JP6848760B2 - 冷却液用シール材 - Google Patents

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Description

本発明は、付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材に関し、特に、エチレングリコール水溶液等の冷却液に対して優れた低圧縮永久歪を有する硬化物(シリコーンゴム)を与える付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材に関する。
シリコーンゴムは、耐熱性、耐寒性、安全性、外観の良さ(透明性)、肌触りの良さ、更には耐久性の良さから、哺乳瓶用乳首や食品用等のヘルスケア材料、車載用のホースやガスケット材料、建築部材、繊維のコーティング材料等、幅広い分野で使用されている。
シリコーンゴムをO−リングやパッキンなどのガスケットとして使用する場合、シール漏れ予防のため低い圧縮永久歪が求められる。しかし、一般のシリコーンゴムは圧縮永久歪が大きく、高温下で使用する用途では長期でゴム形状が変化してしまう問題があった。通常、圧縮永久歪を低くするためには、加熱硬化して成型したゴムを更に高温下で長時間二次加硫する必要があった。
上記の問題を解決するために、付加硬化性シリコーンゴム組成物にトリアゾール系化合物を添加し、二次加硫せずに圧縮永久歪を低くする方法が提案されている(特許文献1:特開平2−242854号公報、特許文献2:特開2017−2165号公報)。
しかしながら、上述した方法は、空気中での圧縮永久歪を低減するには有効であるが、特殊な環境下で使用する場合、その限りではない。例えば、近年の自動車においては電子部品の冷却のため、冷却液(エチレングリコール水溶液)を様々な部分に通液しており、冷却液用のシール材を配置しなければならない。冷却液に常時触れる状態では上述した方法では圧縮永久歪が大きく悪化し、シール性を保てなくなる問題があった。
特開平2−242854号公報 特開2017−2165号公報
本発明は、上記事情を改善するためになされたもので、エチレングリコール水溶液等の冷却液に対して優れた低圧縮永久歪を有する硬化物(シリコーンゴム)を与える付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、平均重合度が1,500以下であり、25℃で液状であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサンと、(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、(C)BET法による比表面積が50〜150m2/gであり、表面にアルケニル基含有シリル基を有するヒュームドシリカと、(D)付加反応触媒とを、それぞれ特定の量で含有してなる付加硬化性液状シリコーンゴム組成物を用い、これを硬化させて得られる硬化物が、エチレングリコール水溶液等の冷却液に対して優れた低圧縮永久歪を有することを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記に示す付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材を提供する。
〔1〕
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、平均重合度が1,500以下であり、25℃で液状であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.2〜20質量部、
(C)BET法による比表面積が50〜150m2/gであり、表面にアルケニル基含有シリル基を有するヒュームドシリカ:10〜40質量部、
(D)付加反応触媒:(A)〜(C)成分の合計質量に対し、白金族金属(質量換算)として触媒量
を含有する付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材
〔2〕
(C)成分が、表面にアルケニル基含有シリル基とアルキル基含有シリル基との両方を有するヒュームドシリカである〔1〕記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材
〔3〕
(C)成分が、ヒュームドシリカを下記一般式(I)
Figure 0006848760
(式中、R1は炭素数1〜3の1価炭化水素基であり、少なくとも1つのR1はアルケニル基であり、Xは−Cl、−OR2、又は−NR2 2、R2は炭素数1〜6の1価炭化水素基、nは1〜3の整数である。)
及び下記一般式(II)
Figure 0006848760
(式中、R1は上記と同じであり、mは1〜6の整数である。)
から選ばれる少なくとも1種のアルケニル基含有有機ケイ素化合物で表面処理したものである〔1〕又は〔2〕記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材
〔4〕
(A)、(B)、及び(C)成分を含有するシリコーンゴム混合物において、常温下、せん断速度0.9s-1の時のせん断粘度η1とせん断速度10s-1の時のせん断粘度η2の比(η1/η2)が2.0以下である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材
〔5〕
せん断粘度の比(η1/η2)が1.0〜1.8である〔4〕記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材
本発明によれば、エチレングリコール水溶液等の冷却液に対して優れた低圧縮永久歪を有する硬化物(シリコーンゴム)を与える付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材を提供することができる。
以下、本発明の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物及び冷却液用シール材について更に詳しく説明する。
〔付加硬化性液状シリコーンゴム組成物〕
本発明の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物は、(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)アルケニル基含有シリル基で表面処理したヒュームドシリカ、及び(D)付加反応触媒を含有することを特徴とする。
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン
(A)成分は、本発明の組成物の主剤(ベースポリマー)であり、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、平均重合度が1,500以下であり、25℃で液状である(即ち、自己流動性のある)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンである。好ましくは、該アルケニル基を分子鎖末端に含有する。このようなアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、このオルガノポリシロキサン((A)成分)のみからなる。
1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとしては、下記平均組成式(III)で示される25℃で液状のものを用いることができる。
Figure 0006848760
(式中、R3は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基であり、aは1.5〜2.8、好ましくは1.8〜2.5、より好ましくは1.95〜2.05の正数である。)
式(III)中、R3は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられるが、全てのR3の90モル%以上がメチル基であることが好ましい。
3のうち、少なくとも2個はアルケニル基(炭素数2〜8のものが好ましく、更に好ましくは2〜6であり、特に好ましくはビニル基である。)であることが必要である。
なお、アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中、1.0×10-6〜3.0×10-3mol/g、特に1.0×10-5〜2.0×10-3mol/gとすることが好ましい。アルケニル基の量が1.0×10-6mol/gより少ないとゴム硬度が低すぎてゲル状になってしまうことがあり、また3.0×10-3mol/gより多いと架橋密度が高くなりすぎて、極端に硬度が高くなり、ゴムの弾性がなくなってしまうことがある。
なお、本発明におけるアルケニル基の含有量は、ハヌス法によって測定した前記アルケニル基含有オルガノポリシロキサンのヨウ素価から計算した値を指すものとする。
オルガノポリシロキサンの構造は、基本的には、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる直鎖状構造を有するが、部分的にはモノオルガノシルセスキオキサン単位を有する分岐状構造、環状構造などであってもよい。
アルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していてもよいが、本発明の(A)成分においては、分子鎖末端のケイ素原子(即ち、トリオルガノシロキシ基中のケイ素原子)に結合したアルケニル基を分子中に少なくとも1個、好ましくは2個以上含有することが好ましく、分子鎖途中のケイ素原子(即ち、ジオルガノシロキサン単位又はモノオルガノシルセスキオキサン単位中のケイ素原子)に結合したアルケニル基は含有していても、していなくてもよい。分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも1個、好ましくは2個以上含有しないと、硬化が遅くなってしまう場合がある。
オルガノポリシロキサンの平均重合度は、1,500以下であることが必要であり、好ましくは100〜1,500、より好ましくは150〜1,100である。100未満では、十分なゴム感が得られないことがあり、1,500より高いと粘度が高くなり、成形が困難になってしまう。
なお、本発明中で言及する平均重合度とは、数平均重合度のことを指し、下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした数平均重合度を指すこととする。
[測定条件]
展開溶媒:トルエン
流量:1mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:KF−805L×2(Shodex社製)
カラム温度:25℃
試料注入量:30μL(濃度0.2質量%のトルエン溶液)
このような(A)成分のオルガノポリシロキサンとして、具体的には、分子鎖両末端ジオルガノアルケニルシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサン、分子鎖両末端オルガノジアルケニルシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサン、分子鎖両末端トリアルケニルシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサン、分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖ジオルガノシロキサン・オルガノアルケニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジオルガノアルケニルシロキシ基封鎖ジオルガノシロキサン・オルガノアルケニルシロキサン共重合体、分子鎖の片末端がジオルガノアルケニルシロキシ基封鎖で他方の片末端がトリオルガノシロキシ基封鎖であるジオルガノシロキサン・オルガノアルケニルシロキサン共重合体などが挙げられるが、好ましくは、分子鎖両末端ジオルガノアルケニルシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサン、分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖ジオルガノシロキサン・オルガノアルケニルシロキサン共重合体及び/又は分子鎖両末端ジオルガノアルケニルシロキシ基封鎖ジオルガノシロキサン・オルガノアルケニルシロキサン共重合体である。なお、ここでの「オルガノ」は脂肪族不飽和基を含まない有機基、典型的にはアルキル基、アリール基、アラルキル基を指す。
(A)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン
(B)成分は、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、分子中のSi−H基が前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基とヒドロシリル化付加反応により架橋し、組成物を硬化させるための硬化剤として作用するものである。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、下記平均組成式(IV)で示され、1分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上、より好ましくは3〜100個、更に好ましくは3〜50個のケイ素原子結合水素原子(Si−H基)を有するものが好適に用いられる。
Figure 0006848760
(式中、R4は互いに同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは1〜8の非置換又は置換の1価炭化水素基である。また、bは0.7〜2.1、cは0.001〜1.0で、かつb+cは0.8〜3.0を満足する正数である。)
式(IV)中、R4は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基、オクテニル基等のアルケニル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えばクロロメチル基、クロロプロピル基、ブロモエチル基、トリフロロプロピル基、シアノエチル基等を挙げることができるが、脂肪族不飽和基を有さないものが好ましい。
また、bは0.7〜2.1、好ましくは0.8〜2.0であり、cは0.001〜1.0、好ましくは0.01〜1.0であり、b+cは0.8〜3.0、好ましくは1.0〜2.5を満足する正数であり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。なお、ケイ素原子に結合する水素原子は分子鎖末端、分子鎖の途中のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。
(B)成分のSi−H基の含有量は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中、5.0×10-4〜1.7×10-2mol/g、特に1.0×10-3〜1.7×10-2mol/gであることが好ましい。5.0×10-4mol/gより少ないと架橋密度が低く、ゲル状となることがあり、1.7×10-2mol/gより高いと不安定な化合物となることがある。
このような(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体や、これら例示化合物においてメチル基の一部又は全部を他のアルキル基などで置換したものなどが挙げられる。
(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.2〜20質量部であり、好ましくは0.3〜10質量部である。また、(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)と、(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基の総量とのモル比(Si−H基/アルケニル基)が、1.0〜2.0、特に1.1〜1.8となる量であることが好ましい。この比が1.0より小さいと硬化(架橋密度)が不十分になり、べたついたゴムになってしまうことがあり、2.0より大きいと、硬化物の圧縮永久歪が悪くなってしまうおそれがある。
(C)表面にアルケニル基含有シリル基を有するヒュームドシリカ
(C)成分は、シリコーンゴムに十分なゴム強度を与えるために必須なものであり、BET法による比表面積が50〜150m2/g、好ましくは90〜150m2/gである表面にアルケニル基含有シリル基を有するヒュームドシリカ(以下、単に「シリカ」と記すことがある。)である。BET法による比表面積が、50m2/gより小さいと十分なゴム強度が得られず、150m2/gより大きいと冷却液中(特にエチレングリコール水溶液中)で著しい劣化が生じるおそれがある。
(C)成分は、該シリカ表面にアルケニル基含有シリル基を有するシリカを用いる。このようなシリカは、アルケニル基含有有機ケイ素化合物で表面処理されたものを用いる。アルケニル基含有シリル基を有さないシリカを用いた場合、冷却液中(特にエチレングリコール水溶液中)での圧縮永久歪が著しく悪化する。
なお、アルケニル基含有シリル基を有するシリカは、市販されているものを用いてもよいし、後述する方法で(A)成分と混練して、シリコーンゴムベースを調製する際に、同時に表面処理を行ってもよい。
ここで、アルケニル基含有シリル基の例としては、ビニルジメチルシリル基、アリルジメチルシリル基などのアルケニルジアルキルシリル基、メチルジビニルシリル基、エチルジビニルシリル基などのジアルケニルアルキルシリル基、トリビニルシリル基などのトリアルケニルシリル基、メチルビニルシリル基、エチルビニルシリル基などのアルケニルアルキルシリル基、ジビニルシリル基などのジアルケニルシリル基、及びビニルシリル基などのアルケニルシリル基などが挙げられる。
アルケニル基含有有機ケイ素化合物の例としては、ジビニルテトラアルキルジシラザン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ビニルトリシラザン、2,4,6−トリメチル−2,4,6−トリビニルシクロトリシラザン等のビニルシラザン、ジアルキルアミノビニルジアルキルシラン、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルアルキルジアルコキシシラン、ビニルジアルキルアルコキシシラン等のビニルアルコキシシラン、ビニルトリクロロシラン、アルキルビニルジクロロシラン、ジアルキルビニルクロロシラン等のビニルクロロシラン等のビニル基含有シラン系カップリング剤が用いられる。この中でもジビニルテトラアルキルジシラザンが好ましく、特に、入手のしやすさや効率良く表面処理できる点から、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザンやビニルトリメトキシシランが好適に用いられる。
更に、(C)成分は、アルケニル基含有シリル基に加えて、アルキル基含有シリル基の両方を表面に有するシリカを用いる事が好ましい。アルキル基含有シリル基を有さない場合と比較して、より水溶液への耐性が向上する。
ここで、アルキル基含有シリル基とは、前述のアルケニル基含有シリル基とは異なり、アルケニル基を有さず、かつアルキル基を有するシリル基を指す。その例としては、トリメチルシリル基、ブチルジメチルシリル基などのトリアルキルシリル基、ジメチルシリル基、メチルエチルシリル基などのジアルキルシリル基、メチルシリル基などのアルキルシリル基などが挙げられる。
アルケニル基含有シリル基とアルキル基含有シリル基との両方で表面修飾されたシリカは、事前にアルケニル基含有シリル基で表面修飾されたシリカにアルキル基を有する有機ケイ素化合物で表面処理してもよいし、アルケニル基含有有機ケイ素化合物とアルキル基含有有機ケイ素化合物とで同時に表面処理してもよい。また、市販のアルキル基含有シリル基で表面処理されたシリカにアルケニル基含有有機ケイ素化合物で表面処理してもよい。
有機ケイ素化合物によるシリカの表面処理法には、公知の技術を用いることができ、例えば、常圧で密閉された機械混練装置又は流動層に未処理のシリカ微粉末と上記有機ケイ素化合物とを入れ、必要に応じて不活性ガス存在下において、室温あるいは熱処理にて混合処理する。場合により、触媒を使用して処理を促進してもよい。混練後、乾燥することにより、処理シリカ微粉末を製造し得る。また、組成物を調製する際に、シリコーンオイル(即ち、(A)成分のオルガノポリシロキサン)との混練時に、これら有機ケイ素化合物を添加して、必要により少量の水の存在下に混合して、組成物中で表面処理することも可能である。
この場合、特に(A)成分の一部又は全部とヒュームドシリカとを室温(常温)あるいは加熱下、好ましくは30〜200℃で30〜600分間混合してシリコーンゴムベースを調製する際に、アルケニル基含有有機ケイ素化合物を添加し、上記成分と一緒に混合する事により、このアルケニル基含有有機ケイ素化合物でヒュームドシリカを表面処理して表面にアルケニル基含有シリル基を有するヒュームドシリカを得ることができる。なお、このときに配合するアルケニル基含有有機ケイ素化合物の量は、ヒュームドシリカの全量100質量部に対し、0.1〜10質量部、特に0.1〜5.0質量部であることが好ましい。
アルケニル基含有有機ケイ素化合物としては、下記一般式(I)
Figure 0006848760
(式中、R1は炭素数1〜3の1価炭化水素基であり、少なくとも1つのR1はアルケニル基であり、Xは−Cl、−OR2、又は−NR2 2、R2は炭素数1〜6の1価炭化水素基、nは1〜3の整数である。)
及び下記一般式(II)
Figure 0006848760
(式中、R1は上記と同じであり、mは1〜6の整数である。)
から選ばれる少なくとも1種の有機ケイ素化合物が用いられる。
式(I)中、R1は、炭素数1〜3の1価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、及びビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基が挙げられる。
1は、nが1の時は疎水性基であり、nが2又は3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。
Xは、加水分解性基であり、−Cl、−OR2、又は−NR2 2である。
2は、炭素数1〜6の1価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、及びビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基が挙げられる。
式(I)及び(II)の有機ケイ素化合物は、R1として、上記アルケニル基の他、アルキル基を必須成分として含むことができる。
式(I)及び(II)の有機ケイ素化合物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
また、アルキル基含有有機ケイ素化合物としては、アルキルアルコキシシラン、アルキルクロロシラン、アルキルシラザン、アルキルヒドロキシシランやこれらの縮合物等が挙げられる。この中でも、アルキルアルコキシシラン、アルキルクロロシラン、アルキルシラザンが効率的にシリカ粒子表面の水酸基を処理しやすい点で好ましい。アルキル基含有有機ケイ素化合物は、アルケニル基を含まない点でアルケニル基含有有機ケイ素化合物とは明確に異なる成分である。
式(I)及び(II)で示されるアルケニル基含有有機ケイ素化合物やアルキル基含有有機ケイ素化合物は、加水分解性基[式(I)中のX及び式(II)中のシラザン基]を有するものであり、この加水分解性基が直接シリカ粒子表面の水酸基と反応するか、もしくは、水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基がシリカ粒子表面の水酸基と脱水縮合反応することにより、シリカ粒子表面が改質される。
こうして、シリカ粒子表面に疎水性基が付与されることになるため、シリコーンゴム組成物中におけるシリカ粒子の凝集力が低下し(シラノール基を伴う水素結合による凝集が少なくなる)、その結果、シリカ粒子の分散性が向上する。これにより、シリカ粒子とゴムマトリクスとの界面が増加し、シリカ粒子の補強効果が増大する。さらに、シリカ粒子の疎水化度が向上する為、一般的に冷却液として用いられるエチレングリコール水溶液等がゴム内部に進入する事を防止し、これらの水溶液に対する耐性を高める事ができる。
また、式(I)及び(II)で示されるアルケニル基含有有機ケイ素化合物は、アルケニル基を必須に有しており、これにより、シリカ粒子表面にアルケニル基が導入される。そのため、シリコーンゴム組成物の硬化の際、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンが有するアルケニル基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサンが有するヒドリド基とがヒドロシリル化付加反応をしてネットワーク(架橋構造)が形成される際に、シリカ粒子が有するアルケニル基も、オルガノハイドロジェンポリシロキサンが有するヒドリド基とのヒドロシリル化付加反応に関与するため、ネットワーク中にシリカ粒子も取り込まれるようになる。これにより、形成されるシリコーンゴムの高硬度化及び高モジュラス化を図ることができる。さらに、通常硬化後のゴムがエチレングリコール水溶液等の冷却液に接した際に、ゴム内部にエチレングリコールや水が浸入し、ポリマーマトリックスとシリカの相互作用が切れ、シリカのずれが生じるが、シリカ上にアルケニル基を有する場合、シリカがポリマーネットワーク上に固定されるため、ずれが生じにくく、圧縮永久歪等が良好となる。
シリカ粒子は、式(I)及び/又は式(II)で示されるアルケニル基含有有機ケイ素化合物、及び、アルキル基含有有機ケイ素化合物によって表面処理して得られるが、シリカ粒子表面の水酸基はできるだけ残存しないようにすることが好ましい。組成物中のシリカ粒子表面の水酸基濃度が高くなると、硬化後のゴムをエチレングリコール水溶液等の冷却液に常時接触させて使用した場合、エチレングリコールや水がゴム内部に吸収され、ゴムの著しい劣化が生じることがある。
組成物中のシリカ表面の水酸基量を直接定量する事は困難であるが、組成物のチキソトロピー性を評価する事で、処理の程度を推測する事ができる。チキソトロピー性は、次式(A)で示される常温下における高せん断速度時のせん断粘度η2に対する低せん断速度時のせん断粘度η1のせん断粘度の比(η1/η2)であるチキソトロピー比によって評価する事が可能である。
チキソトロピー比=せん断粘度η1/せん断粘度η2 ・・・(A)
チキソトロピー比が大きい場合、シリカ表面処理度が低く、組成物中のシリカ表面の水酸基が多い事を示し、逆にチキソトロピー比が小さい場合、シリカ表面処理度が高く、組成物中のシリカ表面の水酸基が少ない事を示す。
せん断粘度は、常温下(通常20〜25℃、好ましくは22〜24℃)、通常0.1〜2.0s-1、好ましくは0.5〜1.5s-1の低せん断速度時にせん断粘度η1が測定され、また、通常5.0〜100s-1、好ましくは8.0〜20s-1の高せん断速度時にせん断粘度η2が測定される。
せん断粘度測定には、例えば、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製HAAKE MARS−40やHAAKE レオストレス6000等を用いて測定する事ができる。
本発明では、特に、(A)、(B)、及び、(C)成分を含有するシリコーンゴム混合物のチキソトロピー比(η1/η2)が、23℃下、低せん断速度を0.9s-1、高せん断速度を10s-1とした時、2.0以下であり、1.0〜2.0が好ましく、さらに1.0〜1.8がより好ましい。チキソトロピー比(η1/η2)が2.0より大きくなると、シリカの表面処理度が低くなり、エチレングリコール水溶液等への耐性がなくなってしまう。
(C)成分のヒュームドシリカの配合量は、(A)成分100質量部に対して、10〜40質量部、好ましくは15〜35質量部である。配合量が10質量部より少ないと十分なゴム強度が得られず、また40質量部より多いと冷却液中(特にエチレングリコール水溶液中)で劣化が生じやすくなることがある。
(D)付加反応触媒
(D)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などが挙げられる。
付加反応触媒の配合量は、(A)〜(C)成分の合計質量に対し、白金族金属(質量換算)として0.5〜1,000ppmであり、好ましくは1〜500ppmである。
その他の成分
本発明の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物に、発明の効果を損なわない限り、その他の成分として、必要に応じて、沈降シリカ、石英粉、珪藻土、炭酸カルシウムのような充填剤や、カーボンブラック、導電性亜鉛華、金属粉等の導電剤、窒素含有化合物やアセチレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒドロシリル化反応制御剤、酸化鉄、酸化セリウムのような耐熱剤、ジメチルシリコーンオイル等の内部離型剤、接着性付与剤(特には、分子中にアルケニル基、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリロキシ基、メルカプト基等から選ばれる少なくとも1種の官能性基を含有すると共に、分子中にSi−H基を含有しないアルコキシシラン等の有機ケイ素化合物など)、及びチクソ性付与剤等を配合することは任意である。
〔成形・硬化方法〕
付加硬化性シリコーンゴム組成物の成形・硬化方法としては、常法を採用し得るが、成形法として射出成形、トランスファー成形、注入成形、圧縮成形等から目的にあった最適な手段を選択することが可能である。硬化条件としては、40〜230℃で3秒〜160分間程度の加熱処理(一次加硫)条件を採用し得る。また、必要に応じて任意に40〜230℃で10分〜24時間程度の二次加硫(ポストキュア)を行ってもよい。
〔冷却液用シール材〕
付加硬化性シリコーンゴム組成物を硬化して得られる硬化物(シリコーンゴム)は、JIS K 6249:2003に基づき、硬化物を圧縮率25%で圧縮した状態(保持具を含む)でエチレングリコール50%水溶液(冷却液模擬液)中に浸漬し、120℃、1,000時間経過前後の圧縮永久歪を測定した際、圧縮永久歪が50%以下、特に40%以下、とりわけ35%以下となる。上記試験において、圧縮永久歪が50%以下であると、冷却液に常時触れるO−リングやパッキンの材料として好ましい。なお、上記圧縮永久歪を達成するためには、充填剤であるフュームドシリカがアルケニル基を有する有機ケイ素化合物、及び、アルキル基含有ケイ素化合物により処理され、さらにBET比表面積が50〜150m2/gである(C)成分を使用する事により達成できる。
このように本発明の付加硬化性シリコーンゴム組成物の硬化物は、冷却液と常時触れる場所に使用される冷却液用シール材料として好適に用いることができる。
以下、実施例と比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、下記例で部は質量部を示す。また、平均重合度は、数平均重合度を示す。
[実施例1]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が220であるジメチルポリシロキサン(A1、ビニル基量1.2×10-4mol/g)60部、BET法による比表面積が110m2/gでありジメチルジクロロシラン処理されたヒュームドシリカ(C1)(日本アエロジル社製、アエロジルR972)30部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン0.2部、水2.0部を25℃で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
このシリコーンゴムベース90部に、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が750であるジメチルポリシロキサン(A2、ビニル基量3.8×10-5mol/g)50部を加え、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖され側鎖にSi−H基を平均5個有するメチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン(B1、平均重合度18、Si−H基量5.6×10-3mol/g)を1.95部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.025部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム混合物を得た。
なお、この混合物において、Si−H基量と全(A)成分中の合計ビニル基量のモル比(Si−H基/ビニル基)は1.2である。
この混合物を、23℃下、HAAKE MARS−40を用いて低せん断速度0.9s-1で測定したせん断粘度η1、高せん断速度10s-1で測定したせん断粘度η2、及び、そのチキソトロピー比(=せん断粘度η1/せん断粘度η2)を表1に示した。
このシリコーンゴム混合物中に、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体のジメチルシロキサン溶液(Pt濃度1質量%)0.05部を混合してシリコーンゴム組成物とした。該組成物を120℃/15分のプレスキュアをして得られた硬化物について、JIS K 6253−3:2012に基づき、デュロメータタイプAにおける硬さ、JIS K 6249:2003に基づき、圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、空気中、温度150℃、試験時間22時間)を測定した結果、JIS K6249:2003に基づき、エチレングリコール50%水溶液中に浸漬下での圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、温度120℃、試験時間1,000時間)を測定した結果を表1に示した。
[実施例2]
実施例1記載の両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A1)60部、BET法による比表面積が110m2/gでありジメチルジクロロシラン処理されたヒュームドシリカ(C1)(日本アエロジル社製、アエロジルR972)30部、ヘキサメチルジシラザン3.0部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン0.2部、水2.0部を25℃で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
このシリコーンゴムベース90部に、実施例1記載の両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A2)50部を加え、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として実施例1記載の両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン(B1)を1.95部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.025部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム混合物を得た。
なお、この混合物において、Si−H基量と全(A)成分中の合計ビニル基量のモル比(Si−H基/ビニル基)は1.2である。
この混合物を、23℃下、HAAKE MARS−40を用いて低せん断速度0.9s-1で測定したせん断粘度η1、高せん断速度10s-1で測定したせん断粘度η2、及び、そのチキソトロピー比(=せん断粘度η1/せん断粘度η2)を表1に示した。
このシリコーンゴム混合物中に、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体のジメチルシロキサン溶液(Pt濃度1質量%)0.05部を混合してシリコーンゴム組成物とした。該組成物を120℃/15分のプレスキュアをして得られた硬化物について、JIS K 6253−3:2012に基づき、デュロメータタイプAにおける硬さ、JIS K 6249:2003に基づき、圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、空気中、温度150℃、試験時間22時間)を測定した結果、JIS K 6249:2003に基づき、エチレングリコール50%水溶液中に浸漬下での圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、温度120℃、試験時間1,000時間)を測定した結果を表1に示した。
[実施例3]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が1,100であるジメチルポリシロキサン(A3、ビニル基量2.5×10-5mol/g)60部、BET法による比表面積が50m2/gであるヒュームドシリカ(C2)(日本アエロジル社製、アエロジル50)30部、ヘキサメチルジシラザン1.0部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン0.2部、水1.0部を25℃で30分混合後、さらにヘキサメチルジシラザン1.0部を加え、25℃で30分混合した。続いて150℃に昇温し、3時間撹拌後、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
このシリコーンゴムベース90部に、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A3)45部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された平均重合度が200であるジメチル・メチルビニルポリシロキサン(A4、ビニル基量6.5×10-4mol/g)5部を加え、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン(B2、平均重合度100、Si−H基量5.5×10-3mol/g)を1.90部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム混合物を得た。
なお、この混合物において、Si−H基量と全(A)成分中の合計ビニル基量のモル比(Si−H基/ビニル基)は1.8である。
この混合物を、23℃下、HAAKE MARS−40を用いて低せん断速度0.9s-1で測定したせん断粘度η1、高せん断速度10s-1で測定したせん断粘度η2、及び、そのチキソトロピー比(=せん断粘度η1/せん断粘度η2)を表1に示した。
このシリコーンゴム混合物中に、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体のジメチルシロキサン溶液(Pt濃度1質量%)0.10部を混合してシリコーンゴム組成物とした。該組成物を120℃/15分のプレスキュアをして得られた硬化物をさらに200℃/4時間のポストキュアを実施した硬化物について、JIS K 6253−3:2012に基づき、デュロメータタイプAにおける硬さ、JIS K 6249:2003に基づき、圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、空気中、温度150℃、試験時間22時間)を測定した結果、JIS K 6249:2003に基づき、エチレングリコール50%水溶液中に浸漬下での圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、温度120℃、試験時間1,000時間)を測定した結果を表1に示した。
[比較例1]
実施例1記載の両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A1)60部、BET法による比表面積が110m2/gでありジメチルジクロロシラン処理されたヒュームドシリカ(C1)(日本アエロジル社製、アエロジルR972)30部、ヘキサメチルジシラザン3.0部、水2.0部を25℃で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
このシリコーンゴムベース90部に、実施例1記載の両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A2)50部を加え、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として実施例1記載の両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン(B1)を1.95部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.025部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム混合物を得た。
なお、この混合物において、Si−H基量と全(A)成分中の合計ビニル基量のモル比(Si−H基/ビニル基)は1.2である。
この混合物を、23℃下、HAAKE MARS−40を用いて低せん断速度0.9s-1で測定したせん断粘度η1、高せん断速度10s-1で測定したせん断粘度η2、及び、そのチキソトロピー比(=せん断粘度η1/せん断粘度η2)を表1に示した。
このシリコーンゴム混合物中に、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体のジメチルシロキサン溶液(Pt濃度1質量%)0.05部を混合してシリコーンゴム組成物とした。該組成物を120℃/15分のプレスキュアをして得られた硬化物について、JIS K 6253−3:2012に基づき、デュロメータタイプAにおける硬さ、JIS K 6249:2003に基づき、圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、空気中、温度150℃、試験時間22時間)を測定した結果、JIS K 6249:2003に基づき、エチレングリコール50%水溶液中に浸漬下での圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、温度120℃、試験時間1,000時間)を測定した結果を表1に示した。
[比較例2]
実施例1記載の両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A2)60部、BET法による比表面積が300m2/gであるヒュームドシリカ(C3)(日本アエロジル社製、アエロジル300)40部、ヘキサメチルジシラザン8部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン0.5部、水2.0部を25℃で30分混合後、160℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
このシリコーンゴムベース100部に、実施例1記載のジメチルポリシロキサン(A1)30部、実施例1記載のジメチルポリシロキサン(A2)40部を加え、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として実施例1記載の両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン(B1)を3.30部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.025部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム混合物を得た。
なお、この混合物において、Si−H基量と全(A)成分中の合計ビニル基量のモル比(Si−H基/ビニル基)は2.5である。
この混合物を、23℃下、HAAKE MARS−40を用いて低せん断速度0.9s-1で測定したせん断粘度η1、高せん断速度10s-1で測定したせん断粘度η2、及び、そのチキソトロピー比(=せん断粘度η1/せん断粘度η2)を表1に示した。
このシリコーンゴム混合物中に、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体のジメチルシロキサン溶液(Pt濃度1質量%)0.05部を混合してシリコーンゴム組成物とした。該組成物を120℃/15分のプレスキュアをして得られた硬化物について、JIS K 6253−3:2012に基づき、デュロメータタイプAにおける硬さ、JIS K 6249:2003に基づき、圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、空気中、温度150℃、試験時間22時間)を測定した結果、JIS K 6249:2003に基づき、エチレングリコール50%水溶液中に浸漬下での圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、温度120℃、試験時間1,000時間)を測定した結果を表1に示した。
[比較例3]
比較例2で得た硬化物をさらに200℃/4時間のポストキュアを実施した硬化物について、JIS K 6253−3:2012に基づき、デュロメータタイプAにおける硬さ、JIS K 6249:2003に基づき、圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、空気中、温度150℃、試験時間22時間)を測定した結果、JIS K 6249:2003に基づき、エチレングリコール50%水溶液中に浸漬下での圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、温度120℃、試験時間1000時間)を測定した結果を表1に示した。
[比較例4]
実施例1記載の両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A2)60部、BET法による比表面積が300m2/gであるヒュームドシリカ(C3)(日本アエロジル社製、アエロジル300)40部、ヘキサメチルジシラザン8部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン0.5部、水2.0部を25℃で30分混合後、160℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
このシリコーンゴムベース100部に、実施例1記載のジメチルポリシロキサン(A2)50部を加え、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として実施例1記載の両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン(B1)を1.12部、圧縮永久歪低減剤として1,2,3−ベンゾトリアゾール(東京化成工業製)0.005部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.025部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム混合物を得た。
なお、この混合物において、Si−H基量と全(A)成分中の合計ビニル基量のモル比(Si−H基/ビニル基)は1.5である。
この混合物を、23℃下、HAAKE MARS−40を用いて低せん断速度0.9s-1で測定したせん断粘度η1、高せん断速度10s-1で測定したせん断粘度η2、及び、そのチキソトロピー比(=せん断粘度η1/せん断粘度η2)を表1に示した。
このシリコーンゴム混合物中に、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン白金錯体のジメチルシロキサン溶液(Pt濃度1質量%)0.05部を混合してシリコーンゴム組成物とした。該組成物を120℃/15分のプレスキュアをして得られた硬化物について、JIS K 6253−3:2012に基づき、デュロメータタイプAにおける硬さ、JIS K 6249:2003に基づき、圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、空気中、温度150℃、試験時間22時間)を測定した結果、JIS K 6249:2003に基づき、エチレングリコール50%水溶液中に浸漬下での圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、温度120℃、試験時間1,000時間)を測定した結果を表1に示した。
[比較例5]
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A5、平均重合度2,000、ビニル基量1.3×10-5mol/g)60部、BET法による比表面積が110m2/gでありジメチルジクロロシラン処理されたヒュームドシリカ(C1)(日本アエロジル社製、アエロジルR972)30部、ヘキサメチルジシラザン3.0部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン0.2部、水2.0部を25℃で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。しかし、このシリコーンゴムベースは粘度が非常に高く、取り扱いが困難であったため、以後の検討を中止した。
Figure 0006848760

Claims (5)

  1. (A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、平均重合度が1,500以下であり、25℃で液状であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.2〜20質量部、
    (C)BET法による比表面積が50〜150m2/gであり、表面にアルケニル基含有シリル基を有するヒュームドシリカ:10〜40質量部、
    (D)付加反応触媒:(A)〜(C)成分の合計質量に対し、白金族金属(質量換算)として0.5〜1,000ppm
    を含有する付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材
  2. (C)成分が、表面にアルケニル基含有シリル基とアルキル基含有シリル基との両方を有するヒュームドシリカである請求項1記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材
  3. (C)成分が、ヒュームドシリカを下記一般式(I)
    Figure 0006848760
    (式中、R1は炭素数1〜3の1価炭化水素基であり、少なくとも1つのR1はアルケニル基であり、Xは−Cl、−OR2、又は−NR2 2、R2は炭素数1〜6の1価炭化水素基、nは1〜3の整数である。)
    及び下記一般式(II)
    Figure 0006848760
    (式中、R1は上記と同じであり、mは1〜6の整数である。)
    から選ばれる少なくとも1種のアルケニル基含有有機ケイ素化合物で表面処理したものである請求項1又は2記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材
  4. (A)、(B)、及び(C)成分を含有するシリコーンゴム混合物において、常温下、せん断速度0.9s-1の時のせん断粘度η1とせん断速度10s-1の時のせん断粘度η2の比(η1/η2)が2.0以下である請求項1〜3のいずれか1項記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材
  5. せん断粘度の比(η1/η2)が1.0〜1.8である請求項4記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材
JP2017152281A 2017-08-07 2017-08-07 冷却液用シール材 Active JP6848760B2 (ja)

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