JP2015075197A - 細径ガスケットの製造方法。 - Google Patents

細径ガスケットの製造方法。 Download PDF

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信行 梅崎
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Abstract

【課題】ゴム状弾性材製シート部材から細径のガスケットを精度良く刃物で打ち抜くことが出来ると共に、取り扱いが容易であるばかりでなく、取付箇所における相手ハウジングへの悪影響を抑える事の出来る細径ガスケットの製造方法を提供できることを目的とする。
【解決手段】
一方の表面に複数の突起を形成したゴム状弾性材製シート部材を準備する工程と、ついで、前記ゴム状弾性材製シート部材の前記突起を形成していない面に、樹脂材製シート部材を粘着させる工程と、ついで、前記ゴム状弾性材製シート部材を所定のガスケット形状に打ち抜く工程と、ついで、前記ガスケットを前記樹脂材製シート部材表面から剥がし取る工程を有することを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、細径ガスケットの製造方法に関する。
更に詳しくは、精密機械部品や光学機器に用いられる細径ガスケットの製造方法に係り、燃料電池やHDD用に好適に用いられる細径ガスケットの製造方法に関する。
従来、この種細径ガスケットは、製品幅が極めて細く、また厚みも薄いため、通常の最終製品形状のまま圧縮成形とした場合、型割構造から不可避的に発生するバリを除去する際、製品本体へもき裂が入って、ガスケットを損傷する問題を招来した。
また、ガスケットを圧縮成形後に、2次加硫、洗浄、梱包する際に、ガスケット形状が、細く、薄く、長いため、ガスケットの切断、ガスケット同士の絡みあい等の問題を惹起した。
そこで、ゴム状弾性材製シート部材単体からガスケットをトムソン刃等で所定のガスケット形状に打ち抜く方法が提案されたが、ガスケットの製品幅が2mm以下で、製品厚さが0.5mm以下のものに於いては、精度良く刃物で打ち抜くことは困難であった。
特に、低反力性でかつ圧縮量に対して反力の変化率が小さいゴム状弾性材を精度良く刃物で打ち抜くことは更に困難であった。
更に、この様な両面が平坦面の細径ガスケットを、所定箇所に取付けてハウジング間で圧接すると、面圧(荷重)が急激に増大する為、ハウジングが薄肉の樹脂部品である場合、ハウジングが変形し、損傷する問題を惹起した。
特開2003−278917号公報
本発明は、ゴム状弾性材製シート部材から細径のガスケットを精度良く刃物で打ち抜くことが出来ると共に、取り扱いが容易であるばかりでなく、取付箇所における相手ハウジングへの悪影響を抑える事の出来る細径ガスケットの製造方法を提供できることを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の細径ガスケットの製造方法にあっては、一方の表面に複数の突起を形成したゴム状弾性材製シート部材を準備する工程と、ついで、前記ゴム状弾性材製シート部材の前記突起を形成していない面に、樹脂材製シート部材を粘着させる工程と、ついで、前記ゴム状弾性材製シート部材を所定のガスケット形状に打ち抜く工程と、ついで、前記ガスケットを前記樹脂材製シート部材表面から剥がし取る工程を有することを特徴とする。
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
請求項1記載の発明の細径ガスケットの製造方法によれば、ゴム状弾性材製シート部材から細径のガスケットを精度良く刃物で打ち抜くことが出来ると共に、取り扱いが容易であるばかりでなく、取付箇所における相手ハウジングへの悪影響を抑える事が出来る。
また、請求項2記載の発明の細径ガスケットの製造方法によれば、ガスケットの取付作業が効率的に行える。
また、請求項3記載の発明の細径ガスケットの製造方法によれば、突起により、所定箇所に取付けてハウジング間で圧接した際の面圧(荷重)が急激に増大することを抑えられる為、ハウジングが薄肉の樹脂部品であっても、ハウジングが変形し、損傷する事が無いばかりでなく、一定の面圧を与える事により、突起が潰れ、突起を形成していない面を相手側に押し付けることで、突起を形成していない面から液体や光が漏洩する事が無い。
更に、請求項4記載の発明の細径ガスケットの製造方法によれば、ガスケットの打ち抜き形状が変わっても、常にガスケットの一方の面に突起が存在する形と出来る。
更に、請求項5記載の発明の細径ガスケットの製造方法によれば、ガスケットの切れ、ガスケット同士の絡まりを心配する事無い。ガスケットを打ち抜いた後、ガスケットを所定の箇所に装着するまで、樹脂材製シート部材と一体に扱える為、輸送等におけるハンドリングが容易である。
更に、請求項6記載の発明の細径ガスケットの製造方法によれば、ガスケットの幅が2mm以下の細径ガスケットに特に有効である。
本発明に係る一方の表面に複数の突起を形成したゴム状弾性材製シート部材の斜視図。 図1の突起を形成していない面に樹脂材製シート部材を重ねた斜視図。 図2の部分拡大断面図。 図2のゴム状弾性材製シート部材からガスケット形状に打ち抜いた斜視図。 図4からガスケットの内側及び外側に存在する不要なゴム状弾性材製シート部材を取除いた状態を示す斜視図。 図5の状態からガスケットを完全に剥がし取ったガスケット単体の斜視図。 本発明に係る他の態様を示すゴム状弾性材製シート部材単体の斜視図。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明に係る細径ガスケットの製造方法は、図1に示す様に、まず、ゴム状弾性材製シートの一方の表面に複数の円錐状の突起11を形成したゴム状弾性材製シート部材1を準備する。
このゴム状弾性材製シート部材1の他方の表面は平坦な面となっており、他の部材と粘着し易い表面となっている。
また、突起11の形状は、円錐状に限らず、円柱状、角柱状等の各種態様の突起が適用可能であり、突起11の高さは、0.1〜0.5mm、好ましくは0.2〜0.4mmである。
この様な突起11形状とする事により、所定箇所に取付けてハウジング間で圧接した際の面圧(荷重)が急激に増大することを抑えられる為、ハウジングが薄肉の樹脂部品であっても、ハウジングが変形し、損傷する事が無いばかりでなく、一定の面圧を与える事により、突起11を形成していない面を相手側に押し付けることで、突起11を形成していない面から液体や光が漏洩する事が無い。
ついで、このゴム状弾性材製シート部材1の突起11を形成していない面に、図2に示す様に、樹脂材製シート部材2を重ね、相互に粘着させ、一体化する。
このゴム状弾性材製シート部材1と樹脂材製シート部材2との間の粘着は、ゴム状弾性材製シート部材2自身が備えている粘着性により達成されるが、必要な場合は、ゴム状弾性材製シート部材1と樹脂材製シート部材2との間に粘着剤を介在させても良い。
ついで、図2に示すゴム状弾性材製シート部材1と樹脂材製シート部材2とが一体化されている状態で、図4に示す様に、ゴム状弾性材製シート部材1からガスケット3をトムソン刃等で所定のガスケット形状に打ち抜く。
この打ち抜く工程において、ゴム状弾性材製シート部材1のみを打ち抜き、樹脂材製シート部材2には、トムソン刃が食い込む事はあっても、樹脂材製シート部材2を完全に打ち抜く事は無い。
この事により、ガスケット3を打ち抜いた後、ガスケット3を所定の箇所に装着するまで、樹脂材製シート部材2と一体に扱える為、輸送等におけるハンドリングが容易である。
ついで、図5に示す様に、図4からガスケット3の内側及び外側に存在する不要なゴム状弾性材製シート部材1を取除く。
この様に、樹脂材製シート部材2上にガスケット3のみ存在する形が、ガスケット3を所定の箇所に取り付ける直前まで維持される為、所定箇所にガスケットを装着する際の作業効率が良好である。
最後に、ガスケット3を所定の箇所に装着直前に、図5及び図6に示す様に、ガスケット3を樹脂材製シート部材2の表面から剥がし取り、精密機械部品や光学機器の所定の箇所に取り付ける。
図3及び図6に示す様に、突起11間の間隙Xは、ガスケット3の幅Yよりも小さく設計されているので、どの様な形状のガスケット3であっても、ゴム状弾性材製シート部材1からガスケット3を打ち抜く際、常にガスケット3の一方の表面に突起11が必ず存在する形となる為、所定箇所に取付けてハウジング間で圧接した際の面圧(荷重)が急激に増大することを抑えられ、ハウジングが薄肉の樹脂部品であっても、ハウジングが変形し、損傷する事が無いばかりでなく、一定の面圧を与える事により、突起11を形成していない面を相手側に押し付けることで、突起11を形成していない面から液体や光が漏洩する事が無い。
更に、図5の状態から図6のガスケット3単体にする際に、ガスケット3の内側及び外側に存在する不要なゴム状弾性材製シート部材1を取除いてある為、ガスケット3を樹脂材製シート部材2の表面から剥がし取る事が円滑に行え、ガスケット3を損傷する事が無い。
更に、ガスケット3と樹脂材製シート部材2が粘着一体化している状態で有る為、ガスケット3の切れ、ガスケット3同士の絡まりを心配する事が無い。
また、ガスケット3の幅Yは、通常2mm以下の1.7mm程度であり、厚みは0.5mm以下の0.3mm程度である。
この為、ガスケット3の取り扱いには細心の注意が必要であるが、精密機械部品や光学機器の所定の箇所に取り付ける寸前まで、ガスケット3は樹脂材製シート部材2と一体である為、その取り扱いが容易である。
樹脂材製シート部材2に使用される材料は、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等から適宜選択して用いられる。
ゴム状弾性材製シート部材1に使用される材料は、ゴム状弾性を備えたゴム材である。
ゴム材としては、ニトリルゴム、アクリルゴム、EPDM、CR、シリコーンゴム、フッ素ゴム、天然ゴム等が挙げられ、各種用途に応じて適宜選択して用いられる。
ゴム硬度は、好ましくはHs40〜Hs60で、低反力とする為に、Hs70以下とする事が重要である。
ついで、本発明に係る他の態様を示すゴム状弾性材製シート部材1について、図7に基づき説明する。
図1に示したゴム状弾性材製シート部材1に設けた突起11は、図3に示す様に、複数の円錐形状の突起(ビード)を、ゴム状弾性材製シート部材1の一方の面に均等に散りばめたものであるのに対し、図7に示したものは、線状の突起11を格子状に形成したものである。
そして、格子状の突起11の間隙Xは、ガスケット3の幅Yよりも小さく設計されている。
また、突起11の高さは、0.1〜0.5mm、好ましくは0.2〜0.4mmである。
本発明に係る細径ガスケットの製造方法は、燃料電池やHDD用の細径ガスケットに好適に用いられる。
1 ゴム状弾性材製シート部材
2 樹脂材製シート部材
3 ガスケット
11 突起

Claims (6)

  1. 一方の表面に複数の突起(11)を形成したゴム状弾性材製シート部材(1)を準備する工程と、
    ついで、前記ゴム状弾性材製シート部材(1)の前記突起(11)を形成していない面に、樹脂材製シート部材(2)を粘着させる工程と、
    ついで、前記ゴム状弾性材製シート部材(1)を所定のガスケット(3)形状に打ち抜く工程と、
    ついで、前記ガスケット(3)を前記樹脂材製シート部材(2)表面から剥がし取る工程を有することを特徴とする細径ガスケットの製造方法。
  2. 前記ゴム状弾性材製シート部材(1)を所定のガスケット(3)形状に打ち抜く工程の後、前記ガスケット(3)の内周側及び外周側に存在する不要なゴム状弾性材製シート部材(1)を取除いた状態で搬送された後、前記ガスケット(3)を所定の箇所に取り付ける工程において、前記ガスケット(3)を前記樹脂材製シート部材(2)表面から剥がし取ることを特徴とする請求項1記載の細径ガスケットの製造方法。
  3. 前記突起(11)の高さ(Z)が、0.1〜0.5mmであることを特徴とする請求項1または2記載の細径ガスケットの製造方法。
  4. 前記突起(11)間の間隙(X)は、前記ガスケット(3)の幅(Y)よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の細径ガスケットの製造方法。
  5. 前記ガスケット(3)と前記樹脂材製シート部材(2)が粘着一体化している状態で、輸送等のハンドリングを行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の細径ガスケットの製造方法。
  6. 前記ガスケット(3)の幅(Y)が、2mm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の細径ガスケットの製造方法。
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