことができる。また、階調パターンのトナーパッチのうちひとつしか光学センサの検出範囲内に入らない事態が発生するのを抑制することができる。
また、位置ズレ検知は、光学センサ69a〜69cがトナーパッチを検知したときのピークが検知できればよいので、現像装置内のトナー帯電状態が、不均一状態であったり、帯電量が低い状態であったりして、現像ムラが生じてトナーパッチに濃度ズレが生じたり、トナーパッチが所定よりも濃度が濃くなったりしても、検知精度に影響を及ぼすことがない。よって、位置ズレ検知も精度よく行うことができる。
また、「安定」状態と予測した場合は、先にプロセスコントールの実行を開始して、階調パターンを作像し、その後、位置ズレ補正制御を実行して位置ズレ検知パターンを作像するのは、次の理由からである。
図23(a)は、階調パターン形成後に、位置ズレ検知パターンを形成する場合におけるタイミングチャートである。一方、図23(b)は、位置ズレ検知パターン形成後に階調パターンを形成する場合におけるタイミングチャートである。
図23(a)に示すように、本実施形態においては、全色の階調パターンを同時に作成できるよう構成し、画像形成動作の開始と同時に、光学センサに最も近接配置されているK色のプロセスユニットでK色の階調パターンを形成している。これにより、画像形成動作が開始して光学センサがトナーパッチの検知を開始するまでの時間は、K色書込み位置から光学センサまでの距離)/線速[sec]で表すことができる。
一方、位置ズレ検知パターンは、K色のトナーパッチは、Y色のトナーパッチとM色のトナーパッチとの間に形成するものであるため、画像形成動作の開始と同時に、K色のトナーパッチの作成は、行えず、図23(b)に示すように、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの順に作像が開始される。よって、画像形成動作が開始して、光学センサがトナーパッチの検知を開始するまでの時間は、(イエロー書込み位置から光学センサまでの距離)/線速[sec]で表すことができる。すなわち、位置ズレ検知パターンを最初に作成した場合は、階調パターンを最初に作成した場合に比べて、3作像ピッチ分光学センサの検知開始が遅くなる。その結果、図20、図21に示すように、中間転写ベルト上に形成された階調パターンの先端から位置ズレ検知パターン後端までの距離と、中間転写ベルト上に形成された位置ズレ検知パターンの先端から階調パターン後端までの距離とは同じであるが、上記したように、位置ズレ検知パターンを先に形成した場合は、光学センサによる検知開始遅延があるため、その分、処理時間が長くなり、ユーザーを待たせる時間が長くなる。
階調パターンは、同一色のトナーパターンが中間転写ベルト移動方向に連続するものであるため、光学センサから最も近い位置にあるK色の書き込みを画像形成動作と同時に開始することが可能である。一方、位置ズレ検知パターンは、隣接するトナーパッチの色が異なるものであるので、位置ズレ検知パターンにおいては、光学センサから最も遠い位置にあるY色の書き込みから開始する必要がある。よって、位置ズレ検知パターンは、画像形成動作が開始して光学センサがトナーパッチの検知を開始するまでの時間がどおしても長くなってしまうのである。
よって、「安定」状態と予測した場合は、先にプロセスコントールの実行を開始して、階調パターンを作像し、その後、位置ズレ補正制御の実行して位置ズレ検知パターンを作像することで、処理時間が短くなり、ユーザーを待たせる時間を短縮することができる。
また、位置ズレ検知パターンを最初に作像する場合は、画像形成が開始されトナーパッチが光学センサでの検知されるまでの時間が長いので、位置ズレ検知パターンを最初に作像する場合は、位置ズレ検知パターン作像に並行して、光学センサの初期設定を行ってもよい。すなわち、この場合は、まず、トナー帯電状態を変化させる要因を検知して、現像装置内のトナー帯電状態が「安定」状態か否かの判定する。不安定状態と判定された場合は、位置ズレ検知パターンの作像を開始すると同時に光学センサの初期設定を行う。これにより、光学センサの初期設定が終了してから位置ズレ検知パターンの作像を開始するものに比べて、処理時間を短くでき、ユーザーを待たせる時間を短縮することができる。一方、トナー帯電状態が「安定」と判定された場合は、階調パターンの作像を開始してから光学センサがトナーパッチの検知を開始するまでの時間が短いので、光学センサの初期設定が終了してから、階調パターン作像を開始するようにする。
なお、感光体距離が、階調パターンよりも短くて、全色同時書き込みを行うことができなくても、画像形成動作が開始して光学センサがトナーパッチの検知を開始するまでの時間を、K色書込み位置から光学センサまでの距離)/線速[sec]することができる。この場合は、K、M、C,Y順に書き込みを行えば、図7同様、中間転写ベルト上にK、M、C,Yの順で階調パターンを作成することができ、画像形成動作が開始して光学センサがトナーパッチの検知を開始するまでの時間を、K色書込み位置から光学センサまでの距離)/線速[sec]することができる。
また、「安定」状態と予測した場合は、位置ズレ補正制御を実施せずにプロセスコントロールのみを実施するようにしてもよい。これにより、ユーザーを待たせる時間を短縮することができる。
以上、本実施形態においては、制御部は、現像手段たる現像装置内のトナー帯電状態を変化させる要因である温度・湿度・所定期間の画像面積率を検知して、検知した現像手段たる現像装置内のトナー帯電状態を変化させる要因から、現像装置内のトナー帯電状態が不均一状態または低帯電状態であると予測される場合は、画像濃度調整制御であるプロセスコントロールを実行する前に、現像装置内のトナーを帯電させるトナー帯電処理を実行するよう決定する。これにより、現像装置内の所定の電位に帯電していないトナーを所定の電位にまで帯電せることができるとともに、現像装置内のトナー帯電量を均一化することができる。よって、プロセスコントロール実行時における現像装置のトナーは、均一に帯電しているので、階調パターンのトナーパッチに濃度ずれが生じるのを抑制することができ、精度のよい現像γの算出を行うことができる。また、現像装置内のトナーが所定の電位まで帯電しているので、現像γが非常に高くなるのを抑制することができ、階調パターンのトナーパッチのうちひとつしか光学センサの検出範囲内に入らない事態が発生するのを抑制することができる。
また、制御部は、現像装置内のトナー帯電状態が、所定の帯電電位に均一に帯電していると予測されるときは、トナー帯電処理を実行せずに、プロセスコントロールを実行する。これにより、プロセスコントロール実行前の処理を短縮化することができ、ユーザーのお待たせ時間を短縮することができる。また、現像剤へのストレスを低減することができる。
また、攪拌部材たる攪拌搬送スクリューを所定時間回転駆動させることで、現像装置内のトナーを摩擦帯電させることで、帯電電位の低いトナーを所定の電位に帯電させることができる。これにより、現像装置内のトナーを、所定の電位に均一に帯電することができる。
また、トナー帯電状態を変化させる要因に基づいて、攪拌搬送スクリューによる現像剤攪拌時間を変化させる。これにより、トナー帯電状態を変化させる要因から、現像装置内のトナーの帯電電位が大幅に低下していない状態と予測される場合や、トナー帯電状態があまり不均一でない状態と予測される場合は、攪拌時間が短くなるように変化させるようにすれば、無駄な現像剤の攪拌を抑制することができ、プロセスコントロール実行前の処理時間を短縮することができる。また、現像剤へのストレスを必要最低限にすることができる。
また、光学センサの出力調整と(初期設定)と、トナー帯電処理を同時に実行することで、光学センサの出力調整と(初期設定)を行った後にトナー帯電処理を行うものに比べて、プロセスコントロール実行前の処理時間を短縮することができ、ユーザーのお待たせ時間を短縮することができる。
また、実施例2に示すように、制御部は、現像手段たる現像装置内のトナー帯電状態を変化させる要因である温度・湿度・所定期間の画像面積率を検知して、検知した現像手段たる現像装置内のトナー帯電状態を変化させる要因から、現像装置内のトナー帯電状態が不均一状態または低帯電状態であると予測される場合は、階調パターンの作像を行う前に、位置ズレ検知パターンの作像を行う。位置ズレ検知パターン作像時に現像装置が駆動して、現像装置内のトナーが攪拌され摩擦帯電される。よって、位置ズレ検知パターン作像後においては現像装置内のトナーの帯電量が均一化するとともに、トナーを所定の帯電電位にすることができる。よって、位置ズレ検知パターン作像後に、階調パターンを作像することで、現像ムラが抑制され、階調パターンのトナーパッチに濃度ずれが生じるのを抑制することができる。その結果、少ないトナーパッチでも精度のよい現像能力を示す指標値を検出することができる。また、少ないトナーパッチでも、階調パターンのトナーパッチのいくつかを光学センサの検出範囲内に入れることができ、現像γの検出を行うことができる。
また、位置ズレ検知は、光学センサを用いて、トナーパッチ間の距離を検知するので、現像ムラが生じてトナーパッチに濃度ズレがあったりしても検知結果に影響を及ぼすことがない。よって、現像装置内のトナー帯電量が不均一であったり、トナー帯電量が低下していたりしても良好に位置ズレを検知することができる。
さらに、位置ズレを補正するので、色ずれを抑制することができる。
また、現像装置内のトナー帯電状態を変化させる要因として、所定期間内に作像した画像の画像面積率を検知する。所定期間における画像面積率が高い場合は、トナーの入換え量が多く、現像装置内に帯電電位の低い新規のトナーが大量に補給される。その結果、現像装置内のトナー帯電量が大幅に低下していると予測することができる。また、所定期間における画像面積率が低い場合は、トナーの入換え量が少なく、現像装置内に帯電電位の低い新規のトナーがほとんどないので、現像装置内のトナーが良好に帯電していることが予測される。このように、所定期間内に作像した画像の画像面積率を検知することによって、現像装置内のトナーの帯電状態を予測することができる。
レーザプリンタの主要部を示す概略構成図。 レーザプリンタが備えるプロセスユニットのうちイエロープロセスユニットの概略構成を示す拡大図。 マグネットローラの磁極配置を示す図。 光学センサの概略断面図。 電気回路の要部を示すブロック図。 プロセスコントロールの基本フロー図。 中間転写ベルト上における階調パターンを示す模式図。 中間転写ベルト上の各色の階調パターンと、各色の感光体とを示す図。 トナーパッチのトナー付着量と、VspやVsgとの関係を示すグラフ。 トナーパッチのトナー付着量と、△Vspや△Vsgと、感度補正係数αとの関係を示すグラフ。 トナーパッチのトナー付着量と、拡散反射成分と、正反射成分との関係を示すグラフ。 トナーパッチのトナー付着量と、正反射光における正反射成分の正規化値との関係を示すグラフ。 トナーパッチのトナー付着量と、△Vsp_difと、地肌部変動補正量との関係を示すグラフ。 市販遮光における正反射成分の正規化値と、地肌部変動補正後の拡散光による出力値との関係を示すグラフ。 感度補正係数η算出における理想的なデータ分散状態を示すグラフ。 各色の階調パターンにおける現像バイアス算出の一例を示すグラフ。 現像ポテンシャルとトナー付着量との関係を示す図。 実施例1におけるプロセスコントロール実行時の制御フロー図。 実施例2におけるプロセスコントロール実行時の制御フロー図。 中間転写ベルト上に位置ズレ検知パターン形成後、階調パターンを形成したときの図。 中間転写ベルト上に階調パターン形成後、位置ズレ検知パターンを形成したときの図。 位置ズレ検知パターンを光学センサが検知したときに得られる波形を示す図。 (a)は、階調パターン形成後に、位置ズレ検知パターンを形成する場合におけるタイミングチャート。(b)は、位置ズレ検知パターン形成後に階調パターンを形成する場合におけるタイミングチャート。
符号の説明
6:中間転写ベルト
69:光学センサ
311:発光素子
312:正反射受光素子
313:拡散反射受光素子

Claims (5)

  1. 潜像担持体と、
    該潜像担持体を所定の電位に帯電させる帯電手段と、
    所定電位に帯電した潜像担持体表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    少なくともトナーを含有する現像剤を担持する現像剤担持体に現像バイアスを印加しながら該現像剤担持体上のトナーを該潜像担持体上の潜像に転移させて該潜像を現像する現像手段と、
    現像によって得られたトナー像を該潜像担持体から転写体に転写する転写手段と、
    前記転写体上のトナー像または前記潜像担持体上のトナー像からの反射光を検出する光学的検知手段と、
    付着量が互いに異なるような画像形成条件で形成された複数のトナーパッチからなる階調パターンを形成し、該複数のトナーパッチを前記光学的検知手段で検出した検出値に基づいて画像形成条件を調整する画像濃度調整手段とを備える画像形成装置において、
    装置内の湿度、温度または所定期間内に作像した画像の画像面積率を検知しその検知結果に基づいて、現像手段内のトナーの帯電状態を予測し、現像手段内のトナーの帯電状態が現像装置内のトナー帯電状態が不均一状態であったり、帯電量が低い状態であったりすることが予測されるときは、前記現像手段内のトナーを帯電させるトナー帯電処理を実行してから前記画像濃度調整手段を実行するように決定し、現像装置内のトナー帯電状態が、均一状態であり、また、帯電量が良好な状態であると予測されるときは、トナー帯電処理を実行せずに前記画像濃度調整手段を実行するよう決定する決定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    前記現像手段には、現像手段内の現像剤を攪拌する攪拌部材を備えており、
    前記トナー帯電処理が、前記攪拌部材を所定時間回転駆動させる処理であることを特徴する画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    前記トナー帯電状態を変化させる要因に基づいて、前記攪拌部材による現像剤攪拌時間を変化させることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、
    前記光学的検知手段の出力調整と、前記トナー帯電処理とを同時に実行することを特徴とする画像形成装置。
  5. 複数の潜像担持体と、
    それぞれの潜像担持体を個別に帯電するための複数の帯電手段と、
    それぞれの潜像担持体に潜像を形成する潜像形成手段と、
    少なくともトナーを含有する現像剤を担持する現像剤担持体に現像バイアスを印加しながら該現像剤担持体上のトナーをそれぞれの潜像担持体上の潜像に個別に転移させて該潜像を現像する複数の現像手段と、
    それぞれの潜像担持体との対向位置を順次通過するように表面を無端移動させる無端移動体と、
    それぞれの潜像担持体の現像によって得られたトナー像を、該無端移動体の表面に保持される記録体に転写するか、あるいは該無端移動体の表面に転写した後に記録体に転写する転写手段と、
    該無端移動体上のトナー像からの反射光を検出する光学的検知手段と、
    付着量が互いに異なるような画像形成条件で形成された複数のトナーパッチからなる階調パターンを形成し、該複数のトナーパッチを前記光学的検知手段で検出した検出値に基づいて画像形成条件を調整する画像濃度調整手段と、
    所定の位置ズレ検知用トナーパッチをそれぞれの潜像担持体から該無端移動体の表面に転写して得た位置ズレ検知パターンの前記光学的検知手段による検知結果に基づいて、それぞれの潜像担持体上におけるトナー像の相対的な位置ズレ量を算出し、その算出結果に基づいてそれぞれの潜像担持体上におけるトナー像の相対的な位置ズレを補正する位置ズレ補正手段とを備える画像形成装置において、
    装置内の湿度、温度または所定期間内に作像した画像の画像面積率を検知しその検知結果に基づいて、現像手段内のトナーの帯電状態を予測し、現像手段内のトナーの帯電状態が現像装置内のトナー帯電状態が不均一状態であったり、帯電量が低い状態であったりすることが予測されるときは、位置ズレ補正手段を実行した後に前記階調パターンの作像を行うように決定し、現像装置内のトナー帯電状態が、均一状態であり、また、帯電量が良好な状態であると予測されるときは、前記階調パターンの作像後に位置ズレ補正手段を実行するように決定する決定手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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