JP2005026127A - 燃料電池用ガスケット部材及び燃料電池用ガスケットの装着方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な作業により装着可能な燃料電池用ガスケット部材を提供する。
【解決手段】積層された燃料電池を構成する部材の間をシールするガスケット2と、ガスケット2を囲むようにガスケット2の外形より大きな開口部を有するフレーム3と、ガスケット2とフレーム3とを部分的に結合する結合部4と、を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】積層された燃料電池を構成する部材の間をシールするガスケット2と、ガスケット2を囲むようにガスケット2の外形より大きな開口部を有するフレーム3と、ガスケット2とフレーム3とを部分的に結合する結合部4と、を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池用ガスケット部材及び燃料電池用ガスケットの装着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、個体高分子型燃料電池では、水素、酸素(空気)、冷却水等の流体が使用されている。そのため、それぞれの流体を隔離するためにどのようなシールを用いるかは重要なポイントとなる。特に、燃料電池に用いられるセパレータには、焼成カーボン、樹脂含有カーボン、アモルファスカーボン等の非常に強度の低いプレートが用いられているため、従来使用されている反力の大きいOリング、平面ガスケットを用いると、セパレータが破損する場合がある。
【0003】
そこで、ガスケットの反力を低下させる方法として、特許文献1には、平面プレート状カーボン材の表面に施された加工溝に、断面形状が山形の液状ゴム硬化物よりなるガスケットを形成した燃料電池用カーボン材が開示されている。
【0004】
また、システム上必要な電圧を得るために単セルを何段かくり返し重ねた燃料電池スタックが知られている。この場合、燃料電池スタックを小型にするためには、一つのセルをなるべく薄くする必要があり、セル間に固定されるガスケットの占めるスペース(断面積)をより小さくすることが求められる。一方、燃料電池の電流を大きくするためには、セルの面積を大きくする必要があり、ガスケットも周の長さが大きなものが必要となる。
【0005】
しかし、図12に示すように、断面積が小さく周の長さが大きいガスケット100を用いる場合、その形状から、燃料電池スタックにガスケット100を装着する際に、ガスケット100の裏返し組付けやガスケット100自身の捩れが発生し易く、装着にかなりの作業を必要としていた。
【0006】
そこで、作業効率を向上させるものとして、ゴム状弾性材製のガスケット本体に貼着機能を有する樹脂フィルムを一体化し、樹脂フィルムを燃料電池用セパレータに貼り付けるガスケットが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−133288号公報
【特許文献2】
特開2003−056704号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0009】
すなわち、特許文献2に記載のガスケットでは、燃料電池にガスケットを組み込む場合、ガスケットと一体化された樹脂フィルムも当然に組み込まれるため、ガスケット本体だけでなく、樹脂フィルムについても高い耐久性が必要となる。そのため、樹脂フィルムのコストが増大し、ガスケット全体のコストが増大する要因となるばかりでなく、樹脂フィルムを相手取付部材に対して位置決めする作業も必要となる。
【0010】
本発明は上記の従来技術の課題を鑑みなされたもので、その目的とするところは、簡便な作業により装着可能な燃料電池用ガスケット部材及び燃料電池用ガスケットの装着方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、燃料電池用ガスケット部材及び燃料電池用ガスケットの装着方法を低コストで提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る燃料電池用ガスケット部材にあっては、
積層された燃料電池を構成する部材の間をシールするガスケットと、
前記ガスケットを囲むように該ガスケットの外形より大きな開口部を有するフレームと、
前記ガスケットと前記フレームとを部分的に結合する結合部と、
を有することを特徴とする。
【0013】
従って、ガスケットの外側に配置されたフレームにより結合部を介してガスケットの形状がある程度保持され、また、結合部を切断することでフレームを分離することができ簡便にガスケットの装着を行うことができる。
【0014】
また、本発明に係る燃料電池用ガスケットの装着方法にあっては、
前記燃料電池用ガスケット部材を、燃料電池を構成する部材の所定の位置に配置する工程と、
前記ガスケットに前記部材と別の部材を積層し、前記ガスケットを挟む工程と、
前記結合部を切断しフレームを取り外す工程と、
を有することを特徴とする。
【0015】
従って、ガスケットの外側に配置されたフレームにより結合部を介してガスケットの形状がある程度保持された状態で、ガスケットを燃料電池を構成する部材の所定の位置に簡便に配置することができ、ガスケットに前記部材と別の部材を積層する前又は後で結合部を切断しフレームを分離することができ、簡便にガスケットの装着を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した部材についての材質、形状などは、特に改めて記載しない限り初めの説明と同様のものである。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1〜図5を参照して第1の実施の形態に係るガスケット部材及びガスケットの装着方法について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るガスケット部材の上面図である。図2は、図1に示すA−A断面図である。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態に係るガスケット部材1は、積層された燃料電池を構成する部材の間をシールする四辺を有するガスケット2と、ガスケット2を囲むようにガスケット2の外形より大きな開口部を有するフレーム3と、ガスケット2とフレーム3とを部分的に結合する複数の結合部4と、を有する。
【0019】
ガスケット2は、図2に示すように、その断面が三角形状ないし山形形状に形成されている。また、シールする2部材間の一方の部材に接する面2aは、装着の際に接着しやすいように、あるいは載置しやすいように平坦である。また、三角形状ないし山形形状の凸部2bはシールする2部材間の他方の部材に対して押圧力が高くならないように先端が丸みをおびている。
【0020】
ガスケット2の材質としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴム(VMQ)、ふっ素ゴム(FKM)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)等のゴム材料や樹脂材料から適宜選択され使用される。
【0021】
フレーム3は、ガスケット2が撓んだり捻れたりして大きく変形しないように、ガスケット2を複数の結合部4により保持している。
【0022】
フレーム3の材質は、フレーム3自身が燃料電池内に組み付けられることがなく、材質の劣化を考慮する必要がないため、特に限定されるものではなく、安価な材料を使用することができる。より好ましくは、ガスケット2が撓んだり捻れたりしない程度の剛性を備えていればよく、ガスケットを装着する際に取り扱い容易な程度にガスケットの形状を安定させ、後述するフレーム取り外し工程において破損しないものであればよい。例えば樹脂フィルムや金属の薄板等でもかまわない。
【0023】
結合部4は、ガスケット2とフレーム3を結合する部分であるが、その数は、ガスケット2を保持するという観点から、2箇所以上設けることが好ましい。より好ましくは、ガスケット2とフレーム3の各辺ごとに設けるとよい。更に好ましくは、ガスケット2の屈曲部(本実施の形態では四隅)の近傍(後述するフレーム取り外し工程を考慮し、屈曲部先端を除く)に設けるとよい。その結果、ガスケット2が変形しやすい材料であっても、ガスケット2の撓みや捻れを抑制し、その外形を保持することができる。なお、本実施の形態では、結合部4とガスケット2は一体で成型されている。
【0024】
次に、ガスケット2とフレーム3との結合の様子を説明する。本実施の形態では、図2に示すように、結合部4のガスケット2とは反対側の端部に設けられた接着面4aに接着剤を塗布しフレーム3を接着させガスケット部材1を作製する。このようにフレーム3が結合部4を介してガスケット2を支持することで、ガスケット2が他の部材に装着されていない状態であっても変形しない、若しくは、変形を抑えることができる。また、ガスケット2を装着する際にガスケット自体に触れることなく作業を行うことができるため、ガスケット2が傷つくことが少なくなる。
【0025】
なお、ガスケット2とフレーム3との結合は、上述の方法に限られるものではなく、金型内の所定の位置にフレーム3を配置し、ガスケットを構成する材料を用いてインジェクション成型、コンプレッション成型によりガスケット部材1を一体的に作製しても良い。
【0026】
次に、燃料電池を構成する部材の一つであるセパレータ5にガスケット2を装着する方法について説明する。図3は、本実施の形態に係るガスケット部材をセパレータに取り付ける様子を示す要部断面図である。図4は、本実施の形態に係るガスケット部材からフレームを取り外す様子を示す要部断面図である。
【0027】
図3に示すように、本実施の形態では、ガスケット部材1をセパレータ5の所定の位置に配置し、接着剤により固定する。この際、ガスケット2の外形が保持された状態で位置決めができるので簡便な作業によりガスケット部材1を装着することができる。また、セパレータ5の所定の位置にガスケット部材1を配置する方法として、燃料電池の組み立ての際のセパレータ5に対して常に位置が決まっている当接治具を設け、フレーム3の外縁部を当接させることで簡便にガスケット部材1を所定の位置に配置するようにしてもよい。このようにすれば、セパレータ5に位置決めのためだけに突起や溝等を設ける必要がなくなり、コストの低減に寄与する。
【0028】
次に、図4に示すように、フレーム取り外し工程として、結合部4を切断し、フレーム3をガスケット2から取り外す。この際、フレーム3の取り外しは、結合部4を刃物等で切断するか、フレーム3を引っ張ることで結合部4の薄肉部で破断させてもよい。
【0029】
なお、フレーム3の開口部は、ガスケット2が取り付けられるセパレータ5の取付面より大きいとよい。この場合、ガスケット部材1を、接着剤を用いずにセパレータ5と他の部材(例えば、電解質膜やセパレータ)で挟み固定した後であってもフレーム3を取り外すことができるため、より簡便な作業によりガスケット2を装着することができる。
【0030】
(第2の実施の形態)
次に、セパレータや電解質膜等の燃料電池スタックに用いられる部材を複数積層する場合のガスケットの装着方法について図5、図6を参照して説明する。
【0031】
図5に示すように、セパレータ5にガスケット部材1を固定したセパレータユニット6を作製し、更にセパレータユニット6を積層あるいはセパレータユニット6の間に電解質膜7を挟み、燃料電池スタックを作製している。又、セパレータ5と電解質膜7の間は、触媒及びガス拡散層8が充填され、ガスケット2でシールされている。そして、図6に示すように、燃料電池スタックからはみ出たフレーム3を一括で取り外すことで、簡便な作業によりガスケット2を装着することができる。このようなガスケット部材及びガスケットの装着方法は、特に複数のセパレータ5を積層する燃料電池スタックへのガスケット2の装着に好適に採用することができる。
【0032】
(第3の実施の形態)
図7〜図9を参照して第3の実施の形態について説明する。図7は、第3の実施の形態に係るフレームの上面図である。図8は、第3の実施の形態に係るガスケット部材の上面図である。図9は、図8に示すB−B断面図である。
【0033】
フレーム13は、図7に示すように、複数の貫通孔15を有する。貫通孔15は、図8に示すように、結合部14がフレーム13の表面及び裏面を挟み込んだ状態で、結合部14の一部が表面から裏面まで達するように設けられたものである。このようにすることで、結合部14でのフレーム13とガスケット12との結合力をより高めることができる。
【0034】
また、ガスケット12とフレーム13とを結合するために、金型内の所定の位置にフレーム13を配置し、ガスケットを構成する材料を用いてインジェクション成型、コンプレッション成型によりガスケット部材11を一体的に作製すれば、ガスケット12とフレーム13を結合部14で結合するために接着剤を塗布する手間が省ける。
【0035】
(第4の実施の形態)
図10を参照して第4の実施の形態について説明する。図10は、第4の実施の形態に係るガスケットとフレームとの結合部近傍の要部断面図である。
【0036】
本実施の形態に係るガスケット部材21は、第3の実施の形態に係るガスケット部材11と比較して、結合部24に薄肉部25が設けられている点で異なる。そして、ガスケット部材21からフレーム23を切り離す場合には、結合部24に設けられた薄肉部25から切り離されるため、薄肉部25が設けられていない場合と比較して弱い力でフレーム23をガスケット22より切り離すことができる。
【0037】
(第5の実施の形態)
図11を参照して第5の実施の形態について説明する。図11は、第5の実施の形態に係るガスケット部材の上面図である。
【0038】
本実施の形態に係るガスケット部材31は、第1〜第4の実施の形態に係るガスケット部材と比較して、フレーム33に切断部35が設けられている点で異なる。そして、切断部35があることで、フレーム33を結合部34においてガスケット部材31より切り離した後、フレーム33を燃料電池より取り外す際の作業性がよくなる。特に、積層段数の多い燃料電池スタックにガスケットを装着する場合においては、更に作業性の向上が図られる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡便な作業により装着可能な燃料電池用ガスケット部材及び燃料電池用ガスケットの装着方法を提供することができる。
【0040】
また、本発明によれば、燃料電池用ガスケット部材及び燃料電池用ガスケットの装着方法を低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るガスケット部材の上面図である。
【図2】図1に示すA−A断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係るガスケット部材をセパレータに取り付ける様子を示す要部断面図である。
【図4】第1の実施の形態に係るガスケット部材からフレームを取り外す様子を示す要部断面図である。
【図5】第2の実施の形態に係るガスケット部材を複数のセパレータに取り付ける様子を示す要部断面図である。
【図6】第2の実施の形態に係るガスケット部材からフレームを取り外す様子を示す要部断面図である。
【図7】第3の実施の形態に係るフレームの上面図である。
【図8】第3の実施の形態に係るガスケット部材の上面図である。
【図9】図8に示すB−B断面図である。
【図10】第4の実施の形態に係るガスケットとフレームとの結合部近傍の要部断面図である。
【図11】第5の実施の形態に係るガスケット部材の上面図である。
【図12】従来のガスケットの上面図である。
【符号の説明】
1、11、21、31 ガスケット部材
2、12、22、32、100 ガスケット
3、13、23、33 フレーム
4、14、24、34 結合部
5 セパレータ
6 セパレータユニット
7 電解質膜
14 結合部
15 貫通孔
25 薄肉部
35 切断部
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池用ガスケット部材及び燃料電池用ガスケットの装着方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、個体高分子型燃料電池では、水素、酸素(空気)、冷却水等の流体が使用されている。そのため、それぞれの流体を隔離するためにどのようなシールを用いるかは重要なポイントとなる。特に、燃料電池に用いられるセパレータには、焼成カーボン、樹脂含有カーボン、アモルファスカーボン等の非常に強度の低いプレートが用いられているため、従来使用されている反力の大きいOリング、平面ガスケットを用いると、セパレータが破損する場合がある。
【0003】
そこで、ガスケットの反力を低下させる方法として、特許文献1には、平面プレート状カーボン材の表面に施された加工溝に、断面形状が山形の液状ゴム硬化物よりなるガスケットを形成した燃料電池用カーボン材が開示されている。
【0004】
また、システム上必要な電圧を得るために単セルを何段かくり返し重ねた燃料電池スタックが知られている。この場合、燃料電池スタックを小型にするためには、一つのセルをなるべく薄くする必要があり、セル間に固定されるガスケットの占めるスペース(断面積)をより小さくすることが求められる。一方、燃料電池の電流を大きくするためには、セルの面積を大きくする必要があり、ガスケットも周の長さが大きなものが必要となる。
【0005】
しかし、図12に示すように、断面積が小さく周の長さが大きいガスケット100を用いる場合、その形状から、燃料電池スタックにガスケット100を装着する際に、ガスケット100の裏返し組付けやガスケット100自身の捩れが発生し易く、装着にかなりの作業を必要としていた。
【0006】
そこで、作業効率を向上させるものとして、ゴム状弾性材製のガスケット本体に貼着機能を有する樹脂フィルムを一体化し、樹脂フィルムを燃料電池用セパレータに貼り付けるガスケットが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−133288号公報
【特許文献2】
特開2003−056704号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0009】
すなわち、特許文献2に記載のガスケットでは、燃料電池にガスケットを組み込む場合、ガスケットと一体化された樹脂フィルムも当然に組み込まれるため、ガスケット本体だけでなく、樹脂フィルムについても高い耐久性が必要となる。そのため、樹脂フィルムのコストが増大し、ガスケット全体のコストが増大する要因となるばかりでなく、樹脂フィルムを相手取付部材に対して位置決めする作業も必要となる。
【0010】
本発明は上記の従来技術の課題を鑑みなされたもので、その目的とするところは、簡便な作業により装着可能な燃料電池用ガスケット部材及び燃料電池用ガスケットの装着方法を提供することにある。
【0011】
また、本発明の他の目的は、燃料電池用ガスケット部材及び燃料電池用ガスケットの装着方法を低コストで提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る燃料電池用ガスケット部材にあっては、
積層された燃料電池を構成する部材の間をシールするガスケットと、
前記ガスケットを囲むように該ガスケットの外形より大きな開口部を有するフレームと、
前記ガスケットと前記フレームとを部分的に結合する結合部と、
を有することを特徴とする。
【0013】
従って、ガスケットの外側に配置されたフレームにより結合部を介してガスケットの形状がある程度保持され、また、結合部を切断することでフレームを分離することができ簡便にガスケットの装着を行うことができる。
【0014】
また、本発明に係る燃料電池用ガスケットの装着方法にあっては、
前記燃料電池用ガスケット部材を、燃料電池を構成する部材の所定の位置に配置する工程と、
前記ガスケットに前記部材と別の部材を積層し、前記ガスケットを挟む工程と、
前記結合部を切断しフレームを取り外す工程と、
を有することを特徴とする。
【0015】
従って、ガスケットの外側に配置されたフレームにより結合部を介してガスケットの形状がある程度保持された状態で、ガスケットを燃料電池を構成する部材の所定の位置に簡便に配置することができ、ガスケットに前記部材と別の部材を積層する前又は後で結合部を切断しフレームを分離することができ、簡便にガスケットの装着を行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、以下の説明で一度説明した部材についての材質、形状などは、特に改めて記載しない限り初めの説明と同様のものである。
【0017】
(第1の実施の形態)
図1〜図5を参照して第1の実施の形態に係るガスケット部材及びガスケットの装着方法について説明する。図1は、第1の実施の形態に係るガスケット部材の上面図である。図2は、図1に示すA−A断面図である。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態に係るガスケット部材1は、積層された燃料電池を構成する部材の間をシールする四辺を有するガスケット2と、ガスケット2を囲むようにガスケット2の外形より大きな開口部を有するフレーム3と、ガスケット2とフレーム3とを部分的に結合する複数の結合部4と、を有する。
【0019】
ガスケット2は、図2に示すように、その断面が三角形状ないし山形形状に形成されている。また、シールする2部材間の一方の部材に接する面2aは、装着の際に接着しやすいように、あるいは載置しやすいように平坦である。また、三角形状ないし山形形状の凸部2bはシールする2部材間の他方の部材に対して押圧力が高くならないように先端が丸みをおびている。
【0020】
ガスケット2の材質としては、例えば、ニトリルゴム(NBR)、シリコーンゴム(VMQ)、ふっ素ゴム(FKM)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)等のゴム材料や樹脂材料から適宜選択され使用される。
【0021】
フレーム3は、ガスケット2が撓んだり捻れたりして大きく変形しないように、ガスケット2を複数の結合部4により保持している。
【0022】
フレーム3の材質は、フレーム3自身が燃料電池内に組み付けられることがなく、材質の劣化を考慮する必要がないため、特に限定されるものではなく、安価な材料を使用することができる。より好ましくは、ガスケット2が撓んだり捻れたりしない程度の剛性を備えていればよく、ガスケットを装着する際に取り扱い容易な程度にガスケットの形状を安定させ、後述するフレーム取り外し工程において破損しないものであればよい。例えば樹脂フィルムや金属の薄板等でもかまわない。
【0023】
結合部4は、ガスケット2とフレーム3を結合する部分であるが、その数は、ガスケット2を保持するという観点から、2箇所以上設けることが好ましい。より好ましくは、ガスケット2とフレーム3の各辺ごとに設けるとよい。更に好ましくは、ガスケット2の屈曲部(本実施の形態では四隅)の近傍(後述するフレーム取り外し工程を考慮し、屈曲部先端を除く)に設けるとよい。その結果、ガスケット2が変形しやすい材料であっても、ガスケット2の撓みや捻れを抑制し、その外形を保持することができる。なお、本実施の形態では、結合部4とガスケット2は一体で成型されている。
【0024】
次に、ガスケット2とフレーム3との結合の様子を説明する。本実施の形態では、図2に示すように、結合部4のガスケット2とは反対側の端部に設けられた接着面4aに接着剤を塗布しフレーム3を接着させガスケット部材1を作製する。このようにフレーム3が結合部4を介してガスケット2を支持することで、ガスケット2が他の部材に装着されていない状態であっても変形しない、若しくは、変形を抑えることができる。また、ガスケット2を装着する際にガスケット自体に触れることなく作業を行うことができるため、ガスケット2が傷つくことが少なくなる。
【0025】
なお、ガスケット2とフレーム3との結合は、上述の方法に限られるものではなく、金型内の所定の位置にフレーム3を配置し、ガスケットを構成する材料を用いてインジェクション成型、コンプレッション成型によりガスケット部材1を一体的に作製しても良い。
【0026】
次に、燃料電池を構成する部材の一つであるセパレータ5にガスケット2を装着する方法について説明する。図3は、本実施の形態に係るガスケット部材をセパレータに取り付ける様子を示す要部断面図である。図4は、本実施の形態に係るガスケット部材からフレームを取り外す様子を示す要部断面図である。
【0027】
図3に示すように、本実施の形態では、ガスケット部材1をセパレータ5の所定の位置に配置し、接着剤により固定する。この際、ガスケット2の外形が保持された状態で位置決めができるので簡便な作業によりガスケット部材1を装着することができる。また、セパレータ5の所定の位置にガスケット部材1を配置する方法として、燃料電池の組み立ての際のセパレータ5に対して常に位置が決まっている当接治具を設け、フレーム3の外縁部を当接させることで簡便にガスケット部材1を所定の位置に配置するようにしてもよい。このようにすれば、セパレータ5に位置決めのためだけに突起や溝等を設ける必要がなくなり、コストの低減に寄与する。
【0028】
次に、図4に示すように、フレーム取り外し工程として、結合部4を切断し、フレーム3をガスケット2から取り外す。この際、フレーム3の取り外しは、結合部4を刃物等で切断するか、フレーム3を引っ張ることで結合部4の薄肉部で破断させてもよい。
【0029】
なお、フレーム3の開口部は、ガスケット2が取り付けられるセパレータ5の取付面より大きいとよい。この場合、ガスケット部材1を、接着剤を用いずにセパレータ5と他の部材(例えば、電解質膜やセパレータ)で挟み固定した後であってもフレーム3を取り外すことができるため、より簡便な作業によりガスケット2を装着することができる。
【0030】
(第2の実施の形態)
次に、セパレータや電解質膜等の燃料電池スタックに用いられる部材を複数積層する場合のガスケットの装着方法について図5、図6を参照して説明する。
【0031】
図5に示すように、セパレータ5にガスケット部材1を固定したセパレータユニット6を作製し、更にセパレータユニット6を積層あるいはセパレータユニット6の間に電解質膜7を挟み、燃料電池スタックを作製している。又、セパレータ5と電解質膜7の間は、触媒及びガス拡散層8が充填され、ガスケット2でシールされている。そして、図6に示すように、燃料電池スタックからはみ出たフレーム3を一括で取り外すことで、簡便な作業によりガスケット2を装着することができる。このようなガスケット部材及びガスケットの装着方法は、特に複数のセパレータ5を積層する燃料電池スタックへのガスケット2の装着に好適に採用することができる。
【0032】
(第3の実施の形態)
図7〜図9を参照して第3の実施の形態について説明する。図7は、第3の実施の形態に係るフレームの上面図である。図8は、第3の実施の形態に係るガスケット部材の上面図である。図9は、図8に示すB−B断面図である。
【0033】
フレーム13は、図7に示すように、複数の貫通孔15を有する。貫通孔15は、図8に示すように、結合部14がフレーム13の表面及び裏面を挟み込んだ状態で、結合部14の一部が表面から裏面まで達するように設けられたものである。このようにすることで、結合部14でのフレーム13とガスケット12との結合力をより高めることができる。
【0034】
また、ガスケット12とフレーム13とを結合するために、金型内の所定の位置にフレーム13を配置し、ガスケットを構成する材料を用いてインジェクション成型、コンプレッション成型によりガスケット部材11を一体的に作製すれば、ガスケット12とフレーム13を結合部14で結合するために接着剤を塗布する手間が省ける。
【0035】
(第4の実施の形態)
図10を参照して第4の実施の形態について説明する。図10は、第4の実施の形態に係るガスケットとフレームとの結合部近傍の要部断面図である。
【0036】
本実施の形態に係るガスケット部材21は、第3の実施の形態に係るガスケット部材11と比較して、結合部24に薄肉部25が設けられている点で異なる。そして、ガスケット部材21からフレーム23を切り離す場合には、結合部24に設けられた薄肉部25から切り離されるため、薄肉部25が設けられていない場合と比較して弱い力でフレーム23をガスケット22より切り離すことができる。
【0037】
(第5の実施の形態)
図11を参照して第5の実施の形態について説明する。図11は、第5の実施の形態に係るガスケット部材の上面図である。
【0038】
本実施の形態に係るガスケット部材31は、第1〜第4の実施の形態に係るガスケット部材と比較して、フレーム33に切断部35が設けられている点で異なる。そして、切断部35があることで、フレーム33を結合部34においてガスケット部材31より切り離した後、フレーム33を燃料電池より取り外す際の作業性がよくなる。特に、積層段数の多い燃料電池スタックにガスケットを装着する場合においては、更に作業性の向上が図られる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、簡便な作業により装着可能な燃料電池用ガスケット部材及び燃料電池用ガスケットの装着方法を提供することができる。
【0040】
また、本発明によれば、燃料電池用ガスケット部材及び燃料電池用ガスケットの装着方法を低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るガスケット部材の上面図である。
【図2】図1に示すA−A断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係るガスケット部材をセパレータに取り付ける様子を示す要部断面図である。
【図4】第1の実施の形態に係るガスケット部材からフレームを取り外す様子を示す要部断面図である。
【図5】第2の実施の形態に係るガスケット部材を複数のセパレータに取り付ける様子を示す要部断面図である。
【図6】第2の実施の形態に係るガスケット部材からフレームを取り外す様子を示す要部断面図である。
【図7】第3の実施の形態に係るフレームの上面図である。
【図8】第3の実施の形態に係るガスケット部材の上面図である。
【図9】図8に示すB−B断面図である。
【図10】第4の実施の形態に係るガスケットとフレームとの結合部近傍の要部断面図である。
【図11】第5の実施の形態に係るガスケット部材の上面図である。
【図12】従来のガスケットの上面図である。
【符号の説明】
1、11、21、31 ガスケット部材
2、12、22、32、100 ガスケット
3、13、23、33 フレーム
4、14、24、34 結合部
5 セパレータ
6 セパレータユニット
7 電解質膜
14 結合部
15 貫通孔
25 薄肉部
35 切断部
Claims (2)
- 積層された燃料電池を構成する部材の間をシールするガスケットと、
前記ガスケットを囲むように該ガスケットの外形より大きな開口部を有するフレームと、
前記ガスケットと前記フレームとを部分的に結合する結合部と、
を有することを特徴とする燃料電池用ガスケット部材。 - 請求項1に記載の燃料電池用ガスケット部材を、燃料電池を構成する部材の所定の位置に配置する工程と、
前記ガスケットに前記部材と別の部材を積層し、前記ガスケットを挟む工程と、
前記結合部を切断しフレームを取り外す工程と、
を有することを特徴とする燃料電池用ガスケットの装着方法。
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Publications (1)
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ID=34189099
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JP2003191586A Withdrawn JP2005026127A (ja) | 2003-07-04 | 2003-07-04 | 燃料電池用ガスケット部材及び燃料電池用ガスケットの装着方法 |
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- 2003-07-04 JP JP2003191586A patent/JP2005026127A/ja not_active Withdrawn
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