JP2009270642A - 油圧式オートテンショナ - Google Patents

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司郎 後藤
Tadahisa Tanaka
唯久 田中
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Abstract

【課題】ベントの脱落を防止した油圧式オートテンショナを提供する。
【解決手段】シリンダ11のスリーブ13内にロッド14を挿入して圧力室15を形成し、ロッド14の上部のばね座18にリターンスプリング19の押圧力を付与する。ばね座18の外周とシリンダ11の上部間のベローズ22によりリザーバ室23を形成し、リザーバ室23と圧力室15間の第1油通路24にチェックバルブ25を設け、シリンダ11とロッド14が収縮方向に押込み力が負荷された際に、チェックバルブ25で第1油通路24を閉じ、圧力室15内の作動油により押込み力を緩衝する。ばね座18にベント44を組込むベント組込孔41と、ベント組込孔41とリザーバ室23とを連通する通気路42を設け、リザーバ室23の圧力変化により外部の空気をリザーバ室23内に流入、流出させる。ベント組込孔41とベント44の間にベント抜止め手段50を設ける。
【選択図】図2

Description

この発明は、オルタネータやウォータポンプ、エアコンのコンプレッサ等の自動車補機を駆動するベルトの張力調整用に用いられる油圧式オートテンショナに関するものである。
エンジンのクランクシャフトの回転を各種の自動車補機に伝えるベルト伝動装置においては、ベルトの弛み側にテンションプーリを支持する揺動可能なプーリアームを設け、そのプーリアームに油圧式オートテンショナの調整力を付与して、上記テンションプーリがベルトを押圧する方向にプーリアームを付勢し、ベルトの張力を一定に保持するようにしている。
上記のようなベルト伝動装置に使用される油圧式オートテンショナとして、特許文献1に記載されたものが従来から知られている。この油圧式オートテンショナにおいては、作動油が充填された底付きシリンダの内底面から立ち上がるスリーブ内にロッドの下部をスライド自在に挿入してスリーブ内に圧力室を形成し、ロッドの上部に設けられたばね座とシリンダの底面間にリターンスプリングを組込んでロッドとシリンダを伸張する方向に付勢している。
また、ばね座の外周とシリンダの上部外周に弾性を有するベローズの両端部を嵌合してシリンダとスリーブ間に密閉されたリザーバ室を形成し、そのリザーバ室の下部と上記圧力室とを通路で連通し、その通路にチェックバルブを設け、ベルトからテンションプーリおよびプーリアームを介してシリンダとロッドに収縮させる方向の押込み力が負荷された際に、チェックバルブを閉じ、圧力室内に封入された作動油のダンパ作用によって上記押込み力を緩衝するようにしている。
ところで、上記の油圧式オートテンショナにおいては、シリンダとロッドとが相対的に伸張するとき、リザーバ室の体積が増加して圧力が低下し、逆に、シリンダとロッドとが相対的に収縮するとき、リザーバ室の体積が減少して圧力が高くなるため、リザーバ室の圧力変動によりベローズが収縮または膨張し、その収縮時にベローズに引張り力が付与されて外れが生じたり、膨張時に嵌合部に隙間が形成されて内部の作動油が噴き出す可能性がある。
そのような不都合を解消するため、特許文献2に記載された油圧式オートテンショナにおいては、ばね座にリザーバ室と外部を連通する通気路を設け、その通気路内にベントを組込み、リザーバ室の体積減少による圧力低下時、あるいは、体積増加による圧力上昇時にベントを開放させて、リザーバ室の圧力を一定に保ち、ベローズの外れや作動油の噴き出しを防止するようにしている。
特表2000−504395号公報 特開2007−315562号公報
ところで、上記特許文献2に記載された従来の油圧式オートテンショナにおいては、ベント組込孔にベントを嵌合する組込みであるため、支持が不安定であり、リザーバ室内の圧力が外部の圧力より高くなると、ベント組込孔から抜け出して脱落するおそれがある。
この発明の課題は、リザーバ室内の圧力の安定化を図るベントがベント組込孔から抜け出るのを防止することができるようにした油圧式オートテンショナを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明においては、閉塞端を下部に有し、内部に作動油が充填されたシリンダ内に、その内底面から立ち上がるスリーブを設け、そのスリーブ内にロッドの下端部を摺動自在に挿入してスリーブ内に圧力室を形成し、前記ロッドの上部に設けられたばね座にリターンスプリングの弾性力を付与してシリンダとロッドを伸張する方向に付勢し、前記ばね座の外周とシリンダの上部外周に弾性を有する伸縮可能なベローズの両端部を嵌合してシリンダとスリーブ間に密閉されたリザーバ室を形成し、前記シリンダの底部には前記リザーバ室と圧力室を連通する第1油通路を設け、その第1油通路に圧力室の圧力がリザーバ室の圧力より高くなると第1油通路を閉じるチェックバルブを設け、前記ロッドに絞りを介して圧力室とリザーバ室を連通する第2油通路を設け、前記ばね座には、その外周面で開口するベント組込孔と、そのベント組込孔の閉塞端部とリザーバ室の作動油面上に形成された空気溜まりとを連通する通気路とを設け、前記ベント組込孔にゴム材料から成るベントを組込み、そのベントが、ベント組込孔に嵌合される円筒部と、その円筒部の一端を閉じる弁板を有し、その弁板にスリットが形成された構成とされ、前記リザーバ室内の圧力がベントの設定圧力より低下し、または、設定圧力を超えた際に前記スリットを開放させてリザーバ室と外部を連通させるようにした油圧式オートテンショナにおいて、前記ベント組込孔とベントの相互間に、ベントを抜止めする抜止め手段を設けた構成を採用したのである。
上記の構成からなる油圧式オートテンショナにおいて、シリンダとロッドが相対的に伸張し、リザーバ室の体積増加によって圧力が低下すると、ベントに形成されたスリットが開放し、外部の空気がベント組込孔から通気路に流れてリザーバ室内に流入する。このため、リザーバ室内の圧力が一定に保たれることになり、ベローズの外れが防止される。
上記とは逆に、シリンダとロッドが相対的に収縮し、リザーバ室の体積減少によって圧力が高くなると、ベントに形成されたスリットが開放し、リザーバ室の空気溜まりの空気がベント組込孔から開放状態のスリットを介して外部に流出する。このため、リザーバ室内の圧力が一定に保たれることになり、ベローズの嵌合部に隙間が生じるのが防止される。
ここで、リザーバ室の圧力上昇によってベントのスリットが開放するまでの間、ベントにはベント組込孔から押し出される方向の押圧力が負荷されることになり、支持が不安定であると、ベント組込孔から抜け出して脱落することになる。しかし、ベント組込孔とベントの相互間には抜止め手段が設けられているため、ベントに負荷される押圧力は抜止め手段によって受けられることになり、ベントが抜け出るという不都合の発生はない。
ここで、抜止め手段として、以下のものを採用することができる。
(I)ベント組込孔の内径面に環状の係合溝を形成し、その係合溝の対向する一対の側面のうちベント組込孔の開口側の一側面内周縁に対する円筒部外径面の係合によってベントを抜止めするようにしたもの。
この場合、係合溝の他側面を、その内周縁が外周縁よりベント組込孔の閉塞端側に配置される傾斜面とすることにより、ベント組込孔にベントを挿入するベントの組付け時、円筒部の外径面が他側面の内周縁に引っ掛かるという不都合の発生を防止することができ、ベントの組付け性の容易化を図ることができる。
(II)ベント組込孔の開口端に内方に向く加締め片を設け、その加締め片によってベントを抜止めするようにしたもの。
(III)ベント組込孔の内径面に止め輪を取付け、その止め輪によってベントを抜止めするようにしたもの。
(IV)ベント組込孔の開口端部内にキャップを圧入し、そのキャップでベントを抜止めするようにしたもの。
この発明に係る油圧式オートテンショナにおいて、ベント組込孔の内径面にベントの嵌合位置を規制する段部を設けると、ベントをより安定よく支持することができる。
油圧式オートテンショナは横向きとした状態で保管される場合がある。このとき、リザーバ室の作動油は通気路からベント組込孔に流れて溜まることになる。このとき、ベント組込孔がロッドの軸心に対して直交する方向に延びていると、縦向きとする油圧式オートテンショナの取付け時にベント組込孔に溜まる作動油をリザーバ室にスムーズに戻すことができない。
そこで、ベント組込孔を開口端が閉塞端より上位に位置する傾斜状としておくと、油圧式オートテンショナの取付け時にベント組込孔に溜まる作動油をリザーバ室にスムーズに戻すことができる。
ここで、エンジンの駆動によって補機を駆動するベルト伝動装置においては、モータ・ジェネレータが搭載され、車両の停止時、エンジンを停止し、モータ・ジェネレータを発動動作に切り換えて補機を駆動するようにしたアイドルストップ対応車用のものが存在する。
上記のようなアイドルストップ対応車用のベルト伝動装置においては、モータ・ジェネレータの駆動によるベルトの張り側(エンジンの駆動によるベルトの弛み側)にテンションプーリを設け、そのテンションプーリに油圧式オートテンショナの調整力を付与して、ベルトの張力を一定に保つようにする。
この場合、ばね座に、その外周面で開口して第2油通路を長さ方向に分断するバルブ取付孔を形成し、そのバルブ取付孔に第2油通路の開閉を制御するソレノイドバルブを接続することにより、上記ソレノイドバルブで第2油通路を閉じ状態に保持することによってシリンダとロッドの相対的な収縮を防止し、テンションプーリを定位置に保持することができる。
このため、モータ・ジェネレータによるエンジンの駆動時に、ソレノイドの作動によってテンションプーリを定位置に保持することにより、ベルトのスリップを防止することができ、安定したエンジンの始動を可能とすることができる。
また、バルブ取付孔とベント組込孔を対向配置とすることにより、ばね座の外周にベント組込孔の形成スペースを確実に確保することができる。
上記ように、この発明においては、ベント組込孔とベントの相互間に抜止め手段を設けたことにより、ベントに負荷される押圧力をその抜止め手段によって受けることができ、ベントの脱落を防止することができる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図1は、エンジンの停止時にモータ・ジェネレータで補機を駆動するアイドルストップ対応車用のベルト伝動装置を示す。このベルト伝動装置においては、エンジンのクランクシャフト1に取付けたプーリ2と、モータ・ジェネレータの回転軸3に取付けたプーリ4および補機の回転軸5に取付けたプーリ6にベルト7を掛け渡し、エンジンによって発電動作に切り換えられたモータ・ジェネレータおよび補機を駆動し、発動動作に切り換えられたモータ・ジェネレータでエンジンおよび補機を駆動するようにしている。
エンジンの駆動時に弛み側とされるベルトにはテンションプーリ8が接触され、そのテンションプーリ8を支持するプーリアーム9が軸10を中心にして揺動自在に支持され、そのプーリアーム9に油圧式オートテンショナAの調整力が負荷されてテンションプーリ8がベルト7に押し付けられている。
図2は油圧式オートテンショナAを示す。この油圧式オートテンショナAは下部が閉塞するシリンダ11を有し、そのシリンダ11の内底面に形成されたスリーブ嵌合孔12内にスリーブ13の下端部が圧入されている。スリーブ13内にはロッド14の下部がスライド自在に挿入され、そのロッド14の挿入によって、スリーブ13内に圧力室15が設けられている。
ロッド14の下端部は小径部14aとされ、その小径部14aの外径面とスリーブ13の内径面間に微小隙間からなる絞り16が形成されている。また、ロッド14には、上記小径部14aから少し上側に片寄った位置にリング溝17が形成され、そのリング溝17に嵌合したOリング17aはスリーブ13の内径面に弾性接触している。
ロッド14のシリンダ11の外部に位置する上端部にはばね座18が固定され、そのばね座18とシリンダ11の内底面間に組込まれたリターンスプリング19は、シリンダ11とロッド14が相対的に伸張する方向に付勢している。
ばね座18の上端にはエンジンブロックに連結される連結片20が設けられている。また、ばね座18には、リターンスプリング19の上部を覆う筒部21が一体に設けられ、その筒部21とシリンダ11の上部間にベローズ22が装着されている。
ベローズ22は、その長さ方向の中央部に上向き反転部22aと、その上向き反転部22aの外側に下向き反転部22bが形成され、上記上向き反転部22aに連設された小径筒部22cが筒部21に嵌合されて抜止めされている。
また、下向き反転部22bに連設された大径筒部22dの端部がシリンダ11の上部外周に嵌合されて抜止めされている。
上記ベローズ22の装着により、シリンダ11の上部開口は閉鎖されて内部に充填された作動油の漏洩が防止される。また、ベローズ22の装着によって、そのシリンダ11とスリーブ13との間に密閉されたリザーバ室23が形成され、そのリザーバ室23の作動油面上に空気溜まり23aが設けられている。
リザーバ室23と圧力室15は、スリーブ嵌合孔12とスリーブ13の嵌合面間に形成された第1油通路24で連通し、その第1油通路24の圧力室15側の端部に設けられたチェックバルブ25は、圧力室15内の圧力がリザーバ室23内の圧力より高くなると、第1油通路24を閉鎖するようになっている。
ロッド14およびばね座18には、前記絞り16を介して圧力室15とリザーバ室23を連通させる第2油通路26が形成されている。一方、ばね座18には、その外周面で開口して上記第2油通路26を長さ方向に分断するバルブ取付孔27が形成され、そのバルブ取付孔27に第2油通路26の開閉を制御するソレノイドバルブ30が接続されている。
図2および図3に示すように、ソレノイドバルブ30は、ハウジング31を有し、そのハウジング31にバルブ取付孔27に嵌合される接続筒32を設け、その接続筒32の先端部内にバルブシート33を圧入し、上記ハウジング31の内部には、バルブシート33に形成された弁孔34の開閉用弁体35を先端部に有するスライド可能なバルブロッド36と、上記弁体35が弁孔34を閉じる方向にバルブロッド36を付勢するスプリング37と、通電によって弁体35が弁孔34を閉じる状態でバルブロッド36をロックするソレノイド38とを組込んだ構成とされている。
ここで、接続筒32の外周には2つのシールリング39が軸方向に間隔をおいて取り付けられ、そのシールリング39間に接続筒32の内部と第2油通路26を連通する通油路40が設けられ、上記弁孔34から接続筒32の内部に流入する作動油を上記通油路40から第2油通路26を介してリザーバ室23に流出させるようにしている。
図3に示すように、ばね座18には、バルブ取付孔27と対向位置に配置されてばね座18の外周で開口するベント組込孔41と、そのベント組込孔41の閉塞端部をリザーバ室23の空気溜まり23aに連通させる通気路42とが形成されている。
ベント組込孔41は段付き孔からなり、その内周に段部43が形成されている。このベント組込孔41に空気自動弁と称されるベント44が挿入され、上記段部43によって挿入位置が規制されている。
図4および図6に示すように、ベント44は、ベント組込孔41に嵌合される円筒部45の一端に弁板46を設けたキャップ状をなし、その弁板46の中央部に形成された膨出部46aにスリット47を設けた構成とされ、全体がゴム材料により形成されて金属からなるリング状の芯金48により円筒部45および弁板46の外周部が補強されている。
ここで、ゴム材料として、ニトリロゴム、水素を添加したニトリロゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。
上記の構成からなるベント44においては、リザーバ室23内の圧力が設定圧より高くなり、あるいは低くなると、スリット47が開放するようになっている。その設定圧はゴム材料の硬度や、膨出部46aの肉厚、スリット47の幅を変更することによって調整することができ、実施の形態では、設定圧を10kPa〜70kPaの間に設定している。
図4に示すように、ベント組込孔41とベント44の相互間には、ベント44を抜止めする抜止め手段50が設けられている。抜止め手段50として、ここでは、ベント組込孔41の内径面に環状の係合溝51を形成し、その係合溝51の対向する一対の側面51a、51bのうち、ベント組込孔41の開口側の一側面51a内周縁に対する円筒部外径面の係合によってベント44を抜止めするようにしている。
ここで、ベント44をベント組込孔41に対して圧入する組付けとすると、その圧入状態において、上記係合溝51と対向する位置において円筒部45の外周に盛り上がりが生じ、その盛り上がり部が係合溝51に係合するため、ベント44をより確実に抜止めすることができる。
また、係合溝51の他側面51bを、その内周縁が外周縁よりベント組込孔41の閉塞端側に配置される傾斜面とすることにより、ベント組込孔41にベント44を挿入するベント44の組付け時、円筒部45の外径面が他側面51bの内周縁に引っ掛かるという不都合の発生を防止することができ、ベント44の組付け性の容易化を図ることができる。
実施の形態で示す油圧式オートテンショナは上記の構成からなり、図1に示す補機駆動用ベルト7の張力調整に際しては、シリンダ11の閉塞端に設けられた連結片11aをプーリアーム9に連結し、かつ、ばね座18の連結片20をエンジンブロックに連結して、そのプーリアーム9に調整力を付与する。
ここで、モータ・ジェネレータによってエンジンおよび補機を駆動する場合は、図2に示すソレノイド38に通電し、一方、エンジンの駆動による通常走行時は、ソレノイド38に対する通電を遮断する。
いま、ソレノイド38に通電すると、弁体35が弁孔34を閉じる閉位置でバルブロッド36がロックされ、第2油通路26は閉鎖状態に保持される。
このため、モータ・ジェネレータによりエンジンが駆動されてベルト7の張力が増大し、そのベルト7からプーリアーム9を介してシリンダ11に押し上げ力が負荷されて圧力室15の圧力が上昇しても、第2油通路26は閉鎖状態にあり、また、チェックバルブ25は第1油通路24を閉鎖するため、圧力室15内の作動油は圧力室15内に封入される状態に保持され、その封入された作動油によってシリンダ11とロッド16が相対的に収縮する方向に移動するのが阻止され、テンションプーリ8は定位置に固定される。
このように、モータ・ジェネレータの駆動時にソレノイド38に通電することにより、テンションプーリ8を定位置に固定することができるため、ベルト7のスリップを防止し、安定したエンジンの始動を可能とすることができる。
モータ・ジェネレータによるエンジンの始動後において、エンジンの駆動による通常走行に際し、ソレノイド38に対する通電を遮断すると、バルブロッド36のロックが解除され、そのバルブロッド36を押圧するスプリング37によって弁体35は弁孔34を閉じる状態に保持されてチェック機能を発揮する。
バルブロッド36のロック解除状態において、補機の負荷変動等によってベルト7の張力が変化し、上記ベルト7の張力が弱くなると、リターンスプリング19の押圧によりシリンダ11とロッド14が伸張する方向に相対移動してベルト7の弛みが吸収される。
ここで、シリンダ11とロッド14が伸張する方向に相対移動するとき、圧力室15内の圧力はリザーバ室23内の圧力より低くなるため、チェックバルブ25が第1油通路24を開放する。このため、リザーバ室23内の作動油は第1油通路24から圧力室15内にスムーズに流れ、シリンダ11とロッド14は伸張する方向にスムーズに相対移動してベルト7の弛みを直ちに吸収する。
一方、ベルト7の張力が強くなると、ベルト7から油圧式オートテンショナのシリンダ11とロッド14を収縮させる方向の押込み力が負荷される。このとき、圧力室15内の圧力はリザーバ室23内の圧力より高くなるため、チェックバルブ25は第1油通路24を閉じる。
また、圧力室15内の作動油は絞り16から第2油通路26に流れてリザーバ室23内に流入し、上記絞り16内を流動する際の流動抵抗によって油圧ダンパ力が発生し、その油圧ダンパ力によって、油圧式オートテンショナAに負荷される上記押込み力が緩衝されると共に、シリンダ11とロッド14は、押込み力とリターンスプリング19の弾性力とが釣り合う位置まで収縮する方向にゆっくりと相対移動する。
ここで、油圧式オートテンショナAによって張力調整されるベルト7は、エンジンの始動時に大きな弛みが生じる。その際、油圧式オートテンショナAのシリンダ11とロッド14が伸張する方向に急速に相対移動してリザーバ室23の体積が増加し、逆に圧力が急激に低下する。
このとき、図2に示すように、ベント44に設けられたスリット47が開放し、外部の空気がリザーバ室23の空気溜まり23a内に流入し、その空気の流入によってリザーバ室23内の圧力は一定に保持されることになる。このため、ベローズ22に引張り力が負荷されるというようなことはなく、ベローズ22が外れるという不都合の発生はない。
また、上記ベルト7は、発動動作に切り換えられたモータ・ジェネレータによってエンジンおよび補機が駆動される時、張力が増大する。その際、油圧式オートテンショナAのシリンダ11とロッド14が収縮する方向に急速に相対移動してリザーバ室23の体積が減少し、逆に圧力が急激に高くなる。
このとき、図2に示すように、ベント44のスリット47が開放し、リザーバ室23の空気溜まり23aの空気は通気路42に流れて、開放状態のスリット47から外部に流出する。その空気の流出によってリザーバ室23内の圧力は一定に保持されることになる。
このように、リザーバ室23の体積減少による圧力上昇時にベント44のスリット47が開放し、空気溜まり23a内の空気が外部に流出して、リザーバ室23内の圧力が一定に保持されるため、ベローズ22が膨張して嵌合部に隙間が形成されるという不都合の発生はなく、作動油の噴き出しを確実に防止することができる。
ここで、リザーバ室23の圧力上昇によってベント44のスリット47が開放するまでの間、ベント44にはベント組込孔41から押し出される方向の押圧力が負荷されることになり、支持が不安定であると、ベント組込孔41から抜け出して脱落することになる。
しかし、ベント組込孔41の内径面には、係合溝51が形成され、その係合溝51の一側面51aの内周縁にベント44の円筒部45の外径面が係合しているため、ベント44に負荷される押圧力は一側面51aの内周縁と円筒部45の外径面の係合部によって受けられることになり、ベント44が抜け出るという不都合の発生はない。
油圧式オートテンショナAは横向きとした状態で保管される場合がある。このとき、リザーバ室23の作動油は通気路42からベント組込孔41に流れて溜まることになる。このとき、ベント組込孔41が、図2に示すように、ロッド14の軸心に対して直交する方向に延びていると、縦向きとする油圧式オートテンショナの取付け時にベント組込孔41に溜まる作動油をリザーバ室23にスムーズに戻すことができない。
そこで、図では省略したが、ベント組込孔41を開口端が閉塞端より上位に位置する傾斜状としておくと、油圧式オートテンショナの取付け時にベント組込孔41に溜まる作動油をリザーバ室にスムーズに戻すことができる。
図5(I)乃至(III)は、抜止め手段50の他の例を示す。図5(I)においては、ベント組込孔41の開口端における周囲部を加締めることによって内向きの加締め片52を形成し、その加締め片52によってベント44を抜止めしている。
図5(II)においては、ベント組込孔41の内径面に環状溝53を形成しその環状溝53に取付けた止め輪54によってベント44を抜止めしている。
図5(III)においては、ベント組込孔41の開口端部内にキャップ55を圧入し、そのキャップ55でベント44を抜止めしている。
この発明に係る油圧式オートテンショナが組込まれたベルト伝動装置の概略図 図1に示す油圧式オートテンショナの縦断正面図 図2のばね座部分を拡大して示す断面図 ベント組込部を拡大して示す断面図 (I)乃至(III)は、ベント抜止め手段の他の例を示す断面図 ベントの一部切欠斜視図
符号の説明
11 シリンダ
13 スリーブ
14 ロッド
15 圧力室
16 絞り
18 ばね座
19 リターンスプリング
22 ベローズ
23 リザーバ室
23a 空気溜まり
24 第1油通路
25 チェックバルブ
26 第2油通路
27 バルブ取付孔
30 ソレノイドバルブ
41 ベント組込孔
42 通気路
43 段部
44 ベント
45 円筒部
46 弁板
47 スリット
50 抜止め手段
51 係合溝
51b 側面
52 加締め片
54 止め輪
55 キャップ

Claims (9)

  1. 閉塞端を下部に有し、内部に作動油が充填されたシリンダ内に、その内底面から立ち上がるスリーブを設け、そのスリーブ内にロッドの下端部を摺動自在に挿入してスリーブ内に圧力室を形成し、前記ロッドの上部に設けられたばね座にリターンスプリングの弾性力を付与してシリンダとロッドを伸張する方向に付勢し、前記ばね座の外周とシリンダの上部外周に弾性を有する伸縮可能なベローズの両端部を嵌合してシリンダとスリーブ間に密閉されたリザーバ室を形成し、前記シリンダの底部には前記リザーバ室と圧力室を連通する第1油通路を設け、その第1油通路に圧力室の圧力がリザーバ室の圧力より高くなると第1油通路を閉じるチェックバルブを設け、前記ロッドに絞りを介して圧力室とリザーバ室を連通する第2油通路を設け、前記ばね座には、その外周面で開口するベント組込孔と、そのベント組込孔の閉塞端部とリザーバ室の作動油面上に形成された空気溜まりとを連通する通気路とを設け、前記ベント組込孔にゴム材料から成るベントを組込み、そのベントが、ベント組込孔に嵌合される円筒部と、その円筒部の一端を閉じる弁板を有し、その弁板にスリットが形成された構成とされ、前記リザーバ室内の圧力がベントの設定圧力より低下し、または、設定圧力を超えた際に前記スリットを開放させてリザーバ室と外部を連通させるようにした油圧式オートテンショナにおいて、
    前記ベント組込孔とベントの相互間に、ベントを抜止めする抜止め手段を設けたことを特徴とする油圧式オートテンショナ。
  2. 前記抜止め手段が、ベント組込孔の内径面に形成された環状の係合溝からなる請求項1に記載の油圧式オートテンショナ。
  3. 前記係合溝の対向する一対の側面のうち前記ベント組込孔の閉塞端側に位置する側面を、その内周縁が外周縁よりベント組込孔の閉塞端側に配置される傾斜面とした請求項2に記載の油圧式オートテンショナ。
  4. 前記抜止め手段が、ベント組込孔の開口端から内方に向く加締め片からなる請求項1に記載の油圧式オートテンショナ。
  5. 前記抜止め手段が、ベント組込孔の内径面に取付けられた止め輪からなる請求項1に記載の油圧式オートテンショナ。
  6. 前記抜止め手段が、ベント組込孔の開口端部内に圧入されたキャップからなる請求項1に記載の油圧式オートテンショナ。
  7. 前記ベント組込孔の内径面にベントの嵌合位置を規制する段部を設けた請求項1乃至6のいずれかの項に記載の油圧式オートテンショナ。
  8. 前記ベント組込孔を開口端が閉塞端より上位に位置する傾斜状とした請求項1乃至7のいずれかの項に記載の油圧式オートテンショナ。
  9. 前記ばね座に、その外周面で開口して前記第2油通路を長さ方向に分断するバルブ取付孔を形成し、そのバルブ取付孔に第2油通路の開閉を制御するソレノイドバルブを接続した請求項1乃至8のいずれかの項に記載の油圧式オートテンショナ。
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