JP2005248149A - パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品とシリコーンゴム成形品とを接着させたゴム物品 - Google Patents

パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品とシリコーンゴム成形品とを接着させたゴム物品 Download PDF

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康久 大澤
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Abstract

【解決手段】 (a)充填材としてシリカを含有するパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品と(b)シリコーンゴム成形品とを(c)縮合架橋型の液状シリコーンゴム組成物の硬化物を介して接着させてなることを特徴とするゴム物品。
【効果】 本発明の物品は、パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴムとシリコーンゴムの2種類の特性が異なるゴム成形品を縮合架橋タイプ液状シリコーンゴム接着剤で簡単に接着することができるので、工業的な利用価値が大きい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性、低温特性が良好なパーフルオロポリエーテル系フッ素ゴムとシリコーンゴムとを接着したゴム物品に関する。
従来のフッ化ビニリデン系フッ素ゴムは、耐熱性、耐薬品性、機械的強度などに優れたエラストマーなので、自動車及び機械産業を中心に広い分野で工業的に使用されている。
しかしながら、その耐薬品性は不十分であり、ケトン系、低級アルコール系、カルボニル系、有機酸系などの極性溶剤には容易に膨潤してしまい、アミンを含む薬品には劣化してゴム強度や伸びが極端に低下してしまうという欠点を有している。また、低温特性においても、−20℃以下ではゴム弾性を失ってしまい、シール材として使用できなくなってしまうため、寒冷地での使用には限界があるのが一般的である。
そこで、それらの欠点を改善するために、パーフルオロ化合物と含フッ素オルガノ水素ポリシロキサンとを主成分とする液状もしくはミラブルタイプの含フッ素硬化性組成物が提案されている(特許文献1〜4:特許第2990646号(特開平8−199070号)公報、特開2000−007835号公報、特開2001−106893号公報、特開2003−201401号公報参照)。
即ち、特開平8−199070号公報(特許文献1)では、(A)下記一般式(1)で示される含フッ素アミド化合物、
Figure 2005248149
[但し、式中R1は置換又は非置換の一価炭化水素基、R2は水素原子又は置換又は非置換の一価炭化水素基、Qは下記一般式(2)又は下記一般式(3)で示される基であり、
Figure 2005248149
(但し、式中R3は結合途中に酸素原子、窒素原子及びケイ素原子の1種又は2種以上を介在させてもよい置換又は非置換の二価炭化水素基を示す。)
Figure 2005248149
(但し、式中R4及びR5はそれぞれ置換又は非置換の二価炭化水素基を示す。)
Rfは二価のパーフルオロアルキレン基又は二価のパーフルオロポリエーテル基であり、aは0以上の整数である。]
(B)一分子中に1個以上の一価のパーフルオロオキシアルキル基、一価のパーフルオロアルキル基、二価のパーフルオロオキシアルキレン基又は二価のパーフルオロアルキレン基を有し、かつ2個以上のヒドロシリル基を有する含フッ素オルガノ水素シロキサン、(C)触媒量の白金族化合物を含有する組成物であって、上記(B)成分の量は該組成物中の脂肪族不飽和基1モルに対し、ヒドロシリル基(Si−H基)が0.5〜5モルとなる量であることを特徴とする硬化性組成物が開示されている。
また、特開2000−007835号公報(特許文献2)において、(A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に二価のパーフルオロアルキレン構造又は二価のパーフルオロポリエーテル構造を有するパーフルオロ化合物の前記アルケニル基の一部に、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有するアルケニル基と付加反応可能な化合物が付加してなるポリマー、(B)補強性フィラー、(C)分子中にヒドロシリル基を有する付加反応可能な架橋剤又はパーオキサイド架橋剤を前記(A)成分を硬化させるのに十分な量を含有してなることを特徴とする架橋性フッ素ゴム組成物が開示されている。
特開2001−106893号公報(特許文献3)においては、前記した特許文献2と同じ(A)成分、(B)成分及び(C)成分に、(D)成分として分子中に少なくとも1個のフルオロアルキル基又はフルオロポリアルキルエーテル基及び分子中に1個のシラノール基を有する表面処理剤を含有してなることを特徴とする架橋性フッ素ゴム組成物が開示されている。
更に、特開2003−201401号公報(特許文献4)では、(A)25℃における粘度が1,000Pa・s以上である下記一般式(4)で表される高分子化合物、
Figure 2005248149
(但し、nは1以上の整数、Rfは二価のパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロオキシアルキレン基、Qは二価の有機基、Zは一価の有機基を示す。)
(B)補強性フィラー、(C)パーオキサイド架橋剤を含有してなることを特徴とする架橋性フッ素ゴム組成物が開示されている。
ここで、上記式(4)において、Rfが、−Cm2m−(m=2〜15)で示される二価のパーフルオロアルキレン基又は下記式(5),(6),(7)で示される基から選ばれる二価のパーフルオロオキシアルキレン基である。
Figure 2005248149
(Xはそれぞれ独立にF又はCF3基、rは2〜6の整数、t、uはそれぞれ1又は2、p、qはそれぞれ0〜200の整数、sは0〜6の整数であるが、p、q、sが同時に0とはならない。)
Figure 2005248149
(Xは前記と同じ、v、wはそれぞれ1〜50の整数である。)
Figure 2005248149
(yは1〜100の整数である。)
また、上記式(4)において、Qが、下記式(8)で表される基である。
Figure 2005248149
(但し、R6は炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基、R7は水素原子又はR6と同様の一価炭化水素基、R8は酸素原子又は炭素原子数1〜8のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、これらの基の水素原子の一部をハロゲン原子で置換した基、及び上記アルキレン基とアリーレン基とを組み合わせた基から選ばれる二価炭化水素基、R9はR6と同様の一価炭化水素基、R10はR6と同様の一価炭化水素基、又は炭素原子数2〜20の脂肪族不飽和結合を含有する一価炭化水素基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子で置換した基から選ばれる一価炭化水素基を示す。)
更に、上記式(4)において、Zは酸素、窒素、硫黄及びケイ素から選ばれる原子を結合途中に有していてもよい炭素原子数1〜30の一価の有機基である。
また、前記(B)成分の補強性フィラーが、カーボンブラック、ヒュームドシリカ又は分子中にケイ素を含む表面処理剤で処理されたヒュームドシリカであるとされる。
しかしながら、これらの含フッ素硬化性組成物は異種の安価なゴムとのブレンドも困難であるために、その成形品は一般的に高価であり、使用用途は限定されてしまう。
更に、ゴム物性や加工性に関しては他種ゴムが優れた特性を有する場合がある。具体的にシリコーンゴムと比較すると、ゴム強度、伸び、圧縮永久歪、ロール作業性、金型離型性などの点ではシリコーンゴムに及ばない。
従って、前述の含フッ素硬化性組成物は耐溶剤性、耐薬品性が最大の特徴であり、溶剤や薬品が部分的に接触する場合は接触部分のみを含フッ素ゴム成形品として、それ以外の部分についてはシリコーンゴム材質のほうが好ましい場合がある。
そこで、含フッ素ゴムの成形品とシリコーンゴム成形品を接着できれば好ましい形態の物品を得ることができるが、含フッ素ゴム成形品は安定性に優れたゴム材料であるために接着が困難であり、シリコーンゴムを含めた他種材料との接着に適した接着剤は見出されていない。
特許第2990646号(特開平8−199070号)公報 特開2000−007835号公報 特開2001−106893号公報 特開2003−201401号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、含フッ素ゴム成形品とシリコーンゴム成形品を接着することができ、含フッ素ゴム成形品の耐溶剤性、耐薬品性、耐熱性、低温特性に優れた部分とシリコーンゴムの特性を併せ持つ物品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、充填材としてシリカを含有するパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品とシリコーンゴム成形品を縮合架橋の液状シリコーンゴム組成物を介して接着可能であることを見出して本発明をなすに至った。
従って、本発明は下記パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品とシリコーンゴム成形品を接着させたゴム物品を提供する。
請求項1:
(a)充填材としてシリカを含有するパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品と(b)シリコーンゴム成形品とを(c)縮合架橋型の液状シリコーンゴム組成物の硬化物を介して接着させてなることを特徴とするゴム物品。
請求項2:
上記(a)パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品が、
(A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に二価のパーフルオロアルキレン構造又は二価のパーフルオロポリエーテル構造を有するパーフルオロ化合物の前記アルケニル基の一部に、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有するアルケニル基と付加反応可能な化合物が付加してなるポリマー、
(B)シリカ、及び
(C)分子中にヒドロシリル基を有する付加反応可能な架橋剤又はパーオキサイド架橋剤を前記(A)成分を硬化させるのに十分な量
を含有してなる架橋性フッ素ゴム組成物
を硬化させてなるものであることを特徴とする請求項1記載のゴム物品。
請求項3:
上記(a)パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品中のシリカ含有率が1〜50質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のゴム物品。
請求項4:
上記(b)シリコーンゴム成形品が、
(D)下記平均組成式(I)
(R11aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R11は非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.95<a<2.05を満たす数である。)
で表されるジオルガノポリシロキサンであって、該ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全R11中、0.01〜15モル%が一価の脂肪族不飽和炭化水素基であるもの、
(E)補強性充填剤、及び
(F)架橋剤
を含有してなるシリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のゴム物品。
請求項5:
上記(c)縮合架橋の液状シリコーンゴム組成物が、
(i)分子鎖両末端が水酸基で停止されたジオルガノポリシロキサン、
(ii)一分子中にケイ素原子に結合した加水分解性基を少なくとも3個有する有機ケイ素化合物及びその部分加水分解物からなる群より選ばれる少なくとも1種、及び
(iii)無機質充填剤
を含有してなるオルガノポリシロキサン組成物である請求項1乃至4のいずれか1項記載のゴム物品。
請求項6:
請求項1乃至5のいずれか1項記載のゴム物品を部分構造又は全体構造として有するゴム製品。
請求項7:
シール材、O−リング、ダイヤフラム、ホース、キャップ又はバルブ材である請求項6記載のゴム製品。
本発明の物品は、パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴムとシリコーンゴムの2種類の特性が異なるゴム成形品を縮合架橋タイプ液状シリコーンゴム接着剤で簡単に接着することができるので、工業的な利用価値が大きい。
本発明の(a)成分のパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品は、前記した特許第2990646号公報(特開平8−199070号公報)、特開2000−007835号公報、特開2001−106893号公報、特開2003−201401号公報等により詳しく記載されている、架橋サイトがSi−CH=CH2であるパーフロロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を硬化成形したものであり、商品名SIFELシリーズ(信越化学工業(株)製)として一般的に入手可能なものである。
この場合、上記含フッ素ゴム組成物は、その組成物形態が液状ゴム組成物とミラブルゴム組成物の2種類あるが、両者とも補強剤としてシリカ粉末が配合されているために本発明に適用する成形品としての接着特性は同じであり、従って、上記のいずれの組成物を用いてもよいが、特開2000−007835号公報(特許文献2)及び特開2001−106893号公報(特許文献3)に記載された、
(A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に二価のパーフルオロアルキレン構造又は二価のパーフルオロポリエーテル構造を有するパーフルオロ化合物の前記アルケニル基の一部に、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有するアルケニル基と付加反応可能な化合物が付加してなるポリマー、
(B)シリカ、及び
(C)分子中にヒドロシリル基を有する付加反応可能な架橋剤又はパーオキサイド架橋剤を前記(A)成分を硬化させるのに十分な量を含有してなることを特徴とする架橋性フッ素ゴム組成物が好ましい。
ここで、本発明において、上記含フッ素ゴム組成物中にシリカが配合されていることは重要であり、この含有シリカ表面のシラノール基及びシリカを疎水化表面処理剤で処理した場合、この疎水化表面処理剤が縮合架橋の液状シリコーンゴム組成物と反応して接着する。
かかるシリカとしては、パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物において、機械的強度、熱安定性、耐候性、耐薬品性あるいは難燃性を向上させたり、硬化時における熱収縮の減少、硬化して得られる弾性体の熱膨張率を低下させたりする目的で、ヒュームドシリカ、湿式シリカ、粉砕シリカ等を挙げることができ、また、これらを各種表面処理剤で処理したものであってもよい。この中で、機械的強度の向上、各組成の分散安定性向上の点から、特にヒュームドシリカが好ましく、更に、分散性の向上の点から、ヒュームドシリカをシラン等のケイ素化合物系表面処理剤で処理したものが好ましい。
かかるヒュームドシリカと呼ばれている乾式法シリカの疎水化処理剤として、加水分解性基を有するケイ素化合物であるジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン等のオルガノクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物及びヘキサメチルシクロトリシラザン等の環状シラザン等が好ましい。
また、疎水化処理された又は未処理のシリカの比表面積は、機械的特性を向上させるため50m2/g以上とすることが好ましい。更には組成物へのシリカ配合時の増粘が大きくなり、配合が困難となるため300m2/g以下とすることが好ましい。
この疎水化処理するため、表面処理剤を使用してシリカ表面を処理したシリカ微粉末は、予め粉体の状態で直接処理されたものがよく、通常処理方法としては一般周知の技術を採用することができ、例えば、常圧で密閉された機械混練り装置に、あるいは流動層に上記未処理のシリカ微粉末と処理剤を入れ、必要に応じて不活性ガス存在下において室温あるいは熱処理にて混合処理され、場合により触媒及び加水分解を促進するための水を使用してもよく、混練り後乾燥することにより調製することができる。処理剤の配合量は、その処理剤の被覆面積から計算される量以上であればよい。
更には、シリカは、その嵩密度が30〜80g/lであることが好ましい。シリカの嵩密度が30g/l未満では、組成物の粘度が増大するために配合が困難となるおそれがあり、80g/lを超えると、十分な補強効果が付与されないおそれがある。
シリカの含有量は、パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム組成物を硬化して得られるゴム成形品中1〜50質量%であり、1質量%未満では接着に悪影響を与える上、ゴム物性が劣ったものになってしまうおそれがあり、また50質量%を超えると、接着性は向上するものの、ゴム材料としての伸びや強度が不足する場合がある。更に好ましくは、5〜30質量%のシリカ含有量である。
一方、パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品と接着させる(b)成分のゴム材料としては、シリコーンゴムを使用する。これは一つには、接着剤として作用する(c)成分の縮合架橋の液状シリコーンゴム組成物の硬化は水分と反応する必要があり、空気中と遮断された状況では硬化しないので、水分の透過性のよいシリコーンゴムでなければ良好に硬化しない。シリコーンゴム以外のゴム材料では気体透過性が少ないため、硬化するまでに長時間必要であり、工業的な生産性が著しく劣ったものになってしまう。
ここで、本発明で使用するシリコーンゴムは、従来公知の付加反応硬化型、有機過酸化物硬化型、縮合反応硬化型等のいずれの硬化型のシリコーンゴム組成物を硬化させることによって得られるものでもよく、フルオロシリコーンゴム組成物であってもよい。
なお、ここでいうシリコーンゴム乃至シリコーンゴム組成物は、「シリコーンハンドブック」(伊藤邦雄編、日刊工業新聞社、1990年8月31日発行)中に詳しく記載されており、9章のシリコーンゴムをはじめ、10章の液状シリコーンゴム、11章の変性シリコーンゴム、15章のフルオロシリコーンゴムが挙げられ、最も好ましく使用されるものはシリコーンゴム(9章)である。
かかるシリコーンゴム組成物としては、例えば、
(D)下記平均組成式(I)
(R11aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R11は非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.95<a<2.05を満たす数である。)
で表されるジオルガノポリシロキサンであって、該ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全R11中、0.01〜15モル%が一価の脂肪族不飽和炭化水素基であるもの、
(E)補強性充填剤、及び
(F)架橋剤
を含有してなるシリコーンゴム組成物を硬化したものが挙げられる。
ここで、(D)成分のジオルガノポリシロキサンは、下記平均組成式(I)
(R11aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R11は非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.95<a<2.05を満たす数である。)
で表され、該ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全R11中、0.01〜15モル%が一価の脂肪族不飽和炭化水素基である。脂肪族不飽和炭化水素基の含有割合が0.01モル%未満の場合、十分な引裂強さを有する硬化物が得られない場合があり、また、15モル%を超えると、得られる硬化物が脆くなり、十分な引裂強さが得られない等の不都合がある場合がある。
一価の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、アリル基等の炭素原子数2〜8のアルケニル基が挙げられ、その中でも好ましいものは、ビニル基である。また、上記脂肪族不飽和炭化水素基以外のR11としては、好ましくは炭素原子数1〜10、更に好ましくは炭素原子数1〜8の一価炭化水素基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基等のアルキル基;フェニル基等のアリール基;ベンジル基等のアラルキル基;これらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子等で置換した、トリフルオロプロピル基等の基などが例示され、これらの中で好ましいものは、メチル基である。また、(D)成分のジオルガノポリシロキサンは、ケイ素原子に結合する水酸基を有していてもよい。
上記平均組成式(I)において、aは1.95<a<2.05を満たす数である。aが1.95以下の場合、安定な直鎖状ポリマーが得られない場合があり、ゲル化しやすく、またaが2.05以上であると高分子量のポリマーになり難い場合がある。
また、(D)成分のジオルガノポリシロキサンの重合度は、得られる硬化物の機械的強度を十分なものとするために、1,000以上であることが好ましく、更に、2,000以上であることが好ましく、特に、3,000〜10,000であることが好ましい。
(D)成分のジオルガノポリシロキサンとしては、具体的には、下記一般式(II)
Figure 2005248149
(式中、kは1以上の整数、mは1以上の整数であり、k+mは、好ましくは1,000以上の整数であり、更に好ましくは2,000以上の整数であり、特に好ましくは3,000〜10,000の整数である。但し、k及びmは、ケイ素原子に結合する全有機基中の−CH=CH2基の割合が0.01〜15モル%となるような数値である。複数のR12は同一でも異なってもよく、メチル基、ビニル基又は水酸基である。)
で表される化合物;下記一般式(III):
Figure 2005248149
(式中、kは1以上の整数、mは1以上の整数、nは1以上の整数であり、k+m+nは、好ましくは1,000以上の整数であり、更に好ましくは2,000以上の整数であり、特に好ましくは3,000〜10,000の整数である。但し、k、m及びnは、ケイ素原子に結合する全有機基中の−CH=CH2基の割合が0.01〜15モル%となるような数値である。複数のR13は同一でも異なってもよく、メチル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基又は水酸基である。)
で表される化合物;下記一般式(IV):
Figure 2005248149
(式中、kは1以上の整数、mは1以上の整数、nは1以上の整数であり、k+m+nは、好ましくは1,000以上の整数であり、更に好ましくは2,000以上の整数であり、特に好ましくは3,000〜10,000の整数である。但し、k、m及びnは、ケイ素原子に結合する全有機基中の−CH=CH2基の割合が0.01〜15モル%となるような数値である。複数のR14は同一でも異なってもよく、メチル基、ビニル基、フェニル基又は水酸基である。)
で表される化合物等が例示され、それらの中でも上記一般式(II)で表される化合物が好ましい。
(D)成分のジオルガノポリシロキサンは、公知の方法により製造することができ、例えば、オルガノハロシランの1種又は2種以上を(共)加水分解することにより得られた環状ポリシロキサン(シロキサンの3又は4量体)を塩基性触媒又は酸性触媒存在下で開環重合することにより製造される。
(E)成分の補強性充填剤は、得られる硬化物に機械的強度を付与するものであり、例えば、ヒュームドシリカ、沈降シリカ、溶融シリカ、石英粉末、けいそう土、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、カーボンブラック等が挙げられる。その中でも、補強性を十分なものとするためにシリカを使用することが好ましく、また、通常、比表面積10m2/g以上、好ましくは100m2/g以上のものが使用される。特に好ましくは、比表面積100〜400m2/gのヒュームドシリカ及び沈降シリカが使用される。また、(E)成分の補強性充填剤は、得られる硬化物に機械的強度を付与するのみならず、電気伝導性、熱伝導性等をも付与する。
(E)成分の補強性充填剤としては、例えば、(CH33SiCl、(CH32SiCl2、(CH3)SiCl3等のクロロシラン;CH2=CHSi(OCH33、(CH32Si(OCH32、CH3Si(OCH33等のアルコキシシラン;(CH33SiNHSi(CH33等のオルガノシラザン;下記一般式:
Figure 2005248149
(式中、i及びjは、i>0、j>1、1<i+j<100を満たす数である。)
で表されるシリコーンオイル等の表面処理剤で表面処理したものも使用可能である。また、表面処理剤の加水分解性を調整、促進するために少量の水を添加してもよい。
(E)成分の配合量は、(D)成分100質量部に対して、通常、5〜200質量部の範囲であり、好ましくは10〜100質量部の範囲である。(E)成分の配合量が少なすぎると、加工性が不十分で、十分な補強効果が得られず、多すぎると作業性、加工時の型流れ性等が低下したり、シリコーンゴムの機械的強度が却って低下する場合がある。
(F)成分の架橋剤は、本発明のシリコーンゴム組成物を硬化させ得るものであればよい。(F)成分としては、硬化方法に応じて、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系触媒の組み合わせを用いたり、有機過酸化物を用いることができる。
(F)成分として、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系触媒との組み合わせを使用する場合のオルガノハイロドジェンポリシロキサンとしては、一分子中に少なくとも2個のSi−H基を有するものを使用し、その構造は、直鎖状、環状又は分岐状のいずれの構造であってもよい。また、Si−H基は、分子鎖の末端でも分子鎖の途中にあってもよい。更に、オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、通常、重合度300以下のものを使用するのが好ましい。
前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、具体的には、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が停止されたジオルガノポリシロキサン;ジメチルシロキシ単位、メチルハイドロジェンシロキシ単位及び末端トリメチルシロキシ単位からなる共重合体;ジメチルハイドロジェンシロキシ単位と、SiO2単位とからなる低粘度流体;1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン;1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン;1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等が例示される。オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、それに含まれるSi−H基が(D)成分のジオルガノポリシロキサンの脂肪族不飽和炭化水素基1モル当たり、通常、0.5〜3.0モル、好ましくは1.0〜2.0モルとなる量を使用するのが好ましい。
また、白金族金属系触媒は、(D)成分のジオルガノポリシロキサンの脂肪族不飽和炭化水素基と前記オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のSi−H基とのヒドロシリル化反応の触媒として使用するものであり、(D)成分のオルガノポリシロキサンと該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの合計量に対して、通常、0.1〜2,000ppm、好ましくは1〜1,000ppm(白金族金属として)の範囲で使用される。かかる白金族金属系触媒としては、例えば、米国特許第2,970,150号明細書に記載されている微粉末金属白金触媒、米国特許第2,823,218号明細書に記載されている塩化白金酸触媒、米国特許第3,159,601号明細書及び米国特許第3,159,662号明細書に記載されている白金−炭化水素錯化合物、米国特許第3,516,946号明細書に記載されている塩化白金酸−オレフィン錯化合物、米国特許第3,775,452号明細書、米国特許第3,814,780号明細書に記載されている白金−ビニルシロキサン錯体等の白金系触媒などを使用することができる。
(F)成分としてオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系触媒との組み合わせを使用して、本発明のシリコーンゴム組成物をヒドロシリル化反応により硬化させる場合には、室温における保存安定性が良好で、かつ適度なポットライフを保持するために、メチルビニルシクロテトラシロキサンや、エチニルシクロヘキサノール等のアセチレンアルコール類などの反応制御剤を添加することも可能である。ヒドロシリル化反応による硬化は、60〜400℃の温度で1分〜5時間程度加熱することにより行われる。
(F)成分として有機過酸化物を使用する場合、該有機過酸化物は、(D)成分のジオルガノポリシロキサン100質量部当たり、通常、0.01〜3質量部、好ましくは0.05〜1質量部を配合する。有機過酸化物としては、通常、有機過酸化物硬化型シリコーンゴムを硬化させるために使用されているものを特に制約なく使用することができ、具体的には、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)パーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン、t−ブチルパーベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。これらは、1種単独でも2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(F)成分として有機過酸化物を使用して本発明の組成物を硬化する場合、通常、100〜400℃の温度で1分〜5時間程度加熱すればよい。
また、(F)成分としては、上記のオルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金族金属系触媒との組み合わせと有機過酸化物とを併用することもできる。
(c)成分の接着剤として作用する縮合架橋型の液状シリコーンゴム組成物は、空気中の水分と反応しながら室温で硬化するものであり、シーリング剤をはじめとして幅広い用途で使用されており、容易に入手可能である。
縮合架橋の液状シリコーンゴム組成物に関しても、シリコーンゴム同様に「シリコーンハンドブック」(伊藤邦雄編、日刊工業新聞社、1990年8月31日発行)中の液状シリコーンゴム(10章)に詳しく記載されている。
かかる縮合架橋の液状シリコーンゴム組成物としては、例えば
(i)分子鎖両末端が水酸基で停止されたジオルガノポリシロキサン、
(ii)一分子中にケイ素原子に結合した加水分解性基を少なくとも3個有する有機ケイ素化合物及びその部分加水分解物からなる群より選ばれる少なくとも1種、及び
(iii)無機質充填剤
を含有してなるオルガノポリシロキサン組成物が挙げられる。
ここで、(i)成分としては、例えば、下記一般式(i):
Figure 2005248149
(式中、R15は、同一でも異なってもよく、置換又は非置換の一価炭化水素基であり、nは10以上の整数である。)
で表されるジオルガノポリシロキサンが挙げられる。上記一般式(i)において、置換又は非置換の一価炭化水素基R15としては、炭素数1〜10、特に1〜8のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;これら炭化水素基の水素原子が部分的にフッ素等のハロゲン原子等で置換された基等が挙げられる。
上記オルガノポリシロキサンの粘度は、25℃で25〜500,000cStの範囲内であることが好ましく、より好ましくは25℃で1,000〜100,000cStの範囲内であり、従って、nはこの粘度であるように選定される。
(ii)成分の有機ケイ素化合物としては、例えば、シラン、シロキサン等が挙げられる。該有機ケイ素化合物が含有する加水分解性基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基等のケトオキシム基;アセトキシ基等のアシルオキシ基;N−ブチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等のアミノ基;N−メチルアセトアミド基等のアミド基;N,N−ジメチルアミノキシ基、N,N−ジエチルアミノキシ基等のアミノキシ基;イソプロぺノキシ基、イソブテノキシ基、シクロヘキセノキシ基等のアルケニルオキシ基等が挙げられる。
この有機ケイ素化合物の具体例としては、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、メチルトリス(ジメチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、テトラ(メチルエチルケトオキシム)シラン等のケトオキシムシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン等のアシルオキシシラン、フェニルトリス(N−メチルアセトアミド)シラン、ビニルトリス(N−メチルアセトアミド)シラン等のアミドシラン、ビニルトリス(N−ブチルアミノ)シラン、フェニルトリス(N,N−ジエチルアミノ)シラン等のアミノシラン、メチルトリス(N,N−ジメチルアミノキシ)シラン、ビニルトリス(N,N−ジエチルアミノキシ)シラン等のアミノオキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、メチルトリイソブテノキシシラン、フェニルトリシクロへキサノキシシラン等のアルケニルオキシシラン等が挙げられる。これらの有機ケイ素化合物及びその部分加水分解物は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(ii)成分の量は、(i)成分100質量部当たり、0.5〜30質量部であり、好ましくは3〜20質量部である。この量が0.5質量部未満であると、組成物調製時あるいは組成物保存中に組成物がゲル化を起こしたり、十分な硬化が達成されないので、組成物を硬化して得られる弾性体の機械的強度が低下したりする場合がある。また、30質量部を超えると、組成物の硬化時の収縮率が大きくなり、得られる硬化物の弾性が抵下する場合がある。
(iii)成分としては、通常、室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に添加される無機質充填剤でよく、例えば、煙霧質シリカ、湿式シリカ、コロイダル炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、カーボンブラック、二酸化チタン、酸化アルミニウム、石英粉未、タルク、べントナイト等が挙げられる。これら無機質充填剤の表面は、ヘキサメチルジシラザンで疎水化処理あるいはステアリン酸石鹸で処理されていてもよい。
(iii)成分の量は、(i)成分100質量部当たり、1〜500質量部であり、好ましくは10〜300質量部である。この量が1質量部未満であると、組成物を硬化して得られる弾性体が実用に耐え得る機械的強度を示さなくなる場合がある。また、500質量部を超えると、この弾性体が脆くなる場合がある。
上記した縮合架橋の液状シリコーンゴム組成物には、必要に応じて、縮合硬化性の室温硬化型オルガノポリシロキサン組成物に通常添加される公知の添加物、例えば、アミン、第4級アンモニウム塩、ジブチルスズジオクトエート等の有機金属化合物、チタンキレート化合物、グアニジル基含有化合物等の硬化触媒〔通常、(i)成分100質量部当たり0.05〜10質量部〕;メタクリル酸カリウム等の耐油性向上剤;着色剤;ベンガラ、酸化セリウム等の耐熱性向上剤;耐寒性向上剤;ポリエーテル等のチクソトロピー剤;脱水剤;γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等の接着性向上剤等を添加してもよい。
この組成物は、例えば、(i)成分〜(iii)成分の所定量を乾燥(即ち、無水の)雰囲気中で均一に混合することにより一液型の組成物として調製される。また、例えば、(i)成分及び(iii)成分の均一混合物と(ii)成分とを各々別包装とした二液型の組成物として調製してもよい。本発明の組成物は、組成物を大気中に暴露すると、大気中の湿分によって組成物が硬化する。
次に、本発明の成形品を接着して得られる物品の製造方法について図を用いて説明する。
図1に示すゴムキャップ(薬栓)のような成形品を加工するには、耐薬品性が必要な部分には含フッ素ゴム成形品3を用い、耐薬品性が不要な部分はシリコーンゴム成形品1とする。接着部分にヘラ等を用いて縮合架橋型の液状シリコーンゴム組成物2を含フッ素ゴム成形品3及び/又はシリコーンゴム成形品1に塗布する。この液状シリコーンゴム組成物は、室温で放置するだけで硬化し、上記両ゴム成形品1,3が接着し、本発明の物品が得られる。
図2は、2層ゴムシートを成形する場合であり、金型でプレスするか、もしくはカレンダーロール等で厚さ調整を行い、HAV架橋したゴムシートのどちらか一面に接着剤として作用する縮合架橋の液状シリコーンゴム組成物2を塗布して、エアーの混入に注意しながら張り合わせる。同様に室温で放置して、この液状シリコーンゴム組成物を硬化することにより物品が得られる。
なお、シート状の大きな面積に液状シリコーンゴムを塗布する場合は、スクリーン印刷やバーコート等が工業的には好ましい。
また、上記縮合架橋型液状シリコーンゴム組成物の塗布量は、適宜選定されるが、硬化した状態で0.01〜1.0mm、特に0.05〜0.5mmの厚さとなるように塗布することが好ましい。なお、含フッ素ゴム成形品、シリコーンゴム成形品の厚さは特に制限されないが、シリコーンゴム成形品は10mm以下の厚さであることが好ましい。
室温での放置時間は形状や湿度、温度により一定でないが、24時間程度放置すればほとんどの液状シリコーンゴム組成物は硬化する。
本発明の物品は種々の用途に利用することができる。即ち、耐油性を要求される自動車用ゴム部品、具体的にはフューエル・レギュレーター用ダイヤフラム、パルセーションダンパ用ダイヤフラム、オイルプレッシャースイッチ用ダイヤフラム、EGR用ダイヤフラムなどのダイヤフラム類、キャニスタ用バルブ、パワーコントロール用バルブなどのバルブ類、クイックコネクタ用O−リング、インジェクター用O−リングなどのO−リング類、あるいは、オイルシール、シリンダヘッド用ガスケットなどのシール材など、化学プラント用ゴム部品、具体的にはポンプ用ダイヤフラム、バルブ類、O−リング類、ホース類、パッキン類、オイルシール、ガスケットなどのシール材など、インクジェットプリンタ用ゴム部品、半導体製造ライン用ゴム部品、具体的には薬品が接触する機器用のダイヤフラム、弁、O−リング、パッキン、ガスケットなどのシール材など、低摩擦耐磨耗性を要求されるバルブなど、分析、理化学機器用ゴム部品、具体的にはポンプ用ダイヤフラム、弁、シール部品(O−リング、パッキンなど)、医療機器用ゴム部品、具体的にはポンプ、バルブ、ジョイントなど、また、テント膜材料、シーラント、成型部品、押し出し部品、被覆材、複写機ロール材料、電気用防湿コーティング材、センサー用ポッティング材、燃料電池用シール材、積層ゴム布などに有用である。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
実施例及び比較例で用いられるゴム成形品及び接着剤
下記組成物を用いて2mm厚プレス成形シートを作製した。
(パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品)
・含フッ素ゴム組成物(I):SIFEL5701(信越化学工業(株)製、(A)〜(C)成分含有、付加架橋・ミラブルタイプ組成物標準配合)
・含フッ素ゴム組成物(II):SIFEL3511(信越化学工業(株)製、(A)〜(C)成分含有、LIMSタイプ組成物標準配合)
以上、2品種の組成物は、上記(A),(B),(C)成分を含有し、(B)成分は疎水化表面処理シリカであり、該シリカの含有量は5〜30質量%の範囲の組成物であり、下記の1品種はシリカ含有0%の組成物である。
・含フッ素ゴム組成物(III):上記含フッ素ゴム組成物(II)において、シリカを含まないもの
(シリコーンゴム成形品)
・シリコーンゴム組成物(I):KE971(信越化学工業(株)製、(D)〜(F)成分含有、標準配合組成物)
・シリコーンゴム組成物(II):KE951(信越化学工業(株)製、(D)〜(F)成分含有、標準配合組成物)
(パーフルオロポリエーテル系以外のフッ素ゴム成形品)
・ビニリデン系フッ素ゴム:バイトンE−60C(デュポン社製、標準配合組成物)
(縮合架橋タイプ液状シリコーンゴム接着剤)
・液状シリコーンゴム組成物(I):シーラントマスター300(信越化学工業(株)製、(i)〜(iii)成分含有、脱オキシムタイプ液状ゴム組成物)
・液状シリコーンゴム組成物(II):X−31−2285(信越化学工業(株)製、(i)〜(iii)成分含有、脱アセトンタイプ液状ゴム組成物)
(評価用成形品の製造)
図2に示す構造の成形品を得るために下記の工程で製造を行った。
(1)一方のゴムシート成形品に液状シリコーンゴム組成物を0.2〜0.5mmの厚さでバーコートにより塗布する。
(2)もう一方のゴムシート成形品をエアーの混入に注意しながら張り合わせる。
(3)張り合わせたシートを23℃、湿度50%の環境に24時間放置後に評価を行う。
上記含フッ素ゴム組成物及びシリコーンゴム組成物は、それぞれ2mm厚のシートに成形したものを用いた。
[接着性評価方法]
(1)剥離状態:液状シリコーンゴム組成物の硬化物にカッターナイフで切込みを入れて引き剥がしたときの界面のゴムはがれ具合を評価した。
○:液状シリコーンゴム組成物の硬化物が凝集破壊して材料界面は安定
△:ごく一部分の界面で凝集破壊するが、大部分の液状シリコーンゴム組成物が未硬

×:全く接着せず界面から容易に剥離
(2)溶剤膨潤:トルエンに24時間浸漬させてシリコーンゴム材質のみを膨潤させたときの状態を評価した。
○:シリコーンゴムが膨潤しても剥離しない安定なゴム界面状態。
×:24時間以内に剥離。
[実施例1〜7、比較例1]
表1に示す組み合わせで、ゴム成形品シートを張り合わせ評価を行った。実施例で示すシリカ含有パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品は、液状シリコーンゴム組成物を用いてシリコーンゴムと安定に接着可能であった。
比較例1に示すシリカを含有しないパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品は、シリコーンゴム成形品界面で容易に剥離してしまった。
Figure 2005248149
[比較例2,3]
表3で示すように、気体透過性の小さい2種類の材料であるパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品とビニリデン系フッ素ゴムでは、液状シリコーンゴム組成物の端部は硬化しているもののほとんどの部分は未硬化であり、水分の透過効果が確認できた。
Figure 2005248149
Figure 2005248149
本発明のゴム物品の一例を示す断面図である。 本発明のゴム物品の他の例を示す断面図である。
符号の説明
1 シリコーンゴム成形品
2 縮合タイプ液状シリコーンゴム組成物の硬化物
3 パーフルオロポリエーテル系フッ素ゴム成形品

Claims (7)

  1. (a)充填材としてシリカを含有するパーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品と(b)シリコーンゴム成形品とを(c)縮合架橋型の液状シリコーンゴム組成物の硬化物を介して接着させてなることを特徴とするゴム物品。
  2. 上記(a)パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品が、
    (A)分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、かつ主鎖中に二価のパーフルオロアルキレン構造又は二価のパーフルオロポリエーテル構造を有するパーフルオロ化合物の前記アルケニル基の一部に、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有するアルケニル基と付加反応可能な化合物が付加してなるポリマー、
    (B)シリカ、及び
    (C)分子中にヒドロシリル基を有する付加反応可能な架橋剤又はパーオキサイド架橋剤を前記(A)成分を硬化させるのに十分な量
    を含有してなる架橋性フッ素ゴム組成物
    を硬化させてなるものであることを特徴とする請求項1記載のゴム物品。
  3. 上記(a)パーフルオロポリエーテル系含フッ素ゴム成形品中のシリカ含有率が1〜50質量%であることを特徴とする請求項1又は2記載のゴム物品。
  4. 上記(b)シリコーンゴム成形品が、
    (D)下記平均組成式(I)
    (R11aSiO(4-a)/2 (I)
    (式中、R11は非置換又は置換の一価炭化水素基であり、aは1.95<a<2.05を満たす数である。)
    で表されるジオルガノポリシロキサンであって、該ジオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する全R11中、0.01〜15モル%が一価の脂肪族不飽和炭化水素基であるもの、
    (E)補強性充填剤、及び
    (F)架橋剤
    を含有してなるシリコーンゴム組成物を硬化させてなるものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のゴム物品。
  5. 上記(c)縮合架橋の液状シリコーンゴム組成物が、
    (i)分子鎖両末端が水酸基で停止されたジオルガノポリシロキサン、
    (ii)一分子中にケイ素原子に結合した加水分解性基を少なくとも3個有する有機ケイ素化合物及びその部分加水分解物からなる群より選ばれる少なくとも1種、及び
    (iii)無機質充填剤
    を含有してなるオルガノポリシロキサン組成物である請求項1乃至4のいずれか1項記載のゴム物品。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項記載のゴム物品を部分構造又は全体構造として有するゴム製品。
  7. シール材、O−リング、ダイヤフラム、ホース、キャップ又はバルブ材である請求項6記載のゴム製品。
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