JP4180930B2 - 油圧式オートテンショナ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無端環状の平ベルト、Vベルト、歯付ベルト、チェーン等の伝動部材に適度なテンションを自動的に与えるための油圧式オートテンショナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12に示す油圧式オートテンショナ50においては、有底筒状のボディ51の内部とプランジャ52の下端面との間に高圧室53が形成され、ボディ51がケーシング54に圧入され、ボディ51の外周面とケーシング54の内周面との間に低圧室55が形成されている。このような油圧式オートテンショナ50にプランジャ52をボディ51へ進入させようとする負荷が働くとき、ボディ51のシリンダ部51aとプランジャ52との間のクリアランス60が高圧室53のオイル61を低圧室55にリークさせるので、プランジャ52は、クリアランス60によって決まる減衰力を受けながら進入することになる。
また、プランジャ52の先端には、プランジャ52の外周面より突出するように、図12(b)に示すようなCリング56よりなるストッパーリングが装着されている。このCリング56がプランジャ52を支持しているシリンダ部51a下端の段差51bに引っかかることにより、ボディ51からプランジャ52が抜けて分解するのを防止する分解防止機構を成立させている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−141453号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の分解防止機構では、油圧式オートテンショナ50の組付けの際にCリング56を縮径してプランジャ52をボディ51に進入させ、Cリング56がボディ51の内部で拡径し、Cリング56は抜け方向に係止するストッパーとしての役割を果たす。しかし、Cリング56は、油圧式オートテンショナ50に組付けられて、いったん拡径すると、縮径させることができない。そのため、油圧式オートテンショナ50の減衰力を調整するために、油圧式オートテンショナ50を分解しようとして、プランジャ52とケーシング54とを逆方向に無理に引っ張ると、ケーシング54とボディ51の圧入部が抜けるため、分解後の再組付けによる再使用が困難であるという問題があった。
【0005】
さらに、従来のストッパーとしてのCリング56は高圧室53内に設置されており、Cリング56が設けられているプランジャ52の先端にはCリング56装着用の溝57が形成されている。そのため、溝57に高圧室53内に発生する気泡が溜まりやすくなっている。この溜まった気泡に高圧室53内の圧力の変動が吸収され、油圧式オートテンショナ50の機能低下を招くおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、上記問題を解決し、高圧室の外に、分解防止機構を設置することで、オートテンショナの機能低下を防止することができ、簡易に分解できる分解防止機構にすることで、減衰力の最適化が可能となる高信頼性の油圧式オートテンショナを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の油圧式オートテンショナは、内部に高圧室を形成する有底筒状のボディとボディに進入するプランジャとを備えた油圧式オートテンショナにおいて、プランジャと共に動く被係止部とプランジャと共には動かない係止部とからなる分解防止機構を高圧室の外に設け、プランジャの上端部に圧入固定されているスプリングカバーを備え、ボディは有底筒状のケーシングの内部に固定されてケーシングとの間に低圧室を形成するものであり、スプリングカバーに被係止部を設け、ボディに係止部を設け、ボディからプランジャが抜けて分解するのを防止しうるように被係止部と係止部とが抜け方向に係止可能な使用時状態と、ボディからプランジャを抜いて分解しうるように被係止部と係止部とが抜け方向に係止解除可能な分解時状態とを、プランジャの軸線周りの回転操作により切り替えるように構成したことを特徴とする。
本発明の別の油圧式オートテンショナは、内部に高圧室を形成する有底筒状のボディとボディに進入するプランジャとを備えた油圧式オートテンショナにおいて、プランジャに上方へ押されたときにプランジャと共に上方へ動く被係止部とプランジャと共には動かない係止部とからなる分解防止機構を高圧室の外に設け、プランジャの長さ方向の途中部に、プランジャの長さ方向に延びる突出部を設け、途中部においてプランジャの軸線周りでプランジャに係合する係合部材を、ボディとプランジャとの間に備え、係合部材に被係止部を設け、ボディに係止部を設け、ボディからプランジャが抜けて分解するのを防止しうるように被係止部と係止部とが抜け方向に係止可能な使用時状態と、ボディからプランジャを抜いて分解しうるように被係止部と係止部とが抜け方向に係止解除可能な分解時状態とを、プランジャの軸線周りの回転操作により切り替えるように構成したことを特徴とする。
【0008】
被係止部と係止部とは、特に限定されないが、プランジャの軸線周りの360°の全部又は一部を分けあうように形成された係止爪であることが好ましい。被係止部と係止部とが、プランジャの軸線周りの360°をどのように分けあうかは特に限定されないが、360°の全てを被係止部と係止部とのどちらかになるように分け合ってもよいし、360°の一部を分け合って、360°の中で被係止部と係止部とのどちらでもない部分があってもよい。また、被係止部及び係止部のそれぞれの係止爪の数は、特に限定されない。
【0009】
プランジャの軸線周りの回転操作による切り替えで、使用時状態から分解時状態となるまでの回転角度は、特に限定されないが、使用時に使用時状態を安定して保つためには、10°〜180°の範囲であることが好ましく、特に好ましくは、10°〜90°の範囲である。
油圧式オートテンショナの使用時は、特に限定されないが、油圧式オートテンショナを設置する際に、油圧式オートテンショナの長さ方向の両端の取付部の向きが略同一方向を向いていることが好ましい。そのため、油圧式オートテンショナの長さ方向の両端の取付部の開口方向が略同一方向である状態時に、特に限定されないが、分解防止機構が使用時状態であることが好ましい。また、分解防止機構が使用時状態又は分解時状態であることが油圧式オートテンショナの外部から容易に認識することができるためには、特に限定されないが、油圧式オートテンショナの長さ方向の両端の取付部の開口方向が略直交している状態時に、分解防止機構が分解時状態であることが好ましい。この場合は、使用時状態から分解時状態となるまでの回転角度は、90°となる。
【0011】
上記手段において、「分解防止機構」は、少なくとも油圧式オートテンショナのいずれか1箇所に設けられていればよく、特に限定されないが、複数の個所に設けられていてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の油圧式オートテンショナを具体化した実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。これらの油圧式オートテンショナ1は、無端環状の平ベルト、Vベルト、歯付ベルト、チェーン等の伝動部材に適度な張力を自動的に与えるための汎用品である。油圧式オートテンショナと伝動部材との間の構造は、特に限定されない。なお、本明細書において第二実施形態は、参考形態である。
【0013】
図1、図2及び図3に示す第一実施形態の油圧式オートテンショナ1は、有底筒状のケーシング5を備え、ケーシング5の下面に一体成形された取付部6には、環状のカラー7がドライベアリング8を介して回動可能に設けられている。ケーシング5の内周には、縮径した被圧入部9が設けられ、ケーシング5の内径より一回り小さい外径をもつ有底筒状のボディ10が挿入され圧入固定されている。取付部6のカラー7の開口方向と略同一方向の直線上であって、ボディ10の開口端の2箇所には、図2(a−1)に示すように、ボディ10の外周より外方に突出している係止部30としての係止爪31が向かい合って設けられている。ケーシング5及びボディ10は下記するプランジャ12の上下動及びプランジャの軸線周りの回転操作と共には動かないようになっている。
【0014】
ケーシング5の開口端部からボディ10のシリンダ部11内(後述する高圧室25)には、プランジャ12の下端部の棒状のピストン部13が所定のクリアランス14をもって上下摺動可能に進入している。プランジャ12の上端部の取付部15には、ケーシング5側の取付部6と同様に、環状のカラー7がドライベアリング8を介して回動可能に設けられている。
【0015】
プランジャ12の上部であって取付部15より下部には、ケーシング5の開口に進入した外方筒17と、プランジャ12の外周に圧入された内方筒18と、両筒17、18の上端部を塞ぐ天井部16aとが一体形成されたスプリングカバー16が圧入固定されている。スプリングカバー16の天井部16aの下面と、ケーシング5の底面に設置されたスプリングシート19との間には、リターンスプリング20が圧縮状態で装着され、プランジャ12を抜け方向(図では上方)へ付勢している。
【0016】
スプリングカバー16の内方筒18は、プランジャ12の外周に圧入された筒状の圧入部18aと、プランジャ12のピストン部13と間隔を置いて延びる筒状の途中部18bと、内方筒18の下端で内方筒18の内周より内側に突出する被係止部32としての係止爪33が設けられている先端部18cとを備えている。この係止爪33は、図2(a−2)に示すように、取付部15のカラー7の開口方向と略直交方向の直線上の2箇所の位置の係止爪31より若干大きい大きさの欠け部34を間において、2箇所に設けられている。
このように、係止爪31と係止爪33とは、プランジャ12の軸線周りの360°の全部を分けあうように形成されている。
【0017】
このような油圧式オートテンショナ1の両端の取付部6、15の開口が同一方向を向いている使用時状態においては、被係止部32と係止部30の互いの係止爪33、31が抜け方向に係止可能となる。また、取付部6、15の開口が略直角方向を向いている分解時状態においては、欠け部34が係止爪31より若干大きい大きさであるので、係止解除可能状態時に係止爪31が抜け方向に通過でき、被係止部32と係止部30の互いの係止爪33、31が抜け方向に係止解除可能である。
【0018】
また、プランジャ12の上部であって取付部15より下部には、プランジャ12からケーシング5の開口端部を被いケーシング5の外周にまで配される樹脂製のダストカバー21が取り付けられている。
ダストカバー21は、ケーシング5の外周に配された筒部22と、該筒部22の上端を塞ぐプレート状の蓋部23とが一体に形成されものである。蓋部23の内周縁は、プランジャ12の上部に一体形成されたフランジ部12aと、スプリングカバー16の天井部16aの上面とによって締め代をもって挟持されている。
【0019】
スプリングカバー16及びダストカバー21はプランジャ12と共に上下動するようになっており、プランジャ12の回転操作の際にも共に動くようになっている。
【0020】
ボディ10の底壁及び内周面とピストン部13の下端面との間で高圧室25が形成されている。また、ボディ10の外周面とケーシング5の内周面と、スプリングカバー16との間で低圧室26が形成され、オイル27を貯油する構造となっている。高圧室25と低圧室26とは、ボディ10の底壁に設けられた逆止弁28により低圧室26から高圧室25への一方向に連通可能となっている。また、高圧室25と低圧室26とは、ボディ10とピストン部13との間のクリアランス14を介しても連通し、オイル27はクリアランス14を経て高圧室25から低圧室26へリークし得るようになっている。
【0021】
よって、本実施形態の分解防止機構2は、スプリングカバー16の内方筒18の先端部18cである被係止部32としての係止爪33と、ボディ10の上端に設けられている係止部30としての係止爪31とからなり、高圧室25の外に設けられている。
【0022】
以上のように構成された第一実施形態の油圧式オートテンショナ1の分解防止機構2は、次のように作動する。
油圧式オートテンショナ1は、図1及び図2に示すように、ケーシング5の取付部6の開口方向とプランジャ12の取付部15の開口方向とが、略同一方向である状態時に、プランジャ12のピストン部13がボディ10のシリンダ部11を上下摺動することで、油圧式オートテンショナ1の機能を果たしている。この際、スプリングカバー16の内方筒18の先端部18cである被係止部32としての係止爪33は、プランジャ12と共に上下動する。また、この状態は、油圧式オートテンショナ1の分解防止機構2は使用時状態となっており、プランジャ12がプランジャ12の抜け方向である上方へ動くと、被係止部32は共に上方へ動く。この上方への動きが過度になると、ボディ10の上端に設けられている係止部30としての係止爪31に被係止部32としての係止爪33が係止されるので、ピストン部13の上下摺動の上限位置となり、ボディ10からプランジャ12が抜けて分解するのを防止することができる。
【0023】
また、図1及び図2(a)の状態から、プランジャ12側をボディ10側に対して、プランジャ12の軸先周りに90°回転操作をした状態を、図3に示す。ケーシング5の取付部6の開口方向とプランジャ12の取付部15の開口方向とが、略直交方向である状態時に、油圧式オートテンショナ1の分解防止機構2は分解時状態となっており、プランジャ12をプランジャ12の抜け方向である上方へ動かすと、被係止部32としての係止爪33は共に上方へ動く。その際、ボディ10の上端に設けられている係止部30としての係止爪31は、上下方向で欠け部34に重なり合っている位置にあるので、係止爪31が欠け部34を通り抜けることができ係止が解除される。よって、ボディ10からプランジャ12が抜け、ボディ10とプランジャ12を分解することができる。
【0024】
このように、被係止部32と係止部30とが、抜け方向に係止可能な使用時状態と、被係止部32と係止部30とが抜け方向に係止解除可能な分解時状態とを、プランジャ12の軸線周りの90°の回転操作により切り替えることができるように構成している。
【0025】
本実施形態の油圧式オートテンショナ1によれば、以下の効果が得られる。
(1)高圧室25の外に分解防止機構2を設置しているので、高圧室25の内部には気泡が溜まる部位がなくなり、油圧式オートテンショナ1の機能低下を防止することができる。
(2)プランジャ12の軸線周りの90°の回転操作により、使用時状態から分解防止機構にすることができ、簡易にボディ10からプランジャ12を抜いて分解することができるので、抜いたプランジャ12を別のボディ10に再組付けすることができ、新たな組み合わせのボディ10とプランジャ12とで油圧式オートテンショナ1として再使用することができる。
(3)ボディ10とプランジャ12との再組付けにより、新たなクリアランス14を備えた油圧式オートテンショナ1とすることができるので、最適な減衰力を備えた油圧式オートテンショナ1になるまで再組付けを繰り返すことで、規格に合った高信頼性の油圧式オートテンショナ1を得ることができる。
(4)再組付けにより、最適な減衰力である油圧式オートテンショナ1を得ることができるので、規格外の油圧式オートテンショナ1を分解して再使用することができ、経済的である。
【0026】
次に、図4〜図7に示す第二実施形態の油圧式オートテンショナ1は、分解防止機構2の設けられている部位のみが、第一実施形態と異なっている。
【0027】
すなわち、図6(a−1)に示すように、取付部6のカラー7の開口方向と略同一方向の直線上であって、ケーシング5の上端の2箇所に、ケーシング5の外周より外方に突出している係止部30としての係止爪35が向かい合って設けられている。
また、ダストカバー21には、ダストカバー21の筒部22の下端で筒部22の内周より内側に突出し、被係止部32としての係止爪36が設けられている先端部22aを備えている。この係止爪36は、図6(a−2)に示すように、取付部15のカラー7の開口方向と略直交方向の直線上の2箇所の位置の係止爪35より若干大きい大きさの欠け部37を間において、2箇所に設けられている。このように、係止爪35と係止爪36とは、プランジャ12の軸線周りの360°の全部を分けあうように形成されている。
【0028】
このような油圧式オートテンショナ1の両端の取付部6、15の開口が同一方向を向いている使用時状態においては、被係止部32と係止部30の互いの係止爪36、35が抜け方向に係止可能となる。また、取付部6、15の開口が略直角方向を向いている分解時状態においては、欠け部37が係止爪35より若干大きい大きさであるので、係止解除可能状態時に係止爪35が抜け方向に欠け部37を通過でき、被係止部32と係止部30の互いの係止爪36、35が抜け方向に係止解除可能である。
よって、本実施形態の分解防止機構2は、ダストカバー21に設けられている被係止部32としての係止爪36と、ケーシング5に設けられている係止部30としての係止爪35とからなり、高圧室25の外に設けられている。
【0029】
以上のように構成された第二実施形態の油圧式オートテンショナ1の分解防止機構2は、次のように作動する。
油圧式オートテンショナ1は、図4及び図7(a)に示すように、ケーシング5の取付部6の開口方向とプランジャ12の取付部15の開口方向とが、略同一方向である状態時に、プランジャ12のピストン部13がボディ10のシリンダ部11を上下摺動することで、油圧式オートテンショナ1の機能を果たしている。この際、ダストカバー21の筒部22の先端部22aである被係止部32としての係止爪36は、プランジャ12と共に上下動する。また、この状態は、油圧式オートテンショナ1の分解防止機構2は使用時状態となっており、プランジャ12がプランジャ12の抜け方向である上方へ動くと、被係止部32は共に上方へ動く。この上方への動きが過度になると、ケーシング5の上端に設けられている係止部30としての係止爪35に被係止部32としての係止爪36が係止されるので、ピストン部13の上下摺動の上限位置となり、ボディ10からプランジャ12が抜けて分解するのを防止することができる。
【0030】
また、
また、図4及び図7(a)の状態から、プランジャ12側をボディ10側に対してプランジャ12の軸先周りに90°回転操作をした状態を、図5及び図7(b)に示す。ケーシング5の取付部6の開口方向とプランジャ12の取付部15の開口方向とが、略直交方向である状態時に、油圧式オートテンショナ1の分解防止機構2は分解時状態となっており、プランジャ12をプランジャ12の抜け方向である上方へ動かすと、被係止部32としての係止爪36は共に上方へ動く。その際、ケーシング5の上端に設けられている係止部30としての係止爪35は、上下方向で欠け部37に重なり合っている位置にあるので、係止爪35が欠け部37を通り抜けることができ係止が解除される。よって、ボディ10からプランジャ12が抜け、ボディ10とプランジャ12を分解することができる。
【0031】
第一実施形態と同様に、このような被係止部32と係止部30とが抜け方向に係止可能な使用時状態と、被係止部32と係止部30とが抜け方向に係止解除可能な分解時状態とは、プランジャ12の軸線周りの90°の回転操作により切り替えるように構成している。
【0032】
本実施形態の油圧式オートテンショナ1によれば、第一実施形態と同様な効果が得られる。
【0033】
次に、図8〜図11に示す第三実施形態の油圧式オートテンショナ1は、分解防止機構2の設けられている部位と分解防止機構2の部材として係合部材としてのリング40が設けられていることのみが、第一実施形態と異なっている。
【0034】
すなわち、プランジャ12のピストン部13の長さ方向に、ピストン部13が縮径した途中部13aを備える。この途中部13aは下方のピストン部13との間に縮径した部分の底面13cを備えている。取付部15のカラー7の開口方向と略直交方向の直線上であって、その途中部13aの1箇所に、ピストン部13の長さ方向に延び、途中部13aよりピストン部13の外周までの高さ突出する突出部39を設けている。この途中部13aにおいてプランジャ12の軸線周りでプランジャ12のピストン部13に係合する係合部材としてのリング40を、ボディ10とプランジャ12との間に備える。
このリング40は、図9(a−1)に示すように、Cリングの開口部とその向かい合うCリングの内部部位とが、外方に突出した部位になっている。この部位が被係止部32としての係止爪41として働き、係止爪41の内方でピストン部13の突出部39と係合している。
【0035】
ボディ10のシリンダ部11の内周は、シリンダ部11の長さ方向の途中部11aでリング40が、プランジャ12の軸線周りの回転操作でプランジャ12と共に動くことができるように、拡径している。また、シリンダ部11の途中部11aより上方は、係止部30としての係止爪42が設けられている上部11bを備えている。この係止爪42は、図9(a−2)に示すように、取付部6のカラー7の開口方向と略同一方向の直線上の2箇所の位置の係止爪41の外形より若干大きい大きさの欠け部43を間において、2箇所に設けられている。
このように、係止爪41と係止爪42とは、プランジャ12の軸線周りの360°の全部を分けあうように形成されている。
【0036】
油圧式オートテンショナ1の両端の取付部6、15の開口が同一方向を向いている使用時状態においては、被係止部32と係止部30の互いの係止爪42、41が抜け方向に係止可能となる。また、取付部6、15の開口が略直角方向を向いている分解時状態においては、欠け部43が係止爪41より若干大きい大きさであるので、係止解除可能状態時に係止爪41が抜け方向に通過でき、被係止部32と係止部30の互いの係止爪42、41が抜け方向に係止解除可能である。
よって、本実施形態の分解防止機構2は、リング40に設けられている被係止部32としての係止爪41と、ボディ10に設けられている係止部30としての係止爪42とからなり、高圧室25の外に設けられている。
【0037】
以上のように構成された第三実施形態の油圧式オートテンショナ1の分解防止機構2は、次のように作動する。
油圧式オートテンショナ1は、図8、図9(a)及び図10に示すように、ケーシング5の取付部6の開口方向とプランジャ12の取付部15の開口方向とが、略同一方向である状態時に、プランジャ12のピストン部13がボディ10のシリンダ部11を上下摺動することで、油圧式オートテンショナ1の機能を果たしている。
この際、油圧式オートテンショナ1の分解防止機構2は使用時状態となっており、プランジャ12がプランジャ12の抜け方向である上方へ動く時に、途中部13aの略中央で突出部39にリング40の係止爪41が係合している場合は、プランジャ12と共には動かず、突出部39がリング40の係止爪41に摺動するのみである。
しかし、途中部13aの下限位置13bで突出部39に係止爪41が係合している場合は、途中部13aの底面13cにリング40が押されてプランジャ12と共に上方へ動く。そして、この上方への動きが過度になると、ボディ10のシリンダ部11の上部11bである係止部30に、リング40の係止爪41である被係止部32が係止されるので、ピストン部13の上下摺動の上限位置となり、ボディ10からプランジャ12が抜けて分解するのを防止することができる。
【0038】
また、図8及び図9(a)の状態から、プランジャ12側をボディ10側に対してプランジャ12の軸先周りに90°回転操作をした状態を、図11に示す。ケーシング5の取付部6の開口方向とプランジャ12の取付部15の開口方向とが、略直交方向である状態時に、油圧式オートテンショナ1の分解防止機構2は分解時状態となっており、プランジャ12をプランジャ12の抜け方向である上方へ動かすと、ピストン部13の突出部39に係合するリング40の係止爪41は、ピストン部13の途中部13aの底面13cに押されて共に上方へ動く。その際、リング40の被係止部32としての係止爪41は、上下方向で、シリンダ部11の上部11bの欠け部43に重なり合っているので、係止爪41が欠け部43を通り抜けることができ係止が解除される。よって、ボディ10からプランジャ12が抜け、ボディ10とプランジャ12を分解することができる。
【0039】
第一実施形態と同様に、リング40が、プランジャ12の軸線周りの回転操作でピストン部13の突出部39に係合して、プランジャ12と共に動くので、被係止部32と係止部30とが抜け方向に係止可能な使用時状態と、被係止部32と係止部30とが抜け方向に係止解除可能な分解時状態とは、プランジャ12の軸線周りの90°の回転操作により切り替えるように構成している。
【0040】
本実施形態の油圧式オートテンショナ1によれば、第一実施形態と同様な効果が得られる。
【0041】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば次のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で変更して具体化することもできる。
(1)分解防止機構2を、ボディ10とスプリングカバー16の外方筒17との間に設けること。
(2)分解防止機構2を、ケーシング5とスプリングカバー16の外方筒17との間に設けること。
(3)第一及び第二実施形態において、被係止部32と係止部30とをそれぞれの部材の先端部ではなくて、途中部に設けること。
(4)被係止部と係止部がプランジャの軸線周りの360°の一部を分けあうように、係止部の係止爪が、被係止部の係止爪の間にある欠け部との大きさの約半分であること。
(5)被係止部と係止部との使用時状態と分解時状態とを、プランジャの軸線周りの180°の回転操作により切り替えるように構成すること。
【0042】
【発明の効果】
本発明の油圧式オートテンショナは、上記の通り構成されているので、高圧室の外に、分解防止機構を設置することで、オートテンショナの機能低下を防止することができ、簡易に分解できる分解防止機構にすることで、減衰力の最適化が可能となる高信頼性の装置であるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る油圧式オートテンショナの縦断面図である。
【図2】同実施形態に係る油圧式オートテンショナを示し、(a)は図1のa−a断面図、(a−1)は図1の係止部のa−a断面図、(a−2)は図1の被係止部のa−a断面図である。
【図3】同実施形態に係る油圧式オートテンショナを示し、(a)は図1よりプランジャを90°回転操作し上方へ動かした縦断面図、(b)はb−b断面図である。
【図4】本発明の第二実施形態に係る油圧式オートテンショナを示す縦断面図である。
【図5】同実施形態に係る油圧式オートテンショナの図4よりプランジャを90°回転操作し上方へ動かした縦断面図である。
【図6】同実施形態に係る油圧式オートテンショナを示し、(a−1)は図4の係止部のa−a断面図、(a−2)は図4の被係止部のa−a断面図である。
【図7】同実施形態に係る油圧式オートテンショナを示し、(a)は図4のa−a断面図、(c)は図5のb−b断面図である。
【図8】本発明の第三実施形態に係る油圧式オートテンショナの縦断面図である。
【図9】同実施形態に係る油圧式オートテンショナを示し、(a)は図8のa−a断面図、(a−1)は図8の被係止部のa−a断面図、(a−2)は図8の係止部のa−a断面図である。
【図10】同実施形態に係る油圧式オートテンショナの部分拡大斜視図である。
【図11】同実施形態に係る油圧式オートテンショナを示し、(a)は図8よりプランジャを90°回転操作し上方へ動かした縦断面図、(b)はb−b断面図である。
【図12】従来の油圧式オートテンショナを示し、(a)は縦断面図、(b)はCリングの平面図である。
【符号の説明】
1 油圧式オートテンショナ
2 分解防止機構
5 ケーシング
6 取付部
10 ボディ
11 シリンダ部
12 プランジャ
13 ピストン部
15 取付部
16 スプリングカバー
21 ダストカバー
25 高圧室
26 低圧室
27 オイル
30 係止部
31 係止部としての係止爪
32 被係止部
33 被係止部としての係止爪
34 欠け部
35 係止部としての係止爪
36 被係止部としての係止爪
37 欠け部
39 突出部
40 リング
41 被係止部としての係止爪
42 係止部としての係止爪
43 欠け部

Claims (3)

  1. 内部に高圧室を形成する有底筒状のボディと該ボディに進入するプランジャとを備えた油圧式オートテンショナにおいて、
    前記プランジャと共に動く被係止部と前記プランジャと共には動かない係止部とからなる分解防止機構を前記高圧室の外に設け、
    前記プランジャの上端部に圧入固定されているスプリングカバーを備え、前記ボディは有底筒状のケーシングの内部に固定されて該ケーシングとの間に低圧室を形成するものであり、前記スプリングカバーに前記被係止部を設け、前記ボディに前記係止部を設け、
    前記ボディから前記プランジャが抜けて分解するのを防止しうるように前記被係止部と係止部とが前記抜け方向に係止可能な使用時状態と、前記ボディから前記プランジャを抜いて分解しうるように前記被係止部と係止部とが前記抜け方向に係止解除可能な分解時状態とを、前記プランジャの軸線周りの回転操作により切り替えるように構成したことを特徴とする油圧式オートテンショナ。
  2. 内部に高圧室を形成する有底筒状のボディと該ボディに進入するプランジャとを備えた油圧式オートテンショナにおいて、
    前記プランジャに上方へ押されたときに前記プランジャと共に上方へ動く被係止部と前記プランジャと共には動かない係止部とからなる分解防止機構を前記高圧室の外に設け、
    前記プランジャの長さ方向の途中部に、該プランジャの長さ方向に延びる突出部を設け、該途中部において該プランジャの軸線周りで該プランジャに係合する係合部材を、前記ボディと該プランジャとの間に備え、前記係合部材に前記被係止部を設け、前記ボディに前記係止部を設け、
    前記ボディから前記プランジャが抜けて分解するのを防止しうるように前記被係止部と係止部とが前記抜け方向に係止可能な使用時状態と、前記ボディから前記プランジャを抜いて分解しうるように前記被係止部と係止部とが前記抜け方向に係止解除可能な分解時状態とを、前記プランジャの軸線周りの回転操作により切り替えるように構成したことを特徴とする油圧式オートテンショナ。
  3. 前記被係止部と前記係止部とは、前記プランジャの軸線周りの360°の全部又は一部を分けあうように形成された係止爪である請求項1又は2記載の油圧式オートテンショナ。
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