JP5083489B2 - フッ素ゴム/シリコーンゴム混合ゴム組成物及びそれを硬化させて得られるゴム成型品 - Google Patents

フッ素ゴム/シリコーンゴム混合ゴム組成物及びそれを硬化させて得られるゴム成型品 Download PDF

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Description

本発明は耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性、低温特性が良好なパーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム未硬化組成物と圧縮永久歪、加工性が良好なシリコーンゴム組成物とをブレンドして得られるゴム組成物及びこれを硬化させて得られるゴム成型品に関する。
従来のフッ化ビニリデン系フッ素ゴムは、耐熱性、耐薬品性、機械的強度などに優れたエラストマーなので、自動車及び機械産業を中心に広い分野で工業的に使用されている。
しかしながら、その耐薬品性は不十分であり、ケトン系、低級アルコール系、カルボニル系、有機酸系などの極性溶剤には容易に膨潤してしまい、アミンを含む薬品には劣化してゴム強度や伸びが極端に低下してしまうという欠点を有している。また、低温特性においても、−20℃以下ではゴム弾性を失ってしまい、シール材として使用できなくなってしまうため、寒冷地での使用には限界があるのが一般的である。
そこで、それらの欠点を改善するために、パーフルオロ化合物と含フッ素オルガノ水素ポリシロキサンとを主成分とする液状もしくはミラブルタイプの含フッ素硬化性組成物が提案されている(特許文献1〜4:特許第2990646号(特開平8−199070号)公報、特開2000−007835号公報、特開2001−106893号公報、特開2003−201401号公報参照)。
しかしながら、これらの含フッ素硬化性組成物は、異種の安価なゴムとのブレンドも困難であるためにその成型品は一般的に高価であり、使用用途は限定されてしまう。
更に、ゴム物性や加工性に関しては、他種ゴムが優れた特性を有する場合がある。具体的にシリコーンゴムと比較すると、ゴム強度、伸び、圧縮永久歪、ロール作業性、金型離型性などの点ではシリコーンゴムに及ばない。
従って、前述の含フッ素硬化性組成物とシリコーンゴム組成物の特性を併せ持つ組成物としてこれら2種類の組成物をブレンドすることが考えられるが、両者に相溶性がないために、得られる組成物は物性の低下があったり、ブレンドしたポリマー間に相互作用がないために層間剥離現象が発生して、実用性のないゴムになってしまう。
特許第2990646号(特開平8−199070号)公報 特開2000−007835号公報 特開2001−106893号公報 特開2003−201401号公報
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物とシリコーンゴム組成物との両者の特性を兼ね備え、しかも層間剥離のないゴム組成物、及びこのゴム組成物を成形、硬化してなるゴム成型品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、架橋サイトがSi−CH=CH2であるパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物と同じ架橋システムのシリコーンゴム組成物を混合して得られるゴム組成物及びこれを成形、硬化させて得られるゴム成型品は、極端な特性の低下がなく、また層間剥離することのない特性であることを見出して、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物とシリコーンゴム組成物を混合して得られるゴム組成物、及びこれを成形、硬化させて得られるゴム成型品を提供する。
請求項1:
(a)パーオキサイド架橋剤を含有し、架橋サイトがSi−CH=CH2であるパーオキサイド架橋タイプのパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物と、パーオキサイド架橋剤を含有し、この含フッ素ゴム組成物と同じパーオキサイド架橋タイプの(b)シリコーンゴム組成物とを混合して得られるゴム組成物。
請求項2:
含フッ素ゴム組成物(a)とシリコーンゴム組成物(b)との混合割合が、体積比として(a):(b)=95:5〜5:95であることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
請求項3:
上記(a)のパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物が、
(A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に二価のパーフルオロアルキレン構造又は二価のパーフルオロポリエーテル構造を有するパーフルオロ化合物の前記アルケニル基の一部に、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有するアルケニル基と付加反応可能な化合物が付加してなるポリマー、
(B)補強性フィラー、及び
(C)パーオキサイド架橋剤を前記(A)成分を硬化させるのに十分な量を含有してなる架橋性フッ素ゴム組成物であることを特徴とする請求項1又は2記載のゴム組成物。
請求項4:
上記のシリコーンゴム組成物が、
(D)下記平均組成式(I)
(R11xSiO(4-x)/2 (I)
(式中、R11は非置換又は置換の一価炭化水素基であり、xは1.95<x<2.05を満たす数である。)
で表されるジオルガノポリシロキサンであって、該ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全R11中、0.01〜15モル%が一価の脂肪族不飽和炭化水素基であるもの、
(E)補強性フィラー、及び
(F)パーオキサイド架橋剤
を含有してなるシリコーンゴム組成物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のゴム組成物。
請求項5:
請求項1乃至4のいずれか1項記載のゴム組成物を成形、硬化してなるものであることを特徴とするゴム成型品。
請求項6:
成型品がシール材、O−リング、ダイヤフラム、ホース、キャップ、又はバルブ材である請求項5記載のゴム成型品。
本発明の組成物は、パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム組成物とシリコーンゴム組成物の特性を併せ持つものであり、硬化させて得られる成型品は層間剥離することがないものとなるので、両方の特性を併せ持つ安定した加工品となることから、その工業的な利用価値は大きい。
以下、本発明につき更に詳述する。
本発明に使用される(a)架橋サイトがSi−CH=CH2であるパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物としては、前記した特許第2990646号(特開平8−199070号)公報、特開2000−007835号公報、特開2001−106893号公報、特開2003−201401号公報等に記載されているものが使用でき、商品名SIFELシリーズ(信越化学工業(株)製)として一般的に入手可能なものである。
即ち、特開平8−199070号公報(特許文献1)では、
(A’)下記一般式(1)で示される含フッ素アミド化合物、

[但し、式中R1は非置換又は置換の一価炭化水素基、R2は水素原子又は非置換又は置換の一価炭化水素基、Qは下記一般式(2)又は下記一般式(3)で示される基

(但し、式中R3は結合途中に酸素原子、窒素原子及びケイ素原子の1種又は2種以上を介在させてもよい非置換又は置換の二価炭化水素基を示す。)

(但し、式中R4及びR5はそれぞれ非置換又は置換の二価炭化水素基を示す。)、Rfは二価のパーフルオロアルキレン基又は二価のパーフルオロポリエーテル基であり、aは0以上の整数である。]
(B’)一分子中に1個以上の一価のパーフルオロオキシアルキル基、一価のパーフルオロアルキル基、二価のパーフルオロオキシアルキレン基又は二価のパーフルオロアルキレン基を有し、かつ2個以上のヒドロシリル基を有する含フッ素オルガノ水素シロキサン、(C’)触媒量の白金族化合物
を含有する組成物であって、上記(B’)成分の量は該組成物中の脂肪族不飽和基1モルに対し、ヒドロシリル基(Si−H基)が0.5〜5モルとなる量であることを特徴とする硬化性組成物が開示されている。
また、特開2000−007835号公報(特許文献2)において、(A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に二価のパーフルオロアルキレン構造又は二価のパーフルオロポリエーテル構造を有するパーフルオロ化合物の前記アルケニル基の一部に、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有するアルケニル基と付加反応可能な化合物が付加してなるポリマー、(B)補強性フィラー、(C)分子中にヒドロシリル基を有する付加反応可能な架橋剤又はパーオキサイド架橋剤を前記(A)成分を硬化させるのに十分な量を含有してなることを特徴とする架橋性フッ素ゴム組成物が開示されている。
特開2001−106893号公報(特許文献3)においては、前記した特許文献2と同じ(A)成分、(B)成分、(C)成分に、(D’)成分として分子中に少なくとも1個のフルオロアルキル基又はフルオロポリアルキルエーテル基及び分子中に1個のシラノール基を有する表面処理剤を含有してなることを特徴とする架橋性フッ素ゴム組成物が開示されている。
更に、特開2003−201401号公報(特許文献4)では、(A”)25℃における粘度が1,000Pa・s以上である下記一般式(4)で表される高分子化合物

(但し、nは1以上の整数、Rfは二価のパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基、Q1は二価の有機基、Zは一価の有機基を示す。)、
(B”)補強性フィラー、(C”)パーオキサイド架橋剤を含有してなることを特徴とする架橋性フッ素ゴム組成物が開示されている。
ここで、上記式(4)において、Rfの二価のパーフルオロアルキレン基、二価のパーフルオロオキシアルキレン基(二価のパーフルオロポリエーテル基)としては、−Cm2m−(m=2〜15)で示される二価のパーフルオロアルキレン基又は下記式(5),(6),(7)で示される基から選ばれる二価のパーフルオロオキシアルキレン基であることが好ましい。

(Xはそれぞれ独立にF又はCF3基、rは2〜6の整数、t、uはそれぞれ1又は2、p、qはそれぞれ0〜200の整数、sは0〜6の整数であるが、p、q、sが同時に0とはならない。)

(Xは前記と同じ、v、wはそれぞれ1〜50の整数である。)

(yは1〜100の整数である。)
また、上記式(4)において、Q1は、下記式(8)で表される基である。

(但し、R6は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基、R7は水素原子又はR6と同様の一価炭化水素基、R8は酸素原子又は炭素数1〜8のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基、R9はR6と同様の一価炭化水素基、R10はR6と同様の一価炭化水素基、又は炭素数2〜20の脂肪族不飽和結合を含有する一価炭化水素基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基を示す。)
更に、上記式(4)において、Zは酸素、窒素、硫黄及びケイ素から選ばれる原子を結合途中に有していてもよい炭素数1〜30の一価の有機基である。
これらの中で、特には特開2000−007835号公報(特許文献2)及び特開2001−106893号公報(特許文献3)に記載された、(A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に二価のパーフルオロアルキレン構造又は二価のパーフルオロポリエーテル構造を有するパーフルオロ化合物の前記アルケニル基の一部に、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有するアルケニル基と付加反応可能な化合物が付加してなるポリマー、(B)補強性フィラー、及び(C)パーオキサイド架橋剤を前記(A)成分を硬化させるのに十分な量を含有してなることを特徴とする架橋性フッ素ゴム組成物が好ましい。
この組成物について、更に詳述すると、本発明の架橋性フッ素ゴム組成物の(A)成分は、(I)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に2価パーフルオロアルキレン又は2価パーフルオロポリエーテル構造を有するパーフルオロ化合物の前記アルケニル基の一部に、(II)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有するアルケニル基と付加反応可能な化合物が付加してなるポリマーである。
ここで、上記(I)成分のパーフルオロ化合物は、樹脂又はゴムのような高分子量重合体に合成することが技術的に困難である化合物で、分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に2価パーフルオロアルキレン又は2価パーフルオロポリエーテル構造を有し、好ましくは25℃における粘度が25〜1,000,000mm2/sである直鎖状パーフルオロ化合物であり、このパーフルオロ化合物としては、例えば下記一般式(i)で示されるものが挙げられる。

[式中、Dは独立に−CH2−,−CH2O−,−CH2OCH2−,−Y−NR15SO2−又は−Y−NR15−CO−(但し、Yは−CH2−又は

であり、R15は水素原子又は非置換又は置換の一価炭化水素基)を示し、Rfは二価パーフルオロアルキレン基又は二価パーフルオロポリエーテル基を示し、zは独立に0又は1である。Q’は下記一般式(ii),(iii)又は(iv)

〔式中、D,z,R15は上記と同様の意味を示し、R16は非置換又は置換の二価炭化水素基であり、R17は結合途中に酸素原子、窒素原子、ケイ素原子及び硫黄原子の1種又は2種以上を介在させてもよい非置換又は置換の二価炭化水素基あるいは下記一般式(v)又は(vi)

(R18は非置換又は置換の一価炭化水素基、R19は炭素原子、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子及び硫黄原子の1種又は2種以上を主鎖構造中に含む基)
で示される基である。〕
で示される基を意味し、aは0以上の整数である。]
ここで、Rfは、二価パーフルオロアルキレン基又は二価パーフルオロポリエーテル基であり、特に二価パーフルオロアルキレン基としては
−Cm'2m'
(但し、m’=1〜10、好ましくは2〜6である。)
で示されるものが好ましく、二価パーフルオロポリエーテル基としては下記式で示されるものが好ましい。

(XはF又はCF3基、p’,q’,r’はそれぞれp’≧1、q’≧1、2≦p’+q’≦200、特に2≦p’+q’≦110、0≦r’≦6の整数)

(r’,s’,t’はそれぞれ0≦r’≦6、s’≧0、t’≧0、0≦s’+t’≦200、特に2≦s’+t’≦110の整数)

(XはF又はCF3基、u’,v’はそれぞれ1≦u’≦100、1≦v’≦50の整数)

(w’は1≦w’≦100の整数)
次に、上記(II)成分の分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含むアルケニル基と付加反応可能な化合物としては、有機化合物中にヒドロシリル基を含有するものや、有機ケイ素化合物中にヒドロシリル基を含有するものでもよいが、分散性や耐熱性を考慮すると、以下に示す式(vii)又は式(viii)の化合物が望ましい。

〔式中、D,z,Rfは上記と同様の意味を示す。Wは下記一般式(ix)

(但し、R18は非置換又は置換の一価炭化水素基、bは式(vii)の化合物の場合は1,2又は3、式(viii)の化合物の場合は2又は3である。)
で示される基を示す。〕
ここで、Dは独立に−CH2−,−CH2O−,−CH2OCH2−,−Y−NR15SO2−又は−Y−NR15−CO−(但し、Yは−CH2−又は

であり、R15は水素原子又は非置換又は置換の一価炭化水素基)を示し、Rfは二価パーフルオロアルキレン基又は二価パーフルオロポリエーテル基を示し、zは独立に0又は1である。
本発明の(A)成分のポリマーは、上記(I)成分のアルケニル基の一部に(II)成分のヒドロシリル基を付加反応させてなるもので、(I)成分の残部のアルケニル基が残存し、非流動性のゲル状ポリマーである。
この場合、(I)成分と(II)成分との割合は、(II)成分中のヒドロシリル基量/(I)成分中のアルケニル基量が、モル比で0.1〜0.99、特に0.3〜0.8であることが好ましい。この比が0.1未満であるとパーフルオロ化合物がゲル化せずに多少増粘する程度であり、フィラーを添加しても流動性が残るため、ゴム用2本ロールで分出し作業を行うことが困難な液状ゴムになってしまい、0.99を超えるとゴムの硬化物になり、フィラーの添加が困難になったり、ロールに巻き付かないなどの不具合が生じる。
なお、(I)成分と(II)成分との付加反応には、付加反応触媒を用いることが好ましく、付加反応触媒としては、白金族金属化合物が望ましい。
ここで、白金族金属化合物は一般に貴金属の化合物であり、高価格であることから、比較的入手し易い白金化合物がよく用いられる。
これらの触媒の使用量は、特に制限されるものではなく、触媒量で所望とする硬化速度を得ることができるが、経済的見地又は良好な硬化物を得るためには、(I),(II)成分の全質量に対して0.1〜1,000ppm(白金族金属換算)、より好ましくは0.1〜500ppm(同上)程度の範囲とするのがよい。
上記付加反応の条件は適宜選定でき、反応は室温で行ってもよいが、反応を速めるには50〜200℃に加熱して行うことができる。
この場合、前記(B)成分の補強性フィラーとしては、カーボンブラック、ヒュームドシリカ又は分子中にケイ素を含む表面処理剤で処理されたヒュームドシリカ等が挙げられるが、上記含フッ素ゴム組成物は、その組成物形態が液状ゴム組成物とミラブルゴム組成物の2種類あり、両者とも補強性フィラーとしてシリカ粉末が配合されていることが接着性の面で好ましく、重要である。
かかるシリカとしては、パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物において、機械的強度、熱安定性、耐候性、耐薬品性あるいは難燃性を向上させたり、硬化時における熱収縮の減少、硬化して得られる弾性体の熱膨張率を低下させたりする目的で、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、粉砕シリカ等を挙げることができ、また、これらを各種表面処理剤で処理したものであってもよい。この中で、機械的強度の向上、各組成の分散安定性向上の点から、特にヒュームドシリカが好ましく、更に、分散性の向上の点から、ヒュームドシリカをシラン等のケイ素化合物系表面処理剤で処理したものが好ましい。
かかるヒュームドシリカと呼ばれている乾式法シリカの表面処理剤(疎水化処理剤)として、加水分解性基を有するケイ素化合物であるジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等のオルガノクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物及びヘキサメチルシクロトリシラザン等の環状シラザン等が好ましい。
また、シリカのBET法による比表面積は、機械的特性を向上させるため50m2/g以上とすることが好ましく、更には組成物へのシリカ配合時の増粘が大きくなり、配合が困難となるため300m2/g以下とすることが好ましい。
この疎水化処理するため、表面処理剤を使用してシリカ表面を処理したシリカ微粉末は、予め粉体の状態で直接処理されたものがよく、通常処理方法としては、一般周知の技術を採用することができ、例えば、常圧で密閉された機械混練り装置に、あるいは流動層に上記未処理のシリカ微粉末と処理剤を入れ、必要に応じて不活性ガス存在下において室温あるいは熱処理にて混合処理され、場合により触媒及び加水分解を促進するための水を使用してもよく、混練り後乾燥することにより調製することができる。処理剤の配合量は、その処理剤の被覆面積から計算される量以上であればよい。
更には、シリカの嵩密度が30〜80g/lであることが好ましい。シリカの嵩密度が30g/lより小さいと、組成物の粘度が増大するために配合が困難となる場合があり、80g/lを超えると、十分な補強効果が付与されない場合がある。
そのシリカ含有量は、パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物中1〜50質量%であり、1質量%未満では接着に悪影響を与える場合があり、またゴム物性が劣ったものになってしまうおそれがあり、また50質量%を超えると、接着性は向上するものの、ゴム材料としての伸びや強度が不足するおそれがある。更に好ましくは5〜30質量%のシリカ含有量である。
(C)成分は架橋剤であり、架橋剤としては、(C−1)ヒドロシリル基を分子中に含む付加反応可能な架橋剤、又は、(C−2)パーオキサイド架橋剤が用いられる。
この場合、(C−1)成分の架橋剤としては、分子中にヒドロシリル基を少なくとも2個、好ましくは3個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを挙げることができ、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物に通常用いられるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができるが、特に上記(II)成分と同様のものを使用することができる。
この(C−1)成分の添加量は、上記(A)成分中の残存アルケニル基と反応し、(A)成分を硬化するに十分な量である。この場合、この架橋剤は、保存安定性の点から従来のミラブルゴム組成物と同様にゴム成形直前に添加することが望ましいが、その添加量は、(A)成分で用いた(II)成分の架橋材料を考慮して決定することがゴム物性を安定化する上で重要であり、
{(II)成分中のヒドロシリル基量+(C)成分のヒドロシリル基量}/(I)成分中のアルケニル基量
が0.5〜5、特に0.8〜2の範囲であることが好ましい。
また、上記(C−1)成分には、必要に応じ、白金族金属化合物等の付加反応触媒を配合することができるが、上記(A)成分の製造に使用した付加反応触媒が(A)成分中に残存している場合は、必ずしも添加しなくてもよい。なお、添加量は触媒量であり、上記と同様でよい。
一方、(C−2)成分のパーオキサイド架橋剤としては、例えば、ジベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンなどが挙げられるが、保存安定性やスコーチ防止の点から、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサンが好ましい。
上記パーオキサイド架橋剤の添加量は、(A)成分を硬化させるに十分な量であればよいが、(A)成分100質量部に対して0.1〜5質量部、特に0.5〜3質量部が好ましい。0.1質量部に満たないと架橋が不十分になったり架橋が遅くなる場合があり、5質量部を超えると物性に悪影響を与える場合がある。
上記含フッ素ゴム組成物は、その組成物形態が液状ゴム組成物とミラブルゴム組成物の2種類あるが、ブレンドを行う際には、ロール作業により混合が容易なミラブルゴム組成物が望ましく、特には、上述した通り、特開2000−007835号公報及び特開2001−106893号公報に記載された、(A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に二価のパーフルオロアルキレン構造又は二価のパーフルオロポリエーテル構造を有するパーフルオロ化合物の前記アルケニル基の一部に、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有するアルケニル基と付加反応可能な化合物が付加してなるポリマー、(B)補強性フィラー、(C)分子中にヒドロシリル基を有する付加反応可能な架橋剤又はパーオキサイド架橋剤を前記(A)成分を硬化させるのに十分な量を含有してなることを特徴とする架橋性フッ素ゴム組成物が好ましい。
一方のシリコーンゴム組成物も同様な理由から液状ゴムよりもミラブルタイプの材料がブレンドには好適に使用されている。
なお、ここでいうシリコーンゴム組成物は、「シリコーンハンドブック」(伊藤邦雄編、日刊工業新聞社、1990年8月31日発行)中に詳しく記載されており、9章のシリコーンゴムをはじめ、11章の変性シリコーンゴム、15章のフルオロシリコーンゴムが挙げられ、最も好ましく使用されるものはシリコーンゴム(9章)とフルオロシリコーンゴム(15章)である。
この場合、上記架橋サイトがSi−CH=CH2を含むシリコーンゴム組成物としては、有機過酸化物を用いて硬化させるパーオキサイド架橋と、Si−H基含有化合物及び白金族金属系触媒を用いて硬化させる付加架橋が一般的である。
かかるシリコーンゴム組成物としては、例えば、
(D)下記平均組成式(I)
(R11xSiO(4-x)/2 (I)
(式中、R11は非置換又は置換の一価炭化水素基であり、xは1.95<x<2.05を満たす数である。)
で表されるジオルガノポリシロキサンであって、該ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全R11中、0.01〜15モル%が一価の脂肪族不飽和炭化水素基であるもの、
(E)補強性充填剤(補強性フィラー)、及び
(F)パーオキサイド架橋剤
を含有してなるシリコーンゴム組成物が挙げられる。
ここで、(D)成分のジオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(I)
(R11xSiO(4-x)/2 (I)
(式中、R11は非置換又は置換の一価炭化水素基であり、xは1.95<x<2.05を満たす数である。)
で表され、該ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全R11中、0.01〜15モル%が一価の脂肪族不飽和炭化水素基である。脂肪族不飽和炭化水素基の含有割合が0.01モル%未満の場合、十分な引裂強さを有する硬化物が得られない場合があり、また、15モル%を超えると、得られる硬化物が脆くなり、十分な引裂強さが得られない等の不都合がある場合がある。
一価の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、アリル基等の炭素数2〜8のアルケニル基が挙げられ、その中でも好ましいものは、ビニル基である。また、上記脂肪族不飽和炭化水素基以外のR11としては、好ましくは炭素数1〜10、更に好ましくは炭素数1〜8の一価炭化水素基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基;フェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子等で置換した、トリフルオロプロピル基等の基などが例示され、これらの中で好ましいものは、メチル基である。また、(D)成分のジオルガノポリシロキサンは、ケイ素原子に結合する水酸基を有していてもよい。
上記平均組成式(I)において、xは1.95<x<2.05を満たす数である。xが1.95以下の場合、安定な直鎖状ポリマーが得られず、ゲル化し易く、またxが2.05以上であると高分子量のポリマーになり難い場合がある。
また、(D)成分のジオルガノポリシロキサンの重合度は、得られる硬化物の機械的強度を十分なものとするために、1,000以上であることが好ましく、更に、2,000以上であることが好ましく、特に、3,000〜10,000であることが好ましい。
(D)成分のジオルガノポリシロキサンとしては、具体的には、下記一般式(II)

(式中、cは1以上の整数、dは1以上の整数であり、c+dは、好ましくは1,000以上の整数であり、更に好ましくは2,000以上の整数であり、特に好ましくは3,000〜10,000の整数である。但し、c及びdは、ケイ素原子に結合する全有機基中の−CH=CH2基の割合が0.01〜15モル%となるような数値である。複数のR12は同一でも異なってもよく、メチル基、ビニル基又は水酸基である。)
で表される化合物;下記一般式(III)

(式中、eは1以上の整数、fは1以上の整数、gは1以上の整数であり、e+f+gは、好ましくは1,000以上の整数であり、更に好ましくは2,000以上の整数であり、特に好ましくは3,000〜10,000の整数である。但し、e、f及びgは、ケイ素原子に結合する全有機基中の−CH=CH2基の割合が0.01〜15モル%となるような数値である。複数のR13は同一でも異なってもよく、メチル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基又は水酸基である。)
で表される化合物;下記一般式(IV)

(式中、eは1以上の整数、fは1以上の整数であり、gは1以上の整数であり、e+f+gは、好ましくは1,000以上の整数であり、更に好ましくは2,000以上の整数であり、特に好ましくは3,000〜10,000の整数である。但し、e、f及びgは、ケイ素原子に結合する全有機基中の−CH=CH2基の割合が0.01〜15モル%となるような数値である。複数のR14は同一でも異なってもよく、メチル基、ビニル基、フェニル基又は水酸基である。)
で表される化合物等が例示され、それらの中でも上記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
(D)成分のジオルガノポリシロキサンは、公知の方法により製造することができ、例えば、オルガノハロシランの1種又は2種以上を(共)加水分解することにより得られた環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体又は4量体)を塩基性触媒又は酸性触媒存在下で開環重合することにより製造される。
(E)成分の補強性フィラーは、得られる硬化物に機械的強度を付与するものであり、例えば、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、溶融シリカ、石英粉末、けいそう土、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、カーボンブラック等が挙げられる。その中でも、補強性を十分なものとするためにシリカを使用することが好ましく、また、通常、BET法による比表面積10m2/g以上、好ましくは100m2/g以上のものが使用される。特に好ましくは、比表面積100〜400m2/gのヒュームドシリカ及び沈降シリカが使用される。また、(E)成分の補強性フィラーは、得られる硬化物に機械的強度を付与するのみならず、電気伝導性、熱伝導性等をも付与する。
(E)成分の補強性フィラーとしては、例えば、(CH33SiCl、(CH32SiCl2、(CH3)SiCl3等のクロロシラン;CH2=CHSi(OCH33、(CH32Si(OCH32、CH3Si(OCH33等のアルコキシシラン;(CH33SiNHSi(CH33等のオルガノシラザン;下記一般式

(式中、h及びjは、h>0、j>1、1<h+j<100を満たす数である。)
で表されるシリコーンオイル等の表面処理剤で表面処理したものも使用可能である。また、表面処理剤の加水分解性を調整、促進するために少量の水を添加してもよい。
(E)成分の配合量は、(D)成分100質量部に対して、通常、5〜200質量部の範囲であり、好ましくは10〜100質量部の範囲である。(E)成分の配合量が少なすぎると、加工性が不十分で、十分な補強効果が得られず、多すぎると作業性、加工時の型流れ性等が低下したり、シリコーンゴムの機械的強度が却って低下する場合がある。
(F)成分のパーオキサイド架橋剤は、本発明のシリコーンゴム組成物を硬化させ得るものであればよい。(F)成分としては、有機過酸化物を用いることができる。
(F)成分として、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系触媒との組み合わせを使用する場合のオルガノハイロドジェンポリシロキサンとしては、一分子中に少なくとも2個のSi−H基を有するものを使用し、その構造は、直鎖状、環状又は分岐状のいずれの構造であってもよい。また、Si−H基は、分子鎖の末端でも分子鎖の途中にあってもよい。更に、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、通常、重合度300以下のものを使用するのが好ましい。
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、具体的には、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が停止されたジオルガノポリシロキサン;ジメチルシロキシ単位、メチルハイドロジェンシロキシ単位及び末端トリメチルシロキシ単位からなる共重合体;ジメチルハイドロジェンシロキシ単位と、SiO2単位とからなる低粘度流体;1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン;1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン;1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等が例示される。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、それに含まれるSi−H基が(D)成分のジオルガノポリシロキサンの脂肪族不飽和炭化水素基1モル当たり、通常、0.5〜3.0モル、好ましくは1.0〜2.0モルとなる量を使用するのが好ましい。
また、白金族金属系触媒は、(D)成分のジオルガノポリシロキサンの脂肪族不飽和炭化水素基と前記オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSi−H基とのヒドロシリル化反応の触媒として使用するものであり、(D)成分のオルガノポリシロキサンと該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計質量に対して、通常、0.1〜2,000ppm、好ましくは1〜1,000ppm(白金族金属として)の範囲で使用される。かかる白金族金属系触媒としては、例えば、米国特許第2,970,150号明細書に記載されている微粉末金属白金触媒、米国特許第2,823,218号明細書に記載されている塩化白金酸触媒、米国特許第3,159,601号明細書及び米国特許第3,159,662号明細書に記載されている白金−炭化水素錯化合物、米国特許第3,516,946号明細書に記載されている塩化白金酸−オレフィン錯化合物、米国特許第3,775,452号明細書、米国特許第3,814,780号明細書に記載されている白金−ビニルシロキサン錯体等の白金系触媒などを使用することができる。
(F)成分としてオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系触媒との組み合わせを使用して、本発明のシリコーンゴム組成物単体をヒドロシリル化反応により硬化させる場合には、室温における保存安定性が良好で、かつ適度なポットライフを保持するために、メチルビニルシクロテトラシロキサンや、エチニルシクロヘキサノール等のアセチレンアルコール類などの反応制御剤を添加することも可能である。ヒドロシリル化反応による硬化は、60〜400℃の温度で1分〜5時間程度加熱することにより行われる。
(F)成分として有機過酸化物を使用する場合、該有機過酸化物は、(D)成分のジオルガノポリシロキサン100質量部当たり、通常、0.01〜3質量部、好ましくは0.05〜1質量部を配合する。有機過酸化物としては、通常、有機過酸化物硬化型シリコーンゴムを硬化させるために使用されているものを特に制約なく使用することができ、具体的には、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。これらは1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(F)成分として有機過酸化物を使用して本発明の組成物を単体で硬化する場合、通常、100〜400℃の温度で1分〜5時間程度加熱すればよい。
また、(F)成分としては、上記のオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系触媒との組み合わせと有機過酸化物とを併用することもできる。
なお、本発明に用いる含フッ素ゴム組成物もシリコーンゴム組成物と同様にパーオキサイド架橋と付加架橋が可能でありその架橋条件は共通点が多い。
ブレンドを行う架橋形態の組み合わせとしては含フッ素ゴム組成物とシリコーンゴム組成物が共にパーオキサイド架橋と付加架橋の2種類あるために組み合わせは4種類となるが反応システムに共通性がある同じ架橋系の組み合わせである必要がある。
上記で説明した含フッ素ゴム組成物とシリコーンゴム組成物は架橋系が同じであるために共架橋しているものと思われ、ブレンド比率による極端な物性低下もなくまた物性測定時のダンベル断面を観察すると層間剥離のない状態である。
その他の架橋系が異なる組みあわせでは物性低下と共に層間剥離が発生してしまい金型成形を行った場合などバリ取りが困難なものとなってしまう。
このことから含フッ素ゴム組成物(a)とシリコーンゴム組成物(b)のブレンド比率に制約はなく、目的に合わせて任意の比率で混合すればよいが、好ましくはどちらかの成分が体積比で5%以上含有させた方が2種類のゴム特性の長所を併せ持つものにすることができる。
即ち、含フッ素ゴム組成物(a)とシリコーンゴム組成物(b)との混合割合は、体積比として(a):(b)=95:5〜5:95、より好ましくは85:15〜15:85、更には75:25〜25:75であることが好ましい。
ブレンド方法に関しても特に制約はなく、ゴムの混合で一般的に用いられている2本ロールや、ニーダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサーなどで何ら問題ない。
本発明の(a)架橋サイトがSi−CH=CH2であるパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物と同じ架橋システムの(b)シリコーンゴム組成物をブレンドさせて得られるゴム組成物の成形条件に関しては、一次キュアーとして100〜200℃で1〜30分が好ましい。100℃未満では硬化時間が長くなってしまうため、工業的生産性に劣る場合があり、200℃を超えるとスコーチ発生の危険性があるため、100〜200℃が好ましく、更には120〜170℃が好適である。その場合の硬化時間は架橋反応が完了する時間を適宜選択すればよい。
加工方法は金型を用いたプレス成形、カレンダー成形、押し出し成形等、シリコーンゴムで一般的に用いられる加工方法を目的に応じて選択すればよい。
本発明のゴム組成物はシリコーンゴム組成物と同様に物性を安定化させるため、100〜230℃で1〜24時間程度の熱処理で二次キュアーをすることが好ましい。
二次キュアーは100℃未満では効果が少なく、230℃を超えると熱分解するおそれがある。更に好ましくは150〜200℃で1〜20時間が好適である。
本発明の成型品は種々の用途に利用することができる。即ち、耐油性を要求される自動車用ゴム部品、具体的にはフューエル・レギュレーター用ダイヤフラム、パルセーションダンパ用ダイヤフラム、オイルプレッシャースイッチ用ダイヤフラム、EGR用ダイヤフラムなどのダイヤフラム類、キャニスタ用バルブ、パワーコントロール用バルブなどのバルブ類、クイックコネクタ用O−リング、インジェクター用O−リングなどのO−リング類、あるいは、オイルシール、シリンダヘッド用ガスケットなどのシール材など、化学プラント用ゴム部品、具体的にはポンプ用ダイヤフラム、バルブ類、O−リング類、ホース類、パッキン類、オイルシール、ガスケットなどのシール材など、インクジェットプリンタ用ゴム部品、半導体製造ライン用ゴム部品、具体的には薬品が接触する機器用のダイヤフラム、弁、O−リング、パッキン、ガスケットなどのシール材など、低摩擦耐磨耗性を要求されるバルブなど、分析、理化学機器用ゴム部品、具体的にはポンプ用ダイヤフラム、弁、シール部品(O−リング、パッキンなど)、医療機器用ゴム部品、具体的にはポンプ、バルブ、ジョイントなど、また、テント膜材料、シーラント、成型部品、押し出し部品、被覆材、複写機ロール材料、電気用防湿コーティング材、センサー用ポッティング材、燃料電池用シール材、積層ゴム布などに有用である。
以下、参考例と実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
参考例、実施例及び比較例で用いた組成物
A:パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物(I):SIFEL5701(信越化学工業(株)製、(A)〜(C)成分含有、付加架橋・ミラブルタイプ標準配合組成物)
B:パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物(II):SIFEL9700(信越化学工業(株)製、(A)〜(C)成分含有、パーオキサイド架橋・ミラブルタイプ標準配合組成物)
C:シリコーンゴム組成物:KE971パーオキサイド架橋、(D)〜(F)成分含有、標準配合組成物(信越化学工業(株)製)
D:シリコーンゴム組成物:KE971付加架橋、(D)〜(F)成分含有、標準配合組成物(信越化学工業(株)製)
E:シリコーンゴム組成物:KE951パーオキサイド架橋、(D)〜(F)成分含有、標準配合組成物(信越化学工業(株)製)
F:シリコーンゴム組成物:KE951付加架橋、(D)〜(F)成分含有、標準配合組成物(信越化学工業(株)製)
組成物の混合及び成形条件
(1)上記ゴム組成物を、3.5インチゴム用2本ロールで下記表1〜4の規定配合比率で混合した。ロール混合時の最終組成物のロール作業性を下記の方法により確認した。
(2)上記により混合した組成物を、ゴム用75トンプレスにて150℃,10分間の条件で架橋した後に、200℃,4時間のポストキュアーを行うことにより、シート成型品と線形3.5mmのO−リングを作製した。
(3)シート成型品をダンベル形状に打ち抜き、各種物性を確認すると共に破断面を観察して下記方法により層間剥離の有無を確認した。O−リングは下記方法によりバリの取れ具合を確認して、200℃で72時間、25%圧縮で圧縮永久歪を測定した。
(4)シート片を23℃で72時間トルエンに浸漬し、JIS K6258の方法に準拠してトルエン膨潤(体積%)を測定した。
[ロール作業性評価方法]
ロール作業性を下記基準で評価した。
○:ロールへの粘着がなく、良好な作業性。
×:ロールへの粘着があり、作業に手間取る。
[層間剥離評価方法]
物性測定に用いたダンベルの断面を観察(図1〜4の写真の状態)して下記基準で判断した。
○:ゴム破断面に異常はなく、層間剥離のない状態。
×:破断が一定ではなく、層間剥離が発生した状態。
[バリの取れ具合評価方法]
バリの取れ具合を下記基準で評価した。
○:簡単にバリが取れて良好なO−リングとなる。
×:層間剥離現象によりバリが上手く取れず、仕上げにハサミを使う必要がある。
参考例1〜3及び比較例1,2]
硬化物の硬度70の付加架橋タイプのパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物Aと、硬化物の硬度と架橋タイプが同じシリコーンゴム組成物Dをブレンドした組成物の特性を表1に示す。
配合比率によって極端に物性低下することもなく、層間剥離のない硬化物を得ることができた。ブレンドすることで含フッ素ゴム組成物はロール作業性と圧縮永久歪が改善され、シリコーンゴムはトルエン膨潤性が改善されていることがわかる。
[実施例1〜3及び比較例3,4]
硬化物の硬度70のパーオキサイド架橋タイプのパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物Bと硬化物の硬度と架橋タイプが同じシリコーンゴム組成物Cをブレンドした組成物の特性を表2に示す。
付加架橋タイプ同様に配合比率によって極端に物性低下することもなく層間剥離のない硬化物を得ることができた。ブレンドすることで付加架橋同様の効果があることがわかる。
参考例4、実施例及び比較例5,6]
硬度の異なるゴム材料とのブレンドも行った。硬化物の硬度50のシリコーンゴム付加架橋組成物Fとパーオキサイド架橋配合組成物Eをそれぞれ同一架橋系の硬化物の硬度70のパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物A,Bにブレンドした結果を表3に示す。異種材料をブレンドして共架橋できていない場合において、硬度差等の物性が大きく異なる組み合わせでは層間剥離し易い。しかしながら、本発明の硬化物には層間剥離が見られないことが確認できた。なお、この参考例、実施例及び比較例ではトルエン膨潤、圧縮永久歪測定は行わなかった。

[比較例7〜9]
架橋系の異なるゴム材料で同様に確認を行った。硬化物の硬度50のシリコーンゴムパーオキサイド架橋配合組成物Eと付加架橋系の硬化物の硬度70のパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物Aをブレンドした結果を表4示す。いずれに示す配合比率でも層間剥離が確認された。なお、層間剥離が見られたためにトルエン膨潤、圧縮永久歪測定は行わなかった。
物性測定に用いたダンベルの断面を観察した写真の一例で、ゴム破断面に異常はなく層間剥離のない状態。 物性測定に用いたダンベルの断面を観察した写真の他の例で、ゴム破断面に異常はなく層間剥離のない状態。 物性測定に用いたダンベルの断面を観察した写真の一例で、破断が一定でなく層間剥離が発生した状態。 物性測定に用いたダンベルの断面を観察した写真の他の例で、破断が一定でなく層間剥離が発生した状態。

Claims (6)

  1. (a)パーオキサイド架橋剤を含有し、架橋サイトがSi−CH=CH2であるパーオキサイド架橋タイプのパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物と、パーオキサイド架橋剤を含有し、この含フッ素ゴム組成物と同じパーオキサイド架橋タイプの(b)シリコーンゴム組成物とを混合して得られるゴム組成物。
  2. 含フッ素ゴム組成物(a)とシリコーンゴム組成物(b)との混合割合が、体積比として(a):(b)=95:5〜5:95であることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
  3. 上記(a)のパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物が、
    (A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に二価のパーフルオロアルキレン構造又は二価のパーフルオロポリエーテル構造を有するパーフルオロ化合物の前記アルケニル基の一部に、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有するアルケニル基と付加反応可能な化合物が付加してなるポリマー、
    (B)補強性フィラー、及び
    (C)パーオキサイド架橋剤を前記(A)成分を硬化させるのに十分な量を含有してなる架橋性フッ素ゴム組成物であることを特徴とする請求項1又は2記載のゴム組成物。
  4. 上記のシリコーンゴム組成物が、
    (D)下記平均組成式(I)
    (R11xSiO(4-x)/2 (I)
    (式中、R11は非置換又は置換の一価炭化水素基であり、xは1.95<x<2.05を満たす数である。)
    で表されるジオルガノポリシロキサンであって、該ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全R11中、0.01〜15モル%が一価の脂肪族不飽和炭化水素基であるもの、
    (E)補強性フィラー、及び
    (F)パーオキサイド架橋剤
    を含有してなるシリコーンゴム組成物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のゴム組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載のゴム組成物を成形、硬化してなるものであることを特徴とするゴム成型品。
  6. 成型品がシール材、O−リング、ダイヤフラム、ホース、キャップ、又はバルブ材である請求項5記載のゴム成型品。
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