JP5044800B2 - 含フッ素エラストマー組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置のO−リングやガスケットなどのシール用部品などに特に好適に使用されるエラストマーや樹脂成形品などに充填するフッ素樹脂粒子に関する。かかる充填剤は、得られるシール材にクリーン性、耐熱性、強度を与えるものである。
【0002】
【従来の技術】
含フッ素エラストマーにフッ素樹脂粒子を充填剤として添加し、成形品の耐摩耗性を向上させたり摩擦係数を低くしたりすることは、従来から行なわれている。近年、こうした成形品のフッ素樹脂の耐薬品性や耐熱性などを利用し、半導体の製造装置のシール用部品(O−リングやガスケットなど)への使用が進められている。
【0003】
たとえば、WO97/0823号パンフレットには、フッ素樹脂粉末を5〜50重量部配合した組成物が半導体製造装置のエッチング装置のシール材として、特にクリーンなものが提供できることが示されている。また、WO95/02634号パンフレットには、ゴム成分100重量部に対しフッ素樹脂粉末を2〜50重量部配合した組成物が半導体のウエットプロセス装置のシール材としてクリーンな環境を与えることが記載されている。
【0004】
さらに特開2000−239321公報および特開2000−239470公報には、フッ素ゴムとフッ素樹脂をナノコンポジット化(微分散)して高強度を達成し、さらに耐エンジンオイル性の向上や表面平滑性の向上を図っている。
【0005】
しかしナノコンポジット化しても耐熱性に関しては、微分散したフッ素樹脂の融点付近の温度においてはフッ素樹脂が溶融してしまい、ナノコンポジット化したメリットがなく、したがって耐熱性の用途については使用が困難であるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、含フッ素エラストマーや樹脂に充填するフッ素樹脂粒子であって、フッ素樹脂粒子の融点を超えた温度であってもエラストマー加硫物などに良好な特性を付与できるフッ素樹脂粒子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、融点が230〜300℃でかつ溶融加工ができない平均粒径が100nm以下のフッ素樹脂粒子であって、ASTM D3307に準じて327℃、5kg荷重で測定したメルトフローレート(MFR)が0.005〜0.1g/10minであるフッ素樹脂粒子に関する。
【0008】
フッ素樹脂粒子としては、テトラフルオロエチレン(TFE)とTFE以外のパーフルオロオレフィンとの含フッ素共重合体、特にTFE単位を90モル%以上含むフッ素樹脂粒子が好ましい。
【0009】
TFE以外のパーフルオロエチレン単位の含有量は2〜9モル%が好ましく、TFEと共重合するパーフルオロオレフィンとしてはパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、特にパーフルオロ(メチルビニルエーテル)が好ましくあげられる。
【0010】
本発明はまた、これらのフッ素樹脂粒子が水に分散しているフッ素樹脂粒子水性分散液にも関する。
【0011】
また、これらの特定のフッ素樹脂粒子と含フッ素エラストマーとからなる含フッ素エラストマー組成物、または前記特定のフッ素樹脂粒子と溶融成形可能なフッ素樹脂とからなるフッ素樹脂組成物にも関する。含フッ素エラストマーとしてはパーフルオロエラストマーが好ましく、溶融加工可能なフッ素樹脂としてはパーフルオロ系樹脂が好ましい。
【0012】
本発明はまた、これらのエラストマー組成物から成形して得られる半導体製造装置用のシール用部品にも関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のフッ素樹脂粒子は、230〜300℃の融点をもつが融点以上の温度においても樹脂の流動性が小さく、高分子量で溶融加工できない結晶性のフッ素樹脂の粒子である。
【0014】
具体的には、融点が230〜300℃、さらには250〜290℃で、融点以上の372℃でのMFRが0.005〜0.1g/10min、さらに好ましくは0.01〜0.05g/10minと小さい(流れにくい)フッ素樹脂の粒子があげられる。
【0015】
融点が230〜300℃であることで耐熱性という特性を付与でき、また、融点以上の高温での溶融流動性(MFR)が小さいことで、融点以上の温度においても充填剤としての特性を著しく損なうことはない。
【0016】
MFR(372℃)が0.005g/10minより小さいものはTFEの単独重合体であるPTFEそのものしか存在せず、マトリックスポリマーに微細に分散させるときにフィブリル化を惹き起こし、微分散が極めて困難になる。0.1g/10minよりも大きくなると、耐熱性を付与することが困難になる。
【0017】
かかるフッ素樹脂としては、比較的安価で反応性が高く、しかも高分子量化しやすく、さらに結晶性の高い単独重合体を与えるTFE単位を90モル%以上含むTFE共重合体が最適である。共重合成分としてはTFEと共重合し得る単量体であればよいが、高融点(耐熱性)を達成する点からPAVEやヘキサフルオロプロピレン(HFP)などのTFE以外のパーフルオロオレフィンが好ましい。特に比較的安価である点およびTFEとの共重合性が良好な点からPAVE、とりわけパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)が好ましい。これらの共単量体単位は10モル%以下、特に2〜9モル%含まれていること(TFEは91〜98モル%)が好ましい。しかし、得られる共重合体は溶融加工ができないものである必要がある。共単量体単位の含有量が少なくなるとPTFEと同じく分散加工時にフィブリル化を惹き起こし、微分散が困難となる。多すぎると融点が低下してしまい高分子量化しても耐熱性を付与できなくなるほか、MFR(372℃)が大きくなり、溶融加工可能な樹脂となって耐熱性充填剤としては適さなくなる。
【0018】
本発明の充填剤用のフッ素樹脂粒子の平均粒径は100nm以下、好ましくは20〜60nmの微粒子である。この微粒子を使用することにより成形品に高強度を付与することができる。特にマトリックスポリマーとして透明性に優れるエラストマーや樹脂を使用する場合、透明な成形品を提供できる。一方、平均粒径が大きくなるとマトリックスポリマー中に微細に分散させることが困難となる。
【0019】
本発明の特定のフッ素樹脂粒子は、通常の乳化重合法により製造することができ、得られる重合反応物であるエマルションはそのまま、または適宜濃度を調整して水性分散液とすることができる。または、一旦乾燥したのち再乳化分散させてもよい。一般に再乳化すると粒径が大きくなるため、再乳化後の粒径が100nm以下となるように調整する。
【0020】
本発明はまた、かかる特定のフッ素樹脂粒子が水に分散している水性分散液にも関する。
【0021】
さらに本発明は、含フッ素エラストマーまたは溶融加工可能なフッ素樹脂などのマトリックスポリマーに前記特定のフッ素樹脂粒子が充填剤として含まれてなる組成物にも関する。
【0022】
本発明の組成物で用いるマトリックス用のエラストマーは粒子の状態でエマルションを形成し得るエラストマーであり、かつフッ素樹脂粒子と親和性を有するものであればよい。この点から含フッ素エラストマーが好ましい。
【0023】
マトリックスポリマーとして含フッ素エラストマーを使用する場合は、本発明のフッ素樹脂粒子を充填したときは、高温での混練や加硫においても充填剤としての特性が大きくは損なわれない。
【0024】
含フッ素エラストマーとしては、たとえば式(1):
【0025】
【化1】
Figure 0005044800
【0026】
(式中、m/n=95〜50/5〜50(モル%。以下同様)、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で示される2元共重合体エラストマー(テトラフルオロエチレン(TFE)/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)系エラストマー)、
式(2):
【0027】
【化2】
Figure 0005044800
【0028】
(式中、l/m/n=95〜35/0〜30/5〜35、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で示される3元共重合体エラストマー(TFE/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/PAVE系エラストマー)など、
式(3):
【0029】
【化3】
Figure 0005044800
【0030】
(式中、m/n=85〜60/15〜40)で示される2元共重合体エラストマー、
式(4):
【0031】
【化4】
Figure 0005044800
【0032】
(式中、l/m/n=85〜20/0〜40/15〜40)で示される3元共重合体エラストマー、
式(5):
【0033】
【化5】
Figure 0005044800
【0034】
(式中、l/m/n=95〜45/0〜10/5〜45、Z1、Z2およびZ3はそれぞれ独立してフッ素原子または水素原子、Rfは炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基)で示される3元共重合体エラストマー、または
【0035】
【化6】
Figure 0005044800
【0036】
(l/m/n=1〜80/0〜80/10〜50、Rfは前記と同じ)などがあげられる。
【0037】
より具体的には、TFE/PAVE共重合体エラストマー、ビニリデンフルオライド(VdF)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体エラストマー、VdF/HFP/TFE共重合体エラストマー、VdF/TFE/PAVE共重合体エラストマーなどがあげられ、これらのエラストマーはさらに少量の架橋性反応基を含有するモノマーが共重合されていてもよい。架橋性反応基としては、たとえばヨウ素原子、臭素原子、ニトリル基、カルボキシル基、不飽和二重結合、水酸基などがあげられる。
【0038】
これらの含フッ素エラストマーは、通常の乳化重合法で製造することができ、得られる重合反応物であるエマルションはそのまま、または適宜濃度を調整して後述する共凝析に使用することができる。または、一旦乾燥したのち再乳化分散させてもよい。
【0039】
含フッ素エラストマー以外のエラストマーとしては、たとえば水素添加ニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、シリコーンゴムなどがあげられる。
【0040】
エマルション中のエラストマー粒子の平均粒径は特に制限されず、たとえば10〜800nm、好ましくは20〜500nmである。しかし10nmよりも小さすぎると凝析しにくくなり、800nmよりも大きすぎるとエマルションが不安定となり共凝析を行ないにくくなる。
【0041】
含フッ素エラストマーと特定のフッ素樹脂粒子との混合比率は、成形品に与えたい特性などによって適宜選定すればよいが、含フッ素エラストマー100重量部に対し、フッ素樹脂粒子は補強効果を得る点から1重量部以上、好ましくは5重量部以上、また得られる架橋物のゴム加工が容易な点から150重量部以下、好ましくは100重量部以下、より好ましくは50重量部以下とすることが望ましい。
【0042】
エラストマーとフッ素樹脂粒子との組合せは、それぞれの凝析性が近似しているか否か、重合体としての親和性があるか否かなどを考慮し、目的とする機能などに合わせて選定すればよい。フッ素樹脂粒子としてTFEを主体とする共重合体が好ましいので、含フッ素エラストマーもTFEを含むエラストマーが好ましい。たとえば、TFE/PAVE系エラストマー、またはさらに少なくとも1種のフルオロモノマーを共重合させたTFE/HFP/PAVE系エラストマーなどがあげられるが、これらに限られるものではない。
【0043】
本発明のエラストマー組成物は、前記のエラストマー粒子のエマルションとフッ素樹脂粒子のエマルションを混合し共凝析することにより製造できる。共凝析は公知の凝析法にしたがって実施することができる。たとえば、エラストマー粒子のエマルションとフッ素樹脂粒子のエマルションを混合した混合液を凝析液中に滴下する方法、またはエマルション混合液中に凝析液を滴下する方法などが採用できる。
【0044】
混合エマルションの濃度は生産性などにより適宜決めればよく特に制限はないが、通常5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%である。凝析にあたって、2〜10倍に純水で希釈することも可能である。
【0045】
具体的な共凝析法としては、たとえば塩析法、酸凝析法、凍結凝析法、機械的セン断力を与えて凝析させる方法などがあげられる。
【0046】
凝析剤としては、たとえば硝酸、塩酸、硫酸などの酸;硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩などが使用でき、これらのうち重合体をクリーンに保つ点からは酸が、操作面の容易さからは金属塩が好ましい。
【0047】
共凝析して得られる凝析物は必要に応じて洗浄し、さらに熱風炉や真空乾燥機などで乾燥することにより、成形用の基礎材料として使用できる。
【0048】
本発明の含フッ素エラストマー組成物を基礎材料として使用するときには、得られる成形物に優れた耐熱性、機械的強度、耐摩耗性、透明性、成形加工性などを与えることができる。
【0049】
本発明の含フッ素エラストマー組成物に架橋剤、さらに架橋促進剤を配合することにより、架橋性の含フッ素エラストマー組成物とすることができる。
【0050】
架橋系としては含フッ素エラストマーに通常採用されている架橋系が適用でき、たとえばオキサゾール架橋系、イミダゾール架橋系、チアゾール架橋系、トリアジン架橋系、パーオキサイド架橋系、ポリオール架橋系、ポリアミン架橋系などがあげられる。また、放射線や電子線、紫外線などによる架橋も可能である。
【0051】
オキサゾール架橋系、イミダゾール架橋系、チアゾール架橋系に使用する架橋剤としては、たとえば式(I):
【0052】
【化7】
Figure 0005044800
【0053】
(式中、R1は−SO2−、−O−、−CO−、炭素数1〜6のアルキレン基、炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基または結合手であり、R2およびR3は一方が−NH2であり他方が−NH2、−OHまたは−SHである)で示されるビスアミノ(チオ)フェノール系架橋剤あるいはテトラアミン系架橋剤、式(II):
【0054】
【化8】
Figure 0005044800
【0055】
(式中、R1は前記と同じ、R4
【0056】
【化9】
Figure 0005044800
【0057】
または
【0058】
【化10】
Figure 0005044800
【0059】
)で示されるビスアミドラゾン系架橋剤、式(III)または(IV):
【0060】
【化11】
Figure 0005044800
【0061】
(式中、Rf 2は炭素数1〜10のパーフルオロアルキレン基)、
【0062】
【化12】
Figure 0005044800
【0063】
(式中、nは1〜10の整数)で示されるビスアミドキシム系架橋剤などがあげられる。
【0064】
また、必要に応じて架橋促進剤を併用してもよい。
【0065】
配合量は、含フッ素エラストマー100重量部に対して、架橋剤が0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部であり、架橋促進剤が0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜5重量部である。
【0066】
パーオキサイド架橋系で使用する架橋剤としては、たとえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどを例示できる。
【0067】
パーオキサイド架橋系の場合、架橋促進剤を使用することが望ましい。架橋促進剤としては、たとえばトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパンギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェートなどがあげられる。
【0068】
配合量は、エラストマー100重量部に対して、架橋剤が0.05〜10重量部、好ましくは1.0〜5重量部であり、架橋促進剤が0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0069】
パーオキサイド架橋系のように、架橋のために無機充填剤などを用いる必要がなく、架橋によって発色せず、いわゆる純ゴム配合で加硫物が透明性を示す場合には、透明なエラストマー成形品を提供することができる。
【0070】
本発明で得られる透明な架橋エラストマー成形品は、ヘイズ値が50%以下、好ましくは40%以下、特に30%以下の透明性を有している。
【0071】
ポリオール架橋系で使用する架橋剤としては、通常使用されるポリヒドロキシ芳香族化合物が使用でき、たとえば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(いわゆるビスフェノールA)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン(いわゆるビスフェノールAF)、レゾルシン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、4,4′−ジヒドロキシスチルベン、2,6−ジヒドロキシアントラセン、ヒドロキノン、カテコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(いわゆるビスフェノールB)、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロクロロプロパン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、3,3′,5,5′−テトラクロロビスフェノールA、3,3′,5,5′−テトラブロモビスフェノールA、またはこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩などがあげられる。
【0072】
ポリオール架橋系においても架橋促進剤を併用することが好ましい。架橋促進剤としては、アンモニウム化合物、ホスホニウム化合物、オキソニウム化合物、スルホニウム化合物などがあげられ、特に4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩が好ましい。
【0073】
配合量は、エラストマー100重量部に対して架橋剤が0.5〜5重量部であり、架橋促進剤が架橋剤100重量部に対し5〜400重量部、好ましくは10〜100重量部である。
【0074】
またポリアミン架橋系で使用する架橋剤としては、ポリアミン化合物があげられる。ポリアミン化合物としては、分子中に2個以上の塩基性窒素を結合する一級アミンまたは二級アミンであり、多くの場合はこれらを塩の形にして反応性をマイルドになるように調整したものを使用する。具体例としては、たとえばエチレンジアミンカーバメート、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、4,4′−ジアミノシクロヘキシルメタンカーバメートなどのアルキレンジアミン類などが比較的よく使用される。また、N,N′−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミンなどのシッフ塩も使用できる。そのはか、塩基性の乏しいポリアミン芳香族化合物の他の塩基性化合物と併用することにより好ましく使用できる。他の塩基性化合物としては、たとえばジフェニルグアニジン、ジ−O−トリグアニジン、ジフェニルチオウレア、2−メルカプトイミダゾリンなどのほか、合成ゴムの架橋促進剤として使用されている分子内に−NH2および/または−NH−を有する化合物、または2価の金属水酸化物などがあげられる。
【0075】
配合量は、エラストマー100重量部に対して、架橋剤が0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。
【0076】
他の添加剤としては、本発明のフッ素樹脂粒子を除く他の充填剤、顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤など公知の添加剤があげられる。
【0077】
他の充填剤としては、たとえばカーボンブラック(特に黒鉛化カーボンブラック、酸化ケイ素、酸化チタン、アルミナなどの無機充填剤;ポリイミドなどの有機充填剤などがあげられる。配合量はエラストマー100重量部に対し100重量部以下、好ましくは1〜50重量部である。
【0078】
前記架橋剤、架橋促進剤および他の有機や無機充填剤などの添加剤は、可能であれば前記共凝析時に添加してもよいが、エラストマーとフッ素樹脂微粒子との組成物を製造したのち混合してもよい。混合方法は従来公知のロールによる混練法などでよい。
【0079】
かくして得られるフッ素樹脂微粒子が微分散している架橋性エラストマー組成物を混練、架橋して架橋成形物を製造することができる。混練方法としては通常の方法、たとえばロール練り、ニーダー練りなどが採用でき、成形方法も通常の圧縮成形法、射出成形法、押出成形法、トランスファー成形法といった成形法が採用できる。成形条件は従来の条件と同じでよい。
【0080】
得られる架橋成形物は、他の充填剤が含まれていない場合は、マトリックスが透明なエラストマーの場合、その透明性を維持している。若干透明性が低下することもあるが、それでもエラストマー単独の場合の20%以上の可視光線透過率を保っている。
【0081】
本発明の成形品は耐熱性、機械的強度、後加工性、耐プラズマ性、ガスバリヤー性に優れている。また、微分散しているフッ素樹脂微粒子はマトリックスのエラストマーから脱落しにくいため、たとえば半導体製造装置のシール用部品として使用してもパーティクルを発生する恐れが少ない。
【0082】
本発明の含フッ素エラストマー組成物はその優れた特性を利用してつぎの表1、2および3に示す成形品として好適である。
【0083】
【表1】
Figure 0005044800
【0084】
【表2】
Figure 0005044800
【0085】
【表3】
Figure 0005044800
【0086】
特に具体的には次のような半導体製造装置に組み込んで用いることができる。
(1)エッチング装置
ドライエッチング装置
プラズマエッチング装置
反応性イオンエッチング装置
反応性イオンビームエッチング装置
スパッタエッチング装置
イオンビームエッチング装置
ウェットエッチング装置
アッシング装置
【0087】
(2)洗浄装置
乾式エッチング洗浄装置
UV/O3洗浄装置
イオンビーム洗浄装置
レーザービーム洗浄装置
プラズマ洗浄装置
ガスエッチング洗浄装置
抽出洗浄装置
ソックスレー抽出洗浄装置
高温高圧抽出洗浄装置
マイクロウェーブ抽出洗浄装置
超臨界抽出洗浄装置
【0088】
(3)露光装置
ステッパー
コータ・デベロッパー
【0089】
(4)研磨装置
CMP装置
【0090】
(5)成膜装置
CVD装置
スパッタリング装置
【0091】
(6)拡散・イオン注入装置
酸化拡散装置
イオン注入装置
【0092】
また、マトリックスポリマーとして溶融加工可能なフッ素樹脂を使用する場合、成形品に高強度、耐薬品性の向上などの優れた特性をバランスよく付与することができる。
【0093】
マトリックスポリマーとして使用する溶融加工可能なフッ素樹脂としては、PFA、FEP、ETFE、PCTFE、ECTFEなどがあげられ、MFR値(372℃、5kg)が0.1〜50g/10min、好ましくは5〜30g/10minのものがあげられる。
【0094】
それらの中でも、耐熱性や耐薬品性に優れる点で、パーフルオロ系樹脂が好ましい。具体的には、たとえばTFE/HFP(HFP含量5〜15モル%)、TFE/HFP/PAVE(HFP含量5〜15モル%、PAVE含量0.5〜3モル%)、TFE/PAVE(PAVE含量0.5〜8モル%)などがあげられる。
【0095】
マトリックスポリマーとしての溶融加工可能なフッ素樹脂に充填剤としての特定のフッ素樹脂粒子を均一に配合し微分散させる方法は、前記の含フッ素エラストマー組成物で説明した共凝析法が好ましく採用できる。
【0096】
充填剤としての溶融加工できないフッ素樹脂粒子は、マトリックスポリマー(溶融加工可能なフッ素樹脂)100重量部に対して1〜50重量部、特に5〜30重量部が好ましい。また、含フッ素エラストマー組成物で説明した各種添加剤も同様に使用できる。
【0097】
かかるフッ素樹脂組成物は、耐熱性、非汚染付着防止性、耐薬品性、クリーン性などを利用して、電線被覆材、薬液容器、チューブ・ホース類、ポンプのライニング材、エッチング用キャリアなどの成形品の製造に好適である。
【0098】
【実施例】
つぎに本発明を合成例および実施例をあげて説明するが、本発明はかかる合成例および実施例のみに限定されるものではない。
【0099】
合成例1(フッ素樹脂微粒子のエマルションの製造)
着火源をもたない内容積6リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水3リットルおよび乳化剤としてC37OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COONH4を30g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩0.27gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、80℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=88/12モル比)を、内圧が0.20MPaになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の2.5mg/ml濃度の水溶液4mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
【0100】
重合の進行により内圧が、0.15MPaまで降下した時点で、TFE/PMVEの混合ガス(TFE/PMVE=95/5モル比)を内圧が0.20MPaになるように窒素ガスで圧入した。以後、反応の進行にともない同様にTFE/PMVE混合ガス(95/5モル比)を圧入し、0.15〜0.20MPaの間で昇圧、降圧を繰り返した。
【0101】
重合反応の開始から4.5時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が331gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度9.7重量%のフッ素樹脂微粒子(平均粒径:44nm)のエマルションを得た。平均粒径はエマルション120mgをジメチルスルホキシド4.4gと混合し、大塚電子(株)製のLPA−3000、3100で測定した。
【0102】
このエマルションの一部を取り出し、硝酸を加えて凝析し、析出物を洗浄、乾燥して白色のフッ素樹脂微粒子を得た。このものは19F−NMR分析での組成比がTFE/PMVE=94.5/5.5(モル%)であった。
【0103】
このフッ素樹脂粒子のメルトフローレート(MFR)は荷重5kg、372℃5分間保持の条件で0.01g/10minであり、DSCで測定した初期(1strun)溶融温度は290℃であり、融点(2ndrun)は264℃であった。
【0104】
合成例2(フッ素樹脂微粒子のエマルションの製造)
合成例1において、初期単量体仕込み組成をTFE/PMVE=88/12(モル比)とし、追加単量体組成をTFE/PMVE=98/2(モル比)としたほかは同様にして、平均粒径56nmの含フッ素樹脂粒子のエマルションを製造した。このものは19F−NMR分析での組成比がTFE/PMVE=97.5/2.5(モル%)であった。
【0105】
このフッ素樹脂粒子のメルトフローレート(MFR)は荷重5kg、372℃5分間保持の条件で0.01g/10min以下であり、DSCで測定した初期(1strun)溶融温度は314℃であり、融点(2ndrun)は290℃であった。
【0106】
合成例3(フッ素樹脂微粒子のエマルションの製造)
合成例1において、初期単量体仕込み組成をTFE/PMVE=82/18(モル比)とし、追加単量体組成をTFE/PMVE=92/8(モル比)としたほかは同様にして、平均粒径46nmの含フッ素樹脂粒子のエマルションを製造した。このものは19F−NMR分析での組成比がTFE/PMVE=91.7/8.3(モル%)であった。
【0107】
このフッ素樹脂粒子のメルトフローレート(MFR)は荷重5kg、372℃5分間保持の条件で0.1g/10minであり、DSCで測定した初期(1strun)溶融温度は262℃であり、融点(2ndrun)は236℃であった。
【0108】
合成例4(含フッ素エラストマー粒子のエマルションの製造)
着火源をもたない内容積3リットルのステンレススチール製オートクレーブに、純水1リットルおよび乳化剤としてC37OCF(CF3)CF2OCF(CF3)COONH4を10g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水塩0.09gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、53℃に昇温し、テトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/PMVE=25/75モル比)を、内圧が0.78MPaになるように仕込んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の264mg/ml濃度の水溶液20mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
【0109】
重合の進行により内圧が、0.69MPaまで降下した時点で、CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2CN(CNVE)を2.2g窒素圧にて圧入した。ついで圧力が0.78MPaとなるように、TFEを4.7gおよびPMVEを5.3gそれぞれ自圧にて圧入した。以後、反応の進行にともない同様にTFEおよびPMVEを圧入し、0.69〜0.78MPaの間で昇圧、降圧を繰り返すとともに、TFEとPMVEの合計量が70gになった時点でCNVEを2.2g窒素圧にて圧入した。
【0110】
重合反応の開始から6時間後、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が130gになった時点で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度11.3重量%の含フッ素エラストマー粒子のエマルション(A−2)1160gを得た。
【0111】
このエマルションのうちの100gを水300gで希釈し、3.5重量%塩酸水溶液280g中に撹拌しながらゆっくりと添加した。添加後、さらに5分間撹拌し、得られた凝析物をろ別した。得られたエラストマー粒子をさらに200gのHCFC−141bにより洗浄し、ろ別した。HCFC−141bでの洗浄およびろ別を4回繰返したのち60℃で72時間真空乾燥して、11.2gの含フッ素エラストマーを得た。
【0112】
この含フッ素エラストマーについて19F−NMR分析により組成比を求めたところ、TFE/PMVE/CNVE=60.4/38.9/0.7(モル%)であった。
【0113】
実施例1
合成例4で得られた含フッ素エラストマー粒子のエマルションと合成例1〜3でそれぞれ得られたフッ素樹脂微粒子のエマルションを混合し(固形分比:含フッ素エラストマー/フッ素樹脂=85/15重量比)、攪拌している9%硝酸水溶液中に10分間かけて滴下して共凝析を行なった。得られた共凝析物を水洗し、乾燥して含フッ素エラストマーにフッ素樹脂微粒子が微分散したエラストマー組成物を得た。
【0114】
ついで得られたエラストマー組成物100重量部に架橋剤として2,2−ビス−[(3−アミノ−4−フェニルアミノ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン(ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス、ポリマー・ケミストリー編、Vol.20、2381〜2393(1982)記載の方法で合成した)1.75重量部を混合し、オープンロールにより40℃にて混練りして架橋性エラストマー組成物を得た。この混練の際の後述する基準でロールへの巻付き性を観察した。結果を表4に示す。
【0115】
さらに架橋性エラストマー組成物を170℃で15分間プレス架橋したのち204℃で18時間、ついで288℃で18時間オーブン架橋を行ない、架橋物を得た。この架橋物について常態物性を測定した。また、同様の架橋条件でO−リング(P−24)を製造し圧縮永久歪み(CS)を測定した。結果を表4に示す。
【0116】
(ロール巻付き性)
○:ロール表面温度が室温で充分にロールに巻きつく。
△:ロール表面温度を50℃にすると巻きつく。
×:ロール表面温度を50℃にしても巻きつかない。
【0117】
(常態物性)
JIS K6301に準じて常態(25℃)での100%モジュラス、引張強度、引張伸びおよび硬度(JIS A硬度)を測定する。
【0118】
(圧縮永久歪み)
JIS K6301に準じて275℃、25%圧縮で70時間後の圧縮永久歪み(%)を測定する。
【0119】
【表4】
Figure 0005044800
【0120】
表4に示すとおり、本発明の特定のフッ素樹脂粒子を充填剤として配合するときは、機械的物性にバランスよく優れ、しかも275℃という高温においても小さい値の圧縮永久歪みを与えることができる。
【0121】
実施例4
溶融加工可能なTFE/HFP/パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(=87.5/11.5/1.0モル比)粒子のエマルションと合成例1で得られたフッ素樹脂微粒子のエマルションを混合し(固形分比:FEP/フッ素樹脂=70/30重量比)、攪拌している9%硝酸水溶液中に10分間かけて滴下して共凝析を行なった。得られた共凝析物を水洗し、乾燥してFEPにフッ素樹脂微粒子が微分散したフッ素樹脂組成物を得た。
【0122】
このフッ素樹脂組成物を372℃にてプレス成形してシート(厚さ1mm)を製造した。このシートの機械的強度(JIS K6891)を測定したところ、引張強度は32.8MPa、引張伸びは291%であった。ついでこのシートを250℃の温度に100時間加熱した後、機械的強度を測定したところ、引張強度は33.1MPa、引張伸びは300%であり、機械的物性の低下は認められなかった。
【0123】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、機械的強度、さらには透明性などに優れる成形品を与え得る組成物を提供することができる。

Claims (7)

  1. 含フッ素エラストマーと融点が230〜300℃でかつ溶融加工ができない平均粒径が100nm以下のフッ素樹脂粒子であって、ASTM D3307に準じて327℃、5kg荷重で測定したメルトフローレートが0.005〜0.1g/10minであるフッ素樹脂粒子からなる含フッ素エラストマー組成物
  2. フッ素樹脂粒子が、テトラフルオロエチレンとテトラフルオロエチレン以外のパーフルオロオレフィンとの含フッ素共重合体粒子である請求項1記載の含フッ素エラストマー組成物
  3. 含フッ素共重合体粒子がテトラフルオロエチレン単位を90モル%以上含む請求項2記載の含フッ素エラストマー組成物
  4. テトラフルオロエチレン以外のパーフルオロエチレン単位の含有量が2〜9モル%である請求項2または3記載の含フッ素エラストマー組成物
  5. テトラフルオロエチレンと共重合するパーフルオロオレフィンが、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)である請求項2〜4のいずれかに記載の含フッ素エラストマー組成物
  6. 含フッ素エラストマーがパーフルオロエラストマーである請求項1〜5のいずれかに記載の含フッ素エラストマー組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のエラストマー組成物から成形して得られる半導体製造装置用のシール用部品。
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