JP2007182517A - 導電性フルオロポリエーテル系ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
(B)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン
(A)成分のアルケニル基1モルに対してSi−H基として0.5〜3.0モルとなる量
(C)白金族化合物 白金族金属原子換算で0.1〜500ppm
(D)イオン導電性付与化合物 0.01〜10質量部
を含有し、その硬化物が半導電性を有することを特徴とするフルオロポリエーテル系ゴム組成物。
【効果】本発明のフルオロポリエーテル系ゴム組成物は、耐熱性、耐薬品性、耐溶剤性、離型性、撥水性、撥油性、低温特性等に優れ、かつ半導電領域の安定した体積抵抗率を有し、更に接着付与剤を含有することで、金属及び/又は有機樹脂に対して自己接着性を有する硬化物を提供することができる。
【選択図】なし
Description
(A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物 100質量部
(B)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン (A)成分のアルケニル基1モルに対してSi−H基として0.5
〜3.0モルとなる量
(C)白金族化合物 白金族金属原子換算で0.1〜500ppm
(D)イオン導電性付与化合物 0.01〜10質量部
を含有する組成物が、上記目的を達成できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
本発明の(A)成分は、1分子中に2個以上のアルケニル基を有する直鎖状ポリフルオロ化合物であり、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。
CH2=CH−(X)a−Rf2−(X’)a−CH=CH2 (1)
[式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−(Yは−CH2−又は下記構造式(2)
で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)で表される基、R1は水素原子、又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR1−Y’−(Y’は−CH2−又は下記構造式(3)
で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)で表される基であり、R1は上記と同じ基である。Rf2は二価のパーフルオロポリエーテル基であり、aは独立に0又は1である。]
(式中、p及びqはそれぞれ1〜150の整数であって、かつpとqの和の平均は2〜200である。また、rは0〜6の整数、tは2又は3である。)
(式中、uは1〜200の整数、vは1〜50の整数、tは上記と同じである。)
(式中、m及びnは1以上の整数、m+n(平均)=2〜200である。)
(式中、m及びnは1以上の整数、m+n(平均)=2〜200である。)
(式中、m’は1〜200の整数、n’は1〜50の整数である。)
[式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−(Yは−CH2−又は下記構造式(2)
で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基、R1は水素原子、メチル基、フェニル基又はアリル基、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR1−Y’−(Y’は−CH2−又は下記構造式(3)
で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基、R1は上記と同じである。aは独立に0又は1、Lは2〜6の整数、b及びcはそれぞれ0〜200の整数である。]
これらの直鎖状ポリフルオロ化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
(B)成分は、1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上、好ましくは3個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサンである。本発明の(B)成分は、上記(A)成分の架橋剤ないし鎖長延長剤として機能するものであり、また、(A)成分との相溶性、分散性、硬化後の均一性等の観点から、1分子中に1個以上の一価のパーフルオロアルキル基、一価のパーフルオロオキシアルキル基、二価のパーフルオロアルキレン基又は二価のパーフルオロオキシアルキレン基等のフッ素含有基を有するものが好ましい。
CgF2g+1−
−CgF2g−
(式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。)
(式中、fは2〜200、好ましくは2〜100、hは1〜3の整数である。)
−CH2CH2−、
−CH2CH2CH2−、
−CH2CH2CH2OCH2−、
−CH2CH2CH2−NH−CO−、
−CH2CH2CH2−N(Ph)−CO−(但し、Phはフェニル基である。)、
−CH2CH2CH2−N(CH3)−CO−、
−CH2CH2CH2−O−CO−
等の炭素原子数2〜12のものが挙げられる。
本発明の(C)成分である白金族化合物は、ヒドロシリル化反応触媒である。ヒドロシリル化反応触媒は、(A)成分中のアルケニル基と、(B)成分中のヒドロシリル基との付加反応を促進する触媒である。このヒドロシリル化反応触媒は、一般に貴金属の化合物であり、高価格であることから、比較的入手し易い白金又は白金化合物がよく用いられる。
本発明の(D)成分であるイオン導電性付与化合物は、本発明の組成物に導電性を付与するためのものである。
該イオン導電性付与化合物としては、リチウム塩が好ましい。これは、カチオンとして働くリチウムイオンの大きさが小さいため、易動度が大きく、導電性に優れるためである。
尚、本発明のフルオロポリエーテル系ゴム組成物には、その実用性を高めるために種々の添加剤を必要に応じて添加することができる。特に、接着付与剤として(E)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子(Si−H基)と、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基をそれぞれ1個以上有するオルガノシロキサンを添加することが好ましい。
−R13−Si(OR14)3
(式中、R13は炭素数1〜10、特に1〜4の二価炭化水素基、具体的にはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基等のアルキレン基等を示し、R14は炭素数1〜8、特に1〜4の一価炭化水素基、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基等のアルキル基を示す。)
(式中、R15は炭素数1〜8、特に1〜4の一価炭化水素基(アルキル基等)を示し、R16は水素原子又はメチル基、kは2〜10の整数を示す。)
−Z−Rf (7)
式(7)中、Zは−(CH2)t−X”−で表されるものが好ましく、X”は−OCH2−、又は−Y”−NR’−CO−(Y”は−CH2−又は下記構造式(8)
で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基であり、R’は水素原子、置換もしくは非置換の好ましくは炭素数1〜12、特に1〜10の一価炭化水素基である。)で表される基であり、tは1〜10、より好ましくは1〜5の整数である。
CgF2g+1−
(式中、gは1〜20、好ましくは2〜10の整数である。またfは2〜200、好ましくは2〜100の整数であり、hは1〜3の整数である。)
本発明のフルオロポリエーテル系ゴム組成物においては、その実用性を高めるために上記の(A)〜(D)成分及び(E)成分以外にも、可塑剤、粘度調節剤、可撓性付与剤、無機質充填剤、ヒドロシリル化反応触媒の制御剤、接着促進剤、シランカップリング剤等の各種配合剤を必要に応じて添加することができる。これら添加剤の配合量は、本発明の目的を損なわない範囲、並びに組成物の特性及び硬化物の物性を損なわない限りにおいて任意である。
Rf3−(X’)aCH=CH2 (9)
[式中、X’、aは上記式(1)で説明したものと同じ、Rf3は、下記一般式(12)で表される基である。
(式中、wは1以上の整数、tは2又は3であり、かつ上記(A)成分のRf2基に関するp+q(平均)及びrの和、並びにu及びvの和のいずれの和よりも小さい。)]
D−O−(CF2CF2CF2O)c−D (10)
(式中、Dは式:CsF2s+1−(sは1〜3)で表される基であり、cは1〜200の整数であり、かつ、前記(A)成分のRf2基に関するp+q(平均)及びrの和、並びにu及びvの和のいずれの和よりも小さい。)
D−O−(CF2O)d(CF2CF2O)e−D (11)
(式中、Dは上記と同じであり、d及びeはそれぞれ1〜200の整数であり、かつ、dとeの和は、前記(A)成分のRf2基に関するp+q(平均)及びrの和、並びにu及びvの和以下である。)
CF3O−(CF2CF2CF2O)n3−CF2CF3
CF3−[(OCF2CF2)n3(OCF2)m3]−O−CF3
(m3+n3=2〜201、m3=1〜200、n3=1〜200)
LiN(SO2CF3)220部をアジピン酸エステル溶液80部に溶解させ溶液を作製した(該溶液中の該リチウム塩の濃度は20質量%)。
下記式(13)で示されるポリマー(粘度10,000mPa・s、ビニル基量0.012モル/100g)90部に疎水化処理されたヒュームドシリカR−972(日本アエロジル社製商品名、BET比表面積110m2/g)10部を混合、熱処理後、上記LiN(SO2CF3)2を20質量%含有するアジピン酸エステル溶液100部を混合してペーストを作製した(該ペースト中の該リチウム塩の濃度は10質量%)。
上記式(13)で示されるポリマー(粘度10,000mPa・s、ビニル基量0.012モル/100g)100部に、疎水化処理されたヒュームドシリカR−972(日本アエロジル社製商品名、BET比表面積110m2/g)5.0部、下記式(14)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(Si−H基量0.071モル/100g)18.8部、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.20部及び上記LiN(SO2CF3)2を20質量%含有するアジピン酸エステル溶液6.0部を順次添加し均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。
上記式(13)で示されるポリマー(粘度10,000mPa・s、ビニル基量0.012モル/100g)94.6部に、疎水化処理されたヒュームドシリカR−972(日本アエロジル社製商品名、BET比表面積110m2/g)4.4部、上記式(14)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(Si−H基量0.071モル/100g)18.8部、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.20部及び上記LiN(SO2CF3)2を10質量%含有するペースト12部を順次添加し均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。そして実施例1と同様の方法で硬化物を作製し、硬さ、引張り強さ、伸び及び体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
上記式(13)で示されるポリマー(粘度10,000mPa・s、ビニル基量0.012モル/100g)100部に、疎水化処理されたヒュームドシリカR−976(日本アエロジル社製商品名、BET比表面積250m2/g)1.5部、下記式(15)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(Si−H基量0.82モル/100g)1.18部、下記式(16)で示される含フッ素オルガノ水素シロキサン(Si−H基量0.39モル/100g)1.88部、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体のトルエン溶液(白金濃度0.5質量%)0.30部、上記LiN(SO2CF3)2を20質量%含有するアジピン酸エステル溶液2.6部、下記式(17)で示されるオルガノシロキサン1.0部を順次添加し、均一になるように混合した。その後、脱泡操作を行うことにより組成物を調製した。そして実施例1と同様の方法で硬化物を作製し、硬さ、引張り強さ、伸び及び体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
実施例1の配合において、LiN(SO2CF3)2を20質量%含有するアジピン酸エステル溶液を除いた以外は、実施例1と同様の方法で組成物及び硬化物を調製し、硬さ、引張り強さ、伸び及び体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
実施例1の配合において、LiN(SO2CF3)2を20質量%含有するアジピン酸エステル溶液の添加量を60部とした以外は、実施例1と同様の方法で組成物及び硬化物を調製し、硬さ、引張り強さ、伸び及び体積抵抗率を測定した。結果を表1に示す。
実施例3の配合において、LiN(SO2CF3)2を20質量%含有するアジピン酸エステル溶液を除いた以外は、実施例3と同様の方法で組成物及び硬化物を調製し、硬さ、引張り強さ、伸び及び体積抵抗率を測定した。また接着強度(剪断接着力)及び凝集破壊率についても実施例3と同様の方法で評価した。結果を表1に示す。
Claims (9)
- (A)1分子中に2個以上のアルケニル基を有し、かつ主鎖中にパーフルオロポリエーテル構造を有する直鎖状ポリフルオロ化合物 100質量部
(B)1分子中にケイ素原子に直結した水素原子を2個以上有する含フッ素オルガノ水素シロキサン
(A)成分のアルケニル基1モルに対してSi−H基として0.5〜3.0モルとなる量
(C)白金族化合物 白金族金属原子換算で0.1〜500ppm
(D)イオン導電性付与化合物 0.01〜10質量部
を含有し、その硬化物が半導電性を有することを特徴とするフルオロポリエーテル系ゴム組成物。 - 硬化物の体積抵抗率が半導電領域(1×106〜1×1010Ω・cm)にあることを特徴とする請求項1記載のフルオロポリエーテル系ゴム組成物。
- (D)成分のイオン導電性付与化合物がリチウム塩であることを特徴とする請求項1又は2記載のフルオロポリエーテル系ゴム組成物。
- (D)成分のイオン導電性付与化合物が、LiBF4、LiClO4、LiAlCl4、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiSO3CF3、LiN(SO2CF3)2、LiSO3C4F9、CH3COOLi、LiC(SO2CF3)3、LiB(C6H5)4から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のフルオロポリエーテル系ゴム組成物。
- (D)成分のイオン導電性付与化合物が有機溶媒に溶解させた溶液として配合することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のフルオロポリエーテル系ゴム組成物。
- (D)成分のイオン導電性付与化合物が有機溶媒に溶解させた溶液を(A)成分と同じ又は異なる直鎖状ポリフルオロ化合物と混合したペーストとして配合することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のフルオロポリエーテル系ゴム組成物。
- 更に、(E)成分として1分子中にケイ素原子に直結した水素原子と、炭素原子又は炭素原子と酸素原子を介してケイ素原子に結合したエポキシ基及び/又はトリアルコキシシリル基をそれぞれ1個以上有するオルガノシロキサン1〜50質量部を含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフルオロポリエーテル系ゴム組成物。
- (A)成分が、下記一般式(1)
CH2=CH−(X)a−Rf2−(X’)a−CH=CH2 (1)
[式中、Xは−CH2−、−CH2O−、−CH2OCH2−又は−Y−NR1−CO−(Yは−CH2−又は下記構造式(2)
で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)で表される基、R1は水素原子、又は置換もしくは非置換の一価炭化水素基、X’は−CH2−、−OCH2−、−CH2OCH2−又は−CO−NR1−Y’−(Y’は−CH2−又は下記構造式(3)
で示されるo,m又はp−ジメチルシリルフェニレン基)で表される基であり、R1は上記と同じ基である。aは独立に0又は1である。
Rf2は下記一般式(4)又は(5)で表される二価のパーフルオロポリエーテル基である。
(式中、p及びqはそれぞれ1〜150の整数であって、かつpとqの和の平均は2〜200である。また、rは0〜6の整数、tは2又は3である。)
(式中、uは1〜200の整数、vは1〜50の整数、tは上記と同じである。)]
で表される直鎖状ポリフルオロ化合物である請求項1乃至7いずれか1項に記載のフルオロポリエーテル系ゴム組成物。 - (B)成分の含フッ素オルガノ水素シロキサンが、1分子中に1個以上の一価のパーフルオロアルキル基、一価のパーフルオロオキシアルキル基、二価のパーフルオロアルキレン基、又は二価のパーフルオロオキシアルキレン基を有するものである請求項1乃至8いずれか1項に記載のフルオロポリエーテル系ゴム組成物。
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