JP4180931B2 - 除雪機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーガで掻き集めた雪をブロアで跳ね上げ、跳ね上げた雪をシュータで所定位置まで投雪する除雪機に関する。
【0002】
【従来の技術】
路面や駐車場などの雪を除雪するものとしてオーガを備えた除雪機がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平3―137311号公報(第3−4頁、第7図)
【0004】
以上の特許文献1について次図を参照の上、詳しく説明する。
図16は従来のオーガ装置を示す平面図である。なお、符号を振り直した。
オーガ装置200は、左右のオーガ軸201,202にそれぞれ左右のオーガ203,204を取り付ける。
【0005】
左オーガ203は、第1オーガブレード205と、この第1オーガブレード205に対して位相を180°ずらした第2オーガブレード206とからなる。さらに、右オーガ204は、左オーガ203と同様に、第1オーガブレード205と、この第1オーガブレード205に対して位相を180°ずらした第2オーガブレード206とからなる。
【0006】
左右のオーガ軸201,202で左右のオーガ203,204を矢印の如く回転することにより、第1、第2のオーガブレード205,206の2枚のブレードで雪を崩し、崩した雪を2枚のブレード205,206で車幅方向中央まで掻き集める。
掻き集めた雪をブロア207で跳ね上げることで、シュータ(図示せず)を通して所望位置に投雪する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のオーガ装置では、左右のオーガ203,204は側面視で円弧を形成しているので、固い雪塊を除雪する場合には、雪塊に左右のオーガ203,204を食い込ませ難くなることが考えられる。
このため、特に雪が固い雪塊の場合には、左右のオーガ203,204で崩す作業に時間がかかり、そのことが作業者の負担になっていた。
【0008】
ところで、オーガ装置200は、左右のオーガ203,204で車体幅方向中央に掻き集めた雪を、ブロア207で跳ね上げることでシュータ(図示せず)を通して所望位置に投雪する。
ブロアを左右のオーガ203,204の後方に備えているので、オーガ装置200を前進させることで、左右のオーガ203,204で掻き集めた雪をブロア207の方向に送り込む。
【0009】
しかし、左右のオーガ203,204で掻き集めた雪のなかには、左右のオーガ203,204の前部側に位置するものがある。左右のオーガ203,204の前部側に位置した雪は、ブロア207に送り込み難くなり、例えばブロア207の手前までしか送ることができない場合がある。
【0010】
このため、ブロア207の手前までしか送ることができない雪は、ブロア207の回転で前方に噴き出されてしまう。
よって、ブロア207の回転で前方に噴き出した雪を、左右のオーガ203,204で車幅方向中央まで再度掻き集める必要があり、そのことが除雪効率を高める妨げになっていた。
【0011】
そこで、本発明の目的は、固い雪塊にも効率よく食い込ませることができ、さらにオーガで掻き集めた雪を効率よくブロアに送ることができる除雪機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、車幅方向中央から左右方向に向けてそれぞれ左右のオーガ軸を延ばし、それぞれのオーガ軸に外側から車幅方向中央に向けて外側オーガブレード、中間オーガブレードおよび内側オーガブレードを順に設けて左右のオーガを形成し、これらのオーガを左右のオーガ軸で回転することにより雪を崩し、崩した雪を中央に掻き集める除雪機において、左オーガ軸に、雪に食い込み可能な左打込み爪を設けるとともに、右オーガ軸に、雪に食い込み可能な右打込み爪を設けることにより、左右の打込み爪を雪に食い込ませて左右のオーガの浮き上がりを防止するように構成した除雪機であって、前記左打込み爪を前記右オーガ軸の内側オーガブレードに対向するように設け、前記右打込み爪を前記左オーガ軸の内側オーガブレードに対向するように設けることにより、左打込み爪と右オーガ軸の内側オーガブレードとで雪塊を掴んで後方に送るとともに、右打込み爪と左オーガ軸の内側オーガブレードとで雪塊を掴んで後方に送るように構成したことを特徴とする。
【0013】
左オーガ軸に、雪に食い込み可能な左打込み爪を設けるとともに、右オーガ軸に、雪に食い込み可能な右打込み爪を設けた。これにより、左右の打込み爪を雪に食い込ませるときの衝撃力で雪塊を破砕して、雪を効率よく崩すことができる。
さらに、左右の打込み爪を雪に食い込ませることで、左右の打込み爪がアンカーの役割をはたし、左右のオーガの浮き上がりを防止することができる。
【0014】
また、請求項1は、左打込み爪を右オーガ軸の内側オーガブレードに対向するように設け、右打込み爪を左オーガ軸の内側オーガブレードに対向するように設けることにより、左打込み爪と右オーガ軸の内側オーガブレードとで雪塊を掴んで後方に送るとともに、右打込み爪と左オーガ軸の内側オーガブレードとで雪塊を掴んで後方に送るように構成した。
【0015】
左打込み爪を右オーガ軸の内側オーガブレードに対向するように設けるとともに、右打込み爪を左オーガ軸の内側オーガブレードに対向するように設けた。
よって、車幅方向中央の雪塊を、左打込み爪と右オーガ軸の内側オーガブレードとで掴んで後方に送ることや、右打込み爪と左オーガ軸の内側オーガブレードとで掴んで後方に送ることができる。
さらに、左右のオーガで車幅方向中央に掻き集めた雪を、左打込み爪と右オーガ軸の内側オーガブレードとで掴んで後方に送ることや、右打込み爪と左オーガ軸の内側オーガブレードとで掴んで後方に送ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。ここで、「前」、「後」、「左」、「右」は作業者から見た方向に従う。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る除雪機を示す側面図である。
除雪機10は、機体11を伝動ケースで構成し、機体11の下部左右側に走行用の電動モータ12(左側の伝動モータのみを示す。)を取り付け、左右の電動モータ12に走行部13を連結し、機体11の上部に除雪用のエンジン14を取り付け、エンジン14で駆動させるオーガ装置30を機体11の前部に取り付け、このオーガ装置30の後部およびエンジン14をカバー15で覆い、機体11の上部から後上方へ左右の操作ハンドル16(左側の操作ハンドル16のみを示す。)を延ばし、これら左右の操作ハンドル16間に操作盤17を取り付け、作業者が左右の操作ハンドル16のグリップ18(左側のグリップ18のみを示す。)を握った状態で操作盤17の後から連れ歩く、自力走行式の歩行型作業機である。
【0017】
走行部13は、左側の駆動モータ12の外側に左側走行部20を備え、右側の駆動モータ(図示せず)の外側に右側走行部(図示せず)を備える。なお、右側走行部は、左側走行部と同じ構成なので、説明を省略する。
左側走行部20は、左側の伝動モータ12に連結する左側の駆動輪21を備え、この駆動輪21の後方に左側の遊動輪22を回転自在に備え、左側の駆動輪21および遊動輪22に左側のクローラベルト23を巻き掛け、駆動モータ12で駆動輪21を駆動することにより、クローラベルト23を回転させるものである。
【0018】
この除雪機10によれば、エンジン14でオーガ装置30を駆動させた状態で、左右の電動モータ12で走行部13の左右のクローラベルト23を回転することにより、除雪機10を走行させながら除雪作業をおこなうことができる。
以下、オーガ装置30について詳しく説明する。
【0019】
オーガ装置30は、機体11の前部11aにブロアハウジング31を設けるとともに、このブロアハウジン31の前部32にオーガハウジング35を設け、エンジン14から前方に駆動軸38を延ばし、この駆動軸38をブロアハウジング31を貫通させてオーガハウジング35内まで延ばし、この駆動軸38の途中にブロアハウジング31内に配置したブロア40を取り付け、駆動軸38の先端39を車幅方向中央に配置した動力伝達部材43(いわゆる、オーガミッション)に連結し、動力伝達部材43から左右方向に向けてそれぞれ左右のオーガ軸45,46(右側のオーガ軸46は図2参照)を延ばし、それぞれのオーガ軸45,46に左右のオーガ50,51(右側のオーガ51は図2参照)を設けたものである。
【0020】
エンジン14で駆動軸38を回転することにより、駆動軸38でブロア40を回転するとともに、動力伝達部材43を介して左右のオーガ軸45,46を回転し、左右のオーガ軸45,46でそれぞれ左右のオーガ50,51を回転する。
【0021】
この状態で、除雪機10を前進させることにより、左右のオーガ50,51を雪に食い込ませて雪を崩し、崩した雪を左右のオーガ50,51で車幅方向中央のブロアハウジング31内に掻き集める。
ブロアハウジング31内に掻き集めた雪をブロア40で跳ね上げ、この跳ね上げた雪をブロアハウジング31の上部33に設けたシュータ53で案内して所望位置に投雪する。
【0022】
図2は本発明に係る除雪機のオーガ装置を示す斜視図である。
左側のオーガ50は、左オーガ軸45に外側から車幅方向中央に向けて外側オーガブレード55、中間オーガブレード56および内側オーガブレード57を順に設け、外側オーガブレード55および内側オーガブレード57を共通の第1の螺旋軌跡60に沿って配置し、この第1の螺旋軌跡60に対して位相をほぼ180°ずらした第2の螺旋軌跡61に沿って中間オーガブレード56を配置したものである。
【0023】
右側のオーガ51は、左側のオーガ50に対して位相を略180°ずらしたもので、右オーガ軸46に外側から車幅方向中央に向けて外側オーガブレード55、中間オーガブレード56および内側オーガブレード57を順に設けたものである。
【0024】
なお、右側のオーガ51は、左側のオーガ50に対して位相が180°ずれているだけで、その他の構成は同じなので、それぞれの構成部材に同一符号を付して右側のオーガ51の説明を省略する。
【0025】
左側のオーガ50を外側オーガブレード55、中間オーガブレード56および内側オーガブレード57に3分割することで、それぞれのオーガブレード55,56,57をコンパクトに形成することができる。
よって、それぞれのオーガブレード55,56,57を一箇所でオーガ軸45に取り付けることが可能になる。
【0026】
左オーガ軸45の外側部位63に外側支持部材64を取り付け、この外側支持部材64のブレードホルダ65に外側オーガブレード55をボルト66,66およびナット67,67(ナット67は右オーガ軸46の外側オーガブレード55を参照)で取り付け、外側支持部材64の爪ホルダ68に左姿勢安定爪70をボルト71およびナット72で設けることで、外側オーガブレード55の近傍に左姿勢安定爪70を配置する。
【0027】
左姿勢安定爪70は、外側オーガブレード55の前端部73に対して位相を略180°ずらして配置されている(図3、図4も参照)。
よって、左姿勢安定爪70を、右オーガ軸46に設けた外側オーガブレード55の前端部73に位相を合わせて配置する。
【0028】
この左姿勢安定爪70は、外側支持部材64の爪ホルダ68に配置する基端部76と、この基端部76から外側に折り曲げた外折曲部77と、この外折曲部77から半径方向外向きに延ばした延出部78と、この延出部78から内側に折り曲げた爪部79とからなる。
【0029】
基端部76、外折曲部77および延出部78を一定の幅で形成するとともに、爪部79を基端部76、外折曲部77および延出部78より僅かに狭い幅で形成し、外折曲部77、延出部78および爪部79で略コ字形を形成する。
なお、基端部76、外折曲部77、延出部78および爪部79の幅は、これに限定するものではなく適宜決めることができる。
【0030】
左姿勢安定爪70の基端部78を爪ホルダ68に配置し、爪ホルダ68および基端部78にボルト71を通し、ボルト71にナット72(ナット72は右姿勢安定爪80を参照)を締め付けることにより、左姿勢安定爪70を外側支持部材64の爪ホルダ68に取り付ける。
外折曲部77、延出部78および爪部79で略コ字形を形成することで、図8に示すように、車幅方向において爪部79を外側オーガブレード55の前端部73と略同じ位置Pに配置する。
【0031】
右姿勢安定爪80は、左姿勢安定爪70と同様に、右オーガ軸46の外側オーガブレード55の前端部73に対して位相を略180°ずらして配置されている(図3も参照)。
よって、右姿勢安定爪80を、左オーガ軸45に設けた外側オーガブレード55の前端部73に位相を合わせて配置する。
なお、右姿勢安定爪80は、左姿勢安定爪70と同一形状なので、右姿勢安定爪80の各構成部に左姿勢安定爪70と同一符号を付して説明を省略する。
【0032】
このように、左姿勢安定爪70を、右オーガ軸46に設けた外側オーガブレード55の前端部73に位相を合わせ、右姿勢安定爪80を、左オーガ軸45に設けた外側オーガブレード55の前端部73に位相を合わせて配置した理由についは図15で説明する。
【0033】
左オーガ軸45の中間部位82に中間支持部材83を取り付け、この中間支持部材83のブレードホルダ84に中間オーガブレード56をボルト85,85およびナット86,86(ナット86は図8参照)で取り付ける。
【0034】
左オーガ軸45の内側部位91に内側支持部材92を取り付け、この内側支持部材92のブレードホルダ93に内側オーガブレード57をボルト94,94およびナット95,95(ナット95は図8参照)で取り付け、内側支持部材92の爪ホルダ97に左打込み爪100をボルト98およびナット99(ナット99は図8参照)で設けることで、内側オーガブレード57の近傍に左打込み爪100を配置する。
【0035】
左打込み爪100は、内側オーガブレード57に対して位相を略180°ずらして配置することで(図3、図6も参照)、右オーガ軸46に設けた内側オーガブレード57の前端部107に対向させたものである(図6、図8も参照)。
【0036】
この左打込み爪100は、内側支持部材92の爪ホルダ97に配置する基端部101と、この基端部101から内側に湾曲状に折り曲げた湾曲爪部102(図6、図8も参照)とからなる。
基端部101を一定の幅で形成するとともに、湾曲爪部102を基端部101より僅かに狭い幅で形成する。
なお、基端部101および湾曲爪部102の幅は、これに限定するものではなく適宜決めることができる。
【0037】
左打込み爪100の基端部101を爪ホルダ97に配置し、爪ホルダ97および基端部101にボルト103を通し、ボルト103にナット104を締め付けることにより、左打込み爪100を内側支持部材92の爪ホルダ97に取り付ける。
【0038】
右打込み爪106は、左打込み爪100と同様に、右オーガ軸46の内側オーガブレード57に対して位相を略180°ずらして配置することで(図3も参照)、左オーガ軸45に設けた内側オーガブレード57の前端部107に対向させたものである(図8も参照)。
なお、右打込み爪106は、左打込み爪100と同一形状なので、右打込み爪106の構成部に左姿勢安定爪70と同一符号を付して説明を省略する。
左右の打込み爪100,106を上述したように構成した理由については図13で詳しく説明する。
【0039】
ここで、外側オーガブレード55、中間オーガブレード56および内側オーガブレード57は、それぞれ同一形状の部材である。
また、外側支持部材64、中間支持部材83および内側支持部材92は、それぞれ同一形状の部材である。
【0040】
左オーガ軸45の内側支持部材92の内側で、動力伝達部材43の近傍に、支持部材109を取り付け、この支持部材109に左雪除去爪110を設けることにより、内側オーガブレード57の前端部107に対して位相を所定角(一例として、反時計回り方向に略30°)ずらした状態に配置する(図3も参照)。
なお、所定角の30°は任意に設定することができる。
【0041】
左雪除去爪110は、左オーガ軸45の内側支持部材92内側で、動力伝達部材43近傍の部位に支持部材109を取り付け、この支持部材109の爪ホルダ111にボルト止めしたものである。
すなわち、この左雪除去爪110は、爪ホルダ111に配置する基端部112と、この基端部112から内側に折り曲げた内折曲部113と、この内折曲部113から半径方向外向きに延ばした延出部114と、この延出部114から外側に折り曲げた爪部115とからなる。
【0042】
基端部112、内折曲部113および延出部114を一定の幅で形成するとともに、爪部115を基端部112、内折曲部113および延出部114より僅かに狭い幅で形成し、内折曲部113、延出部114および爪部115で略コ字形を形成する。
なお、基端部112、内折曲部113、延出部114および爪部115の幅は、これに限定するものではなく適宜決めることができる。
【0043】
左雪除去爪110の基端部112を支持部材109に配置し、支持部材109の爪ホルダ111および基端部112にボルト116を通し、ボルト116にナット117(ナット117は右雪除去爪120を参照)を締め付けることにより、左雪除去爪110を支持部材109に取り付ける。
【0044】
この際に、左雪除去爪110の基端部112を動力伝達部材43の左外壁部47に近づけた状態で対向させる。
さらに、基端部112から内折曲部113を内側に折り曲げることで、内折曲部113を動力伝達部材43の外周壁部(上・下の壁部および前・後の壁部)48のうちの左側外周壁部48aに対向させる。
【0045】
右雪除去爪120は、左雪除去爪110と同様に、右オーガ軸45の内側支持部材92内側で、動力伝達部材43近傍の部位に支持部材109を取り付け、この支持部材109の爪ホルダ111にボルト止めしたものである。
なお、右雪除去爪120は、左雪除去爪110と同一形状なので、右雪除去爪120の構成部に左雪除去爪110と同一符号を付して説明を省略する。
【0046】
上述したように左姿勢安定爪70を、右オーガ軸46に設けた外側オーガブレード55の前端部73に位相を合わせ、右姿勢安定爪80を、左オーガ軸45に設けた外側オーガブレード55の前端部73に位相を合わせて配置した理由については図15で説明する。
【0047】
図3は本発明に係る除雪機のオーガ装置を示す側面図である。
オーガ装置30は、外側オーガブレード55に対して内側オーガブレード57をオーガ軸廻りに120°後方にずらして配置し、内側オーガブレード57に対して中間オーガブレード56をオーガ軸廻りに120°後方にずらして配置したものである。
さらに、外側オーガブレード55、中間オーガブレード56および内側オーガブレード57は、それぞれの外周角θが、一例として略150°になるように形成したものである。
【0048】
また、オーガ装置30は、側面視において、外側オーガブレード55の後端部に内側オーガブレード57の前端部107を重ね合わせ、内側オーガブレード57の後端部108に中間オーガブレード56の前端部122を重ね合わせ、中間オーガブレード56の後端部123に外側オーガブレード55の前端部73を重ね合わせたものである。
【0049】
よって、オーガ装置30を矢印の如く回転して、外側オーガブレード55、内側オーガブレード57、中間オーガブレード56の順に雪を崩す際に、外側オーガブレード55による雪崩し作業を完了する前に、内側オーガブレード57による雪崩し作業を開始する。
【0050】
さらに、内側オーガブレード57による雪崩し作業を完了する前に、中間オーガブレード56による雪崩し作業を開始する。
加えて、中間オーガブレード56による雪崩し作業を完了する前に、外側オーガブレード55による雪崩し作業を開始する。
このように、外側オーガブレード55、内側オーガブレード57、中間オーガブレード56の順に雪を連続的に崩して、除雪作業性を高めることができる。
【0051】
図4は本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成する外側オーガブレードおよび左姿勢安定爪を示す側面図である。
外側支持部材64は、左オーガ軸45に貫通孔125を嵌め込み、左オーガ軸45に溶接で接合し、外側オーガブレード55を取り付けるブレードホルダ65と、左姿勢安定爪70を取り付ける爪ホルダ68とを略180°ずらした位置に備える。
【0052】
外側オーガブレード55は、外周角θを、一例として略150°に設定した湾曲状のブレードであり、前端部73の内周側に取付部126を形成し、この取付部126を外側支持部材64のブレードホルダ65にボルト66,66およびナット67,67(ナット67は図2に示す右オーガ軸46の外側オーガブレード55を参照)で取り付け、後端部74側を自由端としたブレードである。
【0053】
外側オーガブレード55を一箇所の取付部126のみで、ブレードホルダ65に取り付けることで、外側オーガブレード55、特に外周側をある程度弾性変形させることができる。
外側オーガブレード55を弾性変形させる理由については図13(a)で後述する。
【0054】
左姿勢安定爪70は、外側支持部材64の爪ホルダ68に基端部76をボルト71およびナット72(ナット72は図2に示す右姿勢安定爪80を参照)で取り付けることにより、外側オーガブレード55の前端部73に対して略180°ずらした位置に配置するとともに、爪部79の先端を外側オーガブレード55の外周に沿った円弧の近傍に配置したものである。
【0055】
図5は本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成する中間オーガブレードを示す側面図である。
中間支持部材83は、外側支持部材64(図4参照)と同一部材であり、外側支持部材64(図3参照)に対して時計回り方向(左オーガ軸45廻り後方)に240°ずらして取り付けたものである。
【0056】
中間オーガブレード56は、外側オーガブレード55(図3参照)と同一部材であり、前端部122の内周側に取付部129を形成し、この取付部129を中間支持部材83のブレードホルダ84にボルト85,85およびナット86,86(ナット86は図8参照)で取り付けたものである。
よって、中間オーガブレード56を外側オーガブレード55(図3参照)に対して左オーガ軸45の廻り後方に240°ずらして取り付ける。
【0057】
中間オーガブレード56を取付部129のみで、ブレードホルダ84に取り付けることにより、中間オーガブレード56、特に外周側をある程度弾性変形させることができる。
中間オーガブレード56を弾性変形させる理由については図13(a)で後述する。
【0058】
図6は本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成する内側オーガブレードおよび左打込み爪を示す側面図である。
内側支持部材92は、外側支持部材64(図4参照)と同一部材であり、外側支持部材64に対して時計回り方向(左オーガ軸45廻り後方)に120°ずらして取り付けたものである。
【0059】
内側オーガブレード57は、外側オーガブレード55(図3参照)と同一部材であり、前端部107の内周側に取付部131を形成し、この取付部131を内側支持部材92のブレードホルダ93にボルト94,94およびナット95,95(ナット95は図2に示す右オーガ軸46の内側オーガブレード57を参照)で取り付けたものである。
よって、内側オーガブレード57を外側オーガブレード55に対して左オーガ軸45の廻り後方に120°ずらして取り付ける。
【0060】
内側オーガブレード57を取付部131のみで、ブレードホルダ93に取り付けることにより、内側オーガブレード57、特に外周側をある程度弾性変形させることができる。
内側オーガブレード57を弾性変形させる理由については図13(a)で後述する。
【0061】
左打込み爪100は、内側支持部材92の爪ホルダ97に基端部101をボルト98およびナット99(ナット98は図8参照)で取り付けることにより、内側オーガブレード57の前端部107に対して略180°ずらした位置に配置するとともに、湾曲爪部102の先端を内側オーガブレード57の外周に沿った円弧132の近傍に配置したものである。
なお、円弧132は、外側オーガブレード55の外周に沿った円弧127と同じ半径である。
【0062】
ここで、右側のオーガ51(図2参照)は、左側のオーガ50に対して位相が180°ずれている。よって、左打込み爪100は、右オーガ軸46の内側オーガブレード57(想像線で示す)の前端部107に対向させた状態に配置される。
これにより、左打込み爪100と右オーガ軸46の内側オーガブレード57との間に流れ込んだ雪塊を、左打込み爪100と右オーガ軸46の内側オーガブレード57とで掴んで後方に送ることができる。
【0063】
図7は本発明に係る除雪機のオーガ装置の左雪除去爪を示す側面図である。
支持部材109は、内側支持部材92(図6参照)に対して反時計回り方向(左オーガ軸45廻り後方)に略30°ずらした状態で、左オーガ軸45に貫通孔134を嵌め込み、左オーガ軸45に溶接で接合し、一対の爪ホルダ111,111を180°ずらした位置に備える。
【0064】
左雪除去爪110は、支持部材109の一対の爪ホルダ111,111のうちの一方(図7では上方の爪ホルダ111)に基端部112をボルト116およびナット117(ナット117は図2に示す右雪除去爪120を参照)で取り付けることにより、内側オーガブレード57の前端部107に対して位相を所定角(一例として、略30°)ずらした状態に配置するとともに、爪部115の先端を内側オーガブレード57の外周に沿った円弧132の近傍に配置したものである。
【0065】
この左雪除去爪110によれば、左雪除去爪110の基端部112を動力伝達部材43の左外壁47に近づけた状態で対向させることができ、さらに基端部112から内折曲部113を内側に折り曲げることで、内折曲部113を動力伝達部材43の外周壁部48のうちの左側外周壁部48aに対向させる(図2も参照)。
【0066】
図8は本発明に係る除雪機のオーガ装置を示す平面図である。
オーガ装置30は、左オーガ軸45に左側のオーガ50を備えるとともに、右オーガ軸46に右側のオーガ51を備える。右側のオーガ51は、左側のオーガ50に対して位相を180°ずらしたものである。
【0067】
左側のオーガ50は、左オーガ軸45に外側から車幅方向中央に向けて外側オーガブレード55、中間オーガブレード56および内側オーガブレード57を順に備える。
右側のオーガ51は、左側のオーガ50と同様に、左オーガ軸46に外側から車幅方向中央に向けて外側オーガブレード55、中間オーガブレード56および内側オーガブレード57を順に備える。
【0068】
外側オーガブレード55および内側オーガブレード57を共通の第1の螺旋軌跡60に沿って配置し、この第1の螺旋軌跡60に対して位相をほぼ180°ずらした第2の螺旋軌跡61に沿って中間オーガブレード56を配置する。
このように、外側オーガブレード55、内側オーガブレード57および中間オーガブレード56の3枚の部材のみで、位相を180°ずらした第1、第2の螺旋状のブレードを構成する。
これにより、オーガ装置30の軽量化を図ることができるので、オーガ装置30を回転するためのオーガ駆動用エンジン(作業用エンジン)37(図1参照)の出力を抑えることができる。
【0069】
第1の螺旋軌跡60に沿って配置させた外側オーガブレード55および内側オーガブレード57において、外側オーガブレード55の後端部74と内側オーガブレード57の前端部107とを幅方向に所定間隔Lの間隙135を開けて配置した。
外側オーガブレード55の後端部74と内側オーガブレード57の前端部107とを所定間隔Lの間隙135を開けて配置した理由については、図13(a)で説明する。
【0070】
また、左姿勢安定爪70の爪部79を、車幅方向において左オーガ軸45の外側オーガブレード55の前端部73と略同じ位置Pに配置し、右姿勢安定爪80の爪部79を、車幅方向において右オーガ軸46の外側オーガブレード55の前端部73と略同じ位置Pに配置する。
さらに、左打込み爪100を右側オーガ軸46の内側オーガブレード57の前端部107に対向させ、右打込み爪106を左側オーガ軸45の内側オーガブレード57の前端部107に対向させる。
【0071】
また、左雪除去爪110の基端部112を動力伝達部材43の左外壁部47に近づけた状態で対向させ、基端部112から内折曲部113を内側に折り曲げることで、内折曲部113を動力伝達部材43の外周壁部48のうちの左側外周壁部48aに対向させることが可能になる。
【0072】
加えて、右雪除去爪120の基端部112(図2参照)を動力伝達部材43の右外壁部に近づけた状態で対向させ、基端部112から内折曲部113を内側に折り曲げることで、内折曲部113を動力伝達部材43の外周壁部48のうちの右側外周壁部48bに対向させることが可能になる。
【0073】
図9は本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成する外側オーガブレードを示す斜視図である。なお、一例として外側オーガブレード55について説明するが、中間オーガブレード56、内側オーガブレード57も同様に形成されている。
【0074】
外側オーガブレード55は、外周140に所定間隔をおいて複数(一例として、4個)の略V字状の切欠141・・・を形成することにより複数(一例として、4個)の切削刃142・・・を形成し、切削刃142の刃先143から中央144までを湾曲状に形成して切込み刃145とするとともに、切込み刃145に(一例として2個)の鋸刃146a,146bを設け、切削刃142の中央144から刃末148までを外周140に沿わせて削ぎ刃148とし、切削刃148を幅方向外側に、例えば半径Rで湾曲させ、削ぎ刃148の後端部を幅方向内側に折り曲げて折返刃149としたものである。
切込み刃145に鋸刃146a,146bを設けるために、切込み刃145に凹部153,153が形成されている。
【0075】
外側オーガブレード55の後端部74には、切込み刃145の先端側の部位151のみを備える。
なお、この外側オーガブレード55の前端部73から後端部74までの範囲を、外周140に沿って幅方向外側に湾曲状に突出させた湾曲補強部152とする。湾曲補強部152を備えることで、外側オーガブレード55の強度を確保する。
【0076】
外側オーガブレード55の外周140に複数の切削刃142・・・を形成し、切削刃142の前半分を切込み刃145とし、この切込み刃145に鋸刃146a,146bを形成した理由については図14で説明する。
【0077】
図10は本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成する外側オーガブレードを示す平面図である。
切削刃142を、一例として半径Rで幅方向外側に湾曲させ、削ぎ刃148の後端部を幅方向内側に折り曲げた折返刃149とする。
切削刃142を、半径Rで幅方向外側に湾曲させることで、切削刃142の前半分を構成する切込み刃145の幅をW1、切削刃142の後半を構成する削ぎ刃148のうちの折返刃149を除いた部位154の幅をW2、折返刃149の幅をW3にする。
【0078】
加えて、切込み刃145に、削ぎ刃148のうちの折返刃149を除いた部位154を前後方向においてオーバラップさせ、この部位154から折返刃149を連続させて内側に配置する。
このように、切込み刃145に、削ぎ刃148のうちの折返刃149を除いた部位154を前後方向においてオーバラップさせ、さらに削ぎ刃148の後端部を幅方向内側に折り曲げて折返刃149とした理由については頭14で説明する。
【0079】
なお、本実施形態では、切削刃142を半径Rで幅方向外側に円弧状に湾曲させた例について説明したが、湾曲の形状は円弧状に限らないで、任意の形状で湾曲に形成することが可能である。
【0080】
次に、除雪機の作用を図11〜図15に基づいて説明する。
図11(a)〜(c)は本発明に係る除雪機の作用を示す第1作用説明図であり、外側オーガブレード55、中間オーガブレード56および内側オーガブレード57を模式化して示す。
(a)に示すように、外側オーガブレード55および内側オーガブレード57を共通の第1の螺旋軌跡60に沿って配置し、この第1の螺旋軌跡60に対して位相をほぼ180°ずらした第2の螺旋軌跡61に沿って中間オーガブレード56を配置した。
【0081】
左オーガ軸45で左側のオーガ50を矢印▲1▼の如く回転させて、外側オーガブレード55で雪155を崩す際に、同時に中間オーガブレード56でも雪155を崩す。
また、外側オーガブレード55で崩した雪体156を、外側オーガブレード55に沿って矢印▲2▼の如く送る。
【0082】
(b)において、左オーガ軸45で左側のオーガ50を矢印▲1▼方向に90°回転する。外側オーガブレード55で継続して雪155を崩すとともに、外側オーガブレード55の途中まで送った雪体156を、外側オーガブレード55に沿って、矢印▲3▼の如く外側オーガブレード55の後端部74にあたる位置P1まで継続して送る。
【0083】
(c)において、左オーガ軸で左側のオーガ50を矢印▲1▼方向に180°回転する。外側オーガブレード55で雪155を崩す作業が完了して、内側オーガブレード57で雪155を崩す。
一方、外側オーガブレード55で位置P1まで送った雪体156を、中間オーガブレード56で受けて、中間オーガブレード56に沿って矢印▲4▼の如く送る。
【0084】
図12(a)〜(c)は本発明に係る除雪機の作用を示す第2作用説明図であり、外側オーガブレード55、中間オーガブレード56および内側オーガブレード57を模式化して示す。
(a)において、左オーガ軸45で左側のオーガ50を矢印▲1▼方向に270°回転する。内側オーガブレード57で継続して雪155を崩すとともに、中間オーガブレード56でも雪155を崩す。
一方、中間オーガブレード56の途中まで送った雪体156を、中間オーガブレード56に沿って、矢印▲5▼の如く中間オーガブレード56の後端部123方向に継続して送る。
にあたる位置P2まで継続して送る。
【0085】
(b)において、左オーガ軸45で左側のオーガ50を矢印▲1▼方向に360°回転する。内側オーガブレード57で雪155を崩す作業が完了し、中間オーガブレード56で雪155を崩す。
一方、中間オーガブレード56で送っている雪体156が、中間オーガブレード56の後端部123にあたる位置P2まで到達する。
【0086】
(c)において、左オーガ軸45で左側のオーガ50を矢印▲1▼方向に450°回転する。中間オーガブレード56で雪155を崩す作業が完了して、外側オーガブレード55で雪155を崩す。
一方、中間オーガブレード56で位置P2((b)参照)まで送った雪を、内側オーガブレード57で受け、内側オーガブレード57に沿って矢印▲6▼の如く送る。
【0087】
これにより、外側オーガブレード55で崩した雪体156を、中間オーガブレード56を介して内側オーガブレード57まで送り、内側オーガブレード57で車幅方向中央のブロアハウジング31まで掻き集めることができる。
また、外側オーガブレード55および内側オーガブレード57を共通の第1の螺旋軌跡60(図11(a)参照)に沿って配置し、第2の螺旋軌跡61(図11(a)参照)に沿って中間オーガブレード56を配置させたので、外側オーガブレード55や内側オーガブレード57で雪155を崩す際に、同時に中間オーガブレード56でも雪155を崩すことが可能になり、雪155を効率よく崩すことができる。
【0088】
図13(a),(b)は本発明に係る除雪機の作用を示す第3作用説明図である。
左オーガ軸45で左側のオーガ50を矢印aの如く回転するとともに、右オーガ軸46で右側のオーガ51を矢印aの如く回転する。左右の打込み爪100,106を、左右のオーガ50,51と同様に矢印a方向に回転させて雪155に食い込ませる。
【0089】
よって、左右の打込み爪100,106を雪155に食い込ませるときの衝撃力で雪155中の雪塊を破砕して、雪155を効率よく崩すことができる。
さらに、左右の打込み爪100,106を雪155に食い込ませることで、左右の打込み爪100,106がアンカーの役割をはたし、左右のオーガ50,51の浮き上がりを防止することができる。
【0090】
加えて、左打込み爪100を、右オーガ軸46に設けた内側オーガブレード57の前端部107に対向するように配置し、右打込み爪106を、左オーガ軸45に設けた内側オーガブレード57の前端部107に対向するように配置した。
よって、車幅方向中央に配置した動力伝達部材43の前方の雪塊157を、左打込み爪100と右オーガ軸46の内側オーガブレード57とで掴んで矢印bの如く後方に送ることや、右打込み爪106と左オーガ軸45の内側オーガブレード57とで掴んで矢印bの如く後方に送ることができる。
【0091】
加えて、図11〜図12で説明したように、左右のオーガ50,51で動力伝達部材43の前方に掻き集めた雪158(便宜上、上述した雪塊157の符号を代えて、「掻き集めた雪」として説明する)を、左打込み爪100と右オーガ軸46の内側オーガブレード57とで矢印bの如く掴んで後方に送ることや、右打込み爪106と左オーガ軸45の内側オーガブレード57とで掴んで矢印bの如く後方に送ることができる。
【0092】
ここで、左右のオーガ50,51後方の車幅方向中央にはブロア40(図1参照)を備えているので、車幅方向中央の雪塊157や中央に掻き集めた雪158をブロア40に効率よく送り、除雪作業性の向上を図ることができる。
【0093】
また、左側のオーガ50を、外側オーガブレード55、中間オーガブレード56および内側オーガブレード57に3分割し、右側のオーガ51を、外側オーガブレード55、中間オーガブレード56および内側オーガブレード57に3分割した。
よって、各オーガブレード55,56,57をコンパクトに形成して、それぞれの支持部材64,83,92のみの一箇所でオーガ軸45に取り付けることができる。
【0094】
これにより、例えば外側オーガブレード55とオーガハウジング35の間の隙間136に、石などの異物160が侵入した場合に、外側オーガブレード55が弾性変形させることができる。
よって、左右のオーガ50,51を回転させたままの状態で、侵入した異物160を外側オーガブレード55とオーガハウジング35の間から逃がすことができる。
【0095】
さらに、中間オーガブレード56や、内側オーガブレード57も、外側オーガブレード55と同様に異物160を逃がすことができる。
したがって、それぞれのオーガブレード55,56,57とオーガハウジング35の間の隙間136,137,138に異物160を噛み込むことを防止することができる。
【0096】
また万が一、それぞれのオーガブレード55,56,57とオーガハウジング35の間の隙間136,137,138に異物160を噛み込んだ場合でも、作業者がオーガブレード55,56,57を弾性変形させて噛み込んだ異物160を簡単に外すことができる。
この結果、噛み込んだ異物160を取り除く手間を省くことができ、オーガ装置30の稼働率を上げて除雪作業性を高めることができる。
【0097】
加えて、外側オーガブレード55の後端部74と内側オーガブレード57の前端部107とを幅方向に所定間隔Lの間隙135を開けて配置した。
よって、外側オーガブレード55とオーガハウジング35との間の隙間136や、内側オーガブレード57とオーガハウジング35との間の隙間137に異物160が侵入した場合でも、侵入した異物160を外側オーガブレード55の後端部74と内側オーガブレード57の前端部107との間隙135から逃がして異物160を噛み込むことを防止することができる。
【0098】
図14(a),(b)は本発明に係る除雪機の作用を示す第4作用説明図である。
外側オーガブレード55の外周140に複数の切削刃142・・・を形成し、切削刃142の刃先143から中央144までを湾曲状に形成して切込み刃145とした。
よって、左オーガ軸45で外側オーガブレード55を矢印aの如く回転することにより、切込み刃145を、雪(特に、雪塊)155に切り込ませて雪155を崩すことができる。
【0099】
また、切込み刃145に鋸刃146a,146bを設けた。よって、切込み刃145を、雪155に切り込ませた際に、雪(特に、雪塊や氷状の固い雪)155を鋸刃146a,146bで破砕することができる。
【0100】
加えて、切削刃142を、一例として半径Rで幅方向外側に湾曲させ、削ぎ刃148の後端部を幅方向内側に折り曲げた折返刃149とした。
よって、左オーガ軸45で外側オーガブレード55を矢印aの如く回転することにより、切込み刃145や鋸刃146a,146bで雪155を矢印cの如く崩す。
【0101】
切込み刃145や鋸刃146a,146bで雪155をした後、崩した位置に削ぎ刃148のうちの折返刃149を除いた部位154をオーバラップさせて雪155を矢印dの如く崩す。
これにより、切込み刃145や鋸刃146a,146bで雪155を崩した際に発生するすじ状の除雪残りを、折返刃149を除いた削ぎ刃154で崩して除去することができる。したがって、すじ状の除雪残りをなくして除雪性を高めることができる。
【0102】
加えて、削ぎ刃148の後端部を幅方向内側に折り曲げて折返刃149とすることで、折返刃149を除いた部位154で矢印dの如く雪155を崩した後、その内側の雪155を折返刃149で矢印eの如く連続的に崩する。
このように、雪155を連続的に崩すことにより、折返刃149で雪155を効率よく崩すことができる。
【0103】
なお、本実施形態においては、切込み刃145に、削ぎ刃148のうちの折返刃149を除いた部位154のみをオーバラップさせた例について説明したが、これに限らないで、切込み刃145に、削ぎ刃148のうちの折返刃149を除いた部位154と折返刃149との両方をオーバラップさせるように形成することも可能である。
【0104】
図15は本発明に係る除雪機の作用を示す第5作用説明図である。
左姿勢安定爪70を、右オーガ軸46に設けた外側オーガブレード55の前端部73に位相を合わせ、右姿勢安定爪80を、左オーガ軸45に設けた外側オーガブレード55の前端部73に位相を合わせて配置した。
【0105】
よって、左右のオーガ軸45,46で左右のオーガ50,51を矢印aの如く回転することにより、右オーガ軸46の外側オーガブレード55の前端部73を雪155に食い込ませて雪155を崩すときに、同時に左姿勢安定爪70を雪155に食い込ませることができる。
また、左オーガ軸45の外側オーガブレード55の前端部73を雪155に食い込ませて雪155を崩すときに、同時に右姿勢安定爪80を雪155に食い込ませることができる。
【0106】
これにより、左オーガ軸45に設けた外側オーガブレード55の前端部73が、雪155に食い込むときに発生する反力と略同じ大きさの反力を、右姿勢安定爪80に発生させる。
加えて、右オーガ軸46の外側オーガブレード55の前端部73が、雪155に食い込むときに発生する反力と略同じ大きさの反力を、左姿勢安定爪70に発生させる。
したがって、左右のオーガ50,51に発生する反力のバランスを保ち、オーガ装置30の姿勢を安定させることができる。
【0107】
なお、左右の姿勢安定爪70,80は、それぞれの先端に備えた爪部79,79を雪155に食い込ませるときの衝撃力で雪155中の雪塊を破砕して、雪155を効率よく崩し、さらに左右のオーガ50,51の浮き上がりを防止する打込み爪の役割をはたすことができる。
【0108】
また、左雪除去爪110の基端部112を、動力伝達部材43の左外壁部47近傍に対向させ、内折曲部113を、動力伝達部材43の外周壁部48のうちの左側外周壁部48a近傍に対向させた。
さらに、右雪除去爪120の基端部112を、動力伝達部材43の右外壁部49(図8も参照)近傍に対向させ、内折曲部113を、動力伝達部材43の外周壁部48のうちの右側外周壁部48b近傍に対向させた。
【0109】
よって、左右のオーガ軸45,46で左右のオーガ50,51を矢印aの如く回転することにより、左雪除去爪110で、動力伝達部材43の外壁44のうちの左側半分(すなわち、左側壁部47および外周壁部48のうちの左側外周壁部48a)に堆積した雪を除去することができる。
【0110】
さらに、右雪除去爪120で、動力伝達部材43の外壁44のうちの右側半分(すなわち、右側壁部49および外周壁部48のうちの右側外周壁部48b)に堆積した雪を除去することができる(右側壁部49は図8参照)。
これにより、動力伝達部材43の外壁44に雪が堆積することを防いで、左右のオーガ50,51で車幅方向中央に掻き集めた雪を、左右のオーガ50,51後方のブロア40(図1参照)へ効率よく送って、除雪効率を高めることができる。
【0111】
さらに、動力伝達部材43の外壁44に雪が堆積することを防ぐことで、堆積した雪で左右のオーガ50,51の回転を妨げないようにできる。
加えて、動力伝達部材43の外壁44に雪が堆積することを防ぐことで、堆積した雪でオーガ装置30の前進を妨げないようにできる。
このように、左右のオーガ50,51の回転や、オーガ装置30の前進を妨げないようにすることで、左右のオーガ50,51の雪面への食込み性を確保して、除雪効率を高めることができる。
【0112】
なお、左右の雪除去爪110,120は、それぞれの先端に備えた爪部115,115を雪155に食い込ませるときの衝撃力で雪155中の雪塊を破砕して、雪155を効率よく崩す役割もはたすことができ、さらに左右のオーガ50,51の浮き上がりを防止する役割をはたすことができる。
【0113】
なお、前記実施形態では、左右の姿勢安定爪70,80を外折曲部77、延出部78および爪部79で略コ字形を形成した例について説明したが、これに限らないで、左右の姿勢安定爪70,80を任意の形状に形成することができる。
【0114】
また、前記実施形態では、左右の打込み爪100,106を湾曲爪部102,102で湾曲状に形成した例について説明したが、これに限らないで、左右の打込み爪100,106を任意の形状に形成することができる。
【0115】
さらに、前記実施形態では、左右の雪除去爪110,120を内折曲部113、延出部114および爪部115で略コ字形を形成した例について説明したが、これに限らないで、左右の雪除去爪110,120を任意の形状に形成することができる。
【0116】
また、前記実施形態では、左オーガ軸45の内側オーガブレード57の近傍に、この内側オーガブレード57に対して位相をずらして左打込み爪100を設け、右オーガ軸46の内側オーガブレード57の近傍に、この内側オーガブレード57に対して位相をずらして右打込み爪106を設けた例について説明したが、左オーガ軸45の任意の位置に左打込み爪100を設けるとともに、右オーガ軸46の任意の位置に右打込み爪106を設けることも可能である。
【0117】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、左オーガ軸に、雪に食い込み可能な左打込み爪を設けるとともに、右オーガ軸に、雪に食い込み可能な右打込み爪を設けた。
これにより、左右の打込み爪を雪に食い込ませるときの衝撃力で雪塊を破砕して、雪を効率よく崩し、除雪作業性の向上を図ることができる。
さらに、左右の打込み爪を雪に食い込ませることで、左右の打込み爪がアンカーの役割をはたし、左右のオーガの浮き上がりを防止することができる。
【0118】
また、請求項1は、左打込み爪を右オーガ軸の内側オーガブレードに対向するように設けるとともに、右打込み爪を左オーガ軸の内側オーガブレードに対向するように設けた。
よって、車幅方向中央の雪塊を、左打込み爪と右オーガ軸の内側オーガブレードとで掴んで後方に送ることや、右打込み爪と左オーガ軸の内側オーガブレードとで掴んで後方に送ることができる。
【0119】
さらに、左右のオーガで車幅方向中央に掻き集めた雪を、左打込み爪と右オーガ軸の内側オーガブレードとで掴んで後方に送ることや、右打込み爪と左オーガ軸の内側オーガブレードとで掴んで後方に送ることができる。
ここで、オーガ後方の車幅方向中央にはブロアを備えているので、車幅方向中央の雪塊や中央に掻き集めた雪をブロアに効率よく送り、除雪作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除雪機を示す側面図
【図2】本発明に係る除雪機のオーガ装置を示す斜視図
【図3】本発明に係る除雪機のオーガ装置を示す側面図
【図4】本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成する外側オーガブレードおよび左姿勢安定爪を示す側面図
【図5】本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成する中間オーガブレードを示す側面図
【図6】本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成する内側オーガブレードおよび左打込み爪を示す側面図
【図7】本発明に係る除雪機のオーガ装置の左雪除去爪を示す側面図
【図8】本発明に係る除雪機のオーガ装置を示す平面図
【図9】本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成する外側オーガブレードを示す斜視図
【図10】本発明に係る除雪機のオーガ装置を構成する外側オーガブレードを示す平面図
【図11】本発明に係る除雪機の作用を示す第1作用説明図
【図12】本発明に係る除雪機の作用を示す第2作用説明図
【図13】本発明に係る除雪機の作用を示す第3作用説明図
【図14】本発明に係る除雪機の作用を示す第4作用説明図
【図15】本発明に係る除雪機の作用を示す第5作用説明図
【図16】従来のオーガ装置を示す平面図
【符号の説明】
10…除雪機、30…オーガ装置、40…ブロア、45…左オーガ軸、46…右オーガ軸、50…左側のオーガ、51…右側のオーガ、55…外側オーガブレード、56…中間オーガブレード、57…内側オーガブレード、100…左打込み爪、106…右打込み爪、155…雪、157…雪塊。
Claims (1)
- 車幅方向中央から左右方向に向けてそれぞれ左右のオーガ軸を延ばし、それぞれのオーガ軸に外側から車幅方向中央に向けて外側オーガブレード、中間オーガブレードおよび内側オーガブレードを順に設けて左右のオーガを形成し、これらのオーガを左右のオーガ軸で回転することにより雪を崩し、崩した雪を中央に掻き集める除雪機において、
左オーガ軸に、雪に食い込み可能な左打込み爪を設けるとともに、右オーガ軸に、雪に食い込み可能な右打込み爪を設けることにより、
左右の打込み爪を雪に食い込ませて左右のオーガの浮き上がりを防止するように構成した除雪機であって、
前記左打込み爪を前記右オーガ軸の内側オーガブレードに対向するように設け、
前記右打込み爪を前記左オーガ軸の内側オーガブレードに対向するように設けることにより、
左打込み爪と右オーガ軸の内側オーガブレードとで雪塊を掴んで後方に送るとともに、
右打込み爪と左オーガ軸の内側オーガブレードとで雪塊を掴んで後方に送るように構成したことを特徴とする除雪機。
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