JP5002212B2 - パーオキサイド架橋用組成物およびそれからなる成形品、耐燃料透過性シール材 - Google Patents

パーオキサイド架橋用組成物およびそれからなる成形品、耐燃料透過性シール材 Download PDF

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Description

本発明は優れた耐燃料透過性と優れたシール性を有する成形品を提供することができるパーオキサイド架橋用組成物に関する。また、該組成物を架橋して得られる成形品、耐燃料透過性シール材に関する。
フッ素ゴムは、耐燃料透過性、摺動性、耐熱性、耐薬品性、耐候性、電気的性質などの特性に優れ、自動車、産業機械、OA機器、電気電子機器等の幅広い分野で使用されている。
たとえば、自動車産業においては、エンジンならびに周辺装置、AT装置、燃料系統ならびに周辺装置などに封止剤等として使用されているが、近年の環境規制に伴い、SHED(Sealed Housing for Evaporative Determination)規制が強化されており、特に耐燃料透過性を有する燃料系ゴム材料の開発が望まれている。また、燃料系ゴム材料は、耐燃料透過性のほかに、シール性、加工性、耐油性、耐寒性などの諸特性も要求されており、フッ素ゴムでは耐寒性が不充分であり、一方、シリコーンゴムでは耐熱性、耐油性や耐燃料透過性が不充分であった。
この問題を解決するために、フッ素ゴムとシリコーンゴムとを複合化した複合材料が種々検討されている。これら2種のゴムはお互いに補完し合う特性を有することから、ブレンド、アロイなどでうまく複合化できれば新たな素材を提供することができる。しかし、このような非相溶性の異種材料のブレンドやアロイでは、相界面の接着性が問題になる。
このようなフッ素ゴムとシリコーンゴムの複合化材料としては、たとえば、フッ素ゴムとシリコーンゴムとを共架橋するために、ビニル基を含むシリコーンゴムとヨウ素含有フルオロエラストマーとをブレンドする方法(例えば、特許文献1参照)や、ビニル基を含むフルオロシリコーンゴムと臭素含有フルオロエラストマーとをブレンドする方法(例えば、特許文献2参照)が知られている。しかし、これらの方法で得られた複合化材料は、圧縮永久歪みは良いが引張強度は良くないという問題があった。
また、化粧料等に用いられることが一般的なシリコーンゴム架橋粒子をフッ素ゴムに配合することは公知であり、そのとき相溶性を向上させるためにシリコーン架橋粒子をフロロプロピル基やエポキシ基で変性する方法(例えば、特許文献3参照)も知られている。しかし、特許文献3においては、シリコーン架橋粒子の相溶性を向上させることを目的とするものであり、フッ素ゴムとシリコーン架橋粒子とを共架橋するものではない。また、引張強度は改善されても圧縮永久歪みに問題があった。
一方で、有機オニウム塩はポリオール架橋系フッ素ゴムに有用であり、当業者の間でよく知られている。例えば特許文献4では、フッ化ビニリデンを含むエラストマー共重合体および有機オニウム塩を含むフルオロエラストマー組成物が開示されている。しかし、特許文献4においては、有機オニウム塩は加硫促進剤として用いられているものであり、シリコーンゴムとのアロイやブレンド材料において有機オニウム塩を添加することについては検討されていない。
本発明の関連技術として、有機オニウム塩はフルオロポリマーと非フルオロポリマーとの接着・積層に用いられること(例えば、特許文献5、6参照)が知られている。しかし、これらの特許文献においては、有機オニウム塩によりフルオロポリマーを脱フッ酸し、ビスフェノールAFのような求核剤を反応させることにより接着している。したがってビスフェノールAFのような求核剤とCaOのような受酸剤とが実質的に必須成分である。さらに、これらの特許文献の接着性フルオロポリマー組成物は、ブレンド/アロイ材料として単独で用いられることはなく、圧縮永久ひずみのようなシール性も評価されていない。
特開昭55−50051号公報 特開昭56−501050号公報 特開平1−215847号公報 特開昭47−000191号公報 特表2002−524305号公報 欧州特許第1454740号明細書
本発明は優れた耐燃料透過性と優れたシール性を有する成形品を与えることができるパーオキサイド架橋用組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、(A)パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム、(B)シリコーンゴムまたはシリコーン生ゴム、および(C)オニウム塩を含むパーオキサイド架橋用組成物に関する。
(A)成分100重量部に対して、(B)成分が5〜200重量部、(C)成分が0.01〜15重量部であることが好ましい。
(B)成分のシリコーンゴムが、シリコーンゴム組成物を架橋したシリコーンゴム架橋粒子であることが好ましい。
(B)成分のシリコーンゴム架橋粒子が、ゴム中のケイ素原子に脂肪族不飽和結合含有基を有する粒子であることが好ましい。
(B)成分が、該ゴム中のケイ素原子にフッ素含有一価炭化水素基を有するゴムであることが好ましい。
(C)成分が、ホスホニウム塩であることが好ましい。
また、本発明は、前記パーオキサイド架橋用組成物をパーオキサイド架橋して得られる成形品、耐燃料透過性シール材に関する。
本発明では、オニウム塩を用いることにより、得られる成形品の引張強度のみならず圧縮永久ひずみのようなシール性を向上させることができる。
本発明は、(A)パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム、(B)シリコーン生ゴムまたはシリコーンゴム、および(C)オニウム塩を含むパーオキサイド架橋用組成物に関する。
本発明で用いる(A)成分のパーオキサイド架橋可能なフッ素ゴムとしては、非パーフルオロフッ素ゴム(a)およびパーフルオロフッ素ゴム(b)があげられる。なお、パーフルオロフッ素ゴムとは、その構成単位のうち、90モル%以上がパーフルオロモノマーからなるものをいう。
非パーフルオロフッ素ゴム(a)としては、ビニリデンフルオライド(以下、VdFとする)系フッ素ゴム、テトラフルオロエチレン(以下、TFEとする)/プロピレン系フッ素ゴム、TFE/プロピレン/VdF系フッ素ゴム、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン(以下、HFPとする)系フッ素ゴム、エチレン/HFP/VdF系フッ素ゴム、エチレン/HFP/TFE系フッ素ゴム、フルオロシリコーン系フッ素ゴム、またはフルオロホスファゼン系フッ素ゴムなどがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または本発明の効果を損なわない範囲で任意に組合わせて用いることができる。
VdF系フッ素ゴムとしては、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
−(M1)−(M2)−(N1)− (1)
(式中、構造単位M1はVdF(m1)由来の構造単位であり、構造単位M2は含フッ素エチレン性単量体(m2)由来の構造単位であり、構造単位N1は単量体(m1)および単量体(m2)と共重合可能な単量体(n1)由来の繰り返し単位である)
一般式(1)で示されるVdF系フッ素ゴムの中でも、構造単位M1を30〜85モル%、構造単位M2を55〜15モル%含むものが好ましく、より好ましくは構造単位M1を50〜80モル%、構造単位M2を50〜20モル%である。構造単位N1は、構造単位M1と構造単位M2の合計量に対して、0〜20モル%であることが好ましい。
含フッ素エチレン性単量体(m2)としては、1種または2種以上の単量体が利用でき、たとえばTFE、クロロトリフルオロエチレン(以下、CTFEとする)、トリフルオロエチレン、HFP、トリフルオロプロピレン、テトラフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下、PAVEとする)、フッ化ビニルなどの含フッ素単量体があげられるが、これらのなかでも、TFE、HFP、PAVEが好ましい。
単量体(n1)としては、単量体(m1)および単量体(m2)と共重合可能なものであれば、いかなるものでもよいが、たとえばエチレン、プロピレン、アルキルビニルエーテルなどがあげられる。
また、単量体(n1)としては、架橋部位を与える単量体が好ましい。
このような架橋部位を与える単量体としては、一般式(2):
CY1 2=CY1−Rf 1CHR11 (2)
(式中、Y1は、水素原子、フッ素原子または−CH3、Rf 1は、フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基、フルオロポリオキシアルキレン基またはパーフルオロポリオキシアルキレン基であり、該フルオロアルキレン基、パーフルオロアルキレン基には、エーテル結合性酸素原子を含んでいてもよく、R1は、水素原子または−CH3、X1は、ヨウ素原子または臭素原子)
で表されるヨウ素または臭素含有単量体、一般式(3):
CF2=CFO(CF2CF(CF3)O)m(CF2n−X2 (3)
(式中、mは、0〜5の整数、nは、1〜3の整数、X2は、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、臭素原子、ヨウ素原子)
で表される単量体、一般式(4):
CH2=CH(CF2pI (4)
(式中、pは1〜10の整数)
で表される単量体などがあげられ、たとえば特公平5−63482号公報、特開平7−316234号公報に記載されているようなパーフルオロ(6,6−ジヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)やパーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテン)などのヨウ素含有単量体、特開平4−217936号公報記載のCF2=CFOCF2CF2CH2Iなどのヨウ素含有単量体、特開昭61−55138号公報に記載されている4−ヨード−3,3,4,4−テトラフルオロ−1−ブテンなどのヨウ素含有単量体、特開平4−505341号公報に記載されている臭素含有単量体、特開平4−505345号公報、特開平5−500070号公報に記載されているようなシアノ基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、アルコキシカルボニル基含有単量体などがあげられる。これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。
このヨウ素原子、臭素原子、ビニル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が、架橋点として機能することができる。
このようなVdF系フッ素ゴムとして、具体的には、VdF/HFP系ゴム、VdF/HFP/TFE系ゴム、VdF/CTFE系ゴム、VdF/CTFE/TFE系ゴムなどが好ましくあげられる。
TFE/プロピレン系フッ素ゴムとしては、下記一般式(5)で表されるものが好ましい。
−(M3)−(M4)−(N2)− (5)
(式中、構造単位M3はTFE(m3)由来の構造単位であり、構造単位M4はプロピレン(m4)由来の構造単位であり、構造単位N2は単量体(m3)および単量体(m4)と共重合可能な単量体(n2)由来の繰り返し単位である)
一般式(5)で示されるTFE/プロピレン系フッ素ゴムの中でも、構造単位M3を40〜70モル%、構造単位M4を60〜30モル%含むものが好ましく、より好ましくは構造単位M3を50〜60モル%、構造単位M4を50〜40モル%含むものである。構造単位N2は、構造単位M3と構造単位M4の合計量に対して、0〜40モル%であることが好ましい。
単量体(n2)としては、単量体(m3)および単量体(m4)と共重合可能なものであればいかなるものでもよいが、架橋部位を与える単量体であることが好ましい。たとえば、VdF、エチレンなどがあげられる。
パーフルオロフッ素ゴム(b)としては、下記一般式(6)で表されるものが好ましい。
−(M5)−(M6)−(N3)− (6)
(式中、構造単位M5はTFE(m5)由来の構造単位であり、構造単位M6はPAVEやパーフルオロ(アルコキシビニルエーテル)(m6)由来の構造単位であり、構造単位N3は単量体(m5)および単量体(m6)と共重合可能な単量体(n3)由来の繰り返し単位である)
一般式(6)で示されるパーフルオロフッ素ゴム(b)の中でも、構造単位M5を50〜90モル%、構造単位M6を10〜50モル%含むものが好ましく、より好ましくは構造単位M5を50〜80モル%、構造単位M6を20〜50モル%含むものである。構造単位N3は、構造単位M5と構造単位M6の合計量に対して、0〜5モル%であることが好ましく、0〜2モル%であることがより好ましい。これらの組成の範囲を外れると、ゴム弾性体としての性質が失われ、樹脂に近い性質となる傾向がある。
PAVE(m6)としては、たとえばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)などがあげられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。
パーフルオロ(アルコキシビニルエーテル)(m6)としては、たとえば特開昭61−223007号公報記載の単量体を用いることができる。
また、単量体(n3)としては、単量体(m5)および単量体(m6)と共重合可能なものであればいかなるものでもよいが、架橋部位を与える単量体が好ましい。
このような架橋部位を与える単量体としては、たとえばVdFや前記同様のものをあげることができ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組合わせて用いることができる。
このヨウ素原子、臭素原子、ビニル基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が、架橋点として機能することができる。
かかるパーフルオロフッ素ゴム(b)の具体例としては、国際公開第97/24381号パンフレット、特公昭61−57324号公報、特公平4−81608号公報、特公平5−13961号公報などに記載されているフッ素ゴムなどがあげられる。
これらのなかでも、フッ素ゴムとしては、VdFと他の少なくとも1種のフッ素含有モノマーからなるフッ素ゴムであることが好ましく、VdF/HFP系フッ素ゴム、VdF/TFE/HFP系フッ素ゴム、およびVdF/TFE/PAVE系フッ素ゴムからなる群から選ばれる少なくとも1種のゴムであることが好ましい。
以上説明した非パーフルオロフッ素ゴム(a)およびパーフルオロフッ素ゴム(b)は、常法により製造することができるが、得られる重合体は分子量分布が狭く、分子量の制御が容易である点、末端にヨウ素原子を導入することができる点から、フッ素ゴムの製造法として公知のヨウ素移動重合法が好ましい。
本発明で用いる(B)成分はシリコーン生ゴムまたはシリコーンゴムであり、特に限定されない。このシリコーン生ゴムは、硬化剤により架橋してシリコーンゴムを形成することができる、ジオルガノシロキサン単位からなる直鎖状あるいは一部分岐を有する直鎖状の高重合度のポリマーである。このシリコーン生ゴムのJIS K 6249:2003「未硬化及び硬化シリコーンゴムの試験方法」で規定の平行板可塑度計(ウイリアムプラストメータ)による可塑度(25℃、4.2gの球状試料、3分後)の値が100〜200の範囲内であるような生ゴム状であることが好ましい。このシリコーン生ゴムのケイ素原子に結合する基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;およびこれらの基の水素原子の少なくとも一部が塩素原子、フッ素原子、シアノ基等で置換された、例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、シアノエチル基等の置換または非置換の一価炭化水素基;エチレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基等のアルキレン基;3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、4−オキシラニルブチル基等のエポキシ含有有機基;2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基等のアミノ含有有機基;3−メタクリロキシプロピル基、3−アクリロキシプロピル基等のアクリル含有有機基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;その他、水素原子、水酸基が例示される。特に、(A)成分との相溶性が良好であることから、シリコーン生ゴムのケイ素原子に結合する基としては、トリフロロプロピル基等のフッ素原子で置換の一価炭化水素基であることが好ましく、特に、一般式(7):
m2m+1−Cn2n− (7)
(式中、mは1〜20、好ましくは2〜10の整数であり、nは1〜10の整数である。)
で表される基、あるいは、一般式(8):
2−Cm2m−Cn2n− (8)
(式中、mは1〜20、好ましくは2〜10の整数であり、R2はアルキル基、アルケニル基、またはアリール基であり、nは1〜10の整数である。)
で表される基であることが好ましい。また、本発明で用いるパーオキサイド架橋剤、パーオキサイド架橋助剤による架橋反応が可能であることから、シリコーン生ゴム中のケイ素原子に結合する基は、前記のアルケニル基;前記のアクリル含有有機基等の脂肪族不飽和結合含有基が好ましい。
このようなシリコーン生ゴムとしては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン生ゴム、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルポリシロキサン生ゴム、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合体生ゴム、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフロロプロピル)シロキサン共重合体生ゴム、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフロロプロピル)シロキサン共重合体生ゴム、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフロロプロピル)シロキサン共重合体生ゴム、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフロロプロピル)シロキサン共重合体生ゴム、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体生ゴム、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体生ゴムが例示される。
このようなシリコーン生ゴムには、シリカ微粉末等の補強材、およびそれを分散させるためのシラン、低分子シロキサン等の助剤を含有してもよい。この補強材としては、煙霧
状シリカ微粉末、溶融シリカ微粉末、沈降性シリカ微粉末、煙霧状酸化チタン微粉末が例示され、特に、BET比表面積が少なくとも50m2/gである煙霧状シリカ微粉末であることが好ましい。また、助剤としては、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ビニルトリクロロシラン等のクロロシラン;ヘキサメチルジシラザン等のシラザン;分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルビニルシロキサンオリゴマー、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルフェニルシロキサンオリゴマー等のシロキサンオリゴマーが例示される。
一方、シリコーンゴムとしては、シリコーンゴム組成物を架橋したシリコーンゴム架橋粒子であることが好ましい。このシリコーンゴム架橋粒子の形状は特に限定されず、例えば、球状、不定形状があげられ、特に、(A)成分に均一に分散できることから、球状であることが好ましい。このシリコーンゴム架橋粒子のケイ素原子に結合する基は特に限定されず、具体的には、前記と同様の基が例示される。特に、本発明では、(A)成分が連続相を、また、シリコーンゴム架橋粒子が分散相を形成し、優れた燃料バリア性を有する硬化物を形成できることから、シリコーンゴム架橋粒子中のケイ素原子に結合する基は、前記のフッ素原子で置換の一価炭化水素基であることが好ましい。また、本発明で用いるパーオキサイド架橋剤、パーオキサイド架橋助剤による架橋反応が可能であることから、シリコーンゴム架橋粒子のゴム中のケイ素原子に結合する基は、前記のアルケニル基;前記のアクリル含有有機基等の脂肪族不飽和結合含有基が好ましく、特に、パーオキサイド架橋剤、パーオキサイド架橋助剤により(A)成分と共架橋反応しやすい点から、3−メタクリロキシプロピル基が好ましい。
このようなシリコーンゴム架橋粒子の平均粒子径は特に限定されないが、100μm以下であることが好ましく、0.01〜50μmであることがより好ましく、0.01〜20μmであることがさらに好ましく、0.1〜10μmであることが特に好ましい。これは平均粒子径が0.01μm未満である架橋粒子を製造することは困難な傾向があり、100μmを超えるとこれを配合してなるフッ素ゴムの機械的強度が低下する傾向があるからである。
このような架橋粒子を製造する方法としては、例えば、特開昭62−243621号公報または特開昭63−202658号公報に記載された方法に従って、液状シリコーンゴム組成物を水中に分散させた後、この組成物を硬化させる方法が好ましい。
この製造方法で用いられる液状シリコーンゴム組成物としては、例えば、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合ヒドロキシル基を有するオルガノポリシロキサン、一般式(9):
3 aSi(OR4)(4-a) (9)
(式中、R3はアルケニル基を除く置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、R4は炭素数4以下のアルキル基であり、aは0、1または2である。)
で表される有機ケイ素化合物もしくはその部分加水分解縮合物および/またはオルガノハイドロジェンポリシロキサン、縮合反応用触媒、および必要に応じてその他の架橋剤からなる縮合反応性組成物(以下、組成物(I)とする)、および一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、および付加反応用触媒からなる付加反応性組成物(以下、組成物(II)とする)があげられる。
特に、フッ素ゴムとの親和性の点から、組成物(I)を硬化した架橋粒子であることが好ましい。
以下に、組成物(I)および(II)について説明する。
組成物(I)において、オルガノポリシロキサンは主剤であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合ヒドロキシル基を有することを特徴とする。このヒドロキシル基の結合位置は限定されないが、反応性が良好である点から、分子鎖末端であることが好ましい。
ケイ素原子に結合するその他の基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;およびこれらの基の水素原子の少なくとも一部が塩素原子、フッ素原子、シアノ基等で置換された、例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、シアノエチル基等の非置換または置換の一価炭化水素基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基があげられ、これらの中でもメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基が好ましい。
オルガノポリシロキサンの分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状があげられ、特に、直鎖状であることが好ましい。
また、オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は特に限定されないが、実用的には5〜100,000mPa・sであることが好ましく、10〜10,000mPa・sであることがより好ましい。
次に、一般式(9)で表される有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物は、架橋剤成分である。
式中、R3はアルケニル基を除く非置換または置換の一価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;およびこれらの基の水素原子の少なくとも一部が塩素原子、フッ素原子、シアノ基等で置換された、例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、シアノエチル基があげられる。
式中、R4は炭素数4以下のアルキル基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基があげられる。これらの中でもR4としては、メチル基が好ましい。
式中、aは0、1または2であり、好ましくは、0または1である。
このような有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルポリシリケート、エチルポリシリケートがあげられる。
この有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物の配合量は、特に限定されないが、例えば、オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.1〜50重量部であることが好ましく、1〜40重量部であることがより好ましい。これは有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物の配合量が上記範囲の下限値未満であると、架橋が充分に進行しない傾向があり、一方、上記範囲の上限値を超えると、得られる架橋粒子の機械的強度が著しく低下する傾向があるからである。
また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤成分であり、ケイ素原子結合水素原子を有するものであれば特に限定されない。このケイ素原子結合水素原子の結合位置は限定されないが、分子鎖末端および/または分子鎖側鎖があげられる。ケイ素原子に結合するその他の基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;およびこれらの基の水素原子の少なくとも一部が塩素原子、フッ素原子、シアノ基等で置換された、例えば、クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基、シアノエチル基等のアルケニル基を除く非置換または置換の炭化水素基があげられ、これらの中でもメチル基、フェニル基、3,3,3−トリフロロプロピル基が好ましい。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状があげられ、特に、直鎖状であることが好ましい。
また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は特に限定されないが、実用的には1〜10,000mPa・sであることが好ましく、1〜1,000mPa・sであることがより好ましい。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体があげられる。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は特に限定されないが、例えば、オルガノポリシロキサン100重量部に対して1〜20重量部であることが好ましい。これはオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量が上記範囲の下限値未満であると、架橋が充分に進行しない傾向があり、一方、上記範囲の上限値を超えると、得られる架橋粒子の機械的強度が著しく低下する傾向があるからである。
縮合反応用触媒は、組成物(I)の硬化を促進するための触媒であり、例えば、ジ−n−ブチル錫ジアセテート、ジ−n−ブチル錫ジ−2−エチルヘキソエート、n−ブチル錫トリ−2−エチルヘキソエート、ジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジ−n−ブチル錫ジオクトエート、オクチル酸錫、オクテン酸錫、ラウリル酸錫、ナフテン酸錫、オレイン酸錫等の錫系触媒;テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、エチレングリコールチタネート等の有機チタン酸エステル化合物;ジイソプロポキシビス(アセチルアセトン)チタン、ジイソプロポキシビス(アセト酢酸エチル)チタン、ジイソプロポキシビス(アセト酢酸メチル)チタン、ジメトキシビス(アセト酢酸メチル)チタン、ジブトキシビス(アセト酢酸エチル)チタン、ナフテン酸チタン等のチタン系触媒;スタノオクテン酸第2鉄、オクテン酸鉛、ラウリン酸鉛、オウテン酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸鉄、ナフテン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オクテン酸鉄、オクテン酸鉛等の金属の有機酸塩系触媒;n−ヘキシルアミン、グアニジン等のアミン系触媒;塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金黒、白金担持のシリカ等の白金系触媒、あるいはこれらの縮合反応用触媒の2種類以上の混合物があげられる。
この縮合反応用触媒の配合量は特に限定されないが、オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.01〜20重量部であることが好ましく、0.01〜10重量部であることがより好ましい。
また、組成物(I)には、得られる架橋粒子に、アルケニル基、エポキシ含有有機基、アミノ含有有機基、アクリル含有有機基を導入するため、一般式(10):
53 bSi(OR4)(3-b) (10)
で表される有機ケイ素化合物またはその部分加水分解縮合物を配合してもよい。
式中、R3はアルケニル基を除く非置換または置換の一価炭化水素基であり、R4は炭素数4以下のアルキル基であり、それぞれ、前記同様のものがあげられる。
式中、R5はアルケニル基、エポキシ含有有機基、アミノ含有有機基、およびアクリル含有有機基からなる群から選択される基である。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基が例示され、エポキシ含有有機基としては、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、4−オキシラニルブチル基が例示され、アミノ含有有機基としては、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピル基が例示され、アクリル含有有機基としては、3−メタクリロキシプロピル基、3−アクリロキシプロピル基が例示される。これらの中でも、フッ素ゴムのパーオキサイド架橋反応において反応性を有することから、アルケニル基、アクリル含有有機基が好ましく、ビニル基、アリル基、ヘキセニル基、3−メタクリロキシプロピル基がより好ましい。
また、bは0または1である。
このような有機ケイ素化合物またはその部分加水分解物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、メチルビニルジメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、これらの有機ケイ素化合物の部分加水分解縮合物、あるいはこれらの2種以上の混合物があげられる。
この有機ケイ素化合物もしくはその部分加水分解物の配合量は特に限定されないが、オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.05〜50重量部であることが好ましく、0.05〜15重量部であることがより好ましい。これはこの有機ケイ素化合物もしくはその部分加水分解物の配合量が上記範囲の下限値未満であると、得られる架橋粒子のフッ素ゴムに対する反応性が期待できないからであり、一方、上記範囲の上限値を超えると、得られる架橋粒子の機械的強度が著しく低下する傾向があるからである。
次に、組成物(II)について説明する。
組成物(II)において、オルガノポリシロキサンは主剤であり、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有することを特徴とする。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基があげられ、ビニル基であることが好ましい。
また、ケイ素原子に結合するその他の基としては、非置換または置換の炭化水素基、エポキシ含有有機基、アミノ含有有機基、アクリル含有有機基があげられる。これらの基の具体例としては、前記架橋粒子を構成するシロキサン単位中のケイ素原子に結合するその他の基として記載されたものをあげることができる。これらの中でも、メチル基、フェニル基が好ましい。
オルガノポリシロキサンの分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状があげられ、直鎖状であることが好ましい。
オルガノポリシロキサンの25℃における粘度は限定されないが、実用的には5〜100,000mPa・sであることが好ましく、20〜10,000mPa・sであることがより好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは架橋剤であり、一分子中に少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有することを特徴とする。また、ケイ素原子に結合するその他の基としては、前記と同様の非置換または置換の炭化水素基があげられ、その中でも、メチル基、フェニル基が好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造としては、例えば、直鎖状、環状、網状、一部分岐を有する直鎖状、分岐鎖状があげられ、直鎖状であることが好ましい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は限定されないが、実用的には1〜10,000mPa・sであることが好ましく、1〜1,000mPa・sであることがより好ましい。
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は特に限定されないが、オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.05〜50重量部であることが好ましく、0.05〜15重量部であることがより好ましい。これは、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量が上記範囲の下限値未満であると、架橋粒子を得ることが困難となる傾向があり、一方、上記範囲の上限値を超えると、得られる架橋粒子の機械的強度が著しく低下する傾向がある。
付加反応用触媒は、組成物(II)の硬化を促進するための触媒であり、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金黒、白金担持のシリカ等の白金系触媒があげられる。
この付加反応用触媒の配合量は特に特に限定されないが、たとえば、オルガノポリシロキサンに対して、触媒中の触媒金属の重量換算で、0.01〜500ppmであることが好ましく、0.1〜100ppmであることがより好ましい。
本発明で用いるシリコーンゴム架橋粒子は、これらの液状シリコーンゴム組成物を水中に分散させて硬化させることにより得られる。この組成物を水中に分散させて安定な粒状物を形成するために界面活性剤を使用することが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエステル、ポリオキシアルキレンソルビタンエステル、ジエチレングリコールトリメチルノナノールのエチレンオキサイド付加物等のノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアニオン系界面活性剤;オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、デシルジメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ヤシ油トリメチルアンモニウムヒドロキシド等のカチオン系界面活性剤、あるいはこれらの界面活性剤の2種類以上の混合物があげられる。
また、これらの液状シリコーンゴム組成物を水中に分散させて、平均粒子径が小さい架橋粒子を形成するため、例えば、コロイドミル、ホモゲナイザー、プロペラ式攪拌装置、コンビミックス、超音波攪拌装置等の従来公知の乳化機を用いることができる。
次いで、水中に分散している液状シリコーンゴム組成物の粒状物を硬化させることにより、シリコーンゴム架橋粒子を形成するため、この水分散液を室温下で放置するか、あるいは加熱する方法があげられるが、これらの条件は、通常用いられる条件を採用することができる。
この架橋粒子を水分散液から分離する方法としては、例えば、オーブン中で乾燥する方法、冷風、温風ないしは熱風で乾燥する方法、減圧下で乾燥する方法、さらには、アルコール等の揮発性有機溶剤を添加して、水を置換した後、前記の方法により乾燥する方法があげられる。これらの条件は、通常用いられる条件を採用することができる。
(B)成分の添加量は、(A)成分100重量部に対して5〜200重量部であることが好ましく、30〜180重量部であることがより好ましく、70〜160重量部であることがさらに好ましい。これは(B)成分の添加量が上記範囲の下限値未満であると得られる硬化物の耐寒性の改良が不充分であり、一方、上記範囲の上限値を超えると得られる硬化物の耐燃料透過性や力学特性が極端に低下する傾向があるからである。
本発明においては、(C)成分のオニウム塩を用いることにより、得られる成形品の引張強度のみならず圧縮永久ひずみのようなシール性を向上することができる。その理由は、オニウム塩を用いることにより、非相溶性のフッ素ゴムとシリコーンゴムとの相界面の接着性が促進されるため、または、フッ素ゴムとシリコーンゴムとの間で共架橋がおきるためと考えられる。
本発明で用いるオニウム塩としては、特に限定されず、たとえば、第4級アンモニウム塩等のアンモニウム化合物、第4級ホスホニウム塩等のホスホニウム化合物、アルソニウム化合物、スチボニウム化合物、オキソニウム化合物、スルホニウム化合物、セレノニウム化合物、スタンノニウム化合物、ヨードニウム化合物、環状アミン、1官能性アミン化合物などがあげられる。
第4級アンモニウム塩としては特に限定されず、たとえば、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムアイオダイド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムメチルスルフェート、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−プロピル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムブロミド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ドデシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−エイコシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−テトラコシル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド(以下、DBU−Bとする)、8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムハイドロキサイド、8−フェネチル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド、8−(3−フェニルプロピル)−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライドなどがあげられる。
また、第4級ホスホニウム塩としては特に限定されず、たとえば、テトラブチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(以下、BTPPCとする)、テトラフェニルホスホニウムクロリド(TPPC)、ベンジルトリメチルホスホニウムクロライド、ベンジルトリブチルホスホニウムクロライド、トリブチルアリルホスホニウムクロライド、トリブチル−2−メトキシプロピルホスホニウムクロライド、ベンジルフェニル(ジメチルアミノ)ホスホニウムクロライドなどをあげることができる。
これらのオニウム塩の中でもほとんどの無機塩基の存在下で比較的安定しており、吸湿性が比較的低く、架橋時のゴム成形品の着色が少ない点からホスホニウム塩が好ましい。さらに、フッ素ゴム/シリコーンゴムアロイの耐熱性の点から、BTPPCが好ましい。
(C)成分の添加量としては、(A)成分100重量部に対して0.01〜15重量部であることが好ましく、0.05〜5重量部であることがより好ましく、0.1〜1重量部であることがさらに好ましい。これは(B)成分の添加量が上記範囲の下限値未満であると架橋促進効果が充分に得られない傾向があり、一方、上記範囲の上限値を超えると得られる硬化物の力学特性が悪化したり、耐熱性が悪化する傾向があるからである。
本発明で用いるパーオキサイド架橋剤としては、通常用いられるものであればよく、特に限定されるものではない。
パーオキサイド架橋剤としては、一般には、熱や酸化還元系の存在で容易にパーオキシラジカルを発生するものがよい。具体的には、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)へキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)へキサン、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどをあげることができる。これらの中でも、好ましいものは、ジアルキルタイプのものである。一般に、活性−O−O−の量、分解温度などを考慮して、パーオキサイドの種類ならびに使用量が選択される。
また、必要に応じて架橋助剤を用いることができ、架橋助剤としては、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアクリルホルマール、トリアリルトリメリテート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ジプロパギルテレフタレート、ジアリルフタレート、テトラアリルテレフタールアミド、トリアリルホスフェートなどがあげられる。これらの中でも、架橋性、架橋物の物性の点から、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。
パーオキサイド架橋剤の配合量としては、(A)成分100重量部に対して0.05〜10重量部であることが好ましく、1.0〜5重量部であることがより好ましい。これは架橋剤の配合量が上記範囲の下限値未満であると、フッ素ゴムの架橋が充分に進行せず、得られる成形品の耐燃料透過性が低下する傾向があり、一方、上記範囲の上限値をこえると、得られる成形品の硬度が高くなりすぎる傾向があるからである。
架橋助剤の配合量としては、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部であることが好ましく、0.5〜5重量部であることがより好ましい。これは架橋助剤の配合量が上記範囲の下限値未満であると、フッ素ゴムの架橋が充分に進行せず、得られる成形品の耐燃料透過性が低下する傾向があり、一方、上記範囲の上限値をこえると成形加工性が低下する傾向があるからである。
また、架橋剤、架橋助剤とともに、必要に応じて通常の添加物、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、シリカ、石英、アルミナ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の充填剤;加工助剤、可塑剤、着色剤、酸化防止剤、老化防止剤、オゾン劣化剤、紫外線吸収剤などを配合することができ、前記のものとは異なる常用の架橋剤や架橋助剤を1種またはそれ以上配合してもよく、各成分を、通常のエラストマー用加工機械、たとえば、オープンロール、バンバリーミキサー、ニーダーなどを用いて混合することにより調製することができる。このようにして得られたパーオキサイド架橋用組成物は常法に従って架橋、成形される。すなわち、圧縮成形、射出成形、押し出し成形、カレンダー成形または溶剤に溶かしてディップ成形、コーティング等により成形される。
架橋条件は、成形方法や成形品の形状により異なるが、おおむね、100℃〜300℃で数秒〜5時間の範囲である。また、架橋物の物性を安定化させるために二次架橋を行ってもよい。二次架橋条件としては、150℃〜300℃で30分〜48時間程度である。
なお、本発明のパーオキサイド架橋用組成物から形成される成形品は、フッ素ゴムが連続相を形成し、シリコーンゴムが分散相を形成することが、優れた燃料バリア性を実現できる点から好ましい。
また、本発明の成形品は、その好ましい形態であるフッ素ゴムが連続相を形成し、かつシリコーンゴムが分散相を形成する構造の一部に、フッ素ゴムとシリコーンゴムとの共連続構造を含んでいても良い。
さらに、本発明は、本発明のパーオキサイド架橋用組成物をパーオキサイド架橋して得られる成形品および耐燃料透過性シール材に関するものであるが、該成形品としては、シートまたはフィルムの成形体を包含し、また本発明のパーオキサイド架橋用組成物から形成される層および他の材料から形成される層を有する積層構造体を包含するものである。
本発明のパーオキサイド架橋用組成物から形成される少なくとも1つの層と他の材料から形成される少なくとも1つの層との積層構造体において、該他の材料は、要求される特性、予定される用途などに応じて適切なものを選択すればよい。該他の材料としては、例えば、ポリオレフィン(例:高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリプロピレン等)、ナイロン、ポリエステル、塩化ビニル樹脂(PVC)、塩化ビニリデン樹脂(PVDC)などの熱可塑性重合体、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴムなどの架橋ゴム、金属、ガラス、木材、セラミックなどをあげることができる。
該積層構造を有する成形品においては、本発明のパーオキサイド架橋用組成物から形成される層と他の材料から形成される基材層との間に接着剤層を介在させてもよい。接着剤層を介在させることによって、本発明のパーオキサイド架橋用組成物から形成される層と他の材料から形成される基材層とを強固に接合一体化させることができる。接着剤層において使用される接着剤としては、ジエン系重合体の酸無水物変性物;ポリオレフィンの酸無水物変性物;高分子ポリオール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール化合物とアジピン酸等の二塩基酸とを重縮合して得られるポリエステルポリオール;酢酸ビニルと塩化ビニルとの共重合体の部分ケン化物など)とポリイソシアネート化合物(例えば、1,6−ヘキサメチレングリコール等のグリコール化合物と2,4−トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物とのモル比1対2の反応生成物;トリメチロールプロパン等のトリオール化合物と2,4−トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物とのモル比1対3の反応生成物など)との混合物;等を使用することができる。なお、積層構造形成のためには、共押出、共射出、押出コーティング等の公知の方法を使用することもできる。
本発明のパーオキサイド架橋用組成物、および該組成物を用いた成形品および耐燃料透過性シール材は、例えば、半導体製造装置、液晶パネル製造装置、プラズマパネル製造装置、プラズマアドレス液晶パネル、フィールドエミッションディスプレイパネル、太陽電池基板等の半導体関連分野;自動車分野;航空機分野;ロケット分野;船舶分野;プラント等の化学品分野;医薬品等の薬品分野;現像機等の写真分野;印刷機械等の印刷分野;塗装設備等の塗装分野;分析・理化学機分野;食品プラント機器分野;原子力プラント機器分野;鉄板加工設備等の鉄鋼分野;一般工業分野;電気分野;燃料電池分野などの分野で好適に用いることができるが、これらのなかでも自動車分野でより好適に用いることができる。
自動車分野では、ガスケット、シャフトシール、バルブステムシール、シール材およびホースはエンジンならびに周辺装置に用いることができ、ホースおよびシール材はAT装置に用いることができ、O(角)リング、チューブ、パッキン、バルブ芯材、ホース、シール材およびダイアフラムは燃料系統ならびに周辺装置に用いることができる。具体的には、エンジンヘッドガスケット、メタルガスケット、オイルパンガスケット、クランクシャフトシール、カムシャフトシール、バルブステムシール、マニホールドパッキン、オイルホース、酸素センサー用シール、ATFホース、インジェクターOリング、インジェクターパッキン、燃料ポンプOリング、ダイアフラム、燃料ホース、クランクシャフトシール、ギアボックスシール、パワーピストンパッキン、シリンダーライナーのシール、バルブステムのシール、自動変速機のフロントポンプシール、リアーアクスルピニオンシール、ユニバーサルジョイントのガスケット、スピードメーターのピニオンシール、フートブレーキのピストンカップ、トルク伝達のO−リング、オイルシール、排ガス再燃焼装置のシール、ベアリングシール、EGRチューブ、ツインキャブチューブ、キャブレターのセンサー用ダイアフラム、防振ゴム(エンジンマウント、排気部等)、再燃焼装置用ホース、酸素センサーブッシュ等として用いることができる。
本発明の成形品は上述の各種用途に好適に用いることができ、特に燃料周辺部品として好適である。
つぎに実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。なお、得られた架橋成形品の各種ゴム物性は以下の方法で試験した。
<引張試験>
JIS K 6251に準拠し、切断時引張応力(TSb)と切断時伸び(Eb)を求めた。試験片はダンベル状4号形を用いた。
<硬さ>
JIS K 6253に準拠し、タイプAデュロメータ硬さ(HA)を求めた。
<圧縮永久歪み>
JIS K 6262に準拠し、圧縮ひずみ25%、試験温度150℃(または175℃、200℃)、試験時間70時間の条件で求めた。試験片はリング状(P24)のものを用いた。また、圧縮永久歪み試験(70h、150℃)に使用した試料片を観察し、加熱後の着色の有無を判定した。
<耐寒性>
JIS K 6261に準拠し、低温弾性回復試験(TR試験)により評価した。収縮率が10%になる温度(TR10)で表した。
<燃料透過性>
ASTM E 96を参考にして、透過カップによる重量法で求めた。燃料油としてはCE10(イソオクタン45vol%、トルエン45vol%、エタノール10 vol%)を用い、40℃にて測定した。燃料透過性(g・mm/m2・day)は、透過速度が定常状態になった後、次式により、試料厚さと面積で換算して計算した。
Figure 0005002212
実施例および比較例で用いた材料について下記に示す。
<フッ素ゴム>
内容積3LのSUS316製オートクレーブに、純水1.0Lおよび乳化剤としてC715COONH4 2.0g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム12水塩 0.09gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換した後、600rpmで攪拌しながら、80℃に昇温し、VdF/TFE/パーフルオロ(メチルビニルエーテル)(以下、PMVEという)のモノマー混合物(モル比70/5/25)を内圧が1.57MPaになるように圧入した。次いで、過硫酸アンモニウム(以下、APSという)の5mg/mL水溶液4mLを窒素圧で圧入して反応を開始した。
重合反応の進行に伴って圧力が低下するので、1.47MPaまで低下した時点で、ジヨウ素化合物であるI(CF2)4I 1.2gを圧入し、次いでI(CF2)4I 1.2gをモノマー混合物(モル比75/7/18)で1.57MPaまで再加圧し、昇圧降圧を繰り返しつつ、3時間毎に上記APS水溶液各2mLを窒素ガスで圧入して反応を継続した。
重合反応の開始から圧力降下の合計が2.55MPaになった時点(5時間後)で、ヨウ素含有フッ素化ビニルエーテルICH2CF2CF2OCF=CF2(以下、IMという)1.8gを圧入した。同じく圧力降下の合計が5.10MPaになった時点(5時間後)で、オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出して固形分濃度29.9重量%の水性乳濁液を得た。
この水性乳濁液に、5重量%のカリミョウバン水溶液を添加して凝析を行い、凝析物を水洗、乾燥してゴム状重合体400gを得た。この重合体のムーニー粘度(ML1+10(100℃))は73であった。19F−NMR分析の結果、この重合体のモノマー単位組成は、VdF/TFE/PMVE/IM=73.9/7.0/19.0/0.1(モル%)であることがわかった。
<オニウム塩>
8−ベンジル−1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセニウムクロライド(DBU−B)
ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド(BTPPC)
テトラフェニルホスホニウムクロリド(TPPC)
<架橋剤>
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(パーヘキサ25B)
<共架橋剤(架橋助剤)>
トリアリルイソシアヌレート(TAIC)
<シリコーンゴム(生ゴム)(SR1)>
東レ・ダウコーニング株式会社製のSE1185U(JIS K 6249:2003「未硬化及び硬化シリコーンゴムの試験方法」で規定の平行板可塑度計(ウイリアムプラストメータ)による可塑度(25℃、4.2gの球状試料、3分後)の値が158である分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重合生ゴムとBET比表面積が200m2/gである煙霧状シリカ微粉末からなるコンパウンド)
<シリコーンゴム架橋物粒子>
合成例1(球状のシリコーンゴム粉末(SR2)の調製)
平均式:HO[(CH3)2SiO]45Hで示されるジメチルポリシロキサン86.4重量部、平均式:(CH3)3SiO[(CH3)HSiO]40Si(CH3)3である分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン9.1重量部および3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン4.3重量部を均一に混合した。次に、この混合物をポリオキシエチレンラウリルエーテル5重量部と純水100重量部からなる水溶液中に分散し、さらにコロイドミルにより均一に乳化した後、純水158重量部を加えて希釈して縮合反応架橋性シリコーン組成物のエマルジョンを調製した。
次に、このエマルジョンに、オクチル酸錫(II)1重量部をポリオキシエチレンラウリルエーテル1重量部と純水9重量部からなる水溶液中に分散することにより調製した縮合反応用触媒を混合して、1日間静置した後、300℃の熱風乾燥機により水分を除去して球状のシリコーンゴム粉末(SR2)(平均粒子径:2.0μm)を調製した。
合成例2(球状のシリコーンゴム粉末(SR3)の調製)
平均式:HO[(CH3)2SiO]45Hで示されるジメチルポリシロキサン88.0重量部、平均式:(CH3)3SiO[(CH3)HSiO]40Si(CH3)3である分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン9.3重量部およびビニルトリメトキシシラン2.7重量部を均一に混合した。次に、この混合物をポリオキシエチレンラウリルエーテル5重量部と純水100重量部からなる水溶液中に分散し、さらにコロイドミルにより均一に乳化した後、純水200重量部を加えて希釈して縮合反応架橋性シリコーン組成物のエマルジョンを調製した。
次に、このエマルジョンに、オクチル酸錫(II)1重量部をポリオキシエチレンラウリルエーテル1重量部と純水9重量部からなる水溶液中に分散することにより調製した縮合反応用触媒を混合して、1日間静置した後、300℃の熱風乾燥機により水分を除去して球状のシリコーンゴム粉末(SR3)(平均粒子径:2.0μm)を調製した。
合成例3(球状のシリコーンゴム粉末(SR4)の調製)
平均式:HO[(CH3)2SiO]45Hで示されるジメチルポリシロキサン86.4重量部、平均式:(CH3)3SiO[(CH3)HSiO]40Si(CH3)3である分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン9.1重量部および3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4.5重量部を均一に混合した。次に、この混合物をポリオキシエチレンラウリルエーテル5重量部と純水100重量部からなる水溶液中に分散し、さらにコロイドミルにより均一に乳化した後、純水200重量部を加えて希釈して縮合反応架橋性シリコーン組成物のエマルジョンを調製した。
次に、このエマルジョンに、オクチル酸錫(II)1重量部をポリオキシエチレンラウリルエーテル1重量部と純水9重量部からなる水溶液中に分散することにより調製した縮合反応用触媒を混合して、1日間静置した後、300℃の熱風乾燥機により水分を除去して球状のシリコーンゴム粉末(SR4)(平均粒子径:1.5μm)を調製した。
合成例4(球状のシリコーンゴム粉末(SR5)の調製)
平均式:HO(Si(CH3)(CH2CH2CF3)O)3.6Hで示されるメチル(3,3,3−トリフロロプロピル)ポリシロキサン75.5重量部、テトラエトキシシランを部分加水分解縮合反応してなる、平均構造式:(C25O)12Si54で示されるエチルポリシリケート20.0重量部、および3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン4.5重量部を均一に混合した。次に、この混合物をポリオキシエチレンラウリルエーテル5重量部と純水30重量部からなる水溶液中に分散し、さらにコロイドミルにより均一に乳化した後、純水158重量部を加えて希釈して縮合反応架橋性シリコーン組成物のエマルジョンを調製した。
次に、このエマルジョンに、オクチル酸錫(II)1重量部をポリオキシエチレンラウリルエーテル1重量部と純水9重量部からなる水溶液中に分散することにより調製した縮合反応用触媒を混合して、1日間静置した後、300℃の熱風乾燥機により水分を除去して球状のフルオロシリコーンゴム粒子(SR5)(平均粒子径:3.7μm)を調製した。
実施例1
フッ素ゴム100重量部、シリコーン生ゴムSR1 43重量部、TPPC 0.4重量部、TAIC 5.7重量部およびパーヘキサ25B 2.1重量部を、2本ロールを用いて混練した。ついで、得られたコンパウンドを真空引き下で160℃、10分間プレス架橋し、さらに180℃、4時間オーブン架橋して架橋成形品を得た。この架橋成形品を用いて各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表1に示す。
比較例1
TPPCを用いなかった以外は実施例1と同様にして混練、架橋し、架橋成形品を得た。この架橋成形品を用いて各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表1に示す。
Figure 0005002212
実施例2〜実施例5
フッ素ゴム100重量部、架橋済みシリコーンゴム微粒子SR2 43重量部、TAIC 4.0重量部およびパーヘキサ25B 1.5重量部は固定とし、さらに、ホスホニウム塩と塩基性フィラーを表2に示したような割合で配合し、前述と同様に混練、架橋し、各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表2に示す。
比較例2
TPPCを用いなかった以外は実施例2と同様にして混練、架橋し、架橋成形品を得た。この架橋成形品を用いて各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表2に示す。
Figure 0005002212
実施例6〜実施例8
フッ素ゴム100重量部、TAIC 4.0重量部、パーヘキサ25B 1.5重量部およびBTPPC0.4重量部は固定とし、架橋済みシリコーンゴム微粒子SR2を表3に示したような割合で配合し、前述と同様に混練、架橋し、各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表3に示す。
比較例3
フッ素ゴム100重量部、BTPPC0.4重量部、TAIC 4.0重量部およびパーヘキサ25B 1.5重量部を前述と同様にして混練、架橋し、架橋成形品を得た。この架橋成形品を用いて各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表3に示す。
Figure 0005002212
実施例9
フッ素ゴム100重量部、架橋済みシリコーンゴム微粒子SR3 43重量部、TPPC 0.4重量部、TAIC 4.0重量部およびパーヘキサ25B 1.5重量部を、前述と同様に混練、架橋し、各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表4に示す。
比較例4
TPPCを用いなかった以外は実施例9と同様にして混練、架橋し、架橋成形品を得た。この架橋成形品を用いて各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表4に示す。
Figure 0005002212
実施例10〜実施例13
フッ素ゴム100重量部、架橋済みシリコーンゴム微粒子SR4 43重量部、TAIC 4.0重量部およびパーヘキサ25B 1.5重量部は固定とし、さらに、オニウム塩を表4に示したような割合で配合し、前述と同様に混練、架橋し、各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表5に示す。
比較例5
TPPCを用いなかった以外は実施例10と同様にして混練、架橋し、架橋成形品を得た。この架橋成形品を用いて各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表5に示す。
Figure 0005002212
実施例14
フッ素ゴム 100重量部、架橋済みシリコーンゴム微粒子SR5 49重量部、BTPPC 0.5重量部、TAIC 4.0重量部およびパーヘキサ25B 1.5重量部を、前述と同様に混練、架橋し、各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表6に示す。
比較例6
BTPPCを用いなかった以外は実施例14と同様にして混練、架橋し、各種ゴム物性の試験をおこなった。試験結果を表6に示す。
Figure 0005002212

Claims (6)

  1. (A)パーオキサイド架橋可能なフッ素ゴム、(B)シリコーン生ゴムまたはシリコーンゴム組成物を架橋したシリコーンゴム架橋粒子であるシリコーンゴム、および(C)ホスホニウム塩を含むパーオキサイド架橋用組成物。
  2. (A)成分100重量部に対して、(B)成分が5〜200重量部、(C)成分が0.01〜15重量部である請求項1記載のパーオキサイド架橋用組成物。
  3. (B)成分のシリコーンゴム架橋粒子が、ゴム中のケイ素原子に脂肪族不飽和結合含有基を有する粒子である請求項1または2記載のパーオキサイド架橋用組成物。
  4. (B)成分が、該ゴム中のケイ素原子にフッ素含有一価炭化水素基を有する請求項1〜のいずれかに記載のパーオキサイド架橋用組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のパーオキサイド架橋用組成物をパーオキサイド架橋して得られる成形品。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載のパーオキサイド架橋用組成物をパーオキサイド架橋して得られる耐燃料透過性シール材。
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