JP5453900B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
従来から、非磁性トナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤(以下、単に現像剤ともいう)を現像剤担持体としての現像スリーブ上に保持し、この現像スリーブに内包される磁極によって磁気ブラシを形成させ、現像スリーブに潜像担持体としての感光体と対向する位置で現像バイアスを印加することにより現像を行う2成分現像方式が広く知られている。この2成分現像方式は、カラー化が容易なことから現在広く用いられている。
この2成分現像方式において、2成分現像剤は、現像スリーブの回転に伴い、感光体と現像スリーブとが対向する現像領域に搬送される。現像剤が現像領域に搬送されるに従い、現像スリーブ内の現像極の磁力線に沿いながら、現像剤中の多数の磁性キャリアがトナーを伴って集合し、磁気ブラシを形成する。
2成分現像方式は、1成分現像方式と異なり、トナーとキャリアの重量比(トナー濃度)を精度よく制御することが、安定性を向上させる上で非常に重要とされている。例えば、トナー濃度が高すぎると、画像に地肌汚れが発生し、細部解像力の低下が生じる。また、トナー濃度が低い場合には、ベタ画像部の濃度が低下し、キャリア付着が発生するという不具合が生じる。
トナー濃度を検知する方式としては、透磁率センサを用いたものが一般的である。この方式においては、トナー濃度が変化することにより変化する現像剤の透磁率を基準濃度の出力と比較してトナー濃度の現在値を検知するものである。また、別のトナー濃度検知方式としては、光学センサを用いる方式がある。
この方式では、像担持体又は中間転写ベルト上に基準パターンを形成し、この基準パターンの画像部と非画像部の反射濃度を光学センサにより検出し、その結果に基づいて、トナー濃度を検知するものである。また、画像形成中においても、感光体上に紙間(各トナー像の間)で基準パターンを作成し、その反射濃度を光学センサにより検出し、その結果に基づいて、逐次透磁率センサの基準値Vrefを制御する方式も公知である。
こうした場合、連続画像形成時や画像モード変更(プロセス線速の変更)時の透磁率センサ単独によるトナー濃度制御がさらに正確に行われることが必要となってくる。かかる要求を満たすために、従来から各種の技術が提案されている(例えば、特許文献1乃至3参照)。
特許文献1には、現像装置内のトナー濃度をトナー濃度検出手段(例えば、透磁率センサ)にて検出し、その検出値をしきい値と比較して現像装置内のトナー濃度を制御するとともに、感光体の線速の変化に応じてトナー濃度検出手段の検出値に対するしきい値を変更するという手法が記載されている。
特許文献2においても、同様に、現像装置(搬送スクリュ)の回転速度に応じて、トナー濃度センサのしきい値を変化させるものが記載されている。特許文献3は、トナー濃度制御にトナー濃度検出手段としてのTセンサ(例えば透磁率センサ)の出力値Vt値を用いるものが記載されている。
しかし、この制御では、像担持体上にトナーテストパターンを形成するので、画像形成とは別にトナー消費が必要であり、トナー利用効率が低下する。また、読み取ったトナーテストパターンはクリーニング装置で特別にクリーニングする必要があり、装置が複雑化することもある。そこで、テストパターンの形成間隔を長くする(形成頻度の削減)ために、テストパターン検出間隔より短い周期で以下の制御が併用される。
[1]トナー濃度を一定に保つように制御する。そのために、使用されるトナーと現像装置に補給するトナーのバランスを保つ。このために現像装置にトナー濃度を検出するセンサと、その結果を用いてトナー補給量を制御する制御装置が用いられる。
[2]現像能力や転写率を一定に保つ。現像能力は主にトナーの帯電量や付着力に相関することが知られている。トナーの帯電量や付着力を直接検出する装置はない(装置コストが高いなど実用的ではない)ため、以下の予測制御が用いられる。
第2の予測制御はトナーの収支効率によってトナー付着力が変化する特性を用いて制御する。一般的にトナーはキャリアに対して摩擦帯電により保持されるが時間あたりのトナー収支が大きいと摩擦帯電力が小さくなり、現像され易くなるため、時間あたりの画像収支に応じてトナー濃度の目標値を制御する。例えば、印刷画像面積に応じてトナー濃度目標値を変える。
[1]においては、トナー濃度を検出するセンサにはキャリアの磁性特性を利用して透磁率変化によりトナー濃度を推定する方法が用いられる。しかしながら、この方法では単位体積あたりの現像剤重量(嵩密度)が変化するとトナー濃度が正しく推定できないという課題がある。
嵩密度が変化するのは、温湿度が変化した時や、トナーの帯電量が変化した時、検出している時の撹拌速度が変化した時(主に現像装置の現像剤撹拌部にセンサは配置されるが、印刷する際の現像ローラに比例する速度で撹拌する必要があり、この時に出力がずれる。主には、印刷線速を変えた時にこの現象が発生することがある。)であることが知られている。そこで、嵩密度が変化しているであろう時期には、センサ出力を補正することが必要となる。
そこで、新たな目標値としてその時に検出したトナー濃度をトナー濃度目標値にしてしまう。ただし、これを行うと、トナー濃度が嵩密度の変化に起因する値なのか、何らかの異常で目標値に対して制御されていないためなのか判別できない。そこでトナー付着量(現像γ)の値を併用する。
トナー付着量(現像γ)の値を併用する例の1つとして以下の表1を示す。また、この表1には、1.の補正機能と現像γを適正に制御する機能がある。
表1.目標値補正テーブル
上記表1から、(※1)の場合、トナー付着量もトナー濃度もどちらも高い、低いという情報を持っているので、検出値は正しいデータと判断する。
(※2)の場合、トナー付着量は適正であるので、嵩密度変化している可能性も含めて、トナー濃度も目標値をその時の検出値とし、目標値の再設定を行う。
(※3)の場合、トナー付着量が適正でないので、トナー濃度の情報がトナー付着量の情報と相反する場合、トナー濃度目標値の情報を破棄し、現在の検出値を現像γが適正になるような補正を行う。
このように従来技術においても、テストパターン検出時の撹拌速度と、印刷時の撹拌速度が異なる場合、トナー濃度目標値及び検出値が適正でないので、補正を行っている。補正の方法としては、検出値が正しくないので検出値に補正を行うことで、補正値だけでなく補正値を参照して確定される目標値の補正も行っている。
しかし、嵩密度変化の過渡期など、この補正後、補正値と検出値の関係が保持されないことがある。すると、撹拌速度が変わったこととトナー濃度の変化とを誤検知し、撹拌速度が変化しただけなのに、本来必要としていないトナー補給を行ったり逆に補給が行われなかったり、という場合があることが解かった。
また、撹拌速度毎のトナー濃度検出値は、経時や環境、現像装置内のトナー濃度によっても変化するので、適正な補正量が常に一定ではないことも課題となっている。
そこで、本発明の目的は、上述した実情を考慮して、検出値と補正値の関係を維持し、かつ、精度よく補正すること、すなわち、撹拌速度の変化後のトナー濃度検出値と目標値の設定において、検出値と目標値の両方の補正を適正に行う画像形成装置を提供することにある。
また、請求項2に記載の発明は、前記補正値算出手段は、複数回の前記プロセス線速の切り替え時に前記差分算出手段によって算出された前記差分情報の移動平均に基づいて前記補正値を算出する請求項1に記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記差分算出手段は、前記プロセス線速が画質調整時の線速から印刷時の線速に切り替えられたとき、該印刷を行う前の前記画質調整時と同一線速で、前記印刷前に行った印刷時に検知されたトナー濃度情報と、前記画質調整時から印刷時のプロセス線速に切り替えられた時に検知されたトナー濃度情報との前記差分情報を算出する請求項1又は2記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、複数の現像装置を有し、前記トナー濃度情報及び前記トナー濃度目標値の補正を複数の現像装置各々において独立に行うことが可能である請求項1乃至5の何れか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記プロセス線速が切り替えられたときに検知された前記トナー濃度情報と前記トナー濃度目標値、及び線速情報を不揮発性メモリに保存することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記トナー濃度情報及び前記トナー濃度目標値が所定の値の場合、前記補正値算出手段は、当該トナー濃度情報及びトナー濃度目標値を前記補正値の算出に用いないことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記トナー濃度情報及び前記トナー濃度目標値が所定の値の場合、前記補正手段は、すでに保持された前記補正値を、前記トナー濃度情報及び前記トナー濃度目標値の補正に用いる請求項1乃至6の何れか1項記載の画像形成装置を特徴とする。
このレーザプリンタAは、イエロー:Y、マゼンダ:M、シアン:C、黒:Kの各色の画像を形成するための4組の画像形成部1Y、1M、1C、1Kが、転写材としての転写紙の移動方向(転写搬送ベルトとしての無端状ベルト3が走行する方向)における上流側から順に配置される。
この画像形成部1Y、1M、1C、1Kは、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kと、帯電装置5Y、5M、5C、5Kと、現像装置6Y、6M、6C、6Kと、図示してない転写装置と、感光体ドラムクリーニング装置7Y、7M、7C、7Kなどを備えている。
本レーザプリンタAは、画像形成部1Y、1M、1C、1Kの他に、図示してない露光手段としての光書き込みユニット、複数の給紙カセット8、レジストローラ対10、転写紙を担持して各画像形成部1Y、1M、1C、1Kの転写位置を通過するように搬送するローラ15、16に架け渡された転写搬送ベルト3を有する転写ユニット11、定着ユニット12、排紙部13、廃トナーボトル14等を備えている。
各画像形成部1Y、1M、1C、1Kでは、感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kは、図示してない回転駆動部により回転駆動され、帯電装置5Y、5M、5C、5Kにより一様に帯電された後、図示してない光書き込みユニットによりY、M、C、Kの各色の画像データによりそれぞれ変調された複数のレーザ光17Y、17M、17C、17Kで露光されて静電潜像が形成される。
感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上の静電潜像は、現像装置6Y、6M、6C、6Kにより現像されてそれぞれY、M、C、Kの各色のトナー像となる。この感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上の各色のトナー像は各転写位置で転写搬送ベルト3上の転写紙へ図示してない転写装置による転写電界で順次に転写される。その後、感光体ドラム4Y、4M、4C、4Kは、クリーニング装置7Y、7M、7C、7Kによりクリーニングされ、さらに図示してない除電器により除電されて次の静電潜像の形成に備える。
転写搬送ベルト3はローラ15、16に掛け渡され、これらのローラ15、16のうちの1つのローラが図示してない駆動部により回転駆動されることで転写搬送ベルト3が回転する。
各画像形成部1Y、1M、1C、1Kの感光体ドラム4Y、4M、4C、4K上に形成された各色のトナー像は図示してない転写装置により転写搬送ベルト3上の転写紙に順次に重ねて転写されることでフルカラー画像が形成され、フルカラー画像が形成された転写紙は定着装置12によりフルカラー画像が定着された後に排紙部13へ排紙される。
上記説明はフルカラー画像を形成する場合であるが、各画像形成部1Y、1M、1C、1Kのうちの任意の1つ又は2つのみを動作させることにより、単色画像又は2色画像を形成することが可能である。
現像スリーブ32及び搬送スクリュ部34、35は、図示してない駆動装置により本実施の形態のプロセス線速に対応する速度で駆動されて回転し、プロセス線速の変更により回転速度がプロセス線速に対応する速度に変化する。
現像容器31内の現像剤は、搬送スクリュ部34によりその軸方向に搬送されて端部で搬送スクリュ部35側へ移動し、搬送スクリュ部35により搬送スクリュ部34とは逆の方向に搬送されて端部で搬送スクリュ部34側へ移動することを繰り返して循環する。
この現像剤は、現像スリーブ32内の汲み上げ磁極により、現像装置6K内の搬送スクリュ部35から一部が現像スリーブ32に移動する。その後、現像剤は、現像スリーブ32の回転に伴い、現像スリーブ32内の搬送極の磁場と現像スリーブ32表面の摩擦力によりドクタ33の近傍まで搬送される。
このため、トナーは感光体4K上の静電潜像に移動して付着することで感光体ドラム4K上の静電潜像を現像する。また、現像領域を通過した現像スリーブ32上の現像剤は、現像スリーブ32上の現像剤離れ極位置で現像スリーブ32から離れ、搬送スクリュ部35に戻る。
その後、現像剤は、搬送スクリュ部34に移動し、トナー補給装置からトナーが補給されるトナー補給部にて、その補給トナーと混合されて適正なトナー濃度に調整され、現像スリーブ32に再び上述のように搬送される。現像装置6Kの現像容器31底部には前記2成分現像剤のトナー濃度を検出するトナー濃度検出手段としての透磁率センサ37が設置されている。
透磁率センサ37と光学センサ22は、それぞれ図示してないA/D変換器を介してI/Oボード(I/Oユニット)23に接続されている。制御部25は、CPU19、読み出し専用メモリ(ROM)20、書き込み読み出しメモリ(RAM)21、I/Oボード23からなり、I/Oボード23を介して、図示してない上記トナー補給装置を駆動するトナー補給装置駆動モータ24に制御信号を伝達するように構成されている。
RAM21には、I/Oボード23から読み取った透磁率センサ37の出力値Vtを一時保存するVtレジスタ、現像装置6K内のトナー濃度の制御基準値Vrefを記憶するVrefレジスタ、光学センサ22の出力値Vsを記憶するVsレジスタ等が設けられている。ROM20には、トナー濃度制御プログラム、及び画像濃度制御パラメータ補正プログラムが記憶されている。
算出された検出値と目標値の補正値が、正しくない場合もある。所定の場合は、(正しくないと思われる)算出値を用いないので、誤った補正を回避することができる。
プロセス線速が切り替わってトナー濃度検知結果が変化した際、トナー濃度検知結果の補正が適正でないとトナー濃度目標値とトナー濃度検知結果の関係がずれ、線速が切り替わったことによる画像濃度変動が発生する。
本発明は、画質調整動作時及び印刷時に線速が切り替わったという情報を得たら、切り替わる前のトナー濃度検出値と目標値を取得し、切り替わった後のトナー濃度検出値と目標値を取得する。その差分を、蓄積し、保存する。目標値及び検出値の算出時にはこの値を用い、最適な値に補正する。すなわち、補正量を蓄積し、最新の状態に更新し続けることで、経時変化による補正量の変動に対しても対応できるようにする。
線速が切り替わる前のトナー濃度検出値:Vt_a0、線速が切り替わった後のトナー濃度検出値:Vt_b1とし、Vt_a0、Vt_b1は、単点もしくは複数データの平均値とする。
切り替わる前後が、印刷であれば印刷時の検出値、画質調整動作であれば、画質調整動作時の検出値を用いる。複数データを使用する場合は、望ましくは出力が安定した領域のデータの平均値がよいが、必ずしもそうなら無くても可と考える。この場合、多少不安定な領域であったとしても、蓄積情報を加味して確定するので、バラツキは低減されると考える。
線速が切り替わった時(線速A→線速B)のトナー濃度検出値の差分:ΔVt_ab_k=|Vt_b1−Vt_a0|
この場合、線速が切り替わった時(線速B→線速A)のトナー濃度検出値の差分:ΔVt_ba_k=|Vt_a1−Vt_b0|
ここで、kは、k回目の情報(現在値)である。
ΔVt_**の蓄積情報:ΔVtS_**_k
ここで、kは現在値を表す。
ΔVtS_ab_k=(ΔVt_(ab,ba)_(k−(n−1))+・・・・+ΔVt_(ab,ba)_(k−1)+ΔVt_(ab,ba)_k)/n
この場合、nは、蓄積する過去の情報数である。
算出されたΔVtS_**_kの値は、不揮発性メモリに保存する。保存のタイミングとしては算出毎に保存することが望ましいが、所要時間などから所定の間隔毎に保存しても構わない。また、次のΔVtS_**_k+1(最新値)が算出されたら、上書き保存する。
現像剤、トナー濃度検出手段、現像装置が交換された場合は、ΔVtS_**_kの値はクリアし、初期値に戻す。ΔVtS_**_kの初期値は、実験データなどから初期現像剤に適した値を不揮発性メモリに予め保持しておく。通常は想定されない電源のオフ/オンなどがあると、データが保持されない。ここでは不揮発性メモリに保存することで、データが保持され、復帰時の制御に用いることが可能となる。
a)A⇔B間のΔVt、A⇔C間のΔVt、基準線速からの変化量を保持する。b)A⇔B、B⇔C、C⇔A間の全ての組み合わせのΔVtを保持する。c)A⇔B、B⇔Cの2つのΔVtを保持する。(a、b以外は数が最小の組み合わせが望ましい。)4つ以上の場合も同様である。
先ず、印刷(線速A)→画質調整動作(線速A)→印刷(線速A)→線速切り替え(A→B)→印刷(線速B)の場合の制御の流れを示す。この場合、線速Aを基準とし、Vtは、トナー濃度検出値(生データ)、Vt’は、補正を含めた検出値の確定値とする。
線速Aで印刷し、線速Aで画質調整動作を行い、線速Aでの印刷時、線速がA→Bに切り替えられ、線速Bで印刷する場合に、先ず、線速Aで画質調整動作を行い、線速Aでの印刷時には、線速切り替えが発生しないので、トナー濃度検出値を、トナー濃度検出値Vt’_k=トナー濃度検出値Vt_kとする。線速Bで印刷する時には、トナー濃度検出値Vt’=トナー濃度検出値Vt_b1_K+ΔVtS_ab_(k−1)とする。この場合、ΔVtS_ab_(k−1)は前述のように求めた蓄積情報であり、不揮発性メモリに保存されている値を読み出す。
線速Cで印刷し、線速を切り替え、線速Aで画質調整動作を行い、線速を切り替え、線速Cで印刷し、線速を切り替え、線速Bで印刷する場合、先ず、 線速Aで画質調整動作において、トナー濃度検出値を、トナー濃度検出値Vt’_k=トナー濃度検出値Vt_a1_k+ΔVtS_ac_(k−1)とする。この場合、この場合、ΔVtS_ab_(k−1)は前述のように求めた蓄積情報であり、不揮発性メモリに保存されている値を読み出す。
線速Bで印刷する場合において、トナー濃度検出値を、トナー濃度検出値Vt’=トナー濃度検出値Vt_b1_K+(ΔVtS_ac_(k−1)−ΔVtS_ab_(k))とする。この場合、ΔVtS_ab_(k−1)は前述のように求めた蓄積情報であり、不揮発性メモリに保存されている値を読み出す。
線速Aでの画質調整動作において、トナー濃度目標値は、目標値Vtref_kを設定する。次に、線速Cで印刷する場合においては、Vtref_k=Vtref(k−1)+ΔVtS_ac_(k−1)とする。ここで、Vtref(k−1)は、線速Aでの画質調整動作で決めた値である。
線速Bで印刷する場合において、Vtref_K=Vtref(k−1)+(ΔVtS_ac_(k−1)−ΔVtS_ab_(k))とする。ここで、Vtref(k−1)は、画質調整動作後の線速Cでの印刷で決めた値である。
本実施の形態のように、線速Aを基準として、画質調整動作時の線速もAのみである場合は、補正の基準を線速Aに設けると都合がよい場合が多い。複数ある場合も、基準の線速を設定する、もしくは、補正量を補間し合う(A⇔C=A⇔B+B⇔C)ことで対応が可能となる。
また、いずれの場合も、画質調整動作時に、現像能力が適性である場合(表1の(※2)の場合)を記した。現像能力が適性でない場合は、表1のような目標値の補正が付加される。
さらに、いずれの場合も、目標値Vtrefは、画質調整動作時に決定値したものが、そのまま変更されない場合を記した。従来技術には、画像面積率などによって、目標値Vtrefを変更させる制御もあり、その場合には、その補正に本発明(線速変化分の補正)を考慮することと考える。具体的には、線速を切り替える前の目標値が、画質調整動作時に確定したものに補正が加わったものとなる。
画質調整モードが複数ある場合、例えば、フルカラーモードと白黒モードがある場合、白黒画質調整モード時の画質調整動作はBkしか行われない時、画質調整動作の線速切り替えを伴う補正量の算出(ΔVtS_**_k)、及び保存は該当色(Bk)のみで、非該当色に対して実行しない。
検出値Vtが異常値であると判別されている時には、不適切なデータを蓄積してしまうので、検出値Vt’の算出、及び目標値の算出を行わないことが望ましい。異常情報を取得する方法としては、画像形成装置本体から得る、もしくは、Vt検出時に閾値を用いて異常判定を行い、異常を自ら判別するなどがある。
図3(a)の従来技術の場合において、トナー濃度TCによって線速(撹拌速度)によるシフト量が異なっている。すなわち、線速(撹拌速度)によって補正後検出値Vt’の変化量(この図では傾き)が異なっている。(トナー濃度TCによる変動が補正しきれていない場合がある)。トナー濃度TCが高い時と低い時で撹拌状態に差があることに起因していると考えるが、明確な要因はさらに追求中である。
図3(b)に示すように、本発明の制御を実施することで、変化量(傾き)が一定になる。図3(b)では、実際には、各グラフは重なり、線速による差がなくなりほぼ同一の値とすることができる。
図4(a)の従来技術においては、経時によって線速によるシフト量が異なっている。すなわち、線速によって補正後検出値Vt’の変化量(この図では傾き)が異なっている(経時による変動が補正しきれていない場合がある)。
本発明の制御を実施することで、図4(b)に示すように変化量(傾き)が一定になる。図4(b)では、実際には、各グラフは重なり、線速による差がなくなりほぼ同一の値とすることができる。
一例として述べれば、本発明に使用しているトナー濃度センサは、線速が速くなると、Vtが上がる(図3でいうと線速A)。逆に、線速が遅くなるとVtが下がる(図3でいうと線速C)。
画質調整動作の時にもVtを検知する。Vtの目標値Vtref(VtがVtrefに追随するように、トナー補給・消費を実施する)は、画質調整動作の中でも決定されるが、この画質調整の時の線速と、前後の印刷時の線速が同じでない場合には、Vtはもちろん、Vtrefも勘違いして決定されてしまうので、補正が必要になる。
VtとVtrefの差分があるということは、現像容器内のトナーに過不足があることを意味しているので、画質調整動作が入ってもその差分は維持される必要がる。ところが、線速により、Vtを勘違いしてしまうと、画質調整動作が入ることにより、その差分が増長されたり、縮小されたりし、狙うべきトナー補給・消費動作をしなくなることが生じる。
ただ、このΔVt_abが常に一定であれば、1回検知すればよいが、例えば、環境、現像容器内のトナー濃度、現像剤の劣化度合いなどで変わってくるので一定ではない。
従って、ΔVt_abを複数モニタし、平均化などして、ΔVt_abという値を算出している。線速切り替えがk回あれば、その時の差分はΔVt_ab_kとなる。
線速の切り替えは、印刷の通紙モード(紙種や解像度)だけでなく、画質調整動作時にも発生する。ただ、Vtの観点からすれば、印刷も調整も関係なく、線速が切り替わったことにより、Vtが変わる。その差分を、累積し、より適正な情報として保持し、補正(足したり引いたり)することが本発明の意図するところである。
すなわち、使用している画像形成装置の通常速、もしくは、画質調整動作時の線速を基準とし、基準に対して線速変化によりVtが高くなるようであれば、ΔVtを引き、Vtが低くなるようであれば、ΔVtを足すという作業を行うことになる。
Claims (9)
- 少なくとも2つ以上のプロセス線速で動作可能な画像形成装置であって、
現像装置内のトナー濃度情報を検知するトナー濃度検知手段と、
検知された前記トナー濃度情報とトナー濃度目標値とに基づいて前記現像装置内へのトナー補給量を制御するトナー濃度制御手段と、
前記プロセス線速が画質調整時の所定線速と印刷時の所定線速との間で切り替えられたとき、前記プロセス線速の切り替え前に前記トナー濃度検知手段により検知された前記トナー濃度情報と、前記プロセス線速の切り替え後に前記トナー濃度検知手段により検知された前記トナー濃度情報と、の差分情報を算出する差分算出手段と、
前記プロセス線速の切り替え時に前記差分算出手段によって算出された差分情報に基づいて前記トナー濃度情報と前記トナー濃度目標値の補正値を算出する補正値算出手段と、
前記プロセス線速の切り替え時に、前記トナー濃度検知手段により検知されたトナー濃度情報、及び前記トナー濃度目標値を、前記補正値算出手段によって算出された前記補正値により補正する補正手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記補正値算出手段は、複数回の前記プロセス線速の切り替え時に前記差分算出手段によって算出された前記差分情報の移動平均に基づいて前記補正値を算出することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記差分算出手段は、前記プロセス線速が画質調整時の線速から印刷時の線速に切り替えられたとき、前記プロセス線速の切り替え直前に検知された画質調整時のトナー濃度情報と、プロセス線速の切り替え後に検知された印刷時のトナー濃度情報との前記差分情報を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記差分算出手段は、前記プロセス線速が画質調整時の線速から印刷時の線速に切り替えられたとき、該印刷を行う前の前記画質調整時と同一線速で、前記印刷前に行った印刷時に検知されたトナー濃度情報と、前記画質調整時から印刷時のプロセス線速に切り替えられた時に検知されたトナー濃度情報との前記差分情報を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記差分算出手段は、前記プロセス線速が画質調整時の線速から印刷時の線速に切り替えられたとき、
該印刷を行う前の前記画質調整時に検知されたトナー濃度情報、もしくは、前記印刷を行う前の前記画質調整時と同一線速で、前記印刷前に行った印刷時に検知されたトナー濃度情報と、前記画質調整時から前記印刷時のプロセス線速に切り替えられた後に検知されたトナー濃度情報との前記差分情報を算出することを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。 - 複数の現像装置を有し、前記トナー濃度情報及び前記トナー濃度目標値の補正を複数の現像装置各々において独立に行うことが可能であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の画像形成装置。
- 前記プロセス線速が切り替えられたときに検知された前記トナー濃度情報と前記トナー濃度目標値、及び線速情報を不揮発性メモリに保存することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の画像形成装置。
- 前記トナー濃度情報及び前記トナー濃度目標値が所定の値の場合、前記補正値算出手段は、当該トナー濃度情報及びトナー濃度目標値を前記補正値の算出に用いないことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の画像形成装置。
- 前記トナー濃度情報及び前記トナー濃度目標値が所定の値の場合、前記補正手段は、すでに保持された前記補正値を、前記トナー濃度情報及び前記トナー濃度目標値の補正に用いることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の画像形成装置。
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