JP6848760B2 - 冷却液用シール材 - Google Patents
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Description
〔1〕
(A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、平均重合度が1,500以下であり、25℃で液状であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.2〜20質量部、
(C)BET法による比表面積が50〜150m2/gであり、表面にアルケニル基含有シリル基を有するヒュームドシリカ:10〜40質量部、
(D)付加反応触媒:(A)〜(C)成分の合計質量に対し、白金族金属(質量換算)として触媒量
を含有する付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材。
〔2〕
(C)成分が、表面にアルケニル基含有シリル基とアルキル基含有シリル基との両方を有するヒュームドシリカである〔1〕記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材。
〔3〕
(C)成分が、ヒュームドシリカを下記一般式(I)
及び下記一般式(II)
から選ばれる少なくとも1種のアルケニル基含有有機ケイ素化合物で表面処理したものである〔1〕又は〔2〕記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材。
〔4〕
(A)、(B)、及び(C)成分を含有するシリコーンゴム混合物において、常温下、せん断速度0.9s-1の時のせん断粘度η1とせん断速度10s-1の時のせん断粘度η2の比(η1/η2)が2.0以下である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材。
〔5〕
せん断粘度の比(η1/η2)が1.0〜1.8である〔4〕記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材。
〔付加硬化性液状シリコーンゴム組成物〕
本発明の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物は、(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン、(B)オルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)アルケニル基含有シリル基で表面処理したヒュームドシリカ、及び(D)付加反応触媒を含有することを特徴とする。
(A)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン
(A)成分は、本発明の組成物の主剤(ベースポリマー)であり、1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、平均重合度が1,500以下であり、25℃で液状である(即ち、自己流動性のある)アルケニル基含有オルガノポリシロキサンである。好ましくは、該アルケニル基を分子鎖末端に含有する。このようなアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、このオルガノポリシロキサン((A)成分)のみからなる。
なお、アルケニル基の含有量は、オルガノポリシロキサン中、1.0×10-6〜3.0×10-3mol/g、特に1.0×10-5〜2.0×10-3mol/gとすることが好ましい。アルケニル基の量が1.0×10-6mol/gより少ないとゴム硬度が低すぎてゲル状になってしまうことがあり、また3.0×10-3mol/gより多いと架橋密度が高くなりすぎて、極端に硬度が高くなり、ゴムの弾性がなくなってしまうことがある。
なお、本発明におけるアルケニル基の含有量は、ハヌス法によって測定した前記アルケニル基含有オルガノポリシロキサンのヨウ素価から計算した値を指すものとする。
なお、本発明中で言及する平均重合度とは、数平均重合度のことを指し、下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした数平均重合度を指すこととする。
[測定条件]
展開溶媒:トルエン
流量:1mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:KF−805L×2(Shodex社製)
カラム温度:25℃
試料注入量:30μL(濃度0.2質量%のトルエン溶液)
(A)成分は、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
(B)成分は、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(Si−H基)を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、分子中のSi−H基が前記(A)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基とヒドロシリル化付加反応により架橋し、組成物を硬化させるための硬化剤として作用するものである。
また、bは0.7〜2.1、好ましくは0.8〜2.0であり、cは0.001〜1.0、好ましくは0.01〜1.0であり、b+cは0.8〜3.0、好ましくは1.0〜2.5を満足する正数であり、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、環状、分岐状、三次元網目状のいずれの構造であってもよい。なお、ケイ素原子に結合する水素原子は分子鎖末端、分子鎖の途中のいずれに位置していてもよく、両方に位置するものであってもよい。
(C)成分は、シリコーンゴムに十分なゴム強度を与えるために必須なものであり、BET法による比表面積が50〜150m2/g、好ましくは90〜150m2/gである表面にアルケニル基含有シリル基を有するヒュームドシリカ(以下、単に「シリカ」と記すことがある。)である。BET法による比表面積が、50m2/gより小さいと十分なゴム強度が得られず、150m2/gより大きいと冷却液中(特にエチレングリコール水溶液中)で著しい劣化が生じるおそれがある。
なお、アルケニル基含有シリル基を有するシリカは、市販されているものを用いてもよいし、後述する方法で(A)成分と混練して、シリコーンゴムベースを調製する際に、同時に表面処理を行ってもよい。
ここで、アルケニル基含有シリル基の例としては、ビニルジメチルシリル基、アリルジメチルシリル基などのアルケニルジアルキルシリル基、メチルジビニルシリル基、エチルジビニルシリル基などのジアルケニルアルキルシリル基、トリビニルシリル基などのトリアルケニルシリル基、メチルビニルシリル基、エチルビニルシリル基などのアルケニルアルキルシリル基、ジビニルシリル基などのジアルケニルシリル基、及びビニルシリル基などのアルケニルシリル基などが挙げられる。
ここで、アルキル基含有シリル基とは、前述のアルケニル基含有シリル基とは異なり、アルケニル基を有さず、かつアルキル基を有するシリル基を指す。その例としては、トリメチルシリル基、ブチルジメチルシリル基などのトリアルキルシリル基、ジメチルシリル基、メチルエチルシリル基などのジアルキルシリル基、メチルシリル基などのアルキルシリル基などが挙げられる。
アルケニル基含有シリル基とアルキル基含有シリル基との両方で表面修飾されたシリカは、事前にアルケニル基含有シリル基で表面修飾されたシリカにアルキル基を有する有機ケイ素化合物で表面処理してもよいし、アルケニル基含有有機ケイ素化合物とアルキル基含有有機ケイ素化合物とで同時に表面処理してもよい。また、市販のアルキル基含有シリル基で表面処理されたシリカにアルケニル基含有有機ケイ素化合物で表面処理してもよい。
有機ケイ素化合物によるシリカの表面処理法には、公知の技術を用いることができ、例えば、常圧で密閉された機械混練装置又は流動層に未処理のシリカ微粉末と上記有機ケイ素化合物とを入れ、必要に応じて不活性ガス存在下において、室温あるいは熱処理にて混合処理する。場合により、触媒を使用して処理を促進してもよい。混練後、乾燥することにより、処理シリカ微粉末を製造し得る。また、組成物を調製する際に、シリコーンオイル(即ち、(A)成分のオルガノポリシロキサン)との混練時に、これら有機ケイ素化合物を添加して、必要により少量の水の存在下に混合して、組成物中で表面処理することも可能である。
この場合、特に(A)成分の一部又は全部とヒュームドシリカとを室温(常温)あるいは加熱下、好ましくは30〜200℃で30〜600分間混合してシリコーンゴムベースを調製する際に、アルケニル基含有有機ケイ素化合物を添加し、上記成分と一緒に混合する事により、このアルケニル基含有有機ケイ素化合物でヒュームドシリカを表面処理して表面にアルケニル基含有シリル基を有するヒュームドシリカを得ることができる。なお、このときに配合するアルケニル基含有有機ケイ素化合物の量は、ヒュームドシリカの全量100質量部に対し、0.1〜10質量部、特に0.1〜5.0質量部であることが好ましい。
及び下記一般式(II)
から選ばれる少なくとも1種の有機ケイ素化合物が用いられる。
R1は、nが1の時は疎水性基であり、nが2又は3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。
Xは、加水分解性基であり、−Cl、−OR2、又は−NR2 2である。
R2は、炭素数1〜6の1価炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、及びビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基が挙げられる。
式(I)及び(II)の有機ケイ素化合物は、R1として、上記アルケニル基の他、アルキル基を必須成分として含むことができる。
式(I)及び(II)の有機ケイ素化合物は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
こうして、シリカ粒子表面に疎水性基が付与されることになるため、シリコーンゴム組成物中におけるシリカ粒子の凝集力が低下し(シラノール基を伴う水素結合による凝集が少なくなる)、その結果、シリカ粒子の分散性が向上する。これにより、シリカ粒子とゴムマトリクスとの界面が増加し、シリカ粒子の補強効果が増大する。さらに、シリカ粒子の疎水化度が向上する為、一般的に冷却液として用いられるエチレングリコール水溶液等がゴム内部に進入する事を防止し、これらの水溶液に対する耐性を高める事ができる。
組成物中のシリカ表面の水酸基量を直接定量する事は困難であるが、組成物のチキソトロピー性を評価する事で、処理の程度を推測する事ができる。チキソトロピー性は、次式(A)で示される常温下における高せん断速度時のせん断粘度η2に対する低せん断速度時のせん断粘度η1のせん断粘度の比(η1/η2)であるチキソトロピー比によって評価する事が可能である。
チキソトロピー比=せん断粘度η1/せん断粘度η2 ・・・(A)
せん断粘度は、常温下(通常20〜25℃、好ましくは22〜24℃)、通常0.1〜2.0s-1、好ましくは0.5〜1.5s-1の低せん断速度時にせん断粘度η1が測定され、また、通常5.0〜100s-1、好ましくは8.0〜20s-1の高せん断速度時にせん断粘度η2が測定される。
せん断粘度測定には、例えば、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製HAAKE MARS−40やHAAKE レオストレス6000等を用いて測定する事ができる。
本発明では、特に、(A)、(B)、及び、(C)成分を含有するシリコーンゴム混合物のチキソトロピー比(η1/η2)が、23℃下、低せん断速度を0.9s-1、高せん断速度を10s-1とした時、2.0以下であり、1.0〜2.0が好ましく、さらに1.0〜1.8がより好ましい。チキソトロピー比(η1/η2)が2.0より大きくなると、シリカの表面処理度が低くなり、エチレングリコール水溶液等への耐性がなくなってしまう。
(D)成分の付加反応触媒としては、白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテート等の白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒などが挙げられる。
付加反応触媒の配合量は、(A)〜(C)成分の合計質量に対し、白金族金属(質量換算)として0.5〜1,000ppmであり、好ましくは1〜500ppmである。
本発明の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物に、発明の効果を損なわない限り、その他の成分として、必要に応じて、沈降シリカ、石英粉、珪藻土、炭酸カルシウムのような充填剤や、カーボンブラック、導電性亜鉛華、金属粉等の導電剤、窒素含有化合物やアセチレン化合物、リン化合物、ニトリル化合物、カルボキシレート、錫化合物、水銀化合物、硫黄化合物等のヒドロシリル化反応制御剤、酸化鉄、酸化セリウムのような耐熱剤、ジメチルシリコーンオイル等の内部離型剤、接着性付与剤(特には、分子中にアルケニル基、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリロキシ基、メルカプト基等から選ばれる少なくとも1種の官能性基を含有すると共に、分子中にSi−H基を含有しないアルコキシシラン等の有機ケイ素化合物など)、及びチクソ性付与剤等を配合することは任意である。
付加硬化性シリコーンゴム組成物の成形・硬化方法としては、常法を採用し得るが、成形法として射出成形、トランスファー成形、注入成形、圧縮成形等から目的にあった最適な手段を選択することが可能である。硬化条件としては、40〜230℃で3秒〜160分間程度の加熱処理(一次加硫)条件を採用し得る。また、必要に応じて任意に40〜230℃で10分〜24時間程度の二次加硫(ポストキュア)を行ってもよい。
付加硬化性シリコーンゴム組成物を硬化して得られる硬化物(シリコーンゴム)は、JIS K 6249:2003に基づき、硬化物を圧縮率25%で圧縮した状態(保持具を含む)でエチレングリコール50%水溶液(冷却液模擬液)中に浸漬し、120℃、1,000時間経過前後の圧縮永久歪を測定した際、圧縮永久歪が50%以下、特に40%以下、とりわけ35%以下となる。上記試験において、圧縮永久歪が50%以下であると、冷却液に常時触れるO−リングやパッキンの材料として好ましい。なお、上記圧縮永久歪を達成するためには、充填剤であるフュームドシリカがアルケニル基を有する有機ケイ素化合物、及び、アルキル基含有ケイ素化合物により処理され、さらにBET比表面積が50〜150m2/gである(C)成分を使用する事により達成できる。
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が220であるジメチルポリシロキサン(A1、ビニル基量1.2×10-4mol/g)60部、BET法による比表面積が110m2/gでありジメチルジクロロシラン処理されたヒュームドシリカ(C1)(日本アエロジル社製、アエロジルR972)30部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン0.2部、水2.0部を25℃で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
このシリコーンゴムベース90部に、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が750であるジメチルポリシロキサン(A2、ビニル基量3.8×10-5mol/g)50部を加え、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖され側鎖にSi−H基を平均5個有するメチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン(B1、平均重合度18、Si−H基量5.6×10-3mol/g)を1.95部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.025部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム混合物を得た。
なお、この混合物において、Si−H基量と全(A)成分中の合計ビニル基量のモル比(Si−H基/ビニル基)は1.2である。
この混合物を、23℃下、HAAKE MARS−40を用いて低せん断速度0.9s-1で測定したせん断粘度η1、高せん断速度10s-1で測定したせん断粘度η2、及び、そのチキソトロピー比(=せん断粘度η1/せん断粘度η2)を表1に示した。
実施例1記載の両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A1)60部、BET法による比表面積が110m2/gでありジメチルジクロロシラン処理されたヒュームドシリカ(C1)(日本アエロジル社製、アエロジルR972)30部、ヘキサメチルジシラザン3.0部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン0.2部、水2.0部を25℃で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
このシリコーンゴムベース90部に、実施例1記載の両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A2)50部を加え、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として実施例1記載の両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン(B1)を1.95部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.025部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム混合物を得た。
なお、この混合物において、Si−H基量と全(A)成分中の合計ビニル基量のモル比(Si−H基/ビニル基)は1.2である。
この混合物を、23℃下、HAAKE MARS−40を用いて低せん断速度0.9s-1で測定したせん断粘度η1、高せん断速度10s-1で測定したせん断粘度η2、及び、そのチキソトロピー比(=せん断粘度η1/せん断粘度η2)を表1に示した。
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖された平均重合度が1,100であるジメチルポリシロキサン(A3、ビニル基量2.5×10-5mol/g)60部、BET法による比表面積が50m2/gであるヒュームドシリカ(C2)(日本アエロジル社製、アエロジル50)30部、ヘキサメチルジシラザン1.0部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン0.2部、水1.0部を25℃で30分混合後、さらにヘキサメチルジシラザン1.0部を加え、25℃で30分混合した。続いて150℃に昇温し、3時間撹拌後、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
このシリコーンゴムベース90部に、両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A3)45部、両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖された平均重合度が200であるジメチル・メチルビニルポリシロキサン(A4、ビニル基量6.5×10-4mol/g)5部を加え、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン(B2、平均重合度100、Si−H基量5.5×10-3mol/g)を1.90部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.05部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム混合物を得た。
なお、この混合物において、Si−H基量と全(A)成分中の合計ビニル基量のモル比(Si−H基/ビニル基)は1.8である。
この混合物を、23℃下、HAAKE MARS−40を用いて低せん断速度0.9s-1で測定したせん断粘度η1、高せん断速度10s-1で測定したせん断粘度η2、及び、そのチキソトロピー比(=せん断粘度η1/せん断粘度η2)を表1に示した。
実施例1記載の両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A1)60部、BET法による比表面積が110m2/gでありジメチルジクロロシラン処理されたヒュームドシリカ(C1)(日本アエロジル社製、アエロジルR972)30部、ヘキサメチルジシラザン3.0部、水2.0部を25℃で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
このシリコーンゴムベース90部に、実施例1記載の両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A2)50部を加え、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として実施例1記載の両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン(B1)を1.95部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.025部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム混合物を得た。
なお、この混合物において、Si−H基量と全(A)成分中の合計ビニル基量のモル比(Si−H基/ビニル基)は1.2である。
この混合物を、23℃下、HAAKE MARS−40を用いて低せん断速度0.9s-1で測定したせん断粘度η1、高せん断速度10s-1で測定したせん断粘度η2、及び、そのチキソトロピー比(=せん断粘度η1/せん断粘度η2)を表1に示した。
実施例1記載の両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A2)60部、BET法による比表面積が300m2/gであるヒュームドシリカ(C3)(日本アエロジル社製、アエロジル300)40部、ヘキサメチルジシラザン8部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン0.5部、水2.0部を25℃で30分混合後、160℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
このシリコーンゴムベース100部に、実施例1記載のジメチルポリシロキサン(A1)30部、実施例1記載のジメチルポリシロキサン(A2)40部を加え、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として実施例1記載の両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン(B1)を3.30部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.025部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム混合物を得た。
なお、この混合物において、Si−H基量と全(A)成分中の合計ビニル基量のモル比(Si−H基/ビニル基)は2.5である。
この混合物を、23℃下、HAAKE MARS−40を用いて低せん断速度0.9s-1で測定したせん断粘度η1、高せん断速度10s-1で測定したせん断粘度η2、及び、そのチキソトロピー比(=せん断粘度η1/せん断粘度η2)を表1に示した。
比較例2で得た硬化物をさらに200℃/4時間のポストキュアを実施した硬化物について、JIS K 6253−3:2012に基づき、デュロメータタイプAにおける硬さ、JIS K 6249:2003に基づき、圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、空気中、温度150℃、試験時間22時間)を測定した結果、JIS K 6249:2003に基づき、エチレングリコール50%水溶液中に浸漬下での圧縮永久歪(試験片29mmφ×12.5mm、圧縮率25%、温度120℃、試験時間1000時間)を測定した結果を表1に示した。
実施例1記載の両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A2)60部、BET法による比表面積が300m2/gであるヒュームドシリカ(C3)(日本アエロジル社製、アエロジル300)40部、ヘキサメチルジシラザン8部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン0.5部、水2.0部を25℃で30分混合後、160℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。
このシリコーンゴムベース100部に、実施例1記載のジメチルポリシロキサン(A2)50部を加え、30分撹拌を続けた後、更に架橋剤として実施例1記載の両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたメチルハイドロジェン・ジメチルポリシロキサン(B1)を1.12部、圧縮永久歪低減剤として1,2,3−ベンゾトリアゾール(東京化成工業製)0.005部、反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール0.025部を添加し、15分撹拌を続けて、シリコーンゴム混合物を得た。
なお、この混合物において、Si−H基量と全(A)成分中の合計ビニル基量のモル比(Si−H基/ビニル基)は1.5である。
この混合物を、23℃下、HAAKE MARS−40を用いて低せん断速度0.9s-1で測定したせん断粘度η1、高せん断速度10s-1で測定したせん断粘度η2、及び、そのチキソトロピー比(=せん断粘度η1/せん断粘度η2)を表1に示した。
両末端がジメチルビニルシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサン(A5、平均重合度2,000、ビニル基量1.3×10-5mol/g)60部、BET法による比表面積が110m2/gでありジメチルジクロロシラン処理されたヒュームドシリカ(C1)(日本アエロジル社製、アエロジルR972)30部、ヘキサメチルジシラザン3.0部、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン0.2部、水2.0部を25℃で30分混合後、150℃に昇温し、3時間撹拌を続け、冷却し、シリコーンゴムベースを得た。しかし、このシリコーンゴムベースは粘度が非常に高く、取り扱いが困難であったため、以後の検討を中止した。
Claims (5)
- (A)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、平均重合度が1,500以下であり、25℃で液状であるアルケニル基含有オルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン:0.2〜20質量部、
(C)BET法による比表面積が50〜150m2/gであり、表面にアルケニル基含有シリル基を有するヒュームドシリカ:10〜40質量部、
(D)付加反応触媒:(A)〜(C)成分の合計質量に対し、白金族金属(質量換算)として0.5〜1,000ppm
を含有する付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材。 - (C)成分が、表面にアルケニル基含有シリル基とアルキル基含有シリル基との両方を有するヒュームドシリカである請求項1記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材。
- (A)、(B)、及び(C)成分を含有するシリコーンゴム混合物において、常温下、せん断速度0.9s-1の時のせん断粘度η1とせん断速度10s-1の時のせん断粘度η2の比(η1/η2)が2.0以下である請求項1〜3のいずれか1項記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材。
- せん断粘度の比(η1/η2)が1.0〜1.8である請求項4記載の付加硬化性液状シリコーンゴム組成物の硬化物からなる冷却液用シール材。
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