JP2007176133A - フィルム仮止め型高分子成形部品、該成形部品の製造方法、および該成形部品の製品本体への取り付け固定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】省スペース化および軽量化と、形状保持性とを満たすフィルム仮止め型高分子成形部品の提供。
【解決手段】形状保持性のあるフィルム3の表面に射出成形により所定形状の高分子成形部品4が剥離容易に固定されてなり、フィルム3の表面には微小な凹凸が多数形成され、これら凹凸に高分子成形部品4の表面層が固着することにより、剥離容易な固定が実現されているこのフィルム仮止め型高分子成形部品は、フィルム3として、その表面に微小な凹凸が多数形成されている仮止め用フィルムを用い、高分子成形部品4の射出成形金型のキャビティ内に仮止め用フィルム3の表面を露出させ、この露出面上に高分子材を射出成形することにより、高分子成形部品4の成形と仮止め用フィルム3への仮止めとを同時に実現することで得ることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】形状保持性のあるフィルム3の表面に射出成形により所定形状の高分子成形部品4が剥離容易に固定されてなり、フィルム3の表面には微小な凹凸が多数形成され、これら凹凸に高分子成形部品4の表面層が固着することにより、剥離容易な固定が実現されているこのフィルム仮止め型高分子成形部品は、フィルム3として、その表面に微小な凹凸が多数形成されている仮止め用フィルムを用い、高分子成形部品4の射出成形金型のキャビティ内に仮止め用フィルム3の表面を露出させ、この露出面上に高分子材を射出成形することにより、高分子成形部品4の成形と仮止め用フィルム3への仮止めとを同時に実現することで得ることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、情報技術分野や自動車技術分野などの技術分野に用いられる電子機器や空調機器などの各種製品の部品として製品本体に組み付け固定されるガスケット、シール材、スペーサーなどの高分子成形部品と、その製造方法と、該成形部品の製品本体への組み付け(取り付け)固定方法に関する。
近年の情報技術分野や自動車技術分野などに用いられる電子機器や空調機器などの各種製品では、小型化、軽量化が急激に押し進められている。電子機器では記憶密度の向上に伴って、また自動車用製品では電化に伴うエネルギー効率や燃費の向上に向けて、ますます小型化、軽量化が図られている。そのため、前記各種製品に用いられる部品要素もより一層の小型化、軽量化が求められており、かかる部品要素の一種であるガスケットやスペーサーなどの高分子成形部品も例外ではない。
前記高分子成形部品における小型化、軽量化における問題を、電子機器に用いられるガスケットを例に挙げて説明する。このガスケットは、典型的には、水分や塵埃を嫌い、気密性を必要とするハードディスク装置に用いられている。前記ハードディスク装置には、3.5インチから2.5インチ、また最近では、更に1.8インチ、1インチ以下の小型な製品が提供されるに至っている。
前述のような小型なハードディスク装置に用いられるガスケットは、製品本体(ハードディスク装置)の小型化に伴って、厚みがより薄く、幅がより狭くなっており、その結果、ガスケット材質の硬度や柔軟性の程度に関係なく、従来以上に取り扱い上の剛性(形状保持性)は乏しいものとなっている。そのため、ガスケット単独で品質検査を行ったり、製品本体であるハードディスク装置の蓋の内側への取り付け固定を行う場合における、ガスケットの取り扱い性が悪く、それにともなって検査や取り付けの作業が非常に困難になってきている。さらに具体的に説明すると、現在のガスケットは、その厚み、幅寸法が極限まで小さくなってきているため、比較的硬い材質から構成したとしても、ガスケットの全体的な形状を維持することが難しく、所定の位置に所定の形状で組み付けることが困難になってきているということである。
また、自動車技術分野で使用されている各種空調ダンパーのような開閉板の当たるフランジ部に用いられるガスケット材や各種シール材においても、同様に、それらの厚み寸法、幅寸法の低減が求められている。自動車に組み込まれているエアコンやヒーターでは、それらの空調部品の省スペース化に伴なう高機能化、多様化が推し進められている。例えば、配管併用化や、配管自体の軽量化、省スペース化などが実施されている。それに伴って、そこに用いられるガスケット材やシール材は、発泡状で軽量なものとすると同時に、今まで以上にシール性能を維持した上での寸法の低減化が求められている。したがって、自動車技術分野の空調関連製品に使用されているガスケット材や各種シール材も、取り扱い上の剛性(形状保持性)が乏しくなる傾向にあり、かかる分野のガスケットやシール材も、品質検査や、装置本体であるダンパー開閉板基材への取り付け固定に際して、取り扱いにくく、検査や取り付け時の作業性が非常に悪くなってきている。
かかる状況に対して、従来、例えば、電子機器に組み込まれるガスケットにおいて種々の改良が提案されている。特許文献1や特許文献2には、ポリプロピレン製の形状保持性(剛性)のある枠体に、柔軟なガスケットを、射出成形を用いて、融着一体成形してなる積層構造のガスケットが開示されている。このガスケットは、枠体に積層された状態のままで、製品本体であるハードディスク装置の蓋に取り付けられる。
また、特許文献3には、形状保持性(剛性)を付与する樹脂フィルムまたはシートからなる中央層と、柔軟な非発泡ゴムまたは非発泡弾性プラスチックのフィルムまたはシートからなり、前記中央層の一面に一体化されている密着層と、上記密着層よりも柔らかなゴムまたは弾性プラスチックフォームからなり、前記中央層の他面に一体化されている弾性層とからなり、全体をリング状に打ち抜いて形成されたパッキン材が、開示されている。
前述の特許文献1,2に開示のガスケットは、枠体がガスケットに一体化され、そのまま製品本体に組み込まれることになる。これらガスケットは、終始枠体に支持されているため、ガスケットの形状保持性が充分であるので、検査作業や、取り付け作業における取り扱い性は良好である。しかし、一方では、一体となっている枠体の分だけ重量が増し、また、積層方向の厚みも厚くなり、ガスケット全体の小寸法化、軽量化は実現できない。そのため、製品本体の小型化に寄与することができないばかりか、製品本体の小型化のネックとなってしまう。
また、前述の特許文献3に開示の技術でも、パッキン材(ガスケット)が弾性のあるガスケット層、形状保持性のあるフィルム層、および製品本体であるハードディスクの蓋に固定させる為の密着層の3層構造から構成されているので、形状保持性が高く、検査や取り付け作業における取り扱い性はよい。しかし、実際のシール性確保に必須なガスケット層以外にフィルム層および密着層を設けなければならないため、重量が増え、小寸法化が困難であり、製品本体の軽量化、小型化に寄与することができないばかりか、製品本体の軽量化、小型化のネックとなってしまう。
また、この特許文献3に開示のガスケットは、互いに異なる材質系の3種類のシートが積層されてなる積層シートをリング状となる周辺部を残すようにして打ち抜き、打ち抜かれた大部分を焼却処分している。それは互いに異なる材質の3種類のシートが積層一体化され、分離が困難であり、材料の回収再利用に多くのコストがかかってしまうからである。したがって、この特許文献3に記載のガスケットは、サイズダウンが困難であるという技術的問題点ばかりでなく、資源の有効活用ができず、さらに環境を汚染するおそれがあるという問題点も有している。
このように、電子機器や自動車用装備機器などの製品に組み込まれるガスケットを始めとする高分子成形部品の従来提供のものは、剛性のある枠体や形状保持性を有するフィルム層などの剛性のある形状保持要素をガスケット本体に一体的に積層した構成を有している。そのため、リング状などの所定の形状を常に保持することができ、製品本体への組み付け作業などにおける取り扱い性は向上されるが、その一方で、形状保持性を付与している要素がガスケット全体の省スペース化、軽量化を妨害するという問題点が避けがたく存在している。
本発明は、前記従来の高分子成形部品における省スペース化および軽量化の実現と、形状保持性の実現とが背反しており、両者を同時に満足することができないという問題点に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の課題は、省スペース化および軽量化と、形状保持性とを同時に満足させることのできる高分子成形部品、該成形部品の製造方法、および該成形部品の製品本体への取り付け固定方法を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明に係るフィルム仮止め型高分子成形部品は、形状保持性のある半透明または不透明なフィルムの表面に射出成形により所定形状の高分子成形部品が剥離容易に固定されて成るフィルム仮止め型高分子成形部品であって、前記フィルムの表面には微小な凹凸が多数形成され、これら凹凸に前記高分子成形部品の表面層が固着することにより、前記剥離容易な固定が実現されていることを特徴とする。
また、本発明に係るフィルム仮止め型高分子成形部品の製造方法は、形状保持性のあるフィルムの表面に所定形状の高分子成形部品が剥離容易に固定されて成るフィルム仮止め型高分子成形部品の製造方法であって、前記フィルムとして、その表面に微小な凹凸が多数形成されている仮止め用フィルムを用い、前記高分子成形部品の射出成形金型のキャビティ内に前記仮止め用フィルムの表面を露出させ、この露出面上に高分子材を射出成形することにより、高分子成形部品の成形と前記仮止め用フィルムへの仮止めとを同時に実現することを特徴とする。
前記構成において、前記フィルムの表面の微小な凹凸に前記高分子成形部品の表面層が固着する形態の一つは、前記微小な凹凸の凹部に前記高分子成形部品の表面層が入り込み、物理的な填め込みが生じる場合である。これは、換言すれば、ミクロサイズのファスナー(アンカー)効果が生じていることになり、高分子成形部品は、フィルム表面に剥離容易に固定されることとなる。
この固着形態を実現するためには、前記フィルムの露出面上に高分子材を射出成形する時の高分子材の温度を前記フィルムの溶融温度以下に設定して、前記フィルム表面の微小な凹凸の凹部に前記高分子成形部品の表面層を入り込ませればよい。
前記構成において、前記フィルムの表面の微小な凹凸に前記高分子成形部品の表面層が固着する他の形態は、前記微小な凹凸の凹部に前記高分子成形部品の表面層が入り込み、物理的な填め込みが生じるとともに、前記高分子成形品の表面層の一部が前記フィルム表面に融着している場合である。この場合は、融着する面積を制御することにより固着の強度、換言すれば、剥離容易性を調整することができる。
この固着形態を実現するためには、前記フィルムの露出面上に高分子材を射出成形する時の高分子材の温度を前記フィルムの溶融温度以上に設定して、前記フィルム表面の微小な凹凸の凹部に前記高分子成形部品の表面層を入り込ませると同時に、前記高分子成形部品の表面の一部を前記フィルムの表面に融着させればよい。
前記フィルムとしては、厚みが500μm以下であり、表面に形成されている凹凸の隣接凹部間もしくは隣接凸部間の平均間隔が250μm以下であり、かつ隣接する凸部と凹部との高低差が0.1μm以上であることが、望ましい。この範囲に設定することにより、高分子成形部品を所望の形状に保持することができ、高分子成形部品を製品本体に固着した後に、不要となったフィルムを容易に剥離することが可能になる。
ベースマトリックスの樹脂に無機や有機の充填材を混練し、この混練物をフィルム状にしたもの、あるいは、そのフィルムを1軸延伸または2軸延伸することにより得られる。また、充填材を配合しない樹脂から押出によりフィルムを得た後、フィルム表面をマット仕上げという無機物粒子を高速でぶつけることで凹凸を形成する方法もある。さらに、フィルム表面をエンボスロールで凹凸をつける方法や、無機粒子を含んだコーティング剤をフィルム表面に塗工する方法も考えられる。前記充填材を混練したフィルムにおいて、フィルムの表面に前記所望の凹凸を形成するには、ベースマトリックスの樹脂に1次粒子径が10nm〜200μmの充填材を混練りし、この混練り物をフィルム状に一軸もしくは2軸延伸すればよい。
前記フィルム表面に、前述のように、微小粒径の充填材を混練することにより、微小な凹凸を形成した場合、前記凹凸の存在間隔および高低差は、フィルム表面の前記充填材の面積占有率から評価することが可能である。かかるフィルム表面の単位面積当たりの前記充填材の露出占有比率としては、5〜80%(EPMAのマッピング分析値)が好ましい。更に好ましくは、20〜75%が好ましい値である。
前記フィルムの組成としては、そのベースマトリックスにオレフィン系の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーを使用することが望ましい。また、前記射出成形に用いられる高分子材の組成としては、そのベースマトリックスにオレフィン系の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーを使用することが望ましい。これらフィルムと高分子材とは、同じ樹脂を用いてもよいし、異なっていても良い。同じ樹脂を使う場合でも、異なった樹脂を使う場合でも、フィルムの融点が射出成形用高分子材の融点より高くなるように、組成分および組成比率、あるいは樹脂の分子量や重合度などを制御することが大切である。
また、本発明に係るフィルム仮止め型高分子成形部品の製品本体への取り付け固定方法の第1の形態は、前記構成のフィルム仮止め型高分子成型部品のフィルムに剥離容易に固定されている高分子成形部品の露出部分を組み込み対象である製品本体の組み込み位置に固着し、固着した高分子成形部品から前記フィルムを剥離することを特徴とする。
また、本発明に係るフィルム仮止め型高分子成形部品の製品本体への取り付け固定方法の第2の形態は、前記構成のフィルム仮止め型高分子成形部品のフィルムに剥離容易に固定されている高分子成形部品の露出部分を真空吸着式固定用治具に吸着固定し、吸着固定した高分子成形部品から前記フィルムを剥離し、この固定用治具を操作して、吸着固定している高分子成形品の露出部分を組み込み対象である製品本体の組み込み位置に固着し、製品本体に固着した高分子成形部品を前記固定用治具の真空吸着を解除して、前記高分子成形備品を製品本体に残すことを特徴とする。
前記高分子成形部品を組み込み対象である製品本体の組み込み位置に固着する場合の固着を、前記高分子成形部品を組み込み対象である製品本体の組み込み位置に固着する場合の固着を、接着剤を用いて実現してもよい。あるいは、製品本体の組み込み位置を加熱し、高分子成形部品を押し当てて熱融着させることによって実現しても良い。さらには、前記製品本体の組み込み位置に形成された溝部に前記高分子成形部品を圧入することによって実現してもよい。
以上、本発明の概略を説明した。かかる発明の概略構成に続いて、さらなる詳細を以下に説明する。
(仮止め用フィルム)
本発明で用いられる射出成形時に高分子成形部品を仮止めするのに用いるフィルムとは、前述のように、厚みが500μm以下であり、表面に形成されている凹凸の隣接凹部間もしくは隣接凸部間の平均間隔が250μm以下であり、かつ隣接する凸部と凹部との高低差が0.1μm以上であるフィルムである。
本発明で用いられる射出成形時に高分子成形部品を仮止めするのに用いるフィルムとは、前述のように、厚みが500μm以下であり、表面に形成されている凹凸の隣接凹部間もしくは隣接凸部間の平均間隔が250μm以下であり、かつ隣接する凸部と凹部との高低差が0.1μm以上であるフィルムである。
前記凹凸の平均間隔値は、触針の先端半径が2μmで、測定速度0.03mm/sの表面粗さ測定を、フィルム表面上で直交する異なる2方向に沿って測定して求める。測定して得られた間隔値の平均値(Sm)は、一般に次の式(1)から求められる。
また、隣り合う凹凸の高低差とは、走査測定時に評価長方向に対し高さ方向で計測される値である。
前記測定方法によって測定して得た凹凸の平均間隔が250μm以下で、隣り合う凹凸の高低差が0.1μm以上であれば、金型内で射出成形により高分子材をフィルム面上に成形すると、フィルム表面に接する高分子材は、フィルム表面の凹凸の凹部に入り込み、それによって、アンカー効果が得られ、高分子成形部品をフィルム表面に剥離容易に固定することが、すなわち適正な仮止めが可能となる。
仮止めするフィルム面が、凹凸の平均間隔で250μm以下で、隣り合う凹凸の高低差が0.1μm以上であればよく、これら凹凸が片面に形成されているフィルムを用いてもよく、両面に形成されているフィルムを用いてもよい。凹凸が両面に形成されているフィルムを用い、このフィルムの両面に高分子成形品を仮止めする場合、高分子成形部品の射出成形時に用いる金型のスプルー、ランナー、ノズル構造とフィルムに成形高分子材の流通孔を設ければ、両面に仮止めすることができる。
本発明で言う仮止め性の評価は、後述するが、高分子成形部品のフィルムへの固着力とフィルムからの剥離力とは表裏一体の関係であるので、剥離強度を測定し、その剥離強度値を基準にしている。フィルムに仮止めされた矩形断面のガスケット状の成形部品を用い、成形部品中の直線部分が仮止めされた部分をフィルムごと切り出し、このサンプルの成形部品からフィルムを、180度の剥離角度、300mm/secの剥離速度で、剥離し、その時の剥離強度(サンプル巾1.5mm当たりの値)を測定する。
この剥離強度に基づく評価によって、剥離強度が、0.05N〜2.00Nであれば、フィルムに仮止めされた状態で、検査工程等の作業上の問題がなく、また目的物への取り付け作業でも、高分子成形部品にダメージを生じること無くフィルムから剥離でき、取り付けを完了させることができる。
本発明のフィルムの材質ベースは、特に限定されないが、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン−1(TPX)、などのオレフィン系樹脂やオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系樹脂、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、アクリロニトリルスチレン(AS)樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、シンジオタクチックポリスチレンなどのスチレン系樹脂、変性ポリフェニレンエーテル、アクリル系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネートなどの熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの単独系または2種以上のブレンド系であっても良い。また、フィルムは、同種または異種材料のフィルムを多層に積層させた構造であってもよい。
フィルムの材質としては、前述の群の中でも、比較的安価でリサイクル性にも優れるポリオレフィン系の樹脂が好ましく、更に耐熱性と形状保持性に優れるポリプロピレン系をベースとしたフィルムが特に望ましい。
また、前記フィルムとしては、ベースマトリック100重量部に対して、一次粒子径が10nm〜200μmの充填材1重量部〜80重量部を配合混練りしたものを、フィルム状に押し出す時に、同時に押出し方向に対して同方向または垂直(横幅方向)に単軸または2軸延伸することにより、表面に、前述の微小な凹凸、すなわち、隣接凹部間もしくは隣接凸部間の平均間隔が250μm以下であり、かつ隣接する凸部と凹部との高低差が0.1μm以上である凹凸が形成されたものが好ましい。
この様な充填材の配合と押出し延伸とによって表面の所望の凹凸が形成されたフィルム表面に、射出成形用金型内で高分子材を圧着成形すると、フィルム表面に接する高分子材は、フィルム表面の凹凸に入り込み、微小凹部への物理的填め込みによるアンカー効果が得られ、適正な仮止めが可能となる。
かかるアンカー効果は、フィルム用樹脂への充填材の配合と混練り樹脂のフィルム押出し延伸によって形成される微小凹凸の形態は、その成形の特性上、すなわち、フィルム表面が延伸されるため、所々にアンダーカット状の凹部が形成されるので、かかるフィルムの表面に射出された高分子材の仮止めの度合いは、程よい固着力を有するものに制御される。
本発明に用いるフィルムが充填材を入れて構成するものにおいては、前記充填材の配合量が射出成形用樹脂全体の1重量部以下または80重量部以上になると、フィルム表面の細孔のサイズや数量のバランスが不適切なものとなり、高分子成形部品のフィルム上への仮止めを所望する適正な強度に制御できなくなる。その場合は、品質検査工程や製品本体への取り付け作業途中に高分子成形部品が離脱してしまい、各工程での作業に支障を来たすことになる。
また、本発明の充填材を配合して得た凹凸を有するフィルムは、押出し時に、押出し方向に対して、垂直または平行方向に単軸または2軸延伸すると、フィルムの表面に前述の寸法の凹凸が形成される。
さらに、本発明のフィルムを2層以上の積層フィルムとする場合は、各フィルムを複数同時に押出し、それぞれが押出し方向に対して垂直または平行方向に単軸または2軸延伸する。このような押出時の延伸により、得られるフィルムの表面に前述の所望の寸法の微小凹凸が形成される。
特に積層フィルムでも、3層構造の積層フィルムは、その中間フィルム層が押し出された後、押出し方向に延伸し、次いで、その表裏に別々の押出機から押出されたフィルムをラミネートして3層にし、この3層フィルムをさらに押出し方向に対し垂直方向(横幅方向)に延伸したフィルムが機械物性的にも最も好ましい。
また、これらの方法で作成された3層ラミネートフィルムに形成されるナノサイズからミクロサイズの凹凸は、表層フィルムの凹凸と中間層フィルムの凹凸とが、各フィルムの延伸方向の違いから、互いに直交するねじれの位置関係となり、フィルムの表面から内部に向かう凹部は、アンダーカット部の豊富なものとなり、そのような凹部に高分子成形部品の表面層が入り込むことになるので、フィルムへの高分子成形部品の仮止め(アンカー)効果が得られ易い。
充填材を混練した樹脂を押出延伸させてフィルムを形成する場合に、充填材の配合量や押出機の温度や押出温度や延伸速度などの諸条件を制御して、得られたフィルム表面に露出する樹脂成分の占有面積を調整することによって、実現する方法である。例えば、樹脂成分の露出面積が少なくなれば、成形部品の押し出し用高分子材の温度が高くても、高分子成形部品の表面層がフィルム表面に融着する面積は少なく制御される。
前記の例では、充填材の配合量の増加に従って、耐熱性と同時に、高分子成形品と仮止め接触されるフィルムの表面を構成する樹脂成分の面積占有率が充填材成分に対して減少され、射出成形によって圧着される高分子成形部品とフィルムの樹脂成分との接触面積も同時に減少されることになる。金型内で高分子材が成形される際、フィルムの樹脂成分の融点以上で接触して融着される場合、融着面が微小に散在されるので、この融着要因による仮止めの剥離強度は低くなり、剥離に大きな影響を与えることはない。
一方、仮止めを高分子材のフィルムへのアンカーのみにより制御する方法では、通常、高分子材のフィルムへの仮止めの固着強度を適正な範囲に保つ条件としては、金型内で流動する高分子材がフィルムの融点温度以下で、かつ高分子材の熱変形温度以上であればよいので、フィルム仮止め型高分子成形部品を、高い品質安定性を確保しながら、高い収率で製造することが可能である。
(充填材)
フィルムのベース樹脂に混練りする充填材としては、カーボンブラック、ニトロソ顔料、ベンガラ、フタロシアニン顔料、パルプ、繊維状チップ、カンテン等の有機充填材料、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、シリカ、ケイソウ土、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、マイカ、ヴェントナイト、シラスバル−ン、ゼオライト、珪酸白土、セメント、シリカフュ−ム等の無機充填材が挙げられる。この中でも、炭酸カルシウムやクレーなどが安価で最も好ましい。
フィルムのベース樹脂に混練りする充填材としては、カーボンブラック、ニトロソ顔料、ベンガラ、フタロシアニン顔料、パルプ、繊維状チップ、カンテン等の有機充填材料、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、シリカ、ケイソウ土、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、マイカ、ヴェントナイト、シラスバル−ン、ゼオライト、珪酸白土、セメント、シリカフュ−ム等の無機充填材が挙げられる。この中でも、炭酸カルシウムやクレーなどが安価で最も好ましい。
また、本発明で、高分子成形品のフィルムへの仮止め安定性は、高分子成形部品と接するフィルム表面付近の充填材の存在(フィルム単位面積当たりの充填材の占有率)で影響される。
前記充填材の占有率は、電子線マイクロアナライザー(EPMA)によりフィルムの1mm角当たりの使用される各充填材元素の分布状態をマッピング解析で求めた値で表すことができる。例えば、炭酸カルシウムを充填材として用いた場合、Ca元素の分布状態を、フィルム1mm角で分析し、単位面積当たりに存在するCaの占有面積率が求められる。
フィルムが、表面に露出し構成する充填材成分の表面占有率は、5〜80%が好ましい。この間であると、安定した仮止めに適正な凹凸をフィルムに形成でき、アンカー効果も程良くとれ、またフィルムの融着部としての樹脂成分の露出面の占有率としてもバランスのとれたものとなる。この充填材成分の表面占有率は、更に好ましくは、20〜75%である。
(高分子成形部品用の高分子材)
本発明で用いられる、射出されてフィルムに仮止めされる高分子成形部品の高分子材は、射出成形可能なゴムまたは樹脂であり、特に熱可塑性のものが望ましい。具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン−1(TPX)、などのオレフィン系樹脂やオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系樹脂やポリエステル系熱可塑性エラストマー、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、アクリロニトリルスチレン(AS)樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、シンジオタクチックポリスチレンなどのスチレン系樹脂ややポリスチレン系熱可塑性エラストマー、変性ポリフェニレンエーテル、アクリル系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミド系樹脂や熱可塑性ポリアミド系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーなどの熱可塑性樹脂が用いられ、これらの単独系または、2種以上のブレンド系であってもよい。
本発明で用いられる、射出されてフィルムに仮止めされる高分子成形部品の高分子材は、射出成形可能なゴムまたは樹脂であり、特に熱可塑性のものが望ましい。具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン−1(TPX)、などのオレフィン系樹脂やオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステル系樹脂やポリエステル系熱可塑性エラストマー、ナイロンなどのポリアミド系樹脂、アクリロニトリルスチレン(AS)樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂、シンジオタクチックポリスチレンなどのスチレン系樹脂ややポリスチレン系熱可塑性エラストマー、変性ポリフェニレンエーテル、アクリル系樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアミド系樹脂や熱可塑性ポリアミド系エラストマー、熱可塑性ポリウレタン系エラストマーなどの熱可塑性樹脂が用いられ、これらの単独系または、2種以上のブレンド系であってもよい。
また、これらのベース材料の高分子材に、発泡剤を混入させ、射出発泡させてもよい。射出発泡成形には、窒素や二酸化炭素などの不活性ガスによる物理発泡、また無機系や有機系の熱分解による化学発泡で、高分子材に発泡剤を混ぜて射出発泡成形を行うことができる。
本発明で用いられる射出に用いる高分子材の中で、オレフィン系の熱可塑性樹脂またはエラストマーが、コスト面やリサイクル面から最も好ましい。高分子材をかかる樹脂から構成すれば、仮止め用フィルムに用いて最も好ましいとされるオレフィン系フィルム、特にポリプロピレン系のフィルムに対しても、材料系が同じオレフィン系で化学的な相性も良いことに加えて、フィルムの融点と高分子材の熱変形温度との関係から、金型内での射出成形で、フィルムへの剥離可能な固定が実施されやすい。
また、同様な観点から、他の高分子材とフィルムの組合せで、高分子材にポリウレタン系の熱可塑性エラストマーを用い、フィルムにポリエステル系のフィルムを用いる組み合わせも好ましい組合せである。
高分子材のフィルム上への仮止め成形を射出成形で行う場合、まず予めフィルムの厚みが考慮され、かつ予定している成形型状が施されている金型が開かれ、次いでフィルムが挿入され、金型が閉ざされる。そして、所定の高分子材が射出により、フィルム上に成形(圧着固化まで)される。次に金型が開かれ、高分子成形部品がフィルム表面に仮止めされた状態で取り出される。
射出成形時に挿入されるフィルムは、単板状でも、連続長尺状でもよいが、連続長尺状の場合、間欠的な動作にはなるが、同一の長尺フィルム上に効率よく連続的に成形が可能とされるので、連続長尺状のフィルムが好ましい。成形品の個数は、射出成形機、金型、ニップロールのサイズ等に応じて、取り数を調整される。
以上概説した射出成形による高分子成形部品の製造方法を図を用いて以下にさらに詳しく説明する。
図1に示すように、予め得られた所定形状のフィルム3を、固定側金型1と可動側金型2とからなる金型内に載置する。次いで、このフィルム3に、高分子成形部品の原料である高分子材を射出成形機100によりインサート成形により、高分子成形部品4を形成する。成形後、金型1,2よりフィルム仮止め型高分子成形部品を脱型する。
フィルムが高分子材で溶融しないようにフィルムの接する金型は比較的低温に設定しておくことで、高分子成形部品4とフィルム3はアンカー効果により適度に固着し、しかも剥離容易となる。フィルムとしてポリプロピレンを用いる場合は、型温は10℃〜60℃程度で、熱可塑性エラストマーを高分子材とした場合はシリンダー温度で180℃〜230℃が好ましい。
金型内に載置したフィルムに対し、高分子成形部品は2個ないし4個の複数取りが可能である。
射出成形により高分子成形部品を成形する場合に、ウェルドラインが生じにくいようにガスベントなどのエアー抜きの工夫をすることが好ましい。
高分子成形部品4として射出成形で発泡体(弾性ガスケット)を成形するには、製品の肉厚により発泡に適した組成と発泡剤を選択する必要がある。一般的に、肉厚が1mm程度に薄くなる場合は、窒素系の発泡剤を使うのが良く、それより厚くなる場合では、炭酸ガス系の発泡剤が適用できる。また、射出成形時に射出速度を遅くすることや、金型温度を低くすることにより、スキンが厚い発泡体を作ることができる。スキン層が厚い方がガスケット自体のシール性能は高くなる。金型内に樹脂を射出した後、型締め圧を低下する方法、あるいは射出後あるいは射出中に金型キャビティーのクリアランスを広げることは、発泡を促進する方法として好ましい。
また、このフィルムへの射出成形を、図2に示すように、ロール巻きのフィルム30に対して連続的に射出成形可能な連続射出成形装置101を用いて、連続したフィルム3上に高分子成形部品4を連続的に形成することも可能である。この連続成形法によれば、高分子成形部品を大量に生産することができる。さらに、その高分子成形部品を、図3に示すように、ロール巻き31にして収納することができる。そして、このロール巻き31を巻き戻しながら、HDDなどの製品本体の蓋などの取り付け位置へ連続的に位置決めし、高分子成形部品4を取り付けることができる。
なお、前記ロール巻きのフィルムに連続的に射出成形した後、連続フィルムを巻き取らずに、次の取り付け工程に合わせた所定の寸法に切断しても良い。その場合、製品の巻きじわを防止することができる。
さらに、ロール巻きの樹脂フィルムを事前に所定の寸法に切断し、切断された各フィルムを次々に成形機に供給し、各フィルムに高分子成形部品をインサート成形により次々に形成することにより、枚葉のフィルム仮止め型高分子成形部品を連続的に製造することも可能である。
これらロール状の樹脂フィルムや枚葉フィルムを用いたフィルム仮止め型高分子成形部品の連続製造方法によれば、極めて高い生産性で高分子成形部品の製造が可能になる。
前述のようにして製造したフィルム仮止め型高分子成形部品を品質検査する時は、この高分子成形品が仮止めされたフィルムの余尺部分を、2ヶ所以上の点でクランプあるいは真空引きで固定張りされることで、直接成形品に触れることなしに成形品が固定張りされる。したがって、位置決めなど、固定された状態で測定・計測等、評価・分析が必要な場合、かなり作業上の生産性を向上することができる。
また、フィルムが連続長尺状の場合、前述のように、送出しフィルムロールから成形部品を仮止めしたフィルムをロール状に巻き取り回収することもできる。この連続成形工程では、例えばこのフィルム上に高分子成形品の射出された後から巻き取られるまでの間で各種の品質検査工程を入れることもできることから、単板状のフィルムよりもさらに生産効率は高い。
さらに、フィルム上に仮止めされた高分子成形品を目的物へ取り付ける場合、高分子成形品の目的物への取り付け面が、フィルムが固定張りされることで、静止位置決めが可能とされ、位置精度良く製品本体に取り付けることができる。この場合も単板状よりも連続長尺状の方が、作業工程における生産効率は高い。
また、さらに、フィルム上に仮止めされた高分子成形部品を製品本体へ取り付ける場合で、高分子成形部品の製品本体への取り付け面が、フィルムに仮止めされた高分子成形品の仮止め面としたい場合、フィルムに仮止めされた高分子成形部品のフィルムに仮止めされた面以外の部分(露出部分)を、予め準備された真空引き可能な固定用治具に一旦吸着させて高分子成形部品を治具に仮固定し、ここで、フィルムを剥離し、高分子成形部品のみを固定用治具に保持する。その後、治具に仮固定した高分子成形部品の露出面(前記フィルムに固着されていた面を、製品本体の取り付け位置に固着させる。
前記製品本体への高分子成形部品の固着は、製品本体の取り付け位置に形成した溝部に高分子成形部品を填め込み固定することによっても可能であり、特に溝部を形成せず、接着剤を用いて固定することによっても可能である。
前記接着剤としては、水系または非水系の溶剤乾燥型、熱可塑性または熱硬化性のホットメルト型、いずれの類のものであってもよい。具体的な材質系としては、アクリル系、ウレタン系、エポキ系、クロロプレン系、酢酸ビニル系、エチレン酢酸ビニル系、シリコン系、ブタジエン系、イソブチレン系、スチレン系、α−オレフィン系のタイプが挙げられる。中でも、ホットメルト型は、比較的初期接着強度があるので、好ましい。
以上概説したフィルム仮止め型高分子成形部品による高分子成形部品の製品本体への取り付け方法を図を用いて以下にさらに詳しく説明する。
取り付け対象である製品本体はHDDの蓋であり、この蓋に、本発明のフィルム仮止め型高分子成形部品を用いて高分子成形部品のみを取り付ける。
取り付け方法を図4,5,6を用いて説明する。これらの図において、符号3は仮止め用フィルム、4は高分子成形部品、7は接着剤、8はHDD(製品本体)の蓋である。
図4に示すように、フィルム仮止め型高分子成形部品の仮止め用フィルム3に固定されている高分子成形部品4の露出面にオレフィン系の接着剤7を塗布する。次に、図5に示すように、前記接着剤7を塗布した面をHDD用蓋8の内側面に接着固定し、仮止め用フィルム3を剥がして、図7に示すように、HDDの蓋8に高分子成形部品4のみを装着する。
次に、他の取り付け方法を図7〜図10を用いて説明する。これらの図において、符号3は仮止め用フィルム、4は高分子成形部品、7は接着剤、8はHDDの蓋、10は高分子成形部品固定用治具である。
まず、図7に示すように、本発明のフィルム仮止め型高分子成形部品の高分子成形部品4を固定治具10にセットする。次に、仮止め用フィルム3を剥がし、図8に示すように、剥がした高分子成形部品面にオレフィン系の接着剤7を塗布する。この接着剤7の塗布面を、図9に示すように、HDDの蓋8の内側面に押しつけて接着固定した。その後、図10に示すように、治具10を取り外し、HDDの蓋8に高分子成形部品4のみを装着する。
次に、さらに他の取り付け方法を図11,12を用いて説明する。これらの図において、符号3は仮止め用フィルム、4は高分子成形部品、7は接着剤、8はHDDの蓋、8aは蓋8のシール部位を加熱した場合の加熱部を示す。
まず、図11に示すように、本発明のフィルム仮止め型高分子成形部品の高分子成形部品4を固定治具10にセットし、仮止め用フィルム(3)を剥離して除去する。一方、HDDの蓋8のシール部位を電熱器で加熱し、その後、図12に示すように、固定治具10に固定した高分子成形部品4をHDDの蓋8の加熱部(シール部位)8aに接触させ、高分子成形部品4を蓋8に熱融着させて固定する。
次に、さらに他の取り付け方法を図13,14を用いて説明する。これらの図において、符号3は仮止め用フィルム、4は高分子成形部品、7は接着剤、8はHDDの蓋、8bは蓋8の取り付け位置に形成された填め込み用の溝を示す。
まず、図13に示すように、本発明のフィルム仮止め型高分子成形部品の高分子成形部品4を固定治具10にセットし、仮止め用フィルム(3)を剥離して除去する。その後、図14に示すように、固定治具10に固定した高分子成形部品4をHDDの蓋8の溝8bに圧入させ、高分子成形部品4のみを蓋8に固定する。
(仮止め適性度の測定方法)
仮止めの適性度は、剥離強度によって評価する。巾1.5mmで、剥離速度300mm/secで行った時の剥離強度値としては、0.05N〜2.00Nが、フィルム仮止め型高分子成形部品として、後工程(検査工程や、目的物への取り付け工程)で取扱うに適当であり、かつ、充分な剥離強度範囲である。しかも、この範囲にあれば、フィルムから剥離した成形品の表面には、融着した場合に引き起こされる様な剥離時の破壊によるシール性能を劣化させるような欠損部(長さ、巾、深さが50μm以上の規模)が生じることがない。
仮止めの適性度は、剥離強度によって評価する。巾1.5mmで、剥離速度300mm/secで行った時の剥離強度値としては、0.05N〜2.00Nが、フィルム仮止め型高分子成形部品として、後工程(検査工程や、目的物への取り付け工程)で取扱うに適当であり、かつ、充分な剥離強度範囲である。しかも、この範囲にあれば、フィルムから剥離した成形品の表面には、融着した場合に引き起こされる様な剥離時の破壊によるシール性能を劣化させるような欠損部(長さ、巾、深さが50μm以上の規模)が生じることがない。
本発明にかかるフィルム仮止め型高分子成形部品は、形状保持性の高いフィルムに高分子成形部品が仮止めされており、しかも、その仮止めの固着状態がフィルム表面に形成された凹凸に起因した効果に依存しているので、高分子成形部品に材料破壊を生じさせることなく、容易にフィルムから剥離することができる。そのため、部品検査や、製品本体への取り付け作業の間、フィルムによって、所定の形状に維持したまま、取り扱うことができ、製品本体への取り付けが終わった後は、フィルムを剥離して製品本体にはシールに必要な高分子成形部品のみを残すことができる。したがって、本発明によれば、省スペース化および軽量化と、形状保持性とを同時に満足させることのできる高分子成形部品、該成形部品の製造方法、および該成形部品の製品本体への取り付け固定方法を提供することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
最初にフィルムの作り方を説明する。フィルムは、ベース材料のポリプロピレン[MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)1.1g/10分]100重量部に、所定粒径の充填材を所定重量部ドライブレンドし、所定の樹脂温度で3台の押出機を用いて押出す。この押出では、まず中間層になる押し出されたフィルムを押し出し方向に所定倍延伸し、このフィルムの表裏に他の2台から押し出されたフィルムを中間層のフィルムの押し出し方向でラミネートし、3層にする。次いで、3層積層体を押し出し方向に対して、横幅方向に所定倍延伸することで表面に微細な凹凸を有する3層フィルムを作成した。
このフィルムについては、厚み測定、表面粗さ測定、成分占有率を分析し求めた。表面粗さ測定は、既に前述したとおりである。
フィルム表面に露出する成分占有率は、EPMA測定分析により求めた。フィルムの任意の面の一部につき、1mm角について、マッピングを行った。
次は、高分子成形部品の成形およびフィルムへの仮止めであるが、この工程には、射出成形機として、型締め力35トン、可塑化能力17kg/h、スクリュー径20mm、最大射出圧216MPa、射出率76cm3/sのタイプの装置を用いた。
金型は、可動側にフィルムが挟まれる部分がフィルムの厚みに対して約30%浅い削りの入った凹面を作り、この面(フィルムが入る)に対して深さ1.0mmで、巾1.5mmの矩形断面で、内寸70mm×100mmサイズの四角いガスケット形状を固定側の金型面に施したものを用いた。
これらの可動金型と固定金型の間にフィルムを挿入し、両金型で挟んで型締めされてなる金型内部のキャビティーに、高分子材を前述の射出条件により射出し、フィルム表面に仮止めされた高分子成形部品を作成し、外観を確認した後、このフィルムから高分子成形部品を剥離する等の品質評価を行った。
剥離強度の測定は、フィルムに仮止めされた矩形断面のガスケット状成形部品を用い、成形部品中の直線部分をフィルムごと切り出し、このサンプルの成形部品について、フィルムから180度の剥離角度、300mm/secの剥離速度で剥離強度(サンプル巾1.5mm当たりの値)を測定した。
(実施例1)
ポリプロピレン[MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)1.1g/10分]100重量部に、粒径50nm〜100nmの炭酸カルシウムをドライブレンドした。このブレンドを樹脂温度220℃で3台の押出しを用いて押出した。まず中間層になる押し出しフィルムを押し出し方向に3倍延伸し、このフィルムの表裏に他の2台から押し出されたフィルムを中間層のフィルムの押し出し方向でラミネートした。得られた3層積層体を押し出し方向に対して、横幅方向に3倍延伸することで不透明な3層フィルムを作成した。
ポリプロピレン[MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)1.1g/10分]100重量部に、粒径50nm〜100nmの炭酸カルシウムをドライブレンドした。このブレンドを樹脂温度220℃で3台の押出しを用いて押出した。まず中間層になる押し出しフィルムを押し出し方向に3倍延伸し、このフィルムの表裏に他の2台から押し出されたフィルムを中間層のフィルムの押し出し方向でラミネートした。得られた3層積層体を押し出し方向に対して、横幅方向に3倍延伸することで不透明な3層フィルムを作成した。
前記3層フィルムにつき、厚み測定、表面粗さ測定、成分占有率を分析した所、それぞれ90μm、凹凸の平均間隔が49.57μmで、隣り合う凹凸の高低差が0.1μm以上であった。また、Caのフィルム表面占有率は23%であった。
これにオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を200℃で、上記フィルムが挿入され型閉じされている金型に射出成形を行い(射出条件は、射出スピード:200mm/s、金型温度:30℃)、フィルム表面に仮止めされたオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡成形部品ができた。このフィルム仮止め型高分子成形部品を取り出した所、外観状態は良好であった。次に、このフィルム仮止め型高分子成形部品の剥離強度を評価したところ、0.8N〜1.5N/1.5mm巾のばらつきで良好であった。
(実施例2)
ポリエチレン[MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)3.0g/10分]100重量部に、粒径50nm〜100nmの炭酸カルシウムをドライブレンドし、樹脂温度220℃で3台の押出機を用いて押出した。まず中間層になる押し出しフィルムを押し出し方向に3倍延伸し、このフィルムの表裏に他の2台から押し出されたフィルムを中間層のフィルムの押し出し方向でラミネートした。得られた3層積層体を押出し方向に対して、横幅方向に3倍延伸することで不透明な3層フィルムを作成した。
ポリエチレン[MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)3.0g/10分]100重量部に、粒径50nm〜100nmの炭酸カルシウムをドライブレンドし、樹脂温度220℃で3台の押出機を用いて押出した。まず中間層になる押し出しフィルムを押し出し方向に3倍延伸し、このフィルムの表裏に他の2台から押し出されたフィルムを中間層のフィルムの押し出し方向でラミネートした。得られた3層積層体を押出し方向に対して、横幅方向に3倍延伸することで不透明な3層フィルムを作成した。
前記3層フィルムにつき、厚み測定、表面粗さ測定、成分占有率を分析したところ、それぞれ150μm、凹凸の平均間隔が30μmで、隣り合う凹凸の高低差が0.15μm以上であった。また、Caのフィルム表面占有率は43%であった。
次に、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を200℃で、上記フィルムが挿入され型閉じされている金型に射出成形を行い(射出条件は、射出スピード:200mm/s、金型温度:30℃)、フィルム表面に仮止めされたオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡成形部品を得た。このフィルム仮止め型高分子成形部品を取り出した所、外観状態は良好であった。次に、このフィルム仮止め型高分子成形部品の剥離強度を評価したところ、1.2N〜1.8N/1.5mm巾のばらつきで良好であった。
(比較例1)
ポリプロピレン[MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)1.1g/10分]100重量部を樹脂温度220℃で3台の押出しを用いて押出し、未延伸の透明な3層積層フィルムを作成した。
ポリプロピレン[MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)1.1g/10分]100重量部を樹脂温度220℃で3台の押出しを用いて押出し、未延伸の透明な3層積層フィルムを作成した。
前記未延伸3層フィルムにつき、厚み測定、表面粗さ測定、成分占有率を分析したところ、それぞれ50μm、凹凸の平均間隔が260.32μmで、隣り合う凹凸の最小高低差が5nmであった。また、Caのフィルム表面占有率は、充填材無添加であったので、0%であった。
次に、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を200℃で、上記フィルムが挿入され型閉じされている金型に射出成形を行い(射出条件は、射出スピード:200mm/s、金型温度:30℃)、フィルムに仮止めされたオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡成形部品を得た。このフィルム仮止め型高分子成形部品を取り出したところ、外観状態は良好であった。次に、このフィルム仮止め型高分子成形部品の剥離強度を評価したところ、高分子成形品がフィルムと融着して材料破壊を引き起こした。詳しくは、高分子成形部品とフィルムの剥離強度が1.5N/1.5mmで剥離可能な部分と、2N/1.5mm以上で剥離するが、材料破壊する強融着部分とが混在し、安定した剥離可能な状態が実現できなかった。
(比較例2)
ポリプロピレン[MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)1.1g/10分]100重量部を樹脂温度220℃で3台の押出しを用いて押出し、押し出し方向に3倍、横幅方向に2倍延伸し、透明な3層積層フィルムを作成した。
ポリプロピレン[MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)1.1g/10分]100重量部を樹脂温度220℃で3台の押出しを用いて押出し、押し出し方向に3倍、横幅方向に2倍延伸し、透明な3層積層フィルムを作成した。
このフィルムにつき、厚み測定、表面粗さ測定、成分占有率を分析したところ、それぞれ100μm、凹凸の平均間隔が180μmで、隣り合う凹凸の高低差が0.8μmであった。また、Caのフィルム表面占有率は、充填材無添加であったので、0%であった。
次に、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を200℃で、上記フィルムが挿入され型閉じされている金型に射出成形を行い(射出条件は、射出スピード:200mm/s、金型温度:30℃)、フィルムに仮止めされたオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡成形部品を得た。このフィルム仮止め型高分子成形部品を取り出したところ、外観状態は良好であった。次に、このフィルム仮止め型高分子成形部品の剥離強度を評価した所、高分子成形品がフィルムと融着して材料破壊を引き起こした。
(実施例3)
ポリプロピレン[MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)1.1g/10分]100重量部に、粒径50nm〜100nmの炭酸カルシウムをドライブレンドし、このブレンドを樹脂温度220℃で3台の押出しを用いて押出した。まず中間層になる押し出しフィルムを押し出し方向に3倍延伸し、このフィルムの表裏に他の2台から押し出されたフィルムを中間層のフィルムの押し出し方向でラミネートした。得られた3層積層体を押し出し方向に対して、横幅方向に3倍延伸することで、半透明な3層フィルムを作成した。
ポリプロピレン[MFR(ASTM 1238、190℃、2.16kg荷重)1.1g/10分]100重量部に、粒径50nm〜100nmの炭酸カルシウムをドライブレンドし、このブレンドを樹脂温度220℃で3台の押出しを用いて押出した。まず中間層になる押し出しフィルムを押し出し方向に3倍延伸し、このフィルムの表裏に他の2台から押し出されたフィルムを中間層のフィルムの押し出し方向でラミネートした。得られた3層積層体を押し出し方向に対して、横幅方向に3倍延伸することで、半透明な3層フィルムを作成した。
前記3層フィルムにつき、厚み測定、表面粗さ測定、成分占有率を分析したところ、それぞれ100μm、凹凸の平均間隔が80μmで、隣り合う凹凸の高低差が0.5μmであった。また、Caのフィルム表面占有率は70%であった。
次に、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)を200℃で、上記フィルムが挿入され型閉じされている金型に射出成形を行い(射出条件は、射出スピード:200mm/s、金型温度:30℃)、フィルムに仮止めされたオレフィン系熱可塑性エラストマー発泡成形部品を得た。このフィルム仮止め型高分子成形部品を取り出したところ、外観状態は良好であった。剥離強度を評価したところ、0.05N〜0.5N/1.5mmであり、ややばらついているが、合格のレベルであった。
以上説明したように、本発明にかかるフィルム仮止め型高分子成形部品は、形状保持性の高いフィルムに高分子成形部品が仮止めされており、しかも、その仮止めの固着状態がフィルム表面に形成された微細な凹凸を介した物理的ファスナー効果に全部もしくはほとんどを依存しているので、高分子成形部品に材料破壊を生じさせることなく、容易にフィルムから剥離することができる。そのため、部品検査や、製品本体への取り付け作業の間、フィルムによって、所定の形状に維持したまま、取り扱うことができ、製品本体への取り付けが終わった後は、フィルムを剥離して製品本体にはシールに必要な高分子成形部品のみを残すことができる。
したがって、本発明によれば、省スペース化および軽量化と、形状保持性とを同時に満足させることのできるフィルム仮止め型高分子成形部品、該成形部品の製造方法、および該成形部品の製品本体への取り付け固定方法を提供することができ、本発明のフィルム仮止め型高分子成形部品、該成形部品の製造方法、および該成形部品の製品本体への取り付け固定方法を用いることによって、ガスケットなどの高分子成形部品を必要とする各種機器製品の小型化、軽量化、および性能向上を図るとともに、それら製品の製造の迅速化、簡略化を図ることができる。
1 固定側金型
2 可動側金型
3 仮止め用フィルム
4 高分子成形部品
5、6 キャビティ
7 接着剤
8 HDD(製品本体)の蓋
8a シール部位(加熱部)
8b 溝(シール部位)
10 高分子成形部品固定用治具
30 樹脂フィルムのロール巻き
31 連続高分子成形部品のロール巻き
100 射出成形機
101 連続射出成形装置
2 可動側金型
3 仮止め用フィルム
4 高分子成形部品
5、6 キャビティ
7 接着剤
8 HDD(製品本体)の蓋
8a シール部位(加熱部)
8b 溝(シール部位)
10 高分子成形部品固定用治具
30 樹脂フィルムのロール巻き
31 連続高分子成形部品のロール巻き
100 射出成形機
101 連続射出成形装置
Claims (9)
- 形状保持性のあるフィルムの表面に射出成形により所定形状の高分子成形部品が剥離容易に固定されて成るフィルム仮止め型高分子成形部品であって、
前記フィルムの表面には微小な凹凸が多数形成され、これら凹凸に前記高分子成形部品の表面層が固着することにより、前記剥離容易な固定が実現されていることを特徴とするフィルム仮止め型高分子成形部品。 - 前記フィルムの厚みが500μm以下であり、該フィルムの表面に形成されている凹凸の隣接凹部間もしくは隣接凸部間の平均間隔が250μm以下であり、かつ隣接する凸部と凹部との高低差が0.1μm以上であることを特徴とする請求項1に記載のフィルム仮止め型高分子成形部品。
- 前記フィルムが、ベースマトリックスの樹脂に充填材が混練りされ、この混練り物をフィルム状に一軸もしくは2軸延伸されることによりフィルム表面に微小な凹凸が形成されたフィルムであることを特徴とする請求項1または2に記載のフィルム仮止め型高分子成形部品。
- 前記フィルム表面の単位面積当たりの前記充填材の露出占有比率が5〜80%(EPMAのマッピング分析値)であることを特徴とする請求項3に記載のフィルム仮止め型高分子成形部品。
- 前記フィルムのベースマトリックスがオレフィン系の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルム仮止め型高分子成形部品。
- 前記射出成形に用いられる高分子材のベースマトリックスがオレフィン系の熱可塑性樹脂または熱可塑性エラストマーであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルム仮止め型高分子成形部品。
- 形状保持性のあるフィルムの表面に射出成形により所定形状の高分子成形部品が剥離容易に固定されて成るフィルム仮止め型高分子成形部品の製造方法であって、
前記フィルムとして、その表面に微小な凹凸が多数形成されている仮止め用フィルムを用い、
前記高分子成形部品の射出成形金型のキャビティ内に前記仮止め用フィルムの表面を露出させ、この露出面上に高分子材を射出成形することにより、高分子成形部品の成形と前記仮止め用フィルムへの仮止めとを同時に実現することを特徴とするフィルム仮止め型高分子成形部品の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルム仮止め型高分子成型部品のフィルムに剥離容易に固定されている高分子成形部品の露出部分を組み込み対象である製品本体の組み込み位置に固着し、固着した高分子成形部品から前記フィルムを剥離することを特徴とするフィルム仮止め型高分子成形部品の製品本体への取り付け固定方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のフィルム仮止め型高分子成形部品のフィルムに剥離容易に固定されている高分子成形部品の露出部分を真空吸着式固定用治具に吸着固定し、吸着固定した高分子成形部品から前記フィルムを剥離し、この固定用治具を操作して、吸着固定している高分子成形品の露出部分を組み込み対象である製品本体の組み込み位置に固着し、製品本体に固着した高分子成形部品を前記固定用治具の真空吸着を解除して、前記高分子成形備品を製品本体に残すことを特徴とするフィルム仮止め型高分子成形部品の製品本体への取り付け固定方法。
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