JP2015151962A - バルブステムシール - Google Patents

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小野 剛
Takeshi Ono
剛 小野
柳口 富彦
Tomihiko Yanagiguchi
富彦 柳口
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Abstract

【課題】シール性はもちろんのこと、摺動性をも極めて高い水準で兼ね備えたバルブステムシールを提供する。【解決手段】バルブステムガイドの末端に配置され、エンジンのバルブステムと摺動自在に密接するシールリップ部16aを有する弾性部材16を備えたバルブステムシール11であって、前記弾性部材は、ゴム(A)及びフッ素樹脂(B)を含む組成物からなり、かつ、少なくとも前記シールリップ部の表面に線状の凸部を有しており、前記凸部の頂部にはフッ素樹脂(B)が露出していることを特徴とするバルブステムシール。【選択図】図1

Description

本発明は、バルブステムシールに関する。
自動車エンジンのエンジンバルブにおいては、バルブステム(弁軸)とバルブステムガイド(弁軸受)との摺動面に補給されるエンジンオイルの量を調整するとともに、排気ガス等をシールするためにバルブステムシールが使用されている。
特許文献1には、シール部材とバルブステムとの摺動抵抗の低減を目的として、バルブステムに外嵌されるシール部材の内周面に、ダイヤモンド状硬質炭素膜による膜層を形成する摺動部構造が開示されている。
特許文献2には、シールリップ部の内周の摺動面にフッ素樹脂膜を有するバルブステムシールが開示されている。
特許文献3では、耐久性およびシール性の向上を目的として、バルブステムオイルシール材の摺動面を含む一部または全体を熱可塑性フルオロ樹脂、フッ素ゴムおよび低分子量含フッ素重合体とする配合からなる潤滑性ゴム組成物で形成することが開示されている。
特許文献4では、フッ素ゴム(A)とフッ素樹脂(B)とを含む架橋性組成物を架橋することにより得られるフッ素ゴム成形品であって、フッ素ゴム成形品表面に凸部を有し、上記フッ素ゴム成形品表面に対する上記凸部を有する領域の面積比が0.06以上であり、上記フッ素ゴム成形品に対するフッ素樹脂(B)の体積比が0.05〜0.45であり、上記凸部を有する領域の面積比が、上記フッ素樹脂(B)の体積比の1.2倍以上であり、フッ素樹脂(B)は、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体であることを特徴とするフッ素ゴム成形品が提案されている。
特開2005−180329号公報 特開平9−68011号公報 特開平6−49438号公報 特開2012−153880号公報
本発明は、シール性はもちろんのこと、摺動性をも極めて高い水準で兼ね備えたバルブステムシールを提供することを目的とする。
本発明は、バルブステムガイドの末端に配置され、エンジンのバルブステムと摺動自在に密接するシールリップ部を有する弾性部材を備えたバルブステムシールであって、上記弾性部材は、ゴム(A)及びフッ素樹脂(B)を含む組成物からなり、かつ、少なくとも上記シールリップ部の表面に線状の凸部を有しており、上記凸部の頂部にはフッ素樹脂(B)が露出していることを特徴とするバルブステムシールである。
上記弾性部材は、曲げ弾性率が40MPa以下であることが好ましい。
上記組成物は、ゴム(A)とフッ素樹脂(B)との体積比が60/40〜99/1であることが好ましい。
本発明のバルブステムシールは、上記構成よりなることから、シール性はもちろんのこと、摺動性をも極めて高い水準で兼ね備える。
この作用効果については、後に詳述する。
図3に示した本発明のバルブステムシールの断面図である。 本発明のバルブステムシールを使用したエンジンを模式的に示す断面図である。 本発明のバルブステムシールの使用態様を模式的に示す断面図であり、図2に示すA領域の拡大図である。 実施例で使用したストローク荷重測定試験機の模式図である。 弾性部材の表面をレーザー顕微鏡で観察した写真である。 弾性部材の表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。 図6における弾性部材の表面に垂直な直線B1と直線B2を含む平面で弾性部材を切断した断面模式図である。 図6における弾性部材の表面に垂直な直線C1と直線C2を含む平面で弾性部材を切断した断面模式図である。 図6における弾性部材表面と平行な平面で凸部の底部を切断した面を示す模式図である。 実施例1−1で得られたバルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。 実施例1−2で得られたバルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。 実施例1−3で得られたバルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。 実施例1−4で得られたバルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。 実施例2で得られたバルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。 実施例3で得られたバルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。 実施例4で得られたバルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。 比較例1−1で得られたバルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。 比較例1−2で得られたバルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。 比較例2で得られたバルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。 比較例3で得られたバルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。 比較例4で得られたバルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。 特開2012−153880号公報に記載の成形体の表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像である。
本発明のバルブステムシールは、シールリップ部を有する弾性部材を備えたバルブステムシールであって、上記弾性部材は、ゴム(A)及びフッ素樹脂(B)を含む組成物からなり、かつ、少なくとも上記シールリップ部の表面に線状の凸部を有しており、前記凸部の頂部にはフッ素樹脂(B)が露出していることを特徴とする。
以下、図面を参照しながら本発明のバルブステムシールの実施形態について説明する。
図3は、本発明のバルブステムシールの使用態様を模式的に示す断面図であり、図2に示すA領域の拡大図である。図2は、本発明のバルブステムシールを使用したエンジンを模式的に示す断面図であり、図1は、図3に示したバルブステムシールの断面図である。
本発明のバルブステムシール11は、図1及び3に示すように、バルブステムガイド13の軸方向の片末端(図3参照)に取り付けられるように取付環17が設けられており、取付環17にはゴム(A)及びフッ素樹脂(B)を含む組成物からなる弾性部材16が接着されている。
弾性部材16は、バルブステム12の外周面に密接するシールリップ部16a、及び、バルブステムガイド13の外周面に密接する静止シール部16bを有している。シールリップ部16aの周囲に設けられたスプリングばね18によって、バルブステム12に対して緊迫力が付与される。
ここで、バルブステムシール11は、弾性部材16がゴム(A)及びフッ素樹脂(B)を含む組成物からなるとともに、シールリップ部16aの表面には凸部(図6参照)を有している。即ち、バルブステムシール11は、バルブステム12との接触部に凸部を有している。
そして、バルブステムシール11は、上記凸部を有するため、バルブステム12との間の摩擦係数が小さく、摺動特性に優れる。
本発明のバルブステムシールは、上記のような自動車のエンジンに用いられる自動車用バルブステムシールとして特に好適である。
上記凸部は、シールリップ部の表面に線状に形成されており、線状の凸部の稜線を形成する頂部と、頂部から凹部に向かって傾斜する傾斜面とを有する。
上記凸部は、蛇行しながら連続的に伸びていてもよく、略直線状又は波線状に連続的に伸びる領域、及び、L字形状、U字形状、V字形状又はC字形状を形成しながら連続して伸びる領域を有していてもよく、複雑な形状をとりながら連続して伸びるほうが低摩擦性及び耐摩耗性に優れる傾向にある。
上記凸部の形状について、図面を参照しながらもう少し詳しく説明する。
図5に、弾性部材(シールリップ部)の表面をレーザー顕微鏡で観察した写真を示す。図5の写真に示されるように、弾性部材の表面には線状の凸部(白色部分)が形成されている。
図6に弾性部材(シールリップ部)の表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を示す。図6において、弾性部材の表面には複数の線状の凸部511が形成されており、隣接する2つの凸部511の間には凹部512が形成されている。また、図6からわかるように、凸部の稜線は、平面から見て、略直線状又は波線状である部分と、L字形状、U字形状、V字形状又はC字形状である部分とを有している。また、凸部511は、分岐部515を有しており、分岐部515から多方向に凸部(稜線)が伸びている。
図7は、図6において、弾性部材の表面に垂直な直線B1と直線B2を含む平面で弾性部材を切断した断面を示す断面模式図である。凸部511は、頂部513と、頂部513から凹部512に向かって傾斜する傾斜面514とを有する。頂部513では、弾性部材の構成材料であるフッ素樹脂(B)が露出しており、弾性部材の非粘着性、低摩擦性及び耐摩耗性を実現する。また、図7に示されるように、凸部の断面形状は、略楕円形状又は略放物線状であり、鋭く尖った頂部を有していない。この特徴的な断面形状も、本発明のバルブステムシールが非粘着性、低摩擦性及び耐摩耗性に優れる理由の1つである。
図8は、図6において、弾性部材の表面に垂直な直線C1と直線C2を含む平面で弾性部材を切断した断面模式図である。頂部513は、一定の高さで、又は、波打つように高さを変えながら、線状の凸部511の稜線を形成している。
図9は、図6において、弾性部材表面と平行な平面で凸部の底部を切断した面(底部断面)を示す模式図である。後述する底部断面積は、この弾性部材表面と平行な平面で凸部の底部を切断した面において観察される凸部511の断面に於ける面積の値をいう。
図5〜9に示す実施態様では、弾性部材の表面に複雑な模様を描く線状の凸部を備えることから、非粘着性、低摩擦性及び耐摩耗性に優れる。
図22に特開2012−153880号公報に記載の成形体の表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を示す。この成形体も表面に凸部を有しているが、全ての凸部の形状が平面からみて略円状又は略楕円状であり、線状に伸びた凸部を一切備えていないことから、本発明のバルブステムシールが備える弾性部材に比べて摩擦係数が大きく、摩耗しやすい。
上記線状の凸部は、線方向の長さが50μm以上であることが好ましい。線方向の長さが上記範囲であることにより、本発明のバルブステムシールは、非粘着性、低摩擦性及び耐摩耗性に優れる。より好ましくは、100μm以上であり、更に好ましくは、150μm以上である。
上記線方向の長さは、カラー3Dレーザー顕微鏡(VK−9700)付属アプリケシーションソフトVK Analyzerを用い、プロファイル計測解析することで得られる値である。
上記線状の凸部は、底部最小幅が1〜25μmであることが好ましい。上記幅が上記範囲であることにより、非粘着性、低摩擦性及び耐摩耗性が優れる。より好ましくは、4〜20μmであり、更に好ましくは、6〜15μmである。
上記幅は、線方向の長さ計測と同様に、カラー3Dレーザー顕微鏡(VK−9700)付属アプリケシーションソフトVK Analyzerを用い、プロファイル計測解析することで得られる値である。
非粘着性、低摩擦性及び耐摩耗性が優れることから、上記線上の凸部の最大高さが1〜100μmであることが好ましい。より好ましくは、3〜80μmであり、更に好ましくは、5〜50μmである。
ここで、凸部の高さとは、弾性部材表面から突出した部分の高さをいう(図7中、H参照)。
上記凸部の高さは、線方向の長さ計測と同様に、カラー3Dレーザー顕微鏡(VK−9700)付属アプリケシーションソフトVK Analyzerを用い、プロファイル計測解析することで得られる値である。
本発明のバルブステムシールは、非粘着性、低摩擦性及び耐摩耗性が優れることから、シールリップ部の表面において、凸部を有する領域の面積比(凸部の占有率)が、40%以上であることが好ましい。より好ましくは、45%以上であり、更に好ましくは50%以上である。
上記凸部を有する領域の面積比は、上記凸部の底部断面積を評価する切断面において、凸部が占める面積の比率をいう。
凸部を有する領域の占有率(凸部の占有率)は、キーエンス社製、カラー3Dレーザー顕微鏡(VK−9700)を用いて、シールリップ部表面の任意の領域(270μm×202μm)を測定し、凸部の底部断面積を求め、断面積の合計の値が、測定全領域面積に占める割合である。レーザー顕微鏡の解析ソフトとしては、三谷商事株式会社製のWinRooF Ver.6.4.0を用いた。
非粘着性、低摩擦性及び耐摩耗性が優れることから、弾性部材の少なくともシールリップ部の表面には、複数の凸部が形成されており、1つの凸部の稜線と該凸部に隣接する凸部の稜線との距離(図7中のL参照)が3〜50μmであることが好ましい。複数の凸部はお互いに不規則な方向に伸びていることが好ましい。上記隣接する凸部の稜線との距離は、5〜40μmであることがより好ましく、10〜30μmであることが更に好ましい。
上記隣接する凸部の稜線との距離は、カラー3Dレーザー顕微鏡(VK−9700)付属アプリケシーションソフトVK Analyzerを用い、プロファイル計測解析することで得られる値である。
上記線状の凸部は、必ずしも一本の線を形成するように伸びている必要はなく、分岐部を有し、該分岐部から多方向に伸びる複数の線を形成するように伸びていてもよい。
上記弾性部材は、線状の凸部が連結していてもよいし、交差していてもよい。
ある2つの線状の凸部を見たとき、2つの線状の凸部は交差していないが、1つの線状の凸部の延長線が、もう一つの線状の凸部と交差している形状も好ましい。
上記線状の凸部は、頂部にフッ素樹脂(B)が露出しているものである。フッ素樹脂(B)は、ゴム(A)に比べ格段に摩擦係数が低いので、ゴム(A)と比較して格段に低摩擦性が向上する。このような凸部は、例えば後述するような方法により、上記組成物に含まれるフッ素樹脂(B)を表面に析出させて形成することが出来る。
ここで、例えば、凸部の頂部にフッ素樹脂(B)が露出していることは、成形シート面をIR分析することで、フッ素樹脂(B)由来のピークを検出することで確認ができる。
本発明のバルブステムシールにおいて、上記凸部は少なくともシールリップ部の表面に形成されていればよく、シールリップ部の表面のみに形成されていても良いし、弾性部材の全表面に形成されていてもよい。
即ち、本発明のバルブステムシールにおいては、バルブステムとの接触部に凸部が形成されていれば良いのである。
なお、本発明のバルブステムシールの全体の形状は、図1、3に示した形状に限定されるわけではなく、エンジンの設計に応じて、適宜選択すればよい。従って、バルブステムシールのシールリップ部の形状は図の限りでない。
また、本発明のバルブステムシールは、シールリップ部を有する弾性部材を備えていればよく、取付環及びスプリングばねのそれぞれは、バルブステムシールの設計によっては、必ずしも備えていなくてもよい。
本発明のバルブステムシールを構成する弾性部材は、ゴム(A)及びフッ素樹脂(B)を含む組成物からなる成形体である。
ゴム(A)
上記ゴム(A)は、ゴム弾性を有する非晶質の重合体からなるものである。
上記ゴム(A)は、加工性が良好な点から、ムーニー粘度(ML1+10(100℃))が5〜140であることが好ましく、10〜120であることがより好ましく、20〜100であることが更に好ましい。
上記ムーニー粘度(ML1+10(100℃))は、ASTM D1646に準拠して測定される値である。
上記ゴム(A)としては、例えば、フッ素ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)又はその水素化物(HNBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)等のジエン系ゴム、エチレン−プロピレン−ターモノマー共重合体ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、エピクロルヒドリンゴム、アクリルゴム(ACM)等が挙げられる。
耐熱性が優れることから、上記ゴム(A)は、フッ素ゴム(A1)、NBR、HNBR及びACMからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、非粘着性及び低摩擦性が優れることから、上記ゴム(A)は、フッ素ゴム(A1)であることが好ましい。
(A1)フッ素ゴム
上記フッ素ゴム(A1)は、通常、主鎖を構成する炭素原子に結合しているフッ素原子を有し且つゴム弾性を有する非晶質の重合体からなる。上記フッ素ゴムは、1種の重合体からなるものであってもよいし、2種以上の重合体からなるものであってもよい。
上記フッ素ゴム(A1)としては、例えばテトラフルオロエチレン(TFE)、フッ化ビニリデン(VdF)及び式(1):
CF=CF−R (1)
(式中、R は−CF又はOR (R は炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基))で表されるパーフルオロエチレン性不飽和化合物(例えばヘキサフルオロプロピレン(HFP)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)等)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の単量体に由来する構造単位を含むことが好ましい。
上記フッ素ゴム(A1)としては、フッ化ビニリデン(VdF)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン(Pr)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(TFE)/プロピレン(Pr)/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン(Et)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)系フッ素ゴム、エチレン(Et)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/ビニリデンフルオライド(VdF)系フッ素ゴム、エチレン(Et)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)/テトラフルオロエチレン(TFE)系フッ素ゴム、フルオロシリコーン系フッ素ゴム、フルオロホスファゼン系フッ素ゴム、TFE/PAVE系フッ素ゴム等が挙げられ、これらをそれぞれ単独で、又は本発明の効果を損なわない範囲で任意に組み合わせて用いることができる。
上記TFE/PAVE系フッ素ゴムの組成は、(50〜90)/(50〜10)(モル%)であることが好ましく、より好ましくは、(50〜80)/(50〜20)(モル%)であり、更に好ましくは、(55〜75)/(45〜25)(モル%)である。この場合のPAVEとしては、例えばPMVE、PPVE等が挙げられ、これらをそれぞれ単独で、又は任意に組み合わせて用いることができる。
上記TFE/プロピレン(Pr)系フッ素ゴムとは、TFE45〜70モル%、プロピレン(Pr)55〜30モル%からなる含フッ素共重合体をいう。これら2成分に加えて、特定の第3成分(例えばPAVE)をTFE単位及びプロピレン単位の合計に対し0〜40モル%含んでいてもよい。
エチレン(Et)/HFP共重合体としては、Et/HFPの組成が、(35〜80)/(65〜20)(モル%)であることが好ましく、(40〜75)/(60〜25)(モル%)がより好ましい。
Et/HFP/TFE共重合体は、Et/HFP/TFEの組成が、(35〜75)/(25〜50)/(0〜15)(モル%)であることが好ましく、(45〜75)/(25〜45)/(0〜10)(モル%)がより好ましい。
上記VdF系フッ素ゴムは、少なくともVdFに由来する重合単位(VdF単位)を含むフッ素ゴムである。VdF単位を含む共重合体としては、VdF単位及び含フッ素エチレン性単量体由来の共重合単位(但し、VdF単位は除く。)を含む共重合体であることが好ましい。VdF単位を含む共重合体は、更に、VdF及び含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体由来の共重合単位を含むことも好ましい。
上記VdF系フッ素ゴムは、VdF繰り返し単位の含有量が、VdF繰り返し単位とその他の共単量体に由来する繰り返し単位との合計モル数に対し20モル%以上が好ましく、40モル%以上がより好ましく、45モル%以上が更に好ましく、50モル%以上が更により好ましく、55モル%以上が特に好ましく、60モル%以上が最も好ましい。VdF繰り返し単位の含有量はまた、VdF繰り返し単位とその他の共単量体に由来する繰り返し単位との合計モル数に対し90モル%以下が好ましく、85モル%以下がより好ましく、80モル%以下が更に好ましく、78モル%以下が更により好ましい。
また、上記その他の共単量体に由来する繰り返し単位の含有量は、VdF繰り返し単位とその他の共単量体に由来する繰り返し単位との合計モル数に対し10モル%以上が好ましく、15モル%以上がより好ましく、20モル%以上が更に好ましく、22モル%以上が更により好ましく、25モル%以上が特に好ましく、30モル%以上が最も好ましい。その他の共単量体に由来する繰り返し単位の含有量はまた、VdF繰り返し単位とその他の共単量体に由来する繰り返し単位との合計モル数に対し80モル%以下が好ましく、60モル%以下がより好ましく、55モル%以下が更に好ましく、50モル%以下が更により好ましく、45モル%以下が特に好ましく、40モル%以下が最も好ましい。
上記VdF系フッ素ゴムにおける共単量体としてはVdFと共重合可能であれば特に限定されず、例えば、TFE、HFP、PAVE、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニル、ヨウ素含有フッ素化ビニルエーテル、下記一般式(2):
CH=CFR (2)
(式中、Rは炭素数1〜12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基)で表される含フッ素単量体等のフッ素含有単量体;エチレン(Et)、プロピレン(Pr)、アルキルビニルエーテル等のフッ素非含有単量体、架橋性基(キュアサイト)を与える単量体、及び、反応性乳化剤等が挙げられ、これらの単量体や化合物のなかから1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)が好ましく、特にPMVEが好ましい。
また、上記共単量体として、下記一般式:
CF=CFOCFORf
(式中、Rfは炭素数1〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロアルキル基、炭素数5〜6の環式パーフルオロアルキル基、または、1〜3個の酸素原子を含む炭素数2〜6の直鎖又は分岐状パーフルオロオキシアルキル基である)で表されるパーフルオロビニルエーテルを用いてもよく、例えば、CF=CFOCFOCF、CF=CFOCFOCFCF、又は、CF=CFOCFOCFCFOCFを用いることが好ましい。
上記一般式(2)で表される含フッ素単量体(2)としては、Rが直鎖のフルオロアルキル基である単量体が好ましく、Rが直鎖のパーフルオロアルキル基である単量体がより好ましい。Rの炭素数は1〜6であることが好ましい。上記一般式(2)で表される含フッ素単量体としては、CH=CFCF、CH=CFCFCF、CH=CFCFCFCF、CH=CFCFCFCFCF等が挙げられ、なかでも、CH=CFCFで示される2,3,3,3−テトラフルオロプロピレンが好ましい。
上記VdF系フッ素ゴムとしては、VdF/HFP共重合体、VdF/TFE/HFP共重合体、VdF/CTFE共重合体、VdF/CTFE/TFE共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体、VdF/TFE/プロピレン(Pr)共重合体、VdF/エチレン(Et)/HFP共重合体及びVdF/式(2)で表される含フッ素単量体(2)の共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体が好ましい。
このなかでも、耐熱性、圧縮永久ひずみ、加工性、コストの点から、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、及び、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、VdF/HFP共重合体、及び、VdF/HFP/TFE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましい。
VdF/HFP共重合体は、VdF/HFPの組成が、(45〜85)/(55〜15)(モル%)であることが好ましく、より好ましくは(50〜80)/(50〜20)(モル%)であり、更に好ましくは(60〜80)/(40〜20)(モル%)である。
VdF/TFE/HFP共重合体は、VdF/TFE/HFPの組成が(30〜80)/(4〜35)/(10〜35)(モル%)のものが好ましい。
VdF/PAVE共重合体としては、VdF/PAVEの組成が(65〜90)/(35〜10)(モル%)のものが好ましい。
VdF/TFE/PAVE共重合体としては、VdF/TFE/PAVEの組成が(40〜80)/(3〜40)/(15〜35)(モル%)のものが好ましい。
VdF/HFP/PAVE共重合体としては、VdF/HFP/PAVEの組成が(65〜90)/(3〜25)/(3〜25)(モル%)のものが好ましい。
VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体としては、VdF/HFP/TFE/PAVEの組成が(40〜90)/(0〜25)/(0〜40)/(3〜35)(モル%)のものが好ましく、(40〜80)/(3〜25)/(3〜40)/(3〜25)(モル%)のものがより好ましい。
VdF/式(2)で表される含フッ素単量体(2)系共重合体としては、VdF/含フッ素単量体(2)単位のモル%比が85/15〜20/80であり、VdF及び含フッ素単量体(2)以外の他の単量体単位が全単量体単位の0〜50モル%のものが好ましく、VdF/含フッ素単量体(2)単位のモル%比が80/20〜20/80であることがより好ましい。またVdF/含フッ素単量体(2)単位のモル%比が85/15〜50/50であり、VdF及び含フッ素単量体(2)以外他の単量体単位が全単量体単位の1〜50モル%であるものも好ましい。VdF及び含フッ素単量体(2)以外の他の単量体としては、TFE、HFP、PMVE、パーフルオロエチルビニルエーテル(PEVE)、PPVE、CTFE、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブテン、フッ化ビニル、エチレン(Et)、プロピレン(Pr)、アルキルビニルエーテル、架橋性基を与える単量体、及び、反応性乳化剤等の、上記VdFの共単量体として例示した単量体が好ましく、なかでもPMVE、CTFE、HFP、TFEであることがより好ましい。
上記フッ素ゴム(A1)は、中でも、VdF系フッ素ゴム、TFE/Pr系フッ素ゴム、TFE/Pr/VdF系フッ素ゴムが、耐熱老化性、耐油性が良好な点からより好適であり、弾性部材の機械物性に優れることから、VdF系フッ素ゴムが更に好ましい。
上記フッ素ゴム(A1)は、架橋性基を与えるモノマー由来の共重合単位を含む共重合体からなることも好ましい。架橋性基を与えるモノマーとしては、例えば特公平5−63482号公報、特開平7−316234号公報に記載されているようなパーフルオロ(6,6−ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)やパーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などのヨウ素含有モノマー、特表平4−505341号公報に記載されている臭素含有モノマー、特表平4−505345号公報、特表平5−500070号公報に記載されているようなシアノ基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、アルコキシカルボニル基含有モノマーなどが挙げられる。
上記フッ素ゴム(A1)は、主鎖末端にヨウ素原子又は臭素原子を有するフッ素ゴムであることも好ましい。主鎖末端にヨウ素原子又は臭素原子を有するフッ素ゴムは、実質的に無酸素下で、水媒体中でハロゲン化合物の存在下に、ラジカル開始剤を添加してモノマーの乳化重合を行うことにより製造できる。使用するハロゲン化合物の代表例としては、例えば、一般式:
Br
(式中、x及びyはそれぞれ0〜2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、Rは、炭素数1〜16の飽和若しくは不飽和のフルオロ炭化水素基、炭素数1〜16の飽和若しくは不飽和のクロロフルオロ炭化水素基、炭素数1〜3の炭化水素基、又は、ヨウ素原子若しくは臭素原子で置換されていてもよい炭素数3〜10の環状炭化水素基であり、これらは酸素原子を含んでいてもよい)で表される化合物が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、例えば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,5−ジヨード−2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカン、1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨード−n−プロパン、CFBr、BrCFCFBr、CFCFBrCFBr、CFClBr、BrCFCFClBr、CFBrClCFClBr、BrCFCFCFBr、BrCFCFBrOCF、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン、1−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブタン、2−ブロモ−3−ヨードパーフルオロブタン、3−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、2−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ベンゼンのジヨードモノブロモ置換体、並びに、ベンゼンの(2−ヨードエチル)及び(2−ブロモエチル)置換体などが挙げられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合わせて使用することもできる。
これらのなかでも、重合反応性、架橋反応性、入手容易性などの点から、1,4−ジヨードパーフルオロブタン又はジヨードメタンを用いるのが好ましい。
上記フッ素ゴムは、乳化重合、懸濁重合、溶液重合等の常法により製造することができる。特にヨウ素(臭素)移動重合として知られるヨウ素(臭素)化合物を使用した重合法によれば、分子量分布が狭いフッ素ゴムを製造できる。上記重合において、温度、圧力などの各条件、重合開始剤、乳化剤やその他の添加剤は、非パーフルオロフッ素ゴム及びパーフルオロフッ素ゴムの組成や量に応じて適宜設定することができる。特開2009−52034号公報、国際公開第2008/001895号パンフレットに開示されている製造方法によりフッ素ゴム(A1)を製造することができる。
上記重合開始剤としては、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート(IPP)、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート(NPP)等のパーオキシカーボネート類に代表される油溶性ラジカル重合開始剤や、例えば、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸、過リン酸、過炭酸のアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩等の水溶性ラジカル重合開始剤等を使用できる。
上記乳化剤としては、たとえば、重合中におこる乳化剤分子への連鎖移動反応を抑制する観点から、フルオロカーボン鎖またはフルオロポリエーテル鎖を有するカルボン酸の塩類が好ましい。
具体的には、たとえば、パーフルオロオクタン酸アンモニウム、CF(CFCOONH(n=2〜8)、CHF(CFCOONH(n=6〜8)、COCF(CF)CFOCF(CF)COONH、CH=CFCFOCF(CF)CFOCF(CF)COONHなどが挙げられる。
フッ素樹脂(B)
上記フッ素樹脂(B)は、溶融加工性のフッ素樹脂であることが好ましい。溶融加工性のフッ素樹脂を用いることによって、より優れた低摩擦性、非粘着性及び耐磨耗性を有する弾性部材を得ることができる。また、表面に線状の凸部を有する弾性部材を得ることができる。このような線状の凸部を有する弾性部材は、より優れた低摩擦性、非粘着性及び耐磨耗性を備えるものとなる。更に、ゴム(A)とフッ素樹脂(B)とがより一体的に形成されるため、耐久性も向上する。
上記フッ素樹脂(B)は、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、フッ化ビニリデン〔VdF〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、フッ化ビニル〔VF〕、へキサフルオロプロピレン〔HFP〕、へキサフルオロイソブテン〔HFIB〕、CH=CX(CF(式中、XはH又はF、XはH、F又はCl、nは1〜10の整数である。)で示される単量体、CF=CF−ORf(式中、Rfは、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、及び、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは、炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体、トリフルオロエチレン、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、ヨウ素含有フッ素化ビニルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の含フッ素単量体に基づく重合単位を有することが好ましい。フッ素樹脂(B)は、フッ素非含有単量体として、エチレン〔Et〕、プロピレン〔Pr〕、及び、アルキルビニルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種の単量体に基づく重合単位を有していてもよい。
フッ素樹脂(B)は、TFE、HFP、PAVE、CTFE、VdF及びVFからなる群より選択される少なくとも1種の単量体に基づく重合単位を含む共重合体であることがより好ましい。フッ素樹脂(B)は、フッ素非含有単量体として、Etに基づく重合単位を有する共重合体であることも好ましい。
本明細書において、上記「重合単位」は、含フッ素ポリマー(a)の分子構造上の一部分であって、対応する単量体に基づく部分を意味する。
フッ素樹脂(B)は、TFE/HFP共重合体〔FEP〕、TFE/PAVE共重合体〔PFA〕、Et/TFE共重合体、Et/TFE/HFP共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン〔PCTFE〕、CTFE/TFE共重合体、Et/CTFE共重合体、ポリフッ化ビニリデン〔PVdF〕、TFE/VdF共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、VdF/HFP共重合体、及び、ポリフッ化ビニル〔PVF〕からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。また、溶融加工性であれば、低分子量のポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕も用いることも可能である。
なお、本明細書中で、上述のように、「TFE/HFP共重合体」と記載する場合には、TFEに基づく重合単位(TFE単位)と、HFPに基づく重合単位(HFP単位)とを含む共重合体であることを意味する。他の共重合体についても同様である。
上記PFAにおけるPAVEとしては、炭素数1〜6のアルキル基を有するものが好ましく、PMVE、PEVE又はPPVEがより好ましい。上記PFAは、PAVE単位が2質量%を超え、5質量%以下であることが好ましく、2.5〜4.0質量%であることがより好ましい。
上記PFAは、それぞれ上述の組成を有するものであれば、更に、その他の単量体を重合させたものであってよい。上記その他の単量体として、例えば、HFPが挙げられる。上記その他の単量体は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記PFAと重合させるその他の単量体は、その種類によって異なるが、通常、PFAの質量の1質量%以下であることが好ましい。より好ましい上限は0.5質量%であり、更に好ましい上限は0.3質量%である。
上記Et/TFE共重合体は、Et単位:TFE単位のモル比が20:80〜80:20であるものが好ましい。Et単位の含有量が20:80未満であると、生産性が悪い場合があり、Et単位の含有量が80:20を超えると、耐食性が悪化する場合がある。より好ましくは、Et単位:TFE単位のモル比が35:65〜55:45である。Et/TFE共重合体は、TFEに基づく重合単位と、Etに基づく重合単位とを含む共重合体であり、他の含フッ素単量体に基づく重合単位を有していてもよい。
上記Et/TFE共重合体は、単量体成分として、Et単位及びTFE単位以外に、その他の含フッ素単量体、及び、フッ素を全く含まない単量体からなる群より選択される少なくとも1種の単量体に基づく単量体単位を有するものであることも好ましい形態の一つである。上記その他の含フッ素単量体としては、エチレン及びTFEの両方に付加し得るものであれば特に限定されないが、炭素数3〜10の含フッ素ビニルモノマーが使用しやすく、例えば、ヘキサフルオロイソブチレン、CH=CFCH、HFP等が挙げられる。中でも、下記一般式:
CH=CH−Rf
(式中、Rfは炭素数4〜8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表される含フッ素ビニルモノマーであることが好ましい。また、フッ素を全く含まない単量体としては、下記一般式:
CH=CH−R
(式中、Rは、特に炭素数は限定されず、芳香環を含んでいても良く、カルボニル基、エステル基、エーテル基、アミド基、シアノ基、水酸基、エポキシ基を含んでいてもよい。Rは、フッ素を含まない。)で表されるビニルモノマーであってもよい。
また、Et/TFE共重合体は、Et/TFE/HFP共重合体(EFEP)であることも好ましい形態の一つであり、さらに他の含フッ素単量体(HFPを除く。)、あるいは、フッ素を全く含まない単量体に基づく単量体単位を有するものであってもよい。上記エチレンとTFE以外の単量体は、上記エチレンとTFEとからなる共重合体の単量体成分全体の10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。Et単位:TFE単位:その他の含フッ素単量体、あるいは、フッ素を全く含まない単量体に基づく単量体単位のモル比としては、31.5〜54.7:40.5〜64.7:0.5〜10であることが好ましい。
上記PCTFEは、重合単位が実質的にCTFE単位のみからなる重合体である。
上記CTFE/TFE共重合体は、CTFE単位とTFE単位とのモル比がCTFE:TFE=2:98〜98:2であることが好ましく、5:95〜90:10であることがより好ましく、20:80〜90:10であることが更に好ましい。
上記CTFE/TFE共重合体は、CTFE、TFE、並びに、CTFE及びTFEと共重合可能な単量体からなる共重合体であることも好ましい。CTFE及びTFEと共重合可能な単量体としては、エチレン、VdF、HFP、CH=CX(CF(式中、XはH又はF、XはH、F又はCl、nは1〜10の整数である。)で示される単量体、PAVE、及び、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられ、なかでも、エチレン、VdF、HFP及びPAVEからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、PAVEであることがより好ましい。PAVEとしては、上述したものが挙げられる。CTFE単位とTFE単位とCTFE及びTFEと共重合可能な単量体単位とのモル比は、CTFE単位及びTFE単位の合計の単量体単位:CTFE及びTFEと共重合可能な単量体単位=90〜99.9:10〜0.1であることが好ましい。
上記Et/CTFE共重合体は、Et単位とCTFE単位とのモル比がCTFE:Et=30:70〜70:30であることが好ましく、40:60〜60:40であることがより好ましい。
上記PVdFは、重合単位が実質的にVdF単位のみからなる重合体である。
VdF/HFP共重合体としては、VdF/HFPのモル比が45〜85/55〜15であるものが好ましく、より好ましくは50〜80/50〜20であり、さらに好ましくは60〜80/40〜20である。VdF/HFP共重合体は、VdFに基づく重合単位と、HFPに基づく重合単位とを含む共重合体であり、他の含フッ素単量体に基づく重合単位を有していてもよい。例えば、VdF/HFP/TFE共重合体であることも好ましい形態の一つである。
VdF/HFP/TFE共重合体としては、VdF/HFP/TFEのモル比が40〜80/10〜35/10〜25のものが好ましい。なお、VdF/HFP/TFE共重合体は、樹脂である場合もあるし、エラストマーである場合もあるが、上記組成範囲を有する場合、通常樹脂である。
上記PVFは、重合単位が実質的にVF単位のみからなる重合体である。
上記低分子量のPTFEは、数平均分子量が60万以下であることが好ましい。S.Wuの方法(Polymer Engineering&Science,1988, Vol.28,538、同1989,Vol.29,273)に準処して数平均分子量を求めることができる。
上記低分子量のPTFEは、TFE単独重合体であってもよいし、変性PTFEであってもよい。本明細書において、上記「変性PTFE」とは、得られる共重合体に溶融加工性を付与しない程度の少量の共単量体(変性剤)をTFEと共重合してなるものを意味する。
上記変性PTFEにおける変性剤としてはTFEとの共重合が可能なものであれば特に限定されず、例えば、HFP等のパーフルオロオレフィン;CTFE等のクロロフルオロオレフィン;トリフルオロエチレン、VdF等の水素含有フルオロオレフィン;パーフルオロビニルエーテル;パーフルオロブチルエチレン等のパーフルオロアルキルエチレン;エチレン等が挙げられる。また、用いる変性剤は1種であってもよいし、複数種であってもよい。
変性剤として用いられるパーフルオロビニルエーテルとしては特に限定されず、例えば、下記一般式(I):
CF=CF−ORf (I)
(式中、Rfは、パーフルオロ有機基を表す。)で表されるパーフルオロ不飽和化合物等が挙げられる。本明細書において、上記「パーフルオロ有機基」とは、炭素原子に結合する水素原子が全てフッ素原子に置換されてなる有機基を意味する。上記パーフルオロ有機基は、エーテル酸素を有していてもよい。
変性剤として用いられるパーフルオロビニルエーテルとしては、例えば、上記一般式(I)において、Rfが炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基を表すものであるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕が好ましい。上記パーフルオロアルキル基の炭素数は、1〜5であることがより好ましい。
上記変性PTFEにおいて上記変性剤が上記変性剤とTFEとの全体量に占める割合(質量%)としては、通常、1質量%以下が好ましく、0.001〜1質量%がより好ましい。0.001質量%以上1質量%未満であることも好ましい。
フッ素樹脂(B)の融点は、140〜340℃であることが好ましく、160〜320℃であることがより好ましく、180〜300℃であることが更に好ましい。フッ素樹脂(B)の融点が、140℃未満であると、架橋成形時にブリードアウトする傾向があり、340℃を超えると、弾性部材のシールリップ部の表面に線上の凸部を形成するのが困難になる傾向がある。
上記融点は、示差走査熱量計〔DSC〕を用いて10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度である。
フッ素樹脂(B)は、372℃におけるメルトフローレート〔MFR〕が0.3〜300g/10分であることが好ましい。MFRが小さすぎると低摩擦性や非粘着性に劣るおそれがあり、MFRが大きすぎると耐摩耗性に劣るおそれがある。
上記MFRは、ASTM D 1238に準拠し、温度372℃、荷重5kgで測定して得られる値である。
非粘着性、低摩擦性及び耐摩耗性が優れることから、上記フッ素樹脂(B)は、TFE/HFP共重合体、すなわち、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位と、ヘキサフルオロプロピレンに基づく重合単位と、からなる共重合体(FEP)であることが好ましい。FEPは、弾性部材の摩擦係数低減効果が良好な点から好ましい。FEPは、とりわけ弾性部材の耐熱性が優れたものとなり、優れた燃料バリア性が発現する点でも好ましい。
FEPとしては、TFE単位70〜99モル%及びHFP単位1〜30モル%からなる共重合体であることが好ましく、TFE単位80〜97モル%及びHFP単位3〜20モル%からなる共重合体であることがより好ましい。TFE単位が70モル%未満では機械物性が低下する傾向があり、99モル%をこえると融点が高くなりすぎ成形性が低下する傾向がある。
FEPは、TFE、HFP、並びに、TFE及びHFPと共重合可能な単量体からなる共重合体であってもよく、当該単量体としては、CF=CF−ORf(式中、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、CX=CX(CF(式中、X、X及びXは、同一若しくは異なって、水素原子又はフッ素原子を表し、Xは、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表し、nは2〜10の整数を表す。)で表されるビニル単量体、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられ、なかでも、PAVEであることが好ましい。
上記PAVEとしては、PMVE、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕、PPVE、及び、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、なかでも、PMVE、PEVE及びPPVEからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体としては、Rf7が炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であるものが好ましく、CF=CF−OCH−CFCFがより好ましい。
FEPは、TFE及びHFPと共重合可能な単量体に由来する単量体単位を有する場合、TFE及びHFPと共重合可能な単量体に由来する単量体単位が0.1〜10モル%であり、TFE単位及びHFP単位が合計で90〜99.9モル%であることが好ましい。共重合可能な単量体単位が0.1モル%未満であると成形性、耐環境応力割れ性及び耐ストレスクラック性に劣りやすく、10モル%をこえると薬液低透過性、耐熱性、機械特性、生産性などに劣る傾向にある。
上記ゴム(A)及びフッ素樹脂(B)を含む組成物は、珪酸塩を含むものであることが好ましい。本発明のバルブステムシールは、後述するように、未架橋のゴム(A)とフッ素樹脂(B)と珪酸塩とを含む架橋性組成物を架橋することにより得ることができる。
珪酸塩としては、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム等が挙げられる。
珪酸塩は、無水物であってもよし、水和物であってもよい。また、珪酸塩としては、二酸化ケイ素と金属酸化物とからなるものであれば、組成は限定されず、例えば、メタ珪酸塩、オルト珪酸塩、二珪酸塩、四珪酸塩等であってよい。また、液体珪酸塩であってもよく、例えば、1号珪酸ナトリウム、1号珪酸リチウム等が挙げられる。1号珪酸ナトリウムは、JIS K1408で規定されている。
珪酸塩としては、メタ珪酸ナトリウム(NaSiO)及びメタ珪酸ナトリウムの水和物が好ましく、メタ珪酸ナトリウムの水和物がより好ましい。
非粘着性、低摩擦性及び耐摩耗性が優れることから、上記珪酸塩は、上記ゴム(A)及びフッ素樹脂(B)の合計100質量部に対して、0.02質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがより好ましく、0.5質量部以上であることが更に好ましい。
上限は特に設けないが、多すぎると組成物中の珪酸化合物の分散不良が懸念され、機械物性が損なわれるおそれがあることから、上記珪酸塩は、上記ゴム(A)及びフッ素樹脂(B)の合計100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることがより好ましく、10質量部以下であることが更に好ましく、5質量部以下であることが特に好ましい。
珪酸塩が珪酸ナトリウムまたはその水和物である場合、珪酸ナトリウムまたはその水和物の組成は、NaOとSiOとHOに換算した質量割合(%)で表され、NaOが0.5〜95質量%、SiOが5〜99質量%、HOが0〜94.5質量%であることが好ましい。
上記珪酸塩が珪酸カリウムの水和物である場合、珪酸カリウムの水和物の組成は、KOとSiOとHOに換算した質量割合(%)で表されるが、KOが5〜30質量%、SiOが15〜35質量%、HOが35〜80質量%であることが好ましい。
上記珪酸塩が珪酸リチウムの水和物である場合、珪酸リチウムの水和物の組成は、LiOとSiOとHOに換算した質量割合(%)で表されるが、LiOが0.5〜10質量%、SiOが15〜25質量%、HOが65〜84.5質量%であることが好ましい。
上記ゴム(A)及びフッ素樹脂(B)を含む組成物は、必要に応じてゴム中に配合される通常の配合剤、例えば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、安定剤、接着助剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤などの各種添加剤を含むものであってもよい。これらの添加剤、配合剤は、本発明の効果を損なわない範囲で使用すればよい。
本発明のバルブステムシールは、少なくともシールリップ部の表面に線状の凸部を有する弾性部材を備えており、上記凸部の頂部にはフッ素樹脂(B)が露出しているものである。本発明のバルブステムシールは、上記特定の凸部を有するものであることによって、優れた非粘着性、低摩擦性及び耐摩耗性を有する。
上記ゴム(A)及びフッ素樹脂(B)を含む組成物は、ゴム(A)とフッ素樹脂(B)との体積比(ゴム(A))/(フッ素樹脂(B))が60/40〜99/1であることが好ましい。フッ素樹脂(B)が少なすぎると摩擦係数低減の効果が充分に得られないおそれがあり、一方、フッ素樹脂(B)が多すぎると、ゴム弾性が著しく損なわれる恐れがある。柔軟性と低摩擦性の両方が良好な点から、(ゴム(A))/(フッ素樹脂(B))は、65/35〜97/3であることがより好ましく、70/30〜95/5であることが更に好ましい。
本発明のバルブステムシールは、弾性部材の曲げ弾性率が40MPa以下であることが好ましい。曲げ弾性率が40MPa以下であることにより、優れた柔軟性を有する弾性部材となる。上記曲げ弾性率は、30MPa以下であることがより好ましく、20MPa以下であることが更に好ましい。曲げ弾性率の下限は特に限定されない。
上記曲げ弾性率は、ASTM D790に準拠した方法で測定した値である。
本発明のバルブステムシールは、弾性部材が上記線状の凸部を表面に有するものであるが、線状以外の凸部(例えば、点状の凸部)が併存していてもよい。
上記バルブステムシールを構成する取付環やスプリングばねとしては、例えば、従来公知のものを使用することができる。
次に、本発明のバルブステムシールの製造方法について説明する。
本発明のバルブステムシールは、未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)と珪酸塩とを含む架橋性組成物を架橋することにより得ることができる。特に、本発明のバルブステムシールは、後述する製造方法により得られるものであることが好ましい。
本発明のバルブステムシールは、
(I)フッ素樹脂(B)と未架橋ゴム(a)と珪酸塩とを混合して架橋性組成物を得る混合工程、
(II)得られた架橋性組成物を成形架橋する成形架橋工程、および
(III)得られた架橋成形品をフッ素樹脂(B)の融点以上の温度に加熱する熱処理工程
を含む方法により、所定の形状の弾性部材を製造し、さらに、必要に応じて、取付環を内蔵させたり、スプリングばねを配設することにより製造することができる。
未架橋ゴムは、架橋前のゴムである。
(I)混合工程
上記架橋性組成物を得る方法は、未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)と珪酸塩とを均一に混合できる方法を用いれば特に制限はないが、例えば、
未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)の各々を単独で凝析した粉末と珪酸塩と、必要に応じて他の添加剤や配合剤と、を粉末混合する方法、
未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)と珪酸塩とを溶融混練する、又は、未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)とを溶融混練してプレコンパウンド(予備混合物)を調製し、ついで、珪酸塩、必要に応じて他の添加剤や配合剤を添加して架橋温度未満で混練してフルコンパウンド(架橋性組成物)とする方法、
未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)とを共凝析して共凝析組成物を得た後、共凝析組成物と、珪酸塩と、必要に応じて他の添加剤や配合剤と、を混練りすることにより架橋性組成物を得る方法、
等により得ることができる。中でも、未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)と珪酸塩とを溶融混練する、又は、未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)とを溶融混練してプレコンパウンド(予備混合物)を調製し、ついで、珪酸塩、必要に応じて他の添加剤や配合剤を添加して架橋温度未満で混練してフルコンパウンド(架橋性組成物)とする方法、若しくは、未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)とを共凝析して共凝析組成物を得た後、共凝析組成物と、珪酸塩と、必要に応じて他の添加剤や配合剤と、を混練りすることにより架橋性組成物を得る方法が好ましい。
上記架橋性組成物が珪酸塩を含むことによって、少なくともシールリップ部の表面に上記線状の凸部を有する弾性部材を備えたバルブステムシールを得ることができる。
上記珪酸塩としては、上述した組成物が含む珪酸塩として説明したものが好適に使用できる。
以下に、溶融混練と共凝析について説明する。
(溶融混練)
溶融混練は、少なくとも未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)とを、フッ素樹脂(B)の融点より5℃低い温度以上の温度、好ましくはフッ素樹脂(B)の融点以上の温度で行う。加熱温度の上限は、未架橋ゴム(a)又はフッ素樹脂(B)のいずれか低い方の熱分解温度未満である。
溶融混練は、その温度で架橋を引き起こす条件(架橋剤、架橋促進剤及び受酸剤の存在下など)では行わないが、フッ素樹脂(B)の融点より5℃低い温度以上の溶融混練温度で架橋を引き起こさない成分(例えば、上記珪酸塩、特定の架橋剤のみ、架橋剤と架橋促進剤の組合せのみ、など)であれば、溶融混練時に添加混合してもよい。架橋を引き起こす条件としては、例えば、ポリオール架橋剤と架橋促進剤と受酸剤との組合せが挙げられる。
したがって、上記溶融混練では、未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)とを溶融混練してプレコンパウンド(予備混合物)を調製し、ついで、架橋温度未満の温度で、珪酸塩、架橋剤、必要に応じて他の添加剤や配合剤を混練してフルコンパウンド(架橋性組成物)とする2段階混練法が好ましい。もちろん、全ての成分を架橋剤の架橋温度未満の温度で混練する方法でもよい。
溶融混練は、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、押出機等を使用して、フッ素樹脂(B)の融点より5℃低い温度以上の温度、例えば180℃以上、通常220〜300℃でゴムと混練することにより行うことができる。これらの中でも、高剪断力を加えることができる点で、加圧ニーダー又は二軸押出機等の押出機を用いることが好ましい。
また、2段階混練法におけるフルコンパウンド化は、架橋温度未満、例えば100℃以下の温度でオープンロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダーなどを用いて行うことができる。
上記溶融混練と類似の処理として、フッ素樹脂中で、未架橋ゴムをフッ素樹脂の溶融条件下で架橋する処理(動的架橋)がある。動的架橋は、熱可塑性樹脂のマトリックス中に未架橋ゴムをブレンドし、混練しながら未架橋ゴムを架橋させ、かつその架橋したゴムをマトリックス中にミクロに分散させる方法であるが、上記溶融混練は、架橋を引き起こさない条件(架橋に必要な成分の不存在、又はその温度で架橋反応が起こらない配合など)で溶融混練するものであり、またマトリックスは未架橋ゴム(a)となり、未架橋ゴム(a)中にフッ素樹脂(B)が均一に分散している架橋性組成物を得る点において本質的に異なる。
(共凝析)
上記混合工程は、未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)とを共凝析して共凝析組成物を得た後、共凝析組成物と珪酸塩とを混練りすることにより架橋性組成物を得るものであることが好ましい。
上記未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)とを共凝析することによって、表面に形成される線状の凸部をより均一かつ微細に形成することができるし、凸部を有する領域の面積比(占有率)を十分に高くすることもできる。その結果、より優れた低摩擦性を有する弾性部材が得られる。
上記架橋性組成物が、未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)とを共凝析することによって得られる共凝析組成物を含む場合には、未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)とが架橋性組成物中で均一に分散していると予想される。このような架橋性組成物を架橋し、熱処理することにより、低摩擦性に優れる弾性部材が得られるものと考えられる。
上記共凝析の方法としては、例えば、(i)未架橋ゴム(a)の水性分散液と、フッ素樹脂(B)の水性分散液とを混合した後に凝析させる方法、(ii)未架橋ゴム(a)の粉末を、フッ素樹脂(B)の水性分散液に添加した後に凝析させる方法、(iii)フッ素樹脂(B)の粉末を、未架橋ゴム(a)の水性分散液に添加した後に凝析させる方法が挙げられる。上記共凝析の方法としては、特に未架橋ゴム(a)及びフッ素樹脂(B)が均一に分散し易い点で、上記(i)の方法が好ましい。
上記(i)〜(iii)の凝析方法における凝析は、例えば、凝集剤を用いて行うことができる。このような凝集剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、硫酸アルミニウム、ミョウバン等のアルミニウム塩、硫酸カルシウム等のカルシウム塩、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のマグネシウム塩、塩化ナトリウムや塩化カリウム等の一価カチオン塩等の公知の凝集剤が挙げられる。凝集剤により凝析を行う際、凝集を促進させるために酸又はアルカリを添加してpHを調整してもよい。
上記未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)とを共凝析することによって得られる共凝析組成物は、例えば、未架橋ゴム(a)の水性分散液と、フッ素樹脂(B)の水性分散液とを混合した後に凝析し、次いで凝析物を回収し、所望により乾燥させることにより得ることができる。
未架橋ゴム(a)の架橋系によっては架橋剤が必要であるので、未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)とを共凝析して共凝析組成物を得た後、共凝析組成物に珪酸塩と架橋剤を添加して架橋性組成物を得てもよい。すなわち、上記架橋性組成物は、それぞれの架橋系において使用される架橋剤を含むものであってよい。また、上述した各種添加剤等を含むものであってもよい。
通常は、上記共凝析組成物に珪酸塩及び架橋剤を添加した後、共凝析組成物と珪酸塩及び架橋剤とを混合する。上記混合は、例えば、ニーダー等を用いた通常の混合方法により、フッ素樹脂(B)の融点未満の温度で混合することができる。
上記未架橋ゴム(a)の架橋系は、例えば、パーオキサイド架橋系、ポリオール架橋系、ポリアミン架橋系等があげられ、パーオキサイド架橋系、及び、ポリオール架橋系からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。耐薬品性の観点からはパーオキサイド架橋系が好ましく、耐熱性の観点からはポリオール架橋系が好ましい。
従って、上記架橋剤としては、ポリオール架橋剤、及び、パーオキサイド架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種の架橋剤が好ましい。
架橋剤の配合量は、架橋剤の種類等によって適宜選択すればよいが、未架橋ゴム(a)100質量部に対して0.2〜5.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0質量部である。
パーオキサイド架橋は、パーオキサイド架橋可能な未架橋ゴム及び架橋剤として有機過酸化物を使用することにより行うことができる。
パーオキサイド架橋可能な未架橋ゴムとしては特に限定されず、パーオキサイド架橋可能な部位を有する未架橋ゴムであればよい。上記パーオキサイド架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、ヨウ素原子を有する部位、臭素原子を有する部位等を挙げることができる。
有機過酸化物としては、熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生し得る有機過酸化物であればよく、例えば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエイトなどをあげることができる。これらの中でも、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3が好ましい。
有機過酸化物の配合量は、未架橋ゴム(a)100質量部に対して0.1〜15質量部が好ましく、より好ましくは0.3〜5質量部である。
架橋剤が有機過酸化物である場合、上記架橋性組成物は更に架橋助剤を含むことが好ましい。架橋助剤としては、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェート、ビスマレイミド、フッ素化トリアリルイソシアヌレート(1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン)、トリス(ジアリルアミン)−S−トリアジン、N,N−ジアリルアクリルアミド、1,6−ジビニルドデカフルオロヘキサン、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルフタルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレート、トリアリルホスファイトなどが挙げられる。これらの中でも、架橋性及び機械物性、柔軟性が優れる点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
架橋助剤の配合量は、未架橋ゴム(a)100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.01〜7.0質量部であることがより好ましく、更に好ましくは0.1〜5.0質量部である。架橋助剤が、0.01質量部より少ないと、機械物性が低下したり、柔軟性が低下したりする。10質量部をこえると、耐熱性に劣り、耐久性も低下する傾向がある。
ポリオール架橋は、ポリオール架橋可能な未架橋ゴム及び架橋剤としてポリヒドロキシ化合物を使用することにより行うことができる。ポリオール架橋系における、ポリヒドロキシ化合物の配合量としては、ポリオール架橋可能な未架橋ゴム(a)100質量部に対して0.01〜8質量部であることが好ましい。ポリヒドロキシ化合物の配合量がこのような範囲であることにより、ポリオール架橋を充分に進行させることができる。より好ましくは0.02〜5質量部である。
上記ポリオール架橋可能な未架橋ゴムとしては特に限定されず、ポリオール架橋可能な部位を有する未架橋ゴムであればよい。上記ポリオール架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、フッ化ビニリデン(VdF)単位を有する部位等を挙げることができる。上記架橋部位を導入する方法としては、未架橋ゴム(a)の重合時に架橋部位を与える単量体を共重合する方法等が挙げられる。
ポリヒドロキシ化合物としては、耐熱性に優れる点からポリヒドロキシ芳香族化合物が好適に用いられる。
上記ポリヒドロキシ芳香族化合物としては、特に限定されず、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン(以下、ビスフェノールAFという)、レゾルシン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシスチルベン、2,6−ジヒドロキシアントラセン、ヒドロキノン、カテコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(以下、ビスフェノールBという)、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロジクロロプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’−テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェノールAなどが挙げられる。これらのポリヒドロキシ芳香族化合物は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などであってもよいが、酸を用いて共重合体を凝析した場合は、上記金属塩は用いないことが好ましい。ポリヒドロキシ芳香族化合物の配合量は、未架橋ゴム(a)100質量部に対して、0.1〜15質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
架橋剤がポリヒドロキシ化合物である場合、上記架橋性組成物は更に架橋促進剤を含むことが好ましい。架橋促進剤は、ポリマー主鎖の脱フッ酸反応における分子内二重結合の生成と、生成した二重結合へのポリヒドロキシ化合物の付加を促進する。
なお、架橋促進剤は、更に、酸化マグネシウム等の受酸剤や、架橋助剤と組み合わせて用いてもよい。
架橋促進剤としては、オニウム化合物があげられ、オニウム化合物のなかでも、第4級アンモニウム塩等のアンモニウム化合物、第4級ホスホニウム塩等のホスホニウム化合物、オキソニウム化合物、スルホニウム化合物、環状アミン、及び、1官能性アミン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、第4級アンモニウム塩及び第4級ホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
第4級アンモニウム塩としては特に限定されず、例えば、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムアイオダイド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムメチルスルフェート、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−プロピル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−エイコシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−テトラコシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド(以下、DBU−Bとする)、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−フェネチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−(3−フェニルプロピル)−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライドなどが挙げられる。これらの中でも、架橋性、機械物性、及び、柔軟性の点から、DBU−Bが好ましい。
また、第4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、例えば、テトラブチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(以下、BTPPCとする)、ベンジルトリメチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリブチルホスホニウムクロライド、トリブチルアリルホスホニウムクロライド、トリブチル−2−メトキシプロピルホスホニウムクロライド、ベンジルフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロライドなどをあげることができ、これらの中でも、架橋性、機械物性、及び、柔軟性の点から、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(BTPPC)が好ましい。
また、架橋促進剤として、第4級アンモニウム塩とビスフェノールAFとの固溶体、第4級ホスホニウム塩とビスフェノールAFとの固溶体、特開平11−147891号公報に開示されている塩素フリー架橋促進剤を用いることもできる。
架橋促進剤の配合量は、未架橋ゴム(a)100質量部に対して、0.01〜8質量部であることが好ましく、より好ましくは0.02〜5質量部である。架橋促進剤が、0.01質量部未満であると、未架橋ゴム(a)の架橋が充分に進行せず、耐熱性等が低下するおそれがある。8質量部をこえると、上記架橋性組成物の成形加工性が低下するおそれや、機械物性における伸びが低下し、柔軟性も低下する傾向がある。
ポリアミン架橋は、ポリアミン架橋可能なフッ素ゴム及び架橋剤としてポリアミン化合物を使用することにより行うことができる。
上記ポリアミン架橋可能なフッ素ゴムとしては特に限定されず、ポリアミン架橋可能な部位を有するフッ素ゴムであればよい。上記ポリアミン架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、フッ化ビニリデン(VdF)単位を有する部位等を挙げることができる。上記架橋部位を導入する方法としては、フッ素ゴムの重合時に架橋部位を与える単量体を共重合する方法等が挙げられる。
ポリアミン化合物としては、たとえば、ヘキサメチレンジアミンカーバメート、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ビス(アミノシクロヘキシル)メタンカルバメートなどがあげられる。これらの中でも、N,N’−ジシンナミリデン−1,6−ヘキサメチレンジアミンが好ましい。
フッ素樹脂(B)とゴム(A)との相溶性向上のため、上記架橋性組成物は少なくとも1種の多官能化合物を含んでいてもよい。多官能化合物とは、1つの分子中に同一又は異なる構造の2つ以上の官能基を有する化合物である。
多官能化合物が有する官能基としては、カルボニル基、カルボキシル基、ハロホルミル基、アミド基、オレフィン基、アミノ基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、エポキシ基等、一般に反応性を有することが知られている官能基であれば任意に用いることができる。これらの官能基を有する化合物は、ゴム(A)との親和性が高いだけではなく、フッ素樹脂(B)が持つ反応性を有することが知られている官能基とも反応し更に相溶性が向上することが期待される。
上記架橋性組成物は、必要に応じてゴム中に配合される通常の添加剤、例えば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、安定剤、接着助剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤などの各種添加剤を配合することができ、これらの添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で使用すればよい。
上記未架橋ゴム(a)及びフッ素樹脂(B)を含む架橋性組成物は、未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)との体積比(未架橋ゴム(a))/(フッ素樹脂(B))が60/40〜99/1であることが好ましい。フッ素樹脂(B)が少なすぎると、本発明のバルブステムシールにおいて、充分な低摩擦性が得られないおそれがあり、一方、フッ素樹脂(B)が多すぎると、ゴム弾性が損なわれる恐れがある。ゴム(A)に起因する柔軟性と、フッ素樹脂(B)に起因する低摩擦性の両方が良好な点から、体積比(未架橋ゴム(a))/(フッ素樹脂(B))は、65/35〜97/3であることがより好ましく、70/30〜95/5であることが更に好ましい。
(II)成形架橋工程
この工程は、混合工程で得られた架橋性組成物を成形し架橋し、製造する弾性部材と略同形状の架橋成形品を製造する工程である。
成形と架橋の順序は限定されず、成形した後架橋してもよいし、架橋した後成形してもよいし、成形と架橋とを同時に行ってもよい。
成形方法としては、たとえば金型などによる加圧成形法、インジェクション成形法などが例示できるが、これらに限定されるものではない。
架橋方法も、スチーム架橋法、加熱により架橋反応が開始される通常の方法、放射線架橋法等が採用でき、なかでも、加熱による架橋反応が好ましい。
本発明においては、フッ素樹脂(B)が架橋性組成物の表面層へスムーズに移行する点から、加熱による架橋反応が好適である。
架橋を行う温度は、未架橋ゴム(a)の架橋温度以上であり、フッ素樹脂(B)の融点未満であることが好ましい。架橋をフッ素樹脂(B)の融点以上で行うと、線上の凸部を有する弾性部材を備えたバルブステムシールを得ることができないおそれがある。
また、架橋を行う温度は、後述する熱処理工程(III)において、弾性部材表面に線状の凸部を形成させることができる点から、より好ましくはフッ素樹脂(B)の融点より5℃以上低い温度以下である。また、架橋条件における温度の下限は、未架橋ゴム(a)の架橋温度である。
限定されない具体的な架橋条件としては、通常、150〜250℃の温度範囲、1分間〜24時間の架橋時間内で、使用する架橋剤などの種類により適宜決めればよい。
成形及び架橋の方法及び条件としては、採用する成形及び架橋において公知の方法及び条件の範囲内でよい。また、成形と架橋は順不同で行ってもよいし、同時に並行して行ってもよい。
また、未架橋ゴムの架橋において、最初の架橋処理(1次架橋という)を施した後に2次架橋と称される後処理工程を施すことがあるが、つぎの熱処理工程(III)で説明するように、従来の2次架橋工程と本発明の成形架橋工程(II)及び熱処理工程(III)とは異なる処理工程である。
なお、バルブステムシールとして、取付環を備えたバルブステムシールを製造する場合は、この工程において、例えば、予め金型内に取付環を配置しておき、一体成形を行えばよい。
(III)熱処理工程
この熱処理工程(III)では、得られた架橋成形品をフッ素樹脂の融点以上の温度に加熱する。熱処理工程(III)を経ることにより、製造する弾性部材の表面に、頂部にフッ素樹脂(B)が露出し線状の凸部を形成することができる。
本発明における熱処理工程(III)は、架橋成形品表面のフッ素樹脂比率を高めるために行う処理工程であり、この目的に即して、フッ素樹脂(B)の融点以上で、かつ、ゴム(A)及びフッ素樹脂(B)の熱分解温度未満の温度が採用される。
加熱温度がフッ素樹脂(B)の融点よりも低い場合は、架橋成形品表面に十分な凸部を形成することができない。ゴム(A)及びフッ素樹脂(B)の熱分解を回避するために、加熱温度は、ゴム(A)の熱分解温度又はフッ素樹脂(B)の熱分解温度のいずれか低い方の温度未満でなければならない。好ましい加熱温度は、短時間で低摩擦化が容易な点から、フッ素樹脂(B)の融点より5℃以上高い温度である。
熱処理工程(III)において、加熱温度は加熱時間と密接に関係しており、加熱温度が比較的下限に近い温度では比較的長時間加熱を行い、比較的上限に近い加熱温度では比較的短い加熱時間を採用することが好ましい。
このように加熱時間は加熱温度との関係で適宜設定すればよいが、加熱処理をあまり長時間行うとゴム(A)が熱劣化することがあるので、加熱処理時間は、耐熱性に優れたフッ素ゴムを使用する場合を除いて実用上96時間までである。
通常、加熱処理時間は1分間〜72時間が好ましく、1分間〜48時間がより好ましく、生産性が良好な点から1分間〜24時間が更に好ましいが、より優れた非粘着性、低摩擦性及び耐摩耗性を有するバルブステムシールを得る観点からは、8時間以上であることが好ましい。
かかる熱処理工程(III)を経ることにより、弾性部材の表面に(主にフッ素樹脂からなる)凸部を形成するという現象は本発明者らにより初めて見出されたものである。
また、上記(I)〜(III)の工程を経て製造した弾性部材は、その表面全体に凸部が形成されることとなるが、本発明のバルブステムシールにおいては、少なくともシールリップ部の表面に凸部が形成されていれば、シールリップ部の表面以外の部分に凸部がなくてもよい。そして、このような態様の弾性部材を製造する場合は、例えば、上記(III)の工程を行った後、研磨処理等により不要な部分の凸部を除去すればよい。
ところで、従来行われている2次架橋は1次架橋終了時に残存している架橋剤を完全に分解してゴムの架橋を完結し、架橋成形品の機械的特性や圧縮永久ひずみ特性を向上させるために行う処理である。
したがって、フッ素樹脂の共存を想定していない従来の2次架橋条件は、その架橋条件が偶発的に熱処理工程の加熱条件と重なるとしても、2次架橋ではフッ素樹脂の存在を架橋条件設定の要因として考慮せずに未架橋ゴムの架橋の完結(架橋剤の完全分解)という目的の範囲内での加熱条件が採用されているにすぎず、フッ素樹脂を配合した場合にゴム架橋物(ゴム未架橋物ではない)中でフッ素樹脂を加熱軟化または溶融する条件を導き出せるものではない。
なお、成形架橋工程(II)において、未架橋ゴム(a)の架橋を完結させるため(架橋剤を完全に分解するため)の2次架橋を行ってもよい。
また、熱処理工程(III)において、残存する架橋剤の分解が起こり未架橋ゴム(a)の架橋が完結する場合もあるが、熱処理工程(III)におけるかかる未架橋ゴム(a)の架橋はあくまで副次的な効果にすぎない。
なお、上記熱処理工程(III)を行った後、必要に応じて、スプリングばねを配設する工程を行ってもよい。
混合工程(I)、成形架橋工程(II)、及び、熱処理工程(III)を含む製造方法により得られるバルブステムシールは、フッ素樹脂(B)の表面移行現象によって、弾性部材の表面に凸部が形成されているとともに、表面領域(凸部内を含む)でフッ素樹脂(B)比率が増大した状態になっているものと推定される。
特に、混合工程(I)で得られる架橋性組成物は、未架橋ゴム(a)が連続相を形成しかつフッ素樹脂(B)が分散相を形成している構造、または未架橋ゴム(a)とフッ素樹脂(B)が共に連続相を形成している構造をとっているものと推定され、このような構造を形成することにより、成形架橋工程(II)での架橋反応をスムーズに行うことができ、得られる架橋物の架橋状態も均一になり、また熱処理工程(III)におけるフッ素樹脂(B)の表面移行現象がスムーズに起こりフッ素樹脂(B)比率が増大した表面が得られる。
なお、フッ素樹脂(B)の表面層への移行がスムーズに起こる点から、熱処理工程はフッ素樹脂(B)の融点以上での加熱処理が特に優れている。
ところで、ゴムの表面をフッ素樹脂(B)の塗布や接着で改質したものでは、その表面に本発明のバルブステムシールが有する特徴的な凸部は観察されないので、本発明のような組成物内のフッ素樹脂(B)が表面に析出した凸部を備えたバルブステムシールは、従来にない新規なバルブステムシールである。
そして、上記熱処理工程(III)により弾性部材の表面に凸部が形成されることにより、弾性部材の特性のうち、たとえば低摩擦性や撥水撥油性が、熱処理をしないものより、格段に向上する。しかも、表面部分以外では逆にゴム(A)の特性が発揮でき、全体として、低摩擦性や撥水撥油性、エラストマー性のいずれにもバランスよく優れた弾性部材となるため、この弾性部材を備えたバルブステムシールは、バルブステムシールに要求される低摩擦性や撥水撥油性、エラストマー性のいずれもがバランスよく優れることとなる。さらに、フッ素樹脂(B)とゴム(A)に明確な界面状態が存在しないので、表面の凸部が脱落することもなく、耐久性および信頼性に優れる。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
(1)バルブステムシールのストローク荷重測定
以下に示す方法でバルブステムシールのストローク荷重を測定した。
図4は、実施例で使用したストローク荷重測定試験機の模式図である。
図4に示すストローク荷重測定試験機120では、バルブガイド124が加振機123に設置されている。バルブガイド124の先端側には測定用バルブステムシール121がバルブステム軸127に摺動可能に固定される。また、バルブステム軸127は架台128にロードセル126を介して固定されている。
そして、バルブガイド124を加振機123により所定の往復速度で往復運動させると、測定用バルブステムシール121がバルブステム軸127に密接した状態で往復運動し、このときのバルブステム軸127にかかる荷重(ストローク荷重)をロードセル126で測定する。
ここで、測定条件は、常温で、加振機123の往復速度を9.6cpm又は350cpmとした。
各実施例及び比較例の結果を表1に示す。
(2)曲げ弾性率
ASTM D790に準じて測定した。各実施例及び比較例の結果を表1に示す。
(3)凸部の形状
キーエンス社製、カラー3Dレーザー顕微鏡(VK−9700)を用いて、成形品表面の任意の領域(270μm×202μm)を観察し、線状の凸部の有無を確認した。
また、表及び明細書中の使用材料は、それぞれ次に示すものである。
フッ素ゴム(A1)
ダイキン工業(株)製 2元フッ素ゴム水性ディスパージョン(固形分濃度26質量%、フッ素ゴム:VdF/HFP共重合体、VdF/HFP=78/22(モル比))(フッ素ゴムディスパージョン(A1))
フッ素樹脂(B1)
FEP(TFE/HFP共重合体)水性ディスパージョン(固形分濃度21質量%、MFR31.7g/10min(372℃、5kg測定)、融点215℃、TFE/HFP=87.9/12.1(モル比))(フッ素樹脂ディスパージョン(FEP水性ディスパージョン)(B1))
フッ素樹脂(B2)
FEP(TFE/HFP共重合体)水性ディスパージョン(固形分濃度22.1質量%、MFR24.5g/10min(372℃、5kg測定)、融点256℃、TFE/HFP=89.9/10.1(モル比))(フッ素樹脂ディスパージョン(FEP水性ディスパージョン)(B2))
充填剤
カーボンブラック(Cancarb社製のMTカーボン:N990)
架橋剤
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン 和光純薬工業(株)製、ビスフェノールAF
架橋促進剤
N−8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド(和光純薬工業(株)製、DBU−B)
受酸剤
酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製、MA150)
水酸化カルシウム(井上石灰工業(株)製、NICC5000)
珪酸塩
メタ珪酸ナトリウム九水和物 大阪硅曹(株)製、メタ珪酸ソーダ9水塩
1号珪酸ナトリウム 富士化学(株)製、1号珪酸ソーダ
1号珪酸カリウム 富士化学(株)製、1号珪酸カリウム
実施例1−1
真空乳化装置(PVQ−5UN、みずほ工業(株)製)のディスパーミキサー(掻取り攪拌翼無し)内に、水2000ccと硫酸アルミニウム12gをあらかじめ混合した水溶液にFEP水性ディスパージョン(B1)とフッ素ゴムディスパージョン(A1)とを、固形分が体積比で89/11(フッ素ゴム/FEP)となるようにあらかじめ混合した溶液810gを投入し、4000rpmで3分間混合し、共凝析した。
共凝析後、固形分を取り出し、乾燥炉で100℃、24時間乾燥させた後、表1に示す所定の配合物をオープンロールにて混合し、架橋性組成物(フッ素ゴム組成物)とした。
成形架橋工程
自動車用バルブステムシールの金型に取付環を配設し、架橋性組成物を投入して、8MPaに加圧して、170℃で15分間加硫させて、架橋成形品(リップ内径4.9mm、外径12.8mm、高さ10.1mm)を得た。
熱処理工程
得られた架橋成形品を250℃に維持された加熱炉中に22時間入れ、加熱処理をし、図1に示すような構造を有する自動車用バルブステムシールを得た。
得られた自動車用バルブステムシールを用いて、自動車用バルブステムシールのストローク荷重を測定した。結果を表1に示す。実施例1−1で得られた自動車用バルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を図10に示す。
実施例1−2
表1に示す配合量としたこと以外は、実施例1−1と同じ方法で自動車用バルブステムシールを得た。実施例1−2で得られた自動車用バルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を図11に示す。
実施例1−3
表1に示す配合量としたこと以外は、実施例1−1と同じ方法で自動車用バルブステムシールを得た。実施例1−3で得られた自動車用バルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を図12に示す。
実施例1−4
表1に示す配合量としたこと以外は、実施例1−1と同じ方法で自動車用バルブステムシールを得た。実施例1−4で得られた自動車用バルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を図13に示す。
実施例2
FEP水性ディスパージョン(B2)を用いたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で架橋性組成物を得た。その後、成形金型内で成形し、170℃、15分間、40kg/cmの加圧下で架橋して、架橋成形品を得た。得られた架橋成形品を270℃に維持された加熱炉中に24時間入れ、加熱処理を施し自動車用バルブステムシールを得た。実施例2で得られた自動車用バルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を図14に示す。
実施例3
固形分が体積比で95/5(フッ素ゴム/FEP)となるようにあらかじめ混合した溶液を用いたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で自動車用バルブステムシールを得た。実施例3で得られた自動車用バルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を図15に示す。
実施例4
固形分が体積比で83.75/16.25(フッ素ゴム/FEP)となるようにあらかじめ混合した溶液を用いたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で自動車用バルブステムシールを得た。実施例4で得られた自動車用バルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を図16に示す。
比較例1−1
表1に示す配合量としたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で自動車用バルブステムシールを得た。比較例1−1で得られた自動車用バルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を図17に示す。
比較例1−2
表1に示す配合量としたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で自動車用バルブステムシールを得た。比較例1−2で得られた自動車用バルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を図18に示す。
比較例2
表1に示す配合量としたこと以外は、実施例2と同様の方法で成形品を得た。比較例2で得られた自動車用バルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を図19に示す。
比較例3
固形分が体積比で95/5(フッ素ゴム/FEP)となるようにあらかじめ混合した溶液を用いたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で自動車用バルブステムシールを得た。比較例3で得られた自動車用バルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を図20に示す。
比較例4
固形分が体積比で83.75/16.25(フッ素ゴム/FEP)となるようにあらかじめ混合した溶液を用いたこと以外は、実施例1−1と同様の方法で自動車用バルブステムシールを得た。比較例4で得られた自動車用バルブステムシールの表面をレーザー顕微鏡で観察した3D画像を図21に示す。
下記表1に各測定を行った結果を示す。また、サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)製、(FT−IR NICOLET6700)を用いて、自動車用バルブステムシール表面の任意の領域(直径2mm)を観察し、凸部の頂部にフッ素樹脂(B)が露出していることを確認した。具体的には、実施例1−1〜1−4、3、4で得られた自動車用バルブステムシールの表面に1210cm−1や1150cm−1にフッ素樹脂(B1)由来のピークを確認し、実施例2で得られた自動車用バルブステムシールの表面に1210cm−1や1150cm−1にフッ素樹脂(B2)由来のピークを確認し、1400cm−1にフッ素ゴム(A1)由来のピークがほとんど確認されなかったことから、フッ素樹脂が露出していることを確認した。
10 エンジン
11 バルブステムシール
12 バルブステム
13 バルブステムガイド
16 弾性部材
16a シールリップ部
16b 静止シール部
17 取付環
18 スプリングばね
23 コンロッド
24 ピストン
25 エンジンバルブ
120 ストローク荷重測定試験機
121 測定用バルブステムシール
123 加振機
124 バルブガイド
126 ロードセル
127 バルブステム軸
128 架台
511:凸部
512:凹部
513:頂部
514:傾斜面
515:分岐部

Claims (3)

  1. バルブステムガイドの末端に配置され、エンジンのバルブステムと摺動自在に密接するシールリップ部を有する弾性部材を備えたバルブステムシールであって、
    前記弾性部材は、ゴム(A)及びフッ素樹脂(B)を含む組成物からなり、かつ、少なくとも前記シールリップ部の表面に線状の凸部を有しており、前記凸部の頂部にはフッ素樹脂(B)が露出している
    ことを特徴とするバルブステムシール。
  2. 弾性部材は、曲げ弾性率が40MPa以下である請求項1記載のバルブステムシール。
  3. 組成物は、ゴム(A)とフッ素樹脂(B)との体積比が60/40〜99/1である請求項1又は2記載のバルブステムシール。
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