JP5186360B2 - フッ素ゴム複合材料、それからなる耐燃料透過性シール材、および該複合材料の製造方法 - Google Patents

フッ素ゴム複合材料、それからなる耐燃料透過性シール材、および該複合材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は優れた耐燃料透過性と優れた耐寒性を両立する新たなフッ素ゴム複合材料、それからなる耐燃料透過性シール材、および該複合材料の製造方法に関する。
フッ素ゴムは、耐燃料透過性、摺動性、耐熱性、耐薬品性、耐候性、電気的性質などの特性に優れ、自動車、産業機械、OA機器、電気電子機器等の幅広い分野で使用されている。
例えば、自動車産業においては、エンジンならびに周辺装置、AT装置、燃料系統ならびに周辺装置などにシール材等として使用されているが、近年の環境規制に伴い、SHED(Sealed Housing for Evaporative Determination)規制が強化されており、特に耐燃料透過性を有する燃料系ゴム材料の開発が望まれている。また、燃料系ゴム材料は、耐燃料透過性のほかに、加工性、耐油性、耐寒性などの諸特性も要求されており、フッ素ゴムでは、耐燃料透過性が優れるものの、耐寒性の点で劣るものであり、充分なものではなかった。
さらに、自動車エンジンにおいても、燃費の向上や排出二酸化炭素を削減することを目的に、空気と燃料の混合ガスを高圧で直接燃焼室に噴射するなど、使用条件が厳しくなっており、その結果、耐寒性に劣るフッ素ゴムを高圧シール用に使用すると、ガラス転移温度付近よりも低温となったときにゴム弾性を失い、高圧燃料ガスをシールすることが難しいという問題があった。
この問題を解決するために、耐燃料透過性に優れるフッ素ゴムと、耐寒性に優れるシリコーンゴムとを複合化した複合材料が種々検討されている。これら2種のゴムはお互いに補完し合う特性を有することから、ブレンド、アロイなどでうまく複合化できれば新たな素材を提供することが可能となることが期待されている。
例えば、特開平1−198646号公報には、シリコーンゴム(I)、有機過酸化物のみでは架橋しないエラストマー(II)、シリコーンゴム(I)と有機過酸化物で共架橋可能で、かつエラストマー(II)とも共架橋可能なエラストマー(III)と、有機過酸化物を、動的架橋することにより得られるゴム組成物について開示されている。特開平1−198646号公報のゴム組成物では、シリコーンゴム(I)と、必要により添加されるエラストマー(III)を混合と同時に架橋することにより良好な分散状態のままで系を固定することができ、その後、成形時において、エラストマー(II)を架橋するものである。しかし、この方法では、シリコーンゴムの架橋が混合している最中に行われるため、シリコーンゴムの形状が球状になりにくいため、マトリックス相の連続性が維持されにくく、したがって耐燃料透過性を向上させにくい。また、耐寒性フッ素ゴムを用いての具体的な検討はなされていない。
また、特開平1−242650号公報には、フッ素ゴムと、平均粒径が10μm以下のシリコーンゴム架橋粒子からなるフッ素ゴム組成物について開示されている。ただ、含フッ素シリコーンゴム架橋粒子については何ら記載されていない。また、この方法では、シリコーンゴム架橋粒子は官能基を有していないため相間の密着性が悪く、充分な引張強度が達成されない。また、耐寒性フッ素ゴムを用いての具体的な検討はなされていない。
このように、耐燃料透過性および耐寒性のいずれもが改善された含フッ素複合材料は、存在しなかった。
本発明は、優れた耐燃料透過性と優れた耐寒性を両立させた新たなフッ素ゴム複合材料、それからなる耐燃料透過性シール材、および該複合材料の製造方法を提供する。
すなわち、本発明は、フッ素ゴムに、含フッ素シリコーンゴム架橋粒子が分散したフッ素ゴム複合材料に関する。
フッ素ゴムがビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/パーフルオロビニルエーテル共重合体を含むものであり、複合材料の耐寒性が−30℃以下、さらには−35℃以下、燃料透過性が500g・mm/m2・day以下であることが好ましい。
含フッ素シリコーンゴム架橋粒子が、フッ素ゴムと反応性を有する官能基を含有することが好ましい。
含フッ素シリコーンゴム架橋粒子の官能基が、パーオキサイド架橋において反応性を有する官能基であることが好ましい。
含フッ素シリコーンゴム架橋粒子が、縮合反応により硬化されていることが好ましい。
含フッ素シリコーンゴム架橋粒子の平均粒子径が、100μm以下、さらには10μm以下であることが好ましい。
また、本発明は、前記複合材料からなる耐燃料透過性シール材に関する。
さらに、本発明は、フッ素ゴム乳化液と架橋含フッ素シリコーンゴム乳化液を共凝析する工程を含む前記複合材料の製造方法に関する。
本発明は、フッ素ゴムに、含フッ素シリコーンゴム架橋粒子が分散したフッ素ゴム複合材料に関する。
本発明で用いるフッ素ゴムとしては、特に限定されないが、本発明の複合材料に、−35℃以下の耐寒性を付与することができる点から、ビニリデンフルオライド(以下、VdFとする)/テトラフルオロエチレン(以下、TFEとする)/パーフルオロビニルエーテル(以下、PFVEとする)共重合体を含むことが好ましい。
また、耐薬品性や耐燃料油性に優れること、シリコーンゴムと共架橋しやすい点から、パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムであることが好ましい。
VdF/TFE/PFVE共重合体の中でも、VdF単位を40〜80モル%、TFE単位を3〜40モル%、PFVE単位を15〜35モル%含むものが好ましく、より好ましくはVdF単位を60〜80モル%、TFE単位を3〜25モル%、PFVE単位を15〜30モル%含むものである。それぞれの構造単位が前記範囲内にあることで、耐寒性、ゴム弾性、製造コストを満足することができる。
前記VdF/TFE/PFVE共重合体がフッ素ゴム中に占める好ましい割合は50重量%以上、より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上、特に好ましくは95重量%以上である。
前記VdF/TFE/PFVE共重合体以外の本発明で用いることができる架橋可能なフッ素ゴムとしては、非パーフルオロフッ素ゴム(a)およびパーフルオロフッ素ゴム(b)があげられる。なお、パーフルオロフッ素ゴムとは、その構成単位のうち、90モル%以上がパーフルオロモノマーからなるものをいう。
非パーフルオロフッ素ゴム(a)としては、VdF系フッ素ゴム(ただし、前記VdF/TFE/PFVE共重合体は除く)、TFE/プロピレン系フッ素ゴム、TFE/プロピレン/VdF系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPとする)系フッ素ゴム、エチレン/HFP/VdF系フッ素ゴム、エチレン/HFP/TFE系フッ素ゴムまたはフルオロホスファゼン系フッ素ゴムなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本発明の効果を損なわない範囲で任意に組合わせて用いることができる。
VdF系フッ素ゴム(ただし、前記VdF/TFE/PFVE共重合体は除く)としては、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
−(M1)−(M2)−(N1)− (1)
(式中、構造単位M1はVdF(m1)由来の構造単位であり、構造単位M2は含フッ素エチレン性単量体(m2)由来の構造単位であり、構造単位N1は単量体(m1)および単量体(m2)と共重合可能な単量体(n1)由来の繰り返し単位である)
一般式(1)で示されるVdF系フッ素ゴムの中でも、構造単位M1を30〜85モル%、構造単位M2を70〜15モル%含むものが好ましい。より好ましくは構造単位M1は50〜80モル%、構造単位M2は55〜15モル%、さらには50〜20モル%である。構造単位N1は、構造単位M1と構造単位M2の合計量に対して、0〜20モル%であることが好ましい。
含フッ素エチレン性単量体(m2)としては、1種または2種以上の単量体が利用でき、例えば、TFE、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン、HFP、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、パーフルオロアルキルビニルエーテル(以下、PAVEとする)、フッ化ビニルなどの含フッ素単量体があげられる。また、特表2004−527596号公報に記載されている下記式:
CF2=CF(O(CF2nm(OCF2xORf
(ただし、nは1〜6の整数、mは1〜3の整数、xは0〜3の整数、Rfは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基)で表わされるパーフルオロアルコキシビニルエーテルも好ましく用いることができる。これらのなかでも、TFE、HFP、PAVEが好ましい。
単量体(n1)としては、単量体(m1)および単量体(m2)と共重合可能なものであれば、いかなるものでもよいが、例えばエチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどがあげられる。
また、単量体(n1)としては、架橋部位を与える単量体が好ましい。
このような架橋部位を与える単量体としては、一般式(2):
CY1 2=CY1−Rf 1CHR11 (2)
(式中、Y1は、水素原子、フッ素原子または−CH3、Rf 1は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基、R1は、水素原子または−CH3、X1は、ヨウ素原子または臭素原子)で表されるヨウ素または臭素含有単量体、一般式(3):
CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2n−X2 (3)
(式中、mは、0〜5の整数、nは、1〜3の整数、X2は、臭素原子、ヨウ素原子)で表される単量体、一般式(4):
CH2=CH(CF2pI (4)
(式中、pは1〜10の整数)で表される単量体などがあげられ、例えば特公平5−63482号公報、特開平7−316234号公報に記載されているようなパーフルオロ(6,6−ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)やパーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などのヨウ素含有単量体、特開平4−217936号公報記載のCF2=CFOCF2CF2CH2Iなどのヨウ素含有単量体、特開昭61−55138号公報に記載されている4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテンなどのヨウ素含有単量体、特表平4−505341号公報に記載されている臭素含有単量体などがあげられる。これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。
このようなVdF系フッ素ゴムとして、具体的には、VdF/HFP系ゴム、VdF/HFP/TFE系ゴム、VdF/CTFE系ゴム、VdF/CTFE/TFE系ゴムなどが好ましくあげられる。
TFE/プロピレン系フッ素ゴムとしては、下記一般式(5)で表されるものが好ましい。
−(M3)−(M4)−(N2)− (5)
(式中、構造単位M3はTFE(m3)由来の構造単位であり、構造単位M4はプロピレン(m4)由来の構造単位であり、構造単位N2は単量体(m3)および単量体(m4)と共重合可能な単量体(n2)由来の繰り返し単位である)
一般式(5)で示されるTFE/プロピレン系フッ素ゴムの中でも、構造単位M3を40〜70モル%、構造単位M4を60〜30モル%含むものが好ましく、より好ましくは構造単位M3を50〜60モル%、構造単位M4を50〜40モル%含むものである。構造単位N2は、構造単位M3と構造単位M4の合計量に対して、0〜40モル%であることが好ましい。
単量体(n2)としては、単量体(m3)および単量体(m4)と共重合可能なものであればいかなるものでもよいが、架橋部位を与える単量体であることが好ましい。例えば、VdF、エチレンなどがあげられる。
パーフルオロフッ素ゴム(b)としては、下記一般式(6)で表されるものが好ましい。
−(M5)−(M6)−(N3)− (6)
(式中、構造単位M5はTFE(m5)由来の構造単位であり、構造単位M6はPAVEやパーフルオロ(アルコキシビニルエーテル)(m6)由来の構造単位であり、構造単位N3は単量体(m5)および単量体(m6)と共重合可能な単量体(n3)由来の繰り返し単位である)
一般式(6)で示されるパーフルオロフッ素ゴム(b)の中でも、構造単位M5を50〜90モル%、構造単位M6を10〜50モル%含むものが好ましく、より好ましくは構造単位M5を50〜80モル%、構造単位M6を20〜50モル%含むものである。構造単位N3は、構造単位M5と構造単位M6の合計量に対して、0〜5モル%であることが好ましく、0〜2モル%であることがより好ましい。これらの組成の範囲を外れると、ゴム弾性体としての性質が失われ、樹脂に近い性質となる傾向がある。
PAVE(m6)としては、例えばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。
パーフルオロ(アルコキシビニルエーテル)(m6)としては、例えば特開昭61−223007号公報記載の単量体を用いることができる。
また、単量体(n3)としては、単量体(m5)および単量体(m6)と共重合可能なものであればいかなるものでもよいが、架橋部位を与える単量体が好ましい。
このような架橋部位を与える単量体としては、例えばVdF、一般式(2)で表されるヨウ素または臭素含有単量体、一般式(3)で表される単量体、一般式(4)で表される単量体などがあげられ、例えば特公平5−63482号公報、特開平7−316234号公報に記載されているようなパーフルオロ(6,6−ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)やパーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などのヨウ素含有単量体、特開平4−217936号公報記載のCF2=CFOCF2CF2CH2Iなどのヨウ素含有単量体、特開平4−505341号公報に記載されている臭素含有単量体などがあげられる。これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。
このヨウ素原子、臭素原子は、架橋点として機能することができる。
かかるパーフルオロフッ素ゴム(b)の具体例としては、国際公開第97/24381号パンフレット、特公昭61−57324号公報、特公平4−81608号公報、特公平5−13961号公報などに記載されているフッ素ゴムなどがあげられる。
これらのなかでも、フッ素ゴムとしては、VdFと他の少なくとも1種のフッ素含有モノマーからなるフッ素ゴムであることが好ましく、VdF/HFP系フッ素ゴム、VdF/TFE/HFP系フッ素ゴム、およびVdF/TFE/PAVE系フッ素ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴムであることが好ましい。
以上説明した非パーフルオロフッ素ゴム(a)およびパーフルオロフッ素ゴム(b)は、常法により製造することができるが、得られる重合体は分子量分布が狭く、分子量の制御が容易である点、末端にヨウ素原子を導入することができる点から、フッ素ゴムの製造法として公知のヨウ素移動重合法が好ましい。例えば、実質的に無酸素下で、ヨウ素化合物、好ましくはジヨウ素化合物の存在下に、前記エチレン性単量体と、要すれば架橋部位を与える単量体を加圧下で撹拌しながらラジカル開始剤の存在下、水媒体中での乳化重合、あるいは溶液重合を行なう方法があげられる。使用するヨウ素化合物の代表例としては、例えば、一般式(7):
2xBry (7)
(式中、xおよびyはそれぞれ0〜2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、R2は炭素数1〜16の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1〜3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で示される化合物などをあげることができる。このようなヨウ素化合物を用いて得られるフッ素ゴムの末端には、ヨウ素原子または臭素原子が導入される。
一般式(7)で表される化合物としては、例えば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,5−ジヨード−2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカン、1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨード−n−プロパン、CF2Br2、BrCF2CF2Br、CF3CFBrCF2Br、CFClBr2、BrCF2CFClBr、CFBrClCFClBr、BrCF2CF2CF2Br、BrCF2CFBrOCF3、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン、1−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブタン、2−ブロモ−3−ヨードパーフルオロブタン、3−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、2−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ジヨード置換体、ならびに(2−ヨードエチル)および(2−ブロモエチル)置換体などがあげられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合せて使用することもできる。
これらのなかでも、重合反応性、架橋反応性、入手容易性などの点から、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、ジヨードメタンなどが好ましい。
本発明で使用するラジカル重合開始剤は、従来からフッ素ゴムの重合に使用されているものと同じものであってよい。これらの開始剤には有機および無機の過酸化物ならびにアゾ化合物がある。典型的な開始剤として過硫酸塩類、過酸化カーボネート類、過酸化エステル類などがあり、好ましい開始剤として過硫酸アンモニウム(APS)があげられる。APSは単独で使用してもよく、またサルファイト類、亜硫酸塩類のような還元剤と組み合わせて使用することもできる。
乳化重合に使用される乳化剤としては、広範囲なものが使用可能であるが、重合中におこる乳化剤分子への連鎖移動反応を抑制する観点から、フルオロカーボン鎖、またはフルオロポリエーテル鎖を有するカルボン酸の塩類が望ましい。乳化剤の使用量は、添加された水の約0.005〜2重量%が好ましく、とくに0.01〜1.5重量%が好ましい。
本発明で使用するモノマー混合ガスは、カルブ(G.H.Kalb)ら、アドヴァンシーズ・イン・ケミストリー・シリーズ(Advances in Chemistry Series.),129,13(1973)に記載されるように、爆発性を有する場合があるので、重合装置には着火源となるスパークなどが発生しないように工夫する必要がある。
重合圧力は、広い範囲で変化させることができる。一般には、0.5〜7MPaの範囲である。重合圧力は、高い程重合速度が大きくなるため、生産性の向上の観点から、0.8MPa以上であることが好ましい。
前記一般式(7)で表される化合物の添加量としては、フッ素ゴムの分子量を調整するために適宜変化させれば良いが、得られるフッ素ゴムの全重量の0.0001〜15重量%であればよい。
本発明で用いるフッ素ゴムの100℃におけるムーニー粘度は、20〜150であることが好ましく、40〜130であることがより好ましい。ムーニー粘度が20未満であると粘着性が強くゴムの混練工程で支障をきたす傾向があり、150をこえると架橋反応の際の流動性が損なわれる傾向がある。
また、本発明のフッ素ゴムは架橋反応可能な架橋部位を有することが好ましく、パーオキサイド架橋可能である点から、該架橋部位がヨウ素または臭素であることがより好ましい。
含フッ素シリコーンゴム架橋粒子は、この架橋粒子を構成するシロキサン単位中のケイ素原子に、2価の連結基を介してフッ素含有有機基を有するものであれば特に限定されるものではない。
このフッ素含有有機基としては、例えば、一般式(8):
Figure 0005186360
(式中、nは1〜5の整数である。)
で表される基、一般式(9):
Figure 0005186360
(式中、nは1〜5の整数である。)
で表される基、一般式(10):
m2m+1− (10)
(式中、mは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
で表される基、一般式(11):
3−Cm2m− (11)
(式中、mは1〜20、好ましくは2〜10の整数であり、R3はアルキル基、アルケニル基、またはアリール基である。)
で表される基、一般式(12):
Figure 0005186360
(式中、mは1〜50の整数、nは1〜50の整数で、かつm+nは2〜100を満足する。)
で表される基、一般式(13):
−(CF2O)m−(CF2CF2O)n−CF2− (13)
(式中、mおよびnは、それぞれ1〜50の整数である。)
で表される基、一般式(14):
−Cm2m− (14)
(式中、mは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
で表される基があげられる。
また、これらフッ素含有有機基をケイ素原子に結合するための2価の連結基としては、アルキレン基、アリーレン基、およびそれらの組み合わせ、またはこれらの基にエーテル結合酸素原子、アミド結合、カルボニル結合等を介在させたものであってもよい。具体的には、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2OCH2−、−CH2CH2CH2−NH−CO−、−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−(式中、Phはフェニル基である。)、−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−、−CH2CH2CH2−O−CO−があげられる。
このような2価の連結基を有するフッ素含有有機基としては、例えば、−CH2CH2CF3、−CH2CH2CF2CF3 、−CH2CH2CF2CF2CF3 、−CH2CH2CF2CF2CH=CH2 があげられ、これらの中でも合成が容易である点から、−CH2CH2CF3 が好ましい。
また、この架橋粒子を構成するシロキサン単位中のケイ素原子に結合するその他の基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;およびこれらの基の水素原子の少なくとも一部が塩素原子、シアノ基等で置換された、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、シアノエチル基等の非置換または置換の炭化水素基;エチレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等のアルキレン基;3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、4−オキシラニルブチル基等のエポキシ含有有機基;2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基等のアミノ含有有機基;3−メタクリロキシプロピル基、3−アクリロキシプロピル基等のアクリル含有有機基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;その他、水素原子、水酸基があげられる。これらの中でも、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アクリル含有有機基が好ましい。
このような架橋粒子の平均粒子径は特に限定されないが、100μm以下であることが好ましく、0.01〜50μmであることがより好ましく、0.01〜20μmであることがさらに好ましく、0.1〜10μmであることが特に好ましい。平均粒子径が0.01μm未満である架橋粒子を製造することは困難な傾向があり、100μmを超えるとこれを配合してなるフッ素ゴムの機械的強度が低下する傾向がある。
また、架橋粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、不定形状があげられ、特に、フッ素ゴムに均一に分散できる点から、球状であることが好ましい。
このような架橋粒子を製造する方法としては、例えば、特開昭62−243621号公報または特開昭63−202658号公報に記載された方法に従って、液状含フッ素シリコーンゴム組成物を水中に分散させた後、この組成物を硬化させる方法があげられる。
この製造方法で用いられる液状含フッ素シリコーンゴム組成物としては、例えば、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合ヒドロキシル基を有するオルガノポリシロキサン、一般式(15):
45 aSi(OR6)(3-a) (15)
(式中、R4は2価の連結基を介して結合するフッ素含有有機基であり、R5 はフェニル基または炭素数4以下のアルキル基であり、R6 は炭素数4以下のアルキル基であり、aは0または1である。)
で表される有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物、縮合反応用触媒、および必要に応じてその他の架橋剤からなる縮合反応性組成物(以下、組成物(I)とする)、
一分子中に、少なくとも1個の2価の連結基を介してケイ素原子に結合するフッ素原子含有有機基および少なくとも2個のケイ素原子結合ヒドロキシル基を有するオルガノポリシロキサン、架橋剤、および縮合反応用触媒からなる縮合反応性組成物(以下、組成物(II)とする)、
および
一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、ケイ素原子に2価の連結基を介して結合しているフッ素含有有機基を有するオルガノポリシロキサン、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、および付加反応用触媒からなる付加反応性組成物(以下、組成物(III)とする)
があげられる。
特に、フッ素ゴムとの親和性の点から、組成物(I)あるいは(II)を縮合反応により硬化した架橋粒子であることが好ましい。
以下に、組成物(I)、(II)、および(III)について説明する。
組成物(I)において、オルガノポリシロキサンは主剤であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合ヒドロキシル基を有することを特徴とする。このヒドロキシル基の結合位置は限定されないが、反応性が良好である点から、分子鎖末端であることが好ましい。
ケイ素原子に結合するその他の基としては、前記同様の非置換または置換の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基があげられ、これらの中でもメチル基、フェニル基が好ましい。
オルガノポリシロキサンの分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状があげられ、特に、直鎖状であることが好ましい。
また、オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は特に限定されないが、実用的には5〜100,000mPa・sであることが好ましく、10〜10,000mPa・sであることがより好ましい。
次に、一般式(15)で表される有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物は、縮合反応により架橋粒子にフッ素含有有機基を導入するための成分である。
式中、R4は2価の連結基を介して結合するフッ素含有有機基であり、前記と同様の基があげられる。
式中、R5はフェニル基または炭素数4以下のアルキル基であり、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基があげられる。これらの中でも、メチル基が好ましい。
式中、R6は炭素数4以下のアルキル基であり、前記同様のものがあげられる。これらの中でもR6としては、メチル基が好ましい。
式中、aは0または1である。
この有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物の配合量は、特に限定されないが、例えば、オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましく、1〜40重量部であることがより好ましい。0.1重量部未満であると、得られる架橋粒子のフッ素ゴムに対する親和性が著しく低下する傾向があり、50重量部を超えると、得られる架橋粒子の機械的強度が著しく低下する傾向がある。
縮合反応用触媒は、組成物(I)の硬化を促進するための触媒であり、例えば、ジ−n−ブチル錫ジアセテート、ジ−n−ブチル錫ジ−2−エチルヘキソエート、n−ブチル錫トリ−2−エチルヘキソエート、ジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジ−n−ブチル錫ジオクトエート、オクチル酸錫、オクテン酸錫、ラウリル酸錫、ナフテン酸錫、オレイン酸錫等の錫系触媒;テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、エチレングリコールチタネート等の有機チタン酸エステル化合物;ジイソプロポキシビス(アセチルアセトン)チタン、ジイソプロポキシビス(アセト酢酸エチル)チタン、ジイソプロポキシビス(アセト酢酸メチル)チタン、ジメトキシビス(アセト酢酸メチル)チタン、ジブトキシビス(アセト酢酸エチル)チタン、ナフテン酸チタン等のチタン系触媒;スタノオクテン酸第2鉄、オクテン酸鉛、ラウリン酸鉛、オクテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オクテン酸鉄等の金属の有機酸塩系触媒;n−ヘキシルアミン、グアニジン等のアミン系触媒;塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金黒、白金担持のシリカ等の白金系触媒、あるいはこれらの縮合反応用触媒の2種類以上の混合物があげられる。
この縮合反応用触媒の配合量は特に限定されないが、オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.01〜20重量部であることが好ましく、0.01〜10重量部であることがより好ましい。
また、組成物(I)には、得られる架橋粒子に、アルケニル基、エポキシ含有有機基、アミノ含有有機基、アクリル含有有機基を導入するため、一般式(16):
75 bSi(OR6(3-b) (16)
で表される有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物を配合してもよい。
式中、R5はフェニル基または炭素数4以下のアルキル基であり、R6は炭素数4以下のアルキル基であり、それぞれ、前記同様のものがあげられる。
式中、R7はアルケニル基、エポキシ含有有機基、アミノ含有有機基、およびアクリル含有有機基からなる群から選択される基である。アルケニル基、エポキシ含有有機基、アミノ含有有機基、アクリル含有有機基としては、前記架橋粒子を構成するシロキサン単位中のケイ素原子に結合するその他の基として記載されたものをあげることができる。これらの中でも、フッ素ゴムのパーオキサイド架橋反応において反応性を有することから、アルケニル基、アクリル含有有機基が好ましく、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、3−メタクリロキシプロピル基がより好ましい。
また、bは0または1である。
このような有機ケイ素化合物またはその部分加水分解物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルビニルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、これらの有機ケイ素化合物の部分加水分解縮合物、あるいはこれらの2種以上の混合物があげられる。
この有機ケイ素化合物もしくはその部分加水分解物の配合量は特に限定されないが、オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.05〜50重量部であることが好ましく、0.05〜15重量部であることがより好ましい。0.05重量部未満であると、得られる架橋粒子のフッ素ゴムに対する反応性が期待できない傾向があり、50重量部を超えると、得られる架橋粒子の機械的強度が著しく低下する傾向がある。
組成物(I)において、オルガノポリシロキサンを架橋させるための任意の成分として、例えば、アルキルポリシリケート、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを配合することができる。このアルキルポリシリケートとしては、メチルポリシリケート、エチルポリシリケートがあげられ、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体があげられる。
組成物(I)において、アルキルポリシリケートおよびオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は特に限定されないが、例えば、アルキルポリシリケートは、オルガノポリシロキサン100重量部に対して1〜100重量部であることが好ましく、1〜50重量部であることがより好ましい。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、オルガノポリシロキサン100重量部に対して1〜20重量部であることが好ましい。
次に、組成物(II)について説明する。
組成物(II)において、オルガノポリシロキサンは主剤であり、一分子中に、少なくとも1個の2価の連結基を介してケイ素原子に結合するフッ素原子含有有機基および少なくとも2個のケイ素原子結合ヒドロキシル基を有することを特徴とする。このヒドロキシル基の結合位置は限定されないが、反応性が良好である点から、分子鎖末端であることが好ましい。
このフッ素含有有機基としては、前記同様のものが例示され、また、2価の連結基としては、前記同様のものが例示される。
ケイ素原子に結合するその他の基としては、前記同様の非置換または置換の炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基があげられ、これらの中でもメチル基、フェニル基が好ましい。
オルガノポリシロキサンの分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状があげられ、特に、直鎖状であることが好ましい。
また、オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は特に限定されないが、実用的には5〜100,000mPa・sであることが好ましく、10〜10,000mPa・sであることがより好ましい。
次に、組成物(II)において、架橋剤としては、前記一般式(15)で表される有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物、前記一般式(16)で表される有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物、アルキルポリシリケート、あるいはオルガノハイドロジェンポリシロキサンがあげられる。
前記一般式(15)で表される有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物は、縮合反応により架橋粒子に、フッ素含有有機基をさらに導入するための成分であり、前記同様のものがあげられる。
この有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物の配合量は、特に限定されないが、例えば、オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましく、1〜40重量部であることがより好ましい。0.1重量部未満であると、得られる架橋粒子のフッ素ゴムに対する親和性が著しく低下する傾向があり、50重量部を超えると、得られる架橋粒子の機械的強度が著しく低下する傾向がある。
また、前記一般式(16)で表される有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物は、縮合反応により架橋粒子に、アルケニル基、エポキシ含有有機基、アミノ含有有機基、アクリル含有有機基を導入するための成分であり、前記同様のものがあげられる。
この有機ケイ素化合物もしくはその部分加水分解物の配合量は特に限定されないが、オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.05〜50重量部であることが好ましく、0.05〜15重量部であることがより好ましい。0.05重量部未満であると、得られる架橋粒子のフッ素ゴムに対する反応性が期待できない傾向があり、50重量部を超えると、得られる架橋粒子の機械的強度が著しく低下する傾向がある。
また、アルキルポリシリケートとしては、前記同様のものがあげられ、その配合量は特に限定されないが、オルガノポリシロキサン100重量部に対して1〜100重量部であることが好ましく、1〜50重量部であることがより好ましい。
さらに、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、前記同様のものがあげられ、その配合量は特に限定されないが、オルガノポリシロキサン100重量部に対して1〜20重量部であることが好ましい。
縮合反応用触媒は、組成物(II)の硬化を促進するための触媒であり、前記と同様の触媒が例示される。
この縮合反応用触媒の配合量は特に限定されないが、オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.01〜20重量部であることが好ましく、0.01〜10重量部であることがより好ましい。
次に、組成物(III)について説明する。
組成物(III)において、オルガノポリシロキサンは主剤であり、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、ケイ素原子に2価の連結基を介してフッ素含有有機基を有することを特徴とする。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基があげられ、ビニル基であることが好ましい。
ケイ素原子に2価の連結基を介して結合するフッ素含有有機基としては、前記と同様の基があげられる。
また、ケイ素原子に結合するその他の基としては、非置換または置換の炭化水素基、エポキシ含有有機基、アミノ含有有機基、アクリル含有有機基があげられる。これらの基の具体例としては、前記架橋粒子を構成するシロキサン単位中のケイ素原子に結合するその他の基として記載されたものをあげることができる。これらの中でも、メチル基、フェニル基が好ましい。
オルガノポリシロキサンの分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状があげられ、直鎖状であることが好ましい。
オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は限定されないが、実用的には5〜100,000mPa・sであることが好ましく、20〜10,000mPa・sであることがより好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有することを特徴とする。また、ケイ素原子に結合するその他の基としては、前記と同様の非置換または置換の炭化水素基があげられ、その中でも、メチル基、フェニル基が好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状があげられ、直鎖状であることが好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は限定されないが、実用的には1〜10,000mPa・sであることが好ましく、1〜1,000mPa・sであることがより好ましい。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は特に限定されないが、オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.05〜50重量部であることが好ましく、0.05〜15重量部であることがより好ましい。0.05重量部未満であると、架橋粒子を得ることが困難となる傾向があり、50重量部を超えると、得られる架橋粒子の機械的強度が著しく低下する傾向がある。
付加反応用触媒は、組成物(III)の硬化を促進するための触媒であり、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金黒、白金担持のシリカ等の白金系触媒があげられる。
この付加反応用触媒の配合量は特に特に限定されないが、例えば、オルガノポリシロキサンに対して、触媒中の触媒金属の重量換算で、0.01〜500ppmであることが好ましく、0.1〜100ppmであることがより好ましい。
本発明で用いる含フッ素シリコーンゴム架橋粒子は、これらの液状含フッ素シリコーンゴム組成物を水中に分散させて硬化させることにより得られる。この組成物を水中に分散させて安定な粒状物を形成するために界面活性剤を使用することが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンエステル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジエチレングリコールトリメチルノナノールのエチレンオキサイド付加物等のノニオン系界面活性剤;ヘキシルベンゼンスルホン酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸、ミリスチルベンゼンスルホン酸やそのナトリウム塩等のアニオン系界面活性剤;オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ヤシ油トリメチルアンモニウムヒドロキシド等のカチオン系界面活性剤、あるいはこれらの界面活性剤の2種類以上の混合物があげられる。
また、これらの液状含フッ素シリコーンゴム組成物を水中に分散させて、平均粒子径が小さい架橋粒子を形成するため、例えば、コロイドミル、ホモゲナイザー、プロペラ式攪拌装置、コンビミックス、超音波攪拌装置等の従来公知の乳化機を用いることができる。
次いで、水中に分散している液状含フッ素シリコーンゴム組成物の粒状物を硬化させることにより、含フッ素シリコーンゴム架橋粒子を形成するため、この水分散液を室温下で放置するか、あるいは加熱する方法があげられるが、これらの条件は、通常用いられる条件を採用することができる。
また、含フッ素シリコーンゴム架橋粒子の水分散液をフッ素ゴムの水分散液に配合することが好ましいが、フッ素ゴムに架橋粒子を配合するために、この水分散液から架橋粒子を分離してもよい。
この架橋粒子を水分散液から分離する方法としては、例えば、オーブン中で乾燥する方法、冷風、温風ないしは熱風で乾燥する方法、減圧下で乾燥する方法、さらには、アルコール等の揮発性有機溶剤を添加して、水を置換した後、前記の方法により乾燥する方法があげられる。これらの条件は、通常用いられる条件を採用することができる。
含フッ素シリコーンゴム架橋粒子全体のフッ素原子含有量は、2〜60重量%であることが好ましく、5〜40重量%であることがより好ましく、20〜40重量%がさらに好ましい。フッ素原子含有量が、2重量%未満であると含フッ素シリコーン架橋粒子とフッ素ゴムの相溶性が不充分なためにシリコーン架橋粒子をフッ素ゴム中に均一に分散することができないと同時に良好な耐燃料透過性を達成できない。
また、フッ素ゴムとの親和性の点から、少量のフルオロアルキル基を導入した変性タイプのものも好適に用いることができる。
また、本発明においてシリコーン架橋粒子をフッ素変性する際は、耐燃料透過性をより向上させることができる点から、粒子の表面だけでなく、粒子内部(バルク部分)もフッ素変性されていることが好ましい。
含フッ素シリコーンゴム架橋粒子とフッ素ゴムの混合割合は、耐寒性や耐燃料透過性との兼ね合いもあるが、含フッ素シリコーンゴム架橋粒子/フッ素ゴムが、重量比で、80/20〜5/95であることが好ましく、55/45〜20/80であることがより好ましい。フッ素ゴムが、20未満であると、フッ素ゴムがマトリックス相でなくなり、耐燃料透過性や力学特性が極端に低下する傾向があり、95をこえると顕著な耐寒性向上が見られない傾向がある。
本発明の複合材料は、架橋されていてもよいし、架橋されていなくてもよい。
なお、本発明の複合材料は、フッ素ゴムが連続相を形成し、含フッ素シリコーンゴム架橋粒子が分散相を形成することが、優れた耐燃料透過性を実現できる点から好ましい。
また、本発明の複合材料は、その好ましい形態であるフッ素ゴムが連続相を形成し、かつ含フッ素シリコーンゴム架橋粒子が分散相を形成する構造の一部に、フッ素ゴムと含フッ素シリコーンゴム架橋粒子との共連続構造を含んでいても良い。
本発明の複合材料の製造方法としては、均一な分散物が作りやすい点から、フッ素ゴム乳化液と架橋含フッ素シリコーンゴム乳化液を共凝析する工程を含む製造方法であることが好ましく、共凝析することにより、強度や耐燃料透過性が良好となる。
凝析剤としては、通常用いられているものであれば特に限定されるものではないが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム、カリミョウバンなどがあげられる。これらの中でも、硝酸、硫酸アルミニウム、塩化マグネシウム、カリミョウバンなどが好ましい。
凝析剤の添加量としては、重合により得られたフッ素ゴムおよび含フッ素シリコーンゴムの固形分の合計100重量部に対して、0.2〜3重量部が好ましく、0.5〜2重量部がより好ましい。凝析剤の添加量が、0.2重量部未満であると、充分な凝析効果が得られないため効率的にフッ素ゴムおよび含フッ素シリコーンゴムからなる共凝物を得ることができない傾向があり、3重量部を超えると、洗浄工程を経ても得られるフッ素ゴムおよび含フッ素シリコーンゴムからなる共凝物に凝析剤が大量に残留してしまう傾向がある。
凝析装置としては、特に限定されるものではく、通常用いられているものであればよい。
本発明の複合材料は、共凝析により得られたフッ素ゴムと含フッ素シリコーンゴムからなる共凝析物に、架橋剤、必要に応じて架橋助剤を加えて得られた組成物を架橋することにより得られるものであってもよい。
フッ素ゴムを架橋する架橋剤としては、パーオキサイド架橋剤、ポリアミン系架橋剤、ポリオール系架橋剤で通常用いられるものがあげられる。
パーオキサイド架橋に用いられている架橋剤としては、一般には、熱や酸化還元系の存在で容易にパーオキシラジカルを発生するものがよい。具体的には、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)へキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどをあげることができる。これらの中でも、好ましいものは、ジアルキルタイプのものである。一般に、活性−O−O−の量、分解温度などを考慮して、パーオキサイドの種類ならびに使用量が選択される。
また、必要に応じて架橋助剤を用いることができ、架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタールアミド、トリアリルホスフェートなどがあげられる。これらの中でも、架橋性、架橋物の物性の点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
ポリアミン系架橋剤としては、分子中に2個以上の塩基性窒素原子を結合する一級アミンまたは二級アミンであり、多くの場合はこれらを塩の形にして反応性を抑えて使用する。具体例としては、例えばエチレンジアミンカーバメート、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、4,4−ジアミンシクロヘキシルメタンカーバメートなどのアルキレンジアミン類;N,N'−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミンなどのシッフ塩などがあげられる。そのほか、塩基性に乏しい芳香族ポリアミン化合物も他の塩基性化合物と併用することにより架橋剤として使用できる。他の塩基性化合物としては、例えばジフェニルグアニジン、ジ−O−トリグアニジン、ジフェニルチオウレア、2−メルカプトイミダゾリンや、合成ゴム用の加硫促進剤であって分子内に−NH3および/または−NH−を有する化合物、2価の金属水酸化物などがあげられる。
ポリオール系架橋剤としては、ポリヒドロキシ化合物があげられる。ポリヒドロキシ化合物としては、フェノール性水酸基、
Figure 0005186360
を有するポリヒドロキシ化合物、一般式(17):
f 3(CH2OH)2 (17)
(式中、Rf 3は炭素数1〜20のポリフルオロアルキレン基またはパークロロフルオロアルキレン基)
で示されるジヒドロキシ化合物またはこれらのアルカリ金属塩、これらの混合物などが好適にあげられる。
具体例としては、例えばヒドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−ジヒドロキシフェニルエーテル、HOCH2(CF23CH2OH、HOCH2CF2CFH(CF23CFHCF2CH2OH、HOCH2CH2CH2(CF23CH2CH2CH2OH、HOCH2CF2CH2(CF23CH2CF2CH2OHまたはこれらのアルカリ金属塩などがあげられる。
また、これら架橋剤は、異なる架橋系どうしで併用してもよい。
またその他、架橋助剤、架橋促進剤として、3級アミン、トリ置換アミジン、ペンタ置換グアニジンまたはこれらの化合物の有機酸もしくは無機酸の塩、4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩または含窒素環状ポリエーテルを必要に応じて使用することができる。これらの架橋助剤または架橋促進剤については、特開昭51−56854号公報、特開昭47−1387号公報、特開昭47−191号公報、特開昭53−132858号公報に記載されているものが使用できる。
架橋剤の配合量としては、フッ素ゴムおよび含フッ素シリコーンゴム架橋粒子の固形分合計100重量部に対して、0.05〜10重量部であることが好ましく、1.0〜5重量部であることがより好ましい。架橋剤が、0.05重量部未満であると、フッ素ゴムの架橋が充分に進行せず、得られる複合材料の耐燃料透過性が低下する傾向があり、10重量部をこえると、得られる複合材料の硬度が高くなりすぎる傾向がある。
架橋助剤の配合量としては、フッ素ゴム100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、0.5〜5重量部であることがより好ましい。架橋助剤が、0.1重量部未満であると、フッ素ゴムの架橋が充分に進行せず、得られる複合材料の耐燃料透過性が低下する傾向があり、10重量部をこえると、成形加工性が低下する傾向がある。
また、架橋剤、架橋助剤とともに、必要に応じて通常の添加物、例えば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、酸化防止剤、老化防止剤、オゾン劣化剤、紫外線吸収剤などを配合することができ、前記のものとは異なる常用の架橋剤や架橋助剤を1種またはそれ以上配合してもよく、各成分を、通常のエラストマー用加工機械、例えば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混合することにより調製することができる。このようにして得られた架橋用組成物は常法に従って架橋、成形される。すなわち、圧縮成形、射出成形、押し出し成形、カレンダー成形または溶剤に溶かしてディップ成形、コーティング等により成形される。
架橋条件は、成形方法や成形品の形状により異なるが、おおむね、100℃〜300℃で数秒〜5時間の範囲である。また、架橋物の物性を安定化させるために二次架橋を行ってもよい。二次架橋条件としては、150℃〜300℃で30分〜48時間程度である。
本発明の複合材料の耐寒性は、−30℃以下が好ましく、さらに−35℃以下であることが好ましく、−35〜−45℃であることがより好ましい。耐寒性が−30℃をこえると自動車用途のシール材として使用することができない。
ここで、耐寒性とは、伸張後低温で凍結された試験片が、温度上昇に伴い弾性を回復して一定の収縮率を示す温度である。測定方法としては、JIS K6261に記載の低温弾性回復試験(TR試験)などの方法である。
また、本発明の複合材料の耐燃料透過性は、500g・mm/m2・day以下であることが好ましく、400〜100g・mm/m2・dayであることがより好ましく、300〜100g・mm/m2・dayであることがさらに好ましい。耐燃料透過性が500g・mm/m2・dayをこえると環境規制を満足することができず、燃料シール材としての使用が困難になる傾向がある。
本発明の複合材料、および特に該複合材料からなる耐燃料透過性シール材は架橋された状態のものが好ましく、自動車燃料システムで使用されるシール材でインジェクターO−リング、燃料チューブコネクターO−リング、エアーインテークマニホールドガスケット、タンクキャップシール、フューエセンダーシール、燃料ポンプシールなどとして用いられるが、特に燃料周辺部品や燃料容器として好適である。
つぎに実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、得られた架橋成形品の各種ゴム物性は以下の方法で試験した。
<引張試験>
JIS K6251に準拠し、切断時引張応力(TSb)と切断時伸び(Eb)を求めた。試験片はダンベル状4号形を用いた。
<耐寒性>
JIS K6251に準拠し、低温弾性回復試験(TR試験)により評価した。収縮率が10%になる温度(TR10)で表した。
<燃料透過性>
ASTM E96を参考にして、透過カップによる重量法で求めた。燃料油としてCE10(イソオクタン45vol%、トルエン45vol%、エタノール10vol%)を用い、40℃における透過速度g・mm/m2・dayを測定した。
<ロール加工性>
ゴムバンド形成のしやすさを以下の基準で評価した。
◎:ゴムバンド形成がとくに良好
○:ゴムバンド形成が良好
△:ゴムバンド形成がやや困難
×:ゴムバンド形成が困難
<含フッ素シリコーンゴム>
製造例1
25℃における粘度40mPa・sの分子鎖両末端ジメチルヒドロキシル基封鎖ジメチルポリシロキサン67.5重量部、エチルポリシリケート(多摩化学工業(株)製、シリケート40)7.5重量部、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン20重量部、およびビニルトリメトキシシラン5重量部を均一に混合して縮合反応性の液状含フッ素シリコーンゴム組成物を調製した。
次に、この組成物をポリオキシエチレンラウリルエーテル1重量部と純水30重量部からなる水溶液中に乳化し、さらにコロイドミルにより均一に乳化した後、純水158重量部を加えて希釈して液状含フッ素シリコーンゴム組成物のエマルジョンを調製した。
次に、このエマルジョンに、オクチル酸錫1重量部をポリオキシエチレンラウリルエーテル1重量部と純水9重量部からなる水溶液中に分散することにより調製した縮合反応用触媒を混合して、室温で1日間静置して、含フッ素シリコーンゴム架橋粒子の均一な水系サスペンジョンを得た。
この水系サスペンジョンを300℃の熱風乾燥機により水分を除去して含フッ素シリコーンゴム架橋粒子(B−1)を得た。この架橋粒子の特性を表1に示した。
製造例2
25℃における粘度40mPa・sの分子鎖両末端ジメチルヒドロキシル基封鎖ジメチルポリシロキサン77.3重量部、25℃における粘度20mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン8.1重量部、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン10重量部および3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン4.6重量部を均一に混合して縮合反応性の液状含フッ素シリコーンゴム組成物を調製した。
次に、この組成物をポリオキシエチレンラウリルエーテル5重量部と純水30重量部からなる水溶液中に乳化し、さらにコロイドミルにより均一に乳化した後、純水158重量部を加えて希釈して液状シリコーンゴム組成物のエマルジョンを調製した。
次に、このエマルジョンに、オクチル酸錫1重量部をポリオキシエチレンラウリルエーテル1重量部と純水9重量部からなる水溶液中に分散することにより調製した縮合反応用触媒を混合して、室温で1日間静置した後、300℃の熱風乾燥機により水分を除去してシリコーンゴム粉末(B−2)を得た。この架橋粒子の特性を表1に示した。
製造例3
25℃における粘度40mPa・sの分子鎖両末端ジメチルヒドロキシル基封鎖ジメチルポリシロキサン86.4重量部、25℃における粘度20mPa・sの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン9.1重量部、および3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン4.6重量部を均一に混合して縮合反応性の液状シリコーンゴム組成物を調製した。
次に、この組成物をポリオキシエチレンラウリルエーテル5重量部と純水30重量部からなる水溶液中に乳化し、さらにコロイドミルにより均一に乳化した後、純水158重量部を加えて希釈して液状シリコーンゴム組成物のエマルジョンを調製した。
次に、このエマルジョンに、オクチル酸錫1重量部をポリオキシエチレンラウリルエーテル1重量部と純水9重量部からなる水溶液中に分散することにより調製した縮合反応用触媒を混合して、室温で1日間静置した後、300℃の熱風乾燥機により水分を除去してシリコーンゴム粉末(B−3)を得た。この架橋粒子の特性を表1に示した。
製造例4
平均式:CH2=CH(CH32SiO[CH3(CF3CH2CH2)SiO]mSi(CH32CH=CH2(式中、mは粘度が42000mPa・sとなるような値)で表されるトリフルオロプロピルメチルポリシロキサン98.8重量部、25℃における粘度が6.6mPa・sであり、分子鎖末端がジメチルハイドロジェンシリル基で封鎖されたトリフルオロプロピルシルセスキオキサン1.2重量部を均一に混合し付加反応性の液状含フッ素シリコーンゴム組成物を調製した。次に、この組成物をラウリル硫酸ナトリウム1重量部と純水7重量部からなる水溶液に乳化し、さらに300ccコンビミックスを用い5000RPMの条件下30分間乳化処理を行った後、純水92重量部を加えて希釈して液状含フッ素シリコーンゴム組成物のエマルジョンを調製した。次に、このエマルジョンに、別に調製しておいた、白金の1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体を主成分とし、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンを溶剤とする白金触媒の水系エマルジョン(白金系触媒の平均粒径=0.05μm、白金金属濃度=0.05重量%)を、上記のエマルジョン中のオイル成分の合計量に対して、白金金属が重量単位で10ppmとなる量混合した後、このエマルジョンを35℃で24時間静置することにより、水中に乳化している上記の組成物を付加反応により架橋させて、架橋粒子サスペンジョン(B−4)を調製した。この架橋粒子の特性を表1に示した。
Figure 0005186360
<フッ素ゴム>
製造例5
内容積3LのSUS316製オートクレーブに、純水1.0L及び乳化剤としてC715COONH4 2.0g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム12水塩 0.09gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換した後、600rpmで攪拌しながら、80℃に昇温し、VdF/TFE/PMVEのモノマー混合物(モル比70/5/25)を内圧が1.57MPaになるように圧入した。次いで、過硫酸アンモニウム(以下、APSという)の5mg/mL水溶液4mLを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、1.47MPaまで低下した時点で、ジヨウ素化合物であるI(CF2)4I 1.2gを圧入し、次いでVdF/TFE/PMVEのモノマー混合物(モル比75/7/18)で1.57MPaまで再加圧し、昇圧降圧を繰り返しつつ、3時間毎に上記APS水溶液各2mLを窒素ガスで圧入して反応を継続した。
重合反応の開始から圧力降下の合計が2.55MPaになった時点(5時間後)で、ヨウ素含有フッ素化ビニルエーテルICH2CF2CF2OCF=CF2(以下IMという)1.8gを圧入した。同じく圧力降下の合計が5.10MPaになった時点(5時間後)で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度29.9重量%の水性乳濁液を得た。
この水性乳濁液に、5重量%のカリミョウバン水溶液を添加して凝析を行い、凝析物を水洗、乾燥してゴム状重合体(A−1)400gを得た。この重合体のムーニー粘度(ML1+10(100℃))は73であった。19F-NMR分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、VdF73.9モル%/TFE7.0モル%/PMVE19.0モル%/IM0.1モル%であることがわかった。
製造例6
内容積3LのSUS316製オートクレーブに、純水1.0L及び乳化剤としてC715COONH4 2.0gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換した後、80℃で、VdF/ヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPという)/TFEのモノマー混合物(モル比18/71/11)を内圧が1.57MPaになるように圧入した。次いで、APSの2mg/mL水溶液10mLを圧入して反応を開始した。
重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、1.47MPaまで低下した時点で、分子量調整剤であるI(CF2)4I 1.2gを圧入し、圧力がさらに1.37MPaまで低下した時点でVdF/HFP/TFEのモノマー混合物(モル比50/30/20)で1.57MPaまで再加圧し、降圧、昇圧を繰り返しつつ、3時間毎に上記APS水溶液各10mLを窒素ガスで圧入して反応を継続した。
重合反応の開始から圧力降下の合計が4.21MPaになった時点(19時間後)で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度26.7重量%の水性乳濁液を得た。
この水性乳濁液に、5重量%のカリミョウバン水溶液を添加して凝析を行い、凝析物を水洗、乾燥してゴム状重合体(A−2)394gを得た。ムーニー粘度(ML1+10(100℃))は83であり、極限粘度[η](dL/g、溶媒:テトラヒドロフラン、35℃)は0.53であった。19F-NMR分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、VdF50.0モル%/HFP30.0モル%/TFE20.0モル%であることがわかった。
参考例1
製造例5で得られたフッ素ゴム(A−1)70重量部、同じく製造例2で得られた含フッ素シリコーンゴム微粒子(B−2)30重量部、トリアリルイソシアヌレート(日本化成(株)製、TAIC)3重量部、および2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサ25B)1重量部を、2本ロールを用いて混練した。ついで、得られたコンパウンドを真空引き下で160℃、10分間プレス架橋し、さらに180℃、4時間オーブン架橋して架橋成形品を得た。この架橋成形品をもちいて各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表2に示す。
実施例
参考例1において、製造例2で得られた含フッ素シリコーンゴム微粒子(B−2)の代わりに製造例1で得られた含フッ素シリコーンゴム微粒子(B−1)を用いた以外は、参考例1と同様にして混練、架橋成形し、各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表2に示す。
実施例
製造例1で得たシリコーンゴム乳化液(水系サスペンジョン)102.5g(固形分重量:64.6g)に、製造例5で得たフッ素ゴム乳化液504g(固形分重量:150.7g)を添加し、混合乳化液を得た。この混合乳化液のpHは3であった。この混合乳化液を、攪拌中の0.04重量%硫酸アルミ水溶液3000gに50mL/minの速度で滴下し、共凝析を行った。析出したゴムは3000gのイオン交換水で3回洗浄後、120℃で24時間乾燥し、ゴム組成物210gを得た(収率97.6%)。
共凝析により得られた、フッ素ゴムと架橋済み含フッ素シリコーンゴム微粒子とからなる混合物(混合比は70/30重量%)100重量部に対して、参考例1と同様にして混練、架橋成形し、各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表2に示す。
参考
参考例1において、製造例5で得られたフッ素ゴム(A−1)の代わりに製造例6で得られたフッ素ゴム(A−2)を用い、また、製造例2で得られた含フッ素シリコーンゴム微粒子(B−2)の代わりに製造例1で得られた含フッ素シリコーンゴム微粒子(B−1)を用いた以外は、参考例1と同様にして混練、架橋成形し、各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表2に示す。
参考
製造例4で得たシリコーンゴム乳化液(水系サスペンジョン)167.9g(固形分重量:80.8g)に、製造例5で得たフッ素ゴム乳化液611.0g(固形分重量:169.2g)を添加し、混合乳化液を得た。この混合乳化液を、攪拌中の0.2重量%硫酸アルミ水溶液1400gに滴下し、共凝析を行った。析出したゴムは3000gのイオン交換水で3回洗浄後、120℃で24時間乾燥し、ゴム組成物248gを得た(収率99%)。
共凝析により得られた、フッ素ゴムと架橋済み含フッ素シリコーンゴム微粒子とからなる混合物(混合比は68/32重量%)100重量部に対して、参考例1と同様にして混練、架橋成形し、各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表2に示す。
比較例1
参考例1において、製造例2で得られた含フッ素シリコーンゴム微粒子(B−2)の代わりに製造例3で得られたシリコーンゴム微粒子(B−3)を用いた以外は、参考例1と同様にして混練、架橋成形し、各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表2に示す。
なお、下記表2中「ロール」とは、ロールのみによる混練を示し、「共凝析」とは、共凝析で得られたフッ素ゴムと含フッ素シリコーンゴムの凝析混合物に、ロールで架橋剤等を配合したことを示すものである。
Figure 0005186360
本発明は、含フッ素シリコーンゴム架橋粒子がフッ素ゴム中に分散することにより、優れた耐燃料透過性と優れた耐寒性を両立する新たなフッ素ゴム複合材料を提供することができる。

Claims (7)

  1. フッ素ゴムに、含フッ素シリコーンゴム架橋粒子が分散したフッ素ゴム複合材料であって、
    該フッ素ゴムがビニリデンフルオライド/テトラフルオロエチレン/パーフルオロビニルエーテル共重合体を含むものであり、
    該含フッ素シリコーンゴム架橋粒子が、フッ素ゴムとパーオキサイド架橋において反応性を有する官能基であるアルケニル基またはアクリル含有有機基を有し、
    該含フッ素シリコーンゴム架橋粒子が、縮合反応により硬化されており、かつ
    該含フッ素シリコーンゴム架橋粒子/フッ素ゴムの混合割合が重量比で55/45〜20/80の範囲であり、
    耐寒性が−30℃以下、燃料透過性が500g・mm/m 2 ・day以下であることを特徴とするフッ素ゴム複合材料
  2. 複合材料の耐寒性が−35℃以下である請求項記載の複合材料。
  3. 含フッ素シリコーンゴム架橋粒子の平均粒子径が、100μm以下である請求項1または2記載の複合材料。
  4. 含フッ素シリコーンゴム架橋粒子の平均粒子径が、10μm以下である請求項記載の複合材料。
  5. 前記含フッ素シリコーンゴム架橋粒子が、
    (I)一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合ヒドロキシル基を有するオルガノポリシロキサン、一般式(15):
    4 5 a Si(OR 6 ) (3-a) (15)
    (式中、R 4 は2価の連結基を介して結合するフッ素含有有機基であり、R 5 はフェニル基または炭素数4以下のアルキル基であり、R 6 は炭素数4以下のアルキル基であり、aは0または1である。)
    で表される有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物、縮合反応用触媒、および一般式(16):
    7 5 b Si(OR 6 (3-b) (16)
    (式中、R 5 はフェニル基または炭素数4以下のアルキル基であり、R 6 は炭素数4以下のアルキル基であり、R 7 はアルケニル基およびアクリル含有有機基からなる群から選択される基であり、bは0または1である。)で表される有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物を含む縮合反応性組成物、または
    (II)一分子中に、少なくとも1個の2価の連結基を介してケイ素原子に結合するフッ素原子含有有機基および少なくとも2個のケイ素原子結合ヒドロキシル基を有するオルガノポリシロキサン、一般式(15):
    4 5 a Si(OR 6 ) (3-a) (15)
    (式中、R 4 は2価の連結基を介して結合するフッ素含有有機基であり、R 5 はフェニル基または炭素数4以下のアルキル基であり、R 6 は炭素数4以下のアルキル基であり、aは0または1である。)
    で表される有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物、一般式(16):
    7 5 b Si(OR 6 (3-b) (16)
    (式中、R 5 はフェニル基または炭素数4以下のアルキル基であり、R 6 は炭素数4以下のアルキル基であり、R 7 はアルケニル基およびアクリル含有有機基からなる群から選択される基であり、bは0または1である。)で表される有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物、および縮合反応用触媒を含む縮合反応性組成物
    である液状含フッ素シリコーンゴム組成物を水中に分散させた後、この組成物を硬化させる方法で得られる請求項1〜4のいずれかに記載の複合材料。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の複合材料からなる耐燃料透過性シール材。
  7. フッ素ゴム乳化液と架橋含フッ素シリコーンゴム乳化液を共凝析する工程を含む請求項1記載の複合材料の製造方法。
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