JP5880685B2 - 自動車用フィラーキャップ - Google Patents

自動車用フィラーキャップ Download PDF

Info

Publication number
JP5880685B2
JP5880685B2 JP2014504760A JP2014504760A JP5880685B2 JP 5880685 B2 JP5880685 B2 JP 5880685B2 JP 2014504760 A JP2014504760 A JP 2014504760A JP 2014504760 A JP2014504760 A JP 2014504760A JP 5880685 B2 JP5880685 B2 JP 5880685B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluororesin
gasket
filler cap
fluororubber
filler
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014504760A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2013136958A1 (ja
Inventor
柳口 富彦
富彦 柳口
泰宏 中野
泰宏 中野
増田 晴久
晴久 増田
隆宏 北原
隆宏 北原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2014504760A priority Critical patent/JP5880685B2/ja
Publication of JPWO2013136958A1 publication Critical patent/JPWO2013136958A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5880685B2 publication Critical patent/JP5880685B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K15/00Arrangement in connection with fuel supply of combustion engines or other fuel consuming energy converters, e.g. fuel cells; Mounting or construction of fuel tanks
    • B60K15/03Fuel tanks
    • B60K15/04Tank inlets
    • B60K15/0406Filler caps for fuel tanks
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/02Sealings between relatively-stationary surfaces
    • F16J15/06Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces
    • F16J15/10Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces with non-metallic packing
    • F16J15/102Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces with non-metallic packing characterised by material
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16JPISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
    • F16J15/00Sealings
    • F16J15/02Sealings between relatively-stationary surfaces
    • F16J15/06Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces
    • F16J15/10Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces with non-metallic packing
    • F16J15/104Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces with non-metallic packing characterised by structure
    • F16J15/106Sealings between relatively-stationary surfaces with solid packing compressed between sealing surfaces with non-metallic packing characterised by structure homogeneous
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K15/00Arrangement in connection with fuel supply of combustion engines or other fuel consuming energy converters, e.g. fuel cells; Mounting or construction of fuel tanks
    • B60K15/03Fuel tanks
    • B60K15/04Tank inlets
    • B60K15/0406Filler caps for fuel tanks
    • B60K2015/0432Filler caps for fuel tanks having a specific connection between the cap and the vehicle or tank opening
    • B60K2015/0438Filler caps for fuel tanks having a specific connection between the cap and the vehicle or tank opening using screw or bayonet
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60KARRANGEMENT OR MOUNTING OF PROPULSION UNITS OR OF TRANSMISSIONS IN VEHICLES; ARRANGEMENT OR MOUNTING OF PLURAL DIVERSE PRIME-MOVERS IN VEHICLES; AUXILIARY DRIVES FOR VEHICLES; INSTRUMENTATION OR DASHBOARDS FOR VEHICLES; ARRANGEMENTS IN CONNECTION WITH COOLING, AIR INTAKE, GAS EXHAUST OR FUEL SUPPLY OF PROPULSION UNITS IN VEHICLES
    • B60K15/00Arrangement in connection with fuel supply of combustion engines or other fuel consuming energy converters, e.g. fuel cells; Mounting or construction of fuel tanks
    • B60K15/03Fuel tanks
    • B60K15/04Tank inlets
    • B60K15/0406Filler caps for fuel tanks
    • B60K2015/0451Sealing means in the closure cap

Description

本発明は、自動車用燃料キャップ、自動車用オイルフィラーキャップ等の自動車用フィラーキャップに関する。
自動車には、燃料やオイルを供給するための給油口が設けられており、給油口は、フィラーキャップで閉塞されている。
例えば、自動車用の燃料タンクはタンク本体から上方に立ち上がるフィラーチューブの上端に給油ガンから燃料を供給する給油口を備えており、この給油口は燃料フィラーキャップで開閉自在に閉塞される。フィラーチューブの給油口とフィラーキャップとの隙間から燃料蒸気が大気中に拡散するのを防止すべく、燃料フィラーキャップにはゴム製のシール部材が設けられる。
自動車用の燃料フィラーキャップに用いられるシール部材の材料として、例えば、特許文献1には、ビニリデンフロライド・ヘキサフロロプロピレン共重合物(FKM)または水素添加ブタジエンアクリルニトリルゴム(HNBR)等の材料が記載されている。
また、自動車の内燃機関には、シリンダヘッドカバー等に、潤滑油を供給するための給油口が設けられており、給油口は、給油時以外はオイルフィラーキャップで閉塞されている。オイルフィラーキャップには、給油口とフィラーキャップとの隙間から燃料蒸気が大気中に拡散するのを防止すべく、ゴム製のシール部材が設けられる。
オイルフィラーキャップに用いられるシール部材の材料として、例えば、特許文献2には、NBRゴムが記載されている。
しかしながら、特許文献1及び2に記載されているような材料を用いたシール部材は、給油口と長時間接触するような場合に、シール部材と給油口との界面における反応により固着現象が発生して不具合が生じるおそれがあった。
上記の問題を解決するための低固着性に優れる自動車用フィラーキャップとして、特許文献3及び4には、給油口に押し付けられて該給油口をシールするガスケットを備え、上記ガスケットは、フッ素ゴム及びフッ素樹脂を含む組成物からなるとともに、表面に上記フッ素樹脂が析出したものであり、上記フッ素樹脂は、エチレンに基づく重合単位とテトラフルオロエチレンに基づく重合単位とを含む共重合体であり、上記フッ素ゴムは、ビニリデンフルオライドに基づく重合単位を含む重合体であることを特徴とする自動車用燃料キャップ、及び、自動車用オイルフィラーキャップが記載されている。
ところで、特許文献5には、フッ素ゴム及びフッ素樹脂を含み、フッ素ゴム及びフッ素樹脂は、フッ素ゴムとフッ素樹脂とを共凝析して得られたものである架橋性フッ素ゴム組成物、及び、該架橋性フッ素ゴム組成物を架橋して得られるフッ素ゴム成形品が開示されている。しかしながら、特許文献5には、自動車用フィラーキャップについて記載されていない。
シール材などの分野では、ゴムの特性を活かしながら摩擦係数を低下させる方法として、たとえばフッ素樹脂繊維層をゴムの表面に積層する方法(特許文献6参照)が開示されている。
特開2009−74576号公報 特開平8−74553号公報 特開2011−207471号公報 特開2011−208636号公報 国際公開第2011/002080号パンフレット 特開平7−227935号公報
特許文献3及び4には、エチレンに基づく重合単位とテトラフルオロエチレンに基づく重合単位とを含む共重合体からなるフッ素樹脂をガスケット表面に析出させることにより、優れた低固着性が得られることが記載されているが、自動車用フィラーキャップには、さらなる低固着性の向上が求められていた。
本発明は、低固着性に優れる自動車用フィラーキャップを提供することを目的とする。
本発明は、自動車の給油口に取り付けられる自動車用フィラーキャップであって、上記自動車用フィラーキャップは、給油口に押し付けられて該給油口をシールするガスケットを備え、上記ガスケットは、フッ素ゴム及びフッ素樹脂を含む組成物からなるとともに、表面に上記フッ素樹脂が析出したものであり、上記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位とヘキサフルオロプロピレンに基づく重合単位とを含む共重合体であることを特徴とする自動車用フィラーキャップである。
フッ素ゴムは、ビニリデンフルオライドに基づく重合単位と、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及び、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)からなる群より選択される少なくとも1種の単量体に基づく重合単位と、を含む共重合体であることが好ましい。
本発明の自動車用フィラーキャップは、自動車の燃料タンクの給油口に取り付けられる自動車用燃料キャップであることが好ましい。
本発明の自動車用フィラーキャップは、自動車の内燃機関に潤滑油を供給するための給油口に取り付けられる自動車用オイルフィラーキャップであることが好ましい。
本発明の自動車用フィラーキャップは、上記構成を有することから、優れた低固着性を有する。
図1(a)はガスケットが有する凸部の形状を模式的に示す斜視図であり、(b)は(a)の表面に垂直な直線Bと直線Bとを含む平面で凸部11を切断した断面図であり、(c)は(a)の表面と平行な直線Cと直線Cとを含む平面で切断した断面図である。 図2は、自動車用燃料キャップの形態の一例を示す模式図である。図2中、破線の左側は燃料キャップを横から見た時の外観を示しており、破線の右側は該燃料キャップの断面を示している。 図3は、自動車用オイルフィラーキャップの形態の一例を示す断面模式図である。
本発明の自動車用フィラーキャップは、自動車の給油口に取り付けられる自動車用フィラーキャップであって、上記自動車用フィラーキャップは、給油口に押し付けられて該給油口をシールするガスケットを備え、上記ガスケットは、フッ素ゴム及びフッ素樹脂を含む組成物からなるとともに、表面に上記フッ素樹脂が析出したものであり、上記フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレンに基づく重合単位とヘキサフルオロプロピレンに基づく重合単位とを含む共重合体であることを特徴とする。
本発明の自動車用フィラーキャップは、ガスケットの表面に上記特定のフッ素樹脂が析出したものであるため、給油口とガスケットとが密接する部分において優れた低固着性が発揮される。
以下、本発明のガスケットの各成分について詳述する。
フッ素ゴム
フッ素ゴムは、通常、主鎖を構成する炭素原子に結合しているフッ素原子を有し、且つゴム弾性を有する非晶質の重合体からなる。上記フッ素ゴムは、1種の重合体からなるものであってもよいし、2種以上の重合体からなるものであってもよい。
上記フッ素ゴムは、ビニリデンフルオライド(VdF)/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体、VdF/HFP/テトラフルオロエチレン(TFE)共重合体、TFE/プロピレン共重合体、TFE/プロピレン/VdF共重合体、エチレン/HFP共重合体、エチレン/HFP/VdF共重合体、エチレン/HFP/TFE共重合体、VdF/TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)共重合体、及び、VdF/クロロトリフルオロエチレン(CTFE)共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。中でも、より優れた低固着性の自動車用フィラーキャップとなることから、VdF単位を含む共重合体からなるフッ素ゴムがより好ましい。
上記ビニリデンフルオライド(VdF)単位を含む共重合体からなるフッ素ゴム(以下、「VdF系フッ素ゴム」ともいう。)について説明する。VdF系フッ素ゴムは、少なくともVdFに由来する重合単位を含むフッ素ゴムである。
VdF単位を含む共重合体としては、VdF単位及び含フッ素エチレン性単量体由来の共重合単位(但し、VdF単位は除く。)を含む共重合体であることが好ましい。VdF単位を含む共重合体は、更に、VdF及び含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体由来の共重合単位を含むことも好ましい。
VdF単位を含む共重合体としては、30〜90モル%のVdF単位及び70〜10モル%の含フッ素エチレン性単量体由来の共重合単位を含むことが好ましく、30〜85モル%のVdF単位及び70〜15モル%の含フッ素エチレン性単量体由来の共重合単位を含むことがより好ましく、30〜80モル%のVdF単位及び70〜20モル%の含フッ素エチレン性単量体由来の共重合単位を含むことが更に好ましい。VdF及び含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体由来の共重合単位は、VdF単位と含フッ素エチレン性単量体由来の共重合単位の合計量に対して、0〜10モル%であることが好ましい。
含フッ素エチレン性単量体としては、例えばTFE、CTFE、トリフルオロエチレン、HFP、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、PAVE、フッ化ビニル、下記一般式(1):
CFX=CXOCFOR (1)
(式中、Xは、同一又は異なり、H、F又はCFを表し、Rは、直鎖又は分岐した、H、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の原子を1〜2個含んでいてもよい炭素数が1〜6のフルオロアルキル基、若しくは、H、Cl、Br及びIからなる群より選択される少なくとも1種の原子を1〜2個含んでいてもよい炭素数が5又は6の環状フルオロアルキル基を表す。)で表されるフルオロビニルエーテルなどの含フッ素単量体が挙げられる。これらのなかでも、式(1)で表されるフルオロビニルエーテル、TFE、HFP及びPAVEからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、TFE、HFP及びPAVEからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記PAVEとしては、一般式(2):
CF=CFO(CFCFYO)−(CFCFCFO)−Rf (2)
(式中、YはF又はCFを表し、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。pは0〜5の整数を表し、qは0〜5の整数を表す。)であることが好ましい。
上記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)又はパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)であることがより好ましく、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)であることが更に好ましい。これらをそれぞれ単独で、又は任意に組み合わせて用いることができる。
VdF及び含フッ素エチレン性単量体と共重合可能な単量体としては、例えばエチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどが挙げられる。
このようなVdF単位を含む共重合体としては、VdFに基づく重合単位と、TFE、HFP、及び、PAVEからなる群より選択される少なくとも1種の単量体に基づく重合単位と、を含む共重合体が好ましい。具体的には、VdF/HFP共重合体、VdF/HFP/TFE共重合体、VdF/CTFE共重合体、VdF/CTFE/TFE共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/HFP/PAVE共重合体、及び、VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体が好ましい。これらのVdF単位を含む共重合体のなかでも、耐熱性の点から、VdF/HFP共重合体、及び、VdF/HFP/TFE共重合体からなる群より選択される少なくとも1種の共重合体が特に好ましい。これらのVdF単位を含む共重合体は、上述したVdF単位と含フッ素エチレン性単量体由来の共重合単位との組成割合を満足することが好ましい。
VdF/HFP共重合体としては、VdF/HFPのモル比が45〜85/55〜15であるものが好ましく、より好ましくは50〜80/50〜20であり、更に好ましくは60〜80/40〜20である。
VdF/HFP/TFE共重合体としては、VdF/HFP/TFEのモル比が40〜80/10〜35/10〜35であるものが好ましい。
VdF/PAVE共重合体としては、VdF/PAVEのモル比が65〜90/10〜35であるものが好ましい。
VdF/TFE/PAVE共重合体としては、VdF/TFE/PAVEのモル比が40〜80/3〜40/15〜35であるものが好ましい。
VdF/HFP/PAVE共重合体としては、VdF/HFP/PAVEのモル比が65〜90/3〜25/3〜25であるものが好ましい。
VdF/HFP/TFE/PAVE共重合体としては、VdF/HFP/TFE/PAVEのモル比が40〜90/0〜25/0〜40/3〜35であるものが好ましく、より好ましくは40〜80/3〜25/3〜40/3〜25である。
上記フッ素ゴムは、架橋部位を与えるモノマー由来の共重合単位を含む共重合体からなることも好ましい。架橋部位を与えるモノマーとしては、例えば特公平5−63482号公報、特開平7−316234号公報に記載されているようなパーフルオロ(6,6−ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)やパーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などのヨウ素含有モノマー、特表平4−505341号公報に記載されている臭素含有モノマー、特表平4−505345号公報、特表平5−500070号公報に記載されているようなシアノ基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、アルコキシカルボニル基含有モノマーなどが挙げられる。
上記フッ素ゴムは、主鎖末端にヨウ素原子又は臭素原子を有するフッ素ゴムであることも好ましい。主鎖末端にヨウ素原子又は臭素原子を有するフッ素ゴムは、実質的に無酸素下で、水媒体中でハロゲン化合物の存在下に、ラジカル開始剤を添加してモノマーの乳化重合を行うことにより製造できる。使用するハロゲン化合物の代表例としては、例えば、一般式:
Br
(式中、x及びyはそれぞれ0〜2の整数であり、かつ1≦x+y≦2を満たすものであり、Rは、炭素数1〜16の飽和若しくは不飽和のフルオロ炭化水素基、炭素数1〜16の飽和若しくは不飽和のクロロフルオロ炭化水素基、炭素数1〜3の炭化水素基、又は、ヨウ素原子若しくは臭素原子で置換されていてもよい炭素数3〜10の環状炭化水素基であり、これらは酸素原子を含んでいてもよい。)で表される化合物が挙げられる。
ハロゲン化合物としては、例えば、1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,3−ジヨード−2−クロロパーフルオロプロパン、1,4−ジヨードパーフルオロブタン、1,5−ジヨード−2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフルオロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカン、1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタン、1,3−ジヨード−n−プロパン、CFBr、BrCFCFBr、CFCFBrCFBr、CFClBr、BrCFCFClBr、CFBrClCFClBr、BrCFCFCFBr、BrCFCFBrOCF、1−ブロモ−2−ヨードパーフルオロエタン、1−ブロモ−3−ヨードパーフルオロプロパン、1−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブタン、2−ブロモ−3−ヨードパーフルオロブタン、3−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、2−ブロモ−4−ヨードパーフルオロブテン−1、ベンゼンのモノヨードモノブロモ置換体、ベンゼンのジヨードモノブロモ置換体、ならびに、ベンゼンの(2−ヨードエチル)又は(2−ブロモエチル)置換体などがあげられ、これらの化合物は、単独で使用してもよく、相互に組み合わせて使用することもできる。
これらのなかでも、重合反応性、架橋反応性、入手容易性などの点から、1,4−ジヨードパーフルオロブタン又はジヨードメタンを用いるのが好ましい。
上記フッ素ゴムは、加工性が良好な点から、ムーニー粘度(ML1+10(100℃))が5〜140であることが好ましく、10〜120であることがより好ましく、20〜100であることが更に好ましい。
ムーニー粘度は、ASTM−D1646に準拠して測定することができる。例えば、測定機器及び測定条件としては下記の機器及び条件を用いることができる。
測定機器:ALPHA TECHNOLOGIES社製のMV2000E型
ローター回転数:2rpm
測定温度:100℃
上記組成物には、必要に応じてフッ素ゴム中に配合される通常の配合剤、例えば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、安定剤、接着助剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤などの各種添加剤が配合されていてもよい。これらの添加剤、配合剤は、本発明の効果を損なわない範囲で使用すればよい。
フッ素樹脂
フッ素樹脂は、テトラフルオロエチレン(TFE)に基づく重合単位とヘキサフルオロプロピレン(HFP)に基づく重合単位とを含む共重合体(以下、「FEP」ともいう。)である。上記FEPを用いることによって、本発明の自動車用フィラーキャップは、極めて優れた低固着性を有する。FEPは、自動車用フィラーキャップの耐熱性及び耐油性が優れたものとなる点でも好ましい。
フッ素樹脂は、より低固着性に優れる自動車用フィラーキャップとなることから、パーフルオロフッ素樹脂であることが好ましい。
FEPとしては、TFE単位70〜99モル%とHFP単位1〜30モル%からなる共重合体であることが好ましく、TFE単位80〜97モル%とHFP単位3〜20モル%からなる共重合体であることがより好ましい。TFE単位が70モル%未満では機械物性が低下する傾向があり、99モル%をこえると融点が高くなりすぎて成形性が低下する傾向がある。
FEPは、TFE、HFP、並びに、TFE及びHFPと共重合可能な単量体からなる共重合体であってもよく、当該単量体としては、CF=CF−ORf(式中、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、CX=CX(CF(式中、X、X及びXは、同一若しくは異なって、水素原子又はフッ素原子を表し、Xは、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表し、nは2〜10の整数を表す。)で表されるビニル単量体、及び、CF=CF−OCH−Rf(式中、Rfは炭素数1〜5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられ、なかでも、PAVEであることが好ましい。
上記PAVEとしては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)〔PMVE〕、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)〔PEVE〕、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)〔PPVE〕、及び、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、なかでも、PMVE、PEVE及びPPVEからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体としては、Rfが炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基であるものが好ましく、CF=CF−OCH−CFCFがより好ましい。
FEPは、TFE及びHFPと共重合可能な単量体に由来する単量体単位を有する場合、TFE及びHFPと共重合可能な単量体に由来する単量体単位が0.1〜10モル%であり、TFE単位及びHFP単位が合計で90〜99.9モル%であることが好ましい。共重合可能な単量体単位が0.1モル%未満であると成形性、耐環境応力割れ性及び耐ストレスクラック性に劣りやすく、10モル%をこえると、耐熱性、機械特性、生産性などに劣る傾向にある。より好ましくは、TFE及びHFPと共重合可能な単量体に由来する単量体単位を有する場合、TFE及びHFPと共重合可能な単量体に由来する単量体単位が0.1〜9モル%であり、TFE単位及びHFP単位が合計で91〜99.9モル%である。
フッ素樹脂の融点は、フッ素ゴムの架橋温度以上であることが好ましい。フッ素樹脂の融点は、フッ素ゴムの架橋温度以上であれば、フッ素ゴムの種類に応じて好ましい範囲は異なるが、例えば、150℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましい。上限は特に限定されないが、300℃であってよい。より低固着性の自動車用フィラーキャップが得られることから、フッ素樹脂の融点は、230℃以下であることが好ましく、220℃以下であることがより好ましい。
融点が低すぎると、架橋成形時にフッ素樹脂が溶融し、所望する形状の自動車用フィラーキャップが得られないおそれがある。また、ガスケットの表面に充分にフッ素樹脂が析出したガスケットが得られないおそれがある。また、後述するような、充分な数の凸部を有するガスケットが得られないおそれがある。
フッ素樹脂は、327℃におけるメルトフローレート〔MFR〕が0.3〜100g/10分であることが好ましい。MFRが小さすぎると表面に十分な凸部を有することが困難になり、低固着性に劣るおそれがあり、MFRが大きすぎると成形が困難になるおそれがある。上記MFRは、ASTM D3307−01に準拠し、温度327℃、荷重5kgで測定して得られる値である。
また、フッ素樹脂の融点が200℃以下である場合には、MFRの測定は280℃で行う。その場合、フッ素樹脂は、280℃におけるMFRが0.3〜100g/10分であることが好ましい。上記MFRは、ASTM D3307−01に準拠し、温度280℃、荷重5kgで測定して得られる値である。
自動車用フィラーキャップは、より優れたシール性が得られることから、ガスケットの圧縮永久歪が小さいことが好ましい。自動車用フィラーキャップの圧縮永久歪をより小さくする観点からは、上記フッ素樹脂は下記特定の組成を有するフッ素樹脂(B1)及び(B2)からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
フッ素樹脂(B1)及び(B2)は、特定の組成を有するテトラフルオロエチレン(TFE)単位及びヘキサフルオロプロピレン(HFP)単位からなる共重合体である。特定の組成を有するフッ素樹脂(B1)又は(B2)を用いることで、本発明の自動車用フィラーキャップの低固着性をより向上させることができ、同時に、ガスケットの低圧縮永久歪性を向上させることができる。
フッ素樹脂(B1)及び(B2)は、フッ素ゴムとの相溶性に優れる点、自動車用フィラーキャップの耐熱性が優れたものとなる点からも好ましい。
フッ素樹脂(B1)は、TFE単位(a)及びHFP単位(b)のみからなる共重合体であり、TFE単位(a)/HFP単位(b)が、モル比で80.0〜87.3/12.7〜20.0である共重合体である。上記の特定範囲の組成を有するフッ素樹脂(B1)を用いると、ガスケットの圧縮永久歪が顕著に低下する。
フッ素樹脂(B1)は、圧縮永久歪をより小さくする観点、機械物性を優れたものとする観点から、(a)/(b)が、モル比で82.0〜87.0/13.0〜18.0であることが好ましく、83.0〜86.5/13.5〜17.0であることがより好ましく、83.0〜86.0/14.0〜17.0であることが更に好ましい。(a)/(b)が大きすぎると、ガスケットの圧縮永久歪が十分に小さくならないおそれがある。(a)/(b)が小さすぎると、機械物性が低下する傾向がある。
フッ素樹脂(B2)は、テトラフルオロエチレン単位(a)、ヘキサフルオロプロピレン単位(b)、並びに、テトラフルオロエチレン及びヘキサフルオロプロピレンと共重合可能な単量体に基づく重合単位(c)からなる共重合体であり、(a)/(b)が、モル比で80.0〜90.0/10.0〜20.0であり、(c)/{(a)+(b)}が、モル比で0.1〜10.0/90.0〜99.9である共重合体である(なお、{(a)+(b)}は、テトラフルオロエチレン単位(a)とヘキサフルオロプロピレン単位(b)との合計を意味する。)。(a)/(b)が、モル比で80.0〜90.0/10.0〜20.0であり、(c)/{(a)+(b)}が、モル比で0.1〜10.0/90.0〜99.9であることによって、圧縮永久歪が顕著に小さくなる。
フッ素樹脂(B2)は、圧縮永久歪をより小さくする観点、及び、機械物性を優れたものとする観点から、(a)/(b)が、モル比で82.0〜88.0/12.0〜18.0であることが好ましく、84.0〜88.0/12.0〜16.0であることがより好ましい。TFE単位(a)/HFP単位(b)が大きすぎると、ガスケットの圧縮永久歪が十分に小さくならないおそれがある。また、融点が高くなりすぎて、成形性が低下する傾向がある。TFE単位(a)/HFP単位(b)が小さすぎると、機械物性が低下する傾向がある。
フッ素樹脂(B2)は、(c)/{(a)+(b)}が、モル比で0.3〜8.0/92.0〜99.7であることが好ましい。
フッ素樹脂(B2)において、TFE及びHFPと共重合可能な単量体は、上記と同じである。
フッ素樹脂(B2)において、TFE及びHFPと共重合可能な単量体に基づく重合単位(c)は、PAVE単位であることが好ましい。そして、フッ素樹脂(B2)は、TFE単位、HFP単位、及び、PAVE単位のみからなる共重合体であることがより好ましい。
フッ素樹脂(B1)及び(B2)は、融点が210℃以下であることが好ましい。また、融点が130〜210℃であることがより好ましく、150〜200℃であることが更に好ましく、160〜190℃であることが特に好ましい。フッ素樹脂の融点が、130℃未満であると、架橋成形時にブリードアウトして、十分な低固着性が得られないおそれがある。210℃を超えると、フッ素樹脂の貯蔵弾性率が高くなり、ガスケットの低圧縮永久歪性が損なわれる恐れがある。
フッ素樹脂(B1)及び(B2)は、ガスケットの圧縮永久歪を小さくする観点から、動的粘弾性測定による70℃における貯蔵弾性率(E’)が10〜160MPaであることが好ましい。
上記貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定により70℃で測定する値である。より具体的には、アイティ−計測制御社製動的粘弾性装置DVA220で長さ30mm、巾5mm、厚み0.5mmのサンプルを引張モード、つかみ幅20mm、測定温度25〜200℃、昇温速度2℃/min、周波数1Hzの条件で測定する値である。70℃における好ましい貯蔵弾性率(E’)は10〜160MPaであり、より好ましい貯蔵弾性率(E’)は20〜140MPaであり、更に好ましい貯蔵弾性率(E’)は30〜100MPaである。
上記ガスケットは、フッ素樹脂及びフッ素ゴムを含む組成物からなるものである。フッ素樹脂とフッ素ゴムとを含む組成物は、フッ素樹脂とフッ素ゴムとが混在しているものであり、例えば、フッ素樹脂にフッ素ゴムが分散している、又は、フッ素ゴムにフッ素樹脂が分散しているものということもできる。この点で、上記ガスケットは、フッ素ゴムの表面にフッ素樹脂からなる層を積層したもの、及び、フッ素ゴムの表面にフッ素樹脂の塗膜を形成したものとは明確に区別される。ガスケットがフッ素樹脂とフッ素ゴムとを含む組成物からなるものであるため、上述したフッ素ゴムの表面にフッ素樹脂からなる層を積層したものや、フッ素ゴムの表面にフッ素樹脂の塗膜を形成したもののように剥離が生じない。
また、フッ素樹脂及びフッ素ゴムを含む組成物からなるものであるため、NBR等の汎用ゴムを用いる場合よりも、耐熱性、耐薬品性等の特性に優れる。
上記ガスケットは、表面にフッ素樹脂が析出したものである。表面にフッ素樹脂が析出したものであるため、ガスケット表面がフッ素ゴムからなるものと比較して、低固着性に優れる。また、フッ素樹脂とフッ素ゴムとが一体となり存在するものであるため、上述したフッ素ゴムの表面にフッ素樹脂からなる層を積層したものや、フッ素ゴムの表面にフッ素樹脂の塗膜を形成したものと比較して柔軟性に優れる。更に、上記ガスケットは、表面にフッ素樹脂が析出したものであるため、非粘着性、低摩擦性、撥水撥油性(高接触角)、耐熱性、及び、耐薬品性にも優れる。
上記ガスケットは、その低固着性、非粘着性、低摩擦性、撥水撥油性(高接触角)を利用して、自動車用フィラーキャップに用いられるガスケットとして有用である。
上記ガスケット表面のフッ素樹脂は凸部を形成していてもよいし、膜状であってもよい。
本発明の自動車用フィラーキャップは、ガスケット表面に凸部を有するものであることが好ましい。この場合、上記凸部は、実質的に上記組成物に含まれるフッ素樹脂からなることが好ましい。上記凸部と上記ガスケットとの間には明確な界面等が存在せず、上記凸部はガスケットと一体的に構成される。
上記ガスケットは、フッ素ゴム及びフッ素樹脂を含む組成物からなり、かつ、表面に凸部を有するとともに、凸部が実質的に上記組成物に含まれるフッ素樹脂からなることが好ましい。上記凸部がガスケットの表面に存在していることにより、本発明の自動車用フィラーキャップは、優れた低固着性を有する。
上記凸部は、実質的に上記組成物に含まれるフッ素樹脂からなる。凸部は、例えば後述する自動車用フィラーキャップの製造方法により、後述する混合工程(I)で得られる架橋性組成物に含まれるフッ素樹脂を表面に析出させて形成することができる。
上記凸部は、ガスケットとの間に明確な界面が存在せず、上記凸部とガスケットが一体的に構成されていることとなり、上記凸部が脱落したり、欠損したりしにくいとの効果をより確実に享受することができる。
上記凸部が実質的にフッ素ゴム及びフッ素樹脂を含む組成物に含まれるフッ素樹脂からなることは、IR分析やESCA分析によってフッ素ゴム由来のピークとフッ素樹脂由来のピークのピーク比を求めることで示すことができる。具体的には、凸部を有する領域において、IR分析によって、フッ素ゴム由来の特性吸収のピークとフッ素樹脂由来の特性吸収のピークとの比(成分由来ピーク比)を、凸部と凸部外のそれぞれの部分で測定し、(凸部ピーク/凸部外ピーク=ピーク比)が、1.2以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上であればよい。
上記凸部の形状について、図面を参照しながらもう少し詳しく説明する。
図1(a)は、ガスケットが有する凸部の形状を模式的に示す斜視図であり、(b)は(a)の表面に垂直な直線Bと直線Bとを含む平面で凸部11を切断した断面図であり、(c)は(a)の表面と平行な直線Cと直線Cとを含む平面で切断した断面図である。そして、図1(a)〜(c)には、本発明のガスケットの表面の微小領域を模式的に描画している。本発明のガスケットの表面には、図1(a)〜(c)に示すように、例えば、略円錐形状(コーン形状)の凸部11が形成されている。
ここで、凸部11の高さとは、ガスケットの表面から突出した部分の高さをいう(図1(b)中、H参照)。また、凸部11の底部断面積とは、凸部11を、ガスケットの表面と平行な平面(直線Cと直線Cとを含む平面)で切断した面において観察される凸部11の断面に於ける面積の値をいう(図1(c)参照)。
上記ガスケットの表面に占める上記凸部を有する領域の面積比(凸部の占有率)は、0.06(6%)以上であることが好ましい。より好ましい面積比は、0.15(15%)以上であり、更に好ましくは0.20(20%)以上であり、特に好ましくは0.25(25%)以上であり、最も好ましくは0.30(30%)以上である。上記ガスケットの表面に占める凸部を有する領域の面積比は、上記凸部の底部断面積を評価する切断面において、凸部が占める面積の比率をいう。
上記ガスケットにおいて、フッ素樹脂の体積比は、上記ガスケットに対して0.05〜0.45(5〜45体積%)であることが好ましい。体積比の下限は、0.10(10体積%)であることがより好ましく、0.15(15体積%)であることが更に好ましく、0.20(20体積%)であることが特に好ましい。体積比の上限は、0.40(40体積%)であることが好ましく、0.35(35体積%)であることがより好ましく、0.30(30体積%)であることが更に好ましい。
上記フッ素樹脂はテトラフルオロエチレンに基づく重合単位とヘキサフルオロプロピレンに基づく重合単位とからなる共重合体であり、優れた耐熱性を有する。従って、後述する成形架橋工程や熱処理工程によって分解することがないので、上記ガスケットに占めるフッ素樹脂の体積比は、後述する架橋性組成物に含まれるフッ素樹脂の体積割合と同一とみなすことができる。
本発明の自動車用フィラーキャップは、上記ガスケットの表面に占める凸部を有する領域の面積比が、上記ガスケットに占めるフッ素樹脂の体積比、すなわちフッ素ゴム及びフッ素樹脂を含む組成物に占めるフッ素樹脂の体積比の1.2倍以上であることが好ましく、1.3倍以上であることがより好ましい。これは、ガスケットの表面における凸部を有する領域の比率が、ガスケットにおけるフッ素樹脂の体積比よりも高い、すなわち、上記フッ素ゴム及びフッ素樹脂を含む組成物に占めるフッ素樹脂の体積比よりも高い、ということを意味している。
本発明の自動車用フィラーキャップは、この特徴によりフッ素樹脂の混合割合が小さくても、フッ素ゴムの欠点であった低固着性が改善され、また、フッ素ゴムの利点である弾性が損なわれることもない。
なお、上記凸部を有する領域の面積比は、ガスケットと給油口との接触部において達成されていれば、本発明の効果は十分に奏される。
上記凸部は、高さが0.1〜30.0μmであることが好ましい。凸部の高さがこの範囲にあると、本発明の自動車用フィラーキャップは、シール性を損なうことなくより低固着性に優れるものとなる。より好ましい高さは、0.3〜20.0μmであり、更に好ましくは、0.4〜10.0μmである。凸部の高さは、0.5〜10.0μmであってもよい。
上記凸部は、底部断面積が0.1〜2000μmであることが好ましい。凸部の底部断面積がこの範囲にあると、本発明の自動車用フィラーキャップは、より低固着性に優れるものとなる。より好ましい底部断面積は、0.3〜1500μmであり、更に好ましい底部断面積は、0.5〜1000μmである。
上記ガスケットは、上記凸部の高さの標準偏差が0.300以下であることが好ましい。この範囲にあると、本発明の自動車用フィラーキャップは、より低固着性に優れるものとなる。
上記ガスケットは、凸部の数が500〜60000個/mmであることが好ましい。この範囲にあると、本発明の自動車用フィラーキャップは、より低固着性に優れるものとなる。更に低固着性に優れることから、凸部の数は、4000個/mm以上であることも好ましい。
凸部を有する領域の面積比、凸部の高さ、凸部の底部断面積、凸部の数等は、例えば、キーエンス社製、カラー3Dレーザー顕微鏡(VK−9700)を用い、解析ソフトとして三谷商事株式会社製のWinRooF Ver.6.4.0を用いて算出することができる。凸部を有する領域の面積比は、凸部の底部断面積を求め、断面積合計の値が、測定全領域面積に占める割合として求められる。凸部の数は、測定領域中の凸部の数を1mm当たりの数に換算したものである。
上記ガスケット表面のフッ素樹脂は、膜状であることも好ましい形態の一つである。上記膜状のフッ素樹脂は、上記組成物に含まれるフッ素樹脂が析出したものである。ガスケット表面に膜状のフッ素樹脂が存在することによって、本発明の自動車用フィラーキャップは、優れた低固着性を有する。上記ガスケットは、表面に形成された膜状のフッ素樹脂とガスケット内部との間に明確な界面等が存在せず、膜状のフッ素樹脂がガスケットの内部と一体的に構成されている。膜状のフッ素樹脂は、ガスケットの全表面を被覆していてもよいが、全表面を被覆している必要はなく、ガスケットの表面においてフッ素ゴムが露出している部分があってもよい。
本発明の自動車用フィラーキャップとしては、自動車用燃料キャップ、自動車用オイルフィラーキャップ等が挙げられる。
本発明の自動車用フィラーキャップは、耐油性および燃料バリア性に優れることから、自動車用燃料キャップとして特に好適である。
以下、図面を参照しながら自動車用燃料キャップの実施形態について説明する。
図2は、本発明の自動車用燃料キャップの形態の一例を示す模式図である。本発明の自動車用燃料キャップの形態としては、例えば、図2に示すように、自動車用燃料キャップ200が、キャップ部21とねじ部22とを有しており、燃料タンクに通じるフィラーネック23の給油口23aに形成されたフィラーネック側ねじ23bに、ねじ部22のねじ山22aを螺合させることにより、給油口に取り付けられるようになっている形態が挙げられる。キャップ部21は、ナイロン等の合成樹脂材料から形成されていてもよいし、他の材料から形成されていてもよい。一般的には、自動車用燃料キャップの上面には、キャップ部21の回動操作用の把持部が設けられている。ねじ部22は、フィラーネック23のフィラーネック側ねじ23bに螺合するねじ山22aが形成された筒状体である。
通常、ガスケット24は、ねじ部22の上部外周に備えられる。このガスケットは、自動車用燃料キャップ200をフィラーネック23の給油口23aに締め込むことにより、フィラーネックの給油口23aのシール面23cに対して押し付けられ、給油口23aをシールする。また、一般的には、ねじ部22の上部の外周には、ガスケット24の脱落を防止するためのリブ22bが設けられている。
図2には図示していないが、通常、キャップ部21とねじ部22との間には、ラチェット機構が設けられており、ラチェット機構の作用によって、キャップ部21の一方向の回動が許容されるとともに、その回動が所定以上のトルクとなったときに空回りさせて、給油口23aに対する自動車用燃料キャップ200の締め過ぎが防止される。
本発明の自動車用燃料キャップは、給油口に押し付けられて該給油口をシールするガスケットを備える。図2に示すように、ガスケット24は、フィラーネック23の給油口23aに接触し、フィラーネックのシール面23cに押しつけられることで、給油口23aをシールすることができる。
上記ガスケットは、上述のように、給油口をシールすることができるものであればよく、その形状は特に限定されない。上記ガスケットは、通常、上述したように自動車用燃料キャップのねじ部の外周に備えられるものであり、通常は環状である。また、ガスケットの断面形状は、円形であってもよいし、多角形(三角形、四角形、五角形、六角形等)であってもよいし、他の形状であってもよい。例えば、図2に示すように、スリット24aが設けられた円形(C字形状)であってもよい。
本発明の自動車用フィラーキャップは、低固着性、耐油性、耐熱性に優れることから、自動車用オイルフィラーキャップとして特に好適である。
図3は、本発明の自動車用オイルフィラーキャップの形態の一例を示す断面模式図である。本発明の自動車用オイルフィラーキャップの形態としては、例えば、図3に示すように、自動車用オイルフィラーキャップ300が、キャップ部31と筒状部32とを有しており、給油口に取り付けられるようになっている形態が挙げられる。キャップ部31は、ナイロン等の合成樹脂材料から形成されていてもよいし、金属から形成されていてもよい。給油口にねじ山が設けられている場合、給油口のねじ山に螺合するねじ山が筒状部32に形成されていてもよい。給油口にねじ山が設けられていない場合、ねじ山はなくてよい。通常、ガスケット34は、筒状部32の外周に沿ってキャップ部31の下面31aに設けられた溝35に備えられる。このガスケットは、自動車用オイルフィラーキャップ300を給油口のシール面33aに押し付けられることで、給油口33をシールする。
上記ガスケットは、上述のように、給油口をシールすることができるものであればよく、その形状は特に限定されない。上記ガスケットは、通常、上述したようにオイルフィラーキャップのキャップ部の下面に、筒状部の外周に沿って備えられるものであり、通常は環状である。また、ガスケットの断面形状は、円形であってもよいし、多角形(三角形、四角形、五角形、六角形等)であってもよいし、他の形状であってもよい。
次に、本発明の自動車用フィラーキャップの製造方法について説明する。
本発明の自動車用フィラーキャップにおいて、上記ガスケットは、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂とを含む架橋性組成物を架橋することにより得ることができる。特に、本発明の自動車用フィラーキャップは、後述する製造方法により得られるものであることが好ましい。
本発明の自動車用フィラーキャップは、
(I)フッ素樹脂と未架橋フッ素ゴムとを混合する工程、
(II)得られた混合物を成形架橋する成形架橋工程、及び
(III)得られた架橋成形品をフッ素樹脂の融点以上の温度に加熱する熱処理工程
を含む方法により、所定の形状のガスケットを製造し、更に、得られたガスケットを自動車用フィラーキャップのキャップ部、筒状部等の所定の場所に配設することにより製造することができる。
上記未架橋フッ素ゴムは、架橋前のフッ素ゴムである。
(I)混合工程
上記架橋性組成物を得る方法は、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂とを均一に混合できる方法を用いれば特に制限はないが、例えば、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂の各々を単独で凝析した粉末を粉末混合する方法、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂を溶融混練する方法、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂とを共凝析する方法等により得ることができる。中でも、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂とを溶融混練する方法、又は、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂とを共凝析する方法が好ましい。
以下に、溶融混練と共凝析について説明する。
(溶融混練)
溶融混練は、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂とを、フッ素樹脂の融点より5℃低い温度以上の温度、好ましくはフッ素樹脂の融点以上の温度で行う。加熱温度の上限は、未架橋フッ素ゴム又はフッ素樹脂のいずれか低い方の熱分解温度未満である。
溶融混練は、その温度で架橋を引き起こす条件(架橋剤、架橋促進剤及び受酸剤の存在下など)では行わないが、フッ素樹脂の融点より5℃低い温度以上の溶融混練温度で架橋を引き起こさない成分(例えば特定の架橋剤のみ、架橋剤と架橋促進剤の組合せのみ、など)であれば、溶融混練時に添加混合してもよい。架橋を引き起こす条件としては、例えば、ポリオール架橋剤と架橋促進剤と受酸剤との組合せが挙げられる。
したがって、上記溶融混練では、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂とを溶融混練してプレコンパウンド(予備混合物)を調製し、ついで、架橋温度未満の温度で他の添加剤や配合剤を混練してフルコンパウンド(架橋性組成物)とする2段階混練法が好ましい。もちろん、全ての成分を架橋剤の架橋温度未満の温度で混練する方法でもよい。
溶融混練は、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、押出機等を使用して、フッ素樹脂の融点より5℃低い温度以上の温度、例えば180℃以上、通常220〜300℃でフッ素ゴムと混練することにより行うことができる。これらの中でも、高剪断力を加えることができる点で、加圧ニーダー又は二軸押出機等の押出機を用いることが好ましい。
また、2段階混練法におけるフルコンパウンド化は、架橋温度未満、例えば100℃以下の温度でオープンロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダーなどを用いて行うことができる。
上記溶融混練と類似の処理として、フッ素樹脂中でフッ素ゴムをフッ素樹脂の溶融条件下で架橋する処理(動的架橋)がある。動的架橋は、熱可塑性樹脂のマトリックス中に未架橋ゴムをブレンドし、混練しながら未架橋ゴムを架橋させ、かつその架橋したゴムをマトリックス中にミクロに分散させる方法であるが、上記溶融混練は、架橋を引き起こさない条件(架橋に必要な成分の不存在、又はその温度で架橋反応が起こらない配合など)で溶融混練するものであり、またマトリックスは未架橋ゴムとなり、未架橋ゴム中にフッ素樹脂が均一に分散している混合物である点において本質的に異なる。
(共凝析)
上記混合工程(I)は、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂とを共凝析して凝析物を得た後、該凝析物を含む架橋性組成物を得るものであることが好ましい。
上記凝析物を含む架橋性組成物を用いることによって、ガスケットの表面に均一にフッ素樹脂を析出させることができ、また、より均一かつ微細に凸部を形成することができるし、凸部を有する領域の面積比(占有率)をより十分に高くすることもできる。その結果、より優れた低固着性を有する自動車用フィラーキャップが得られる。
上記架橋性組成物が、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂とを共凝析することによって得られる凝析物を含む場合には、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂とが架橋性組成物中で均一に分散していると予想される。このような架橋性組成物を架橋し、熱処理することにより得られるガスケットを用いることにより、低固着性に優れる本発明の自動車用フィラーキャップが得られるものと考えられる。
上記共凝析の方法としては、例えば、(i)未架橋フッ素ゴムの水性分散液と、フッ素樹脂の水性分散液とを混合した後に凝析させる方法、(ii)未架橋フッ素ゴムの粉末を、フッ素樹脂の水性分散液に添加した後に凝析させる方法、(iii)フッ素樹脂の粉末を、未架橋フッ素ゴムの水性分散液に添加した後に凝析させる方法が挙げられる。上記共凝析の方法としては、特に未架橋フッ素ゴム及びフッ素樹脂が共に均一に分散し易い点で、上記(i)の方法が好ましい。
上記(i)〜(iii)の凝析方法における凝析は、例えば、凝集剤を用いて行うことができる。このような凝集剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、硫酸アルミニウム、ミョウバン等のアルミニウム塩、硫酸カルシウム等のカルシウム塩、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム等のマグネシウム塩、塩化ナトリウムや塩化カリウム等の一価カチオン塩等の公知の凝集剤が挙げられる。凝集剤により凝析を行う際、凝集を促進させるために酸又はアルカリを添加してpHを調整してもよい。
上記未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂とを共凝析することによって得られる凝析物は、例えば、未架橋フッ素ゴムの水性分散液と、フッ素樹脂の水性分散液とを混合した後に凝析し、次いで凝析物を回収し、所望により乾燥させることにより得ることができる。
未架橋フッ素ゴムの架橋系によっては架橋剤が必要であるので、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂とを共凝析して凝析物を得た後、凝析物に架橋剤を添加して架橋性組成物を得てもよい。上記架橋性組成物は、それぞれの架橋系において使用される架橋剤を含むものであってよい。また、上述した各種添加剤等を含むものであってもよい。
通常は、上記凝析物に架橋剤を添加した後、凝析物と架橋剤とを混合する。上記混合は、例えば、ニーダー等を用いた通常の混合方法により、フッ素樹脂の融点未満の温度で混合することができる。
上記未架橋フッ素ゴムの架橋系は、例えば、パーオキサイド架橋系、及び、ポリオール架橋系からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。耐薬品性の観点からはパーオキサイド架橋系が好ましく、耐熱性の観点からはポリオール架橋系が好ましい。
従って、上記架橋剤としては、ポリオール架橋剤、及び、パーオキサイド架橋剤からなる群より選択される少なくとも1種の架橋剤が好ましい。
架橋剤の配合量は、架橋剤の種類等によって適宜選択すればよいが、未架橋フッ素ゴム100質量部に対して0.2〜5.0質量部であることが好ましく、より好ましくは0.3〜3.0質量部である。
パーオキサイド架橋は、パーオキサイド架橋可能な未架橋フッ素ゴム及び架橋剤として有機過酸化物を使用することにより行うことができる。
パーオキサイド架橋可能な未架橋フッ素ゴムとしては特に限定されず、パーオキサイド架橋可能な部位を有する未架橋フッ素ゴムであればよい。上記パーオキサイド架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、ヨウ素原子を有する部位、臭素原子を有する部位等を挙げることができる。
有機過酸化物としては、熱や酸化還元系の存在下で容易にパーオキシラジカルを発生し得る有機過酸化物であればよく、例えば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエイトなどをあげることができる。これらの中でも、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−ヘキシン−3が好ましい。
有機過酸化物の配合量は、未架橋フッ素ゴム100質量部に対して0.1〜15質量部が好ましく、より好ましくは0.3〜5質量部である。
架橋剤が有機過酸化物である場合、上記架橋性組成物は更に架橋助剤を含むことが好ましい。架橋助剤としては、例えば、シアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N′−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタレートアミド、トリアリルホスフェート、ビスマレイミド、フッ素化トリアリルイソシアヌレート(1,3,5−トリス(2,3,3−トリフルオロ−2−プロペニル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン)、トリス(ジアリルアミン)−S−トリアジン、N,N−ジアリルアクリルアミド、1,6−ジビニルドデカフルオロヘキサン、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルフタルアミド、N,N,N′,N′−テトラアリルマロンアミド、トリビニルイソシアヌレート、2,4,6−トリビニルメチルトリシロキサン、トリ(5−ノルボルネン−2−メチレン)シアヌレート、トリアリルホスファイトなどが挙げられる。これらの中でも、架橋性及び機械物性、シール性が優れる点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
架橋助剤の配合量は、未架橋フッ素ゴム100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.01〜7.0質量部であることがより好ましく、更に好ましくは0.1〜5.0質量部である。架橋助剤が、0.01質量部より少ないと、機械物性が低下し、シール性が劣り、10質量部をこえると、耐熱性に劣り、自動車用フィラーキャップの耐久性も低下する傾向がある。
ポリオール架橋は、ポリオール架橋可能な未架橋フッ素ゴム及び架橋剤としてポリヒドロキシ化合物を使用することにより行うことができる。ポリオール架橋系における、ポリヒドロキシ化合物の配合量としては、ポリオール架橋可能な未架橋フッ素ゴム100質量部に対して0.01〜8質量部であることが好ましい。ポリヒドロキシ化合物の配合量がこのような範囲であることにより、ポリオール架橋を充分に進行させることができる。より好ましくは0.02〜5質量部である。
上記ポリオール架橋可能な未架橋フッ素ゴムとしては特に限定されず、ポリオール架橋可能な部位を有する未架橋フッ素ゴムであればよい。上記ポリオール架橋可能な部位としては特に限定されず、例えば、フッ化ビニリデン(VdF)単位を有する部位等を挙げることができる。上記架橋部位を導入する方法としては、未架橋フッ素ゴムの重合時に架橋部位を与える単量体を共重合する方法等が挙げられる。
ポリヒドロキシ化合物としては、耐熱性に優れる点からポリヒドロキシ芳香族化合物が好適に用いられる。
上記ポリヒドロキシ芳香族化合物としては、特に限定されず、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、ビスフェノールAという)、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)パーフルオロプロパン(以下、ビスフェノールAFという)、レゾルシン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシスチルベン、2,6−ジヒドロキシアントラセン、ヒドロキノン、カテコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(以下、ビスフェノールBという)、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)吉草酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)テトラフルオロジクロロプロパン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、トリ(4−ヒドロキシフェニル)メタン、3,3’,5,5’−テトラクロロビスフェノールA、3,3’,5,5’−テトラブロモビスフェノールAなどが挙げられる。これらのポリヒドロキシ芳香族化合物は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などであってもよいが、酸を用いて共重合体を凝析した場合は、上記金属塩は用いないことが好ましい。ポリヒドロキシ芳香族化合物の配合量は、未架橋フッ素ゴム100質量部に対して、0.1〜15質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
架橋剤がポリヒドロキシ化合物である場合、上記架橋性組成物は更に架橋促進剤を含むことが好ましい。架橋促進剤は、ポリマー主鎖の脱フッ酸反応における分子内二重結合の生成と、生成した二重結合へのポリヒドロキシ化合物の付加を促進する。
なお、架橋促進剤は、更に、酸化マグネシウム等の受酸剤や、水酸化カルシウム等の架橋助剤と組み合わせて用いてもよい。
架橋促進剤としては、オニウム化合物があげられ、オニウム化合物のなかでも、第4級アンモニウム塩等のアンモニウム化合物、第4級ホスホニウム塩等のホスホニウム化合物、オキソニウム化合物、スルホニウム化合物、環状アミン、及び、1官能性アミン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、第4級アンモニウム塩及び第4級ホスホニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
第4級アンモニウム塩としては特に限定されず、例えば、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムアイオダイド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムメチルスルフェート、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−プロピル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−エイコシル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−テトラコシル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド(以下、DBU−Bとする)、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−フェネチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−(3−フェニルプロピル)−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムクロライドなどが挙げられる。これらの中でも、架橋性、機械物性、及び、シール性の点から、DBU−Bが好ましい。
また、第4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、例えば、テトラブチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(以下、BTPPCとする)、ベンジルトリメチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリブチルホスホニウムクロライド、トリブチルアリルホスホニウムクロライド、トリブチル−2−メトキシプロピルホスホニウムクロライド、ベンジルフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロライドなどをあげることができ、これらの中でも、架橋性、機械物性、及び、シール性の点から、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(BTPPC)が好ましい。
また、架橋促進剤として、第4級アンモニウム塩とビスフェノールAFとの固溶体、第4級ホスホニウム塩とビスフェノールAFとの固溶体、特開平11−147891号公報に開示されている塩素フリー架橋促進剤を用いることもできる。
架橋促進剤の配合量は、未架橋フッ素ゴム100質量部に対して、0.01〜8質量部であることが好ましく、より好ましくは0.02〜5質量部である。架橋促進剤が、0.01質量部未満であると、未架橋フッ素ゴムの架橋が充分に進行せず、得られる自動車用フィラーキャップの耐熱性等が低下するおそれがある。8質量部をこえると、上記架橋性組成物の成形加工性が低下するおそれや、機械物性におけるガスケットの伸びが低下し、シール性も低下する傾向がある。
フッ素樹脂と未架橋フッ素ゴムとの相溶性向上のため、上記架橋性組成物は、少なくとも1種の多官能化合物を含有してもよい。多官能化合物とは、1つの分子中に同一又は異なる構造の2つ以上の官能基を有する化合物である。
多官能化合物が有する官能基としては、カルボニル基、カルボキシル基、ハロホルミル基、アミド基、オレフィン基、アミノ基、イソシアネート基、ヒドロキシ基、エポキシ基等、一般に反応性を有することが知られている官能基であれば任意に用いることができる。
これらの官能基を有する化合物は、未架橋フッ素ゴムとの親和性が高いだけではなく、フッ素樹脂が持つ反応性を有することが知られている官能基とも反応し、更に相溶性が向上することも期待される。
上記未架橋フッ素ゴム及びフッ素樹脂を含む架橋性組成物は、未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂との体積比(未架橋フッ素ゴム)/(フッ素樹脂)が60/40〜95/5であることが好ましい。フッ素樹脂が少なすぎると、本発明の自動車用フィラーキャップにおいて、充分な低固着性が得られないおそれがあり、一方、フッ素樹脂が多すぎると、ゴム弾性が損なわれる恐れがある。フッ素ゴムに起因する柔軟性と、フッ素樹脂に起因する低固着性の両方が良好な点から、(未架橋フッ素ゴム)/(フッ素樹脂)は、65/35〜95/5であることがより好ましく、70/30〜90/10であることが更に好ましい。
上記架橋性組成物は、必要に応じて未架橋フッ素ゴム中に配合される通常の添加剤、例えば充填剤、加工助剤、可塑剤、着色剤、安定剤、接着助剤、離型剤、導電性付与剤、熱伝導性付与剤、表面非粘着剤、柔軟性付与剤、耐熱性改善剤、難燃剤などの各種添加剤を配合することができ、これらの添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で使用すればよい。
(II)成形架橋工程
この工程は、混合工程(I)で得られた混合物を成形し架橋し、製造する弾性部材と略同形状の架橋成形品を製造する工程である。
成形及び架橋の順序は限定されず、成形した後架橋してもよいし、架橋した後成形してもよいし、成形と架橋とを同時に行ってもよい。
成形方法としては、例えば金型などによる加圧成形法、インジェクション成形法などが例示できるが、これらに限定されるものではない。
架橋方法も、スチーム架橋法、加熱により架橋反応が開始される通常の方法、放射線架橋法等が採用でき、なかでも、加熱による架橋反応が好ましい。
本発明においては、フッ素樹脂が架橋性組成物の表面層へスムーズに移行する点から、加熱による架橋反応が好適である。
架橋を行う温度は、未架橋フッ素ゴムの架橋温度以上であり、フッ素樹脂の融点未満であることが好ましい。架橋をフッ素樹脂の融点以上で行うと、多数の凸部を有する成形品を得ることができないおそれがある。
また、架橋を行う温度は、後述する熱処理工程において、架橋成形品表面にフッ素樹脂からなる凸部を形成させることができる点から、より好ましくはフッ素樹脂の融点より5℃以上低い温度以下である。また、架橋条件における温度の下限は、未架橋フッ素ゴムの架橋温度である。架橋時間としては、例えば、1分間〜24時間であり、使用する架橋剤などの種類により適宜決定すればよい。
成形及び架橋の方法及び条件としては、採用する成形及び架橋において公知の方法及び条件の範囲内でよい。また、成形と架橋は順不同で行ってもよいし、同時に並行して行ってもよい。
限定されない具体的な架橋条件としては、通常、150〜250℃の温度範囲、1分間〜24時間の架橋時間内で、使用する架橋剤などの種類により適宜決めればよい。また、後述する熱処理工程において、架橋成形品表面にフッ素樹脂からなる凸部を形成させる観点から、成形架橋条件は、フッ素樹脂の融点未満の温度であることが好ましく、より好ましくはフッ素樹脂の融点より5℃以上低い温度以下である。また、架橋条件における温度の下限は、フッ素ゴムの架橋温度である。
また、未架橋ゴムの架橋において、最初の架橋処理(1次架橋という)を施した後に2次架橋と称される後処理工程を施すことがあるが、つぎの熱処理工程(III)で説明するように、従来の2次架橋工程と本発明の成形架橋工程(II)及び熱処理工程(III)とは異なる処理工程である。
(III)熱処理工程
この熱処理工程(III)では、得られた架橋成形品をフッ素樹脂の融点以上の温度に加熱する。熱処理工程(III)を経ることにより、製造する弾性部材の表面に、(主にフッ素樹脂からなる)凸部を形成することができる。
本発明における熱処理工程(III)は、架橋成形品表面のフッ素樹脂比率を高めるために行う処理工程であり、この目的に即して、フッ素樹脂の融点以上で、かつ、フッ素ゴム及びフッ素樹脂の熱分解温度未満の温度が採用される。
加熱温度がフッ素樹脂の融点よりも低い場合は、架橋成形品表面に十分にフッ素樹脂を析出させることができず、また、凸部を形成することができない。そのため、ガスケット表面のフッ素樹脂比率も十分に高くならない。フッ素ゴム及びフッ素樹脂の熱分解を回避するために、加熱温度は、フッ素ゴムの熱分解温度又はフッ素樹脂の熱分解温度のいずれか低い方の温度未満でなければならない。好ましい加熱温度は、短時間で低固着化が容易な点から、フッ素樹脂の融点より5℃以上高い温度である。
熱処理工程(III)において、加熱温度は加熱時間と密接に関係しており、加熱温度が比較的下限に近い温度では比較的長時間加熱を行い、比較的上限に近い加熱温度では比較的短い加熱時間を採用することが好ましい。
このように加熱時間は加熱温度との関係で適宜設定すればよいが、加熱処理をあまり長時間行うとフッ素ゴムが熱劣化することがあるので、加熱処理時間は、耐熱性に優れたフッ素ゴムを使用する場合を除いて実用上96時間までである。
通常、加熱処理時間は1分間〜72時間が好ましく、1分間〜48時間がより好ましく、生産性が良好な点から1分間〜24時間がより好ましいが、より優れた低固着性を有する自動車用フィラーキャップを得る観点からは、12時間以上であることが好ましい。
また、上記(I)〜(III)の工程を経て製造したガスケットは、その表面全体にフッ素樹脂が析出し、表面に凸部が形成されることとなるが、本発明の自動車用フィラーキャップに用いるガスケットにおいては、ガスケットと給油口との接触する部分の表面にフッ素樹脂が析出されていれば、ガスケットと給油口との接触部以外の表面には凸部がなくてもよい。そして、このような態様のガスケットを製造する場合は、例えば、上記(III)の工程を行った後、研磨処理等により不要な部分の析出したフッ素樹脂や凸部を除去すればよい。
ところで、従来行われている2次架橋は1次架橋終了時に残存している架橋剤を完全に分解してフッ素ゴムの架橋を完結し、架橋成形品の機械的特性や圧縮永久歪特性を向上させるために行う処理である。
したがって、フッ素樹脂の共存を想定していない従来の2次架橋条件は、その架橋条件が偶発的に熱処理工程の加熱条件と重なるとしても、2次架橋ではフッ素樹脂の存在を架橋条件設定の要因として考慮せずに未架橋フッ素ゴムの架橋の完結(架橋剤の完全分解)という目的の範囲内での加熱条件が採用されているにすぎず、フッ素樹脂を配合した場合にゴム架橋物(ゴム未架橋物ではない)中でフッ素樹脂を加熱軟化又は溶融する条件を導き出せるものではない。
なお、成形架橋工程(II)において、未架橋フッ素ゴムの架橋を完結させるため(架橋剤を完全に分解するため)の2次架橋を行ってもよい。
また、熱処理工程(III)において、残存する架橋剤の分解が起こり未架橋フッ素ゴムの架橋が完結する場合もあるが、熱処理工程(III)におけるかかる未架橋フッ素ゴムの架橋はあくまで副次的な効果にすぎない。
なお、上記熱処理工程(III)を行った後、必要に応じて、リングスプリングを配設する工程を行ってもよい。
混合工程(I)、成形架橋工程(II)、及び、熱処理工程(III)を含む製造方法により得られる自動車用フィラーキャップは、フッ素樹脂の表面移行現象によって、ガスケットの表面に凸部が形成されるとともに、表面領域(凸部内を含む)でフッ素樹脂比率が増大した状態になっているものと推定される。
特に、混合工程(I)で得られる混合物は、未架橋フッ素ゴムが連続相を形成しかつフッ素樹脂が分散相を形成している構造、又は未架橋フッ素ゴムとフッ素樹脂が共に連続相を形成している構造をとっているものと推定され、このような構造を形成することにより、成形架橋工程(II)での架橋反応をスムーズに行うことができ、得られる架橋物の架橋状態も均一になり、また熱処理工程(III)におけるフッ素樹脂の表面移行現象がスムーズに起こりフッ素樹脂比率が増大した表面が得られる。
なお、フッ素樹脂の表面層への移行がスムーズに起こる点から、熱処理工程はフッ素樹脂の融点以上での加熱処理が特に優れている。
ガスケットの表面領域におけるフッ素樹脂比率が増大した状態(ガスケット表面のフッ素樹脂比率が、内部よりも高い状態)は、ガスケットの表面をESCA又はIRで化学的に分析することで検証できる。
例えば、ESCA分析ではガスケットの表面から約10nmまでの深さの原子団を同定できるが、熱処理後において、フッ素ゴム由来の結合エネルギーのピーク(PESCA1)とフッ素樹脂由来のピーク(PESCA2)の比(PESCA1/PESCA2)が熱処理前に対して小さくなっている、すなわちフッ素樹脂の原子団が多くなっている。
また、IR分析ではガスケットの表面から約0.5〜1.2μmまでの深さの原子団を同定できるが、熱処理後において、深さ0.5μmでのフッ素ゴム由来の特性吸収のピーク(PIR0.51)とフッ素樹脂由来のピーク(PIR0.52)の比(PIR0.51/PIR0.52)が熱処理前に対して小さくなっている、すなわちフッ素樹脂の原子団が多くなっている。しかも、深さ0.5μmでの比(PIR0.51/PIR0.52)と深さ1.2μmでの比(PIR1.21/PIR1.22)を比べても、深さ0.5μmでの比(PIR0.51/PIR0.52)の方が小さくなっており、表面に近い領域の方にフッ素樹脂比率が増大していることを示している。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
本明細書における各種の特性については、つぎの方法で測定した。
(1)フッ素樹脂の単量体組成
核磁気共鳴装置AC300(Bruker−Biospin社製)を用い、測定温度を(ポリマーの融点+50)℃として19F−NMR測定を行い求めた。
(2)フッ素樹脂の融点
示差走査熱量計RDC220(Seiko Instruments社製)を用い、ASTM D−4591に準拠して、昇温速度10℃/分にて熱測定を行い、一度融点ピークの吸熱終了温度+30℃になったら、降温速度−10℃/分で50℃まで降温させ、再度昇温速度10℃/分で吸熱終了温度+30℃まで昇温させ、得られた吸熱曲線のピークから融点を求めた。
(3)フッ素樹脂のメルトフローレート〔MFR〕
MFRは、ASTM D3307−01に準拠し、メルトインデクサー(東洋精機社製)を用いて、280℃または327℃、5kg荷重下で内径2mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)をMFRとした。
(4)フッ素樹脂の貯蔵弾性率(E’)
貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定により70℃で測定する値であり、アイティ−計測制御社製動的粘弾性装置DVA220で長さ30mm、巾5mm、厚み0.25mmのサンプルを引張モード、つかみ幅20mm、測定温度25℃から200℃、昇温速度2℃/min、周波数1Hzの条件で測定した。
(5)架橋(加硫)特性
キュラストメーターII型(JSR(株)製)にて最低トルク(ML)、最高トルク(MH)、誘導時間(T10)及び最適加硫時間(T90)を測定した。
(6)100%モジュラス(M100)
JIS K6251に準じて測定した。
(7)引張破断強度(Tb)
JIS K6251に準じて測定した。
(8)引張破断伸び(Eb)
JIS K6251に準じて測定した。
(9)硬度(ショアA)
JIS K6253に準じ、デュロメータ タイプAにて測定した(ピーク値)。
(10)圧縮永久歪
JIS K6262に準じて200℃×70h後の圧縮永久歪を測定した。
(11)凸部を有する領域の面積比、凸部の高さ、凸部の底部断面積、凸部の個数
凸部を有する領域の面積比、凸部の高さ、凸部の底部断面積、凸部の個数等は、例えば、キーエンス社製、カラー3Dレーザー顕微鏡(VK−9700)を用い、解析ソフトとして三谷商事株式会社製のWinRooF Ver.6.4.0を用いて算出した。凸部を有する領域の面積比は、凸部の底部断面積を求め、断面積合計の値が、測定全領域面積に占める割合として求められる。凸部の個数は、測定領域中の凸部の個数を1mm当たりの数に換算したものである。
(12)燃料フィラーキャップの固着
以下に示す方法でフィラーキャップの固着を測定した。
固着状態の確認は、市販の燃料フィラーキャップ(HONDA車用 部番:17670−SJA−013)に本発明の燃料フィラーパッキンを図2に示すように組付け、市販の燃料フィラーパイプ(HONDA車用 部番:17670−TM8−013)に嵌合し、150℃の加熱炉中に72時間放置後、24時間常温に放置した。放置後、燃料フィラーキャップを外し、燃料フィラーパイプへのゴムの固着状態を確認した。
固着状態は光学顕微鏡(×10)にて確認し、○:固着なし、×:固着あり、とした。
(13)オイルフィラーキャップの固着
以下に示す方法でフィラーキャップの固着を測定した。
固着状態の確認は、市販のオイルフィラーキャップ(HONDA車用 部番:15610−PFB−000)に本発明の燃料フィラーパッキンを図3に示すように組付け、市販のヘットカバー(HONDA車用 部番:12310−RBJ−003)に嵌合し、150℃の加熱炉中に72時間放置後、24時間常温に放置した。放置後、ヘッドカバーを外し、ヘッドカバーへのゴムの固着状態を確認した。
固着状態は光学顕微鏡(×10)にて確認し、○:固着なし、×:固着あり、とした。
また、表及び明細書中の使用材料は、それぞれ次に示すものである。
充填剤
カーボンブラック(Cancarb社製のMTカーボン:N990)
架橋剤
ビスフェノールAF 特級試薬(和光純薬工業(株)製)
架橋促進剤
BTPPC 特級試薬(和光純薬工業(株)製)
受酸剤
酸化マグネシウム(協和化学工業(株)製 MA150)
架橋助剤
水酸化ムカルシウム(近江化学工業(株)製 CALDIC2000)
フッ素ゴム(A)
ダイキン工業(株)製 2元フッ素ゴム水性ディスパージョン(固形分濃度26質量%、フッ素ゴム:VdF/HFP共重合体、VdF/HFP=22/78(モル比))(フッ素ゴムディスパージョン(A))
フッ素樹脂(Ba
ダイキン工業(株)製 ネオフロンFEP(TFE/HFP共重合体)水性ディスパージョン(固形分濃度21質量%、MFR31.7g/10min(327℃、5kg測定)、融点215℃、TFE/HFP=87.9/12.1(モル比))(フッ素樹脂ディスパージョン(Ba))
フッ素樹脂(Bb
ダイキン工業(株)製 ネオフロンFEP(TFE/HFP共重合体)水性ディスパージョン(固形分濃度20.1質量%、MFR7.5g/10min(280℃、5kg測定)、融点186℃、TFE/HFP=84.7/15.3(モル比))(フッ素樹脂ディスパージョン(Bb))
フッ素樹脂(C)
ダイキン工業(株)製 ネオフロンETFE(エチレン/TFE共重合体)(商品名:EP−610)
(架橋性組成物の調製1)
容量1Lのミキサー内に、水500mlと塩化マグネシウム4gをあらかじめ混合した溶液にフッ素樹脂ディスパージョン(Ba)とフッ素ゴムディスパージョン(A)とを、固形分が体積比で75/25(フッ素ゴム/フッ素樹脂)となるようにあらかじめ混合した溶液400mlを投入し、ミキサーにて5分間混合し、共凝析した。
共凝析後、固形分を取り出し、120℃×24時間乾燥炉で乾燥させた後、オープンロールにて表1に示す所定の配合物を混合して、架橋性組成物1を調製した。
(架橋性組成物の調製2)
フッ素樹脂ディスパージョン(Ba)の代わりにフッ素樹脂ディスパージョン(Bb)を用いた以外は、架橋性組成物の調製1と同じ方法で架橋性組成物2を調製した。
(架橋性組成物の調製3)
容量1Lのミキサー内に、水500mlと塩化マグネシウム4gをあらかじめ混合した溶液にフッ素ゴムディスパージョン(A)400mlを投入し、ミキサーにて5分間混合し、凝析した。凝析後、固形分を取り出し、120℃×24時間乾燥炉で乾燥させた後、内容量3Lの加圧ニーダーに体積充填率が85%になるように凝析後のフッ素ゴム(A)とフッ素樹脂(C)を体積比で75/25となるように投入し、材料温度(フッ素ゴムとフッ素樹脂)が230℃になるまで練り、コンパウンドを調製した。その後コンパウンドをオープンロールにて表1に示す所定の配合物を混合して、架橋性組成物3を調製した。
実施例1−1
成形架橋工程
燃料フィラーパッキン金型に架橋性組成物1を投入して、10MPaに加圧して、170℃で10分間加硫させて、図2のガスケット(パッキン)24の断面の架橋成形品(外径Φ52.6mm、内径Φ40mm、断面高さ6.7mm)を得た。
熱処理工程
得られた架橋成形品を230℃に維持された加熱炉中に24時間入れて加熱処理をし、燃料フィラーパッキンを得た。架橋(加硫)特性を、JSR(株)製キュラストメーターII型を用いて、測定温度170℃で測定した。
また、得られた燃料フィラーパッキンを用いて、凸部の数、底部断面積、高さ、凸部を有する領域の面積比、燃料フィラーパッキンの固着を測定した。結果を表1に示す。
実施例1−2
架橋性組成物1の代わりに架橋性組成物2を用いたこと以外は、実施例1−1と同じ方法で燃料フィラーパッキンを得て、各種測定を行った。
実施例2−1
成形架橋工程
オイルフィラーパッキン金型にフルコンパウンドを投入して、10MPaに加圧して、170℃で10分間加硫させて、図3のガスケット(パッキン)34の断面の架橋成形品(外径Φ40mm、内径Φ34mm、高さ5mm)を得た。
熱処理工程
得られた架橋成形品を230℃に維持された加熱炉中に24時間入れて加熱処理をし、オイルフィラーパッキンを得た。架橋(加硫)特性を、JSR(株)製キュラストメーターII型を用いて、測定温度170℃で測定した。
また、得られたオイルフィラーパッキンを用いて、凸部の数、底部断面積、高さ、凸部を有する領域の面積比、オイルフィラーパッキンの固着を測定した。結果を表1に示す。
実施例2−2
架橋性組成物1の代わりに架橋性組成物2を用いたこと以外は、実施例2−1と同じ方法でオイルフィラーパッキンを得て、各種測定を行った。
比較例1
架橋性組成物1の代わりに架橋性組成物3を用いたこと以外は、実施例1−1と同じ方法で燃料フィラーパッキンを得て、各種測定を行った。
比較例2
架橋性組成物1の代わりに架橋性組成物3を用いたこと以外は、実施例2−1と同じ方法でオイルフィラーパッキンを得て、各種測定を行った。
Figure 0005880685
本発明の自動車用フィラーキャップは、シール性はもちろんのこと、優れた低固着性を有するため、自動車用燃料キャップ、自動車用オイルフィラーキャップ等に好適である。
10、24、34:ガスケット
11:凸部
21、31:キャップ部
22:ねじ部
22a:ねじ山
22b:リブ
23:フィラーネック
23a、33:給油口
23b:フィラーネック側ねじ
23c、33a:シール面
24a:スリット
31:キャップ部
31a:キャップ部の下面
32:筒状部
35:溝
200:自動車用燃料キャップ
300:自動車用オイルフィラーキャップ

Claims (8)

  1. 自動車の給油口に取り付けられる自動車用フィラーキャップであって、
    前記自動車用フィラーキャップは、給油口に押し付けられて該給油口をシールするガスケットを備え、
    前記ガスケットは、フッ素ゴム及びフッ素樹脂を含む組成物からなるとともに、表面に前記フッ素樹脂が析出したものであり、
    前記フッ素樹脂は、下記フッ素樹脂(B1)及び(B2)からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする自動車用フィラーキャップ。
    フッ素樹脂(B1):テトラフルオロエチレン単位(a)及びヘキサフルオロプロピレン単位(b)のみからなる共重合体であり、TFE単位(a)/HFP単位(b)が、モル比で80.0〜87.3/12.7〜20.0である共重合体。
    フッ素樹脂(B2):テトラフルオロエチレン単位(a)、ヘキサフルオロプロピレン単位(b)、及び、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)単位(c)からなる共重合体であり、(a)/(b)が、モル比で80.0〜90.0/10.0〜20.0であり、(c)/{(a)+(b)}が、モル比で0.1〜10.0/90.0〜99.9である共重合体。
  2. ガスケットは、表面に凸部を有するとともに、前記凸部が実質的に前記組成物に含まれるフッ素樹脂からなる請求項1記載の自動車用フィラーキャップ。
  3. ガスケットに占めるフッ素樹脂の体積比が0.05〜0.45であり、
    ガスケットの表面に占める凸部を有する領域の面積比が0.06以上であり、
    ガスケットの表面に占める凸部を有する領域の面積比が、ガスケットに占めるフッ素樹脂の体積比の1.2倍以上である
    請求項2記載の自動車用フィラーキャップ。
  4. 凸部は、高さが0.1〜30.0μmである
    請求項2又は3記載の自動車用フィラーキャップ。
  5. 凸部は、底部断面積が0.1〜2000μmである
    請求項2、3又は4記載の自動車用フィラーキャップ。
  6. フッ素ゴムは、
    ビニリデンフルオライドに基づく重合単位と、
    テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、及び、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)からなる群より選択される少なくとも1種の単量体に基づく重合単位と、
    を含む共重合体である請求項1、2、3、4又は5記載の自動車用フィラーキャップ。
  7. 自動車の燃料タンクの給油口に取り付けられる自動車用燃料キャップである
    請求項1、2、3、4、5又は6記載の自動車用フィラーキャップ。
  8. 自動車の内燃機関に潤滑油を供給するための給油口に取り付けられる自動車用オイルフィラーキャップである
    請求項1、2、3、4、5又は6記載の自動車用フィラーキャップ。
JP2014504760A 2012-03-13 2013-02-25 自動車用フィラーキャップ Active JP5880685B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014504760A JP5880685B2 (ja) 2012-03-13 2013-02-25 自動車用フィラーキャップ

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012056300 2012-03-13
JP2012056300 2012-03-13
PCT/JP2013/054812 WO2013136958A1 (ja) 2012-03-13 2013-02-25 自動車用フィラーキャップ
JP2014504760A JP5880685B2 (ja) 2012-03-13 2013-02-25 自動車用フィラーキャップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2013136958A1 JPWO2013136958A1 (ja) 2015-08-03
JP5880685B2 true JP5880685B2 (ja) 2016-03-09

Family

ID=49160874

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014504760A Active JP5880685B2 (ja) 2012-03-13 2013-02-25 自動車用フィラーキャップ

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20150041473A1 (ja)
JP (1) JP5880685B2 (ja)
CN (1) CN104169119A (ja)
WO (1) WO2013136958A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015075197A (ja) * 2013-10-10 2015-04-20 Nok株式会社 細径ガスケットの製造方法。
JP6464797B2 (ja) * 2014-02-17 2019-02-06 ダイキン工業株式会社 成形体
JP6493165B2 (ja) * 2015-11-11 2019-04-03 トヨタ自動車株式会社 開閉部材
IT201600112210A1 (it) * 2016-11-08 2018-05-08 Emak Spa Serbatoio per un fluido motoristico

Family Cites Families (58)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3511685A (en) * 1964-03-10 1970-05-12 Minnesota Rubber Co Method of making sealing rings
US3933358A (en) * 1974-11-07 1976-01-20 Deere & Company O-Ring port contour sheath and seal
US4072245A (en) * 1976-07-16 1978-02-07 Stant Manufacturing Company, Inc. Filler neck cap with O-ring seal
US4096207A (en) * 1977-01-03 1978-06-20 American Cyanamid Company Elastomer compositions with improved abrasion resistance
JPS5937479Y2 (ja) * 1982-11-27 1984-10-17 カルソニックカンセイ株式会社 キヤツプ用o−リング
US4625005A (en) * 1984-03-28 1986-11-25 Japan Synthetic Rubber Co., Ltd. Multi-component copolymer rubber, a process for producing the same, and a rubber composition containing the multi-component copolymer rubber
CA1272540A (en) * 1985-01-31 1990-08-07 Yoshiaki Zama Vulcanizable rubber compositions and applications thereof
DE3545683C1 (de) * 1985-12-21 1987-07-16 Freudenberg Carl Fa Wellendichtung
DE3886818T2 (de) * 1987-05-23 1994-07-28 Asahi Chemical Ind Aus einem vernetzten Elastomer geformter Gegenstand.
JP2669621B2 (ja) * 1987-08-24 1997-10-29 電気化学工業株式会社 ゴム組成物
US4995623A (en) * 1987-09-11 1991-02-26 Nok Corporation Sealing device for reciprocating member
US4904726A (en) * 1987-12-31 1990-02-27 E. I. Dupont Denemours And Company Modified polytetrafluoroethylene resins and blends thereof
JP2555789B2 (ja) * 1991-03-26 1996-11-20 豊田合成株式会社 フユーエルキヤツプ
US5269539A (en) * 1992-04-13 1993-12-14 Trw Inc. Hydraulic shaft seal
DE4333244C2 (de) * 1993-09-30 1997-04-24 Freudenberg Carl Fa Stangen- oder Kolbendichtung
JP4244442B2 (ja) * 1998-06-12 2009-03-25 Nok株式会社 密封装置
IT1308628B1 (it) * 1999-02-23 2002-01-09 Ausimont Spa Composizioni fluoroelastomeriche.
US6161841A (en) * 1999-03-22 2000-12-19 Shaw; Richard J. Vehicle O ring fuel cap gasket
US6310141B1 (en) * 2000-06-27 2001-10-30 Dyneon Llc Fluoropolymer-containing compositions
JP2002179120A (ja) * 2000-12-19 2002-06-26 Om Kogyo Kk 給油口キャップ
US20040173976A1 (en) * 2001-04-18 2004-09-09 Boggs Todd C. Resilient seal with axial protrusions
FR2823824B1 (fr) * 2001-04-23 2003-05-16 Commissariat Energie Atomique Joint d'etancheite metallique elastique ouvert a parties saillantes desaxees
JP2004138091A (ja) * 2002-10-15 2004-05-13 Nok Corp 往復動シール
WO2004050758A1 (ja) * 2002-12-05 2004-06-17 Daikin Industries, Ltd. 含フッ素ポリマー組成物及び硬化体
JP4617779B2 (ja) * 2003-11-25 2011-01-26 豊田合成株式会社 キャップ装置
JP3885800B2 (ja) * 2004-01-15 2007-02-28 ダイキン工業株式会社 摺動部材及びその製造方法
US7230038B2 (en) * 2004-06-30 2007-06-12 Freudenberg-Nok General Partnership Branched chain fluoropolymers
WO2006057333A1 (ja) * 2004-11-26 2006-06-01 Daikin Industries, Ltd. 熱可塑性重合体組成物および熱可塑性重合体組成物の製造方法
US7789396B2 (en) * 2005-06-21 2010-09-07 Nok Corporation Oil seal and process for producing the same
JP4794932B2 (ja) * 2005-07-21 2011-10-19 ニチアス株式会社 シール構造体及びその製造方法
JP5025131B2 (ja) * 2005-10-31 2012-09-12 豊田合成株式会社 燃料系シール部材及びその製造方法
JP4984794B2 (ja) * 2005-12-28 2012-07-25 豊田合成株式会社 ガスケットおよびタンク用キャップならびにタンク用開閉装置
US7604243B2 (en) * 2006-03-14 2009-10-20 Macrotech Polyseal, Inc. Composite seals, seal structures and related methods
EP2154204A4 (en) * 2007-05-16 2011-11-23 Daikin Ind Ltd FINE PARTICLES OF NETWORKED FLUOROUS ELASTOMER, METHOD OF MANUFACTURING THEREOF AND COMPOSITION
GB0712779D0 (en) * 2007-07-02 2007-08-08 Edwards Ltd Seal
EP2065441A1 (en) * 2007-11-30 2009-06-03 Solvay Solexis S.p.A. Fluoroelastomer composition
JP5533655B2 (ja) * 2008-09-09 2014-06-25 ダイキン工業株式会社 フッ素ゴム架橋成形体の製造方法
JP2011012212A (ja) * 2009-07-03 2011-01-20 Daikin Industries Ltd フッ素ゴム成形品の製造方法及びフッ素ゴム成形品
KR101397843B1 (ko) * 2009-07-03 2014-05-20 다이킨 고교 가부시키가이샤 가교성 불소 고무 조성물, 불소 고무 성형품 및 그의 제법
US20110171430A1 (en) * 2009-07-27 2011-07-14 Nano Terra Inc. Microadhesive systems and methods of making and using the same
JP5676312B2 (ja) * 2010-03-08 2015-02-25 本田技研工業株式会社 自動車用燃料キャップ
WO2011111630A1 (ja) * 2010-03-08 2011-09-15 本田技研工業株式会社 自動車用エンジンオイルシール
JP5653255B2 (ja) * 2010-03-08 2015-01-14 本田技研工業株式会社 自動車用オイルフィラーキャップ
US9322477B2 (en) * 2010-03-08 2016-04-26 Honda Motor Co., Ltd. Vehicle transmission oil seal
US9068653B2 (en) * 2010-08-25 2015-06-30 Daikin Industries, Ltd. Sealing material
WO2012093624A1 (ja) * 2011-01-05 2012-07-12 ダイキン工業株式会社 フッ素ゴム成形品
JP5418683B2 (ja) * 2011-04-06 2014-02-19 Nok株式会社 フッ素ゴム組成物
JP2013082888A (ja) * 2011-09-30 2013-05-09 Daikin Industries Ltd 架橋性フッ素ゴム組成物、フッ素ゴム成形品及びその製造方法
EP2803700B1 (en) * 2012-01-12 2016-07-20 Daikin Industries, Ltd. Acrylic rubber composition, acrylic rubber molded product, and method for producing same
WO2013108856A1 (ja) * 2012-01-18 2013-07-25 旭硝子株式会社 アクリルゴム/フッ素ゴム組成物の製造方法、架橋性組成物、積層体および耐熱エアーゴムホース
KR20140110046A (ko) * 2012-01-23 2014-09-16 다이킨 고교 가부시키가이샤 자동차용 오일 시일
WO2013125731A1 (en) * 2012-02-24 2013-08-29 Daikin Industries, Ltd. Fluororubber composition
US9062774B2 (en) * 2012-03-21 2015-06-23 Federal-Mogul Corporation Radial shaft seal with static and hydrodynamic sealing features
JP2014131856A (ja) * 2013-01-07 2014-07-17 Sumitomo Rubber Ind Ltd 摺動性弾性体
PL2767557T3 (pl) * 2013-02-14 2017-09-29 3M Innovative Properties Company Kompozycje fluoropolimeru z mikrosferami
US9663638B2 (en) * 2013-03-05 2017-05-30 Daikin Industries, Ltd. Acrylonitrile butadiene rubber composition, acrylonitrile butadiene rubber molded article, and method for producing same
KR102212538B1 (ko) * 2013-09-25 2021-02-04 에이지씨 가부시키가이샤 함불소 엘라스토머 조성물, 그 제조 방법, 성형체, 가교물, 및 피복 전선
WO2015045818A1 (ja) * 2013-09-25 2015-04-02 旭硝子株式会社 含フッ素エラストマー組成物、その製造方法、成形体、架橋物、及び被覆電線

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2013136958A1 (ja) 2015-08-03
US20150041473A1 (en) 2015-02-12
CN104169119A (zh) 2014-11-26
WO2013136958A1 (ja) 2013-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5786967B2 (ja) 自動車用オイルシール
JP5114826B2 (ja) 架橋性組成物およびそれからなる積層体
JP5293805B2 (ja) フッ素ゴム成形品
JP2013224451A (ja) 架橋性フッ素ゴム組成物、フッ素ゴム成形品及びその製造方法
JP5304645B2 (ja) フッ素ゴム層および非フッ素ゴム層からなる積層体およびその製造方法
JP5880685B2 (ja) 自動車用フィラーキャップ
JP5676312B2 (ja) 自動車用燃料キャップ
JP2006212996A (ja) フッ素ゴム層および非フッ素ゴム層からなる積層体
WO2014054535A1 (ja) 注射器
JP5653255B2 (ja) 自動車用オイルフィラーキャップ
JP2010180366A (ja) フッ素樹脂組成物及び積層体
JP2016090013A (ja) オイルシール
JP2013195234A (ja) 自動車用オイルレベルゲージ
JP5821348B2 (ja) 定着用ロール及び定着用ベルト
JP2010209275A (ja) ポリマー組成物及び成形体
JP7436910B2 (ja) フッ素ゴム組成物および成形体
JP2015152123A (ja) オイルシール
JP2013086524A (ja) ワイパーブレードゴム
JP2013163286A (ja) 積層体
JP2015151962A (ja) バルブステムシール
JP5528377B2 (ja) 自動車用オイルレベルゲージ
JP2016090014A (ja) バルブステムシール
JP2011185355A (ja) 自動車バルブ用部材
JP2013067774A (ja) 架橋性フッ素ゴム組成物、及び、フッ素ゴム成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160118

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5880685

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151