JP2005158424A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる幅のシール溝を有せずとも、異なるシール面を有するシール部材を配置できる燃料電池を提供する。
【解決手段】電解質膜1の両側に設けた一対の電極10、11をさらに狭持する一対のセパレータ4と、セパレータ4の対向する表面の外縁部に沿って、略同じ幅に形成されたシール溝9を備える。一方のシール溝9に収容され、電解質膜1との接触部分であるシール面50Sの幅が比較的小さいシール部材5Sと、もう一方のシール溝9に収容され、電解質膜1との接触部分であるシール面50Lの幅が比較的大きいシール部材5Lと、を備える。さらに、シール部材5Sの一端52Sからシール面50Sまでの幅H1が、シール部材5Lの一端52Lからシール面50Lまでの幅H3と、シール溝9の幅とシール部材5Lの幅の差H4と、の和H2maxより大きくなるように構成する。
【選択図】 図3
【解決手段】電解質膜1の両側に設けた一対の電極10、11をさらに狭持する一対のセパレータ4と、セパレータ4の対向する表面の外縁部に沿って、略同じ幅に形成されたシール溝9を備える。一方のシール溝9に収容され、電解質膜1との接触部分であるシール面50Sの幅が比較的小さいシール部材5Sと、もう一方のシール溝9に収容され、電解質膜1との接触部分であるシール面50Lの幅が比較的大きいシール部材5Lと、を備える。さらに、シール部材5Sの一端52Sからシール面50Sまでの幅H1が、シール部材5Lの一端52Lからシール面50Lまでの幅H3と、シール溝9の幅とシール部材5Lの幅の差H4と、の和H2maxより大きくなるように構成する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、燃料電池に関する。特に、固体高分子電解質膜を電解質として用いた単位セルを複数積層し、これを狭持・加圧することにより組み立てられる燃料電池のガスシール性を向上するためのセル構造に関する。
一般に、燃料電池は、反応ガスである水素などの燃料ガスと、空気などの酸化剤ガスを電気化学的に反応させることにより、燃料の持つ化学エネルギを直接電気エネルギに変換する装置である。燃料電池は、電解質の違いなどにより、様々なタイプのものに分類されるが、その一つとして、電解質に固体高分子電解質膜を用いる固体高分子型燃料電池が知られている。
また、所定の電力が得られるように、複数の単位セルを積層することにより構成した燃料電池スタックを用いて構成した燃料電池が知られている。この燃料電池スタックを組み立てる際には、セルの積層方向に押さえつけて所定の圧力をかけることにより接触抵抗等を抑制して発電特性を得る。
例えば、固体高分子電解質膜をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成される燃料電池構造体を狭持する第1セパレータと第2セパレータと、固体高分子電解質膜の両面に、互いに対向して配置される、第1および第2シール部材とを備える。第1および第2セパレータは、固体高分子電解質膜の周面を直接狭持する平坦面に形成され、アノード側電極およびカソード側電極を囲繞するとともに、第1および第2シール部材が収容される第1および第2シール溝とを設ける。第1および第2シール部材は、断面矩形状を有し、かつ、それぞれの平面状接触面部の幅寸法が異なるように設定されるとともに、第1シール部材の接触面部全体が、対向する第2シール部材の接触面部の輪郭形状内に配置されるものが知られている。
このように、電解質膜を狭持する一対のシール部について、それぞれの電解質膜と接触するシール面積が異なるように設定することで、シール部同士の接触面でのずれをシール部の寸法差で吸収できるので、電解質膜をシール部で傷つけることなく、確実に固定することが可能となると共に、良好な燃料ガスシールを行うことを可能としている(例えば、特許文献1、参照。)。
特許第3292670号明細書
しかしながら、上記背景技術においては、燃料極と酸化剤極側のシール部材を位置ずれなく配置するために、第1および第2セパレータに異なる幅のシール溝を形成する必要がある。そのため第1のセパレータと第2のセパレータとを異なる形状に構成する必要があり、部品点数が増加するという問題があった。一方、シール溝幅を同じにしただけでは、シール部材がずれて膜が歪み、シール性能が低下したり、固体高分子電解質膜が損傷する可能性があるといった問題があった。
そこで本発明は、上記の問題を鑑みて、異なる幅のシール溝を有せずとも、異なるシール面を有するシール部材を配置できる燃料電池を提供することを目的とする。
本発明は、電解質膜の両側に設けた一対の電極をさらに狭持する一対のセパレータと、前記セパレータの対向する表面の外縁部に沿って形成され、それぞれについて略同じ幅に形成された一対のシール溝を備える。また、前記一対のセパレータのうち一方に形成された前記シール溝に収容され、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的小さい第一シール部材を備える。また、前記一対のセパレータのうちもう一方に形成された前記シール溝に収容され、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的大きい第二シール部材を備える。さらに、前記第一シール部材の一端からシール面までの幅が、前記第二シール部材の一端からシール面までの幅と、前記シール溝の幅と前記第二シール部材の幅の差と、の和より大きくなるように構成する。
または、電解質膜の両側に設けた一対の電極をさらに狭持する一対のセパレータと、前記セパレータの対向する表面の外縁部に沿って形成され、それぞれについて略同じ幅に形成された一対のシール溝を備える。また、前記一対のセパレータのうち一方に形成された前記シール溝に収容され、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的小さい第一シール部材を備える。また、前記一対のセパレータのうちもう一方に形成された前記シール溝に収容され、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的大きい第二シール部材を備える。さらに、少なくとも前記第一シール部材を収容するシール溝の底面を、テーパ形状に構成する。
または、電解質膜の両側に設けた一対の電極をさらに狭持する一対のセパレータと、前記セパレータの対向する表面の外縁部に沿って形成され、それぞれについて略同じ幅に形成された一対のシール溝と、前記シール溝に略重なる部分で前記電解質膜に接触し、厚みが前記電極と同じ、またはそれ以下のプレートを備える。また、前記一対のセパレータのうち一方に形成された前記シール溝に収容され、前記プレートと一体に形成されるとともに、前記プレートを介して前記電解質膜と接触するシール面の幅が比較的小さい第一シール部材を備える。さらに、前記一対のセパレータのうちもう一方に形成された前記シール溝に収容され、前記プレートを介して前記電解質膜と接触するシール面の幅が比較的大きい第二シール部材を備える。
または、電解質膜の両側に設けた一対の電極をさらに狭持する一対のセパレータと、前記セパレータの対向する表面の外縁部に沿って形成され、それぞれについて略同じ幅に形成された一対のシール溝を備える。前記一対のセパレータのうち一方に形成された前記シール溝に収容され、前記電解質膜または前記電極または前記セパレータの少なくとも一つと一体に形成された、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的小さい第一シール部材を備える。また、前記一対のセパレータのうちもう一方に形成された前記シール溝に収容され、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的大きい第二シール部材を備える。
または、電解質膜の両側に設けた一対の電極をさらに狭持する一対のセパレータを備える。また、前記一対のセパレータのうち一方と前記電解質膜と間に、前記電極の外周に沿って構成され、前記セパレータと一体に形成された、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的小さい第一シール部材を備える。さらに、前記一対のセパレータのうちもう一方と前記電解質膜と間に、前記電極の外周に沿って構成され、前記セパレータと一体に形成された、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的大きい第二シール部材を備える。
同じ幅のシール溝に収容した、幅の異なる第一シール部材と第二シール部材について、第一シール部材の一端からシール面までの幅が、第二シール部材の一端からシール面までの幅と、シール溝の幅と第二シール部材の幅の差と、の和より大きくなるように構成する。これにより、第一シール部材のシール面は、第二シール部材のシール面内に収容されるので、幅の同じシール溝を用いた場合にも、第一シール部材、第二シール部材を、シール性能を維持し、電解質膜の損傷を抑制できる位置に配置することができる。
または、少なくとも第一シール部材を収容するシール溝の底面を、テーパ形状に構成することで、締付力が加えられた場合には、第一シール部材がテーパ形状の頂点近傍に位置するようにできるので、シール溝の幅に関係なく第一シール部材の位置を設定することができる。その結果、第一シール部材のシール面を、第二シール部材のシール面内に収容させることができ、幅の同じシール溝を用いた場合にも、第一シール部材、第二シール部材を、シール性能を維持し、電解質膜の損傷を抑制できる位置に配置することができる。
または、シール溝に略重なる部分で電解質膜に接触し、厚みが電極と同じ、またはそれ以下のプレートを備え、シール面の幅の小さい第一シール部材をプレートと一体に形成する。これにより、シール溝の幅に関係なく、第一シール部材を所定の位置に設置することができる。その結果、第一シール部材のシール面を、第二シール部材のシール面内に収容させることができ、幅の同じシール溝を用いた場合にも、第一シール部材、第二シール部材を、シール性能を維持し、電解質膜の損傷を抑制できる位置に配置することができる。
または、シール面の幅が比較的小さい第一シール部材を、電解質膜または電極またはセパレータの少なくとも一つと一体に形成するので、シール溝の幅に関係なく、第一シール部材を所定の位置に設置することができる。その結果、第一シール部材のシール面を、第二シール部材のシール面内に収容させることができ、幅の同じシール溝を用いた場合にも、第一シール部材、第二シール部材を、シール性能を維持し、電解質膜の損傷を抑制できる位置に配置することができる。
または、第一シール部材および第二シール部材をセパレータに一体に形成する。これにより、シール溝を必要とせずに、第一シール部材を所定の位置に設置することができる。その結果、第一シール部材のシール面を、第二シール部材のシール面内に収容させることができ、幅の同じシール溝を用いた場合にも、第一シール部材、第二シール部材を、シール性能を維持し、電解質膜の損傷を抑制できる位置に配置することができる。
第1の実施形態について説明する。燃料電池として、図1に示すような固体高分子電解質膜(以下、電解質膜)1を有する単位セル100を、複数積層することにより構成した燃料電池スタックを用いる。
主に、フッ素系樹脂や炭化水素系樹脂に代表される固体高分子材料によりプロトン伝導性の膜として形成した電解質膜1を用いる。電解質膜1の一方の側には、少なくとも水素を含む燃料ガスが供給される燃料極10を、もう一方の側には、少なくとも酸素を含む酸化剤ガスが供給される酸化剤極11を備える。燃料極10、酸化剤極11(以下、電極10、11)を、それぞれ触媒電極層2とガス拡散層3とから構成する。例えば、ガス拡散層3をカーボンクロスやカーボンペーパから構成し、ガス拡散層3の電解質膜1に接触する面に、触媒として白金または白金とその他の金属を含む電極触媒を塗布することにより触媒電極層2を構成する。または、ガス拡散層3と触媒電極層2を別々に構成し、プレス等により一体化してもよい。ここでは、電解質膜1、触媒電極層2、ガス拡散層3を一体に形成することにより、膜電極接合体(MEA)を構成する。
さらに、ガス拡散層3の外側には、セル間の隔壁をなすセパレータ4を配置する。セパレータ4はガス不透過の緻密性カーボン部材により構成する。燃料極10側のガス拡散層3aとセパレータ4aとの間には燃料ガス流路6を備える。また酸化剤極11側のガス拡散層3cとセパレータ4cとの間には酸化剤ガス流路7を構成する。ここでは、セパレータ4a、4cのガス拡散層3a、3cに対峙する面に設けた溝より、燃料ガス流路6、酸化剤ガス流路7をそれぞれ構成する。
セパレータ4cの酸化剤ガス流路7を有する面の裏面には、発電に伴う熱を除去するための冷却水を流通する冷却水路8を構成する。冷却水路8は必ずしもそれぞれのセル毎に設けなくても良い。ただし、出力が大きくなると燃料電池から除去するべき熱量が大きくなるため、できるだけ多く配置されていることが望ましい。ここでは、両セパレータ4a、4cの背面に冷却水路8を構成する溝を設け、積層した際に二つの溝が合わさって冷却水路8が構成されるようにしたが、燃料極10側のセパレータ4aの背面や、酸化剤極11側のセパレータ4cの背面に、単独で形成してもよい。
また、セパレータ4の電解質膜1に対向する表面の外縁部に沿って、シール溝9を備える。図1に示すように、セパレータ4および電解質膜1の積層面に対して、電極10、11の積層面を小さく構成する。これにより、セパレータ4の外縁部に沿って電解質膜1に直接対峙する領域が構成される。この領域にシール溝9を構成して後述するシール部材5を配置することにより各電極10、11をシールする。ここでは、燃料極10側のセパレータ4aに構成するシール溝9aと、酸化剤極11側のセパレータ4cに構成するシール溝9cの溝幅を略同じに形成する。さらには、シール溝9a、9cを、互いに同形状に構成する。
シール溝9に、電解質膜1とセパレータ4との間をシールするシール部材5を収容する。このとき、燃料極10側に配置されたシール部材5aと、酸化剤極11側に配置されたシール部材5cにより、電解質膜1が外縁部に沿って狭持されるように構成される。シール部材5aにより、燃料極10が囲繞され、燃料極10に供給される燃料ガスがシールされる。また、シール部材5cにより酸化剤極11が囲繞され、酸化剤極11に供給される酸化剤ガスがシールされる。つまり、シール部材5は、燃料ガス、酸化剤ガスの漏洩を防ぐとともにこれらの混合を防ぐ役割を果たし、シール溝9は、シール部材5を所定の位置に維持する役割を果たす。
また、冷却水路8が形成される領域の外周に沿っても、シール溝とシール部材を構成することにより、冷却水の漏洩を抑制するのが好ましい。図1に示す単位セル100が複数積層された際に、隣合う単位セル100のセパレータ4a、4c間に、外縁部に沿ってシール部材を配置することにより、冷却水の漏洩を防止することができる。
なお、図1においては、シール部材5の断面形状を略円形状に示したが、本実施形態ではこのシール部材5の断面形状を工夫することにより、シール機能を向上し、電解質膜1の損傷を抑制する。
シール部材5の形状について説明する。図2に、シール部材5の断面形状の例を示す。シール材質としては、例えば、フッ素系ゴム、EPDM(ethylene-propylene terpolymer)、シリコンゴムを用いる。また、例えばシール部材5をOリング状に形成する。
電解質膜1を介して対峙するシール部材5の、それぞれの電解質膜1に接触するシール面50の幅が異なるように形成する。ここでは、図2(a)〜(f)に示すように、シール部材5Sのシール面50Sが、シール部材5Lのシール面50Lより小さくなるように構成する。なお、シール部材5Sを燃料極10側のシール部材5aとし、シール部材5Lを酸化剤極11側のシール部材5cとしてもよいし、またはその反対としてもよい。
ここでは、シール部材5Lのシール面50Lの投影面内に、シール部材5Sのシール面50Sが収容されるように構成する。図3に示すように、シール部材5Sのシール面50Sの端部51Sから、シール部材5Sの端部52Sまでの幅H1が、シール部材5Lのシール面50Lの端部51Lからシール溝9の端部90yまでの幅H2より、常に大きくなるように構成する。幅H2の最大値は、図3に示すように、シール部材5Lを、シール溝9の一方の側面(端部90x)に接触させて配置させた際の、シール面50Lの端部51Lから、シール溝9のもう一方の側面(端部90y)までの幅H2maxとなる。そこでシール部材5およびシール溝9を、幅H1が最大幅H2maxより大きいという条件を満たすように構成する。言い換えれば、シール部材5Sの端部52Sからシール面50Sまでの幅H1が、シール部材5Lの端部52Lからシール面50Lまでの幅H3と、シール溝9とシール部材5Lとの幅の差H4と、の和H2maxより大きくなるように構成する。これにより、シール部材5Lのシール面50Lの投影面内に、シール部材5Sのシール面50Sが常に収容されるように構成することができる。これにより、シール部材5L、5Sによるシール機能を向上できるとともに、電解質膜1に余計なストレスをかけることにより損傷を与えるのを防ぐことができる。
なお、シール部材5Sの断面は、図2(a)(図3)に示すような円形状に限らず、図2(b)、(d)に示すように、シール部材5Sをシール溝9の底面から開口部に向けて幅が広くなる矩形状に構成してもよい。または、シール部材5Sを図2(c)、(f)に示すような電解質膜1に向かった凸形状や、図2(e)に示すような電解質膜1に向かって凸のアーチ形状に構成してもよい。さらに、シール部材5Lも、図2(f)に示すように様々な形状とすることができる。つまり、幅H1が最大幅H2maxより大きくなるように構成されていれば、シール部材5S、5Lの形状は、図2、図3に限定するものではない。
ここで、シール部材5の形状の比較例を図4に示す。これは、シール部材5Lのシール面50L内に、シール部材5Sのシール面50Sが収容されていない場合を示している。このような場合には、電解質膜1に対峙するシール部材5L、5S同士の締付によって剪断力が発生する。その結果、電解質膜1の変形や破損を招き、シール性の低下を引き起こす可能性がある。
そこで本実施形態のように、シール部材5Lの比較的幅の大きなシール面50Lの投影面内に、シール部材5Sの比較的幅の小さなシール面50Sが収容されるように配置することで、電解質膜1に剪断力が生じるのを抑制することができ、シール性を維持することができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
電解質膜1の両側に設けた一対の電極10、11をさらに狭持する一対のセパレータ4a、4cと、セパレータ4a、4cの対向する表面の外縁部に沿って形成され、それぞれについて略同じ幅に形成された一対のシール溝9a、9cを備える。一対のセパレータ4のうち一方に形成されたシール溝9に収容され、電解質膜1との接触部分であるシール面50Sの幅が比較的小さいシール部材5Sと、一対のセパレータ4のうちもう一方に形成されたシール溝9に収容され、電解質膜1との接触部分であるシール面50Lの幅が比較的大きいシール部材5Lと、を備える。さらに、シール部材5Sの一端52Sからシール面50Sまでの幅H1が、シール部材5Lの一端52Lからシール面50Lまでの幅H3と、シール溝9の幅とシール部材5Lの幅の差H4と、の和H2maxより大きくなるように構成する。これにより、シール部材5Sがシール溝9内の目標の位置からずれて配置された場合にも、常にシール面50Sがシール面50Lの投影面内に収容される位置に設置される。つまり、シール溝9の幅が同じ場合にも、電解質膜1の変形や破損を抑制し、シール性の低下を抑制することができる範囲内に常に設置することができる。
一対のシール溝9を、略同一形状に構成する。これにより、セパレータ4a、4cを同一形状に構成することができるので、構成部品を低減してコストを抑えることができる。
次に、第2の実施形態について説明する。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
単位セル100の構成を第1の実施形態と同様とする。ただし、シール部材5の断面を図5に示すように構成する。
電解質膜1を介して対峙するシール部材5S、5Lを、同じ断面形状に構成する。シール部材5を、対向する平行な面54、55を有し、面54の幅は面55の幅より小さくなるように構成する。面54、55を結ぶ二つの側面56、57は、図5(a)に示すような平面、または(b)に示すような曲面により構成する。
このようなシール部材5を電解質膜1を狭持するように配置する際に、シール部材5Sは電解質膜1に面54が接触するように、シール部材5Lは電解質膜1に面55が接触するように配置する。つまり、電解質膜1に面54が接触するほうが、比較的シール面50Sの幅が小さいシール部材5Sとなり、電解質膜1に面55が接触する方が、比較的シール面50Lの幅が大きいシール部材5Lとなる。
なお、第1の実施形態と同様に、シール部材5Sの端部からシール面50Sまでの幅H1が、シール部材5Lの端部からシール面50Lまでの幅H3と、シール溝9とシール部材5Lの幅の差H4の合計H2maxより大きくなるように構成する。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1の実施形態と異なる効果のみを説明する。
シール部材5Sとシール部材5Lを、それぞれのシール面50S、50Lの幅とシール溝9との接触部分の幅が異なる略同一形状のシール部材により構成する。つまり、シール部材5S、5Lを同一形状の部品から構成することができるので、コストを低減することができる。
次に、第3の実施形態について説明する。単位セル100の構成を第1の実施形態と同様とする。ただし、ここではシール部材5を図6のように構成する。
シール溝9に、少なくともシール部材5Sの位置決め手段を持たせる。例えば、図6に示すように、シール溝9の底面92をテーパ形状に構成する。このとき、シール部材5を設置する目的の位置に、テーパ形状の頂点91がくるようにシール溝9を構成する。ここでは、二つの斜面よりシール溝9の底面92を構成し、その二つの斜面の接続部分(頂点91)が目的の位置となるように構成する。例えば、シール溝9の中心に頂点91が配置されるように底面92を構成する。
積層方向に締付力が加えられると、シール部材5が、この斜めに形成された底面92に沿ってシール溝9内を頂点91に向かって移動する。このとき、底面92と接触するシール部材5の接面は、底面92との摩擦抵抗をできるだけ少なくする形状を取ることが好ましい。例えば、接面近傍を曲面により形成する。
なお、ここでは、シール部材5S、5Lを収容するシール溝9に関して、底面92をテーパ形状に構成したが、すくなくともシール部材5Sを収容するシール溝9に関して、底面92をテーパ形状に構成すればよい。
図7に、シール部材5の設置時の状態を説明する図を示す。ここでは、シール部材5Sを収容するシール溝9に関してのみ、底面92をテーパ形状し、シール部材5Lを収容するシール溝9については底面を平面により構成する。図7(a)には、シール部材5Sの断面図を、図7(b)には、シール部材5Sを積層面から見た平面図を示す。
シール溝9の中心に、電解質膜1との対極側に頂点91が配置されるように底面92を斜めのテーパ形状に構成する。そして組みつけ前の状態で、図7(b)に示すように、シール溝9の中心を結ぶ長さよりもシール部材5の長さを短く設定しておく。つまり、組付け前には、図7(a)においては、点線で描かれた状態となる。
このような状態から積層方向に締付力が加えられると、発電を行う電極10、11の反応面を中心に、シール部材5Sが放射状の向きにセットされる。このシール部材5Sの位置決めに伴う移動に併せて、電解質膜1が電極10、11の反応面を中心に放射上に張られるため、組立時に発生する電解質膜1のしわなどを解消することができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
電解質膜1の両側に設けた一対の電極10、11をさらに狭持する一対のセパレータ4a、4cと、セパレータ4a、4cの対向する表面の外縁部に沿って形成され、それぞれについて略同じ幅に形成された一対のシール溝9を備える。また、一対のセパレータ4のうち一方に形成された前記シール溝9に収容され、電解質膜1との接触部分であるシール面50Sの幅が比較的小さいシール部材5Sと、一対のセパレータ4のうちもう一方に形成されたシール溝9に収容され、電解質膜1との接触部分であるシール面50Lの幅が比較的大きいシール部材5Lと、を備える。さらに、少なくともシール部材5Sを収容するシール溝9の底面92を、テーパ形状に構成する。これにより、シール溝9内のシール部材5Sの設置位置を設定することができる。その結果、シール部材5Sのシール面50Sを、シール部材5Lのシール面50L内に収容させることができ、幅の同じシール溝9を用いた場合にも、シール部材5S、5Lを、シール性能を維持し、電解質膜1の損傷を抑制できる位置に配置することができる。
また、組付け前には、シール部材5Sをシール溝9の底面92に形成されたテーパ形状の頂点91より内周側に配置し、組付け時の締付力により、シール部材5Sをテーパ形状の頂点91側に移動させる。これにより、電解質膜1を反応領域を中心とする放射方向に略均等に引っ張ることができるので、電解質膜1のしわなどを抑制して平面状に保つことができる。
さらに、一対のシール溝9を、略同一形状に構成する。これにより、セパレータ4a、4cを同一形状に構成することができるので、構成部品を低減することができ、コストを抑制することができる。また、シール部材5Lを収容するシール溝9の底面92についてもテーパ形状とすることで、組付け時に、電解質膜1の表側と裏側で均等に放射方向に引っ張ることができるので、電解質膜1に発生するしわなどをより低減して平面状に保つことができる。
このように、シール溝9にシール部材5の配置の位置決め手段を持たせることで、シール部材5の幅に対するシール溝9の寸法差を大きくすることができ、加工精度を緩和できる。さらに、セパレータ4のシール溝9の加工や、セパレータ4のモールド成形を行う成形型の型形状で対応をとることができる。その結果、シール部材5を目的の位置51に設置することができるので、確実なシールを達成できる。
次に、第4の実施形態について説明する。単位セル100の構成を第1の実施形態と同様とする。ただし、ここではシール部材5を図8のように構成する。
電解質膜1と、少なくとも一方のシール部材5との間にプレート12を備える。図8(a)には、シール部材5Lと電解質膜1との間にプレート12aを配置した場合、(b)には、シール部材5Sと電解質膜1との間にプレート12bを配置した場合、(c)には、シール部材5L、5Sと電解質膜1との間それぞれにプレート12a、12bを配置した場合を示す。
プレート12は、その厚みを、電極10、11(またはガス拡散層3)の締付時の厚み以下とする。または、プレート12の厚みを、電極10、11の締付時の厚みと等しくして、スペーサプレートとしての機能も併せ持っても良い。また、プレート12の幅は、シール部材5Sのシール面50Sの幅より大きくなるように構成する。例えば、プレート12の幅をシール溝9の幅より大きく構成する。
シール部材5S、5Lの少なくとも一方は、プレート12を介して電解質膜1を狭持する。そのため、プレート12は、その配置箇所、ならびに、シール部材5からの荷重により、変形しない部材により構成する。シール面50Lに比較して幅が小さいシール面50Sには、集中的に荷重がかかるため、電解質膜1の変形を生じる可能性があるが、プレート12を用いることで、その変形を防ぐことができる。
また、プレート12の配置形状の選択、並びに、用いるシール部材5の断面形状に応じて、電解質膜1の両側に配置されるシール部材5に必要となる潰れ量が異なる場合がある。そこで、プレート12の厚さを調整して、それぞれの極におけるシール構造に併せて両極のシール部材5の潰れ量を変えることで、電解質膜1の変形を抑制しつつ、シールを達成することもできる。
なお、本実施形態では、第1の実施形態に用いた構成にプレート12を加えたが、第2または第3の実施形態に用いた構成にプレート12を用いても良い。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1から第3の実施形態と異なる効果のみを説明する。
電解質膜1の少なくとも一方の側に、シール部材5Sのシール面50Sより幅の大きいプレート12を備える。シール部材5Sまたはシール部材5Lの少なくとも一方は、プレート12を介して電解質膜1に接触する。これにより、シール部材5Sが、局所的に電解質膜1にストレスを加えることによる電解質膜1の変形を抑制することができる。その結果、電解質膜1の損傷を抑制することができる。
また、このプレート12の厚さを、締付時の電極10、11の厚さとすることで、スペーサとして用いることができる。さらに、このプレート12の厚さを調整することで、シール部材5の潰れ量を調整することができ、つまりは、電解質膜1に与える圧力を調整することができるので、電解質膜1の変形を生じることなくシール機能を向上することができる。
次に、第5の実施形態について説明する。単位セル100の構成を第1の実施形態と同様とする。ただし、ここではシール部材5を図9のように構成する。
電解質膜1を介したシール部材5同士での接触部分において、シール部材5の柔らかさのバランスが不適切であると、シール面50Sの幅が小さいシール部材5Sが、シール面50Lの幅が大きなシール部材5Lに埋もれてしまう。このような場合には、電解質膜1に不要なストレスをかけることになり、シール性を損なったり、電解質膜1の劣化を促進する可能性がある。
そこで、本実施形態では、シール面50Sの幅が比較的小さいシール部材5Sについては、対極に配置されるシール部材5Lと比べて柔らかい材料を選択する。図9においては、白い部分が比較的柔らかい部分、黒い部分が比較的固い部分となる。なお、この場合には、シール部材5S、5L全体について、柔らかさを異ならせる必要はない。例えば、図9(b)に示すように、シール部材5Lの電解質膜1に接触する近傍についてのみ比較的硬く構成してもよい。または、シール部材5Sの電解質膜1に接触する近傍についてのみ比較的柔らかく構成してもよい。
なお、本実施形態では、第1の実施形態に用いたシール部材5について、柔らかさの差をつけたが、第2の実施形態に用いたシール部材5についても同様とすることができる。第3の実施形態については、シール部材5の目標位置への移動が確保される範囲で、シール部材5Sをシール部材5Lに比較して柔らかくすることができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。以下、第1〜第3の実施形態とは異なる効果のみを説明する。
シール部材5Sの少なくともシール面50S近傍を、シール部材5Lのシール面50L近傍より柔らかい部材により構成する。これにより、電解質膜1に局所的にストレスがかかることにより変形が生じるのを抑制することができるので、シール性を維持し、電解質膜1の劣化が生じるのを抑制することができる。
次に、第6の実施形態について説明する。ここでは、図10〜図13に示すように、シール部材5を他の構成要素と一体化することにより、シール部材5を所定の位置に配置する。
図10には、シール部材5をセパレータ4に一体化した例を示す。セパレータ4の外縁部に沿って、シール部材5を一体に構成する。このときには、積層時にシール部材5Lのシール面50Lの投影面内にシール部材5Sのシール面50Sが収まるように、予めセパレータ4のシール部材5の設置位置を設定しておき、シール部材5とセパレータ4を一体化してから、膜電極接合体(MEA)と積層することにより単位セル100を構成する。この場合には、特にシール溝9を必要としない。ただし、シール溝9を構成して、シール部材5の潰れ量を調整してもよい。
図11には、シール部材5を電解質膜1に一体化した例を示す。電解質膜1両側に、外縁に沿ってシール部材5S、5Lを一体化する。このとき、シール部材5S、5Lは、積層時にシール溝9に収容される位置に形成する。また、シール部材5Sのシール面50Sが、シール部材5Lのシール面50Lの投影面内に収容されるように一体化する。電解質膜1を狭持するようにシール部材5S、5Lを一体化することにより、比較的容易にシール部材5S、5Lの中心を重ねることができ、互いのずれを抑制することができる。このようなシール部材5を有するMEAを、さらにセパレータ4で狭持することにより単位セル100を構成する。
図12には、シール部材5をガス拡散層3に一体化した例を示す。ガス拡散層3の外周に沿ってシール部材5を一体化する。シール部材5を有するガス拡散層3に電極触媒を塗布して電極触媒層2を形成して電極10、11を構成し、さらに電極10、11で電解質膜1を狭持することによりMEAを構成する。MEAをセパレータ4で狭持することにより単位セル100を構成する。このとき、シール部材5がシール溝9に収容されるように設定する。
図13には、シール部材5をプレート12と一体化した例を示す。ここでは、プレート12の幅をシール溝9の幅より大きく構成し、また、厚さを電極10、11の締付時の厚さとすることで、プレート12がスペーサとしての機能を有するように構成する。さらに、プレート12の外周は、電解質膜1の外周と略同じとなるように構成する。
プレート12にシール部材5を一体化させる。ここでは、単位セル100組み立て時に、セパレータ4に形成したシール溝9に、プレート12に一体化したシール部材5が収容されるように構成する。また、シール部材5Lのシール面50Lの投影面内に、シール部材5Sのシール面50Sが収まるように、シール部材5を一体化する。
電解質膜1および電極10、11を備えたMEAを、このシール部材5を一体化させたプレート12により狭持する。このとき、MEAを構成する電解質膜1の外縁に沿ってプレート12が配置される。さらにセパレータ4によって狭持することにより、単位セル100を構成する。
なお、シール溝9の幅とシール部材5Lの幅に大きな差がない場合などには、シール部材5Sについてのみ一体化させてもよい。シール部材5Sを他の構成部材と一体化させることで、シール部材5Sを目標の位置に設置できるので、シール部材5Lの設置位置に幅ができ、シール部材5Lを独立して設置することができる。または、本実施形態のようにシール部材5S、5Lについて、他の構成部材と一体化して目標の位置に設置させてもよい。この場合には、設置位置を確実にすることができる。
また、シール部材5は図10〜図13に示した形状に限らず、条件を満たすものであればよい。例えば、図14に示すような形状としてもよい。図14(a)には、断面が略四角形状の幅の異なるシール部材5S、5Lを用いた場合を示す。図14(b)には、一方に電解質膜1に向かうにつれて幅が小さくなる矩形状のシール部材5Sを用いた場合を示す。図14(c)には、一方が電解質膜1に向かうにつれて幅が大きくなる矩形状のシール部材5Sを用いた場合を示す。図14(d)には、電解質膜1に向かって凸形状に構成されるシール面50Sを備えるシール部材5Sを用いる場合を示す。このように、シール部材5は様々な形状とすることができる。なお、図14は、シール溝9を用いない場合について示しているが、シール溝9を用いた場合も同様である。
このように他の構成要素に一体化して構成することで、シール溝9を用いない場合や、シール溝9の幅を燃料極10側と酸化剤極11側とで同一とした場合にも、シール面50の大きさの異なるシール部材5S、5Lを所定の位置に設置することができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
電解質膜1の両側に設けた一対の電極10、11をさらに狭持する一対のセパレータ4と、セパレータ4の対向する表面の外縁部に沿って形成され、それぞれについて略同じ幅に形成された一対のシール溝9を備える。また、シール溝9に略重なる部分で電解質膜1に接触し、厚みが電極10または11と同じ、またはそれ以下のプレート12を備える。また、一対のセパレータ4のうち一方に形成されたシール溝9に収容され、プレート12と一体に形成されるとともに、プレート12を介して電解質膜1と接触するシール面50Sの幅が比較的小さいシール部材5Sを備える。さらに、一対のセパレータ4のうちもう一方に形成されたシール溝9に収容され、プレート12を介して電解質膜1と接触するシール面50Lの幅が比較的大きいシール部材5Lを備える。これにより、プレート12に一体化されたシール部材5Sは、その設置位置を設定することができる。その結果、シール溝9の幅に関係なく、シール部材5Lのシール面50Lの投影面内に、シール部材5Sのシール面50Sを収めることができ、シール性を維持し、電解質膜1の損傷を抑制することができる。
または、電解質膜1の両側に設けた一対の電極10、11をさらに狭持する一対のセパレータ4と、セパレータ4の対向する表面の外縁部に沿って形成され、それぞれについて略同じ幅に形成された一対のシール溝9を備える。また、一対のセパレータ4のうち一方に形成されたシール溝9に収容され、電解質膜1または電極10、11またはセパレータ4の少なくとも一つと一体に形成された、電解質膜1との接触部分であるシール面50Sの幅が比較的小さいシール部材5Sを備える。さらに、一対のセパレータ4のうちもう一方に形成されたシール溝9に収容され、電解質膜1との接触部分であるシール面50Lの幅が比較的大きいシール部材5L備える。このように、他の構成部材に一体化することにより、シール部材5Sの設置位置を設定することができるので、シール部材5Lのシール面50Lの投影面内に、シール部材5Sのシール面50Sが収容されるように構成することができる。その結果、電解質膜1の劣化を抑制するとともに、シール性を維持することができる。
なお、一対のシール溝9を、略同一形状に構成することで、セパレータ4a、4cを同一形状に構成することができるので、構成部品を低減してコストを抑制することができる。
また、電解質膜1の両側に設けた一対の電極10、11をさらに狭持する一対のセパレータ4と、一対のセパレータ4のうち一方と電解質膜1と間に、電極10または11の外周に沿って構成され、セパレータ4と一体に形成された、電解質膜1との接触部分であるシール面50Sの幅が比較的小さいシール部材5Sを備える。また、一対のセパレータ4のうちもう一方と電解質膜1と間に、電極10または11の外周に沿って構成され、セパレータ4と一体に形成された、電解質膜1との接触部分であるシール面50Lの幅が比較的大きいシール部材5Lを備える。このように、シール部材5S、5Lをそれぞれセパレータ4に一体化して構成する場合には、シール溝9を必要とせずに、シール部材5Lのシール面50Lの投影面内に、シール部材5Sのシール面50Sが収容されるように構成することができる。その結果、電解質膜1の劣化を抑制するとともに、シール性を維持することができる。
なお、上記実施形態においては、セパレータ4を、緻密質からなるカーボン材で構成しているが、この限りではなく、セパレータ4を、多孔質性のカーボン材、または金属製のプレートにより構成してもよい。
このように、本発明は、上記発明を実施するための最良の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術思想の範囲内で、様々な変更が為し得ることはいうまでもない。
本発明は、燃料電池のシール構造に適用することができる。特に、複数の単位セルを積層して構成する固体高分子電解質型燃料電池に適用することができる。
1 電解質膜
3 ガス拡散層
4 セパレータ
5 シール部材
5S シール面の幅が比較的小さいシール部材
5L シール面の幅が比較的大きいシール部材
50 シール面
51 シール面端部
52 シール部材端部
9 シール溝
91 (テーパ形状の)頂点
92 底面
10 燃料極(電極)
11 酸化剤極(電極)
3 ガス拡散層
4 セパレータ
5 シール部材
5S シール面の幅が比較的小さいシール部材
5L シール面の幅が比較的大きいシール部材
50 シール面
51 シール面端部
52 シール部材端部
9 シール溝
91 (テーパ形状の)頂点
92 底面
10 燃料極(電極)
11 酸化剤極(電極)
Claims (10)
- 電解質膜の両側に設けた一対の電極をさらに狭持する一対のセパレータと、
前記セパレータの対向する表面の外縁部に沿って形成され、それぞれについて略同じ幅に形成された一対のシール溝と、
前記一対のセパレータのうち一方に形成された前記シール溝に収容され、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的小さい第一シール部材と、
前記一対のセパレータのうちもう一方に形成された前記シール溝に収容され、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的大きい第二シール部材と、を備え、
さらに、前記第一シール部材の一端からシール面までの幅が、
前記第二シール部材の一端からシール面までの幅と、前記シール溝の幅と前記第二シール部材の幅の差と、の和より大きくなるように構成することを特徴とする燃料電池。 - 前記第一シール部材と前記第二シール部材を、それぞれのシール面の幅と前記シール溝との接触部分の幅が異なる略同一形状のシール部材により構成する請求項1に記載の燃料電池。
- 電解質膜の両側に設けた一対の電極をさらに狭持する一対のセパレータと、
前記セパレータの対向する表面の外縁部に沿って形成され、それぞれについて略同じ幅に形成された一対のシール溝と、
前記一対のセパレータのうち一方に形成された前記シール溝に収容され、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的小さい第一シール部材と、
前記一対のセパレータのうちもう一方に形成された前記シール溝に収容され、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的大きい第二シール部材と、を備え、
さらに、少なくとも前記第一シール部材を収容するシール溝の底面を、テーパ形状に構成することを特徴とする燃料電池。 - 組付け前には、前記第一シール部材を前記シール溝底面に形成されたテーパ形状の頂点より内周側に配置し、組付け時の締付力により、前記第一シール部材をテーパ形状の頂点側に移動させる請求項3に記載の燃料電池。
- 前記電解質膜の少なくとも一方の側に、前記第一シール部材のシール面より幅の大きいプレートを備え、
前記第一シール部材または前記第二シール部材の少なくとも一方は、前記プレートを介して前記電解質膜に接触する請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池。 - 前記第一シール部材の、少なくともシール面近傍を、前記第二シール部材のシール面近傍より柔らかい部材により構成する請求項1から4のいずれか一つに記載の燃料電池。
- 電解質膜の両側に設けた一対の電極をさらに狭持する一対のセパレータと、
前記セパレータの対向する表面の外縁部に沿って形成され、それぞれについて略同じ幅に形成された一対のシール溝と、
前記シール溝に略重なる部分で前記電解質膜に接触し、厚みが前記電極と同じ、またはそれ以下のプレートと、
前記一対のセパレータのうち一方に形成された前記シール溝に収容され、前記プレートと一体に形成されるとともに、前記プレートを介して前記電解質膜と接触するシール面の幅が比較的小さい第一シール部材と、
前記一対のセパレータのうちもう一方に形成された前記シール溝に収容され、前記プレートを介して前記電解質膜と接触するシール面の幅が比較的大きい第二シール部材と、を備えることを特徴とする燃料電池。 - 電解質膜の両側に設けた一対の電極をさらに狭持する一対のセパレータと、
前記セパレータの対向する表面の外縁部に沿って形成され、それぞれについて略同じ幅に形成された一対のシール溝と、
前記一対のセパレータのうち一方に形成された前記シール溝に収容され、前記電解質膜または前記電極または前記セパレータの少なくとも一つと一体に形成された、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的小さい第一シール部材と、
前記一対のセパレータのうちもう一方に形成された前記シール溝に収容され、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的大きい第二シール部材と、を備えることを特徴とする燃料電池。 - 前記一対のシール溝を、略同一形状に構成する請求項1から8のいずれか一つに記載の燃料電池。
- 電解質膜の両側に設けた一対の電極をさらに狭持する一対のセパレータと、
前記一対のセパレータのうち一方と前記電解質膜と間に、前記電極の外周に沿って構成され、前記セパレータと一体に形成された、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的小さい第一シール部材と、
前記一対のセパレータのうちもう一方と前記電解質膜と間に、前記電極の外周に沿って構成され、前記セパレータと一体に形成された、前記電解質膜との接触部分であるシール面の幅が比較的大きい第二シール部材と、を備えたことを特徴とする燃料電池。
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