JP2007072441A - 画像形成装置 - Google Patents

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信貴 竹内
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真 長谷川
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仰太 藤森
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加余子 田中
Yuji Hirayama
裕士 平山
Hitoshi Ishibashi
均 石橋
Osamu Ariizumi
修 有泉
Naoto Watanabe
直人 渡辺
Shinji Kato
真治 加藤
Shinji Kobayashi
信二 小林
Kazumi Kobayashi
一三 小林
Takashi Enami
崇史 榎並
Fukutoshi Uchida
福年 内田
Ryota Morimoto
亮太 森本
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Abstract

【課題】 現像剤の撹拌搬送速度と画像面積率とによって検出手段の出力値が示すトナー濃度が実際のトナー濃度からズレてしまう事態を抑制する。
【解決手段】 中速モード又は低速モードで画像形成する際には、標準モードでの透磁率センサの基準出力値と中速モード又は低速モードでの出力値との差分値ΔVt1,ΔVt2により、透磁率センサの出力値を補正した補正出力値Vtを用いてトナー濃度制御を行う。また、本画像形成装置では、更に、過去に形成した画像の画像面積率に応じた修正値Vn1,Vn2を用いて補正出力値Vtを修正し(S50)、その修正した値を用いてトナー濃度制御を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、詳しくはトナーと磁性キャリアとで構成された二成分現像剤を用いて画像形成を行う画像形成装置に関するものである。
従来より、非磁性トナーと磁性キャリアとから構成される二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を現像剤担持体上に保持し、その現像剤により現像剤担持体内部に設けられた磁極により磁気ブラシを形成して、その磁気ブラシにより潜像担持体上の潜像を摺擦して現像を行う二成分現像方式が広く知られている。二成分現像方式は、カラー化が容易なことから現在広く利用されている。二成分現像方式では、現像剤中におけるトナーと磁性キャリアとの比率(例えば重量比)を示すトナー濃度が高すぎると、形成した画像中に地肌汚れが発生したり、細部解像力の低下が生じたりする。一方、トナー濃度が低くなると、ベタ画像部の濃度が低下したり、潜像担持体へのキャリア付着が発生したりする。そのため、現像装置内における現像剤中のトナー濃度を検知してトナー補給動作を制御し、現像剤中のトナー濃度が常に適正範囲内となるようにトナー濃度制御を行うことが重要である。
トナー濃度を検知する方法としては、一般に、現像装置内の所定の検出領域内に存在する二成分現像剤中のトナーの量又は磁性キャリアの量を検知する方法が用いられる。この方法の代表的な例としては、透磁率センサ(検出手段)を用いたものが挙げられる。透磁率センサは、その検出領域内に存在する現像剤中の磁性キャリアの磁気特性を電気信号(周波数、電圧等)としてとらえて出力するものである。透磁率センサの出力値は、実用的なトナー濃度範囲内では、検出領域内に存在する磁性キャリアの量の増加に応じて単調減少するので、この出力値に基づいて現像剤中のトナー濃度を検知することができる。
ただし、現像装置内の所定の検出領域内に存在する二成分現像剤中のトナーの量又は磁性キャリアの量を検出する方法により現像剤中のトナー濃度を検知する場合、検出領域内の現像剤の嵩密度が変化したり、現像剤の流動性が変化したりすると、同じトナー濃度でも透磁率センサの出力値が変化し、透磁率センサの出力値が示すトナー濃度が実際のトナー濃度からズレてしまう。
特許文献1には、現像装置内の現像剤のトナー濃度を透磁率センサを用いて検知し、そのセンサ出力値を目標出力値と比較して現像装置内のトナー濃度を制御する画像形成装置が記載されている。この画像形成装置では、互いに異なるプロセス線速でそれぞれ画像形成を行う画像形成モードを備えている。画像形成モードが切り換わると、プロセス線速が変化して現像装置内の現像剤の撹拌搬送速度も変化する。そのため、画像形成モードごとに、透磁率センサの検出領域内に存在する単位時間当たりの磁性キャリアの量が変わってくる。その結果、同じトナー濃度であっても、画像形成モードごとに透磁率センサの出力値が異なることとなる。
そこで、上記特許文献1に記載の画像形成装置では、次のような制御を行っている。すなわち、ウォームアップ時に、プロセス線速を標準線速に設定し、標準線速で適正なトナー濃度となるように、すなわち、透磁率センサの出力値が目標出力値となるように、トナー濃度制御を行う。その後、予め用意されている3つの画像形成モード(互いにプロセス線速が異なる)ごとのトナー濃度に対するセンサ出力値がすべて上記目標出力値となるように、透磁率センサに印加するコントロール電圧を設定する。そして、上記3つの画像形成モードのいずれかで画像形成を行う場合には、当該画像形成モードに対応するコントロール電圧を透磁率センサに印加してトナー濃度検出を行い、現像剤のトナー濃度制御を行う。このような制御を行うことにより、上記特許文献1に記載の画像形成装置によれば、どの画像形成モードで画像形成を行うときでも、同じトナー濃度であれば透磁率センサの出力値は同じとすることが可能である。
また、特許文献2にも、現像装置内の現像剤のトナー濃度を透磁率センサを用いて検出し、その出力値を目標出力値と比較して現像装置内のトナー濃度を制御する画像形成装置が記載されている。この画像形成装置では、画像面積率に応じて予め設定された補正値を透磁率センサの出力値に加算又は減算して、補正した出力値を用いてトナー濃度を制御する。画像面積率が高い画像を形成した場合、その画像の現像に寄与した現像剤部分のトナー濃度は大きく低下するので、その部分では磁性キャリアとトナーとの接触機会が増え、トナー帯電量が増加する。これにより、トナー同士の反発力が強まり、その部分における現像剤中の空隙率が増加することになる結果、同じトナー濃度であっても透磁率センサの出力値は通常のトナー帯電量の場合とは異なる値となる。上記特許文献2に記載の画像形成装置によれば、画像面積率に応じた補正値によって透磁率センサの出力値を補正することにより、適正なトナー濃度制御が行うことができる。
特開2003−280355号公報 特開2002−40794号公報
ところが、上記特許文献1に記載の画像形成装置によれば、画像形成モードの違い(現像剤の撹拌搬送速度の違い)による透磁率センサの出力値変化は抑制することはできるものの、形成した画像の画像面積率の違いによる透磁率センサの出力値変化を抑制することはできない。一方、上記特許文献2に記載の画像形成装置は、形成した画像の画像面積率の違いによる透磁率センサの出力値変化を抑制できるものの、画像形成モードの違い(現像剤の撹拌搬送速度の違い)による透磁率センサの出力値変化は抑制することはできない。したがって、画像形成モードの違い(現像剤の撹拌搬送速度の違い)による透磁率センサの出力値変化を抑制でき、かつ、形成した画像の画像面積率の違いによる透磁率センサの出力値変化も抑制できる画像形成装置が望まれる。
上記透磁率センサの出力値は、現像剤の撹拌搬送速度と画像面積率とが相互に密接に関係して変化する。
すなわち、例えば、現像剤の撹拌搬送速度が遅い低速モードで連続して画像面積率が高い画像を形成する場合、その連続画像形成期間中には撹拌搬送速度が遅い現像剤に対して多くのトナーが補給される。そのため、トナー補給を受けた現像剤に対する撹拌が不足して十分にトナーを帯電させることができない。よって、通常のトナー帯電量の場合に比べて、トナー同士の反発力が小さく、その現像剤の嵩密度は高くなる。その結果、その連続画像形成期間中において画像形成を行っていくと、透磁率センサの出力値が示すトナー濃度が実際のトナー濃度よりも低い方向へ離れていく。そして、この透磁率センサの出力値に従ってトナー濃度制御を行うことにより、実際のトナー濃度は目標とするトナー濃度よりも高くなっていく。
また、例えば、現像剤の撹拌搬送速度が速い高速画像形成モードで連続して画像面積率が低い画像を形成する場合、その連続画像形成期間中には撹拌搬送速度が速い現像剤に対して補給されるトナー量が少ない。そのため、トナー補給を受けた現像剤の過剰な撹拌によりトナー帯電量が多くなりすぎて、通常のトナー帯電量の場合に比べてトナー同士の反発力が大きく、その現像剤の嵩密度が低くなる。その結果、その連続画像形成期間中において画像形成を行っていくと、透磁率センサの出力値が示すトナー濃度が実際のトナー濃度よりも高い方向へ離れていく。そして、この透磁率センサの出力値に従ってトナー濃度制御を行うことにより、実際のトナー濃度は目標とするトナー濃度よりも低くなっていく。
また、互いに異なる画像面積率の画像を形成した場合、その画像の現像に寄与した現像剤部分ではトナー濃度が互いに異なる結果、磁性キャリアとトナーとの接触状態が互いに相違する。この接触状態の相違は、トナー帯電量に変化を与えるだけでなく、現像剤の流動性にも変化を与える。すなわち、互いに異なる画像面積率の画像を形成した場合には、その画像の現像に寄与した現像剤部分の流動性が互いに異なることになる。これにより、その現像剤部分の磁性キャリアの量が透磁率センサの検出領域内を単位時間当たりに通過する量が変化する結果、透磁率センサの検出領域内に存在する単位時間当たりの磁性キャリアの量が変わる。よって、互いに異なる画像面積率の画像を形成した場合には、実際には同じトナー濃度であるにもかかわらず、透磁率センサの出力値が互いに異なることになる。これも、現像剤の撹拌搬送速度と画像面積率とが相互に密接に関係して透磁率センサの出力値が変化することを示している。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、現像剤の撹拌搬送速度と画像面積率とが互いに密接に関係することにより透磁率センサ等の検出手段の出力値が示すトナー濃度が実際のトナー濃度からズレてしまう事態を抑制し得る画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、潜像担持体と、現像剤担持体上にトナーと磁性キャリアとで構成された二成分現像剤を担持してこれを該潜像担持体の表面に接触させることにより該潜像担持体表面上の潜像に該トナーを付着させる現像を行う現像装置と、該現像装置内の所定の検出領域内に存在する二成分現像剤中のトナーの量又は磁性キャリアの量を検出して出力する検出手段と、該検出手段の出力値に基づいて制御を行う制御手段とを備え、該現像装置は、少なくとも該検出領域内に存在する二成分現像剤を撹拌搬送する撹拌搬送部材を有しており、互いに異なる撹拌搬送速度で該撹拌搬送部材により二成分現像剤を撹拌搬送しながら画像形成をそれぞれ行う複数の画像形成モードを備えた画像形成装置において、上記制御手段は、上記複数の画像形成モードのうちの一の画像形成モード時における撹拌搬送速度である基準撹拌搬送速度で上記撹拌搬送部材により二成分現像剤を撹拌搬送するときの上記検出手段の基準出力値と、該複数の画像形成モードのうちの他の画像形成モード時における撹拌搬送速度で該撹拌搬送部材により二成分現像剤を撹拌搬送するときの該検出手段の出力値との差分値を予め算出しておき、該一の画像形成モードで画像形成を行うときには該検出手段の基準出力値を用いて上記制御を行い、該他の画像形成モードで画像形成を行うときには該検出手段の出力値を該差分値で補正した補正出力値を用いて上記制御を行うものであり、更に、該制御手段は、該複数の画像形成モードで画像形成するときに用いる該基準出力値又は該補正出力値に加えて、過去に形成した画像の画像面積率をも用いて上記制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記制御手段は、上記他の画像形成モードで連続して画像形成を行う場合、その連続画像形成期間中の2枚目以降の画像形成時には、該連続画像形成期間中に形成した過去の画像の平均画像面積率と上記補正出力値とを用いて、上記制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記現像装置内の二成分現像剤へトナーを補給するトナー補給手段を有し、上記制御手段が行う制御は、上記補正出力値が目標出力値より大きい場合に該トナー補給手段によるトナー補給を行うように制御するものであり、上記他の画像形成モードは、上記基準撹拌搬送速度よりも遅い撹拌搬送速度で撹拌搬送しながら画像形成を行う画像形成モードであり、上記制御手段は、上記補正出力値を上記目標出力値以上とする修正値を用いて該補正出力値を修正し、その修正した値を用いて上記制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2又は3の画像形成装置において、上記平均画像面積率M(i)は、下記の数式により算出したものであることを特徴とするものである。
M(i)=(1/N)×{M(i−1)×(N−1)+X(i)}
ただし、「N」は画像面積率のサンプリング数であり、「M(i−1)」は前回の画像形成時における平均画像面積率であり、「X(i)」は今回の画像形成時における画像面積率である。
また、請求項5の発明は、請求項2、3又は4の画像形成装置において、上記平均画像面積率を求めるときの画像面積率のサンプリング数を変更するサンプリング数変更手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項2、3、4又は5の画像形成装置において、複数の平均画像面積率にそれぞれ対応する修正値を記憶する記憶手段を有し、上記制御手段は、上記平均画像面積率に対応する修正値を該記憶手段から読み出し、該修正値を用いて上記補正出力値を修正し、その修正した値を用いて上記制御を行うことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1、2、3、4、5又は6の画像形成装置において、上記制御手段は、上記基準出力値又は上記補正出力値を過去に形成した画像の画像面積率を用いて修正し、その修正した値を用いて上記制御を行うものであり、該制御手段による最大修正幅を変更する最大修正幅変更手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1、2、3、4、5、6又は7の画像形成装置において、上記現像装置を互いに異なる色ごとに複数備え、かつ、現像装置内の二成分現像剤へトナーを補給するトナー補給手段と上記検出手段とを現像装置ごとに備え、各現像装置で現像して得た各色トナー像を互いに重ね合わせた重ねトナー像を最終的に記録材上に転移させて画像形成を行うものであり、上記制御手段は、現像装置ごとに、対応する検出手段の出力値に基づいて、対応するトナー補給手段によるトナー補給動作を制御することを特徴とするものである。
本発明に係る画像形成装置では、互いに異なる撹拌搬送速度で現像装置内の現像剤を撹拌搬送しながら画像形成をそれぞれ行う複数の画像形成モードを備えている。そのため、画像形成モードごとに、検出手段の検出領域内に存在する単位時間当たりのトナーの量又は磁性キャリアの量が異なることとなる。その結果、実際には同じトナー濃度であっても、画像形成モードごとに検出手段の出力値が変化する。そこで、本画像形成装置では、上記一の画像形成モード(基準画像形成モード)時における撹拌搬送速度である基準撹拌搬送速度で現像剤を撹拌搬送するときの検出手段の出力値(基準出力値)と、上記他の画像形成モード(非基準画像形成モード)時における撹拌搬送速度で現像剤を撹拌搬送するときの検出手段の出力値との差分値を、所定のタイミングで制御手段により算出しておく。そして、基準画像形成モードで画像形成を行うときには検出手段が出力した出力値をそのまま用いて制御を行い、非基準画像形成モードで画像形成を行うときには検出手段の出力値を上記差分値で補正した補正出力値を用いて制御を行う。これにより、基準撹拌搬送速度とは異なる撹拌搬送速度で現像剤を撹拌搬送する非基準画像形成モードで画像を行うときに用いる補正出力値は、基準撹拌搬送速度で現像剤を撹拌搬送する基準画像形成モードのときの検出手段の出力値とほぼ同じ値とすることができる。
また、本画像形成装置では、現像装置内の所定の検出領域内に存在する二成分現像剤中のトナーの量又は磁性キャリアの量を検出して出力する検出手段の出力値に基づいて制御を行う。そのため、過去に形成した画像の画像面積率の違いにより、その画像の現像に寄与した現像剤部分で磁性キャリアとトナーとの接触状態が異なることになる。よって、その現像剤部分の嵩密度や流動性が異なってくる結果、その現像剤部分が検出領域内に入ったときの検出手段の出力値は、実際のトナー濃度が同じであっても互いに異なる値となる。そこで、本画像形成装置では、基準出力値又は補正出力値に加え、過去の画像の画像面積率をも用いて制御を行う。これにより、過去に形成した画像の画像面積率の違いによる検出手段の出力値変化をなくすことが可能となる。
なお、制御手段が行う制御は、検出手段の出力値を用いた制御であれば、トナー濃度制御に限られない。
以上、本発明によれば、現像剤の撹拌搬送速度の違いによる検出手段の出力値変化と、過去に形成した画像の画像面積率の違いによる検出手段の出力値変化の両方を抑制することができるので、現像剤の撹拌搬送速度と画像面積率とが互いに密接に関係することにより検出手段の出力値が示すトナー濃度が実際のトナー濃度からズレてしまう事態を抑制することが可能となるという優れた効果が奏される。
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のカラーレーザプリンタ(以下、「レーザプリンタ」という。)に適用した一実施形態について説明する。
図2は、本実施形態に係るレーザプリンタの概略構成図である。
このレーザプリンタは、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、ブラック(BK)の各色の画像を形成するための4組の作像手段1M、1C、1Y、1BK(以下、各符号の添字M、C、Y、BKは、それぞれマゼンタ、シアン、イエロー、ブラック用の部材であることを示す。)が、記録材としての転写紙P(図3参照)の移動方向(図2中の矢印A方向)における上流側から順に配置されている。この作像手段1M,1C,1Y,1BKは、それぞれ、潜像担持体としてのドラム状の感光体11M,11C,11Y,11BKを有する感光体ユニットと、現像装置とを備えている。また、各作像手段1M,1C,1Y,1BKの配置は、各感光体ユニット内の感光体11M,11C,11Y,11BKの回転軸が平行になるように且つ転写紙移動方向に所定のピッチで配列するように、設定されている。
また、本レーザプリンタは、上記作像手段1M,1C,1Y,1BKのほか、光書込ユニット2、給紙カセット3,4、上記各感光体11M,11C,11Y,11BKに対向する転写部に向けて転写紙Pを搬送する転写ベルト60を有する転写ユニット6、転写ベルト60に転写紙Pを供給する一対のローラからなるレジストローラ5、ベルト定着方式の定着ユニット7、排紙トレイ8、反転ユニット9等を備えている。また、本レーザプリンタは、図示していない手差しトレイ、トナー補給容器、廃トナーボトル、電源ユニットなども備えている。
上記光書込ユニット2は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体11M,11C,11Y,11BKの表面にレーザ光を走査しながら照射する。
また、図2中の一点鎖線は、転写紙Pの搬送経路を示している。給紙カセット3,4から給送された転写紙Pは、図示しない搬送ガイドによってガイドされながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ5が設けられている一時停止位置に送られる。転写紙Pは、レジストローラ5により所定のタイミングで転写ベルト60に供給され、各感光体11M,11C,11Y,11BKに対向する各転写部を通過するように搬送される。これにより、各作像手段1M,1C,1Y,1BKによって形成された感光体11M,11C,11Y,11BK上のトナー像が、転写紙上に順次重ね合わされて転写され、転写紙上にカラー画像が形成される。このカラー画像が形成された転写紙Pは、定着ユニット7でトナー像が定着された後、排紙トレイ8上に排出される。
図3は、上記作像手段1M,1C,1Y,1BKのうち、マゼンタの作像手段1Mの概略構成を示す拡大図である。他の作像手段1C,1Y,1BKについてもそれぞれ同じ構成となっているので、それらの説明は省略する。
図3において、作像手段1Mは、上述したように、感光体ユニット10M及び現像装置20Mを備えている。感光体ユニット10Mは、感光体11Mのほか、その感光体表面をクリーニングする揺動可能なクリーニングブレード13M、その感光体表面を一様帯電する非接触型の帯電ローラ15M等を備えている。また、感光体表面に潤滑剤を塗布するとともに、感光体表面を除電する機能を有する潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Mも備えている。この潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Mは、ブラシ部が導電性繊維で構成され、その芯金部には除電バイアスを印加するための図示しない除電用電源が接続されている。
上記構成の感光体ユニット10Mにおいて、感光体11Mの表面は、電圧が印加された帯電ローラ15Mにより一様帯電される。この感光体11Mの表面に光書込ユニット2で変調及び偏向されたレーザ光が走査されながら照射されると、感光体11Mの表面に静電潜像が形成される。この感光体11M上の静電潜像は、後述の現像装置20Mで現像されてマゼンタのトナー像となる。転写ベルト60上の転写紙Pが通過する転写部Ptでは、感光体11M上のトナー像が転写紙Pに転写される。トナー像が転写された後の感光体11Mの表面は、潤滑剤塗布兼除電ブラシローラ12Mで所定量の潤滑剤が塗布されるとともに除電された後、感光体クリーニング手段としてのクリーニングブレード13Mでクリーニングされ、次の静電潜像の形成に備えられる。
上記現像装置20Mは、上記静電潜像を現像するための現像剤として、磁性キャリア及び負帯電のトナーを含む二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)28Mを使用している。また、この現像装置20Mは、現像ケース21Mの感光体側の開口から一部露出するように配設された現像剤担持体としての非磁性材質からなる現像スリーブ22Mや、現像スリーブ22Mの内部に固定配置された磁界発生手段としてマグネットローラ(不図示)、撹拌搬送部材としての撹拌搬送スクリュー23M,24M、現像ドクタ25M、検知手段としてのトナー濃度センサとしての現像剤28Mの透磁率を検知する透磁率センサ26M、トナー補給手段としての粉体ポンプ27M等を備えている。現像スリーブ22Mには現像電界形成手段としての図示を省略した現像バイアス電源により負の直流電圧DC(直流成分)に交流電圧AC(交流成分)が重畳された現像バイアス電圧が印加され、現像スリーブ22Mが感光体11Mの金属基体層に対して所定電圧にバイアスされている。
図3において、現像ケース21M内に収容された現像剤28Mが撹拌搬送スクリュー23M,24Mで撹拌搬送されることによりトナーが摩擦帯電される。そして、第1撹拌搬送路30A内の現像剤28Mの一部が現像スリーブ22Mの表面に担持され、現像ドクタ25Mで層厚が規制された後、感光体11Mと対向する現像領域に搬送される。現像領域では、現像スリーブ22M上の現像剤中のトナーが現像電界によって感光体11M上の静電潜像に付着し、トナー像となる。その後、現像領域を通過した現像剤は、現像スリーブ22M上の現像剤離れ極位置で現像スリーブ22Mから離れ、第1撹拌搬送路30Aに戻る。第1撹拌搬送路30Aをその下流端まで搬送された現像剤28Mは、第2撹拌搬送路30Bの上流端へ移動し、第2撹拌搬送路30B内でトナー補給を受ける。その後、第2撹拌搬送路30Bをその下流端まで搬送された現像剤28Mは、第1撹拌搬送路30Bの上流端へ移動する。第2撹拌搬送路30Bの底部を構成する現像ケース部分には、透磁率センサ26Mが設置されている。
現像ケース21M内の現像剤28Mのトナー濃度は、画像形成に伴うトナー消費により低下するので、透磁率センサ26Mの出力値Vtに基づいて、必要によりトナーカートリッジ(不図示)から粉体ポンプ27Mによりトナーが補給されることでほぼ一定に保たれる。トナー補給制御は、出力値Vtと目標出力値Vtrefとの差分値Tn(=Vtref−Vt)に基づいて、差分値Tnが+(プラス)の場合はトナー濃度が十分高いと判断してトナーを補給せず、差分値Tが−(マイナス)の場合は差分値Tnの絶対値が大きいほどトナー補給量を多くするようにして、出力値Vtが目標出力値Vtrefの値に近づくようにして行う。なお、トナー補給制御の詳しい内容は後述する。
また、画像形成枚数が10枚(コピースピードなどにより約5〜200枚)に達するごとに一回の割合で、プロセスコントロールにより目標出力値Vtref、帯電電位、光量等を調整する。詳しくは、例えば、感光体11M上に形成された複数のハーフトーン及びベタパターンの濃度を反射濃度センサ62により検出し、その検出値からトナー付着量を把握して、トナー付着量が狙いの付着量になるように目標出力値Vtref、帯電電位、光量等を調整する。
また、4つの感光体11M,11C,11Y,11BKのうち、最下流側にあるブラック用の感光体11BKのみ転写ベルト60に常に接触している転写ニップ常接状態であり、残りの感光体11M,11C,11Yは転写ベルトに対して接離可能となっている。
次に、本実施形態に係るレーザプリンタの画像形成動作について説明する。
転写紙P上にカラー画像を形成する場合、4つの感光体11M,11C,11Y,11BKは、それぞれ転写ベルト60に当接する。静電吸着ローラ61にて、転写紙Pに対してトナーの極性と同極性の電荷を付与し、転写ベルト60に転写紙Pを吸着させる。これにより、転写紙Pのチャージアップによるトナー像の転写不良を解消することができるようになる。転写紙Pは、転写ベルト60に吸着されたまま搬送され、各感光体11M、11C,11Y,11BK上に形成されたマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色トナー像が順に互いに重なり合うように転写される。そして、転写紙P上に重ねて転写されたトナー像は、定着ユニット7により定着され、転写紙上にフルカラー画像が形成される。
一方、転写紙P上に、例えばブラックの単色画像を形成する場合、図2において、各カラー用の感光体11Y,11C,11Mを転写ベルト60から離間させ、ブラックトナーによるトナー像が形成されるブラック用の感光体11BKのみを転写ベルト60に当接させるようにする。そして、転写紙Pは、ブラック用の感光体11BKの転写ニップに搬送されて、ブラックのトナー像が転写された後、定着ユニット7により定着され、転写紙上にブラック単色の画像が形成される。
次に、トナー濃度制御を行う制御手段としての制御部について説明する。
図4は、トナー濃度制御を行う制御部の構成を示す説明図である。
この制御部100は、各現像装置ごとに設けられているが、その基本的構成はいずれも同様であるので、以下色分け符号(Y,C,M,BK)を省略して説明する。なお、各現像装置の制御部100の一部(CPU19、ROM20、RAM21等)は各現像装置間で共用されている。
本実施形態の制御部100は、CPU101、ROM102、RAM103、I/Oユニット104等から構成されている。I/Oユニット104には、上記透磁率センサ26及び上記反射濃度センサ62がそれぞれ図示しないA/D変換器を介して接続されている。制御部100は、CPU101が所定のトナー濃度制御プログラムを実行することにより、I/Oユニット104を介して粉体ポンプ27を駆動するトナー補給駆動モータ31に制御信号を伝達し、トナー補給動作を制御する。ROM102には、CPUが実行するトナー濃度制御プログラム、差分値調整プログラム、画像濃度制御パラメータ補正プログラムなどが記憶されている。RAM103には、I/Oユニット104を介して取得した透磁率センサ26の出力値Vtを一時保存するVtレジスタ、後述する差分値ΔVt1,ΔVt2を記憶するΔVtレジスタ、現像装置20内の現像剤のトナー濃度が目標トナー濃度であるときに透磁率センサ26が出力すべき基準出力値Vtrefを記憶するVtrefレジスタ、反射濃度センサ62からの出力値Vsを記憶するVsレジスタ等が設けられている。
次に、本実施形態のトナー補給制御の詳細について説明する。
図5は、透磁率センサ26の出力値を縦軸にとり、検出対象の現像剤のトナー濃度を横軸にとったグラフである。
グラフに示すように、実用的なトナー濃度の範囲では、透磁率センサ26の出力値と現像剤のトナー濃度との関係は直線近似することができる。そして、現像剤のトナー濃度が高いほど、透磁率センサ26の出力値が小さくなる特性を示す。この特性を利用して、透磁率センサ26の出力値Vtが制御基準値Vtrefより大きい場合に粉体ポンプ27を駆動してトナー補給を行う。本実施形態では、1回の画像形成ごとに透磁率センサ26の出力値Vtに基づいてトナー補給制御を行う。
ここで、本実施形態のレーザプリンタは、プロセス線速が互いに異なる複数の画像形成モードを備えている。本実施形態では、3つの画像形成モードを備えており、基準画像形成モードである標準モードのプロセス線速は205[mm/s]であり、非基準画像形成モードである中速モードのプロセス線速は115[mm/s]であり、非基準画像形成モードである低速モードのプロセス線速は77[mm/s]である。本レーザプリンタでは、プロセス線速の変更に応じて、現像装置20の撹拌搬送スクリュー23M,24Mの駆動速度も変更される。したがって、標準モード、中速モード、低速モードの順に、現像装置20内の現像剤の撹拌搬送速度が遅い。
図6は、同じトナー濃度をもつ現像剤についてプロセス線速(現像剤の撹拌搬送速度)を変更して透磁率センサ26の出力値をとったときの実験結果を示すグラフである。このグラフからわかるように、実際には同じトナー濃度であっても、プロセス線速が変更されると透磁率センサ26の出力値Vtが変化する。詳しくは、プロセス線速が遅いほど、透磁率センサの出力値は高い値となる。これは次の理由による。すなわち、プロセス線速が変更されると、現像剤の撹拌搬送速度も変更される結果、透磁率センサ26の検出領域内に存在する単位時間当たりの見かけの磁性キャリアの量が変わってくることが原因である。
したがって、この実験結果からわかるように、実際には同じトナー濃度であっても、画像形成モードごとに透磁率センサ26の出力値Vtは変化することになる。よって、このままでは、すべての画像形成モードで適正なトナー濃度制御を行うことができない。そこで、本実施形態では、中速モード及び低速モードについては透磁率センサ26の出力値Vt0を補正し、補正した補正出力値Vtを用いてトナー濃度制御を行う。ただし、標準モードについてはこのような補正を行わない。これは、目標基準値Vtrefが標準モードのプロセス線速を前提に設定したものであるからである。
図1は、本実施形態における基本的なトナー濃度制御の流れを示すフローチャートである。
プリント命令を受けた制御部100のCPU101は、トナー濃度制御プログラムをROM102から読み出して実行し、まず、透磁率センサ26の出力値Vt0を取得する(S1)。以下の説明では、透磁率センサ26の出力値そのもの(メタ出力値)を「Vt0」と示し、トナー補給動作に用いる出力値を「Vt」と示す。その後、当該プリント命令に係る画像形成モードが標準モードであるか否かを判断する(S2)。標準モードであると判断した場合、透磁率センサ26のメタ出力値Vt0を出力値VtとしてRAM103のVtレジスタに記憶する(S3)。一方、上記S2において標準モードであると判断した場合、CPU101は、前回の画像形成時の画像形成モードを読み出し、その画像形成モードが標準モードであるか否かを判断し(S4)、標準モードでないと判断したら差分値補正制御を実行する(S5)。この差分値補正制御については後述する。なお、これらの処理S4,S5は、必ずしも必要ではない。
次に、制御部100のCPU101は、当該プリント命令に係る画像形成モードが中速モードであるか否かを判断する(S6)。CPU101は、中速モードであると判断した場合、予め算出しておいた中速モードに対応する差分値ΔVt1をRAM103のΔVtレジスタから読み出す。そして、透磁率センサ26のメタ出力値Vt0から差分値ΔVt1を減算し、その算出結果を出力値VtとしてRAM103のVtレジスタに記憶する(S7)。なお、この差分値ΔVt1は、同じトナー濃度をもつ現像剤について標準モード時のプロセス線速で駆動しているときの透磁率センサの出力値と、中速モード時のプロセス線速で駆動しているときの透磁率センサの出力値との差分値である。
一方、当該プリント命令に係る画像形成モードが中速モードでない、すなわち、低速モードであると判断した場合、CPU101は、予め制御部100が算出しておいた低速モードに対応する差分値ΔVt2をRAM103のΔVtレジスタから読み出す。そして、透磁率センサ26のメタ出力値Vt0から差分値ΔVt2を減算し、その算出結果を出力値VtとしてRAM103のVtレジスタに記憶する(S8)。なお、この差分値ΔVt2は、同じトナー濃度をもつ現像剤について標準モード時のプロセス線速で駆動しているときの透磁率センサの出力値と、低速モード時のプロセス線速で駆動しているときの透磁率センサの出力値との差分値である。
以上のようにして、透磁率センサ26の出力値を画像形成モード(プロセス線速)に応じて補正したら、制御部100のCPU101は、RAM103のVtレジスタから出力値Vtを読み出す。そして、読み出した出力値Vtについて、後述するVt修正処理を行う(S50)。その後、Vtrefレジスタから目標出力値Vtrefを読み出し、Vt修正処理により修正した出力値Vtと目標出力値Vtrefとを比較する(S9)。この比較の結果、CPU101は、出力値Vtが目標出力値Vtref以上であると判断した場合、その出力値Vtと目標出力値Vtrefとの差に応じた量のトナーを補給すべく、I/Oユニット104を介してトナー補給駆動モータ31へ駆動命令を出力する。これにより、その駆動命令に応じた量のトナーが粉体ポンプ27から現像装置20内へ補給される(S10)。一方、CPU101は、出力値Vtが目標出力値Vtref未満であると判断した場合には、トナー濃度制御を終了する。
次に、中速モード時と低速モード時のトナー濃度制御の際に用いる差分値ΔVt1,ΔVt2を調整する差分値調整制御(S5)について説明する。
上記差分値ΔVt1,ΔVt2は、上述したように、同じトナー濃度をもつ現像剤について標準モード時のプロセス線速で駆動しているときの透磁率センサの出力値と、中速モード時のプロセス線速で駆動しているときの透磁率センサの出力値との差分値である。この差分値ΔVt1,ΔVt2は、当初は適切な値であったとしても、画像形成を繰り返し行っていくうちに適正値からズレていく。その結果、この差分値ΔVt1,ΔVt2が固定値であると、経時的には、中速モード時のトナー濃度制御の際に、メタ出力値Vt0から差分値ΔVt1を減算して補正した補正出力値Vtを用いても、その補正出力値Vtは標準モード時のメタ出力値Vt0からズレていくことになる。その結果、中速モード時のトナー濃度制御では目標とするトナー濃度に制御することができなくなる。低速モードの場合も同様である。
そこで、本実施形態では、次のようにして差分値を調整する。
図7は、差分値調整制御の流れを示すフローチャートである。
本実施形態においては、今回の画像形成時における画像形成モードが前回の画像形成時の画像形成モードと異なる場合に差分値調整制御を行う。具体的には、前回の画像形成時の画像形成モードが標準モードであり、今回の画像形成時の画像形成モードが標準モードでないすなわち中速モードか低速モードである場合に(S2,S4)、差分値調整制御を行う。
まず、制御部100のCPU101は、差分値調整プログラムをROM102から読み出して実行し、当該プリント命令に基づいて今回の画像形成モードが中速モードであるか否かを判断する(S11)。中速モードであると判断した場合、前回の画像形成時における前回出力値Vt’を読み出す(S12)。このタイミングでは、RAM103のVtレジスタには、いまだ前回の画像形成時で用いた出力値が記憶されているので、この出力値を前回出力値Vt’として読み出す。なお、前回出力値Vt’は、標準モード時における透磁率センサ26の出力値である。そして、CPU101は、この前回出力値Vt’と今回の出力値すなわち上記S1で取得した出力値(中速モード時の出力値)Vt0との差分値ΔVt1’を算出する(S13)。前回の画像形成時と今回の画像形成時との間では現像剤のトナー濃度はほぼ同じであるので、算出した差分値ΔVt1’は、同じトナー濃度をもつ現像剤について標準モード時のプロセス線速で駆動しているときの透磁率センサの出力値と、中速モード時のプロセス線速で駆動しているときの透磁率センサの出力値との最新の差分値であると言える。
このようにして最新差分値ΔVt1’を算出したら、CPU101は、RAM103のΔVtレジスタから今まで使用していた差分値ΔVt1を読み出す。そして、今までの差分値ΔVt1と最新差分値ΔVt1’との差の絶対値が0.1[V]以上であるか否かを判断する(S14)。このとき、0.1[V]未満であると判断した場合、CPU101は、RAM103に記憶されているカウント値n1をゼロにリセットし(S15)、処理を終了する。一方、0.1[V]以上であると判断した場合、CPU101は、RAM103に記憶されているカウント値n1に1を加算する(S16)。そして、このカウント値n1が5以上であるか否かを判断する(S17)。この判断において5未満であると判断したら、CPU101は処理を終了する。一方、この判断において5以上であると判断したら、CPU101は、差分値ΔVt1の調整実行フラグを立てる(S18)。これにより、後の所定のタイミングで後述する差分値ΔVt1の調整処理が実行される。
一方で、上記S11において中速モードでないすなわち低速モードであると判断した場合、CPU101は、前回の画像形成時における前回出力値Vt’を読み出し(S19)、この前回出力値Vt’と今回の出力値すなわち上記S1で取得した出力値Vt0との差分値ΔVt2’を算出する(S20)。前回の画像形成時と今回の画像形成時との間では現像剤のトナー濃度はほぼ同じであるので、算出した差分値ΔVt2’は、同じトナー濃度をもつ現像剤について標準モード時のプロセス線速で駆動しているときの透磁率センサの出力値と、低速モード時のプロセス線速で駆動しているときの透磁率センサの出力値との最新の差分値であると言える。
このようにして最新差分値ΔVt2’を算出したら、CPU101は、RAM103のΔVtレジスタから今まで使用していた差分値ΔVt2を読み出す。そして、今までの差分値ΔVt2と最新差分値ΔVt2’との差の絶対値が0.1[V]以上であるか否かを判断する(S21)。このとき、0.1[V]未満であると判断した場合、CPU101は、RAM103に記憶されているカウント値n2をゼロにリセットし(S22)、処理を終了する。一方、0.1[V]以上であると判断した場合、CPU101は、RAM103に記憶されているカウント値n2に1を加算する(S23)。そして、このカウント値n2が5以上であるか否かを判断する(S24)。この判断において5未満であると判断したら、CPU101は処理を終了する。一方、この判断において5以上であると判断したら、CPU101は、差分値ΔVt2の調整実行フラグを立てる(S25)。これにより、後の所定のタイミングで後述する差分値ΔVt2の調整処理が実行される。
なお、本実施形態では、差分値調整制御を行うタイミングは、画像形成モードが標準コードからそれ以外のモードに変更したタイミングであるが、これに限られない。例えば、累積画像形成枚数が予め規定した枚数に達したタイミングでもよいし、現像装置の新品交換したタイミングでもよいし、現像剤を交換したタイミングであってもよい。
また、本実施形態では、後述する差分値の調整処理を実行するタイミングは、今まで使用していた差分値と最新の差分値との差が閾値である0.1[V]以上である場合が5回連続続いたという条件を満たしたタイミングとしているが、これに限られない。例えば、制御のレスポンス等を考慮して上記条件を適宜変更してもよい。特に、上記閾値や上記回数は、レーザープリンタの各種条件に従って適宜変更してもよい。
次に、差分値の調整処理について説明する。
図8は、差分値の調整処理の流れを示すフローチャートである。
本実施形態では、差分値の調整処理をウォームアップの際やプロセスコントロールの際に行う。具体的には、まず、制御部100のCPU101は、本レーザプリンタを標準モード時と同じプロセス線速(標準線速)で稼働させ(S31)、現像装置20の撹拌搬送スクリュー23,24により現像剤の撹拌搬送を行う。そして、CPU101は、このときの透磁率センサ26の出力値(標準出力値)Vt00を取得する(S32)。次に、CPU101は、差分値ΔVt1の調整実行フラグが立っているか否かを判断する(S33)。このフラグが立っている場合、CPU101は、中速モード時と同じプロセス線速(中速)で本レーザプリンタを稼働させ(S34)、このときの透磁率センサ26の出力値(中速出力値)Vt01を取得する(S35)。そして、CPU101は、中速出力値Vt01と標準出力値Vt00との差分値(調整差分値)ΔVt1’を算出し(S36)、この調整差分値ΔVt1’でRAM103のΔVtレジスタ内に記憶されている差分値ΔVt1を更新する(S37)。
次いで、CPU101は、差分値ΔVt2の調整実行フラグが立っているか否かを判断する(S38)。このフラグが立っている場合、CPU101は、低速モード時と同じプロセス線速(低速)で本レーザプリンタを稼働させ(S39)、このときの透磁率センサ26の出力値(低速出力値)Vt02を取得する(S40)。そして、CPU101は、低速出力値Vt02と標準出力値Vt00との差分値(調整差分値)ΔVt2’を算出し(S41)、この調整差分値ΔVt2’でRAM103のΔVtレジスタ内に記憶されている差分値ΔVt2を更新する(S42)。
なお、差分値の調整処理時には、トナー補給を行わないのが理想的である。これは、各線速において同じトナー濃度の現像剤に対する透磁率センサ26の出力値Vt00,Vt01,Vt02を取得することが、正確な調整差分値ΔVt1’,ΔVt2’を求める上で重要だからである。したがって、本実施形態では、差分値の調整処理時にはトナー補給を行っておらず、この調整処理が終了した後の画像形成中にトナー補給することとしている。また、差分値の調整処理時のトナー濃度は、目標トナー濃度付近であることが望ましいので、差分値の調整処理を行うタイミングとしては高画像面積率を出力した直後は避けるのが好ましい。
また、本実施形態では、画像形成モードが標準モードからそれ以外のモードに変更したタイミングで差分値調整制御が開始されるが、差分値ΔVt1の調整処理は、画像形成動作を終えた後のウォームアップ時又はプロセスコントロール時である。差分値ΔVt1の調整処理は、差分値調整制御を開始した画像形成時に行うことも可能である。その一例を図9に示す。
図9は、差分値調整制御の他の例を示すフローチャートである。この例では、上述した差分値調整制御において差分値ΔVt1,ΔVt2の調整実行フラグを立てる代わりに(S18,S25)、上記S13又は上記S20で算出した最新の差分値ΔVt1’,ΔVt2’でRAM103のΔVtレジスタ内に記憶されている差分値ΔVt1,ΔVt2を更新する(S51,S52)。この場合、その後のウォームアップ時やプロセスコントロール時に図8に示したような差分値の補正処理を行う必要がなくなる。
従来は、中速モード時又は低速モード時のトナー濃度制御に用いる差分値ΔVt1,ΔVt2は、固定値であるのが一般的であったが、本実施形態のように、所定のタイミングで実測値に基づいて差分値ΔVt1,ΔVt2を適宜調整することにより、トナー補給制御性能の大幅な改善が見られた。
しかし、低速モードで連続して数十〜数百枚程度の画像形成を行った場合、透磁率センサ26の出力値Vt0を調整した差分値ΔVt1で補正した補正出力値Vtを用いてトナー濃度制御を行っても、現像剤のトナー濃度が目標とするトナー濃度から大きく外れてしまう場合があった。これは次の理由による。すなわち、低速モードで連続して画像面積率が高い画像を形成する場合、その連続プリント中は撹拌搬送速度が遅い現像剤に対して多くのトナーが補給される。そのため、トナー補給を受けた現像剤に対する撹拌が不足して十分にトナーを帯電させることができない。よって、通常のトナー帯電量の場合に比べて、トナー同士の反発力が小さく、その現像剤の嵩密度は高くなる。その結果、連続プリントを重ねていくと透磁率センサ26の出力値Vt0が示すトナー濃度が実際のトナー濃度よりも低い方向へ離れていく。そして、この透磁率センサ26の出力値Vt0を連続プリント前から使用している差分値ΔVt1で補正した補正出力値Vtを用いてトナー濃度制御を行うと、実際のトナー濃度は目標とするトナー濃度よりも高くなっていく。しかも、低速モードでの連続プリント中は、標準線速での出力値Vt00を取得することができないので差分値ΔVt1を調整するための調整処理を行うことができない。したがって、低速モードで連続して画像面積率が高い画像を形成する場合には、現像剤中のトナー濃度が目標トナー濃度よりも高くなって、地肌汚れが発生したり、細部解像力の低下が生じたりする。
図10は、過去に形成した画像の画像面積率に応じた現像γ(現像ポテンシャルに対するトナー付着量の関係式の傾き)の変化を示すグラフである。このグラフは、画像面積率が5%の画像と画像面積率が80%の画像について、それぞれ、低速モード(77[mm/sec])で連続して100枚プリントしたときの実験結果を示している。このグラフからわかるように、同じトナー濃度であっても、画像面積率が高いほど現像γが高くなっている。これは、トナーと磁性キャリアの物理的付着力や静電的付着力が変化していることを示唆している。したがって、画像面積率の違いによる現像能力の差異を加味して補正出力値Vtを補正することが必要である。具体的には、現像γが一定になるように、言い換えるとトナー帯電量が一定となるように、補正出力値Vtを修正することが必要である。
そこで、本実施形態では、各画像形成モードでのトナー濃度制御の際に用いる補正出力値Vtを、過去に形成した画像の画像面積率の平均値(平均画像面積率)に応じて修正するVt修正処理を行い(図1中のS50)、修正した出力値Vtを用いてトナー濃度制御を行うこととしている。
図11は、横軸に画像面積率(%)をとり、縦軸に現像γ(mg/cm2/kV)をとったグラフである。このグラフは、トナー濃度を一定に保ったまま、互いに異なる画像面積率をもつ画像について、それぞれ、低速モード(77[mm/sec])で連続して100枚プリントしたときの実験結果を示している。このグラフからわかるように、画像面積率が5%を超える付近から現像γが高くなる傾向を示している。このことから、画像面積率が5%よりも高い場合には、トナー濃度が低めになるように出力値Vtを修正すればよいことがわかる。具体的には、画像面積率が5%よりも高い場合には、出力値Vtが目標出力値Vtref以下となるように出力値Vtを修正すればよい。
以上より、本実施形態において、中速モード時のトナー濃度制御で用いる出力値Vtは、下記の数式(1)から得られるVt、すなわち、上記S7で補正した補正出力値Vtから更に修正値Vn1を減算した値とする。
Vt = Vt0−ΔVt1−Vn1 ・・・(1)
また、低速モード時のトナー濃度制御で用いる出力値Vtは、下記の数式(2)から得られるVt、すなわち、上記S8で補正した補正出力値Vtから更に修正値Vn2を減算した値とする。
Vt = Vt0−ΔVt2−Vn2 ・・・(2)
ここで、上記修正値Vn1は、中速モードでの連続プリント中において今回の画像形成以前に形成した画像の平均画像面積率に対応する修正値である。また、上記修正値Vn2は、低速モードでの連続プリント中において今回の画像形成以前に形成した画像の平均画像面積率に対応する修正値である。これらの修正値Vn1,Vn2は、現像装置20内の現像剤収容量、現像装置のストレス(現像剤の帯電立ち上げ性)、現像剤中におけるトナー表面の外添剤の離脱性又は埋没性、現像剤中におけるトナー表面の硬度が影響する値であり、実際には実験等から求めることができる。本実施形態における具体的な修正値Vn1,Vn2は、下記の表1に示すとおりである。
Figure 2007072441
制御部100のCPU101がVt修正処理(S50)を行う場合、ROM102又はRAM103に上記表1に示すようなルックアップテーブルを記憶しておき、これを参照して補正出力値Vtを修正する。
また、本実施形態では、修正値Vn1,Vn2の最大値を現像剤や現像装置の特性に応じて、図12に示すように対数近似式に従って変更可能な構成としている。なお、図12に示すグラフは、修正値Vn1,Vn2の最大値を0.33[V]、0.43[V]、0.62[V]とした場合の平均画像面積率に対する修正値Vn1,Vn2を示している。
また、修正値Vn1,Vn2は、これに限られるものではなく、種々の適した値を用いることができる。例えば、本実施形態のようにプロセス線速が互いに異なる複数の画像形成モードを有する場合、中間のプロセス線速に対応する画像形成モード時の修正値については、最も速いプロセス線速に対応する画像形成モード時の修正値と最も遅いプロセス線速に対応する画像形成モード時の修正値とから直線補間して求めてもよい。本実施形態における修正値Vn1は、下記の式(3)で表すように直線補間して算出したものである。
Vn1 = Vn2×(S0−S1)/(S0−S2) ・・・(3)
ただし、「S0」、「S1」、「S2」は、それぞれ、標準モード時のプロセス線速、中速モード時のプロセス線速、低速モード時のプロセス線速(mm/sec)である。
また、本実施形態において、上記表1に示したルックアップテーブルの中から修正値を選択する際に用いる平均画像面積率M(i)は、下記の式(4)から算出した。
M(i)=(1/N)×{M(i−1)×(N−1)+X(i)} ・・・(4)
ただし、「N」は画像面積率のサンプリング数、「M(i−1)」は前回の画像形成時に使用した平均画像面積率であり、「X(i)」は今回の画像形成時における画像面積率である。
ここで、本実施形態では、前回の画像形成時に使用した平均画像面積率M(i−1)を用いて今回の画像形成時に使用する平均画像面積率M(i)を算出するので、RAM103の使用領域を大幅に減少させることができる。
また、本実施形態では、画像面積率のサンプリング数Nを変更することが可能な構成となっているので、制御のレスポンスを変更することが可能であり、例えば環境変動や経時においてサンプリング数Nを適宜変更すると効果的に制御することができる。
また、本実施形態では、4色の現像装置20についてそれぞれトナー濃度制御を行うが、現像剤の使用状況は色ごとに異なるので、現像装置20ごとに条件を異ならせるようにしてもよい。例えば、モノクロ画像のみの出力時には、ブラック用の現像装置についての実行回数を多くするなどの設定が可能な構成とすることが望ましい。
〔比較実験例〕
次に、上述したVt修正処理(S50)を行った場合と行わなかった場合とを比較する比較実験例について説明する。
図13は、本比較実験例の結果を示すグラフである。この比較実験例では、上述した実施形態におけるレーザプリンタを用い、低速モード(77mm/s)で画像面積率が80%のベタ画像を100枚連続して形成したときの画像濃度を測定した。三角でプロットした比較例ではVt修正処理(S50)を行っていないため、連続プリント枚数が多くなるにつれて画像濃度が高くなっている。これに対し、丸でプロットした本実施形態ではVt修正処理(S50)を行っているため、連続プリント枚数が多くなっても画像濃度がほぼ一定の範囲内に収まっている。この結果、本実施形態のようにVt修正処理を行うことで、低速モードで高い画像面積率の画像を連続プリントする場合でも、トナー濃度の上昇を防いで安定して一定品質の画像を形成することができることが確認された。
以上、本実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタは、潜像担持体としての感光体11と 現像剤担持体としての現像スリーブ22上にトナーと磁性キャリアとで構成された二成分現像剤を担持してこれを感光体11の表面に接触させることにより感光体表面上の潜像にトナーを付着させる現像を行う現像装置20と、現像装置20内の所定の検出領域内に存在する二成分現像剤中のトナーの量又は磁性キャリアの量を検出して出力する検出手段としての透磁率センサ26と、透磁率センサ26の出力値Vt0に基づいてトナー濃度制御を行う制御手段としての制御部100とを備えている。また、現像装置20は、少なくとも上記検出領域内に存在する二成分現像剤を撹拌搬送する撹拌搬送部材としての撹拌搬送スクリュー23,24を有している。このレーザプリンタは、互いに異なる撹拌搬送速度で撹拌搬送スクリュー23,24により二成分現像剤を撹拌搬送しながら画像形成をそれぞれ行う3つの画像形成モード(標準モード、中速モード、低速モード)を備えている。上記制御部100は、3つの画像形成モードのうちの標準モード時における撹拌搬送速度である基準撹拌搬送速度で撹拌搬送スクリュー23,24により二成分現像剤を撹拌搬送するときの透磁率センサ26の基準出力値Vt00と、3つの画像形成モードのうちの他の画像形成モードである中速モードや低速モード時における撹拌搬送速度で撹拌搬送スクリュー23,24により二成分現像剤を撹拌搬送するときの透磁率センサ26の出力値Vt01,Vt02との差分値ΔVt1,ΔVt2を予め算出しておき、標準モードで画像形成を行うときには透磁率センサ26の出力値Vt0をそのまま用いてトナー濃度制御を行い、中速モードや低速モードで画像形成を行うときには透磁率センサ26の出力値Vt0を差分値ΔVt1,ΔVt2で補正した補正出力値Vtを用いてトナー濃度制御を行う。そして、本実施形態では、更に、画像形成するときに用いる基準出力値又は補正出力値に加えて、過去に形成した画像の画像面積率M(i)をも用いてトナー濃度制御を行う。このような構成により、現像剤の撹拌搬送速度の違いによる検出手段の出力値変化と、過去に形成した画像の画像面積率の違いによる検出手段の出力値変化の両方を抑制することができる。
また、本実施形態において、制御部100は、中速モードや低速モードで連続して画像形成を行う場合、その連続画像形成期間中(連続プリント中)の2枚目以降の画像形成時には、その連続プリント中に形成した過去の画像の平均画像面積率M(i)と上記補正出力値Vtとを用いて、トナー濃度制御を行う。これにより、連続プリント中に形成する画像の平均画像面積率が極端に高い場合や極端に低い場合には、トナー帯電量や現像剤の流動性等の現像剤特性が変化し、透磁率センサ26の出力値にズレが生じ得るが、連続プリント中にはそのズレに応じて上記差分値ΔVt1,ΔVt2を調整することはできない。そのため、連続プリントを重ねていくとトナー濃度が目標トナー濃度から外れていく。本実施形態のように連続プリント中の過去の画像の平均画像面積率M(i)を用いれば、その連続プリント中における現像剤特性の変化を把握することが可能となるので、上記差分値ΔVt1,ΔVt2を調整できなくても、トナー濃度が目標トナー濃度から外れるのを抑制できる。
また、本実施形態では、現像装置内の二成分現像剤へトナーを補給するトナー補給手段としての粉体ポンプ27を有し、制御部100は、補正出力値Vtが目標出力値Vtrefより大きい場合に粉体ポンプ27によるトナー補給を行うように制御する。また、補正出力値Vtを用いる中速モード及び低速モードは、標準モード時における基準撹拌搬送速度よりも遅い撹拌搬送速度で撹拌搬送しながら画像形成を行う画像形成モードである。そして、制御部100は、補正出力値Vtを目標出力値Vtref以上とする修正値Vn1,Vn2を用いてその補正出力値Vtを修正し、その修正した値を用いてトナー濃度制御を行う。遅い撹拌搬送速度で連続した画像形成を行う場合には、トナー濃度が目標トナー濃度から外れる事態が特に生じ得るが、このような構成によりそのような事態を抑制できる。
また、本実施形態では、平均画像面積率M(i)として、下記の式(4)により算出したものを用いる。
M(i)=(1/N)×{M(i−1)×(N−1)+X(i)} ・・・(4)
ただし、「N」は画像面積率のサンプリング数であり、「M(i−1)」は前回の画像形成時における平均画像面積率であり、「X(i)」は今回の画像形成時における画像面積率である。
この式から平均画像面積率M(i)を算出する場合、RAM103の使用領域を大幅に減少させることができる。
また、本実施形態では、平均画像面積率M(i)を求めるときの画像面積率のサンプリング数Nを変更するサンプリング数変更手段としての制御部100を有する。これにより、制御のレスポンスや重み付けを変更することが可能となり、例えば環境変動や経時においてサンプリング数Nを適宜変更すると効果的に制御することが可能となる。
また、本実施形態では、複数の平均画像面積率M(i)にそれぞれ対応する修正値Vn1,Vn2を記憶する記憶手段としてのRAM103又はROM102を有し、制御部100は、平均画像面積率M(i)に対応する修正値Vn1,Vn2をRAM103又はROM102から読み出し、読み出した修正値Vn1,Vn2を用いて補正出力値Vtを修正し、その修正した値を用いてトナー濃度制御を行う。これにより、補正出力値Vtについて細かな修正が可能となり、制御の正確性が向上する。また、制御ステップの変更も比較的容易になる。
また、本実施形態において、制御部100は、補正出力値Vtについての最大修正幅を変更する最大修正幅変更手段としても機能する。これにより、容易に制御の重み付けを変更することが可能となり、例えば環境変動や経時においてサンプリング数Nを適宜変更すると効果的に制御することが可能となる。
また、本実施形態に係るレーザプリンタは、現像装置20を互いに異なる色ごとに複数備え、かつ、現像装置内の二成分現像剤へトナーを補給するトナー補給手段としての粉体ポンプ27と透磁率センサ26とを現像装置20ごとに備え、各現像装置20で現像して得た各色トナー像を互いに重ね合わせた重ねトナー像を最終的に記録材としての転写紙P上に転移させて画像形成を行う。そして、制御部100は、現像装置20ごとに、対応する透磁率センサ26の出力値Vt0に基づいて、対応する粉体ポンプ27によるトナー補給動作を制御する。これにより、現像剤の使用状況に応じて適した修正が可能となる。
実施形態のレーザプリンタにおける基本的なトナー濃度制御の流れを示すフローチャート。 同レーザプリンタの概略構成図。 同レーザプリンタが備える作像手段のうちマゼンタの作像手段の概略構成を示す拡大図。 同レーザプリンタのトナー濃度制御を行う制御部の構成を示す説明図。 透磁率センサの出力値を縦軸にとり、検出対象の現像剤のトナー濃度を横軸にとったグラフ。 同じトナー濃度をもつ現像剤についてプロセス線速を変更して透磁率センサの出力値をとったときの実験結果を示すグラフ。 実施形態における差分値調整制御の流れを示すフローチャート。 実施形態における差分値の調整処理の流れを示すフローチャート。 差分値調整制御の他の例を示すフローチャート。 過去に形成した画像の画像面積率に応じた現像γの変化を示すグラフ。 横軸に画像面積率をとり、縦軸に現像γをとったグラフ。 修正値の最大値を0.33[V]、0.43[V]、0.62[V]とした場合の平均画像面積率に対する修正値を示すグラフ。 比較実験例の結果を示すグラフ。
符号の説明
11 感光体
20 現像装置
23,24 撹拌搬送スクリュー
26 透磁率センサ
27 粉体ポンプ
100 制御部
101 CPU
102 ROM
103 RAM

Claims (8)

  1. 潜像担持体と、
    現像剤担持体上にトナーと磁性キャリアとで構成された二成分現像剤を担持してこれを該潜像担持体の表面に接触させることにより該潜像担持体表面上の潜像に該トナーを付着させる現像を行う現像装置と、
    該現像装置内の所定の検出領域内に存在する二成分現像剤中のトナーの量又は磁性キャリアの量を検出して出力する検出手段と、
    該検出手段の出力値に基づいて制御を行う制御手段とを備え、
    該現像装置は、少なくとも該検出領域内に存在する二成分現像剤を撹拌搬送する撹拌搬送部材を有しており、
    互いに異なる撹拌搬送速度で該撹拌搬送部材により二成分現像剤を撹拌搬送しながら画像形成をそれぞれ行う複数の画像形成モードを備えた画像形成装置において、
    上記制御手段は、上記複数の画像形成モードのうちの一の画像形成モード時における撹拌搬送速度である基準撹拌搬送速度で上記撹拌搬送部材により二成分現像剤を撹拌搬送するときの上記検出手段の基準出力値と、該複数の画像形成モードのうちの他の画像形成モード時における撹拌搬送速度で該撹拌搬送部材により二成分現像剤を撹拌搬送するときの該検出手段の出力値との差分値を予め算出しておき、該一の画像形成モードで画像形成を行うときには該検出手段の基準出力値を用いて上記制御を行い、該他の画像形成モードで画像形成を行うときには該検出手段の出力値を該差分値で補正した補正出力値を用いて上記制御を行うものであり、
    更に、該制御手段は、該複数の画像形成モードで画像形成するときに用いる該基準出力値又は該補正出力値に加えて、過去に形成した画像の画像面積率をも用いて上記制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記制御手段は、上記他の画像形成モードで連続して画像形成を行う場合、その連続画像形成期間中の2枚目以降の画像形成時には、該連続画像形成期間中に形成した過去の画像の平均画像面積率と上記補正出力値とを用いて、上記制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    上記現像装置内の二成分現像剤へトナーを補給するトナー補給手段を有し、
    上記制御手段が行う制御は、上記補正出力値が目標出力値より大きい場合に該トナー補給手段によるトナー補給を行うように制御するものであり、
    上記他の画像形成モードは、上記基準撹拌搬送速度よりも遅い撹拌搬送速度で撹拌搬送しながら画像形成を行う画像形成モードであり、
    上記制御手段は、上記補正出力値を上記目標出力値以上とする修正値を用いて該補正出力値を修正し、その修正した値を用いて上記制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項2又は3の画像形成装置において、
    上記平均画像面積率M(i)は、下記の数式により算出したものであることを特徴とする画像形成装置。
    M(i)=(1/N)×{M(i−1)×(N−1)+X(i)}
    ただし、「N」は画像面積率のサンプリング数であり、「M(i−1)」は前回の画像形成時における平均画像面積率であり、「X(i)」は今回の画像形成時における画像面積率である。
  5. 請求項2、3又は4の画像形成装置において、
    上記平均画像面積率を求めるときの画像面積率のサンプリング数を変更するサンプリング数変更手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項2、3、4又は5の画像形成装置において、
    複数の平均画像面積率にそれぞれ対応する修正値を記憶する記憶手段を有し、
    上記制御手段は、上記平均画像面積率に対応する修正値を該記憶手段から読み出し、該修正値を用いて上記補正出力値を修正し、その修正した値を用いて上記制御を行うことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6の画像形成装置において、
    上記制御手段は、上記基準出力値又は上記補正出力値を過去に形成した画像の画像面積率を用いて修正し、その修正した値を用いて上記制御を行うものであり、
    該制御手段による最大修正幅を変更する最大修正幅変更手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1、2、3、4、5、6又は7の画像形成装置において、
    上記現像装置を互いに異なる色ごとに複数備え、かつ、現像装置内の二成分現像剤へトナーを補給するトナー補給手段と上記検出手段とを現像装置ごとに備え、各現像装置で現像して得た各色トナー像を互いに重ね合わせた重ねトナー像を最終的に記録材上に転移させて画像形成を行うものであり、
    上記制御手段は、現像装置ごとに、対応する検出手段の出力値に基づいて、対応するトナー補給手段によるトナー補給動作を制御することを特徴とする画像形成装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010139873A (ja) * 2008-12-12 2010-06-24 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像形成装置およびトナー補給方法
JP2010152098A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Canon Inc 現像装置もしくは画像形成装置
JP2010204519A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Ricoh Co Ltd 画像濃度制御方法及び画像形成装置
JP2011022175A (ja) * 2009-07-13 2011-02-03 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
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